/

Search

/

Search

キーワード検索

検索

Agustín Comotto著『155』の表紙

囚人155号

155

アグスティン‧コモット

Agustín Comotto

Nórdica Libros

ブエノスアイレス-ウシュアイアの飛行機に乗りこむ寸前、僕は遅延時間、溢れる観光客、飛び交う様々な言語について考える。待たされた鬱憤、研究のため大陸の果てに向かって飛ぶことへの不安について考える。そんなとき急に、どうしようもなくシモン・ラドヴィツキーのことが浮かんでしまう。彼は蒸気貨物船の船底で、他の惨めな境遇の男たちに交じって、埃と煙の中、鎖と鉄の棒を脚につけられて旅をした。暗闇の中の25日の船旅について僕は思いをはせる。汗、吹き出すアドレナリン、垢、ウシュアイアの刑務所に着くまでの悲惨な待ち時間。シモン・ラドヴィツキーは、檻の中に閉じ込められて21年間を過ごした。人は理想のためにどれだけ持ちこたえられるだろう? 彼を不屈の男にしているものは何なのか? シモン・ラドヴィツキーは、正義のために闘い、また普通の男に戻るために伝説の限界を超えた稀有で異例の存在だ。

Juan Vilà著『1980』の表紙

1980

1980

フアン‧ビラ

Juan Vilà

Editorial Anagrama

本書『1980』はすべての家族に当てはまる物語だ。少なくともほぼすべての家族に。つまり欠陥のある家族。ごく一般的な家族ともいう。そこには性的虐待もなければ暴力もない。いるのは強い、たぶん強すぎる女たちと、死んでいるかあるいは生死不明の男たち。70年代の終わりのマドリードに、マリア・ヒメネスの歌を聞き、国民党創設者のマヌエル・フラガを押しのける可能性をもてあそぶ進歩的な母親がいた。突然、未亡人になって自由を手に入れるが、彼女には育てなければならない子どもが3人もいる。そこにもうひとり登場するのが、その子どもたちの世話をする残忍な祖母。わずか16歳だった自分のきょうだいを屍衣で包んだ経験をいつも自慢する。そして上品な金持ちのカタルーニャ人。1980年の午後や夜が暗い影や秘密を抱えて現れると、みんなの人生が変わっていく。語り手である臆病で怒りを抱えた少年の人生は、独特な形で変化する。わたしたちが子ども時代に感じた、人生の重苦しさや家族についての回顧録。

癒やしの棒針編み‧かぎ針編み作品30点

30 proyectos de punto y crochet para tejer con calma

アナベル‧ガルシア‧プラタ

Anabel García Plata

The Sewing Box Company

簡単に短時間でできる作品を編みながら癒やしの時間を。棒針編み・かぎ針編みで女性用、子供用の衣服・服飾雑貨を作れる編み図30点以上を収めた書籍限定版。女性用オーバーサイズ。子供服は6カ月~2歳まで。内容ハッシュタグ #30pcalma 1. 理想の作品に加え、新進気鋭のデザイナーも見つかる。 2. 初心者、中級者、上級者まであらゆるレベルの編み図を収録。 3. 30点以上の作品はオールカラー写真で図解付き。 4. 一流手芸店から選び抜いた作品。 5. 書籍限定。デジタル特典付き。

3月32日

32 de març

シャビエル‧ボッシュ

Xavier Bosch

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

国際著作権のエージェントであるバルバラは、仕事で行き詰まり、パリに逃げた。落ち着き先は、特別なつながりのある祖母マルゴーの家。大雪の降った2008年のある朝、バルバラは祖母の家の赤いソファーで眠る、見知らぬ若者と出会う。人を一度も撮ったことがないという謎めいたカメラマンの彼は、バルバラが思いがけない調べ物をするのに手を貸すこととなる。ふたりは、第二次世界大戦中のドイツによる占領を生き延びた女性、祖母マルゴーの秘密を洗いだしていく。恐怖と美しさの間の戦いをめぐる小説。

Guzmán Lopez Bayarri著『32 maneras de saber que estás muerto』の表紙

自分が死んだと分かる32の方法

32 maneras de saber que estás muerto

グスマン‧ロペス=バヤリ

Guzmán Lopez Bayarri

Editorial Kolima

この本は、生きながら死んでいる者について語っている。そういう人間はごまんといる。冒険しない、意思決定をしないし、リスクを負わない、賭けをしない、自分なりの基準もなければ、目標もわかっていない人たち。まさに生けるゾンビだ。皮肉っぽい文章で綴られた本書であなたは、いわば人生の質のバロメーターを見つけるだろう。あなた自身を確認し、自分を意識するためのツールだ。「人生を無駄にしないよう知性で鞭打ち、元気をくれる本」

J. M. Calero著『3327 : yo soy la luz del mundo』の表紙

3327.わたしは世界の光

3327 : yo soy la luz del mundo

J. M. カレロ

J. M. Calero

Kvite Servicios Editoriales, S.L.

わたしたちは手で電球をともせるだろうか? そして触るだけで携帯電話を充電することは? 1世紀以上も前、ある並はずれた人物が、どうやったらそれが実現できるかを発見した。だがその大胆なヴィジョンは、我々の社会システムをいくらも変えなかった。21世紀真っただ中に書かれたこの小説は、ひとりの天才の人物像を下敷きにしたフィクションだ。彼は実在の人物だが、その歴史は意図的に隠されてきた。ここで語られる出来事は、実際には起こらなかったかもしれない……。あるいは現在、わたしたちが知らないうちに、起きつつあるかもしれない。本書の登場人物は、知らず知らずのうちにわたしたちの現在と未来を変えるかもしれない出来事の一部だ。愛、嫉妬、裏切り、友情、賞賛、死……。すべてをかけた人間の本質が描かれる。

Sergio Álvarez著『35 muertos』の表紙

死者35人

35 muertos

セルジオ‧アルバレス

Sergio Álvarez

Guillermo Schavelzon & Asoc. Agencia Literaria

歴史小説、冒険小説、私小説、スリラー、それにロマンス小説の要素まで盛りこんで書かれた35Muertos(死者35人)は、ある敗残者を襲った不幸の数々と、かつて彼を見知っていた何十人もの人々の物語を通じて、ここ40年間のコロンビアを描きだす。闘争に敗れた革命家、マチスモを標榜するゲリラたち、怒りに駆られて徒党を組む者、ボレロの得意な民兵たち、愛人に裏切られた麻薬の売人、極寒の地をめざした亡命者、行方不明者、お祭り騒ぎに明け暮れる恵まれた人々に至るまで、さまざまな人間がうごめくこの小説は、どのページも活力と悲劇がたぎり、それらがつねに絡みあってコロンビアの残虐な歴史を紡いでいく。めくるめく語り口に彩られたこの小説は、間違いなく新しいラテンアメリカ文学を代表する一作となるだろう。

色で気分が盛り上がるDIY 50作品

50 proyectos DIY para emocionarte con el color

アナベル‧ガルシア‧プラタ

Anabel García Plata

The Sewing Box Company

本書『色で気分が盛り上がるDIY 50作品』は、棒針編み、かぎ針編み、マクラメ編みの編み図を収めたDIY30作品と50作品の続編となる書籍限定版。今回紹介したいのは、さまざまな色調を通した人生の見え方である。色は気分を盛り上げてくれる。そして、落ち着き、喜び、安らぎをもたらしてくれる。話題の中心となり、独自の言葉となるような衣類・服飾雑貨の作り方ガイド。棒針編み、かぎ針編み、編みぐるみ、マクラメ編みの選りすぐりの編み図がついた50以上の作品を収録。ショール、セーター、カーディガン、ハーフトップ、ハンドバッグ、毛布、タペストリー、室内飾りなど、手芸の世界で特に多く作られており、一年を通して楽しめる作品ばかり。5つの章の中から自分の個性に合ったスタイル、色、感覚を見つけよう。

Alex Nogués著『7 hombres con bombín』の表紙

山高帽の7人男

7 hombres con bombín

アレックス‧ノゲス

Alex Nogués

Libros del Imaginario, S.L.

「わたしの街に、山高帽の7人男がいた。7人はいつもいっしょに散歩していた。まじめでしゃっちょこばっていて、黒い服を着て口ひげはくるんとカールしている。ある日風が吹いてきて、山高帽がひとつ、はるか遠くへ飛んでいった。帽子をさがす7人の前に、知らない世界が開け……」考え、笑い、また考えさせられる物語。ときどきわたしたちは知らない世界に行って、まわりの小さなこと、ふだんは気にとめないけれども、日々必要なささいなことを、もっと大切にすることを学ぶべきなのだろう。アレックス・ノゲスの文章とシルビア・カベスタニーの絵が、しゃっちょこばっていつも黒い服を着ている、くるんとしたひげの7人の男たちの日々へとわたしたちをいざなう。

Ángela Cuéllar著『7 vidas』の表紙

7つの命

7 vidas

アンヘラ‧クエリャル

Ángela Cuéllar

Dibbuks

『7つの命』はある猫の物語。「猫には7つの命がある」ということわざのとおり、この猫も7つの命を持つが、ほかの猫と違っている。なぜって、7つの命を生きるあいだに、それぞれ語るべき物語を持つ7人の飼い主に出会うからだ。そして肝心なのは、その出会いから何かを教えてくれる。目撃した出来事や状況の本質を理解できない動物だからこそのくもりのない目で、人間のよいところ、悪いところを浮き彫りにする。たった一度の人生では必ずしも充分とはいえないことを教えてくれるのだ。オールカラーのグラフィックノベル。

Violeta Monreal Díaz著『80 valores y virtude que te gustará conocer』の表紙

知っておきたい80の価値と美徳

80 valores y virtudes que te gustará conocer

ビオレタ‧モンレアル‧ディアス

Violeta Monreal Díaz

San Pablo Comunicación SSP

ことわざや物語を集めた絵本。本書を通して子どもたちは、生きるために役に立つ80の価値と美徳に気づくことができる。目標を達成するための(強さ、根気など)、自分の心に正直になるための(高潔さ、誠実さなど)、成功するための(賢明さなど)、自分が手にしているものをもっと楽しむための(控えめさ、簡素さなど)、社会で生きるための(辛抱強さ、寛大さなど)、失敗を恐れないための(知識、創造性など)、いい友だちを持つための(人間性、気前のよさなど)、もっと幸せになるための(楽天主義、慈悲など)、他人から受け入れられ、優しくされるための(感謝など)など。

Paula Bonet著『813 Truffaut』の表紙

813 トリュフォー

813 Truffaut

パウラ‧ボネ

Paula Bonet

Bridge (La Galera)

パウラ・ボネは国際的に最も広く知られ、名声を博しているイラストレーターのひとり。本書では彼女なりの視点でとらえたフランソワ・トリュフォーを表現している。ヌーベルバーグを代表するフランスの映画監督であるトリュフォーは魅力的な人物で、深い人間性を備えていた。トリュフォーの熱狂的なファンであるパウラ・ボネは、彼の映画作品を繰り返し見、パリを訪れて街の空気や音や光に包まれ、その経験を全て自分のノートに記録した。嘘偽りのないありのままのノート。ひとりのアーティストが、もうひとりのアーティストに迫る。

Sonia Pasamar著『99 mentiras』の表紙

99の嘘

99 mentiras

ソニア‧パサマル

Sonia Pasamar

Ediciones Cydonia

冷たい雨の降る午後、ブレンダの人生はがらりと変わった。日常から一歩踏み出しただけのところにそんな運命の急変が待ち受けているとは、以前の彼女なら想像もできなかっただろう。ある上品な人物との出会いがきっかけで加速度的に嘘の数が増え、彼女の生活は根本から変わってしまった。彼女の仕事、そして科学への情熱によって、地球上の生命の存続期間をのばせるだろう。だが愛と憎しみ、復讐が混ざり合った感情のカクテルには、スパイ活動、秘密諜報員、細菌戦争、冷酷な殺人、入り組んだ陰謀といった様々な要素が溶け込んでいて、ブレンダはそこから容易に逃れることができない。カナダと英国を舞台に、壮絶なストーリーが展開する。

時はどこへ行ったの?

¿A dónde se fue el tiempo?

クリスティナ‧エスポシト‧エスカロナ

Cristina Expósito Escalona

La Maleta Ediciones

時間は早く過ぎ去ることもあれば、ゆっくり流れることもある。時間は経験したり分かち合ったりした瞬間へと変化し、私たちの心になごりを残していく。老いの視点から、あるおばあさんが時間の生成について考える。なぜなら時間は昨日であり今日、明日だからだ。だけど、流れた時間はどこに行くの?

Bàrbara Castro Urío著『¡A dormir, gatitos!』の表紙

子猫たち、さあ寝ましょう!

¡A dormir, gatitos!

バルバラ‧カストロ‧ウリオ

Bàrbara Castro Urío

Zahorí Books

寝る前の読み聞かせは親子のより良い絆を作る。色とりどりの子猫たちと共に過ごしながら子供を眠りに誘うための本。

Laura Freixas著『A mí no me iba a pasar』の表紙

わたしには起こらないはずだった

A mí no me iba a pasar

ラウラ‧フレイシャス

Laura Freixas

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

スペイン・フェミニズムを代表する存在のひとりが、ジェンダーという観点から自身の人生を考察する。ひとりの知的で聡明で才能ある女性が、夫の陰に隠れて自由も少なく、同意できない決定に従い、子育てに専念するために仕事での成功をあきらめなければならないという人生が、どのようにして起こるのかを詳細に語る自叙伝。起こらないと思っていたことはすべて起こる。それを著者は赤裸々に語る。社会的な場面だけでなく、他人が見たり言ったりすること、率直で皮肉な話の中に、社会階級を超えたところにある結婚や母性の物語に付随する感情の詳細な記録が含まれている。不信、無力感、欲求不満、苦悩、罪悪感、怒りは、何世紀にもわたって女性が抱えてきた感情であり、これまで充分に語られたことがなかった。

カメの歩みで(のろのろと)

A paso de tortuga

ボニファス‧オフォゴ

Boniface Ofogo

Kalandraka Editora

アフリカに伝わる寓話。主人公である、世界で最も長生きで賢く、辛抱強い生き物が、いかにしてあらゆる動物を救ったかを描く。敏捷で抜け目ないウサギも、大きく威圧的なゾウも、サイも、チンパンジーも……、だれも伝えられなかった生き延びる方法を、ボアは知っていた。西洋の文化で危険や残酷さ、死を連想させる生き物だ。アフリカの伝承をもとにしたこの物語は、偏見を打ち崩すだけではなく、生物種間の均衡と調和を壊しながら、地球に住むほかの生き物たちに対して我々人類がはるか昔から握ってきた覇権に焦点を当てている。対話体をベースにした軽快なリズムの文体、プロットの巧みさ、行動の反復が、元になった口承伝説を想起させる物語。

描こう!色鉛筆画

¡A pintar! Con lápices de colores

アマンダ‧ガルシア‧オロスコ

Amanda García Orozco

MTM Editores (Metafísica del Tercer Milenio Editores, S.L.)

色鉛筆ってあんまり役に立たない。色鉛筆だとなかなかうまく描けない。そんな印象を持っていないだろうか? そんなイメージを覆そうとしたのがこの本だ。色鉛筆は誰でも使えるテクニックで、複雑な素晴らしい絵も描くことができる。この本を読めば、色鉛筆を使いこなすために必要な情報がすべて見つかるだろう。というより、試しに描かずにはいられなくなるだろう。まずはとにかく描いてみよう!

Emilio Ortíz著『A través de mis pequeños ojos』の表紙

僕の小さな目で

A través de mis pequeños ojos

エミリオ・オルティス

Emilio Ortiz

Duomo Ediciones / Antonio Vallardi Editore S.R.L

SNSで話題になりベストセラーになった小説。事実に基づくストーリーが読者を魅了する。盲導犬の目を通して語られた友情と恋愛、克服のゆかいな物語。クロスは陽気で腕白な盲導犬。マリオは人生の道を切り開こうとしている目の不自由な若者。ひとりと1匹は強い絆で結ばれたチームだ。本書『僕の小さな目で』は、クロスが人間世界で引き起こす波乱に満ちたゆかいな出来事を語った感動的な小説だ。作者のオルティスもクロスと同じくらい腕白なスポックと言う盲導犬を持ち、本作で自身がよく知る現実を語っている。

Ana Sarrias著『A veces mamá dice...』の表紙

ときどきママが言うんだ

A veces mamá dice...

アナ‧サリアス

Ana Sarrias

Grupo Editorial Bruño

ときどきママの言うことは、子どもには理解できないことだ。たとえば、ママにとっては、部屋が散らかっているのや、水の中にあまり長くもぐっていることや、それにはだしで歩くことだってよくないことだ。だけど、主人公はママのようには考えない。それらはすべてワクワクする小さな冒険なのだ。でも、1日の終わりになると、ママはいつも、お互いが同じように理解できる、満月のお月さまのように大きくてすてきなことを言う。

ときどき自分が小さく思える

A voltes em sent menuda

バネサ‧マルティネス

Vanesa Martínez

Edicions Bromera S.L.U.

しばしば私たちは、自分をちっぽけな存在だと感じるが、周囲の人々に視線を向ければ、自分は大きく、とても大きくなれるということに気づく。ほんの些細な行為が重要で、大きな行動のきっかけとなる。私たち一人ひとりが、個性を際立たせることができるのだ。ひとりの女の子の目を通して見ると、世界はとても大きくて、私たちを感動させ、変化させてくれるんだということがとてもよくわかる。自分がちっぽけであるという感覚、恐れや混乱に対する、自身の潜在能力を発見することについて語る本。他者を観察し、人生をよりよくするために皆が何かをもたらすことができるということを認識すれば、発見が生まれる。

Beatriz Taboada著『A voltes la mare té trons al cap』の表紙

ときどき、ママの頭でカミナリが鳴るの

A voltes la mare té trons al cap

ベアトリス‧タボアダ

Beatriz Taboada

Edicions Bromera S.L.U.

ときどき、ママの頭でカミナリが鳴るの。するとママは歯をくいしばり、キンキン声で話しだす。ときどき、頭に雲がかかると、ママがお昼ごはんのしたくを忘れるので、あたしたちはおたんじょうび会にちこくする。頭に虹がかかると、ママは車のなかで歌い、あたしにたくさんキスをする。あたしの頭のなかでも、カミナリが鳴ったり、雲や虹がかかったりするのかな? 感情の働きをわかりやすく表現し、その動きを楽しめばいいのだと教える物語。

Daniel Piqueras Fisk著『A vuelo de pájaro』の表紙

鳥の目線で

A vuelo de pájaro

ダニエル・ピケラス=フィスク

Daniel Piqueras Fisk

Pujol & Amado Agent sl (Tramuntana editorial)

自然って、なんて素晴らしいんだろう! ぼくは勇敢なタイプじゃないけれど、どこからともなく、それまで知らなかった「守りたい」という衝動がめばえたんだ。さあぼくたちと一緒に、空、谷、海、山を巡る世界旅行に出かけよう。見えなくなった鳥の群れを探しに!

Susanna Isern著『Abecemociones』の表紙

気持ちのABC

Abecemociones

スザンナ‧イセルン

Susanna Isern

Grupo Editorial Bruño

動物を主人公とするこのにぎやかな絵本を見れば、子どもはアルファベットの文字と同時に、Aの「喜び」(alegría)からZの「内気」(timidez)まで、恐怖心や恥ずかしさなども含む自分のすべての気持ちを発見するだろう。また、さまざまな気持ちを認識するだけでなく、それぞれに名前をつけ、理解し、ポジティブにつきあうことを学んでいける。

Pilar Lozano Carbayo著『Abeceoficios』の表紙

仕事のABC

Abeceoficios

ピラール‧ロサノ‧カルバヨ

Pilar Lozano Carbayo

Grupo Editorial Bruño

arquitecto(建築家)のAからcocinero (コックさん)のC、doctora (お医者さん)のD、ingeniera (エンジニア)のIを通ってzapatero(靴屋)のZまで、仕事の名前をずらりと並べたカラフルなアルファベットの本。愉快な詩と、優しいタッチでユーモラスに、だけど正確に描写したイラストで、それぞれの仕事を紹介していく。 《靴屋さんでも宇宙飛行士でも、獣医さんでも彫刻家でもいい、幸せ、ぼくは幸せになりたい!》

アブラカダブラ、読み方を覚えるの魔法学校 1.このパーティは……くさい!

Abracadabra, Cole de Magia para apre nder a leer, 1. Esta fiesta... ¡apesta!

バルバラ‧フェルナンデス

Bárbara Fernández

Grupo Editorial Bruño

とんだ大騒ぎ! 魔法学校はお祝いムード。ドラゴンのシモンの誕生日で、超絶大パーティの準備中なのだ。でもケーキを焼いてる魔女のブルブハが大問題を起こしちゃった!!! ユーモアとすてきな驚きがたっぷり詰まった『Abracadabra, Cole de Magia(アブラカダブラ、魔法学校)』シリーズで、子どもたちは簡単な方法で愉快に本を読めるようになる。

Lucrecia Zappi著『Acre』の表紙

アクレ

Acre

ルクレシア‧サッピ

Lucrecia Zappi

Editorial La Huerta Grande

マルセラとオスカルは、サンパウロの中心街で典型的な中流階級の暮らしをしている。アパートの寄せ木細工の床を修理したばかりで、隣近所の集まりに足しげく出かけ、夜はテレビを見て過ごす。彼らが暮らすビル内にネルソンがいわくありげに出現し、ふたりの当たり障りのない暮らしが乱されることになる。ネルソンは影のある男で、ふたりは若い頃、1980年代にサントスのサーフィンビーチでネルソンと知り合い、マルセラは彼と出奔したのだった。

Andrés Barba著『Agosto, octubre』の表紙

8月、10月

Agosto, octubre

アンドレス‧バルバ

Andrés Barba

Editorial Anagrama

いつも夏を過ごす小さな村へトマスが家族と一緒に行ったとき、青年期特有の彼の緊張感は後戻りできないところに達していた。突然、ひとつながりになってさまざまなことが起こる。性と暴力への目覚め、死、違反… トマスは知性が行動におきざりにされてしまっているのを閃光のように悟るが、勢いにさからえず、とうとう自分で自分を許せない行為をするにいたる。そしてその時、自分を裁き、許してくれる唯一の人の前に座らなければならないと感じるのだった。 暴力的でどっちつかずで無防備な若い年代を巧みに描いた、価値ある小説である。

Manuel Marsol著『Ahab y la ballena blanca』の表紙

エイハブと白鯨

Ahab y la ballena blanca

マヌエル‧マルソル

Manuel Marsol

Editorial Luis Vives (Edelvives)

エイハブ船長は、執念の対象であった白鯨を探しに出発する。鯨を求めて7つの海を渡るが、なんの手がかりも得られない。冒険の途中で彼を待ち受けるのは、氷山やクラゲの大群、沈没船、食人種の洞窟……、だが敵の痕跡はない。疲れ果てた船長は、家に帰ってのんびり暮らそうと決意するが、鯨が見つかるのはきっと、そんなときなのだ。どの絵にも必ず鯨がいるのが読者にはわかるが、執念に取りつかれたエイハブ船長の目には入らない。ハーマン・メルヴィルの名作に捧げたオマージュである本書は、人生の意味探しについての巧妙なメタファーでもある。

Mario Alonso Puig著『Ahora Yo』の表紙

ハーバード流 自分の限界を超える思考法

AHORA YO: ¿Y si creas tu propio futuro en lugar de encontrártelo?

マリオ・アロンソ・プッチ

Mario Alonso Puig

Plataforma Editorial

人生が私たちに試練を与えるとき、誰もが心の奥に秘めている無限の可能性を目覚めさせ、開花させることが必要になります。 医学、心理学、そして哲学の研究は、複雑で不確実な世界の中にあっても、充実した人生へと導く道筋を描く手助けをしてくれます。 この成長と進化の道のりを歩む「巡礼者」となることで、私たちはより広大な現実に目覚めていきます。それは、何をするかではなく、むしろ自分が何者であるかによって定義される現実なのです。

Toni Terrades著『Això és Barcelona』の表紙

これがバルセロナ

Això és Barcelona

トニ‧テラデス

Toni Terrades

GRUP 62, S.L.U.

バルセロナが単なるカタルーニャの州都ではなくなってから、もうずいぶんたつ。地中海の中軸であり、世界で最も多くの人が訪れる街のひとつである。この奇跡の街が、世界中の人の目に天国と映るのはなぜだろう。ほかの街とどこが違うのか。どんな人々が住んでいるのか。チェックしよう。これがバルセロナだ!

Jesús Bengoechea著『Alada y riente』の表紙

軽やかに陽気に

Alada y riente

ヘスス‧ベンゴエチェア

Jesús Bengoechea

Armaenia Editorial

作家アーサー・コナン=ドイルが、その主要作品に見られる分析精神と相反する、風変わりな妖精信仰を持つに至った動機とは何だったのだろう? ティンカーベルがネバーランドから容赦なく追放されたとき、ピーターパンはどうやって過ごしたのだろう? モビー・ディックの背に突き立てた、自分自身の銛の綱に絡まり、海に沈んだエイハブ船長は死んだのか? フランケンシュタイン博士がその恐ろしい創造物に命を吹き込むにあたって、本当に効力を発揮した手段は何だったのか? 切り裂きジャックの真の犯罪動機とは? ジミニー・クリケットはその謎めいたカバンのなかに何を入れていたのだろう? これらすべての物語の間に、何らかの関係はあるのか? 書簡、自伝、日記の形をとり、あふれんばかりの想像力と比類ない手法でもって書かれたこの小説では、ここに挙げた問いをはじめとする様々な疑問が次々と解き明かされる。

純粋への反論

Alegato contra la pureza

ホセ‧ルイス‧オルティス‧ヌエボ

José Luis Ortiz Nuevo

Malpaso Holdings

新しいフラメンコを愛する人々に向けた解説書。純粋派と革新派の論争はあらゆる科学・芸術分野で見受けられるが、フラメンコの世界は特にその対立が激しい。著者はタイトルでその立場を明らかにし、純粋派がこだわる伝統的衣装を拒否してこそ存在意義を持つ、革新派のハイブリッドな性質を探究する。巨匠たちを否定することなく、絶えず再構築され、様々な栄養を取り込み、新旧の入れ替わりによって活性化する芸術として、フラメンコの理解をサポートする。本書は、世界で最も有名なスペインの音楽様式の将来を予見する、刺激的かつ明解なビジョンである。

Virginia Read Escobal著『Alegría』の表紙

アレグリア

Alegría

ビルヒニア・リード=エスコバル

Virginia Read Escobal

Pintar Pintar Comunicación

祖母のキッチンで、アリエルは代々語り継がれる話を聞きながら、「アレグリア(喜び)」と呼ばれるお菓子を作っています。ココナッツ、シナモン、糖蜜の香りがただようなか、おばあちゃんは自分たちのルーツや奴隷制が傷跡を残す歴史、そして闘って勝ち取った自由についてアリエルに語りかけます。アフリカ系カリブ住民の伝統に着想を得たこの本は、記憶、文化的多様性、そして人権について繊細に描いています。

Xavier Bosch著『Algú com tu』の表紙

君のような誰か

Algú com tu

シャビエル‧ボッシュ

Xavier Bosch

Columna Edicions, S.A.U.

「互いのことを意識するばかりで街の様子も殆ど目に入らぬまま、彼らはセーヌ通りを歩いた。ジャンピエールは好感を持たれたい一心で、案内人としてそのあたりの珍しいものを説明し、彼女は黙って聞いていた。歩道が狭くなったところでお互いの手が自然と触れ合った気がした。肌と肌が。彼はゾクッとした。日陰のテラスに大勢の観光客が座っているブシ通りに曲がり、すぐにサンジェルマン通りに出た」セーヌ左岸で画廊を経営するジャンピエール・サナルディは自由人。バルセロナで家族と落ち着いた暮らしを送っているパウリナ・オムスは、いとこの結婚式に参列するためパリにやってきた。

上では何もかもちがうよ

Allí arriba todo es diferente

ペップ・モリスト

Pep Molist

El Cep i la Nansa Edicions

ある日、ぼくが悩みごとをかかえていると、おじいちゃんがやってきてぼくに言う。「マックス、今日はあの古いカシノキにいっしょにのぼろう。おまえくらいの年のころ、わたしもよくのぼったものさ。上からだと、何もかもちがって見えるぞ」

Lola Nuñez著『Almagesto. La Quinta Piedra』の表紙

アルマヘスト 5番目の石

Almagesto. La Quinta Piedra

ロラ‧ヌニェス

Lola Nuñez

Ediciones Diquesi

10歳から12歳の読者の関心にぴったりあった、友情・変化・個人の成長の物語。登場人物とともに読者が発見しながら、一緒になぞを解き明かしていける、解決すべき悩みや困難な状況があるが、それを解決しながら登場人物たちが成長し成熟していく、迷いや恋愛など、思春期らしい感情がストーリーにあふれ、からみあう、数、空間、幾何学にかかわる、年齢相応の謎が筋の中で展開していくなど、ヤングアダルト小説の魅力となる要素が詰まっている。

Alicia Roca著『Almost Blue』の表紙

オールモストブルー

Almost blue

アリシア‧ロカ

Alicia Roca

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

「これまで、痛みに個性や表情があるなんて考えたことがなかった。痛みにこんなにもいろんな形があるなんて、ましてやあなたがそのひとつになるなんて、想像もしていなかった。だけど砂が指のあいだからこぼれ落ちていくように、あなたはわたしの夢から逃げ出し、しだいに見えなくなっていった。一秒ごとに少しずつ、あなたはわたしのものではなくなっていった。少しずつ、あなたを失っていった。死にかけている人がゆっくりと血を失っていくように、あなたはわたしの体からぽたぽた、ぽたぽたと流れ落ちていった。わたしには、あなたを引き留めるすべがなかった」キャロルはいつも自分は、美しくて聡明で社交的な姉の影のような存在だと感じていた。だからある日、ハンサムな学生オリビエからつきあってくれと言われても、信じることさえできなかった。キャロルは数カ月間、夢のように幸せな日々を送るが、やがて足元をぐらつかせるできごとが起こり、この恋は永遠なのか、それとも有効期限つきなのかを確かめなければならなくなる。心を揺さぶる驚きのラブストーリー。

Lur Sotuela Elorriaga著『Alucinario』の表紙

目もくらむような

Alucinario

ルル‧ソトゥエラ=エロリアガ

Lur Sotuela Elorriaga

Eneida Editorial S.L.

ありえないものの世界にようこそ! 想像力の彼方まで連れていかれるのにまかせ、忘れがたきページの数々がもたらす、目もくらむ感覚に身を任せましょう。読みやすい25の章から成るこの小説には、きらきら光る万華鏡、人々の夢や欲望、幻想のありかを示した複雑な地図が巧みに仕組まれている。著者のルル・ソトゥエラ=エロリアガが、独自の詩的な語り口で繰りだす世界や登場人物たちは、突拍子もない状況や後戻りできない出来事に巻き込まれ、驚きや楽しみ、感動に読者を誘う。

アマンダ‧ブラック-危険な相続

Amanda Black - Una herencia peligrosa

フアン‧ゴメス‧フラド

Juan Gómez Jurado

13回目の誕生日、アマンダ・ブラックは、彼女が生後数か月のときに失踪した両親の署名入りの手紙を受け取った。手紙にはあるミッションが書かれていた。《おまえは私たち一族の最後のひとりだ。最後のブラックなのだ。自分がどんな遺産を受け継ぐか知りたければ、おまえ自身が見つけ出さなければならない。そしてそのためには、かつてのおまえの両親の家、今やお前の家であるブラック館の所有権を手にしなければならない。館のなかで、おまえが実際には何者かを確かめるのに必要なものすべてが見つかるだろう》アマンダ・ブラックは失われた答えを見つけ出すための探索を始めた。ブラック館は危険な状態にあるが、これは両親が彼女に残したたったひとつの所有物だ。なにがあろうと館を救わねばならない。でも、どうやって? それが最も気がかりだ……。

Laura Falcó Lara著『Amanecer de hielo』の表紙

氷の夜明け

Amanecer de hielo

ラウラ・ファルコ=ララ

Laura Falcó Lara

Agencia Literaria Albardonedo

Última llamada(最後の通話)の大ヒットに続き、ラウラ・ファルコがミステリー小説『氷の夜明け』で私たちを驚かす。サンドラはエドゥアルドとフェイスブックで知り合った。偶然にも彼は、ノルウェーに住む、彼女の仕事上の同僚の息子だった。エドゥアルドに会いにノルウェーに旅行しようと決めたとき、まさかそれがあのような悪夢と化すとはサンドラは夢にも思っていなかった。彼女がオースレンに降りたった2日後、エドゥアルドがベッドで死体となって発見される。明らかに他殺だった。手足を縛られ、根本から切りとられた性器を口にくわえていたのだ。一方、サンドラも姿を消す。捜査を担当した警官のエリカ・ビンテルとラース・オベセンにとって、議論の余地のない事実がふたつあった。ひとつは、だれかわからないが、エドゥアルドを殺した人物はコロンビアのマフィアのテクニックを使ったということ。もうひとつは、サンドラの失踪は殺人とは何の関係もないようだということだった。

Muriel Villanueva著『Amarillo y redondo』の表紙

黄色くて丸いやつ

Amarillo y redondo

ムリエル‧ビリャfエバ

Muriel Villanueva

Editorial Flamboyant

休みに⼊り、キャンプに⾏くときがやってきた。でも、彼はまったく乗り気がしない。知られたくない秘密があるのだ。それは夜ごと、シーツの間に現れる⻩⾊くて丸いやつ。この忌まわしい秘密とはなんなのか?彼はこの秘密から解放されて、キャンプを楽しむことができるのだろうか? 「不安と⽴ち向かい、乗り超えようと語りかける、そんな絵本」

Sergio Mora著『Amazing Art』の表紙

アメイジング‧アート

Amazing Art

セルヒオ‧モラ

Sergio Mora

MTM Editores (Metafísica del Tercer Milenio Editores, S.L.)

ユーモアと優しさとあいまいさに満ちた、取り外し可能な絵はがきサイズの40ページ。カラー絵はがき20枚(スペイン語版)と塗り絵用絵はがき20枚(英語版)を収録。カタルーニャ出身でイラストレーターでもあり画家でもある著者の個性が光る、アーティストブック兼大人のための塗り絵帳。

Canizales著『Amazona』の表紙

アマゾンの女

Amazona

カニサレス

Canizales

Nuevo Nueve Editores

本書『Amazona(アマゾンの女)』は事実に基づく作品。物語で描かれているほとんどのシーンは2014年6月28日、土曜日の数時間の出来事だ。アマゾンのジャングル奥深くにある先住民コミュニティ出身の女性アンドレアは、カリ市での不健康な生活と過密状態に別れを告げ、故郷を目指して長い旅に出る。しかし、その故郷は今、鉱業会社の搾取に遭い、武装集団によって監視されているのだった。

見せかけの愛

Amor fingido

アンドレア‧スミス

Andrea Smith

La Galera Editorial

アマンダは見せかけの生活を送ってきた。毎日、大嫌いな弟の子守をするよう母に強いられても気にしないふりをする。《親友》に恋人を奪われても傷ついていないふりをする。もう彼のことなど愛していないふりをする。幸せな生活を送っているふりをする。ネイト・ルイスはお坊ちゃん。ネイト・ルイスは大きな家に住んでいて、いつも何の努力もせずにほしいものを手に入れてきた。ネイト・ルイスは自分を大切に思う人などいないと思っている。運命のいたずらで、ふたりが交際しているふりをしなければならなくなったとき、アマンダは気づいた。ネイトと一緒にいると、ありのままの自分でいられる、何かのふりをしなくていい。そんな人は初めてだった。一方ネイトにとってアマンダは、一緒にいると自分が特別で、価値のある人間なんだと感じさせてくれる初めての人だった。だけど、問題がある。ふたりはすでにふりをしていた。愛しているふりをしていた。

Concha López Narváez y Rafael Salmerón López著『Andanzas de Puck en el sueño de una noche de verano』の表紙

夏の夜の夢の中でのパックの冒険

Andanzas de Puck en el sueño de una noche de verano

コンチャ‧ロペス=ナルバエス、ラファエル‧サルメロ =ロペス

Concha López Narváez y Rafael Salmerón López

Grupo Editorial Bruño

シェイクスピアの最も魅力的で想像力豊かな作品に基づく、喜びあふれる生き生きとした夢物語。いたずら好きであわて者で、ふざけんぼうの妖精パックが、ウイリアムという少年に物語を語る。この少年がのちに、歴史上有名な劇作家となる。本書は原作の精神に忠実に、世界文学の最高峰となっている作品の特徴を生かして書かれている。わくわくする物語が、10歳の読者を魔法とファンタジーいっぱいのおとぎ話の世界へと運ぶ。詩的な言葉づかいややわらかい語り口、登場人物たちの優しさも素晴らしい。好奇心で読者をひきこみ、ぐいぐい読ませていく。

Pablo d'Ors著『Andanzas del impresor Zollinger』の表紙

印刷工ゾーリンガーの冒険

Andanzas del impresor Zollinger

パブロ‧ドース

Pablo d'Ors

Impedimenta S.L.

自分の命を守るため、若きゾーリンガーは生まれ故郷を捨て、遠く離れた土地で7年間、ひとり冒険の道を歩み、ありとあらゆる職業についた。つらい亡命生活ゆえの経験は、やがて啓発の道に変わっていく。たとえば、毎日謎めいた電話受付係の女性からの仕事の電話を受ける、とある駅のごく小さな守衛室で真実の愛を知る。軍隊の隊列の中で仲間意識と最も忠実な友情をかみしめる。消えゆく森の壮大さの中で自然の神秘を発見する。そして、何より、些細でつつましい仕事の尊厳を尊重する心を学ぶ。この過程を通して身に着けていく物事によって、彼はやっと一人前の男になり、家に帰り、よい印刷工になることができる。彼がずっと夢見てきた印刷工に。

Javier Urra著『Animales』の表紙

動物

Animales

ハビエル‧ウラ

Javier Urra

Editorial Sentir

Written by a specialist in child psychology, this book is aimed at boys and girls aged from 4 to 8 years old. Ani is an eco-friend with a mission: to make sure humans care for and respect animals and plants. Do you think he will succeed? Do you want to help him? Surely together you can make it happen! Humans are animals with the capacity to laugh, cry, imagine, feel and develop nostalgia. But at the end of the day we are still animals with instincts, fears and territorial, tribal behaviours. It therefore makes sense that we should respect all other animals. This story encourages children to care for animals and nature. Using clear, simple and fun language, it contains elements that help us understand the difficult situation the main characters (the eco-friends and Captain Urra) are going through.

Gabi Martínez著『Animales invisibles. Mito, vida y extinción』の表紙

目に見えない動物たち。伝説、生涯と絶滅

Animales invisibles. Mito, vida y extinción

ガビ‧マルティネス

Gabi Martínez

Nórdica Libros

挿絵入り書籍。旅人で作家のガビ・マルティネスと、考古学者で博物学者そして探検家のジョルディ・サラリョンガ共著による本で、挿絵はジョアナ・サンタマンスが担当。目に見えない動物や、およそ誰も見たことのない動物を探して地上のあらゆる場所を訪れる。すでに絶滅し、もう見ることのできない動物、その生活様式や、人類が直接、あるいは生活環境を損なう形で害を与えた影響により、見ることが非常に難しくなった動物たちについて描写している。自然科学の概念や学術的なデータを、一般の読者にも理解できる言葉で記述してある。かつて在りしもの、在りえたもの、或いは存在の可能性があり発見が待たれる動物たちの説明書でありながら、文学と自然科学の側面を併せ持つ1冊。

Pedro Mañas著『Anna Kadabra. El club de la luna llena』の表紙

アンナ‧カダブラ 満月クラブ

Anna Kadabra. El club de la luna llena

ペドロ‧マニャス

Pedro Mañas

Editorial Planeta, S.A.U.

もし、物語の魔女がいい人だったら? アンナ・カダブラと魔法の満月クラブがやってきた! アンナはかんかんに怒っている。住んでいる街や学校、我が家を離れなければならなかったからだ。両親と一緒に越してきたのは森のまん中にある古びた村、ムーンビルだ。古いだけでなく、その村は伝説と秘密に満ちていた。たとえば、どこに行こうとアンナのあとをついてくるこの謎めいた猫はいったい何者? 魔女の飼い猫かしら? ちょっと待って……もし、その魔女がアンナだとしたら?!

Laura Falcó著『Anomalía』の表紙

異常

Anomalía

ラウラ・ファルコ=ララ

Laura Falcó Lara

Agencia Literaria Albardonedo

少女がひとり。火事で焼け落ちた空き家にある、鎖で閉ざされたクローゼットの中で、古ぼけたテディベアを抱きしめ体を丸めている。 少女の瞳も、顔を半分おおったぼさぼさの髪も真っ黒だ。のろのろと動き、ほとんど話しもしなければ反応もない。何があろうと無表情で、まるで別世界にいるようだ。 彼女はマラ。彼女に見つめられただけで人々は震えあがる。 あなたは彼女の物語を読む勇気があるか? フリークショー、サーカス、予言、魔術、ブードゥーが一体となって、物語はアメリカ西海岸のほぼ全域を巡り、ニューオーリンズへとたどり着く。時は1915年。リプリング兄弟のサーカスでは、何ひとつ、誰ひとり普通ではない。有名なブードゥーの女王マリー・ラヴォーの裏に隠された暗い秘密もまたしかりだ。

Viay Mallow著『Anonymous Land, volumen 1』の表紙

アノニマスランド 第1巻

Anonymous Land, volumen 1

ヴィアイ‧マロウ

Viay Mallow

Marta Alcaraz, Agente Literaria

……そして、人間が自分自身の運命の青写真をつくる機会を得る時が来て、対立が生まれた。テクノロジーと大企業の支配vs協力と自然との調和。全く相容れない2つの世界観が到達したたったひとつの合意は、今後二度と互いに接触しないこと。ミライ・シンコ-で、リアムはテクノロジーのユートピアがディストピアと化したのを直感し、皮肉と内省の間を揺れ動きつつ、大統領の養子という自らの恵まれた立場に立ち向かっていく。自分と似た風変わりな顔立ちをした、アズミという青い目の若い女性リポーターと出会ったことで自分のルーツに好奇心をそそられる。ふたりは一緒に、複雑な隠れた現実を見つけていく。海の向こうで何人かのコミュニティーのメンバーが謎の敵に拉致されたため、コミュニティーの最も秀でた狩人たちは彼らを探しに船出せざるをえなくなる。真逆のふたつの世界が再びまみえるとき、何が起こるのか?

Gonzalo Torné著『Años felices』の表紙

幸せな年月

Años felices

ゴンサロ‧トルネ

Gonzalo Torné

Editorial Anagrama

20世紀後半のある時、手に深い切り傷を負った若い男、アルフレド・モンサルバジェスがニューヨークのとある病院に現れる。作家志望のこの外国人男性は、対応した看護師のジーン・ローゼンブルームから見ると、おとぎ話の王子様だった。アルフレドはじきに友人グループの中心になる。友人の目から見ると彼は、人生がなかなか与えてくれないものすべてをそなえた、何もかも解決してくれる魔法のような存在、つまり腹心の友であり、同僚であり、恋人だった。友人は4人。若いユダヤ人で霊感が強く、その妬みや野望がなぜかまわりには喜劇的に見えてしまうケビン・プリチャード。好事家で教養があり、裕福な相続人であり、王子と長時間話すなかで自分の才能を推し量るハリー・オズボーン3世。ローゼンブルーム姉妹のなかで最もカリスマ性があり、美しく、自立心旺盛で自由な女性クレア。そして気高く、思いやりがあり、慎み深いジーン。

Iria G. Parente著『Antihéroes』の表紙

アンチヒーロー

Antihéroes

イリア‧G‧パレンテ

Iria G. Parente

Nocturna Ediciones, S.L.

ヒーローでいることは退屈過ぎた。ぼくの名前はイェライ・アヤラ。ぼくには秘密がある。君が手にしているこの本にはぼくや、ぼく以外の世の中になじめない者たちの話、そしてぼくたちみんなを結びつけるヒントが書かれている。ぼくたちには特別な力があるんだ。わかるよ、作り話なんだって思うだろうね。そう思うのがふつうだ。急に姿を消して、好きなところに再び現れることができるってわかったときは、ぼくだってこんなのあり得ないって思ったよ。そして自分は特別なんだってわかると、どうせなら利用してやれってことで、あんまり正しくないことにも力を使うようになった。でも、そんな話がしたいんじゃなくて、大事なのは、ぼくのような人間を捕まえるための組織に実際に捕まったとき、ぼくはそんなに珍しい存在じゃないとわかったってこと。その組織がCIRSEだ。組織の目的は、この力を悪い方向に使う人間を再教育すること。僕たちをヒーローにすることだ。でも、アンチヒーローになれるのに、ヒーローになりたいやつなんているのかな?

Gabriela Keselman著『Antón Piñón: Una dulce explosión』の表紙

アントン・ピニョン:甘いばくはつ

Antón Piñon: Una dulce explosión

ガブリエラ・ケセルマン

Gabriela Keselman

Fundación Santa María - Ediciones SM

今日、アントン・ピニョンはおばあちゃんのお菓子屋さんにこっそり忍び込み、手伝おうと意気込んでいます。でも案の定、鍋や生クリーム、チョコレートにまみれたアントンの冒険は、べたべたの大惨事に終わってしまうのでした。

ここに問題あり

Aquí hay avería

ロレンソ‧モンタトーレ

Lorenzo Montatore

ECC Ediciones (El Catálogo del Cómic, S.L.)

ビティは、麻薬に侵されている。罪深い魔法使いの衣装、紫と悪徳を身にまとい、髪の毛には火がついている。口はない。だって、聖域のトイレで、聖体拝領をするのには目がひとつあればいいから。夜、金色の流れに引きずられ、黄色い妄想にとりつかれて現れ、悲愴な面持ちで一瞬立ち止まって星を眺める。液体や思い出が浮かび上がる。たった一滴のしずくが、ビティの青春を曇らせた。そしてそこで、ビティは友だちを待ち続けている。さよならも言わず永遠に行ってしまった友だちを。「最後のパーティ」と自分に言い聞かせるが、それは嘘だとわかっている。トイレにつづく廊下を再びたどり、暗くて汚いビティの宮殿を嘆きの涙で照らすのだ。

Miriam Sugranyes著『Arborum. Trazo a trazo. Un manual para crear árboles con acuarela』の表紙

アルボルム(木々)一筆一筆:水彩画で木を描く手引書

Arborum. Trazo a trazo. Un manual para crear árboles con acuarela

ミリアム・スグラニェス

Miriam Sugranyes

Editorial GG - Gustavo Gili

『animalia(動物界)』で豊かな動物相を通して水彩画の技法を探求した後、この新しいマニュアルでイラストレーターのミリアム・スグラニェスは、自然の美しく、雄大で、常に魅力的な存在である木々に命を吹き込む方法を学ぶよう私たちを誘います。一般的な構造を描くことから始まり、水彩のわずかな層と段階的なガイドで、ここに描かれた15本の木の最も特徴的な要素、つまり幹や枝の曲線と質感から、葉や果実の色調の細部や特徴に至るまで、表現できるようになります。

Borja Navarro著『Arcén』の表紙

路肩

Arcén

ボルハ・ナバロ

Borja Navarro

Editorial Dosmanos

本書は、バレンシアの小村落を通る州道500号線を舞台とした一連の物語で構成される。情熱と批判とユーモアと知性が交錯する独特の雰囲気のなか、灼熱の地中海の風景へ読者をぐいぐいと誘いこむ。

Nina Melero著『Archipiélago』の表紙

群島

Archipiélago

ニナ‧マレロ

Nina Melero

Alianza Editorial

東南アジアを舞台にした冒険小説。出張でシンガポールへ行ったソフィアだったが、運命に翻弄され、お金やパスポートも無く、漂流したボートでひとり大海をさまよっていた。彼女はこの運命と同様、あり得ない形で、バスク出身の向こう見ずな男オリャウリと島の謎めいた住民ジャハンが抱える問題に巻き込まれていく。ふたりはジャワ海で起きた盗難事件の関係者として当局から逃げているお尋ね者だった。盗まれたのは9世紀に遭難した船の残骸に眠っていた品で、海のシルクロードが存在したことを示す唯一の物理的証拠になり得るものだ。しかしこのふたりを探しているのはマレーの当局だけではない。オランダ人と呼ばれる男もまた彼らの後を追っていた。オランダ人はふたりを見つけるためには最悪の手段を取ることも厭わない危険な男だった。古典的な冒険小説の味わいを残しつつカリスマ的な人物が数多く登場する小説になっている。

Daniel Hernández著『Archipiélago de cuervos』の表紙

カラス列島

Archipiélago de cuervos

ダニエル‧エルナンデス=チャンベルス

Daniel Hernández Chambers

Grupo Editorial Bruño

ブランコス山脈の向こうに、ひとつの島が出現した。その島には枯れ木が1本あり、その木には6羽のカラスがとまっている。伝説によれば、カラス列島と名付けられた6つの島々はそのカラスとともに生まれた。気まぐれな海や風や魔法にゆだねられているその島にいるのは、水のドラゴン、絶望した残忍な王たち、預言が達成されるまで同じ場面を何度も繰り返し生きる定めを持つ幽霊、呪い、異世界への窓を開くお酒、血のクローバー、石の迷路、迷子の子どもたちなど。その中にいるナイアという少女は、ある日盗まれた一番大切なもの、つまり自分の弟を見つけようと決意していた。

Gema Bonnín著『Arena roja』の表紙

赤い砂

Arena roja

ヘマ‧ボンニン

Gema Bonnín

Nocturna Ediciones, S.L.

フェイスは12歳。第1世界、アジアに住んでいる。目的は、人が訪ねてきたとき、母や近所の女たちがひどく落ち着かなくなる理由を調べること。フェイスは14歳。第3世界、ヨーロッパで貧しい暮らしをしている。目的は剣闘士の学校でなんとかやっていくこと。彼女は許しがたい犯罪により、その学校に売られてきた。フェイスは16歳。生き延びている……、今のところ。現在の目的はただひとつ、復讐することだ。

Federico García Lorca著『Arlequín』の表紙

アルルカン

Arlequín

フェデリコ‧ガルシア=ロルカ

Federico García Lorca

Barbara Fiore Editora S. L.

ロルカの4行詩が、アンドレ・ダロバにより美しい折り畳み式絵本の宇宙となった。昼から夜への旅。体を貫く愛と死。初めて詩を味わう赤ちゃんや子どもたちにも、芸術を熱烈に愛する人たちにも新たな扉を開く発見の書。

Montse Homs著『Arracades d'avellaner』の表紙

ヘーゼルナッツのイヤリング

Arracades d'avellaner

モンセ‧オムス

Montse Homs

Barcanova Editorial

'Arracades d'avellaner' (Hazelnuts), is a novel based in reality with a touch of the fantastical. It's main protagonists are a seven year old girl, Lisa, and her pet, a tame fox called Ketti who is two years old. The fox narrates the story and as in fairy tales, appears very anthropomorphised. Lisa lives in a sort of paradise, an idyllic bubble - surrounded by her family, nature, friends and toys - which in one fell swoop is turned upside down. The tenderness and tranquillity that have up until that point dominated Lisa's life are turned into uncertainty and fear. These feelings affect her whole family and her especially, to the point that she becomes sick. Ketti and Grandpa Pere are key figures in getting Lisa through all this. The story transitions naturally between reality and fantasy in a way that will enchant the reader.

Juan Villoro著『Arrecife』の表紙

サンゴ礁

Arrecife

フアン‧ビジョロ

Juan Villoro

Editorial Anagrama

ビーチが安らぎの場所だった時代があった。究極の観光の時代にあって旅行者は別のスリルを求めている。ロック・グループ「ロス・エストラディタブレス」の元メンバー、マリオ・ムリェールは、カリブ海に妄想めいた可能性を見いだす。「恐怖の悦楽」だ。 彼は巨大なサンゴ礁の海岸に、コントロールした危険を提供するリゾート「ラ・ピラミデ」を建設する。だがやがて、ひとりのダイバーがアクアリウムの水槽の前で死んでいるのが見つかる。 ムリェールは宿泊客の性格を知っている。毒グモを育てている者、ロシアン・ルーレットに興じる者、マヤの生贄儀式を現代に復活させたがっている者。そして岩礁では、きゃしゃな魚が尖った岩の間を泳ぐ。 人生に強烈な刺激を求めた結果、生じるダメージについての考察。読者を夢中にさせるこの小説で、フアン・ビジョーロは新しいエコロジーを描く。気候変動がホテルを空っぽにするが、資金洗浄が幻のエンポリウム(交易の中心地)としてホテルを生まれ変わらせる。 しかし、Arrecife(岩礁)は、友情と愛と解放の物語でもある。

Teresa Moure著『Artes subversivas para cultivar jardines』の表紙

ガーデニングのための反体制アート

Artes subversivas para cultivar jardines

テレサ‧モウレ

Teresa Moure

Hoja de lata editorial, S.L.

レアンドロ・バルセイロは繊細な紫色のユリやアネモネを植えていたとか、彼の娘のクララのゆりかごは西洋アジサイの苗木だったとか、クララはセイロンアマリリスの甘い花びらを吸うだけで栄養を摂っていた、などと村人は語る。2世代の後、その少女クララ・バルセイロ率いる芸術介入隊が、環境保護を訴えるための大胆計画を準備する。今は使われていない石切り場の土地に祖父のレアンドロが作っていたようなバビロンの空中庭園を再現するという計画だ。クララのほか、彼女の十代の息子、記憶喪失のピアニスト、オーストリア人の精神医学者、恋愛依存症の若い女性ら全員が、そうやって既存のものや自分たちの恐怖心に立ち向かう決心をする。フィールドノート風に書かれた、珍しい花のように貴重なこの作品は、反抗と環境保護のためにあげずにいられない声を私たちに届ける。

Marilar Aleixandre著『As malas mulleres』の表紙

悪女

As malas mulleres

マリラール‧アレイシャンドレ

Marilar Aleixandre

Editorial Galaxia

19世紀末を舞台に繰り広げられる厳しくも情熱的な物語。身売りの咎で収監された15歳のシスカや刑務所の視察員コンセプシオン・アレナール、物語の鍵となるフアナ・デ・ベガのような女たち、または性を貪る男たちとの出会いを嘆く悪女たちの声なき声といった複数の声で語られる。この小説は、1863年にア・コルーニャのア・ガレーラ刑務所に収監された囚人たち、この排除された人々が忘れ去られることなく記憶に留められるために書かれた。アレナールとフアナ・デ・ベガは人々の尊厳のために働き、排除された者たちの世話をした。これは紙上で奏でられる歌であり、絶望する人々へ希望を与えるための、または生活をより良いものとするための読み物である。文学的な記載が満載でよく練られた筋書きが印象的な小説。

Alex Mírez著『Asfixia』の表紙

窒息

Asfixia

アレックス‧ミレス

Alex Mírez

Nova Casa Editorial

地球。人口:1人。なにがなんだかわからなかった。2019年9月1日、それは起きた。初めはみんな元気だったが、間もなく窒息死しはじめた。とてつもない沈黙が、少しずつ世界を覆っていった。この謎めいた惨事を、わたしは父さんのおかげで生き延びた。目覚めたとき、わたしは身の毛もよだつ光景のただなかにいた。おびただしい数の死体が横たわっていた。みんな死んでいた。しばらくして、実際には7人の生き残りがいるとわかり、わたしは彼らに合流した。なにが起きたのか、人類消滅の理由はなにかを調べる人もいた。だけどそういう人たちはすぐ、奇妙な死に方をした。残った者たちは生き残りをかけて闘ったが、それでも、数カ月後に亡くなった。今、この世界に住んでいるのはわたしだけ。地球上でたったひとりの人間になってしまった……。少なくとも、そう思い込んでいた。

Covadonga O'Shea著『Así es Amancio Ortega, el hombre que creó Zara』の表紙

ザラを創った男、アマンシオ‧オルテガ

Así es Amancio Ortega, el hombre que creó Zara

コバドンガ‧オシェア

Covadonga O'Shea

LID Editorial Empresarial

天才実業家か、夢想家か、それとも疲れを知らない熱血ビジネスマンか? そのすべてが当てはまり、それを凌駕するのがアマンシオ・オルテガ――ザラ、マッシモ・ドゥッティ、オイショ、ベルシュカなど数々のファッション・ブランドを傘下に持つインディテックス・グループの創業者である。そのオルテガが、これまでの人生やビジネスについて初めて書物のなかで語った。21世紀のグローバル・ビジネス・シーンで、スペイン人として最も成功している実業家のひとりであるオルテガの唯一の評伝。

Glòria Gómez de la Tia著『Asim, viajero del mundo』の表紙

世界の旅人アシン

Asim, viajero del mundo

グロリア‧デ‧ラ‧ティア

Glòria Gómez de la Tia

Editorial Miguel A. Salvatella

アシンは、何でもよく観察し、何からでも学ぼうとする、きらきらとした目を持った若者だ。たくさんの国々や地方を歩いた彼の肌の色が変わり、その色は青だ。見てみたいなら、本を開いてごらん。そこにいるから。世界をめぐるすばらしい旅がキミを待っている。違う人種同士がわかりあうこと、肌の色を理由に差別をしないこと、人間への愛を謳ったお話。

高齢者の在宅介護

Asistencia domiciliaria a personas de la 3ª edad

Ediciones Daly

高齢者介護のトレーニング法について書かれた画期的な本。ケアとサポートのための包括的な視点を示しており、経験の有無に関係なく全ての介護者にとって最良の手引きとなるものである。介護のプロ、看護を学ぶ学生、インフォーマルケアワーカーなど高齢者の世話に携わるあらゆる人を対象にしている。高齢者介護は世界で最も需要が伸びている労働のひとつである。にもかかわらず、親や祖父母を介護する人へのトレーニングが、受ける側の身体的、心理的、情緒的なケアを完全に行うには不十分であるケースも少なくない。本書には、介護する側とされる側の双方が生活の質を向上させるために必要な情報、コツ、アドバイスが網羅されている。

Elyon Liu著『¡Asombroso!』の表紙

すごい!

¡Asombroso!

エリオン・リウ

Elyon Liu

Apila Ediciones

こんにちは! ぼくの名前はアルトゥーロ。巨大なカメで、待つのがきらいなんだ。きみはどう? アルトゥーロは待つことに慣れていなかった。何でもすぐに手に入れたがり、あまりにも長い年月を生きてきて、あらゆるものを見てしまったので、もう好奇心をかきたてられたり、感心したりするものはなにもなかった。ある日、小さなイサドラというイモムシに出会うまでは。イサドラの希望に満ちた視線を通してものごとを見るようになり、アルトゥーロは待つこと、がまんすることをおぼえていく。感性豊かで細部にまでこだわった素晴らしいイラストが添えられた、この心あたたまる物語は、待つことを学び、まわりの世界に対して好奇心を持とうとさそいかける。多様な読み方ができる、深い意味を持つ絵本。好奇心と希望を持ちつづけようとさそいかける、おおらかさに満ちた物語だ。友情は不意に訪れる贈りもののようなものかもしれないけど、ときには待つのを知ることも大切だ。自然の循環、そして変容の力と同じように…。

幸せを探求する国ビジュアル図鑑

Atlas de los países en busca de la felicidad

ジョアン‧トルト

Joan Tort

Larousse Editorial

地理や歴史、人類学からなる9人の専門家を執筆者に迎えた本書は、人類の歴史的冒険を幸せの探求という観点から分析し、たとえ命をかけても前進し新しい地平を発見したいという人間の意思を明らかに見せてくれる。前例のない視点から、環境や都市計画、エネルギー、心理学、経済、通信など多様なテーマを通じて社会を知る旅である。140点の地図や180点の図表・統計と共に、ひとつのテーマを「幸福の尺度」や「過去の時代の振り返り」、「今日の世界で幸せであること」という3つの視点で分析して、見開き2頁で80のテーマを紹介する。

Víctor Terrazas著『Atlas de Sonidos Remotos』の表紙

遥かなる音のアトラス

Atlas de Sonidos Remotos

ビクトル・テラサス

Víctor Terrazas

Ediciones Menguantes

氷山の上でルドヴィコ・エイナウディが奏でるピアノの和音、アフリカの砂漠のエレクトリックブルース、広大な宇宙空間を旅する音楽、火山島の失われた歌、ABBAを生み出したゴーストタウン、海底洞窟のメロディー、エルヴィスを魅了したハワイの響き、北極の地下壕に隠された音の記録、ビョークにインスピレーションを与えたヨイクの歌、世界で最も寒い都市のパンク…。 特定の地理的響きを持つメロディーが存在します。その土地、気候、儀式、習慣が歌の形で痕跡を残します。『Atlas de Sonidos Remotos(遥かなる音のアトラス)』は、私たちを感動させる遠く離れた、異国風の、あるいは不思議と馴染み深い音を探す冒険です。 本書には、各章にQRコードが含まれており、それぞれの場所で言及された楽曲リストにアクセスできます。

フリーハンド強盗

Atraco a mano alzada

ハビエル‧アラ

Javier Ara

Editorial Drakul

病気で余命いくばくもないことを悟った有名漫画家ルンディは、娘と妻が路頭に迷わないよう銀行強盗をやろうと思いつく。報道や彼の伝記で知られている通り、この強盗は失敗に終わりルンディもその中で死んでしまうのだが、娘のエリサが成人した時に、なぜ自分が「国際民間銀行」を襲撃しようとしたのかを伝えるべく彼は漫画を描き残していた。しかし漫画は未完であり、ルンディが残した遺書には、長年、自身のゴーストライターとして絵の手直しをしていたハビエル・アラ(作者)にその完成を託すと記されていた。アラは仕事を引き受けるものの、ルンディを憎むあまり、漫画の内容を膨らませその正体を暴くつもりでいた。

Anabel Rodríguez著『Azaría』の表紙

アサリア

Azaría

アナベル‧ロドリゲス

Anabel Rodríguez

Ediciones del Serbal

アサリアはのどかな山村。石畳の白い通りのこの村は、ミゲル・プリモ=デ=リベラの独裁政権による政治の激動とも無縁だった。しかし、グティエレス家の高齢の兄妹カンディドとパキタが殺害されたことで村の日々の平和が突然破られる。治安警察が慌ただしく介入し、住民のひとりを逮捕し厳しく尋問したことから村で反乱が起き、中央政府は事件解決のためにロベルト・マルティン警部を送り込んでくる。同じ頃27歳の独身の娘イネスはひとり、兄妹の殺害について探り始める。イネスは妙な罪悪感と、持ち前の反抗心から「婿叩き」というあだ名で呼ばれていた。資金は乏しく、その時代女性は一段低い地位に置かれていたが、彼女は自己流の犯罪捜査に乗り出していく。

Alba Flores Robla著『Azca』の表紙

アスカ

Azca

アルバ‧フローレス‧ロブラ

Alba Flores Robla

Menoslobos taller editorial, S.L.

アドナイス賞及びスペイン国営ラジオ局RNEのオホ・クリティコ賞(2018)を受賞したアルバ・フローレス=ロブラが読者に贈る愛の詩集。波乱に満ちた愛、平穏な愛、そして愛の欠如。そしてまた、私たちが見ることは叶わないが、どこかで育ち続けるだろう森の愛。不明瞭な事柄の多い今日にはうってつけの1冊。アルバは近年のスペインの詩の世界に新鮮な声を吹き込む詩人のひとり。そして同時に、最も儚い声でもある。

火と塩の下で

Bajo el fuego y la sal

ホセ‧ソト‧チカ

José Soto Chica

EDHASA - Editora y Distribuidora Hispano Americana

846年、ローマ帝国の首都であるローマの街は廃墟と化し、なかば打ち棄てられていた。それでもローマは永遠の都で、教皇が統治し、ペテロ、パウロなど十二使徒の亡骸が限りない財宝に囲まれて眠っていた。カトリック教会はすばらしい財宝を隠している。それゆえ海のかなたのイスラムの海賊たちがローマ略奪を企てる。一方、地中海じゅうで陰謀や戦争の噂がささやかれている。共通する唯一の目的は、繁栄し存続することだ。だれもがそんなふうに、よくも悪くも生きている。ローマ教皇からビザンチンの踊り子、バイキングの統領、あるいは誰もが手にいれたがっている秘密、すなわちギリシャの火の公式を、最も高い値をつけた買い手に売ろうとしている錬金術師まで。イスラム教徒によるローマ略奪という、中世キリスト教における最もドラマチックな事件を描いた小説。

Elena Martínez Blanco著『Bajo el paraguas azul』の表紙

青い傘の下で

Bajo el paraguas azul

エレナ‧マルティネス‧ブランコ

Elena Martínez Blanco

Planeta Nowe SL

ひとりの人間の人生を崩壊させるには、どのくらい時間がかかるか知ってる? 2秒だよ。ワッツアップで写真を1枚、シェアすればいいだけ。知ってるよね。ネットいじめについての注意は受けたけど、そんなこと実際には起こりっこない、ただいつもの退屈な日常が続くだけ、そうでしょ? グラウカもそう考えていた。だってカレのこと大好きなんだから、写真を1枚送ったところで、何が起こるというの? だけどグラウカは、恋人がアンドレアに写真を渡してしまうことを知らなかった。そしてグラウカを全身全霊で憎んでいるアンドレアが写真をほかの人にもシェアしたばかりか、ネットに上げてみんなの笑いものにしてしまったことも。ネットの世界では、あなたの人生が一瞬にしてあなたのものではなくなる。でもアンドレアが予想してなかったこと、それはグラウカがギブアップしそうになったとき、あきらめずに彼女のために闘い、そして……青い傘を差しだす人の存在だった。<<スペインで多くの学生や家族が楽しみ、感動的なYAとして米国で賞を受けた小説>>

Meritxell Martí著『Bajo las olas』の表紙

波の下で

Bajo las olas

マリチェイ‧マルティ

Meritxell Martí

Editorial Flamboyant

海の中で出会うという一見単純なことが、登場人物それぞれの心に葛藤を生む。恥ずかしさ、恐怖、拒絶…。解決するためには、深い海にもぐり、隠れた宝を探し、目を開けて、よく注意して見るしかない。そうすることで、自分に何ができるか、人生はいかにすばらしいか、何がほんとうに大切かが見つかるだろう。多くの読み方ができる、心に訴える感動的な物語。子どもや大人に、内面の葛藤に愛情と自信を持って立ち向かうよう促す。

Luis Costa著『Balearic: Historia oral de la cultura de club en Ibiza』の表紙

バレアリック:イビサにおけるクラブ文化のオーラルヒストリー

Balearic: Historia oral de la cultura de club en Ibiza

ルイス‧コスタ

Luis Costa

Contraediciones

約100人へのインタビューや、2年以上にわたる資料考証から、世界有数のクラブの聖地・イビサの歴史をたどった一冊。登場人物による一人称で語られる。世界的に有名なDJやミュージシャン、ジャーナリスト、レコード会社、ダンサー、プロモーター、ホテルオーナーの証言、パチャ、クー(現在のプリビレッジ)、アムネシア、スペースら伝説のクラブのオーナー、カフェデルマルなどのバー、カフェデルマルのレジデントDJであったホセ・パディーリャ(音楽をかけながら日没を楽しむスタイルの立役者)などの証言から、イビサのクラブ文化の魅力的な歴史に初めて気づくことになる。カール・コックス、ピーター・フック、ポール・オーケンフォールド、ダニー・ランプリング、DJハービー、ルチアーノ、ルイ・ベガ、アルフレド・フィオリート、ホセ・パディーリャ、ナイトメアズ・オン・ワックス、ジュリアン・テンプル、アービン・ウェルシュ、トレバー・ファング、テリー・ファーリー、ビル・ブルースターら多数登場。

バルバネラ

Balvanera

フランシスコ‧ナルラ

Francisco Narla

Agencia Literaria Albardonedo

信心深い娼婦、信仰心のない修道士、脚の悪いインディオ、高潔なならずもの。母は娼婦、父はイギリス人。空腹を追い払うための唯一の手段である苗字もない。それでもカマチョは高潔さという美点だけを手に、糊口をしのごうと奮闘するが、すべてはついえる。あとは絞首刑だ。信心深い娼婦、口をきかないインディオ、信仰心のない修道士、高潔なならずものが、インディアス艦隊の史上最大の荷を狙っている。一方、大洋の反対側、太陽の沈まない帝国ヌエバ・エスパーニャの、熱帯雨が夢を潰すユカタン半島にいるバルバネラ号の船倉は、その当時非常に珍重された染料である商材「アカミノキ」が満載されていった。一方、死神は債務を徴収しようとしていた。

著『Barcelona TM. La Ciudad Condal vista por 33 autores』の表紙

バルセロナTM

Barcelona TM

フアン・ミゲル・アギレラ、エリア・バルセロ、ヨランダ・カマチョ、アリシア・ペレス=ヒル、ヌリア・C・ボテイ、エミリオ・ブエソ、ギリェム・ロペス、イバン・モウリン、ビクトル・セリェス、ロラ・ロブレス

Varios Autores

Norma Editorial, S.A.

ファンタジー、風俗小説、社会派小説、未来小説、ユーモア小説のアンソロジー。九番目の芸術であるマンガ(コミック)を知るのにもよい。 さまざまなテーマをカバーしたこれらの短編は、実験に開かれたすぐれたラボラトリーとなっている。グーグルの時代において、コミック、短編映画、短編小説など、さまざまな魅力のある形式のこれらの作品は、読者に瞬時に満足を与えるかっこうの手段である。 バルセロナは、多くの作家を受け入れ、彼らにインスピレーションを与えてきた。本書は、バルセロナ在住の作家たちによる、バルセロナを舞台とした27の短編集である。

手なずけられない女

Basa

ミレン‧アムリサ

Miren Amuriza

Consonni Ediciones

アルツェレカは橋のたもとの薄暗い場所にある古くて大きな農家だ。その家を頑なに支配している寡婦のサビナ・ゴヘノラもこれまた老女である。同居人で片足を切断して障害者となった義弟のヘンリーも、当然その支配下にある。サビナの子どもたちは、母親の日々の生活を少しでも楽にしようと懸命だ。しかし、自分以外の人間が定めた道を歩みたくないサビナは、あらゆる快適さを拒否する。彼女の愛情の対象は共に過ごす羊や犬と猫だけだ。家族との間にあるのは疑惑と緊張感、隣人との間には言い争いと妬みばかり。人生の終わりの迎え方に対して抗う厳しくも正直な田舎の女の姿をアムリサが的確かつ力強い筆法で描く。そこで主人公につけられたあだ名が〈手なずけられない女〉だが、それでもサビナの独立心が強い性格と因習を拒む姿勢を描くには言葉足らずだ。

命の鼓動

Batecs de vida

ベア‧ラモス

Bea Ramos

Obrador Editorial, S.L.

0歳から100歳(と、それ以上)の子どもが持つ権利十か条を、詩の形でまとめた本。勇敢なアリたち、飽くことなく遊ぶ大人たち、夢見る国々、飛び方を学ぶ子どもたちの物語と風景を集めた。だが同時に悲しいカニ、ワンピースのポケットに涙を隠している女の子、退屈は必要で楽しいこととされている場所についても描く。私たちは遊び、夢見て、学び、幸せになり、自分を愛し、人を愛し愛される権利を取り戻す。自然のなかで生き、悲しみ、泣き、退屈し、そしてもちろん、自由に生きる権利を守るのだ。

María Menéndez Ponte著『Bea & Guille』の表紙

ベアとギリェ

Bea & Guille

マリア‧メネンデス-ポンテ

María Menéndez Ponte

La Galera Editorial

ベアは機嫌が悪い。雨が好きじゃないのに、今は土砂降りなのだ。弟のギリェは彼女と遊びたくて仕方がない。小さな弟というのはいつもうっとうしいものだ。でもなんか、おかしい。ママがギリェのことを叱って、ギリェがベアにごめんなさいというのだ。「もういいよ」っていうのは、どうしてこんなに大変なんだろう?

ベートーヴェン:ウィーンの描写

Beethoven: un retrato vienés

アルトウール‧レベルテル

Arturo Reverter

Editorial Tirant lo Blanch

本書を読めば誰しも19世紀初頭のウィーンの街を有意義に旅行できるだろう。当時のウィーンはヨーロッパの中心であり、ベートーヴェンの生涯の後半30年間はこの地で展開した。この旅では、まずこの街の数々の文化的側面を広範に照らし、それとベートーヴェンという作曲家が個人として芸術家として経験した出来事を結び付け、彼の振舞いの真相や彼の五線譜の意味の深さ、さらには音楽史における新時代の幕開けの前提となった高い独創性を一枚の絵に仕立てて見せてくれる。ベートーヴェンの膨大な楽曲のうち、最も重要な曲を選りすぐって紹介し、各章で当時の状況に関連付けて検討および分析をしている。

Maru Godàs著『Belleza orgánica. Manual ilustrado de comética natural』の表紙

オーガニックな美しさ――イラストによる自然派化粧品の作り方

Belleza orgánica. Manual ilustrado de cosmética natural

マル‧ゴダス

Maru Godàs

Editorial GG - Gustavo Gili

化粧品に関する知識と作り方、自分と地球に対する良識と責任ある姿勢を学びながら健康管理を可能にする、イラストを用いた自然派化粧品の作り方ガイド。 ◆意識的なケア:従来の化粧品の落とし穴を検証し、自然派化粧品のメリットと特性を確認することで、外見の美しさという呪縛にとらわれずに自分の体に気を配り、自分を愛する方法を学ぶ。 ◆天然成分:植物、エッセンシャルオイル、植物油脂、果物・野菜などの生鮮品について、その成分と本来備わるメリットを知る。 ◆作り方:可愛く丁寧なイラストで描かれた手順に沿って、パック、スクラブ、アロマオイル、バター、髪用ローションなど、あらゆる自然派化粧品作りをすぐに実践可能。

José Manuel Aparicio著『Bellum Cantabricum』の表紙

カンタブリア戦争

Bellum Cantabricum

ホセ‧マヌエル‧アパリシオ

José Manuel Aparicio

EDHASA - Editora y Distribuidora Hispano Americana

It is the year 26 BC. The Romans are attempting to subdue the indomitable Cantabrians and Asturians in the inaccessible regions of the north of the Iberian Peninsula. While the fortified city of Bergida is engulfed in flames, Sekeios, an Autrigonian mercenary in the service of Rome, flees the camp after a serious incident with the governor of the province of Tarraconensis. Wandering through hostile territory, he is captured by Konkan warriors who take him to the city of Aracillum, a stronghold of the Cantabrian resistance. The governor has sworn to bring him down. Sekeios is left alone with no way back. So he must kneel before the feared leader Corocotta. To survive, he must fight first against the hatred of the mountain dwellers and then against the relentless offensive of the Roman legions to conquer the Iberian Peninsula. And between battles and wolf hunts, he discovers love with Turennia... A constant struggle and an uncertain fate.

Antonio Amago著『Bemol Pispante, un ratón en el piano』の表紙

ベモル‧ピスパンテ、ピアノの中のネズミ

Bemol Pispante, un ratón en el piano

アントニオ‧アマゴ

Antonio Amago

Sieteleguas Ediciones

小さなネズミ、ベモル・ピスパンテは音楽が大好き。だから、ピアノの中に住んでいる。みんなを危険にさらすので、仲間のネズミたちからは頭がヘンだと思われている。家のあるじは偉大なピアニストで、美しくて難しい曲の練習をする。マルチメディアのコンテンツ入りのCD-Rom付属。

キス

Besos

マルタ‧コミン

Marta Comín

Shackleton Books

再会、祝福、謝罪、おやすみのキス……、それぞれのシチュエーションに応じて、世界にはあらゆるタイプのキスがある。キスは愛情を示す素晴らしい方法。魚や蜂、それに蛇まで、キスすることができるんだ! だけど、そういうキス、動物のキスは、どんな音を立てるんだろう? 小さな読者のための楽しい絵本。各ページにある仕掛けやフラップを動かすことで、動物たちや人々のキスにはたくさんの仕方があることがわかるだろう。

Borja Gonzalez Hoyos著『The Black Holes』の表紙

ブラックホールズ

The Black Holes

ボルハ‧ゴンサレス=オヨス

Borja Gonzalez Hoyos

Reservoir Books (Penguin Random House Grupo Editorial)

『Los agujeros negros(ブラックホールズ)』は、スペインで将来最も有望なグラフィック作家のひとりボルハ・ゴンサレス=オヨスが、文学的ロマン主義と若者の反抗のふたつを掘り下げ、過去と現在の若者の憧れを描いた美しくも不気味な寓話である。グロリア、ラウラ、クリスティーナの3人は、パンク風のバンド「ブラックホールズ」を結成しようとしている。やる気、存在感、直感…必要なものは全て持っている。そしてひとつ気がかりなのは音楽教育の欠如。リハーサルを始めるとすぐに奇妙な存在が現れる。160年前に起こった何かのおぼろげな記憶が彼女たちのひとりを悩ませる。彼女たちがおそらく気づいていないのは、時間は二車線道路だということだ。

Francesca Dell'Orto著『Blancanieves』の表紙

しらゆきひめ

Blancanieves

フランチェスカ‧デル‧オルト

Francesca Dell'Orto

Editorial Luis Vives (Edelvives)

エレナ・クラエ再話によるグリム兄弟の物語に、フランチェスカ・デロルトが絵をつける。しらゆきひめの父親が再婚した新しい女王は、とても美しい義理の娘に嫉妬心をいだく。そこで、娘をなきものにしようと、森に連れていって殺すよう狩人に命じる。しかし、狩人はかわいそうになって女王の命令にそむき、彼女を森においてくる。しらゆきひめは逃げ、日暮れどきに7人の小人が住む小屋を見つけ、そこに隠れ住むようになる。だが、継母は老婆にばけ、しらゆきひめを毒リンゴで殺す。しかし、ある国の王子が、継母が与えたリンゴをとりのぞいてしらゆきひめを生き返らせ、若く美しいしらゆきひめと結婚する。

Andrés Guerrero著『Blanco de tigre』の表紙

トラの白

Blanco de tigre

アンドレス‧ゲレロ

Andrés Guerrero

Fundación Santa María - Ediciones SM

ここから白いトラが支配する禁じられた場所が始まる。ずっと昔の話だ。もうずいぶん前のことなので、語る者もいない。まだ覚えている者たちは、深いジャングルで生まれた伝説のひとつにすぎないと言う。だが、そうではない。断じてない。ある日、偶然の導きで、私の姉妹ドゥナの運命と白いトラの運命が交差した。そして、ふたりは自分たちの場所を見つけた。

Rosa Tiziana Bruno著『Bolsitas raras』の表紙

おかしなバッグ

Bolsitas raras

ロサ‧ティシアナ‧ブルーノ

Rosa Tiziana Bruno

Ediciones Aljibe

この世にやってきたすべての恐怖心は、かたすみにみな身をよせあい、ちぢこまっている。しかし、その恐怖心はどこで生まれ、どこで死んでいくのだろう。恐怖心は何でできているのか。それらのことは、何もわからない。ただひとつ確かなのは、最も悪い瞬間に、恐怖心が表に出てくることだ。本書は、2010年の世界哲学の日にパリのユネスコで発表され、出版社のホームページでも配信されている。

絵画のような刺繍

Bordado pictórico

ヒメナ‧ロメロ

Gimena Romero

『México bordado(刺繍されたメキシコ)』での成功に引き続き、テキスタイルアーティストのヒメナ・ロメロが、技術的な観点からではなく、芸術的な表現の手段として、再び刺繍の製作に読者を導く。本書『Bordado pictórico(絵画のような刺繍)』は、刺繍に言葉を語らせ、実践のさまざまな場面で、各要素――土(素材、アクセント、バックステッチ)、水(糸の流れ、色、光沢のあるフィリング)、火(衝動、意図、ステッチ)、風(息遣い、静寂、フィリングの中の空気)、そして、刺繍の中に溢れ、宿る魂――が、どのよう互いに影響し合っているかを観察するよう、われわれに注意を促す。

朝鮮小史

Breve historia de Corea

ルーベン‧アルマルサ‧ゴンサレス

Rubén Almarza González

Editorial Nowtilus

朝鮮半島のエキサイティングな文化を掘り下げてみよう。その歴史は、両班、飢饉、戦争、独立の試み、また絶え間のない諸外国からの攻撃。さらに根本的に異なる2つの体制を作り上げた歴史的転換。先史時代から現在の分断や朝鮮戦争までを扱っている。現在の朝鮮半島に刻まれた政治的分断のせいで、30年前までスペインでは朝鮮半島について知っている人はほとんどいなかった。しかし、90年代が始まると、韓国の文化はK-popや韓国ドラマのおかげで注目されていく。だが、その一方で統合や分断、占領や独立に翻弄された朝鮮半島の国々の豊かな歴史はほとんど、いや全く知られていない。本書で私たちは、様々な発展過程を経てきた朝鮮半島の歴史を明らかにしていこう。

プレ‧コロンビア美術小史

Breve historia del arte precolombino

カルロス‧ハビエル‧タラニーリャ

Carlos Javier Taranilla

Editorial Nowtilus

プレ・コロンビア美術として本書が扱うのは、メソアメリカの謎のオルメカ文明、古典期の都市テオティワカン、モンテ・アルバン遺跡のサポテカ文明、マヤ文明と都市遺跡、アンデス山脈のナスカの地上絵とティワナク遺跡、トゥーラ遺跡のトルテカ文明、チチェン・イッツア遺跡のマヤ・プウク様式から、テノチティトラン遺跡のアステカ文明、クスコとマチュピチュのインカ帝国までである。本書を読めば、コロンブスのアメリカ発見以前にアメリカ大陸の人々が培っていた文化の発展がわかり、アメリカ大陸の北から南まで、アラスカやメキシコ、ペルー、ブラジル、パタゴニアで保存されてきた先史時代の絵画を見ることができる。先古典期では、謎に満ちたオルメカ文化とその代表的な人頭像や石の祭壇、人物像、謎の神々のレリーフについて深く掘り下げている。

農業占星術の手引き

Breve manual de Astrología agrícola

フアン‧エスタデーリャ

Juan Estadella

Ediciones del Serbal

月、惑星、星座が、自然やわれわれの住む世界に与える影響については、時代を問わず、誰もが耳にしたことがあるのではないだろうか。地球の衛星である月が潮の満ち引きや天候だけでなく、人間の行動や、動植物の生態にも影響を与えるのを、実際に見たり何かで読んだりしたことがあるはずだ。地上のあらゆるものへの天体の影響は現実に存在し、否定できない。しかし、最も驚くべきことは、われわれがそれを利用できるということだ。耕作への応用は、まさにその最も古い用法のひとつである。本書では、われわれの栽培する作物や庭、都会の小さなバルコニーの植物が、天体の力を借りていきいきと成長するよう、簡単に利用できるコンセプト、アイデア、テクニックを紹介している。星を味方につけて、驚きの世界に足を踏み入れてみよう。

Raquel Brune著『Brujas y nigromantes. Hermandad』の表紙

魔女と黒魔術師―友愛

Brujas y nigromantes. Hermandad

ラケル‧ブルネ

Raquel Brune

ST&A Literary Agency

何百年も迫害され追われてきた魔女たちが、とうとうははばかることなく人前に出てこられるようになった。ネット上で住まいをシェアし、呪文を唱えるところを録画し、魔女集会のメンバーしか参加できないパーティーを開いている。黒魔術師たちと休戦協定を結び、一般の人々は、魔女たち特有の魔法を恐れることはない。若い魔女のサベレは、1年に1度行なわれる魔女認定試験を受けようとしている。しかし、選考会の夜、思いがけない方向に運命が変わる。魔女と黒魔術師の和平協定が空中分解するとき、サベレと友人たちは両方の側の死者を目の当たりにし、誰もが無事ではいられないと悟る。

Mònica Peitx著『Bruno se hace mayor』の表紙

ブルーノおとなになる

Bruno se hace mayor

モニカ‧ペッシュ

Mònica Peitx

Editorial Juventud

10歳の男の子ブルーノは、自分の体が変わってきているのに気づく。お姉ちゃんのミアのように、もうすぐ思春期にさしかかるのだろう。思春期の男子の体には、どんな変化があるのかを知り、男性生殖器のすべてを学ぼう。ブルーノとともに、おとなになる冒険の旅に出よう。内分泌学が専門の小児科医が、正常な成長の過程として男子の体の変化を解説し、その大きな変化の時期に必要な健康のための習慣を教える。2016年と2017年にセラ・ドール批評家賞、ジャウマ・アイグアデル・イ・ミロ賞(衛生の普及と教育の賞)等の賞を受賞したMía se hace mayor(ミアおとなになる)の姉妹編。

María Ramos著『Bubble Gum Boy』の表紙

バブルガムボーイ

Bubble Gum Boy

マリア‧ラモス

María Ramos

Fulgencio Pimentel Editorial

バブルガムボーイは新しい学校で新学年を迎え、だれでも経験があるように怖気づいている。新しいクラスメイトは自分のことをどう思うだろう。頭がガムだからって、いじめられないかな。まわりを見まわしてみると、たまねぎっこもエルネストもみかんちゃんもみんなすごくて、いろんなことができる。自分は何ができるだろう。ただのガムだもん…。何言ってるの! みんな同じだったらたいへん。違うからいいんだよ。ベストセラー『El libro del futuro(みらいの本)』(Fulgencio Pimentel SL 、2018-当サイト2019年日本向けおすすめ書籍)のイラストを手がけ、珠玉の個性派書籍『Picnic(ピクニック)』を創りあげたマリア・ラモスが、その才能を遺憾なく発揮した、ガムの男の子と忘れがたい友だちが登場する、新しい絵本シリーズ。

Paula Porroni著『Buena alumna』の表紙

優等生

Buena alumna

パウラ‧ポローニ

Paula Porroni

Editorial Minúscula

経済危機で雇用が不足しているヨーロッパで、エリートを目指して有名大学に通っていた女子大生が、イギリスの村に帰ってきた。挫折の影と、アルゼンチンからの送金によって彼女をコントロールする母親に追い詰められ、主人公は自分に約束されていたはずの成功が消えていくのを見る。彼女は日々賃貸の家やアパートのあいだで過ぎていく。そこにある他人の家財は、使い捨てられた他の人生の証以外のなにものでもない。しかし彼女は、厳しい規律を自分に課して軌道修正しようとする。今度こそ人生に勝利しようと勉強を再開する。いつか優等生、完璧な学生になるのだ。本書はかみそりのように鋭く圧倒的な精確さで、現代ありがちなやさしげな物語を切り裂き、暴力と自己処罰しか芽生えない不毛な光景を露にする。

José C. Vales著『Cabaret Biarritz』の表紙

キャバレー ビアリッツ

Cabaret Biarritz

ホセ‧G‧バレス

José C. Vales

Dos Passos Agencia Literaria

ジョルジュ・ミエはフランスの出版社ラ・フォルチュの依頼で大衆向けの物語を書いている。ある日担当編集者から、15年前の1925年夏、観光客でにぎわうビアリッツを揺るがした悲劇について「堅い」小説を書くようにとの依頼を受ける。地元の若い女性の死体が桟橋の金属の輪に縛りつけらて発見されたという事件だ。ジョルジュは現地に赴き、30名前後の人たちに話を聞く。彼らは様々な社会階層に属しているが、なんらかの形で被害女性と面識があった。その結果、警察と判事がこの事件を握りつぶそうとしたこと、それでも事実が明らかになったのは、当時ジャーナリストのポール・ビルコーとカメラマンのギャレ、それにビルコーが若かりし頃の恋人、魅力的で美しいベアトリス・ロスが調べたからだというのがわかってくる。

Francisco Narla著『Caja negra』の表紙

ブラックボックス

Caja negra

フランシスコ‧ナルラ

Francisco Narla

Agencia Literaria Albardonedo

「飛ぶのが怖いですか? 怖いでしょう」飛行、電子音声現象、古いケルト神話……この見事な小説にはすべてが盛り込まれている。民間航空会社のあるパイロットが通りすぎたあとには死と流血が起こる。あるアマチュア超心理学者が人気のないチャペルで記録した、不気味な電子音声現象が、暴いてはいけない謎を解明する最初の手がかりとなる。破壊的な邪悪な力がとき放たれ、30年以上の時を隔てたふたつのストーリーがぶつかり合う。

大人と高齢者の生活の質 社会的状況における教育的介入

Calidad de vida en personas adultas y mayores. Intervención educativa en contextos sociales

アンtル‧デ‧フアナス‧オリーバ

Ángel de Juanas Oliva

UNED - Universidad Nacional de Educación a Distancia

私たちの社会では、人口の高齢化や大人と高齢者の生活の質の改善の追求は疑う余地のない現実だ。このシリーズでは、社会教育行動やグローバル、専門的な視点から、大人と高齢者が福祉を受けて自立した生活を送るために重要なテーマが扱われている。読者対象は、社会教育や心理学、作業療法、社会福祉分野の学生と教師。それに加え、老後に直面する課題に不安や関心のあるすべての人々である。

カミロ‧セスト 私の一番新しい歌 第1巻

Camilo Sesto. Mi última Canción Vol 1

エレナ‧ゴメス‧デ‧ラ‧プエルタ

Elena Gomez de la Puerta

Editorial Chocolate, SL

カミロ・セストとして世界的に知られるカミロ・ブラネス・コルテスは1946年9月16日、アリカンテ県アルコイ市の、貧しくも勤勉な家庭に生まれた。ラジオから流れるメロディーを聴きながら幼少期を過ごした彼は、やがて絵画や音楽に強く惹かれるようになり、生涯にわたりその情熱を持ち続けた。地元でロス・ダイソンというバンドを組んで行った活動で最初の成功を収めたのち、カミロ・セストは迷うことなく全てを投げうちマドリードに移り住んだ。当時、食料不足や政治および社会的な問題が存在していたにもかかわらず、音楽シーンで自身の居場所を求めて戦い続けるために。その独特な歌声が首都のレコーディングスタジオから発信されるや、楽曲の持つテーマや周りを遠ざけるかのような力強い歌唱に人々は魅了されていくのだった。

カミロ‧セスト 私の一番新しい歌 第2巻

Camilo Sesto. Mi última Canción Vol 2

エレナ‧ゴメス‧デ‧ラ‧プエルタ

Elena Gomez de la Puerta

Editorial Chocolate, SL

カミロ・セストのキャリアの中でピークを選ぶとすれば、それは1975年11月6日にマドリードのテアトロ・アルカラ・パレスで上演されたジーザス・クライスト・スーパースターのスペイン初演の日だ。自らプロデュースし、主演したこの作品は、スペインで初めて上演されたイギリス生まれのミュージカルであり、批判を浴びつつも5ヶ月にわたって上演されるという挑戦的な舞台となった。その数年前、カミロ・セストはすでにOTI(テレビ局)、アルメリア、ベニドルムの音楽祭に参加し、いずれも成功を収めていた。さらに大西洋を渡ってアメリカ大陸にも活躍の場を広げ、チリ、コロンビア、メキシコ、ペルー、アルゼンチンで公演を開いた。この新天地では全ての首都で、その都市の劇場が彼を出演させようと競い合うほどであった。

街を歩く。バルセロナの都市体験

Caminando la ciudad. Barcelona como experiencia urbana

共同作業

Obra colectiva

Edicions de la Universitat de Barcelona

バルセロナという街での体験については多くの作家によって描写されてきた。マヌエル・デ・ソラ=モラレス、ホアン・ブスケッツ、ジョセップ・マリア・ウエルタス・クラベリア、ルイス・ペルマニェル、アレハンドレ・シリシ、イツィアル・ゴンサレスなどがこの街の歴史や出来事、公共機関と市民権の関係などを書き残した。本書は、カタルーニャ工科大学バルセロナ建築高等専門学校の教育プログラムの一環として企画されたプロジェクトおよび研究のエッセンスを紹介したものだ。同プログラムでは都市を教室や実験室と捉え、バルセロナに関する知識を深めるべく、建築、都市計画、社会学、歴史、その他この街を特徴づけているものにアプローチするための探訪がなされた。

Raimon Portell著『Caminos de noche』の表紙

夜道

Caminos de noche

ライモン‧ポルテイ

Raimon Portell

Barcanova Editorial

ルットは逃げなければならない。 誰から? なぜ? 彼女はそうするしかないことを知っているが、なぜだかわからない。 アルジモン先生や、アンチョビことマルクのように彼女を助けたい人さえも秘密に覆われている。ルットを探している人たちは、彼女に対してどんな関心があるのだろう? 彼女はどこに行くのだろう? なぜ? 3部作La luz de Artús(アルトゥスの光)の第1部Caminos de noche(夜道)では、すべてが解決されるわけではない。いくつかの答えは出るが、それは必ずしも読者が望むものではない。3部作の舞台は私たちの世界ではない。少なくとも私たちが知っている通りのこの世界ではない。 歴史は他の道を辿った。いくつか似ているところはあるし、いくつかの国の現在の地名と同じものもあるが、国境線は違っている。 時代背景としては、スペイン内戦が実際より20年早く起こり、第2次世界大戦勃発時にまだ続いているという具合だ。

Raimon Portell著『Camins d'aigua 』の表紙

水の道

Camins d'aigua

ライモン‧ポルテイ

Raimon Portell

Barcanova Editorial

Caminos de noche(夜道)』(Barcanova、2017-当サイト2018年紹介作品)で始まる三部作『La luz de Artús(アルトゥスの光)』の第二部。第一部のストーリーから離れたところから物語は始まるが、第一部の主人公ルットが、モンセグル城で再び登場する。安全な隠れ家に見えた城だが、戦争は大陸を火の海とし、軍隊は執拗に彼女を追い、長い触手を伸ばしてくる。新たな困難に立ち向かわねばならないとルットはわかっているが、どうにもならないこともある。ガイドであり友だちである、シコイワシのマルコスは、帝国で最も危ない穴に入らなければならないとしても、彼女を助けるつもりだ。この第二部で壁が開く。世界はさらに広いことに私たちは気づく。もっと多くの人々がいて、ゲームは私たちが知る国境の向こうまで続く。すべてはつながっていて、ここでの小さな行為に大陸の運命がかかっている。

Sergi Pàmies著『Cançons d'amor i de pluja』の表紙

愛と雨の歌

Cançons d'amor i de pluja

セルジ‧パミエス

Sergi Pàmies

Quaderns Crema

本書Cançons d'amor i de pluja(愛と雨の歌)に収められている25の物語は、熟年の傷つきやすさとくだらない習慣に関しての想いと考察がアンサンブルのように構成されている。セルジ・パミエスは簡潔で力強い文体で、典型的ロマンチシズムの紋切型と、感情的心気症の束縛を解釈しなおす。浄化され抑制された散文と文体が、辛辣さとバイタリティとメランコリーの間でのバランスを模索する。パミエスはこれらの手段を使って、愛のよどみ、受け継いだ記憶への従属、いなくなった人たちにまつわる痛み、作り話と自伝の境があいまいなまま書く喜びに浸る。

Reyes Martínez著『Candela y el misterio de la puerta entreabierta』の表紙

カンデラと半開きのドアの謎

Candela y el misterio de la puerta entreabierta

レジェス‧マルティネス

Reyes Martínez

Editorial Bambú

学校の帰り道、カンデラはいつもツタのからまった屋敷の前を通る。怖いのでいつもは足を速めて通りすぎるのだが、今日はひとつ、いつもと違うことが目をひき不安になった。2階のバルコニーのガラス戸が少し開いていたのだ。しかも、ささやき声も聞こえてくる気がする。だれか中にいるのだろうか。謎に満ちた冒険ミステリー。

Reyes Martínez著『Candela y el rey de papel』の表紙

カンデラと紙の王さま

Candela y el rey de papel

レジェス‧マルティネス

Reyes Martínez

Editorial Casals

血と肉をそなえた人間のまま、紙の世界でくらすことを想像できる? 怖いもの知らずの女の子カンデラが、新しい冒険をひっさげて帰ってきた。今度冒険するのは、オリガミでつくったものでいっぱいの紙の世界。オリガミは何かって? 紙を折る遊びを日本語でそういうんだって。雨が降る11月の土曜の朝、カンデラと仲間たちが科学博物館に行ってみると、折り紙のめずらしい展示をやっていた。ところがちょっとうっかりしたすきにカンデラは、こわれやすい紙でできたその信じられない世界にとらわれてしまった。息つく間もなく繰り広げられる紙の世界の冒険を、メルセ・ロペスのイラストが美しく彩る。

Per Abbad著『Cantar de Mio Cid』の表紙

わがシッドの歌

Cantar de Mio Cid

ペール‧アバッド

Per Abbad

Century Publishers S.L.

『わがシッドの歌』は作者不詳。カスティーリャの騎士、勇者ロドリゴ・ディアスの晩年に着想を得て英雄的功しを物語った武勲詩。ロマンス語で書かれたスペイン文学最初の長編叙述作品であり、その文体は文学的に高く評価されている。現代の大半の批評家によると、書かれたのは1200年頃。スペイン文学で唯一ほぼ完全に保存された叙事詩である。原本の最初のページと写本の中の2ページが喪失されたが、その内容はCronica de veinte reyes (20人の王の年代記)などの年代記から推察できる。このジャンルでは、『わがシッドの歌』の他に1700の詩句から成るlas Mocedades de Rodrigo(ロドリゴの青年期)(1360年頃)など4つの作品が現存している。

Sergio García Sánchez著『Caperucita roja』の表紙

赤ずきんちゃん

Caperucita roja

セルヒオ‧ガルシア‧サンチェス

Sergio García Sánchez

Dibbuks

これまでとは違う形で語られ、描かれた、すばらしい赤ずきんちゃんの物語。ペローやグリム兄弟の物語に基づいて、アーティスト、ロラ・モラルによる再話に、美しい挿絵をつけた新版。折りたたんだページがあり、開くと片側では赤ずきんちゃんのお話が語られ、もう一方の側では登場人物や村、エピソードやおばあさんのケーキの作り方などのサイドストーリーが展開する。セルヒオ・ガルシアの繊細な絵が、まだ魔法のあった時代に読者を誘い、夢が現実となる。あらゆる年齢の読者の心をつかむ。

Alba Dalmau著『Capgirat』の表紙

ひっくりかえって

Capgirat

アルバ‧ダルマウ

Alba Dalmau

IMC Literary Agency, S.L.

ある日、世界が揺れ始め、すべてが宙を舞った。揺れが収まったとき、あらゆるものが散乱し、飼い猫のカリウアは姿を消していた……。アルバ・ダルマウとシンタ・ビダルが贈る詩的で暗示的なこの物語は、周りの世界を違った視点から見てみようとわたしたちに提案する。

Sara Mesa著『Cara de pan』の表紙

パン顔

Cara de pan

サラ‧メサ

Sara Mesa

Editorial Anagrama

ふたりの出会いは公園だった。もう直ぐ14才になる少⼥カシとかなり年上の男性エル・ビエホ。この偶然の出会いはその後何度も繰り返されることになる。彼⼥は学校の強制から逃げているうえに周りの⼈々と交流できずにいる。⿃を眺めることやニーナ・シモンの歌を聴くことが好きな彼は仕事がなく、複雑な過去を引きずっている。世間からはじき出され傷ついたふたりは、不適切で世間からは認められない、疑わしい関係を築いていく。⼈々の推測が真実かどうかは別として、無理解や拒絶反応を引き起こす関係だ。読者をはぐらかし、強迫観念を抱かせ、居⼼地の悪さを感じさせるようなストーリー。しかしタブーや⼤⼈の世界へ飛び込む恐怖、社会的規範に順応することの難しさなどが克明に描写され、読者を引き込む不思議な⼒を持った小説だ。

ネズミの顔、悪の星

Cara de Rata, estrella del mal

クリスティナ‧ガルシア‧マルコス

Cristina García Marcos

Velocismo Editorial

不機嫌に始まったピルグリスの1日が、悪趣味なCM撮影を引き起こして終わるだけでなく、飼い猫がヒヨコに変装してしまうなんて、そんなことってあり得る? あり得るんだよ、だって車が自力で進み、子どもたちが宇宙服を着ていて、見えない朝食をとる青いウサギ村では、どんなことでも起こるから。ほんの小さな子どものころから共存してきた力のせいでいらいらすることと、なにか関係していたのかもしれない。あるいは飼い猫が持つ本物の〝ウサギ的〟な性質か、それともきっと、何でも吸い込んじゃうスポンジみたいなこの村の空気か……それともきっとちがうのかな。理由はそれよりもっと驚くべきことかもしれない……。

Layla Martínez著『Carcoma』の表紙

木喰い虫

Carcoma

ライラ‧マルティネス

Layla Martínez

Casanovas & Lynch Literary Agency

ゴシック小説と新しいマジックジリアリズムにおいて確立した動向へのスペインの答えである。ライラ・マルティネスはスペインの片田舎を舞台とするこの衝撃的なデビュー作で、イベリア半島とカトリックの民間伝承を利用し、ブラックユーモアとロルカ的回想とともに、隣人たちから拒絶され恐れられた一家の唯一の生き残りである祖母と孫娘の波瀾万丈の復讐劇を描く。村の地主の一人息子が失踪したとき、彼女たちふたりに犯人の容疑がかけられる。ふたり目の失踪者である地主の息子とはたまたまかかわっただけだという彼女たちの言葉を、誰も信じない。ざらついた豊かな声で、祖母と孫娘が交互に、家族のこと、家のこと、天使や聖人との取引のことを語り、火を囲んで夜に語られる怖い話のように私たちをとりこにする。復讐と階級闘争の物語。

Anna Casanovas著『Carolina y los Valientes』の表紙

カロリーナと勇者たち

Carolina y los Valientes

アンナ‧カサノバス

Anna Casanovas

Ediciones Urano, SAU

1965年夏、カロリーナと勇者たちはマドリードとバルセロナでビートルズの前座として歌った。国じゅうが彼らの歌を知っていた。世界のほかの国々も、もうすぐ彼らに夢中になるはずだった。しかし、1966年、彼らは表舞台から姿を消した。その後の消息を知る人は誰もいない。これは1963年のある夜ベニカシムで知り合い、自分たちの夢を守ろうとした少年と少女の物語だ。そして何よりもお互いを思い合い、ともに不可能なことを可能にしようとした友人グループの物語でもある。彼らは、それがたとえ破滅を意味しようとも、希望をもって正義のために戦った。さらにこれは、のちに家族の真実を見つけ出そうと決意した少女の、そしてそのために生き、呼吸し、愛するだけの価値のある思想が存在することを記録しようとするジャーナリストの物語でもある。なぜなら現在を理解するための唯一の方法はおそらく、自分たちの過去を取り戻すことなのだから。

Pablo C. Reyna著『Carreras de Dragones 1. Llamas y hechizos』の表紙

ドラゴンレース 1. 炎と呪文

Carreras de Dragones 1. Llamas y hechizos

パブロ・C・レイナ

Pablo C. Reyna

Tormenta Agencia Literaria

あなたが今、手にしているこの物語の舞台はぷかぷか諸島。そこは見えない怪物、人をミミズに変える能力を持った魔法使い、けんかっぱやい人間、やせこけたドラゴン(と、その他もろもろ)が住む世界だ。人食い怪物がひそむトンネルにつらぬかれたこの諸島には、たとえば歌う(しかも巨大な)ゴキブリ、かたまりになったナメクジ、めったにシャワーを浴びないゴブリン、歯のない継父…つまり、おそろしい生きものたちが巣くっている。魔法(気まぐれにしか効かない)、地下レース、そして予期せぬ効果をもたらすナツメヤシの実でいっぱいなのだ。この世界で命を落とさないために、人間のアライアとドラゴンのパンポックスは力を合わせざるを得なくなる。立ち向かうのは敵の攻撃か、それとも……。ドラゴンレースへようこそ!

María Agundez著『Casas limpias』の表紙

清潔な家

Casas limpias

マリア・アグンデス

María Agúndez

Editorial Planeta, S.A.U.

潔癖症の若い女性ソルは、妊娠して以来、毎週火曜日、家事代行のために雇ったディアナとエミリーをやや羞恥心を覚えながら自宅に迎えている。現代的な思考の彼女は、家政婦を雇うことをよしとしない。ゆえに、もともとは助けとなるはずのことが、「人からどう見られるか」という絶え間ない不安の種となっている。二人の家政婦がどうしても必要なのに、彼女たちがいなくなってくれればと願わずにはいられない。 不快感が募り、銀行口座の残高が減り続けるにつれて、ある疑問が湧いてくる。彼女たちと自分とは、それほど隔たっているのだろうか? もし自分が掃除婦だったら、容赦ない自分の家族(別名「夢を食い荒らすシロアリ」)が、品位に欠けるとか才能の無駄遣いだと自分をなじるのは目に見えている。ソルの人生や人間関係、彼女が世界を見る目は、ありのままの自身の性向と、他者が期待する自分とのズレにより、日ごとに変わっていく。 『清潔な家』はただの小説ではなく、強迫観念そのものであり、私たちが目にしたくないものすべてに向けられた視線である。品位あるものと屈辱的なもの、「彼女たち」と「私たち」、見えるものと隠されたもの、という二つの世界の間に常にある分断についての物語である。 マリア・アグンデスは、辛辣でありつつユーモラスな声で読者を魅了する。

Brenda Navarro著『Casas vacías』の表紙

空っぽの家

Casas vacías

ブレンダ・ナバロ

Brenda Navarro

Sexto Piso España

母であることは、ほとんどの場合幸福と結びつけられるものだが、ときには悪夢にも変わりうる。公園で遊んでいた息子が行方不明になった母と、わが子として育てるためにその子をさらった女の場合がそうだ。深刻な肉体的・感情的不安定さを背景に、同じ子ども――最初はダニエルという名で、その後レオネルと名付けられた――の母である女たち、そして同じ空虚感を抱えた母たちの物語が、親密さ、家庭内暴力、社会の不平等、孤独、寄り添うこと、罪と愛に対して我々が持つ先入観を私たちに突きつける。

Gemma Freixas著『Casino de Santa Isabel』の表紙

サン=‧イサベルのカジノ

Casino de Santa Isabel

ジェンマ‧フレシャス

Gemma Freixas

Raval Ediciones S.L.U

赤道ギニアの独立宣言の翌日、フェルナンド・ポー島サンタ・イサベルの黒人地区付近で、街のスペイン人コミュニティのリーダー格、パブロ・モンテシノスの死体が発見された。どう見ても自然死と思われたが、治安警備隊に配属された、書類整理担当の役人が、糸口をさぐり始める……。このように始まる本書は、かの地におけるスペイン人の最後の数か月と、非植民地化プロセスの失敗を描く。無責任な政府の決定、経済的利害、人種間・男女間の差別……そして祖国喪失、亡命、悲恋、失われた楽園の物語だ。

Eduardo Gismera著『Catarsis』の表紙

カタルシス

Catarsis

エドゥアルド‧ヒスメラ

Eduardo Gismera

Editorial Kolima

父親の没後困窮した若い建築家のアロンソは、何百年も前から西の方角に埋もれている秘宝があるのを知る。砂漠の旅によってアロンソは、死は生の終わりではなく、生のひとつの状態に過ぎないことを教えられる。さらに自らの臨死体験によって、その直観が確信に変わる。シンプルで読みやすい、ヒスメラの洗練された筆が、人間の魂の奥底の深い知恵を開示する。

Cenizas

アルバロ‧オルティス

Álvaro Ortiz

Astiberri Ediciones

何年も会っていなかった3人の友人が、地図に描かれた謎のX印を目指し、長い道のりを進んで行く。そんな前提で『Cenizas(灰)』の物語は始まる。出会いとすれ違い、追跡、道沿いのモーテル、バンジョーを弾く髭面のチンピラたち、船の墓場、飲み放題のビール、口論、二日酔い、そして暴力有り官能有り。心揺さぶるロードムービーと、バイオレンス・スリラーが激しく錯綜する。目に見えるとおりのものは何もない。

Laura Falcó Lara著『Chelston House』の表紙

チェルストン‧ハウス

Chelston House

ラウラ・ファルコ=ララ

Laura Falcó Lara

Agencia Literaria Albardonedo

スリラー。恐怖小説。1年間つきあってきた優雅な英国紳士エドワード・ベネットが、自分の母に引き合わせるため米国から英国まで旅をしようと持ち掛けたとき、これが人生最悪の旅になろうとはアマンダ・クレスリーは思ってもみなかった。英国の田園地帯にある美しいチェルストン・ハウスは、エドワードの母メレディスが暮らすのどかな邸宅だった。しかし、最初は素晴らしい滞在になると思えたのだが、チェルストンの実態は見た目と全く違っていた。じきにアマンダは、秘密と嘘に満ちた世界、自分たちの奇妙な暮らし方を守るためならどんなことも厭わない、狂気すれすれの精神錯乱者の世界に入り込んでしまったのに気づく。

Raquel Garrido martos著『Chester el oso extraterrestre』の表紙

宇宙クマ、チェスター

Chester el oso extraterrestre

ラケル‧ガリンド‧マルトス

Raquel Garrido Martos

Apila Ediciones

チェスターは特別なクマだ。宇宙からきたクマ。いや、違うかも。私たちは時々ほかの人の風変りな習慣に驚かされることがある、が、だからっていちばんの親友になれないわけじゃない。語り手の男の子が、自分の一番の友だちである、宇宙クマ、チェスターのおかしな習慣を説明する。読み進め、絵を見ていくうちに、チェスターが地球のクマのような習慣を持たないことがわかる。だけど、それはたぶん、主人公の男の子が考えるように宇宙から来たからではなく、チェスターが私たちの思ったようではなかっただけのことだ。このお話の結末に驚きが待っている。楽しいストーリーとすばらしい絵を通して、友情とは何か、習慣の違いは友情の妨げにならないことを考察させる。

Rafael Ordónez Cuadrado著『Chispeanditillejo』の表紙

チスペアンディティリェY

Chispeanditillejo

ラフ=エル‧オルドニェス

Rafael Ordóñez Cuadrado

Bookolia Editorial

マリソルはペットの犬のモモと散歩に行きたい。出かける準備をしていると、慎重で用心深い父親から、雨がふりそうだからとコートを着せられる。親はときどきどれほど過保護になるか、そんなエピソードがどんどん積み重なっていく楽しい物語。ストーリーは2つの場面で繰り広げられる。愛犬モモと散歩に行こうとがんばっているマリソルがいる家の中と、家の外と。マリソルは窓から外を見ているが、家の中のことと並行して、外でも信じられないことが起きる。

Sara Mesa著『Cicatriz』の表紙

傷跡

Cicatriz

サラ‧メサ

Sara Mesa

Editorial Anagrama

ソニアはインターネットの文学交流サイトでヌットと出会い、700キロも離れた場所にいるにもかかわらず、強迫観念と奇妙さに彩られた奇妙な関係ができあがる。通常の社会規範の外に身をおき、豪華な盗品をプレゼントして口説いてくる、完璧主義者のとんでもない男ヌットに、ソニアは反感を持ちつつも魅了されずにいられない。「缶詰を1個盗みに行くときですら身なりを整えているのを好む男」ヌットは、若いが19世紀の作家について語り、哲学し、あらゆることに疑問を持つ。個人と集団、社会の偽善や贖罪のヤギ、神と運命、処女性とセックスなどについて論じる。考えることほど楽しいことはないと、よく言っていた。それなのに気取りもせず傲慢でもない。ただ……何もかもそろいすぎていた。ヌットの支配欲があまりに強くなったとき、ソニアは距離をおくことが必要になる。

Luisgé Martin著『Cien noches』の表紙

百夜

Cien noches

ルイスヘ‧マルティン

Luisgé Martin

Dos Passos Agencia Literaria

人間の半数は、パートナーに性的に不誠実であると認めている。だが、残りの半分は真実を語っているのか、それとも嘘をついているのか? それを証明する唯一の方法は、探偵または電子的な手段を用いてひそかに対象者の生活を調査することだ。本書『CIEN NOCHES (百夜)』はこの人類学的実験を提起している。つまり、同意なしに6000人を調査し、最終的にはわたしたちの社会における性行動についての信頼できる統計を作成すること。主人公イレネは、性欲のなかに人間の魂の秘密を探る。『CIEN NOCHES (百夜)』は同時に、恋愛を考察する小説であり、官能を探求する小説であり、犯罪の痕跡を残さない殺人者を警察が追跡する小説でもある。さまざまな愛の形を探求する本書は、わたしたちの関係を取り巻く忠誠心、不貞、恥ずべき欲望、半分の真実、欺瞞の記録だ。

Eduardo Banqueri著『Ciencia cotidiana』の表紙

日常の科学

Ciencia cotidiana

エドウアルド‧バンケリ

Eduardo Banqueri

Parramon Paidotribo, S.L.

たいがいは気づきもしない、何気ない日常の行動の多くに科学が存在していることを、子どもに教えるための実験の本。これらの実験のねらいは、読者が科学を理解し、科学へ興味を抱き、まわりの世界に科学が及ぼす影響を共有すること。日常生活のなかにあるごく普通の物を使ってできるユニークで楽しく、びっくりする実験が、読者の科学への好奇心や想像力を目覚めさせる。主役は読者。おどろきながら学び、自分でやってみせてまわりをおどろかせることもできる。自分で取り組めば、学んだ内容が役立ち忘れにくくなる。

歴史における科学とキリスト教信仰

Ciencia y fe cristiana en la historia

アグスティン‧ウディアス‧バリィナ

Agustín Udías

Grupo de Comunicación Loyola, S.L.U.

時として考えられているのとは逆に、キリスト教信仰と科学の関係には長い歴史があり、両者には親密な関係が存在する。キリスト教が成立した頃、キリスト教信仰とローマ帝国で広く普及していたギリシャ哲学及び科学が初めて出会い、中世では、当時の科学とキリスト教神学が結びついた。また、近代科学の黎明期には新たな状況が生み出されたが、そこでは、新たな科学を通じて神の認識に至る自然神学の発展とともに英国国教会の聖職者らが大きな役割を果たした。まさに近代科学が生まれたのは西洋のキリスト教を取り巻く状況の中からだといえよう。

夜とガラスの白鳥

Cisne de noche y cristal

トメウ‧シモ‧メスキダ

Tomeu Simó Mesquida

Ediciones Urano, SAU

アレックス・ベルは英国ブリストルに住む13歳の女の子。バレエに情熱を燃やしている。所属しているダンススクールが「白鳥の湖」の公演を行うことになり、主役の白鳥と黒鳥を演じることになったアレックスは幸せに浸っている。ところが思いもよらない成り行きで、人生が一変する。ひどく奇妙な状況で近所の湖に落ち、深く沈んでしまったのだ。目覚めたとき、アレックスは自分がラッセル王国にいるのを知った。そこでは行方不明のお姫様を皆が探している。帰り道を見つける途上で、アレックスは大いなる闘いに打ち勝ち、恐るべき悪人どもと対峙し、自分が演じることになった役となりたい自分の間の迷いに決着をつけ、行方不明のお姫様を救うか、それとも忘れ去ってしまうかを決めざるを得なくなる。

Juan Ramón Barat著『Clara en la oscuridad』の表紙

暗闇のなかのクララ

Clara en la oscuridad

フアン‧ラモン‧バラット

Juan Ramón Barat

Grupo Editorial Bruño

大きな街の近くに、今にも崩れそうな大邸宅、黒バラ館が建っていた。どうやらだれも住んでいないようだ。ぶきみな木の茂った森、黒い彫像、秘密の地下室、古い時代の追憶が、館全体を密室めいた雰囲気で包み込んでいる。ある夜、15歳のセルヒオとクララは偶然、この闇の王国へと入りこむ。謎めいた豪邸の内部に、ふたりの運命がひそんでいるのは疑いようがなかった。

Eduardo Halfon著『Clases de Chapín』の表紙

チャピンの授業

Clases de Chapín

エドゥアルド‧ハルフォン

Eduardo Halfon

Fulgencio Pimentel Editorial

「チャピン」とはスペインの上げ底サンダルの⼀種だが、中南⽶の⼤部分では「チャピン」と⾔えばグアテマラ⼈のことを指す。軽蔑を伴って投げかけられることもあれば、誇りを持って⽤いられることもある。⼆重の使い⽅ができる呼称が、心を傾け作り上げられたこのジグソーパズルのような小説を解き明かすひとつのカギを読者に与えてくれる。 エドゥアルド・ハルフォンの中の⽂学、それは彼の磁⽯に引き寄せられる断⽚、私的で断⽚的な伝記としての物語、伝統と他者性、造語、幼少期の沈黙を反映した絵のような表現。そして暴⼒、暴⼒の祭典、未知の幸福な⾕のような破壊、それ以外の何物でもない。

エッセンシャルオイルとハーブの料理

Cocina con aceites esenciales y hierbas aromáticas

マリア‧ピラール‧イベルン

María Pilar Ibern

Profit Editorial

ここ10年、マッサージや美容関連で、とりわけ治療を目的としたエッセンシャルオイル(精油)の使用が見直されてきた。しかし、そもそも体にいいことから、エッセンシャルオイルは、何千年もまえにさかのぼって食の世界でも使用されている。健康的な料理で有名な〈カモメ〉ことマリア・ピラール・イベルンが、料理でエッセンシャルオイルを正しく使う方法を伝授するレシピ本を刊行。読者は、錬金術の本を読むかのごとく、それぞれのエッセンシャルオイルの特性だけでなく、使用する際の適切な分量や温度、組み合わせとして最適な食品について知ることができる。まさに必要不可欠な一冊。

とにかく料理

Cocina y punto

エンリケ‧サンチェス

Enrique Sánchez

Ediciones Alfar

偉大な基本のソース……タパス、冷たい前菜、サラダ、温かい前菜。米、シチュー、クリーム、卵料理。パスタ、魚とシーフード、肉類、デザートとケーキ……とにかく料理! 単なる料理本にとどまらず、どんな好みにも、料理を楽しみたいどんな人にも対応する。プロの料理人にも、アマチュアにも、初めて料理の世界に足を踏み入れようとしている人にも、ぴったりの本。いつもの料理、いつもの食材に、テレビに出演する料理人エンリケ・サンチェスがひと工夫。既刊の料理本が成功を収め、独自の食の冒険に乗り出す。簡単で、コツいらずで、細部まで革新的で、あくまで食材そのものを尊重するレシピ集。

Josep Vilella著『Cocinar en familia con recetas de una selección de los mejores chefs de Europa』の表紙

ヨーロッパの腕利きシェフの選りす りレシRをおうちで作ろう

Cocinar en familia con recetas de una selección de los mejores chefs de Europa

ジュゼップ‧ビレリャ

Josep Vilella

Pagès Editors

キッチンで楽しくリラックスした時間を我が子と共有してもらうための本。ヨーロッパの一流シェフがそれを後押しする。シェフが自身の得意料理を、オリジナルレシピの真髄もそのままにていねいにアレンジ。それぞれの料理を、ひとつひとつ手順を追って説明し、みなが喜んでくれる料理を作るために、大人がするべき作業と子ども達のできる作業とを区別しながらわかりやすく図解する。

Juan Carlos Cubeiro著『Código Mourinho』の表紙

モウリーニョ‧コード

Código Mourinho

フアン‧カルロス‧クベイロ

Juan Carlos Cubeiro

Alienta Editorial

レアル・マドリード監督モウリーニョは、なぜサッカー界の内外でこれほど評価されるのか。彼から学びとれることは何か。彼は「有能なリーダーシップ」の達人として知られている。彼の業績でとりわけ際立つのは、超一流の選手を育て上げたことだ。選手においた期待を明確にし、選手が自分自身をよりよく知る手助けをし、発奮させ、鍛錬させることで、それを成し遂げた。本書は彼の人格を深く分析し、どうやって選手にやる気を起こさせるか、ライバルをいかに研究するか、マスコミとの付き合い方、戦術と戦略について、その実像を浮き彫りにする。

癒やしのコラージュ 切り抜いて楽しむ

Collage terapia. La felicidad a un golpe de tijera

レベカ‧エリセギ

Rebeca Elizegi

Hoaki Books

『癒やしのコラージュ』は、書籍とノートがひとつになった素敵な一冊。コラージュの方法は無限大なので、自分ならではの経験を生かして、世界にひとつだけの超個性的な作品を作りたくなる。切り抜く、貼る、塗る、留める、描く・・・。あらゆる方法で自分らしさ全開の個性的なアルバムを作ろう。材料は、家族写真、花、ポストに入っていたチラシ、雑誌、切符、古本など何でもよし。可能性は無限大。始めるのに必要なのは、はさみ、糊少々、そして、たっぷりの好奇心とチャレンジ精神だけ。「この本でたくさん練習すれば、自分のことをよく知り、自分の作品を楽しみ、創作力を育てられるので、表現力が豊かになるだろう。」

María Ramos著『Colorines』の表紙

色とりどり

Colorines

マリア‧ラモス

María Ramos

MTM Editores (Metafísica del Tercer Milenio Editores, S.L.)

マリア・ラモスの親しみやすいキャラクターたちに手をとられて、ごく小さな子どもたちがゲームや課題に挑戦しながら、色と色の名前を結びつけられるようになる。色のマジックを理解するための、見開き展開の20のアクティビティー。

Laura Gamero著『Cómo atrapar al monstruo de tu armario』の表紙

たんすのモンスターを10の簡単なステップでつかまえる方法

Cómo atrapar al monstruo de tu armario, en 10 sencillos pasos

ラウラ‧ガメロ

Laura Gamero

Barbara Fiore Editora S. L.

ラウラ・ガメロとマヌ・カリェホンは本書で、子どもによくある恐怖心、家のすみにかくれているモンスターへの恐怖とどう向き合うかをとりあげる。主人公たちは、簡単なマニュアルにそってモンスターをつかまえることにする。計画をねってわなをこしらえたり、不意をつこうと待ち伏せしたりしながら、子どもたちはだんだんと勇気やしんぼう強さを見せていく。こわさが消えると、モンスターがあらわれる。あとは、モンスターと仲よくなれるかどうかだ。

環境への気の配り方

Como cuidar el medio ambiente

ジェニファー‧ムーア‧マジノス

Jennifer Moore Mallinos

Gemser Publications

明日を必ずより良い日にするために、きみは何をするつもり? 環境を救える方法はたくさんある。木を植えてもいいし、残り物を堆肥にしてもいいし、ハチの巣箱を作っても、電気を消して回ったっていい。地球の青さを維持する役目は、わたしたちにかかっている。

Alba Cardalda著『Cómo mandar a la mierda de forma educada』の表紙

穏やかに「もう結構」と伝える方法

Cómo mandar a la mierda de forma educada

アルバ・カルダルダ

Alba Cardalda

Penguin Random House

30万部を突破し、11ヶ国語に翻訳。 なぜ私たちは境界線を引くのがこんなにも苦手なのでしょうか?仕事を失うことへの恐れ、ロマンチックな愛の概念、社会的な輪から排除されることへの不安などが、その理由の一部です。だからこそ、私たちはそれを実行するのが非常に難しく、いざ決心しても罪悪感や不安さえ感じてしまいます。実際、人間関係において境界線を設けることは、道路に標識を立てるのと同じくらい必要です。事故を防ぐからです。重要なのは、それらの境界線をどのように伝えるかを知ることです。それが他者との関係、そして自分自身との関係を改善するのに役立つからです。 この本では、心理学者であり神経科学者でもあるアルバ・カルダルダが、より充実した誠実な人間関係を築くために、自己主張と共感を持って「もうやめて」と言う方法を教えてくれます。それは私たちをより尊重され、愛され、そして何よりも自分自身でいられるように解放してくれるでしょう。

先史時代を生き延びる方法

Cómo sobrevivir a la Prehistoria

エル‧フィスゴン‧イストリコ

El Fisgón histórico

死をもたらす氷河期、人を殺すけだもの、暴力的な種族……。先史時代を生き残れる自信はある? 何百万年も前、非常に知能の高い霊長類が進化を遂げて人類となった。火を発見し、道具を製造することをおぼえ、洞窟に絵を描いて、少しずつ発展していった我々はまた、想像もつかない危険と対峙しなければならなかった。先史時代の脅威の回避の仕方を学べる生き残りガイド。ほんの少しの運さえあれば、この時代を生きて抜け出すことができるよ! エル・フィスゴン・イストリコ(歴史の探究者)の楽しいシリーズの一冊。この新しいシリーズにはほかに、読者を古代ローマや中世へと連れていってくれる本が用意されている。

この線で

Con esta línea

ルイサ‧ベラ

Luisa Vera

Combel Editorial / Editorial Casals, S.A.

ページからページへと線をたどっていき、ブックカバーのそでを開いてこんがらがった線のなかにかくれているものを数えよう。ずっと紙から離れずに、線は部屋や庭、都市を描いていき……、やがて主人公の部屋へと戻ってくる。この技法のふたりの巨匠、パウル・クレーとソール・スタインバーグの作品に触発された絵さがしパズル。

Diego Ameixeiras著『Ediciones Akal』の表紙

スピードを出して運転しろ

Conduce rápido

ディエゴ‧アメイシェイラス

Diego Ameixeiras

Ediciones Akal

エリカはあらゆることを街中で学んだ。 彼女は20歳になったばかりだが、みんなは彼女がもっと年上に見えると言う。多分それは彼女の眼差しのせい。それが彼女を何歳も年上に見せるのだ。 エリカは弟のように見える兄サムエルと暮らしている。兄はいつも彼女にお金を借りている。いつももめごとに巻き込まれている。彼は彼女よりもっと強い思いで、家を出ること、そしてその汚くて暗い穴倉を後にすることを夢見ている。その穴倉には足りないものがあるが、それについてふたりは決して話すことはない。今回は、兄の酔っぱらったあげくのいつもの無分別ではなさそうだ。サムエルは待っていた機会が到来したと確信している。ある軽率な男が、大金が転がり込む商売を彼に持ち掛けたのだ。エリカは自分を危険にさらす計画をサムエルから説明されたが、彼女は拒否できなかった。 それは危険だ。難しい。あまりにもリスクが大きすぎる。でも、どんなことでもじっと座っているよりはましだ。

繋がり 創作の源としての言葉と物体

Conexiones: La palabra y el objeto como fuentes de creación

ラウル‧ニエト‧グリディ

Raúl Nieto Guridi

Editorial GG - Gustavo Gili

創作の過程は反応から始まる。反応とは、予期せぬ繋がりから生まれる創造的な衝動のことだ。本書に掲載されている画像と物体の狙いは見た者の感情を呼び起こすことだ。偶然の繋がりを生み出すよう読者を誘い、計画を育てるためのアイデアや物語をそこから生み出してくれる。「そして、なにより、自分のことは最初からアーティストだと思え」。

星座

Constel·lacions

ブランカ‧ブスケッツ

Blanca Busquets

シントはこの日曜日に100歳の誕生日を迎える。週末の間家族全員と一緒に過ごすことになっていた。長い年月をかけて、シントは家族にすべての星と星座を教えた。彼がその名前を覚えたのは内戦の時だった。少年動員部隊に所属していた頃、記憶に残る特別な星と出会った。もちろん息子のキムも、孫のパウラやラモンも、それぞれの戦いがあった。それは誰にでもあることだが、彼らの戦いは恐らく他よりもっと危険だったのかもしれない。いずれにしても、彼らは少しの間バスクで暮らした。そして彼らの愛の物語は危ういもので大変な結果をもたらす。しかし、何があっても彼らは毎晩星を眺める。なぜなら星は4世代の家族を繋ぐ絆だから。

優待消費

Consum preferent

アンドレア‧ヘノバルト

Andrea Genovart

Editorial Anagrama

この小説は、現代のバルセロナに住む若い女性の物語である。一人称で、ジョイセンの「ある日の出来事」風に語られる。30歳を目前にした世代の矛盾に直面し、同年代の両親が経験した現実とはまったく異なる現実を生きていることに気づいた少女の波瀾万丈を描いている。語り手は不安定な仕事に就いており、結局は解雇される。ポストモダンのリバタリアンの論理のレンズを通して見れば、失敗に終わる恋愛に巻き込まれ、親しい友人関係が揺らぎ、これらすべてによって、彼女は平衡感覚を見出すのが難しいことに気づくだろう。

診断に抗う 精神疾患の慢性化を疑問視する本

Contra el diagnóstico. Una obra que cuestiona la cronificación de la enfermedad mental

マルコス‧オブレゴン

Marcos Obregón

Editorial Rosamerón

本の校正をしながら演劇を教えていた著者は、双極性障害の患者となって苦悩の日々を送るようになる。信じてもらえず、見下され、たいてい疑われる。将来への絶望、社会的に無能であるという感覚、薬を常飲しながら野心を持つことの難しさは、重い発作に苦しむ者にとって不可避のようだ。多くの医師や心理学者がその障害のみに注目する中、色眼鏡をかけずに人格を認めてくれる例外的な専門家がいる。もし彼らに出会えなければ、診断が全てとなるかもしれない。患者とみなされれば将来を失い、何百万という患者にとっての理不尽な処方箋、つまり診断に従うことを余儀なくされる。

Eva Blanch著『Corazón amarillo, sangre azul』の表紙

黄色いハート、青い血

Corazón amarillo, sangre azul

エバ‧ブランチ

Eva Blanch

Tusquets Editores

バルセロナ出身のエキセントリックだが有名な熟年の女流作家が兄弟の家に現れ、いきなり無愛想に言い放つ。「想像つくと思うけど、ここに死にに来たよ」別の40代の女性は金に困り、絶望的状況から逃れようと愛人の腕に必死で身を委ねる。追い詰められたふたりの女性は、極限状態の中で助け合わざるをえなくなる。殆ど共通点がないふたりだが、次第に見えない絆で結ばれていく。相手を理解しなければと思いつめた若い方の女性は、女性作家を過去を調べあげ、その伝説を知り、彼女の最期を受け入れられるようになる。予見できない魅惑的な作家の肖像と、その失墜を綴った小説。文学の中に救いが見出せるという希望に照らされて、狂気と正気、優しさと激怒のエピソードが次々巻き起こる。

Carles Sala i Vila著『Cornelius y la despensa de imposibles』の表紙

コルネリウスとありえないことの店

Cornelius y la despensa de imposibles

Carles Sala i Vila

La Galera Editorial

山の中にあるくねくね村に、ある日奇妙なふたり組がやってくる。トビアスという男の子と魔法使いのかっこうのコルネリウス。ふたりはすぐに、村の少女マルとその祖父と親しくなる。マルの祖父は目が見えないが、人間や物事の大事なことが見える。トビアスとコルネリウスは「ありえないこと」をあきなう素敵な店を開く。その店で、村人は必要としている気持ちや能力を手に入れ、店はうまくいき、すべてが平和そのものだった。しかし、ふたりのしていることをみながみな理解し、快く思っているわけではなかった。不幸なことに、物事がうまくいくようにあやつっていた人が、あやつるのをやめると……。

エイリアンコーポレーション株式会社

Corporació d'alienígenes SA

リュイス‧プラッツ

Lluis Prats Martínez

Barcanova Editorial

映画「メン・イン・ブラック」や「ライフ・イズ・ビューティフル」が好きな人なら、この小説は見逃せない。とんでもない状況におかれ、息子が父親を信頼しなければならない物語だ。もしきみの父親が、きみの仕事はエイリアンをつかまえることだと言い出したら、きみならどうする? 父親を信じる? この本の主人公ニコ・ダスクロットは、まさにそういう目にあう。けれども、父親に説得されて、ニコは疑いながらもそれに従う。こうしてニコは、わくわくするすばらしい新しい世界を見つけるが、やがて、見かけほどすべてがすばらしいわけではないことに気づく。理由は簡単。そんなおかしな職業などあるはずないからだ。それは哀れな父親の空想からくる馬鹿げたたわごとなのか、父親は頭がどうかしてしまったのか、それとも…。

Kilian Jornet著『Correr o Morir』の表紙

RUN or DIE

Correr o Morir

キリアン・ジョルネ

Kilian Jornet

The Ella Sher Literary Agency

キスか殺すか。ベサ・オ・マタ。栄光にキスするか、挑戦して死ぬか。負けることは死ぬこと、勝つことは生きること。闘いこそが勝利と勝者を決定づけるものなのだ」。規格外の人間。英雄。並外れた人物。キリアン・ジョルネットは現在のスカイランニング世界チャンピオンであり、これは地球上で最も過酷な肉体的試練の一つである。彼はキリマンジャロの登頂・下山を世界で誰よりも速く成し遂げた。これまで挑戦したあらゆる競技で世界記録を塗り替えてきた。モンブラン・ウルトラトレイル、トランスピレネー、タホ湖一周……。『走るか死ぬか』は勝者の日記であり、人生哲学であり、私たち全員にとっての模範的な教訓なのである。

Jesús Marchamalo著『Cortázar』の表紙

コルタサル

Cortázar

ヘスス・マルチャマロ

Jesús Marchamalo García

Nórdica Libros

フリオ・コルタサル。痩せてひょろっと背が高く、黒髪、鼻っ柱が強く、ひげ面、太ふちめがね、永遠の若者のような顔立ち。現代文学の中で最もよく知られ愛されている作家のひとりで、ラテンアメリカ・ブームを語るうえで欠くことはできない存在。私たちはコルタサルの人生の最も重要で啓発的なエピソードを、ヘスス・マルチャマロとマルク・トリセス作のこの伝記漫画で辿り、コルタサルの世界と彼の文学の大筋を知る証人となる特権を得られる。コルタサルの読書と旅行、 子供時代、友人たち、初期の文章、ジャズ、パリ、ラ・マガとのパリの散策、そして猫好き。『石蹴り遊び』の作者コルタサルを、共感と賞賛に満ちたタッチで描いた不可欠の伝記物語。コルタサルをこんな風に見せてくれた者はこれまでいなかった。

Clara Cortés著『Cosas que escribiste sobre el fuego』の表紙

火についてきみが書いたこと

Cosas que escribiste sobre el fuego

クララ‧コルテス

Clara Cortés

Plataforma Editorial

イグナシとマリアは最初から別れる運命にあった。マリアが転校してきたとき、みんなが彼女のかかえる問題、ひどい殴打を受けて母が昏睡状態で入院していることを知っていた。だが暗い過去がマリアの行く手に影を落とすことはなく、間もなく彼女はクラスの中心的存在になる。ほほえみと機知に富んだマリアは、大勢のなかでもひときわ輝いている。ずっとその学校に通うイグナシの特技は、いてもだれにも気づかれないこと。ふたりの親友以外、だれも彼を気にとめない。沈黙が隠れ家だと、自分でもよくわかっている。だからこそイグナシは、マリアの笑顔と気配りの裏に秘密が隠されていることにすぐ気づいた。たがいの道が交差したとき、マリアとイグナシの人生はやっかいなものとなる。沈黙に親しむ者は、真実が聞こえ始めるとバランスを失うのだ。

Pruden Panadès著『Cosins de Tarzan』の表紙

ターザンのいとこたち

Cosins de Tarzan

プルーデン‧パナデス

Pruden Panadès

Rayo Verde Editorial

子供時代と思い出についての小説。丁寧に並べられた小さなスライドを通してバルセロナを投影し、時空の旅ができる素晴らしい作品。すりむけて泥や血がこびりついた膝小僧から、バケーション最後の日さよならを言う時に感じたあの喪失感に至るまで、ひとつひとつの体験はあまりに甘美で、主人公の気持ちにすんなり感情移入できる。言葉探しパズルで遊んだこと、ドライブで車に酔ったこと、一列につながってならんでパティオ(アパートの中庭)に下りて行った時のこと、あるいは大人たちがしつこく繰り返したあの意味不明のフレーズ「お行儀よくしなさい!」。私たちの記憶への旅、一見取るに足らないようにみえるひとつひとつの瞬間と幸福への旅。見かけは取るに足らないけれど・・・

Paula Cuadros著『Cosmic Cat y la fiesta planetaria』の表紙

コスミック‧キャット

Cosmic Cat y la fiesta planetaria

パウラ‧クアドロス

Paula Cuadros

MTM Editores (Metafísica del Tercer Milenio Editores, S.L.)

コスミック・キャットは大胆不敵な宇宙ネコ。ゴーダ惑星で開かれるパーティーにどうしても行きたくなった。何を着ていく? とちゅうで何が出てくるかな? 本に描かれた、かつら、服、宇宙人、惑星、隕石などのなかから、それぞれのシーンでいちばん楽しいと思うものをえらんで色をぬろう。自分だけのお話がつくれるし、何度でも好きなだけ変えてもいい。

Javier de Castro著『Cosmo en el espacio』の表紙

宇宙のコスモ

Cosmo en el espacio

ハビ・デ・カストロ

Javier de Castro

Astiberri Ediciones

コスモとそのチームは、新しいジェットパックの最初の試運転を準備中。若き宇宙飛行士コスモは宇宙服を着て、準備はいよいよ最終段階……。そのときジェットパックが爆発し、コスモは宇宙へ放り出されてしまった。仲間との連絡手段も断たれ、方向を知る術もない。漂流から始まったコスモの旅は、退屈とは無縁。宇宙人、救助船、駆逐艦、魔術師、波乱に富んだ発射、そして排水管のミュータント……。どちらかといえば運のいい、数えきれないほどの出会いが、我らが主人公を待ち受けている。 ハビ・デ・カストロは物語づくりで挑戦するのが好きだ。ウェブコミック『The Eyes(目)』で2020年のアイズナー賞とハーヴェイ賞にノミネートされ、その後オンラインゲームから書籍化された『Crímenes ilustrados(図解・犯罪)』にイラストレーターとして参加、2021年には“フォークホラー”のグラフィックノベル『Villanueva(新しい町)』(アスティベリ、2021)を上梓。今回は二度読める、いや二度読むべき児童向けコミックに挑戦した。最初は普通に、それから逆さまに読んでほしい。コスモの冒険は、この本の64ページ目で終わるわけではなく、ひっくり返して読むことで続いていく。類まれな読書体験だ。

Eduardo Gismera著『Cosmos』の表紙

コスモス (宇宙)

Cosmos

エドゥアルド‧ヒスメラ

Eduardo Gismera

Editorial Kolima

晩年にさしかかったイレーネは、まだほんの子供の頃に彼女の人生を永遠に変えたできごとを思い出している。あの数日後、グラナダの海とマドリードへの引っ越しまでの間のあの頃からずっと隠し通すことになる秘密が生まれた。彼女の物語は、聖職を放棄し、過去に直面することを拒む孤独な老人エンリケの物語と絡み合う。 彼はソリアの、山に守られた小さな村にある荒廃した屋敷に住み、あらゆる時空から隔絶していると感じている。 ふたりとも時々、心を許して打ち明け話のできる若いカップル、マリアとアロンソとつきあっている。彼らと一緒にいて、運命はとらえどころがなく、気まぐれで、人間の存在を神秘的で理解できない光輪の中に包みこむということを知る。 本書Cosmos(コスモス)は真の愛という特権に出会った4人の人生を並行させながら深く追求していく。

Begoña Ibarrola著『Crisol e a súa estrela』の表紙

クリソルとお星さま

Crisol e a súa estrela

ベゴニャ‧イバロラ

Begoña Ibarrola

Monllor y Gey Editores

ガラスの地と呼ばれる世界に、星と話す民が住んでいた。その土地では年配者が子供にとても小さいうちから星とコミュニケーションする術をおしえるのだが、言葉ではなく心を使う。ガラスの地の子どもは7歳になると大きなお祭りをして、自分が交信することを学ぶ星を選ぶのだ。クリソルは緊張していた。その晩、誕生日を迎えた彼は、お祝いの後で自らの星を選ぶことになっていたから。自分自身を信じることと自尊心についての童話。

シェアリングエコノミーの評価:社会学的なパースペクティブからのモデル分析と代替プラン

Crítica de la economía colaborativa : análisis del modelo y sus alternativas desde una perspectiva sociológica

ハビエル‧デ‧リベーラ‧オウトムラ

Javier de Rivera Outomuro

Editorial CSIC

本書はシェアリングエコノミーについての研究書である。シェアリングエコノミーとは2010年代中ごろから見られるようになった個人間でシェアするサービス環境のことである。こうした動きを初期の段階から後押ししたのは、ベンチャーキャピタルの多額投資によって推し進められた民泊サービスAirbnb(エアビーアンドビー)のような大規模プラットフォームの成功だった。普及するなかで、もともと共同体を基盤に構想されていたシェアリングというパラダイムに、利益追求型ではない協働型サービスという概念が組み込まれ、今では「シェアリングエコノミー」という名で、曖昧だが多面的なカテゴリーとして定着してきている。

Fernando San Basilio著『Crónicas de la Era K-pop』の表紙

Kポップ時代のクロニクル

Crónicas de la Era K-pop

フェルナンド‧サン‧バシリオ

Fernando San Basilio

Impedimenta S.L.

何気ない日常にひそむ突拍子もないこと、不可解なことを発見する天才である、現代スペイン有数の反権威的で妄想にあふれる作家サン=バシリオの新作。韓国の輝かしいスター集団を、ユーモアと驚きをもって覗き見る。占い師のもとを頻繁に訪れるヨンセイ大学の学生。脚本家たちに殺されると恐れるテレビコメディの俳優。ソウルの地下鉄のショッピング街で木製のアヒルを売る90代の老婆。世界一よく売れている菓子パンの試食用割引クーポンをもっているカップル。韓国のフランチャイズカフェのバブル。そして国際コーヒー見本市に参加するためソウルに到着し、韓国にとどまるために次々と言い訳を見つける、ほとんど特徴のない男フェルナンデス。北朝鮮から戦争の風が吹き、やがて桜の季節が来てブッダの誕生日がやってくる。

Lur Sotuela著『Crónicas de lo imposible』の表紙

不可能のクロニクル

Crónicas de lo imposible

ルル‧ソトゥエラ

Lur Sotuela

Eneida Editorial S.L.

本書は、詩人ルル・ソトゥエラのバランス良い短編集で、フリオ・シルバが挿絵を描いている。これら25編の短編に共通する特徴は、深い心理表現、人間の不安、ブラックで辛辣なユーモアである。それに加え、Les discours du Pince-Gueule (パンス・ゴールのスピーチ、1966年)、 La vuelta al día en ochenta mundos (80世界一日めぐり、1967年)、 Último round (最後のラウンド、1969年)などフリオ・コルタサル作品の挿絵を手がけてきた、80歳を超えるフリオ・シルバの挿絵により、かけがえのない1冊となった。我々人間をめぐる存在の問題に、著者は優しく、人間的に、深く、そしてユーモアを持って向き合い、どの短編も楽しく、健康的で、興味深い体験になっている。知性と繊細さをもって書かれた物語で、的確で絶妙な筆運びにより、我々は登場人物の内面に入りこみ、感動し、楽しみ、心をふるわせる。

Pere Calders著『Cròniques de la veritat oculta』の表紙

隠された真実クロニクル

Cròniques de la veritat oculta

ペラ‧カルデルス

Pere Calders

Edicions 62, S.A.

Cròniques de la veritat(隠された真実クロニクル)はカルデルスの小説の中でカギとなる作品であり、スペイン内戦後の読者にとって、すばらしい作家の登場であった。カルデルス独特のユーモアと幻想は年月とともに強くなり、深くなり、あいまいさを増していった。そのあいまいさはエドガー・アラン・ポーから、ルイジ・ピランデルロ、マッシモ・ボンテンペッリを経てフランツ・カフカにつながる幻想文学をいつもとりまいていたあいまいさである。

Manuel Gutiérrez Aragón著『Cuando el frío llugue al corazón』の表紙

寒さが心に届く時

Cuando el frío llegue al corazón

マニュエル‧グティエレス‧アラゴン

Manuel Gutiérrez Aragón

Editorial Anagrama

女神と牝牛と初恋が交錯する物語。北部の街でのひと夏と、性の発見についてのリアリスティックですばらしい物語。青年ルディ・リベロは父親が予防拘禁されているので、この夏、指図する者がおらず自由を謳歌している。彼の父は政治活動がきっかけで告発されただけでなく、女性関係もややこしい。そして息子であるルディも似たような蜘蛛の巣にからめとられていく。夏の間に、ルディは大人への一歩を踏み出す。けだるい雰囲気の美しい女が、先の見えない、だが甘美な愛への未知の旅にルディを導く。物語の始まりは古典的な色合いを帯びている。ルディの後見人である叔父が、べスペロ山の山麓でギリシャ語の授業に出席するようルディに強要する。その山頂で、ルディは往年のボクサーで今は修道士になっている男から教えを受ける。

Leila Nachawati Rego著『Cuando la revolución termine』の表紙

革命が終わるとき

Cuando la revolución termine

レイラ‧ナチャワティ=レゴ

Leila Nachawati Rego

Oh! Books Literary Agency

2014年マドリード。サラは、3歳の娘シャムの父親の身を案じ、不安にさいなまれながら暮らしている。彼はダマスカス(シリアの首都)で行方不明になり、消息がない。気持ちを落ち着けようと、サラは彼とシリアで出会い、すべてが始まった2011年のできごとを綴ることにする。そこからはサラの日記の章と、ダマスカスの5人の若者の日常を3人称で描いた章が交互に展開する。2011年の蜂起の数か月前から戦争が勃発するまでを描いたその物語に登場するのは、シリアとパレスチナの血をひく青年、保守的な家庭のダマスカスの女性、シーア派の家庭の青年、体制側に近い家庭で育ったラウードの名手の女性、レポーターの青年。2011年武力衝突に見舞われ、彼らは自身の身の振り方を選ばなければならなくなる……。ある日、自分の尊厳を回復するためにすべてを賭さなければならなくなったごく普通の人々の現実を知らしめてくれる小説。

Concha Pasamar著『Cuando mamá llevaba trenzas』の表紙

ママが髪をみつ編みにしていたとき

Cuando mamá llevaba trenzas

コンチャ‧パサマール

Concha Pasamar

Bookolia Editorial

ある雨の午後、女の子は偶然、お母さんが思い出の品物を大事にしまっている箱を見つけ、今とはぜんぜん違うが、それほど遠くない過去へ旅を始める。時の流れ、私たちに影響を与える変化、来るべき機会についての物語。時間的にはさほど遠くなく、でも、短い期間のうちに起こった変化によって今とはずいぶん違う過去の子ども時代へまなざしを投げかける本。大人にはノスタルジーを喚起し、現代の子どもには好奇心と知識をもたらす。評価することなく、世代間の対話のかけ橋となり、各自が生きた時代によってアイデンティティが形成される可能性を浮き彫りにする。

Laura Gallego García著『Cuando me veas』の表紙

きみが僕を見るとき

Cuando me veas

ラウラ‧ガルシア‧ガジェゴ

Laura Gallego García

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

数週間前から、説明のつかない奇妙な出来事についての噂が流れている。見えないパワーに攻撃されたと言う生徒もいれば、ひとりでに空中を動いていく物体を見たとか、不可思議な存在が廊下で待ちうけているのを感じたという者もいる。いったい何が起きているのか。「声」にはあらゆる趣向の理論が集まるが、一番支持を得たのは超常現象だとするものだった。つまり、あのよく知られた「屋上の少年」の悲しい物語をみなが思い出す……ということは、中学校に幽霊がいるのか。いるとすれば、だれの幽霊か? 幽霊は何をしようとしているのか? まだ何もわからないが、じきに真相はつきとめられるだろう。

Clara Berenguer著『Cuando pita el abuelo』の表紙

おじいちゃんがふえをふくとき

Cuando pita el abuelo

クララ‧ベレンゲル

Clara Berenguer

Onada Edicions

おじいちゃんはひどい病気で、おばあちゃんが面倒をみてる。食事を作ったり、薬をあげたり、お風呂に入れたり、一緒にいてあげたり。おじいちゃんには孫娘がいて、一緒にいるととても楽しい。ふたりは口笛を吹いておばあちゃんをからかったり、秘密を話し合ったり、大笑いしあったりするが、ある日、突然すべてが変わることになる。

José Carlos Sánchez著『Cuando tomábamos café』の表紙

わたしたちがコーヒーを飲んでいたとき

Cuando tomábamos café

ホセ‧カルロス‧サンチェス

José Carlos Sánchez

Raspabook

マドリードの中心部が、この物語の主人公たちが闊歩する舞台となる。フランコ政権末期の社会と、自分の声を聞いてもらうために戦った、ある世代の勇敢な女性たちによる自由の獲得を余すところなく描いた小説。フランコ政権をもっとも揺るがした汚職事件マテサは、混迷を深めていく時代の政界と社会を揺さぶっていた。この現実をよそに、上流階級の若い娘アデラには、子どものころから知っている音楽家のカルロスのことしか見えていない。しかし、そのカルロスが人生に求めているのは、束縛のない生活と女友だちのコンスタンサだけだ。本書『Cuando tomábamos café(わたしたちがコーヒーを飲んでいたとき)』は、状況の変化を期待してマドリードの街に渦巻きはじめた、社会的理想主義と文化運動を反映した小説。

Enrique Páez著『Cuatro muertes para Lidia』の表紙

リディアのための4つの死

Cuatro muertes para Lidia

エンリケ‧パエス

Enrique Páez

Grupo Editorial Bruño

少女リディアをとりまく世界は、終末的な災禍によって壊滅状態だ。リディアの住む街は火と煙にとり囲まれ、だれひとり助かりそうにない。リディアは父親と兄カルロスと一緒に、母親を探す長い旅に出る。行ったら最後もう前の自分にはもどれない、帰れない旅へ……。誰をもひきつけてやまない、最高におもしろい成長物語。

Alberto Guaita Tello著『Cuentos de la Zamina』の表紙

サミナのお話

Cuentos de la Zamina

アルベルト‧グアイタ‧テリョ

Alberto Guaita Tello

Aerys Producciones

カンタブリア地方の年老いた農夫カシミロは、冬も間近のある日森の中でサミハの妖精に出会った。罠にかかった妖精は意識もなく栗の葉っぱでできた羽が一枚折れている。カシミロは看病のために小屋へ連れ帰ることにした。目を覚ましたサミハの妖精イスナラは、過去の王国や未来の王国についてのお話を聞かせることを交換条件に、この小屋で一緒に冬を越させてくれと頼む。サミナの森に住む素晴らしい生き物たちについて知る良い機会だと申し出を喜んで受けたカシミロは、イスナラから聞くだけではなく、自分が子供の頃に母親から聞き覚えた物語も話してやることにする。リウンやフリール、コケぐまなどの新しく不思議な生き物たちを観においで。

Vanesa Pérez-Sauquillo著『Cuentos con beso para las buenas noches』の表紙

おやすみのキスの物語

Cuentos con beso para las buenas noches

バネサ‧ペレス=サウキリョ

Vanesa Pérez-Sauquillo

Alfaguara Infantil y Juvenil

ペレスねずみってだれか知っている? ひつじが眠らないのはなぜ? くりの実がどんなにたくさんのことに役立つかわかるかな? おやすみのキスをしてもらいながら、そんなたくさんのことをお話してくれる本。寝る前に読む短い物語集で、字を読み始めて間もない子どもたちを、毎晩ベッドに入る間際の5分間、夢の世界にさそってくれる。なかなか寝ようとしない小さな子どもを持つ、すべての親に欠かせない本。親しみやすい登場人物たちと楽しく愛情のこもったストーリー、そしておやすみのキスが基調になっている。やさしく美しい色合いのイラストが、ただの挿絵ではなく第2の語りとなって、物語をいろどっている。

Horacio Quiroga著『Cuentos de la selva』の表紙

ジャングルの物語

Cuentos de la selva

オラシオ‧キロガ

Horacio Quiroga

Nórdica Libros

ジャングルは動物にあふれ、わずかな数の人間が、わくわくするような、そして時に危険な環境で生きている。そんなジャングルの様子が、オラシオ・キロガによってとてもユーモラスに語られる。若い読者たちは、ワニたちがいかにして人間の脅威から川を守るか、どうしてフラミンゴは一本足で立つのかについて楽しく読むことできるだろう。また小さなハナグマが身を粉にして子どもたちと共に暮らす話、カメが甲羅の上にひとりの男を乗せて命を救う話に興奮するだろう。これらの物語は何よりも、自然や連帯に対する賛歌なのだ。

暗闇で読む物語。ロボットたち

Cuentos para leer a oscuras. Robots

イグナシ‧バリオス

Ignasi Valios

Barcanova Editorial

1963年10月3日、リェイダ生まれ。リェイダ美術工芸学校とリョッジャ応用美術・美術工芸学校でイラストレーションを専攻。出版・広告のイラストレーターとして働いている。2001年から手掛けているヒットシリーズ『Cuentos para leer a oscuras(暗闇で読む物語)』は、カタルーニャ語版をバルカノバ、ガリシア語版をシェライス、スペイン語版をアナヤ・インファンティルから出版している。

Pedro Solís著『Cuerdas 』の表紙

なわ

Cuerdas

ペドロ‧ソリス

Pedro Solís

Grupo Editorial Bruño

ニコはマリアのクラスに来た転校生。すごく無口だし、走ったりジャンプしたりしないから、みんなから相手にされない。特別な男の子だ。だけどみんなよりものごとを深く見ることのできるマリアは、ニコとサッカーをしたり、手を叩いて遊んだりする方法を考えだす……。友情と障がいについての感動的な物語絵本。対象年齢6歳から。原作の同名映画は2014年のゴヤ賞ショートアニメ部門で最優秀賞を獲得し、史上最も多くの賞を受けた短編アニメとしてギネスブックで認定されている。

運次第

Cuestión de suerte

パブロ‧デ‧アギラル

Pablo de Aguilar

Ediciones Dokusou

運が良いと思う日があれば、運に見放されたと思う日もある。スターになるために生まれて来たと確信している詐欺師、初潮を迎えると同時に股を開いて、それ以来閉じたことのないニンフォマニア、ドラッグと酒にまみれて夜を過ごす低俗な麻薬の密売人、心残りと諦めの狭間で揺れ動くエレベーターの技術者。この多様な登場人物たちが幸運あるいは悪運によって人生のバランスを崩し、それぞれの結末を迎えるまでの物語。

Marta Pi Martín著『Cuidar-se en comunitat. Una aproximació a les llars col•laboratives per a persones grans』の表紙

コミュニティでのセルフケア:高齢者向け共同住宅へのアプローチ

Cuidar-se en comunitat. Una aproximació a les llars col•laboratives per a persones grans

マルタ・ピ・マルティン

Marta Pi Martín

Edicions de la Universitat de Barcelona

近年、人口動態の変化、個人的な介護と支援への期待、家族の居住形態、財産の譲渡と相続、そしてより活動的な老後の追求により、共同住宅は欧州および国内の両方で著しい拡大を遂げてきました。本書は、民族誌的アプローチを通して、国内の高齢者向け共同住宅7軒の経験をまとめたものです。これらは、地域社会でのケアとセルフケアに焦点を当て、健康的な高齢化を提唱することで、生活様式の新しいパラダイムを提示する場です。注意深いグループダイナミクスと生まれる連帯感のおかげで、これらの住宅にすでに住んでいる人、あるいは将来住むことを考えている人は、この共同生活の代替案を、自立した形で老後を送る選択肢として評価するようになります。

Mónica Gonzalo著『Dani contra el miedo』の表紙

ダニ、こわさとたたかう

Dani contra el miedo

モニカ‧ゴンサロ

Mónica Gonzalo

Marcombo Editorial

ダニはこわがりだ。だけど、きみが助けてくれるなら、モンスターもドラゴンもミイラも魔女も幽霊も、怖いものをみんなやっつけられるかもしれない。手伝ってくれる? どうやったらいいと思う? きみもこわい気持ちを乗り越えたくない? きっとできるさ! 子どもでいるのもラクじゃない。新しい挑戦や試練だらけの知らない世界に立ち向かっていかなければならない。人が感じていること、考えていることをすっかり理解はできないし、これから何があるかわからない。世界は時としてこわいものだ。だから子どもは、その恐怖心をわかって、つきあい、安心させてくれる大人を必要としている。

Edgardo Cozarinsky著『Dark』の表紙

ダーク

Dark

エドガルド‧コザリンスキー

Edgardo Cozarinsky

Tusquets Editores

住所不定のある男との友情は、真面目なある学生をどんな怪しげな情動にかりたてるのか? 息子の文学的資質に無関心な、ごく平凡な両親のもとで育った青年は、出所が怪しい金を使いちらす男によって、危険で不道徳な未知の世界へと導かれる。本の中でしか知らなかった領域に入りたくてたまらない、危険を求める青年と、アウトサイダーのような人生を送って得体のしれない男との間には、曖昧な親愛の情や、利用したり惹かれたりという絆が創られていき、ふたりはある冒険を共有することとなる。「両親が悪しき反復と呼んだであろうことが青年を成長させる。世間からはとんでもない教育とみなされたとしても、ただ結果で判断しうるのだった」。

Pilar Adón著『De bestias y aves』の表紙

野獣と鳥類の

De bestias y aves

ピラール‧アドン

Pilar Adón

Galaxia Gutenberg SL

大自然、独自のルールに従う女性たちだけが住む1軒の家、見知らぬ女。そこへ最近やってきたのは、車がガス欠になり、扉の閉ざされた家しかないでこぼこ道に迷いこんだコロ・マエだ。都会育ちの彼女は、何もかもに見放された状況で何もわからないまま、俗世から離れて独自のルールのもとで数名の女性たちが暮らす家、ベタニアにたどりつく。その家の地下で寝泊まりしているグロリアに、泊まっていくよう強引に誘われ、ほかの女性たちにもそれとなく勧められたのと、くたびれ果ててどうすることもできなかったことが手伝って、コロ・マエは、女性たちが支配する、その野蛮な場所から出ることができなくなる。女性たちが彼女をひきとめているのか。それとも、無能感に彼女が屈したのか。惨事の領域へ、原初的驚きを伴う警戒と詩的恐怖の状況へと読者をひきずりこむ感覚的小説。

César Martín Ortiz著『De corazones y cerebros』の表紙

心と脳の

De corazones y cerebros

セサル‧マルティン‧オルティス

César Martín Ortiz

Baile del Sol Editorial

「執筆と出版は思考と想像をリサイクルする行為だ。すなわちその目的は異なり、その結果もまたそれぞれだ」。セサル・マルティン・オルティス(1958-2010)は、そう確信していたが故に、1995年から2003年の8年間をこの小説の執筆に費やすことに何らの不都合も感じず、その後は善良な読者たちにマヌエル・メディナの存在を知らしめることに無頓着であったのだろう。マヌエル・メディナは、《愛と教育の理想的な関係》(カサンドラへの愛と、実質的には《ユートピア、共和国、自由人たちの共同体であり、悪人を除いて人類の理想を見つける場所》である学校での教育)に前半生をささげた絵画の教師で、35歳からの後半生は名もなき村の寄せ木細工の店に閉じこもった。

動物の文法について

De Grammatica Animalis

ルル‧ソトゥエラ

Lur Sotuela

Eneida Editorial S.L.

¿Qué o quiénes son? ¿De dónde vienen? ¿Dónde viven esas formidables criaturas?&nbsp; Y, sobre todo, ¿me quieren como merienda? Eso es lo que mi querido amigo, mi querida amiga , averiguarás en este asombroso y mágico libro. Este imprescindible vademecum que tienes al alcance de tus ojos, intitulado «De gammatica animalis», es el primer tratado zoológico , estudio sociológico y antropológico, que se ha realizado de los animaligramas, esas formidables criaturas, mitad fantásticas, mitad ridículas, que habitan entre los sueños, las ideas conceptuables e intelectuales y el poderoso mundo de la imaginación. La recopilación de estos datos ha sido laboriosa, y con algunos de sus protagonistas - no debemos olvidar que todos ellos son criaturas salvajes - ha resultado tremendamente peligrosa. Estamos ante un libro insólito, que gravita entre el arte, la sensibilidad y la literatura. Nos hallamos ante una muestra desternillante donde se conjugan una reformulación del bestiario y de la poesía visual, una muestra rebosante de humor inteligente y salvaje que genera una experiencia única e inolvidable.&nbsp;

Carmen Gil著『De gran, per treballar, ofici has de triar』の表紙

大きくなったら、仕事を選ばなきゃいけないよ

De gran, per treballar, ofici has de triar

カルメン‧ヒル

Carmen Gil

Animallibres Editorial, S.L.

大きくなったら何になるか、まだ考えたことがないのなら、想像してごらん! スープやシチューをせっせと作っているか、アルファベットを教えているか、大人や子どもの病気をなおしているのか。楽しくて創意に富んだ、身近な話題の10の子ども向けお話からなるOroneta(オロネタ)コレクションの1冊。人体、季節、動植物、発明、職業、街など多くのテーマを、カルメン・ヒルがウィットに富んだ音楽的な文章で子どもたちにわかりやすく伝える。定評ある画家たちのオールカラーのイラストが感性豊かにページを彩る。

ハイブリッド戦争からグレーFーンまで。 21世紀の紛争の変容。

De las guerras híbridas a la zona gris. La metamorfosis de los conflictos en el siglo XXI.

ジョセップ‧バケス‧ケサーダ

Josep Baqués Quesada

UNED - Universidad Nacional de Educación a Distancia

グレーゾーンとは、脅威や戦略、ハイブリッド戦の一種であり、穏健的な修正主義のアクター(通常は国家)が戦争と同じような目的(だが実際の武力攻撃には至らない)を追求する際に引き起こされる事態のこと。アクターは行動を曖昧にすること(または代理戦争)で自らの身を守りながら、民間の動員や経済的制裁といった戦略的ナラティブ(物語)を流布し、そうした動員(機密情報や特別作戦)を増進または強化するために軍隊の力を借り、その結果、現状維持したい相手がアクター(正規軍)に抵抗することを断念させるのが目的である。

Rocio Bonilla著『¿De qué color es un beso?』の表紙

キスはなに色?

De quin color són els besos?

ロシオ‧ボニージャ

Rocio Bonilla

Edicions Bromera S.L.U.

みんながミニモニと呼ぶモニカは、いろんなものに色をぬるのが大好き。青い空、ペンギン、ゴリラ……、だけど、まだキスには、色をぬったことがない。キスってなに色? スパゲティのトマトソースみたいな赤? きっとちがう、だって赤はおこった色だだもん……。それとも、大好きなワニのみどり? うーん、絶対ちがう! だって緑は野菜の色だもん。野菜なんて食べたくない。それなら? 最後にママが解決してくれる。それもいいね。

Silvia Aliaga著『De Seúl al cielo』の表紙

ソウルから空へ

De Seúl al cielo

シルビア・アリアガ

Silvia Aliaga

Tormenta Agencia Literaria

スペイン⼈のダンサー、パウラはソウルに着いたばかり。彼⼥の夢は破れた。町は期待していたのと違い、誰よりも会いたかった⼈は彼⼥を裏切った。クリスはイギリス⼈の⼥の⼦で、ただひとつの使命を持っている。イギリスですれ違ったKポップのスターにペンダントを返すのだ。全てが悪い⽅向に向かい始めたのは、彼のせいだ…。でも、早くしなくちゃいけない。友達のダニと職場の新しい同僚ミンウに隠している問題が、今にも起ころうとしているのだ。ジェイというのがそのスターで、REX というグループのメンバーだ。彼に加えて、ヒョンス、アレックス、ヨンが、何百万⼈ものファンを熱狂させている。ほとんど知る⼈はいないが、メンバー間はうまくいっていなくて、彼らがケンカしているという秘密は、全てを壊してしまいかねない。De Seúl al cielo(ソウルから空へ)は、圧倒的な世界現象であるKポップを掘り下げたスペイン初の⼩説。

チチナボの絵付け陶器

Decoración con calcas cerámicas de Chichinabo

パトリシア‧ラサロ

Patricia Lázaro

Editorial GG - Gustavo Gili

お皿やカップやタイルに好きに模様を付ける方法を学べるとしたら? 家の食器を生き生きと色鮮やかなものにしたり、朝食用のシリアルボウルにオリジナルの物語を描けるとしたら? デザイナー、そして陶芸家でもあるパトリシア・ラサロは、物語を描いた商品製作を専門に行う、陶器のデザイン・装飾ブランド「チチナボ」の代表。本書では、下書きから転写、最後の仕上げまで、陶器の絵付けの秘訣を手軽に楽しく学ぶことができる。陶芸家やイラストレーター、装飾・工芸品好きの方は、この素晴らしい実用的な趣味の本を読めば、いよいよ陶芸作品の装飾に取りかかろうという時に必要となるヒントやひらめきが見つかるだろう。

Juan Ramón Barat著『Deja en paz a los muertos』の表紙

死者に手を出すな

Deja en paz a los muertos

フアン‧ラモン‧バラット

Juan Ramón Barat

Grupo Editorial Bruño

家族で休暇を過ごすため、海沿いの小さな村に出かけた少年ダニエル・ビリェナ。そこで神出鬼没の奇妙な若者と接触を持つ。彼はダニエルの夢のなかに入り込み、夢を悪夢そのものに変えてしまう力を持っていた。ある日ダニエルは差出人不明の手紙を受け取る。それは13語から成る警告の手紙だった。「死者に手を出すな。さもなければ、おまえもすぐにその仲間入りだ」そのときからダニエルは、死体や謎の人物や不可解なできごとがうずまく物語のなかに放り込まれる。そこでは、見かけ通りのものは何もない。

Pedro Miguel Lamet著『Deja que el mar te lleve』の表紙

海に運ばれていきなさい

Deja que el mar te lleve

ペドロ‧ミゲル‧ラメット

Pedro Miguel Lamet

Grupo de Comunicación Loyola, S.L.U.

つらい闘病生活と姉の交通事故死を経て、ロドリゴは海辺の古い別荘に越してきた。ベテランジャーナリストである彼はその別荘で、若いころの思い出と思想への旅を始める。姉のシルビアの死に別の原因があるのではと直感したのもその別荘でのことだった。そこで警察も顔負けの調査を開始したロドリゴは、不法移民、麻薬取引、犯罪の生々しい現場に身を置くこととなる。ペドロ・ミゲル・ラメットが人の心の痛みの克服について描いた驚くべき小説。

宇宙の錯乱。夜行性写真家の天文学的奇行

Delirio cósmico. Extravagancias astron ómicas de un fotógrafo noctámbulo

オスワルド‧フェリペ(フェルナンド‧フェリペ)

Oswaldo Felipe (Fernando Felipe)

Prames

宇宙に身を投じ、理解し、闇の中から光を採取する技術について知るための70枚の写真。空のイメージは、物語を聞かせ、神話を呼び起こし、問いを投げかけ、答えを夢見させ、この宇宙の錯乱の中で秘められた事実の暴露と虚構を混合させる。

日本における法、事業、行政:日本の新型コロナウイルス感染症対応を! って

Derecho, Empresa y Administración Pública en Japón Con referencia al tratamiento de la pandemia de la COVID-19 en Japón

ラモン‧ビラロチ=モヤ

Ramón Vilarroig Moya

Editorial Tirant lo Blanch

本書はスペインと日本の研究者や企業、行政機構の協力で完成した。日本の法律や経済、行政をよく知ることによって、両国の企業間の関係が強化され、社会と経済界の交流も促進される。本書の内容は4章で構成されている。第1章では、2019年にEUと日本の間で調印された3つの重要な協定を分析する。すなわち、経済連携協定(EPA)と戦略的提携協定(SPA)、スペインと日本の間で取り交わされ2021年5月に発効した二重課税協定である。第2章では、スペインと日本の経済・商業貿易関係について分析する。分析対象は、ウベ・コーポレーション・ヨーロッパ。同社のプラスチック資源循環方法を紹介する。第3章では、日本の行政機構を紹介する。注目したのは地方間の競合システムであり、分析対象はふるさと納税制度である。最終章では、世界的なパンデミックの衝撃により医療や経済、社会が危機的な状況に陥った。スペインと日本がどのように直面し対応したかを分析する。

Juan José Millás著『Desde la sombra』の表紙

陰の中から

Desde la sombra

フアン‧ホセ‧ミリャス

Juan José Millás

Casanovas & Lynch Literary Agency

ダミアンは失業して以来混乱している。ある日骨董市でちょっとした盗みを働き、たんすに隠れるが、彼が入ったままたんすは売られてしまう。ルシアとフェデという夫婦の部屋に運ばれたたんすの中で、ダミアンは家具の一部であるかのようにそこに居着く。ありえない設定を、いかにももっともらしくラストまでもっていく巧みさが、小説に格別の緊張感を与える。ダミアンは、隠れ場所からルシア夫婦を観察するうちに、ルシアの心や恐れや夢に寄り添うようになる。それによってついには自分が尊重されていると感じて、生きていると実感すれば何ができるかを悟る。

Julen Gabiria Lara著『Desde lo alto se ve el mar』の表紙

高いところから海が見える

Desde lo alto se ve el mar

フレン‧ガビリア‧ララ

Julen Gabiria Lara

Libros de Ruta Ediciones

第二次世界大戦に見舞われたイタリアを舞台にした小説。 少年ロマン・アルベルディは、バスク一周のレースで、初めて偉大なサイクリストのジーノ・バルタリに会う。内戦で亡命したときにも、ツール・ド・フランスで再びジーノ・バルタリに会う。その後ロマンはジーノに会おうと、トスカーナのポンテ・ア・エマに赴く。サイクリングだけではなく、様々なテーマや人物がこの本で交差する。密かに映画を上映する映画ファン、鳥に福音を伝える修道士、陸に残ったポルトガルの船乗り、毎日特別なバゲットを焼くパン職人、身元を隠さなければならない牛乳売りの女…… 新鮮なスタイル、夢のような雰囲気、シュールレアリスム的なタッチ、それに、不正に対する反乱の呼びかけが混ざり合ったこの作品は、文学と生活が共存可能ということを示している。

Nancho Novo著『Despertar』の表紙

目覚め

Despertar

ナンチョ‧ノボ

Nancho Novo

Bartleby Editores, S. L.

ハイメの血管の中にいる女性の幽霊が、その創造主に恋をし、あり得ないことを夢見るようになる。目覚めることだ。幻想の世界では、人類が再創造した空想上の生き物たちが、危うい均衡を保って共存しているのだが、幽霊の熱い願いがその世界を打ち砕く。一方ハイメの日々は、大学時代の過酷な毎日から穏やかな日常へと移行する。『目覚め』はコントラストの小説だ。生々しさと真正、自由奔放さと夢、ロマンティックとエロティック。不敬だが優しいユーモア/ホラー感覚で融合した完璧なコラージュだ。ハラハラドキドキ最後まで読者に期待を持たせ続ける、しっかりとした構成に支えられたコラージュである。

Jordi Sierra i Fabra著『Después del huracán』の表紙

ハリケーンのあとで

Después del huracán

ジョルディ‧シエラ‧イ‧ファブラ

Jordi Sierra i Fabra

Grupo Editorial Bruño

強力なハリケーンで、マイナウニの街は壊滅状態に陥った。ストリートで暮らす幼なじみの3人の少年、サン、イボ、タジルは、災害後に打ち捨てられた家々に盗みに入ろうと決める。リーダーのサンは成功まちがいなしだと言い、従順なタジルは賛成した。だがイボは、もっと別の生き方があるんじゃないかと考え始め、アダミアとの出会いが、根なし草の生活を変えるターニングポイントとなった……。暴力が支配する阻害と絶望のなかで育まれる友情と愛の物語。

ナザレのヨゼフの日記

Diario de José de Nazaret

アンドレス‧マルティネス‧エステバン

Andrés Martínez Esteban

Editorial Ciudad Nueva

マリアの懐妊を知った時、ヨゼフの心によぎったのは何だったのだろうか? イエスの父親になるようにとの神の呼びかけを、彼はどう理解したのだろうか? 主のその呼びかけをどう経験したのだろうか? マリアとイエスと彼の関係はどうだったのだろうか? これらのすべての疑問には答えが無い。福音書にはヨゼフに関することはほとんど書かれていない。ただひとり、福音史家マタイだけがイエスの父親代わりとなったこの公正な男について素描している。けれども、御子イエスと聖母マリアの保護者となるべく神の呼びかけを受けたヨゼフの役割が容易ではなかったことは想像に難くない。著者はその心の内を覗き見ることができるように聖ヨゼフに声を与えた。この本を読むことでイエスの父親代わりを務めたヨゼフの人物像に近づけると同時に、彼が何をどのように経験したかを理解することができる。

Fernando de Pablo y Miren Lasa著『¡Dibújalo! Innova, crea y comunica de manera visual』の表紙

絵にしよう! ビジュアルでイノベーション、クリエーション、コミュニケーション

¡Dibújalo! Innova, crea y comunica de manera visual

フェルナンド‧デパブロ、ミレン‧ラサ

Fernando de Pablo y Miren Lasa

LID Editorial Empresarial

クリエイティブで革新的な形でアイデアを売りこんだり、コンセプトや製品をプレゼンしたくはないか? クライアントや上司や共同出資者、投資家などに、メッセージで大きなインパクトを与えるには? 複雑なアイデアを伝えなければならないが、どうすればよいのか? 解決するのはイラストだ。本書は、イラストやビジュアルなコンセプトを仕事のツールとして提案する。あらゆる状況に合わせて、創造、理解、コミュニケーションの新しいヒントを与えてくれるイラスト。「絵は描けない」と思うのは間違いだ。手と目、それにもちろん右脳をトレーニングすればいい。本書の基本的テクニックと練習で、あなたも絵を描けるようになる。そうすればイラストというエキサイティングな言語で可能性が様々に広がり、ますますクリエイティブになり、自分のアイデアをはっきりと捉え紹介して、成功に導くことができる。

Bárbara Blasco著『Dicen los síntomas』の表紙

症状は語る

Dicen los síntomas

バルバラ‧ブラスコ

Bárbara Blasco

Tusquets Editores

ビルヒニアは父親との関係がずっとうまくいっていなかったが、病院でこん睡状態の父を毎日見舞うのは義務だと感じている。病に取りつかれた彼女にとって、症状は言葉よりも正直だ。その病室で、ビルヒニアの人生の決定的な瞬間に、母親や姉妹との絆が試される。彼女が母親になれる期限が迫っていた。そのとき、謎めいた魅力的な男の患者が新しく隣のベッドにやってくる。ビルヒニアと男は、少しずつ病院の無菌状態にはふさわしくないことを一緒にするようになり、ついに小さな共有スペースをつくる。すべてが失われたとき、きっとそこで思いがけない真実の何かが生まれるだろう。非常に独創的かつ容赦のない筆致で崖っぷち世代の女性を秀逸に描いた物語。

植物模型マスターブック

Dominando la vegetación en modelismo

フェルナンド‧バリェホ

Fernando Vallejo

AK Interactive

模型作家たちが植物のジオラマ風景作成のポイントとコツをもれなく披露した一冊。各種材料の説明に加え、さまざまなスタイル、テクニックを紹介。植物模型は、縮尺にかかわらず風景や場面を完成させるうえで非常に重要なテーマであることから、植物に関心のある模型作家なら必携のガイドと言える。模型作りの初心者も上級者も、各テクニックの手順とその理由をひとつひとつ簡単に学ぶことができる。ジオラマ作りの基本マニュアル。これで植物模型をマスターしよう。

Miguel de Cervantes Saavedra著『Don Quijote de la Mancha』の表紙

ドン‧キLーテ

Don Quijote de la Mancha

ミゲル‧デ‧セルバンテス‧サアベドラ

Miguel de Cervantes Saavedra

Century Publishers S.L.

スペイン人セルバンテス=サアベドラによって書かれた小説。第1部の初版は1605年初頭に『才智あふれた郷士ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ』の題名で出版された。スペイン文学及び世界文学を代表する作品で、最も多く翻訳された本のひとつ。1615年に『才智あぶれた郷士ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ後篇』と題する第2部が出た。滑稽な描写によって騎士道や宮廷の伝統を脱神話化した最初の作品。最初の現代小説とされる。また初めてポリフォニックの手法を用いて書かれた作品で、その後のヨーロッパ文学に多大な影響を与えた。

ふたり姉妹

Dos hermanas

レティシア‧ルイフェルナンデス

Leticia Ruifernández

A Fin de Cuentos Editorial

ふたりの姉妹が笑い、遊びながら、体の部分の名前を挙げていく。腕、目、心臓……。口頭伝承である〈スカートの遊び〉を直接取り入れた、つい歌いたくなるような二か国語(スペイン語と英語)の詩の本。水彩画が乳幼児向けの本のイラストに使われることはあまりないが、その絵を見ただけでページを開きたくなる。

Raquel Mayorga著『Dos hermanos, el cachorro perdido』の表紙

ふたりのきょうだい、まい の子犬

Dos hermanos, el cachorro perdido

ラケル‧マジョルガ

Raquel Mayorga

La Pulga con Gafas

凶暴な老犬、邪悪な枝を持つ木々、2匹の怪物から逃げるオオカミ、森で迷った白い子犬……。こういった冒険と驚きがいっぱいのこの物語は、家族とは、生まれたときに一緒だった人たちとは限らないことを教えてくれる。寄り添い、世話をし、愛し、ありのままのあなたを受け入れてくれる人こそが、時には家族となる。それが心の家族だ。

Nina Minina著『Dos maneras de decir te quiero』の表紙

愛してるって告げるふたつの方法

Dos maneras de decir te quiero

ニナ‧ミニナ

Nina Minina

Group Edition World

愛してるって告げるには、幾通りの方法がある? たぶん世界中の人の数だけある。アクセルとエバは仕事の同僚だが、水と油のようにそりが合わない。アクセルは横柄で女好き、エバはちょっと嫌味な完璧主義者。だがアメリカ出張中に想像もしていなかった出来事が起き、生き残るためにふたりは良好な関係を築くか、少なくとも、そのように努力せざるを得なくなった。本書は独創的で様々なニュアンスを含んだロマンティック・コメディ。はじけそうなほどの愛とウィットが詰まったカクテルの中で、現実とファンタジーが結びつく。こんな愛の告げ方もあるんだって、知ってみたくない? 著者の作品には、ほかに『Emparéjame (わたしとペアになって)』(Penguin、2017)、『¿Viernes o te vas? (金曜日に来る? それとも行く?) 』(Amazon、2017)、『Alicia en el País sin wifi (Wifiのない国のアリス)』(Amazon、2017)、『Algo tan (estúpido) estupendo como el amor (愛みたいにとっても(バカな)すごいこと)』(Amazon、2018)、『Algo tan mágico como tú (あなたみたいにうっとりすること)』(Amazon、2018)がある。

Claire Smedley著『Dos peixets a la peixera』の表紙

金魚鉢のなかの2匹の小さな魚

Dos peixets a la peixera

クレア‧スメドレー

Claire Smedley

Obrador Editorial, S.L.

金魚鉢のなかの2匹の小さな魚がある日、競争しようと考えたお話。その後の出来事が、英語やカタルーニャ語の韻が持つ音楽性や、水彩画の繊細なイラストとともに、遊び心いっぱいに語られる。

Pep Coll著『Dos taüts negres i dos de blancs』の表紙

黒いふたつの棺と白いふたつの棺

Dos taüts negres i dos de blancs

ペップ‧コール

Pep Coll

Raval Ediciones S.L.U

1943年、カレウで農民一家が惨殺された事件は、片田舎のパリャルス・ジュッサの農家や近隣の村々に衝撃を与えた。だが何人もが殺されたそのニュースは、あまり遠くまで届かなかった。新生スペインは平和の天国だというイメージを与えたい時代、政府の検閲が新聞を沈黙させていた。70年経ってペップ・コイは、パスナーダでの子ども時代、心にきざみつけられたこの恐ろしい出来事の秘密を探り始めた。最初は、トルーマン・カポーティが小説化したあの有名なカンザスの惨殺事件とよく似ていると思われたが、パリャルスの犯罪の結末はすべての点で対照的だった。報道機関は事件を忘れ、フランコ政権の司法機関は解決をできないか、あるいは解決を望まなかった。事件に関わった実在の人物の話に基づく、異色にして表現豊か、夢中になること間違いなしの小説だ。

Noël Lang,  Rodrigo García著『Downtown』の表紙

ダウンタウン

Downtown

ノエル・ラング

Noël Lang

Dibbuks

僕の名前はブロ。ダウン症だけど、彼女もいるし、友達もたくさんいる。それに大好きなレコードもあるんだ」。日常性と社会への溶け込みが、この本に収められたコミカルで気楽な作品群の特徴です。作者たちは次のように語っています。「ダウン症の親族がいる人なら、誰でも本当に面白いエピソードをいくつか持っているものです。私たちの目標は、それらの話をダウン症の人の視点から、とてもシンプルな物の見方で語り直すことです

ドラキュラ

Drácula

フェルナンド‧フェルナンデス

Fernando Fernández

Ediciones de Arte y Bibliofilia

本作『Drácula(ドラキュラ)』は、ブラム・ストーカーの原作を、作者のフェルナンデスが忠実に解釈した上で自由な脚色をもって描いた作品。1982年、クリーピー誌(スペイン語版)に1章ごと掲載され、読者が選ぶ最優秀作品賞を受賞した。イタリア、フランス、ドイツ、米国でも出版されており、一般読者のみならず批評家からも高く評価された。今回、通し番号付きで刊行される特別記念版は、フェルナンデスの手による原画を実際に鑑賞するかのごとくそれぞれのカットを楽しめるようにと、すでに故人である作者の家族が保管していたオリジナルの油彩から印刷された。同様に作家の残した資料の中から発見され家族によって保管されてきた、未発表の鉛筆デッサン6点が今回初めて収録された。作家のマルセル・ミラレスが序文を、著者の息子エクトル・フェルナンデスが跋文を担当。

Marina Tena著『Dulce』の表紙

甘い

Dulce

マリナ・テナ

Marina Tena

MARINA Books

糖尿病に関する初の自伝的コミック作品。マリナは糖尿病と診断されたとき、すべてはこれまで通りだと思った。でもそこからは、何もかもが以前と同じではなくなる。毎日、生き続けることを心配しなければならない少女のリアルな生活とは? マリナ・テナは若い世代の読者に向けて、幼少期から大人になるまでの、自身の糖尿病についての経験を正直かつ感情豊かに描く。それらは、慢性疾患と診断された他の多くの少年少女の経験でもありうる。大切なのは病気だけでなく、人生への愛情、日々の些細なことへの情熱、そして何よりも人としての成長であるという、力強い人生の手引書。

一年のお菓子

Dulces todo el año

共同作業

Obra colectiva

Col & Col Ediciones

ヨーロッパを中心に、著者おすすめの14の街歩きを紹介。ローマ、パリ、ロンドン、ウィーンなどの都市で菓子店を訪れ、現地でよく知られたレシピをいくつか取り上げる。菓子店「アリテル・ドゥルシア」のイサベル・ペレスが案内するユニークな街歩きは、読者を単なる観光客から旅人へと変える。14の都市を〈見る〉代わりに〈知る〉ことで、より賢く、より幸せで自由な気分に戻れる思い出をスーツケースに詰めこむべく、記念品を探して広場や通りを楽しむことができるだろう。掲載する84のレシピが甘い味わいをもたらしてくれる。

硬膜

Duramadre

ビクトル‧セリェス

Víctor Sellés

Obscura Editorial S.L.

病床の祖父が難しい状況にあることを知ったロレナは、面倒を見るためにマドリードへ向かう。家族で一番年下のダニが行方不明になったことへの罪悪感を持つふたりの心の叫び声が行きかう中、退屈な日々が流れる。明晰夢を介して弟を再生させることに執着するロレナ。それがダニの命を維持する唯一の方法だと信じ込んでいる彼女は、夢の世界で彼と再会するためならどんなことでもするだろう。一方祖父は、家族崩壊を招いていたかもしれないほどの過去の重荷を背負っていた。その過去を乗り越えるために悪魔に対峙しようとするが、その悪魔はマドリードで多発している若い女性の失踪事件の裏にいる殺人犯だった。ビクトル・セリェスはこの超自然的なテイストの暗黒小説を以って、再びジャンルの壁を軽々と越え、消し去った。良心の呵責、復讐、贖罪の願いがふたつの全く異なる次元で進む小説。

Iria Marañón著『Educar en el feminismo』の表紙

フェミニズムの環境で育てる

Educar en el feminismo

イリア‧マラニョン

Iria Marañón

Plataforma Editorial

ご存じだろうか。女児は6歳にして男児よりも頭が悪いと感じ、大学では男子学生は女子学生の能力を過小評価していることを。これらのすべては社会通念にとらわれた結果に他ならない。遊びや文化的環境が女の子、男の子それぞれの行動、表現、かかわり方に「〇〇すべし」という影響を与えている。子どもは性別に縛られることなく自由に感じ、表現し、行動したほうが良いのではないか。公の場で男女平等を擁護できる良心と決意を持った子どもたち、従来の考え方を超越した思考能力を持ち、テレビや映画、本、SNSなどで頻繁に見受けられる様式に影響されない子どもたちが必要とされる。公正かつ平等主義社会を形成していくうえで、子供たちは力強く、公平で、連帯感を持ち、幸福であるべきだ。その達成にはフェミニズムの環境の中で教育する必要性があると訴えた本。

Sònia Hernandez著『Ejercicios de inmovilidad』の表紙

不動の練習

Ejercicios de inmovilidad

ソニア・エルナンデス

Sònia Hernandez

Acantilado (Quaderns Crema S.A)

『Ejercicios de inmovilidad(不動の練習)』の主人公の女性たちは、周囲の世界からの苦々しい疎外感を感じている。感情が麻痺するような無関心や、生気のなさのようなものに悩まされ、画廊主や作家、歌手、介護者である彼女たちは、不安な境界的空間に追いやられている。不条理文学の最良の伝統を受け継ぐソニア・エルナンデスの語りから溢れでる声は、言葉を手がかりに実感を伴った現実を作りあげ、不穏な幻想の迷路に読者を引きこみ、彼女が生来の語り手であることを証明している。

Alberto Olmos著『Ejército enemigo』の表紙

敵軍

Ejército enemigo

アルベルト‧オルモス

Alberto Olmos

Laure Merle d'Aubigné (A.C.E.R. Agencia Literaria)

団結、広告芸術、そしてインターネットから派生したニューテクノロジーが、このいやらしいほど現代的な小説Ejército enemigo(敵軍)の戦場である。 サンティアゴは落ち目の広告マン。気が滅入る町に住み、上流階級の友人たちが参加する社会運動をシニカルに眺めている。そのうちの一人が死んだ時、彼はサンティアゴに一通の封筒を残していった。サンティアゴはそれによって亡くなった友人の本当の人生を発見し、後戻りのできない危険な道を進み始める。 本書は、現代の大きな社会問題に真っ向からとびこんでいく。政治議論の不毛、社会行動とメディアの反響の間の混乱、倒すべき敵の消失など、挑発的な文章で、社会の不愉快な側面を決然と浮き彫りにする。

Ana López著『El abecedario de Nico y Arturo』の表紙

ニコとアルトゥーロのアルファベット練習帳

El abecedario de Nico y Arturo

アナ・ロペス

Ana López

A Fin de Cuentos Editorial

アルファベットの文字をツールとして、読者のたくさんの好奇心にアプローチするために、兄弟のふたりがこのストーリーですることといえば、散歩すること、観察すること、冗談を言うこと、そして何よりも発見することだ。なぜって、わたしたちが知っていること、知らないこと、想像することが、ふたりと歩むどんな冒険の中にもあるから。

Féliz J. Palma著『El abrazo del monstruo』の表紙

怪物の抱擁

El abrazo del monstruo

フェリクス‧J‧パルマ

Félix J. Palma

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

ミステリー⼩説家のディエゴ・アルセはスランプに陥っていた。彼を有名にしたデビュー作と同等の、満⾜のいく作品が書けずにいるのだ。周りからの多⼤な圧⼒や失敗作の連続、出版社の悲痛な願いもあり、出世に導いてくれたデビュー作の登場⼈物を再び使った作品を書くことを承諾した。その登場⼈物は「怪物」の異名をもつ精神異常者で、近代都市バルセロナで少⼥たちを誘拐していた。ある夜ディエゴが妻とパーティーに出席している間に7歳の娘アリアドナが誘拐される。犯⼈はディエゴの⼩説を具現化し、作中の怪物を模して犯⾏に及んだのだった。そこから⾝の⽑がよだつゲームが始まる。犯⼈は娘を解放する条件としてディエゴに3つの試練を与える。全てインターネットを通してディエゴ⾃⾝が乗り越えなければならない試練だ。あなたは⼦供を救うためにどこまでやれるだろうか?

ハナのコート

El abrigo de Jana

ロラ‧オルドニェス

Lola Ordóñez

Emonautas

ハナは今日、グレーのコートを着ています。歩きながら、だれかほかの人のように感じられたらどんなにいいだろうと想像します。きっとすばらしいに違いありません! けれど、ハナはまだ一番すばらしいものに気付いていませんでした……。これは自尊心の物語。自分が何者かよくわからなかったり、自分のよい面は忘れて他人のよい面ばかりが目についてしまったり、そんな瞬間が語られています。教師用資料付き絵本。

Ana Gerhard著『El agua』の表紙

水 管弦楽入門

El agua. Introducción a la música de concierto

アナ‧ゲルハルト

Ana Gerhard

Editorial Océano, S.L.

川や湖、海、泉は、歴史が始まって以来無数の作曲家たちにインスピレーションを与えてきた。本書はCDつきの子ども向け絵本。これまで多くの音楽家が、生命力あふれる水をテーマに作品を書いてきた。それらの曲を聞くと、音を通して水が目に浮かんでくる。透明感、流れる音、大波のうねり……。そういった水のさまは美しい音に移しかえられ、バロックの時代から現代まで、いくつもの忘れがたい曲となってわたしたちのもとに届いている。本書はIntroducción a la Música de Concierto(管弦楽入門)シリーズの3巻目。世界最高の音楽に子どもたちを誘う招待状だ。

Alejandro Palomas著『El alma del mundo』の表紙

世界のたましい

El alma del mundo

アレハンドロ‧パロマス

Alejandro Palomas

Sandra Bruna Agencia Literaria

オットーとクレアがブエナ・ビスタ老人ホームにやってきた午後、このふたりの老人が、時の流れとともにすり減ったふたつの人生の重み以上のものを抱えていようとは、誰も思わなかった。若いヘルパーのイロナでさえ、彼らに付き添うこの3か月間が彼女の人生にこれほどのものをもたらそうとは想像していなかった。3か月の間、3つの魂は、最初は一緒に過ごすことで、やがて次第に愛情でつながり、やがてがっしりと結ばれる。退屈することに子どものように抵抗し、決然と人生と真実を危険にさらすふたりの老人。そして、多くの隠しごとをしながら、そうやって秘密をかかえているせいで悪いことがあるのではと恐れる若い娘。 本書は大きな愛の物語であり、愛をめぐる大きな物語でもある。音楽へ、人生へ、そして最後のチャンスへの愛。ふたりの勇敢な老人は、感情を優先するため、そして今までそうなる勇気がなかったものを手に入れるための最後のチャンスをつくりだす。

Nívola Uyá著『El alma del violín』の表紙

バイオリンの魂

El alma del violín

ニボラ・ウヤ

Nívola Uyá

Cuento de Luz S.L

ガスパール・ボルチャルトの実話に着想を得た物語。仕事に情熱を傾ける、並外れた腕を持つ弦楽器職人には、かなえたい夢がある。それは世界で最も美しい木材を使ってバイオリンを作ることだ。ほとんど消滅しかけた森の、伝説的な木から採れる木材をめぐる、唯一無二の冒険。きっとたやすくはないだろう、だけど夢をかなえる旅の途中で、主人公は私たちに大事なことを教えてくれる。それは自分の仕事に対する愛、自然への敬意、受け継がれてきた芸術と音楽のはかりしれない価値、そして実現するまで夢を追いつづける勇気だ。

近代の魂とその他の短編

El alma moderna y otros cuentos

キャサリン‧マンスフィールド

Katherine Mansfield

Libros del Zorro Rojo / Albur Producciones Editoriales, S.L.

表層の下に隠れたものを、キャサリン・マンスフィールドは誰より巧みに描いてきた。彼女の時代の女性たちの行動原理についての深い理解により、女性の登場人物たちのみごとな立体性を発見した。そこで、美と驚愕、卑しいものと崇高なものを組み合わせ、人生の複数の次元を構成する、微細な矛盾を見事に描きだした。本書は、主人公たちの人生にしかけられた火山のような感情、常に崖っぷちにある日常生活に入りこんで心を揺るがす感情を浮き彫りにした物語を集めた短編集である。『ジェーン・エア』や、エミリー・ブロンテ、シルヴィア・プラスなどの古典作品のイラストレーターとして定評のあるサラ・モランテが、マンスフィールドの文学的空想を完璧に解釈している。

Santiago Roncagliolo著『El amante uruguayo. Una historia real』の表紙

ウルグアイ人の恋人。実話

El amante uruguayo. Una historia real

サンティアゴ‧ロンカグリオロ

Santiago Roncagliolo

Alcala Grupo Editorial y Distribuidor de Libros

エンリケ・アモリムは恋人フェデリコ・ガルシア=ロルカの死体を盗んだのか? チャプリンとピカソの密会にもぐり込むため、ジャン・ポール・サルトルのふりをしたか? パブロ・ネルーダがノーベル賞をとるための努力を妨害したのか? 1930年代のブエノスアイレス、スペイン内戦、戦後のパリを徹底的に調査研究し、サンティアゴ・ロンカグリオロは20世紀芸術の大巨匠たちの交友関係、嫉妬、ライバル心、恋愛を暴露する。億万長者でありながら共産党員、ホモセクシュアルでありながら妻帯者、ウルグアイ人でありながらアルゼンチン人、カメレオンのように姿を変えるエンリケ・アモリムの視点を借りて、物語は語られる。彼は20世紀のもっとも輝かしい才能を持った人々の心を魅了する術を知っていた。そしてガルシア=ロルカとは、謎めいた愛の物語を生きた。死さえも乗り超えた愛を。

Susana Fortes著『El amor no es un verso libre』の表紙

愛は自由詩ではない

El amor no es un verso libre

スサナ‧フCルテス

Susana Fortes

Pontas Literary & Film Agency

1935年、マドリード。共和派の知識人の粋が集まる学生寮に、アメリカ人の若い娘が到着する。実在の人物と架空の人物がマドリードの街角で交錯する。ポプラの丘の夕べという学生寮の有名なパーティーにひきよせられて、芸術家、ミュージシャン、伊達男、詩人、夢想家、学生たちがあらゆる場所からやって来る。ところが、ひとりの学生の死体が近くの灌漑用水用の運河に浮かんでいるのが見つかり、学生寮の心地よくすみきった雰囲気は突然吹き飛ぶ。また、やってきたばかりのアメリカ人の女の子と高名で懐疑的な教授の間の激しい愛の物語が始まり、教授は難しい岐路に立たされる。犯罪の影と並行して進んでいく、情熱的な禁断のロマンス。主人公たちは、命が代償になりかねない第一級の国家機密やスキャンダルや陰謀に満ちた蜘蛛の巣に絡められていく。

Javier Sáez Castán著『El animalario vertical』の表紙

垂直動物実験室

El Animalario Vertical

ハビエル‧サエス=カスタン

Javier Sáez Castán

Fondo de Cultura Económica de España, S. L.

1924年。レビリョ教授の世界動物実験室が脚光を浴びた数年後、最新の研究成果を披露するため、教授が戻ってきた。レビリョ研究所は動物の進化に貢献し、生き物を直立させるための実験に取り組んでいる。そのため「レビリョラマ」と題するショーを、現在の研究所の本部である進化パレスで行うことにした。

バッファローの年

El año del Búfalo

ハビエル‧ペレス‧アンドゥハル

Javier Pérez Andújar

Editorial Anagrama

不運な世代の4人のアーティストの物語。夢に破れ、理想を失くした4人はガレージに閉じ込められていた。そこへ奇妙な生き物が現れぞっとする取引を持ち掛ける。これはスペインに恋焦がれるフォルケ・インゴという名のフィンランド人作家の人生を綴った小説で、彼は冒頭の4人に起きた出来事を書いた小説の著者。これはフォルケ・インゴの文章の注釈からフッターにまで注やコメントを付ける様々な人に関する小説。その様々な人とはスペイン人翻訳者、彼のフィンランド人の母親、人文科学省の官僚的な教授、ガレージに閉じ込められている4人のうちのひとりの両親、グレゴリオ・モラン友人クラブの会長、サンタ・コロマ・デ・グラメネットの一風変わった映画クラブの元会長だ。

Eva Braojos著『El año del cerdo』の表紙

豚の年

El año del cerdo

エバ・ブラオホス

Eva Braojos

Eirene Editorial

中国の暦でいう豚年に生まれ、驚くべき絆で結ばれたエルビラ、アナ、ハシント、テロ、イバン、フランという登場人物を中心に繰り広げられる小説。読者をぐいぐいひきこむ。 働いていた工場の閉鎖によって彼らの人生がどうなっていくかを巡って物語は展開する。彼らの夢、秘密、そして内なる葛藤があらわになり、その行動が新たな結果を招いていく。 巧妙な文章が読者をとらえ、裏切りと同盟の世界へと誘いこむ。種子を蒔けば、すべてを収穫することができるのかを問いかける強烈な人間ドラマ。

パン屋の見習い

El aprendiz de panadero

フアン‧クルス‧イゲラビデ

Juan Kruz Igerabide Sarasola

Ediciones Paraninfo

1936年、国民蜂起の前日に、治安警備隊の刑事がナバラ州のレクンベリに着いた。市役所の守衛の命を奪った殺人犯の足跡を追ってきたのだ。守衛は強固なカルロス党員で、共和国側に属する村の教師の敵だった。あらゆる形跡が殺人の容疑者として教師を指し示していたが、ある若者のおかげで刑事は別の手がかりを見つける。その若者は役所の職員で、村のパン屋でもあった。生涯でたった1冊、繰り返し読んで暗記するほどになった本『ドン・キホーテ』からインスピレーションを受けてものを考えたり行動したりする人物だ。犯人は隠れたまま、事件の筋道を気まぐれに動かしていた。

Luisa Etxenike著『El arte de la pesca』の表紙

釣りの技

El arte de la pesca

ルイサ‧エチェニケ

Luisa Etxenike

Abiali Afidi S.L.

午後、しばらく釣りをしたあと「祖父はよく僕を自宅に連れていったものだった」。そこでこの物語の若き語り手は、釣り針の「後戻りのできない残酷さ」で傷ついた魚になることの意味を、海に向かっていた時以上によく理解する。しかし魚は「大きくても小さくても、強い歯があってもなくても」釣られないように最後の最後まで闘うということも思い知る。釣り糸のように透明で堅固な文体の本作品は、その決定的闘いのさ中に私たちを引きずりこむ。読者はまた、音の出るイラストという新たな仕掛けに出会う。ボルハ・デミゲルのオリジナル曲Las notas de antes(以前の音符)が水滴のようにテクストに寄り添う。この物語の主人公にとって、息ができる水。「少年-魚」、後に「男-魚」は釣られまいと闘う。

Lucía Martínez Alcalde著『El arte de no llegar a todo』の表紙

すべてをやりきらない術

El arte de no llegar a todo

ルシア・マルティネス・アルカルデ

Lucía Martínez Alcalde

Ediciones Universidad de Navarra S.A.

大きな夢と、すべてを達成できないという現実を受け入れることをどのように調和させるのか? 疲弊、失望、幻滅に陥ることなく、真剣に取り組んで生きることは可能か? 皮肉や執着、重苦しい気持ちに囚われず、強い願望を持ち続けながら成長できるか? 目標が重要なのか、それとも道のりだけが重要なのか? あなたは輝けるのか、それとも燃え尽きてしまうのか? 本書は、これらの問い(他にも)を投げかけ、いくつかの答えを試みる。平和と喜びに満ちた時間との関係を築く必要性、(自分自身と他者の)限界に対する適切な応答としての優しさ、愛がもたらし、人生を豊かにする創造性。カオスを受け入れ、焦りから逃れ、脆弱性を受け入れ、ノーとイエスを言い、生き、愛する、あなた独自の道を見つけるための招待状である。 本書には、決まった答えはない。サブタイトルが示すように、これは対話である。話しませんか?

Marcos Chicot著『El asesinato de Pitágoras』の表紙

El asesinato de Pitágoras

マルコス‧チコット

Marcos Chicot

Duomo Ediciones / Antonio Vallardi Editore S.R.L

他でもないピタゴラスの知性を凌ぐパワフルな知性を持つ人がいるだろうか? その時代最も大きな権力を持っていた人物のひとり、老哲学者ピタゴラスは、偉大な学者たちの中から後継者を選ぼうとしていた。その時、彼の教団の中で一連の殺人事件が始まる。犯罪の背後に、ピタゴラス自身を凌ぐほど強大で暗い知性が垣間見えてくる。謎の女アリアドナとエジプト人探偵アケノンが、殺人者が誰かをつきとめようとする。それは同時に彼ら自身の気持ちを晴らすためでもあった。挑戦的な一冊。その中で過去の亡霊と現代の暗い脅威とが結びつく。魅惑的な秘密や不安をかきたてる人物がうごめく古代ギリシャへの旅。

ゲラルドゥス‧メルカトルのアトラス。地図の世界で活躍した男

El Atlas de Gerardus Mercator. El hombre que puso al mundo en el mapa

ケビン‧R‧ウィットマン

Kevin R. Wittmann

Ediciones de Arte y Bibliofilia

本書は、地図製作史における至宝、アトラス(世界地図帳)と、その作成者であるゲラルドゥス・メルカトルの人生を深く掘り下げたもの。メルカトルは複雑な理論体系と重要な革新技術を駆使し、地理に関する知識とその地図作成における解釈を体系化した。その図法は現代でも用いられ、地図作成に活かされている。歴史家ケビン・R・ウィットマンが情熱を傾けて著した本書は、16世紀の拡大していく世界を映し出し現在の世界地図の直接の起源にもなった地図について詳述した作品で、読む人を地図製作の知識と歴史の世界に引き込む。

Vicente Muñoz Puelles著『El ayudante de Darwin』の表紙

ダーウィンの助手

El ayudante de Darwin

ビセンテ‧ムニョス‧プエリェス

Vicente Muñoz Puelles

Feditrés S.L.

ビーグル号は1831年にイギリスを出港し、世界をめぐり、歴史をぬりかえる旅をすることとなる。その船には、22歳の若きナチュラリスト、チャールズ・ダーウィンと、15歳の見習い水夫シム・コヴィントンがのりこんでいた。シムは、ダーウィンのために動物を捕獲したり、剥製にしたり、カードを作ったりする手伝いをする。二人はジャングルに分け入り、地震や火山の爆発にあい、それまで知られていなかった動植物を見つけ、進化理論を形にしていく。

Patrick Rosas著『El año de los saico』の表紙

ロス‧サ.コスの年

El año de los saicos

パトリック‧ロサス

Patrick Rosas

Editorial La Huerta Grande

El año de Los Saicos(ロス・サイコスの年)は、1964年のリマ社会の内部事情を辛辣なユーモアで語る。この年はリマ出身のロック・グループ、ロス・サイコスが登場した年で、当時、リマの社会は偽善的常識の尊重と個人の品格低下の間で身動きできなくなっていた。嘘が怪しげな生き残り戦略となり、登場人物のひとりが言うように「誰もが嘘をつく」社会だった。 この小説は「良家」のいとこふたりによる女中への誘惑をめぐる出来事を描く。連通管のようにつながり、リアルタイムで執筆している物語を読んでいるような錯覚を読者に起こす。パトリック・ロサスは、そこかしこに存在する美への信奉がもしかしたら息苦しさをより強めていたかもしれないリマの上流階級の、卑俗で偽善的で人種差別的な社会を完膚なきまでに描いている。

Manuel Hidalgo著『El banquete de los genios』の表紙

天才たちの宴

El banquete de los genios

マヌエル‧イダルゴ

Manuel Hidalgo

Laure Merle d'Aubigné (A.C.E.R. Agencia Literaria)

たぐい稀なある饗宴の歴史。1972年11月。ルイス=ブニュエルはロサンゼルスにいた。ジョージ=キューカーはブニュエルを食事に招待したが、彼にはほかにどんな招待客がいるのかは知らせなかった。やって来たのはムリガン、ワイラー、ワイズ、カリエール、シルバーマン、ウィルダー、スティーブンス、ヒッチコック、マムーリアン。フリッツ・ラングは参加できなかった。ジョン・フォードは写真を撮る前に帰った。映画の巨匠がこれほど勢揃いした写真は、後にも先にもないだろう。

El Torres, Gabriel Hernández著『El bosque de los suicidas』の表紙

自殺の森

El bosque de los suicidas

エル‧トレス

El Torres

Dibbuks

Paul Pen著『El brillo de las luciérnagas』の表紙

ホタルの輝き

El brillo de las luciérnagas

パウル・ペン

Paul Pen

Dos Passos Agencia Literaria

僕は10歳で、生まれてからずっとこの地下室で過ごしてきた。両親、祖母、姉、兄と一緒に暗闇の中で暮らしている。みんな火事で顔がひどく変形してしまっていて、姉さんは火傷を隠すために白い仮面をつけている。姉さんの顔を見たら僕が怖がるかもしれないとパパが言うからだ。僕はサボテンが好きだ。僕は昆虫の本を読むのが好きだ。天井の隙間から差し込む唯一の太陽の光を何時間も触っているのも好きだ。でも、姉さんが赤ちゃんを産んでから、みんなの様子がおかしくなる。誰がその子の父親なのか、夜中に待ち伏せているコオロギ男は誰か、僕が生まれる前に何が起こったのか、なぜ僕たちがここに閉じ込められているのかについて、みんなは僕に嘘をついていると思う。でも僕にはホタルがいる。数日前に地下室にやってきたホタルを僕は瓶に入れた。おばあちゃんが言うように、自ら光を作り出すことができる生き物ほど魅力的なものはない。その光は、外の世界を知りなさい、逃げ出して、何が起こったのかを発見しなさいと僕をそそのかす。けれども、あいにくここでは全てのドアが閉ざされていて、どこに出口があるのか分からない...

Pedro Miguel Lamet著『El Caballero de las dos banderas』の表紙

ふたつの旗印の騎士

El Caballero de las dos banderas

ペドロ‧ミゲル‧ラメット

Pedro Miguel Lamet

Grupo de Comunicación Loyola, S.L.U.

ペドロ・ミゲル・ラメが史実に基づき、巡礼者ロヨラの人生を魅力的な語り口で再現する。黄金世紀のわくわくする時代に読者を誘い、イエズス会に大きな足跡を残したイグナシオ・ロヨラの青春時代の葛藤、心の動き、文化状況や精神性を理解させてくれる。

José González Torices著『El caballero del panecillo verde』の表紙

緑色の小さなパンの紳士

El caballero del panecillo verde

ホセ‧ゴンザレス‧トリセス

José González Torices

Editorial CCS

少年マリオ・ルカスは星の世界に夢中だった。はるか彼方のパルサーの星々に、「リトル・グリーン・マン」が住んでいるに違いないと信じている。平和を好み、高いところから何もかも見ていた彼らが、人間たちに秩序をもたらそうと地球に降りてくることになった。出迎えることになったのは、マリオときょうだいのファビオラ、本屋のおじいさんのドン・アベリノなど。冒険や不思議、宇宙にまつわる伝説たっぷりの、「心で深く考えさせる」ホセ・ゴンサレス=トリセスの新刊本。

Martí Perarnau著『El camí dels campions』の表紙

チャンピオンへの道

El camí dels campions

マルティ‧ペラルナウ

Martí Perarnau

Columna Edicions, S.A.U.

ラ・マシア(FCバルセロナの育成組織)の種を植えた老人は誰だったか? そして丹念に世話をし、その種の成長を助けた親とは? そして今、相続者としてその実りの収穫をするのは誰? ラ・マシアの特徴となっている哲学は? 世界最高のサッカー選手を育てあげるために、育成選手たちに何を伝授するのか? この必読の書は、ラ・マシアのアイデアがどこから生まれたのかを説明してくれる。なぜこれほどまですばらしく機能し、成功をおさめているのか? 選手たちに何を求め、いかに育成するのか。要するに、成功のカギは何か? グアルディオラ、メッシ、シャビ、イニエスタ、FIFA バロンドール2010年最優秀選手賞1位から3位独占、クラブワールドカップチャンピオン1回、史上最多の獲得タイトル…。彼らは国際的ブランドであり、世界的成功をおさめた、これ以上望みえないほどの誇らしい存在である。クローンのようにすばらしい選手を育て、また新しい世代がやってくる。新人たちの名前を覚えておくがいい。将来バルサのユニフォームを着るのは彼らなのだから。

Marcos Calveiro著『El camino de Levante. El samurái del Rey』の表紙

レバンテの道

El camino de Levante. El samurái del Rey

マルコス‧カルベイロ

Marcos Calveiro

Edelvives

セバスティアン・コルバドは、義理の母親が働く領主の屋敷にこもりきりで暮らしている。めったに外に出ないが、めずらしく外出したある日、若かりし日のディエゴ・ベラスケスと知り合い、友だちになる。また、主人から虐待されている奴隷の少女と親しくなり、恋をして、彼女を自由にしてやろうと決心する。

カタツムリ

El cargol

マイテ‧ムンス

Maite Muns

L'art de la memoria edicions

この本は、子どもたちを東洋の詩の真髄、とくに俳句の世界へと案内します。俳句は、非常に人気のある詩の形式で、わたしたちの感覚のなかに呼び起こされる印象を通じて自然を導き出そうとするものです。想起されるイメージのほとんどは、アンプルダン(カタルーニャ地方北部の地域)の土地から着想を得ています。イラストはナチュラルかつシンプルで、それぞれの詩から着想を得たものです。イラストは詩とぴったりマッチして、見る者の想像力を掻き立てます。きめの粗い紙に伝統的な水彩技法で描かれており、一部は、グワッシュや水彩色鉛筆で仕上げられています。イラストはすべて、オリジナルの色を維持し、紙の質感をとらえるように細心の注意を払ってデジタル化されています。

下の道

El carrer de baix

ビセント‧フロール

Vicent Flor

GRUP 62, S.L.U.

愛と死は、兄弟であるかのように似通った響きを持ち、かけ離れているようだが共存している。本書は、バレンシア及びガジネラの谷で繰り広げられる愛と友情、死と失恋の物語である。多くの歴史を持ちながら人口の少ないこの谷は、さびれてすっかり荒廃している。中学教師のジュアンと、段々畑で耕作をする心理学者のサラはこの谷に住む。またカルロスという人物もそこにやってくる。彼は編集者で、養子の息子のドラッグや犯罪の問題からくる苦痛から逃れたいという事情を抱えている。谷の暮らしと同様、ほとんど消えかけているガジネラ川をたどって3人が共に歩く道に、過去と、逃れることができないすべてのことが流れこむ。

Susanna Peix著『El cartero que no sabía leer』の表紙

字の読めない郵便屋さん

El cartero que no sabía leer

スザンナ・ペイシュ

Susanna Peix

MARINA Books

森の郵便屋さんルカスは、手紙を配るのが大好き。字が読めなくても、持ち前の勘と近所の人たちの助けのおかげで、いつも仕事をきちんとこなしています。でもある日、いつもと違う手紙を受け取り、初めて、だれに届ければいいのかわからなくなってしまいました。謎を解こうと決心したルカスは、あて先をさがして森じゅう走り回ります。このふしぎな手紙はだれあてなのでしょうか?

崖の上の豪邸

El caserón del acantilado

マルコス‧ベー

Marcos Beltrán

Tebeox Editorial

マルコス・ベーは、自分で漫画の技法を身に付けたガリシア人作家で、主にミステリー、アドベンチャー、ファンタジーものの作品を発表している。大人向けの作品はリアルで細部にまでこだわった劇画調、ユーモラスな作品はシンプルで軽いタッチ、というふうにまったく異なるスタイルで描き分けるのが特徴だ。絵や物語の創作はずっと続けていたが、プロデビュー作は2013年に出版された初の長編漫画『Las aventuras de M&amp;M, El caserón del acantilado (M&amp;Mの冒険、崖の上の豪邸)』。それ以来、「エイ!」や「エクセへシス」などの雑誌で絵を描き、バイーア、エディヌメン、テベオックスなどの出版社とも仕事をするようになった。現在はイラストの仕事を受けながら、冒険物語『M&amp;M』の続編制作など自身のプロジェクトも進めている。

Marta Serra Muñoz著『El catalejo』の表紙

望遠鏡

El catalejo

マルタ‧セラ‧ムニョス

Marta Serra Muñoz

Almadraba Editorial

私の部屋にはあなぼこがあって、私はその穴に学校で作った厚紙の望遠鏡をつっこんで見るのが好きだ。望遠鏡を通して、あらゆる種類の空想の動物が見える。私の友達のフアンも、ちがっている…。

Rafael Torres著『El cementerio de los ingleses』の表紙

英国人墓地

El cementerio de los ingleses

ラファエル‧トレス

Rafael Torres

Ediciones Xorki (Moldava S.L.)

El Cementerio de los Ingleses(英国人墓地)でトレスは、ヨーロッパ、特に英国のロマンチックな旅行者たちがスペインを訪れていた時代へと我々を運ぶ。本書は、18〜19世紀、そして20世紀初頭に、外国人旅行者たちがスペインに見出した目新しさや異国情緒を映し出し、スペイン初のプロテスタント墓地であるマラガの英国人墓地のことと、そこに眠る人々の人生を語る。彼らこそ、南スペインの外国人居住地の魅力的なモザイクを形作る唯一無二のピースである。通り過ぎていった人々、作家、徴兵忌避者、船員、遭難者、宣教師、無国籍者、スパイ、観光客、女優、商人などはみな、ヒブラルファロの丘の海に面した斜面にある、今は植物園である美しい墓地で、永遠の眠りについている人々。彼らはどのような人生を送ったのだろうか? その時代の社会はどんなだったのか?

Xabier Hualde著『El Cerco aliado』の表紙

連合軍の「包囲」 フランコ独裁(1945-1953)を前にした米国、英国、フランス

El «Cerco» aliado. Estados Unidos, Gran Bretaña y Francia frente a la dictadura franquista (1945-1953)

シャビエル‧ウアルデ=アムナリス

Xabier Hualde Amunarriz

Universidad del País Vasco - Servicio Editorial

枢軸国とのつながりが明白であるにもかかわらず、フランコ体制が第二次世界大戦後にも存続したのは、終戦後に構想された国際関係の新しい秩序における概念的歴史的アナクロニズムの結果だった。本書は、1975年に死去するまで独裁者フランコが権力の座にとどまるのを可能にした、1945年から1953年までの複雑な世界情勢の外的な決定的要因の説明を試みる。アプローチにあたっては、これまでの史料編纂の特徴である、野党や体制自体が果たした役割の研究によるスペイン中心主義を避け、大戦中は連合国として勝利を導き戦後も結束した米英仏3国の位置づけに焦点をあてる。

楽観的な脳

El cerebro optimista

ミケル‧アロンソ

Mikel Alonso

Ediciones Urano, SAU

脳は無数の複雑なタスクをこなし、信じがたいほどの働きをするすばらしい器官だ。だが、われわれを幸福にするようには設計されていない。進化というものは、われわれを生存させるためのものであり、幸福に導くようには仕組まれてないのだ。幸い、人間の脳は主な特徴のひとつとして可塑性を有しており、今日、われわれは生物として何百万年もの進化を経た結果、脳の構造を新たな現実に適応させ、神経学的なメカニズムを利用して自分なりの幸福を構築するのに必要な知識を獲得した。著者は最新の神経科学に基づき、習慣、信条、自己認識に関するワークに取り組むことで、脳の基本的なプログラミングを再編成するよう提案する。本書はすなわち、ストレス、悲観的思考、型通りの行動を、冒険、自分への評価、純粋な感動に変えたいと願う人にとっての指南書である。

永遠の皇帝のサイクル

El ciclo del eterno emperador

ラウラ‧ガルシア‧ガジェゴ

Laura Gallego García

アキダビアの皇帝は1000年間国を治め、死ぬとまた生まれ変わる。今回の生まれ変わりでは、皇帝の死後に帝国会議のメンバー数名がある小さな村に現れた。神の魂が宿り、それゆえに玉座を占めるべき新生児を探すためだ。これは永遠の皇帝の17番目の生まれ変わり、ビンタネラランダリの物語。力が目覚めるとすぐに帝国を統率できるように子どものころから教育されてきた女性だ。だけどこれはまた、アキダビアの辺境で育った少年、ケランの物語でもある。その人生は地域の権威に挑もうとした日を境に突然変化する。ふたりの運命が交差するとき、帝国の将来は予期せぬ局面を迎えることになるだろう。

Juan Antonio Masoliver Ródenas著『El ciego en la ventana』の表紙

窓辺の盲人

El ciego en la ventana

フアンアントニオ‧マソリベルロデナス

Juan Antonio Masoliver Ródenas

Quaderns Crema

ノスタルジーは、戦いを挑むべき蜃気楼だと著者は書く。ノスタルジーは過去を理想化し、実際はなかったものの形をとらせようと絶えず私たちに迫ってくるからだ。だから。本書は、作者マソリベルによって再構築された不穏な記憶の書だ。盲人の語りはストーリーの形をとらず、地滑りのようになだれ落ちてくる活き活きとしたイメージ群だ。思い出や幻想、胸を引き裂く場面。時間のない無為の中にいる男は、死の世界から語るように、その明晰な頭に去来するイメージをくりだしていく。作者は本書において、知人と敵、求めた愛と求めざる愛をたしなめ、時の経過や、迫りくる旅の終点を受け入れることを伝えている。

Clara Sánchez著『El cielo ha vuelto』の表紙

空が戻った

El cielo ha vuelto

クララ‧サンチェス

Clara Sánchez

Editorial Planeta, S.A.U.

パトリシアは若いファッション・モデルで、彼女の人生は成功に彩られているかに見える。パトリシアは仕事で乗った飛行機の中で、隣の席に座ったビビアナと知り合う。ビビアナは、パトリシアの周辺にいる誰かが彼女の死を願っているので注意するようにと忠告するが、神も迷信も信じないパトリシアは気に留めず、幸せな日常に戻ると、根拠のない忠告のことは忘れることにする。しかし、一連の偶然の事故が続き、仕事や私生活に支障が出てきて、結局パトリシアは、これらの出来事の説明を求めてビビアナを探しだす。

Islena Neira著『El cisne oculto』の表紙

隠された白鳥

El cisne oculto

イスレナ・ネイラ

Islena Neira

Sallybooks Editorial

白鳥が一羽、黒鳥が一羽、剣を持った親指のない猫が一匹、そしてボーイフレンドの眼鏡を探すひとりの少女……。彼らはみんなで『隠された白鳥』を形作る。アングレーム郊外の散策と即興から生まれた作品であり、冒険、ファンタジー、そして奇想天外なユーモアの物語。

Ana Coto Fernández著『El club de los kakamonstruos』の表紙

カカモンスタークラブ

El club de los kakamonstruos

アナ‧コト‧フェルナンデス

Ana Coto Fernández

Editorial Palabras de Agua

主人公は学校に行くのが嫌いな9歳の少年マルコ。なぜって、学校にはおばけやトロール、魔女、ゾンビや吸血鬼がいて、いつも嫌がらせをしようとするから。新学期の最初はみんなが敵ですごく一人ぼっちだと感じるけれど、すぐに一緒に冒険を分かち合える友だちに出会う。マルコと友人たちは、モンスターたちの真実をみつけられるだろうか? 注意:もし寝る前にこの本を読んだら、次の朝に枕の下を見るのを忘れないで。そして、物事は、時々見た目通りじゃないってことを覚えておいて。

カカモンスタークラブ:ブリィ氏来たる

El club de los Kakamonstruos: que viene Mr. Bully

アナ‧コト‧フェルナンデス

Ana Coto Fernández

Editorial Palabras de Agua

マルコと仲間たちの新学年は、あぜんとするような急展開で始まった。小学校6年生は驚きの連続だ。すごく楽しい驚きもあれば、それほど楽しくもないものもある。小鬼、魔法使い、トロール、ゾンビ、吸血鬼が来る日も来る日もアレックス、マルコ、エストレーリャ、クリスティーナ、ゴンサロに嫌がらせをしようとするんだ。だけど今回は、さらに強力な敵が暗闇からみんなを見張っている。マルコと仲間たちは、待ち受ける不思議な謎を解き明かすことができるかな? その真の魔法の秘密とは何か、知ることができるだろうか? 気をつけて!!! 寝る前にこの本を読んだら、次の日、枕の下を見るのを忘れないで。そして何より、ものごとは、見えている通りとは限らないこともあると覚えておいて。

Fernando Montero, Rafael Galán著『El Club de los tipos duros』の表紙

タフガイの仕事術

El Club de los tipos duros

フェルナンド・モンテロ

Fernando Montero

Gestión 2000

職場で軽く扱われ、踏み台にされることにもううんざりしていませんか?同僚があなたの努力を横取りし、アイデアを盗んで、挙げ句の果てに服装まで馬鹿にしてくる。上司はあなたをいじめ、つまらない仕事ばかり押し付けてくる。そんな状況を変えたくありませんか? 本書では、ドクター・ハウス、ジョン・ロック、デクスター・モーガン、ハンニバル・レクター、ジョン・マクレーン、そしてあのマージ・シンプソンが、あなたの専属コーチとして登場します。彼らの豊富な経験と、他の追随を許さないタフな人生観をもとに、どんな心理学者よりも効果的で実践的なアドバイスを提供。上司や同僚たちに立ち向かう具体的な方法を教えてくれます。あなたもついに、ずっと憧れていた「強い自分」になれるのです。

だれのものでもない櫃

El cofre de Nadie

チキ‧ファブレガット

Chiki Fabregat

ページを繰る手が止まらない、力強い小説。流麗かつ平易な文体で綴る、陰謀とアイデンティティ探しについての情熱的な物語だ。全体が、若者の間のあらゆる種類の愛情関係、支配的で中毒性のある関係の危うさ、ソーシャルネットワークの影響、新しいタイプの家族への適合といった現代性に富むテーマに自然かつ新鮮な切り口で触れている。

Juan Gómez Alcaide著『El cofre del pescador』の表紙

漁師の大箱

El cofre del pescador

フアン‧ゴメス=アルカイデ

Juan Gómez Alcaide

Mary de Sojo Branding

ふたりの人間の間の愛情と共犯者意識が、これほど特別になったことはそうないだろう。あまりに特別なものだから、たったひとりであらゆる不慮の出来事や逆境にも対峙できると感じてしまうほどだ。100歳の祖母と無鉄砲な孫娘は、自分たちに譲渡された遺産の謎を解明するためならどんな障害も乗り越えようと心に決めている。現在の疑問を解き明かすために過去の原因を熱心に探り、想像できる限り最大の冒険に没頭するふたりの姿に、私たちは心のなかのもっとも気高く深い部分をゆすぶられ、夢を見て、微笑む。最初は単なる好奇心だったものを、絶対的な優先事項に変えてしまうほど魅惑的な謎。もしあなたが自分のルーツを否定したり、家族意識に欠けていたり、人生における大冒険に乗りだせない人ならば、この本は読まないでほしい。逆にその3つの要素を持ち合わせた人であれば、信じてほしい。すべてはひとつの理由で起こるのだ…。

影のコレクター

El coleccionista de sombras

ハビエル‧バスコネス

Javier Vásconez

Editorial Pre-Textos

本作品は大衆小説としてみなすこともできるが、面白い仕掛けや文豪への敬意、円熟した叙述、登場人物の構成と劇的内容の奥深さから、教養小説としても読める。

Gonzalo Torné著『El corazón de la fiesta』の表紙

祭りの中心

El corazón de la fiesta

ゴンサロ‧トルネ

Gonzalo Torné

Editorial Anagrama

バルセロナの中心部にある広いマンションを相続したクララ・ムンサルバッジャは、ここを仕事や恋愛、健康問題などで不運な目に遭っている女友だちが駆け込めるスペースとして使おうと決めた。夏が来てスペースが無人になったとき、向かいのマンションに謎めいたカップルが越してきた。ほどなくして、向かいからは絶えず大声で言い争う不快な声が聞こえるようになる。暴力沙汰になるのではないかという怖さ半分、ゲーム感覚半分で、クララは元恋人を呼び出し、この状況を《解決する》手助けをしてほしいと頼む。その中でも、彼ら自身、互いが互いに対して何をすべきであるかについて決める。ある夜、笑い声が突然の殴打の音と悲鳴で中断されたあと、クララはついに向かいの家に足を踏み入れ、(良識に反しつつも、好奇心に背中を押されて)その部屋に住む女性の相談相手となる。そのうちに、その隣人の貧しい出生と豊かな将来への希望が混ざりあった、旋風のような経験に彼女は引き込まれてゆく。

特派員

El corresponsal

ダビッド‧ヒメネス

David Jiménez

年若いジャーナリスト、ミゲル・ブラボは、仏教の僧侶たちが主導したサフラン革命の取材でミャンマー派遣という大きなチャンスを手にした時、冒険の日々になることを期待していた。国内が混乱を極める中、ブラボは世界各国から集まった特派員のとあるグループに入り、刺激的な生活に浸る。独裁政権が抗議デモを鎮圧し、ジャーナリストたちがホテルに監禁されると、ライバル心、恐怖、希望、光と影といったものが際限の状態に達した。ブラボと過去の戦いに疲れ切った伝説的なジャーナリスト、ダニエル・ビントンの友情と、謎めいた通訳ナン・ライへの愛は、ブラボが火の試練に向き合うことになる悲劇の前兆だった。果たして愛や友情、そして真実は、人間性が抱える闇を抜け出すことができるのだろうか?

Carmen Gil著『El cos ens comença amb el cap que pensa』の表紙

考える頭で体は始まる

El cos ens comença amb el cap que pensa

カルメン‧ヒル

Carmen Gil

Edicions Bromera S.L.U.

とっても知りたがりの目、ソーセージの鼻、おしゃべりな口、うちわみたいな耳、足、手……、さあ、きみはどんなふう? 楽しくて創意に富んだ、身近な話題の10の子ども向けお話からなるRimar i somiar(詩を作って夢を見る)コレクションの1冊。人体、季節、動植物、発明、職業、街など多くのテーマを、カルメン・ヒルがウィットに富んだ音楽的文章で子どもたちにわかりやすく伝える。定評ある画家たちのオールカラーのイラストが、ページを感性豊かに彩る。

Béla Braun著『El cuerpo anterior』の表紙

前の体

El cuerpo anterior

ベラ・ブラウン

Béla Braun

Drácena Ediciones

思春期を終えたばかりのメキシコ人青年が、幽霊のように捉えどころのない女性に魅了され、その女性によって若き日のあらゆる願望を打ち砕かれ支配される。いわゆるゴシックロマンの典型的なストーリーの舞台を、ベラ・ブラウンは魅惑的な鋭敏さで21世紀の郊外に移し、狂気の愛の苦悩に満ちた波乱というよりも、主人公の感情が悲痛にも崩壊していくさまを描く。 前作『Solo que Marla no volverá(ただマルラは戻らないだけ)』(ドラセナ、2022)と同様、ベラ・ブラウンはひとりの女性の追跡を描く。しかし、前作が純粋なノワール小説であったのに対し、本作は舞台を現代の現実的な場所に設定している点で、ファンタジーの驚くべき再解釈となっている。この矛盾した試みは見事に成功し、本作に優れた独自性を与えている。

Salvador Vendrell Grau著『El cuervo y la serpiente』の表紙

カラスとMI

El cuervo y la serpiente

サルバドル‧バンドレイ‧グラウ

Salvador Vendrell Grau

Onada Edicions

ずるがしこさと権力、大切なのはどっち? 哲学者ラモン・リュイが考える、文学と人生の普遍的なテーマが描かれる。

Carmen Gil著『El deporte es divertido. ¡Elige tu preferido!』の表紙

スポーツは楽しい どれがすき?

El deporte es divertido. ¡Elige tu preferido!

カルメン‧ヒル

Carmen Gil

Feditrés empresa editorial S.L.

放課後、週末、夏休みや冬休み……。ずっと遊んでいられるって、なんて楽しいんだろう! 想像すればいくらでも遊びはある。どれが一番好き? 楽しくて創意に富んだ、身近な話題の10の子ども向けお話からなるRimar i somiar(詩を作って夢を見る)コレクションの1冊。人体、季節、動植物、発明、職業、街など多くのテーマを、カルメン・ヒルがウィットに富んだ音楽的文章で子どもたちにわかりやすく伝える。定評ある画家たちのオールカラーのイラストが、ページを感性豊かに彩る。

Natalia Sanmartin Fenollera著『El despertar de la señorita Prim』の表紙

世界でいち んすてきな村(セニWリー=‧プリムの目覚め)

El despertar de la señorita Prim

ナタリア‧サンマルティン=フェノリェラ

Natalia Sanmartin Fenollera

Dos Passos Agencia Literaria

示唆に富んだ広告に惹かれ、プルデンシア・プリムは、サン・イレネオ・デ・アルノイスにやって来る。この村は、住民たちが現代社会の影響に戦いをいどんでいる、魅力に溢れる小さな村だ。プリム嬢は、「肘掛椅子の男」の図書館を開設するために雇われた。「肘掛椅子の男」は、インテリで深みと教養はあるが、デリケートさのかけらもない人物だ。ボスとのたびたびの口論にも関わらず、彼女は少しずつ村独特のライフ・スタイルを知り、まったく型どおりではない住民たちの秘密に気づいていく。機知に富んだ聡明でみごとな語り口で、本書は失われた楽園、理性と美の力、些細なものの後ろに潜む深みを探求する忘れられない旅に読者を誘う。

ぼくがママを飲み込んだ日

El día que me tragué a mi mamá

デシレエ‧アランシビア=ロペス

Desiree Arancibia López

Gamusetes Editorial

ある日、ミロはママのおっぱいを飲んでいました。ところが、あまりに吸い過ぎたので、ママを丸ごと飲み込んでしまいます。ミロはママに会いたくてママを捜しに行くことにしました。自分自身を食べようとしますが失敗し、ママを出さなければならないと考えました。最初は鼻から出そうとしますが、うまくいきません。大きなおならで空中に噴き出すことでとうとうママを取り戻すことに成功しました。ママは喜びのあまり、ミロを食べてしまう勢いでキスの雨を降らせました。大きなおならをしたミロは、結局また欲しくなりました。おっぱいのおかわりちょうだい?

悪魔は我らにささやく

El diablo nos susurra

ゼルカル

Zerkkal

Tebeox Editorial

犯罪にまみれ罪悪感にさいなまれる生活を捨て小さな町にやってきたセリア。しかし、新しい暮らしは、隣家の不穏な音と匂いによって邪魔されることになる。彼女は元彼のポールを呼んで隣家の秘密を探ろうとするのだが、ふたりには大きな影が忍び寄っていた。亡霊となって今もなおつきまとう、彼らの共有する悲惨な過去。悪魔がささやく時、傷跡は開き、血はとめどなく流れていく。

剣に宿る神

El Dios que habita la espada

ホセ‧ソト‧チカ

José Soto Chica

EDHASA - Editora y Distribuidora Hispano Americana

568年、ローマ帝国から実質的に忘れ去られ、互いの間で争いを続ける多様で脆弱な民が住むイスパニアは、混沌と戦いが支配する危険な地であった。しかし侵略者である西ゴートのレオヴィギルドは、唯一の王とすべての民のためのただひとつの法律を持つ強く結束した王国を夢見ていた。ふたりの息子、ヘルメネギルドとレカレドのための平和な王国、イスパニアだ。初めは無慈悲で死を招く戦士ヴァルタリオだけが王のこの夢を信じた。王の周りは陰謀や背信や反乱が渦巻く。このような不穏な動きは、冷酷かつ頭脳明晰な彼の妻であるゴスヴィンタ女王からも見られた。彼女は彼女なりの計画を持っていたのだ。キリスト教の神とゴートの昔の神、所謂剣に宿る狂暴な神の間に位置することになったイスパニアは、混沌とした暗黒時代を過ごすことになる。

翡翠のFラゴン

El dragón de jade

フリオ‧サントス

Julio Santos

Xarpa Books

7歳以上を対象とした児童向け冒険シリーズ。色彩豊かなイラスト入りの120頁を超える本で、冒険、ミステリーなどが楽しめる。「やあ!僕はチャノ。双子の兄弟の名前はオスカル。このお話の始まりはどこだか知ってる? それはね、遠くはるかな中国の僧院なんだ。僧院の蔵の奥には翡翠で彫られた美しいドラゴンの像があったが、その伝説と共に何世紀もの間忘れ去られていた。ある日大きな地震があり、僧院に向かった救助チームが奇跡的に無傷なドラゴンの像を見つけた。最終的にはツインシティに持ってこられたんだけど、僕たちは何にもしていないのに800年もの間秘められていた謎に巻き込まれてしまったんだ。君もこの冒険に立ち会ってみない?」

Paula Cheshire著『El duelo』の表紙

喪失

El Duelo

パウラ・チェシャー

Paula Cheshire

Fandogamia Editorial S.L.

誰かが亡くなると、何が起こるのでしょうか? 確かなのは、正しい答えはないということです。生きている人々の間に残るものだけは知られています。虚無と不在に向き合おうとする、感情の渦です。本作では、パウラががんで母親を亡くした後の喪失のプロセスについて語ります。彼女はさまざまな段階を通じて、やがて痛みと共に生きることを学び、それをもう一度自分を突き動かす力に変えます。

David Monteagudo著『El edificio』の表紙

ビルディン.

El edificio

ダビ‧モンテアグド

David Monteagudo

Quaderns Crema

本書は、多くの片隅が認められる建造物だ。我々を金縛りにする恐れと不安の片隅に、我々を破壊しかねないやむにやまれぬ衝動の片隅。だがそれだけではなく、ゲームの喜びの片隅、持っているとは思わなかった、自分を大きくする内側の力を見つける片隅もある。ダビッド・モンテアグードが、書かずにいられなかった題材に立ち返った、非常にボルテージの高い短編集。読者は心をつかまれ、自分の姿をそこに認めるだろう。

Natasha Domanova著『El elefante con gafas』の表紙

めがねをかけたゾウ

El elefante con gafas

ナターシャ・ドマノバ

Natasha Domanova

Milenio Publicaciones SL

ゾウは珍しい動物ではない。でも、もしゾウがめがねをかけていたら、物語は面白くなる…そうだよね? めがねをかけたゾウがころんでしまい、ここから物語が始まる! クジャクの尾が遠くからでも見えること、鳥が飛べることはだれもが知っている。でも、それを持つ者を特別な存在に変えてしまう、見ただけではわからない隠れた力があるんだ。この物語を通して私たちは、外見は当てにならないこと、そして皆が持つ資質や能力はそれぞれ異なるものの、等しく価値があり特別だということを学ぶ。シンプルな物語で、繰り返しの構成を持ち、ブロック体の文字にとても楽しくて詳細なイラストが添えられている。多様性と協力の価値を学ぶのに理想的な本。

Ana de Eulate著『El encantador de pájaros』の表紙

鳥を魅了する者

El encantador de pájaros

アナ・エウラテ

Ana de Eulate

Cuento de Luz S.L

象徴に満ちた美しい物語が私たちに、今この瞬間に目を向けるよう誘いかけ、「人生は今ここにある」という力強いメッセージを伝える。謎めいた若い女性が、毎日自転車でパリの街を走り抜ける。仕事に夢中で、毎日休むことなくスタジオに通っている。彼女に笑顔をもたらすのは、愛猫マックスの鳴き声だけ。この物語の語り手は特別な存在。女性に目をとめ、思わずその足取りを追うなかで、何が起こっているのか気づく。やがてある日、全てを変える出来事が……。この美しい絵本がわたしたちに思い出させてくれるのは、本当に大切なのは今この瞬間、なぜなら人生は今ここにあるからということ。そしてそれを楽しむには、立ち止まって目を向け、周囲に注意を払う必要がある。優美で、精緻で、詩的な文章が、アール・ヌーヴォーを思わせる素晴らしい挿絵に包まれた力強い物語へと私たちを導き、読者を魅了してやまない。最後には、信じられないような驚きが待っている。特に、主人公である女性に。彼女はただ気づけばいい、あとは身を任せるだけ……。

Susana López Rubio著『El encanto』の表紙

ハバナ、エル‧エンカント百貨店

El encanto

スサナ‧ロペス‧ルビオ

Susana López Rubio

Editorial Planeta, S.A.U.

1950年代初頭のある朝、アストゥリアス出身の青年パトリシオがハバナ港に降り立つ。パトリシオは、内戦後でまだ暗い影に覆われたスペインの村を出て行きたい一心で、裸一貫だが一旗あげてやろうと意欲満々だった。 光に溢れたハバナの街は彼を温かく受け入れ、友人もすぐにできる。街の象徴であり誇りであるデパート「エル・エンカント」ですぐに仕事を見つけたパトリシオは出世し始め、より責任ある地位について新しい世界への扉を開くが、それは同時に、彼に対して多くの妬みを生むことでもあった。グロリアと出会ったのもエル・エンカントだ。誰もが認める絶世の美女のひとりだが、キューバ中で一番手を出してはいけない女性だった。なぜなら、彼女の夫はハバナの地下世界の冷酷なギャングだからだ。

Ignacio Peyró著『El español que enamoró al mundo』の表紙

世界を魅了したスペイン人

El español que enamoró al mundo

イグナシオ・ペイロー

Ignacio Peyró

Libros del Asteroide, SLU

今日のスペイン出版界を代表する書き手であるペイローが、フリオ・イグレシアスの評伝で初めてポップカルチャーに迫る。病をかかえてのデビューからヨーロッパやアメリカでの成功、そして最後にはネット上でからかいのネタになるまでの彼の人生を、父親、妻たち、子どもたちとの関係にも焦点をあてて描く。とはいえ、フリオ・イグレシアスの人物形成を語ることで、本書はスペイン社会の50年の歴史となり、フランコ独裁末期から現代に至る社会の変化を象徴する物語となっている。プラ、モーロワ、チェスタートン、エミール・ルートヴィヒの人物評伝の系譜に連なる本書は、ジャーナリズム特有の緊迫感と、文学だけが与えうる喜びを併せ持つ一冊である。

Domingo del Prado著『El estanque de las estrellas』の表紙

星の池

El estanque de las estrellas

ドミンゴ‧デル‧プラド=アルマンサ

Domingo del Prado Almanza

Comunidad San Juan Bosco Sociedad de San Francisco de Sales

人と社会の基本的価値をめぐる3幕の喜劇。小さなミゲルはおじいちゃんから贈られた魔法のあみを使い、池で7つの星をつかまえた。星たちはミゲルの友だちになり、人生のほんとうの価値を教えてくれる。優しさ、広い心、ねばり強さ、努力、平和、ゆるす心、喜び、期待、いとしい人たちの思い出、分かちあえること……。心あたたまる場面を通して、大事なことがほかにもたくさん見つかる。すべての人のための劇だが、特に青少年向け。

José de Cora著『El estornudo de la mariposa. Los Garbo contra Hitler』の表紙

蝶のくしゃみ ガルボ夫妻対ヒットラー

El estornudo de la mariposa. Los Garbo contra Hitler

ホセ‧デ‧コラ

José de Cora

EDHASA - Editora y Distribuidora Hispano Americana

1938年。ヒットラーにより世界平和は脅威にさらされていた。ナチスはどの国に対しても不滅の体制を誇っていた。だが、実際にはそうではなかったのは、ある意味、ガルボという偽名で知られるフアン・プジョルがいたからだ。ガルボは自信に満ち、更にはごまかし、大胆さ、尽きない想像力、人間的魅力などありあまるほどの長所があった。1940年、彼はそれまでで最も重大な決断を下す。ナチスを倒すまで闘うこと、しかもそれをドイツ軍の内側からしようというのだ。しかし彼はひとりではなかった。良家の生まれで美しくて強い娘アラセリ・ゴンサレスが妻となり、支えとなった。常軌を逸した、まったく非論理的な試みに思えた。しかしそうではなかった。アラセリのお陰で、後にガルボはヒットラーを欺いたスパイとして知られることになった。上質の文章とすばらしいユーモア感覚を備えた作者が、このふたりのスペイン人の物語を綴る。

Jordi Sierra i Fabra著『El extraordinario ingenio parlante del profesor Palermo』の表紙

パレルモ先生のす しいおし り機械

El extraordinario ingenio parlante del profesor Palermo

ジョルディ‧シエラ‧イ‧ファブラ

Jordi Sierra i Fabra

La Galera Editorial

20世紀の初め、ひとりの孤児が衝撃的な見世物を目の当たりにした。腹話術をする手品師が、金属の人形をしゃべらせ動かしている。しかし孤児は、手品だけではこの並外れた見世物は説明がつかないと思う。こうして孤児は手品師のパレルモ教授と出会い、100年もの歴史を見る特権を得た観客となり、想像もつかない最高の冒険をする。しかし、それには高い代償を払わなければならなくなる……。パレルモ教授とそのしゃべる金属の人形は、20世紀が始まろうとしていた時代、多くの人々を魅了していた。手品師と人形は神秘のオーラに包まれていた。ひとりの孤児だけが通り抜けられた守りのベールに。

Silvana Vogt著『El fino arte de crear monstruos』の表紙

怪物を創る絶妙の技法

El fino arte de crear monstruos

シルバナ・ボクト

Silvana Vogt

H&O Editorial

「モルテロスは簡単に理由もなく洪水になった」本書は、この一文から始まる。アルゼンチンのモルテロスの村の現実と、少女ビドリアの魔法のような想像力という二つの世界にまたがる、催眠術のように読者をひきこむ物語だ。水に漂う棺桶、屍のようなミラノ風カツレツ、世の終わりを思わせる牛、突然変異の少女たち、ハーレー・ダビッドソンと名乗る男等々は、モルテロスの日常における間違いない主人公の一部である。そんな中で、ビドリアが成長し、生きることを学ぶさまが、シルバナ・ボクトの制御不能の創意と豊かな語り口を通して語られる。子どもたちが楽しい夢、こわい夢を見るように、ボクトはいともたやすく、ユーモアと驚きに満ちたさまざまな心温まる場面をあざやかに結びつけてみせる。

Òscar Sardà著『El follet Oriol i l'illa de plàstic』の表紙

お のウリ7ルとプラスチックの島

El follet Oriol i l'illa de plàstic

オスカル‧サルダー

Òscar Sardà

Barcanova Editorial

おばけのウリオルとその友人たちは、とても心配な知らせを受ける。真珠捕りが住む遠方の島トムクがプラスチックのゴミに囲まれているというのだ。海の汚れによって、トムクの人々は潜水ができず、カメの生息が脅かされ、魚たちは深海に閉じ込められているのだという。島の住人や生き物たちの命が危機に瀕しているため、彼らは助けを求めることにした。リサイクルできないプラスチックの容器やボトル、袋が海にとどまり、地球の生命を脅かしているのだ。おばけのウリオル、アンショベータとノラは迷うことなくトムクの人々を助けるために冒険の旅に出る。

Maite Carranza著『El fruto del Baobab』の表紙

バオバブの実

El fruto del Baobab

マイテ・カランサ

Maite Carranza

Pontas Literary & Film Agency

ローラは将来有望な小児科医、39歳。恋人と別れたばかりだ。母親願望によって、最近自分の人生の意味に疑問を持ち始めている。診療で、ガンビア人で彼女より若く4人の子持ちのアミナタに会う。移民で、専業主婦。読み書きはできないが、観察眼のある誇りに溢れた女性で、自分が教えられてきた主義や伝統に疑問を持ち始めている。多分それは長女ビンタとのとげとげした言い争いが原因かもしれない。思春期で、反抗的で闘争心の強い少女ビンタはスペインで育ち、女性を永久に従順な立場に縛り付けている自分の家族の文化を拒否している。ビンタは優秀な生徒で、タブーを破り、大学に行くことを夢見、困ったことに白人の少年に恋してしまう。3人の女性、彼女たちの戦い、彼女たちがあきらめたものと手にしたもの。

Fernando Morillo著『El fuego de las sombras』の表紙

暗闇の火

El fuego de las sombras

フェルナンド‧モリーリョ

Fernando Morillo

Gaumin, S.L.

21世紀、君たちの世界。バスクの霊山アンボトを頂く土地に、ひとりの向う見ずな神が他の神々に先んじていた。夜の帝王ガウエコだ。他の神々はまだ眠っている。静かに! 死者を起こしてはいけない。彼らが目を開けないように祈れ。君たちの伝説時代よりずっと前、岩山には悪魔のような獣が住み、闇が夜を支配していた。霧の海の下を何世紀もの時が流れ、ダンスと闘いは血と泥に覆われた。やがて、時は過ぎ、彼らは忘れられた。今までは。 これらの忘れられた神々が再び目を覚まそうとしている。かつての彼らの存在を取り戻そうと渇望して。世界は、テクノロジーによる君たちの近代的世界は木端微塵になるだろう。闇の帝王ガウエコはチャンスを逃したくない。そして、古来より最高位の女神、恐ろしいマリが目覚める前に行動しなくてはならない。マリはガウエコの永遠のライバルなのだ。

Mike Lightwood著『El fuego en el que ardo』の表紙

ぼくを燃やす炎

El fuego en el que ardo

マイク‧ライトウッド

Mike Lightwood

Plataforma Editorial

ゲイとして生きることは難しい。ゲイであることの素晴らしさを語る映画や連続ドラマ? ありのままの君を好きでいてくれる、今風の同級生? 無条件にきみを支えてくれる両親? 全部嘘っぱちだ。現実はそんなに甘くない。少なくともこの物語の主人公にとってはそうだ。ありのままの自分を受け入れてくれない人々のせいで、まさに地獄に置かれている。だが、事態がどうしようもなく紛糾したとき、主人公はひとりの都会の少年と出会う。世界に対する見方がまったく違う、その少年に助けられて、主人公は選択をせまられる。人々の憎しみの炎で焼き尽くされるのか、それとも自らの灰の中からよみがえるのか。

Luna Miguel著『El funeral de Lolita』の表紙

ロリータの葬式

El funeral de Lolita

ルナ‧ミゲル

Luna Miguel

Penguin Random House

「あなたの耳に入っているかどうかわからないけど、ロベルトが亡くなったの」。こんなふうに始まる、かつての同級生ロシオのメッセージを読んだとき、エレナはドキッとした。文学の教師に恋をしたと気づいたあの日と同じように。今は彼の死、そして思い出と対峙しなければならない。エレナは死がどんなものか知っている(両親は、それぞれ全く異なる状況で亡くなった)が、ロベルトの死はすべての亡者を揺さぶる。エレナは毀誉褒貶相半ばするグルメ評論家だが、今は途方に暮れている。勤務している雑誌社からもパートナーからも遠く離れた故郷アルカラ・デ・エナレスにいると、思い出があふれて胃が重苦しくなってくる。遺体安置所ではロシオのほかに、ロベルトの妻ラウラがエレナを待っていた。ラウラはエレナに、ロベルトの日記を持っていてほしいとしつこく頼む。そこにはエレナの思い出とは異なる話が書かれている。エレナはその日記をどうするのだろう? 彼との想い出を作り替えるのか?

Carlos Poveda著『El gabinete del alquimista muerto』の表紙

死んだ錬金術師の実験室

El gabinete del alquimista muerto

カルロス‧ポベダ

Carlos Poveda

Círculo de Lectores, S.A.U.

パリはパーティーのようなもの。ベル・エポックの光が、アブサンとアヘンが自由に行きかう自堕落なモンマルトルやピガールの夜を照らしだす。しかし、路地や貧民街から離れたある上品な並木道で、斬首されたムッシュー・ボナンシューの死体が発見される。これといった手がかりも動機も見当たらなかったが、殺されたこの紳士には密かに情熱を傾けていることがあった。自宅の錬金術の実験室にこもり、賢者の石を求めて日々を過ごしていたのだった。偽りの外見、怪しげな化学式、他人の所有物に対する密かな願望が渦巻く中で、2つだけ確かなことがあった。人は死後、多くの驚きを暴露することがあるということ。そして隣人の正体は誰にも分からないということだ。 

David Blanco Laserna著『El galeón de oro』の表紙

黄金のガレオン船

El galeón de oro

ダビッド・ブランコ=ラセルナ

David Blanco Laserna

Oxford University Press España

ちょっと変わった宇宙海賊船の乗組員たち。厚かましくてすごくケチな女船長。唯一の目的は、古代エイリアン文明が建造した黄金のガレオン船を盗み、太陽系よりも巨大なブラックホール「グラン・トゥエルト(大隻眼)」に到達すること。この考えにとりつかれた女船長とその手下たちは危険に向かっていく。だが何もかも、期待通りにはいかない…。メーカー・フィロソフィーの考え方が詰め込まれたこの独創性あふれる一冊に、ユーモアとアクション、そして物理学、芸術、テクノロジー、生物学、工学、歴史、数学が融合。さあ、あなたも登場人物のひとりとなって、創造し行動しよう。

エル‧ガジネロ

El Gallinero

マリア‧ホセ‧フロリアーノ

María José Floriano

Kalandraka Editora

ヨーロッパ最大のスラム街カニャダ・レアル。社会からはじき出されたこの地区の中心を舞台に、子どもの素朴で優しく創造的な視線を通して、何千人もの人々の厳しい現実を文学に変えたのが本書だ。社会から排除された人々に焦点を当て、そこで暮らす子供たちの声を伝えて、何年も前から停滞している建物の一部撤去か集団移住かという問題を可視化した、大胆で危険な必読の書。この危険極まりない状況下で子供たちが過ごす日々をサーカスの曲芸に例え、その遊びの要素を、最も弱い立場の人々の生存と法の埒外の活動という大人たちの暮らしにまで広げるという比喩表現が際立っている。

César Lillo Gil著『El gato que no quería ser gato』の表紙

ネコになりたくなかったネコ

El gato que no quería ser gato

セサル‧リロ=ヒル

César Lillo Gil

San Pablo Comunicación SSP

El gato que no quería ser gato(ネコになりたくなかったネコ)、El secreto de Esmeralda(エスメラルダのひみつ)、Un héroe llamado Miraralcruzar(ヨクミテワタールという名のヒーロー)、El secreto de los dulces robados(ぬすまれたお菓子のひみつ)、El mercado de los jueves(木曜日の市場)の5編を収録したお話集。好奇心が強い、怖いもの知らずの主人公、子ネコのニエベが活躍するお話を通して、子どもたちは友情や自尊心、家族、年長者への敬意、分別、他者と分かち合うことの大切さなど、成長を助ける価値観を学ぶだろう。ニエベやその友だちの冒険を読んで楽しく、魅力的なイラストをながめて楽しい1冊。

Santiago Gil著『El gran amor de Galdós』の表紙

ガルドスの大恋愛

El gran amor de Galdós

サンティアゴ‧ヒル

Santiago Gil

Ediciones La Palma

ベニート・ペレス=ガルドスは愛情深い男だったが、結婚して同居することや婚約には生涯、縁がなかった。彼はガレー船の奴隷のように、書くために閉じこもり、どこか自分の分身のような登場人物たちを作り上げた。回想録の中で、1864年以前には特筆すべきことは何もないと言い切っているが、彼の人生を知る人々は、ペレス=ガルドスの存在全体に大きな影響を与えたマリア・ホセファ・ワシントン=ガルドス=テイトとの初恋のことを語るだろう。この小説では、フィクションとしてその恋物語を詳しく述べると同時に、心の傷のせいで、ガルドス自身が言う“キャラクターや出来事を作り上げる仕事に没頭”し、登場人物たちと永遠に閉じこもって生きる作家になったというのがどこまでフィクションなのかを語る。2020年はペレス=ガルドスの没後100周年記念の年だった。彼の仕事や人生について今後も多くのことが書かれるだろうが、このかなわぬ恋について話す者はほとんどいないだろう。

キッズヨ,の/レート‧ブック

El gran libro del yoga para niños y niñas

パウラ‧アクニャ

Paula Acuña

San Pablo Comunicación SSP

本書は子ども向けのヨガ・プラクティスや、最も一般的なアサナ(ポーズ)をステップごとに紹介している。巻末では、ヨガが健康にもたらすメリットについても解説。ヨガの5つの道は次のように色分けされている。オレンジ=ハタ・ヨガ(身体のヨガ)バランスを整える。グリーン=カルマ・ヨガ(無償の行為や奉仕のヨガ)活力を与える。レッド=バクティ・ヨガ(献身のヨガ)心の解放。イエロー=ニャーナ・ヨガ(知識のヨガ)注意力と集中力をもたらす。ブルー=ラジャ・ヨガ(瞑想のヨガ)安定をもたらし、心を落ち着かせる。

Antonio Montes著『El grito』の表紙

悲鳴

El grito

アントニオ‧モンテス

Antonio Montes

Ediciones Siruela, S.A.

とある4月の土曜日の夜明け、スペイン南部の小さな村。その家に住む老女が亡くなっているのを見つけた家人の悲鳴で家じゅうが目を覚ます。それから何時間かにわたって、家の扉が弔問客に開かれる。会話と中傷、家族と近所の人々、涙と再会、花と祈り、人、たくさんの人。良きにつけ悪しきにつけ、いやがおうにもつきあわざるをえない村人たちの人生が投影される。故人の孫カルロスとルイスは、雪崩のように押し寄せてきて、自分たちの個人的生活にわりこんできて、家族の秘密をあばこうとする人々をどうにかやりすごし、もちこたえようとする。 誰の人生にもある小さな悲喜劇を描いた物語。ヒーローも悪者も登場しない。笑いを誘うブラックユーモアと、優しさのあふれた感動的な場面が、絶妙に組み合わされた物語。

魔法使いのおじさん

El hado padrino

アナイス‧バランダ

Anaïs Baranda

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

ルシアは外見と中身が違うと感じている。髪は刈り込み、耳にはいくつもリングをつけ、男物の服を着ている。家族は兄弟ふたりと父親。母親は他界しており、形見にギターをもらったが、もう音が出ない。そこで、若い才能を発掘するコンテストに出ることにした。しかし、参加するにはギターと見栄えのよい衣装が必要だ。インターネットで探していると、魔法使いのおばさんを提供するサイトを発見した。冗談か何かだろうかと思いながらも申込書を送ったところ、翌日、部屋の中にカリストがいた。カリストは彼女の“魔法使いのおじさん”で、派手なピンク色の服を着ていた……。

Andrés Pascual著『El haiku de las palabras perdidas』の表紙

失われた言葉の俳句

El haiku de las palabras perdidas

アンドレス‧パスクアル

Andrés Pascual

Julio F - Yáñez Agencia Literaria, S.L.

1945年8月、長崎。カズオは、日本に住む西洋人の青年。ジュンコは美しい娘で、母親は生け花の師匠。俳句にふたりの恋愛関係の秘密を封じ込め、愛を誓い合うために、ふたりは丘の上で会う約束をする。約束の時間の数分前、原子爆弾が長崎の街を地獄絵図に変える。2011年2月、東京。スイス人建築家エミリアン・ザックの人生は崩壊寸前だ。国連のアドバイザーで原子力エネルギーの擁護者でもあるザックは、日本美術画廊の女性オーナーと知り合う。彼女は、先祖の昔の恋人を見つけたいという思いにとりつかれている。このふたつの並行する物語と、結末の驚くべき結びつきを通して、アンドレス・パスクアルは感動的なプロットを紡ぎ出し、現在に立ち向かい、自分で自身の運命を描いていくためには、過去の悲劇を自分のものとすることが大切であることを語っている。

Carlos Luria著『El hidalgo que nunca regresó』の表紙

二度と戻らなかった郷士

El hidalgo que nunca regresó

カルロス‧ルリア

Carlos Luria

Agencia Literaria Letras Propias

1615年のマドリード。バルセロナから到着したばかりの若者が、迷路のように入り組んだ凍てつく人けのない道を歩き回り、ようやく目的地にたどりついた。死期が近いひとりの老人が毎日通うみすぼらしい居酒屋だ。老人はミゲル・デ・セルバンテス、『ドン・キホーテ』の生みの親だ。若者は作家セルバンテスに謎めいた小さな古い櫃を渡すという使命をおびていた。櫃と引き換えに、セルバンテスは40年前の出来事を語らねばならない。亡命の途中でバルセロナに避難したおたずね者の郷士だった時のことを。このような書き出しで、セルバンテスの生涯で最も謎の多い時期のことが語られる。オスマン帝国の怒りにふれ、命をおびやかされてバルセロナで過ごした6日間。セルバンテスのその後の人生をすっかり変えることになった劇的な6日間だ。

Jon López de Viñaspre著『El hijo de Mamá Dana』の表紙

ママ‧ダナの息子

El hijo de Mamá Dana

ジョン‧ロペス‧デ‧ビニャスプレ

Jon López de Viñaspre

Lapislàtzuli Editorial

本書『El hijo de Mamá Dana(ママ・ダナの息子)』は、コロンビア・コーヒー地帯のもっとも奥深いところ、エンベラ先住民コミュニティの集落近くにある、山々に守られた小さな村を舞台にした小説。オランダ人らしくないオランダ人、ヒエロニムス・パーリングは、物語全体で4回登場し、事件現場、事件関係者、暴力と無処罰がはびこる状況、全員の上に垂れ込める沈黙を暴いていく。物語は、軍隊とゲリラ・グループの間の恒久的な戦闘中に数人のドライバーが犠牲になった不可解な殺人、そして住民の限界に近い生活という、悲劇的であると同時に魅惑的な現実へとわたしたちを連れて行く。登場人物はその独特の個性、風変わりな命の燃やし方ゆえに、ひとりひとりが、それぞれのやり方で周りの状況に立ち向かい、すべてを破壊し尽くす混沌とした世の中を生き抜こうとする。

Carlos Salem著『El hijo del tigre blanco』の表紙

ホワイトタイガーの息子

El hijo del tigre blanco

カルロス‧サレム

Carlos Salem

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

13歳になるまで、ぼくの人生にはなんの苦労もなかった。13歳と30日目の今、じめじめした見知らぬ部屋で、目隠しをされおんぼろの椅子に縛りつけられている。こんなこと、ぼくの年頃のだれにでも起こることじゃないのはわかってる。だけど、みんなはホワイトタイガーの息子じゃない。でも、ぼくはそうなんだ。

Luis Landero著『El huerto de Emerson』の表紙

エメルソンの畑

El huerto de Emerson

ルイス‧ランデロ

Luis Landero

Tusquets Editores

『Lluvia fina(霧雨)』の成功後、ランデロは自身の独特な人生の記憶と読書をたどり、この忘れがたい作品を書き上げた。エストレマドゥーラの村里での子供時代、マドリードにやってきたばかりの少年時代、働き始めた青年時代を、当時の物語や舞台背景とともに、現実世界と同じ情熱や貪欲さでもって見事に紡ぎあげている。ここに顔をのぞかせる現代の登場人物は、往時の人々のように、真実に満ちている。たとえば語り手の祖母のような家族を養っていた大変な働き者の女性たちや、寡黙だが、突然驚くような秘密を暴露する男たち。作者はこれらの人物を『ユリシーズ』や、カフカやスタンダールの作品の登場人物に置き換え、ユーモアと詩情、回想と魅力の比類なき融合のなかで、執筆と創作に関する輝かしい考察を行っている。

Jesús López Moya著『El iglú』の表紙

イグルー

El iglú

ヘスス‧ロペス‧モヤ

Jesús López Moya

Bookolia Editorial

小さな村の暮らしは、奇妙なイグルーの出現で混乱し、様々な疑問がわき起こる。心の目で見ることを学ぶための物語。無関心に慣れてしまった世界で、連帯を呼びかける。連帯や相手への敬意など、大切な資質を賛美する。文章も絵も細部まで行き届いた本で、親が我が子と、人間として大切なものについて話し合うのに最適。読んで、意見を出し合うための本であり、幼い読者の知的好奇心をかきたてる。

Manuel Moyano著『El imperio de Yegorov』の表紙

エゴロフの帝国

El imperio de Yegorov

マヌエル‧モヤノ

Manuel Moyano

Editorial Anagrama

1967年、パプアニューギニアの失われた部族ハムライ族を探す日本の調査団の一員である人類学部の学生イズミ・フクダは、不思議な病気に罹ってしまう。この些細なエピソードが、その後日本とアメリカで次々に起こる出来事、そして75年後にはついに全世界を真っ暗な悪夢に陥れる重大な連鎖の端緒となる。冒険、サスペンス、スリル溢れる政治的な駆け引き、社会風刺、SF、これら全てがひとつに詰まった本書は、大胆な技巧、独創的なストーリー展開、軽快なテンポで読者を驚かせる。「頑固者」と呼ばれる日本人医師のヤスタカ・マシムラ、宣教師のアーネスト・クバリョ、詩人のジェフ・ルシャン、女優のリリアン・シンクレア、警察官ウォーターなどの個性豊かな登場人物で奏でられるロックオペラ。

Javier Azpeitia著『El impresor de Venecia』の表紙

ヴェネツィアの印刷屋

El impresor de Venecia

ハビエル‧アスペイティア

Javier Azpeitia

Tusquets Editores

1530年、ひとりの若者が偉大な編集者アルド・マヌツィオの未亡人に近づき、亡夫の生涯に関する文章を見せる。真実の物語が、想像していた武勲とかけ離れていることは知られていない。マヌツィオはギリシャ文学の至宝の最高の版を作ろうと1489年にヴェネツィアに到着するが、手写本を盗まれたり、義父で印刷屋のトレサニに課金を要求されたり、若き妻マリアが入れ込んでいるエピクロス主義の流布に対して権力者の検閲が入ったり、想定外の困難に見舞われる。皮肉とそれとない学識をちょうどよく加えて、出版の黎明期の人物やニュースを取り入れて、危機の時代の狂気の街における出版ビジネスの誕生を見事に再現し、現代の出版界の課題を投げかける。

Ángeles Doñate著『El invierno que tomamos cartas en el asunto』の表紙

私た が首を っ ! 冬

El invierno que tomamos cartas en el asunto

アンへレス‧ドニャテ

Ángeles Doñate

Sandra Bruna Agencia Literaria

ポルベニル村に冬が来て、悪いニュースを運んできた。手紙が少ないため郵便局を閉鎖し、職員を異動させることになったというのだ。山の中でさえソーシャルメディアやeメールやWhatsApp(注:LINE と同種の通信アプリ)が勝ったようだ。村で唯一の郵便配達人であるサラはこの村で生まれた。3人の幼い子どもたちとここで暮らし、近所に住む、80歳になる老女ロサと多くの時間を共に過ごしている。ロサは、サラや子どもたちが辛い目にあわないため、一番大切な人たちの生活がくつがえされないためなら、なんでもする覚悟だ。だが、一介の老女に何をできるというのか? それは1通の手紙を書くというごくささやかなことだった。70年前から心にしまってあった手紙を……。

Albert Asensio著『¡El invierno ya está aquí!』の表紙

冬がきた!

¡El invierno ya está aquí!

アルベルト‧アセンシオ

Albert Asensio

Editorial Juventud

季節の移りかわりとともに森とその住人たちがどんなふうに変わるかを、リスのニンと一緒に発見しよう。ほかの季節との違いを見つけることができるかな? イラストの細部を観察しながら、1年の各季節がもたらす変化を発見して遊べる、2歳以上の子ども向け4巻本ボードブック。

Sofía Rhei著『El joven Moriarty: El misterio del Dodo』の表紙

ヤングモリアーティ1 ドードーの謎

El joven Moriarty: El misterio del Dodo

ソフィア‧レイ

Sofía Rhei

Nevsky Prospects S.L.

世界を旅していたテオドシウスおじさんが、とても変わった標本を持って帰ってきた。だれもが絶滅したと信じていた、ドードー鳥の標本だ。あいにくこの哀れな鳥には、多くの敵がいた。ジェームズ・モリアーティの父親が探検家のおじさんの帰還を祝って開いた盛大な歓迎パーティの招待客の数くらい。ジェームズ・モリアーティは活発でもなければ、世界一やさしくもない子どもかもしれないが、なにかに打ち込み始めると、なにがあっても立ち止まらない。ドードー鳥、ダーウィン、秘密を抱えた女性家庭教師、黒衣の小さな殺人者、水晶の目を持つ男爵夫人、どんなものでも食べられる美食家、アフリカの魔女、没落貴族、嘘つき女優、『不思議の国のアリス』の作者とアリス自身、そしてアフリカの巨大なカタツムリなど、様々な人や動物が登場するミステリー。

Sofía Rhei著『El joven Moriarty y la planta carnívora』の表紙

若きモリアーティと食虫植物

El joven Moriarty y la planta carnívora

ソフィア‧レイ

Sofía Rhei

Nevsky Prospects S.L.

ロンドンは謎と驚きに満ちた街だ。特に、行く先々で問題を探し出してしまう人にとっては。のんびりした休暇になると思いきや……。ジェームズ・モリアーティは大英博物館をおとずれ、さまざまなものと出会う。耳を疑うほどバイオリンがうまい子ども、巨大グモ、忌まわしい過去を持つ建物、正体不明の発明家、世界一大きな食虫植物、牙に強迫観念を持つアイルランド人青年、ロンドンのどまん中にある、入ると出てこられない熱帯のジャングル。人のいいジョン・ワトソンはトラブル続き。テオドシウスおじさんの秘密の日記がどうなったか、ジュール・ヴェルヌという名のフランス人はロンドンで何をしているのか、チャリティおばさんの家にいると言われているのはだれの幽霊か、知る方法はひとつしかない。ジェームズ・モリアーティ少年の冒険パート2、つまりこの本を読むことだ。

Sofía Rhei著『El joven Moriarty y los misterios de Oxford』の表紙

ヤングモリアーティ3 オックスフォードの謎

El joven Moriarty y los misterios de Oxford

ソフィア‧レイ

Sofía Rhei

Nevsky Prospects S.L.

どんな場所にも謎が潜んでいるものだが、秘密の博物館があり、一風変わった教授たちがいるオックスフォードの街ほど、謎だらけのところはない。ジェームズ・モリアーティは、ちょっとでも口実があれば、進んでやっかいごとに巻き込まれる傾向がある。だけど神出鬼没の女の子たち、いんちき学生、なんでも開く鍵束、空気を武器として使う容疑者たちと出会ったとき、やっかいごとが向こうから転がりこんできた。19世紀のいたずらっ子が活躍する、抱腹絶倒の新しいミステリー。

Víctor Sabaté著『El joven Nathaniel Hathorne』の表紙

若きナサニエル‧ハーソーン

El joven Nathaniel Hathorne

ビクトル‧サバテー

Víctor Sabaté

Rayo Verde Editorial

もうそれほど若くない作家志望の男。日々のルーチンと生活の糧を得る必要性から夢はあきらめざるを得なかった。ある日彼は、自分が若い頃に書いた古い原稿が盗作されているのを見つける。彼自身でさえ信じられない事を、他人に信じてもらうにはどうすればいいのか? 盗作の容疑者が150年以上前に亡くなった作家なら、事はとりわけ難しくなる。この小説は、文学の世界に深く入り込もうとする人々の欲求不満と苦難を読者に語りかけると同時に、文学の影響力、インスピレーション、そして盗作について考察する。ひとつの作品が出版にこぎつけるのがいかに難しいかを、質問、引用、自己言及ゲームを通して語る、非の打ちどころのない文章。ボルヘス、ビオイ=カサーレス、シルビア・オカンポ、バルガス=リョサ、ポー、メルビルなどの興味深いエピソードを交えながら、著者はこのありえないフィクションに信憑性を与えることに成功している。

Cuca Canals著『El joven Poe: El misterio de la calle Morgue』の表紙

若き日のポー1:モルグ街の謎

El joven Poe: El misterio de la calle Morgue

クカ‧カナルス

Cuca Canals

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

若き日のエドガー・アラン・ポーが養子縁組した家族と住む葬儀屋から2ブロック離れたボストンのモルグ街で、ふたりの女性が惨殺される事件が起きた。隣人のひとりが不当に容疑を受けると、ポーは警察でその無実を証明する。事件を担当するデュパン警部はホルマリンの入ったガラス瓶に入れられていた黒ずくめの服の死人の眼球に驚くとともに、隣人の無実を証明したポーの明晰さにも舌を巻く。真犯人をみつけるため、デュパン警部は彼に捜査チームに入るよう依頼。真犯人を突き止めれば、ポーは認められるだけでなく、実の父親を捜すために兄弟とダブリンに出掛けられるだけの報酬を得ることができるのだった。

Fernando San Basilio著『El joven vendedor y el estilo de vida fluido』の表紙

若き販売員と普通の生き方

El joven vendedor y el estilo de vida fluido

フェルナンド‧サン‧バシリオ

Fernando San Basilio

Impedimenta S.L.

イスラエルは、ラ・バグアダ・ショッピング・センター1階の、ある店の中にスペースを構えるショップの片隅で働いている。以前は夢想家で、現実離れしたことばかり考えロマンを追い求めていたが、今は違う。より良い人間になるというふれこみの1冊の自己啓発本を読んで以来、ごく普通の生き方をすることにした。だが、虚無主義にたどり着く運命にとらわれ、イスラエルは完璧なアンチヒーローとして、自らの破滅に立ち向かうことになる。狂乱の1日、ジョイスの『ユリシーズ』の地獄堕ちの章から抜き出したような、熱狂的でハチャメチャな、息つくひまもない展開の中で、ショッピング・センター(現実全体の鏡)が現代の私たちの遊び場に変わる。すべてが手に入り、全てが起こるその場所は、世界の完璧なメタファーである。

Francisco Javier Martínez Bernal著『El juego de la oca』の表紙

すごろく

El juego de la oca

フランシスコ‧ハビエル‧マルティネス‧ベルナル

Francisco Javier Martínez Bernal

Servicios Reprográficos Integrales, S.L.

1965年スペイン北部で不思議な連続殺人が起きたが、迷宮入りになった。忘れ去られた「ガチョウの道」をあえて歩こうとする者に求められた犠牲と直接関係があったかもしれない殺人事件。今、30年経って、同じことが起きる。あのいまわしいゲームをまた再び体験しようとする精神異常者を追うのはひとりの若い刑事。7つの試練、対決するふたりの男、実際のゲーム板。ゲームは始まった。

María Barbal著『En la piel del otro』の表紙

他人の皮膚で

En la pell de l'altre

マリア‧バルバル

María Barbal

Columna Edicions, S.A.U.

1971年初頭から現在までの、ふたりの若い女性の人生をたどる。ひとりはラモナ・マルケス。革命家に捨てられたとき、妊娠していた。もうひとりはミレイア・フェレル。トマス・フェレルという男の娘である。トマスは「記憶と自由協会」の設立者で、国外追放者の記憶を留めるために闘っている。ミレイアは潜入中の国家警察官マヌエルと結婚するが、性暴力を避けるため身を潜めなければならなくなる。一方ラモナは、孤独なシングルマザーに待ちうける運命に飽き足らず、自分の母親の物語をねつ造し、国外追放者だとして母親の情報を協会に登録し、自分の全人生を嘘で塗り固めていく。

Julio Moya Boix著『El Laberinto de Hawara』の表紙

ハワーラの迷宮

El Laberinto de Hawara

フリオ‧モヤ=ボッシ

Julio Moya Boix

Mary de Sojo Branding

ピラミッドは驚くべき建造物で、その起源は謎めいている。だがエジプトには他にも、知る人ぞ知るうっとりするような場所があるのだ。そのひとつがハワーラの迷宮。地中に埋もれた神秘的な構造物であり、そこには過去の大帝国にまつわる真実が隠されている。冒険好きのスペイン人考古学者ラウラ・ソウトと、その夫オマル・サリムは闇に沈んだその場所に隠された恐るべき秘密を発見しようとする。オマルはエジプト空軍に在籍していたヌビア人の元兵士であり、疲れ知らずの対テロ闘士だ。ふたりが繰り広げる波乱万丈の冒険を通して、著者は私たちを紀元前2600年の昔から現在に至る旅へといざない、歴史上名の知られた人物がいかにして迷宮に足を踏み入れたか、そこでどんな忌まわしい結末が彼らを待っていたかを語る。遠い銀河から我々を操る存在、ホルスの使者は実在したのか? さあ、ハワーラの迷宮で目がくらむような冒険を楽しもう!

David Lozano Garbala著『El ladrón de minutos』の表紙

時間泥棒

El ladrón de minutos

ダビ‧ロサノ=ガルバラ

David Lozano Garbala

Sandra Bruna Agencia Literaria

当局がカレンダーから1日を削除すると決定した。選ばれたのは10月6日、エドゥの生まれた日だ。突然誕生日がなくなったエドゥは、いつまでも10歳のまま。もちろん、そんなのおもしろくない。こういうことが起こるのは初めてじゃない(どうして2月は28日しかないんだ?)といっても、なんのなぐさめにもならない。そこで、エドゥは誕生日を取り戻すために闘おうと決心し、「禁じられた物の店」にかけつけた。途方もないことに挑戦するには、途方もない解決策が必要だ。そこでエドゥは「時間吸引機」を手に入れた。時間を1分ずつ盗んでいき、やがて丸1日を取り戻してくれる機械だ。簡単そうに思えたから、あとさき考えず、エドゥは時間狩りを始めたのだが……。

Luis Goytisolo著『El lago en las pupilas』の表紙

瞳の中の湖

El lago en las pupilas

ルイス‧ゴイティソロ

Luis Goytisolo

Ediciones Siruela, S.A.

グロリアとマルセルは、それぞれの家族の過去を辿りながら、リオフリオにたどり着く。過去スペイン内戦の騒乱に巻き込まれた、山あいの小さな村だ。リチャードはジャーナリストで、スイスの高級リゾート地ロカルノで開催される経済サミットに関するニュースを取材中だが、60年代にまさに同じ場所で結ばれた別の情事そっくりの官能的な体験をする。その過去の情事こそグロリアとマルセルを苦しめている問題の元凶だった。エル・モロは、今は立派な実業家で、遠い昔のリオフリオでの怪しい過去を消し去るための回想録を書きながら退職生活を過ごしている。交錯し、補いあう4つの物語の糸が、研ぎ澄まされた文体で、示唆に富み、ユーモアと不安に満ちた物語を紡いでいく。

きみの名前の長い夢

El largo sueño de tu nombre

アマイア‧オロリス

Amaia Oloriz

Editorial Txalaparta

1938年5月22日パンプローナ。「仲間たちよ、外に出ろ。俺たちは自由だ!」力強い囚人の声が刑務所の中庭に響いた。ホアキンは間髪をいれずに立ち上がり、ともに牢の床に座っていたトマスの体をゆさぶった。「行こう!」呼びかけて、セーターをひっぱり、立たせる。ふたりは第二旅団に属していた。彼らの牢は、サンクリストバル要塞の2階にあった。25平米あるかないかのその空間の壁にほとんど1日囲まれていると、精神がおかしくなりそうになる。誰かが牢屋の扉を開くと、囚人たちは階段に殺到して駆けおりた。ふたりははぐれないようにしながらほかの囚人たちに紛れ、「フランスへ! フランスへ!」と叫ぶ、誰のものかわからない声に導かれて、中庭をつっきって刑務所の入り口に向かって駆けた。

Edhasa著『Lazarillo de Tormes』の表紙

ラサリーリョ‧デ‧トルメス

El Lazarillo de Tormes

ホセ‧マリア‧ゴンサレス=セルナ

José María González-Serna

EDHASA - Editora y Distribuidora Hispano Americana

サラマンカのトルメス川のほとりでラサロは生まれた。ひどく貧乏で、小さなうちから自分で食いぶちをかせがなければならなかった。幸せな世界に生きているとは言いがたかったが、利口で機転のきくラサロは、なんとかして逆境を乗り越えていく……。こうして本書は、貧しさゆえに様々な主人の元を転々とし、飢え死にしないため知性を磨いていったひとりの少年の歩みを自叙伝の形で綴る。父はなく、まだほんの子どものラサロを母はひとりの盲人にひきわたす。盲人につきそい、手をひいて生計を立てるためだ。作者不詳のスペイン文学の古典をホセ・マリア・ゴンサレス-セルナが子ども向けに再話。カルロス・デ・ミゲルがこの版のために特別に描いた、印象的で楽しいイラストつき。

Almudena Grandes著『El lector de Julio Verne』の表紙

ジュール‧ベルヌを読む少年

El lector de Julio Verne

アルムデナ‧グランデス

Almudena Grandes

Tusquets Editores

ニノは9歳。父親は治安警察で、アンダルシアのシエラ・スル山脈の村に住んでいる。ニノは1947年の夏を忘れることがないだろう。その夏、ポルトガル人のペペという魅力あふれる男に出会い、父親のように治安警察官にはならないと誓って、ルビアス農場でタイプを習い始める。農場は未亡人と孤児たちの女だけの所帯で、山際の土地でなんとか凌いでいる。ペペやルビアス農場の女性たちとともに、ニノは冒険小説のおかげで新しい世界に出会い、誰も彼に話してくれなかった真実を知る。シエラ・スル山脈では戦いが起きていて、相手はセンセロ率いる山賊だということ。ニノは山賊たちを屈強な無法者以上の者とみなすようになり、最後には、なぜ父親が彼にタイプを習わせたがるのか、その理由を理解する。

秘密の言葉

El lenguaje secreto

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

マリア・テレサのことをクラスメートは奇妙な目で見る。生まれつき耳が聞こえないからだ。だけどセルマが転校してきて、初めての親友ができた。そしてそれから、すべてが変わった。週末をセルマと一緒に過ごすために、マリア・テレサはあるお願いをする。それ以来、人間の言葉を聞くための補聴器を外すと、動物の言葉がわかるようになった。だけどこれは、秘密にしている。

カンデラのライオン

El león de Candela

マリア‧カストロ

María Castro

Twin Brooks Press

カンデラはきょうだいや両親と住む4歳の女の子。動物が大好きだけど、ほんとうのペットは飼えないので、ベッドのなかはぬいぐるみでいっぱい。その中でも特にお気に入りなのがライオンだ。ライオンはどこへ行くにも一緒。なぜって、ライオンはカンデラのやることをそっくりそのままやりたがるから。いや、そっくり、そのまま……ではないけど。だってライオンは、おふろに入りたがらないもの! ライオンがバスタブに落っこっちゃったら、さあどうなる? 片時も離れない女の子とライオンのお遊びや、もしかしたらおふろに入るのはいいものかもしれないとライオンが思うようになる様子に、小さな読者は大喜びすることだろう。

Inma Muñoz著『El libro bombático』の表紙

最高に楽しい本

El libro bombático

インマ‧ムニョス

Inma Muñoz

Ocho en punto

本が大好きなエンマ。数日後に誕生日を迎える友人のセバスティアンに最高のプレゼント、つまり「最高に楽しい本」を贈りたい。問題は、そんな本がどんなものなのか誰も知らないことだ。ある日の午後、エンマはアリシアの本屋に行き、最高に楽しい本がないかと尋ねるが、アリシアはわけがわからず、エンマにどんな本なのか、何かヒントをくれるよう頼む。エンマが最高に楽しい本には恐竜が出てこないとダメだというので、アリシアは恐竜が出てくる素敵な本を何冊か見せる。でもエンマは考え込んだまま、最高に楽しい本には恐竜と……ダンサーが出てくるはずだと言う。驚いたアリシアは、ダンスに夢中な男の子の本を見せるが、エンマはそれがいい本だとは思えない。最高に楽しい本には、恐竜やダンサーや……他にもいろんなものが出てこないといけないから。ひどくややこしい話だけど、エンマはそんな不思議な本を見つけ、親友にプレゼントすることができるのだろうか?

Tania Berta Judith著『El libro de la magia blanca』の表紙

白魔術の本

El libro de la magia blanca

タニア‧ベルタ‧ジュディット

Tania Berta Judith

Fulgencio Pimentel Editorial

この本は奥義を示すような大げさなものでも、複雑なマニュアルでもない。むしろその反対で、自分や他人の人生をよいものにする、シンプルで常にやさしい魔法を紹介している。遊びから始まり魅了され、目がくらむ、ひとりでも、また仲間たちとでも、読者は魔法の一番簡単で愉しく、身近な部分に入りこむことができ、これまで、そして今現在も魔法が本質的に重要な部分を占める様々な文化を発見することになる。魔法によって、わたしたちは自分自身をよりよく知ることができ、また自分を取り巻く世界を理解し、世界との調和につなげられる。そして魔法は現在を解釈しやすく(未来も先取りしやすく!)してくれる、創造的で遊び心のあるプロセスの一部なんだということがわかるようになる。

Àngels Navarro著『El libro de la memoria』の表紙

記憶力の本

El libro de la memoria

アンへルス‧ナバーロ

Àngels Navarro

IMC Literary Agency, S.L.

本書は、とっつきにくい訓練プログラムをとりあげた学術書ではなく、遊びながら記憶力を鍛えるための一般書。読者が自分の記憶の弱点を知り、その弱点を強化するのに必要なトレーニングを自覚するための、記憶力を高めるさまざまなプロセス、作戦、テクニック、アドバイスを紹介する。あらゆる年代の大人向けの多数のゲームを収録。若い読者には、注意力や集中力や記憶力の強化に、中年の読者には記憶力を良好に保つために、高齢者には、認知症などのちょっとした症状をカバーするために役立つだろう。

Eva Manzano著『El libro de los culos』の表紙

おしり図鑑

El libro de los culos

エバ・マンサノ

Eva Manzano

NubeOcho

おしりについて、私たちはあまり知りません。この本を読んでおしりにまつわるあれこれを知れば、人間や動物のおしり、その種類やありとあらゆる色のおしりが存在することについて語り合えます! おしりがあることで、私たちはよりかしこくなるって知っていましたか? カタパルトおしりについて聞いたことがありますか? ふたつと同じおしりはなく、だからこそ、よく知ることが大切なのです。

死者の書:アニのパピルス

El libro de los muertos: El Papiro de Ani

ナチョ‧アレス

Nacho Ares

Ediciones de Arte y Bibliofilia

“最高の専門家らによる古代エジプトの旅” アニのパピルスを所蔵している大英博物館の協力によって、今までにない豪華な本書が生まれた。原文翻訳を担当したのはイギリスの探検家ウォリス・バッジ卿。それに加えてエジプトの名高い考古学者ザヒ・ハワス(Zahi Hawass)が序文を、スペインの有名な文筆家でエジプト考古学者ナチョ・アレス(Nacho Ares)が研究紹介を担当した。後世のあらゆる文明に影響を与えているエジプトの神話を巡るエキサイティングな旅は、300点以上のオールカラーの図版で構成される。盲人の祈りとは何か? 死者が審判を受ける際の心臓の計測は何から始まったのか? アニとその妻トゥートはどんな脅威に直面したのか? 詳細な説明や美しい画像、他の資料と比較することで、古代エジプト愛好家たちが今まで知りたくても知ることができなかった疑問に大いに答えている。

Clara Obligado著『El libro de los viajes equivocados』の表紙

間違った旅の本

El libro de los viajes equivocados

クララ・オブリガド

Clara Obligado

Páginas de Espuma

どんな旅も3つの領域で展開する。内面の旅、時間の中で進行する旅、空間を移動する旅だ。空間の旅は感覚を満足させ、時間の旅は経験を豊かにするが、人間を変えうるのは内面の旅だ。だが、人間は世界の行方を変えられるだろうか? 本作の登場人物たちは冒険に出発し、偶然に導かれて小さな物語がよせ集められ、しまいに全体の変転をもたらす。はらはらする螺旋のような語りを通してこれらの短編は、私たちが生きることになった複雑な世界に自問するよううながす。

Ricard Ruiz & Àlex Hinojo著『El libro de Morfeo』の表紙

モルフェウスの書

El libro de Morfeo

リカルド‧ルイス、アレックス‧イノホ

Ricard Ruiz / Àlex Hinojo

La Galera Editorial

LOS GUARDIANES DEL SUEÑO(夢の番人)シリーズの第1巻。学年末が近づいて、セレナは恐い夢を見る。両親は試験の緊張のせいだと考えたが、もっと不吉な何かが隠されていた。クラスメートのインソムニアの父親でレタルゴ医師と名乗る人物が、セレナと友だちのビルヒニア、ラウル、シモンを脅かす。自分たちの夢が現実の世界に影響を及ぼし始めたとき、四人は何か恐ろしいことが起きていることに気づく……。

César Sánchez著『El libro del futuro』の表紙

みらいの本

El libro del futuro

セサル‧サンチェス

César Sánchez

Fulgencio Pimentel Editorial

もし、15年前にあなた⾃⾝があなたに宛てて書いた⼿紙を受け取ったとしたら? もしその⼿紙の中に宝の隠し場所が記されていたとしたら? 今日の自分がどんなだったか、そして明⽇はどんな自分でいたいのかを、いつでも思い出せるように、未来のあなたが今のあなたに向けてこの本を送ってきたのかもしれない。 ・空欄に自分の生活などを書き込んで出版社に送れば、15年後、大人になったあなたのもとに送り返されてくる。つまり、この本⾃体がタイムカプセルというわけ。少年少⼥向けのアクティビティ・ブックで、全46ページにわたってふんだんに盛り込まれた創造的な提案は、読者に幼少期を正確に描写させることを意図したものだ。 ・この本の売り上げの1%は、タイムマシン製造に取り組む科学者ロナルド・マレット⽒の研究に寄付されることになっている。

茶の本

El libro del té

岡倉覚三

Okakura Kakuzō

Albur Producciones Editoriales

1906年に書かれた本書は、優れた禅の儀式である古典的な茶道に集約された文化的、宗教的、美学的な要素を見事に記述した詩情あふれるエッセイ。国民イラスト賞のイシドロ・フェレルが様々なテクニックを駆使して描いた花々(中にはお茶で色付けしたものも)やデザインは、世界的な文化遺産といえるこの原文が持つ豊かな味わいを際立たせている。『El libro del té(茶の本) 』は、実はほとばしる悲鳴だ。欧米の実用主義の乱入―20世紀の初頭に巨大な力を以って全てに侵入した―により、若い世代の人々が忘れ去ってしまった在りし日の生活様式の文学的な遺書なのだ。

Cristina Romero著『El Libro Dorado de los Niños』の表紙

男の子のための金色の本

El Libro Dorado de los Niños

クリスティーナ・ロメロ・ミラレス

Cristina Romero Miralles

Editorial OB STARE, S.L.U.

思春期を経て大人になる過程の男の子たちによりそっていこうと生まれた本。ここでいう男の子像、男性像はリアルで自然のままの、ステレオタイプに陥らないもので、涙で悲しみを表現するのも大歓迎。男の子は、これまで言われてきたのとは違う意味で強いのだ。筋肉を鍛え、たくさん賞を取ればもっと強くなれると思い込ませる社会の価値観や競争心などかなぐり捨てよう。文章と絵がたがいに響きあいながら、幸せになるための真の力とはなにかを解き明かす。それは本当の自分であること、自分の心に従って自尊心を持つこと。そして子どもたち自身がその一部であるまわりの自然を尊重すること。未来のために不可欠なものとして、子どもたちと自然とのつながりを強調する。これは大人の男性のための本でもある。もう隠しつづける必要のない、古傷を癒すのを手伝ってくれるからだ。

Cristina Romero著『El Libro Rojo de las Niñas』の表紙

女の子のための赤い本

El Libro Rojo de las Niñas

クリスティーナ・ロメロ・ミラレス

Cristina Romero Miralles

Editorial OB STARE, S.L.U.

思春期を経て大人になっていく過程の女の子によりそっていこうと生まれた本。詩的な文章とぴったりのイラストで、リアルで自然な女の子像を提示する。私たちの社会や文化が喧伝する、性別を過剰に意識した女の子像ではない。もっとやせていてもっとくびれた、今とは違う体になりたい、そんな願望を助長する本ではない。本書の目的は、無条件で自分を愛せるように手助けすることだ。ごく小さなうちから、ありのままではだめとおしりをたたかれる社会、男に選ばれるための服を着て化粧をした少女の広告があふれる社会では、それは至難の業だ。自分の心に従って本当の自分になれば、女の子は強くなれる。これはすべての女性のための本だ。子どものころの心の傷を癒すのも手伝ってくれる。

ミドルマネージャーの謙虚なリーダーシップ。物事を達成し、変革し、実現させる人たち

El liderazgo humilde de los mandos intermedios

ルルデス‧バサラ

Lourdes Bazarra

Narcea Ediciones

学校が単なるスペースでなくなってから随分経つ。新型コロナウイルスのパンデミックにより、学校は3次元、ハイブリッド、ユビキタスな空間へと加速度的に変化していき、今や予測不能性や不確実性に対する判断、解釈、解答や解決策の提供について学ぶ場となった。そういう状況に学校組織はどのようにすれば柔軟に対応できるのか? この課題に強い関心を有する熱意ある学校経営者たちは、学校組織というモデルが時代に追いついていないことを認識している。われわれはつながり、共有し、対比し、実行するという、コミュニケーションとアクションのネットワークをリードしなければならない。しかもそれを、能力と最適なソリューションを提供する、シンプルかつ明確で効率的な構造とすることも求められる。このネットワークマップにおいて重要な役割を担うのが、目的と人を結びつけるミドルマネージャーたちであり、彼らこそ教育現場を変える真の担い手なのだ。

Nere Besabe著『El límite inferior』の表紙

下限

El límite inferior

ネレ‧バサべ

Nere Basabe

Agencia Literaria Virginia López-Ballesteros

ある週末、寒波に見舞われた地中海沿岸の小さな町ラ・ソラナに4人の人物が居合わせる。ビクトルとバレリアは、結婚生活が破綻寸前の夫婦。商用旅行と言っているが、どうやら夫婦関係を終わらせに来たようだ。そして、職人のブレオガンと観光ガイドのブリジットは、この寒村に行きついて毎日路地を行き来するが普段決して出食わすことがない。第1部「風」は、外部から時ならぬ知らせをもたらす。第2部「潮」は、4人の登場人物の心の奥底をかき回す。時化と自動車事故とひとりの少年の謎の失踪が、不穏な空気に包まれて人生の淵に立つ登場人物たちの虚無あるいは不在に終止符を打つ。スペインのチルべス、ゴペギや、フランスのウェルベックを彷彿とさせるアンティミスム的プロット。

Fernando Figueroa Saavedra著『El libro de Angelina』の表紙

アンヘリーナの本

El libro de Angelina

フェルナンド‧フィゲロア=サアベドラ

Fernando Figueroa Saavedra

Editorial Minobitia / Minotauro Digital

17世紀のベネチア。思春期の少女アンヘリーナは両親の死後その身に危険が迫り、やむなく生まれ故郷を去ることになる。従順な召使ピエトロリーノと共にヨーロッパ、アフリカ、アジアの国々を渡り歩くにうちに女性としての自覚を持ち、性と愛に目覚めていく。また、それまで彼女に隠されていた謎の身分を解き明かす手掛かりを見出すことにもつながる。女性の町をつくったり、後に彼女の人生に大きく係わっていく不思議な人物たちとの出会いがあったりと様々な冒険が待ち受ける。エロティシズム漂う筆致で幻想と神話が混ざり合うユニークな歴史小説。著者自身が描いた魅力あふれる54点の挿絵が本書に色を添えている。史実の力に、芸術的な創造性とイタリアのコンメディア・デッラルテの特徴を融合させて、読者を感動させ楽しませる小説となっている。

Sònia Hernández著『El lugar de la espera』の表紙

待っている場所

El lugar de la espera

ソニア‧エルナンデス

Sònia Hernández

Acantilado (Quaderns Crema S.A)

「わたしたちとほぼ同時に生まれた民主主義と憲法は、誰もが望むものになる権利があるとうたっている。社会全体が合意し、わたしたちの願いと希望を守ろうとした。わたしたちは自分が望むものになろうとした。そのため、大人になったら何になりたいのかと、わたしたちは常に聞かれてきた」。一人称複数形で語られるこの群像小説では、登場人物たちが分かち合うのは、我々皆の代表者としての意見を超えたもの。つまり彼らは、同じ象徴的な場所で生きている。仕事をするとか決定を下すといった人生の重要な時、人生に意味を与える時を示す兆候を待っているがために、失われたとまでは言えないがさまよっている世代という、同じ場所で。

Lola Llatas著『El lugar invisible』の表紙

見えない場所

El lugar invisible

ロラ・リャタス

Lola Llatas

Obscura Editorial S.L.

街を離れ、姪のエステラと共にティエバナに引っ越すことを決めたとき、グラシアは新たな人生のステージの始まりに胸を躍らせていた。美しい手つかずの自然に囲まれたパソ・イナニスで、その家の家事をになうアンヘラとふたりの子どもと共同で生活し、寝たきりの老婦人ベラの世話をすることになっていた。 パソ・イナニスは小さな楽園であり、アンヘラは新しく来たグラシアとエステラを家族のように扱ってくれる。しかし、日が経つにつれ、その村の人びとには生と死が自然に流れていないことにふたりは気づき始める。ほどなくしてティエバナでの滞在は、超自然的な恐ろしい広がりをみせはじめる。パソ・イナニスはふたりにとって日増しに敵意を帯びた場所となり、ティエバナの村が大きな犠牲を要求するために彼女たちを呼び寄せたことを理解することになる。

うまく眠れない私(「不眠」)

El mal dormir: Un ensayo sobre el sueño, la vigilia y el cansancio

ダビッド‧ヒメネス=トーレス

David Jiménez Torres

Libros del Asteroide, SLU

第1回リブロス・デル・アステロイデ賞ノンフィクション部門受賞作「いつもよく眠れない。それは私の人生の重要な事実だ」筆者を含め、睡眠に悩む人の体験を語る本書はこの言葉から始まる。この本の不眠はいわゆる極度の不眠症ではなく、比較的普通の日常を送れてはいるものの、夜、昼、仕事、周りの人々などとの関係に影響を及ぼし、孤独や敗北、失望といった感情に向かわせる持続的な睡眠の問題だ。『El mal dormir(不眠)』はごく普通に起きるが謎だらけの不調に関する明解な思索で、睡眠に問題がない人に対して、不眠に悩む人が持つ知られざる側面を見せるとともに、不眠の人にとっては、知ってもらえることによるささやかな慰めを与えることを目的としている。

Marta Guillén Muñoz著『El maquillaje como profesión』の表紙

プロのメイク術

El maquillaje como profesión

マルタ‧ギリェン‧ムニョス

Marta Guillén Muñoz

Videocinco Editorial

昨今、プロのメイクアップ技術は最も求められるプロファイルのひとつであり、仕事としての活躍の場はテレビや映画などのAVメディアや写真の世界に限らなくなった。SNSが普及し、インフルエンサーが現れ、新しい高画質テクノロジーが登場したことで、イメージというものは大きく塗り替えられた。そうした中、メイクアップのプロは伝統的な技術を現代という時代のニーズに合わせて修正しなければならないという大きな課題を抱えている。本書には、HD(ハイデフ)化粧品からエアブラシメイクアップに化粧直し、さらには下地の重要性まで、スペシャリストが知っておくべき最重要ポイントが網羅された。作者は、それぞれのステップがどのように行われるべきかを、プロセスのいくつかを順を追いつつ例示しながら、明快かつシンプルそして実用的に説明している。

Patricia García Rojo著『El mar』の表紙

The Sea

El mar

パトリシア‧ガルシア=ロホ

Patricia García-Rojo

Fundación Santa María - Ediciones SM

ロブは津波で生き残り、今は屋根の上に住んでいる。白いコルク樫でできた船でトレジャーハンティングをし、ラナにぞっこん惚れている。新しい海の財宝を求めて遠征したときに、だれでもなりたい人に変身できる魔法の石を見つける。この発見で彼の人生はがらりと変わるが、同時にこの世には、見かけ通りのものなど何もないと気づくことになる。

Jordi Tomas著『El mar dels traïdors』の表紙

裏切り者たちの海

El mar dels traïdors

ジョルディ‧トマース

Jordi Tomàs

Edicions Proa

1864年、アントニ・リウボは医者として、ブリガンティン(2本マストの帆船)「モンセラの聖女号」の乗組員になる。アフリカ大陸を経由しバルセロナとアメリカ大陸を結ぶ交易船だ。シエラ・レオネに到着した時、この若い医者は彼らの船が奴隷商人によって支配されていることに気づく。航海を利用して何百人というアフリカ人をアメリカに運びプランテーションに売るのだ。医者はその事実に驚愕し、奴隷制度支持者たちの計画をボイコットするため、様々な行動を考え出す。

後ろに海

El mar detrás

ヒネス‧サンチェス

Ginés Sánchez

Fundación Santa María - Ediciones SM

運よく海を渡れたとしても、海は後ろに過ぎ去り、前には多くの店や汚れ、単調さや悲しみが横たわる。日々が同じように過ぎていき……ある日、それが一変する。そのとき君は店や行列や柵のはるか向こうに目をやるだろう。山々に。未来に。それを探しに行きたければ、探す理由を見つければいいだけだ。

Violeta Monreal Díaz著『El mar enfermo』の表紙

ぐあいのわるい海

El mar enfermo

ビオレタ‧モンレアル‧ディアス

Violeta Monreal Díaz

Ediciones Paraninfo

タティは海の番人。穏やかに暮らしていたが、ある日、人間たちが引き起こした海洋汚染によって、友だちの魚たちがいなくなっていることに気づく。この状況を変えるために、タティは人間たちの生活に介入することを決める。本書は8巻あるシリーズの第1巻。リズムの良い文章で、地球の番人と呼ばれる不思議な生物たちを通じ、子どもたちに環境を守ることの大切さ、その方法をおしえてくれる。地球の番人たちの仕事は、人間による継続的な汚染に苦しむ地球を守ることだ。各巻でひとつずつ、地球を脅かす問題を集中的に扱う。

Silvia Martínez Markus著『El mar no siempre es azul』の表紙

海は青いとはか らない

El mar no siempre es azul

シルビア‧マルティネス=マルクス

Silvia Martínez-Markus

Ediciones Palabra

16歳の誕生日に、ある秘密を発見したステリャは自分の運命を受け入れるしかなかった。だがその秘密はやがて、地中海沿いの村の穏やかな生活を根底から揺るがすことになる。成長には多くの責任がつきものだ。ステリャは友だちに助けられて、それに気づく。めくるめく冒険にのり出した彼女は、悪意に満ちた敵と戦うことになる。敵は、力を得てあらゆる海の生き物を奴隷にすることしか考えていない。さらにラブストーリーがからみ、だからこそ、ステリャは戦いつづけることになる。彼女の使命は、青い―いつも青いとはかぎらないが―未知の危険な世界で答えを探すことだ。

Soledad Romero Mariño著『El maravilloso libro de la vida』の表紙

生命の素晴らしい本

El maravilloso libro de la vida

ソレダッド・ロメロ=マリーニョ

Soledad Romero Mariño

Litera Libros

新しい生命は祝祭です。生まれたものすべては、宇宙に宿る計り知れない創造力の確かな証です。私たちはどうやって生まれるのでしょう? 生命が誕生するためにどんな条件が必要でしょうか? どんな種類の生殖方法があるでしょう? ウミガメが、自分が生まれたのと同じ浜辺に卵を埋めることを知っていましたか? ヒトデは、ちぎれた腕から新しい生命体を生み出せるって? あるいは、多くの植物が空に種子を飛ばしていることをご存知でしたか? とても激しい誕生の瞬間もありますが、その一方で、繊細で緻密な場合もあります。決まったルールはなく、ただ驚くべき自然の創意工夫と忍耐力によって繰り出される無限の多様性があるだけです。

Mar Cantero著『El matarratas』の表紙

ネズミ捕り

El matarratas

マル‧カンテロ

Mar Cantero

Nowevolution Editorial

「電気が消えるやいなや観客を座席に釘付けにする映画のワンシーンのように『ネズミ捕り』は登場した。目がくらむほどすばらしい小説。読者をとらえ、征服し、誘惑し、最後まで虜にする」と、Mandela(マンデラ)、Indian Express(インドエキスプレス、2011年アソリン賞)の著者ペパ・ローマ。 過去を乗り越えることは出来るのか? 母の病気によりアンヘルは、つれあいの女性と共に実家のある故郷へ向かう。幼年期を過ごした村は思い出に満ち、今なおトラウマとなって彼を苦しめるある秘密が蘇る。誰もがひとつは持っている決して人には言えない秘密。数年後、彼はインドに移り住み、人々の生き様や苦しみなどを見るうちに、自らの過去を受け入れ、生きる意欲を取り戻していく。

Juan Tallón著『El mejor del mundo』の表紙

世界一

El mejor del mundo

フアン・タリョン

Juan Tallón

Dos Passos Agencia Literaria

アントニオは、計り知れない野心を抱くガリシアの実業家である。これまで後を継ぐのを渋っていた、父親が設立した棺桶工場をついに引き継ぐと、経営方針を一変させる。トップ企業にのしあがろうと、高級部門に目を向ける。ヒューストンとメキシコシティに旅立ち、そこで常に心から欲してきた成功を手に入れる。しかし、成功に手が届いた途端、彼の夢は不可解な形で消え去ってしまう。スペインに戻ると、すべてが変わりはて、取り返しのつかなくなっているのを知り衝撃をうける。家族も、家も、友人も、仕事も、街も、世界も、そして彼自身でさえも、15日前に彼が旅に出たときと同じではなくなっている。何も意味をなさず、すべてが不可能に思える。一体何があったのか? いつ、どんなふうに現実は歪んでしまったのか? フアン・タリョンは、矛盾に満ち、容赦なく、暴力的だが時には優しくもある人物を通して、違和感の体験に切り込んでいく。道徳的限界をほとんど持たず、世界に馴染めない主人公は、誰もがみな時としてそうであるように、自分の周りで起こる多くのことを理解できていないが、困難を乗り越えるためにはそれに立ち向かわなければならない。波乱に満ちた過去を持ち、自分を嫌悪する父親と対立し、忌まわしい姓を背負うことになった主人公アントニオは、逆境に打ちのめされながらも耐え、必要なことを何でもする覚悟があるならば、人はあらゆる野心を満たしていくことができるという、生きた見本である。

Sheddad Kaid-Salah Ferrón著『El meu primer llibre de Relativitat』の表紙

はじめての相対性理論

El meu primer llibre de Relativitat

シェダード‧カイド-サラーフ‧フェロン

Sheddad Kaid-Salah Ferrón

Editorial Juventud

道を歩いているとき、時間はだれにでも同じであるように思える。私たちにも、すれ違う近所の⼈にも、モスクワの住⺠にも、⽕星の岩にも。けれども、アルベルト・アインシュタインは100 年以上前に、時間はどこでも同じに流れているのではなく、物体が移動する速さによって変わることに気づいた。だから、私たちが光の速さで移動できたなら、時間と空間について信じられないことが起こるのがわかるだろう。アインシュタイン博⼠の案内で、魅⼒あふれる相対性理論の世界を発⾒しよう。Mi primer libro de física cuántica(はじめての量⼦物理学)の執筆陣が⼿がけた本書は、時間の膨張、⻑さの収縮、質量の増加など、⼀⾒複雑な問題を、わかりやすく明快に解説する⼊⾨書の決定版。

空飛ぶトイレットペーパーの謎。クルトン姉妹3

El misteri del paper de vàter volador

アンナ‧カベサ

Anna Cabeza

Editorial Casals

クルトン姉妹シリーズの3冊目。ユーモアと現代への警鐘に満ちた新しい冒険の始まりだ。クルトン姉妹は世界最大のおばあちゃん調査員の大会、インターナショナル・グラニー・ディテクティヴ・カンファレンスに出席するためニューヨークへ行かなければならなくなった。プラザホテルは有名人でいっぱい。イタリアのティアトラッポ姉妹、日本のアキ・メケド、そしてなんと、かのドナルド・トロンパソまで。騒々しい中、ある謎めいた出来事が起きた。ホテルのトイレットペーパーが理由もなく消えたのだ。クルトン姉妹と孫のマルセロ、マルセロの新しい友人マックスは手がかりを追う。犯人はだれだろう? アンナ・カベサが文を書き、トニ・バトリョリがイラストを描いた本シリーズは1万5000部以上を売り上げ、4言語に翻訳されている。シリーズ4作目は2022年2月に刊行。

Susana Vallejo Chavarino著『El Misterios de Arlene』の表紙

アルレーFの謎

El Misterio de Arlene

スサナ‧バジェホ=チャバリノ

Susana Vallejo Chavarino

Ediciones Diquesi

もし親があなたを、友だちからも住む街からも遠い寄宿舎に入れたとしたらどんな気持ちになると思う? そうなったとき、13歳のわたしは、恐れと怒り期待をいっぺんに感じた。カメリアス校の門をくぐったとき、2度と出られない場所に来てしまったような感覚に襲われた。だけどそのあとは、うん、そんなに悪くなかった。ベアやベルトと知り合い、そしてわたしたちはやっかいごとに巻き込まれた。たとえば、寄宿舎で取引しているドラッグの売人を見つけたとか……。アルレーネという最高の友だちができたのも悪くない。どこにでもいそうな普通の女の子なんだけど、ただ、えーっと……、死んでるの。つまり、幽霊ってわけ。1977年にカメリアス校で死んでしまって、そのときのことは何も覚えていないんだって。なんだか、たくさん秘密があるみたい。そして、彼女だけじゃない。だってカメリアス校って秘密がいっぱいなんだ。わたしといっしょに、冒険してみない?

Josep Lluis Badal著『El misterio de la luna』の表紙

月の謎

El misterio de la luna

ジュゼップ‧リュイス‧バダル

Josep Lluis Badal

La Galera Editorial

満月の夜、シャーロック・ホーム寄宿学校でフェルナンドは不思議なことにとても小さな子犬のホピを見つけます。バルビナと一緒に、二人は若くてまだ経験の浅いですが、とても勇敢な探偵チームを結成します。彼らは恐ろしい教師サラミとシビウダに立ち向かい、消えた下着の謎を解明しなければなりません。果たして彼らは成功するのでしょうか?

Carmen Gil著『El misterio de la sonrisa de Lucas』の表紙

ルーカスのほほえみの不思議

El misterio de la sonrisa de Lucas

カルメン‧ヒル

Carmen Gil

Triqueta Verde

遠くのある町では、マーガレット畑や雲のない空よりも大きな不思議がある。それは、昼も夜も、夏も冬も、一年365日、うるう年には366日、ルーカスの顔に浮かんでいるほほえみだ。世界中から科学者たちがやってきて調べるが、そのほほえみの理由がわからない。ルーカス本人にもわからない。彼はただ日々を楽しんでいるだけなのだ。でも一日の中で、彼のほほえみが特別な輝きを放つときがある。クマの鳴き声のようにぶつぶつしゃべる気難しい老人が、住んでいる青い家から出てくるときだ。ルーカスが老人と共に過ごす時間、ふたりの間に醸し出される幸せな、あたたかい空気は、気難しい老人の心にまでたどり着けるルーカスの能力を示している。面白さと愛を組み合わせた新鮮なストーリーは読者に、人生における大切なことを考えさせてくれる。

Esteban Martín著『El misterio del lago Ness』の表紙

ネス湖の謎

El misterio del lago Ness

エステバン‧マルティン

Esteban Martín

Grupo Editorial Bruño

ホルヘは英語を上達させるためにスペインからスコットランドの地へ行き、ネス湖の近くの村の農場でホームステイしている。日々はおだやかに過ぎていくかに見えたが、間もなくホルヘや友だち、ホルヘが好きになった女の子のアナベラの身の安全をおびやかす謎に巻き込まれる。湖に住む怪物の伝説に加え、おかしな行動をとる村人もいる。家族全員がつけている奇妙なブレスレットは何か? 幾人かの村人たちが明け方にしている秘密の儀式は何か? 湖の中で動いているものは何か? そして何より、なぜアナベラはこの頃自分を避けようとするのか? 危険な冒険と古くからの伝説、人に明かすことのできない秘密の物語。

Anna Llenas Serra著『El monstruo de colores』の表紙

カラーモンスター

El monstruo de colores

アンナ‧リェナス

Anna Llenas Serra

Editorial Flamboyant

いろんな気持ちがごちゃごちゃになってしまったことはない? このお話の色いろモンスターはそんなふうに気持ちがこんがらかって、喜び、悲しみ、怒り、恐怖、冷静さを整理することを身につけなくてはならなくなる。表現力豊かなイラストレーションで、子どもが1日のあいだに体験するさまざまな感情を簡単に見つけられる。スペインの学校では、3~5歳のこどもたちの感情教育をするのに欠かせない本となった。また、国際連合人権高等弁務官事務所の協力のもと、NGOシンク・イコールによって選ばれて世界じゅうの学校で導入される感情教育プログラムに採用されることになり、2018年はスリランカで試験的に使用される。

追い出された怪物

El monstruo desterrado

オクタビオ‧フェレーロ

Octavio Ferrero

Iglú Editorial / Kalosini S.L. (Grupo editorial Olé Libros)

オオカミや熊、鳥、小鬼やヒキガエルを怖がらせる怪物、ましてや子どもたち、王女さま、お年寄り、犬や猫などは震えあがるような怪物が、機嫌の悪い男の子に部屋から追い出されるなんて想像できる? これはそんなお話。主人公の怪物がお腹をすかせ、靴もなく寒さに震えながら町をさまよう羽目になり、途方に暮れてつぶやく。「怪物が追い出されるなんて話、どこにある?」

Jorge Franco著『El mundo de afuera』の表紙

外の世界

El mundo de afuera

ホルヘ‧フランコ

Jorge Franco

Casanovas & Lynch Literary Agency

イソルダは、奇妙だが魅力に満ちた城に閉じこもって暮らしている。城はメデジン市にあるのだが、個性豊かな市民が暮らすこの町とは無縁だった。十代の少女イソルダにとって、城の中の雰囲気は現実からかけ離れて重苦しく、城の周りの森だけが彼女の孤独を癒してくれるのだった。しかし、目に見えない外界の脅威は、城のまわりの木々の枝の間から忍びこんでくる。ホルヘ・フランコが緊張感を見事に操りながら作り上げた、怪しい雰囲気をたたえたおとぎ話は、やがて常軌を逸した誘拐の物語となる。城という要塞の内外で、御しがたい怪物とも言える恋が強迫観念となり、増長し、凶暴化して報復心を煽る。死を運命と受け入れるしか、逃れるすべはなさそうだ。

失われた博物館

El Museo Perdido

マリナ‧サエス

Marina Sáez

MTM Editores (Metafísica del Tercer Milenio Editores, S.L.)

わたしたちが無くしていったものすべてを見つけることができたら素晴らしいと思いませんか? 1995年に、ある少女は左手の手袋を無くしました。少女が手袋を捜していると、すべての紛失物が行きつく所、〈失われた博物館〉に出くわしました。博物館は何階もある建物で、すてきな部屋がたくさんあり、二度と見ることができないと思っていた物であふれています。さあ、中に入ってください。でも、迷子にならないでね!

穏やかな挫折

El naufragio sereno

アルバ‧フェレテー

Alba Ferreté

Ediciones Urano, SAU

人生の危機は、うまく導くことですばらしいものとない得る。現実の挫折に伴う精神的な苦痛や空虚さの下には、自らの内面を見つめ、内なる革命を実行する可能性が秘められているのだ。失われた何かが人間関係であれ、仕事であれ、物質的なものであれ、あるいは長いこと抱き続けた夢であれ、違いはない。われわれは、失うことは永遠の罰ではないとわかっているので、被害者意識、感情的依存、考えすぎといった状態から、信頼感、平穏、心の中の自由へと気持ちを移行させることが可能だ。つらい思い出からの解放が常にそうであるように、挫折を穏やかなものにするには信念と勇気を要する。トランスパーソナル・マインドフルネスの認定コーチであり、コンサルタントでもあるアルバ・フェレテーは、本書において、人生における危機をより深く穏やかに生命とつながった状態で、新たな自分に向かう道へと変化させるために、彼女自身が用いた解決策を紹介する。

Joan-Lluís Lluís著『El navegant』の表紙

航海者

El navegant

ジョアン=リュイス‧リュイス

Joan-Lluís Lluís

Fishing Talent SL (Asterisc Agents)

この冒険小説の主人公は、好奇心があり、未熟だが、超自然的とも言える特異な才能を持つところがみなと違っている。また、世界の言語に無限の情熱を抱いている。19世紀半ばのペルピニャンに住む主人公は、その才能と情熱のせいで想像もしていなかった道を歩み、普仏戦争とコミューン革命のさなかのパリに行きつく。その後冒険の風にのって、はるか遠いニューカレドニアに至る。植民者と先住民のはざまで主人公は何度も試練にあう。故郷からも恋人からも遠く離れた場所で主人公は、ありとあらゆるトラブルをもたらすばかりの才能など、なんの役にたつのかと自問する。クラシックな冒険小説と文学の間を行き来しながら、稀な才能を持つカタルーニャの若者の特別な旅を語る。

Fernando Aramburu著『El niño』の表紙

子供

El niño

フェルナンド・アランブル

Fernando Aramburu

Tusquets Editores

1980年に実際に起きた事故に着想を得た作品。繊細かつ共感に満ちた筆致で描かれた悲劇であると同時に、愛と回復と克服の物語でもある。定年退職したニカシオは、毎週木曜日に故郷の墓地を訪れ、国中に衝撃を与えた爆発事故で犠牲となった多くの子供のひとりである孫の墓参りをしている。忘れがたい人物ニカシオと、何年もを経てからの子供の母親の証言を通して、悲劇がいかに彼らの人生を永遠に変え、知られざる側面を暴きだしたかが明らかになる。予期せぬ感情と、心理的・文学的探求、そして密度の濃い感情にあふれた物語が、登場人物たちの運命を理解させ、感動を呼ぶ。

小さな哲学者

El niño filósofo

ジョルディ‧ノメン

Jordi Nomen

Arpa y Alfil Editores

子供たちは驚嘆するという素晴らしい能力と尽きることのない好奇心を持っている。そのふたつが彼らを小さくて偉大な哲学者に変える。哲学的思考は子供たちを責任ある積極的な市民に育てるが、家庭や学校でその思考を深める重要なツールとなるのが本書だ。前半では、子供たちの個人的あるいは社会的な知的発達を助ける哲学教育のメリットを説く。後半では、西欧の大思想家が遺した12の重要な問題を取り上げ、批評や対話、ゲームや想像力を通して、家族や教師が子供たちと共にその問題に取り組むための実践的方法を提案する。

José Antonio Jiménez Barbero著『El niño que no quiso llorar』の表紙

泣きたくなかった少年

El niño que no quiso llorar

ホセ‧アントニオ‧ヒメネス‧バルベロ

José Antonio Jiménez Barbero

Ediciones Dokusou

また鏡の前に立ち、また同じことを考える。自分の命を絶つこと。握りしめたこぶしの中には母親の睡眠薬。学校の同級生がつくる地獄から逃れられるたったひとつの希望。この世につなぎとめているのは妹のテレサへの愛だけだ。学校で何年間もいじめられ続けてきたサンティアゴは自分自身の影となった。そんなとき、ルシアが転校してくる。ちょっと風変わりで、他の子たちとは違っている。彼女は、サンティアゴのいる冷たく荒涼とした世界から彼を救い出し、笑顔を取り戻す希望をもたせてくれる。だが学校ではいじめが続き、いじめグループのボスであるナチョはあの手この手で絶えずサンティアゴの心を折ろうとしてくる。自分は屈しないと決心したサンティアゴは、けっきょく、自分がもっとも嫌うものになっていく。

Pere Marti著『El niños y el pueblo perdido』の表紙

少年と消えた村

El niño y el pueblo perdido

ペレ‧マルティ

Pere Marti

Ediciones del Serbal

スペイン内戦は終わった瞬間から、文学のインスピレーションの源となってきた。本書も内戦をテーマとした作品のひとつ。具体的には、エブロ川の戦い、特にラ・ファタレリャ山中の戦闘から想を得たもの。本書の特徴は、登場人物は実在の人物だが、小説風にアレンジされていること。特定の地方のことを描きながら作品世界は普遍的で、だれでも共感できる。だれひとり無関心ではいられない物語。

Aina Li著『El noi del bus』の表紙

バスの男の子

El noi del bus

アイナ‧リー

Aina Li

GRUP 62, S.L.U.

ディアナは毎日学校が終わると、バスで家に帰る。とある午後、すごくハンサムな少年と隣り合わせた。彼は次の停留所で降りなければならず、名前も電話番号も告げあわずに別れる。しかし、ふたりは偶然再会し、ある約束のもとでデートするようになる。ひと月は名前を教えあわず、バスの男の子、バスの女の子と呼び合おうという申し合わせだ。

Sergio Llanes Romera著『El ocaso de los normidones』の表紙

ノルミドンの落日

El ocaso de los normidones

セルヒオ‧リャネス‧ロメラ

Sergio Llanes Romera

Ediciones Dokusou

アウリアとスフォルツア王朝は自国の元老院内部で沸き起こる反逆を警戒している。帝王の命を狙う陰謀に加担する一族もあれば、変わらず忠実な一族もあり、混とんとした戦闘状態が引き起こされて、派閥同士の対立が勃発する。一方、帝王の安全保障を担当するノルミドン警備隊はどうやら消えゆく運命にあるようだ。3000年以上にわたって帝国を維持してきた王朝も、また。そこで血統を守ることが優先事項となった。それはノルミドンのファビオ・ベルトゥッチのみならず、歴戦の傭兵マキシモ・エレアサールにとっての大義である。一見、いくつかの二次的なストーリーに支えられて主要な筋書きが成り立っているようだが、これらのサイドストーリーがやがて暴力的な闇の勢力の謎めいた地下世界へとつながっていく。

ポリュKモスの目

El Ojo de Polifemo

フアン‧ラモン‧バラット

Juan Ramón Barat

Grupo Editorial Bruño

16歳の少年サムエルが主人公の探偵小説。サムエルは家族の事情で、探偵事務所を経営している叔父のフアン・ドミンゴのもとに一時的に身を寄せ、叔父の新しい事件に協力することになる。ふたりで一緒に捜査するうちに、ラ・マンチャのワイン醸造家が高価な宝石〈ポリュペモスの目〉を盗まれたことを発端とする、張り巡らされた陰謀に気付く。事件にかかわりがあると見られるのはダミアン・ロメロという行方不明者とその同僚たち、古美術商、宝石商、骨董品を集める女性とその甥。捜査に明け暮れるなかで、サムエルはアイスクリーム店で働く同い年の少女アンドレアに恋をする。次第にサムエルは叔父を慕うようになり、ふたりは特別な絆を築く。

波の匂い

El olor de las olas

ロベルト‧コラル‧モロ

Roberto Corral Moro

Grupo de Comunicación Loyola, S.L.U.

「年寄りになっても在りし日の子どものままだわ」自嘲を込めて言った。この小説『El olor de las olas(波の匂い)』の主人公アウロラの台詞だが、誰にでも当てはまる言葉だ。『El olor de las olas(波の匂い)』は他でもない思い出の匂い。ちょっとした言葉やコーヒーを入れたカップを包み込んだ感触、自転車で行った散歩、ひとかけらのケーキ、その時々に私たちの心に永遠に刻まれた思い出。『El olor de las olas(波の匂い)』はある女の物語であるが、それは直ぐに自分の物語となる。なぜなら、アウロラの人生も、私たちの人生も、基本的にすべての人生に大差はなく、愛、希望、情熱、友情、悲しみ、喜びといった感情は誰の中にも存在するのだから。生きることになった場所や時は単なる心の覆いに過ぎない。ページ毎に自らの姿を見ることになるだろう。

Iria G. Parente著『El orgullo del dragón』の表紙

ドラゴンのプライド

El orgullo del dragón

イリア‧G‧パレンテ

Iria G. Parente

Nocturna Ediciones, S.L.

イリア・G・パレンテ(1993年生)とセレーネ・M・パスクアル(1989年生)はそれぞれマドリードとビゴ出身の若い女性作家。主な作品に『Sueños de piedra (石のゆめ)』(Nocturna、2015-当サイト2016年紹介作品)、『Alianzas (契約)』(La Galera、2016)、『Títeres de la magia (魔法のあやつり人形)』(Nocturna、2016)、『Rojo y oro (赤と金)』(Alfaguara、2017)、『Encuentros (出会い)』(La Galera、2017)、『Ladrones de libertad (自由の泥棒たち)』(Nocturna、2017)、 本書『Antihéroes (アンチヒーロー)』(Nocturna、2018)、『Jaulas de seda (絹の檻)』(Nocturna、 2018)、『Despedidas (別離)』(La Galera、2018)、『El Orgullo del Dragón (ドラゴンのプライド)』(Nocturna、2019)、『Reinos de cristal (ガラスの王国)』(Nocturna、2019)がある。

シロクマと小さな$リ

El oso blanco y la hormiguita

ホセ‧フェデリコ‧バルセロナ=マルティネス

José Federico Barcelona Martínez

Iglú Editorial / Kalosini S.L. (Grupo editorial Olé Libros)

猛吹雪の山の中でひとり迷子になった小さなアリはどうすればいい? 冬眠したシロクマが何度も目を覚ますのはなぜ? シロクマと出会って安らぎと温もりを見つけた小さなアリの美しい物語。けれども最悪の状況で見知らぬ場所にやって来たアリにとっては、寒さから逃れ、手厚いもてなしを受けるだけでは不十分で、連れ添い、認めてくれる存在が必要だった。『El oso blanco y la hormiguita(シロクマと小さなアリ)』は、助けること、庇護すること、受け入れること、強い者と弱い者や持つ者と持たざる者のあいだの友情や友愛といった、基本的な価値観を伝える寓話だ。それと同時に、楽しいイラストでより一層説得力を持った語りを通して、言葉の発達と意識や身体イメージの形成を助ける。

Ana Campoy著『El paracaidista』の表紙

落下傘兵

El paracaidista

アナ・カンポイ

Ana Campoy

Las afueras S.L

『El paracaidista(落下傘兵)』は、記憶についての、そして暴力がいかに時と世代を超えてとどまり拡大していくかについての物語だ。 アナ・カンポイは、魔法と古い寓話を用いて、女性たちの脆弱性を浮き彫りにする小説を書き上げた。内戦後まもない荒々しい時代を舞台に、強いられた沈黙にもかかわらず、野原に広がり、家々の内部で響き渡る母たち、妻たち、娘たちの声を私たちに伝える。 そんな忌むべき状況下、ある村の郊外に予期せずして落下した落下傘兵が、登場人物たちの運命を変え、過去と現在の間に隙間を開き、未来への唯一の可能性を忍びこませる。ロルカやアナ・マリア・マトゥーテを思わせる筆致で、アナ・カンポイはアラクネの神話を再解釈し、タペストリーのように様々な筋を織り込んでいく。

Ricardo Cano Gaviria著『El pasajero Walter Benjamin』の表紙

旅人 ヴァルター‧ベンヤミン

El pasajero Walter Benjamin

リカルド‧カノ=ガビリア

Ricardo Cano Gaviria

Ediciones Igitur S.L.

ヴァルター・ベンヤミンが、1940年9月26日、国境の村ポルボウで自殺する前の最後の24時間を語った小説。

ニーナ‧シモンのピアノ

El piano de Nina Simone

デイビッド‧アセイトゥノ

David Aceituno

Norma Editorial, S.A.

ニーナ・シモンの情熱的な生涯を知ってほしい。アフリカ系米国人の市民権を求め、音楽で闘った女性だ。小さなころは、ピアノのペダルに足が届きもしなかった。大人になると、指は鍵の上を舞った。音楽を武器に不公正と闘い、より公正な世界を手に入れるため地球上を駆け巡った。対象年齢:3歳から。

母の言葉の力

El poder del discurso materno

ラウラ‧グットマン

Laura Gutman

Ediciones Urano, SAU

どの人物の伝記も、それ自体その人の小さな宇宙である。ラウラ・グットマンが本書で取り上げているのは、私たちひとりひとりの話、つまり子供時代の話であり、特に子供時代を覚えていないすべての人の話である。それを書くことで私たちは自分の人生の流れを変えていくことができる。本書は私たちが自分自身をもっとよく理解するための本である。私たちが重ねてきた感情的な現実に分け入り明らかにするといってもいい。伝記を書くことで、母から言われた言葉と子供だった自分が受けとめた現実との間の隔たりを埋めるためのプロセスが見えてくる。そうして私たちは人生のどの局面においても、より意識的に決定ができるようになる。幼少期における母子の相互関係に関する研究でも、母親の言葉がそれ以前とそれ以後を分ける重要な節目になっている。

権力。戦略家がマキャベリを読む

El Poder: Un estratega lee a Maquiavelo

ペドロ‧バーニョス

Pedro Baños

Editorial Rosamerón

権力をどうやって手に入れるのか? どうやって保持するのか? ニッコロ・マキャベリは当時の為政者たちに思いを馳せながら君主論を書いたが、著者はその考えが政治や軍隊、企業や社会活動における現代のリーダーにも当てはまることを明らかにする。しかし、マキャベリの考えは有効であり続けるのだろうか? 著者とマキャベリが時代を超えて重ねる熱く赤裸々な対話は、権力とは外見が変わっても本質は変わらないこと、たとえ現代のリーダーたちがSNSとアルゴリズムによる複雑な世界に適応しなければならなくても、全時代における最高のインフルエンサー、ニッコロ・マキャベリの成功(と失敗)を忘れてはならないということを教えてくれる。

初代皇帝と女王リュナ

El primer emperador i la reina Lluna

ジョルディ‧クッサ

Jordi Cussà Balaguer

Comanegra Editorial

『El primer emperador i la reina Lluna(初代皇帝と女王リュナ)』でジョルディ・クッサは至高の域に達した。中国文化においてもはや神話的な存在である魅力的な人物、秦の始皇帝のぞくぞくするような冒険小説。現実と驚異が混じり合う中国の初代皇帝の人生はホメロスの叙事詩に劣ることなく、中国文化史上類を見ない創設者として英雄の役目を果たしており、その魅力的な人物像は神性と醜悪の間で揺れる。当時の年代史にはない女性たちを創造し登場させたのは、小説ならではの成果。貪欲さを人類の害毒として記憶させるような記述、かの遥かなる帝国と近隣文化との関係を仄めかす描写など、正統派が苦々しく思うような雰囲気と登場人物の設定が印象的な作品。

子どもと大人のための初めての絵の本

El primer libro de dibujo para niños y adultos

ダニエル・ハワース

Daniel Howarth

Gemser Publications

なにか描いてと頼まれて、描けなかったことは何度ある? さあ、描いてみよう! スリーステップでアーティストに変身だ。描けば描くほど簡単になるよ。可能性は無限大だ。

Oscar Wilde著『El Príncipe Feliz y otros cuentos』の表紙

幸福な王子とその他の物語

El Príncipe Feliz y otros cuentos

オスカー‧ワイルド

Oscar Wilde

Editorial Juventud

美しい挿絵とともに、オスカー・ワイルドの最も有名な3つの短編『幸福な王子』、『ナイチンゲールとばら』、『わがままな巨人』を収めたアンソロジー。これらの短編には、著者を最も悩ませたテーマであるエゴイズム、不平等、苦痛と、それらを愛情や憐れみ、寛容さでいかに改められるかが描かれている。アルベルト・アセンシオの美しい挿絵が入った3つの感動的な短編は悲しく物憂げにみえるが、同時に魅力と詩情にあふれている。ワイルドの作品の中には現代に照らし合わせると必ずしも的を射ていないと思われるものもあるが、彼が生きた時代背景に鑑みると、著者の才能を証明するものといえる。だがその才能にもかかわらず、彼は一部で称賛され有名となっただけで、当時の社会全体の中では受け入れられなかった。

El príncipe Serafín著『Raquel Díez Real』の表紙

セラフィン王子

El príncipe Serafín

ラケル‧ディエス‧レアル

Raquel Díez Real

Onada Edicions

セラフィン王子はこれまで児童文学に登場してきたステレオタイプな性的役割を覆す存在だ。本書は、男女共学が進む現代において、性差別のない社会における忍耐、尊敬、自由、機会の平等の価値を説く。児童文学に出てくる従来の登場人物に対して読者が持っていた性別への先入観を打ち壊してくれるのだ。セラフィン王子はピンク色の部屋で寝起きし、真の愛を探し求め、結婚したいと願い、自分の運命はしきたりが決めるものだと思っている。王子は勇敢で強く、人助けに向かう典型的なヒーローからはほど遠く、繊細で、泣き虫で、誰かが助けてくれるのを待っている。が、気立てがよくて、美しく、心優しいお姫さまは王子を待っていない。本書の姫は、強く自立した女性として描かれている。

Elisenda Guiu Pont著『El raïm inquiet』の表紙

じっとしていないブA1

El raïm inquiet

エリセンダ‧ギウ=ポン

Elisenda Guiu Pont

Arola Editors, S.L.

ワインになりたくてたまらない、せっかちで元気いっぱいのひと房のブドウの物語。次々と姿を変えながら続くブドウの旅を通して、読者はブドウのしぼり汁やワインの作り方を学ぶことができる。めずらしいエピソードやブドウの収穫に関する用語、ワインにまつわることわざや成句、早口言葉も収録。

ヨーロッパの略奪 私たちの時代の歴史的解釈

El rapto de Europa. Una interpretación histórica de nuestro tiempo

ルイス‧ディエス‧デル‧コラール

Luis Díez del Corral

Ediciones Encuentro

本書は、ルイス・ディエス・デル・コラール=イ=ペドルッソの最高傑作を、ヨーロッパのルーツシリーズとして2018年に再編集されたものであり、20世紀に構想されたヨーロッパの歴史的解釈のなかで最も際立った作品のひとつである。また、ここ数十年間でヨーロッパで支配的になっている不確実性を予言したことでも知られている。その証拠にフランス語や英語、ドイツ語、イタリア語、日本語など複数の言語に翻訳されている。神ゼウスによって略奪されたシリアの乙女の神話的なイメージから始まり、著者は、その価値や文化の「普遍的」な広がりを通じてヨーロッパは世界を「略奪した」と言う一方で、その本質が多様な伝統や文化を学習や統合、発展させた結果であると考えると、ヨーロッパは「略奪され」ているともいえると言い、ヨーロッパの本質を見事に提示して見せている。

Montse Balada著『El ratoncito Pérez 』の表紙

ネ:Oの Vス

El ratoncito Pérez

モンツェ‧バラダ

Montse Balada

Carambuco Ediciones

ネズミのぺレスは、仕事をしているととっても幸せ。毎晩、子どもたちの歯を集めに出かける。ところがある日、ネズミのヒメネスが現れて、自分こそ新しい歯ネズミだと宣言した。さあたいへん! ペレスとヒメネス、どっちが新しい歯ネズミ? イージーリーダー(国際図書館連盟等の指針に従って読みやすくした書籍)方式で書かれた物語。スペイン語の手話と、手話の単語集がつき、ナレーションと手話(CNSE財団の協力で作成)の入った映像をダウンロードできるURLがある。イラストはフリルストラドール。

Margarita del Mazo著『El rebaño』の表紙

羊の群れ

El rebaño

マルガリータ・デル・マソ

Margarita del Mazo

NubeOcho

なかなか眠れないミゲルは毎晩、柵をとびこえる羊を数えます。まず羊の「1」がとび、次に「2」、「3」、こうしてミゲルが眠りにつくまで羊たちはとびつづけます。ところがある晩、羊の「4」はとぶのにつかれたといいだします。みんなが説得しようとしても、「いや! いや! 絶対いや!」と叫ぶのです。群れのほかの羊たちは、どうすればいいのでしょう?

Mireia Olive著『El regalo más bonito del mundo』の表紙

世界で一番美しい贈り物

El regalo más bonito del mundo

ミレイア・オリベ=オブラドールス

Mireia Olivé Obradors

MARINA Books

家族みんなを感動させる、優しさと無条件の愛についての普遍的な物語。小さなネズミは、お母さんに最高のプレゼントをしようと、森のなかを探し回ります。「どんなにお母さんが好きかを示すため、なにをおくればいいだろう?」松の実がいっぱいついた松ぼっくり? きれいな花? それともカラフルな鳥の羽? でも誕生日になると、なにひとつ思い通りにはいきません…小さなネズミは、どうやって愛する気持ちを証明するのでしょうか?

Sofía Rhei著『El Reino Secreto (Los hermanos Mozart)』の表紙

(モーツァルトきょうだいの)秘密の王国

El Reino Secreto (Los hermanos Mozart)

ソフィア‧レイ

Sofía Rhei

Ediciones Diquesi

13歳のナンネル・モーツァルトは、天才作曲家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトのお姉さんだ。ヴォルフリ(モーツァルト)はその年ごろのどの子もそうであるように、遊びといたずらが大好きで、大人の世界はよくわからない。パーティは好きだけど、宮廷やお屋敷に招待されるのは好きじゃない。そういうところでは、まるで珍しい生き物のように見られるから。姉さんは弟のことをいちばんよく知っていて、弟が責任と義務感で爆発しそうだと感じると、弟のために素晴らしい世界、リュッケンの魔法の王国を作り出す。そこならふたりとも、自分の居場所を見つけられる。ソフィア・レイがマリア・アンナ(ナンネル)・モーツァルトの日記をもとに、『魔笛』の素晴らしいファンタジーをおりまぜ、モーツァルト姉弟の本物の人生へと読者を誘う。現実がフィクションをいつ超えるかを決めるのは読者だ。

Emilio González Déniz著『El reloj de Clio』の表紙

クリオの時計

El reloj de Clío

エミリオ‧ゴンサレス‧デニス

Emilio González Déniz

Ediciones La Palma

偶然に見つかったフォルダの中に、タイプライターで書かれ、作家テセオ・イェドラの署名が入った200枚の原稿が入っていた。作家がエージェントに送ってから30年経っており、受領した証拠もなかったが、テセオ・イェドラの作品の専門家たちは、大きな文学賞を受賞したばかりの当時、大いに待ち望まれていた彼の新作であると確信した。今こうして原稿が出てきたということは、その作家が33歳の誕生日の前夜に本当に原稿を送ったという証拠である。

Emilio Lara著『El relojero de la Puerta del Sol』の表紙

プエルタ‧デル‧ソルの時計を創った男

El relojero de la Puerta del Sol

エミリオ‧ララ

Emilio Lara

Agencia Literaria Albardonedo

1866年のロンドン、ホセ・ロドリゲス=ロサダは何度となく、自分の過去から逃げるはめになる。子どもの時に親元を離れたあと、彼は政治的理由によりフェルナンド7世の絶対王政のスペインからイギリスに亡命する。そして、故郷よりずっと進歩したロンドンという大都会で、未来への希望がうっすらと見えかけてきたとき、時計職人としての不断の情熱とすぐれた腕前をかわれ、世界じゅうが知る時計、ビッグベンの修理という仕事を大急ぎですることになる。しかし、だれも自分の過去から逃れることはできない。ロンドンの霧のなか、ある人影が彼の命をねらっている。革新的構造の時計をつくりあげるという自分の夢のためにだけ生き、仕事にうちこむホセ。彼は身に迫る危険から逃れることができるのか? 歴史はできたと告げている。というのも、彼の夢はやがてプエルタ・デル・ソル(訳注:マドリードの中心街の地名)の時計として知られるところとなるからだ。

Francesc Puigpelat著『El retorn de Macbeth』の表紙

マクベスの帰還

El retorn de Macbeth

フランセスク‧プッチパラット

Francesc Puigpelat

Edicions Bromera S.L.U.

1097年4月12日。ドーノックの小さな城に、背が高い痩せた男が到着する。背中が少し曲がり、鼻が奇形の男。スコットランド王マクベスの息子、マクベスだ。彼がやってきた目的は、バンクォーの息子フリーアンスに会うためだ。罪と血の歴史がふたりを結んでいる。王の座を手に入れるための陰謀で、罪を犯したマクベス王は復讐によって首をはねられて死んだ。それから40年の時が流れる。60代になり、足元さえおぼつかないふたりの老人は今何をしようというのか? 短剣抜きの決闘。ルールはあいまいで、その原因は遠い昔に遡る。言葉と想い出と予言と復讐の決闘。しかし結局激しい決闘になる。その再会の瞬間から、最後の決戦を前に、事件、秘密、告白が夜を徹して続く。

Manuel Aparicio Villalba著『El retratista de los niños muertos (En los tiempos del porvenir)』の表紙

死んだ子どもの肖像写真家(やがて来る時代に)

El retratista de los niños muertos (En los tiempos del porvenir)

マヌエル‧アパリシオ‧ビリャルバ

Manuel Aparicio Villalba

Ediciones Alfar

1923年、プリモ・デ・リベラ政権は29年開催のイベロアメリカ博覧会を訪れる観光客の目から都市周辺の貧困地帯を隠すことを決定する。教会もないその地域で貧困のうちに子どもを亡くす母親たちにとっての唯一の慰めは、亡骸の写真を思い出として残すこと。そんな場末の地区にできた安宿は、数年のうちに県で一番大きくて安い、悪臭の漂う売春宿になった。ふたりの偉大な女性ダビニアとチェの物語は、1882年、クリスティナ・サラサル=エスポシトが13歳を迎えたときに始まった。サンティシマ・トリニダード孤児院の修道女たちは、クリスティナのために安宿の女中の仕事を探してきた。マジックリアリズムの神髄にのっとって書かれた本書によって、私たちは電気という妖精とともに幕を開けたばかりの近代の日々にどっぷりと浸る。

森の王様

El rey del bosque

マルガリータ・デル・マソ

Margarita del Mazo

Nórdica Libros

幼児向けの驚くべき絵本。どこにでもある、ありきたりの森の話だ。住民たちにはタイムスケジュールなどなく、気ままな生活をしている。だが、みんなのだらしない日常をきちんとすることにこだわるクマが現れて、すべてが変わることになる。うまくいくのか? 森はどうなるのだろう? そしてクマは?

Jacobo Rivero著『El ritmo de la cancha. Historias del mundo alrededor del baloncesto』の表紙

コートのリ4J。 バス-ットボールをめぐる世界の話

El ritmo de la cancha. Historias del mundo alrededor del baloncesto

ハコボ‧リベロ

Jacobo Rivero

Clave Intelectual SL

登場人物も、場所も、時代も様々な13の物語。 サム・バルターは1936年マンハッタン港で船に乗り、着いたのはナチスの非道行為の震源地だった。ファルーク1世はペルシャ王からサーベルを、チャーチルから時計を盗む。ビッグ・ドンによってサン・フランシスコ湾のカトリック教区のアフリカ系アメリカ人信者たちが踊りだす。アルゼンチンでマジシャン・マンドレイクがトリックを行っている間に、ある世代が時代から消えていく。ニューヨーク市が憔悴していた時代、ジム・キャロルはセントラル駅で同性愛者に体を売った。メコン川の岸で、キム・バンがウェブ・サーフィンしているのを、遠くから叔父が見ている。 13の物語は、バスケットボールを通して世界共通の場所を見つけようとする。著者は、それぞれの物語がジャズのように響くよう願う。

C. Gerardo Perla著『El sabor de lo heroico』の表紙

英雄的行為の味

El sabor de lo heroico

ヘラルド‧ペルラ

C. Gerardo Perla

Alcala Grupo Editorial y Distribuidor de Libros

1913年、エルサルバドル大統領マヌエル・エンリケ・アラウホは、野蛮な農民グループにマチェテ(山刀)で切り殺される。彼らは誰を殺しているのかさえよくわかっていなかった。首都中心の公園で起きたこの流血の事件の中で、アラウホ大統領を銃で負傷させる任務を負ったエルサルバドル軍の元将校も、農民グループと共に捕まった。農民たちは裁判を受けることもなく、大統領暗殺の10日後、軍により銃殺された。元将校は、独房で自分の拳銃で自殺をしているのを発見されたが、それに驚いた国民は少なかった。数週間が経ち、真の暗殺者についてのうわさが流れ始める。もしかするとエルサルバドルの富豪ファミリー(アラウホ自身も裕福なコーヒー農園主だが、コーヒー栽培税を増税し、他の農園主たちの大きな怒りをかっていた)、嫉妬した夫たちなどの共謀ではないか。

José Luis Muñoz著『El secreto del náufrago』の表紙

遭難者の秘密

El secreto del náufrago

ホセ‧ルイス=ムニョス

José Luis Muñoz

Ediciones del Serbal

インディアスへ旅立ち、新大陸を発見したときのコロンブスの確信に満ちた態度からは、数々の疑問がわいてくる。コロンブスは、なぜそこまで自信を持ってその航路を進めたのか? この点に関しては諸説あるが、どれも立証はされていない。コロンブスを取り巻くすべてのことは謎に包まれている。一説によれば、コロンブスは総督の娘フェリパ・モニス・デペレストレーリョと結婚してマデイラ島に滞在していたとき、マルコ・ポーロが陸路で辿ったよりも短い航路をなんとかしてたどれないかと思案していた。そこでちょうど目的地近くからやってきたひとりの遭難者を保護し、彼から聞きだしたことが成功を決定づけたという。著者は、こまやかな文体で過去へとさかのぼり、既に数多く書かれてきたコロンブスの航海について新しい小説をうみだした。

Daniel Nesquens著『El señor H』の表紙

ミスター‧ カバの一日

El señor H

ダニエル‧ネスケンス

Daniel Nesquens

Editorial Bambú

動物園につながれているのがいやになった1頭のカバが、故郷のアフリカに帰ることにする。何人かに助けてもらって動物園の外に出るが、なによりびっくりしたことに、自由になったカバを見ても、だれひとり――動物園の職員も、通りをいく通行人も、店員も、ピザやのウェイターも――おかしいと思わない。

Ricardo Alía著『El signo del dragón』の表紙

ドラゴンの宮(十二宮三部作)

El signo del dragón (La trilogía del Zodíaco)

リカルド‧アリア

Ricardo Alía

Ediciones Maeva

十二宮三部作:ある年、ひとつの宮、1件の犯罪。2012年1月、ドラゴンの年が始まった。中国の十二宮で唯一の神話上の動物であるドラゴンは、知恵と権力と富を象徴する。過激派組織「バスク祖国と自由」(ETA)が武力抗争の完全停止を発表して以来、のどかなサンセバスティアン市では重大な犯罪も起こらず、毎日は平穏に過ぎていた。しかし大学の化学部で男子学生の首切り死体が発見されると状況は一変する。捜査を担当するのはバスク州警察殺人捜査担当警部マックス・メディナ。警部の強い個性は、新人のエリカ・ロペスや科学捜査担当のジョシュア・オニールとぶつかる。災害や悲劇的な事件が起こりがちなドラゴンの年に、連続犯罪が発生する。

Albert Juvany著『El silenci del far』の表紙

灯台は語らず

El silenci del far

アルベルト‧フバニー

Albert Juvany

Cristina Mora Literary & Film Agency

アンナはアイスランドの小さな漁村フーサヴィークの図書館員。ある日、結びに「あなたを愛する父より」と記された手紙を受け取った時、それまで固く閉ざされ決して開かないと思っていた心の扉が開く。それは過去と向き合い、自分の本当の素性を明らかにすることを意味していた。両親はなぜアンナを捨てたのか? 彼女は本当は誰なのか? 昔のピアノ教師は何を助けてくれるのか? 明らかにするには、かつて両親が住んでいた廃屋に入るしかない。たとえ言い知れぬ恐怖があろうとも。丁度その頃フーサヴィークにギスリという若者がやってきた。レイキャビックの生物学者である彼は心の古傷を癒やそうと国内を巡る旅をしていたのだ。二人は必然的に出会い、過去の亡霊を蘇らせるという共通の目的に、手をとりあってのりだしていく。

Jesús Rodellar著『El silencio de Custodio』の表紙

守護者の沈黙

El Silencio de Custodio

ヘスス‧ロデリャル

Jesús Rodellar

Aragón Tiene Talento, S.L.

たったひとつの故郷は幼年時代であると、ドイツ語詩人リルケは言った。またリルケは、こうも言った。人生に初心者クラスはない、すぐに難題をつきつけられると。この物語の主人公、フェデは60年代にスペインの田舎で生まれた。そのころ恐怖から回復しつつあった農村部では、住民がこぞって国際的で近代的な大都市に出て、輝かしい未来を築こうとしていた。フェデは父の愛情をあまり感じたことがなかった。父との関係にはどこか怪しげで謎めいたものがあった。そして都会に出ても、だれもが感じる愛されたいという激しい欲求が満たされないことを外に見せなかったフェデは、喜びと出会い、享受する。予期せぬときに思いがけないことが起き、新しい地平が開けた。幸せな80年代、フェデは「真実の愛」を感じることができるのか。真実の愛とは? 私たちは忘れ、赦すことができるのか……?

Eva García Sáenz著『El silencio de la ciudad blanca』の表紙

白い街の沈黙

El silencio de la ciudad blanca

エバ‧ガルシア=サエンス‧デ‧ウルトゥリ

Eva García Sáenz de Urturi

Editorial Planeta, S.A.U.

タシオ・オルティス・デ・サラテは優秀な考古学者だが、20年前に平穏なビトリア市を震撼させた不可思議な殺人事件で有罪判決を受けた。彼が最初の仮出所で刑務所を出ようとした矢先、再び犯罪が起きる。20歳のカップルがビトリアの旧大聖堂で真っ裸で死んでおり、その喉には蜂に刺された跡があった。それから間もなく別の25才のカップルが有名な中世の建物コルドン館で殺された。犯罪プロファイルの専門家である若き警部ウナイ・ロペス・デ・アヤラ(通称クラケン)は、犯罪を未然に予見することに執念を燃やすが、まだ記憶に新しい個人的悲劇のせいで、これらをただの事件として片づけることができない。またクラケンの自己流のやり方が上司である警察副所長のアルバをいらだたせる。クラケンはアルバとはもともと曖昧な関係にあった……時も彼に味方しない。

Andrés Pérez Domínguez著『El silencio de tu nombre』の表紙

きみの名の静けさ

El silencio de tu nombre

アンドレス‧ペレス=ドミンゲス

Andrés Pérez Domínguez

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

ペレス=ドミンゲスが私たちに贈る忘れがたい物語。失望した英雄たち、謎めいた女たち、激しい追跡、そして登場人物を救い出す聖杯のように、いつも愛が現れる家の痕跡。グレアム・グリーン風の胸おどるスパイ小説の世界が、50年代のマドリードとセビーリャを舞台にごく自然に展開する。ひとりで愛する女の名を呼ぶ、そんなときに自分を偽ることのできる男などいない。1950年1月。ドイツ人秘密情報部員の未亡人エリカ・ワルターは、亡命中のナチスの高官に関連する重要書類を持ってマドリードに逃亡する。その愛人である元スペイン共産党員マルティン・ナバロは、パリを離れ、彼女を追う。だがスペインに戻れば、フランコ政府の警察に捕まって投獄されるか、彼を裏切り者と見なす共産党の同僚たちに殺されることはわかっていた。

Juan Enrique Soto著『El silencio entre las palabras』の表紙

言葉の間の沈黙

El silencio entre las palabras

フアン‧エンリケ‧ソト

Juan Enrique Soto

Baile del Sol Editorial

カルメロは、生まれ故郷のアンダルシアの村に初めて戻ってきた。30年前、彼がわずか3歳の時、母親がそこで起きた恐ろしい事件から彼を連れて逃げたのだ。ふたりはその事件の証人であり、その事件は、フランコ将軍の蜂起の時代、彼らの人生と地元住民全員に影響を与えた。カルメロが秘密の核心に迫っていく。真実が明るみに出るにつれ、小さなコミュニティーのみせかけのバランスが崩れる。孤立し乾いた生まれ故郷で、そこで生き延びるその冷酷な土地のようにかたくなな人々とともに、カルメロは人間が為せる偉業と卑劣な行為を発見しながら、自分自身へとつながる困難な道を歩んでいくことになる。

ベルジュラック症候群

El síndrome de Bergerac

パブロ‧グティエレス

Pablo Gutiérrez

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

私はありふれた少女だった。だれでもそうするように、学校へ行き、両親とケンカし、友人を無条件に愛し、ときどき、好きになってはいけない人を好きになった。紙面を割く価値のあるような現実離れした出来事や、英雄的な話は何もなかった。だからこの物語は、両親や友だちや、私が恋した人たちの話ではない。学校で退屈している女子高生の日常の話なんかじゃない。この物語の主人公はたったひとつ、鼻。有名で、並外れた鼻。ベルジュラックに生まれ、名をシラノという英雄の鼻だ。

Marta Martínez Novoa著『El síndrome de la chica buena』の表紙

グッドガール症候群

El síndrome de la chica buena

マルタ・マルティネス・ノボア

Marta Martínez Novoa

Grupo Planeta (sello Zenith)

もしあなたが常に自分のことよりも他人のことを優先していると感じるなら、もし他人の目を気にして決断を下すのが難しいなら、もし常に他人の期待に応えようと努力し、「ノー」という言葉があなたの語彙に存在しないなら、もし傷つけたくないからといって、何の益もない関係に居続けなければならないと感じているなら… あなたはきっと「良い女の子症候群」を患っているのでしょう。 「良い子」であること自体は何も悪いことではありません。しかし、その「良い子」であろうとすることが、境界線を引くこと、衝突に立ち向かうこと、自分の価値観を守ること、つまり、他人が望む自分ではなく、自分が望む自分であることの困難につながる場合、それは問題となり得ます。もう、与えるためだけに生きること、間違いを犯せないこと、他人がより多くのスペースを占めるために自分を小さくしなければならないこと、他の人がもっと輝くようにと自分の光を消さなければならないことにはうんざりです。 この実践ガイドでは、心理学者マルタ・マルティネス・ノボアが、あなたの過去を分析し、なぜ現在そのように感じているのかを理解し、あなたが自分を最優先する未来を築くための旅へとあなたを導きます。このページには、偽りの「良い子」の要求から解放され、自分を大切にし、安心感を感じ、自分のすることに自信を持つための鍵が見つかるでしょう。

Susana Peix著『El sol llega tarde』の表紙

ちこくしちゃった太陽

El sol llega tarde

スサナ‧ペイシュ

Susana Peix

Carambuco Ediciones / CEP I NANSA S.L.

ある日とつぜん眠りこんで、地球をまっくらにしてしまった太陽のお話。どうすればまた地球を明るく照らせる? なんとかしなくちゃと、太陽はいっしょうけんめいお空にのぼる。

El soldado de plomo著『Page Tsou』の表紙

鉛の兵隊

El soldado de plomo

ペイジ‧チュー

Page Tsou

Fundación Santa María - Ediciones SM

ハンス・クリスチャン・アンデルセンの物語の翻案。どんな困難に直面しても、何より愛を大切にした、兵隊の物語。

Berna González Harbour著『El sueño de la razón』の表紙

理性の夢

El sueño de la razón

ベルナ‧ゴンサレス‧アルボウル

Berna González Harbour

Dos Passos Agencia Literaria

死は芸術の一形式になりうるのか? ルイス警視は一時的に隊を離れている。今日は首都の祭りで、誰もがマンサナレス川のほとりで楽しんでいるようだ。しかし、決まったパターンに沿って動物の死骸が何体か発見されたのが、異常事態の最初の兆候だった。ほどなくして、別の死の痕跡が見つかる。美術の奨学生である若い女性が、川のダムのひとつで、まるで儀式のような姿で殺害されているのが見つかったのだ。悲劇はこれだけにとどまらないと思われた。警察はいくつかの仮説を立てて捜査するが、やがて事態は錯綜し、難解な筋書きを描きはじめて、一連の流れに飲み込まれたルイス警視はゴヤの遺産へと導かれていく。死を芸術に近づけることは可能なのか? 狂気は創作たりうるのか? チームも制服も銃もないマリア・ルイスは、高い知能を持ち妄想に取りつかれた犯人に立ち向かっていく。

Ricardo Gómez著『El sueño de Lu Shzu』の表紙

ル‧シュの夢

El sueño de Lu Shzu

リカルド‧ゴメス

Ricardo Gómez

Editorial Luis Vives (Edelvives)

ル・シュは工場の組立部門で働いている女の子。穏やかにくらしていたが、あるとき、自分の働いているのがおもちゃ工場だと知り、自分の人形を持ちたいと思いはじめる。少しずつパーツを集めはじめたが、見つかって首になってしまう。けれど、おばあちゃんが人形をプレゼントしてくれる。

Teresa L. Velayos著『El sueño que soñaba ser soñado』の表紙

夢見られる夢を見た夢

El sueño que soñaba ser soñado

テレサ‧L‧ヴェラヨス

Teresa L. Velayos

Editorial Kolima

小さな夢は不安だった。なにをすればいいかわからず、暗い悪夢の影に隠れていた。つまるところ、誇り高き大いなる夢になろうという気はなかったし、ましてや黄金の夢になるなど考えもしなかった。黄金の夢とは、人間の最大の願いになると与えられる特別な地位だ。小さな夢はあまりに小さくて、ほんのちっぽけな望みにもなれなかったけど、たとえどんなに小さくて取るに足りなくても、だれかの願望になろうとしなければならなかった。「わたしたちのもっとも暗くて美しい夢に関する素晴らしい物語」

Rosa Lentini著『El sur hacia mi』の表紙

私への南

El sur hacia mi

ロサ‧レンティーニ

Rosa Lentini

Ediciones Igitur S.L.

大きな破壊力のシンボル、津波をメタファーとして用いながら、彼女の複雑で洗練された詩のパレット独特のテーマを、作者は歌いあげる。すなわち、喪失感、記憶、時のうつろい、困惑を乗り越える必要性、「荒廃後の風景」を認識する恐怖。本書のプロローグでジュアン・ペルチョが言うように、「鏡の後ろに何があるのか、詩人だけが知っている。その深奥にあるのは、この世の神秘と起源、この世のあくなき例外性だ」。

Gusti著『El temido enemigo』の表紙

おそる き敵

El temido enemigo

グスティ

Gusti

Editorial Océano, S.L.

むかしあるところに、国で一番力のある男になりたがっている王がいた。しかし、王の力は、未来がわかると言う魔術師にはかなわない。そこで王はある日、魔術師に未来が分からないことを証明してやろうと、あるたくらみを企てる。魔術師に本人の死ぬ日をたずね、まさにその瞬間に剣を抜いて、魔術師に死をもたらすのだ……。 ところが、王が想像だにしなかったことには、魔術師の答えを聞いた王は、自分の命よりも魔術師を大切にせざるを得なくなる。 ブカイが今一度グスティとのコラボレーションで、子どもと、そして親たちにも考えさせる作品を創りだした。

貧者の寺院

El temple dels pobres

アルフレド‧ボスク

Alfred Bosch

Columna Edicions, S.A.U.

「僕たちは自分の人生を額に刻印されているのか? 生まれたときから? 僕の場合、知るのは簡単だ。サグラダ・ファミリアに行こう。見つけたんだ(…)。どこに行くかって? 生誕のファサードさ。左上にエジプト逃避の彫刻がある。聖母マリアが抱いている赤ん坊が見えるだろう。あれが僕だ」父を知らない少年ボルデガスは、自分とサグラダ・ファミリアとの関係をそのように語る。子どもの頃、ライバルグループとの抗争はすべて石の投げ合いで解決した。数十年たって教会は頂点に達し、彼らは大人になった。そして、仲間同士の争いは、内戦での銃撃戦にとってかわられた。

ルシオの宝

El tesoro de Lucio

ミケル‧サントス

Mikel Santos

Editorial Txalaparta

理論家というより、ルシオ・ウルトゥビアは、断然、行動する男。彼の人生は、戦いに次ぐ戦いだった。多くの人の考えに反し、それが彼の遺産であり、ルシオの宝だ。ナバラ出身のアナキスト、ルシオ・ウルトゥビアとの尽きることのない会話やインタビューに基づいて、作者のベラッツは、ルシオの人生に影響を与えた行動、場所、人物、出来事、雰囲気を鮮明かつ綿密に再現する。自身もナバラ州のパンプロナ出身のイラストレーター、ベラッツが、ルシオの公式伝記作家として、最も有名な出来事や、あまり知られていない冒険を語る。カスカンテで送った幼少期、最初の銀行強盗、警察からの逃亡、家族や個人的な問題、有名なシティバンクとの交渉、国境を越える方法など、全て、あるいはほぼ全てが、このアクション満載の本に投影されている。

Berta Carmona Fernández著『El tesoro pirata de Topamí』の表紙

トパミの海賊の宝物

El tesoro pirata de Topamí

ベルタ‧カルモナ=フェルナンデス

Berta Carmona Fernández

Educación para el Optimismo, S.L.

ふたりの海賊トパミとベントゥーラは、いつもいっしょの仲良しだ。ところがある日、ベントゥーラは別のことをしにいってしまい、さそわれなかったトパミはカンカンに怒って悲しくなる。その時から、船ではたいへんな事件が始まる。大きな宝箱が現れ、トパミは中にあった宝物のおかげで、ほんとうの友情とは何かを知る。 幼い子どもたちが、ポジティブな方法で人間関係に向き合うことを助ける、楽しく深みのある物語。共感と尊重の大切さ、友情と自由の価値を学べる作品。

3人の時代

El tiempo de los tres

フィデル‧デ‧トバール

Fidel de Tovar

Norma Editorial, S.A.

サグラダ・ファミリア(聖家族)教会が崩壊し、教会と共に、エルダの中で何かが壊れる。エルダは辛い過去との折り合いをつけるために、神戸からバルセロナに戻るため飛行機に乗る。バルセロナの街角で、当時のルームメートだったジュレスやヒロシとともに過ごした90年代の生活を思い出す。果たして彼女の決断は正しかったのかとの疑問が、今になって彼女をさいなむ。その過去から30年以上逃げてきたが、彼女の青春の何かが残っているだろうか?

María Dueñas著『El tiempo entre costuras』の表紙

縫い目のあいだの時間

El tiempo entre costuras

マリア‧ドゥエニャス

María Dueñas

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

縫い子だったシラ・キロガはスペイン市民戦争を逃れて恋人ラミロと一緒にモロッコへ逃げる。浮草のような生活の中でラミロは金を使い果たし、シラを捨てる。この時点からシラの人生は紆余曲折をたどる。警察に目をつけられないようテトゥアンで再び縫い子となり、顧客の有力者の夫人方をうまくいなしつつ英国政府のスパイとして二重生活を送る。そんなある日、別人になりすましてマドリードへ戻り、顧客のドイツ人たちの情報収集をせよとの命令を受ける。そして果敢に任務に挑んだ末、リスボンまで至ったシラは、きわめて重大な最後の発見をする。

ガブリエル=イ=ガランのゴリオおじさんとプリアおじさん

El tío Gorio y la tía Pulía de Gabriel y Galán

フアン‧ルイス‧イグレシアス

Juan Luis Iglesias

Editorial Drakul

1901年に発表された『El tío Gorio(ゴリオおじさん)』は、詩人のホセ・マリア・ガブリエル=イ=ガランの手による数少ない物語の一作。フアン・ルイス・イグレシアス(原作)とホセ・クルス・デ・クルス(作画)は、このガランの代表作を独自のアプローチにより風俗画タッチの漫画に仕上げた。本作では、ガブリエル=イ=ガラン自身が物語の語り手そして主人公として登場し、彼が創作した登場人物、ゴリオおじさんとプリアおばさんという愛と打算で結ばれた夫婦と交流する。またイ・ガランは、エミリア・パルド・バサン、ベニート・ペレス・ガルドスという他のふたりの文学者と寄り集い文学芸術について考察し内輪話を回想していく。その会話を通じイ=ガランが批判と情愛のはざまで同胞たちをどのように見ていたのかが本作では描かれている。2020年に生誕150年を迎えたスペイン語とエストレマドゥーラ語の魂の詩人、ホセ・マリア・ガブリエル=イ=ガランへのオマージュ。

は かしが$"のトマト

El tomàquet vergonyós

シャビエル‧メンディギレン

Xabier Mendiguren

Editorial Baula

楽しませ、笑わせ、でも考えさせるためのFrutas y verduras(果物と野菜)シリーズの1冊。トマトはとてもはずかしがりやで、学校に行っても、ほかのクラスメートのように授業中に大きな声で話したがらない。すごくはずかしいのだ。ところがある日、はずかしさをのりこえて、みんなとお話しできるようになる。

Guia Risari著『El tranvía número flor』の表紙

花の路面電車

El tranvía número flor

グイア・リザーリ

Guia Risari

Kalandraka Editora

友情の力と想像力が、非日常への扉を開くことを見せてくれる旅の物語。ファンタジーと驚きに心を開く者にとっては、「すべてが可能」。すばらしい場所に停車するこの路面電車で、風変わりな乗客たちとともに信じられないような旅をすれば、どんより曇った気持ちが晴れていく。あふれんばかりの創造性を持つラウラは、生まれた国を恋しがるオマールをめったとない体験へと誘い、それによってふたりの友情が深まる。文章と絵がともに高め合って、現実との境界をわからなくさせるような、遊び心ある絵本が生まれた。

Teo Palacios著『El trono de barro』の表紙

泥の玉座

El trono de barro

テオ‧パラシオ

Teo Palacios

EDHASA - Editora y Distribuidora Hispano Americana

遺産が無いことに絶望した若き貴族フランシスコ・デサンドバルは、出世する方法を見つける。恋人のフアナを棄て、カタリナ・デラセルダと政略結婚するのだ。お陰でフランシスコはすばやく社会的地位を昇りつめ、国王フェリペ3世の右腕と目される寵臣となる。しかしこの昇進ぶりは論議を呼び、多くの政敵ができる。王妃オーストリアのマルガリータとも対立し、昔の恋人フアナも彼の失脚を狙う。レルマ公爵として世に名を馳せたフランシスコ・デサンドバルは、ハプスブルク王朝時代のスペインで最も有名な人物のひとりである。彼は、冒険者のような大胆さと軽蔑とでスペイン帝国を治めたが、宮廷の陰謀でマドリード市街には憎悪や死がばらまかれた。

Beatriz Martín Vidal著『El truco más asombroso del mundo』の表紙

世界一の驚きマジック

El truco más asombroso del mundo

ベアトリス‧マルティン‧ビダル

Beatriz Martín Vidal

Thule Ediciones

女の子が読者の前でマジックを披露する。マジック自体に目新しさはない。誰だってマジシャンがシルクハットからウサギを取りだすのは見たことがあるだろう。が、ここに驚きがある。そのマジックをどうやったかの説明だ。それは私たちが慣れ切っている現実のルールを壊す。2017年グラン・カナリア島絵本文庫国際コンクールで特別賞を受賞。

Xavier Navaza Blanco著『El último amante de Marilyn』の表紙

マリリンの最後の恋人

El último amante de Marilyn

シャビエル‧ナバサ=ブランコ

Xavier Navaza Blanco

Alvarellos Editora S.L.

マリリン・モンローの人生最後の数か月と、ガリシア生まれの映画人ホセ・ボラーニョスとの関係を再現したノンフィクション。著者が70年代に「インテルビウ誌」や「ラ・カリェ誌」に掲載した衝撃的なルポルタージュを彷彿とさせる本書は、力強い報道記事が持ち合わせている全要素と、大河小説の魅力を併せ持つ。内容はモンローだけに留まらない。マリリン神話が見え隠れするなか、さまざまな物語が絡みあう。登場するのは、ルイス・ブニュエル、リチャード・ニクソン、アル・カポネ、ジャン・レオン、そしてかのチェ・ゲバラ……。一方で無名の人々(ガリシアやスペインからの移民、亡命者)、すなわちアメリカンドリームに魅了された人々も描かれる。

Andrés Barba著『El último día de la vida anterior』の表紙

前世の最後の日

El último día de la vida anterior

アンドレス‧バルバ

Andrés Barba

Casanovas & Lynch Literary Agency

不動産会社で熱心に働く女性が空き家になっている物件の内覧準備をしていると、まばたきをしない7歳の少年と出会う。ガラス瓶の中の虫のように昔からこの場所に捕らわれている少年は、女性に何かを期待しているがそれを言葉にすることさえできず、ふたりの間に不気味で完全なる相互依存関係を作り上げてしまう。この「幽霊の出てこない幽霊小説」で、見事な腕前によって人間の親密さを分析してみせたバルバ。幽霊小説のスタイルに寄せつつ、自身の写実主義的な文体にさらに磨きをかけている。時間の重なりと交差に満ちたこの小説は、そのテクニックの正確さから、ヘンリー・ジェイムズやアドルフォ・ビオイ=カサーレスが書いた幻想小説の名作と通じるところがあるが、リンドクヴィストやシャーリイ・ジャクスンの美学と同様、叙情性、繊細さ、残酷さに富んだ現代的な作品と言える。

最後の探検家

El último explorador

クリスティナ‧プッチ

Cristina Puig

Editorial Palabras de Agua

1892年、英国。名高い収集家で冒険家のクリスチャン・モンゴメリーは慌てた様子で、孫のウィリアム・ジャクソンにしばらくの間事業を見ていてほしいと頼んだ。経営する骨とう品店で売る品を求めて、カラカスに行かなければならなくなったのだという。だが、時が過ぎても彼は戻らず、謎めいた手紙が届いて、心配したウィリアムは助けを求めることに決めた。手紙のなかで、祖父は固く守り続けてきた秘密を打ち明け、最も価値ある財産、機械仕掛けの動物創造にまつわる秘密が隠された本をカラカスまで持ってきてほしいとウィリアムに頼んでいた。その瞬間からウィリアムは本を守り、祖父の居場所を突き止めるため、次から次へと冒険に巻き込まれて数多くの危険と対峙することになる。というのも、不本意ながら、だれかにあとをつけられていたからだ。本はどうなるのか? ウィリアムは祖父を見つけられるだろうか?

Gregorio León著『El último secreto de Frida K.』の表紙

フリーダ‧K.の最後の秘密

El último secreto de Frida K.

グレゴリオ‧レオン

Gregorio León

Algaida Editores

メキシコを舞台にした、暴力的だが皮肉のきいた小説。いくつかのストーリーからなり、ひとつは、フリーダ・カーロの絵を探してメキシコに行く私立探偵のダニエラ。一方、マフィアについての記事を書くジャーナリストのフレディは、ひどく殴られて家で倒れている。彼もまた完璧なフリーダ研究者だ。警察は絵画泥棒を探すだけでなく、ダンサー殺人事件についても調べている。「神の御業のために」と入れ墨をされたダンサーの遺体が夜になると現れ、不思議なことに、その翌日、サンタ・ムエルテ(死神)の祭壇が壊されているのが見つかるのだ。世に知られていないフリーダの絵が、トロツキーとの愛の物語を語りだすときに、3つの物語がひとつになる。

Felipe Galán著『El último secreto de Verne』の表紙

ヴェルヌの最後の秘密

El último secreto de Verne

フェリペ‧ガラン

Felipe Galán

Ediciones Cydonia

実際の出来事と、ジュール・ヴェルヌがいくつかの自作に隠したメッセージを土台にしたこの小説は、『驚異の旅』の著者ヴェルヌが巧妙に守ってきた秘密を探る。 3つの物語が収束する驚くべき結末で、ヴェルヌの本当の顔が明らかになる。1886年1月、ジュール・ヴェルヌは、彼の人生で一番の秘密のエピソードを掘り起こす不思議な手紙を受け取る。彼自身の家族さえも知らなかった出来事だ。1972年3月、アミアンのラ・マドレーヌ墓地の墓堀人ジャン・モネは、彼の前の墓堀人ニコラス・ベルジェが書いた不思議なメモを発見する。2013年4月、ピカルディ・ジュール・ヴェルヌ大学の学生モニク・ロワイヤルは、学年末の論文として、1898年にヴェルヌの個人的な書類が破棄された謎を調査するつもりだと教授に伝える。

Mercedes Núñez Targa著『El valor de la memoria. De la cárcel de Ventas al campo de Ravënsbruck』の表紙

記憶の価値 ベンタス監獄からラーベンスブリュック強制収容所まで

El valor de la memoria. De la cárcel de Ventas al campo de Ravënsbruck

メルセデス‧ヌニェス‧タルガ

Mercedes Núñez Targa

Editorial Renacimiento

20世紀の信念の女メルセデス・ヌニェス=タルガ(1911年バルセロナ生まれ、1986年ビゴにて死去)は、フランコの刑務所からナチスのホロコーストの収容所まで、信じられないほどの惨苦の経験を、その才能を駆使して真摯に語っている。自叙伝を社会学的分析で補完した一人称の物語だ。非常に女性らしい細部の描写が、証言をとくに興味深いものにしている。1931年4月14日、メルセデスはスペイン第二共和政の宣言を熱烈に支持した。1934年には、バルセロナ駐在のチリ領事パブロ・ネルーダの秘書として働く。1936年7月18日、反乱軍による軍事クーデターが勃発。メルセデスは、共和国の価値観を守るという信念のために自由を奪われることになる。

魔女のaルB

El vals de la bruja

ベレン‧マルティネス

Belén Martínez

Ediciones Urano, SAU

コブナント学院ではその夜も、いつも通りに時が過ぎるはずだった。ふたりの若い魔女、エリザ・キットラーとケイト・サンジェルマンがリトル・ヒル墓地の死者たちを一斉に目覚めさせようと決めるまでは。それはほんのいたずらのつもりだったが、ふたりは放校になってしまう。今やエリザに残された道は社交界にデビューして申し分のない夫を見つけることだけだった。だけど派手なドレスとありあまるお金、光るものすべてが金に見えるようなダンスホールの日々が始まるのと時を同じくして、ロンドンの闇社会では暗い兆しが膨らみはじめていた。エリザの両親が殺されてから27年後、魔女たちに再び死が襲い掛かる。それも犠牲者は、その前の死者よりもっと不気味な姿で見つかるのだった。魔法使い殺しの裏にいるのは、いったい誰なのか?

Enric Lluch著『El vampir Ladislau』の表紙

吸血鬼ラディスラウ

El vampir Ladislau

エンリック‧リュック

Enric Lluch

Edicions Bromera S.L.U.

吸血鬼のラディスラウは問題を抱えている。牙が鋭くないのだ。鋭い牙がなければ人間を怖がらせることもできなければ、おいしい首に噛みつくこともできない。実は、吸血鬼の人生だって、なかなか厳しいのだ!

鳥を売る男

El vendedor de pájaros

ロベール‧ブラジヤック

Robert Brasillach

Ediciones Alfar

鳥を売る男はこのロベール・ブラジヤックの小説の重要人物のひとり。30年代の典型的なパリジャンが登場する小さな世界のすべてが彼を中心に巡る。登場するのは3人のソルボンヌの大学生で、その中には若く美しいイザベルがいる。そして小売商マリー・レペティトコルプス。過去の出来事のせいで孤独な人生を送っていたが、道に迷ったふたりの少年、セルジュとミッシェルが現れ、もうひとりの重要人物、カブリティーリョのせいで人生が変わり、満たされるようになる。『El vendedor de pájaros(鳥を売る男)』はロベール・ブラジヤックの3冊目の小説。少年は帽子を脱いで足を均一に揺り動かしていた。鳥かごは老人との間に置かれていた。少年は中を見ようと眼差しを時々落としながら、老人の言い分に少し反論するようなはっきりした声で、的確な質問をしていた。(※本書はフランス語からの翻訳作品で、『パリの小鳥売り』のタイトルで2011年3月に高井道夫氏の翻訳で春風社より出版されている)

空中ブランコ乗りのめまい

El vértigo del trapecista

フアン‧ラモン‧アスアル=ロメロ

Juan Ramón Azuar Romero

Drácena Ediciones

マテオ・サレルノはサーカス芸人一族の最後のひとり。サーカスの舞台、そして父親から離れることを決意したあと、代々続いてきたサーカス一家の裏に隠された物語を本にまとめて借金を清算しようとする。自分自身の思い出、芸人たちへのインタビュー、そして長年かけて集めてきたあらゆる資料(手紙、パンフレット、映像、記念品、スピーチ、写真…)から、一座の生活の様々な瞬間、テントの中と外で絡み合う様々な物語がひとつのモザイク模様のように浮かび上がり、この群像小説の真の主役、老舗サーカス団サレルノの衰退と崩壊が様々な声で語られる。マテオは公演のために読者に最前列の席を用意してくれた。テンポのよい自然な散文にひたっているうちに、このサーカス一族の非常に人間らしい面に引き込まれていく。ショーを楽しんでもらいたい。

Arianna Squilloni著『El viaje del calígrafo』の表紙

書道家の旅

El viaje del calígrafo

アリアンナ‧スキロリ

Arianna Squilloni

Editorial Juventud

書道家は、あの谷や森の向こうには別の谷や森があることに思いいたり、人々にまた別の人々の話を語ることを夢見ていた。そしてある日、書き物机の前に座る代わりに、わずかな荷物を包んで深い森の中へと入っていった。書道家の旅はこんなふうに始まり、人々は自分たち以外の世界に気づく。詩情あふれる絵本には、旅の経験だけでなく、冒険したい、新しいことを発見したいという強い思い、自分自身の変化、他人を受け入れたり、受け入れられたりする能力など、旅へと私たちを駆り立てる気持ちも描かれる。そして日々、世界中で行われている旅の話だけでなく、言葉や画、想像力が私たちを誘うところについての話も語られる。

Roberto Aliaga著『El viejo y la margarita』の表紙

おじいさんとヒナギク

El viejo y la margarita

ロベルト・アリアガ

Roberto Aliaga

Narval editores

ヒナギクがアブラムシだらけ! かわいいヒナギクの悲劇をなんとかしてあげようと、おじいさんは難問の迷路に飛び込み、やがて予想もしなかった幸せな結末を迎える。ロベルト・アリアガ作の楽しい物語に、グリディがやさしさとユーモアたっぷりのイラストを添えている。

César Vidal著『El viento de los dioses』の表紙

神々の風

El viento de los dioses

セサル‧ビダル

César Vidal

Grupo Ramírez Cogollor, S.L.

1273年、最後の偉大なハーンにして中国元朝最初の皇帝である恐るべきジンギス・カンの孫、フビライ・ハーンは日本列島を侵略することに決める。自らの指揮のもと世界を統一するのが彼の夢だ。フビライ・ハーンの軍隊にファンがいた。博識な中国人で、ハーンの軍隊が帯同する軍用機器と包囲の専門家であり、新しい征服地の管理を担当することになっている。一方、日本を防衛する者の中にニョゲンがいた。仕える大名に忠実な勇敢なサムライで、武士道の神聖な規範で生活を律している。距離は近いが根本的に異なる2つの世界を代表するファンとニョゲンは、それぞれの主君を守るために対峙することとなる。中世の日本、日本人とその慣習を描く壮大な物語。芸者、侍、戦士、賢人や天皇が住む世界で冒険が始まる。

Montse Ciurans著『El violín y el viaje mágico de Martín』の表紙

バイオリンとマルティンの魔法の旅

El violín y el viaje mágico de Martín

モンツェ‧シウランス

Montse Ciurans

A Sense of Music,S.L. Bellaterra Música Ed.

マルティンは世界をめぐるすばらしい旅をして、友だちや音楽と出会い、バイオリンと音楽への愛情をわかち合う。

Javier Fonseca García著『El visitante del otro lado』の表紙

向こう側からの訪問者

El visitante del otro lado

ハビエル‧フォンセカ=ガルシア-ドナス

Javier Fonseca Garcia-Donas

Ediciones Diquesi

個性の異なる3人の若者が登場するファンタジー。彼らは物語の中で、読者が自分を重ねやすそうな日常の状況(いじめ、恋愛、家族関係など)と向き合い、自分の感情と戦うことを覚えていく。彼らはふたつの世界の分岐点でトラブルに巻きこまれていくが、それはあらかじめ直面することが運命づけられていたことのようだった。読者対象は12歳以上。若者のうちのひとり、パブロの1人称の、その年頃の若者らしい語りは親近感があり、読者は主人公たちの願望、不安、惧れに共感し、たやすく感情移入していけるだろう。

Almudena Villegas Becerril著『Elaboración y exposición de comidas en el bar y cafetería』の表紙

バーとカフェの料理とそのディスプレイ

Elaboración y exposición de comidas en el bar y cafetería

アルムデナ‧ビリェガス=ベセリル

Almudena Villegas Becerril

Ideaspropias Editorial

本書は、バー及びカフェ店舗で、シンプルなメニューをどのように作り、新鮮で美味しそうにディスプレイするかを解説。よく使われる基本的な食材の定義と分類、冷凍・保存食品や缶詰などパック食材の適切な再生法、業務用設備や器具、道具の正しい使い方、メニューの工夫、客をあっと驚かせる魅力的かつ斬新で創造的な新しい料理を作ることの大切さについて、詳細に述べている。

Sébastien Pérez著『Elisa en el corazón del Laberinto』の表紙

迷路の中心のエリサ

Elisa en el corazón del Laberinto

セバスチャン‧ペレーズ

Sébastien Perez

Edelvives

エリサは15歳。自分の結婚式の朝、式で弾かなければならないヴァイオリンの一小節を練習しようと努力している。 でもふたつの悲しみが彼女の胸を苦しめる。結婚しなければならない相手は見ず知らずの男だということ、そして彼女に音楽を教えてくれた先生であり、たったひとりの同志だった祖母が亡くなったばかりだということ。 慰めを求めて、エリサは祖母の部屋に行く。そこには祖母の大きな肖像画がかかっている。 そこで一度も開く勇気がなかった宝石箱を見つける。 蓋を開けると、エリサは流れるメロディで魔法にかかって迷路に連れていかれ、そこから逃げられなくなった。

彼女は くをわかってくれる

Ella sí que m'entén

リカルド‧アルカンタラ

Ricardo Alcántara

Editorial Baula

リカルド・アルカンタラが贈る、日常生活の中で自分の真価が認められていないことがあると感じる子どものお話。たとえばシュートを失敗してやじられたとき、授業中に話して先生に叱られたりするとき……。でも泳ぎに行くときや、学校にいるときには、いい友だちに囲まれているんだ……。ノエミ・ビリャムサがイラストをつけた、感情についての優しい物語。

彼ら あそこにいた

Ellos también estuvieron allí

ホセ‧アントニオ‧マジョ=ダボ

Jose Antonio Mayo Davo

Maldragon Editorial, S.L.

第二次世界大戦を実際に経験した100人の語りを通して、戦争の全体像をまとめた一冊。大衆には知られていない人がほとんどだが、証拠で裏付けられた、いずも実際の話を読むことで、読者は人類が起こしたこの大きな争いについて知り、理解することができるだろう。

エルマと鼻のないモンスターたち

Elma y los monstruos sin nariz

エンカルニ‧コラル‧プリド

Encarni Corral Pulido

Grupo de Comunicación Loyola, S.L.U.

エンカルニ・コラルが文を書き、キエル・ラモスが絵を描いたこのかわいらしい物語は、私たちを魔法で満たし、そして自分の感情を知るお手伝いをしてくれるだけでなく、友情の価値はあらゆるものに勝ると教えてくれる。困難が大きなチャンスに変わることもあるということを示す友情の物語だ。エルマは羽を失った妖精。鼻を変えられる愛情深いモンスターたちが、エルマの羽探しを手伝う。色のついた鼻で、モンスターたちはエルマに自分の感情を知り、コントロールすることを教える。感情は子どもの発達に非常に大切なものだから、ごく小さいうちから自分の感情を認識し、制御するのに役立つような環境を大人が子どもたちに与えなければならない。

Victoria Camps著『Elogio de la duda』の表紙

懐疑礼賛

Elogio de la duda

ビクトリア‧カンプス

Victoria Camps

Arpa y Alfil Editores

「哲学は常に懐疑主義の実践である」と言ったのはバートランド・ラッセルである。疑うことを学ぶということは、与えられたものから距離を置き、常識と先入観を疑い、明白なものに疑問を呈することである。ひたすら否定するためではなく、調査し、分析し、論証した上で決定するために。本書は思想史における懐疑の変遷をたどり(プラトン、アリストテレス、デカルト、スピノザ、ヒューム、モンターニュ、ニーチェ、ヴィトゲンシュタイン、ラッセル、ロールズ、その他様々な懐疑主義者が登場)、30年にわたり大学で教鞭を取った著者の専門性を排除することなく、幅広い読者層にわかりやすく語りかける内容となっている。

Eulàlia Canal Iglesias著『Els fantasmes no toquen a la porta』の表紙

幽霊はドアをノックしない

Els fantasmes no toquen a la porta

エウラリア・カナル

Eulàlia Canal Iglesias

Edicions Bromera S.L.U.

クマとマーモットは大のなかよし、いつもいっしょに遊んでいる。宝ものを探したり、スターのように歌ったり踊ったりしてごきげんだ。ところがある午後、アヒルを遊びに誘ったと、クマがマーモットに言う。えーっ、それはないよ! だって、マーモットはアヒルが好きじゃない。クマと自分だけの友情をこわすような者は、アヒルだってだれだってお断りだ。そこで、マーモットはアヒルを遊びにこさせないようにしようと決心する。それには何をすればいい? マーモットのひとりよがりの考えからどんな騒動が巻き起こるのか。結局のところ、友だちがたくさんいるのは悪くないし、思ったよりずうっと楽しいことかもしれないよ。

ガルシアたちと壁

Els García i el Mur

ジャウメ‧コポンス

Jaume Copons

Edicions Bromera S.L.U.

ドゥナ・ガルシアとルカス・ガルシアは同じ名字だが、兄妹でもなければいとこ同士でもない。お隣さんで友だちだが、ずっとそうだったわけでもない。知り合ったころ、ルカスはドゥナの友だちになんてなりたくなかった。なにせドゥナに会わなくてすむように、箱で庭に壁までつくったんだから! だけどほんのちょっとの我慢とユーモアがあれば、友情が芽生えることもあるんだ。そうなったら……すごい発見だよ! 評判のクリエイターふたり、ジャウマ・クポンスとオスカル・ジュルベによるこの絵本で、友情の価値を学ぼう。物語を読むうち、人と人との関係には時間と敬意が必要で、本当の友情が芽生えるのに、違いが妨げになることはないと気づかされる。《ルカスとあたしはよく遊ぶの。それにあたしたちはすごく仲のいい友だち。だけどいつもそうだったわけじゃない》友情とは、珍しい野生動物のよう。飼いならすことはできないが、ちゃんと気をつけてはぐくめば、強くて固い絆になるよ

Salvador Macip著『Els límits de la vida』の表紙

命の限界

Els límits de la vida

サルバドール‧マシップ

Salvador Macip

Fishing Talent SL (Asterisc Agents)

ララはまだ15歳にもならないけど、なんでもわかっている。生と死の間で戦っているからだ。病気を発症し、集中治療室に入れられ、その夜が峠になるかもしれなかった。だが治療室には、はじめて見る女医のカルメンがいて、心躍る物語、命の物語を語りはじめた。本書は、生の概念を説明する、心を打つクロスオーバー小説。1990年代、わたしたちは『ソフィーの世界』で哲学を理解した。今、21世紀のただなか、3人の偉大な科学者の手ほどきで「我々は何者か」「ここで何をしているのか」を理解することになる。

青ひげのうわさ

Els rumors sobre en Barbablava

ビビム‧ダル‧クエントゥ

Vivim del cuentu

Editorial Baula

『Cuentos Desexplicados(語られなかった物語)』は数多くの登場人物と名作物語を、靴下みたいに取り換えたシリーズ。驚きとユーモアに満ちたストーリーは、小さな読者たちの想像力を飛躍させ、発達させる。

Cristina Zafra著『Els veïns del c/ Quisap』の表紙

キサップ通りの隣人たち

Els veïns del c/ Quisap

クリスティーナ‧ザフラ

Cristina Zafra

Comanegra Editorial

パゲイラス氏は背中をかくことができない。なぜなら手の代わりに傘しかないから! でも運がよかった。だって、1-1に住んでるソルミナ夫人にはたっくさんの手があるから。でも、つめはどうやって切るんだろう? それは2-1に住むロセッティ姉妹に頼めばいいんだ。ふたりには足はないけど、ハサミは持ってる。キサップ(「さあ、どうだろう」)通りの建物には一風変わった登場人物たちが爆笑のエピソードとともに突然に現れる。みんないろいろな問題をかかえてはいるが、いつも手を差し伸べてくれる隣人がいる。それぞれの問題がユニークな解決をむかえる頃には、暖かい気持ちや何ともいえない連帯感が生まれ、わたしたちは誰もが困った人を助けることができるカギを持っていることに気づかされる。

エルビラ

Elvira

ルシア・コボ

Lucía Cobo

Antela Editorial

ダチョウは羽を使ってなにができる? 飛び跳ね、拍手し、あいさつし、ハグをして、触ることができる……、でもエルビラは、もっとなにかしたい……。たくさん長所があるというのに、小さなダチョウのエルビラは飛びたがっている。だけど、ほしいものがいつでも手に入るとは限らない。この物語を通して私たちは、自分を認め、自分自身を愛することを知る。

Pep Molist著『Emma. La pequeña dragona de Oriente』の表紙

エマ 東の小さなドラゴン

Emma. La pequeña dragona de Oriente

ペップ・モリスト

Pep Molist

Milenio Publicaciones SL

エマには火を吐く口、空を飛ぶための2枚の翼、地上を歩くための4本の足、そして水中を泳ぐためのたくさんのうろこがある。エマと一緒に元素や季節を巡る冒険をして、最後に「おやすみ、エマ!」と言ってあげよう。ドラゴンは一部の文化圏において、土、水、火、空気という4つの元素を統合し、支配するとされる動物。そのためドラゴンは火を吹き、翼とうろこ、足を持つ。さらに守護神とされたり、幸運を招く力があるとされることもある。東の小さなドラゴン、エマの日常生活は、その象徴である4つの元素と1年の四季に結びついた4連からなる詩で語られる。細部まで描き込まれたマルタ・カブロルのイラストは優しさに満ちており、その描線と色調が見る者を包み込む。おやすみ絵本に最適。

Joan Riera, Tomás Soler著『Emprende tu propia aventura』の表紙

模擬起業 あなたの経営センスを試す起業シミュレーションブック

Emprende tu propia aventura

フアン・リエラ、トマス・ソレル

Joan Riera, Tomás Soler

LID Editorial Empresarial

世界中で何百万人もの若い読者を魅了した「きみが決める冒険シリーズ」のモデルに従い、数百人の起業志望者にアドバイスを提供してきた専門家であるジョアン・リエラとトマス・ソレルが、あなたを起業家キムの立場に置き、彼女が自分のビジネスを立ち上げる体験をさせてくれます。 物語が進むにつれ、各章の終わりでいくつかの選択肢から一つを選び、35通りの結末のうちの一つに向かって道のりを続けていくことになります。その過程で、実際に会社を設立する人が体験することすべてを経験し、戦略、財務、マーケティング、オペレーション、人的資源の分野において、自分自身の決断がどこに導くかを学ぶことができます。あなたの会社を最大の成功へと導くことも、完全な失敗に陥らせることも可能なのです。

著『En calma』の表紙

静けさのなかで

En calma

カルメン・マテオ

Carmen Mateo

Grupo de Comunicación Loyola, S.L.U.

サバンナに夕ぐれがおとずれ、動物たちが眠りにつこうとするとき、ふしぎな物音が聞こえてきます。そこにいたのは見おぼえのない小さな動物で、ライオンもキリンもゾウもおどろきます。みんなでこの小さな動物をおちつかせようといろんな方法を試しますが、なかなかうまくいきません。はたしてサバンナに、「静けさ」をとりもどすことができるのでしょうか? チームで協力し、助け合い、みんなが本当に必要としているものはなにかを見つけ出そうと提案する物語です。

Ignacio Abad著『En Düsseldorf no hay ni puede haber leones』の表紙

デュッセルドルフにライオンはいないし、いられない

En Düsseldorf no hay ni puede haber leones

イグナシオ‧アバド

Ignacio Abad

Menoslobos taller editorial, S.L.

この小説には読者を待ち受ける多くの驚きがあり、そこには著者イグナシオ・アバドによる金細工のように繊細な仕事や、少しずつ読者を巻き込んでいくプロット構築の正確さが隠されている。物語を組み立てる彼の能力と、主人公である名前のないジャーナリストのしっかりした人物造形に裏打ちされて、私たちの前に繰り広げられるのは、過去、現在、未来を行き来し、ついには一対の鏡のなかで、あるいは迷宮、交錯するストーリーの迷路のなかで枝分かれしていく裁断された物語だ。読み進むにつれ、何が真実で何が噓か、どこまでが現実でどこからが空想か、それらを隔てるぼやけた線のどちらが正しい側なのかを見分けるのはどんどん複雑な作業となり、厄介で刺激的な挑戦になる。

森のなかで

En el bosque

アナ‧マリア‧マトゥーテ

Ana María Matute

Albur Producciones Editoriales

1998年1月、アナ・マリア・マトゥーテはスペイン王立アカデミーで《En el bosque(森のなかで)》と題した入会の講演を行った。言葉でできたその場所から物語の語り手は、明瞭な声で子どものころから魅了されてきた世界を披露した。聴衆の前に生き生きと立ち上がったのは、作家としての軌跡に常に寄り添ってきた映像や人物、すなわち秘密のささやき、暗がりにひそむ目に見えない命、世界の中心の住民たちの声。今回の刊行は講演の原稿と著者のバイオグラフィーを収めた小冊子に9枚のイラストカードがついたバージョン。カードは自由に組み合わせて並べることができるので、森のなかのシーンや物語を無限に創り出せる。繊細さとアンティミスムの描線が特徴のオドリオゾーラがイラストを描いた本書は、作家がインスピレーションを受けた妖精物語の宇宙発生論にオマージュを捧げている。

Rafael Chirbes著『En la orilla』の表紙

岸辺にて

En la orilla

ラフ<エル‧チルベス

Rafael Chirbes

Editorial Anagrama

物語はオルバの貯水池で死体が発見されるところから始まる。主人公エステバンは、経営する工務店をたたんで、従業員を路頭に迷わせることになる。病気で末期の父親の看病をしながら、エステバンは、破産の原因を探す。彼はその犠牲者であり首切りの執行人という2役を背負っている。そして私たちはその瓦礫の中に、ひとつの社会、ひとつの世界、ひとつの時代を支配して来た価値観を見つける。福祉とその裏側、強欲と全て瓦礫と化してしまった偽りのプロジェクトの数々。エステバンの人生が映る鏡、ある意味特徴のない男。敗れた夢と失われた幻想をそのまま映している。みんなががつがつしていた。一握りの人たちのこの饗宴では、愛や家族、友情、社会規範もまたメニューの一部だった。

Natàlia Cerezo著『En las ciudades escondidas』の表紙

秘められた町で

En las ciudades escondidas

ナタリア‧セレソ

Natàlia Cerezo

Editorial Rata

ナタリア・セレソの最初の短編集En las ciudades escondidas (ひなびた町で)に収められた物語を読んだ⼈の⼼には、奇妙なミニマリスト感覚が残る。孤独で難解な登場人物すべてに強く感じられる、秘められた私生活。⼝に出さないこと、失ったことの中に彼らの本当の姿はある。彼らはただ、⽣きている。著者が語るのはそれだ。暑く平穏な夏に過ぎていく⼈⽣、全く何も起こらない穏やかな⽥舎町、⾯識がないように⾒えて、⼤地が震えるほど求めあっている隣⼈たち、喪失と病気によって壊れた⼦ども時代、⼦どもになる術を知らない親たちと親になりたくない⼦どもたち、私たちが知らない町で起こる数カ⽉の暮らしを描く。

Jaume Cabré著『En Pere i el bosc』の表紙

ペラと森

En Pere i el bosc

ジャウマ‧カブレ

Jaume Cabré

GRUP 62, S.L.U.

ペラという男の子が夜中に家を抜け出して、おもちゃの消防車を探そうと森へ入っていった。何匹かの動物が、珍しそうにペラを見ている。フクロウ、リス、ハリネズミ……。でもペラは気づかない。どの動物なら、ペラに消防車を見つけさせることができるかな? さあ、ペラといっしょに森へ入ろう。そこできみは、好奇心旺盛なたくさんの動物に出会い、一緒に驚きに満ちたすばらしい冒険へと乗り出すだろう。

Andrés Barba著『En presencia de un payaso』の表紙

ピエロの前で

En presencia de un payaso

アンドレス‧バルバ

Andrés Barba

Editorial Anagrama

自分の人生を300語にまとめることが出来る者がいるだろうか? アンドレス・バルバのこの空想的な小説の主人公は科学者のマルコス。母親が亡くなった後、妻と、複雑な政治歴を持つ引退したコメディアンの義兄弟とが初めてクリスマスに集ったときも、彼はずっとこの不可能なことについて頭を悩ませ続けていた。いつもながら個々人の密やかな空間を描き出すことに長けた作者は、本書でアイデンティティー、家族、ユーモア、願望、他人を真に発見した驚きについて語る。

Marta Rivera de la Cruz著『En tiempos de prodigios』の表紙

奇跡の時代に

En tiempo de prodigios

マルタ‧リベラ=デラクルス

Marta Rivera de la Cruz

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

セシリアはシルビオを訪ねる唯一の人間だ。シルビオは彼女の親友のおじいちゃん。シルビオはこれまで誰にも話そうとしなかった、ある伝説的人生についてじっと胸に秘めている。シルビオは写真が入った箱を見せながら、セシリアにザッカリー・ウェストとの魅惑的なストーリーを話し始める。ウェストは風変りな米国人で、彼がリバノバにやって来たことが周囲の人たちの運命を変えてしまった。ウェストによって、ドイツでナチス台頭が引き起こした恐怖を知り、そして理想のために自分の命を犠牲にするという価値観を学ぶ。セシリアは、母親を亡くし、恋人と別れた後、人間として深刻な危機に陥っていたが、シルビオは彼女にとって、人生を立て直すための友人、同志になるだろう。

Salvador Tomás Rubio著『En tiempos de crisálida』の表紙

さなぎの時

En tiempos de crisálida

サルバドール‧トマス‧ルビオ

Salvador Tomás Rubio

Susana Alfonso Agencia Literaria

歴史上、多くの女性は確固たる願望を実現させるために、あるいは単に社会の中で居場所を見つけるために、男性の役割をしなければならなかった。何世紀にもわたる女性に対する差別や不寛容のせいで、女性に男性と同じ権利を認めようとしない、融通の利かない不条理で不公平な社会と戦うために、反骨精神の強い女性たちは男装するに至った。実在の人物の伝記を模した本書の主人公は医師で、ナポレオン戦争で兵士となり、ヨーロッパの戦場を駆け抜けた。スペインで投獄され、新世界へと移民した彼女の人生は、その時代の偽善的な社会への決断と勇気の教えとなり、後の世代のための権利回復のモデルとなる。

Izara Batres著『ENC o El sueño del pez luciérnaga』の表紙

ENCまたはオニハダカの夢

ENC o El sueño del pez luciérnaga

イサラ‧バトレス

Izara Batres

Ediciones Xorki (Moldava S.L.)

経済危機下のマドリード。夜は「バールの壁にぶつかって砕けた挫折した感情と夢と情熱の場」である。30代というもうひとつの危機を目前にした登場人物たちが、自分の道を探し求める。主人公の女性は行政訓練校に通う、60年代を懐かしむ作家で、つましい暮らしをしながら世界を変えようと目論んでいる。その友人には、唯一の解決法は光と闇との激しい戦いで全てを破壊することと考える元学生、美貌が却って仇になっている失業中の女優、 「持続可能性フリーク」のばりばりのIT技術者、好奇心旺盛で野心家の成金などがいる。そしてその周囲で、皮肉屋、うつ病患者、買収された人間、社会からの逃避者などがうごめき、15-M運動、捜索、どんでん返しが起こる。映画のように明確なイメージで、現代社会を活き活きと描きだす。

Juan José Badiola Díez著『Encefalopatías espongiformes transmisibles』の表紙

感染性海綿状脳症

Encefalopatías espongiformes transmisibles

フアン‧ホセ‧バディオラ=ディエス

Juan José Badiola Díez

Ediciones Mayo, S.A.

EU諸国で起きた深刻な食糧危機の原因となった牛海綿状脳症。公衆衛生、経済、政治の各方面にあまりにも大きな影響を与えた病気である。 本書はプリオンによる病気の特徴を病因学、病原論、遺伝、診断、疫学と関連づけて掘り下げると同時に、近年進歩した治療法、予防、バイオセキュリティの状況についても発生要因と関連づけて述べており、興味深い1冊に仕上がっている。

Vicky Timón著『Enciclopedia de ejercicios de pilates』の表紙

ピラティス‧エクササイズ百科辞典

Enciclopedia de ejercicios de pilates

ビッキー‧ティモン

Vicky Timón

Pila Teleña

ピラティス・メソッドは、体への負荷がない動きで、姿勢の矯正、代謝の促進、けがをすることなく筋肉の弾力性や柔軟性の向上を促すために考えられたエクササイズである。ピラティスで鍛える筋肉群は、普段の生活や職場で使われるのと同じ筋肉である。

どこにもない

Enlloc

グロリア‧カスタニャレス‧マルティ

Glòria Castañares Martí

Batidora Ediciones (La Batidora Coop. V.)

これは単に学校でのいじめの現実を伝える作品ではない。登場人物のひとり、中学生のアルバロが一人称で語る物語。アルバロは家庭の事情で転校してから、学校生活の苦い側面を味わうことになった。新しい学校で、あるグループから攻撃の標的にされてしまったのだ。アルバロはもうひとりの生徒も同じように攻撃されていると知る。彼を助けることが、自分の問題を解決するきっかけになるだろう。登場人物の生活を多角的に見つめ、その個人的欲望や家庭生活を掘り下げる、力強い物語。恐れ、不安、痛み、そして……、別の現実も可能だということを垣間見せてくれる、希望という名の裂け目。

能力を与える環境:排除されるおそれのある青少年への介入

Entornos que capacitan. Intervención c on adolescentes y jóvenes en riesgo de exclusión

ザス‧マルティン

Xus Martín

早い段階で学業を放棄した青少年の教育は、彼らの学習能力のなさや社会的無能さを強調するような意見をあれこれと生みがちだ。だが、それは実際にはもっと複雑な現実を覆い隠してしまう性急な判断と言える。本書の中で著者は、排除されるおそれのある若者が、学習能力やコミュニティでの生活能力の点で劣っているわけではないという事実から出発し、環境が人間の統合的な発達に与える影響に着目していく。そして、恵まれているとは言えない環境に置かれた青少年たちの未発達な能力を伸ばすような教育の必要性を指摘し、5つの基本的なスキルで構成された介入案を提示して、そのための理論的貢献、民族学的説明、教育的方法論、活動案について記述している。

Clara Sánchez著『Entra en mi vida』の表紙

私の人 に入ってきて

Entra en mi vida

クララ‧サンチェス

Clara Sánchez

Ediciones Destino

ベロニカは10歳の時、一度も見たことのない女の子の写真を見つける。それ以来、彼女の家の中の悲しさ、言い争い、沈黙には、誰も触れたくない何かが隠されているような感覚を抱えて生きてきた。年月が過ぎ、思春期のベロニカにふりかかる母親の病気。そして盗まれた過去がベロニカをあの写真の女の子にどんどん近づけていく。 ラウラは自分の家族には何かしっくりこないものがあるといつも感じていた。暴君のような祖母と彼女のことを気にもかけない母親のもと、不安な気持ちで成長した。ある日、ラウラが働く靴屋にベロニカが入ってくる。そして、ラウラは一目で、人の人生にはその前と後をはっきりとわける決定的な瞬間があるのだと理解する。

Elena Almirall Arnal著『Entrar en el Olimpo. Un viaje arquetípico a través de la mitologia clásica』の表紙

オリンポスへの入り口:古典神話を通じた原型的な旅

Entrar en el Olimpo. Un viaje arquetípico a través de la mitologia clásica.

エレナ・アルミラル・アルナル

Elena Almirall Arnal

Editorial Kairós

デルフォイのアポロン神殿の入口には、「汝自身を知れ」という格言が刻まれていた。これは、古代の哲学者たちの心を悩ませた根本的な問い、すなわち「人間が到達しうる最も重要な教えとは何か?」に対する答えであった。 ギリシャ人が追求した自己認識の探求に倣い、本書は古代の偉大な神話を通して、その内なる旅へと誘うものである。もしオリンポスが単なる遠い場所ではなく、私たちがアクセスできる意識の状態であるとしたら? 明確で、面白く、そして深遠なスタイルで、エレナ・アルミラル・アルナルは吟遊詩人のように、ナルキッソス、プロメテウス、ペルセフォネからプシュケ、オデュッセウス、ダナエまで、18の原型的な人物の物語へと私たちを導き、それらが隠す真の象徴的意味、つまり私たち自身をより良く理解し、より意識的に生きるための時代を超えた鍵を明らかにしている。神話は死んでいない。私たちが耳を傾ければ、今も語りかけてくるのだから。

Celso Castro著『Entre culebras y extraños』の表紙

蛇とよそ者に囲まれて

Entre culebras y extraños

セルソ‧カストロ

Celso Castro

A.C.E.R. Agencia Literaria

語り手の父親の死から物語は始まる。あっけない突然の死。過干渉な母親に甘やかされて育ち、周囲の世界に終始悩まされている、極端に繊細で病弱な主人公は、この悲劇的な出来事で大きな打撃を受ける。それを克服しようとソフィアの愛情に頼る。ソフィアは彼と同い年の娘で、別れてはまたくっついてを繰り返すデリケートな関係でつながっていた。それは、素晴らしくもあれば悲劇的でもある関係だった。やがて隠されていた家族の歴史が明らかになり、全てが変わる。主人公は姉のもとに逃げ込む。だが、ドラッグや酒の経験がある反抗的な大学生の姉も、心の底では弟と同じくらい途方に暮れているのだった。

Arturo Padilla著『Entre dos blaus』の表紙

ふたつの青の間

Entre dos blaus

ふたつの青の間

Arturo Padilla

Barcanova Editorial

アルバとマリーナはお父さんにものすごく特別な贈り物をする。それは難破船への潜水だ。そして、この冒険に寄り添ってくれる2人のダイビングのインストラクター、ウリオル、ライアと一緒にお父さんが潜る瞬間が待ち遠しい。姉妹は3人が海の真ん中に消えていくのを小型船から眺めるが、まさか彼らの姿をみるのはそれが最後になるとは想像だにしていない。海は、浅いところも深いところもとっても危険な場所に変わり得る。生き残れるのは勇敢な者だけだ。

知的機械の中で

Entre máquinas inteligentes

コシコサ

Cosicosa

Editorial Flamboyant

自動運転自動車、携帯電話、しゃべるおもちゃ、ロボット掃除機……。知的機械はちまたに溢れています。機械はどれだけの人類を所有していて、人間はどれだけの機械を所有しているのでしょう? この本を読めば、知的機械の働き、それらがわたしたちの生活に与える影響や倫理的脅威を学ぶことができます。知的機械がどのようにして作動するのか、どのように学習するのか、多様でいながら使用者を選ばないためにはどのようなプログラミングが必要か、ということがわかります。イラストは鮮やかで、ユーモアたっぷりの本です。

Justo Sotelo著『Entrevías mon amour』の表紙

エントレビアス モナムール

Entrevías mon amour

フスト‧ソテロ

Justo Sotelo

Bartleby Editores, S. L.

本書は父親と息子(テオ・アバド、戦場レポーター、本書の語り手)の愛情の物語であると同時に、孤独な女たちと、不当な武力紛争から帰還した英雄たちとの愛情の物語である。さらには、アンティゴネーとイーピゲニアというギリシャ文学の神話的登場人物に対するオマージュでもある。アンティゴネーが兄を埋葬しようとするように、ジュディット(この小説の主人公)は60年代にフランコ体制に殺害された両親の遺体を見つけて埋葬したいと思っている。イーピゲニアが生贄になったことは、エディパ、タマラ、ラ・ニニャといった女性たちの遺体で体現される。舞台はマドリードの人口密集地、エントレビアス地区という実在の魅惑的な地区。戦争とそれに伴う不正、他人の人生を決定する権力は誰が持っているのか、いないのか、といったことを考えさせる一冊だ。

Belén Gaudes著『Érase dos veces... Blancanieves』の表紙

またまたあったとさ……白雪姫

Érase dos veces... Blancanieves

ベレン‧ガウデス、パブロ‧マシアス

Belén Gaudes y Pablo Macías

Cuatro Tuercas, S.L.

だれもが知る昔話を、性差別・不平等・暴力の要素なしに再話したシリーズ。おひめさまはいつもかよわくて従順でほっそりしていて、王子さまは決断し冒険し、魔女は悪くて賢明さに欠け、愛さえあればなんでもできる……。こういった神話や偏見を取り除き、オリジナルにくらべて意義のある物語になっている。著者はここで提案する男と女の新しいモデルが、子どもたちにとっての平等の見本になるよう願っている。この「白雪姫」の主人公の娘は、王国一の美女でもなければ、愛のくちづけで救われることもないし、白馬に乗った王子さまの腕に抱かれもしない。自分のことは自分で決めて、お姫さまでいるより鉱山で働くほうを選び、自立した幸せな女性になる。

Belén Gaudes & Pablo Macías著『Érase dos veces... Cenicienta』の表紙

またまた,ったとさ……シンデレラ

Érase dos veces... Cenicienta

ベレン‧ガウデス、パブロ‧マシアス

Belén Gaudes y Pablo Macías

Cuatro Tuercas, S.L.

だれもが知る昔話を、性差別・不平等・暴力の要素なしに再話したシリーズ。おひめさまはいつもかよわくて従順でほっそりしていて、王子さまは決断し冒険し、魔女は悪くて賢明さに欠け、愛さえあればなんでもできる……。こういった神話や偏見を取り除き、オリジナルにくらべて意義のある物語になっている。著者はここで提案する男と女の新しいモデルが、子どもたちにとっての平等の見本になるよう願っている。この「シンデレラ」の主人公の娘は、舞踏会に行って王子さまと恋に落ちたりはしない。その代わり、まるで家畜を選ぶように妃を選ぶのはいい考えだと思うかと、王子さまに訊ねるのだ。魔法使いには、ガラスのくつがふさわしいのかどうかと考えさせ……、そして自分の人生の手綱は、自分でとる。

Belén Gaudes & Pablo Macías著『Érase dos veces...La bella durmiente』の表紙

またまたあったとさ……眠れる森の美女

Érase dos veces... La bella durmiente

ベレン‧ガウデス、パブロ‧マシアス

Belén Gaudes y Pablo Macías

Cuatro Tuercas, S.L.

だれもが知る昔話を、性差別・不平等・暴力の要素なしに再話したシリーズ。おひめさまはいつもかよわくて従順でほっそりしていて、王子さまは決断し冒険し、魔女は悪くて賢明さに欠け、愛さえあればなんでもできる……。こういった神話や偏見を取り除き、オリジナルにくらべて意義のある物語になっている。著者はここで提案する男と女の新しいモデルが、子どもたちにとっての平等の見本になるよう願っている。この「眠れる森の美女」の主人公は娘は、くだらないものではなく、本当に大事な3つの贈り物を授かる。そして白馬に乗った王子さまの愛のくちづけで救われるのではなく、自らドラゴンと戦って自分を救うのだ。

Beatriz Osés著『Erik Vogler 6: El secreto de Albert Zimmer』の表紙

エリック‧フォグラー6巻 アルベルト‧ツィマーの秘密

Erik Vogler 6: El secreto de Albert Zimmer

ベアトリス‧オセス

Beatriz Osés

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

近年のヤングアダルト向けミステリーのなかで最も注目のシリーズ。超常的な要素を満載し、抱腹絶倒の主人公が登場。エリック・フォグラーは、見た目は憎たらしいが、読むうちに愛さずにはいられなくなるキャラクター。潔癖症で、きちんとしていなければ気がすまず(なんでも色ごとに分類する)、すべてコントロールせずにはいられない。古典的な探偵ふうにブランドものの服を着こみ、靴はイタリア製で、ズボンは乗馬用、もちろんエレガントでなければならないので鼻紙は絶対に使わない。実はいきなり気絶するほど小心者で臆病なので、厄介ごとから逃れようとするのだが、いつでも犯罪に巻き込まれてしまう。しかも、たいがい重大な事件に。コミカルな設定とミステリーが心をつかみ、読者は夢中になって次々と続刊を読む。

Mildre Hernández Barrios著『Es raro ser niña』の表紙

女の子だっていうのは変

Es raro ser niña

ミルドレ‧エルナンデス=バリオス

Mildre Hernández Barrios

Legua editorial, S.L.

本書は思春期向けの書籍だが、全ての年齢層の読者に好まれる作品。この誠実な物語の主人公はクアシ。現代社会の良識の声ともいえる思春期目前の女の子だ。彼女が体験する波乱万丈とともに、私たちは人情、団結、自己アイデンティティの模索、人の成長について多くを学ぶ。その文章は、想像力に溢れ、メタファーや言葉遊びに満ち、それらによって読者は著者が提案する考察に優しく導かれていく。本書では全てが明るく楽観的で、価値観について教えるだけではなく、非常に楽しい体験を与えてくれる。

Xevi Sala著『Esborraràs les teves petjades』の表紙

足跡を消しさって

Esborraràs les teves petjades

シェビ‧サラ

Xevi Sala

Raval Ediciones S.L.U

バスクのあるテロリストが25年の刑期を終えて出獄する。彼が服役中、組織の幹部は政府を相手に戦闘中止の交渉を進めていた。出獄した男は昔の仲間に失望して単独で動くことにし、カタルーニャのリポリェー山中の村に身を潜めて新たな襲撃を準備しようと決心する。彼は名を伏せて隠れ住むのだが、村にはかつて村人同士を対立させた古傷があり、やがてそれが暴力となって噴出する。彼はそこで、自分の大義への忠誠を貫くべきか、無垢の人を護るべきか、選択をせまられる。

戦争のさなかに書かれたもの

Escritos en la guerra

ダニエル‧エルナンデス=チャンベルス

Daniel Hernández Chambers

Kalandraka Editora

世界的に著名な作家たちが登場する7つの短編集。共通のテーマとして戦争がもたらす破壊と死、そしてそれらに打ち克つ、逆境を前にした希望の視線、不幸を乗り越える強さ、団結の絆を描く。それぞれの短編に登場するのは、まず避難民の少女が感動的に語るリッチマル・クロンプトン、エレナ・フォルトゥン、詩人のミゲル・フェルナンデス、フェデリコ・ガルシア=ロルカ、ラファエル・アルベルティ、ガブリエル・セラヤ、文芸クラブとフェミニズムに関連してグロリア・フエルテス。そしてゴンサロ・モウレが一人称でフランコ独裁時代の経験を詳細に語り、飛行家アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの晩年も描かれる。インタビューから証言、年代記風の作品まで、語り口の多彩さと文学的価値が特徴の短編集だ。

Xesco Bueno著『Escuela de arroz』の表紙

米料理の学校

Escuela de arroz

シェスコ‧ブエノ

Xesco Bueno

Larousse Editorial

米はスペイン料理にとってスター的存在で、この本の主役だ。調理手順を追った写真が多数掲載されており、調理器具や台所用品、器などの基本的な情報に加え、米の炒め方や焦げ目のつけ方、透き通った魚の出汁や甲殻類の出汁の取り方などの秘訣やテクニックも満載。最もページを割いているのはもちろんのことレシピ集である。色々な好みや難易度に合わせた57のレシピが掲載されている。例えばクリーミーライス、米の2段階調理、サラダやソテー用白米、カエルの脚入りオーブンライス、腸詰めとベーコンのクリーミーライス、コウイカと魚介のクリーミーライス、コリアンダー・ライム・カルダモン風味のピラフなど。

ヴィーガンスイーツの学校

Escuela de pastelería vegana

トニ‧ロドリゲス‧セグラ

Toni Rodríguez Segura

Larousse Editorial

トニ・ロドリゲスはヴィーガンスイーツの技術と製法の研究に力を注いできたひとりで、本書ではそのスイーツを紹介する。収録する100を超えるレシピは以下のような項目に分かれている。・基本の準備(自家製クリームマーガリン、植物性ミルク、ケーキ用クリーム、自家製プラリネなど)、・スポンジケーキ(クルミのブラウニー、バナナブレッド、レモンケーキ、マドレーヌなど)、・ヴィエノワズリー(定番のブリオッシュ、シナモンロール、ドーナツ、クロワッサン、ミルフィーユ、エンサイマーダなど)、・朝食と軽食(ワッフル、スコーン、フラップジャック、アニスロールなど)、・クッキー、サブレ、ケーキ、・マカロンとプチフール、・チョコレート(カカオ35%ホワイトチョコレート、カカオ42%ミルクチョコレート、ロシェ、トリュフなど)、・ペストリー(ピーナッツボンバ、キャロットケーキ、クーラン、ザッハトルテ、ロールケーキなど)、・クリーム、プディング、ムース。

Jordi Soler著『Ese príncipe que fui』の表紙

王子だった私

Ese príncipe que fui

ジョルデイ‧ソレル

Jordi Soler

MB Agencia Literaria

王子なのか詐欺師なのか? メキシコのアステカ族の王モクテスマの最後の子孫の奇想天外な物語。16世紀にモクテスマの娘のひとりがスペイン人貴族に拉致され、ピレネー山中の人里離れた村に連れていかれた。そこで男児を生んだことが、21世紀まで続く狂気の血統の始まりとなる。この話に魅せられた語り手は、アステカ王女と息子の子孫である、バルセロナ上流階級の男、キコ・グラウのとても本当とは思えない実話を発見する。妄想とペテン、さらに自分の血統がもたらす歴史的責任のはざまでキコ・グラウは皇太子を名乗り、貴族の称号を欲しがるうぬぼれ成金たちをペテンにかけていた。最後にグラウはスペインから逃亡し、メキシコの密林にある怪しげな村に隠遁する。そこの住人達だけが、彼とスペイン征服前の王族との結びつきを認めるのだった。

夜明けを待って

Esperando el amanecer

ファビオラ‧アンチョレナ

Fabiola Anchorena

Kalandraka Editora

ずっと前から真っ暗な闇がジャングルを覆っている。そこに住むものたちは月や星を、とくに太陽を待ち焦がれた。しかし動物たちは、その温かい命の源を見つけるどころか荒廃を発見し、どう呼べばよいかわからないほどの大きな火災を前にパニックに陥る。気候変動や人間の行いが起こした大規模火災による、地球の緑地帯の破壊だ。著者ファビオラ・アンチョレナはアマゾン熱帯雨林の終焉を描いたが、これは世界中のどの森に起きてもおかしくない。陸に生きるもの、水中で暮らすもの、そして空を飛ぶもの、すべての動物たちが「夜明けを待つ」という共通の行動原理のもと団結する。厳しい物語と対照的に、文章は詩的で、イラストが強く語りかけてくる。見開きページに描かれたイラストは映画的効果をもたらしている。

Sergi Puertas著『Estabulario』の表紙

動物施設

Estabulario

セルジ‧プエルタス

Sergi Puertas

Impedimenta Editorial

客の到着を待ちながら携帯でお喋りするふたりの少⼥。通りでは発砲⾳や爆発⾳がしている。ある⽇テレビが彼⼥たちに話し始め、逃げるよう促す。100キロの重さがあり、DNAのレベルまで溶け込む着脱テクノロジーのお陰でブッダのなりをしてウェイターをつとめる哀れな悪魔。着ぐるみを制御するソフトウェアが機能しなくなった時に問題が⽣じる。ある⼤⾂は都市計画にまつわる不正⾏為を働くよう指⽰をうけるが、実はもっとうさんくさい別物だった。排出された人間たちは、コンピューターにつながれて⽣活体験を元にした映像を造り出し、兄弟戦争ののち、主権を⼿にしたアンダルシアを舞台にしたテレビ番組の主役をつとめる。ベッドで昏睡状態にある2⼈の同性愛者が意味を求めて選択肢のボックスを⾒つめている。

Rodrigo Palacios著『Estanebrage』の表紙

エスタネブラヘ

Estanebrage

ロドリゴ‧パラシオス

Rodrigo Palacios

EDHASA - Editora y Distribuidora Hispano Americana

不公平、魔法、戦争と愛……遥か昔、とある架空の王国では、邪悪な王ロムバル・ナトケが国中を恐怖に陥れていた。王の野望は果てしなく、すべてが王の支配下にあった。魔法は禁じられ、人々は恐れおののいて生きていた。そこで、 ニクライ・エスタネブラヘという若き靴職人が先頭に立って反乱を起こす。その戦いで貴重な助けとなったのが、人々に希望を取り戻させる力を持つ見習い魔術師のオイブ、ロムバル・ナトケ王から追放された貴族ゲンコとアベロン、勇ましい女戦士アラナなど、不公平な暴君に対抗して立ち上がった者たちだった。

Miquel & Daniel Arguimbau著『Estimat Leo』の表紙

レオへ

Estimat Leo

ミゲルとダニエル‧アルギンバウ

Miquel & Daniel Arguimbau

Barcanova Editorial

一番の親友が自分と同じく、サラという女の子に恋をしたとき、アドリアは感情の領域の内外で負けることをおぼえる。そのとき彼は尊敬するサッカー選手、レオ・メッシに手紙を書きはじめ、それが1冊の本になった。人生において10はとても重要な数字だ。読者は、アドリアやその家族や友だち、先生やコーチの日々の態度や行為が認められるに足るものかを判断することになる。ユーモアはあるか? もちろん。騒動は? それもある。落胆やフラストレーションは? そして克服がある。この本は男子向け、女子向け? きみの名前がサラだろうとアドリアだろうと、この本はきみのための本だ。

Susanna Isern著『Esto no es una selva』の表紙

これはジャングルじゃない

Esto no es una selva

スザンナ‧イセルン

Susanna Isern

Editorial Flamboyant

すべてはパウラが「イヤ」と言うことにした日に始まった。「イヤ」と言うのはすごいことだ。パウラはなんでも好きなことができる……。けれどもそのとき、予想もしなかった事態になる。家がほんもののジャングルに変わったのだ。木やツタがはえ、植物がうっそうとしげり、あらゆる動物がのびのび暮らしている。子どもが大人に挑むとどういうことになるかを描いた、心をつかむ物語。

Varios autores著『Etnias del mundo』の表紙

世界の民族

Etnias del mundo

共著

Varios Autores

Tres patas y pico

現代に存在する民族を主人公に、様々な作家が執筆した20の物語を収録。これらの民族は、困難な世界で逆境に立ち向かいながら、自らの文化を守るために奮闘している。それぞれの作家が独自の個性を吹き込んでいるため、物語のスタイルは多様。本書を読めば小さな子も、それほど小さくない人も、感動し、楽しみ、そして多様な生き方をする人々について知ることになるだろう。各話に人類学者エドゥアルド・バロナが監修した情報シートが付いていて、それぞれの民族の居住地域、言語、生活様式、住居、服装、信仰、豆知識がまとめられている。さらに「読んだあとに」と題して、ワニのしおり作り、天然顔料によるフェイスペインティング、ツリーハウス作りといった、物語に関連するアクティビティが提案されている。

エティ‧ヒレスムとその変容 リルケの足跡

Etty Hillesum y la transformación: La huella de R. M. Rilke

V ‧ハビエル‧リョップ‧ペレス

V. Javier Llop Pérez

Narcea Ediciones

世界大戦と全体主義の世紀には、並外れた人生の証を残した稀有な人々が存在した。エティ・ヒレスムはそのひとりである。その日記と手紙を読んでまず驚くのは、彼女の深い変容と非常に困難な環境だ。ヒレスムがどの程度哲学者あるいは思想家だったのか、強制収容所のための倫理を確立し、仏教や東洋哲学に傾倒していったのかは様々な試論がある。彼女の著作に最も強い影響を及ぼしたのは、詩人のライナー・マリア・リルケだ。彼は20世紀の少数派として、先鋭的かつ真摯に人間の有限性、死、とりわけ生を受け止めた。本書は厳密なアプローチで、ヒレスムがどのように生、神、死、傾聴、孤独などについて考えを深め、作家としての使命に突き動かされていったのかを記している。

Xavier Bosch著『Eufòria』の表紙

陶酔

Eufòria

シャビエル‧ボッシュ

Xavier Bosch

Raval Ediciones S.L.U

ダニ・サンタナに何があったのか? ジャーナリストのダニは殺されかけ、今は体の上から下までギプスに覆われている。病院という独自の法則を持つ世界で、彼は車椅子生活を送ることになったラグビーのユースチームの選手グラトゥと親しくなる。落ち着きがなく、おまけにハッカーでもあるグラトゥは、保健システムの破たんの原因調査にサンタナを巻き込む。その頃、世界有数の億万長者、メキシコの実業家ロベルト・M・ファウラがバルセロナに到着する。携帯電話会社のトップであるファウラは、欧州最大のテーマパークの開園を政府と交渉中だ。市民の反対運動、法の網の目をかいくぐろうとする試み、そして国の経済再生には不可欠と思われるプロジェクトをつぶそうとする権力者たち。しかし、何事も新聞記事に書かれている通りではないのだ。

Xabier Pikaza Ibarrondo著『Evangelio de Marcos』の表紙

マルコの福音書

Evangelio de Marcos

ハビエル‧ピカサ=イバロンド

Xabier Pikaza Ibarrondo

Editorial Verbo Divino

本書は、次の3つの新たな研究成果をもたらしてくれる。1)歴史的側面においては、福音書をキリスト教共同体の展開の内部から、ユダヤ戦争(西暦66~70年)の文脈の中に位置づける。2)神学的側面においては、マルコが復活の(生き返った)キリストと歴史上の人物としてのイエスを同一人物としたことが、教会のアイデンティティと意識の発展に寄与したことを浮き彫りにする。3)文学的側面においては、原文の語りの特徴を重視する。つまり、マルコは理屈を述べたり証明したりするのではなく、イエスの物語を語るのであり、そのようにして、キリスト教の出発点および中心となるイエス像を確立したと説く。

Sandra Andrés Belenguer著『Ex Libris』の表紙

エクス‧リブリス

Ex Libris

サンドラ‧アンドレス=ベレンゲール

Sandra Andrés Belenguer

Editorial Everest, S.A.

ララは学校で「ビチョ・ラロ(変な子)」というあだ名をつけられている。仲間外れにされている理由はまず、彼女は文学にしか興味がないみたいだし、友だち付き合いがうまくないからだ。ララは2年前にパリに引っ越した。その環境の変化はひとつのチャンスだと思ったがそうじゃなかった。やりきれなくて、学校をさぼりパリの街をぶらぶら散歩している途中で、不思議な本屋、ブランシャール書店を見つける。その本屋の看板は1冊の開いた本で「エクス・リブリス」と言う文字とクエスチョンマークがふたつ書かれている。本屋はとても古く、閉まっているように見えるが、ララはとめどない好奇心に駆られて、中に入ってみる。本屋の店主に日を改めて出直して来るようにと言われ、彼女は何か変だと感じるが、そこにある珍しい本を読むためには、その老店主の信用を勝ちとらなければならない。その約束の日を境に、ララ自身の冒険が始まる。現実の冒険か、それとも文学の冒険か?

David Cantolla著『Éxito para perdedores』の表紙

敗者のための成功

Éxito para perdedores

ダビッド‧カントーリャ

David Cantolla

Astiberri Ediciones

本書はアニメシリーズ「ポコヨ」と「ジェリー・ジャム」の制作者のひとりであるダビッド・カントーリャの評伝。その成功と失敗と、新たなる国際的成功を一人称で語る。成功と転落のその波乱万丈の人生がフアン・ディアス=ファエスの巧みな語りと絵で味つけされている。感動やドラマに胡椒をきかせたエピソードが楽しく、かつビジネスの世界のしくみがわかる貴重な資料という意味で教育的な一冊。

David Luna Lorenzo著『Éxodo (o cómo salvar a la Reina)』の表紙

エクソダス(もしくは如何にして女王を助けるか)

Éxodo (o cómo salvar a la Reina)

ダビド‧ルナ=ロレンソ

David Luna Lorenzo

Apache Libros

2016年UPC(カタルーニャ工科大学)SF賞受賞作品。ジグラットへようこそ。この不思議な惑星の移民たちは劣悪きわまる環境の中で数世紀にわたり生き延びてきた。その間加速度的な進化を遂げた結果、異質なものへと変化していた。やがて灼熱が惑星を襲う。王室警備隊長の指揮の元、住民の大移動が始まった。脅威に満ちた旅の先に待っているのは天国か、はたまた地獄か。画家ミケル・バルセロは本作を「とりわけ、我々が築いてきて我々の変化を支配する社会構造について考えさせ、一方で見かけほど突飛ではない別の可能性を示唆する物語だ」と評している。

白と黒の探究

Explorando el blanco y negro

ビクトル‧エスカンデル

Víctor Escandell

Hoaki Books

白黒のデッサン・絵画制作の無限の可能性を追及した一冊。墨、鉛筆、ボールペン、竹、水溶性グラファイト、各種支持体用の様々な種類のフェルトペン、グラッタージュなど、伝統的な技法・塗り方、現代的な技法・塗り方を分かりやすくひとつずつ解説。章ごとにひとつの技法を取り上げ、利用方法、材料の種類、その技法を用いたサンプル絵画、技法が誕生した際の興味深い秘話、コツ、その他の古典・現代画家の紹介など、役立つ情報を盛り込んでいる。いずれの章にも完成版と制作過程の写真を掲載。白と黒を混ぜ合わせたさまざまな技法を紹介した章を1つ立てているほか、最終章では、織物やガラスなど紙以外の支持体を使った技法も紹介している。デモ動画を見られるQRコード付き。

ハイパーリアリズムの探究 デッサン‧絵画技法

Explorando el hiperrealismo. Técnicas de dibujo y pintura

マルティ‧コルマンド

Martí Cormand

Hoaki Books

対象を写実的に精密に描くことを目指した技法ジャンルである、ハイパーリアリズム運動を紹介した本。情報や参考画像の収集といった、作品に向き合う前にまずすべきことから、デッサン、絵画、彫刻のさまざまな技法にいたるまで、制作過程をひとつずつ解説。白黒や色鉛筆での描き方、水彩絵の具、油絵の具での描き方、だまし絵の作り方、超写実的な3Dモデルの作り方を紹介。ハイパーリアリズム作品を制作するためのあらゆる技法とアドバイスが掲載されており、楽しみながら学ぶことができる。本書で紹介した各技法を用いた現代の作家による作品のほか、美術界の珍しい特徴、作品を制作する上での秘訣も収録。

Rocío Collins著『Éxtasis en una noche de verano』の表紙

夏の夜のエクスタシー

Éxtasis en una noche de verano

ロシオ・コリンス

Rocío Collins

H&O Editorial

20代のエイヴァ=ビジューとアグネス・グレースは、ジェーン・オースティンとショーガールズのファンだ。少しお調子者だが輝いていて、遊び半分で薬物に手を出し、混乱した愛と性に囚われている。ひとりは裕福で、もうひとりは貧しい(そうは見えないが)。インクルーシブ、ヴィーガン、クィア、エコフレンドリーなど、あらゆる謳い文句で宣伝されているフェスティバルで、彼女たちは思い切り週末を楽しみたいと思っている。そこで人生で最もクレイジーな時間を過ごすことになるのを彼女たちは知らない。元レッドスキンの医師、天を超えた生き物、ドラァグクイーンたちの一団、ファシスト的な金持ちのお坊ちゃん集団など、驚きの渦が待ち受けている。ユーモア、過剰、優しさ、そして狂乱に満ちた夏の夜のエクスタシー。

違うのと同じくらい甘い

Ezberdina bezain gozoa

アンチョン‧カサボン

Antton Kazabon

Editorial Ibaizabal

愛情の問題はいつも感情で彩られ、危険に満ちて厄介で、矛盾だらけ。そして何より、気持ちと感情でおおわれてしまっている。愛に触れると自分をコントロールできなくなって、情熱の風に吹かれ、すっかり理性を失うほどにわけがわからなくなってしまうことが多い。だから危険で厄介だというのだ。恋をして理性を失ってしまうと、現実に気づけなくなる。そして見えなくなった現実が、私たちを破滅へと導く。幸い、たいていの場合は友だちや心から愛してくれる人がいて、手遅れになる前に悲劇から救い出してくれる。

Pedro Juan Gutiérrez著『Fabián y el caos』の表紙

ファビアンとカオス

Fabián y el caos

ペドロ‧フアン=グティエレス

Pedro Juan Gutiérrrez

Agencia Literaria Virginia López-Ballesteros

1960年代のキューバ。革命が勝利した国で、一見何の共通点もないふたりの若者が友達になる。ペドロ・フアンは体育会系で筋骨たくましい。ファビアンはひ弱で臆病で近眼、ピアノが弾けてホモセクシュアル、1920年代にスペインから移住してきた両親を持つ。ふたりの意外な友情は続き、幾星霜を経て彼らの人生は再び交差する。ペドロ・フアンはあらゆるタイプの女性とセックスを楽しむ快楽主義者になっていた。ファビアンはホモセクシュアルが原因で逮捕され、なんとか釈放に漕ぎつけたものの恐怖心にとりつかれ、次第に自分の中に籠りがちになっていた。新しい革命社会のアウトサイダーたちが働く肉の缶詰工場で彼らは再会するが、ふたりの運命はもはやどうしようもなくかけはなれていた。実話に基づいた小説。

賦役

Facendera

オスカル‧ガルシア=シエラ

Óscar García Sierra

Editorial Anagrama

舞台は、鉱山が閉鎖し、発電所も解体予定で先行きが見えないレオンのとある村。薬剤師の母を持つ息子と飼料屋の娘の物語。希望もなく「レンガ」を摂取する人々の物語。愛、ガソリンスタンドの駐車場に残された改造車、礼拝堂のがれきに積もったほこり、ニワトリとその睾丸を使った実験の物語でもある。そして何より、物語を語って相手を誘惑し、操り、口車に乗せようとする者の物語。

フェイク‧オーバー

Fake Over

ネレイダ‧カリリョ

Nereida Carrillo

Editorial Flamboyant

それは何? だれがそれを作り出すの? そしてなにより、目的は? ソーシャルネットワークを通じて私たちは日々、操作された画像や映像、陰謀論、ディープフェイクや悪意のあるボットを目にする。それだけではなく、何が本当で何が嘘かを確かめるすべを持たないために、知らないうちに共犯者になったり、ニセ情報を流して混乱を引き起こしたりしてしまうかもしれない。でも愚弄されないでいることは、思ったよりずっと簡単だとしたら? 楽しくて厳密なこのマニュアルで情報のチェック方法を覚えれば、正真正銘の噓の狩人になれる。

Fernando Lalana著『Falso directo』の表紙

偽の生 継

Falso directo

フェルナンド‧ララナ=ホサ

Fernando Lalana Josa

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

エルネストは恋人を見つけたいと思い、テレビのデート番組に応募した。が、相手はフェリックスという男の子だと聞いて、何が起きたのかわからずびっくりしてしまう。番組は業界でいうところの「偽の生中継-ストリーミング」で撮影が行われており、エルネストの抗議にもかかわらず、番組のディレクターは続行を決め、若い男ふたりはロマンチックなディナーに向うことになる。しかしこの混乱は見た目以上に複雑だった。話はさらにややこしさを増していくのだが…。

Ana Campoy著『Familia a la Fuga 2 - Infiltrados en la gran ciudad』の表紙

逃亡一家2――大都会に潜入

Familia a la Fuga 2 - Infiltrados en la gran ciudad

アナ・カンポイ

Ana Campoy

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

逃亡一家が戻ってきた!好評だったシリーズ1作目の続編。今回、F一家には驚くべき隠れ家が用意されていた。それは大都会の贅沢なマンション。おまけに稼ぎのいい仕事に、独創的な友人たち…しかしすべてが見た目通りというわけにはいかない。悪の組織「マンディブラ(あご)」は変わらず待ち伏せている。F一家は重要な証人として証人保護プログラムの元にあり、F一家の唯一のミッションは「目立たないこと」だということを忘れてはならない。

Carles Soldevila著『Fanny』の表紙

ファニー

Fanny

カルレス‧ソルデビラ

Carles Soldevila

Edicions 62, S.A.

カルラス・スルダビラの、最も有名な小説。主人公(独立心旺盛で、自分をしっかり持った娘)の性格や、主に内的独白で表現された現代性により、その時代の新しいカタルーニャ文学を代表する作品となった。1929年刊行時の作品の魅力は、今日の読者にも保たれ、カルラス・スルダビラの最も重要な散文作品とみなされている。

Agustín Fernández Paz著『Fantasmes de llum』の表紙

光の幽霊

Fantasmes de llum

アグスティン‧フェルナンデス=パス

Agustín Fernández Paz

Edicions Bromera S.L.U.

ダミアンは35年前から映画館の映写室で働いている。自らの手で映した映画を通して世の中を見ることに慣れ、その登場人物のように考えたり話したりする。ところがある日、映画館が閉鎖されることになり、彼の知る世界はがらりと変わる。彼も妻も失職し、しだいに自分たちが他人の目には見えない存在になっていくことに気づく。社会的にというだけでなく、物理的に消えていくのだ。しかし、混乱や新たな状況への戸惑いは、自分たちと同じ状況にある人びとと知り合うことでやわらいでいき、その人びとの中に助けを見いだしていく。

Pedro Torréns Otin著『FAR S.A.』の表紙

ファール株式会社

FAR S.A.

ペドロ‧トレンス=オティン

Pedro Torréns Otin

Ediciones Dauro

セサルとマラは経営学部の学生カップルで、卒業を間近に控えている。ふたりは街で暴漢に襲われるが、見知らぬ男、ミケルが現れて事なきを得る。ミケルは、芸術学部の学生で、どのようにして襲ってきた男たちに警察が来たと思いこませ、彼らを追い払ったのかの顛末を説明する。数日後、セサルは事件を振り返り、芸術に関するミケルの持論は、マーケティングに応用したらとても役に立つのではないかと考える。ふさわしい舞台と雰囲気を創れば、人々の決断を左右できる。そしてそれこそが、ものを売る者がやるべきことだ。売り手に都合のいいものを人々に見せるのだ。経済を勉強したセサルとマラの知識を、ミケルのような芸術家の創造力・テクニックと補い合えば完璧だ。3人はFAR株式会社を立ち上げて活動を始めるが、彼らへの依頼や注文は、困難と危険に満ちたものだった。 ※ タイトルになっている会社の名前FAR S.A. は、FARSA(道化芝居、茶番)を暗示。

Ramón Erra著『Far West gitano』の表紙

ジプシーの遥かなる西部

Far West gitano

ラモン‧エラ

Ramon Erra

GRUP 62, S.L.U.

ラモネはフランス南部に暮らすジプシー。カタルーニャ地方のアンプルダンのとある町の郊外で中古トラックを買い、自分が属するジプシー部族マノウチェ族伝統の放浪生活をとりもどそうと旅に出る。喜びと悲しみ、冒険や想定外の出来事が待ち受けているこの危険な旅には、ある逃亡が潜んでいるのだが、家族や自分のルーツとの和解の試みでもある。魅力とユーモアと冒険に満ちたロードムービー。

Marta Sanz著『Farándula』の表紙

芸能界

Farándula

マルタ‧サンス

Marta Sanz

Editorial Anagrama

ある程度名の通った女優であるバレリア・ファルコンは、毎週木曜日往年の舞台女優アナ・ウルティアを訪ねている。ウルティアはディオゲネス症候群を患い、どん底の状態だ。彼女の斜陽は若い新進女優ナタリア・デミゲルの登場と重なり、ナタリアに、別名アディソン・ドウィットこと、シニカルなロレンソ・ルカスはぞっこんになる。ナタリアの幸せを壊す権利は誰にもない。彼女はとても細身だがスクリーンではぽっちゃりして見える。一方、ヴォルピ杯(ヴェネチア国際映画祭男優賞)の受賞者ダニエル・バルスは、自分の成功や金や魅力と、政界進出の可能性を秤に掛け、しばしば「俺は気が弱すぎる」という結論に達する。彼の妻シャーロット・サンクレールは芸者のように夫の世話をし、ダニエルの親友であるバレリアを嫌う。脳卒中、「イブの総て」の上演、宣言書の署名によって見えてくるのは、場を失う恐怖についての物語だ。

Iolanda Batallé著『Faré tot el que tu vulguis』の表紙

あなたが求めることは何でもする

Faré tot el que tu vulguis

イオランダ‧バタリェ

Iolanda Batallé

Columna Edicions, S.A.U.

ノラは40歳になる既婚女性で、ある秘密を隠している。彼女は飛行機の機上でナチョという若い生物学者と知り合い、初めて不倫をする。この出会いから依存と情熱のゲームが始まり、ノラはそこから次の展覧会のための絵を描きあげていく。従来型の結婚に感情を捕らわれている女性の愛、官能、そして性欲への目覚めの旅を描いた小説。ノラは他人が欲することでなく自分が欲することをすることを学ぶ。「あなたが求めることは何でもする」から「私が求めることは何でもする」に至る道のりである。

Pablo Aranda著『Fede quiere ser pirata』の表紙

フェデは海賊になりたい

Fede quiere ser pirata

パブロ‧アランダ

Pablo Aranda

Anaya Infantil y Juvenil (Grupo ANAYA)

フェデの一番の望みは海賊になることだが、海賊への道は遠い。海賊になるためには、その前にやっておかねばならないと思われるいくつかのことがある。たとえば、ひとりでおふろに入ること、ベッドの中でこわがらないこと、オウムを手にいれること、そして何より重要なのは片脚をなくして、義足をつけること。しかし、クラスに転校生がやってきてから、勇敢な海賊になるには、脚をなくさなくてもよいことがわかってくる。

フェデリコ‧ガルシア‧ロルカ

Federico García Lorca

ジョルディ‧アマット

Jordi Amat

Shackleton Books

月に歌った詩人、フェデリコ・ガルシア=ロルカのように大いなる夢を見よう。スペイン屈指の作家、ジョルディ・アマットがロルカの人生を子どもたちに紹介してくれる。わたしたちが知るヒーローはたいていの場合、魔法を使えたり、肩からマントをはためかせたりしている、特別な存在だ。しかし、あなたやわたしのように時には間違いを犯し、また時には大成功を収めるような、生身の人間のヒーローもいる。フェデリコ・ガルシア=ロルカもそんなヒーローのひとりだ。彼の武器は、とてつもない想像力とその夢をすべて書き留めるための万年筆。彼はそれらの武器で、人々の魂を虜にし、今日でもわたしたちの心を震わす崇高な詩をつくった。それがロルカの偉業であり、これはその物語である。

Gracia Iglesias著『Felipe tiene gripe』の表紙

フェリペはかぜをひいている

Felipe tiene gripe

グラシア‧イグレシアス

Gracia Iglesias

Ediciones Jaguar S.A.U.

フェリペはかぜをひいていて、くしゃみが止まらないけど、薬をのみたくない。だけど、友だちが教えてくれるなおし方はどれもむちゃくちゃで、ちっともなおりそうにない。だからかわいそうに、フェリペはかぜをひいたまま! この絵本に出てくるフェリペは、かぜをひいてもおばあちゃんには耳をかさず、友だちのいうことばかり聞く。経験ゆたかな人の言葉には、教えられることがたくさんあるのにね……。

幸せなフェロス

Feliz Feroz

エル‧エマトクリティコ

El Hematocrítico

Anaya Infantil y Juvenil (Grupo ANAYA)

大きな悪いオオカミ、フェロスの妹は、心配でたまりません。自分の息子がちっとも悪くないどころか、これ以上ないほどいい子過ぎるからです。フェロスはそんな妹を慰め、甥っ子を自分の家に来させるようにいいました。自分が甥っ子を真の悪いオオカミに鍛えてやろうというのです。子どもオオカミは伯父を訪ね、伯父の言う通りにしようとします。恐ろしい遠吠えをしたり、ウサギを狩ったり、赤ずきんちゃんを怖がらせたり、おばあさんを食べたり…… けれど、いつも失敗してしまいます。ウサギたちとは一緒に座ってサラダを食べるし、赤ずきんちゃんとは友達になり、おばあさんとはお茶をします。そしてクライマックスは、子どもオオカミがキャロットケーキを作るときにやってきます。2015年クアトロガトス財団賞、2015年ホワイト・レイブンズを受賞。

お金を稼ぐ

Fer diners

テオドール‧デ‧マス=バルス

Teodor de Mas Valls

Columna Edicions, S.A.U.

あなた方それぞれの出自が、個々の存在自体や、感情的および経済的にどのように人生を管理するのかについての大部分を決定している。筆者のテオドール・デ・マスは、彼自身とその幼少期の家族(デ・マス家、バルス家、ロカバジェラ家、イサルド家、テヘドール家、ベントサ家、インダルテ家、バディア家)の経験を通して、より良い日々の管理に資する経済観念を説明し、きわめて重要なエピソードを紹介する。その目的は節約し、裕福になり、他者のために働く義務から解放されることだ。さらに、本書は、あなたの人生で発生する数多くの経済的な決断を効果的に下す際の助けにもなるだろう。

Gemma Armengol著『Festa Major』の表紙

おおきなおまつり

Festa Major

ジェンマ‧アルメンゴル

Gemma Armengol

Animallibres Editorial, S.L.

「にわのいきものたち」シリーズの最新刊。今回は、テントウムシのアントニエタと仲間たちは、1年に一度の庭のお祭りの準備中。楽しい夜にむけて準備は万事オーケー。楽団の生演奏つきのダンスまであります! ところが、いよいよというときになって、楽団の歌手が病気に。お祭りはどうなるのでしょう? シンプルな楽しいお話を通して、小さな子どもたちは、テントウムシのアントニエタが新しい友だちを作り、ゆかいな冒険をするようすを楽しめる。読むスピードに合わせて、筆記体とブロック体の2種の版あり。

David Monteagudo著『Fin』の表紙

おしまい

Fin

ダビ‧モンテアグド

David Monteagudo

Quaderns Crema

古くからの友人たちの一行が、山小屋に集まって週末を過ごす。彼らには、過去の暗いひとつのエピソード以外には共通するものは何もない。集まりはいつもの筋書き通りに進行するが、宴たけなわの中、外部からのある出来事で、すっかり計画が変わる。 強まるプレッシャーの中、ひとりひとりがそれぞれの思うところでその出来事を解釈する。ひたひたと迫りくる恐怖の陰のもと、各人が長い間胸につかえてきたものをはきだし、告白したり言い争ったりするうちに、かつて彼らを結びつけていた関係のあさましく錯綜した図式が新たに組みかえられていく。

Ignacio Martínez de Pisón著『Fin de temporada』の表紙

季節の終わり

Fin de temporada

イグナシオ‧マルティネス‧デ‧ピソン

Ignacio Martínez de Pisón

MB Agencia Literaria

1977年6月、思春期を迎えて間もないフアンとロサは、ポルトガルとの国境沿いの道路を非合法の堕胎手術を行う病院へ向かっていた。しかし事故に会い目的地へ着くことはなかった。それから20年ほどたち、ロサと息子のイバンは新たな人生を歩むためにイベリア半島の反対側の突端の地に移り住む。だが、過去は否応なしに追いかけてくる。時には害毒でしかない強い血縁、世代が変わっても同じ過ちを繰り返す危険が潜む家族の秘密、そして人を別人に変えてしまう知恵について書かれた小説。ほぼ25年にわたって描かれる母と息子の強い絆や印象的な登場人物を見事に描写。また、清算されない過去はたとえ無視しようとも、むしろ無視するがゆえに、大きな落とし穴になることを明かしている。

Alfonso Valentín著『Flores de Bach』の表紙

バッチフラワー(肌の健康の源)

Flores de Bach

アルフォンソ‧バレンティン

Alfonso Valentín

Videocinco Editorial

『Flores de Bach(バッチフラワー)』は、私たちがどのように行動し、なぜ特定の行動をとるのかを認知し、また自分の感情や自分自身について、少しずつ理解するのに役立つ本だ。同時に、この本を通じて私たちは、プライベート、仕事、社会全般、さらには精神的な暮らしぶりの違いに関係なく、自分がどこにいて今何が起きているかを知ることができる。全ての感情は、たとえそれが隠れたものであっても、私たちの器官、もちろん肌にも記録されている。バッチ博士が考案したフラワーエッセンスは、数多くの専門的セラピストの研究と経験によって、その適用範囲を広げてきた。最近も私たちはフラワーレメディ(花療法)の肌への適用に取り組んでおり、特に美容に関しては局所的な使用を通して驚くほど効果的な作用について証明することが可能かつ必要であると認識している。

Berta Páramo著『Fluidoteca』の表紙

たいえきかん(体液館)

Fluidoteca

ベルタ‧パラモ

Berta Páramo

Litera Libros

本書は小さな読者向けに、あらゆる体液を一覧にした刺激的な本だけど、それほど小さくない人たちにも読んでほしい。なぜって……ほんとのところ、体液って何なのかあなたは知ってる? それがどれほど大切かを? どんな体液を知ってる? 汗は何の役に立つの? 血液は1日に300回、腎臓を通過するって知ってた? 私たちの目にはいつも涙があるっていうことも? 鼻では1日1リットルの鼻水が製造されることは? 楽しくてカラフルな(テーマごとに10種類以上の色調が使われている!)体の中の液体を巡る旅に、小さな読者は大喜びすること間違いなし。そしてそれほど小さくない人たちもね。;)

Fondo

ロドリゴ‧バスケス

Rodrigo Vázquez

Sallybooks Editorial

犬や羊たちとともに気楽で波風のない人生を歩んでいるひとりの羊飼い。彼はまだ、金とラム酒に飢えた世界に自らを引きずりこむ見えない力があることに気づいていない。そう、彼はまだ、自らをその存在の深淵まで連れて行き、自分自身を映し出す、すなわち、本当の自分の底に向き合わせる悪魔の契約を認知できていないのだ・・・。

Marina Izquierdo García著『Formas escondidas』の表紙

隠されたかたち

Formas escondidas

マリナ・イスキエルド・ガルシア

Marina Izquierdo García

MTM Editores (Metafísica del Tercer Milenio Editores, S.L.)

『Formas escondidas(隠されたかたち)』は、創造のためのインスピレーションを与える一冊です。視覚的かつシンプルな方法で、あらゆる絵がいくつかの基本的な幾何学的図形に還元できることを説明しています。この抽象化のプロセスは、イラストを構成する形を特定するためだけでなく、それらを描写するためにも役立ちます。 平面的でシンプルなイラスト、目を引く色彩、そして愛らしいキャラクターたちを用いて、著者は簡潔な理論的基礎と、読者の注意を引き、その後に想像力を羽ばたかせるための豊富な例を提示しています。

フォルン‧サン‧フランEスク 伝統のパンと菓子の店

Forn Sant Francesc. Panadería y repostería tradicional

ホアン‧セギ

Joan Seguí

Col & Col Ediciones

職人の技が際立つマヨルカの菓子とパンの店。彼らは料理の伝統に深く根ざし、製品に注力する。もともとはお祭りやお祝いの席で作られていたものだ。本書は8つのセクションで構成され、パイ、菓子パン、総菜パン、エンパナーダ、マヨルカ伝統のエンサイマーダなどの昔ながらのレシピを紹介する。インカ(マヨルカ)でパン店を営む著者のホアン・セギは、エンサイマーダの世界一、マヨルカのパン・モレノのベスト5、インカのベストショップ金賞などに輝いた。一家はもう100年以上菓子とパンの店を営んでいる。

Ximo Abadía著『Frank: La increíble historia de una dictadura olvidada』の表紙

フランク――忘れられた独裁者の信じがたい物語

Frank: La increíble historia de una dictadura olvidada

シモ・アバディア

Ximo Abadía

Dibbuks

フランシスコ・フランコ(1939-75年までスペインを統治した独裁者)の生涯について、その誕生から死まで重要なエピソードに焦点を当てて描いたイラスト本。いまだ最近の話であり、多くの家庭においてタブー視されている我々の歴史の一時代が寓話的に描かれている。筆者が伝えたいメッセージは一目しただけでは伝わらないかもしれない。上質のワインをデキャンタするように、そしてそれが私たちの頭の中で醸し出されていくよう、練り込まれた作品。

紙の国境

Fronteras de papel

アルバ‧デ‧エバン

Alba de Evan

Antela Editorial

ファティマとその家族は海をわたる旅に出ます。その旅のなかで、通り抜けるのが最も難しい国境は紙のように脆いものでできているのかもしれないということを、ファティマたちは知ります。わたしたちがこの本で伝えたいのは、今日、世界中にいる何千人という移民の生活とよく似たファティマの物語、そして彼らがしばしば、官僚主義に象徴される障害に直面することです。役人たちは人々を放逐し、そして国境を、紙でできた国境を設けます。移民の人々が理想の地を見つけられることがわたしたちの願いです。

Josep Soler i Sardà著『Fuga, técnica e historia』の表紙

フーガ:テクニックと歴史

Fuga, técnica e historia

ジュゼップ‧ソレール=イ=サルダ

Josep Soler i Sardà

Antoni Bosch Editor, S.A.

そもそも音楽形式を構成しうるあらゆる形式のなかで、フーガはもっとも厳格で内に閉じているように思われる。このフーガ形式のあらゆる異なった演奏を通してみると、作品全体の基調や主題を選ぶ始まりから、主題の展開、完結まで、全体が管理され統御されていることがわかる。私たちは分析を試みることで、作曲家がこのフーガという音楽形式をつくりあげられるようになることを目指すと同時に、非合理的で「不確かな」要素が、一見厳格に見えるこのフーガ形式の道を切り開くに違いないことを訴えたい。

Daniel Sánchez Pardos著『G (la novela de Gaudí)』の表紙

G(ガウディに いての小説)

G (la novela de Gaudí)

ダニエル‧サンチェス=パルドス

Daniel Sánchez Pardos

Editorial Planeta, S.A.U.

1874年10月。ガブリエル・カマラサは、ロンドンで数年の亡命生活を送ったのち、家族とともにバルセロナに戻ってきたばかりだ。ラ・ロンハ建築専門学校の初日、入学2年目の若者アントニ・ガウディと知り合う。若いカマラサにとってガウディは謎だ。その年齢の建築学生には考えられないほど豊富な建築の知識を持ち、秘教とオカルト植物学と写真にも興味を寄せる。また、バルセロナの最下層の人々とコンタクトを持ち、彼らと謎の商売をしている。ガウディはまた一級の演繹的思考の持ち主である、あるいはそう考えられている。ふたりの学生の平穏な生活が、ある殺人者と予測不可能な結果をもたらす怪しげな陰謀によって乱されたとき、若きガウディの能力の総てがついに試される。

Thaís Prat Sierra著『Galaxia Nimu. Descubriendo nuevos mundos』の表紙

ギャラクシー‧ニム

Galaxia Nimu. Descubriendo nuevos mundos

タイス‧プラット‧シエラ

Thaís Prat Sierra

Coco Books

もし時々、きみの小さな世界がズレてうまくいっていないと感じたら、ニムの仲間たちと旅してみよう。自分自身がいん石のように強く、星のようにきらびやかで、満月のように力強く宇宙のようにでっかいってことに気付けるはず。レジリエンスとは、難しい状況を前にしてもポジティブに自らを調整できる能力のこと。本書でニム、カタ、ココ、そしてオラフの世界を知れば、きみの世界にも彼らに共鳴する何かがあることがわかる。登場人物たちの一人一人と行動を共にし、きみ自身のロケットをつくって、みんなを乗せて好きな場所へ旅に出よう。

ガルドスとラ‧ミセリア(不幸な女)

Galdós y la Miseria

エル‧トレス

El Torres

Nuevo Nueve Editores

1919年1月20日、マドリードのレティーロ公園。著名な小説家ベニート・ペレス・ガルドスは、すでにほとんど視力を失い、体も不自由だったが、彼の栄誉を称える記念碑の落成式に出席する。その夜、銅像の足元で男性が喉を切られて死亡し、犯人は他でもないガルドスの看護師エレナだった。10年前、ガルドスは迷子になっているところを発見された。老いと失明の影響は大きく、マドリードは抑圧的に感じられた。サンタンデールに逃げられないときは、記憶の中に逃げ込んで自分を慰めた。エレナ・ミデレスと出会ったのはそんな時だった。彼女は不幸な境遇で、ラ・ミセリア(不幸な女)とあだ名がついていた。ガルドスは彼女を保護者としてひきとる。エレナの人生は、まさにガルドス風で、ガルドスの小説そのものだった。それぞれの人生、実らなかった恋愛、経済的苦境の思い出を共有しながら、狂暴な舞台のように、抑圧的に迫りくるマドリードをふたりは歩き回る。

Vicente del Bosque著『Ganar y perder: La fortaleza emocional』の表紙

勝って負けろ

Ganar y perder: La fortaleza emocional

ビセンテ‧デル‧ボスケ=ゴンザレス

Vicente del Bosque González

Plataforma Editorial

努力と謙虚さ、それはスポーツと人生における秘訣だ。ビセンテ・デルボスケが、自身のサッカー哲学と人生哲学の全てを本書で初めて語る。長年の選手生活、監督としてのエピソード、サッカーに対する彼の情熱。クラブや代表チームが切望する全てのビッグタイトルを持つデルボスケの、人間として、そしてプロとしての真価がわかる。ルイス・アラゴネスとともに、スペイン代表の黄金時代を築き、ワールドカップとUEFA欧州選手権を制し、3つのビッグタイトルを続けてとらせ、スペイン代表を史上初の3冠達成チームに変えたデルボスケ。表題のGanar y perder(勝って負けろ)は、デルボスケのスポーツと人生の教訓にほかならない。

生きる気力

Ganas de vivir

ホアキン‧ベルヘス

Joaquín Berges

Tusquets Editores

葬儀業を営むロレンテ一家は、代々まともだと感じさせない強迫観念的な固定観念を受け継いでいるようだ。生き埋めにされる恐怖は、祖父の化粧品で増すばかりだ。父親のマティアスは、葬儀屋に持ち込まれた美しい女性の遺体に密かに惹かれずにはいられない。そして孫のトリスタンはちょっとしたフェティシズム気質だ。映画発祥の地ハリウッドの美人女優を彷彿とさせるグレースと恋に落ちたトリスタンは、生きる気力も幸福感もない、普通とはかけ離れた人々に囲まれていることに気づく。私は心配だ。たとえ抑えきれない衝動があったとしても、思いがけない恋に出会うだけで、人は生き生きとし、活力を得ると同時に心配になる。独創的なユーモア作家ベルジュの魅力を再確認させる、鋭く、ウィットに富み、痛快な作品である。

ガストロソフィー(美食学)。哲学の異色な物語

Gastrosofía. Una historia atípica de la filosofía

エドゥアルド‧インファンテ

Eduardo Infante

Editorial Rosamerón

最も著名な哲学者たちの、食べ物についての考察(とその飲食)の遍歴。19世紀半ば、オイゲン・フォン・ファーストがガストロゾフィーという本を執筆したが、それは良い食事、良い思考、良い生活を求める快楽主義者のエレジーだった。それを踏まえた本書は、プラトンの少食(イチジク以外)に対するピタゴラスの料理の基準(両者は肉体の快楽より魂や思想の純粋さに関心があった)から出発し、オーガニックな自給自足の先駆けともいえる快適な「エピクロスの園」、中世の有名な思想家たちの断食への病的執着を経由して、用心深いヘーゲルの意外なワイン愛、そして美食家マルクスのビールと葉巻への月並みな愛情へと辿り着く、巡礼の旅を試みる。

路上の猫

Gato en el camino

ニカノール‧パラ

Nicanor Parra

Libros del Zorro Rojo / Albur Producciones Editoriales, S.L.

『Gato en el camino(路上の猫)』は、セルバンテス賞受賞の詩人ニカノール・パラにとって最初の《自己による反詩の先例》であり、天分を示した作品だ。不条理性、脈絡のなさ、そしてユーモアが運に身をゆだねた猫のいのちを包みこむ。ジュアン・カサラモナが独自の解釈を施した絵は読書の可能性を広げ、この物語をどんな世代の読者にも作者の作品の愛読者にも扉を開く文学的遺産に変えた。ニカノール・パラの最初に出版された小説となったこの短篇は、彼が若干20歳のときに執筆されたものだが、のちにこの作品は、《伝統的物語の要素を全く持たない》《反物語、原物語、小物語》と定義づけられる。

移民にとってのジェンダー、仕事、家族。ソーシャルワークの新たな傾向

Género, trabajo y familia en inmigrantes. Nuevas tendencias del trabajo socia l

フランシスコ‧ゴメス=ゴメス

Francisco Gómez Gómez

Editorial UNED

移民という現象にジェンダーの視点から統合的アプローチを行った作品。大きな不均衡が存在するこの世界の人間開発を巡る女性と移民が果たす役割を、移民受け入れ社会という背景におけるその優れた社会的機能について示しつつ論じている。本書において、フィールドワークは、現象に対する過度なエスノセントリズム的な解釈を避けるために、現実から切り取られた側面を示し、かつ、当事者にとっての移民の意味をより深く理解できるよう提示される。ここに記された事例や結果は、体系的な現象学モデルの原理を基礎とし、なおかつ蓄積された専門的経験の成果である。さらに、これに付け加え、グループで実施した5つのケースの進展について記載することにより、前述したモデルをさらに深いところまで掘り下げる提案も行う。

地理学

Geo-gráficos

レヒーナ‧ヒメネス

Regina Giménez

Zahorí Books

星の色が違うのはなぜ? 他の惑星から見た太陽の大きさは? 宇宙や地球はびっくりするような秘密や不思議なことでいっぱいだ。本書はカラフルですばらしい幾何学模様を用いて、対比を容易にし、地理学に芸術を持ち込んだ。惑星、大陸、島々などが、円や多角形や線やらせんを描き、私たちを取り囲む世界を説明してくれる型破りな地図帳。

Eduardo Olier著『Geoeconomía』の表紙

地理経済学

Geoeconomía

エドゥアルド‧オリエール

Eduardo Olier

Pearson Educación, S.A.

経済力は常に、商業および富の生産に与える影響力と結びついてきた。政治上にせよ、企業社会の慣習にせよ、既存のルールに基づいてのことだ。だが政治と企業は理論的には異なる。政治的領域から行使される経済力には納税行動が伴うものだし、一方、自由競争に基づいた経済力は投資、商業、技術といった関心から出発するからだ。 地理経済学とは様々な経済主体の力関係を研究し、世界の金融の動き、あるいは権力闘争を続ける政治家たちの意思決定の裏側を理解するカギを提供するものである。

Rocio Bonilla著『Germans!』の表紙

きょうだい!

Germans!

ロシオ‧ボニージャ

Rocio Bonilla

Edicions Bromera S.L.U.

弟がいるってホントうざい! いつもバカなことばかりしてサルみたい! 姉を持つのだって⼤変だ! なんにでもケチをつけるし、僕がやりたいことは何もやらせてくれない 。だけど、たまには姉弟で助け合ったり、楽しい時間を過ごしたりすることもある。実は弟や姉がいるのはそんなに悪いことじゃないのかも……。でも、これが3⼈兄弟となったら? それは絶対ダメ! 2方向から読める、愉快で独創的なストーリー。一方から読み始めると、弟がいることの煩わしさと良さを、もう⼀⽅から読むと姉を持つという不便さと⻑所を発⾒する。ところが真ん中に来ると、思ってもみなかったことが起こる。家族に新しい⾚ちゃんが加わったのだ! ⼀家に3⼈も兄弟がいると、どうなるの? 「きょうだい」の愛憎を扱った素敵な物語。

Javier Andrada Guerrero著『Gigante』の表紙

巨人

Gigante

ハビエル‧アンドラーダ‧ゲレロ

Javier Andrada Guerrero

Fundación Santa María - Ediciones SM

全文を巻末に配置した大型本。これにより読者は、別の時代の小さな世界に現れた男の子とともに各ページをじっくり見ていくことができる。あるいは小さな世界ではなく、その子が巨人なのかも? 『ガリバー旅行記』にオマージュを捧げた作品。4歳から。

光の衝撃

Golpes de luz

レディシア‧コスタ

Ledicia Costas

Ediciones Destino

ガリシアの農村で暮らす3世代家族のユーモアに満ちた愛情深い小説。離婚したばかりのジャーナリストのフリアはマドリードを離れ息子のセバスと故郷のガリシアに戻ることにした。転地で心を癒すため、また母親の面倒を見るために決心したことだった。10歳のセバスは祖母のルスを神のトールと信じて疑わない。なぜなら、彼女は片時も愛用の金槌を手放さないからだ。しかし、たとえお菓子のポルボロンを靴下に隠そうが、物が二重に見えるようになるまでワインを飲もうが、嘘ばかり言おうが、セバスは祖母をとても愛している。彼女は女神で、庭を神殿に変えた。しかし、フリアにとって帰郷は明らかにしなければいけない秘密だらけの過去と、30年以上も前に別れも告げずにいなくなった父親の失踪に向き合うことを意味している。90年代のガリシアの麻薬密売、介護の世界と真実の追求をテーマとする物語。

グーゴル

Googol

ジュゼップ‧リュイス‧バダル

Josep Lluis Badal

「僕のことをグーゴルと呼んでいいよ」でも、グーゴルって誰? または何? グーゴルは他者がそうあってほしいと望むものではない。両親や13人の兄弟とは違った、自分自身でありたいと思っている。なのに、みんなは質問ばかり浴びせてくる。それでグーゴルは自分の道を歩み出した。自由気ままに幻想的な所、たとえば、虚栄心の強いテアトルム・ムンディ(世界劇場)とか、頑固な人々の国とか、言葉だけでできた森とかにたどり着く。未来と忘れ得ぬ友達でいっぱいの幻想世界。想像できる? 「グーゴルと名付けたのは彼自身だった。――君、名前は? ベネット? ニコラウ? カミラ?――彼はベネットともニコラウともカミラとも名乗らなかった。自分の名前をグーゴルに決めた、ただそれだけ。グーゴルは、ほとんど無限に近い、途方もなく大きな数の名前でもある」

Mar Hernández著『Gordito』の表紙

太っちょ

Gordito

マル‧エルナンデス

Mar Hernández

Sallybooks Editorial

とても変わったひとりの人物の物語。自分の居場所を求めて世界をめぐるうちに、たくさんの冒険に出会う。

Esther García Llovet著『Gordo de feria』の表紙

祭りの惨事

Gordo de feria

エステル‧ガルシア‧リョベト

Esther García Llovet

Editorial Anagrama

シュールなノワール、突飛で凄まじい純正のコメディ。著者がまたしても舞台に選んだのは独特な街マドリード。主人公はカストルのあだ名で知られるコメディアンで、テレビで演じるひとり芝居が有名。成り行きと運任せの人生だが、その運に導かれ、彼とよく似たフリオという名のウェイターと知り合う。ふたりは瓜二つだった。そこでカストルは大嫌いな夜会にフリオを自分の代わりに行かせることを思いつく。しかし事はうまく運ばず、過激で気も狂うような出来事が次々と起こる。他にも逃亡、誘拐、お笑いコンビ、アルメリア砂漠のど真ん中にあるディスコ、詐欺、殺人犯になりかけている女詐欺師、テレビと不動産に投資する中国人、ドナウ川を航行するクルーズ船、未確認飛行物体が登場する小説。

怪奇ものの傑作たち

Grandes de lo macabro

ジョアン‧ボア

Joan Boix

Grupo Editorial Sargantana

約50年前に「ドシエ・ネグロ」や「S.O.S.」などの怪奇ミステリー雑誌に掲載された、巨匠ジョアン・ボアのホラー漫画20作をアレタ出版が復刻。それらの中には、H・P・ラブクラフトやフランツ・カフカ、アーサー・コナン・ドイル、グスタボ・アドルフォ・ベッケール、エドガー・アラン・ポーの名作に基づく作品も含まれている。カバー絵もジョアン・ボアにより新たに描かれ、ホラー界最高の巨匠たちの作品を集めた決定版にふさわしいものとなっている。

Enrique Vegas著『Grandes personajes que cambiaron la historia』の表紙

歴史を変えた偉人たち

Grandes personajes que cambiaron la historia

エンリケ‧バルガス

Enrique Vegas

Plan B Publicaciones

イラストレーターであるエンリケ・バルガスと作家のハビエル・マテサンスが贈る人類史の本。精密かつ楽しい絵と文で、歴史上傑出した25人の人物の物語を紹介する。彼ら、彼女らなしでは世界は違っていたかもしれない。時にわたしたちは人間の精神の素晴らしさや、人類の歴史の中で偉大な事業を成し遂げた人々がいたことに意識を向けないことがある。ペニシリンがなければ人類が生き残るのは難しかっただろうし、アメリカ大陸のない地図や、本のない図書館は想像できない。ビートルズやピカソ、シェークスピアのおかげで、私たちはより賢く、幸せになっているのではないか? 人類は、ガンジーやマザー・テレサ、マンデラのような人たちの善良さのおかげで、よりよくなったのではないだろうか?

模型作り入門ガイド

Guía de modelismo para principiantes

エドゥアルド‧フェルナンデス‧ロドリゲス

Eduardo Fernández Rodríguez

AK Interactive

模型作りには歴史や空想、技術、そして美術を組み合わせた芸術的な側面がある。模型作りはとても楽しい趣味だが、どの作業を行うにしても上達するには基本知識と基礎が必要であり、それを身に付けなければ達人になることはできない。本書は2ページでひとつの章となっており、模型作りに欠かせない用語やテクニックを一から学ぶのにとても便利な仕様となっているため、これから模型作りを始めようという初心者にも、たいていのコンセプトは学んだが改めてアップデートしたいという上級者にも役立つだろう。どのコンセプトにも写真が豊富に付いており、ひとつずつ解説してくれているので、スムーズに理解することができる。また、章ごとに色分けされているので、探している章がすぐに見つかる。模型作りを始めたい人にも、さらに極めたい人にもぴったりなガイド。

Grupo Gourmets著『Guía de vinos gourmets』の表紙

グルメ‧ワインガイド

Guía de vinos gourmets

グルーポ‧グルメッツ

Grupo Gourmets

Grupo Gourmets (Progourmet, S.A.)

スペイン初の、最良にして完璧なスペイン・ワイン集。現在活躍中の専門家22名で構成する試飲委員会が、スペインで最上級にランクされるワインを解説し、コメントし、格付けする。 ブラインドティスティングされたワイン4973銘柄、ブラインドティスティングされた上でコメント、格付けされたワイン1121銘柄。1263の醸造元とそのすべてのワイン、335の専門店、118のワイン産地の情報を収録。

君のような女の子のためのクールなガイドブック

Guía genial para una chica como tú

ノラ・ロドリゲス

Nora Rodríguez

Boldletters Editorial

本書はノンフィクション・シリーズ《Chic@Genial(クールな男の子・女の子)》の1冊目で、8~12歳の女の子を対象とし、思春期に経験する重要な身体的変化に順応しやすくすることを目的として書かれた。この『Guía Genial(クールなガイドブック)』は初めてのブラジャーから初潮まで幅広い状況をカバーし、常に対象者に寄り添った楽しい文体で、わかりやすく正確に表現。女の子たちがこの成長段階に落ち着いて自然に向き合えるように支援する実用書。イラストや漫画、図表が入り、読者の年齢や経験に応じて理解できるようになっている。親、親戚、教育者がやさしく自然な方法で個人的な問題を子どもたちと共有し、幼いころからセルフケアと健康的な習慣の重要性を教えるための非常に有効なサポートツール。

Grupo Gourmets著『Guía gourmets: Los mejores vinos de España』の表紙

グルメガイド 最高のスペインワイン

Guía Gourmets: Los mejores vinos de España

グルーポ‧グルメッツ

Grupo Gourmets

Grupo Gourmets (Progourmet, S.A.)

グルメ関連機関で、スペインにおけるワインメディアのパイオニアであるグルーポ・グルメッツが、ワインや醸造元、専門店、ワイン産地の魅惑的な世界の奥深くへ読者をいざなう。 2013年版では、ブラインドテイスティングを行った約5000銘柄の特徴と価格、そのうち1125銘柄のコメントと格付け、1285のワイナリーとそこでつくられている全ワイン、325の専門店、120のワイン産地、原産地呼称制度で指定されたすべての産地ごとの地図、産地を記載したスペインのカラー地図を掲載。東欧のワインにも1章を割いている。自宅でのワインセラーづくりのアイデアや、ワインの加工法の解説、用語集も収録。

Josep Vila i Miravent著『Guía práctica para entender los comportamientos de los enfermos de Alzheimer』の表紙

アルツハイマー患者の行動を理解するための実践的ガイド

Guía práctica para entender los comportamientos de los enfermos de Alzheimer

ジュゼップ‧ビラ=イ=ミラベント

Josep Vila i Miravent

Editorial Octaedro

認知症は患者だけでなく、日々患者の世話をするすべての人に同じくらいの重さでのしかかってくる悲劇的現実。 発症したそのときから、家族は日常生活、仕事、個人の趣味、人づきあいを見直し、医療に関することはもちろん、経済的・法的な知識も身につけなければならない。 本書は病気をきっかけに新しい状況と向き合わざるをえなくなった家族だけでなく、認知症患者ケアセンターの職員にも向けて書かれたもの。患者の安全、自信、自尊心、尊厳を保ちつつ生活の質を向上させていくことを目的としている。

Tyto Alba著『Gus no quiere ir de caza』の表紙

グス:すきなことをしたいいぬ

Gus no quiere ir de caza

ティト‧アルバ

Tyto Alba

Nuevo Nueve Editores

グスは猟犬。グスは自分がやりたくないことを強いられるのは我慢できない。グスは代償を求めずになんでも与えるということを教えてくれる。グスはただ幸せになりたいだけ。多数のグラフィックノベルのイラストレーター兼作家であるティト・アルバの初めての幼年童話には、美しいイラストと友情についての大切な教訓がつまっている。

Carolina Gilbert y Daniel Lorente著『Gwyneth』の表紙

グウィネス

Gwyneth

カロリーナ・ジルベルトと ダニエル・ロレンテ

Carolina Gilbert y Daniel Lorente

Editorial Luis Vives (Edelvives)

魔法の大きなメダルを使わないと入れない、冬の景色に覆われた村。人里離れているけれど明るいその村へと読者を誘う、心に残るファンタジー物語だ。母を亡くした小さなグウィネスは、スカグウェーで警察署長をしている父さんと暮らしている。世界の片隅のような小さな町での平穏な生活は、グウィネスの不安によって曇ってしまう。いじめを受け、学校での居場所を見つけられずにいるからだ。忘れられない仲間たちと旅をして、どこでもない場所でアイデンティティを見つけたグウィネスも、やがて父さんが恋しくなり、故郷へと帰ることになる。

ハリーのH

H de Harry

ダルリス‧ステファニー

Darlis Stefany

Nova Casa Editorial

ベネズエラに生まれ、政治学と行政学を学んだ。作家への道は12歳のときに始まる。現在のダルリス・ステファニーはほとんどの時間、コンピューターの前に座り、ぶつぶつ言ったり、笑ったり、泣いたりしている。自分の作品に、何らかの形で音楽の世界を出現させることが好き。いつか訪れたいと思っているイギリスに恋している。小説を書くなかでバンドについて夢中で空想する。もちろん、現実のバンドも大好き。夜は、(眠ろうとしている間に)本の分析をしたり、書きたい物語の筋を組み立てたり(これが眠れない原因)して起きている。矛盾のかたまりだと言われそうだが、そしたら彼女は言うだろう。「信じないで。そんなのは噓だから。でも、もしかしたら、本当のことかもね」

歳を取るなんてまっぴら

Hacerse mayor es una mierda

フィリパ‧べレサ

Filipa Beleza

Roca Editorial

昔、本当に好きな人とデートしてた時のことを覚えているだろうか? 一生分のデートはどこへ行ってしまったのか? どうしてこの頃は、Hするのがこんなに大変なのか? マッチング・アプリは役に立つのか、それとも、色恋の世界をいっそう複雑にしているだけなのか? 出会い系が失敗に終わるのは、キャリー・ブラッドショー(ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティー」の登場人物)やレナ・ダナム(ドラマ「GIRLS」の監督・脚本・主演女優)が出てくるドラマに何らかの原因があるのは間違いない。Tinder(マッチング・アプリ)の問題ばかりではなくて。他者への関心を減らす一方で、人はますます自分を見せようとするようになった。一体、どこまでが現実で、どこからが虚構なのだろう? 自分をよく見せたいという気持ちと、好かれたいという単純な欲求の境界線はどこにあるのだろう? 本作を著すことでフィリパ・ベレサは、何もしようとしない男たちに代わって、この混乱を認識し変えようと行動する女性の声を代弁している。

Lluís Prats著『Hachiko』の表紙

ハチ公

Hachiko

リュイス‧プラッツ

Lluis Prats Martínez

La Galera Editorial

上野教授は娘のために子犬を拾う。すぐに教授と犬のハチ公の仲は特別なものとなる。ハチ公は毎朝教授を駅まで送り、夕方5時半にはまた駅で帰りを待つ。平日は毎日。毎月。毎年。友愛と忠誠に基づく絆が結ばれた。だれにも断ち切ることのできない絆が……。

José Antonio López "Rodorín"著『Hagamos títeres de cachiporra. De cómo Cristobita con destreza, no deja títeres con cabeza』の表紙

パンチ&ジュディ人形を作ろう。クリストビータがいかに巧みに、すべての人形を叩き潰したか

Hagamos títeres de cachiporra. De cómo Cristobita con destreza, no deja títeres con cabeza

ホセ・アントニオ・ロペス《ロドリン》

José Antonio López "Rodorín"

Ediciones Modernas El Embudo

パンチ&ジュディ人形劇の成功の秘訣は、同じ演目を何度見ても、初めて見た時と同じ興奮を味わえることにある。ワニ、幽霊、警官、悪魔、死神……。ドン・クリストバルと対峙する相手はだれでも、すさまじいリズムで繰り出される棍棒の威力に屈することは間違いなく、それを見た観客は熱狂する。だがこの効果を得るためには、喧嘩好きのクリストビータが劇場に現れる前に、人形遣いはキャラクターをよく理解し、作り方を考案し、操作を習得し、その「ルーティン」を正確に作り上げる必要がある。 遊び、想像力、創造性、経験すること、楽しむことの大切さを出発点として、子どもたちにパンチ&ジュディ人形を作って遊ぶことを提案する本。一般的なマニュアルではなく、決まった作り方や作業の指導もない。むしろその章立ては、ロドリンが新しいショーを準備する際にたどるプロセスと非常によく似ている。伝統と前衛が手をたずさえ、読むのはもちろんだが何よりも、創造し、楽しもうと提案している。

Flavia Company著『Haru』の表紙

ハル

Haru

フラビア‧コンパニー

Flavia Company

Enciclopédia Catalana, S.L.U.

「美しいストーリー。描写から詩へ。普遍的なストーリー。イメージから理想へ、そしてエッセンスへ。魔術的なストーリー。自分たちがあるべき姿を、かつて私たちは思い描いていた。戒めのストーリー。道はいつも帰還を待つ。唯一のストーリー。ひとつのストーリーだけが登場人物を落ち着かせ透明にし、長年自分がかつていた場所に戻らせてくれる」「人生には進む方向があるが、そちらへと私たちを導くのも人生だ。こちらが導こうとするなら、人生は私たちを粉々にし、ふりだしに戻そうとする。そのような瞬間がこの本にはある。ハルが道を外れる時、戻る時、受け入れる時、拒否するとき、やっと知る時、受け入れる時、愛する時」「百歳になったら、毎日がひとつの人生なのよ、と訪れる誰彼に彼女は言っていた。毎日がひとつの人生、とカズコは考えている」本文からの抜粋。

場所はある?

¿Hay sitio?

エドゥ‧フローレス

Edu Flores

Apila Ediciones

ちょっと変わった絵本。三角形、四角形、半円形……。幾何学だって愉快になれる。みんなに居場所があるお話。楽しさいっぱい、読んでいるだけで楽観的になれる独創的な物語だ。登場人物がユーモアを通して、人とのつながりや友情といったとても大切なことを教えてくれる。他者を受け入れ、偏見を捨てようと語りかけてくる本だ。さあ、みんな一緒に……。

あたしのベッドにウシがいる

Hay una vaca en mi cama

ダニエル‧フェール

Daniel Fehr

NubeOcho

おやすみ前、主人公の女の子はいった。あたしのベッドにウシがいるの。そんなことってある? お父さんが部屋に行くと、そこにはだれもいない。「それは今、ウシがゾウやアヒルと一緒にかくれんぼしてるからよ、パパ」おやすみ前の楽しいお話。これはほんとに、全部女の子が想像したことなのかな?

Alicia Martín Santos著『Hecha a sí misma』の表紙

セルフメイド

Hecha a sí misma

アリシア・マルティン・サントス

Alicia Martín Santos

Garbuix Books SL

自己啓発書のベストセラーの教えを文字通り実践したらどうなるだろう? それを試してみるのが苦境に立つコンサルタントのクカ。彼女は英語からの外来語やモチベーションの上がる言葉を駆使し、成功を目指す。『セルフメイド』は、自己啓発への執着に探りを入れる抱腹絶倒のコメディであり、労働世界への批判的な視点と明確なジェンダー視点が含まれている。

Leonardo Padura著『Herejes』の表紙

異端者

Herejes

レオナルド‧パドゥーラ

Leonardo Padura

Tusquets Editores

1939年、ドイツから逃れてきたユダヤ人900名を乗せたS・S・サン・ルイ号は、ハバナを目前にして、避難民の上陸許可が下りるのを待って何日も停泊していた。幼いダニエルとそのおじは桟橋で、親族が下船してくるのを待っていた。彼らが隠し持ってきた、17世紀から一族に伝わるレンブラントの小さな油絵が、通行許可証代わりになってくれるという確信があった。だが計画は失敗に終わり、ドイツに引き返すことになった船は、すべての希望も運び去った。2007年、油絵がオークションに出品された。ダニエルの息子はあの絵と一族にその後どのような運命が訪れたのかを明らかにするため、ハバナへとやってきた。彼に手を貸せるのは、マリオ・コンデをおいてほかにいない。マリオはダニエルがある犯罪に苦しんでいたこと、そしてあのキリストを描いた絵が、すべてをかけてレンブラントの工房に絵を習いに来た別のユダヤ人をモデルにしていたことをつきとめる。

継承すること。遺伝子と生物学が私たちの行動に与える影響

Heretaʼt. Com influeixen en el nostre comportament els gens i la biologia

ダビ‧ブエノ‧イ‧トレンツ

David Bueno i Torrents

Edicions de la Universitat de Barcelona

この世に同じ人間はふたりといない。似たような状況であってもまったく同じ行動をとる人はいないし、同じ個人でも常に同じように反応するわけではない。では、知能、創造力、衝動性のレベル、カンの良し悪し、特定の政治的傾向などは、遺伝子の特徴なのか? それともわれわれが育ってきた生活環境に起因するのか? また、脳はどのような役割を果たしているのか? 本書は、われわれの人となりが、親から受け継いだ遺伝子と受けた教育、すなわち、生物学的および文化的な遺産によって形成されると論じている。一方で、われわれは「自分自身を受け継ぐ」ことによって、自らを意識して望む方向に微妙に変えていくことや、自分を演出することもできると説く。つまり、その人がどういう人間であるか、そのほとんどはすでにできあがっているが、本人が望む人生を歩むための道のりは長く続いていることを本書は説いている。

Beatriz Dapena著『Hermanos』の表紙

きょうだい

Hermanos

ベアトリス‧ダペナ

Beatriz Dapena

Ediciones Jaguar S.A.U.

この本には、いろいろなタイプの兄弟と、兄弟間のさまざまな関係が出てくる。楽しくゆかいな文章を、カラフルでやさしいイラストがひきたてる。

Antonio Illán著『Hermonías』の表紙

エルモニアス

Hermonías

アントニオ‧イリャン

Antonio Illán

Editorial Cuarto Centenario

家庭や学校で、言葉のリズムで遊びながら学べる本。平等、違いの尊重など、人にとって大切なことを身につけるための道であり、想像の翼を広げ、自然を尊重するための贈り物であり、外国語を身につける意欲を引き出すために開かれた窓。

Patricia García Ferrer著『Hijas de las sombras』の表紙

闇の娘たち

Hijas de las sombras

パトリシア‧ガルシア‧フェレル

Patricia García Ferrer

ST&A Literary Agency

娘たちは裏切られた。復讐を果たすまでは生き延びなければ…。王に仕える凄腕の暗殺者である3人の娘たち、カタリーナ、クリスタル、ルアンヌには他にも才能があった――特別な能力があるのだ。しかし、祝賀会で隣国の皇太子を暗殺するという最後の任務で、娘たちは裏切られたことに気付く。今や彼女たちは標的となったのだ。いつもはひとの命を奪うことにたけている娘たちだが、この絶望的な状況下ではたして自分たちの命を守り通すことができるのか?

Marcos González Morales著『Hijo de Malinche, conquistado por las 'Américas'』の表紙

アメリカに征服されたマリンチェの息子

Hijo de Malinche, conquistado por las 'Américas'

マルコス‧ゴンサレス‧モラレス

Marcos González Morales

Media Responsable

上司の命令でメキシコへの出張を余儀なくされたカタルーニャの新聞記者マルティン・コルテスの身に起きた大きな変化を書いた小説。40歳目前、既婚で幼い子持ちのマルティンは幸せいっぱいとは言い難い心境だった。メキシコでは様々な状況によって自分がエルナン・コルテスの息子の生まれ変わりだと信じ始め、21世紀だというのに自らが征服者でありつつもアメリカに征服されたと感じる。現実とフィクションが混然とし、超自然的な色合いを帯びた冒険ものミステリー。内なる旅、致命的な危機、幸福の追求、偏見の克服、許し、情熱、より良き世界への渇望、ジャーナリズム、持続可能な開発のための2030アジェンダをテーマとし、裏切りの経験、抑制できない性欲、野心、フラストレーション、偽善なども盛り込まれている。

Xavier Aldekoa著『Hijos del Nilo』の表紙

ナイルの息子たち

Hijos del Nilo

シャビエル‧アルデコア

Xavier Aldekoa

GRUP 62, S.L.U.

ナイルはただの川ではない。このアフリカ最大の川は、何百もの民族の心であり、地球上最大の権力を誇った歴代ファラオたちの浮き沈みを見てきた目撃者である。ナイルという名前はピラミッドに隠された秘密を思い起こさせ、今日もなお生き残りをかけて戦う長い歴史に支えられた諸文明の誇りでもある。今日ナイルは、ウガンダの北の平和を表す一方、南スーダンでは戦争も起きている。エチオピアの谷では生、エジプトやスーダンの牢獄では死を意味する。独裁であり、不平等である一方、進歩であり、希望であり、自由への欲求である。そして革命の夢でもある。様々な傷跡を背負いつつもナイルは過去の、そして現在のアフリカや地中海の偉大な文化が混ざり合う揺り籠であり続ける。アルデコアはその人々や文化、伝統を発見するべく何か月もかけてナイルの源流から河口までを巡った。

色の糸

Hilo de colores

エレナ‧フェランディス

Elena Ferrándiz

Nórdica Libros

女の子はおばあさんから、思い出を知るための本をもらいました。彼女は、おばあさんの面倒を見ることと、美しい服を織るための糸となる色をおばあさんに見せる役割を引き受けていました。いま、その服にはどんどん穴が開いていきます。というのも、思い出が失われていくからです。だからこそ、孫娘はおばあさんの介護者になったのです……。これは悲しい物語ではなく、希望に満ちた物語です。

Ricardo Alcántara著『Hilos y tijeras』の表紙

糸とはさみ

Hilos y tijeras

リカルド‧アルカンタラ

Ricardo Alcántara

Feditrés empresa editorial S.L.

新しい家に住み始めてから、ロシオは不安でびくびくしている。この家は、大きすぎる! そこでいつもママに、ぺったりくっついている。まるで糸で縫いつけられたみたいに。仕立て屋ではないけれど器用なママは、そこでを思いついた……。ロシオに特別なワンピースを作ってあげよう。カラフルな糸のおかげで、一緒にいなくても、いつもママとつながっていることがわかる服を。小さな子どもが孤独の恐怖に立ち向かうのに役立つ、心あたたまる本。心の絆のほうが物理的絆よりも強いことを教えてくれる。

Mercè Mabres Boix著『Hiperactividades y déficit de atención. Comprendiendo el TDHA』の表紙

多動と注意欠陥。ADHDを理解する

Hiperactividades y déficit de atención. Comprendiendo el TDHA

マルセ‧マブラス=ボッシュ

Mercè Mabres Boix

Editorial Octaedro

ADHD(注意欠陥多動性障害)は現在、児童精神病理学において議論の的となっている症状のひとつ。 ADHDと診断される子どもは多いが、治療はほぼ薬物のみに限られており、そのため医療化と問題の慢性化につながる危険性が伴う。心理学的アプローチのない薬物療法では、症状は改善するかもしれないが、望ましい人格の成熟と進歩はもたらされない。 本書では、児童青少年の精神機能の複雑さ、思考、特に注意力、そして子どもの心の傷つきやすさと周囲の影響との相互関係に留意しつつ、この症状の原因、診断、治療について考察を試みる。

Ana Alonso著『Historia de Sara』の表紙

サラの物語

Historia de Sara

アナ‧アロンソ

Ana Alonso

Oxford University Press España

The year is 2055. Huge multinational companies dominate a globalised world and the symbols of a person's identity can be sold on the market through sophisticated advertising techniques. Education is not aimed at producing effective workers but rather perfect consumers. From a young age, boys and girls are bombarded with publicity adapted to their preferences, psychology and personal weaknesses. Dani and Sara, two teens who represent two of the major brands in the market try to regain their freedom and find their own path. To do this, however, they find themselves obliged to break the rules and challenge all those around them. This is a transmedia story that continues on the internet via the web and on real-life blogs which give this work an innovative digital dimension and broaden the reader's experience to beyond the bounds of the page.

Alan Pauls著『Historia del dinero』の表紙

お金の話

Historia del dinero

アラン・パウルス

Alan Pauls

Editorial Anagrama

70年代のアルゼンチン。労働組合は過激左翼によって牛耳られている。ひとりの製鉄所幹部を乗せたヘリコプターが川に墜落し、彼は死亡する。現金が詰まった彼のアタッシュケースが跡形もなく消える。彼の死と現金の行方に関する憶測が飛び交う。組合の代表と交渉? 彼らを買収? 大勢の死者を出すことにつながる不法な鎮圧のための資金? 物語は暗いエピソードを軸に展開し、そのドラマの核はコスタ・ガヴラス(映画監督)風に使われ、家族をめぐるこの小説においてお金の役割を見直すこととなる。語り手の父親はポーカーやカジノで金を「作り」、水を得た魚のように金融投機の世界を奔走する。彼の母親は相続したわずかな財産を贅沢な生活と別荘に浪費する。際限なく増える出費、それを支払うのは彼だ。

Historia social del flamenco著『Alfredo Grimaldos』の表紙

フラメンコの社会史

Historia social del flamenco

アルフレド‧グリマルドス

Alfredo Grimaldos

Península

口承芸術であるフラメンコは、長らく、基本的にはバハ・アンダルシアの大いなるジプシー一族の中で守られ、家庭や地域で世代から世代へと伝えられてきた。その歌詞は迫害や疎外の産物であり、そこには反抗心が沈殿している。30年代には、ファンダンゴはもっぱら、ハカの将校フェルミン・ガランや「共和国の小旗」に捧げられてきた。その一方で、フランコ政権末期と民主主義への移行期のあいだは、多くのフラメンコ・アーティストたちが政治がらみで社会的立場を手にした。夜あかしで成り金の男たちのために歌うといった、野外のきつい商売だったフラメンコは、タブラオや夏祭りで披露されるものとなり、ついには劇場で演じられるまでになった。

やあ、フレド!

¡Hola, Fredo!

エレナ‧オルミガ

Elena Hormiga

Apila Ediciones

¿Qué pasa si la basura que tiraste durante el día regresa y se queda en tu casa? Esto es lo que realmente le pasó a Fredo. Un domingo, la basura que tiró en la estación de recolección de basura volvió a la mañana siguiente y, para colmo, comenzó a hablar con Fredo. Al día siguiente había una bolsa de basura más, y al día siguiente había una más, y al día siguiente... Fredo notó que incluso si intentaba tirarlo, seguía regresando. La solución no es tirar la basura, sino reciclarla y darle una segunda vida. Una historia humorística sobre nuestra responsabilidad hacia nuestras posesiones. Viene con un cartel divertido y colorido que explica el reciclaje para los niños pequeños.

Álvaro del Olmo著『Hombre sobre una escultura』の表紙

彫刻の上の男

Hombre sobre una escultura

アルバロ‧デルオルモ

Álvaro del Olmo

Rayo Verde Editorial

主人公であり、語り手でもあるエルクレス・デガルは、アートで社会を変えようという風変わりな試みに着手する。本書は、彼と行動を共にした友人たち(写真家、女優、カジノのクルピエ)の人生の物語である。エルクレスの夢と不眠が、巧みな横領工作と絡み合うが、この工作は、主人公にとって昔の女神、いくつもの謎を抱えた女性の突然の出現で危うくなる。作者アルバロ・オルモが輝かしい初めての小説で読者に挑む。挑発的で、野心と好奇心にあふれた作品。大胆で個性的な文体で読者を驚かす、時間も場所も定めず語られる、忘れがたい傑作。

魔性の男:文学‧映画における男性の願望の変化

Hombres fatales Metamorfosis del des eo masculino en la literatura y el cine

エリセンダ‧フリベルト

Elisenda Julibert

Acantilado (Quaderns Crema S.A)

文学や映画はこれまで数多くの架空の登場人物を生み出してきた。中でも「魔性の女」タイプの人物は、トロヤ戦争の原因を作ったとされる移り気なヘレネや全人類に罰をもたらした軽率なイブなど、古くはギリシャ神話や聖書にも登場するほど長い歴史があるが、この200年で特に登場頻度が高く変遷も激しい。魔性の女というステレオタイプは、ある女性たちの不吉な性格を証明するというより、男性の願望を際立って不吉な形で表しているとしたら?――文学の世界からはカルメンやロリータ、映画の世界からは『めまい』のマデリンや『欲望のあいまいな対象』のコンチータといった女性たちを分析しながら、恐ろしい「魔性の女」の神話を、著者は新たな視点から検証する。そして、これらの架空の女たちの裏にある男たちの痕跡を、まるで陰謀の筋立てを追うように読ませてくれる。

Xavier Bosch著『Homes d'honor』の表紙

誇り高き男たち

Homes d'honor

シャビエル‧ボッシュ

Xavier Bosch

GRUP 62, S.L.U.

ダニ・サンタナについて、何か知っているだろうか? 彼は日刊紙「クロニカ」の元部長で、現在テレビの調査インタビュー番組を作っている。一連の問題からようやくのがれたと思うと、また新たな問題がもちあがる。気性のはげしいシシリア女性、トゥッザ・テレーザが、彼の番組に登場しマフィアの秘密をあばいたことから、彼の人生は変わる。バルセロナのリセウ劇場の火災の、とある目撃者が、公式発表されているバージョンとはまったく異なる、ひどく気がかりな告白をする。一方、カタルーニャの文句なしの英雄、バルセロナ市長の父親は、自分の亡命時代のことについてすべてを語ろうとしなかった。

María Martinón-Torres著『Homo imperfectus』の表紙

人類、この不完全な生き物―人類が進化しても病気になる理由

Homo imperfectus

マリア‧マルティノン=トレス

María Martinón-Torres

Editorial Planeta, S.A.U.

マリア・マルティノン=トレスは、本書を通じ読者を生物学の漆黒の闇の片隅にまで誘い込み、われわれが不完全であるというレッテルを貼ってしまったことで、ホモ・サピエンスの優れた適応力の重要な側面が隠されてきたことを明らかにする。進化論に照らし合わせると、ガン、感染症、免疫系障害、不安、心血管事故、神経変性疾患、老化、死に対する恐怖といった人間の大きな病は、変化する世の中で生き残ろうとする人類という種の闘いの変遷を物語るものだというのだ。病気やその傷跡は、ヒトが弱い存在であることを示しているどころか、人類の連帯と回復の歴史を読み解くためのいびつな線であるということを、読者は本書を通じて理解するだろう。

ウープス

Hoops

ヘニエ‧エスピノサ

Genie Espinosa

Penguin Random House

クボ、ゴール、ピッパの3人は、エナジードリンクをがぶ飲みし、マリファナを吸いまくるアウトローのティーンエージャーたちだ。1年ちょっと前にこの世の男たちは全員謎の失踪を遂げた。今は女だけの世界で、平和と正義が保たれ、経済は順調に推移し、貧困は完全に根絶されている。ある朝、3人は休み時間に教室を抜け出し、そのまま授業をサボることにした。こっそり何本目かのマリファナを吸っていた時、ピッパは誤ってイスからころげ落ちてしまう。ところが彼女が倒れたところは地面ではなかった。不思議の国のアリスがウサギの穴を通ってたどり着いたようなパラレルワールドに夢心地で降り立ったのだ。ピッパと一緒にゴールとクボも、出発地も目的地もはっきりしない幽体離脱の旅に出ることになるが、そこで彼女たちは奇妙な変身を遂げ・・・。

オルチェル

Horcher

エリサベス‧オルチェル

Elisabeth Horcher

Agencia Literaria Albardonedo

伝説的で高い評価を受ける世界有数のレストラン「オルチェル」の美食にまつわる記録。ひとつの民族の歴史は、彼らの料理の歴史でもある。ベルリンで誕生し、後にマドリードに移転、伝統と前衛のバランスを保ちつつ、120年近く厨房の火を絶やさずに来たこのレストランの沿革はそのことを如実に物語っている。20世紀および21世紀におけるヨーロッパ美食界の聖域と呼べるオルチェルのようなレストランはそれほど多くは存在しない。本書の各ページ、レシピ、写真は、オルチェル一族4代の系譜(一時期、かの伝説的レストラン、フランス・マキシムの支配人を輩出)と、戦争、危機、パンデミックなどさまざまな波乱の渦を乗り越えてきたレストランの姿を読者に映して見せる。それは美食の鮮やかな歴史でもあるのだ!

Varios autores著『Horripilantes』の表紙

ゾッとする話

Horripilantes

共著

Varios Autores

Tres patas y pico

様々な著者が執筆し、イラストを描いた、モンスターに関する16の短編集。ブレイクダンスが好きな骸骨、衣装を探しているミイラ、脳をなくしたゾンビなど、ゾッとするけど楽しく、奇怪なのに愛らしい16のキャラクターに出会える。また16の豆知識と、「読んだあとに」と題した16のアクティビティの提案も含まれている。恐ろしくも楽しい物語の本。

Melcior Comes著『Hotel Indira』の表紙

インディラホテル

Hotel Indira

メルシオル・コマス

Melcior Comes

Edicions 62, S.A.

ニコラウ・コマグラン・セルクは詩人ニック・セルクとして名を馳せている若者。文学の道を志すが挫折し、マジョルカに戻り、叔父を手伝ってインディラ・ホテルで働き始める。祖父の時代から一族が所有する少々さびれたホテルである。こうして一転、踏み込んだ新たな世界にあったのは、昔の亡霊たちと、恋と成功のライバルになる人物の家族の幻惑だった。本書はニックとナタリアの狂わんばかりの恋と発見の物語だ。2人の関係は、過去や秘密や不満、運命や嘘に彩られている。自分自身を受け入れることの難しさ、汚職や喪失の痛み、慰めの必要性、限界があることによって生じる悲劇についての小説である。

Javier Vásconez著『Hoteles del silencio』の表紙

沈黙のホテル

Hoteles del silencio

ハビエル‧バスコネス

Javier Vásconez

Editorial Pre-Textos

『沈黙のホテル』というこの暗示的なタイトルから、ハビエル・バスコネスは私たちを戦慄の極みに連れていく。真夜中にホテルの闇を切りさく子どもの泣き声よりも身に毛のよだつものがあるだろうか? しかし、この小説の一番の読みどころは、絶望する複数の人々の物語が織りこまれていることだろう。舞台は、子どもという最も弱く無防備な存在を被害者とする連続誘拐と殺人に震撼する都市。この街で登場人物たちは愛と自分自身を探し求める。解決することのできなかった辛い過去の物語を心にかかえた人物たちは、難破の連続の自分の人生をなんとか再建しようとする。

Endika Urtaran著『Huida al Tíbet』の表紙

チべットの逃亡

Huida al Tíbet

エンディカ‧ウルタラン

Endika Urtaran

Ediciones Desnivel, S. L.

2011年第13回デスニベル文学賞受賞作。ジョンはバスク人の料理人で短気な登山家でもある。家族に大問題が生じたあと逃げ出してチベットに行く。古地図好きなチベットの僧ドルジェは1717年にフランスのイエズス会士が作成した、奇妙な注釈つきの地図を見つける。カルロタはずっと人生から逃げてきた、キューバ生まれのはちゃめちゃな地図作成者。サムはいつもギリギリのところで生きようとする米国生まれの登山家でガイド。本書はこうした人々の物語である。それぞれ人生から逃がれてやってきたヒマラヤのど真ん中で、不運な冒険に巻き込まれる。冒険と山、ミステリーと迷信、愛や友情を描いた本物の小説。山と仏教の伝統によって、主人公たちは苦境に追い込まれる。

ウル、土と水

Hur, Lur eta Ur

アンチョン‧カサボン

Antton Kazabon

Editorial Ibaizabal

バサヤウンは森や山の手入れの仕方、自然が病気になったときに治す方法をよく知っている。今回は小さなウルがバサヤウンを手伝って、乾燥した山がまた木でおおわれるように、乾いた土の中の水を探すことになった。うまくいくかな? 神話と自然の力が結びついた物語。

Zuriñe Aguirre著『Im-perfecte』の表紙

不‧完全

Im-perfecte

スリニェ‧アギレ

Zuriñe Aguirre

Edicions Bromera S.L.U.

殴り書きという意味の名を持つガラバトは、鉛筆の先っちょに住んでいる。すごく臆病で、隠れ場所から出たがらないのは、自分に欠点があると感じてるからだ。だって一日中、素晴らしい形が描かれていくのを見てるんだもの。でもある日、鉛筆のおかげでガラバトは気づいた。円や四角みたいに完ぺきじゃなくても、独特な存在にはなれる。だって不・完全であることは、なりたい自分を見つけるチャンスということだから。私たちはみんな違っているから、みんな不完全なんだということを教えてくれる寓話。

想像して作ろう――楽しむための本

Imagina y crea: Un libro para disfrutar

ペリーネ‧オノール

Perrine Honoré

Coco Books

内に秘めた創造力を解き放て! 最新の夢を絵に描こう。求める色が見つかるまで色で遊ぼう。草の上に寝っ転がって一番おかしな形の雲を描こう。横糸を組み合わせてワニやカメやシマウマの皮の模様を描こう。おもしろい髪形を発明しよう。板チョコで実験したり絵を描いたりしよう。デイヴィッド・ホックニー風のプールを描こう。建築家リカルド・ボフィルの建築物「赤い城壁」の影に色を塗り、アーバンアーティスト気取りで壁画を描こう……などなど、この本にはまだまだたくさん楽しいことが載っている。

Violeta Monreal Díaz著『Imperfectas』の表紙

不完全な女たち

Imperfectas

ビオレタ‧モンレアル‧ディアス

Violeta Monreal Díaz

San Pablo Comunicación SSP

ビオレタ・モンレアルが、完全に不完全な50人の女性を描く。妄想的で、革命的で、夢想家で、革新的で、ユニークな、世界を変えた女性たち。マリ・キュリー、ヘディ・ラマ―、ヘレン・ケラー、マリア・モンテッソーリ、クララ・カンポアモール、ガブリエラ・ミストラル、ルイーズ・ブルジョワ、マリア・モリネール、インディラ・ガンジー、アビラのテレサ、アメリア・イアハート、ジェーン・グドール等々、歴史の中で重要な発見を行ったり、他の人びとをインスパイアしたり、世界の進歩につながるアクションを起こしたり、現実を変えたり、世界を率いたり、危険を冒して夢を実現するために尽力した女性たち。紹介されるのは50人だが、その数はもっと多かったはずだ。

Ledicia Costas著『Infamia』の表紙

汚名

Infamia

レディシア‧コスタ

Ledicia Costas

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

エンマ・クルスは弁護士で、刑法の教授。大学で講義をするために、ガリシアの小さな町メルロに引っ越す。そこに不幸な過去があったことなどまるで知らずに。彼女が村に着いた日は、ちょうどジロー姉妹が大地に飲み込まれたように忽然と失踪してから25年目の日だった。そうして、エンマは、メルロの住民が秘密を抱え、口を固く閉ざしていることがあることを知る。ジロー姉妹に何が起こったのか? 死んでしまったのか? そしてもしそうなら、その責任は誰にあるのか? なぜ彼女たちの遺体は見つからなかったのか? 『Infamia(汚名)』は、見かけ通りのものは何もない心理スリラー。スリル満点のリズムを持った小説で、読者を魅了し、人間性の極限に導く。愛、憎しみ、狂気の物語。

María Martínez Sagrera著『Infancias rotas』の表紙

壊れた子供時代

Infancias rotas

マリア‧マルティネス=サグレラ

María Martínez Sagrera

Grupo de Comunicación Loyola, S.L.U.

魅力的で成功したジャーナリストだが、自分の環境になじめないでいるアンヘラ、 両親をひどく怒らせている反抗的なティーンエイジャー、エバ、 待ち望んだ娘が生まれた後、幸せな結婚生活がぎくしゃくしてしまった若い夫婦。これらの登場人物の人生が、同じ不幸な運命の下で絡み合う。 彼らの人生の隠された面に想像をはるかに超えた共通点があるのだが、その隠しているものとは何だ?

Soledad Romero著『Infinito』の表紙

無限

Infinito

ソレダード‧ロメロ

Soledad Romero

Zahorí Books

この世のすべてのものは、終わりにたどりついたとき、新たに始まる。完全になくなるものは何ひとつなく、すべては何度となく、形を変える。冬が終われば、春が訪れる。夜の後には、新しい朝が来て、地面に実が落ちれば、芽が出て、木になる。それは、すばらしい宇宙の循環だ。いくつかのそういった循環を、本書はとりあげる。無限に続く、とてつもない旅へようこそ!

Daniel Granado Pulido著『Inglés profesional para servicios de restauración』の表紙

レストランサービスのための専門英語

Inglés profesional para servicios de restauración

ダニエル‧グラナド=プリド

Daniel Granado Pulido

Ideaspropias Editorial

本書は、ホテル業界において、英語を話す顧客にプロとして優れた接客を行うため、基本的に必要な事項を解説。日常の場面で、書類やメッセージを理解、解釈、表現するのに必要な高いレベルの英語を身につけることを目指す。顧客の要望に対応するための会話表現と、会話や文章の大まかな意味の解釈法、レストランサービス特有の状況におけるプロとしての適切なコミュニケーションなど。また英語圏の主な国々で使われている度量衡制度、調理器具やテーブルウェア、飲料、食品に関するレストラン業界の専門用語についても書かれ、手引書としても使える。

Ralph del Valle著『Insularidad. El viaje interior de un corredor』の表紙

島国性:ランナーの内なる旅

Insularidad. El viaje interior de un corredor

ラルフ‧デルバリェ=ゴンサレス

Ralph del Valle González

Ediciones Desnivel, S. L.

「走る男は必ず逃げる男でもある。ランニングシューズや装備品、脈拍計に騙されてはいけない。仕事を終えて空っぽの家に帰り、壁に飲み込まれ、魂をつぶされるという事実から逃げているのだ」本書はこんな書き出しで始まる。そこから、逃亡と救いをめぐる内面の物語へと発展し、喪失と敗北がどうしたら道と希望に変わっていくのかが考察される。ヒトは旅する生き物であることを思い出させてくれる。旅するゆえに、難所で転び、過ちを犯し、反抗し、後悔し、学び、立ち上がる。

Jesús Carrasco Jaramillo著『Intemperie』の表紙

悪天候

Intemperie

ヘスース‧カラスコ‧ハラミージョ

Jesús Carrasco Jaramillo

Editorial Seix Barral

家から逃げてきたひとりの子供が、隠れ家の奥に潜んでいる。彼を探す男たちの叫び声が聞こえる。男たちが通り過ぎてしまうと、彼の前には干からびた大地が果てしなく広がっている。逃げてきた場所に戻りたくなければ、そこを超えて行くしかない。ある夜、ひとりのヤギ飼いと出会い、その時から、ふたりにとって全てが一変してしまう。Intemperie(悪天候)は、干ばつにみまわれ暴力に支配される国を通り抜けて逃げる、ひとりの少年の逃避行を語る。閉ざされた世界、名前もなく日付もない。その世界では、水が排水溝から流れ出て行ったみたいに、モラルも一緒に流失してしまっていた。そんな環境の中、まだ挫折せず一縷の望みを失わない少年は、苦しくてもまっとうな道を1からスタートするチャンスを得ることになる。あるいは対照的に、嫌というほど身に染みている暴力に走るのか。

Sole Otero著『Intensa』の表紙

激しい女

Intensa

ソーレ‧オテロ

Sole Otero

Astiberri Ediciones

銀河系の遥か彼方、退屈で孤独に飽きた宇宙人の女が地球に降り立つ決心をする。その目的は誘惑、肉欲、人間の愛の喜びを味わうことで、彼女の新たな使命、それは地球人の男とステディな関係になることだ。彼女をサポートする装置XOXOは、ガイド役として、彼女に人間の心と体の機能について説明するのが仕事。ところが、すぐに女は気が付く。全てが見た目ほど単純ではないこと、そしてカップルになるためには無限に暗号を解き規則を守る必要があるということに。どうして最初のデートのためにそこまで真剣に服を選ばねばならないの? お腹に溜まったガスがすべて台無しにするってどういうこと? SNSはどこまで信じていいの? 激しすぎるのは問題なの? 人間同士の関係は不可解千万。アルゼンチン人の筆者は、カップルがうまくいくのに必要な複雑さを巡る楽しさとつらさを同時に描写してみせる。

現代アートと建築におけるスペインと日本の相互作用

Interacciones España-Japón en el arte y arquitectura contemporáneos

ブランカ‧ガルシア‧ベガ

Blanca García Vega

Editorial Tirant lo Blanch

本書は日本の文化に関心のある読者が喜ぶような、スペインと日本の芸術的な文化交流に関するエッセイをまとめたものである。2013年から2014年にかけて開催された日本スペイン交流400年周年、それに続く2018年の日本スペイン外交関係樹立150周年以来、スペインにとって日本という偉大な「他者」は、距離的に離れているにもかかわらず、自らの本質を映し出す合わせ鏡のような存在だと新たな関心が向けられるようになった。本書では、スペインと日本の批評家や芸術家の視座や作品を通して、長年培われてきた交流や影響が研究されている。そうした交流や影響によって、芸術家たちは、西洋で「ジャポニスム」という現象をもたらしたミステリアスな異国情緒という従来の日本観から脱却でき、自らを省み新たな戦略を企画できるようになった。

イントランセックステラー

Intransextellar

ヒミ‧マシアス

Jimi Macías

Bang ediciones

狩猟シーズンがまもなく終わろうとしているある日の夜明け前。飼い犬を連れて、ひとりの男が狩りに出かける。出発していくらもしないうちに、なぜか彼らの車は高速道路の真ん中で突然停車し、やがて近づいてきたまぶしい光線に車ごと吸い込まれてしまう。男についての消息がないまま1か月が過ぎ、男が戻ってくる。しかし、彼はすっかり変わっていた。世界の男たちを性転換するという使命を帯びたエイリアンたちが、彼の体と心を女性のものに変えてしまったのだ。

現代社会学入門

Introducción a la sociología actual

ホセ‧アントニオ‧ディアス=マルティネス

José Antonio Díaz Martínez

Editorial UNED

社会学の入門書。冒頭において、社会学の視点が一般常識とは異なる点を指摘し、社会科学の方法論を用いて、なぜ物事がそのようになるのかを説明している。つまり、社会学は社会の現実やある社会現象がどのようなものかを書き記すだけでなく、社会的な出来事や現象に対する説明を見出そうとするものなのだ。社会学はその始まり以来、社会の現実を客観的に研究し、社会生活の規則性や法則を発見するという科学的な意図を有してきた。今日の複雑な社会を特徴づける核心的な側面について研究した本書においても、そのようなアプローチが取られているが、同時に、教育的かつ総合的な観点から記されている。

Elvira Valgañón著『Invierno』の表紙

Invierno

エルビラ‧バルガニョン

Elvira Valgañón

Oh!Books Agencia Literaria

1809年冬の初め、ナポレオン軍の脱走兵でひどく負傷した男が山の中のとある小さな村にたどり着く。その村がこの小説の中心舞台となり、村の通りや草原で、命と秘密、情熱と希望が150年以上に渡って絡み合う。家、広場、森、空、洞窟……、生きていくという魔法以外何の変哲もない村、冬があまりに長く、空気は雪と霜の匂いがする。夢見る子どもたち、忘却を拒む老人たち、冬そのもののような日々を耐える男女たち。しかし、全てが見かけ通りではない。なぜなら著者エルビラ・バルガニョンは、落ち葉のようにまじりあう物語を集めたこの小説の中で、美しさと哀れみこそ、人生と文学を心地良くするための最高の源だということを垣間見せているのだ。

アテネのエイレーネー

Irene de Atenas

アルバロ‧ロサノ

Álvaro Lozano

EDHASA - Editora y Distribuidora Hispano Americana

若きエイレーネーは、アテネからコンスタンティノープルにやってきたとき、未来に何が待ち受けているかわからなかったが、やがて道は思わぬ方向に向かう。皇帝の妻であり母だった彼女は、衰退しながらもいまだ過去の栄光をとどめる東ローマ帝国の、紛れもない唯一の女帝となる。女性でありながら、少数の忠実な家臣とともにひとり厳格に、コンスタンティノープルから民と土地の運命を統べていく。そのためには、権力を狙って何度も繰り返される陰謀や裏切りに立ち向かい、敵だけでなく、時には迷わず我が子の血で手を汚さねばならなかった……。思索的な文体で、静かながらパワフルに読者をひきこむ。東ローマ帝国の最も有力な皇帝のひとりの一人称で語られる、ユルスナール『ハドリアヌス帝の回想』を思わせる物語。

Rafael Lindem著『Iron Shoes』の表紙

アイアンシューズ

Iron Shoes

ラファエル・リンデム

Rafael Lindem

Cartem Comics

戦争によって引き裂かれた世界で、わずか12歳の勇敢な少女ロニー・マテイは、大人の陰鬱な支配から逃れようと奮闘する。一方、新型ポリオで両足を失った勇気ある青年バルタザール・マストランドは、鉄の構造物に体を預けて移動する。彼らは共に、荒廃と絶望により壊滅的となった状況の中で、課せられた運命に立ち向かう。しかし、彼らの道には障害が立ちはだかる。失脚した軍事指導者で、かつての権力と新政府の擁護を取り戻すことをねらう恐ろしいマリオ・ジャマッティ将軍と対峙しなければならないからだ。逆境と危機に直面しながら、ロニーとバルタザールは、自分たちが生まれた世界の運命を変えるため、ドラマチックでスリリングな旅に出る。

Jordi Morell著『Islàndia, somnis de riolita』の表紙

アイスランド 流紋岩の夢

Islàndia, somnis de riolita

ジョルディ‧モレル

Jordi Morell

Rayo Verde Editorial

夢の国で交差する人生。忘れがたいアイスランド旅行。バルセロナ郊外のサバデイの町から一歩も出たことがなかった時計職人が、古い時計を修理するためアイスランドに行かなければならなくなる。好きな音楽を演奏するためにグループを探す北欧の青年。夢見てきた旅を実現した地質学者のカップル。アイスランドの海岸を巡るルート1よろしく、引退したカルト作家と彼にインタビューをしなければならない若きジャーナリスト。成功者らしき男。これらの人物たちの人生を結びつける小説である。彼らは、これが自分の望んだ人生なのか、人生を変えるための時間は残っているのかと振り返る。作家ハルドル・ラクスネスとフォルメンテラ島の登場も重要な意味を持つ。

ジャック‧ムリ.ットと七つの海

Jack Mullet de los siete mares

クリスティナ‧フェルナンデス=バイス

Cristina Fernández Valls

Fundación Santa María - Ediciones SM

ジョンとジェイムズはジャックの父さん。そして失踪中だ。でも彼女はすでに、ふたりを見つける計画を立てている。そのために友だち、つまり人魚のクラケン、ドルイド教の司祭を目指すエレチョ、カングレホ島の幽霊オリベルの助けを借りるつもり。こうしてわくわくする島の旅が始まった。雲を突っ切り、溶岩の砂漠を歩き、火山の噴火口によじ登り、ドラゴンの背に乗って飛ぶんだ。

Paloma Corral著『Jasón y los Argonautas』の表紙

イアソンとアルゴナウタイ

Jasón y los Argonautas

パロマ‧コラル

Paloma Corral

Editorial Milrazones

すべての神話がそうであるように、イアソンのこの神話も、私たちの人生や、前に進み続けることの必要性、不可能に見えても夢をかなえることについて語っている。イラストレーターであり作者であるパルマ・コラルとキケ・イバニェスは、神話に現代的な解釈を加えたこの絵本で、若い読者にぴったりと合ったすばらしいイメージを私たちに贈る。イアソンとアルゴナウタイ(訳注:アルゴー船の乗組員たち)は、金の羊毛を手にいれて家に戻るために、危険に満ちた長い航海をしなければならない。航海を最もおびやかすのは、巨大な戦士でも、身の毛のよだつハルピュイアたちでも、ほかの神話上の生き物でもない。最大の影は彼らの頭にある、やりとげられないのではないかという考えだ!

ジャニスジョプリン

Jenisjoplin

ウシュエ‧アルベルディ

Uxue Alberdi

Consonni Ediciones

ナゴーレ・バルガス、父の呼び方ならジャニスジョプリンは、1980年代にバスクの小さな工業の町で生まれた。28歳のとき、辛い状況をくぐりぬけて鍛えられた。今は挑戦や内なる衝動に突き動かされて、当局と熱く闘うことに慣れている。いつでもすぐに人を愛し、危険を呼びこみ、何にでも立ち向かっていく。ビルバオにやってきたとき、闘争の中にある町、かかわるべき革命、ひとりひとりが階級や祖国や性の名の下に怒りを燃やす状況と出会う。だが、やがてHIVに感染していることがわかる。自分は大丈夫だと思ってきたが、以後は、どこで闘いを始め、終わらせるかを決めるにも、自分自身だけでなく世界とやりくりし、自分のもろさから喜びを理解しなければならなくなる。

María Menéndez Ponte著『Jim el Pecas』の表紙

そばかすジム

Jim el Pecas

マリア‧メネンデス-ポンテ

María Menéndez Ponte

IMC Literary Agency, S.L.

アントニオは、アメリカ西部の本物のカウボーイになりたい8歳の少年。憧れのヒーロー、ジョン・ウェインがサンティアゴ・デ・コンポステラまで自分を迎えにきて、西部に連れていってくれるのを夢見ている。ある日、自分と同じくらいの年のカウボーイ、そばかすジムの写真を見つけたアントニオは、ジムになってしまおうと決心する。けれども、それは簡単なことではなく、夢をかなえるにはいつでも大きな代償が求められる……。子ども時代、家族、友だち、想像力、昔からの遊びなどへのオマージュ。小さなことを楽しみ、自分が持っているもので満足することを知ろうと、やさしく楽しく呼びかける。舞台は1950年代のガリシア地方の、まだ消費社会になっていない、現在とは対照的な世界。そんな世界を自分の幼いころのようだと感じるに違いない、親や祖父母も楽しめる。

Laia Longan著『Jo que vaig dormir amb lleons』の表紙

I Slept with Lions

Jo que vaig dormir amb lleons

ライア‧ロンガン

Laia Longan

Animallibres Editorial, S.L.

トムは児童養護施設に住んでいて、動物が大好き。だからサーカス団と暮らす女の子ラナと出会った日、逃げ出してふたつの夢をかなえるチャンスだと思った。夢とは、世界一魅力的な動物たちのすぐそばにいること、そしてまだ会ったことのない父さんを探しに行くこと。ある日、夢にも思わなかったことが起こる。ライオンたちといっしょに寝ることになったのだ。

Chusa Garcés著『Jodido Joyce』の表紙

くだらないジョイス

Jodido Joyce

チュサ‧ガルセス

Chusa Garcés

Aragón Tiene Talento, S.L.

いきなり成果を収めるのは簡単ではない。必ずしもいつも完璧な文章が丸々書ける訳でもない。ゼロは丸だし、ミートボールやジャガイモだって丸だ。物事は見かけによらない……それとも、見かけどおりか。この本は作家のための手引書。小説は現実の写しなのか? それとも現実は小説を超えるのか? オーケストラの指揮者は音の製作者、それとも単なるオブザーバー? 読者は単に読むだけか、はたまた本と影響し合うのか? 作家とは天性のものなのか、それとも成すものなのか?永遠の謎… 小説の書き方を知るには最適な本。作家の血をひく教育者が書いたとあれば尚更だ。本を読もう。青いキルトのガウンを着た隣人と文学病の男の中に答えを見出すことが出来るだろう。

Isabel-Clara Simó著『Jonàs』の表紙

ジョナス

Jonàs

イサベル=クララ‧シモー

Isabel-Clara Simó

Edicions 62, S.A.

ラテン文学研究者のアレックスは、学会に出席するためにニューヨークに飛ぶ。そこで有能でクリエイティブな写真家のジョナスと知り合い、自分が同性愛者であることに気づく。アレックスは教養があり神経症的で、ペダンティックで感受性が極めて強い。ジョナスは美形で、会う者みなが心を動かされる。ふたりの間に愛が芽生え、カップルとして生きることを決める。しかしほどなく、悲劇が彼らを襲う。母親の死でアレックスはバルセロナに戻ることになり、彼を理解しない冷淡な家族や社会に立ち向かうことになる。抑えた静かな筆致、対話と内省に満ちた文章で、イサベル=クララ・シモーは、自我の現代的危機、無邪気さの喪失、同性愛への気づきについて、リアリスティックで細やかな心理小説を書きあげた。

ジョルディ‧サバテル‧ピ:最後のナチュラリスト

Jordi Sabater Pi: lʼúltim naturalista

トニ‧ポウ

Toni Pou

Edicions de la Universitat de Barcelona

サバテル・ピの物語はまるで小説のようだ。しかし事実である。17歳でアフリカに渡り、30年後にバルセロナに戻ってきた彼は、学位すら有していなかったが、世界で最も有名な霊長類学者のひとりとなった。サバテルは、学問の世界を超え、学界に普及していた人類の概念を書き替えてしまうほどの貢献をした。彼の経歴は、好奇心と粘り強さ、そして自然に対する敬意に満ちている。また、自らをフンボルトやダーウィンの後継者であると公言していたが、彼らと同じような科学的探求へのロマンに満ちていた。サバテルのアフリカ時代の手紙をもとに、彼の人生が初めて物語として描かれた本書では、スペインで最も偉大とされる科学者のひとりであるサバテルの活気に満ちた知的冒険が、躍動感あふれる文章で正確かつ興味深く描かれている。

Josep Lluis Badal著『Juan Plata. El misterio de los piratas』の表紙

フアン‧プラタ――海賊たちの謎

Juan Plata. El misterio de los piratas

ジュゼップ‧リュイス‧バダル

Josep Lluis Badal

La Galera Editorial

お父さんが世界の海をわたる本物の海賊だったらいいな、とか、海の怪物や巨大ロボットとの戦いに連れて行ってもらえたらいいなと思ったことがあるなら、人魚や秘密の宝物や魔法のバイオリンがどこかにあると信じたいなら……それとも、よい文学にも激しいアクションやユーモアがあってもいいのにとだけでも思うなら、この本は君の愛読書になるだろう。

体育ゲームと応急手当

Juegos de educación física + primeros auxilios

Ediciones Daly

本書は、小学生児童の身体的・知的能力の向上を促す数多くの遊びを完全網羅したマニュアルで、教師や指導員、教育者を始めとする体育のプロフェッショナルや、家族のための基礎的ツールとして役立つ。体育ゲーム、創意工夫と機敏さが求められるゲーム、ウォーミングアップ用のゲームを収録しているほか、応急手当ガイドでは予防の重要性、緊急時や事故の際にとるべき行動、子供に対し自然かつ冷静に状況を説明する方法を解説。このユニークな書籍は、小学生の親や教師に対し、子どもの身体的・感情的・社会的な成長を総合的に促進する手段を提供すべく作られた。

Francisco Solano著『Jugaban con serpientes』の表紙

蛇と戯れていた

Jugaban con serpientes

フランシスコ‧ソラノ

Francisco Solano

Editorial Minúscula

不倫の恋人たちは、偽りの感情も本当の感情も、同じ確信をもってかわしあう。それが繰り広げられるのは、ほかに証人などいないふたりきりの場所だ。だが、もし偽りが真実で、本当は、夫に取って代わるのを恐れているのだとしたらどうなるだろう? この物語の語り手である無名の男は、この疑問を解き明かそうとして書いているのではない。「別の人間になりきり」、不貞を理解できたなら気がすむのだ。自分の中には、感情の絶頂と賞味期限があり、愛人の中には、既婚者であるのを嘆くだけの投げやりな感情があるのを認識している。しかし現実の夫婦生活の情熱が冷めつつあるなか、ひょっとすると禁断の愛は結婚生活を害するのではなく、夫婦の絆を強める働きをしているのではないか。本書は不倫への辛辣な解釈を提案する。

Berta Carmona著『Julia en la Isla de la Calma』の表紙

静けさの島のフリア

Julia en la Isla de la Calma

ベルタ‧カルモナ=フェルナンデス

Berta Carmona Fernández

Educación para el Optimismo, S.L.

フリアは生まれて初めてひどくがっかりすることがあり、母親にワーワーわめきちらす。ばつとして自分の部屋に行かされ、いらいらしながら悲しく腹を立てていると、突然すべてがぐるぐる回り始め、ぐらっときたと思うと、知らない所にいた。この静けさの島で、わくわくどきどきする冒険が始まる。怖い思いをしたり、のんびりしたり、木と友だちになったり、恐ろしい力と戦わなくてはならなくなったり……。気持ちをを静めて、自分の感情や否定的な考えをコントロールすることを子どもたちに教える、驚きに満ちた物語。できる限りポジティブで現実的に、ものごとと向き合う術を教えてくれる。

Javier Vidal著『Junto a los campos de trigo』の表紙

麦畑のそ で

Junto a los campos de trigo

ハビエル‧ビダル

Javier Vidal

Alcala Grupo Editorial y Distribuidor de Libros

「僕たちの中には光にしがみつく者がいる(中略)しかし、ひと思いに命を絶ちたがる者もいる。誰しもそんな地点にぶつかるだろう。暗闇の中、ひとりぼっちで、もう後戻りはできない」ハビエル・ビダル(1979年、セゴビア生まれ)の最初の小説は冒頭で、逆説的な意味での出発点に読者を立たせる。同時にそこで、本作品の主要テーマを垣間見せる。つまり、死、そして死と表裏一体になった人生の変転だ。最初の出来事は、主人公の内省の旅において起きる。主人公は、純粋に実存的問いかけに新たな視点から挑み、思索的志向と優れた語りのリズムで、人間にとって極めて重要な問題を的確にあぶりだしていく。

Joan Mas i Vives著『Kabul i Berlin a l'ultim segon』の表紙

最後の瞬間のカ@ールとベルリン

Kabul i Berlin a l'ultim segon

ジョアン‧マス=イ=ビベス

Joan Mas i Vives

Raval Ediciones S.L.U

マヨルカの同じ地区で一緒に育った3人の友人が、ジャーナリズム、スポーツ、軍隊と、個人的にも仕事の上でも非常に異なった道に進む。長い年月がたち、ジャーナリストになった男がスポーツ選手になった友だちのバスケットボール・クラブについての本を書こうと決めて、彼らの道が再び交差する。ベルリンの壁の崩壊とともに死ぬ古い20世紀、そしてアフガニスタン戦争とともに生まれた新しい21世紀。世紀の変化を刻んだ紛争をバックに人間関係が絡み合う。

カイゼンと忍者学校

Kaizen y su escuela ninja

アントニオ‧ディアス‧ベルナル

Antonio Díaz Bernal

San Pablo Comunicación SSP

カイゼンは忍者の師範。独特の革新的な学校で若い読者たちに感情をコントロールすることを教え、彼らがどれだけ大切な存在なのかということや、暴力なしで身を守る方法や、共感図とは何から構成されるかを知る手助けをします。この本でカイゼンが生徒たちに課す忍者ミッションやその他のアクティビティを達成すれば、本当の忍者になることができるでしょう。カイゼンの忍者学校は、共感、自尊心、ポジティブな精神、社会技能といった、感情教育に不可欠な面に取り組むことを目的としています。

Juan Francisco Ferré著『Karnaval』の表紙

カーニバル

Karnaval

フアン‧フランシスコ‧フェレー

Juan Francisco Ferré

Editorial Anagrama

まずこの小説は実在の人物が出発点だ。世界で最も強大な権力を持った男のひとりで、ニューヨークの高級ホテルの1室においてホテル従業員の黒人移民女性を暴行したと訴えられて、慌てて帰国の便に乗り込んでいたところを逮捕され、世界中のニュースや討論や巷の噂をにぎわせた男だ。著者は、そこに端を発し、物語を再現するだけにとどまらず、想像力と叙述力の豊かな才能を発揮して、文学が持つ変化球でその物語に取り組む。表現方法も内容も圧倒的に過激な試みのなかで、この実在の人物がDK、偉大な神Kに変身する。そして、このKarnaval(カーニバル、cではなくkで綴る)は、カーニバルの仮面を通して、現代社会の行き過ぎ、罪、悪を読者に語りかける。

Carles Batlle著『Kárvadan. La leyenda del impostor』の表紙

カルバダン:なりすましの伝説

Kárvadan. La leyenda del impostor

カルラス‧バトレ=ジョルダ

Carles Batlle Jordà

La Galera Editorial

2011年夏、ポル・バルサックは、抗議デモ中の妨害行為により彼を逮捕しにきた警察からのがれようと、自宅のベランダからぶらさがって外に出る。しかし、不思議な物理現象が起き、ポルの身体は異次元へと運ばれる。城のある美しい街、現実のものとは思えない動物たち、密林のジャングルがある幻想的な世界だが、奇妙なことにポルは親しみをおぼえる。その世界で生きのびるためには、ポルは伝説の男カルバダンになりすまし、天災に脅かされている住人を救わなければならなかった。リア姫と出会い、彼女とともに使命に挑み、情熱的な愛が生まれる。ふたりは困難な試練を乗り越えながら、忠実さ、友情、勇気、そして情熱を発見していく。

Ana Belén Ramos著『Koko. Una fantasía ecológica』の表紙

ココ エコなファンタジー

Koko. Una fantasía ecológica

アナ‧ベレン‧ラモス

Ana Belén Ramos

Editorial Océano, S.L.

子どもと青少年に向けて環境保護のメッセージを伝えるファンタジー小説。著者が言うには、環境悪化は人々の生活様式の変化だけでなく、自然への無関心の結果引き起こされたものである。ココは自分は「だらしなくて忘れっぽくて、かなりぼんやりしている」と考えている未来世界の女の子。大規模な環境破壊により荒れ果てた、不毛の地に住んでいる。この悲劇は人類の愚かさゆえに起きた。ココにはサルに似たしっぽがあって、おかげで木にうまくよじ登れる。ホメロスのオデュッセウスのように、小さなココも危険に満ちた旅に出て、一風変わった人々と出会う。旅の途中で出会ったグランディアは、ひとつ目の恐ろしい女で、ココを食べようとする。一方、よい魔法使いのヨルグントは、夢と現実というふたつの世界に住んでいた。

Ángel Idígoras著『Kota y el niño』の表紙

コータと少年

Kota y el niño

アンヘル・イディゴラス

Ángel Idígoras

Maldragón Editorial

画家を夢見る少年が住むマラガの町に、日本人の芸術家がやってくるという実話に基づく物語。コータという名のその日本人は、少年の家からすぐのところで海に向かってイーゼルを立てる。少年は筆使いひとつ見逃すまいと決心する。しかし、コータが何を描こうとしているのか、少年には不思議でならない。4日間を共に過ごすうちに絆が生まれ、少年の心の中で何かが変わっていく。その出会いから50年後、互いに連絡を取ることのなかったふたりだが、魔法のような出来事が現実に起こる。

Josep María Esquirol著『L'escola de l`ànima』の表紙

魂の学校

L'escola de l`ànima

ジョセップ・マリア・エスキロル

Josep María Esquirol

Quaderns Crema

『L'escola de l`ànima(魂の学校)』は、単なる書物ではなく、教育の真の基盤から成熟し、実り豊かで精神的な生活の地平に至るまでの道のりを読者に歩ませる、驚くほど分類不能な招待状です。場所、教え、仲間、注意、世界、配慮、熟考、創造といった言葉が示す現実が、一歩一歩、それ自身の光で道を照らし、私たちに新しい意味を発見させます。一人ひとりの人間は根源として現れ、二人の人物の出会いは「魂が魂に触れる」ものとして示されます。混迷と失意の時代において、ジョセップ・マリア・エスキロルは、物事の本質を追求する中で、再び明るく希望に満ちた提案、すなわち「愛の哲学的秩序」という極めてユニークな企てを私たちに提示します。

Tomeu Simó Mesquida著『L'hort del padrí』の表紙

おじいちゃんの畑

L'hort del padrí

トメウ‧シモ‧メスキダ

Tomeu Simó Mesquida

Vasaris Balta

1日中テレビばかり見ているふたりの子どものお話。畑を作ることほど楽しいことはないとおじいちゃんに言われて、ふたりは畑づくりにとりかかる。土地やタネを用意して、畑仕事や自然のすばらしさを満喫。最後に、ふたりは感謝をこめて、おじいちゃんにサプライズ・プレゼントを用意する。

Almudena Sánchez著『La acústica de los iglús』の表紙

イグルーの音響

La acústica de los iglús

アルムデナ‧サンチェス

Almudena Sánchez

Casanovas & Lynch Literary Agency

音楽とウィットとリリシズムに導かれ、夢のような雰囲気をかもしだす10の短編。クラリッセ・リスペクトールの短編に似た感覚を読者に与える。アルムデナ・サンチェスの初めての短編集である本書には、数学と人生の音楽が残響を放つ。後ろの座席にふたりの息子を乗せて、ふらふらと脇道をドライブする母親、最後の夢をかなえようとロープウェーに乗ったふたりの老人、最後には宇宙飛行士となった失業中の勤勉な女子学生、けんかをし、楽器の弾き方をおぼえ、スイマーに恋をする大勢の若い娘たちなどが、この短編集の魅惑的で心あたたまるページを駆け抜ける。大人の青年期あるいは若々しい熟年というまぼろしがあるならば、アルムデナ・サンチェスの物語はすべてをかけてそのような夢想をよびおこそうとする。

Eudald Carbonell著『La aventura de la vida』の表紙

いのちの冒険

La aventura de la vida

アウダルド‧カルボネル

Eudald Carbonell

La Galera Editorial

アウダルド・カルボネルは科学者チャールズ・ダーウィンの船、ビーグル号に乗ってすばらしい旅をする。その航海でふたりは、人間が今のような姿になった理由や、ヒトという種の進化の過程に刻まれた危険やできごと、火の発明から遺伝子工学までを説明してくれる冒険を経験することになる。エピソード満載のわくわくする進化史散歩だ。

引き潮

La bajamar

アロア‧モレノ‧ドウラン

Aroa Moreno Durán

Penguin Random House

アディラネは、祖母ルットの内戦時の幼い頃の記憶を記録するというたよりない理由を言い訳にして、バスク北部の海辺の村にある実家に戻る。一言の説明もなしに、夫と5歳になる娘を残し、自分自身の過去から新たな出発点を見つけるつもりだった。故郷では、祖母と共に、何年も前から言葉を交わしていない母アドリアナが暮らしている。3つの違った歴史的、政治的背景のもと、常にはりつめた土地で人を育て世話していくのは何を意味するのか。世代の異なる母と娘が、潮の満ち干のリズムと力にのせて、それまで遠ざけてきた家族の秘密や緊張に揺れる一族の物語を紡ぎあげる。

Lisa Biggi著『La bañera』の表紙

リザ‧ビッジ

La bañera

リザ‧ビッジ

Lisa Biggi

Takatuka

毎日の日課であるおふろの時間は、想像を働かせると、まさに冒険にかわる。せっけん入れは空飛ぶ円盤を連想させ、スポンジは洗車場、シャンプーの泡は氷山のようだ。おふろよりわくわくするものはある? そう、ママが一緒におふろに入ること。だけど、それはママ? それとも無人島? バスルームのさまざまな物がインスピレーションのたねとなり、思いがけない冒険へと私たちを運ぶ。物を何かに見立てて遊ぶ母親と息子が、自由な空想をときはなつ。イラストは、水の深みへと私たちを導く。青と緑を基調にした色が、明るいバックとコントラストをなし、簡潔で詩的なテキストがまたとない冒険を描く。

アニエリェの船

La barca de Hanille

ア‧フィン‧クエントス

Emilia Arias Domínguez

A Fin de Cuentos Editorial

読者はふたつの旅に居合わせる。ひとつは大型船に乗った女の子の幸せな旅で、食べ物や飲み物が豊富にあり、夜はダンスを踊り、波の音が心地よい眠りを誘う。もうひとつは、アニエリェとその母親、他の乗客たちが薄っぺらな小舟で命がけで海を渡る、苦難に満ちた不確かな旅。ひとりは休暇のため、もうひとりは安全で平和に暮らせる場所を見つけるための旅だ。絵は前者のストーリーを語るが、本文は後者を語り、付録の虫メガネを使うと見つけられる隠し絵がある。ふたりの少女はやがて出会い、お互いを認識するようになる。

Fernando Flores Maio著『La Biblioreca de Borges』の表紙

ボルヘスの図書館

La Biblioteca de Borges

フェルナンド‧フローレス‧マイオ

Fernando Flores Maio

Denken Pro - ParipéBooks

ボルヘスの蔵書を収めた図書館は彼の名前を冠した財団内にあり、その書籍のほとんどが哲学や宗教といったテーマを扱ったものだ。それらを著した⼈々を通じて、この天才の⼈⽣哲学のカギとなるものが見える。それはすなわち、幸福だ。『アレフ』の作者は、我々に素晴らしい図書館を残した。本書ではそのうちの数冊しか⾒られないが、その幸福のカギを発⾒することはできるだろう。彼が読んだ哲学者や神秘論者の本のいくつかが、彼の作品に決定的な影響を与え、そしてその作品が我々によりよく生きる道を教えてくれるのだ。本書に掲載された書籍は、財団が保管しているうちの5%にも満たない。しかしそこで私たちは幸福へと導いてくれる思考と出会うことができる。そして、18世紀から20世紀の書籍をじっくり⾒ることもできる。

Antonio G. Iturbe著『La bibliotecaria de Auschwitz』の表紙

アウシュビッツの図書館員

La bibliotecaria de Auschwitz

アントニオ‧G. イトゥルベ

Antonio G. Iturbe

Editorial Planeta, S.A.U.

全てを飲み込んでしまうアウシュビッツの黒いぬかるみの上に、フレディ・ヒルシュは密かに学校を建てた。本が禁止されている場所で、若い娘ディタは服の下に、史上最も小さく、人目につかない、秘密の公共図書館のもろい本を何冊か隠している。恐怖の真っただ中にあって、ディタは私たちに勇気についての素晴らしい教訓を与えてくれる。恐ろしいナチスの絶滅収容所の中でさえ、彼女は屈しないし、生きる意欲、読書の意欲を決して失わない。なぜなら「本を開けることは汽車に乗ってバケーションに出かけるようなもの」だから。実話にもとづいた感動的な小説であり、文化的ヒロイズムの最も感動的な物語のひとつを忘却の中から救い出した作品。

Mónica Rodríguez著『La bicicleta de Selva』の表紙

セルバの自転車

La bicicleta de Selva

モニカ‧ロドリゲス

Mónica Rodríguez

Anaya Infantil y Juvenil (Grupo ANAYA)

セルバはみなと違う女の子だ。肌が青くて、砂しかない国から来た。錆びて、ベルのついていない自転車を持っているが、そのサドルにはすばらしい物語が隠されている。 何年もたってから、主人公は、セルバとの友情がどんなふうに芽生えたか、自転車の物語や、ともに体験した大冒険を思い出し、砂漠を探しにいこうと決心する。遠い夏の太陽とともに心の中にしまいこまれた、決して忘れることのない美しい思い出。

Sergi Pàmies著『La bicicleta estática』の表紙

フィットネスバイク

La bicicleta estática

セルジ‧パミエス

Sergi Pàmies

Quaderns Crema

熟年期における挫折、それが、20作の短編をおさめたセルジ・パミエスのこの新しい作品集の中心テーマ。個人及び集団をみまう不運、不運を乗り越えて生き延びる能力、不運によってひきおこされるあらゆる感情が、オブセッシブなスタイルで描かれる。このスタイルこそ、何千もの読者をひきつけてやまない、最近のパミエスの著作の特徴である。パミエス初の自伝的題材に基づく作品であり、ばかばかしくかつヒロイックな決意で必死にペダルを踏むが、いっこうに前に進まない登場人物たちを通して、生きることの困難さを浮き彫りにする。

ゴルフボール

La bola de golf

ダビッド‧フェルナンデス‧シフレス

David Fernández Sifres

Editorial Luis Vives (Edelvives)

ゴルフが大好きなドン・ヤタが丘の上でプレーしていると……ボールが逃げて飛んでいってしまう。ボールを追いかけていると、ウサギのしっぽ、マッシュルーム、牡蠣の真珠など、ボールに似たいろいろなものと間違ってしまう。折りたたまれたページを開いて、おかしな取り違いの中からボールを見つけられるように手助けしてあげよう。小さな読者たちは折込みのページを開いて、次から次へと驚きの発見をしながら、おもしろい間違い探しのゲームを楽しめる。一緒にボールを探すことで、子どもたちが細部に気づく仕掛けだ。サイのドン・ヤタがこの子ども向けの楽しいシリーズの主人公。それぞれの本で、たくさんの友達を持ち、ライオンのことがちょっと怖い、彼の愛らしい日常を扱っている。

Enric Lluch Girbés著『La Bruja Maruja』の表紙

魔女のマルハ

La Bruja Maruja

エンリック‧リュック

Enric Lluch Girbés

Feditrés empresa editorial S.L.

魔女のマルハはやっかいな問題を起こしてばかり。一番最近のは、ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家。別の場所への移動願いを出したけれど、お話をめちゃくちゃにしてしまったのをえらい魔女のマンドーナが知ったらどうなるか……。本書は9歳以上まで読者対象を広げている、大ヒットシリーズEl Baúl de los Monstruos(怪物たちのトランク)の1冊。イラストがたっぷり入ったオールカラーの絵本で、型やぶりの魔女が子どもたちを笑わせてくれる。

Ignacio Martínez de Pisón著『La buena reputación』の表紙

名声

La buena reputación

イグナシオ‧マルティネス‧デ‧ピソン

Ignacio Martínez de Pisón

MB Agencia Literaria

1950年代のメリリャ。モロッコ独立の前にスペイン人は故国に戻らなければならない。北アフリカのヘブライ人たちは最近創られたイスラエルに定住して、出エジプト以来の大移動に終止符を打とうとしている。このような不確実な状況下、ある中年夫婦が自分たちとふたりの娘の将来を案じている。夫のサムエルは15世紀末にイベリア半島を追われたユダヤ人の末裔。妻のメルセデスはカトリック教徒。1980年代まで続くこの物語で作者は、家族の葛藤、秘密の価値、過去の存続に分け入る。本書『名声』は、相続についての作品である。まずは厳密な意味での相続だ。というのも登場人物たちの人生は、ある遺書で決まってくるからだ。しかしまた広い意味での相続でもある。彼ら全員の運命は、彼らに先立つ弁証法に記されており、妥協点を見つけるのは容易ではない。

La caja

リエバナ‧ゴニ‧ヤルノス

Liébana Goñi Yárnoz

Tormenta Agencia Literaria

君もこの箱の中に、何が入っているか知りたいかい? 何が入っているのか、ミカとサルパスと一緒に探ろう。驚くこと請け合いだ。これは好奇心、想像力、遊びに関する物語。巻末のQRコードから、家族や教育者への教育の提案が見られる。

Rodrigo Palacios著『La cámara del oro』の表紙

ゴールドの貯蔵庫

La cámara del oro

ロドリゴ‧パラシオス

Rodrigo Palacios

EDHASA - Editora y Distribuidora Hispano Americana

地下35メートルの深さに、マドリードで最も厳重に隠されてきた秘密がある。90トンのゴールドとその他計り知れない価値がある財宝。それは、特別なセキュリティー(装甲板の扉、堀、破ることのできないセキュリティ・システム…)で守られている。そこに入ろうと試みたものは誰もいない。いくつもの前代未聞の信じがたい盗みの容疑者で、イタリアで引退中の「ラ・ガタ(雌猫)」でさえも、それをしようなどとは考えなかった。しかし、状況が変わった。ラ・ガタの昔の仲間のひとりが暗殺され、残りの泥棒仲間が危険にさらされるかもしれないのだ。すべてが、やり残した仕事と裏切りに関係しているようだ。ラ・ガタはチーム全員を召集し、過去の影と対峙せざるを得なくなる。しかし、そのためにはある老人が必要だ。誰とも組まず、70年間復讐を企んでいる男…ふたつの物語が同時並行で進んでいき、現代で同じ結末を迎える。

Erika Lust著『La canción de Nora』の表紙

ノラの歌

La canción de Nora

エリカ‧ルスト

Erika Lust

Editorial Espasa

ノラは24歳をほんの少しすぎたところ。とても勇敢で、ユーモアのセンスが抜群で、なにより人生を思い切り謳歌したいという果てしない欲求を持った女性。モダンな街バルセロナで映画を学ぶ学生のノラは、全く違ったタイプのふたりの男性にアタックされることになる。育ちがよく将来有望なシャビエルと、謎めいたセクシーなマティアス。

保守反動

La carcunda

ヘスス‧ティスカル‧ハンドラ

Jesús Tíscar Jandra

Marli Brosgen Editorial

「怒れる者たち」は、彼らを代表しない政治家たちに抗議するため、座りこみやスローガンや集会を計画している。フランコ時代の終わりに逮捕者を拷問した経験を持つアル中の元警察官は、首都マドリードのバルでピストルを持ち歩く。魂の欠如に傷ついた、元オプス・デイ信者の美しい若者は、十字架を買うために通行人に金をせびったことがもとで、地元のファシズムの根絶をもくろむ極左のテロリスト集団に加わることになる。このような状況で展開する、異質な散文で書かれ、礼儀正しさとは無縁のこの小説は、20世紀半ばの粗野なスペインで荒くれどもとともに始まり、民衆がうんざりした声をあげ、気のすむまで叫んだ、その遠い時代でしめくくられる。

Rosa Montero著『La carne』の表紙

肉体

La carne

ロサ‧モンテロ

Rosa Montero

Agencia Literaria Carmen Balcells

独身で子供もいないソレダは60歳を迎えた。多くの人にはごく普通の生活と思えるものが彼女にとっては異常の兆候に思え、昼夜苦しんでいる。ある晩、オペラを観に行くために32歳になるジゴロのアダムを雇い、同伴者として連れて行く。昔の恋人の嫉妬心を煽る魂胆だ。しかし突然予期せぬ出来事が起こり、困難な状況に陥る。これをきっかけに穏やかならぬ、ともすれば危険とさえ言える熱烈な関係が始まった。男は暗い過去を引きずり、女は狂気と加齢によるシミに取りつかれて、これがその身を燃やし尽くす最後のチャンスだと必死になっている。ソレダの人生の物語が、国立図書館が企画している展示会に名を連ねる呪われた作家たちの物語と見事なまでに絡み合う。

Daniel Torres著『La  casa. Crónica de una conquista』の表紙

家。ある征服の年代記

La casa. Crónica de una conquista

ダニエル‧トーレス

Daniel Torres

Norma Editorial, S.A.

本書La Casa(家)は、歴史書や建築学の専⾨書ではない。かといって、⼈類学についてのエッセイでもなければインテリアに関するマニュアルでもない。本書には、⼈類の始まりから今の私たちに⾄るまでの歴史が集められている。これらの歴史の主⼈公となるのは家庭であり、何世紀にもわたって家庭を構成してきたすべてのものだ。著者のダニエル・トーレスは徹底的な考証を⾏い、シークエンシャル・アートによって⽣み出されるスピード感のあるストーリー展開を活かしながら、⼈類の歴史全体および⼈類とその住処との関係を探っていく。中世、バロック時代、産業⾰命の都市計画、1968年に学生運動家たちが夢見たユートピア、または20世紀の近代的な超⾼層ビルなど、新⽯器時代から21世紀までを通して⾒ていく。本書には、私たちの⼈⽣がどのようなものかが描かれている。すなわち、⼈⽣は⼤きな劇場であり、読者である私達もまたその劇場から恩恵を受ける観客なのである。

Vendi Vernic著『La casa de fieras』の表紙

動物園

La casa de fieras

ヴェンディ・ヴェルニッチ

Vendi Vernic

Fundación Santa María - Ediciones SM

『La casa de fieras(動物園)』は、クロアチア最高の児童文学作家イワナ・ブルリッチ=マジュラニッチ(1874-1939)原作の童話。5人の兄弟(ふたりの男の子と3人の女の子)がある日、ペットたちと動物園をつくることにした。兄弟たちの考えは、ペットたちをエキゾチックな動物に変装させることだったのだが、ことは思うようには運ばず…。

Francesc Serés著『La casa de foc』の表紙

火の家

La casa de foc

フランセスク‧セレス

Francesc Serés

Raval Ediciones S.L.U

ある冬の夜ひとりの男がサンタ・パウのサリェンにやって来た。間もなくマルという13歳の女の子の教師を頼まれる。このセル谷の生活は娘の家族を中心に回っていた。「この娘は消えてしまうだろう」。地下の水脈を探す天賦の才を持ち、無言で命令を下す娘の祖父の口癖だった。消えるとは?その意味を知るにはこの谷間の村の家々を結ぶ道を歩き回り、住民の暮らしを見ていくしかない。すでに多くの人が村から逃げて行き、残ったのは出るに出られなかった者だけになっていた。よそ者である男は占い師さながらに水脈の中に埋められた過去を掘り起こし、村とそこに住む人々、時代と国、伝説、そして自身についての心象を描いていく。

Claudia Leal著『La casa del árbol』の表紙

ツリーハ1ス

La casa del árbol

クラウディア‧レアル

Claudia Leal

Asturlibros Noroeste

9月のしずかでたいくつな朝、一連の出来事が起こりはじめ、まったく思いがけない結末を迎える。大きな木の枝の間に何が隠れているか、お話を通じて見つけよう。

Blanca Busquets著『La casa del silenci』の表紙

沈黙の家

La casa del silenci

ブランカ‧ブスケッツ

Blanca Busquets

Pontas Literary & Film Agency

La casa del silenci(沈黙の家)は女性、クラシック音楽、バイオリンをめぐる小説。ベルリンでのあるコンサート中に物語は展開する。コンサートが今しも始まろうとしている。はりつめた空気。観客の中にいる老女の存在にオーケストラのメンバー何人かが落ち着かなくなる。彼女は何者か? 彼女との関係は何か? たくさんの物語がひとつになった小説。持ち主の手を離れ人手に渡った1台のバイオリン。亡命生活を余儀なくされたオーケストラ指揮者。家族を引き裂いた戦争。金持ちの男と女中の間の情熱的な恋愛関係。20世紀、スペインとドイツを舞台に展開する家族の物語で、音楽が常に物語を彩る。いろんな角度からの視点と様々な声で語られ、著者の文体は温かみがあり、読者に寄り添い、直接的で、繊細さに満ちている。

Corina Oproae著『La casa limón』の表紙

レモンハウス

La casa limón

コリナ・オプロアエ

Corina Oproae

Tusquets Editores

『La casa limón(レモンハウス)』は、寓話に近い示唆的なトーンで、ルーマニアにおけるチャウシェスク政権の崩壊の年月を少女の無垢な目を通して描く。共産主義の終焉を生きる少女は、家族が直面する個人的な災難とトランシルヴァニア出身の祖父母が持つ古くからの伝統の間で、周囲で何が起こっているのかを理解しようとする。ダイニングテーブルの下に身を隠し、本の城に囲まれて、少女は、自分が期せずして父親の奇妙な病気を引き起こしてしまったのではないかと心配する。規制と悪名高いセクリターテへの密告が続く中、彼らは独裁政権の終焉が近づいていることを知らない。正確で、生々しいが夢のような筆致で描かれた、リリカルで感動的な小説。少女の声と全体主義の影が私たちに問いかける普遍的な物語。

Margarita Torres著『La cátedra de la calavera』の表紙

どくろの教室

La cátedra de la calavera

マルガリータ‧トレス

Margarita Torres

Ediciones Temas de Hoy

本書はサラマンカ大学という組織の初期の歩みを描いたものである。サラマンカ大学の創設は12世紀だが、カトリック女王イサベルが同大学をソルボンヌ大学スペイン版に育てようと決心して世界的に有名になった。本書は見事な散文によって、魅惑的で激しい世紀に我々をいざなう。人文主義がイタリアでおこり、ヨーロッパに広がった後スペインにも到来した時代である。イベリア半島では、すでに確立している宗教秩序を維持せんと人文主義に対抗し異端審問所が立ちはだかる。このふたつの対照的な流れの真っ只中、大学は活気にあふれ実り多い知的時代を迎えていた。 これは読者に息もつかせない歴史スリラーである。スペインの最も重要な教育機関のひとつであるサラマンカ大学に敬意を表し、スペイン史上初めて大学教授になった女性、ルイサ・デメドラノの栄誉を取り戻す書でもある。

Miguel Luis Sancho著『El extraño caso de la chica perfecta』の表紙

完璧な少女の奇妙な事件

El extraño caso de la chica perfecta

ミゲル‧ルイス‧サンチョ

Miguel Luis Sancho

Ediciones Palabra

校内のトイレでガラスの割れる音がした。カルロスは激しい音にハッとして、すぐさま駆けつけた。すると、学校一完璧な女の子、エステル・サンチェスが床に倒れ、頭にひどいけがをしていた。カルロスは、彼女のそばで思いもよらない奇妙な物体を見つけ、すぐポケットにしまい込んだ。その瞬間から、カルロスは不思議な冒険に巻きこまれ、何もかもが見た目とは違ってくる。ファンタジーと青春恋愛ストーリーの要素のもりこまれたミステリー仕立ての小説。現代社会における科学の限界について考えさせてくれる。

Victoria Álvarez著『La ciudad de las sombras』の表紙

闇の都市

La ciudad de las sombras

ビクトリア‧アルバレス

Victoria Álvarez

Nocturna Ediciones, S.L.

時は1923年。17歳のエレーナ・レノックスにはひとつの願いがあった。それはロンドンの退屈な日常を、遠い土地での冒険と発見の生活に取って替えるということだ。だから両親が消息不明の考古学者たちを調査するためにインドに行くことになったとき、彼女はついていくことを決心する…両親が出発して数日後、こっそりと。幻影の街バンガルにまつわる伝説はたくさんあるが、エレーナは一度たりとも迷信を信じることはなかった。しかし英国人を憎む王子、アルシャド・デ・ジャイプールは彼女は間違っているという。バンガルは呪われており、日が沈んで王宮が暗闇に染まったとき、その壁の中にいる者はみな跡形もなく消えてしまうのだ。1920年代のインドを巡りながら、エレーナはある調査に巻き込まれることになる。その調査では、誰も闇の都市から戻ってくることはないという確信だけが絶えず顔をのぞかせるのだった。

いちばんすきな街

La ciudad que más quiero

ライア・ベルロソ

Laia Berloso

La Galera Editorial

都市を持続可能でゆとりのある生活ができる場所にしよう。実家の農場で暮らすリアは、毎晩のように満天の星空を眺めて幸せな時間を過ごしている。家族と一緒におじとおばの家に遊びに行こうと言われたリアは、都会の街を見て回るという期待に胸を躍らせる。しかし、街は誰もが急いでいて、騒音が絶えず、夜には星のひとつも見えない場所だなんて、彼女は思ってもみなかった。リアは従兄弟のパブロと一緒に、持続可能でクリーンで、環境にやさしい街を実現するために独自の活動を始める。

Gemma Turmo著『La clase de los pequeños artistas』の表紙

小さな芸術家た の+Jス

La clase de los pequeños artistas

ヘマ‧トゥルモ

Gemma Turmo

La Pulga con Gafas

クララは時々衝動的な行動をとり、それがネガティブな結果を招くことがある。妖精チックはいつもそばにいて、クララが間違いを見定めて、よく考えるのを手伝ってくれる。つまり将来同じような状況に陥らないよう考えさせてくれる。この物語のテーマは、自尊心と尊重と衝動だ。妖精(チック)とトロル(トロック)という架空の人物が、子どもの行動を見守り、よく考えさせるコーチとして登場する。そして、子どものネガティブな行動が起こるたびに、熟考するよう主人公を導く。小さな読者が楽しく愉快にアイデンティティを確認し、自分の行動の結果を考えられるようになることが本書の目的だ。

Empar Moliner著『La col·laboradora』の表紙

協力者

La col·laboradora

アンパル‧モリネール

Empar Moliner

Columna Edicions, S.A.U.

本書はバルセロナのとある出版社でゴーストライターとして働く女性の物語。独特のユーモア感覚で、エンパル・モリネーは驚くべき物語をつくりあげ、その登場人物たちに現代の出版界を浮き彫りにさせる。複数のストーリーがからみあう、ユーモアと皮肉たっぷりの小説。

Leonardo Padura著『La cola de la serpiente』の表紙

蛇の尾

La cola de la serpiente

レオナルド‧パドゥーラ

Leonardo Padura

Tusquets Editores

2、3本のかなりさびれた通り、それだけがハバナのチャイナタウンの名残だ。キューバ人の元刑事マリオ・コンデはそこに足を踏み入れた途端、何年も前、1989年に既に来たことがあるといやでも思い出す。魅力的な警部補のパトリシア・チオから不思議な事件を解決するために手を貸してくれと頼まれたのだった。ペドロ・クアング老人の殺人事件。老人は指1本が切りとられ、胸に丸と2本の矢の絵を刻んだ状態で、首を吊って発見された。これはサンテリア教(キューバの民間信仰)の儀式だった。捜査は街の近隣地域へと広がり、コンデは意外なコネクションを発見する。秘密のビジネス、多くのアジア系移民家族の現実をさらけだす自己否定と不幸の物語、彼らのキューバ人との散発的なコンタクト。中国のことわざにあるように、蛇の頭にたどりつくには蛇の尾を見つけるべし。無秩序な街をさまよいながら、コンデが過去と現在を行きつもどりつするうちに、友人、女たち、危険などに彩られた混沌とした世界の空気を、読者は再び吸うことになる。コンデ・シリーズの1冊。

Román Gubern著『La confesión de Carmen』の表紙

カルメンの告白

La confesión de Carmen

ロマン‧グベルン

Román Gubern

Editorial Pre-Textos

プロスペル・メリメが1870年にカンヌで死去した後、彼の書斎で下書き、草稿、出版を意図していたかどうか定かではない未完成原稿などが見つかった。

Felipe Benítez Reyes著『La conspiración de los conspiranoicos』の表紙

陰謀論者の陰謀

La conspiración de los conspiranoicos

フェリペ‧ベニテス‧レイエス

Felipe Benítez Reyes

Editorial Renacimiento

ベニテス=レイエスの今回の小説はあちこちで集まっては話に興じる物語。パンデミックの真っただ中、5人の陰謀論者が好き勝手に自説を唱え奇想天外な結論を導き出していく。彼らにとって公式発表は明らかに現実を歪曲したものでしかない。毎日流れるニュースに沿って、理性から最もかけ離れた理論に基づき意見を述べ、議論し、もっともらしく話す。科学、地政学、社会経済学に関するどんな問題でも標的だ。全くの作り話のように思えてしまうが、実際の資料に基づいた小説。大笑いすること間違いなしのストーリーで、予期せぬ結末が待ち構えている。オルタナティブな考えに対する痛烈で哄笑を誘う風刺のきいた小説。

Concepción Perea著『La corte de los espejos』の表紙

鏡の王都

La corte de los espejos

コンセプシオン‧ペレア

Concepción Perea

Agencia Literaria Albardonedo

よい妖精がついに死に絶える世界を描いた、アクションと冒険に溢れるファンタジー小説。鏡の王都とは、テラリンデ王国の首都であり中心地。この国の妖精たちは、人間が存在するとは思っていない。この古都は「眠れる女王戦争」の間、決定的な役割を果たした。数年前のその血みどろの戦争によって、王国には危うい平和と数々の恨み、不安定な王座が残された。そんな王国で、ニカシアとドゥハルは長年権力を巡っていがみあっている。だが、ドゥハルの家庭教師で、ニカシアの軍隊仲間の女性が殺害されたとき、ふたりは犯人を見つけるため手を組まざるをえなくなる。謎の貴婦人レコレトゥネレスの長い影と、固く守られてきたニカシアの秘密につきまとわれながら、ふたりは共に捜査に乗り出す。

José Antonio Cotrina著『La cosecha de Samhein (El ciclo de la luna roja)』の表紙

サンハインの収穫(赤い月の時)

La cosecha de Samhein (El ciclo de la luna roja)

ホセ‧アントニオ‧コトリーナ

José Antonio Cotrina

ST&A Literary Agency

ある町に入りこんだ12の命。彼らを生かしておくか、運命にまかせるか、意見が分かれた空想上の生き物たちの都。悪夢か、はたまた奇跡を呼ぶ赤い月の到来を、みなが待っている。 それは、ロカバランコリア王国の最後の希望、王国の失われた栄光をとりもどす唯一の機会。しかし、希望ははかない。30年の間、連れてこられた若者はひとりとして生きのびられなかった。30年の間、ひとりとして生きのびて赤い月を見た者はいない。  作品HPはhttp://www.elcielodelalunaroja.com

Juan Ramón Barat著『La cripta negra』の表紙

黒い地下納骨堂

La cripta negra

フアン‧ラモン‧バラット

Juan Ramón Barat

Grupo Editorial Bruño

ダニエルはジャーナリズム学科の3年生になったが相変わらずアリシアとの関係や予知能力は続いていた。今回予知したのはメキシコで起きる若者の不思議な死。大学教授が歴史の研究調査のためダニエルにメキシコ行きを提案したことから話の糸が絡まっていく。メキシコに着いたダニエルはまたもや不思議な出来事を体験する。それはアステカ文明の壮大なピラミッドの影に隠れて行われる先祖代々の黒儀式に関わることだった

David Nel-lo著『La crónica de Ivo Cukar』の表紙

イボ‧クカールのクSニクル

La crónica de Ivo Cukar

ダビド‧ネロ

David Nel-lo

Grupo EDEBÉ

ゴキブリのイボ・クカールは大勢の家族とともに、アトリルさんの家に住み着き、幸せに暮らしている。ところが、ある日、そこから逃げなければならなくなった。さまざまな苦難に満ちた旅の末、とうとうアポロホテルにたどりつく。そこはゴキブリの楽園だった。だが、ホテルでは、自分たちのほうがすぐれていると考え、クカールたちを侵略者扱いする、別種のゴキブリ集団と対決することになる。さらには、またしても追放され、さまようことになる。

Lorena López Míguez著『La Cueva de Moura』の表紙

モウラのほら穴

La Cueva de Moura

ロレーナ‧ロペス=ミゲス

Lorena López Míguez

Lorena López Míguez Ediciones

本作のタイトル「モウラのほら穴」は、ケルトに起源をもつ古い伝説と名を同じくしている。その伝説が、この感動的な冒険の導線であり起爆剤だ。読者は主人公のエバとともに、ケルトに起源をもつ世界の様々な場所を訪れる。スタート地点となるスペイン北部ガリシアの小さな村は、すべてが見た目どおりではなく、幾世紀にも渡って戦いを繰り広げる2つの勢力、「光」と「闇」に巻き込まれることになる。魔法、伝統、愛、謎に満ちたストーリーは強烈な展開をみせて、予想だにしない結末を迎える。

Lorena López Míguez著『La Cueva de Moura. Anam Cara』の表紙

モウラのほら穴 アナム‧カラ

La Cueva de Moura. Anam Cara

ロレーナ‧ロペス=ミゲス

Lorena López Míguez

Lorena López Míguez Ediciones

本作のタイトル「モウラのほら穴」は、ケルトに起源をもつ古い伝説と名を同じくしている。その伝説が、この感動的な冒険の導線であり起爆剤だ。読者は主人公のエバとともに、ケルトに起源をもつ世界の様々な場所を訪れる。スタート地点となるスペイン北部ガリシアの小さな村は、すべてが見た目どおりではなく、幾世紀にも渡って戦いを繰り広げる2つの勢力、「光」と「闇」に巻き込まれることになる。魔法、伝統、愛、謎に満ちたストーリーは強烈な展開をみせて、予想だにしない結末を迎える。

Lorena López Míguez著『La Cueva de la Moura. La Gae Bolga』の表紙

モウラのほら穴 ラ‧ガエ‧ボルガ

La Cueva de la Moura. La Gae Bolga

ロレーナ‧ロペス=ミゲス

Lorena López Míguez

Lorena López Míguez Ediciones

本作のタイトル「モウラのほら穴」は、ケルトに起源をもつ古い伝説と名を同じくしている。その伝説が、この感動的な冒険の導線であり起爆剤だ。読者は主人公のエバとともに、ケルトに起源をもつ世界の様々な場所を訪れる。スタート地点となるスペイン北部ガリシアの小さな村は、すべてが見た目どおりではなく、幾世紀にも渡って戦いを繰り広げる2つの勢力、「光」と「闇」に巻き込まれることになる。魔法、伝統、愛、謎に満ちたストーリーは強烈な展開をみせて、予想だにしない結末を迎える。

Coia Valls著『La cocinera』の表紙

女料理人

La cuinera

コイア‧バイス

Coia Valls

Sandra Bruna Agencia Literaria

1771年のバルセロナ。17歳のコンスタンサは、アメリカ大陸の副王に仕えていた外交官の父の死後リマを後にし、長旅を経てバルセロナの祖父母のもとに身を寄せる。リマの風景や味やテクスチャーを記憶に刻み、唯一の遺品である料理帖を手に旅してきたのだった。料理帖はペルーの副王の料理人である、彼女の最初の師匠アントワーヌ・シャンペルの直伝だった。バルセロナに落ち着いたコンスタンサは偉大な料理人になることを夢見るが、女性である故に門は閉ざされている。しかし、勇気と情熱で激動のバルセロナで道を切り開いていく。まわりには、革命を叫ぶ集団や、洗練された優美なサロンに出入りする人々など、魅力的な人々がうごめいており、当時の美食界の第一人者とみなされていたマルダ男爵もそのひとりだった。

Patricia García Ferrer著『La cúpula de hielo』の表紙

氷のドーム

La cúpula de hielo

パトリシア‧ガルシア‧フェレル

Patricia García Ferrer

ST&A Literary Agency

本作は「Little red read(リトル・レッド・リード)」で知られるブックチューバー、パトリシア・ガルシアのデビュー作で、スリル満点の青春ファンタジー小説。若いイレーヌは城に閉じこもり、驚異的なパワーを持っていることを秘密にしている。その力は、抑え込んでおかなければ王国中を破壊してしまうほどの力なのだ。けれど、とつぜん戦争が起こり、陰謀の渦に巻き込まれ、家族に危険が迫る。イレーヌは今にも自制を失いそうだ。『アナと雪の女王』や『Shadow and Bone(影と骨)』の系譜に連なる、急展開とアクション、冒険がいっぱいのファンタジー・ヤングアダルト小説。

Gema Bonnín著『La dama y el dragón』の表紙

ドラゴンと貴婦人

La dama y el dragón

ヘマ‧ボンニン

Gema Bonnín

Editorial Planeta, S.A.U.

エリカがアイデンに出会った日、ふたりともほんの子どもだったが、エリカは言い知れぬ強い衝撃を感じて逃げだした。逃げる途中でエリカはドラゴンと出会い、それがもとで「ドラゴンの貴婦人」となる。その首に賞金がかかった、なぞに包まれた正義の旗手だ。 十代のスペイン人女性作家が書いた、愛とファンタジーの感動の物語。

痛みに効く食事

La dieta para el dolor

ラウラ‧イサベル‧アランス

Laura Isabel Arranz

Profit Editorial

痛みは警告のサインだが、長引くとその役目を失い、苦しむ人の生活の質を著しく低下させてしまう。偏頭痛、腰痛、関節痛は慢性痛になりやすく、共通して炎症が要因となっている。抗炎症作用と抗酸化作用のある食物を優先する正しい食習慣を取り入れることで、自然に痛みを和らげることができる。ラウラ・イサベル・アランス博士は、本書で、慢性痛に苦しむ患者との栄養にまつわる長年の経験を明らかにし、食事と病気と痛みの関係を分析する。この分野の最新情報を提供するとともに、健康を改善し、心の平静を取り戻す体にいい食事についてアドバイスする実用的なガイド本。

Imma Monsó著『La dona veloç』の表紙

速い女

La dona veloç

インマ‧ムンゾ

Imma Monsó

Columna Edicions, S.A.U.

48歳の女性精神科医ネスは、異常に速い時間に追いまくられるプレッシャーを感じながら暮らしている。郡部の町の外科医の娘であり、その一族は、速い者と遅い者の、2つのカテゴリーに分かれている。

体育

La educación física

ロサリオ‧ビリャホス

Rosario Villajos

Editorial Planeta, S.A.U.

8月終わりのある午後。16歳になったばかりのカタリーナは、ある不愉快な出来事が起きて郊外の団地にある親友の家を飛び出す。幹線道路までやってきた彼女は、家に帰るにはヒッチハイクをするしかないと決意。同年代の若者と同じように自分だって知らない人の車に乗るのは怖い。でも、両親が決めた厳しい門限を守らなかったらどうなるかと思うと、大したことはない。90年代初頭を舞台に描く、自身の体との複雑な関係、そして「女だから悪い」と思わせようとする世界に対する恨みを抱えた少女の物語。若者世代の価値観を支える物語が明らかになる。

学校における社会教育 構築途上の未来

La educación social en la escuela: un futuro por construir

ホセ‧キンタナル‧ディアス

José Quintanal Díaz

Editorial CCS

現在、我が国の学校という組織を支えているモデルはぐらついている。今教室に通う生徒たちが将来社会でやっていけるように、学校という組織を社会に適合させ、充実させることが必要かつ喫緊の問題である。その変革を現実的なものにしたいのならば、学校組織をプロフェショナルな組織に変えるために社会人を教師として送り込み、彼らを教育改革、つまりは社会改革のアクターにしていくことである。本書は、そうした現実を分析し、大胆かつ信頼を失わず、好機をとらえて再編成ができるような実質的な教育改革を提案している。学校という組織を十分に発展させていくために、将来への使命感と公平感を失わないような提案を行っている。

退屈という病

La enfermedad del aburrimiento

ホセファ‧ロス=ベラスコ

Josefa Ros Velasco

Alianza Editorial

退屈というのは、現実が期待に応えられないときに生じてわれわれを悩ます日常的な現象だ。それは、ごく浅い一過性のこともあれば、深く永続的の場合もあり、われわれ誰もが時折経験する。退屈は集団でも感じることがある。人類はその苦痛から逃れるため、あらゆることを試してきた。それは人間としての創造性を生み出させる一方、最悪の怪物も誕生させる。その苦しみは病的であり、病気とさえみなされることがある。しかし、退屈は単なる症状でしかない。退屈の持つ役割は、個人と環境の関係が損なわれているという事実をその人に認識させることであり、われわれがなすべきことは、問題の根源を掘り下げ、それを修復することだ。本書においてホセファ・ロス=ベラスコは、退屈の声に耳を傾けてその理由を探り、手近にある何かを用いつつ満ち足りた状態に戻れるよう読者を導く。

Mabela Ruiz-Gallardón著『La era de los místicos』の表紙

神秘なる者たちの時代

La era de los místicos

マベラ‧ルイス=ガリャルドン

Mabela Ruiz-Gallardón

Grupo de Comunicación Loyola, S.L.U.

アイサべスは、人間世界を奴隷状態から解放するための「選ばれし者」である。目的を果たすためにはある貴重な宝石を見つけて、自分の首にかけている「解放の鍵」にはめこまなければならない。それはひとりではできない。神託『血と引き換えの命、意志の結合により王国の扉が永久に開かれる』をやりとげるには、ケンタウロスの命と自分の命をつなぎ合わせなければならないのだ。彼女は虚栄心を克服して、エリセオに近づけるのだろうか? 彼は獣性を放棄してアイサべスに命を与えられるのだろうか?

Ángel Esteban著『La estirpe de Babel』の表紙

バベルの血族

La estirpe de Babel

アンヘル‧エステバン

Ángel Esteban

Agencia Literaria Virginia López-Ballesteros

バベルの塔の建設者のうちのひとりの息子パリム4世は、バビロニアの図書館の火事で生き残ったとき、自分は不死身だと意識する。それからはさすらいの人生を送り、ホメロスのギリシャ、フェリペ3世のスペイン、ロシア帝国、1920年代のパリ、幻想的で文化主義の作家に染まったブエノスアイレスへと赴く。読者はパリム4世に導かれて、ホメロス、ウェルギリウス、ダンテ、セルバンテス、シェークスピア、モリエール、ゲーテ、フローベール、ドストエフスキー、ジョイス、カフカ、フォークナー、ボルヘスなど、西洋文学の巨匠たちと出会い、その生涯や作品について詳しく知ることになる。主人公で物語のキーパーソンであるパリム4世は、これら巨匠たちと会話を交わしたり、働いたり、議論したりしながら創作の鍵やその天分をひもといていく。

César Mallorquí著『La estrategia del parásito』の表紙

寄生虫作戦

La estrategia del parásito

セサル‧マジョルキ

César Mallorquí

Fundación Santa María - Ediciones SM

姿をかくし、見ることはできないが、そいつはいつもそこにいて、じっと君を監視し、きみのすべての言動をスパイしている。吸血鬼ではないが、君から栄養をとり、君に依存し、身をひそめて君を利用する。そしてその間にも、休むことなくどんどん成長する。寄生虫のように。寄生虫作戦とは、他の種の体内に潜んで、殺しはせずに栄養をすいとること。動物にも植物にも多種の寄生生物が存在するが、こいつは君が一度も耳にしたことがないやつだ。最も恐ろしい悪夢の中ですら想像できないような寄生虫。そいつは、知能が発達し、無慈悲で、信じられないほど広範な力を持っている。

サッカー戦術の進化

La evolución táctica del fútbol

マルティ‧ペラルナウ

Martí Perarnau

Roca Editorial

本書はサッカーの遺伝暗号を解読する。1863年のルール制定以降のプレー戦術の進化について解説している。例えばケンブリッジピラミッドや攻撃的セントラルミッドフィルダー、ウルグアイのリベロ、イギリスのWMフォーメーション、イタリア・メソッド、ハンガリーの4-2-4フォーメーション、スイスの閂(かんぬき)システム、アルゼンチンの3-2-5フォーメーションなど。本書は、サッカーにおいて最も複雑かつ緻密さが求められる存在である偽9番による、様々な戦術展開を紹介する。偽9番というポジションは1910年の誕生以降、様々な戦術とともに進化を遂げてきた。例えばイングランドのダイレクトプレー、スコットランドのパスサッカー、攻守の方向付け、先手を打つメンタリティーと反応する精神、ゾーンディフェンス、マンマーク、扇形やW形のライン攻撃など。全てのプレーアイデアは、サッカーの4大要素(ボール、時間、空間、欺き)を結集した偽9番の中に組み込まれている

バルミス遠征隊:パンデミックとの世界規模での闘いにおける最初のモデル

La expedición de Balmis: primer modelo de lucha global contra las pandemias

スサナ‧マリア‧ラミレス‧マルティン

Susana María Ramírez Martín

Editorial CSIC

1803年11月30日、22人の孤児を乗せ、コルベット船「マリア・ピタ号」がア・コルーニャ港を出航した。彼らに託された使命は、発見まもない天然痘ワクチンを自分たちの体で国外に届けることだった。ホセ・サルバニー、イザベル・ゼンダルといった探検家たちが同行し、世界規模の予防接種を目的に編成された、この王立慈善ワクチン遠征隊(1803-1810)は、フランシスコ・ハビエル・バルミス博士が率いたことからバルミス遠征隊とも呼ばれている。彼らの遠征が史上最大の人道的偉業となったのは、のちに50万人以上の命を救うことになる子供たちの勇敢さと、保健衛生活動の模範とされるフランシスコ・ハビエル・バルミスの勇気によるものであった。

ユー‧フィーリング体験

La experiencia U-feeling

ホセ‧アンヘル‧マニャス

José Ángel Mañas

ALT autores Editorial

肉体の相互交換サービスを提供する新しい多国籍企業が首都にやってきました。男女間の争いや階級闘争、ゼノフォビア(外国人嫌悪)は終わったのです。「ユー・フィーリング」は、その技術であなたが相容れない敵に歩み寄ることを可能にし、私たちを世界平和に近づけます。古のカントのユートピアがついに手の届くところまでやってきたのです。数日間あなたの存在をリフレッシュしたいですか?「ユー・フィーリング」は絶対的な体験です。あなたがなりたい自分を決めるのです!『Historias del Kronen(クローネンの物語)』の著者が、因習を打破し物議を醸す新しい冒険と共に帰ってきた。ロサ・モンテロ「緊迫した未来派の物語であり、不安を煽るリアリズムの物語でもある。心理的不安という鋭い刃はアラン・ポーを彷彿とさせる」

ユー‧フィーリング体験II 食いしん坊の(ブリ

La experiencia U feeling II Gabri la zam pabollos

ホセ‧アンヘル‧マニャス

José Ángel Mañas

ALT autores Editorial

『La experiencia U-feeling(ユー・フィーリング体験)』シリーズ(当サイト2022年紹介作品)はびっくり箱だ。新作が届くたびに異世界に入り込ませてくれる。今回フアン・カルロス・ガリドとタッグを組んだホセ・アンヘル・マニャスは、若々しい文体で美の小説に我々を没入させてくれるが、そこには罠が。すなわち、この物語では一体、誰が大人で誰が若者なのか? このシリーズの読者ならご存じだろう。体を交換できる世界では不可能なものなど何もなく、見た目を信じてはいけないということを…。

学部

La Facultad

ホセ‧アントニオ‧ヒメネス‧バルベロ

José Antonio Jiménez Barbero

Ediciones Dokusou

アウグスト・サラスとカルメン・レベルテが、ある有名小学校での連続児童殺害事件を解決してから2年たった。現在、ふたりは警察を辞して、探偵事務所で成功をおさめている。ふたりの生活はおおむね順調だった。グラナダ大学の教員からおかしな依頼を受けるまでは。依頼とは、心理学部の有名教授の暗殺事件の解明だ。サラスとレベルテはグラナダに向かい、一見忘れられているかに見えた奇妙な事件の捜査のため、錯綜し、どこか不透明な大学の世界に飛び込んでいく。まもなく、ふたりは自分たちの捜査が、ブラットの死が明るみに出ることを望んでいない何者かの神経を逆撫でし、その人物が自分の目的のためには人を殺すこともためらわないことに気づく。

Catalina González Vilar著『La familia de la vajilla impar』の表紙

不ぞろいな食器の家族

La familia de la vajilla impar

カタリーナ‧ゴンサレス=ビラール

Catalina González Vilar

Editorial Luis Vives (Edelvives)

数年にわたる家族の物語。割れたり、どこかに行ってしまったり、他の目的に使われたりしている食器をあらためて数えると、生きてきたあいだにあった喪失、発見、変化が見えてくる。著者は、2012年にバルコ・デ・バポール賞、2011年にインベンシオネス児童文学賞を受賞している。

Tommy Roca著『La feliz historia del Gatito Mishifuz』の表紙

猫のO7Hスの幸せな物語

La feliz historia del Gatito Mishifuz

トミー‧ロカ

Tommy Roca

Mary de Sojo Branding & Marketing

子どもと、「トミー・ロカ」を子どもに読んでやりたい大人のための短いお話で、Historia del Gatito Mishifuz(猫のミシフスの物語)のプロローグにあたる。主人公のミシフスは小さい頃に捨てられ、スペインのコスタ・デル・ソルにある可愛らしい家の庭で見つかった猫。ミシフスを拾った家族はこれ以上猫を飼えないので、引き取ってくれる家族を探したところ、オランダで見つかる。ミシフスがスペインで暮らし始めた頃から、のちにオランダに移り住むまでを、愛情と教訓を交えた様々なエピソードで綴ったトミー・ロカによる物語。

Gemma Turmo著『La fiesta de cumpleaños』の表紙

お誕生日パーティー

La fiesta de cumpleaños

ヘマ‧トゥルモ

Gemma Turmo

La Pulga con Gafas

ギリェはとても楽しい男の子。だけどそれは家のなかだけで、なじんだ環境の外に出ると臆病で内向的になる。楽しい誕生パーティも、仲良しが行けないとギリェにとっては悪夢になる。そんなときトロルのトロックが現れ、間違いを見定めてよく考えさせてくれる。つまり将来同じことに陥らないないよう導いてくれるのだ。この物語のテーマは自尊心と臆病さだ。社会的な行事は子どもの姿勢次第で、楽しくもなるし退屈にもなる。妖精(チック)とトロル(トロック)という架空の人物が、子どもの行動を見守り、よく考えさせるコーチとして登場する。そして、子どものネガティブな行動が起こるたびに、妖精かトロルが熟考するよう主人公を導く。

Míriam Tirado著『La FiesTETA』の表紙

おっ いパーティー

La FiesTETA

ミリアム‧ティラド

Míriam Tirado

El Cep i la Nansa Edicions

お母さんは、娘のノアに母乳をやるのをやめようと決心する。お母さんはノアに説明するために、幸せな雲の寓話をつくりだす。生まれた日からずっとノアのそばにはひとつの雲がいて、ノアといっしょに少しずつ大きくなっていると話しだす。色のついた、このふんわりとした雲は、いつもそばにいてノアをだきしめている。お母さんはノアに、おっぱいを飲むのをやめたら、すてきなパーティーを開いて、授乳していた月や年と同じ本数のろうそくを吹き消そうと約束する。困難を伴うこともある、ひとつ上の段階への変化を幼い子どもに理解させるすばらしい物語。この変化に苦労して立ち向かう母親を助けるツールにもなる。

Alba Quintas García著『La flor de fuego』の表紙

火の花

La flor de fuego

アルバ・キンタス=ガルシアンディア

Alba Quintas Garciandia

Nocturna Ediciones, S.L.

学校でいったい何が起きたのか、誰もわからない。銃声のような音が響く間、生徒も教師も建物中を走り、何とかして外に出ようとする。でも、こんなことありえないよね? 武装した彼らが入っていくのを、通りにいたひとりの女の子が見たという。別の生徒は決して忘れられない光景を目の当たりにして、図書館で震えが止まらない。そしてジョンは…ジョンはどこに? どうしてみんなは必死で逃げようとしているのに、彼は銃声の方向に向かって廊下を歩いてるのか? たぶん、彼は話したいのだろう。だって、これはジョンの物語だから。そしてジョンの物語は、コロンバインの物語なのだ。それは言い過ぎだろうか。

Sergio Olguín著『La fragilidad de los cuerpos』の表紙

肉体の脆さ

La fragilidad de los cuerpos

セルヒオ‧オルギン

Sergio Olguín

Tusquets Editores

電車の運転士が、4人の人物の死について許しを乞う手紙を残して自殺する。手紙の中で、犠牲者の中のひとりの子供について漠然と触れられている点が、「ヌエストロ・ティエンポ誌」の編集者ベロニカ・ローゼンタールの注意を引く。ベロニカは妥協を許さない生粋のジャーナリスト。真実と正義を追求することに情熱を燃やし、ヘビースモーカーで、酒に目が無く、妻帯者に弱い。ベロニカの調査を阻むことができるものは何もない。しかし、彼女が遭遇するのは、邪悪な企みをはるかに超えたもので、ベロニカはSMゲームの迷路の中で彼女についてゆく運転士とともに、自分の欲望の最も暗い部分と対決することになる。最高にエキサイティングなリズム、狂った愛の物語、忘れることのできない登場人物が織りなす推理小説で、肉体、愛され、失われ、殺された肉体が支配的な地位を占めている。

Silvestre Vilaplana著『La frontera negra』の表紙

黒い境界

La frontera negra

シルベストレ‧ビラプラナ

Silvestre Vilaplana

Feditrés S.L.

生き埋めにされた人間、謎の失踪をとげた若者、期待どおりの結果を得られない偽のスピリチュアルセッション、悪魔的存在に支配され、ふたりの奇妙な人物に封鎖されているアマゾン奥地の忘れられた村……時は来た。恐れていた時代が目前にせまり、その前兆として、地球上のあらゆるところで尋常でない出来事が起こる。黒い境界線とは何か? 身も凍るそのこたえは、知らないほうが身のためかもしれない。

逃走

La fuga

クリスティーナ‧オレビ

Cristina Oleby

Algar Editorial S.L.

ピーナッツを放り投げてくるくると5回まわり、ピーナッツを鼻でキャッチして、スマートに口に運ぶ。象のナルシソは連続1825日間、サーカスでこの芸を行ってきた。でももう限界だ! 逃げ出すことにしたが、その計画はうまくいきそうにもない。ナルシソの問題は自尊心が少し足りないことだけなのかもしれない。

遺伝学 バーバラ‧マクリントック博士による解説

La genética. Explicada por Dra. Barbar a McClintock

パブロ‧バレチェグレン

Pablo Barrecheguren

Editorial Juventud

ノーベル医学・生理学賞を受賞したバーバラ・マクリントック博士が語る、複雑だが興味深い遺伝学の世界。恐竜のクローンを作れるかどうか知り、全ての生き物が従う取扱説明書、つまりゲノムの秘密に驚いてほしい。なぜ両親に似ているのか、突然変異とは何か、科学者たちがどのように遺伝学の知識を使って病気を治療しているのかが分かるだろう。偉大な研究者ロザリンド・フランクリンや、遺伝学の父グレゴール・ヨハン・メンデルなど先駆者たちについても学べる! 『El cerebro humano. Explicado por Dr. Santiago Ramón y Cajal(人間の脳。サンティアゴ・ラモン・イ・カハル博士による解説)』の著者たちによる第2弾。

Maite Carranza著『La Guerra de las Brujas』の表紙

魔女たちの戦い(完全版)

La guerra de las brujas

マイテ・カランサ

Maite Carranza

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

はるか昔から、魔女オマールの一族は、血に飢えた魔女オディッシュの一族から隠れて暮らし、預言者によって選ばれし者の到来を待ち望んでいた。今、星はその時が近いことを告げている。14年間ピレネーの山奥の村で、一族の女性たちにまつわる秘密を知らないで育ってきたアナイードは、母親である赤毛のセレーネが姿を消したとき、身も凍る信じがたい真実とむきあい、危険と発見に満ちた道を歩みだす。

Jaume Copons著『La guerra del bosque. Colección "Agus y los monstruos"』の表紙

森の戦争「アグスと怪物たち」シリーズ

La guerra del bosque. Colección "Agus y los monstruos"

ジャウメ‧コポンス

Jaume Copons

Combel Editorial / Editorial Casals, S.A.

ジャーン! アグス・ピアノラを紹介します。そそっかしくてちょっと図々しい男の子だけど、いいやつだよ。部屋を片づけなきゃならないのはわかってるけど、いつもママにいわれるまで手をつけない。だって、なかなか始めるチャンスがないんだ。散らかった部屋ではボールやらゲームやら作文やら、いろんなものがなくなるけど、代わりに別のものが見つかることもある……。ある日突然、部屋が怪物だらけになったら、きみならどうする? アグスとその友だちは、うかうか遠足にも行けやしない! 裏切者ブロット博士とその助手ナップは、妖精とベルドゥリアの小鬼のあいだで戦争をけしかける。きっかけは大昔の金貨! ホールは、穴(ホール)をあける斧というだけではなく、偉大なるヒーローだった。

Javier F著『La herencia del capitán Bañuelos』の表紙

バニュエロス船長の遺産

La herencia del capitán Bañuelos

ハビエル‧フォンセカ=ガルシア-ドナス

Javier Fonseca Garcia-Donas

Ediciones Diquesi

マールとアレックスはきょうだい。あいにく生まれた日が364日しか離れていないので、なんでもかんでも一緒だ。学校もクラスも遊び仲間も。左腕の母斑まで一緒で、これにはたくさんの伝説がある。すれ違っても、注意をひくような子たちじゃない。だけどふたりには、難しい謎にもけっして怖気づかないという秘密がある。さて、今度はなにをたくらんでるのかな? 日々の問題(宿題、友だち、夢、男の子たち、かわいい女の子たち、家族……そう、どこにでもあるような家族)を解決するだけではなく、ふたりは消えた歌の謎を解き明かそうとのりだす。バニュエロス船長は亡くなる前、娘のオリビア・バルデスにいくつかの歌を書き残した。知ってのとおり、オリビアは今一番有名な歌手だ。オリビアとその謎めいたマネージャー、ビエルは必死にその歌を探す。だけどどうやら、だれかが先に探し始めたようだ……。

Karina Sainz Borgo著『La hija de la española』の表紙

スペイン女の娘

La hija de la española

カリナ‧サインス‧ボルゴ

Karina Sainz Borgo

Casanovas & Lynch Literary Agency

アデライダ・ファルコンはシングルマザーに育てられた。そのため家族と呼べるものは後にも先にも⺟と⾃分が築いていた関係しかないと固く思っていたが、その世界も⺟の死によってなくなった。貧しく失望した彼⼥が喪に服して暮らしている街では⾷料が⼿に⼊らず、わずかに⼊⼿できた⾷料も市⺠同士で強奪。強権的な政府は略奪し、誘拐し、殺⼈を犯していた。その全てがアデライダが閉じこもろうと決めた世界、すなわち⺟と暮らしていた家と外界との間で起きていた。抗議と政治的抑圧が続く⽇々。彼⼥は家に閉じこもり、何⽇もかけて⺟親の持ち物を整理しつつ、⺟の⼈⽣と彼女がいなくなった場所を再構築していた。しかし暴力的な⼥性の⼀団が現れ、全てが⼀変する。

潮の娘

La hija de las mareas

ピラル‧サンチェス‧ビセンテ

Pilar Sánchez Vicente

Roca Editorial

1820年、魅惑の人グロリア・カルバヨと、ホビノことガスパール・メルチョール・デ・ホベリャーノスの娘である、ピレネー娘ことアンドレア・カルバヨ・デ・ホベリャーノスは、異端審問官バルデスに執拗に追われ、今の場所にたどりつくまでの波瀾万丈の人生を記録にとどめておこうと回想録を執筆する。読者は、オビエドでの彼女の子ども時代を思いめぐらせ、オックスフォードに旅し、男装した彼女とともに、現代医学にとっての重大な発見の発表に立ち会っていく。パリではフェミニストのオランプ・ド・グーシュとともに革命の近くで生き、女性たちの権利のための闘争と印刷所の仕事に身を投じる。知的で教養豊かなアンドレアは、会合の常連、作家、翻訳家、教師、フェミニストとして、多方面のパイオニアだった。だがそのことをもってしても、あらゆる時代や場所で生きたほかの女性たち同様、彼女を歴史の表舞台にとどめおくことはできなかった。

蓮の娘

La hija del Loto

アマンダ‧ガルシア‧オロスコ

Amanda García Orozco

EDHASA - Editora y Distribuidora Hispano Americana

桜の花がもう咲いている。桜の一族の人々が総出で小さな娘トモエを探すが、彼女はサクラの主にかどわかされ、山の一族で新たな人生を歩んでいた。師匠であるキヘイの保護下に入ったトモエの将来は、星が輝く夜のように前途洋々。ハルキが影となり、彼女に運命づけられたあらゆる不幸を自分に引き寄せ、死してなお彼女に付いていく。シオダは彼女の夫となり、山の一族を継ぐ。トモエは封建時代の厳しい名誉の掟のもと、やがて日出ずる国一の侍になると思われた。だが、武家の間で対立が勃発すると、関ヶ原の戦いで平和だけでなくトモエの夢も終わりを迎えることになる。そしてその時、報われぬ愛、孤独、憎しみ、義務感、自分の顔に浮かぶある印によって、彼女は自分が生まれるはるか前に星々で描かれた奇妙な計画を果たすべく動き出すことになる。

María Tallón著『La historia de Rita』の表紙

リタの物語

La historia de Rita

マリア‧タリョン

María Tallón

Aragón Tiene Talento, S.L.

子どもが幸せに成長するための実践的アイデア集。感情的な葛藤をうまく解決し、課題を乗り越え、ポジティブに考えられるようになるために必要なスキルの伸ばし方を教えてくれる。物語のなかで主人公リタが、心と体の痛みに立ち向かう秘訣を教えてくれる。

Rocío Alejandro著『La huerta de Simón』の表紙

シモンの畑

La huerta de Simón

ロシオ‧アレハンドロ

Rocío Alejandro

Kalandraka Editora

ウサギのシモンはニンジンをたくさん植えた。だが、だれかさんはレタスを、だれかさんはトマトを、だれかさんはナスを植えたらいいと言うものだから、畑はどんどん大きくなって、野菜だけでなく、ネズミ、めんどり、子ヤギ、子ブタ、キツネなど、農夫たちでいっぱいになる。共同作業や、自然とふれあい、調和を保って共生することのすばらしさをうたった、第10回コンポステラ国際絵本賞受賞作。イラストは、物語の舞台にふさわしい黄土色とオレンジを基調とし、スミの型押しのテクニックを用いて描かれている。登場人物や農具の一部や全体は、対応するスタンプを押して表され、創作過程は非常に手がこんでいる。

María Neila Martín著『La increíble, pero cierta, historia del Gato Luna』の表紙

ガト‧ルナ(月猫)の信じがたいけれど本当の話

La increíble, pero cierta, historia del Gato Luna

マリア‧ネイラ‧マルティン

María Neila Martín

Lata de Sal, S.L.

信じられないようなガト・ルナの話は、太陽のロレンソと月のカタリーナの愛を語った有名なスペインの童話や童謡を基にした美しい物語。一匹のトカゲを通じ、1本の脚で月と取引する猫のおかげで、暦を狂わせることなく愛が成就します。詩でつづられた物語。カバーに蛍光加工がされており暗闇で光ります。

Ricard Ruiz Garzón著『La inmortal』の表紙

イモータル-いつまでも忘れない

La inmortal

リカルド‧ルイス‧ガルソン

Ricard Ruiz Garzón

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

ジュディは絵がうまい12歳の女の子。母親と祖父と3人でジュネーブに住んでいる。有名な画家の父親は、彼女が小さい頃に家族を捨ててハンガリーに行ってしまった。ジュディは絵のコンクールに出ようと準備をしているときに、チェスの手ほどきをうけ、そこで驚くべき才能を発揮する。チェスをするために頻繁に公園に通うようになったある日、ある対局が彼女の人生を変えることになる。年老いた不思議な師匠、イラン人のミスター・アリヤットと戦っているとき、彼から謎めいたメモを受け取る。イスラム教原理主義のテロリストの容疑でミスター・アリヤットが逮捕されたとき、ジュディはチェスのルールを変えなければならなくなる。

César Mallorquí著『La isla de Bowen』の表紙

ボーウェンの島

La isla de Bowen

セサル‧マジョルキ

César Mallorquí

Grupo EDEBÉ

1920年。すべてはイギリス人の船乗りジェレミー・パーキンスがノルウェーの町Havoysund で殺され、死ぬ前にパーキンスがエリザベス・ファラデイ夫人に送っていたなぞの包みから始まる。あるいは物語はもっと前、不思議な聖遺物が発見され、シグマ地理協会会長ユリシーズ・ザルコ博士が船でサン・ミシェルへと向かい、思いもかけない冒険にまきこまれたときから、始まっていたのかもしれない。ザルコもその助手も、船長のベルヌや援助をかってでた乗組員の二人の英国人女性も、どんな危険もおそれず世界をめぐってきた人間だが、北極圏の先にあるボーウェン島でかようにおそろしい謎が待っていようとは、だれもまったく予想していなかった。

Elizabeth Mirabal著『La isla de las mujeres tristes』の表紙

悲しい女た の島

La isla de las mujeres tristes

エリザベス‧ミラバル

Elizabeth Mirabal

Editorial Verbum, S.L.

都会を離れ、コンチャ駅から毎時出発する列車に乗り、プエンテス・グランデスに到着し、アルメンダレス川のほとりにあるボレロ家の屋敷に行く。常軌を逸したこの家族を知り、その(天真爛漫かつ悪魔的な)秘密の中、奇妙で悲劇的な運命の中に入っていく。フリアン・デル・カサルと言う邪悪な(病んだ)若い詩人が、予告もなくその家に入り込むのを目の当たりにする……エリザベス・ミラバルは、この小説で描き出す冒険で2014年ベルブム・イベロアメリカ小説賞の審査員を魅了した。作者は、均衡と、登場人物たちにとりついたのと同じ悪魔性、非凡な成熟を見せる独自の言葉で、冒険のもようを想起させる。ある一家の、多くの詩人の、そしてある時代の内面を見事にえぐった、驚くべき小説である。

Elvira Navarro著『La isla de los conejos』の表紙

うさぎの島

La isla de los conejos

エルビラ・ナバロ

Elvira Navarro

Casanovas & Lynch Literary Agency

不安を掻き立てるこれら11編の短編の中には、寓話的な変化をもたらす出来事がある。それは救いのある出来事ではなく恐怖を伴う途方もないものだ。エルビラ・ナバロは、容赦のない明解さで、致命的にゆがんでいく人生を私たちに見せ、また、私たちをも引きずり込む。ナバロを読むことは、恐ろしい影を呼び覚ますことだ。そして夕暮れ時に、よく知っていたはずのものが全く違う顔を見せるように、これらの物語の中で、登場人物は密室、ぬかるみだらけの小島、精神的迷路の中に迷い込む。それらは正常を破壊し、もはや逃れることができない強烈なホワイトノイズに至る。本作で、著者はスマートで的確な筆致で現実をむき出しにし、痛いほどまぶしい白日の下にさらしだす。

Oriol Canosa著『La isla de Paidonesia』の表紙

パイドネシア島

La isla de Paidonesia

ウリオール‧カノッサ

Oriol Canosa

La Galera Editorial

9歳の少年、ニコラス・ロブレアルトは両親と船で旅に出かけるが、退屈でしかたがない。両親は喧嘩ばかりで楽しむどころではなかった。ニコラスはついに脅しを実行に移すことを決意する。救命用ボートを借りて、無人島へと向かうのだ。ここからの冒険が手紙で語られる。島は男の子と女の子でいっぱいで、大人は何もできず、事態はどんどん悪化する。いや、見方を変えればいい方へ向かっているのかもしれない。

Equipo Hiares著『La isla del tesoro』の表紙

宝島

La isla del tesoro

チーム‧イアレス

Equipo Hiares

Hiares Multimedia 2013

ビンテージイラスト入りの古典童話。本文はヨーロッパ言語共通参照枠B1レベル相当のスペイン語でリライトされている。中級者・自立した言語使用者向け。該当レベルに合わせて本文中で目立たせた単語の語彙集つき。

Rita Morrigan著『La isla en tus manos』の表紙

あなたの両手の中の月

La isla en tus manos

リタ‧モリガン

Rita Morrigan

Libros de Seda

19世紀の英国とキューバとの間で展開する禁断の愛と、情熱的な冒険。 マリア・レスカノの穏やかな人生は、養子である兄エリックに恋していると気付いた19歳のときに大激震する。 それは、1870年のイギリスでは白い目で見られる行為だった……。エリックもまた、彼女への恋心を自覚し、家を出る決心をする。彼が出て行って、マリアと両親の心は千々に砕けた。そんなとき、アレハンドロ・モンテネグロが彼女の人生に登場する。これはおそらくマリアがエリックを忘れるために待っていたチャンスかもしれない。 だがアレハンドロが結婚を申し込んだ直後、祖国キューバで革命が勃発、彼は国に帰らなければならなくなる。座して待つだけの人間ではないマリアは、友人アリス・グリーンを説得し、神秘的で伝説的なキューバに向けて共に旅立つ。しかし道中で、思いがけない人物と出会うことになる………。

Irene vasco著『La joven maestra y la gran serpiente』の表紙

若い女教師と大蛇

La joven maestra y la gran serpiente

イレネ‧バスコ

Irene Vasco

Editorial Juventud

若い女教師がアマゾンのジャングルにある学校に転勤になり、自分の本をたくさん持ってやってきた。生徒たちが一番好きなのは、物語を読んでもらうことだった。その後、生徒たちは本をそれぞれの家に持って帰った。母親やおばあちゃんたちは、字が読めないけど、それらの本を興味津々で見つめていた。ジャングルの村の住人たちは、たくさんの伝説を語るのが常だったが、当時若い女教師は、それらがただの伝説だと思っていた。都会と本に慣れた若い教師は、異なった現実と出会い、カルチャーショックを受ける。しかし、やがて彼女は自分だけが教える立場にあるわけではないことに気付く。この本は全てを捨てて教育という夢を追いかけるラテンアメリカの女性教師たちへ敬意を表するとともに、また、はるか遠い村が持つ伝説に対する畏敬の念を表している。

Antoni Dalmases著『La leyenda del rey Arturo y sus caballeros』の表紙

アーサー王と円卓の騎士の伝説

La leyenda del rey Arturo y sus caballeros

アントニ‧ダルマサス

Antoni Dalmases

Combel Editorial / Editorial Casals, S.A.

一連のアーサー王物語の初のスペイン語完全再話版。アーサー王伝説を載せている様々な文学作品を基にする。著者アントニ・ダルマサスが、中世の叙事詩を読みやすい現代語に書きかえ、ペラ・ジナルドのすばらしい絵が当時の雰囲気と登場人物を見事に再現。

Michael F. Ryan著『La libertad última』の表紙

最後の自由

La libertad última

マイケル‧F‧ライアン

Michael F. Ryan

Plataforma Editorial

ロジャー・マーフィーはすべてを持っていた。マリーナ地区のすばらしいマンション、世界一の犬、サンフランシスコの新聞の中でも、最もよく人びとの話題にのぼる新聞のコラム欄。しかし、大地が揺れ始めたとき、すべてを失い、突然、生きのびるための戦いのただ中におかれる。崖っぷちに立ったとき、ヴィクトール・フランクルが彼の人生に入りこみ、生き方を変容させた。ホロコーストを生きのびた、『夜と霧』の作者であるフランクルは、ロジャーにナチスの捕虜収容所での経験、そのあとの勝利までの道のりを語り、彼を悩みから解放する。 フランクルの秘密……人であることの最後の自由。

Etsuro Sotoo著『La libertad vertical. Conversaciones sobre La Sagrada Familia』の表紙

垂直の自由 サグラダ‧ファミリアについての対話

La libertad vertical. Conversaciones sobre La Sagrada Familia

外尾 悦郎

Etsuro Sotoo

Ediciones Encuentro

書店にある他の本とは異なる、サグラダ・ファミリアについての書。人間としての、また芸術家としてのガウディの経験を語らせたら並ぶもののない証人である外尾悦郎との対話。日本人の彫刻家、外尾は30年以上前にバルセロナに来てサグラダ・ファミリアの石の鼓動に魅了された。作品への関わりはガウディへの、とりわけガウディが見ていたものへの、深く沈思したまなざしがあったからこそ。ガウディを撮らせたら右に出るもののいない写真家マルク・リマルガスの素晴らしい写真がビジュアル・ポエムの趣をそえ、この教会の存在意義と精神性を読者に深く考えさせる。

Claudia Rueda著『La línea』の表紙

La línea

クラウディア‧ルエダ

Claudia Rueda

Editorial Océano, S.L.

1本の線が主人公のユニークな本。ある日、鉛筆で書かれたただの線が、方眼ノートの上を動き回るのにうんざりし、教室から抜け出すことにした。自由な世界に飛び出して、気分は最高! こうして線は町にたどりつき、高い山に登り、海を知り、恐ろしい海賊に出くわす。そこで読者は、物語の本当の主人公がレオナルドという名の少年だということに気づく。レオナルドは授業中に想像の世界に羽ばたいて、クラスメートが書き方の練習をしているあいだに、冒険の旅に出かけるのだ。

Maite Carranza著『La loba gris』の表紙

灰色の雌狼

La loba gris

マイテ・カランサ

Maite Carranza

Edebé Educación, S.L.

遠い昔から、オマール族の魔女たちは、血に飢えたオディッシュ族の魔女たちから身を隠して生きてきた。アモルゴス島の預言者の少女デメテルは、オディッシュ族の最強の魔女のひとりであるアテがその名声に関心を寄せるまで、自分の魔法の力の及ぶ範囲を知らなかった。その瞬間から、常に人々の心に潜んでいた魔術と女たちへの憎悪がこの小さなギリシャの島で爆発し、デメテルの子ども時代を破壊する。若きデメテルは、恐怖の命令に従うことを拒否。その無謀さが、オマール族の反抗的な魔女たちの希望である灰色の雌狼の伝説に火をつける。

月はドゥアラにある

La luna esta en Duala

サニ‧ラダン

Sani Ladan

Dos Passos Agencia Literaria

学業を続けるために大陸を横断した10代の若者の感動の実話。想像してみてほしい。自分が、成長のために必要な勉強をすることを許されない国に住んでいると。また勉強すること以上の大きな望みを持てないということを。思い浮かべてみるといい。15歳の君は、まだ秘密と幻想に満ちた子供の心を抱えているが、頭では自分が冷静で賢い大人になったつもりになって、なにかを成し遂げようと家を飛び出す…しかし、最初の一歩からうまくいかず、暴力的で非人間的なものに巻き込まれていく…。われわれが生きる世の中にあるこんなリアルな不公平こそ、作者が歩んできた道だ。本書は、どんなにニュースになっても変わらず存在し続ける非人間的な悲劇に、語るべき声と顔を与えた、深い感動の物語だ。世の中に必要とされる一冊である。

Francisco Singul著『La luz dormida en el espejo. Memorias de Diego Velázquez』の表紙

鏡の中に眠る光~ディエゴ‧ベPスケス回想録

La luz dormida en el espejo. Memorias de Diego Velázquez

フランシスコ‧シングール

Francisco Singul

Alvarellos Editora S.L.

没後3世紀半にして初めて、ベラスケスが「語る」。ガリシア出身の歴史家で、美術史学博士のフランシスコ・シングールは、セビーリャ生まれの偉大な画家ベラスケスの伝記を再構築するという難題に挑戦した。このディエゴ・ベラスケスの回想録は、正確な出典をもとに、控えめでありながらかつ真実を明かす語り口で書かれ、ベラスケス絵画の手がかりと、彼の思考の内奥を読者に伝え、17世紀スペインを忠実に描写した作品でもある。「内気で、プライバシーを大切にした画家の分析・伝記。それが今、クリエイティブで、新しく、独創的に取り上げられ研究されて登場する」(ビクトル・ニエト=アルカイデによる序文より)。

沈む光

La luz que cae

アドルフォ・ガルシア=オルテガ

Adolfo García Ortega

Galaxia Gutenberg SL

読んだ人の心からいつまでも離れない、独特で意表を突く、自由で個性的な一冊。翻訳者である語り手は最近、講演を行うため日本を訪れた際、18世紀の風変わりな思想家、キンダイチ・ヒロシの考え方と人物像を知る。今日でもほとんど無名のキンダイチは型破りの異端な神道信者で、当時の社会を敵に回しながらも、自然との対話や、自然そのものが放つ精神的な驚きをいち早く説いた。語り手は、キンダイチの異端な世界を研究している専門家の助けを得ながら日本で心の旅を始め、キンダイチの人生と思想を見つけ出す。旅と時間移動、キンダイチの人生の浮き沈み、日本とオランダとの関係、さらにはディドロのいるヨーロッパにやって来たキンダイチの一風変わった暮らしぶりも描いたハイブリッド小説。

Almudena Grandes著『La madre de Frankenstein』の表紙

フランケンシュタインの母親

La madre de Frankenstein

アルムデナ‧グランデス

Almudena Grandes

Tusquets Editores

若き精神科医ヘルマン・ベラスケスは1939年に亡命し、スイスでドクター・ゴールドスタイン家に迎え入れられ15年を過ごした後、1954年、シエンポスエロスの女性精神病院で働くためスペインに戻る。ヘルマンはそこで、とても知能が高い偏執狂的殺人犯・アウロラ・ロドリゲス=カルバリェイラと再会し、また、若い助手マリアと出会う。マリアに惹かれたヘルマンは、彼女に拒絶される訳が理解できず、彼女の人生には多くの秘密が隠されているのではと感じる。精神病院の庭師の孫娘という彼女のつつましい出自、小間使いとして長年過ごしたこと、彼女の報われなかった愛の物語、並行してヘルマンがスペインに戻ったわけが語られる。それぞれの過去から逃げたい似た者同士のヘルマンとマリアはチャンスに賭けたいと望むが、ふたりが住む国は、道徳的な罪が犯罪となり、ピューリタン主義があらゆる種類の虐待や人権侵害を覆い隠す屈辱的な国だった。

Daniel Nesquens著『La madre de Jack』の表紙

ジャックの母さん

La madre de Jack

ダニエル‧ネスケンス

Daniel Nesquens

Apila Ediciones

6歳以上の子ども向け絵本。様々なバージョンのある口承伝説を下敷きにしている。死も人生の一部だということを子どもたちに教えてくれる本。ジャックの母さんは重い病気で、もはや生よりは死のほうに近づいている。浜辺で泣いていたジャックは、母さんを迎えに来た死神と出会う。そこでジャックは死神をだまし、瓶のなかに閉じ込めて素早くふたを閉めることに成功した。それ以来人も動物も、植物も死ななくなる。世界は大混乱に陥り、ジャックは母さんから、死神を外に出すよう諭される。生と死はひとつのコインの裏表であり、どちらかがなければもうひとつも意味がなくなる。結局ジャックの母さんは天に召されるが、その心は満たされていた。

Elena Alonso Frayle著『La mala entraña』の表紙

性悪

La mala entraña

エレナ‧アロンソ‧フライレ

Elena Alonso Frayle

Baile del Sol Editorial

心に悩みを抱えた母親が夜間飛行機で破廉恥な誘惑に負ける。少女が天井にある何気ない光の環が隠す残虐な謎を暴露する。女性精神科医が、ある世代全体が共有する集団的恐怖を内包する顕著な恐怖症の症状を発見する。退屈な生活から逃れるために悪事を働く若者のグループ。テロリストの父親に対する娘の無意味な復讐。夢ばかり追っている恋人のよこしまで皮肉な態度。戦争の残酷さに対する女性の不毛な英雄物語。それらが、本作を構成する9つの物語に登場するいくつかのテーマ。悪の概念と、人間の行動の中に現れる悪への9つのアプローチ。

Carmen Sanz Chacón著『La maldición de la inteligencia』の表紙

知性の呪い

La maldición de la inteligencia

カルメン‧サンス=チャコン

Carmen Sanz Chacón

Plataforma Editorial

著者は、ギフテッドであることをいかに、問題ではなく長所にできるかを説明する。というのも、ギフテッドはしばしば問題となるからだ。子ども自身にとっても、両親や一般の教育者たちにとってもそうで、教育者たちは、このような子どもたちに必要な配慮をするための知識も時間もない。またこれは、公衆衛生の問題でもある。なぜそのような症状が現れているのか、その背景まで見通すことができず、ギフテッドの子どもたちが異なる障害と診断されるケースがよくあるからだ。感情的、社会的、教育的トラブルによって、学校中退、職業的挫折、深刻な家庭問題や心身の疾患を引き起こすことも非常に多い。

魔女たちの呪い

La maledicció de les bruixes

ジョルディ‧フォルク

Jordi Folck

Barcanova Editorial

有名な作家であるあなたは、「死人」という、とても怪しげな名前の隔絶した場所で、あなたの著書「魔女狩り」を発表するべく招待される。しかし、若いファンたちが集まってくるかと思いきや、あなたが書いた本にまったく賛同せず、厳しい罰を用意する聴衆に立ち向かうことになる。逃げようとすれば、「盗賊の井戸」と呼ばれる井戸、廃墟の研究所、毒が盛られた本の図書館、そして地下牢など、数多くの危険があなたを待ちかまえる。50以上ある逃げ道の中で、生きて脱出する方法はひとつしかないことをあなたは知らない。この小説では、あなたが決断を下すのだが、間違いを犯さないように、いくつかのヒントに注意し慎重を期す必要がある。生き残るためには、冷徹さが必要だ。

Juan Trejo著『La máquina del porvenir』の表紙

未来の機械

La máquina del porvenir

フアン‧トレホ

Juan Trejo

Tusquets Editores

オスカルは亡くなった母親の遺品を整理するためベルリンに向かう。母親は女性と暮らし、息子には無関心だったので、長年音沙汰がなかった。彼は訃報を父親には届けもしなかった。父親は幸福探しに関する数冊の本を書いたベストセラー作家だったが、数えるほどしか会ったことがなく他人同然だった。根無し草のオスカルは悲嘆にくれながら、1930年のニューヨークや1970年のカダケス、メキシコやブエノスアイレスにいる一族の物語を再構築しようとする。そして自分が現状に飽き足らない、超越的な真実の探求にとりつかれた夢想家の家系に属しているらしいことを発見する。未来を予知する装置の製作というプロジェクトにとりつかれた、同じ一族の3つの時代の3人の主人公を驚くべき語り口で描きだす。

Luisgé Martin著『La misma ciudad』の表紙

同じ街

La misma ciudad

ルイスヘ‧マルティン

Luisgé Martin

Dos Passos Agencia Literaria

2001年9月10日、ブランドン・モイはニューヨークで古い友達と再会し、若かりし頃一緒に追った夢を全部思い出した。決して叶えられることのなかった夢。モイには愛する妻と、模範的な息子がいる。マンハッタンに誰もが羨むマンションを持ち、仕事でも成功している。しかし、やりたかったことを思い出したとき、人生に失敗したような感情にとらわれる。再会の翌日、ツイン・タワーの職場に向かう途中、アルカイダの飛行機がツイン・タワーに突っ込む。モイは、運命が彼に第2のチャンスを与えたと思った。本書は、この第2のチャンスの物語である。時に陰鬱なニューヨークの街で自分探しをするブランドン・モイの物語。夢のむなしさと、今ある豊かさの源としての冒険の価値をめぐる旅。

Francisco Aguilera著『La Moneda, 11 de septiembre』の表紙

チリ大統領官邸モネダ宮殿、9月11日

La Moneda, 11 de septiembre

フランシスコ‧アIレラ

Francisco Aguilera

Drácena Ediciones

本作は、端的にいえば証言集だ。4人の証言者、ウェイター、警察官、新兵、消防士が、1973年9月11日のあの朝をどのように生き、何をしたのかを語る。これに先立つ6月にクーデター未遂があったが、この日、チリ軍部はサルバドール・アジェンデ大統領率いる人民連合政府の政権を、容赦なき暴力ではく奪。本書では、読者には具体的に示されることのない、質問に回答する形式で4つの話が、あのクーデターと時と場所を同じくし、大統領官邸モネダ宮殿を中心に展開する。登場人物のひとりはまさにその宮殿内にいたし、他の3人もすぐ近くにいた。この巧妙な手法によって、著者は、南半球の冬の終わりのあの朝、チリのサンティアゴで起きたことを、ほとんど分刻みで追体験できるように読者をリードしてゆく。非常に明快で巧みな筆致が、この本を類まれな作品に仕上げた。

Darío Jaramillo Agudelo著『La muerte de Alec』の表紙

アレックの死

La muerte de Alec

ダリオ‧ハラミーリョ=アグデロ

Darío Jaramillo Agudelo

Editorial Pre-Textos

表向きの性質の裏に、謎めいた感覚、陰謀と知られざる関係が隠れ、時間は、それ自身に謎と確かさをはらんだ、別のリズム、別の秩序で流れていく。理性という拘束衣をはねのけて、アレックの死へとたどりつく出来事が謎に包まれていることをまずは認める必要がある。死という結末がなければ意味がなく、おそらくは記憶から消されていたであろうばらばらの出来事が、アレックの死によって完全に調和して整理された。暗い諦観とともに私は悟ったのだが、もしアレックが死んでいなかったなら、その消失を告げる兆候も現れていなかっただろう。なぜそう言えるかは、アレックの死そのものが実証している。

Luisgé Martin著『La mujer de sombra』の表紙

影の女

La mujer de sombra

ルイスヘ‧マルティン

Luisgé Martin

Dos Passos Agencia Literaria

エウセビオは、友人のギリェルモから、謎の女性とSMセックスの関係を持っていると打ち明けられる。その数日後、ギリェルモは事故死する。エウセビオはギリェルモの死を告げるためその女を探そうと決心する。そして探し当てた時、彼女に夢中になる。自分が秘密を知っていることがばれたら彼女が離れていくだろうと思うと、エウセビオは彼女に何も言えない。ふたりは少しずつお互いを好きになっていく。エウセビオは、彼女フリアがギリェルモにしていたように、セックスのときに自分を殴り、辱め、いじめることを期待するが、彼女は彼を愛撫し優しくするばかり。エウセビオは恐ろしい疑問を抱くようになる。「ギリェルモの言っていた女性とフリアは同一人物なのだろうか?」この小説は、強迫観念の物語であり、地獄に通じる道の物語である。ルイスヘ・マルティンは、人間の魂の最も暗い迷路の中に分けいっていく。

Sabina Berman著『La mujer que buceó dentro del corazón del mundo』の表紙

世界の中心に潜った女

La mujer que buceó dentro del corazón del mundo

サビーナ‧ベルマン

Sabina Berman

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

マサトラン(メキシコ)の海辺。イサベルがハンモックで目をさますと、髪がくしゃくしゃの野生の少女が彼女を見つめている。イサベルの愛情と辛抱強い教育のおかげで、その少女カレン・ニエトは話すことや読み書きを覚え、大学では単位をだいぶ落としながらも動物学を専攻し、世界有数のマグロ漁の会社社長となる。が、相当の変わりものである。知的な面はかんばしくないが、そのほかでは天賦の才を発揮し、海洋生物の保護に乗りだす。海にあってはマグロと一緒に潜り、陸にあっては人々に笑いと戸惑いを振りまく。彼女の奇妙な美徳は、事実を隠そうとして比喩や婉曲表現を用いないこと。正真正銘の驚くべき人物。カレンは読者の心にいつまでも残るよう運命づけられた主人公だ。

Empar Fernández Gómez著『La mujer que no bajó del avión』の表紙

飛行機から降りなかった女

La mujer que no bajó del avión

エンパール‧フェルナンデス=ゴメス

Empar Fernández Gómez

IMC Literary Agency, S.L.

ローマで惨憺たる一時期を過ごしたアレックス・ベルナルは明け方バルセロナ空港に到着し、手荷物受取所で自分のスーツケースが出てくるのを辛抱強く待つ。やっと自分の荷物が出て来たときには同じフライトの乗客はとっくに自分たちの鞄を手に姿を消していた。しかし、がらんとした巨大ターミナルのベルトの上を1個のスーツケースが回り続けていた。金に困っていたアレックスは出来心からそのスーツケースを持ち帰る。そして、思ってもみなかった恋愛と苦痛の物語の主役となる。そのスーツケースの持ち主サラ・スアレスは、重大な過ちを犯していたのだ。その過ちとは? 何故自分のスーツケースを引き取らなかったのか? 犯罪か、それとも自殺か。飛行機から降りなかった女がかかえる物語のせいで、あと何人の命が失われるのか?

Rocio Bonilla著『La muntanya de llibres més alta del món』の表紙

世界で一番高い本の山

La muntanya de llibres més alta del món

ロシオ‧ボニージャ

Rocio Bonilla

Edicions Bromera S.L.U.

ルカスは、自分は飛ぶために生まれてきたのだと思いこんでいた。飛行機を見て、あらゆる種類の翼を作ろうとした。クリスマスプレゼントに、「飛べること」をお願いさえした! だけど、どれもうまくいかないようだった……。そんなある日、夢をかなえる方法はほかにもあると母さんがいって、ルカスに1冊の本を手渡した。その日、いつのまにかルカスは飛び始めた……。

Iban Barrenetxea著『La musaraña que robó una montaña』の表紙

山を盗んだトガリネズミ

La musaraña que robó una montaña

イバン・バレネチェア

Iban Barrenetxea

Tormenta Agencia Literaria

ケチケチ王は絶望していた。王室の宝がだれかに盗まれたのだ! 99人の衛兵、一体の怪物、そして決して破られない迷路までが宝を守っていたのに…すべては無駄だった! 金貨が一枚、なくなっているのだ! ケチケチ王は、ずさんな見張りをしていた者たちを直ちに罰した。首をはねよ!(残念ながら迷路には、はねる首がないため罰をまぬがれた)その後、王は自分以上の番人はいないと決心し、いかなる危険からも宝を守るため、自ら宝物庫に陣取った。だが対峙することになる泥棒の正体については、全く知る由もなかった…。

Jorge Bergua Cavero著『La música de los clásicos. Versiones de la poesía antigua, de la Edad Media al Renacimiento tardío』の表紙

クラシック音楽 中世から後期ルネサンスに至る古詩の解釈

La música de los clásicos. Versiones de la poesía antigua, de la Edad Media al Renacimiento tardío

ホルヘ‧ベルグア=カベロ

Jorge Bergua Cavero

Editorial Pre-Textos

この研究の根底にある問いは、少なくとも視覚よりも聴覚優先で外界を感知しがちな人にとっては、人文科学の分野において最も複雑かつ興味深い問いだろう。それは言葉と音楽との関係という問題だ。テクストとメロディー、韻律とアーティキュレーション、言葉のリズムと音楽のリズム、言葉の意味と音の持つ意味、……これらの要素は、たいがいは緊密に協調しあっているが、同時に自分自身のルールを相手に押しつけようと、永遠にきそいあっている。

死に抗う音楽:フランク‧ザッパの知られざる生涯

La música se resiste a morir: Frank Zappa. Biografía no autorizada

マヌエル‧デ‧ラ‧フエンテ‧ソレール

Manuel de la Fuente Soler

Alianza Editorial

多くの人々にとって20世紀のポピュラー音楽シーンを最も大きく塗り替えた存在とも言える、フランク・ザッパの芸術的・文化的・政治的伝記。2023年で没後30年を迎えるこの神話的ミュージシャンの生涯を年代順に網羅した伝記は、スペイン語ではおそらく今作が初。写真をふんだんに盛り込み、巻末にはディスコグラフィ、フィルモグラフィのほか、最新の参考文献一覧、入門プレイリストも収録。

ネゴシエーション:評価と調査の基盤となる の

La negociación, piedra angular de las e valuaciones y las investigaciones

ミゲル‧アンヘル‧サントス=ゲラ

Miguel Ángel Santos Guerra

Narcea Ediciones

本書は筆者の持つふたつの源泉から生み出された。いずれも同様に重要なもので、ひとつは読書、熟考、同僚との議論。もうひとつは、半世紀近くにわたる多くの調査や評価から培われた経験だ。ネゴシエーションは、調査および評価の中で生じるものである。ここでこのふたつの課程を区別したのは、全ての評価が調査の結果として出てくるものあったとしても、全ての調査が評価に辿り着くというわけではないからだ。探求の形態にはそれぞれ特殊性があり、求められるものは異なる。では、ネゴシエーションとは何なのか?本書は、その必要性および重要性、段階(初期、経過、報告)、原則、俗説、誤謬について解説している。また、ネゴシエーションのいくつかのケースを簡潔に紹介し、最終章では、評価プロセスにおけるトレーニングとして使用できる12の演習を紹介している。

Eulàlia Canal著『』の表紙

少女と移動図書館

La nena i la biblioteca ambulant

エウラリア・カナル

Eulàlia Canal Iglesias

IMC Literary Agency, S.L.

壁の向こうに住む少女は、母親に会うことができません。ある日、クマとビーバーが運転する移動図書館がその場所にやってきます。ひとりと2匹は本と想像力を使い、壁をうちこわす計画を立てます。この物語は言葉、読書、連帯の力が、障害を乗り越え、より自由で人間的な世界を築く上でいかに重要かをうったえています。

Sumara Marletta著『La niña que sabía de perros』の表紙

犬のことを知っていた少女

La niña que sabía de perros

スマラ‧マルレッタ

Sumara Marletta

Kns ediciones S.C.

犬が子どもに噛みつくのを予防するために書かれた本。犬との間でトラブルが起きると、子どもは後あとまで大きな影響をひきずり、犬への信頼感をすっかり失ってしまうこともある(飼わなくなったり、さらに大きな結果にもつながりうる)。この本は、幼い子どもがペットの犬とともに暮らすために守るべき基本を教えてくれる。家庭で犬を大切にし、安全に楽しく犬と接する方法を、子どもたちは楽しみつつしっかりと学べる。大人や訓練士が犬の言葉を使う際、残念なトラブルを起こさないために役立つアクティビティーと簡潔な解説も収録。

Màxim Huerta著『La noche soñada』の表紙

夢に見た夜

La noche soñada

マキシム‧ウエルタ

Màxim Huerta

Editorial Espasa

1980年サン・フアン祭の前夜。コスタ・ブラバにあるカラベラ町の住民たちは村の夏季映画館のオープニングに来るはずの伝説のエバ・ガードナーを待っている。だが、みなが女優を待つなか、風変わりなブライトマン家の末息子フストだけは違っていた。この魔法の夜に、彼は自分の願い事をする代わりに、自分の家族の運命を変えるため、できる限りのことをするつもりだった。本書は幸せ探しの物語だ。愛を求める危険な旅は、しばしば痛みを伴い、実を結ばないが、決して夢を見ることを止めてはいけないということを、マキシム・ウエルタの筆は発見させてくれる。

両生類女のノスタルジー

La nostalgia de la Mujer Anfibio

クリスティーナ‧サンチェス=アンドラーデ

Cristina Sánchez Andrade

Editorial Anagrama

老女ルチャは、呆然と見つめる孫娘の前で、夫に殺されようとしている。数十年積み重なった恨みは、元を正せば1921年1月2日に遡る。若きルチャは、サルボラ島で蒸気船サンタイサベル号の遭難に遭遇した。男たちが新年を祝っているあいだに、女性たちは海に飛び込み、遭難者たちの救出に向かった。彼女たちはヒロインとみなされたが、貪欲さや略奪といった、英雄的ではない行為の噂も囁かれた。その夜、ルチャはウェディングドレスで海岸にかけつけた。長い髪をひきずり、混乱のなかで彼女は、全裸だがシルクハットをかぶった遭難者に出会った。それは誰だったのか。イギリス人の音楽家か、悪魔の化身か。なぜルチャは、彼のように裸になったのか。その日あったことが、彼女の人生、そして彼女の娘と孫娘の人生に刻印を残すことになった。

José Ramón de Cea著『La nota que faltaba』の表紙

足りなかった音符

La nota que faltaba

ホセ‧ラモン‧デ‧セア=ベラスコ

José Ramón de Cea Velasco

Editorial Kolima

この物語の主人公は小さなサックス。楽器の習得は苦労がつきものだが、小さなサックスがお話のなかで、音楽のこと、習い始めの音楽の基礎を語る。他者とのコミュニケーションにおいて一番大切なのは、コミュニケーションが円滑で有意義なものになるような参考例や接点を探すことだとこの物語は伝えている。つまり、音楽を学ぶことを通して、人間関係や仲間意識、協力、友情、チームワークの世界を垣間見られる心あたたまるお話。

Rafael Jiménez著『La novia ahorcada en el país del viento』の表紙

風の国で絞首された花嫁

La novia ahorcada en el país del viento

ラフ=エル‧ヒメネス

Rafael Jiménez

Futurbox Project (Grupo Ático)

国境に接する町の愛と死の物語。1990年、ポルボウ町。若い女性が木で首を吊った状態で見つかった。花嫁のような白いドレスをまとっていたが、誰も彼女を知らない。捜査の結果、自殺であることが確認されたものの女性の身元は分からなかった。それから25年後、ガリバルディ警部がこの件を見出した。長い年月がたってはいたものの、何が起きたのかを調べるため、警部はポルボウに赴くことにした。しかし町に着いてみると麻薬密売、女性の人身売買や政治汚職などが強力に絡み合っている状況に直面し、物事は簡単に進まない。ガリバルディ警部は命がかかっていることを知りつつも、最後まで捜査する決心をする。実話に基づいた話である。

新しい経済 ブロックチェーンと暗号資産に関する100の質問

La nueva economía blockchain y criptomonedas en 100 preguntas

イスマエル‧サンティアゴ‧モレノ

Ismael Santiago Moreno

Editorial Nowtilus

ブロックチェーンテクノロジーとその経済に関連したすべての基本的なポイントについて解説している。暗号理論、サイファーパンクス、サトシ・ナカモト、暗号資産の分類、暗号資産のビジネスモデル、ブロックチェーンの技術的基盤、ブロックチェーンがさまざまな経済分野に与える影響、新たなベータファイナンスとその規制、暗号資産市場でうまく投資する方法、第4次産業革命、新しいブロックチェーン経済から考える経済と社会の未来、新しいブロックチェーン経済は何によって構成されているのか? 暗号資産はどこでどのようにして取得すればよいのか? 暗号資産とトークンは違うのか? 暗号資産市場の主な予測市場はどれか? ビットコインやイーサリアムの仕組みは? 「スマートコントラクト」は何の役に立っているのか? 経済のトークン化は実現可能か? ICOやクラウドセールはどのような構造をしているのか?

オデュッセイア

La Odisea

エドゥアルド‧アシン

Eduardo Acín

Shackleton Books

オデュッセウスのスリリングな冒険譚を現代の子ども向けにアレンジ。かつて見たことがないほどの驚くべき旅をした英雄がいた。彼は何年も地中海を縦横無尽にさまよい、怪物やキュクロプス、恐ろしい生き物など、あらゆる困難や脅威に直面したが、決して目的地に着く希望を捨てなかった。帰国して再び妻子を抱きしめたいという思いは、どんな障害よりも常に強かったのだ。その英雄の名はオデュッセウスで、彼の旅が『オデュッセイア』。トロイからイサカへの長い旅を駆け抜けたオデュッセウスの冒険を知ってほしい。

Pilar Pascual著『La Oniromarca secreta』の表紙

秘密の夢占い

La Oniromarca secreta

ピラール‧パスクアル

Pilar Pascual

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

「夢を失ったら、あなたは悪夢の奴隷になる。だから、この世界には必要なんだ……夢見ることを恐れない人が」。両親がなぜかいなくなり、レベッカはごく幼い頃にしか会ったことのない祖父、バルバティン先生のところで暮らさなくてはならなくなった。風変わりな家の冷ややかでよそよそしい祖父のもとで途方に暮れていたレベッカは、やがて両親が消えたのは偶然ではなかったこと、自分もまた危険にさらされていることを知る。現実が崩壊し、彼女は隠された真実、先祖にまつわる千年越しの秘密へと導かれ、思いもよらない危険な敵に追われることになる。Mundo Sueño(夢の世界)は、最良のサーガの魅力と魔法をもつファンタジー4部作。現実を変え、私たちを迷いから救いだすファンタジーの力を見直させてくれるシリーズ。

Yoe Suárez著『La otra isla』の表紙

もう とつの島

La otra isla

ヨエ‧スアレス

Yoe Suárez

Lantia Editorial

本作品は地図といえるだろう。キューバの島々に共存する不思議な⼈々や⼈⽣模様を浮き彫りにした地図。本書をひもとけばハバナに残る悪魔の⾜取りを追ったり、マヤの⼥祭司や⽔を神と祀る宗教の数少ない最後の信者たちと話したりすることができる。洞窟や⼲ばつとハリケーンに⽴ち向かう町々を訪ね、あるいは恐れを知らないカイマンの捕獲者たちと⼀緒に湿地帯を歩くことも。⽇々シュールな世界に⽣きるキューバの⼈々を発⾒することができる本。

上のページ

La página de arriba

カニサレス

Canizales

Aerys Producciones

ページの上にいるライオンは、そこでの楽しい生活に大満足。一方、下のページの動物たちは、あまり楽しくはなさそう。ライオンの気まぐれの相手をしなければならず、歩くときにはその重みにたえなければならない始末。もし、本を逆さまにして、上のページを下のページにしたらどうなる? すべての登場人物に変化が起きることになるだろう。ユーモアのセンスが光る、とても独創的な本で、小さな子どもは笑い、大人はほんのちょっぴり皮肉を感じる。上と下、ページをひっくり返して、空間を遊ぶことへ誘う1冊。物事を変えることは可能であり、ひっくり返すことさえできることを教えてくれる、シンプルな物語。相手を理解するために、相手の立場に立つことを促す。

Mónica Rodríguez著『La partitura』の表紙

楽譜

La partitura

モニカ‧ロドリゲス

Mónica Rodríguez

Editorial Luis Vives (Edelvives)

マルタは10年間ずっと隠してきた秘密をパートナーに打ち明けた。それは、勤めていた高齢者施設で知り合った老人、ダニエル・ファウラ・オイゴンの奇妙で心惹かれる人生の話だ。ダニエルが亡くなった時、マルタは彼の日記と手紙、そして謎の女性サヤに捧げたソナタの楽譜を見つけた。日記はダニエルが少年時代から晩年まで、自分の人生を綴ったものだった。

Jorge Eduardo Benavides著『La paz de los vencidos』の表紙

敗北者た の平和

La paz de los vencidos

ホルx‧エドゥアルド‧べナビデス

Jorge Eduardo Benavides

Nocturna Ediciones, S.L.

「こういう言い方はすでに矛盾をはらんでいそうだが、僕は自分がいわゆる自主亡命者のように感じている。縁を切ることのできない唯一のもの、つまり自分自身と根底でつながりを断てないので、どこにも安らぎを見いだせない」。テネリフェに移住したあるペルー人が、スロットマシーン場での新しい仕事を始めたときから日記をつけ始める。日々は先の見通しがまったくないまま過ぎてゆき、彼の周りの登場人物たちもよく似た状況にいる。生徒がいない高齢の教師、ギャンブル中毒の女、痛ましい過去に主人公を縛りつける旧友、横暴なボス、一作以外は鳴かず飛ばずの作家、奇妙な目的を持つ美少女、昔の恋の長く伸びた影……。「ホルヘ・エドゥアルド・べナビデスは素晴らしい作家だ」(作家フェルナンド・イワサキ)

Oriol Toro著『La peluqueróa del señor Calabacín』の表紙

ズッキーニさんのヘアサロン

La peluquería del señor Calabacín

オリオル‧トロ

Oriol Toro

El Cep i la Nansa Edicions

畑のすみっこの見えない場所に、ズッキーニは隠れている。いつも21個のボタンのついた服を着て、前髪は畑のだれよりぴたっとワックスでかためている。毎晩、葉っぱの下からハサミとくしとドライヤーをとりだし、石のうしろの隠れた場所にヘアサロン営業中のプレートをかける。けれども、ズッキーニ氏は客たちを陰で非難するのがほとほといやになった。あるこだわりが、たくさんの問題をひきおこす。

Lluis Prats Martínez著『La pequeña coral de la señorita Collignonの表紙』

虹色のコーラス

La pequeña coral de la señorita Collignon

リュイス‧プラッツ

Lluis Prats Martínez

Editorial Casals

コリニョン先生はバルセロナの高級住宅街にある学校でフランス語と音楽を教えている。ある日突然、学校運営側から予告なしに現在の学校を離れ、様々な国籍や文化背景を持つ生徒たちが通うラバル地区の学校への転任を命じられる。この庶民的な街での生活は彼女の人生を一変させ、新たな挑戦が待ち受けることになる。コリニョン先生は生徒たちを巻き込んで、野心的なプロジェクトに取り組むことになる。それは「虹の合唱団」だった。

Juan Ramón Barat著『La Perla de Sanzio』の表紙

サンツィオの『ラ‧ペルラ(真珠)』

La Perla de Sanzio

フアン‧ラモン‧バラット

Juan Ramón Barat

Grupo Editorial Bruño

15歳のアンドレスは少し前に父フェルナンドを亡くした。フェルナンドは尊敬された警察署長だったが、ビルマニア・ホテルのプールで睡眠薬の過剰摂取で死亡しているのが発見された。自殺に思われた。だが、腑に落ちない点もある。フェルナンドは楽天家で幸せに過ごしていたのに、なぜ自ら命を絶つ必要があるのか? アンドレスは偶然、父の古いパソコンの中に謎のファイルを見つける。その瞬間から、物語は全く逆の方向へ進み始める。アンドレスはどんなことでも起こりうる怪しく危険な世界に立ち向かわざるを得なくなる。

Pilar Quintana著『La perra』の表紙

雌犬

La perra

ピラール‧キンタナ

Pilar Quintana

Casanovas & Lynch Literary Agency

美しさと荒々しさが同居する地域で、豊かさと貧しさ、白人と黒人が、距離を置きながら共存する太平洋の小さな村。その村がダマリスの物語の舞台。ダマリスは、女ざかりの太平洋の黒人女。長年ロへリオと連れ添ってきた。ふたりの白けた関係は子供を求めてのむなしい努力に大いに関係がある。あらゆることを試すが、ダマリスは妊娠しない。すべての希望が絶たれたとき、ダマリスは1匹の雌犬を飼うことになり、新しい夢を見つける。この雌犬との新しく身近な関係が、ダマリスにとって本能と母性について考察させる経験になっていく。

緑色の石

La piedra verde

フリオ‧サントス

Julio Santos

Xarpa Books

7歳以上を対象とした児童向け冒険シリーズ。色彩豊かなイラスト入りの120ページを超える本で、冒険、ミステリーなどが楽しめる。「やあ!僕はチャノ。双子の兄弟の名前はオスカル。君は隕石が落ちるのを見たことある? 僕たちは見たんだよ。夏の初めに遠足に行ったとき、目の前の空を巨大な火の玉が通り過ぎて森の中に落ちたんだ! 本当は反対の方向に逃げなくちゃいけないってわかっていたけど、僕たちは森に探しに行ったのさ。見つけたのは緑色の不思議な石。その輝きの奥に隠された秘密は僕たちの人生を永遠に変えてしまった。一緒に秘密を探ってみない?」。本書のデジタル版は10万を超える作品の中から2017年のワッティ賞最終選考作品に選ばれ、AmazonとPlayStoreでのダウンロードの回数は累計50万超となっている。

María del Mar Rodríguez著『La prestamista』の表紙

金貸し女

La prestamista

マリア‧デル‧マル‧ロドリゲス

María del Mar Rodríguez

Baile del Sol Editorial

舞台はラ・パルマ島(1850~1946年)。ビリャ・デ・マソの金貸し女ペトラと彼女を取り巻く人々の物語。キューバへの移民を余儀なくした飢饉、ラ・パルマの人々の黄金世紀の絶頂と貧窮、物資不足の疲弊した社会に勃発した左翼思想、共和制への期待、スペイン内戦の残酷さ、反乱軍と生き残りのための彼らの闘い…、それらの史実が、ペトラの物語の過去、現在、未来を取り巻く。一方、彼女は心の中に強い愛を秘めている、限りなく長きにわたって誰にも知られないままに。

Carlos del Pino Velasco著『La primera decisión de Guillermo』の表紙

ギリェルモのはじめての決心

La primera decisión de Guillermo

カルロス‧デルピノ=ベラスコ

Carlos del Pino Velasco

Educación para el Optimismo, S.L.

ちょっとの間、ひとりで留守番しなくてはならなくなったギリェルモは、悪いことばかりを考えてしまう。危険の真っただ中にいるような気がして、心臓がバクバクし、わけがわからなくなって、しまいに気絶してしまう。気づくと、不思議な世界にいた。いろんな道があって、どの道に行くかをギリェルモが決めなくてはならない。それまでいつもだれかかわりに決めてもらっていたギリェルモは、おじけづいてしまう。その時、一輪のマーガレットと出会い、一緒に素晴らしい秘密を見つけると、すべてが変わっていく……。自分で決断し、リスクを引き受け、自分自身で物事にかかわっていくことを幼い子どもたちに教えてくれる、すてきなお話。

Ana Andreu Baquero著『La princesa de Buchenwald. La historia olvidada de Mafalda de Saboya』の表紙

ブーヘンヴァルトの王女:マファルダ・デ・サボイアの忘れられた物語

La princesa de Buchenwald. La historia olvidada de Mafalda de Saboya

アナ・アンドレウ=バケロ

Ana Andreu Baquero

Libros de Seda

1945年、ワイマール。ブーヘンヴァルト強制収容所の解放から間もなく、イタリア王立海軍に所属する7人の男たちが、市の墓地に入り、番号が振られた杭が立つみすぼらしい広場へと向かう。広場に着くと、幸運に助けられてやっとのことで262番の杭を探し当てる。記録によるとそこには「身元不明の女性」の遺体が安置されているはずだった。その杭を引き抜くと、隠されていた名前が現れ、彼らの任務の大きさが確認される。彼らは、平和を取り戻したばかりの市中で物々交換によって手に入れたブナ材の墓石と十字架を、その杭と置き換える。今や墓は完成し、不吉な番号は、丁寧に彫られた高貴な名前「マファルダ・デ・サボイア」に変わったのだった。

Marisa López Soria著『La princesa de la nube』の表紙

雲の王女

La princesa de la nube

マリサ‧ロペス‧ソリア

Marisa López Soria

Ediciones del Laberinto

バネッサは雲の中で生きているかのように夢見がちな現代の王女様。バビア王国でキリンや魔女やシャボン玉と暮らしている。結婚する年頃になると、両親はそわそわしはじめた。そこで名付け親の妖精は、王女に求婚する者は、なぞなぞを解かなければならないという条件を付けてはどうかと提案する。彼女の婿になるには、少なくとも想像力が豊かでなければならない。けれど、物事は思い通りにいくとは限らないのだ。

Miguel Dueñas著『La prohibición del jade』の表紙

翡翠の禁制

La prohibición del jade

ミゲル‧ドゥエニャス

Miguel Dueñas

Editorial La Huerta Grande

先住民のとある集落。シェップがナイフで親指の先を切ってしまい仕事は中断する。その出来事が偶発的な事故であることを疑問視する者は誰もいない。男も女も自分の役割を甘受し、それに疑問を抱く者はいない。若者シェップも同じだ。誰も何も自らに問うことをしない。先住民居留地では暮らしが変わることなく続き、彼らがとらわれている空間では、偶然と運命の間、あきらめとより良い生活の可能性の間を時間が流れていく。そんなとき、最初の白人が現れる。どこか寓話じみたこの類まれな物語は、私たちにものごとを従順に受け入れるための能力、あるいは、私たちの問いかけ次第で運命が変わることもあると認めるための能力について語る。

Manel Loureiro著『La puerta』の表紙

La puerta

マネル‧ロウレイロ

Manel Loureiro

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

マネル・ロウレイロが届ける、謎と伝説に満ちたガリシアを舞台にしたミステリー小説。神秘的な奇岩ポルタレンの下で、昔の儀式に則った方法で殺された若い女性の死体が見つかり、捜査員たちを困惑させる。刑事のラケル・コリーナは、現代医学では治療できない病に侵された息子を助けたい一心でガリシアのこの辺鄙な地に来たばかりだ。選択の余地がないラケルは、疑いながらも息子の完治を約束した地元の民間療法士に頼る。その民間療法士が突然いなくなった。この謎の失踪とポルタレンの殺人事件は繋がっているのではないかと考えるラケル。誰もが秘密を隠し持っているような不可解な農村で、ラケルは同僚と一緒に事件の解決と息子の命を助けるために必死の捜索に挑む。

Sonia Fernández-Vidal著『La puerta de los tres cerrojos』の表紙

錠が3つついたドア

La puerta de tres cerrojos

ソニア‧フェルナンデス‧ビダル

Sonia Fernández-Vidal

Sandra Bruna Agencia Literaria

14歳の少年ニコは、ある朝いつもと違う道を通って学校へ向かったところ、途中で見たことのない家を見つける。不思議に思って中に入ると、奇妙な宇宙にはいりこんでしまう。 量子の世界では驚くべきことが起こる。何もないところからひとつの宇宙が作られ、時計屋は光速ツアーを売り出している。ネコは現れると同時に消える。しかもニコは知らないうちに使命をおびていた。幸いそのおかしな世界で知り合った新しい友達が助けてくれる。『数の悪魔』が数学の世界の冒険を描き、『ソフィーの世界』が哲学を一般の人々に普及させたのに倣い、ソニア・フェルナンデス=ビダルは現代物理学に関する楽しく明快な小説を書きあげた。9歳から99歳までの人の為のエンターテイメント小説の古典ともいうべき書。

Ricardo Cano Gaviria著『La puerta del infierno』の表紙

地獄の門

La puerta del infierno

リカルド‧カノ=ガビリア

Ricardo Cano Gaviria

Ediciones Igitur S.L.

80人のコロンビア人がパリの街角で出会い、いきなり熱をおびた会話が始まる。60年代の革命運動を背景に、特に、これまで文学では語られてこなかった、フロイドやサルトルやマルクス主義に傾倒するコロンビア人たちを通して、物事のはかなさ、死にあたって見える生の広がり、すぎゆく世代などが見えてくる。世界が、時とともに償いの場となるようすが描かれるが、そこでは、陽気な再会の場として地獄があるという約束だけが、唯一の出口となる。

5日目の夜

La quinta noche

メルセデス‧オリベット

Mercedes Olivet

Editorial Luis Vives (Edelvives)

1851年。悲劇がクロンプトン・プレイスの屋敷を揺るがす。ロイセストン兄弟と母親が謎の死を遂げた。孤児のフランキー少年は犯人を暴く鍵となる、不穏な秘密の会話を耳にする。そしてカウントダウンが始まった…。恐ろしい呪いを解くために、フランキーは自分の命を危険にさらす。ヴィクトリア朝英国を舞台にしたディケンズ風の小説。アクションが満載で、現実と魔術が交錯。人間性を映し出す恋模様もあり、ヤングアダルトにうってつけの物語だ。

桜の乾いた枝

La rama seca del cerezo

ラファエル‧サルメロン

Rafael Salmerón

Anaya Infantil y Juvenil (Grupo ANAYA)

友情と克服を描く感動的な物語。1945年、原爆が落ちる直前の広島の街で、イチローとマスジは遊んでいた。現代の広島で、手の不自由な10代の少女サクラは、クラスメートの嘲笑と家族間での孤立をどうにかやり過ごしている。母には愛されていないと思い、仕事に没頭する父とはほとんど顔を合わせない。ネット上の友だちのアイコは別の街に住んでいて、実際に会うのは難しい。彼女の夢は漫画家になることだが、それは叶わないことだとわかっている。しかし、幼いテツオと、大きな秘密を抱えた広島の被爆者の老人との出会いが、サクラの人生を大きく変えることになる。

Rafael Argullol著『La razón del mal』の表紙

悪の理

La razón del mal

ラファエル‧アルグリョル

Rafael Argullol

Quaderns Crema

繫栄を極めた、西洋のとある国際的都市で不思議な現象が起こる。初めは不愉快な偶然の出来事としか思われなかったが、間もなくそれが悪意のある脅威に変わり、市民の心の内にある確信が覆される。社会全体に影響が及ぶこの現象を皮切りに、著者は密告、恐怖、疑念、はたまた略奪や魔力、迷信などにより社会が腐敗していく過程を描きだす。混乱の中、神話的絵画をゆったりと修復するような時間の流れの中で、ひとつの愛が静かに生まれる。芸術家はオルフェウスとエウリュディケのために別の運命を夢見るよう、大胆にも観客にさそいかける。

Mario Szichman著『La región vacía』の表紙

空っぽの地方

La región vacía

マリオ‧シッチマン

Mario Szichman

Editorial Verbum, S.L.

『空っぽの地方』は、パキスタンの信心深い戦士のキャンプからCIAやFBIのセキュリティーゲートまで読者を運ぶ。ビン・ラディンやジョージ・ブッシュを含む歴史上の人物や悲劇の裏を知る公務員など多くの人物をちりばめて展開する、魅力に満ちた謎解きである。作者はハイジャックを企てるアルカイダのメンバーが悲劇的儀式に向けて出発するターミナルに読者を誘い、誘導ミサイルになった飛行機で旅をさせ、火災が起きたワールドトレードセンターが地上の地獄になった102分間を体験させる。「シッヒマンは昆虫学者並みの正確さ、華麗なレトリック、戦慄と感動的なサスペンスを持ち合わせている。ストーリーの面白さは目まぐるしく起きる色々な出来事とモザイクのように絡み合う主人公たちの行動にある」フェルナンド・ロドリゲス=ラフエンテ評。

Víctor García Antón著『La Reina de las Lentejas』の表紙

レンズまめの女王

La Reina de las Lentejas

ビクトル‧ガルシア‧アントン

Víctor García Antón

Gato Sueco Editorial

レンズまめの女王はレンズまめが好きではない。目の前に大きな皿を置かれた女王は、全部食べなさいとパパに言われた。しかも弟は何もかも床にほうり投げ、ずっと泣き続けている。もううんざり! ところが、運良く遠い国からマトリョーシカが、女王への贈り物を持ってやってきた。マトリョーシカたちはお腹がすいているに違いない。世界を広げたり、より人間的な世界をつくったりするツールとしての遊びやお話作りについての、小さい人とそれほど小さくない人のためのお話。

Herminia Luque著『La reina del exilio』の表紙

亡命の女王

La reina del exilio

エルミニア‧ルケ

Herminia Luque

EDHASA - Editora y Distribuidora Hispano Americana

臨終に際してのサリカ法典の撤廃とイサベル2世の王位継承は、スペインにおいて数知れぬ骨肉の争いや陰謀、謎といった動乱の19世紀を引き起こした。1882年、イサベル2世は権力から遠く離れたパリのカスティーリャ宮殿で亡命生活を送っていた。そこに女王にとってはまずい書類を携えて、魅力的な紳士フリオ・ウセダがサガスタの使者として訪れる。そしてもうひとり。マドリードの孤児院で教育を受けたテレサという名の若い使用人は、宮殿の暮らしとはかけ離れた視点で世の中を見ている。フリオとテレサは恋に落ちるが、政治的な陰謀と、偽善が日常化し、衰退した君主制の腐敗との間で翻弄される。王宮の陰謀をテーマに、歴史的な人物であるイサベル2世に迫り、19世紀を見事に再現すると同時に、その社会に対する皮肉な批判を込めた小説。

Armand Puig著『La Sagrada Família segons Gaudí』の表紙

ガウディによるサグラダ‧ファミリア

La Sagrada Família segons Gaudí

アルマンド‧プッチ

Armand Puig

Pòrtic

バルセロナの最も特徴的なモニュメント「サグラダ・ファミリア」を理解することは容易ではない。しかし、当のガウディは、解決できない謎としてではなく、誰にでも開かれた本のようにそれを設計した。ガウディは「彼の」作品がどこからでも見えるよう望み、それを成し遂げた。またサグラダ・ファミリアを作る全ての石、ひとつひとつの石が語りかけて欲しいと望んだ。ガウディはその建築に着手したばかりのときにこの世を去った。今、着工から125年経って、その象徴の奥深さ、アイデアの大胆さ、「新しい建築」でありたいと熟考の末に生まれたプロジェクトが持つ力を私たちは理解し始めている。 サグラダ・ファミリアは理解されることを求める。その意味を理解できる者は、世界でも最も独特な建物のひとつであるサグラダ・ファミリアの「なぜ」と「どのようにして」がわかる。この本は見学の手引きにもなるが、何より「ヨーロッパの大聖堂」サグラダ・ファミリアに具現化された象徴的宇宙を理解させてくれる。

Elvira Navarro著『La sangre está cayendo al patio』の表紙

中庭に血がしたたる

La sangre está cayendo al patio

エルビラ・ナバロ

Elvira Navarro

Casanovas & Lynch Literary Agency

この9つの物語は、運命に翻弄される男女を主人公とする。不安定な職、僻地の村、空虚な住宅地、コンクリートの塊と化した都市などから成るその世界の輪郭を、エルビラ・ナバロは巧みに歪め、現実を悪夢の淵へと誘う奇妙な質感で満たす。手遅れと気づいたときにはすでに壊れてしまっている人間関係や孤独を通して、ほとんど気づかぬうちに不穏なものが彼らの日常に忍びこむ。

Martí Domínguez著『La sega』の表紙

刈り取り

La sega

マルティ‧ドミンゲス

Martí Domínguez

Raval Ediciones S.L.U

1940〜50年代のスペイン、農家が点在する、マエストラスゴのある村で展開する小説。一帯の森林にはマキ(反フランコゲリラ)が潜む。その家の娘のテレサは物心両面からマキのゲリラに加担しているが、夫を治安警察に殺された母親は、そんな娘の行動に気をもんでいる。末息子が語り手となり、秘密と暴力に満ちた村の状況を明らかにしていく。テレサと親しいマキのゲリラは、治安警察のスパイだった。それがきっかけで、ある誤解から銃撃戦となる。一家はゲリラと治安警察との戦いによって翻弄され分裂させられる。バレンシアの山村を舞台に、主人公の少年とその家族の変遷をたどる小説。

Leon Tolstói著『La semilla milagrosa』の表紙

奇跡の種

La semilla milagrosa

レオン‧トルストイ

Leon Tolstói

Editorial M1C, S.L.

この物語は、他者に対する自分自身の価値を教えてくれる。わたしたちはときとして、人の持っているものばかりが気にかかるのだが、大切なものや真実のものは、かけがえなく貴重で唯一にして無限の、ひとりひとりのなかにあるのだ。

Pablo Tobías Gavasa著『La Senda Secreta』の表紙

秘密の細道

La Senda Secreta

パブロ‧トビーアス‧ガバサ

Pablo Tobías Gavasa

Grupo Ramírez Cogollor, S.L.

苦悩するひとりの忍者。隠された陰謀。危険な使命。不滅の作品。1689年、高名な俳人、松尾芭蕉が仙台藩に向けて旅立ち、彼の最も有名な作品となる「おくのほそ道」が生まれる。だが芭蕉は、実際には清算すべき過去を抱えたもの憂げな忍者だったこと、そしてその旅には、日本の最大の政治的陰謀のひとつが渦巻いていたことをだれも知らない。復讐を目指す一派と徳川幕府のよこしまな幕僚たちが暗躍し、大きな犠牲を払い、血を流してやっと手に入れた平穏が揺らぐことになる。将軍家の重鎮は、日本を支配しようとしている。それらの陰謀は全て、同じ目的地をめざしている。唯一それを知っている人物は、俳人に姿を変えた忍者。彼の希代な旅だけが、平和を取り戻す頼みの綱だ。

第7弦

La séptima cuerda

マヌエル‧ラモス=ラモス

Manuel Ramos Ramos

Colibrí Ediciones

フラメンコを題材にした小説。この複雑な芸術に関する知識を追求するなかで青年ギタリストの身に起きる予期せぬ出来事を綴る。エバ・ジェルバブエナ、ロシオ・マルケス、ビセンテ・アミーゴの序文から始まるフラメンコの魅力の探求には、エストレージャ・モレンテ、カルメン・リナーレス、ハビエル・バロン、アルカンヘルといった大勢のアーティストが登場し、この古典音楽への理解を深める手助けとなってくれる。各章の冒頭はフラメンコの歌詞で始まり、第3版に記載されたQR(二次元バーコード)から聞くことができるようになっている。また、パトリシオ・イダルゴの挿絵が花を添えるこの小説はフィクションと現実が混在する面白い作品というだけではなく、教材としても価値がある。

Catarina Sobral著『La sirena y los gigantes enamorados』の表紙

人魚と恋する巨人たち

La sirena y los gigantes enamorados

カタリナ‧ソブラル

Catarina Sobral

Fundación Santa María - Ediciones SM

ポルトガルの伝説を題材にした絵本。海と山、ふたりの巨人がひとりの人魚に恋をして、対決することになった。伝説の再話と挿絵は2014年ボローニャSM財団賞を受賞したポルトガルのイラストレーター、カタリーナ・ソブラル。

Horacio Castellanos Moya著『La sirvienta y el luchador』の表紙

女中とレスラー

La sirvienta y el luchador

オラシオ‧カステジャーノス=モヤ

Horacio Castellanos Moya

Tusquets Editores

エル・ビキンゴは年老いた元プロレスラー。自分がまだ、どんな職務もやりとげられるタフな男だということを勤め先の警察の上司たちに見せたくて、同僚とともに何人かの容疑者の若者を留置所に連行する任務をかってでる。その翌日、マリア・エレナというひとりの家政婦が、かつての主人の孫の元で働くことになり、新婚家庭をたずねるが、家には誰もいない。事情をたずねてまわったり、日増しに不安を募らせる家族からの電話を受けたりするうちに、マリア・エレナはこの失踪の裏に、何か非常に重大な事実が隠れていると直感する。そこで、警察にいる古い知り合い、エル・ビキンゴに頼る。彼はかつて彼女の主人の護衛をしており、彼女に言い寄ったことがあった。マリア・エレナは何も知らずに孫夫婦をさがすうち、野蛮な逮捕現場に出くわし、反政府グループの言い争いを目撃し、フードで顔を隠した反政府グループの中に、見知った人物の顔をちらりとみとめる。自分の娘と孫息子の居所も考えるうち、マリア・エレナの不安は苦悩に変わっていく。

Natalio Grueso著『La soledad』の表紙

孤独

La soledad

ナタリオ‧グルエソ

Natalio Grueso

Dos Passos Agencia Literaria

孤独は私たちの感情の内部へのデリケートな旅であり、願望や感謝や正義や夢が合わさった空想に満ちあふれた冒険である。ページをかけめぐる数名の登場人物たちが、みな読者の心に残る。感じのよい泥棒ブルノ・ラバスティデ、書籍の処方師、若き夢狩人、そしてははちみつ色の目をした若い日本人女性などが、毎日午後になるとヴェニスのアパートで運命に立ち向かっていく。魔術か催眠術のように心とらえる感動的なこの小説は、読者をパリからブエノスアイレスへ、ヴェニスからインドシナ半島へと連れて行き、登場人物たちのたどるのっぴきならない旅程の共犯者に仕立て上げる。彼らは孤独な敗者であるように見えるが、自分でもそれと気づかぬうちに、人間が望みうる最も気高く美しいこと、つまり他人を幸せにすることをなしとげるのだ。

Jorge Volpi著『La tejedora de sombras』の表紙

影を紡ぐ女

La tejedora de sombras

ホルヘ‧ボルビ

Jorge Volpi

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

ヘンリー・マレーとクリスティアナ・モルガンは1925年ニューヨークで出会った。当時ヘンリーはハーバード大学の意欲的な医者で、ボストンの裕福な資産家の娘と結婚していた。一方、クリスティアナ・モルガンは美術を学ぶ激しい気性の学生で、退役軍人の妻だった。ふたりはどうしようもなく惹かれあい、スイスに渡ってカール・グスタフ・ユングの分析を受ける。ユングはクリスティアナを深いトランス状態に沈める。ノートに忠実に再現され描かれた若いクリスティアナのビジョンは、その後42年間続く絶対愛を探る実験の出発点となる。 当時の男性社会に果敢に立ち向かったクリスティアナ・モルガンの姿を描く。極限の思いにつき動かされた女性の波乱万丈の物語。

Gaspar Hernàndez著『La terapeuta』の表紙

セラピスト

La terapeuta

ガスパール‧エルナンデス

Gaspar Hernàndez

Sandra Bruna Agencia Literaria

登場人物の依存関係が、1ページ目からあなたをひきつけてやまない。21世紀の最もよくある病のひとつ、不安についての物語。エクトル・アマトは俳優で、ある若い女性の殺害現場に偶然居合わせてしまって以来、不安にさいなまれている。不安が障壁となって、彼は起きたことを思い出せなくなる。苦悩をしずめて記憶を取り戻そうと、エクトルは心理学者のエウヘニア・リョルトの診察室を訪れる。彼女は事件のあとに彼の治療を受け持ったセラピストだった。最初は医者と患者という職業上のつながりだったふたりの関係が、やがて依存関係に代わり、ついに限界に達する。

ニュートンの第三の法則

La tercera ley de Newton

ハビエル‧マルキナ

Javier Marquina

Sallybooks Editorial

エネアスは地球にただひとりのスーパーマン。だが、そのことに疲れてきっており、恋人のベリットとパーティー三昧の日々を送っていた。地球を太陽に打ち上げることもできるのに、ぐったりしながらドラッグをやっている方が性に合ってると思っているのだ。一方、ベリットはエネアスに夢中でありながら、パーティーで知り合ったバカっぽい若者が自分に言い寄ってきても好きにさせていた。何もかも普通に見えるが、ちょっとしたナンパから始まった出来事が、やがて史上最も壮大で破滅的な対立へとつながっていく。

Aurora Freijo Corbeira著『La ternera』の表紙

子牛の肉

La ternera

アウロラ‧フレイホ‧コルベイラ

Aurora Freijo Corbeira

Editorial Anagrama

幼女に対する虐待を圧倒的な文学の力をもって語る。いたたまれない内容だが読むべき本。たったひとつのしぐさで彼女は子牛と化した。その子はあまりにも幼くて、自分が不自然な立場に置かれている事さえ分からない。深い絶望を秘めた瞳と驚きを隠せぬ眼差し。自分の家には居場所がなくなった。親しくしている隣人はまだ適齢に達してもいない彼女を肉として初めて味わった。孤独だけが彼女に残った。『La ternera(子牛の肉)』は誰もが目を背けていたい虐待の現実を、抑制のきいた筆致で語る。痛みや恥、押しつけられた罪の意識、抵抗の表れである沈黙について語る。心を揺り動かされること必然の、高い文学性を持った本。不快で厳しいと同時に愛情のこもった作品だ。

Sara Noguera著『La tienda de los miedos』の表紙

こわがり屋さんのお店

La tienda de los miedos

サラ・ノゲラ

Sara Noguera

Grupo Editorial Sargantana

お子さんの「こわい」が魔法のように消えてなくなってほしいと願ったことはありませんか? 著名な心理学者サラ・ノゲラによる本書があれば、その夢が現実になります。この魅惑的な児童書はすでにスペインで成功をおさめただけでなく、今やトルコでも人気となり、国際的にも大きな関心を集めています。小さな読者が自分の恐怖を探り、克服するためのユニークで楽しいツール。本書の世界に没頭すれば、子どもたちは親切な店主が提供してくれる「解決策」によって自分をおびえさせるものに立ち向かい、不安を勇気と笑顔に変えていきます。『La tienda de los miedos(こわがり屋さんのお店)』は、単なる本ではありません。子どもたちの感情的知性を育み、楽しみながら恐怖から解放される力をつける、インタラクティブな体験です。

Andrea Antinori著『La Tierra no es plana』の表紙

地球は平らではない

La Tierra no es plana

アンドレア・アンティノリ

Andrea Antinori

Zahorí Books

もし地球が平らだったら、どんな生活になるだろう? この本で語られるように、奇妙で楽しいことが起こりそうだ。まず、平らな地球にはA面とB面のふたつの面があり、穴をひとつ開けるだけで両側が出会えるだろう。でも、もしそんなに簡単だったら…、何が起こるか想像できるかな? あっという間に、地球はチーズよりもっと穴だらけになってしまう。小さな子ども向けの、ちょっとおかしな新科学シリーズ『VERDADERO O FALSO(ホントかウソか)』の1冊目。既成概念を打ち破り、陳腐な考えを捨て、物事を別の視点から見ようと読者を促す。

Alan Monroe Finch著『La tomba de Mary Jay』の表紙

メアリー‧ジェイの墓

La tomba de Mary Jay

アラン‧モンロー=フィンチ

Alan Monroe Finch

Edicions Bromera S.L.U.

モートンハムステッドはイギリスで一番長い名前の村だが、あるとほうもないことで知られている。メアリー・ジェイの墓に秘められた伝説だ。ある晩、11歳のジョン・ウィルコックスといとこたちは、伝説の秘密を明かそうと、墓のところでキャンプすることに。その夜は、ジョンが想像もしなかった長い夜となり、おそろしいたいへんなことが起こる。どんなことか、知る勇気はあるかな?

Ángel Gutiérrez著『La torre prohibida』の表紙

禁じられた塔

La torre prohibida

アンヘル‧グティエレス

Ángel Gutiérrez

Editorial Planeta, S.A.U.

ジャック・ウィンガーは、事故に会って完全に記憶を失い、とある療養クリニックに入院する。そこで、彼は事件記者だったこと、病院に見舞いに来た人はいなかったこと、入院者は全員記憶喪失の患者だと説明を受ける。ただし、患者全員が夜毎繰り返しひどい悪夢にさいなまれていることは誰も教えてくれない。看護師長が時々森に入院患者を連れて行き、ひとりで戻ってくることも、立入禁止で入口が隠された塔があることも誰も教えてくれない。 若い患者フリアの悪夢は、ジャックのよりずっとひどいものだ。ジュリアの助けで、入院しないほうが良い場所があること、永遠に隠されたままでいるべき秘密があることをジャックは知る。

灯台守の悲し

La tristeza del farero

マリサ‧ペニャ

Marisa Peña

Marli Brosgen Editorial

マリサ・ペニャは不死鳥の系譜にある詩人だ。この本は、彼女自身が道すがら選びぬいたハーブを使い、熟練した時計職人の精巧さと、限りなく繊細な手で編み上げた巣である。感動する者の手の中で燃え上がり、その灰の中からよみがえり、再び感動をもたらす。『灯台守の悲しみ』は、思考にしみとおる雨の本であり、心の奥底に湿り気を残す。その湿り気は、悲しみに歌いかける方法だ。暗闇や岩場や浅瀬や岩礁があるところでも、いつでも私たちがイタカにたどりつけるように夜を照らす灯台守と同様、マリサは、彼女の物語を私たちが見失わないよう細心の注意を払う。

Víctor del Árbol著『La tristeza del samurái』の表紙

サムライの悲しみ

La tristeza del samurái

ビクトル‧デルアルボル

Víctor del Árbol

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

1941年、スペインのエストレマドゥラで起きた犯罪がアルカラ家の家族3代と、40年間彼らと関わりあった人々に影響をもたらす。陰謀、誘拐、殺人、拷問、男性から女性への暴力などをもりこんで、小説は展開する。著者は、ルポルタージュ的かつ軽快な文体で、起こった出来事を語り、登場人物ひとりひとりの心理に入り込みながら、少しずつ双方の人々を絡み合わせていく。その結果、感情と遺恨、愛と憎しみ、野望と苦悩、偽善ととりわけ罪悪感が渦巻く素晴らしい推理小説となった。子が父の罪を受け継ぎ、孫が祖父母の罪を受け継ぎ、代々汚点がひきつがれていく。

Fernando Lalana Josa著『La tuneladora』の表紙

La tuneladora

フェルナンド‧ララナ=ホサ

Fernando Lalana Josa

Editorial Bambú

地下鉄のトンネル工事を進めていた掘削会社の責任者である若きエンジニアが、忽然と姿を消した。これが、私立探偵フェルミン・エスカルティンが立ちむかう、身の毛のよだつ事件の始まりとなる。大学教員から探偵に転身したフェルミン・エスカルティンは、フェルナンド・ララナのミステリーシリーズの主人公。『トンネル掘り』は中でも、鋭い皮肉と真に迫る恐怖が冴えわたる、一度手にとると最後まで一気に読まずにいられない秀作ミステリー。

Joaquín Camps著『La última confidencia del escritor Hugo Mendoza』の表紙

作家ウゴ‧メンドサの最後の告白

La última confidencia del escritor Hugo Mendoza

ホアキン‧カンプスはバレンシア大学で文学を教えており、同市に住んでいます。彼の主な研究および教育の関は組織における人間行動にあり、この分野で多数の科学

Joaquín Camps

Editorial Planeta, S.A.U.

魅力的な文学教授ビクトル・べガは、作家ウゴ・メンドサの未亡人からの風変わりな依頼を引き受けることにする。ウゴ・メンドサが死んだことは厳格に証明されているのだが、彼女は、亡き夫がまだ生きていないかどうか、毎年12月3日に彼の新しい手稿を送ってくるのが誰なのかを調べて欲しいと頼んできた。ビクトルは謎の糾明に乗り出し、その結果、自分の生命を脅かされるようになるが、一方でその間現れた謎めいた美女にぞっこんになる。数学に長けた芸人のパロマと、ITの天才である修道女のサンタ・テクラのふたりも、この謎だらけの波乱万丈の物語でビクトルにからんでくる。

José Ángel Mañas著『La última juerga』の表紙

最後の馬鹿騒ぎ

La última juerga

ホセ‧アンヘル‧マニャス

José Ángel Mañas

ALT autores Editorial

当時彼らは20歳を少し過ぎた頃だった。クローネン・バルに集合して、セックス、アルコール、ドラッグで若いエネルギーを発散していた友達グループ。ときには、命を危険にさらすほどの馬鹿をすることもあり、そのおふざけが過ぎてとんでもない結果を招いた者もいた。それから長い時が経った。ちょうど25年だ。今彼らは仕事をし、暮らし向きも悪くない。結婚して、子供がいる者もいる。ドラッグをやる者はほとんどいないし、酔っぱらってどんちゃん騒ぎをする代わりにワインをたしなんでいる。カルロスが人生を揺るがす知らせを受けたとき、何年も前から会っていない友人のペドロにもう一度会うべきだと感じた。再開したところでおそらく、過去のいくつかの瞬間を思い出すだけに過ぎないかもしれないが、もしかしたら、「最後の馬鹿騒ぎ」の始まりになるかもしれない。

最後の薔薇

La última rosa

ヘスス‧モンティエル

Jesús Montiel

Editorial Pre-Textos

ベン・クラーク「詩でも小説でもない。これはフィクションではない。我々を生と調和で満たす濃密な人生なのだ」 エリカ・マルティネス「厭世の帝国を離れ、ヘスス・モンティエルは私的な現像室で純粋な心を露わにする。現代のシニシズムとは折り合わない純真さを読者に取り戻させる。彼が強く必要とされるのは当然だ」アルフォンソ・トレシーリャス「彼の詩とその純真さは、ボバンの作品にある生の歓喜を彷彿とさせる。それは無邪気な歓喜ではなく、人間の本質に根ざしたもの、彼の超越した感覚に基づくものだ」

Cristina Sardà著『La vaca, el médico y el hijo del jardinero』の表紙

牛、医者、そして庭師の息子

La vaca, el médico y el hijo del jardinero

クリスティーナ・サルダー

Cristina Sardà

Fulgencio Pimentel Editorial

30冊以上の著作を持つクリスティーナ・サルダーは、「ワクチンの物語」と副題をつけることができる本書を皮切りに、あらゆる読者層に向けた啓蒙的な絵本シリーズを始めた。社会の最も保守反動的な一部がワクチンの有効性を疑問視している今、ワクチンがいつ、どのようにして生まれ、社会にとって何を意味し、どのように世界を変えたのかを思い出すことは重要だ。児童(小学校2年生、3年生)だけでなく、その歴史的、科学的厳密さから、青少年や大人にも向けられた1冊。本書は現代、特にコロナパンデミック後によく見られる否定主義の波に対抗することを目指しており(そして、それは大成功しているといえる)、厳密でありながらも楽しい方法で語られている。数多くのエピソード、予期せぬつながり、偶然が散りばめられており、読書を豊かにして驚くべき視点をもたらす本だ。

Nono Granero著『La vaca Victoria』の表紙

めうしのビクトリア

La vaca Victoria

ノノ‧グラネロ

Nono Granero

Editorial Milrazones

「これは牝牛のビクトリアの物語だ。ビクトリアは死んで、はい、それまで」昔話はこんなふうに語っている。モンテロッソ(訳注:短いお話で知られているグアテマラの作家)の恐竜の物語とさして変わらない長さだ。これではあまりにも短いと、ノノ・グラネロはお話の中から要素をひきだし、不幸な牝牛の別の人生を描いた、このめくるめく悪党バージョンをつくりあげた。はじけるユーモアと韻とナンセンスで、おしまいまでたどりついたかと思うと、ぐるっとまわって、それがべつの始まりとなる。

La ventana

カルメン‧グアイタ

Carmen Guaita

Editorial Luis Vives (Edelvives)

生徒の大半が人工知能によって教育され、ほんの一握りのエリートの子どもだけが教師と直に会う世界は、どのようなものだろう。この小説は21世紀末、教師による教育が特権階級だけのものとなった近未来を舞台とする。メリダでは、小さな古典劇団がローマ劇場とともに、人間の本質を生かし続けるために闘っている。彼らはふたつの教育システムの壁を破り、エリートしか知らない教師のベネシアが、学習意欲まんまんだが、コンピューターを通しての教育しか知らないアルシビアデスに授業をするようしむける。その教育は、教師と生徒、両方の未来、そして人間の未来を変えていく。

裏窓

La ventana indiscreta

マリナ‧サエス

Marina Sáez

MTM Editores (Metafísica del Tercer Milenio Editores, S.L.)

脚を骨折したら、走ることもジャンプすることも登ることもできない。退屈を持て余したフリアはあることを思いつく。双眼鏡でご近所さんを覗いてみよう。幸運にも向かいの建物は活気があり、幼稚園、クリスの美容院、アレスの部屋やその他あちこちの窓を覗いていると1日があっという間に過ぎていく。あなたは、どんな双眼鏡で世の中を見ていますか? 本書は文化的背景によって子どもたちに押し付けられた先入観を壊そうとしている。なぜなら、そうした先入観は子どもたちそれぞれが成長する可能性を狭めているからだ。巻末には、ジェンダーとセクシュアリティーに関するガイドも。

禁じられた真実

La verdad prohibida

ミゲル‧ペドレロ

Miguel Pedrero

Ediciones Cydonia

我々の思考は今も他からの干渉を受けずに残っている最後の領域だ。しかし、その我々の脳を占領して思考を操ろうとする数々の用意周到な攻撃が存在する。しかも、その攻撃には最新の技術と一流の専門家がバックについている。世論を操ろうとする者たちは、自分たちの思い通りに物事を動かすため、人々に特定の感情を一定の割合で的確にもたらす方法を既に把握している。本書が目指すのはその真逆だ。不動の真実と思われるものも実はそうではないことを示すのである。統制、国際機関による操作、学術機関、マスコミを通して、世界の真の支配者(資本主義体制を操る者)は、我々が真の現実を発見しないよう夢物語を作り出したのだ。

本当に本当のこと

La verdad verdadera

ナネン‧ガルシア

Nanen García

Takatuka

本当のことだといっても、あまり信用できないこともあるので、トラブルを避けるためには、もしかするとちょっとした嘘に頼った方がいいのかもしれない。しかし、それもまた説得力がないとしたら、もっと大きな嘘、つまり汚くて腐ったような嘘、とってもとっても大きな嘘をつくしかないだろう。でも、本当に本当のことは、どんなにありそうもないようにみえても、遅かれ早かれ明らかになるもの。大人は「いつも本当のことを言わなきゃダメ」と子どもに教えるのに慣れているが、子どもは空想や中途半端な真実で遊ぶのが好きで、すべて本当のことを言うのは必ずしも簡単ではない。この絵本のうそ・ほんとゲームで作者は、子どもたちが窮地に陥ったときに頼りがちな嘘のレパートリーを、物語と同様に魅力的でユーモアに満ちたイラストで巧みに表現する。

Nando López著『La versión de Eric』の表紙

エリックのバージョン

La versión de Eric

ナンド‧ロペス

Nando López

Fundación Santa María - Ediciones SM

今日だれかが死に、その責任はぼくにある。だけど、どうってことない。そうだろう? その前にいろんなことがあった。最初、ぼくは鏡の前にいた。ぼくが本当の名前を選んだ夏。すべてを、全員をなきものにすると決めた中学のあの学年。ぼくが選ばれたキャスティング。ドラマの成功。フォロワー。手首に見つけたタトゥー。殺人の夜。そしてぼくは、自分の真実を知ってほしい。どうしてあのことが起きたのか。これはぼくのバージョンだ。

イルカの前世

La vida anterior de los delfines

キルメン‧ウリベ

Kirmen Uribe

Editorial Seix Barral

3つの物語が交錯する作品。ひとつめは、数回ノーベル平和賞候補になった活動家で平和主義者、婦人参政権運動家のシュヴィンメル・ロージカに、フェミニストのエディス・ウィナーが捧げた未完の本の運命と、20世紀前半における、この非凡なふたりの女性の関係。ふたつめは、トランプ政権の終盤の荒れ模様の政治社会状況を背景にした、現代のニューヨークに移住したバスク人一家の暮らしぶり。3つめは、1970年代、80年代に、革命的な女性たちの傍らで語り手が育った小さな海辺の村における、ふたりの少女の友情の回想。やさしく詩的で、読者をひきこむ。美しく、きわめて人間的に綴られ、多くの秘密を秘めた、キルメン・ウリベの意欲作。

Javier Sádaba著『La vida buena』の表紙

良い生活

La vida buena

ハビエル‧サダバ

Javier Sádaba

GRUP 62, S.L.U.

手の届く幸福、良識的なそれなりの満足感をもたらす様々な生き方を探る本。スペイン全国でめざましく活躍する哲学者のひとりハビエル・サバダがそのために提唱するのは、人間のありのままの現実をうけいれること。永遠の幸福という、しばしば宗教の衣をまとった偽の約束を著者は批判する。日常生活こそ充実した生活を実現する場所であって、退屈や昂揚した幻想を抱くところではないと考える。一方で、知識は私たちの生活の質をどこまでも高めてくれる。中身のない政治の世界への批判、ユーモアの再発見、生真面目さを笑いとばす態度が、私たちが切望する良い生き方を補完する。魂の平安と健康な身体、そしてもっと平等な社会を手にいれる鍵を握るのは、私たち自身だ。

ホモサピエンスがネアンデルタール人に語った生命

La vida contada por un sapiens a un neandertal

フアン‧ホセ‧ミリャス

Juan José Millás

Editorial Alfaguara

長年フアン・ホセ・ミリャスの頭には、生命やその起源や進化を理解したいという思いがあった。そこで、スペインのこの分野での第一人者であるフアン・ルイス・アルスアガに、なぜ私たちはこのようなのか、何が私たちを今いる場所までたどりつかせたのかをたずねてみることにした。現実についての古生物学者の知見と、作家の持つ機知や個性的な驚くべき視線が組み合わさって本書ができた。ミリャスからすれば、自分はネアンデルタール人で、アルスアガはホモサピエンスだ。数か月にわたってふたりは、日常生活のごく普通の場所の多くと、かつての私たちの足跡を見ることのできる、私たちの起源となるユニークな場所のいくつかをおとずれた。

小さな人生。フーガの技法

La vida pequeña. El arte de la fuga

ホセ‧アンヘル‧ゴンサレス‧サインス

José Ángel González Sainz

Aerys Producciones

新たなやり方で人生に立ち向かうための羅針盤となるノート。執筆を通してのパンデミックへの回答。すべてに感染する微細なものによって引き起こされた空前絶後の大異変の後、ひとつの声が熟考し、たくらみ、思い出し、朗誦し、そして祈る。パンデミックによる世界的危機の下に、もっと局地的だが類似の規模、あるいはさらに重大かもしれない別の伝染病がひそんでいる。我々の暮らし方、現実や言葉と我々との関係の病だ。声とは、道理の純粋な実践である。その声が、時には語りかけるように、時には芝居のモノローグや、詩的、あるいは哲学的な問いかけの抑揚をつけて、心のメロディーのなかに主題と変奏を紡ぎだしていく。そこでは、重々しい低音からユーモラスなものまですべての音が、観念的かつ音楽的な一種のフーガの技法の中に編みこまれていく。

Héctor Sánchez Minguillán著『La vida puerca』の表紙

下劣な人

La vida puerca

エクトル‧サンチェス‧ミンギジャン

Héctor Sánchez Minguillán

Tapia, Verzello & Pérez S.L.

プリミティボ・ダトロが作家マウロ・レデスマ=ペリスの筆耕者を募集の広告を見て応募したとき、自分が恐怖の迷路に入りこみつつあるとは思いもしなかった。作家の蛮行にあった後、プリミティボは他の被害者の証言を集めた証言集を作ることにする。こうして生まれたのが『下劣な人生』だ。その残忍な行為をなんとか逃れた者たちの話を通じて、レデスマ=ペリスの人生と人間性を浮き彫りにした本だ。エクトル・サンチェス=ミンギリャンは本作で、倒錯したナルシシストの人となりと、ねじれて混乱した誘惑のやり口を巧みに描きだす。感動的ともグロテスクとも言える一連の登場人物を通して物語は、人と作品とのロマンティックな一致に関する異端的な考察を見事に繰り広げていく。

Àngels Navarro著『La vida secreta de los mocos』の表紙

鼻水の秘密の生活

La vida secreta de los mocos

マリオナ‧トロサ‧システレ

Mariona Tolosa Sisteré

Zahorí Books

みなさん、残念なお知らせです!鼻水は病気ではありません。鼻水が出ても学校に行けます。鼻水は、とくに寒い季節にわたしたちの中にすみ、喜んで学校へもついて来て、鼻にしがみついてどんな病気からも守ってくれます。鼻水はちょっと嫌かもしれませんが、わたしたちの健康にとっては重要な防衛装置です。じっさい、鼻水はスーパーヒーローなのです!

Pedro Mañas著『La vida secreta de Rebecca Paradice』の表紙

レベッカ‧パラディセの秘密の生活

La vida secreta de Rebecca Paradice

ペドロ‧マニャス

Pedro Mañas

Fundación Santa María - Ediciones SM

11歳の女の子、ウルスラの生活はちょっと複雑。何度も小学校をかわり、母さんはメトロポリタン美術館から絵を盗んで、逃亡生活を送っている……。ちがう……、そうじゃない。ウルスラはレベッカと名乗る11歳の女の子で、母さんを消してしまった魔法使いたちが大嫌い。それともレベッカは有名なスパイで、追跡をかわすためにウルスラと名乗っている? まあ、いずれにしても11歳で、箱のなかの5匹のミミズと、宇宙で迷子になったネコを飼っている。もしかしたら、ネコのことはほんとじゃない? でも、いつもいつもほんとのことしかいわない人なんて、いるのかな。

Pep Puig著『La vida sense la Sara Amat』の表紙

サラ‧アマットのいない生活

La vida sense la Sara Amat

ペップ‧プーチ

Pep Puig

Raval Ediciones S.L.U

今日誰がサラ・アマットのことを憶えているだろうか? ある夏の夜、行方不明となったとき、彼女は13歳かそこらだった。以後何もわかっていない。ただ、翌日タラサ新聞にニュースが出て、多くのうわさや憶測が飛びかっただけだった。だが、この物語の語り手である、サバテール家のペップは彼女のことをよく覚えている。というのも、彼の話によれば、サラはその夜、姿を消したのではない。彼の家に裏口から忍び込んだからだ。何日も潜んでいたわけではないが、時に、ある出来事の記憶が一生つきまとい、だれかに意味を与えることもある。何年も経ってから書かれたLa vida sense la Sara Amat (サラ・アマットのいない生活)は、忘れられない出来事、恋する従順な少年の夏の日々の告白だ。すでに子どもではなかったひとりの少女は差し迫った激しい逃避願望を、裏口からであれ満たしたいと望んだのだった。

Marc Artigau i Queralt著『La vigília』の表紙

徹夜

La vigília

マルク‧アルティガウ‧イ‧ケラルト

Marc Artigau i Queralt

Columna Edicions, S.A.U.

ライモンはラジオのために物語を書き、弟のブライと一緒に暮らしている。ブライは小さいころ森で起こった事故のせいで情緒不安定だ。今は作業所で働きながら質素な暮らしをしている。ある日ライモンは、いつも彼の物語をラジオで聞いているという年配の女性セリアから奇妙な依頼を受ける。彼女の回想録を書くために彼を雇いたいというのだ。「あなたの物語が私の人生をこんなにもうまく説明してくれるとは想像もしませんでした」。その女性は、自分の全人生を再現して書いてほしいと頼む。彼はこの依頼の裏にある理由を調べようとする。本作は、人間の最高の部分と最悪の部分を併せ持つ小説。それは、愛の無限の力、私たちの思い出の価値、過去を克服し歩もうと決めた人生についての物語。

Margarita del Mazo著『La visita』の表紙

た てくるのは

La visita

マルガリータ・デル・マソ

Margarita del Mazo

Ediciones Jaguar S.A.U.

家で一番小さな子の部屋に、夜ごとひとりの客が現れ、恐怖からか感動からか、その子を震え上がらせる。マルガリータの文とナタリア・コロンボのイラストが最後まで興味を持続させつつ、なんだかわからないもの、立ち向かわなくてはならないコントロールできない物や状況に対する子どもの恐怖心を描く。サスペンス調の楽しい語りは、子どもたちをひきつけずにはおかない。

Marisa López Soria著『La visita (Globito, los tremendos y las paplinias)』の表紙

お客さん(グロビート、トレメンド、パプリニア)

La visita (Globito, los tremendos y las paplinias)

マリサ‧ロペス‧ソリア

Marisa López Soria

Galimatazo Editorial

グロビートたちは、無邪気な思いつきで、ときに問題をひき起こしもするが、愛情深く、感じがよくやさしい魅力的な生き物だ。親切で気高いパプリニアたちは、グロビートたちを尊敬していて、トレメンドたちが叱ることで秩序を整えようとすると口をはさむ。ある午後、グロビートは友だちの家にホットチョコレートとチュロスを食べにいく。けれども、ひとりではなく、ライオンの赤ちゃんを腕に抱いていくことにした。そこで騒動になり……。不条理文学とフリオ・コルタサルと、クロノピオ、ファマ、エスペランサといった、コルタサル作品の有名な登場人物たちへのオマージュ。

Marca Serena著『La volta dels 25』の表紙

25で世界一周

La volta dels 25

マーク‧セレナ

Marc Serena

La Magrana (RBA Libros, S.A.)

中国の女性エコロジスト、ペルーの男性シャーマン、ニュージーランドのマオリ族女性、ロシアの女性宇宙飛行士の卵…。共通点は何だろう? 悩みは何だろう? どんな暮らしをしているのだろう? どんなふうに将来に立ち向かうのだろう? これはジャーナリスト、マルク・セレナが1年間にわたって世界一周をし、25か国の同年齢25歳の若者25人とともに暮らしながら問いかけた質問である。貧しい人、裕福な人、学歴がある人ない人、革新的な人保守的な人、仕事がある人ない人、大都会の人田舎の人など様々な環境にあるが、非常に現代的で驚くべき若者たち。新たな世界観を与えてくれる様々なニュアンスに満ちている若者たち。 出会いの成果が25章に分かれ、野心的な世代群像となった。心をこめ、わかりやすく、真摯で簡潔な言葉づかいで書かれている。

トリスタンの声

La voz de Tristán

ラウラ‧ロメロ‧フェルナンデス

Laura Romero Fernández

San Pablo Comunicación SSP

トリスタンが生まれた日はあまりにも騒がしかったので、彼の耳は塞がれ、声は隠されてしまった。この物語は、トリスタンが失われた声を探し、静けさの最も深いところでそれを見つける旅の記録だ。美しく描かれたシンプルなこの寓話は、子どもから大人までが、沈黙の価値や内なる声、人間とそれを囲むものとの親密な関係を見出すことを手助けしてくれる。

Vicente Muñoz Puelles著『La voz del árbol』の表紙

木の声

La voz del árbol

ビセンテ‧ムニョス‧プエリェス

Vicente Muñoz Puelles

Anaya Infantil y Juvenil (Grupo ANAYA)

ビルヒニアは家族と一緒に田舎で、動物や草木に囲まれて暮らしている。雌犬のライカ、カエルのレネー、フェレットのウーゴ、鳥のグリップと暮らすのは、兄弟といるのと同じように極自然なことだ。彼女にとって動物は家族同然だ。しかしその夏、ビルヒニアはとても不思議な出来事に出会う。木の上に作られた小さな家に、どこからともなく次々と本が現れるのだ。誰が置いていくのだろう? それはなぜ?

Ramón Besora著『Laberint Roig』の表紙

赤い迷路

Laberint Roig

赤い迷路

Ramón Besora

Barcanova Editorial

ラモン・ベソラは、長い道程を経て、この心あたたまる、みごとな詩集を書くに至った。本書は、言葉と、言葉から始まる詩的な遊びとの、長きにわたる恋愛関係の成果である。選びぬかれた最小限の言葉と韻文の中に、音、匂い、季節の色、遊び、オノマトペ、メタファーの利用、芸術の楽しみなど、人生のさまざまなニュアンスが凝縮されている。

Rocio Bonilla著『Laios, piranyes i altres històries』の表紙

おじいちゃんおばあちゃん、ピラニアとその他の物語

Laios, piranyes i altres històries

ロシオ‧ボニージャ

Rocio Bonilla

Edicions Bromera S.L.U.

ニコとロドリゴおじいちゃんは釣りに行ったり、いっしょに本を読んだり、芸術のことを話したり、サイクリングをしたり、算数の宿題をしたりする。もちろん、たくさんのピラニアに追いかけられてないときには、だ。何世代にもわたって私たちは、祖父母と愛情を伝え合い、共謀しながら、学び、楽しみ、わくわく胸をおどらせてきた。孫と祖父母の関係について、ユーモアとやさしさにあふれたまなざしを投げかける。

Gisela Baños著『Las aventuras de Thor』の表紙

トールの冒険

Las aventuras de Thor

ヒセラ‧バニョス

Gisela Baños

Shackleton Books

遠いアスガルドの王国に、北欧神話における最強の神々が住んでいた。中でもすぐれた武勲と残酷さと途方もない力で際立っていたのが雷の神トールだった。トールはその魔法のハンマーで、ヨトゥンヘイムの氷の頂きに住む悪辣な巨人たちの脅威から、神々や人間たちを守っていた。さあ、きみも9つの世界に入り、北欧神話の神々のうち、最も勇ましいトールの冒険を見つけよう。

トム‧ソーヤの冒険

Las aventuras de Tom Sawyer

アントニオ‧ロレンテ

Antonio Lorente

Editorial Luis Vives (Edelvives)

アントニオ・ロレンテがその肖像画の才能すべてをいかんなく発揮し、世界的な児童文学の中で最も有名な子どものキャラクターのひとり、トム・ソーヤのスピリットを描く。作者のマーク・トウェインはトムの冒険を通して、彼自身の人生に着想を得た、生き生きとした子ども時代の描写を実現。このハードカバー版は多数の挿絵が用いられ、内側はスクラップブック(写真アルバムの特別な技術)の美しさを模した丁寧な作りとなっている。物語の主人公は 1840年から1850年にかけて、ミシシッピー川沿いの架空の町セント・ピーターズバーグでポリーおばさんと義弟シド、いとこのメリーと暮らす規則知らずの少年トム。好奇心旺盛でいたずら好きな彼は、信じられないような冒険を繰り広げる。その中には危険を伴う冒険も……。友人のハックルベリーやジョー・ハーパーとともに、自分の葬儀に立ち会い、海賊、インディアン、盗賊になりきって遊ぶのだ。

サイバー1ームの冒険

Las aventuras del Equipo Ciber

ジャイサ‧ルビオ

Yaiza Rubio

Shackleton Books

世界の主要なサイバーセキュリティ専門家のひとりであるジャイサ・ルビオがこの本の主人公。子供たちにインターネットの安全な使い方を教える。この本でジャイサは、トラモンターナ学校でサイバーセキュリティを教える新任の先生だ。この学校の生徒サラ、マリア、アレックスとディエゴの4人は、各章でデジタル世界の脅威に直面。先生からアドバイスを受け、被害を未然に防ぐ方法を見つけていく。この本で子供たちが学ぶのは以下の通り。①ウィルス、トロイの木馬、マルウェア全般の対策。②個人情報の保護。③詐欺や甘い言葉に引っかからない方法。④安全にネットサーフィンする方法――。これはみんなが安全にインターネットを使えるようになるための本だ!

Nieves Muñoz著『Las batallas silenciadas』の表紙

沈黙の戦い

Las batallas silenciadas

ニエベス‧ムニョス

Nieves Muñoz

EDHASA - Editora y Distribuidora Hispano Americana

1916年、フランス・ヴェルダン。第一次世界大戦が勃発したとき、イレーヌ・キュリーは可能な限り前線に近づこうとした。多くの命を救うことに役立つことを信じ、彼女と母親のマリー・キュリーが考案したポータブル機器を使った放射線医学を野戦病院の外科医たちに伝えようと努める。バールルデュックの病院に滞在し、兵士、医師、同僚たちの尊敬を勝ち取るために闘いはじめた。ドイツ軍がヴェルダンを爆撃し、命を救うためのタイムトライアル・レースがスタートした。イレーヌは看護師ベルト、ボランティアのシャーリーと共に、この戦争の最も血みどろで長い闘いとなる地獄に立ち向かうことになる。彼女たち自身の生き残りのために闘うだけではない。ここに何らかの形で関わった全ての人たちの人生が私たちの目前に現れる。塹壕から、村々で、空中で、野戦病院で…。

Sergio Martín García著『Las bondades de un asesino』の表紙

ある殺人犯の親切心

Las bondades de un asesino

セルヒオ‧マルティン

Sergio Martín García

Drácena Ediciones

辛口でむさ苦しいパロディー、下品で時に不敬な言葉遣い、全てにおいて腹立たしい、イギリスの田舎町での出来事。そのどれを取っても、本書『Las bondades de un asesino(ある殺人犯の親切心)』はガイ・リッチーや ダニー・ボイルの素晴らしいコメディ映画を彷彿させる。しかしこの小説の結末には物悲しいパラドックスが隠されていて、それはスペインの良質のユーモアのなかにはなかなか根付かない流れだと言えば不興を買うかもしれない。だからこそ、本書は往年の雑誌「ラ・コドルニス」 世代の人々のユーモアに対する感覚を、もっとどぎつく雑然とした現在のものに置き換えるための一種の賭けなのだ。

Carmen Gil著『Las brujas trillizas』の表紙

三つ子の魔女

Las brujas trillizas

カルメン‧ヒル

Carmen Gil

Editorial CCS

いたずらやドジで魔法の学校で有名な三つ子の魔女、ブラウリアとブリヒダ、ブルニルダの、ぜったいに楽しい物語。三つ子は魔女の資格を取ったばかりで、実習をするために、大魔女にごく普通の人間の学校に送られる。3人は、オートマチックでエアバッグ標準装備、人間工学に基づくシートを備え、CDプレーヤーを内蔵したほうきに乗って、目的地に着く。そこで困っている女の子を助け、あれこれといたずらをたくらんで、わくわくする冒険をくり広げる。ユーモアいっぱいの大笑いを誘う物語が、自分と違っている人に対する友情や優しさ、尊重といった、人間として大切なことを伝える。

Lorenzo de Medici著『Las cartas robadas』の表紙

盗まれた手紙

Las cartas robadas

ロレンソ‧デ‧メディチ

Lorenzo de Medici

Agencia Literaria Albardonedo

1923年のパリ。秘密の手紙。消えた宝石。暗号で書かれたコード。女王と宮廷画家。2010年のイタリア、カモーリ。アメリカで歴史の教師をしているアン・カーリントンはスコペッタ教授と会う約束をしていた。だがスコペッタが亡くなったことを知り、困った状況に陥る。スコペッタは未発表のマリー・ド・メディシスの手紙を見せて、ある秘密を明かしてくれることになっていたのだ。この殺人の裏には誰がいるのだろうか? スコペッタの行っていた研究にはどんな重要なことが隠されているのだろうか? 果たしてアン・カーリントンは研究を続け、ルーベンスが王妃マリー・ド・メディシスとのやり取りに使っていた暗号を解読できるのか? ロレンソ・デ・メディチが自身の有名な祖先の秘話を語った小説。興味深い歴史の詳細や魅力的な登場人物が満載で読者を魅了する。

Mariana Enriquez著『Las cosas que perdimos en el fuego』の表紙

火の中でなくしたもの

Las cosas que perdimos en el fuego

マリアナ‧エンリケス

Mariana Enriquez

Casanovas & Lynch Literary Agency

マリアナ・エンリケスの世界は私たちの世界とは無縁のようだが、読み進めるうち最後は自分のものとなる。数行でもその世界に足を踏み入れ、空気を吸ったならば、生き生きとした感情表現のとりこになり、忘れられなくなる。細分化され悪夢となった日常に読者はうちのめされ、ストーリーやイメージに感情をかき乱され、それらが頭から決してはなれなくなる。例えば、「激越な女たち」と自称する集団は、ウイルスと化した重度の家庭内暴力に抗議する。爪をはぎ取り睫毛を引き抜いてしまう女生徒と、彼女を助けようとするクラスメイト。政府の独裁の暗い年月に中毒になり、死によって引き裂かれる3人の女友だち。ペティソ・オレフードという、たった9歳の連続殺人犯。引きこもり、黒魔術、嫉妬、失恋、田舎の迷信、廃屋など。

Josep Lluis Badal著『Las cosas que realmente han visto estos ojos inexistentes』の表紙

実在しないこの目が実際に見た事

Las cosas que realmente han visto estos ojos inexistentes

ジュゼップ‧リュイス‧バダル

Josep Lluis Badal

Editorial Rata

何もない果てしない夜。だけど心に呼びかける。天気の良い夕暮れ時、お父さんはシャツの袖を捲る。家の外で犬が吠え、楡の木々はそよぎ、洗濯場の蛇口から水滴が垂れる。兄さんが何かを叩く音がする。庭の作業場をひっかきまわしているんだ。お母さんは1階の店で午後の最初の客を待っている。家は労働と冷えた食べ物のにおいがする。土、トマト、藁の上のジャガイモ、誰もいない家のようなにおい。お父さんは洗い場の上にもたれて雲を眺める。その日の休息を取るように、仕事や病、人生に一息入れるように。近ごろでは人生なんてインチキだと思うと言い張るようになった。赤いひげに埋もれたほほが緩む。会いたいよ、お父さん。

Marisol Sales Giménez著『Las crónicas del ángel. La noche roja』の表紙

天使のクロFカ 赤い夜

Las crónicas del ángel. La noche roja

マリソル‧サレス‧ヒメネス

Marisol Sales Giménez

Bohodón Ediciones

自分に超能力があり、親友たちが不思議な才能を持ち、自分の最大の敵は悪魔だとわかったら、きみならどうする? それが僕に起きたことだ。中学で一番さえない男子だった僕が、地下世界で最も人気のある半天使になった。

César Mallorquí著『Las fabulosas aventuras del Profesor Furia y Mr. Cristal』の表紙

フリア教授とPスター‧クリスタルのすばらしい冒険

Las fabulosas aventuras del Profesor Furia y Mr. Cristal

セサル‧マジョルキ

César Mallorquí

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

この小説のあらすじを説明するのはやめておこう。多くの場所で目にするだろうから。ただ、これがキャシー、スティーブン、コーリー、ケリー、マシュー、ダン、ダニエル、レイチェル、イザイア、ジョン、ローレン、カイル、ウィリアムの思い出に捧げた本だということは言っておこう。そう、コロンバイン高校の恐怖の犠牲者たちだ。意味が分からなければ、調べてほしい。このテーマに興味があって、怖くなければ、読んでほしい。現実とはこういうもの、きみの学校でこんな事件が起きないのはただの偶然、あるいは幸運だと思うかもしれないし、こんなことはよその国の、よその街の、よその世界のできごとでしかないと思うかもしれない。他者の過ちを責めるかもしれないし、世の中には砲弾の餌食となって、何にもなれずに終わる人たちがいると思うかもしれない。あるいは、こんなことがもう二度と起きないように行動するかもしれない。せめて、これほど頻繁には。いずれにせよ、決めるのはきみだ。

José María Plaza著『Las historias de terror del libro rojo de David』の表紙

ダビッドの赤い本の怪談

Las historias de terror del libro rojo de David

ホセ‧マリア‧プラサ

José María Plaza

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

ダビッドは、ホセ・マリア・プラサの冒険ミステリーシリーズLos Sin Miedo(恐れを知らぬ者たち)の主人公である若者たちのひとり。祖父の家で見つけた古い手稿で読んだ怪談を、いつも(場違いなときでさえ)仲間たちに話している。幸い、いつも最後まで話すことができない。 本書は、この古い手稿からとってきた19の怪談からなる。場所を変えるタトゥー、だだっぴろい墓場のあるひっそりとした村、写っている人物の顔が毎日変わる生きていている写真、嫉妬から飼い主の友だちを殺してしまうネコ、時をこえた愛、血のしたたるピアノ、人を殺すMP3プレーヤーなど……謎にいつもこたえがあるとは限らない。

Antonio Orihuela著『Las increíbles aventuras de Gorzila en España』の表紙

ゴルシラのスペインでの大冒険

Las increíbles aventuras de Gorzila en España

アントニオ‧オリウエラ

Antonio Orihuela

El Desvelo Ediciones

⽇本⾵の怪獣ゴルシラが、仏教僧の純粋さと、無政府主義者の強さと、ふたつの脳より⼤きな⼼でスペインを旅する。寓話と社会的クロニクルの間で、オリウエラはこの主⼈公を冗談好きで⽪⾁屋のオルター・エゴ(別⼈格)として使う。この⼩説は他者と自己の境界を分けるアイデンティティについての考察であり、掟、シンボル、⽂化的価値観を⼀掃しようとする試みである。掟、シンボル、⽂化的価値観の中に深く根を下ろした社会は、帰属と集団⽣活のシステムに従わせるには好都合だが、同時に虚偽に満ちている。それこそが、⾃分たちの快適さにぬくぬくとし、憂鬱な⺠族主義に陥り、有刺鉄線を巡らせた壁の向こう側の世界を⾒ようとしなくなった今、ヨーロッパを再び魅了している最悪の社会的モンスターを形作っているものに他ならない。

Elena Medel著『Las maravillas』の表紙

素晴らしいこと

Las maravillas

エレナ‧メデル

Elena Medel

Pontas Copyright Agency

人生において家族やお金の重みとはどれほどのものだろうか?違う場所、時代に、違う身体で生まれてくれば、何か違っただろうか? この小説にはふたりの女性が登場する。ひとりはマリア。彼女は60年代後期にマドリードで働くためにそれまでの人生を捨てた。もうひとりの女性アリシアは、30年以上も後にマリアと同じ道を通る。『Las maravillas (素晴らしいこと)』はお金、そしてお金がないことにまつわる小説で、所持していないお金がどのようして人を定義づけていくのかを描く。また本書は、心遣い、責任、期待についての小説でもある。経済危機ではなく階級を原因とする乏しさや、何が人の素性や過去について教えてくれるのかに関しても述べている。大都会の外れで働くふたりの女性の声、そして身体を通して語った誠実で抒情的な本。

Sabina Urraca著『Las niñas prodigio』の表紙

天才少女たち

Las niñas prodigio

サビナ‧ウラカ

Sabina Urraca

Fulgencio Pimentel Editorial

Las niñas prodigio (天才少女たち)は、部分的にはアルコール中毒の中年男の執拗なアムール・フー(狂気の愛)にかき乱される自叙伝だが、数幕ものの演劇、ゴシック・ホラーの色合いを持った物語であるとも言える。しかし本書はとりわけ、ひとりの女性が不完全な現在からスタートして、あらゆる時代に戻るためのアイデンティティについての現代小説だ。

Ángela Rodicio著『Las novias de la Yihad』の表紙

ジハードの花嫁たち

Las novias de la Yihad

アンヘラ‧ロディシオ

Ángela Rodicio

Espasa Libros

ヨーロッパの中心にいる十代の若者や大学生は、実在の虚無を満たすために、きわめて現代的な思考と古い原理的な信念を併せ持っている。それは文化の土台をゆるがし、私たちを地獄の奥底へと落下させる。21世紀のネット社会を生きる理想主義の若者たちは、中世風の正義の味方を名乗る者のなかに白馬の王子がいることを期待している。だが、おとぎ話が語られる前に正義の味方は死んでいきかねない。メソポタミアの古い信仰の性の奴隷は、非人道的な屈辱を甘んじていた。30年にわたって中東を取材してきた著者は、聖書がこの世の楽園とした土地に住む人々にとって恐怖の悪夢と化した政治と戦略地政学のパズルを、金銀細工師のように組み立てていく。恐怖の千夜一夜物語最新バージョンだ。

Paloma Sánchez Ibarzábal著『Las palabras que se llevó el viento』の表紙

風が運びさった言葉

Las palabras que se llevó el viento

パロマ‧サンチェス‧イバルサーバル

Paloma Sánchez Ibarzábal

Narval editores

やんちゃな風とネコとウサギ。リエ(Rye)になった王様(Rey)。「やあ」と挨拶するかたつむり。泡の馬車で旅するクジラ。かごから逃げた鳥。風と話す少女……。旅から喜んで帰宅した父親が、「風が運びさった言葉」というお話を娘に手渡す。形態論、音節、意味、語形変化など、早くから言葉にふれること。現実の構築にあたっての言葉の重要性。話すことに関連した創作能力。言語運用能力を鍛える想像力。喜び、聞くこと、言葉を大切にすること、相互作用としての文学や詩の習得を促す本。

Montse Gisbert著『Las pequeñas (y grandes) emociones de la vida』の表紙

人生の小さい(大きい)気持ち

Las pequeñas (y grandes) emociones de la vida

モンツェ‧ギスベルト

Montse Gisbert

Feditrés empresa editorial S.L.

友だちと仲直りするときのハグの魔法にあなたは気づいてる? 顔が赤くなるのがわかって、隠れたくなったことはない? がっくりして腹が立って泣いたことは? 恐怖心、やさしさ、嫉妬、喜び……は、本書に出てくる気持ちの一部だ。快くないものもあれば、すばらしいものもあるが、いつでもそういういろんな気持ちが人生を、どこかわくわくする生きるに値するものにするのだ。

Sergio Vega著『Las piedras Chihaya 2. La nube rasgada』の表紙

チハヤの石 2:たなびく雲

Las piedras Chihaya 2. La nube rasgada

セルヒオ‧ベガ

Sergio Vega

Grupo Ramírez Cogollor, S.L.

日本の天皇は何としてでも、侍たちが祖先から奪い取った権力を取り戻そうと決心を固める。しかし蜂起を前に、北条家が都を攻撃する。都の外では天皇に忠実な地方の領主が京都の僧兵たちの砦に避難する。彼らの忠誠の誓いは包囲された人々の最後の希望であった。元寇の闘いが始まった。こうした出来事が聖なる島々を揺り動かす中、ひとりの田舎の少年がある禅僧に伴われて巡礼修行を始める。サーガ『チハヤの石』の第2部では、侍たちの残忍な戦いが繰り広げられるが、同時に日本最初の禅僧たち、忍者の隠密な行動や、因習に固められた社会の中での自由を求める闘いなどが描かれる。

手に負えない王女たち第1巻 不老の虫のな

Las princesas rebeldes nº1. El misterio de la virgulina inmortal

ロベルト‧サンティアゴ

Roberto Santiago

「ロベルト・サンティアゴのスーパーヒーローズ」は、前例のない長期出版プロジェクトで、『LOS ONCE(イレブン)』と『LAS PRINCESAS REBLEDES(手に負えない王女たち)』というふたつのシリーズで幕を開ける、複数のそれぞれ独立したシリーズを集めたサーガ。冒険や超能力、時事問題、ユーモアの素晴らしい組み合わせで、子どもたちを読書の虜にしてしまう。本書『LAS PRINCESAS REBLEDES(手に負えない王女たち)第1巻』のあらすじ: アルマは王位継承者の王女だが、儀礼や公式行事が大嫌い。でも11歳になった彼女は、初めて人前でスピーチをしたり、王室を代表して大きな行事に参加したり、そして……空を飛んだり、考えるだけで物を動かしたりできるようになったり、という大きなチャレンジをすることになる。アルマは、自分の中に信じられないような超能力があると知って驚き、やがて他の若い王位継承者たちとともに伝説となるグループを結成することになる。

Martín Berasategui著『Las recetas favoritas de Martín Berasategui』の表紙

マルティン‧ベラサテギのお気に入りレシピ

Las recetas favoritas de Martín Berasategui

マルティン・ベラサテギ

Martín Berasategui

Santillana Ediciones Generales, S.L.

マルティン・ベラセテギが提案する、簡単でおいしい150のお気に入りレシピ。 マルティン・ベラサテギと「エル・パイス‐アギラール」出版がふたたびタッグを組み、おいしいものに目のない読者に、最高においしい料理を紹介する。家庭料理を基本としているが、マルティン・ベラサテギが真摯に腕をふるってつくりあげた料理には、名人の味が加わる。 これらのレシピには、高度な技術も珍しい食材も必要ない。市場で手に入る食材があればOK。おいしいものを食べたい気持ちと料理を楽しむ心があれば、特別な技術がなくてもつくれるものばかり。

Belén Gaudes y Pablo Macías著『Las redes de Mercedes』の表紙

メルセデスのネットワーク

Las redes de Mercedes

ベレン・ガウデス と パブロ・マシアス

Belén Gaudes, Pablo Macías

Cuatro Tuercas, S.L.

メルセデスは、自分のプライバシーがないことに気づきました。街じゅうから見られていると感じています。ソーシャルメディアが自分の生活を語りつづけているのに、メルセデスにはどうすることもできません。家の人は日常を共有できることをとても喜んでいますが、それがメルセデスにどのような影響を与えるかには気づいていませんでした。これは、私たちがソーシャルメディアで何を、そしてどのように共有するかを再考するよう促す物語です。私たちは子どもたちの私生活を共有してはなりません。子どもにひどいいたずらをしたり、それを録画してアップロードしたりしてはいけません。子どもたちをインフルエンサーにしてはいけません。画像の拡散が制御不能になることで起こる現実のリスク(小児性愛、サイバーいじめ、AIのリスクなど)はもとより、ここではプライバシーの権利や肖像権といった基本的な権利について話しています。韻を踏んで書かれたこの絵本は「Ande yo valiente(勇敢に行きましょう)」シリーズの一冊。ステレオタイプ、不平等、性差別から解き放たれるこのシリーズの物語は、ユーモアと感動をもって、子どもたちは大人からの偏見なしに成長すべきであること、そして多くの場合、大人である私たちが彼らの「小さな」知恵から学ぶべきであることを思い出させてくれます。

Simón Elías Barasoain著『Las ventajas de ser antipático. Tribulaciones de un aventurero desnudo』の表紙

感じが悪い人間であることの利点。裸の冒険家の苦悩

Las ventajas de ser antipático. Tribulaciones de un aventurero desnudo.

シモン‧エリアス‧バラソアイン

Simón Elías Barasoain

Pepitas de Calabaza Editorial

4つの⼤陸(ロス・カメロスからリフ地⽅の⼭、コロラドのキャニオンからパキスタンの街かど、パリのスラム街からロンドンの⾦融街シティ、そしてジュネーブからフィンランドのアーネコスキーを通ってシャモニーまで)をまたにかけ、「正常」という基準によって屈服させられていない様々な⼈間が住む世界を巡って書かれた本書。刺激、グロテスクな状況、極東のエキゾチックな歴史、そしてまた、⾯⽩い戦いを超えたものを私たちに⾒せてくれる。Las ventajas de ser antipático(感じが悪い⼈間であることの利点)は、親密であると同時に露出的な作品だ。現代に渦巻く誹謗中傷を容認もしなければ、あらゆる局⾯で私たちを悩ませる習慣化した愚かしさに寛大でもない⽂章。本書のページは、⻭磨き粉のコマーシャルのような美しい笑顔を持つことに強い関⼼を⽰す世界にあって、感じ悪い⼈間でいることの⼤切さについて取り上げている。

Manuel Mira Candel著『Las zapatillas vietnamitas』の表紙

ベトナム製の運動靴

Las zapatillas vietnamitas

マヌエル・ミラ・カンデル

Manuel Mira Candel

Susana Alfonso Agencia Literaria

『アディオス・ノニーノ』の音符、オランダのウィレム王太子との結婚の際にマキシマが流した涙、招待客の写真の中に見つかったドイツの銀行家の娘で危険な活動家の姿。そして波乱のマラソンレースがスタートする。現在のヨーロッパに存在する外国人恐怖症と超国家主義の動きに着想を得て書かれた小説。主人公は警察から強力なネオナチ組織の計画を暴く依頼を受ける。その組織のリーダーたちもマラソンランナーで、主人公がアンデスで不慮の死を遂げたジャーナリストの妻から貰ったシューズと同じものを履いて競技に参加していた。病みつきになるカルトミステリーというだけではなく、しっかりした参考資料を基に、冒険活劇と歴史小説、サスペンスと紀行ものの素晴らしい部分を品よく、かつ巧みにまとめ上げている

Miquel Llor Forcada著『Laura a la ciutat dels sants』の表紙

聖人の街のラウラ

Laura a la ciutat dels sants

ミケル‧リョル=フォルカダ

Miquel Llor Forcada

Edicions 62, S.A.

Laura en la ciudad de los santos (聖人の街のラウラ)は、誰もが認める20世紀カタルーニャ文学の古典のひとつ。地方都市コマルキナルの裕福な家の跡取り息子との結婚によって自己実現をしようとする、世間ずれしていない魅力的な女性の物語。しかし、彼女はすぐに、欲得ずくの上品ぶった保守的社会の裏に隠れた偽善に気づく。ラウラはボヴァリー夫人と共通点が多いが、最終的に反抗するところが違っている。

Pilar López Ávila著『Lávate las manos, María』の表紙

マリア、手をあらって

Lávate las manos, María

ピラル‧ロペス=アビラ

Pilar López Ávila

Grupo Editorial Bruño

ブルーニョは1898年にその歩みを開始した。現在はヨーロッパ随一の出版企業集団と考えられているアシェットグループに属する。児童・YA文学では第一人者とされ、既刊本のなかには『アステリックス』や『トム・ゲイツ』のシリーズ、『星の王子さま』『もりでいちばんつよいのは?』、『Junie B. Jones(ジュニー・B・ジョーンズ) 』シリーズなど、世界的に有名なキャラクターの書籍が数多くある。

バイオリンの音が聞こえてくるよ!

Le violon joue!

ウリオル‧ガルシア=モルソザ

Oriol Garcia Molsosa

Combel Editorial / Editorial Casals, S.A.

触れて、見て、聞いて、そしてバイオリンが隠しているすべての謎を発見してください。この素晴らしい楽器はいつ発明されたのでしょうか?バイオリンであらゆる種類の音楽を演奏することができますか? 誰がバイオリンを作るのでしょうか?そして内部はどのようになっているのでしょうか?バイオリンの中には何があるのでしょうか?目を開けて耳を澄ましてください、バイオリンの音が聞こえてきます!

Gustavo Puerta Leisse著『Lecciones de cosas. Un universo de andar por casa』の表紙

モノのレッスン 家の中の宇宙

Lecciones de cosas. Un universo de andar por casa.

グスタボ・プエルタ=レイセ

Gustavo Puerta Leisse

Ediciones Modernas El Embudo

ボタン、サイコロ、フリスビー、ハエたたき、貯金箱…これらは普段、あまり気にも留めない日用品。でも注意深く観察すると、本当に魅力的であることがわかる。この本は、遊び、思索、創造への招待状。19世紀後半から20世紀初頭にかけて人気を博した教育ジャンル「モノのレッスン」から着想を得ており、情報書、アクティビティブック、哲学的考察、そしておかしなユーモアがページに織り交ぜられている。これは最後のページで終わるのではなく、むしろそこから子どもたちが書いたり、描いたり、考えたり、想像しはじめるきっかけとなる本だ。

小さな薪

Leña menuda

マルタ‧バリオ

Marta Barrio

Tusquets Editores

ある若い女性は、妊娠を確認し、喜びに満ちあふれている。赤ん坊のために家をどうアレンジするか、名前をどうするか、子どもとどんなふうに暮らそうかと、パートナーとともにあれこれと計画を立て始める。だがある朝、通勤途中で小さな事件が起きる。近道をしようと公園を通り抜けているとき、飼い主がとめきれなかった数匹の犬に襲われ、彼女は倒される。病院で胎児に影響はないことがわかるが、ひとりのベテラン医師が、事前に検知されるべきだったあやしい影がエコーに映っているのに気づく。堕胎という不可避のテーマを扱った衝撃作。才能豊かな若い女性作家が、さまざまな語りを巧みに駆使し、感傷に陥ることなく読者の心を動かし考察させ、特に若い世代の、現代スペインの社会状況を間接的に描きだす。

Lluís Calvo著『L'endemà de tot』の表紙

みんなの風土病

L'endemà de tot

リュイス‧カルボ

Lluís Calvo

Rayo Verde Editorial

全てがいつもの通りであるかのように暮らし、愛そうとする友だちグループの異常な日々を描いた作品。リュイス・カルボは、変わった愛の物語を書き上げた。その中で愛は、非常に特殊な叙事詩を求め、誰もの心の片隅に隠れている。しかしそれだけでなく、サバイバルも語られる。変化を、闇を、流行のバールやオブセッションを、どう生き延びていくのか。つまり日々を生き延びることについて語っている。

他人の言葉

Lengua ajena

フリア‧レンドン

Julia Rendón

De Conatus Editorial

カタルーニャ人の銀行員との間に娘をもつ若いエクアドル人女性。現状の壊れた社会に身を置きながら、第二次世界大戦時にナチスが占拠したウイーンから移民した家族を救い出す方法を探す。憎しみ、子育て、新しい人生の模索に縁どられたニューヨークの暮らしだが、毎日のように家族の記憶の映像がとめどなく彼女の心に飛び込んでくる。理性では自己防衛になるような思索を巡らせようとするが、若さゆえの衝動が性や恋愛、家族との経験を支配する。本作品はこの独創的な著者の小説家としてのデビュー作で、世界に名前を付ける必要性に駆られてこぼれ出るかのように生まれる圧倒的な言語力で綴る素晴らしい小説。

José A. Ramírez Lozano著『Lengua de gato』の表紙

ネコのことば

Lengua de gato

ホセ‧A‧ラミレス=ロサーノ

José A. Ramírez Lozano

Editorial Luis Vives (Edelvives)

東洋の古い伝説の語りにしたがって、秘密と影から成る独特の世界へと作者はいざなう。知恵をきわめようとするネコ、沈黙の王国を支配しようとするスルタン、絹の言葉で思いを表現する口のきけないじゅうたん織り。すべて迷路だらけの魔法の街イスタンブールで起こる。

痺れた舌

Lengua dormida

フランコ‧フェリックス

Franco Félix

Sexto Piso España

最終的には不運な結果を招いた事故に遭遇したアナ・マリアは、その後3年間エルモシーリョにある病院に入退院を繰り返していたが、そこで複数あった人生の最後のひとつを終えた。死亡後、秘密にしていた過去のライフヒストリーから彼女の最初の人生のひとつが垣間見えた。メキシコシティに住み、夫と4人の子供があったが、そのすべてを手放したというものだ。これは女のふたつの存在を結ぶ糸について語った小説であると同時に、喪失の記録、恋文、弔いの万華鏡、探求そして発見でもある。死がもたらす悲しみはまさに物語の不在を呼び起こすので、乗り越えるのが非常に難しい。『Lengua dormida(痺れた舌)』は孤児という境遇に対する反射行動によって、亡くなった母親を探し求める息子の心理的な旅を描いた小説。

Susana López Fernández著『Leo & Lía』の表紙

レオとリーア

Leo & Lía

スサナ‧ロペス‧フェルナンデス

Susana López Fernández

Excellence Editorial

レオは子どもライオン。もうすぐ妹が生まれるのでなんだか気持ちが落ち着かない。友だちもあまり助けにならない。だって妹が生まれたら、今まで持っていた特別待遇がいろいろなくなってしまうなんて言うんだ。妹には、ひげやしっぽを引っ張られたり、かけっこでは勝たせてやったりしなければならないだろう。だって、赤ちゃんが泣くと大人たちはすごく悲しむから。それに、大人たちに怒られたくなければ、赤ちゃんをぜったい泣かせちゃいけない。でも、いちばんイヤなのは、ジャングルの王の王冠を取られることなんだ。それだけは絶対イヤだ。けれど、妹が生まれてみると、お母さんがしているのは、自分が赤ちゃんのときにしてくれたのと同じことだと気がついた。それに、妹が女王のように感じられるよう王冠をゆずってやることは、王になるのをあきらめることではない。新しい家族を迎えるとき、王座を下ろされるように感じるのはよくあることなんだ。

Álvaro García Hernádez著『León Kamikaze』の表紙

カミカゼ‧ライオン

León Kamikaze

アルバロ‧ガルシア=エルナンデス

Álvaro García Hernández

Fundación Santa María - Ediciones SM

オレはライオン、カミカゼ・ライオンだ。家族は持ったことがない。友だちもいない。1度だけ恋をした……。オレは3回生きた。1回め、世界に拒まれた。2回め、皆に嫌われた。3回め、まだ自分が何者かわからない。オレはライオン、カミカゼ・ライオンだ、これがオレがこれまでたどってきた道だ。

Elena Poniatowska著『Leonora』の表紙

レオノーラ‧キャリントン

Leonora

エレナ‧ポニアトウスカ

Elena Poniatowska

Guillermo Schavelzon & Asoc. Agencia Literaria

レオノーラ・キャリントンは、繊維業界大物の相続人として、裕福で何不自由なく育つ運命の星のもとに生まれた。しかし、小さい頃から自分は他の子とは違うと彼女にはわかっていた。他人には見えないものが見える能力が、彼女を特別な存在にした。個人的にも芸術的にも自由な女性でいる権利を勝ちとるために、社会のしきたりや両親や教師に立ち向かい、宗教や思想のくびきを断ち切っていく。今日では伝説となった、シュールレアリズムの大女流画家レオノーラ・キャリントンの魅力あふれる人生が、私たちの夢を膨らませる。 エレナ・ポニアトウスカが、非凡な女性の生涯を描くのはこれが初めてではない。レオノーラ・キャリントンのとてつもない人生は、著者のペンにより、情熱的な冒険、自由の叫び、20世紀前半の歴史的前衛への優雅なアプローチとなっている。

Susana Aliano Casales著『Leru leru』の表紙

レル‧レル

Leru leru

スサナ‧アリアノ‧カサレス

Susana Aliano Casales

¡Más pimienta!

ペドロは男の子だけれど、女の子に見えます。反対に、きょうだいのバレリアは女の子だけど男の子みたいです。学校でふたりはとってもヘンテコな存在です。テーマは学校でのいじめ、性別、学校、家族、変容、容認、共感。

イシスの翼

Les ales d'Isis

マルタ‧コロメ‧ロメラ

Marta Colomé Romera

Barcanova Editorial

この物語は、神秘性、すばらしい建築物、そして何よりもその神話の複雑さで幼い頃から著者を魅了してきた国、エジプトで主に展開される。著者は文学史における女性の不可視性に懸念をもっており、そのことはこの小説の中でも横断的に扱われている。内向的なアダ・キタブは、ロビン、サンとともに、「書籍探索隊」を構成する勇敢な司書。彼女たちは、盗まれ、闇市で売られている貴重な資料を回収することに従事している。そんな彼女たちに、古代エジプト史上最も重要な発見物である「イシスの翼」の回収という、かつてない重要な案件が任されることになった。カイロでの冒険には、3千年前に生まれたエジプトの王子も同行する。

Lluís Llach著『Les dones de la Principal』の表紙

プリンシパル家の女た

Les dones de la Principal

リュイス‧リャック

Lluís Llach

GRUP 62, S.L.U.

マリア・ロデリック(お婆さま)、マリア・マジー(奥様)とマリア・コスタは約1世紀の間プリンシパル家を取り仕切ってきた。プリンシパル家はアバディアのブドウの産地の中心にあるポウス村最大の旧家だ。祖母、母と娘の3人が一連の変革を行ってビジネスを確立し、周辺のブドウ園を繁栄させてきた。しかしプリンシパル家の歴史には闇がある。1936年7月18日に元親方が殺されたのだ。内戦の後、ある警部がこの事件を解決しようと捜査を始めると、一族の秘密と、気質と情熱と権力という節で結ばれた網が浮かびあがってくる。

Llucia Ramis著『Les possessions』の表紙

憑依

Les possessions

リュシア‧ラミス

Llucia Ramis

MB Agencia Literaria

これは幽霊の話だ。帰還に始まり、咆哮とともに終わる⼩説。Les possesions (憑依)の語り⼿は、バルセロナからパルマに旅し、⽗親の偏執的な陰謀のスパイラルにブレーキをかけようとする。⽗親は退職と同時に穏やかな学校教師から⼀転、都市犯罪疑惑に対して法廷闘争を始めた。居⼼地の悪い週末、突然見知らぬ人間へと変貌した⽗親との会話、何事もないかのように振る舞う⺟親、そして古い恋⼈でよき助⾔者だった男。これらの出会いが古い傷を再び開き、主人公の記憶は忌まわしい家族の歴史、1993年にマドリードで起きた不吉な事件のただなかへと舞い戻る。その事件とは、祖⽗の元共同経営者ベニト・バスコンセロスが増額投資法に関わって破産に瀕し、妻と息⼦を殺した後⾃殺したというものだ。

Silvestre Vilaplana Barnés著『Lʼestany de foc』の表紙

火の池

Lʼestany de foc

シルベストレ‧ビラプラナ

Silvestre Vilaplana Barnés

Edicions Bromera S.L.U.

知識のベールの下に神の言葉に背く迷信や異端を隠している、極めて危険な本というのがあるものだ。中でも特に邪悪とされたな1冊の本がある。数人の男たちがこっそり保管していたこの本を、異端審問所が血眼になって探すようになり、15世紀末、著作物とその所有者をめぐるものとしては歴史上最大規模の追跡が引き起こされた。この特別な本を守る男たちは、不運にもこの最後の1冊と運命を共にする。神が聖書に残さなかったものをすべて焼き尽くさんとする火の池から救いださなければならない本。史実とまったくの虚構をないまぜにしつつ、巧みな語り口で読者をぐいぐいひきこむ作品。

Irene Vasco著『Letras al carbón』の表紙

カーMン紙の文字

Letras al carbón

イレネ‧バスコ

Irene Vasco

Editorial Juventud

パレンケ村では、ほとんどだれも字を読めない。店の主人のべランディアさんは、字が読める数少ない人のひとりだ。ヒナは手紙をうけとりはじめたとき、ラブレターだと思っていたが、弟はその謎めいた手紙を読んでみたくて字をおぼえようと決心する。コロンビアでよく知られた作家イレーネ・バスコによる、コロンビアの小さな村から届いた、心あたたまる識字のお話。

Asunción Carracedo著『Leyenda de un beso』の表紙

キスの伝説

Leyenda de un beso

アスンシオン‧カラセド=ゴメス

Asunción Carracedo Gómez

Amigos de Papel

人の内部にある言葉や声と同じだけお話は存在し、自然のなかで生まれる色や音と同じだけの詩がある。それなら、お話のなかに詩が入りこんだらどうなるだろう。その瞬間に伝説がとびだす。この絵本の中できみも物語を見つけよう。抒情性と魔法がすべてをつつみ、イラストレーション一点一点に体現されたデリケートでやさしい雰囲気のなかに、感動につながるリズムと、体をゆすぶる音楽性がある物語を。始まりから終わりまで魔法があり、詩の鼓動とお話(この物語のふたりの主人公)が、手をとりあって私たちの心や感情をかけめぐる。世界を動かす原動力である愛を語った本。愛を形にしたキスは、単に唇をあわせることではなく、そこから伝説がしるされる限りない抱擁だ。

Xosé Ramón Mariño de Santiago著『Leyendas y milagros del Camino de Santiago』の表紙

サンティアゴ巡礼の道の伝説と奇跡

Leyendas y milagros del Camino de Santiago

Xosé Ramón Mariño Ferro

Ellago Ediciones

周知のとおり、中世においてサンティアゴの道は様々な国から大勢の人々が途切れなく集まり、一大文化交流の場となった。この道を行きかったのは様々なものの見方、知識、歌、音楽、芸術様式、芸術作品、そして言い伝え。特に、当然のことながら、ヤコブの人生とその死、行った奇跡についての伝説である

David Peña Puño著『L'homme』の表紙

L'homme

ダビッド‧ペーニャ=プーニョ

David Peña Puño

Cream Ebooks

このサイレンスコミックはアングレーム「24時間漫画コンテスト」で制作したもの。コンテストの規則は、美術館が舞台であり24ページで24時間以内で仕上げられた作品であること。 僕はたしか19時間で仕上げました。

Joan Todó著『L'horitzó primer』の表紙

最初の地平線

L'horitzó primer

ジョアン‧トドー

Joan Todó

L'Avenç, S.L.

経済危機で窮地に追い込まれた35歳の作家が、都会を離れ、カタルーニャ南部の小さな村の実家に戻る。そこで自分の故郷を新たに発見をしつつ、自分がそこの人間であるが異邦人でもあることに気づく。地元の祭りのオープニングのスピーチを頼まれ、そこの景観や歴史と自分との関係をどのように語ればよいのかと考えこむ。タバコを吸いながら歩き、田舎と正反対の都会の生活について、ルーツの重みについて、名誉のアイロニーについて思いめぐらす。彼にとってこのような名誉など実のところ、失敗の証明にほかならないのだ。

Pilar Romera著『Li deien Lola』の表紙

彼女はローラと呼ばれていた

Li deien Lola

ピラール‧ロメラ‧アギラ

Pilar Romera Aguilà

Columna Edicions, S.A.U.

1930年4月、リベル・デブラのエブロ川の河原で、ローラと呼ばれていたドロルスの遺体が発見された。彼女の最後の恋人であるボアダと、村の医師ラムセスはこの事件の捜査に乗り出し、ローラの人生をたどり始める。エブロの川辺での貧しかった幼年期、そして村を出て19世紀末の近代化しつつあるバルセロナへ。貧しいソモロストロ地区からリセオの豪華なサロンに至るまで、ひとりで身を立ててきた女性の人生のさまざまなシーンを彼らはつなぎあわせていくが、彼女は30年間隠し通してきた恐ろしい秘密を持っていた。

Sandra Aza著『Libelo de Sangre』の表紙

血の中傷

Libelo de Sangre

サンドラ‧アサ

Sandra Aza

Nova Casa Editorial

1620年冬のマドリード。町の公証役場の有名な書記官セバスティアン・カストロとマルガリータ・カルバハル夫妻の幸せは揺らいでいた。血の中傷の有力な容疑者として捕らえられたのだ。血の中傷とは血を集めるためにカトリック教徒の子どもたちを生贄にした咎でユダヤ人を告訴することで、管轄は異端審問所だった。火刑の脅威が迫る中、13歳の息子アロンソは両親を助ける方法を必死になって探し始めるが、その決意は快適な生活に別れを告げ、人生の苦渋を味わうことを意味していた。それでも逆境の闇に3つの灯りがともる。それは友情、希望と夢だった。

Nicolás Aretxaederra著『Libro bot』の表紙

ボットの本

Libro bot

2008年コロンビアのハベリアナ教皇庁立大学の芸術学部を卒業し、同年マドリード‧ヨーロッパ大学の展示企画士コースをおさめる。2016年に出版社、コエテ社を創業

Nicolás Aretxaederra

Editorial Cohete

サイバネティックの世界をめぐる、楽しく教育的な旅の本。ロボットやすばらしい景色の魅力あふれる世界が、子どもたちに想像の翼を広げさせる。インタラクティブな作りで、ダイナミックにどこからでも読める。「すばらしい機能を持つ、何百万ものロボットがある。小さなもの、中くらいのものもあれば、太陽も隠してしまうほど大きくて、何キロも先から見えるものもある。ロボットに何ができると思う? ロボットのガイド、ロンポットが、無数の自動人形や機械や奇跡に満ちたこの世界で待ち受ける謎を教えてくれる」

獣の本

Libro de las bestias

ペップ‧ブロカル

Pep Brocal

Bang ediciones

こんなにたくさんの動物たちが集まってここで何しているのだろう? 王様選び! 状況からみて、最後に王座につくのはどう見てもライオンのようだが、雌ギツネは陰で権力を操るためにあらゆる策略を巡らすだろう。すべてを支配する快感に浸りたい、その昔からの願望に突き動かされ、主人公(雌ギツネ)は、だまし、嘘、ずる賢さ、巧みな話術を駆使して陰謀を企てる。しかし、この作品は本当は動物の話ではない。動物は登場するが、人間の本性の暗い面を描いている。ラモン・リュイの『El Libro de las bestias(獣の本)』には、群像寓話の衣の影に、権力闘争における人々の行動に関する皮肉がこもっている。権力闘争においては、嫉妬、野心、残酷から悪が生まれる。

Unai González Martínez著『Libro de las formas geométricas』の表紙

幾何学の形の本

Libro de las formas geométricas

ウナイ‧ゴンサレス‧マルティネス

Unai González Martínez

Editorial Cohete

見て読むための、刺激的な本。日常的なものの発見と自然と創造性に、5つの重要な幾何学の形の間の類似性をミックスする。最後には、作者と同様、独自の幾何学的な形を作り出して遊べる。

無限の本たち 太陽系のはなし

Libros infinitos. El Sistema Solar

フアン‧アスピリクエタ

Juan Azpilicueta

Larousse Editorial

ページを動かしたり折ったりすると次々にイラストや文章が現れ、「無限の本」へと変わっていくという、機知に富んだ驚くべき仕組みの本。フアン・アスピリクエタのデザインにより、読者はページを様々な方法で見て、読むことができる。遊びが詰まった、尽きることのない読書体験だ。初めて本を読む年齢の子どもたち向けにグラフィックが工夫された『Libros infinitos. El Sistema solar(無限の本たち:太陽系のはなし)』は、単なる本にとどまらない。想像力を刺激し、太陽系や惑星、地球、月、星座についての知識を広げると同時に、操作できることで細かな運動機能が強化され、視覚理解や読解力の発達が促される。

成長するための本:アクティビティノート

Libros para crecer - Cuaderno de actividades

Ediciones Daly

文字や数字の練習をするために、書いたり消したりできる魔法のアクティビティノート。読み書きを一番楽しい形で子どもたちに始めさせたい親や先生には理想的な本。読み書きは、できるだけ早く始めるべき基本的なプロセスのひとつであり、子どもたちがコミュニケーションに最も重要なふたつのスキルである「読み」と「書き」を身につけるためには、サポートする材料を持つことが不可欠。本書には細かな運動機能を刺激し、スペイン語のアルファベット27文字と1から10までの数字の書き方を教える練習問題が収録されている。 子どもが書いたり消したりできるマジックマーカー付きなので、文字や数字を自在に描けるようになるまで、何度でも練習できる。

Anna Tortajada著『Lili i Marlene』の表紙

リリとマルレーン

Lili i Marlene

アナ‧トルタハダ=ウリオルス

Anna Tortajada Orriols

Columna Edicions, S.A.U.

恋人同士の波乱万丈な物語。真実の愛が手に入らないとき妖精はどうなるだろうか? リリは妖精を信じている、マルレーンは信じていない。マルレーンは慎重、リリはクレイジー。読者はこの双子のおかげで、ベルリン出身のcatalan教師である母親と、「ママの新しい恋人」の間のどきどきの恋の行方を目の当たりにできる。舞台はバルセロナ。ベルリンを出たときは小学生になったばかりだった双子のまなざしは、裁くことなく、母親と恋人の弱点や欠点、素晴らしさや喜びをとらえていく。しかしまた、夢がかなうかもしれないという幻想に目がくらんで、限りをしらず全てを賭けてしまう関係にひそむさもしさも浮き彫りにする。そこには犠牲者も死刑執行人もいない。「あなたが好きと分かってもらうために、これ以上何をあげればいいというの?」

L'illa

エウダルド‧パルマ

Eudald Palma

Obrador Editorial, S.L.

本書は絆を築くことや、共感、共有、発見、尊重、学びについて語る旅。経験でわかっていることを信頼し、自分と違うように見えるものは何でも知りたいと思わせてくれる本だ。主人公は、天気がしばしば悪くなることがあっても自分の島を気に入っていて、必要なものは全部ここあると思っているが、孤独を感じる日もだんだんと増えていく。だから、自分の島のような島を探しに出かけ、そしてみつけるのだが、そこには違うものもあって……。

リキッド‧メモリーズ~水の殺人犯

Liquid Memories. El asesino del agua

フィデル‧デ‧トバール

Fidel de Tovar

Norma Editorial, S.A.

もし君が殺人犯でそれを知らないとしたら? ある連続殺人事件によってロンドン市民は不安に襲われる。この一連の殺人事件を結びつける不穏なもの、それは「水」である。コルト警部はこれらの凶悪殺人事件を解決し、その背後にある謎を解き明かすことができるのだろうか? もしかしたら水の殺人犯は、私たちが認めたくないくらい、近くにいるかもしれない。もし君が殺人犯で、それを知らないとしたら?

Alexandre Peñalver i Cabré著『Litigación climática. El papel de la ciudadanía y los jueces』の表紙

気候訴訟:市民と裁判官の役割

Litigación climática. El papel de la ciudadanía y los jueces.

アレクサンドル・ペニャルベル・イ・カブレ

Alexandre Peñalver i Cabré

Edicions de la Universitat de Barcelona

気候訴訟は世界中で著しい増加を見せ、気候危機に対処するための市民と裁判官の重要な手段となっています。これらは、主に温室効果ガスの削減、地球温暖化への適応の強化、そして人権の尊重を達成するために、国家や企業に構造的変革を要求する戦略的訴訟です。国際裁判所や他国の判決が影響を及ぼすことにより、各国の訴訟上の自律性に完全に影響を与える法的グローバル化の現象に直面しており、同時に、立法府、行政府、司法府の関係において新たな視点を提示しています。多様な分野と出身の専門家によって書かれた本書は、気候訴訟の最も重要な特徴を検証し、気候変動と闘うためのこの司法アクセス手段を広める目的で、最も注目すべき事例を記述しています。

私を家に連れていって

Llévame a casa

ヘスース‧カラスコ‧ハラミージョ

Jesús Carrasco Jaramillo

Editorial Planeta, S.A.U.

祖国から遠く離れ、独立して暮らすフアンは、父の死により生まれ故郷の寒村にやむをえず戻る。葬儀が終われば一刻も早くエジンバラに帰る予定だったが、姉妹から聞いた知らせにより、計画は永久に変更させられる。逃げようと決めたその場所に、期せずしてとどまり、母親の介護をすることになるが、母親はほとんど見ず知らずの人間であり、共通するのは家族で乗っていた古いルノー4だけだった。「人間がひきうける責任のうち、子を持つことは最大で、最も決定的なものだろう。誰かに命を与え、無事に生かしていくことは、人間のすべての人格を巻き込む。だが、人の子であることの責任については、めったに語られない。『私を家に連れていって』は、子の責任と、その責任を引き受けるのがどういうことかを扱った小説だ」ヘスス・カラスコ。

Francisco Álvarez著『Lluvia de agosto』の表紙

8月の雨

Lluvia de agosto

フランシスコ‧アルバレス

Francisco Álvarez

Hoja de lata editorial, S.L.

1936年11月20日、ひとりの男が死に、ひとつの伝説が生まれた。男の名はブエナベントゥーラ・ドゥルティ。修理工にしてアナーキストのピストル強盗、そしてバルセロナの反ファシスト義勇兵。50年後、フランス人ジャーナリスト、リベルタード・カサルはドゥルティの死にまつわる謎を明らかにしようと決意する。ドゥルティのスペインでの初めてのすさまじい銀行強盗、ラテンアメリカ諸国への密入国、フランスへの国外追放、そしてカタルーニャの軍事クーデターを阻止した後サラゴサに向かうドゥルティ部隊など、読者は彼の足跡の証人となっていく。この調査により、カサル自身も自分の人生の亡霊と向き合わされることとなる。著者は綿密に検証した史実を踏まえて、時代の雰囲気を見事に再現し、8月の小ぬか雨の下、あまりにも短い夏を生きた無政府主義革命の偶像に再び息を吹き込んだ。

チベットに降る赤い雨

Lluvia roja sobre el Tibet

フアン‧アルクディア

Juan Alcudia

Maldragon Editorial, S.L.

人を殺すことがあなたの仕事であるとき、狂気はよくない旅の道連れだ。あるプロの殺し屋が、数年間属していた組織を離れる。彼は遠くまで逃げ、円形の塀に囲まれた宿屋〈真夜中の中心〉に身を隠す。その宿には、6人の客が泊まっている。逃亡中の殺し屋は、自分を殺すために組織が人を送り出したという考えにとらわれ、その宿にその手先が泊まり、自分の命を奪うタイミングをうかがっていると思いこんでいる。

Raúl Nieto Guridi著『Lo difícil』の表紙

むずかしいこと

Lo difícil

ラウル‧ニエト‧グリディ

Raúl Nieto Guridi

Publicaciones Ilustradas TTT

「家の外に出ると、ぼくには何もかもがむずかしくなる。むずむずした感じがやまなくて、一歩一歩が容易ではない」。人とコミュニケーションをとることは、見かけほど簡単ではなく、それには我慢強さや努力や勇気が必要だ。この本の主人公はそんな問題をかかえていて、パン屋のおじさんや、近所のアナさんやアントニアさんにあいさつしたいのに、しようとすると胸がドキドキして、手が汗ばんで、ほほえみしか出てこなくなる。

Iñaki Martínez著『Lo que dejan ver las sombras』の表紙

影が見せるもの

Lo que dejan ver las sombras

イニャキ・マルティネス

Iñaki Martínez

ALT autores Editorial

舞台は、権力が危うい均衡を保つ都会の町。1953年、CIAのアナリストは病院で生死の境をさまよっていた。その間、彼の上司は誰が彼を撃ったのかを突き止めようとしていた。時は刻々と過ぎ、暗殺者は再び誰かを標的にするかもしれない。独裁者バティスタ、ハバナに滞在するニューヨークのマフィア、反体制派の反逆者たちが、それぞれの思惑で暗躍する。 古典的なスパイ小説の味わいの筋立て。合法とは限らない利益のために動く様々な登場人物たち。 これほど魅力的で危険なハバナは、いまだかつてなかった。

Eloy Moreno著『 Lo que encontré bajo el sofá』の表紙

私がソファの下で見つけたもの

Lo que encontré bajo el sofá

エロイ‧モレノ

Eloy Moreno

Espasa Libros

アリシアは若い代用教員。とある学校で2か月間だけ教鞭をとるため、3歳の娘を連れてトレドに引っ越すことになる。生まれ故郷に夫を残し、まずまず幸せと言える安定した生活を後にして。トレドでは叔母ラウラの家に居候するが、叔母は家族以外には決して口外できないたいへんな秘密を隠している。ある日、アリシアは、クラスメートからいじめを受けている女の子マルタと出会う。その時からもう決して後戻りできなくなってしまう。トレド市警の警察官マルコスと知り合い、彼女の常識は全て覆される。そして彼と、情熱的でロマンティックであると同時に絶望的で不安に満ちた関係に引きずり込まれていく。

Lucía Mallén著『Lo que esconde el mar』の表紙

海が隠している%の

Lo que esconde el mar

ルシア‧マリェン(ペンネーム)

Lucía Mallén (pseudónimo)

Roca Editorial

ナディアは夫マルコスとともに購入した家「サ・マレア」の改装工事の進み具合を確認しにイビサに向かう。夫婦は最近しっくりいっていない。子供ができないことを、最初のうちふたりは問題にしていなかったが、今ではそのことをちょくちょく考えてしまう。だからナディアにとって購入した家のリフォームは、ふたりが必要としている平穏を見つけるためのきっかけだった。だがマルコスの気のなさが、ナディアを落ち込ませ、この家の元の持ち主、バレリオ・モンタルバン博士へ興味をそそられる。水中の考古学調査の日誌を通して、博士は何か重要なものを見つけていたかもしれない、そしてその死は事故ではなかった可能性がある、とナディアは推理する。ミステリーとアクション満載の物語。

Pablo de Aguilar著『Lo que está por venir』の表紙

これから起こること

Lo que está por venir

パブロ‧デ‧アギラル

Pablo de Aguilar

Ediciones del Serbal

1936年冬。スペイン第二共和政に対して蜂起した反乱軍は、マドリードの街を爆撃した。共和党政府はそれを受け、プラド美術館から最も貴重な絵画を避難させることにする。それは非常に面倒で複雑なミッションだった。その危険な冒険に、この小説の主人公フィデルとリサンドロはまきこまれる。ふたりは、マドリードの大きな金物屋の倉庫で働く同僚で、共通の趣味である絵画に暇な時間のほとんどを費やしていた。戦争のなりゆきで、ふたりは同じ陣営内だが別々の派閥に分かれてしまう。Lo que está por venir (これから起こること)は、友情と裏切りの、そして純粋な心と奪われた愛の物語。計画も夢もかすませる、混沌とした暴力的現実にのみこまれていく主人公たちの物語。

潮が隠すもの

Lo que la marea esconde

マリア‧オルーニャ

María Oruña

Editorial Planeta, S.A.U.

サンタンデール湾クラブの会長で、市の有力者のひとりである女性実業家フディス・ポンボが、豪華スクーナーの船室で死体となって見つかった。彼女はテニス界の選ばれた数名の招待客とともに、日暮れどきにクルーズに出ていた。前世紀初頭の密室犯罪の小説を思わせる犯行。船室は内側から鍵がかけられ、遺体に残された奇妙な傷も、犯行の謎めいた方法も説明がつかない。またパーティーのすべての招待客には、彼女の命を奪う動機があるようだった。犯行を犯すにせよ逃げるにせよ、誰も船に乗り込むことも、船からおりることもできない。誰が殺したのか。どうやって? なぜ? マリア・オルーニャの意欲作、癖になるエレガントなスリラー。

Elvira Lindo著『Lo que me queda por vivir』の表紙

生きるために私に残っているもの

Lo que me queda por vivir

エルビラ‧リンド

Elvira Lindo

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

アントニア26歳。もの皆変わっていく80年代マドリードで、4歳の男の子とふたりきりだった。若く未熟で子どもを抱えながら生きていた女性の、内面の軌跡の物語。大都会で、確としているよりも渾沌とした時代の中で、喪失と孤独を経験するにはあまりに早すぎた人間が、自分自身の場を確立しようとする。

Kirmen Uribe著『Lo que mueve el mundo』の表紙

世界を動かすもの

Lo que mueve el mundo

キルメン‧ウリベ

Kirmen Uribe

Editorial Seix Barral

1937年5月、ゲルニカの爆撃後、何千というバスク人の子どもたちが戦争の残虐さを逃れ、亡命地に向かってサントゥルセの港から出発した。その中のひとり、8歳の少女カルメンは、ベルギーに住む、ロルカの翻訳家でもある作家の家に身を寄せることになった。カルメンは祖国から引き離され、その作家の家族のもとで育つ。第二次世界大戦が終結した日、養父が亡くなり、フランコ体制下のスペインに戻ったカルメンは、生まれた家で新たな生活を始める。キルメン・ウリベが豊かな感性と優しさ、語りの才で綴る、親と子の、そして親と夫婦の物語であり、友情の、そして何よりも亡命の物語。

Cristina Fernández Cubas 著『Lo que no se ve』の表紙

見えないもの

Lo que no se ve

クリスティーナ・フェルナンデス=クバス

Cristina Fernández Cubas

Casanovas & Lynch Literary Agency

すでに老境に入った二人の姉妹が、青春時代のお気に入りの映画を演じて遊ぶ。二人のティーンエイジャーが終業式の日に、これまでとは異なる視線で生々しく互いを発見する。ある女性が、彼女の人生を永遠に変えたパーティーを回想する。イタリアのある都市で、ひとりの男が大聖堂の建設現場に入り込み、予期せぬ結果をもたらす指令を受ける。巧みな心理描写と日常の微妙な混乱を用いて、説明不可能なもの、震撼とさせるもの、語られないもの、予期せぬ形で私たちを変え、決して忘れられなくなるものを浮き彫りにした短編集。

わたしたちのユニークなところ

Lo que nos hace únicos

ベレン‧リョレンテ

Belén Llorente

Norma Editorial, S.A.

あらゆる身体を可視化し、ありのままの自分を愛することの大切さを訴える絵本。ディナの肌の色はクラスの他の子どもたちと違っていて、ルイスは時々どもってしまい、シロは車いすを使い、アランはナラと呼ばれたがっている……でも、そんなことで彼らが歩みを止めることはない。彼らは、世界を汚染から救いたい、旅行したい、楽器を演奏したい、写真家になりたい、本をたくさん読みたいのだ。みんな特別で、自分をユニークな存在にする何かを持っている。

Paloma Díaz Mas著『Lo que olvidamos』の表紙

私たちが忘れさったこと

Lo que olvidamos

パロマ‧ディアス=マス

Paloma Díaz-Mas

Editorial Anagrama

繊細で注意深いまなざしと気取りのない感情を持つパロマ・ディアスは、ふたつの物語の交差点に立ち、物や物語や思い出となって追いかけてくるふたつの過去(家族と集団の、政治と個人の)を探っていく。記憶の衰退という辛い現実を前に、本書『私たちが忘れさったもの』は、記憶を回復し、再評価、再現しようとする堅い意志を、エネルギッシュで才能豊かに、確かな筆致で示して見せる。内面をこまやかに描いた、読者をひきつけてやまない誠実な作品。

Juan Gómez Jurado著『Loba negra』の表紙

黒い狼

Loba negra

フアン‧ゴメス‧フラド

Juan Gómez Jurado

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

アントニア・スコットは何をも恐れない。恐れているのは自分自身だけ。しかし、そんな彼女よりも危険な人物が現れる。彼女を打ち負かしかねない人物だ。黒い狼は刻一刻と近づいてくる。アントニアは今初めて恐怖を感じる。

Ginés Sánchez著『Lobisón』の表紙

オオカミ人間

Lobisón

ヒネス‧サンチェス

Ginés Sánchez

Tusquets Editores

アドリアンはとても変わった青年。それは彼の行動に自閉症の特徴が見られるからだけでなく、7番目の子どもだからだ。山の伝承によると、7番目の子どもはオオカミ人間に変身するという。さらに、時々夜になると奇妙な発作に襲われるせいで、アドリアンは誰からも理解されない。そこで、村を出、今は兄セノン、兄の恋人、仲間と呼んでいる自分の犬とともにワゴン車で暮らし、スペインじゅうを放浪している。違法すれすれの商売でどうにか生計を立てながら、アドリアンは大人の世界で自分の場所を見つけようともがき、愛とセックスをおぼえていく。そして彼は一匹の黒い犬との関係によって、暴力的でめちゃくちゃな父親のためにつらかった子ども時代の自分を払拭し、再起をはかろうとする。若者が生きのびていくさまがなまなましく描かれ、読むものをひきこむ物語。若者の語りで、忘れがたい鮮やかなイメージが立ち上がる。

歴史に夢中

Locos por la Historia

Bonalletra Alcompàs

歴史好きにはたまらない一冊。主要な文明や歴史上の時代に関する125の珍事や面白い逸話を紹介。エジプトにピラミッドがあることや、中世の騎士がものすごい戦士だったことは、誰もが知っているが、古代ローマでは公衆トイレで体を洗い、皆同じスポンジを使っていたことは知っていただろうか? また、有名なヨーヨーはギリシアで発明されたことは? 「グロッキーになった」という表現はどこから来たか考えたことはある? 中世の裁判で豚やネズミが何の罪で裁かれたかということは? このページに飛び込んで、これらの質問に答えてみよう。だって歴史は、エピソードや逸話、驚くべき好奇心でいっぱいなのだから!&nbsp;

ミミズとウサギ

Lombriz y Conejo

ラモン‧D‧ベイガ

Ramón D. Veiga

Takatuka

ウサギと出会ったミミズは、ウサギに自分のペットになってほしいと頼む。あまり気乗りしないウサギだったが、ミミズの説得とユーモア、そしてたくさんの木いちごに釣られて承諾することになりそうだ。この新作漫画シリーズの主役は、ピザが大好物で、溢れんばかりのユーモアセンスを持つという、ありえないようなミミズである。読者に自分の暮らしを紹介して見せるこの憎めないキャラクターの持ち主は、さらに驚くべきことに、抑えきれないほどの好奇心を抱え、他の動物と友達になりたいという望みを持っているのだ。本作は、ほとんどの場合、友情が互いの違いを超えたところに存在することを示したハッピーエンドの物語。5歳以上の、本を読み始めたばかりの子供を対象に描かれている。

Àngels Navarro著『Los 10 mejores juegos del mundo』の表紙

世界の最良ゲーム10

Los 10 mejores juegos del mundo

アンへルス‧ナバーロ

Àngels Navarro

Combel Editorial / Editorial Casals, S.A.

世界の最もよいボードゲームを集めたもの。このプレイブックで、家族全員が新しい楽しみを見いだすだろう。ボード、札、サイコロがそろってすぐに遊べる。ゲームの世界を発見するすべてがそろっている!

あなたの生活を変える100のサプリと食品

Los 100 mejores suplementos y alimentos que cambiarán tu vida

アレクサンドル‧ヤニェス‧デ‧ラ‧カル

Alexandre Yañez de la Cal

Profit Editorial

本書できっと答えが見つかる。アレックス・ヤニェス博士があなたの体と心をケアする100の優れたサプリと食品を紹介。集められた情報はすべて現在の科学的根拠に基づくものだ(2,000以上の科学的資料と文献情報を掲載)。この最新のガイド本は、100のサプリと食品それぞれについて、主な効能、特定の病気や痛みに対する有用性、もしあれば禁忌や副作用、正しい使用量などを提示する。科学と深く結びついているという点でも、膨大な数のサプリと食品を分析している点でも、時代に合っているという点でも、ひと味違うユニークな一冊だ。

Marco Quadri著『Los alienígenas no son verdes』の表紙

宇宙人は緑じゃない

Los alienígenas no son verdes

マルコ・クアドリ

Marco Quadri

Zahorí Books

想像してみてください、もし宇宙人が緑色じゃなかったら…どんな姿をしているでしょうか? 歴史を通じて、人類は宇宙人を様々な形で想像してきました。それは私たちの夢と、私たちを取り巻く広大な宇宙における絶え間ない探求を反映しています。美術、文学、映画、そして大衆文化を通して、私たちはこの宇宙の小さな片隅の向こうにある生命の可能性について調査しつづけ、アイデアを形にしつづけています。この旅が、宇宙の謎を夢見て調査しつづけるための、インスピレーションとなりますように!

天使は挫折しない:良識ある女性なら逃げるべき毒男研究学

Los ángeles no se estrellan: Tipejo-logías de hombres tóxicos de los que toda mujer sensata debería huir

R‧ロマン

Regina Román

ビクトリアの人生に次々と現れるダメ男たち。本当なら逃げるべき相手なのに好きになってしまう。そんな彼女自身や、彼女やその女友達たちに巻き起こる出来事に共感せずにはいられないだろう。人生というこの大きな市場でつきまとってくる毒男たち。良識ある女性なら逃げるべきそんな男たちのエピソードを、ブラックユーモア風に描いた面白小説(物語と自己啓発書の中間)。挫折を経験した優しい男から、自己陶酔したナルシストまでさまざまな男たちが登場。例えば、うぬぼれやのアントニートは自分の能力を過大評価しがちなうえ、みんなが自分に注目していると思い込んでいる。そんな男たちから逃れることはできるだろうか? それは無理かもしれないが、せめて自分を見失うことなく、過去の過ちを笑い飛ばして、その経験がくれた教訓を生かせるようにしておこう。

宇宙飛行士

Los astronautas

ラウラ‧フェレロ

Laura Ferrero

MB Agencia Literaria

ロス・アストロナウタス私たちは皆、幼少期にどのような人々が家族を形成し、どのようなつながりが私たちを結びつけているのかを学ぶ。この小説の主人公以外は、自分にもかつて家族がいたことを知らされていない。その痕跡がひとつ残らず消えてしまうまでに、長い年月の間に何があったのか。宇宙飛行士たち』は、時間の中で失われたこの生態系を読み解く物語である。偶然発見された、両親と一緒にいる少女を写した写真が、35年遅れの家族の現実に光を当てる。しかし、最も重要なことは、彼女がアイデンティティを構築せざるを得なかった空白、沈黙、秘密に光を当てることである。しかし、物語は決して真実を語らない。ラウラ・フェレーロは、自伝的事実を出発点として、感動的で、時に胸を打つフィクションを創作する。

バーニョス‧デル‧アルミランテ

Los Baños del Almirante

ダナ‧ギンUル

Dana Gynther

Batidora Ediciones (La Batidora Coop. V.)

幾度となく襲い掛かる困難に果敢に立ち向かい克服する4人の強い女性が主人公の物語。それはまるで、バレンシアの旧市街にある昔の大衆浴場で700年もの間流行病、戦争、再開発などを生き抜いた施設バーニョス・デル・アルミランテのような途轍もない強さだ。浴場は最も幸せな瞬間や辛い時間が過ぎていく人生の背景幕。

Almudena Grandes著『Los besos en el pan』の表紙

パンにキス

Los besos en el pan

アルムデナ‧グランデス

Almudena Grandes

Tusquets Editores

複数の家族と隣人たちの1年間の暮らしを描いた、心を揺さぶる群像小説。親と子、若者と老人、前に進もうと勇気をふるい起こして生きるごく普通の人々。思いがけず知人に支えられた者もいれば、新たなチャンスにかけた者もいるが、みな、パンにキスして感謝の気持ちを表していた昔の人々と同じように辛抱強く踏ん張っている。それらをもとにこの小説は、ほろ苦い瞬間、大都市の中できらりと輝く連帯、運命の交差点での友情や愛情の細やかな物語を紡ぎ、ごく最近のスペインの感動的な肖像を描きあげた。著者曰く、「これは多くの物語からなる物語。そうはならなかったものの、全てがひっくり返るのではという恐怖を人々に与えた経済危機という台風の目の中で、自分らしくあり続けようとしたマドリードの下町の物語」

すばらしい隣人

Los buenos vecinos

クララ‧パストール

Clara Pastor

Quaderns Crema

細やかな心理描写の11の短編で、クララ・パストールは特異な宇宙を見せてくれる。地理的な位置はあいまいだが、的確な雰囲気のなかに、登場人物の微妙な心理が見てとれる。主人公が子どもの場合は別だが、収録された物語の多くで、主人公が気づかないうちに欲望が生まれて死んでゆく。主人公は外見の落ち着きを保とうとするが、なかなかそうはいかない。流れるような自然な散文とともに、物語の筋の動かし方の巧みさを楽しめる美しい本。ほのめかされ、想像力と感性にゆだねられるすべてが読者を魅了する。

Eva Rodríguez著『Los calcetines de Susana』の表紙

スサナのくつした

Los calcetines de Susana

エバ‧ロドリゲス

Eva Rodríguez

Ediciones Jaguar S.A.U.

スサナは、はじめてひとりで服を着ました。うまくいったと思いきや、白いくつしたが片っぽ、どこにも見あたりません。いったいどこにいったのでしょう? スサナといっしょにくつしたをさがしてね!  スペイン語と英語のバイリンガル版。色と数字をおさらいするための単語集つき。対象読者5歳以上。

Álvaro Valderas著『Los casos del inspector Covarrubia』の表紙

コバルビアス警部の事件簿

Los casos del inspector Covarrubia

アルバロ‧バルデラス

Álvaro Valderas

Ediciones del Serbal

これらの物語は、あまりに信ぴょう性があり過ぎて逆に、真実味を持たせるために一部の詳細を削除しなくてはならなかったほどで、「排尿文学」とでも呼ばれるジャンル、さらにその厳しいレアリズムによって「下剤文学」というサブ・ジャンルに入る。入る、というより、下劣な喜びに浸りながら、そのサブ・ジャンルに潜り込む。出版社の最初の意図は、そのデリケートな役割にふさわしい紙(トイレットペーパー)に印刷するつもりだったが、インクがにじんでしまった。斬新なシャーロック&ワトソンとでもいうべき主人公コンビは、道徳観念なしで損得勘定が得意な警部と、おばかだが忠実な部下。交互に警察から遠ざけられたり表彰されたりしている。コバルビアスは、機知に富んだ、良心の呵責ゼロの男で、(触ったもの全てを黄金に変える)ミダス王とは正反対。ミエルダス(糞)王とでも言おうか、手に触れるものすべてを「黄金ならぬ糞」に変える。

Jorge Zepeda Patterson著『Los corruptores』の表紙

堕落さ る者たち

Los corruptores

ホルヘ‧セペダ=パターソン

Jorge Zepeda Patterson

Ediciones Destino

メキシコ・シティ。女優のパメラ・ドサントスは、その有名な太ももと、メキシコの大物政治家たちが通り過ぎて行った広く寛容な心のおかげで、スターの座に上り詰めていた。だが、彼女のバラバラ死体が発見されると、続いてPRI(制度的革命党)の政権復帰に赤信号をともすわけのわからない出来事が次々に明るみにでる。トマスは、全くやる気のないジャーナリストだが、この有名な女優の殺人について急ぎ記事を書き、死体発見現場について、必要な裏付けをせずにあるデータを盛り込む。記事になると、一見つまらなそうなそのデータが興味をひき、人びとの注目が集まる。死体は、新政権の最も危険な人物サラサールの自宅からわずか数メートルの場所にあったのだった。

Juan Carlos Garrido Luque著『Los crímenes de la Gran Vía』の表紙

グラン‧ビア事件

Los crímenes de la Gran Vía

フアン‧カルロス‧ガリード=ルケ

Juan Carlos Garrido Luque

Ediciones del Serbal

ミュージカルが物語を導く糸となる。劇場で次々と起こる連続殺人犯で、マドリード中心部の警察署の特捜班は八方ふさがりになっていた。犯罪に終止符を打つため、あるベテラン刑事が特捜班に戻る。事件解明に向けて、彼は自身の過去までさぐることとなるが、そこで殺人犯を特定するためのカギが見つかる。推理やサスペンスを超えた刑事推理小説。私たちの人生のシナリオが、まるで演劇のそれのように変わり得ることを深く分析する。

アランチャの4つの脳

Los cuatro cerebros de Arantxa

ラファ‧ゲレーロ

Rafa Guerrero

Aerys Producciones

わたしたちの脳は4つの部分に分かれてるって知ってた? その一つひとつの部分が決まった仕事をすることになってるんだけど、穏やかにバランスを保つためには大人の手助けが必要なんだって。どんなものなのか、 アランチャといっしょに見てみない? 最近の神経画像の技術によると、脳は生後10年まで発達し続けることがわかってるんだって。残念ながら、さまざまな問題とか状況のせいで、脳の発達の可能性を最大限に発揮できない人もいるんだ。わたしたちの脳には、ちがってるけどお互いをカバーする機能を持つ4つの大きなゾーンがあって、本質的には一番身近な保護者に依存していることを、この絵本は、親や子どもたち自身に教えてくれる。子どもたちの脳を十分に発達させるには、大人たちが無条件に見てあげることが不可欠なのだ。

Fumilayo Johnson著『Los cuentos de la abuela Chioma』の表紙

チオマおばあちゃんのお話

Los cuentos de la abuela Chioma

フミラヨ‧ジョンソン‧ソパレ

Fumilayo Johnson Sopale

Editorial Nueva Economía Social

人々が集まって物語を語り聞くという、「ニシントリー」と呼ばれるアフリカの純粋な口承の伝統が、フミラヨ・ジョンソンの物語のなかにはきらきらと魔法に満ちて花開いている。スペインとギニアの血をひく、才能あふれる若き女性作家ジョンソンは本書で、生命と限りない美にあふれる世界を伝え、ラマンチャ出身のイラストレーター、ペドロ・セルバンテスのずばぬけたクオリティの個性的な絵がさらなる魅力を添えている。ジョンソンはあたかも生き証人のように、一族と文化の記憶に根差す物語という遺産を私たちに手渡して、はかり知れない価値を持つ世襲財産を保存すると同時に、今の世代の読者に感動を与える

Lorenzo Silva著『Los cuerpos extraños』の表紙

奇妙な死体

Los cuerpos extraños

ロレンソ‧シルバ

Lorenzo Silva

A.C.E.R. Agencia Literaria

家族と週末を過ごしていたベビラクア曹長は、レバンテのある場所で女性町長の死体が発見されたという知らせを受ける。町長の夫がかねてから妻の失踪を届けていたのだが、死体はビーチで観光客に発見されたのだった。ベビラクアと部下たちが到着し、捜査にとりかかった時には、既に判事が死体を引き上げ、最初の方策は講じられ、葬儀の準備が行われていた。現場はごたごたし、被害者についてありとあらゆる噂が広まっていた。被害者である町長は将来を嘱望された若い女性で、党の高齢の有力者たちのやり口や腐敗を断ち切り、政治のやり方を一新しようと意気込んでいた。加えて「味気ない」という言葉とは程遠い彼女の派手な性生活が明らかになったことが捜査をかく乱させるが、許された時間は限られていた。

アヘン日記

Los diarios del opio

ダビッド‧ヒメネス=トーレス

David Jiménez Torres

Oh!Books Agencia Literaria

本書は、ラドヤード・キップリング、ジョゼフ・コンラッド、グレアム・グリーンなど、東洋の魔法に魅せられた伝説的作家たちの足跡を辿った本だ。一体どんな秘密が、探検家や作家を旅に駆り立てたのか?ダビッド・ヒメネスは、10人の偉大な文学者たちの著作の舞台となった場所を巡り、その大いなる謎を解くための波乱の旅、すなわちアジアの何が彼らにインスピレーションを与えたのかを発見するための旅に出立した。それは、騒然とした大陸の冒険、人間性の深淵を探り、とらえがたい東洋の謎を追求するスリルに満ちた旅となるのだった。

完璧な日々

Los días perfectos

ハコボ‧ビルガレチェ

Jacobo Bergareche

Libros del Asteroide, SLU

仕事にも結婚にも疲れた新聞記者のルイスは、テキサスのオースティンでの学会に出席する予定である。出張は、人生の唯一の喜びとなっているカミーラとの束の間の逢瀬のアリバイにすぎない。しかし、出発しようとしたとき、カミーラから「もうここでおしまいにして、思い出にしましょう」というメッセージを受け取る。ルイスは落胆し、どうしてよいかわからないままオースティンに行き、大学の文書館にこもり、そこで偶然、ウィリアム・フォークナーが愛人ミータ・カーペンターに送った手紙を見つける。この長い書簡を読んだのがきっかけで彼は、自分の恋の冒険の思い出をたどりなおし、退屈な家庭生活をふりかえる。しかし同時に、生きがいを持って日々を生きるにはどうすべきかと自問せずにはいられない。たっぷりの真実とユーモア、語りの力で、恋の熱情と、人間関係の避けがたいルーチンを普遍的な形で探求する。

Daniel García Fernández著『Los discípulos de Baco』の表紙

バッカスの弟子たち

Los discípulos de Baco

ダニエル‧ガルシア‧フェルナンデス

Daniel García Fernández

Plataforma Editorial

この波乱万丈のスリラーはワインの世界が舞台。ワイン界に関係がある複数の殺人の捜査が、ひとりの女性警察官に委ねられる。あるたれこみ屋との出会いにより彼女は、だれが敵かわからないまま勝つしかないレースに追い込まれる。ロシアマフィア、盗掘をする女性考古学者、バルセロナ大聖堂の文書係、謎めいたブロンド女性、旧ナチ将校、優しい眼差しの殺し屋、大酒飲みのワイン醸造家といった面々が、100年以上前に醸造された1本のワインに隠された秘密をめぐって交錯する。鋭い感覚、アクション、暴力、ブラックユーモア、歴史、そしてワインに対する情熱の物語であり、登場人物は誰もが邪悪でありながら人間的。読む者を酔わせる小説だ。

選ばれし者た

Los Elegidos

ナンド‧ロペス

Nando López

Dos Passos Agencia Literaria

1950年1月14日、アスンは才能というよりも図々しさを武器にコプラを歌っているタブラオへ出向いた。その夜、人生を一変させる人と出会うなど知る由もない。その人物とはアテネオ図書館の司書サントスで、文化的な繋がりや大学生との交流を通して反フランコ派レジスタンスに協力していた。このふたりの間に、外見はごくありふれたものだが、実は非常に特殊な関係が生まれる。サントスはアスンに文学を通した自由と変革の可能性について教え、彼女は見せかけの婚約関係で彼の隠れ蓑になった。サントスにとってこの関係は、1954年に発令された新たな浮浪者取締法によって迫害される同性愛者のひとりとならないために必要不可欠なものとなる。登場人物たちの感動的な人生と入念な歴史の調査によって、これまで必ずしも詳細に語られてこなかった時代を見せてくれる小説。

Javier Marias著『Los enamoramientos』の表紙

執着

Los enamoramientos

ハビエル‧マリアス

Javier Marias

Casanovas & Lynch Literary Agency

深く魅力的な文体で、恋をした状態について考察する小説。ほぼだれもが恋愛を有益なもの、ときには救済とさえ考えるがゆえに、恋愛においては、高貴で無欲な振る舞いから、大いなる横暴や下劣さまで、ほとんどすべてのふるまいが正当に思えるものだ。本書はまた、事実の恐るべき力と無処罰についての本であり、また、どれほど嘆き、戻ってきてほしい、少なくとも生きていてほしいと強く望んだとしても、死者を生き返らせるわけにはいかないこと、真実を正確に知ることは不可能なこと、絶えず揺れ動き、変化する私たちの思考の真実さえ知ることができないことについて語った本でもある。

Beatriz Osés著『Los escribidores de cartas』の表紙

手紙を書いた人たち

Los escribidores de cartas

ベアトリス‧オセス

Beatriz Osés

ヘビと言われる川が小さなノアベリ村を通っています。郵便配達人のフェデリコはもうすぐ職を失いそうです。孫娘のイリアにはおじいちゃんを救うある計画がありました。でも、村長のイシドロさんは川とフェデリコが大嫌いです。相手に届かない手紙…そして、みんながなにか秘密を隠しています。さぁて、どんな秘密でしょう?

Alberto Pérez Villacampa著『Los fabricantes de montañas』の表紙

山をつくる者たち

Los fabricantes de montañas

アルベルト‧ペレス=ビジャカンパ

Alberto Pérez Villacampa

Feditrés S.L.

ごつごつした山しかないところには、眠っている大男が隠れているんだよ。きみたちは、大男を起こして、その不思議な仕事を見てみたくないか?

海賊ゲーマーズ1 目的地:インフィニテの神話

Los Gamers Piratas 1. Destino: Mítica In finite

ロベルト‧サンティアゴ

Roberto Santiago

Editorial Planeta, S.A.U.

これは単なるゲームではない。ペガソとデルタは共通点が多い。どちらもシャイで、友達作りが難しい。そしてテレビゲームでは、とてつもない能力を発揮する。しかし想像できなかったことがある。ツィッチで配信したインフィニテの神話で遊ぶ様子が世界中に拡散されたことだ。11歳の誕生日を祝うために、家族がサプライズ・パーティーを準備していた日、すべてが一変する。パーティーの最中に起きた恐ろしい出来事の後、デルタとペガソは超能力が備わっていることに気づく。なぜ、どうやって備わったのかは分からない。しかしほかの人と違うことは確かだ。やがてふたりは伝説的な海賊ゲーマーに上りつめる。

Ginés Sánchez著『Los gatos pardos』の表紙

山猫

Los gatos pardos

ヒネス‧サンチェス

Ginés Sánchez

Tusquets Editores

ムルシア、サン・フアンの夜。3人の登場人物が経験する忘れがたい物語。メキシコ人のハシントはドン・ホルヘのボディーガード。ボスがパーティに興じている間に、身内を殺した殺し屋たちと決着を付けなければならない。マリアはその夜新しい経験をして家族のゴタゴタを忘れたいと街に出かけて来たティーンエージャーの女の子。ハシントとマリアが出会う。マリアは、近所に住む孤独で謎めいた男ヒネスが、彼女がその夜いた場所をくまなく歩き回り、ドン・ホルヘのパーティに参加し、ハシントと知り合いだということを不審に思わない。独特の雰囲気や集団の中をさまよう3人の登場人物の秘密の生活をめぐる、ダイレクトで、心をつかむ物語。こういった人びとの様子や雰囲気をこれほど生き生きと描いた文学は最近あまりない。様々な人生が合流し噴出し、危険とバイオレンスにみちた夜、思いがけないラブストーリーが生まれる。

ラインの子どもたち

Los hijos de Lain

タニア‧ロペス‧パラ

Tania López Parra

Maldragon Editorial, S.L.

もし、あなたに対する最大の罰が、自分の星から出ていくことだとしたら? リアムとアリアは想像だにしなかった運命に直面する。一見、普通に暮らしているように見える兄妹ふたりは、故郷の惑星ラインを離れることを余儀なくされる。未知の世界の危険にさらされながら、ふたりは答えを探しに何が何でも生き延びなければならない旅に出る。秘密の中には永遠に埋もれてしまっていた方がいいものもあることも知らずに。

Gastón Segura著『Los invertebrados』の表紙

無脊椎動物

Los invertebrados

ガストン‧セグラ

Gastón Segura

Drácena Ediciones

2011年春に政党の閉鎖性に対抗して起こったスペインの若者たちの抗議デモ、15-Mから10年を記念して出版された。物語はデモの1週間前に始まる。しばらく世間から離れて入院し、退院したばかりの主人公のモイセス・マルメロは、勤務していた会社はどうなっているか確かめようと出かけ、最後にデモの参加者が溢れるプエルタ・デル・ソル広場にたどりつく。章を追うごとに、当時のマドリード、そしてスペインの姿の忠実でユーモラスな描写へと変貌していく本書。そこでは政治腐敗となりすましとプロの騙りが当たり前であり、そのことが、痛切さと風俗描写とからかいが合わさった、この愉快な小説に読者をひきつける端緒となっている。

Francisco Narla著『Los lobos del centeno』の表紙

ライ麦狼

Los lobos del centeno

フランシスコ‧ナルラ

Francisco Narla

Agencia Literaria Albardonedo

ガリシア内陸部の村で、気難しいやもめの風車守の男が、ガリシアに伝わる最悪の悪夢が周囲で息を吹き返すのを目の当たりにする。バラバラになった動物の死骸が発見され、収穫作物が荒らされ、亡霊行列(サンタ・コンパーニャ)が現れ、狼男が代父を襲う。村人はそれらを風車守のせいにし、村のメイガ(霊媒師)がしゃしゃり出てくることで、村人の間の裏切りの歴史が暴露されていく。本作は、著者フランシスコ・ナルラの処女作で、主人公たちの暮らしだけでなく、死、残虐性、欺き、魂の悲嘆についても、正確かつ豊かな表現で語る。古典的な風俗描写のテクニックを使い、焼酎で酩酊した酔っ払いの戯言の類としておきたかった、ベールに包まれていた残虐な出来事の言い伝えを白日の下にさらす。読者を惹きつけて離さないこの作品からはすでに、のちの大作家への萌芽が窺える。

色とりどりの月曜日 ホンジュラスの移動図書館

Los lunes de colores. Un bibliomóvil en Honduras

ネルソン‧ロドリゲス

Nelson Rodríguez

Editorial Juventud

ビジャ・ヌエバでは悲しい話が絶えないようだが、毎週月曜日は待ちに待った日だ。ネルソンとヘルソンが本の詰まった車でやってきて、彼らの物語で子どもたちは幸せな気持ちでうちに帰り、太陽は再び輝く。ホンジュラスの実話に基づく作品。

Ledicia Costas著『Los Minimuertos - Bienvenidos al otro barrio』の表紙

ミニ死者たち もうひとつの町に%うこそ

Los Minimuertos - Bienvenidos al otro barrio

レディシア‧コスタ

Ledicia Costas

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

〈ミニ死者〉たちは、きみとはぜんぜん違う、あの世の子どもたちだ。彼らは、〈もうひとつの町〉でパパやママを待っている。〈もうひとつの町〉は、なんでもやりたいことをできる一時的な場所だ。けれども、生きている者の世界に戻りたがっている子ども、カタクラックがやってきた日に、すべてが変わる。ミニ死者たちは、カタクラックを助けるために奮闘することになる。生者の世界に帰るというとんでもない望みはかなえられるのか? 『Escarlatina(エスカルラティナ)』シリーズの作者で、スペイン国民児童文学賞作家であるレディシア・コスタスの新たなシリーズ。

Mariano Peyrou著『Los nombres de las cosas』の表紙

もの との名前

Los nombres de las cosas

マリアノ‧ペイロウ

Mariano Peyrou

Sexto Piso España

毎週木曜日、3人の友人がバルで集まる。ひとりは映画監督で現実と想像の世界を隔てる境界線を常にあいまいにしているようにみえる。もうひとりは小説家で、書くことと生きることにおいてできる限り自由であることを目指し、文体もガールフレンドもあまた持つ。3人目はある役所勤めの公務員、自分の妻や息子のことをほとんど何も知らないと感じている。3人は、扱いが難しい現実について、確信、ジレンマ、啓発的なナンセンスを口にするが、彼らにとって、ものごとに名前をつけることは、現実を自分のものとしてとりこむ方法であり、自分自身との矛盾、世界との矛盾も、生きる術のひとつだ。しかし、「ものごとの名前」とは、一見、普遍的で確実なもののように見えるが、一旦そこに疑問を呈すると、恣意的で不十分なものになる。

Nando López著『Los nombres del fuego』の表紙

火の名前

Los nombres del fuego

ナンド‧ロペス

Nando López

Santillana Infantil y Juvenil

アブリルとシャラキアには共通点がたくさんある。ふたりとも16歳になったばかりで、未来は自分の手でつかみとっていきたいと考えている。そして間もなく人生の決定的な変化を迎えようとしているところも同じだ。ふたりをへだてるものはただ、16世紀のテノチティトランと21世紀のマドリードという時間と空間だけ。ふたつの世界で、彼女たちは友だちといっしょに冒険の旅へと出かける。魅力と謎に満ちた旅のなかでふたりは同様の、そして究極の疑問を抱くようになる。すなわち、わたしたちは何者なのか。答えはきっと、名前の裏に隠された真実と関係している。それともアブリルとシャラキアが感じている、空をも燃やすほど熱い欲求と関係があるのかもしれない。すべてに……そして今すぐなりたいという欲求と。

Edurne Portela著『Los ojos cerrados』の表紙

閉ざした目

Los ojos cerrados

エドゥルネ・ポルテラ

Edurne Portela

Galaxia Gutenberg SL

プエブロ・チコは、時に霧に包まれ、雪に覆われる山間の小さな村だ。時に動物が迷い込み、人が姿を消すこともある山中にある。一見穏やかな場所で、今は数少ない寡黙な老人たちが住んでいる。その静けさに、秘密や暴力的な過去、復讐の念が隠れているとは、誰も思わない。1年間そこで過ごそうと都会からやってきた夫婦も何も疑っていない。しかし、父親がそこで生まれたという理由でそこに来ることを選んだアリアドナはやがて、山に何かが隠されていると感じ始める。村の住人たち、特に透き通るような目をして幻覚にも似た謎めいた言葉を話すペドロと出会い、アリアドナは父親が自身の過去についてなぜ何も語らなかったのかをようやく理解するようになる。それは、村全体が目を閉じ、見ないことにしようと決めた過去だった。 読者を巻き込むざらついた文体で書かれたこのポリフォニックな小説で、エドゥルネ・ポルテラはある村、ひいてはある国家、大陸、そして人類の集団的記憶を鋭く問いただす。

Carolina Molina著『Los ojos de Galdós』の表紙

ガルドスの目

Los ojos de Galdós

カロリナ‧モリナ

Carolina Molina

EDHASA - Editora y Distribuidora Hispano Americana

貧しく、病気がちで、ほとんど目が見えない。スペインが生んだ20世紀文学の天才、ベニート・ペレス=ガルドスはそんな風に晩年を生きた。それにも拘わらず、彼は友人、家族、市井の人々からの愛情に不足することはなかった。彼が文筆業を続けるために他の若い人たちの目に頼ることが必要になったとき、彼女、カルメラ・シッドが彼の傍らにいた。彼女が彼の目になる。そして彼の声になる。カルメラは、ガルドスが法律を学ぶ学生としてマドリードに来てから、ジャーナリズムの重鎮、確立した地位の作家になるまでの彼の人生の舞台を、彼と一緒に回想する。同時に、エミリア・パルド=バサンなど、当時の有名な女性たちが恋に落ちた、知的で謙虚であると同時に慈悲深く魅力的なガルドスの人柄を知ることになる。19世紀から20世紀初頭のスペインを、誰より見事に描く術を知っていた作家ガルドスについての心温まる知られざる物語。

Alberto Guaita Tello著『Los ojos del mar』の表紙

海の目

Los ojos del mar

アルベルト‧グアイタ‧テリョ

Alberto Guaita Tello

Aerys Producciones

うら若き娘ファニャと呪術医の祖母のシモネは浜辺で傷ついて意識を失ったシャルドゥクという名のヒューマノイドを見つける。シモネにはこのヒューマノイドが水の霊だとわかり、孫とふたりで命を助けるために尽力する。目を覚ましたシャルドゥクは自分が住むテルリアがどのような世界か、そして「交差地帯」という不思議な場所を通りぬけ、どのようにしてこの世界に辿り着いたかを話す。やがてファニャとシャルドゥクは恋に落ちるが、別れの日がやって来た。シャルドゥクはファニャに海中の「交差地帯」をふたりで通過するための策を持って帰ることを誓う。こうして冒険や愛、アフリカンマジック、そしてSFの壮大な物語が始まる。

オランウータンとわたし

Los orangutanes y yo

カルメレ‧リャノ

Karmele Llano

A Fin de Cuentos Editorial

カルメレは獣医学生時代から、野生動物に関わる仕事がしたいとはっきり思っていた。その情熱は冷めることなく、43歳の今、彼女はボルネオ島(インドネシア)でオランウータンの保護と回復を目的とした大規模なNGOを率いている。本書では、自然とともにあった幼少期、学業、野生動物回復センターでの最初の仕事の日々、ボランティアとして働くためにジャカルタに降り立ったこと、そしてゴミの中で棒につながれるひどい生活を送っていた飼育下のオランウータン、ジョジョとの出会いが人生に与えた衝撃について語っている。オランウータンは、ボルネオ島とスマトラ島にのみ生息する霊長類の一種で、その生存は深刻な危機に瀕している。そのため、本書では彼らの生活について語るだけではなく、類人猿たちの知性の高さや、アブラヤシ農園によって荒廃した彼らの環境、彼らとそこに住む人々のニーズについても紹介する。

Almudena Grandes著『Los pacientes del doctor García』の表紙

ガルシア先生の患者たち

Los pacientes del doctor García

アルムデナ‧グランデス

Almudena Grandes

Tusquets Editores

若い共和党員の医師ギリェルモ・ガルシアは、フランコ勝利後も親友からもらった偽の⾝分のおかげでマドリードに住み続けている。外交官だった親友は1937年にガルシアに命を助けられた後亡命したが、危険な秘密の任務を帯びて1946年に帰国する。その任務とは第三帝国、即ちナチスが犯罪者を隠匿するために作った地下組織に潜⼊すること。マドリードでその組織を率いていたのはクララ・ストーファーだった。ガルシアが徴兵される⼀⽅で、ナチス親衛隊の志願兵として最後のベルリン市街戦を戦ったスペイン⼈ボクサーはドイツでひどい⽣活を送っており、誰かが⾃分に成り代わってアルゼンチンに逃亡を企てていることなど知る由もない。第⼆次世界の実際の出来事をベースに造りだした⼈物たちが、スペインとアルゼンチンの情勢や冷戦初期の影響を共有しながら織りなすスリル満点の国際的なスパイ⼩説で、著者渾⾝の作品。

Olga Barroso著『Los pájaros arcoíris』の表紙

虹色の鳥

Los pájaros arcoíris

オルガ‧バロソ

Olga Barroso

Marcombo Editorial

ベガはパートナーにひどい扱いをする雄の小鳥の話を聞きました。何が起きたか知りたいですか? そんなことをする小鳥がなぜいるか知っていますか? 雌の小鳥がどうしたか知りたいですか? 性差別暴力は地理的、社会的、時間的境界を越えた大きな社会問題です。性差別暴力はいろいろな形で現れますが、このセンティクエント・シリーズで取り上げるのはカップルの間で男性が女性にふるう暴力です。子供たちの健全な育成のためには、幼少期にきちんとした扱いをうけなければなりません。

Jorge Blaschke著『Los pájaros se orientan con la física cuántica』の表紙

鳥は量子物 学で方向を定める

Los pájaros se orientan con la física cuántica

ホルヘ‧ブラシュケ

Jorge Blaschke

Ediciones Robinbook, S.L.

量子力学の現実は、未来を先取りする新しいパラダイムだ。Los gatos sueñan con física cuántica y los perros con universos paralelos(ネコは量子物理学を、犬はパラレルワールドを夢見る)の成功の後、ブラシュケはこの新刊で、我々をとりまく量子の世界のさまざまな面を紹介し、楽しくわかりやすい形で、量子力学のパラダイムの新しいモデルにふみこみ、限りなく小さいものの世界や限りなく大きいものの世界、中くらいの世界における影響を明らかにしてみせる。この量子のパラダイムがどのように人類に影響し、近い未来の生活をどのように規定するのかを見ていこう。甘い蜜の湖、ヒッグズ場、シンメトリー、スーパーシンメトリー、弦理論。宇宙の膨張と銀河の衝突。鳥は量子物理学で方向を定めるのか? ホーキンズが賭けに負ける日。太陽系外惑星の狩人。量子脳。

Aleksandra Lun著『Los palimpsestos』の表紙

消し跡の残る羊皮紙

Los palimpsestos

アレクサンドラ‧ルン

Aleksandra Lun

The Ella Sher Literary Agency

母語以外で書くようになった作家に対するすばらしい風刺。東ヨーロッパから移住した男性がベルギーの精神病院へ入院し、言語の再組み込み治療を受ける。彼は母語で書かないことに由来する病を患っていた。しかしこの病院の患者は彼だけではなかった。しかも、みな彼と同じ「外国作家シンドローム」の患者ばかり。作家はなぜ言語を変えるのか? 母語でも昔書いていたのだろうか? 学習した言語を使った創造には限界はないのか? 後に獲得した言語と作家との関係は? 新たな言語を忘れたらどうなるのか? ユーモアたっぷりにこういった疑問を投げかけていくーしかし、答えないー、鋭い風刺のきいたすばらしい作品。

Pablo Adán著『Los pasos de Camper』の表紙

カンFールの歩み

Los pasos de Camper

パブロ‧アダン

Pablo Adán

LID Editorial Empresarial

スペインを代表する靴のブランド、カンペールの歴史。バレアレス諸島の小さな工房として創業して、世界各地の一級地に店舗を構えるまでを振り返る。作者パブロ・アダンは、今やスペインでも有数の国際的ブランドとなったカンペールの内部に入り、いかに成功を築きあげたか、いかにして現在の世界的名声を得るにいたったかを読者に語り明かす。

Daniel Blanco著『Los pecados del verano』の表紙

夏の罪

Los pecados del verano

ダニエル‧ブランコモゲル(1978年ウエルバ生まれ)はビリャ大学で新聞学学士号を、コミュニケーション学部学学科で博士号を、創作で修士号(2011年)取得。国立

Daniel Blanco

Iniciativas Empresariales Ilustrata S.L.

内陸部のある村で最も裕福な一家には奥様、その夫、幼いふたりの子ども、奥様の母親と使用人のアマリアがいる。彼らが暮らす邸宅では一見すべてが完璧だが、中身もそうとは限らない。奥様の名はコンスエロ。非常に貧しい家庭に生まれた美貌の若い女性。娘と自分の将来を確かなものにしようとした母親が見つけてきた相手と結婚したものの、コンスエロは妻である自分の立場に不安と恐れで一杯になっている。スペイン各地のビーチの道徳性に関する会議に出席する夫が、コンスエロと子どもたちを地中海のある町に連れていく。ここでコンスエロは自分とは違う、もっと自由で官能的な生活を垣間見る。一方夫は、50年代初めのこの時期、新たにスペインにやってくるようになった外国人観光客の女性たちが積極的に道徳を乱していく様を見て呆然とする。家族の誰もがバカンスに行く前とは変化して帰宅する。

Alicia Estopiñá著『Los perros y los cuchillos』の表紙

犬とナイフ

Los perros y los cuchillos

アリシア‧エストピニャ

Alicia Estopiñá

Ediciones del Serbal

一見何の価値もなさそうな風変わりな絵画1点が瓦礫の中から偶然発見される。しかし実際はとてつもなく貴重な美術コレクションの一部だとわかる。それは独立戦争の真っ只中、テルエルのマエストラスゴの村、バルデロブレスの地下に掘られた入り組んだトンネルの片隅に、知識人たちによって隠されたコレクションだった。そのお宝を探し出そうと人々が殺到し、追跡と死の狂奔劇に巻きこまれていく。メルローと名乗る画家、型破りの弁護士夫婦、シニッカルな司法書士、色気を振りまく未亡人、凶暴な犬、貧しい娼婦、マフィアの一団など、一癖も二癖もある人物たちの大活劇。ユーモラスで皮肉に飛んだ語り口と、スピード感溢れる展開で、最初から最後まで読者を惹きつけて離さない。

Sonia Hernandez著『Los Pissimboni』の表紙

ピッシンボニ家の人々

Los Pissimboni

ソニア‧エルナンデス

Sònia Hernández

Quaderns Crema

「ピッシンボニ家の人々はだれにも好かれていなかった。丘の上の蔦の絡まる家に住んでいたが、他の家々からあまりに離れていたので、村の外に住んでいると思われるほどだった。兄弟が大勢いたが、家長のイグナシオと妻のマルティナがまだ生きているのか、だれも知らなかった。村で姿を見かけることもなかった。村人たちから忘れさられ、だれからも心配されなかったし、彼らのほうも、村人のことを考えることもなければ、だれかに好意をいだくこともなかった」ソニア・エルナンデスの驚きに満ちたこのカフカ調のこの物語はフィクションの限界に果敢に挑み、自由についての美しいメタファーとなっている。

Roberto Santiago著『Los protectores』の表紙

ガーディアン

Los protectores

ロベルト‧サンティアゴ

Roberto Santiago

Fundación Santa María - Ediciones SM

ビセンテ・フリーマンは新入りだ。新しいところに来るのはこれが初めてではないので、それほど心配はしていない。しかし今回は違う。今回はバルバラがいる。「ガーディアン」のボスだ。あるいは、そう彼女は思っている。それに「アパッチ」もいる。この地区で恐れられているワルどもだ。皆がビセンテに何かを求めている。でも、何を求められているのか、彼自身はよくわからない。おまけに彼はくさくさしている。ビセンテ・フリーマンが本当は何者か、今こそ示す時だ。2016年バルコ・デ・バポール賞受賞作。

Susanna Isern著『Los Quebrantasueños』の表紙

夢をこわす者たち

Los Quebrantasueños

スザンナ‧イセルン

Susanna Isern

Libros del Imaginario, S.L.

ソフィーは森のそばにある家に両親とおじいちゃんと一緒に暮らしている。おじいちゃんは時々姿をくらまし、それが数時間のときもあれば数日にわたることもある。そしてすっかり汚れて、でもすごくうれしそうに帰ってくる。おかしいのはそれだけじゃない、メガネがすごくおかしくて……。おじいちゃんは何を隠してる? 本当は何をしてるの? それがわかった時、ソフィーは次第に大きくなる危険の存在に気づく。夢をこわす者たちがいるのだ……。

Sabrina Catdoor著『Los Rescatadores mágicos y la puerta a Imaginaria』の表紙

魔法のレス:_ー隊と空想への扉

Los Rescatadores mágicos y la puerta a Imaginaria

サブリナ‧キャットドア

Sabrina Catdoor

Tormenta Agencia Literaria

おばあちゃんの家にはネコ用のドアがある。へんてこなマークが描かれていて、ふつうのネコの出入り口よりもちょっと大きめだ。だけど、何より不思議なのは、おばあちゃんは今だかつてネコを飼ったことがないことだ。マリナ、ルカス、ソエの3人は、その扉が別の世界に通じていて、自分たちが、森の王様を救うというミッションを持っていることを知る。その世界には、きまぐれな人魚、強欲な小人、ヤモリのようなドラゴンが待ち受けていて……。魔法のレスキュー隊、出動だ!

脇役

Los secundarios

イザベル・ボノ

Isabel Bono

Tusquets Editores

かつて義理の兄妹だったルベンとアマリアは、巨大マンションのエントランスでばったり会い、ずっと前から自分たちが同じ建物に住んでいたこと、どちらも自分が人生の主役と感じたことがないことを発見する。自分が傷つき、人を傷つけるのをおそれて、どちらも人が願うままに生きてきた。拒絶されるのを絶えず恐れながら、家族の枠に自分を当てはめようとしてきたルベンと、子どものころから姉妹とはりあってきた、利己主義で嘘つきのアマリア。まずは別れ、その後一緒になり、ふたりは自分たちの記憶をきちんと並べて、それまでの自分たちの人生に意味を与えようとする。本書『脇役』は、『Diario del asco(吐き気の日記)』では目立たず、ルベンの兄弟であり、アマリアの元夫であるマテオの言葉からしかわからなかったふたりの登場人物に声を与える。

Yvette Delhom著『Los Semifusos. Aventura musical en Nueva York』の表紙

ロス‧セミフソス――ニューヨークの音楽アドベンチャー

Los Semifusos. Aventura musical en Nueva York

イベッテ‧ダローム

Yvette Delhom

A Fin de Cuentos Editorial

バートがいなくなった。ニューヨーク・ソルファンディ音楽学校の仲間たち、ミア、エリック、サミラ、ジャスティンは、秋祭りにクインテットで参加するためにバートを見つけなければならない。どこに行ったのか? バートは音楽に夢中なので、音楽のある所ならどこだって彼のいる可能性がある。必死になって街の通りやバーや劇場に行ってはバートを捜し歩くうち、友人たちはラテン音楽やジャズ、クラシックにラップ、ゴスペルやミュージカルを楽しむようになる。イベッテ教授のガイドで、読者はバートの仲間たちと一緒に知識を広め、楽しむことができる。

Larousse Editorial著『Los Superpreguntones. Matemáticas del día a día』の表紙

超聞きたがり 子の数学

Los Superpreguntones. Matemáticas del día a día

ブルーノ‧マルティネス‧タバレス

Bruno Martínez Tabares

Larousse Editorial

スペイン国内で10万部以上売れた大人気の児童シリーズ「超聞きたがりっ子」の最新作。超聞きたがりっ子が目をみつめながら口を開くと、それはもう恐怖の瞬間だ……。「果てしない絵ってあるの?」「幸せって測れるの?」「ソーセージを切ると、どんな形になる?」「どうして10ずつ数えるの?」「4分の1が4つで、なにができる?」「サッカー場をまるごと包むには、どのくらいの紙が必要?」「統計って何の役に立つの?」「映画館で、3人の友だちは何通りの座り方ができる?」

Obra colectiva著『Los Superpreguntones XXL. ¡Viajamos al futuro!』の表紙

超聞きたがりっ子XXL 未来に行こう

Los Superpreguntones XXL. ¡Viajamos al futuro!

共同作業

Obra colectiva

Larousse Editorial

科学は常に進歩している。なんでも知りたい仲間たち、『los Superpreguntones(超聞きたがりっ子)』シリーズのこの巻は、すぐそこにある未来への扉を開く。テーマごとに章分けし、1年間1日ひとつにあたる365の質問を収録。未来の職業、薬、学校、動物、輸送機関、ロボット、宇宙旅行は、どうなっているのだろう。子どもや大人がこの本を囲んで座り、ページをめくって、みんなで読み、絵や質問を楽しめるように作られた、超特大サイズの本。知識の源である好奇心がどんどんふくらむ。

ブレフの触手-愛

Los tentáculos de Blef - Amor

エバ‧クレメンテ

Eva Clemente

Emonautas

ブレフは友人のドロイが宇宙旅行から戻ってくることを知り、彼女に地球上で最も素晴らしい贈り物をしたいと考えています。この物語は、感情の発達において最も重要な感情の一つである愛についてのものであり、私たちが一緒にその変化しやすく、複雑で必要な概念について考えることができるようにしてくれます。

ターボスケーターズ1 殺人ロボットの伝説

Los Turboskaters, 1. La leyenda del robot asesino

共同作業

Obra colectiva

Grupo Editorial Bruño

ドーゴ、オリビア(友だちからの呼び名はオリ)、ニコはスケートボーダーの仲間たち、通称ターボスケーターズ。彼らを主人公とする、話題になること必至のシリーズ第1巻だ。アクション満載で、ミステリーの味付けもある各巻で主人公たちは新たな冒険を繰り広げる。ドーゴはナイーブで新鮮な視点を持った、物語の語り手。最初の冒険となる本書では、ドーゴ、オリ、ニコの3人が村で開催されるスケート大会で優勝するために熱くなっている。しかし、休まず必死で練習する3人のプランに邪魔が入る……。

Oscar Gual著『Los últimos días de Roger Lobus』の表紙

ロヘル‧ロブスの最後の日々

Los últimos días de Roger Lobus

オスカル‧グァル

Oscar Gual

Sophie Savary Agent littéraire

元市長ローヘル・ロブスの息子で多種の薬物依存症であるジュニアは、過剰摂取で危うく死にかけたあと、故郷のシエルぺへ戻ることにした。そこで父親が末期がんを宣告されたと知る。偶然にもこのふたつの出来事が重なったこと、そして以前からジュニアが取りつかれている死に対する強迫観念も手伝って、破綻していた父との関係を修復しようとする。小説は病室でふたりが過ごす最後の日々を綴っている。その中で、自分が抱える全ての問題をカート・コバーンのせいだとする武道かぶれの精神病質者や、障害者で香水メーカーの所有者であるギャングなど様々な人物たちが登場する。過去2作の著書でも舞台となった想像上の町シエルぺの世界が、この3作目で更に広がりを見せる。父親の死というテーマに鋭い洞察力で迫っているが、困ったことに面白い。

Luis E. Iñigo著『Los vigilantes de la Atlántida』の表紙

アトランCィスの守り人

Los vigilantes de la Atlántida

ルイス‧E‧イニゴ

Luis E. Iñigo

Ediciones Cydonia

エジプト学者であるふたりのスペイン人が、エジプトの神官の墓の考古学的発掘の過程で奇妙な碑文を見つける。アトランティスの歴史を語るプラトンの『クリティアス(対話篇)』の断片だった。発見に驚いた彼らは見つけたものの由来と意義を調査し始めるが、すぐに彼らの歩みを導く不思議な人物の助けを得ることになる。大学の友人アルバロ・デ・アンドラデの助けを借りて彼らはブラジルの街マナウスに行き、そこで、引退した警察官と連絡を取る。この人物が、『クリティアス』の鍵があるかもしれないジャングルに埋もれた不思議な都市、エジプトの墓の碑文、そして太古の昔に姿を消した文明の存在についてのヒントを与える。

Jorge Real著『Los vuelos del silencio』の表紙

沈黙の飛行

Los vuelos del silencio

ホルヘ‧レアル

Jorge Real

Representación literaria y artística SL

ベネズエラのある島に生まれた少年が、不幸な幼少年期を経て自ら生きる道を探し、空港で働くようになる。そして旅客機のパイロットに転身しコロンビアから米国への密輸に従事する。波乱万丈のこの小説では、国際政治でよく名の知られた人物と麻薬取引・武器密輸との関係が明らかにされ、政府が倒され、ゲリラへ資金提供がなされ、少数者の権力闘争のために多くの人々が行方不明になった時代が語られる。

Roser Rimbau著『Lota la cachalota』の表紙

マッコウクジラのロタ

Lota, la cachalota

ロゼル‧リンバウ

Roser Rimbau

Takatuka

海のごみがだんだん増えている。マッコウクジラのロタは、そんなごみがどこから来るのか知りたくなった。そこで、カニのマラクと一緒に調査の旅に出かける。まず船を、次に港を調べ、最後に町へとたどり着くと、人間の住むところにプラスチックがあふれていた。だから、海の動物たちみんなを呼んで海のクリーン作戦を実行することにした。ロゼル・リンバウが書いたこの物語は、ロサ・サルディーナ・グループの独創的なアイディアから生まれた。次世代の子どもたちが、私たちの悪しき習慣を早急にあらためる役割を担いリードしてくれることを願って、少年少女向けに書かれたものだ。イラストは全て手作業で色を塗り、切り貼りしたコラージュ法で描かれており、アーティスト同士の協力によって生まれた、類まれな豊かさをもつ作品となった。

Aníbal Malvar著『Lucero』の表紙

ルセロ、明星

Lucero

アニバル‧マルバル

Aníbal Malvar

Ediciones Akal

詩人ヴェルレーヌのいう、いわゆる『呪われた詩人たち』の人生は、その人生を解釈する者の気まぐれに左右されるのだろう。本書はフェデリコ・ガルシア=ロルカの人生と時代についての小説であり、また、そうではない。おそらく、暗殺されるに足る根拠をひとりの詩人に与えるために、国がどのような陰謀を企てるかについての物語といえるかもしれない。 1916年、ラ・ベガ・デ・グラナダ。アンダルシアの最も豊かな土地は、扇動的な社会・政治紛争の舞台だった。そこでは労働者たちが腹を空かせており、一方、大地主たちは第一次世界大戦の最前線向けの兵糧の密売で途方もない財を成していた。そんな時代を背景に、ロルカの最初の詩的高揚が培われる。ダリやブニュエルと共にマドリードの「学生館」の前衛主義に浸る前のことだ。戯曲の派手な失敗や、プリモ・デ・リベラ独裁政権の検閲、同性愛に対する迫害、国際的成功。自身の劇団ラ・バラッカの地方巡業では、ファランヘ党に絶えず脅されながらも、村々を巡ってロペ・デ・ベガやセルバンテスの作品を上演した。高い文学性を持ち、読者の胸を締め付ける感動作。

Grazias Piras著『Lucía y la respiración mágica de los dinosaurios』の表紙

ルシアと恐竜たちの魔法の呼吸

Lucía y la respiración mágica de los dinosaurios

グラツィア‧ピラス

Grazia Piras

Ediciones del Laberinto

さあ、ルシアと恐竜の仲間たちと一緒に、わくわくする冒険をしよう。簡単で楽しいヨガの8つの呼吸法を試して、魔法の呼吸の力について調べよう。子どもも大人も自分の感情に向き合ってリラックスするための絶好の書。

Nancy Kunhardt著『Lucy y el fantasma de la Mona Lisa』の表紙

ルーシーとモナリ7の幽霊

Lucy y el fantasma de la Mona Lisa

ナンシー‧クンハート‧ロッジ

Nancy Kunhardt Lodge

Editorial Kolima

El Navegador de Cristal(水晶の冒険家)のめくるめく冒険に続いて、大胆なルーシー・ナイチンゲールが今回はレオナルド・ダ・ヴィンチの世界に我々を誘う。ダ・ヴィンチの最高傑作のひとつ、「モナリザ」が、名画をすっかりカオスに陥れようとする奇妙な現象にさらされる。アメリカ人のルネサンス美術専門家、ナンシー・ロッジ先生が再び私たちに贈るすばらしい物語。卓越した芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチとその傑作の背後に何があるかをさぐりつつ子どもたちを夢中にする、発見と魔法とイマジネーションと知識の冒険ファンタジー。

Clara Duarte Ceballos著『Luna 174』の表紙

ルナ174

Luna 174

クララ‧ドゥアルテ‧セバリョス

Clara Duarte Ceballos

La Galera Editorial

本書『Luna 174(ルナ174)』はファンタジーとSFの中間的な小説で、オリジナリティーと驚きに満ちている。しかし何より、空間と生死を超越する愛の物語だと言える。ルナ・ハットンは20歳、オーストラリアの片田舎に暮らす。平凡な毎日だが、ルナには幼い頃から持っている特異な才能があった。他人の魂の色を見分けられるのだ。周囲にいる大半の人の魂は灰色で、善悪の中間にある色だ。しかし、ひとりだけ白い魂を持つ女の子がいた。彼女には何かひかれるものがあり、彼女の家の屋根の上には星々が輝いていた。彼女の名前は、ガイア・ホイーラー。ルナは自分の秘密を誰かに打ち明けたことはない。が、ある日、彼女の秘密を知っていると思われる会社から、ある申し出を受ける。

着火!

Luuume!

アンドレア‧フレイレ

Andrea Freire

Antela Editorial

ミストはいつも怒っていて、その間に人生は進んでいきます。彼の家族や友人たちは彼を助けようとしますが、果たして成功するでしょうか?この美しい物語では、いつも怒っている小さなミストが、フラストレーションを管理する方法を学びます。

Gloria Camarero Gómez著『Madrid en el cine de Pedro Almodóvar』の表紙

ペドロ‧アルモドバルの映画に見るマドリード

Madrid en el cine de Pedro Almodóvar

グロリア‧カマレロ‧ゴメス

Gloria Camarero Gómez

Ediciones Akal

ペドロ・アルモドバルは自身の作品の大半をマドリードで撮影してきた。いや、マドリードの中にあるたくさんのマドリードで、と言ったほうがいいだろう。彼自身こう語っている。「この大都会で僕はいつも、それぞれの作品にぴったりな景色と、そぐわない人々を見出してきた」と。アルモドバルの映画とマドリードの関係は、ほぼ彼の自伝となっている。いずれの作品においても、彼は登場人物を巻き込んでいる。つまり、アルモドバル自身が過ごした通りや広場、地区、カフェ、建物、レストラン、バルなどが原型にあるのだ。本書では、物理的、概念的な側面から制作の一連の過程を見ていく。その過程からは、アルモドバル作品の特徴であるマドリードを知ることができるだけでなく、もはやその存在なしでは作品を理解できないほどこの街がいかにして作品の中心軸となったのかも明らかにすることができる。

Laura Gallego著『Mago por casualidad』の表紙

たまたま魔法使い

Mago por casualidad

ラウラ‧ガルシア‧ガジェゴ

Laura Gallego García

Grupo Editorial Bruño

あるところに、妖精やドラゴンや騎士、ファンタジーに出てくるありとあらゆるものがいるファンタジーの国があった。また、ある道を行くとたどりつける大きな町もあった。その道に「太った鬼」という宿屋があり、ラトン(ねずみ)という若者が働いていた。ある日ラトンはあやまって、悪い魔法使いカルデラウスの魔力を受け取ってしまう。どう使えばよいかわからない魔力……。魔法使いはあらゆる手を使って取り戻そうとし、とんでもない旅が始まる。その旅でラトンは、とっぴな人たちに出会い、ユーモアにあふれるわくわくする冒険をする。暗示的ファンタジーの世界で展開するハラハラドキドキのストーリー。ファンタジーの名手が、ユーモアにも踏みこむ。

Jaim Royo著『Mala yerba』の表紙

雑草

Mala yerba

ハイメ‧ロヨ

Jaim Royo

Ediciones Tolstoievski

ひとりの男、3つの物語。 ハリーはスウェルを好きになった。 昔はマリアが好きだった。 その後、サブリナを好きになった。ハリーは1日のうちに妻、仕事、家を失った男。 ハリーは自家用車で寝泊まりするようになる。 ハリーは精神病院に入院した。 ハリーはどん底まで落ちたが、助かった。 自我を切り取られ、真実が一番大切だという信条を守っていた。 もう決して、口先だけで愛の言葉を言うことはないだろう。 決して心を偽って親切にしたりはしないし、決して言い訳や偽善で装うことはしない。奈落に落ちて入院した後では、自分と同じくらいぎりぎりのところにいる女性しか好きになれないだろう。3つの愛の物語の中で、愛が新たな次元に発展する。すなわち深淵そのもの。 ハリーだけが耐えられたであろう3つのラブストーリー。≪――― 私、あなたがいない方がずっといいことに気づいたの。そのフレーズは忘れられない。額に撃ち込まれている≫

Gusti著『Mallko y Papá』の表紙

マルコとパパ

Mallko y Papá

グスティ

Gusti

Editorial Océano, S.L.

これは間違いなく、ラテンアメリカで最も重要な作家・イラストレーターの一人であるグスティの、最も深く個人的な作品である。本書において、この作者は自らの心の扉を開き、絶対的な誠実さをもって自分自身について、そして現在息子のマルコとの間に築いている関係について語りかけてくる。最も多様な造形技法と簡潔で直接的な文章を駆使して、グスティは私たちを家族という親密な環境へと誘い、これほど特別な子どもと共に生きることの意味を語って聞かせる。困惑と当惑から無条件の愛へと移行する父親の光と影を描いた、心を動かす作品である。その愛は愛する人々へ、そして特にダウン症候群を持つ小さな息子へと向けられている。極めて高い芸術的品質を持つ書籍であることに加え、間違いなく両親にとって感動的な指針となる作品でもある。 「受け入れるとは、私たちに差し出されるものを自発的に、そして喜びをもって受け取ることである。」グスティ

ママはまだ知らない

Mamá no lo sabe todavía

ブランカ‧バルテス

Blanca Baltés

ALT autores Editorial

成長していく4人の子供と彼らを守る、あるいは守ろうとしている母親。小さな娘は観察し、疑問に思い、静寂を数える。ビッグニュースの後にまたニュース、腹を立てたりびっくりしたり、陰謀は道を険しくする。人生と同じように、おかしい出来事、悲しい出来事、重大な出来事、ちょっとした出来事が混じり合う軽快なエピソードがモザイクのように埋め込まれた目がくらむ物語。母親はあまり問わず多くのことに口を閉ざす。だが人生は待ったなしで続いていく。

Natalia Kapatsoulia著『Mamá quiere volar』の表紙

ママは飛びたい

Mamá quiere volar

ナタリア‧カパツォウリア

Natalia Kapatsoulia

Aerys Producciones

絵本。主人公の男の子が1人称で語る。「ぼくのママはぼくがいないところで、山ほどたくさんのことをしてる。ママは、高く遠くに飛んでいきたがっている風船の中で暮らしてる。高く飛んで空のかなたに消えてしまう風船もあるから、ぼくはこわくなる」 仕事やスポーツジムなどに行ったときなど、ママは主人公から遠い風船の中にいるように見えることがある。けれども、男の子はうまい手を持っている。ひもをひっぱって、風船をひきよせるのだ。大人の生活に対する子どもの目線、子どものものの見方を伝え、あたたかな気持ちで自らをふりかえらせてくれるやさしいお話。

Julio César Cano著『Mañana, si Dios y el diablo quieren』の表紙

神と悪魔次第で明日

Mañana, si Dios y el diablo quieren

フリオ‧セサル‧カノ

Julio César Cano

Ediciones Maeva

刻々と時間が過ぎていく中、連続殺人を阻むための唯一の手掛かりは、聖書の謎めいた数節だけだった。カステリョンの町の平穏な日々が、不気味な殺人によって乱される。無残に切り刻まれた男の死体が中心街のアパートに置き去りにされていた。ロマレス警察署長は事件解決のためにバルトロメ・モンフォルト警部に助けを求めた。前作『ファローラ広場の殺人』で語られるように、ふたりはかつてともに捜査したことがあった。被害者の身元特定で、死んだ男は、職業相談所の所長で、かなりの女好きで有名だったことが分かる。そこで最初の被害者と全く関係なさそうなふたり目の死体が発見され、事件は紛糾する。しかしモンフォルト警部の鋭い勘が冴えわたり、重要な手がかりを得て、捜査は進んでいく。

Beatriz Enríquez著『Mañana todo el día』の表紙

あしたは1日じゅう

Mañana todo el día

ベア‧エンリケス

Bea Enríquez

Lata de Sal, S.L.

イラストレーション界のホープ、ベア・エンリケスによるインスピレーションに満ちた驚きの作品。主人公の猫は大胆で勇敢、思慮深いが、ときどきしっちゃかめっちゃかになり、なんといっても夢見がちだ。どこに行っても空想し、必要となるといつでも空想が働く。その空想力のおかげで、主人公は無限の世界を作り出すことになるが、現実は猫の考えるフィクションにまさっていた。この本のとりこになるのはなぜ? 1.いつも夢見ることの大切さをおしえてくれるから。2.読ませるところがたくさんあり、どこもインスピレーションに満ちているから。3.詩的で、感情のこもった巧みな言葉で書かれているから。4.最初から最後まで魔法や驚きにあふれているから。

Luis Leante著『Maneras de vivir』の表紙

それぞれの生き方

Maneras de vivir

ルイス‧レアンテ

Luis Leante

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

穏やかなメロディーのように始まる物語は進むにつれ息をつくのも忘れるほどのスリラーへと展開していく。しかしそれはまた、虚構と現実が混在する別の小説の中の小説でもあった。ある小説家が青春時代に熱を上げたロックグループのギタリスト兼ボーカルに再会し、彼らの足跡をたどるためにインタビューをしたことがすべての始まりだ。年代や置かれた状況を問わず、すべての人に押し寄せる様々な感情のせめぎ合い。そして、たとえひどく危険な極限状態にあったとしても、登場人物たちの原動力でありつづける音楽に対する無条件の愛を綴る。

マニとモニ、R-をする

Mani y Moni juegan al yoga

パブロ‧アロンソ

Pablo Alonso

Ediciones Jaguar S.A.U.

「ちびっこのためのヨガゲームとポーズ」。夏休みの初日、何をして遊んだらいいのか困ってしまうモニ…。すると犬のマニが、「いいこと思いついた! ヨガをしようよ!」と叫ぶ。 遊びながら、モニと小さな動物たちは、マニのおかげでたくさんのポーズを覚えて、とても楽しい時間を過ごす。パブロ・アロンソとエステル・ブルゲーニョによる本書で、家族みんなで実践できるヨガの基礎を、ゲームや簡単なポーズを通じて楽しく学べる。

Mónica Rodríguez著『Manzur, o el ángel que tenía una sola ala』の表紙

マンスール 翼が片方しかない天使

Manzur, o el ángel que tenía una sola ala

モニカ‧ロドリゲス

Mónica Rodríguez

Anaya Infantil y Juvenil (Grupo ANAYA)

無のただ中にある島、ア・カエリに、ある日、翼が片方しかない天使をのせた船がたどりつく。普段ほとんど人がやってこない島の住民たちは、そのような人物の到来に好奇心をかきたてられる。やがて、その人物は名前をマンスールと言い、背中にあるのは翼ではないかもしれないということがわかってくる。

Javi Padilla著『Mara Turing - El Despertar de los Hackers』の表紙

マーラ‧ターニング―ハッカーたちの目覚め―

Mara Turing - El Despertar de los Hackers

ハビ‧パディーリャ

Javi Padilla

Lantia Editorial

夏休みでニューヨークに⾏く直前、マーラ・ターリングは怪しげなメッセージを受け取った。「助けて」――。その不可解なメッセージは、危険なハッカー集団「ダーティ・ルーパーズ」のメンバーで、マーラが5歳のときに失踪した彼⼥の叔⽗からのものだった。幼かった彼女の心にぽっかりと空いた穴を残して消えた叔⽗、アーノルド・ターリングを探すため、マーラとその友⼈たちはニューヨークに向かう。クイーンズのガレージでプログラミングを学び、批評的な目で世間を見て、やがて最先端の⼈⼯知能ヘルメスによって鍛えられた悪魔的な二人組、そして「隠された山」で刑に服している史上最凶ハッカー、ファルコ・マッキノンに⽴ち向かうことになる。

Gracia Iglesias著『Marcelina en la cocina』の表紙

キッチンのマルセリーナ

Marcelina en la cocina

グラシア‧イグレシアス

Gracia Iglesias

IMC Literary Agency, S.L.

小さな読者が喜ぶ、韻をふんだリズミカルな文章で書かれた絵本。キリンのマルセリーナはなんでも上手だが、料理だけは苦手。うまく作れないくせに、めいっこが好きなごちそうを作ってあげたくなった。どんな騒動がもちあがるか、想像がつくでしょう! 友だちがあれこれととんでもないアドバイスをして、ディナーはしっちゃかめっちゃかのパーティーに。気の毒なマルセリーナ! キッチンはもうたいへん! どうすればいいの? ディナーはどうなる?

Alaine Agirre Garmendia著『Martín』の表紙

マルティン

Martín

アライネ‧アギーレ‧ガルメンディア

Alaine Agirre Garmendia

La Topera Editorial

「マルティンは僕の親友。でも変わってるってみんなが言うんだ。イチゴが大好きだけど鼻から食べるし、シャツを好んで着るけどボタンは全部しっかり留めるし、庭で虫を捕まえてはポケットに入れちゃう。コロッケは毎回必ずきっかり9個ずつ食べるんだ」。  2015年10月21日に教育省の後援でスペイン児童図書評議会 (OEPLI)が公募したラサリーリョ賞絵本部門の受賞作が決定した。応募のあった51作品の中から選出されたのは本作品マルティン。個々の違いや子供の純粋さを尊重した文とイラストの調和、登場人物の豊かな表現力と感性が伝わる作品として高く評価された。

Santi Balmes著『Martina y Anitram en el país de los calcetines perdidos』の表紙

なくな たくつ下の国のマルCィナとアニトラム

Martina y Anitram en el país de los calcetines perdidos

サントゥ‧バルメス

Santi Balmes

Futurbox Project (Grupo Ático)

マルティナはちょっと寂しい。パパとママが、歯が生えてきた弟のマルクのことばかりかまうからだ。ある日、弟にぬいぐるみをこわされて腹を立てたマルティナは、家を出てモンスターの世界に行き、友だちのアニトラムと遊ぶことにする。ところが、知らないうちにマルクがついてきていた。マルクはアニトラムの弟のクラムと遊びはじめて、ふたりで迷子になってしまう。マルティナとアニトラムは弟たちを探すうちに、なくなったくつ下の国にたどりつく。その国の王様は、弟を返してほしければなぞなぞに答えろと言う。アニトラムとふたりで悪い王様をうちやぶったマルティナは、おねえちゃんになるのも悪くないとわかる。

Raúl Quinto著『Martinete del Rey Sombra』の表紙

影の王マルティネテ

Martinete del Rey Sombra

ラウル・キント

Raúl Quinto

Ute Körner Literary Agent, S.L.U.

単に歴史をたどるだけでなく、歴史に新たな命を吹きこむ、すぐれた文学的発掘。2024年に国民文学賞および批評家賞を受賞した本作は、溢れるような挑戦的なスタイルで、スペインで影の王がロマ民族の絶滅を命じた夜へと私たちを連れてゆく。歴史がいかに選択的忘却の狭間に築かれているかを、実話に基づいた小説が明らかにする。逮捕から18年後に恩赦されるまで、ロマ民族が拷問と病に苦しむ間も、ブルボン朝の宮廷は贅沢と富にふけっていた。

ドラゴン狩りのメアリー‧アニング

Mary Anning, cazadora de dragones

ジョルディ‧バヤリ‧ドルス

Jordi Bayarri

Anillos de Sirio

メアリー・アニングは幼少の頃から、父に連れられてイギリス南部のライム・リージスの荒磯で化石採集をしていた。大人になっても化石に対する情熱は続き、彼女はやがて研究者の道に進む。メアリーの業績は、当時の科学界でほぼ黙殺されたが、一方でその数々の発見は、草創期の古生物学の発展に大きく貢献する。過去のドラゴン(恐竜)たちの骨を掘り起こすのに彼女が取り除いた石の重さは何トンにも及んだ。そうしてメアリー・アニングは、世界が何百万年も前に誕生し、人類が出現するよりもはるか以前に未知の奇妙な生物が生息していたという仮説を裏付ける発見をしていくのだった

マテオくんの好きなこと

Mateo juega a su manera

ジョン‧ラサー

Jon Lasser

Gemser Publications

マテオには彼自身の好みがあり、その好みに合わせて遊ぶことを知っている。だが周りの人はマテオがやりたいことよりやるべきことしか頭にない。家族は子供が喜ぶはずだと思うおもちゃをたくさん買い与えるが、当のマテオはそんな家族の期待に押しつぶされそう。しかし、唯一の理解者であるおばあちゃんの助けもあり、マテオは大人がもつ子供の可能性に対する固定概念から逃れ、自由に遊ぶ。

Martí Domínguez著『Mater』の表紙

Mater

マルティ‧ドミンゲス

Martí Domínguez

Raval Ediciones S.L.U

この小説の舞台となる新しい世界では、妊娠は女性の体外で起こる出来事だ。ゆえに思いがけなく妊娠したことを知ったソエはパートナーと共に深い森の奥に逃げ込む。そこには科学の進歩を避けて人々が隠れ住む小さな居留地がいくつか点在していた。このふたつの世界の対比は胸を突く。生にまつわる情熱的なこの小説で、著者は人の本質に係る要となる疑問を提起するとともに、すべての始まりである母性に対する賛歌を捧げる。

Rocío Bonilla著『Max i els superherois』の表紙

マックスとスーパーヒーロー

Max i els superherois

ロシオ‧ボニージャ

Rocio Bonilla

Edicions Bromera S.L.U.

マックスはスーパーヒーローに夢中だ。スーパ―ヒーローの本や映画、戦略型ゲーム、カード、フィギュア、ポスターは宝物で、友だちとよくスーパーヒーローの話をしている。特に気に入っているのはメガパワーだ。メガパワーはとにかくすごい女の子で、コンピューターをプログラミングしたり、爆弾の起爆装置を解除したり、何百万ものロボットを同時に制御したり、超人的な視力や途方もないパワーを持っている。女の子にそんなことをできるはずがないとみんなは言うけれど、そんなのかまわない。だって、メガパワーは他のスーパーヒーローとは違うのだから!

Roser Calafell著『Max y Mía en la Prehistoria: Yellow Van-1』の表紙

黄色いバン

Max y Mía en la Prehistoria: Yellow Van-1

ロセル‧カラフェル

Roser Calafell

La Galera Editorial

Raquel Díez Real著『Me encanta mi Papá』の表紙

パパが大好き

Me encanta mi Papá

ラケル‧ディエス‧レアル

Raquel Díez Real

Onada Edicions

これがぼくのパパ。象みたいに大きいんだ! ちょっとハゲているけど、とてもかっこよくてやさしいよ。パパはベッドをととのえて、ぼくを学校に送ってくれて、料理や洗濯をして、かくれんぼうもするし、オペラだって歌うんだ。ぼくはパパが大好き! 性別への既成概念にとらわれない父親像が登場する、かわいい絵本。元気あふれるイラストに彩られたリズミカルな文章が、家事に楽しいイメージを与えてくれる。

メ;ィアと学習リソース、教育分野における:+ノロジー

Medios, recursos didácticos y tecnología educativa

エステバン‧バスケス‧カノ

Esteban Vázquez Cano

UNED - Universidad Nacional de Educación a Distancia

本書は、放送大学の教育学学位プログラムの教科「メディアと学習リソース、教育分野におけるテクノロジー」の内容開発に、理論でも実用でも役立つことを目指している。また、本書は教育分野(教師、学生、教育検査官、指導教官、教育者など)に関係するすべての人にとって興味深く有益な本である。本書は7章で構成されており、テクノロジーに基づくメディアや学習リソースが、教育学習プロセス(ゲーミフィケーション、バーチャルリアリティ、ソーシャルネットワーク、デジタルデバイス、仮想学習環境、大規模公開オンライン講座(MOOC)、チャットボット、ラーニングアナリティックスなど)の改善にいかに役立っているかについて取り上げている。21世紀の教育は、教室の中でも外でもテクノロジーとの共生を無視することはできない。

クラゲ

Medusa

ぺパ‧マヨ

Pepa Mayo

Marli Brosgen Editorial

数世紀も前から地球は巨大クラゲに侵略された氷河と化し、人々は生き延びるために奥深い山の中に隠れ住んでいた。そんな中、サイボーグ工学と光遺伝学の技術者である20歳の若者マケナが軌道リングからタコミック・コロニーへ向かった。そこで科学者として職に就き、彼が最も得意とする分野、つまり感情と、それを3次元で脳にはめこむ仕事をするためだ。また、市民とサイボーグからなるデルタ・アロー隊にも入隊。この隊は植林のために外部へ出たり、ノアの方舟の名で知られる防空壕タオ・タコミックの監視をしたりする任務を遂行している。デルタ・アロー隊へ出向いた初日、マケナはノムラに夢中になる。しかし、ノムラのような原型のサイボーグは生存と人間を保護するための基本的な感情しか備えておらず、愛することを知らない。

Paco Roca著『Memorias de un hombre en pijama』の表紙

パジャマを着た男の回想録

Memorias de un hombre en pijama

パコ‧ロカ

Paco Roca

Astisendo Grupo Editorial, S.L. (Astiberri)

パコ・ロカが描く四十男の日常――それは、ようやくかなえた子どものころからの夢、パジャマを着たまま1日中家のなかで過ごす生活だった。多分に著者の自伝的要素を含んだ、テレビのコメディー・シリーズ『となりのサインフェルド』を思い起こさせるこの作品は、爆笑より、にやりとする笑いを誘う。 時には真面目に考えさせる部分もある本書は、2010年3月から2011年7月までの1年半のあいだ、バレンシアの「プロビンシア紙」に毎週掲載されたもので、パコ・ロカの自他の行動に対する観察力の鋭さが見てとれる。

Care Santos著『Mentira』の表紙

ウソ

Mentira

カラ・サントス

Care Santos

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

シェニアは、医学部に入りたくて、よい成績をとろうと頑張っているのだが、最近成績がふるわない。恋をしたからだ。しかも、相手はそこらにいる男子ではなく幽霊だ。一度だけインターネットの中で出会い、本好き同士、意気投合したのだった。彼女の気持ちは決まっているが、バーチャルな恋人が先の約束はできないという言うため、彼女は不意打ちをかけて驚かせてやろうと、手に入るわずかなデータをもとにして調査を開始する。そして、わかったのは、写真も名前も何もかもが嘘だということだった。魂の片割れである彼は、本当は何者なのか。勉強がおろそかになっているのを悔いたシェニアは、どこかの恥知らずな輩にもてあそばれたのだと思い、すべてを両親に告白する。ところが、まもなく思いがけない荷物が届き、少年の正体がわかり、いっそう親密な心の交流が始まる。彼は少年院にいる、殺人歴のある少年だったのだ。

Care Santos著『Mentira』の表紙

Mentira

カラ・サントス

Care Santos

Edebé Educación, S.L.

読書に情熱を傾ける優秀な学生シェニアは、J.D.サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』に関するバーチャル文学フォーラムで出会った、謎めいた少年マルセロに恋をして、人生が予期せぬ展開を迎える。マルセロが自分の素性を偽っていたことを知ったとき、シェニアの世界は崩れ去る。欺瞞、激しい感情、そしてマルセロの本名であるエリックが少年刑務所から送ってきた日記で明かされた衝撃的な事実が、シェニアの夢と信頼を試す。単独の小説として出版された本書だが、後にシリーズ化された。

Vis Molina著『Mesa reservada』の表紙

予約席

Mesa reservada

ビス・モリナ

Vis Molina

International Editors'Co, S. L.

若く有能な美人ソムリエ。容姿端麗で野心的だが、どこか暗い過去を持つシェフ。控えめな天才パティシエ。教養あり洗練された給仕長。バルセロナのように活気のある現代的な都市。流行の発信地で、世界中の著名人を顧客に持つミシュラン三ツ星のレストランを舞台に、めくるめく物語が展開する。サスペンスと陰謀、愛と憎しみ、秘密、そして調査に乗り出すジャーナリスト。すべてがあなたを、1ページ目からとらえて離さない。

色を混ぜる

Mezcla colores

マリナ‧サエス

Marina Sáez

MTM Editores (Metafísica del Tercer Milenio Editores, S.L.)

黄色と赤紫色を混ぜたらどうなるか考えたことある? もっと赤紫を足したら、どうなるのかな? もし好奇心をくすぐられたら、アランとティグレタと一緒に旅に出よう。色の窓を次々にくぐって、数々の素晴らしい世界を訪ねよう。そして……おっと、これから先は秘密だよ。でもヒントをひとつだけ。ティグレタの様子に注目してね。

Graciela Fernández著『Mi abuelita Juanita』の表紙

私の祖母フアニータ

Mi abuelita Juanita

グラシエラ‧フェルナンデス

Graciela Fernández

Eolas Ediciones

Núria Parera著『Mi abuelo y yo』の表紙

お いちゃんとわたし

Mi abuelo y yo

ヌリア‧パレラ

Núria Parera

Editorial Juventud

「シモンおじいちゃんとわたしは毎日、キスかくしごっこをして遊ぶ。病院に行かなきゃならなかったり、いないときもあるけれど、おじいちゃんとわたしは遊びつづける……」アーティスティックな美しい絵本。やさしい言葉で、孫娘と祖父の交流が語られる。キスかくしごっこを通して、読者はおじいちゃんが認知症を患っていることがわかる。そんなある日、おじいちゃんは息の仕方を忘れてしまったのでもう戻ってこないと、わたしは告げられる。けれども、母親とキスのおかげで、わたしはなんとか悲しみをのりこえていく。いなくなっても自分を思い出してくれるようにと、おじいちゃんはわたしにキスを残しておいてくれたのだった。

ヤモリは僕の友達

Mi amigo Hemidactylus

ホセ‧アルバノ‧ロペス

José Albano López

La Orquídea de Darwin

この物語は『ハーメルンの笛吹き男』のメタファー。ある小さな村でひとりの悪人が魔法を使って捕食動物を連れ去ってしまった。家の中や道、畑や野原など、どこもかしこもネズミや蚊などの動物がはびこり、村は大混乱に陥る。仲の良い子どもたちのグループがロレンソ教授と共にこの問題を解決しようと乗り出し、そこでヤモリや蜘蛛といった小動物の重要性を見出していく。

Andreu Llinàs著『Mi animal favorito』の表紙

私のお気に入りの動物

Mi animal favorito

アンドレウ‧リナス

Andreu Llinàs

Lata de Sal, S.L.

本書の主人公アドリアナは動物が大好きな女の子。アドリアナのお父さんが一人称で詩のように韻を踏みながら、娘の好きな動物たちや、日々、動物のかっこうや動きをまねする様子を語ってくれる。でも、彼女の一番お気に入りの動物は、猫。アドリアナは本の最後でそのことを教えてくれる。読者は最初のページに戻って、本の中にいた猫たちをみんな見つけたくなるだろう。

Carmen García Iglesias著『Mi avión y yo』の表紙

私と私の飛行機

Mi avión y yo

カルメン‧ガルシア‧イグレシアス

Carmen García Iglesias

Ediciones Paraninfo

ラウラは自分の赤い複葉機に乗って世界を旅して回り、オーストラリアに着いた。家に帰る前にコアラやカンガルーにご対面。友情と自然環境保護のふたつのテーマを軸にした物語。イラストに描かれている各場面について話すことで想像力を掻き立て、会話を促す。また格納庫、ワシのひな、滑空するなどの言葉も覚え、イラストの詳細を読み解く練習にも向いているほか、多様な風景の特徴や登場する動物とその生息地などについて話し合うことができる本。

Amanda Lemos著『Mi bisabuela』の表紙

わたしのひいおばあちゃん

Mi bisabuela

アマンダ‧レモス

Amanda Lemos

Ediciones Idampa

わたしのひいおばあちゃんは、すごく年をとっていて、だから、何でも知っている。とてもおもしろくて楽しい。ときどき悲しそうになるけれど、たいていはほがらかだ。ひいおばあちゃんは、わたしといるのが大好きで、わたしもひいおばあちゃんと一緒にいるのが大好き。よかったら、紹介してあげるよ。会ってみたくない?……呼んであげる。家族で読むための家族の本のシリーズEn familia(家族で)の1冊。ページの中には、モザイク、布、写真、スポンジ、段ボール、ファスナー、愛撫や愛情がつまっている。探してごらん、見つかるよ!

Anna Rayo著『Mi familia es especial』の表紙

私の家族は特別

Mi familia es especial

アンナ‧ラジョ

Anna Rayo

Tormenta Agencia Literaria

本書を読むと、家族の多様なあり方がわかる。見事なイラストによって、読者はたくさんの動物が登場するストーリーに引き込まれる。そこでは、100歳になるおばあちゃんが誕生日祝いのパーティーに家族みんなを招待する。いろんな家族のタイプを見つけよう。さらに読者は、イラストに何度も出てくるものを探して遊べる。さあ、見つけられるかな? 文章は大文字で書かれている。

Susana López Fernández著『Mi historia』の表紙

わたしの話

Mi historia

スサナ‧ロペス‧フェルナンデス

Susana López Fernández

Excellence Editorial

この物語の主人公は車いすに乗った小さな女の子と道端で生まれたメスの子猫。理由はそれぞれ違うけれど、ふたりは家から出るのが怖い。外に出ないでいると、人生が通り過ぎるのを窓から見ているだけ、外の世界には入っていけないような気がしてくる。女の子は毎晩お話をするが、実感はこもらなかった。なにしろ、外に出るのが怖くて、そんな経験はできないのだから。けれどある日、外を見ると、カタツムリが植木鉢に上るのに四苦八苦していた。少女と子猫は気づいたら庭に出てカタツムリを助けていた。そのとき少女は、怖いことは何も起こらないと気づく。その日から、女の子が子猫に毎晩語るのは彼女自身の話になった。わたしたちはときどき、自分の話に限界を設けて夢を阻む壁を作ってしまうことがある。

Gonzalo Moure著『Mi Lazarilla, Mi Capitán』の表紙

私のガイド、私のキャプテン

Mi Lazarilla, Mi Capitán

ゴンサロ‧モウレ

Gonzalo Moure

Kalandraka Editora

深い愛情に満ちた父娘を描くこの美しい物語は、たとえ目が見えなくても見えるものがあることを教えてくれる。暗闇に生きようとも視野が欠けていようとも充実した人生を送ることは可能だ。例えばこの本に登場する父娘は歩いて通う学校までの道のりを冒険の旅と捉えて楽しむ。町は勇猛な動物と魅惑的な音でいっぱいのジャングルに変貌するのだ。もっと住みやすく美しい世界を得るために互いを必要とする少女と父親、そのふたりの間にある優しさと互いを称え合う気持ちが伝わる作品。対話と内省的な語りを織り交ぜて物語が進行し、都会の風景のなかにマリア・ヒロンは愛嬌一杯で優しい野生の動物たちを住まわせる。主人公の想像の世界で一緒に通学する、愛すべき仲間たちだ。

私の小さなfしゃれ工房

Mi pequeño taller de moda

マユミ‧オオノ

Mayumi Oono

Zahorí Books

小さな子供はいつも大人の仕事に好奇心と興味を持っている。この本は創造性に富んで普遍的ないくつかの職業についての導入書であるとともに、作って楽しむこともできる1冊となっている。着せ替え人形の台紙がついていて、好きな衣装のシールを張って遊ぶことができる。豊富な種類の衣装と服飾雑貨の中から自由に色や模様を組み合わせ、素敵なオリジナル作品を作ろう。

Cristina Brocos著『Mi querido Zar』の表紙

愛しのツァー

Mi querido Zar

クリスティナ‧ブロコス

Cristina Brocos

Zarana Agencia Literaria

ガリシア生まれの若い女性教師は夫と別れたばかり。気分を一新するためカナリア諸島でバカンスを過ごすことにする。『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』を読みふけり、魅力的で裕福なロシア人の実業家と出会って情熱的なロマンスが芽生えると、彼女は自分の空想の主人公になる。こういうことは小説の中でしか起きないと信じている全ての女性読者に捧げる願望と情熱の物語。待ち望んでいたカナリア諸島でのバカンスに向け飛行機に搭乗するとき、クリスティーナは壊れてしまった結婚生活を忘れることしか考えていなかった。日光を楽しみ、大好きなジャンルである恋愛小説を読んで楽しむつもりだった。しかしこのバカンスでまったく期待していなかったことが起こった。大金持ちのロシア人実業家ミーシャと知り合ったのだ。魅力的で男性的、恐ろしくセクシーなミーシャが自分に目をとめるなんて……。

ピンク無しの私の人

Mi vida sin rosa

リズ‧ビアンク

Lizth Bianc

Fandogamia Editorial S.L.

自伝的な物語。別の立場で生きられたらもっといいだろうなと感じる女性。別の役割での人生、今の自分とは違った感じだったらと。彼女は内省するうちに、自分の中にある女性的なものすべてを憎むように仕向けた社会的圧力、ジェンダーのレッテル、暴力的状況の中に、その原因を見つけることになる。『Mi vida sin rosa(ピンク無しの私の人生)』は、女性として生きることが意味するもの全てについて、家父長制社会において女性のジェンダーに属しながら生きるとはどういうことか、その役割にまつわるあらゆる固定観念について、そして彼女の体にのしかかる重い負担について、シスジェンダー女性(非トランスジェンダー女性)の視点から、ジェンダーの葛藤を描いた作品。リズ・ビアンクがFandogamiaのために初めて書いた本作品は、この本を手に取る人の感性を目覚めさせる、内省的で誠実な作品。ジェンダーセンシティブについてのチェックは、アンヘラ・マリア・ガリード(教育者、性科学者)が担当した。

Monica Peitx著『Mía se hace mayor』の表紙

ミア大きくなる

Mía se hace mayor

モニカ‧ペッシュ

Mònica Peitx

Editorial Juventud

9歳のミアが、大人になるという特別な冒険について語る。思春期に女の子の体はどう変化するの? 胸は? ブラジャーは? 脱毛って? 生理って? タンポンって? 主治医の小児科の先生がミアの疑問にすべて答えてくれる。大人になるのはすばらしい冒険で、それはよく知っていればいるほどいい! 内分泌学専門の小児科医が、思春期の変化について書いた本。イラストはクリスティーナ・ロサントス。

Rafael Narbona著『Miedo de ser dos』の表紙

ふたりになる恐怖

Miedo de ser dos

ラファエル‧ナルボナ=モンテアグド

Rafael Narbona Monteagudo

Editorial Minobitia / Minotauro Digital

作者自身が患う多重人格障害を描いた物語。自分自身や家族のエピソードと、フィクションの要素や夢想を混ぜ合わせてしたてられた小説だが、フィクションと現実は、多重人格そのもの同様、どちらがどちらと見極めがたく重なりあっている。20世紀の第二共和政からモビーダ(民政移行直後の時代)にかけてのスペインを見渡しながら、すぐれた語り口で限りなく誠実に、多重人格障害の苦しみを一人称で、だが希望のメッセージをこめて描く。

Issa Watanabe著『Migrantes』の表紙

移動するものたち

Migrantes

イッサ‧ワタナベ

Issa Watanabe

Albur Producciones Editoriales

木の葉が無くなってしまった暗い夜の森を捨て、旅に出る動物たちの様子を力強いタッチの絵だけで雄弁に物語る。一度きりの大移動は死と希望が共存する不安に満ちた長い旅。様々な脅威に立ち向かいながら国境を越えて進む。ありのままの姿を描いたイッサ・ワタナベの絵は、難民キャンプの日常やメディアでよく取り上げられる移民の映像のような見慣れた光景からも読者の心を揺り動かし、反省、共感、連帯感を生み出す。移動という状況を通して歴史的な決断の必要性を読者に気づかせてくれる本。

José Carlos Román著『Miko. La gata de la suerte』の表紙

ミコ――幸運のTス猫

Miko. La gata de la suerte

ホセ‧カルロス‧ロマン

José Carlos Román

Grupo Ramírez Cogollor, S.L.

日本人にとても愛されている招き猫。愛嬌たっぷりで幸運を呼び込むとされる招き猫の由来説のひとつを、ミコという名の猫を主人公として脚色した作品。

Jorge Zepeda Patterson著『Milena o el fémur más bello del mundo』の表紙

ミレナあるいは世界一美しい大腿骨

Milena o el fémur más bello del mundo

ホルヘ‧セペダ=パターソン

Jorge Zepeda Patterson

Editorial Planeta, S.A.U.

ミレナの美しさが仇だった。若い頃から性の奴隷となってきた彼女は、パトロンである通信業界の大物が、彼女との情事の最中に心臓発作で死んだとき、逃亡を試みる。不安な逃亡の最中に、アスレスと名乗る正義漢の3人組に出会う。ジャーナリストのトマス・アリスメンディ、政治家のアメリア・ナバロ、保安の専門家ハイメ・レムスである。彼らは彼女を解放しようするが、ミレナは黒い手帳に書き込まれた謎をかかえて怯えている。その謎は、救いと同時に復讐を示唆しているからだ。アクションと愛に満ちたパワフルなこの小説は、日々グローバリゼーションが進む世界におけるパワハラと汚職を告発すると同時に、恥辱を受けている一女性が、多くの女性たち同様、開かれた心を持っていることを教えてくれる。

Meritxell Martí著『Minino y la luna』の表紙

ネコと月

Minino y la luna

マリチェイ‧マルティ

Meritxell Martí

Editorial Casals

本書はマルティとサロモの2人の作家による新シリーズ 『Minino (ネコ)』の一冊。本シリーズは厚紙製で、各ページの舌状の部分を指でスライドさせると、子どもが簡単に絵を動かせる仕組みになっている。ページをめくるごとに日常生活のささやかな瞬間に潜む魔法が見つかるというわけだ。ネコとその仲間たちと一緒に月への旅に出かけよう。ずっと遠くまで行けるよ!

ミキッツ

Miquits

アルバ‧デ‧エバン、ハビエル‧ドミンゲス

Alba De Evan y Javier Domínguez

Antela Editorial

ミキッツは猫。でもそんじょそこらの猫じゃない。魔女の親戚だ。その魔女と一緒に危険でエキサイティングな冒険をする。楽しいこと間違いなし。一緒に出掛ける勇気が君にはあるかい?この子ども向けマンガでは、魔女の飼い猫ミキッツの物語に迫る。たくさんの面白い冒険をしながら、彼らは友情と仲間意識の大切さを学んでいく。

José Ramón Alonso著『¡Mira al cielo!』の表紙

空を見て!

¡Mira al cielo!

ホセ・ラモン・アロンソ

José Ramón Alonso

Editorial Juventud

宇宙に旅したことのある動物は? 海王星の空は何色? 土星にはいくつの月がある? 楽しく教育的なイラストが入ったこの本には、これらの質問への答えはもちろん、宇宙開発という魅力あふれる世界についての多くの疑問への答えが詰まっている。宇宙研究のためのはじめの一歩。だれだって宇宙飛行士を夢見たことがあるだろう。

Àngels Navarro著『Mira, mira ¿qué ves?』の表紙

ほらほら、何が見える?

Mira, mira ¿qué ves?

アンへルス‧ナバーロ

Àngels Navarro

Aerys Producciones

脳は世界で一番複雑な機械だと考えられている。私たち人間のすべての活動の司令塔だ。でも、本当に完璧な機械だろうか? この質問に答える前に、本書を開いて、脳がどんなふうにできているか見てみよう。脳は間違うことだってあるんだ!

恐ろしい悪夢

Mis más terribles pesadillas

アリシア‧アコスタ

Alicia Acosta

Ediciones Jaguar S.A.U.

ペトラは地元で一番明るく、勝ち気で楽しい女の子。お気に入りの遊びはかくれんぼうで、わっ!と驚かすのが大好き。でも、ある日からワニや虫、お化けなどが登場する悪夢を見始める。なんて恐ろしい悪夢! 「その夢の中で遊んでみたら?」と、おばあちゃんが言った。「なんですって? どうやって遊べっていうの?」びっくりしたペトラはおばあちゃんに訊ねた。精神の力で自ら判断し、勇敢に悪夢に立ち向かう術を子どもに授けるために最適な絵本。夢は不思議な世界で、その中の出来事を決めるのは自分だということをペトラと一緒に学んでいこう。

Susana Peix著『Mis vecinos』の表紙

私のご近所さん

Mis vecinos

スサナ‧ペイシュ

Susana Peix

Triqueta Verde

主人公の少女はずいぶん前から近所の人たちを観察しており、彼らの行動を通して真の愛の意味を知るための答えを見つけ出している。愛はいろんな感情の中心にあって、心のよりどころのひとつだと私たちは幼いころから教えられてきた。子供が愛について学ぶことは、それがどのような形の愛であっても、大人の行動を理解するうえで大きな助けになる。「イアとフランはご近所さんで、ふたりはお互いのことを好きなんだと思うの!」この物語は、こんな文章で始まる。歩くとき手をつないだり、イチャイチャしたりするご近所さんを見ている少女の視点から描かれた、大いなる愛、ふたりの人間の本質的な恋愛の物語だ。

先史時代のミッションに挑む

Misión Prehistoria

ブランカ‧アルバレス

Blanca Álvarez

Aerys Producciones

先史時代を訪れたスウィフトとブライニー。ふたりが無事に戻るには、冒険で起きるすべての事柄を記憶する必要があり、そのために君の助けを求めている。君はスーパーメモリーのメダルを獲得できるかな? 記憶力を鍛えることは誰にとっても大きなメリットがある。今はいつでもアクセス可能なデータバンクがあるが、優れた記憶力は知的活動を行う際により多くの情報を提供できるので、論理的思考力などの向上に貢献すると考えられる。具体的には学齢期の児童において、成長に合わせた読書は大きなメリットとなり得るが、そこに記憶力向上に特化したトレーニングが加われば、楽しみながらも劇的な能力アップが見込まれる。

Joan de Déu Prats著『Misteri a l'arca de Noé』の表紙

ノアのはこ舟の謎

Misteri a l'arca de Noé

ジョアン‧デ‧ドウ=プラッツ

Joan de Déu Prats

Animallibres Editorial, S.L.

新しい世界に旅に出るため、あらゆる種類のつがいの動物を求むというあの広告を、ぼくみたいにミーアキャットが読まなければよかったのに。そしたら、大洪水が世界を飲みこんでいるとき、あのいまいましいはこ舟に乗らなかっただろうし、あの大混乱の中で、動物が1ぴき、また1ぴきと、跡形もなく消えていくのを見ることもなかっただろうに。

Eugenio Fuentes著『Mistralia』の表紙

ミストラリア 風力発電所の謎

Mistralia

エウjニオ‧フエンテス

Eugenio Fuentes

Tusquets Editores

以前はのどかだった場所にミストラル社が設置を始めた風力発電の近代的な風車。その翼で首を吊った女性の死体が発見される。それは同社のエンジニア、エステルだった。殺人それとも自殺? リカルド・クピード刑事は依頼を受けて捜査に乗り出すが、たどりついたのは夢にも思わない場所だった。風力発電所は争いの種だった。多くの住民はここぞとばかり土地を売却したが、環境保護に熱心な夫婦は売却を拒否するばかりか、この事業を台無しにしてやると脅す。発電所では次々と嫌がらせや襲撃が起こる。しかも会社の幹部の間でさえ見解は統一されていない。一方、後任のエンジニア、センダからエステルの抱えていた愛情のもつれや仕事上のストレスなどを聞くクピード刑事は、センダに惹かれていく自分を止められない。そして、また新たな死体が出現する。

モンとピン。色

Mon & Pin. Colores

マルタ‧ビエル

Marta Biel

La Galera Editorial

幼児の認知機能発達に適した新シリーズ。モンとピンは私たちを取り巻く世界を知るには最強のふたり組。モンはジャングルで生まれたサルで、ちょっとシャイだけどとても身軽で責任感が強い。ピンは北極から来たペンギンで、いたずらっ子で怖いもの知らず。そしてお魚が大好物。モンとピンと一緒に色を覚えようか?何も見逃さないように注意してね。とっても素敵な世界が開けていくよ!

Pola Oloixarac著『Mona』の表紙

モナ

Mona

ポラ‧オロイシャラック

Pola Oloixarac

Casanovas & Lynch Literary Agency

「彼らは我こそが作家だとうぬぼれてここにやって来たけれど、帰るときは自分たちが登場人物になっているわ」と、若いペルー人作家モナ・タリレ=ビルネは思う。カリフォルニアの麻薬とセックスの深みにはまりつつある中で、モナは権威ある文学賞Basske Wortz賞にノミネートされた数人の小説家たちと共にスウェーデンのとある村に降り立つ。北極圏の真夜中ちかく、文化的居住空間の境界線にあるその極限の地で、不思議な説明のつかない暴力の痕跡を見つける。世界各地からやってきた作家たちはお互い親交を深め、けん制しあい、力を競い、誘惑しあう。主人公モナのセックスと心理的冒険と、TED Talks(世界の研究者たちによるプレゼン) からボルヘスが主張するオーガズムまでを網羅する前衛、イデオロギー、マーケットについての討論の間で、著者ポラ・オロイシャラックは驚くべき辛辣さで、架空の世界文学のヒップスター集団を描き、このスリラー的思想の中で輝きを見せる。

モンゴ・ブランコ

Mongo blanco

カルロス‧バルデム

Carlos Bardem

Plaza & Janes

俺、ドン・ペドロ・ブランコ、奴隷商人。狂人。巨人かモンスターか。モンゴ・ブランコ。鏡と太陽の偉大なる魔術師。雌鶏の王。海賊。神父。修道士。マラガの場末からアフリカの王座、栄光のハバナからバルセロナの精神病院。ピストル。もし俺がピストルを持ったなら、俺の脳みそで壁を汚すだろう。それは俺のせいだし、俺の罰だ。これは俺の物語だ。カルロス・バルデムが再び筆をとり、伝説となった強烈な実在の人物モンゴ・ブランコの波乱万丈の英雄伝をひっさげ、アクション満載の意欲的で壮大な冒険小説で戻ってきた。スペイン、キューバ、アフリカなどが、資料に裏付けられた、趣豊かな圧倒的物語の舞台となる。

ソノロ物語

Monogatari

イグナシオ‧アバド

Ignacio Abad

Menoslobos taller editorial, S.L.

作者のナチョ(イグナシオの愛称)は現実というものに納得していない。言い換えれば、彼は現実に欺かれていないということだ。それゆえナチョは、長編ではなく短編集を出したのだ。新しい情報を伝えるという意味でnovela(ラテン語のnovelは「新しい」などの意味を持つ)と呼ばれる長編は、ゆったりと十分なスペースを持つジャンルである。一方、彼が我々の前に提示した短編集は一度読めば全体が記憶に残り、かつ新鮮だ。その中では以前のものでさえ新しいからだ。それぞれの作品において作家は、例えば後世のこととして記憶の比喩を用いてみたり、自分を独特だと感じるのは皆にあることで陳腐だという、注目すべき考えを取り入れたりしている。この日常のさまよいという糸でナチョは連結したシーンの仕掛け(罠でもある)を、そして心そのものの仄暗さの中、思考の周囲に見つけた難解な言葉を織り上げていく。作中で説明こそされていないものの、彼の静謐で澄み切った文章はおそらく本人も意図しないうちに、読者を理解に導いてくれるのだ。(ルベン・ラルディン)

Monstruo Rosa著『Olga de Dios Ruiz』の表紙

ピンク色のモンスター (モモンスター)

Monstruo Rosa

オルガ‧デディオス

Olga de Dios Ruiz

Aerys Producciones

違いの大切さについての物語。人それぞれ違っていることで、私たちの社会が豊かになることを理解するための物語で、自由への叫びである。

イベリアの怪物たち:クアランタマウラの足跡を追って

Monstruos Ibéricos tras los pasos de la Quarantamaula

ラウル‧コルデロ‧ポスティゴ

Raúl Cordero Postigo

Maldragon Editorial, S.L.

コミック『Monstruos Ibéricos: Tras los pasos de la Quarantamaula(イベリアの怪物たち:クアランタマウラの足跡を追って)』の舞台は、16世紀のスペイン。フェリペ2世の治世下、スペインが日の沈むことのない帝国だった時代だ。しかし、スペイン全土に恐ろしい怪物たちが出現し、その権勢に影を落としていく。フェリペ2世の命により、教会の上級異端審問官、ガスパール・デ・キロガ・イ・ベラ枢機卿もしぶしぶ承知し、アルバ大公フェルナンド・アルバレス・デ・トレド・イ・ピメンテルは怪物を制圧するためのグループを結成する。

Enrique Vila Matas著『Montevideo』の表紙

モンテビデオ

Montevideo

エンリケ‧ビラ=マタス

Enrique Vila Matas

MB Agencia Literaria

個人的にも文学的にも変わる時期の最中にあったこの小説の語り手は、ドアや隣の部屋に印を目にするようになった。それは自分とパリ、カシュカイシュ、モンテビデオ、レイキャビク、ザンクトガレン、ボゴタを結ぶ印で、これまで話したくて仕方なかった体験談の数々を文字にして人生の図版にしたいという思いを主人公に取り戻させていく。現代の特徴のひとつである両義性を題材にした大いなるフィクション。自身の最高傑作といえるこの作品の中で、著者はすでに言い尽くされたと思われた事柄に新たな名前を付ける方法を見つけ、また彼の作品の中核が小説の現代化に他ならないことから、称賛に値する偉業である。

Inés Plana著『Morir no es lo que más duele』の表紙

死ぬよりも とつらいことがある

Morir no es lo que más duele

イネス‧プラナ

Inés Plana

Editorial Espasa

マドリード郊外の松林で、両目をくり抜かれた男の首つり死体が見つかる。そのポケットには、ある女の名前と住所が書かれた謎のメモが入っていた。犯罪現場から数キロのところに住むサラ・アスカラガ。弱々しく孤独で、ひとりでウォッカを飲むこの女は、人との接触を一切避けて在宅で仕事をしていた。治安警察のフリアン・トレセル警部補が事件の担当になり、若いコイラ巡査部長が助手としてつく。コイラにとっては初めての犯罪捜査。しかも手がかりはほとんどなく、あまりにも多くの謎がある難しい捜査だった。トレセル警部補が捜査を進めるにつれ、存在そのものをひっくり返して悲劇に突き落とすいくつかの事実が見つかり、彼は生きている限り永久に脳裏に刻み込まれそうな地獄への旅へと導かれることになる。

おまえたちを殺した死

Morts, qui us ha mort?

イニャキ‧ルビオ

Iñaki Rubio

Comanegra Editorial

「本書は、ある家系の消滅についての、そして、ある暮らし方の破滅についての記録である。選択肢のない人生を生きる人々を追い詰める残酷さ」銃声が響きわたり、山が震える。ピレネー山脈を震撼させた兄弟殺しの物語。1943年、アンドーラ国は近隣のヨーロッパ諸国からふりかかる戦火にどうにか耐えていた。スペインは内戦後の最悪の時期にあり、共和国側の人々が国外に脱出し、ファシズムが君臨していた。フランスはナチスに占領され、ナチスは特にアンドーラの山々の制圧に関心を寄せていた。このような背景のもと、ばらばらになったある一家で、アンドーラの犯罪史上最も有名な事件が起きた。その数か月後、生き残った兄弟は死刑の判決を受け、公衆の面前で辱めを受ける。最も不当だったのは、どの死なのか? 本書はその答えを出そうと試みる。

イベリアの怪物

Monstruos Ibéricos

ハビエル‧プラド‧コロネル

Javier Prado Coronel

Maldragon Editorial, S.L.

セビーリャ出身の作家ハビエル・プラドは、スペインの神話や伝説、多くの恐ろしい怪物を集めて本書を執筆。我々の祖先を怖がらせた存在は、口頭伝承によって代々伝えられてきた。スペインで一番多いのは人喰い巨人。また子供を静かにさせておくため、大人を煩わせず早く寝かせるために利用される怪物も、スペイン国中で見られる。この「怪奇寓話集」にはたくさんの怪物が次々と登場するが、面白くてむしろ愛らしいもの、奇怪なもの、見事に退廃的なものなど、その外見や振る舞いは様々だ。

Stalker著『Motorsoul』の表紙

モーターソウル

Motorsoul

スタルケル

Stalker

Rayo Verde Editorial

ナミビア、コンゴ、セネガル、ルワンダのアフリカ4か国を舞台に、私たちが知らない別の世界の残忍性と活気を生々しく綴った4つの物語。モーターソウルを物語を進める軸として、見えないアフリカの姿について書いた本。虐待、暴力、病気、英雄的行為、宗教、希望、魔力、迷信が、人や家族、コミュニティを繋ぎそして破壊する。「モーターソウルは不可侵の原始的なエネルギーだ。万策尽きた時、最終的に人間を動かす。モーターソウルは私たちをみな同等にし、私たちの意志で操れないが、私たちが最悪の状況に陥った時に現れる。モーターソウルが私たちを決して見捨てない、自然なのだ」と著者は定義している。最後の瞬間、あなたが素早く決断する前に、モーターソウルがリアクションを導くのだと。脳に従って行動していると、あなたは確かに言えるだろうか?

Aharon Quincoces著『Muerde ese fruto』の表紙

その果実を齧れ

Muerde ese fruto

アーロン‧キンコセス

Aharon Quincoces

Ediciones Tolstoievski

アンドレスは名前のない都会の街に住む。その街では毎日自殺者が後を絶たない。アンドレスは新聞の日曜版のライターだが、取り上げる記事と言えば低俗でくだらない話題ばかり。独身だが、今の日常を変えてまでパートナーを持つつもりはない。彼は自殺についての記事は書かない。今週のテーマは「高校の時の友人はどうなったか」だ。習慣に忠実なアンドレスは、職務を果たすために自らの過去にどっぷりと浸る。友達や別れた女たちがアンドレスの人生に蘇る。書かれることのないあの厄介な記事やら、放射性同位体のあるバーで過ごす夜やら、屋上から飛び降り続ける自殺者たちが。これがアンドレスの物語だ。

Andrés Barba著『Muerte de un caballo』の表紙

ある馬の死

Muerte de un caballo

アンドレス‧バルバ

Andrés Barba

Editorial Pre-Textos

事故にあった瀕死の一頭の馬。愛し合う勇気を持てないカップル。ひとりの若者。『ある馬の死』の中では、こういった単純なモチーフが組み合わさって愛と死に関する物語を構築する。愛することへの恐れ、死と事故の体験、他者の内面と、他者と対峙する自分自身の内面の遅々とした発見。実際には、舞台は一枚の写真のように動かない。主人公たちの心の内面と意志は、瀕死の一頭の馬のまわりをぐるぐるとめぐりながら、何が起きたのか、自分たちは本当は何を望んでいるのかを理解しようとする。瀕死の馬は、最後にはある意味ですべての重心となり、それを前にすると、嘘をつくことも自分を欺くこともできない存在となる。その真っ白な重心が主人公たちに、自分たちが感じ望んでいることを認識させていく。

Vanessa Montfort著『Mujeres que compran flores』の表紙

花を買う女たち

Mujeres que compran flores

バネッサ‧モントフEルト

Vanessa Montfort

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

ある都市の中心部に近い地区に花を買う5人の女がいる。買い始めたころは自分のためではなかった。ひとりは秘密の愛人のために、もうひとりは事務所用、3人目は絵の題材として、4人目は顧客のために。そして最後のひとりは死者のためだった。この最後の女が私。そしてこれは私の物語だ。連れ合いを亡くしてからマリナは自分が途方に暮れていることに気付く。あまりにも長い間助手席に座りすぎた、つまりは夫任せの人生だった。ゼロからの出発を心に決め「天使の庭」という名のちょっと変わった花屋でアルバイトを始める。そこで花を買いに来る女たちと知り合いになる。彼女たちは立場は違うがそれぞれがマリナと同じで危機的な状況にあった。それは仕事、愛人との関係、願望、あるいは家族といったものだ。この女性たちにエキセントリックで賢い花屋のオーナー、オリビアも加わり、緊密な友情を築いていく。

ムCアと月

Munia y la luna

アスン‧バルソラ

Asun Balzola

Galimatazo Editorial

夕暮れどきに、ムニアは両親と妹のアンドレアと共に、水汲みに行く。川面に映るのは、まんまるで、輝くような月。ムニアは、ほんの少しだけ月の水を自分の小さなボトルに入れて、家にもち帰ってしまう。家で眠りについたムニア を訪ねてきたのは月…、欠けてしまった小さなかけらを返して、と。

Carlos Fonseca著『Museo animal』の表紙

動物の博物館

Museo animal

カルロス‧フEンセカ

Carlos Fonseca

Editorial Anagrama

新しいミレニアム到来のお祝い気分の真っただ中、カリブの博物館学者が、有名なファッションデザイナーから奇妙な展覧会に協力してほしいとの誘いを受ける。 動物界の在り方に対する大きな関心がふたりを結びつける。7年が経ち、展覧会はとん挫していたが、デザイナーの死後、博物館学者はふたりの共同作業のファイルを取り戻す。眠れなくてファイルを読み始めた長い夜、あの常軌を逸したプロジェクトの裏には、デザイナー一族の謎の歴史を解読するための鍵があったことを知る。それは気が遠くなるようなジグソーパズルだったが、ラテンアメリカのジャングルを貫く壮大な政治の旅の解明へとつながっていく。

Candelaria Tejera著『Nace Eugenia』の表紙

エウヘニアが生まれる

Nace Eugenia

カンデレイラ‧テヘラ

Candelaria Tejera

Editorial OB STARE, S.L.U.

出産場所が家庭から病院になり、子どもたちはお産を目にしなくなった。粉ミルクは母親による授乳の文化を家庭から追いだしてしまった。現在、学校で与えられるお産に関する情報はあるにはあるが乏しく、家庭で与えられる情報も、社会がお産に対して持つネガティブで不自然な見方の影響を間違いなく受けている。よって出産のプロセスについて、大半の子どもは無知をひけらかし、偏見に満ちた間違った考えを持っている。だからこそ、前衛的な楽しい絵と文で自然な視点から子どもたちにお産のことを話す必要があると私たちは考えた。

René Ruano著『Nacerás entre bestias』の表紙

おまえは獣たちに囲まれて生まれることになる

Nacerás entre bestias

レネ‧ルアノ

René Ruano

Edeta Editorial

悪魔ドカルは自分の山を下りて、ナルタニスの全ての種族を支配するため、形ある肉体を持とうとする。そのためには、手に入れられる限りのあらゆる手段、怖れと憎しみ、愛、勇気、希望までも駆使するだろう。ナルタニスの中で進化した3つの種族の様々なキャラクターが彼に抵抗する。賢く、能力と観察力があり、恐るべき戦士で優れた追跡者のオオカミ。他のどんなことより美しさを重視し、物をつかむことができる尾を持ち、とても器用で、隠密行動が得意なトゥリド。そして最後に、人間の外見をし、時には雌の特性を持って素晴らしいネインを生み、3メートル以上の巨体をもちながら中性的、凶暴で、王を崇敬するテライ。

Minerva Piquero著『Nacida libre』の表紙

自由な女に生まれる

Nacida libre

ミネルバ‧ピケロ

Minerva Piquero

Ediciones Alfar

テレビの司会者ミネルバ・ピケロのデビュー作。コラは、生涯で一番愛した恋人との思いがけない別れのあとに陥った暗闇から抜け出し、心機一転を図ろうとしていた。セックスが、新しいアイデンティティに向けてのイニシエーションの儀式になるだろう。体験し、出会いなおし、許すという未知の世界。一方、バレンティナは暗い秘密とトラウマの過去から逃れて、スペインにやってくる。世界の中に自分の場所を見つけるために生まれ変わりたいと感じていた。トランスセクシュアルの若い外国人女性が生きていくのは簡単ではない。本作のふたりの主人公は、とても異質でかけ離れた世界に生きていたが、それぞれにとって運命の別れ目となる瞬間に出会う。それは裏切りと復讐を過去に置き去り、自分を知る道に歩みだすべきときだった。出会った状況が、ふたりの間に深い友情と、自由な女に生まれかわった事を理解するために必要な力が育つのを助ける。

Javier Sáez Castán著『Nada pura 100%』の表紙

無100パーセント

Nada pura 100%

ハビエル‧サエス=カスタン

Javier Sáez Castán

Anaya Infantil y Juvenil (Grupo ANAYA)

春のある日、ブタくんは、森でいっぷう変わった科学者、キャンベル教授とばったり会う。好奇心旺盛で積極的なブタくんは、教授の助手になって、大いなる科学の冒険について行きたいと思う。もちろん、教授の荷物だって持つつもり。 高名な教授は、ファミリーサイズの「無」のびんを手に入れる。中身はなんでもない、純度100%の無。教授がふたを開けると、無がびんの外に出て、だんだんとあらゆるものをおおっていく。無が入っていたびんも、ひと連なりのピリ辛ソーセージも、3時15分の急行列車も、アンドラーデ未亡人のユニバーサル・サーカスも、すべてをのみこんでいく。 教授はあっけに取られるが、探求心に満ちた科学者の性分から、この途方もない出来事を調査しようと、無の穴に入る決心をする。 「ブタにとっては小さなジャンプだが、人間にとっては大きな一歩だ」

Laura Fernández Arquisola著『Nada se termina』の表紙

何も終わらない

Nada se termina

ラウラ・フェルナンデス=アルキソラ(ラウフェル)

Laura Fernández Arquisola (Laufer)

Pintar Pintar Comunicación

クロウタドリとヒマワリの間の絆を通して、生命とその循環について語る本。ヒマワリは枯れると、畑を種子でいっぱいにして、そこから新しい花が生まれる。これは自然における私たちの居場所、そして私たち人間も他の生命体と何ら変わりはないということについて考えさせてくれる連続的な循環だ。自然のリズムを通して、生命に宿る脆さと強さを明らかにする、詩的な要素がつまった絵本。

この地球上の誰も

Nadie en esta tierra

ビクトル‧デルアルボル

Víctor del Árbol

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

バルセロナ警察の警部、フリアン・レアルはつらい時期を過ごしていた。ガンと診断されて余命は長くないうえ、仕事では未成年虐待の容疑者に対する暴行で懲戒処分を受けたばかりだ。そんなフリアンがガリシアの故郷を訪れた後、彼と関係のある人々の死体が数体発見された。上官は過去の恨みの復讐として、フリアンに罪を着せようとしていた。フリアンと相棒のビルヒニアはとてつもなく難解な捜査に引きずり込まれ、彼ら自身や彼らの愛する人々の命までも危ぶまれる。フリアンは現在だけではなく過去の清算も求められていた。夢が時として悪夢に変わっていく様を描いた小説。

ナーヤ:子供の神様の伝説

Naya: La leyenda del dios niño

トニ‧ソラネス

Toni Solanes

Tebeox Editorial

ナーヤは中国仏教神話に起源を持つ、道教における守護神で、殷王朝の時代に軍の要塞で生まれたとされている。父のリ・ジンは総督兼司令官であった。母親のインは、妊娠して3年6ヶ月の後、蓮の花が入った玉を産み・・・物語はそこから始まる。このストーリーの原案となるのは(道教の少年神)哪吒(ナタ)の物語だが、既に知られている内容の模倣にならないよう脚色されている。哪吒にまつわる伝説は数多く残されており、鳥山明が自らの作品(『ドラゴンボール』)の中で孫悟空のモデルとして用いたサルの王で有名な小説「西遊記」にも、主人公らを助けるために何度も登場する。ナーヤが繰り返し現れる『La investidura de los dioses(封神演義)』と同様に、本書は、克服、名誉、責任、犠牲をテーマにした野心的な物語である。

Ángela Bravo Hernández著『Nefertiti también usaba mascarilla』の表紙

ネフェルティティもパックしていた

Nefertiti también usaba mascarilla

アンへラ‧ブラボ

Ángela Bravo Hernández

Ediciones Nowtilus, S.L.

世界で最もきれいな肌の持ち主は、エスキモーと修道女だとする科学的研究がある。いつまでも美しくありたいという願いは今に始まったことではない。本書では、文化も時代も異なる男女が、いかに努力して自らの美しさを磨き、老化の時計を止めようとしてきたかが語られる。著者は何世紀にもわたる人類の歴史の中で美とはなんであったかを分析しつつ、サロメ、ルクレツィア・ボルジア、バートリ伯爵夫人、皇后シシィといった伝説の美女の美容の秘密を解き明かす。ページを開くと、砂漠や謎めいたハーレム、何千年もの社会習慣や伝統の中にいざなわれる。肌、髪、手の有名な手入れ法から、クレオパトラやポッパエア・サビナが入っていた風呂、リラックスできて治療効果もある入浴方法まで、アンヘラ・ブラボが明らかにする。

星で見るビジネス

Negocios con estrella

フアン‧エスタデーリャ

Juan Estadella

Ediciones del Serbal

この本には、古来の知識である占星術を、容易かつ知的な方法でビジネスの世界に応用する方法が記されている。読者は本格的に占星術を学ばずとも本書を通じて、この千年来の知識を活用し、事業全般、さらには職業人としてのあらゆる活動を強化することが可能だ。読者が起業家、経営者、従業員、いずれであろうと、本書は、占星術の知識を日々の仕事の中で容易かつ実用的に使う方法を習得させるだけでなく、将来訪れるかもしれない危機、好景気、流行・・・など、われわれの社会の未来についても読み解かせてくれるだろう。過去2回の世界危機を正確に予言した、経験豊富で国際的にも著名な占星術師フアン・エスタデーリャ。その手によって記された本書は単なる書籍を超えた、星を渡りゆく魅力的な旅路である。

Nazareth Castellanos著『Neurociencia del cuerpo. Cómo el organismo esculpe el cerebro』の表紙

身体の神経科学:生体はいかに脳を形作るか

Neurociencia del cuerpo: Cómo el organismo esculpe el cerebro.

ナザレス・カステリャーノス

Nazareth Castellanos

Editorial Kairós

もしあなたの心を理解する鍵が、常にあなたの身体の中にあったとしたら? 身体と脳のつながりに関する最新の発見のおかげで、私たちは健康、幸福、そして人間関係のあり方に深い影響を与える真の科学革命を経験しています。この本は、あなた自身を新しい視点で見つめ、常にあなたと共にあるもの、つまりあなた自身の身体を観察するだけで、より深く自己を理解するための招待状です。現代神経科学で最も魅力的な声の一人であるナザレス・カステリャーノス氏の手引きにより、姿勢、心拍、さらには腸内細菌叢がいかにあなたの感情、思考、決定に直接影響を与えるかを発見するでしょう。 明確で厳密かつアクセスしやすいアプローチで、本書は最新の神経科学研究と、東西の医療実践のしばしば無視されてきた歴史を組み合わせています。あなた自身の存在の仕方を根本的に変える、啓示的な一冊です。

Pilar Lozano Carbayo著『Nico, espía y el "ingenioso" Cervantes』の表紙

ニコ、スパイと "機知に富んだ" セルバン@ス

Nico, espía y el "ingenioso" Cervantes

ピラール‧ロサノ‧カルバヨ

Pilar Lozano Carbayo

Grupo Editorial Bruño

ニコは若き秘密工作員で、謎の魔法の百科事典の助けを借りて、友人のメガと共にスペイン黄金世紀のような時代で(レパントの海戦でセルバンテスと共に!)最もエキサイティングな冒険を体験します。冒険、アクション、たくさんのユーモア—時にニコとメガの会話は完全なコメディー—がすべて実際の歴史的時代に組み込まれており、裏付けとなる事実や数字、そして読者がその時代の生活がどのようなものだったかをイメージできるよう時代背景を説明する最終ページが含まれています。 魔法の百科事典はニコをセルバンテスの足跡へと導きます。そして彼が作家の足跡をたどる中でどんな冒険に出会うことでしょう!ニコと彼の仲間メガは、偉大なレパントの海戦に参加し、アルジェの捕虜から逃れ、ドン・キホーテとサンチョ・パンサと共に馬を走らせ、劇場で「トマト投げ」を受け止めます...「放浪の騎士」の人生は、非常に濃密でカラフルです!

ニコXタと牙の謎

Nicoleta y el misterio del colmillo

カティア‧クレイン

Katia Klein

Sallybooks Editorial

ある吸血鬼一家のお話。今日、初めてニコレタの歯が抜けた。夜になり、プレゼントとの交換を楽しみに枕の下に置いた。するとすぐに変な虫たちが部屋に入り込み、その大切な牙を盗んでいった。果たして無事に取り返すことができるだろうか? さあ、ニコレタと一緒にこの冒険に出かけよう!

Xabier Cervera著『Nigrino. La condena de la memoria』の表紙

ニグリヌス 記憶の破壊

Nigrino. La condena de la memoria

シャビエル‧サルベラ

Xabier Cervera

Edeta Editorial

歴史小説。ローマ帝国の最も偉大な軍人、エデタニア出身のマルクス・コルネリウス・ニグリヌス・クリアティウス・マテルヌスは、皇帝の座を巡るもうひとりの候補者トラヤヌスの野望にとっての脅威とみなされ、ダムナティオ・メモリアエ(記憶の破壊)を受ける。ニグリヌスは、最高の勲章を授与された将軍で、当時最も輝かしい軍歴を持ち、執政官となり、ローマ帝国の属州アクィタニア、モエシア、シリアの総督を務めるが、ローマ皇帝ネルウァは後継者としてトラヤヌスを選んだ。ニグリヌスが退き、強制追放され、彼の名前を口にすることも禁じられるというように、あっという間に事態は進み、内戦の可能性は消えた。しかし、エデタニアの地から、ニグリウスとその家族は何とかして彼の記憶を守るため闘おうとするが、ニグリヌスの失脚によって、その影響力と莫大な財産を奪おうと狙う者たちが大きく立ちはだかる。

Gervasio Posadas著『Niki Zas y el retrete nuclear』の表紙

ぶっとびトイレ大作戦(ニキ‧サスと核便器)

Niki Zas y el retrete nuclear

ヘルバシオ‧ポサダス

Gervasio Posadas

Grupo EDEBÉ

ニキ・サスは小さい頃から、いとこが大嫌い。ところが、いとこはクラスメートなので、ふたりの間で戦争が起こるのはまちがいない。ニキと友だちは、いとこに復讐しようと学校のトイレのパイプをふさぐ。すると、急場しのぎに移動式のプラスチック製トイレが設置されるが、その小部屋のひとつにテレポーテーションマシンが隠されているのを発見する。それを使えば、どこでも行きたい所(テスト問題を盗みに先生の職員室に行ったり、授業の課題をすり替えにいとこの部屋に行ったり)や、思いもかけない場所(ハリウッドにジャスティン・ビーバーに会い)に行けた。パンツを下ろして便器に座りながら、行きたい場所を思い浮かべ、水を流しさえすればいい。タンクの水が再びいっぱいになるまでの間、移動していられた。ところがある日、元のトイレが使えるようになり、仮設トイレが撤去された。ニキたちは、仮設トイレ奪還のミッションを開始する。

Ignacio Chao著『Ninguén coma min』の表紙

誰も俺様の#うには

Ninguén coma min

イグナシオ‧チャオ

Ignacio Chao

Kalandraka Editora

人生を振り返る暴君、その権力を表した暗喩である本書には、フィクションと現実が混じり合う。主人公は世界でも稀な自分の個性をほめたたえ、協調性を欠き、エリート主義を貫く。臣下への共感の欠如、文化に対する蔑視、そして自分が宇宙の中心だとみなす思考で、完全な誇大妄想の持ち主となる。批判には耳を貸さず、対立する者皆に罰を与え、自分が憎しみの対象であると知ると、さらに誇大妄想が増幅する。しかし、予期せぬ結末が読者の認識を一変させる。どんな誇張もささいな逸話にすぎなくなるのだ。巧みな色使いで細密に描かれた具象的なイラストが、本書に登場するネズミ、キツネ、サル、ハゲワシなどといったキャラクターを絶妙に表現し、擬人化された情景の暴力性を際立たせている。

Alaine Agirre Garmendia著『Nire amama umea da, ni bezala』の表紙

ぼくみたいな子供になったおばあちゃん

Nire amama umea da, ni bezala

アライネ‧アギーレ‧ガルメンディア

Alaine Agirre Garmendia

La Topera Editorial

「おばあちゃんはすごーく年寄りだってみんな言う。でもその心の奥には子供が住んでいるって、ぼくとおばあちゃんは知ってるんだ」。アルツハイマーについて小さな子供に優しく、丁寧に、時には面白おかしく話すことはできるだろうか? 大人の作った概念を取り払って愛情を育み、理解し合うおばあちゃんと孫の物語をアライネ・アギーレとアイナラ・アスピアスが届けてくれる一冊。

Saïd El Kadaoui Moussaoui著『No』の表紙

ノー

No

サイード‧エル‧カダウイ‧ムサーウィ

Saïd El Kadaoui Moussaoui

Editorial Catedral

主人公はハニフ・クレイシとフィリプ・ロスを敬愛する文学教師で、そのことをモロッコに帰国を決めた友人に日々話している。モロッコはふたりの生まれ故郷で、友人はそこで子どもが育つのを見たいという。主人公は子どもは欲しくないし、愛する女性と暮らす勇気がなく、イスラムにムスリムが徴兵されることをうけいれられない。また自分のセックス中毒を抑えることが出来ず、満足感を得ることがない。ふたつの文化に自分が引き裂かれているとは思わないし、モロッコには帰るつもりはない。作者はこの作品でマグレブから来た移民の子どもたちの感情と矛盾を、率直にユーモアをこめ非常に明晰に描く。彼らは西洋諸国が与えたチャンスをものにした二世だが、ヨーロッパ人がだれしもそうであるように、ヨーロッパ文化は彼らを幸せにはしなかった。

Maxim Huerta著『No me dejes (Ne me quitte pas)』の表紙

行かないで(ネ‧メ‧キテ‧パ)

No me dejes (Ne me quitte pas)

マキシム‧ウエルタ

Màxim Huerta

Espasa Libros

目立たない外見のドミニク氏は実は園芸の名人で、しかも本物の魔法使いだ。いつの間にかパリの片隅を花壇に変えてしまった。彼の花屋レトワール・マンカントは、メルセデスとティルデのお気に入りの場所だ。スペインから移住し、フランスで40年以上働くふたりの女性はどちらも自分は孤独だと思っている。メルセデスは国境を超えたところで夫に置き去りにされ、ティルデは自分を愛してくれる相手と巡り合うことがなかったからだ。そんな平穏でメランコリックな毎日を送るふたりの前に、ビオレタというハリケーンが現れる。若い娘ビオレタは、ストーカーから逃れるためにマドリードからやって来たのだった。

Susanna Isern著『No me invitaron al cumpleaños』の表紙

誕生日に呼ばれなかった

No me invitaron al cumpleaños

スザンナ‧イセルン

Susanna Isern

NubeOcho

友だちの誕生会に招待されなかった子どもは、仲間はずれにされた気持ちになる。心理学者である著者は、そういった状況を理解するよう手を差し伸べる。下校するとき、みんなわいわい騒いでいる。クラスメイトの誕生会があるのだが、招待されなかった子がいる……誕生会が開かれるとき、招待されなかった子どもは悲しくなり、仲間はずれにされた気持ちになる。心理学者である著者は魅力的な物語で、いつも全てを手に入れられるとは限らないこと、何かが手に入らないことが、ポジティブな結果につながることもよくあることを理解させてくれる。

Pere Cervantes著『No nos dejan ser niños』の表紙

無邪気なままではいら$ない

No nos dejan ser niños

ペレ‧セルバンテス

Pere Cervantes

Zarana Agencia Literaria

メノルカ島のシウタデリャ。マリア・メデムが産休を終え地元警察の刑事の職に戻った時、70歳代のふたりの女性の殺人事件が起きる。遺体が発見されたそれぞれの住まいには3つの共通点があった。ミント系の強い匂い、パソコンから繰り返し流れるラファエルの同じ楽曲、そして隅々まで片付いた室内。バルセロナ警察の殺人課にいた経歴を買われ、マリアはこの難解な事件の捜査を任される。夫が仕事の都合で家を留守にすることが多い中での育児と仕事の両立、なぜか現れる、マドリード本部殺人課所属の謎めいたロベルト・リアル捜査課長。しかしそんなことはマリアの一番の心配事からすればどうでもよいことだった。

Xabi López著『¡No pasa nada!』の表紙

だいじょうぶ

¡No pasa nada!

シャビ‧ロペス

Xabi López

Grupo Editorial Sargantana

パンダやシマウマは多様なこの世界に住むのが大好き。だって、違っていてもだいじょうぶだから! その謎を探ってみない? 児童の多様性を養うためのお話。

Josef Ajram著『No sé dónde está el límite pero sí sé dónde no está』の表紙

限界が こかはわからないが、限界ではない場所はわかる

No sé dónde está el límite pero sí sé dónde no está

ヨセフ=アフラム

Josef Ajram

Centro de libros P.A.P.F., S. L. U.

本書は著者の作品の中でも最もプライベートな作品で、実際の経験や秘話を通して、日々向上するための秘訣や失敗と成功についての理想、努力についての考え方などを明かす。著者いわく、≪文句を言う代わりに早く起きあがって、もっと力をこめて挑戦することに価値がある≫

私たちはゴミじゃない

No somos basura

エバ‧ロドリゲス

Eva Jaguar

Ediciones Jaguar S.A.U.

浜辺? 山? 外洋のクルージング? それともスポーツ競技? 瓶は冒険に満ちた一生を夢見ていた。リサイクルの黄色いボックスに入れられて終わるなんて、大して良い計画だとは思えなかった。でも、多くの人は知らない。夜になるとリサイクルボックスは、踊ったり、歌ったり、時には夢を見たりする者たちでいっぱいの不思議な場所に様変わりするのだ。もしゴミ箱に捨てたものが新たな人生を持てたとしたら? この物語では私たちが捨てたものに生命が宿り、ゴミを排出する私たちの自覚を促す。環境や友情、そして思いもよらず現実となる夢の大切さについてテンポよく書かれた絵本。

Jaume Benavente著『Nocturno de Portbou』の表紙

ポルトボウ夜想曲

Nocturno de Portbou

ジャウメ‧ベナベンテ

Jaume Benavente

Tapia, Verzello & Pérez S.L.

時間をかけて自分の居場所を見つけたダニエルだったが、その夜、ポルトボウの人気のない駅で友人の到着を待っている間に、思い出がふいに押し寄せてくる。なんということのない平凡な人生、ソフィア・ドゥランとの思い出、そんな人生に影を落とす、近年のヨーロッパの歴史がからんだある悲劇を織り交ぜて話は進行する。記憶の中で主人公は、その時々の心の動きという舞台を通して読者を物語に導く。都会の風景描写は読み手を魅了し、親密なトーンにサスペンスの味付けの加わった物語は、一気に読まずにいられない。跡形もなく変貌していくヨーロッパを背景に、住み慣れた土地を離れた人々が求め、求め合い、ひとつの時代の中で、個人のひそやかな歴史とその時代の人々の歴史がからみあう。

Laura Pérez著『Nocturnos』の表紙

ノクターン

Nocturnos

ラウラ・ペレス

Laura Pérez

Astiberri Ediciones

『Nocturnos(ノクターン)』は、夜の多様な生態系を描いています。夜とは、歴史の中で私たち自身のものにしてきた時の空間でありながら、決して私たちのものにはならない、目に見えない領域です。 孤独と人工知能は、現実ではないものが虚無を埋めるとは信じていない女性のベッドに忍び込みます。ある小屋はすべてが見た目通りではないことを示し、闇の中では子供が何かを思い出しているようです……。思いもよらず、普遍的で、儚い情報とともに現実を明らかにする夢。親密なもの、個人的なものを覗き見ること。夕暮れの扉が開くとき、人々の心にやどる、そこかしこの情景。 ラウラ・ペレスの新作グラフィックノベル。『Ocultos(隠されたもの)』(2020年「エル・オホ・クリティコ・コミック賞」受賞作)、『Tótem(トーテム)』、『Espanto(戦慄)』に続く、初めての完全単独作品。

私たちを思い出すだろう

Nos recordarán

カルラ‧グラシア

Carla Gracia

Editorial Catedral

ゲーテとシラーが共に過ごし、その後の彼らの作品にとって、またふたりの関係にとって決定的な意味を持つことになった1794年の夏の数日間へと読者を誘う。友情の物語であり、同時に神話の後ろに隠れた人物の夢や苦悩、心の奥底の野望、誰にも明かせない恐れの物語である。ヨーロッパ文学において最も影響力のあるこのふたりの作家は、常に生涯の伴侶である女性たちに守られていた。彼女たちはしばしば、完全な闇にとざされてしまいそうになる彼らの唯一の光だった。シンフォニーのように、多様な声と、時の中で絡み合う横糸が、男と女、過去と未来の間で完璧な合わせ鏡となって内的考察を導き、人生と愛の密接な関係を語る。

Xavier Bosch著『Nosaltres dos』の表紙

私たちふたり

Nosaltres dos

シャビエル‧ボッシュ

Xavier Bosch

Columna Edicions, S.A.U.

「15年も会っていないにもかかわらず、一昨日話したばかりのように感じる、見えない絆で結ばれている。友情とはこうあるべきだ」キムとラウラは大学で知り合った。ふたりが住む世界は全く違っていた。キムはバルセロナのグラシア通りにあるホテルのオーナーの息子。魅力的で人の目を全く気にしないおおらかな性格だ。一方ラウラは地方出身。素朴で理想主義者。そして人生で大切なのは細やかな気遣いだと分かっている。友情の絆で結ばれたふたりは共に笑い、楽しみ、前途に立ちはだかる障壁を乗り越えていく。それぞれの道が離れても支え合うことに迷いはない。たとえ遠くにいようと、再会までにどれだけの時を要しようと関係ない。彼らは何があろうと真の友達。希少な存在だ。

私たち、これから

Nosotros, después

シルビア‧ソレール

Silvia Soler

Grup Enciclopèdia

4人の友からなる2組のカップル、そしてすべてを変えていくある喪失。著者の一連の代表的小説『El verano que empieza(始まりの夏)』、『Un año y medio(一年半)』 、『Los viejos amigos(旧友)』に続いて、本作は時の流れや愛、人生の浮き沈みを描く。男性2名、女性2名からなる4人の人物は、人生の本番が始まる前の思春期に知り合う。ソレールが、こまやかで映画的な特徴ある文体で描く物語は、読みだすと止まらず、忠実な読者の心をつかむ。この小説に登場する人物たちは野望や期待や希望に動かされ、私たちがみなそうであるように失望や喜びや欲望、とりわけ愛を経験する。そして、中心的テーマのひとつである友情を。

Mónica Bustos著『Novela B』の表紙

B級小説

Novela B

モニカ‧ブストス

Mónica Bustos

Obscura Editorial S.L.

不可解な事故で息子を失ったカップル。人食い儀式に巻き込まれてしまったふたりの旅人。バイクの暴走族。UFOを探す者たち。ビートニクの狼男たち。血に取り付かれメシア思想にのめり込んでいるひとりの若い女性。世間を恐怖に陥れる連続殺人者…。これらすべての物語が目のくらむような速さで交差し、恐ろしさと不条理さと強烈なインパクトを等しく兼ね備えたストーリーへと集約されていく。モニカ・ブストスはB級作品の流儀を用いて、激しさのある、生々しいストーリーとパロディー的な場面を詰め込んだ物語を作り出した。物語から漂うユーモアは辛辣ながら、勇敢かつ魅力的な雰囲気も感じられる。異色であるにとどまらない群像小説であり、パルプ・フィクションの伝統に敬意を表したキラリと光る小粒の傑作。断片的に描かれたそれぞれの物語は、ひとつに繋がったときすべての意味が明らかになる。

Manuel Septien Ortiz著『Nubes de tiza』の表紙

チョークの雲

Nubes de tiza

マニュエル‧セプティエン=オルティス

Manuel Septien Ortiz

Ediciones del Serbal

ある晩校長は予期せぬ電話を受ける。フランス研修旅行中の彼の高校の女生徒が自殺未遂をしたというのだ。それは、次々と起こる思いがけない重大な出来事の始まりとなった。ワイナリーやぶどう畑が広がる牧歌的な風景を背景とする地方の学校では、カリキュラムにはない悪事や復讐や暴力からの学びが繰り広げられている。長く教育に携わってきた著者はこの小説で、教室や新しいテクノロジーの出現や異文化の交流といった事象が、変わりゆく教室や暮らしの現実の中に、豊かさだけではなく争いをもたらしていることを提示している。

ヌックと魔法の.ット

Nuc y el kit mágico

ヌリア‧アパリシオ

Núria Aparicio

ECC Ediciones (El Catálogo del Cómic, S.L.)

ヌックは不思議な箱の入った小包を受け取り、すぐに魔女が使う魔法の道具が全部入っていることを発見する。しかし、魔女に変身するのは、思ったほどたやすいことではなさそうだ…。

Imapla著『Números escondidos』の表紙

隠れた数字

Números escondidos

イマプラ

Imapla

Editorial Juventud

イマプラは長い経歴を持つイラストレーター兼作家。1985年バルセロナのエリサバ美術学校グラフィックデザイン科を卒業。卒業直後より画像を使う仕事を習得し、グラフィックと絵画は別物との理解を示す。バルセロナオリンピックが開催される中、またグラフィックデザインがブームの1992年にアペル・メストレ賞を受賞。これをきっかけに本の創作に取り組むようになる。

Jesus María Ballaz Zabalza著『Nunca digas la contraseña』の表紙

パスワードは言わないで

Nunca digas la contraseña

ヘスス‧マリア‧バリャス=サバルサ

Jesus María Ballaz Zabalza

Editorial CCS

マリアは平日に母親とのあいだに起こったことをアルバにメールする。母親は、父と別居してから頭が少しおかしくなっている。アルバは、父親と過ごした週末のできごとを書いて返信する。驚いたことに、父親は若々しくなっていた。そしてマリアとアルバは、両親が知り合った場所でもう一度ふたりを会わせようと計画を練る。それで何かが変わるかも知れない! メールという現代の書簡体で、マリアとアルバのふたりが苦しみながらも、両親の状況を理解していく様子を描く。

Fernando Lalana Josa著『Nunca más』の表紙

もう二度と

Nunca más

フェルナンド‧ララナ=ホサ

Fernando Lalana Josa

Editorial Bambú

1970年、スペイン。ダルマシオの運命は古紙回収作戦の初日から悪い方へと向かいだした。これが恐るべきブラス先生の好感度を少しでもあげて、無事学年を終える最後のチャンスだというのに。しかしどこかうまく行かず、我らがヒーローは毎年夏に訪れるカラロチャに来てもその悩みが頭から消えなかった。そして驚くべき結末を迎える。「よくないね、坊主、良くないことだよ」

エマ‧オルセンの最後の本

O derradeiro libro de Emma Olsen

ベルタ‧ダビラ

Berta Dávila

Editorial Galaxia

ある病により終末期にあるエンマ・オルセンは、まもなく死が訪れるのを知り、人生最後の数か月と向き合っている。だが、作家であるエンマ・オルセンは、残された時間で、ある小説を仕上げようと決意する。正確にいうなら小説ではなく、彼女の人生における最も重要な年月、遅かりし青春時代の一人称の記録だ。オルセンは、長年隠してきた秘密の物語を語るために筆をとる。そして、彼女が生まれた、アメリカ中西部の忘れられた小さな町フェイスにもどる。これといったことの起こりそうにない町だが、そこには数少ない住人たちの間に嘘と対立の宇宙が隠されていた。

Enrique Mauricio Iglesias著『O esquío rampante』の表紙

後ろ足で立つリス・コシモ

O esquío rampante

エンリケ‧マウリシオ

Enrique Mauricio Iglesias

Polo Correo do Vento

シアドールのピオガレゴ一家に生まれた仔リスのコシモは、住処にしている樹齢100年の樫の木の病気の治療法を見つけようとして、様々な出来事を経験する。この世に社会が生まれたときから現代にいたるまで、物語は教育に役立てられてきた。エンリケ・マウリシオとカルロス・タボアダによる本書も、そういった役割を担う物語にほかならない。心惹きつけるこの作品で、読者は友情、連帯、自然への愛情といった価値観の大切さに気付き、木や草についての知識を深めるだろう。

傑作

Obra maestra

フアン・タリョン

Juan Tallón

Editorial Anagrama

この小説が語る物語は、まったくありえなさそうだが、実際に起きたことだ。一流の国際的美術館、レイナ・ソフィア美術館は、1986年開館にあたって、北米の有名彫刻家、リチャード・セラに作品を依頼した。だが、38トンもある彫刻作品が、ある日突然……煙のごとく消えた。本書は、ノンフィクションと記録文学とナンセンスの間をいきながら、スリル満点に事件を再構成し、さまざまな疑問をわきあがらせる。なぜそのようなことが起こりえたのか、なぜコピーがオリジナルとなったのか、現代美術における芸術とは何か、消えた鋼鉄製の彫刻がある日いきなり現れることがありうるのか。これらの疑問にこたえようと、リチャード・セラ本人を含む、さまざまな人物の声が集められた。不可解な消失が、傑作へともちあげられる。

José Luis de Juan著『Obra muerta』の表紙

乾舷

Obra muerta

ホセ‧ルイス‧デ‧フアン

José Luis de Juan

Editorial Minúscula

夜、眠れない男、眠る女。男はまどろみのあいだだけ現れるイメージにふけり、「不眠は熾火のような赤い目をした暗い獣だ」と思う。天気予報の原稿を書くアルコールに溺れた元船乗り、「監視されて退屈な」フランコ独裁政権時代のバルセロナに現れる日本人学生など、かつての友人たちが、夜明け前、想い出がつくりあげた幽霊となって、ひとりずつ出てくる。登場人物の人生、現実になるとは限らない彼らの運命は、人生の中で他者が占める真の位置について、読者に自問させる。乾舷(つまり海から出ている部分。それに対し喫水部とは海の下に使っている部分)を見せて航海する船のように、ホセ・ルイス・デ・フアンのこの素晴らしい物語は、夜明けと夜の間、現在と想い出の間をたゆたいながら堂々と進んでいく。

オブスクラ2。10の短編

Obscura 2. Diez relatos

共同作業

Obra colectiva

Obscura Editorial S.L.

恐怖と不安と不信感を感じさせる不確かなもの。未知の、よくわからない、謎めいたもの。弊社の看板となったアンソロジー『Obscura, Diez relatos(オブスクラ 10の物語)』(本サイト2021年紹介作品。新たに私たちを、不確かなもの、隠されたもの、未知なるもの、すばらしいもの、震撼させるもの、神秘なるものへと導く。ホラーやファンタジーやSFの分野の中堅どころから、頭角を現しつつある若手まで、10名の作家の不安をかきたてる10編を収録。10編はそれぞれ全くばらばらだが、そのねらいはひとつ、暗黒の無限の顔を読者に知らしめることだ。

Obra colectiva著『Obscura: Diez relatos』の表紙

オブスクラ 10の物語

Obscura: Diez relatos

共同作業

Obra colectiva

Obscura Editorial S.L.

オブスクラ(OBSCURA)とは、「不確かな」、「恐れや不安、疑念を抱かせるような」、「無名の」、「世に知られない」、「怪しげな」という意味である。各作家が作品を通して恐怖に対する自身の見方を忠実に映し出した選集。 一見怖くなさそうだが最後は予期せぬ怖い展開になる作品、出だしから恐怖を感じる作品、さらには、思いもよらない場所(その多くは人間の心の内)にも恐ろしさがあることを教えてくれる作品もある。ホラー文学界で台頭著しい作家たちによる選集であり、多彩なアプローチによる作品の数々が集結。この中から自分にあったものを見つけるのは難しいことではないだろう。

極地を観察する

Observando los polos

バネッサ‧バラゲ

Vanessa Balagué

Editorial CSIC

地球の気候に重要な役割を持つ極地で、自然環境が劇的に変化している。これは気候変動への敏感な反応によるもので、極地外の緯度帯の気候、海洋、環境の動態に直接影響を及ぼす。この本は北極と南極に関する知識の現況―その地質学的進化、この領域における切迫した汚染問題、多様な陸域及び海洋生態系の特徴、過去の進化と将来の極地の気候―を包括的、学際的に提示することを目的としている。最終的な意図は北極と南極の類似点や相違点を面白く、だが明確に説明し、気候変動が極域に及ぼす変質について関心を持たせることにある。

Javier Barreira著『Occidente, llorarás por mí』の表紙

西洋よ、お前は俺の いで泣くことになる

Occidente, llorarás por mí

ハビエル‧バレイラ

Javier Barreira

Editorial Kolima

Occidente, llorarás por mí (⻄洋よ、お前は俺のせいで泣くことになる)は、⼩さな事件が発端となり、徐々に史上最⼤のジハーディスト(イスラム過激派)の脅威を明るみに出していく捜査を描いた推理⼩説。当初、型どおりの確認作業をしていた⼩さな事件が、氷山が少しずつ姿を現すかのように、国際的にも影響を与えるとんでもない様相を⾒せていく。政府の秘密情報部員という厳しい仕事で鍛え抜かれた主⼈公、ミゲル・アギーレがこの難事件の解決に挑む。犯罪の陰謀を解き明かしていくにつれて、脅威と危険はエスカレートしていき、やがて物語は時間との闘いとなる。ハビエル・バレイラは、マドリードを舞台にした壮⼤なスパイ⼩説を書きおろし、読者を最後までハラハラさせる。

海洋

Oceánica

ヨランダ‧ゴンサレス

Yolanda González

De Conatus Editorial

2019年8月、G7のサミット開催の直前に1頭のクジラがオンダリビアの海岸に打ち上げられた。富を象徴するお祭り騒ぎに水を差すための自然からのメッセージだろうか。あるいはエコサイドを続ける政府の非難を目的とした反体制グループの工作だろうか。いずれにしても40トンの動物の死骸は公衆衛生上の脅威であることに間違いない。クジラの死の原因調査と責任の所在を突き止めることが急がれる。それと並行して名も知れぬ人々の声が合唱となって同じ海を航海し、大々的なクジラ漁が始まった5世紀前へ時間を遡る。海洋の衝撃的な現状を書いた小説で、新たな環境問題を探りつつ現代が抱える倫理と政治の矛盾を突き付ける。

生き生きと充実した老後を送るための大切な趣味

Ocio valioso para un envejecimiento activo y satisfactorio

マヌエル‧クエンカ‧カベサ

Manuel Cuenca Cabeza

Editorial CCS

老後は人生の一部であり、思ったよりもずっと早く始まる。ただ、それを後ろ向きにとらえる必要はない。むしろ老後は人生で一番楽しい時期かもしれない。とにかく全力を尽くして楽しむだけだ。老後を生き生きと過ごすことの大事さはよく耳にするが、大切な趣味を持つことが、人生を豊かに、そして老後を充実させる助けになることは知られていない。趣味とは単に自分の好きなことをするだけではない。刺激や生きる意欲を与えてくれることをするのも趣味といえる。本当の趣味というのは、どんなに小さな行為であっても、生きる意味を与えてくれる。本書は、大切な趣味について、そしてそれを実践することのメリットについて取り上げた本である。全部で20の短い章からなり、章ごとに充実した老後にまつわるテーマが掲げられている。読む人ごとに違った驚きや発見、ヒントがあるだろう。

Pablo Carbonell著『Oda al mar』の表紙

海への頌歌

Oda al mar

パブロ‧カルボネル

Pablo Carbonell

Nuevo Nueve Editores

オブスクラ(OBSCURA)とは、「不確かな」、「恐れや不安、疑念を抱かせるような」、「無名の」、「世に知られない」、「怪しげな」という意味である。各作家が作品を通して恐怖に対する自身の見方を忠実に映し出した選集。 一見怖くなさそうだが最後は予期せぬ怖い展開になる作品、出だしから恐怖を感じる作品、さらには、思いもよらない場所(その多くは人間の心の内)にも恐ろしさがあることを教えてくれる作品もある。ホラー文学界で台頭著しい作家たちによる選集であり、多彩なアプローチによる作品の数々が集結。この中から自分にあったものを見つけるのは難しいことではないだろう。

Mario Muchnik著『Oficio editor』の表紙

編集者の仕事

Oficio editor

マリオ‧ムクニック

Mario Muchnik

El Aleph Editores

スペインで最も名高い編集者のひとりの回想録。本と同じだけ古くからあるこの職業の、いわば弁明の書である。この中でムクニックは、迫りくるデジタル革命の中でも、編集者の仕事は削除したり排除したりできない職業だとしている。すなわち著者が過ちをおかさないよう守り、そして読者をもまた過ちをおかさないよう守るのが編集者なのだ。

Alexandra Roma著『Ojalá siempre』の表紙

どうかずっと

Ojalá siempre

アレクサンドラ‧ロマ

Alexandra Roma

Ediciones Urano, SAU

彼女は、親友の一番下の妹。黄色が大好きで、思うままに星を線で結んで星座を描き、彼女独自の星空を創りあげていた。彼は、革ジャン姿の反抗的な少年で、彼の胸をかき乱すあれこれをボールペンで描いていた。ふたりは共に一時代を駆け抜け、思い出を作り、唇がほとんど触れそうなくらい近くにいることもあるほど、ずっとお互いをとても必要としていた。今、フリエタとマルコは疎遠になってしまったが、運命的にサラマンカの街で再会し、昔の歌は決して色あせないのか、トラファルガーの灯台は新たな夕暮れとともに彼らを待っているのかを確かめる。過去、現在、誓い、時の秘密を抱えた砂時計、そして「La chica de ayer(昨日の女の子)」の曲の中に≪ずっと≫が隠されているかもしれないという希望…。

Anabel Botella著『Ojos azules en Kabul』の表紙

カブールの青い目

Ojos azules en Kabul

アナベル‧ボテリャ

Anabel Botella

Plataforma Editorial

サイラは自分の容姿を好きだと思ったことが一度もない。金髪で目が青く、みんなにカラミ、つまり私生児と呼ばれていた。姉と母、祖父と一緒にアフガニスタンに住み、自分を8歳と思っている。ある時、タリバンの忠実な信奉者である残酷な男、ラミンがサイラの人生に現れ、一家に永遠の不幸が降りかかる。しかし、すべてが失われた訳ではなかった。スペイン軍のおかげで、サイラはスペインのバレンシアに行くことができ、里親の愛情に包まれて育つ。だが、過去の悪夢は頭からはなれることがない。パブロの愛が心を開くチャンスをくれたとき、サイラは幼い頃の傷を癒し、幸せになることができるのだろうか?

José Ramón Gómez Cabezas著『Ojos que no ven』の表紙

うつろな目

Ojos que no ven

ホセ‧ラモン‧ゴメス‧カベサス

José Ramón Gómez Cabezas

Editorial Anagrama

クーデターの企てと、新共和制確立に向けて機運が高まり、アルフォンソ13世の王政が揺らいでいた不安定な激動の時代。ホアキン・コルドバは、友人マテオから至急の呼び出しを受ける。ホアキンをトレド特有の霧が迎え、その霧は古都の栄華を覆い隠すように刻々と広がっていく。ホアキンは、タホ川の河畔で起きる一連の嫌な出来事に少しずつ巻き込まれていく。両目をえぐり取られた何人もの売春婦の死体が連続して発見されるが、誰もそのことを気にしていないようだ。捜査が進むにつれて、ホアキンは自分と周囲の人たちの命を危険にさらすことになる。ホアキンは、トレド騎士団と呼ばれる怪しい若者グループの足取りを追うが、殺人事件の進展とともに、彼は友人までも疑うようになる。

Fran Toro著『Olivos de cal』の表紙

石灰のオリーブ

Olivos de cal

フラン‧トロ

Fran Toro

Susana Alfonso Agencia Literaria

簡素にしたデリーベスの作品を彷彿させる農村小説。丁寧に描写された登場人物たちがひたすらに隠す感情は静という形で昇華され物語の主役の域に達している。ハエンの地で繰り広げられるふたつの物語は厳しい30年代まで遡る。巧みな言葉遣いは農場に灯ったランプのまどろみを誘う光のように読み始めた途端に読者を包み込む。フェンネルやローズマリーの香りが漂うオリーブ畑を歩き、銃殺班を前にした時や爆弾の攻撃にさらされた時の自らの呼吸を感じ、花盛りのオリーブの梢の揺らぎに身を任せよう。フラン・トロの小説はロレ・イ・マヌエルのようで、湿った大地の匂いとオリーブ油の味がする。スサナ・フォルテスの言葉を借りれば、「ひとりの女性の姿を描き、古いオリーブの木の間を抜けて人生の坂を上っていく、その息遣いまで感じさせる」小説だ。

Ainara Bezanilla Orallo著『Olor a mandarina』の表紙

みかんの香り

Olor a mandarina

アイナラ・ベサニリャ=オラリョ

Ainara Bezanilla Orallo

La Maleta Ediciones

それは冬のこと:あなた、絵、雨、時折の太陽、そしてみかん。

Belén Gaudes y Pablo Macías著『Omar, ¿el zoo no quieres visitar?』の表紙

オマール、動物園に行きたくないの?

Omar, ¿el zoo no quieres visitar?

ベレン・ガウデス と パブロ・マシアス

Belén Gaudes, Pablo Macías

Cuatro Tuercas, S.L.

オマールは動物が大好きです。だから、好きな科目は自然科学です。でも動物園に行くと、ひどく泣きたくなります。ゾウからミミズまで、幸せになるためには自由に生きる必要があります。動物への真の愛を見つけましょう。韻を踏んで書かれたこの絵本は「Ande yo valiente(勇敢に行きましょう)」シリーズの一冊。ステレオタイプ、不平等、性差別から解き放たれるこのシリーズの物語は、ユーモアと感動をもって、子どもたちは大人からの偏見なしに成長すべきであること、そして多くの場合、大人である私たちが彼らの「小さな」知恵から学ぶべきであることを思い出させてくれます。

Alaine Agirre Garmendia著『On ha anat, l'avi?』の表紙

おじいちゃんはどこに行ったの

On ha anat, l'avi?

アライネ‧アギーレ‧ガルメンディア

Alaine Agirre Garmendia

La Topera Editorial

「年を取るごとにおじいちゃんが衰えてるとおばあちゃんが言うけど、何のことかちっともわからない。学校で石は時の流れによって浸食されすり減ると習った。でもおじいちゃんは石じゃない。それとも石なの? 時々そう思える、だって例えば寝ている間は1ミリも動かないから」。2015年ラサリーリョ賞絵本部門の栄冠に輝いたタッグが戻ってきた。今回は時の流れや老化、そして死を子どもの目を通して語る優しく感動的な物語。幼い子どもを対象に、愛する人の旅立ちを、現実を踏まえつつほっこりと、そして誠実に語りかける。

追跡作戦

Operación sabueso

フリオ‧サントス

Julio Santos

Xarpa Books

7歳以上を対象とした児童向け冒険シリーズ。色彩豊かなイラスト入りの120ページを超える本で、冒険、ミステリーなどが楽しめる。「やあ!僕はチャノ。双子の兄弟の名前はオスカル。緑色の不思議な隕石を見てから、僕たちはテレパシーを感じるようになったと親友のラウルとソニアに話したら、とても驚いた。それで彼らが最初に思いついたことがなんだかわかるかい? なんと捜査本部を作ることだったんだ! そんな時、ツインシティでは犬の失踪事件が相次いでいた。だからどうしたって? それが大いに関係あるんだよ。さあ、本を開いて何が起こるのか、君自身が発見してよ」

Alberto Guaita Tello著『Orgullo de cuervo』の表紙

カラスの自尊心

Orgullo de cuervo

アルベルト‧グアイタ‧テリョ

Alberto Guaita Tello

Aerys Producciones

隣人への愛と自然の大切さを伝える10編の愉快なアフリカの物語で、様々な文化を垣間見ることができる。本のタイトルになっている話はカラスに捕えられた年老いたトカゲが、巧妙にカラスの自尊心をくすぐって難を逃れようとする物語。

José Ramón Alonso著『Osa』の表紙

オサ

Osa

ホセ・ラモン・アロンソ

José Ramón Alonso

Kalandraka Editora

オサはひとりぼっち。寒さと冬がやってきたので、寝るのにいい場所をさがします。ある朝、かくれがに光がさしこみ、おなかがもぞもぞと動きます。おなかがすいたからではありません。オサには新しい春が訪れるでしょう。そして、もうひとりぼっちではありません……。生命と自然のサイクルに基づいた、母性を自然でおだやかな出来事として描く心あたたまる物語。それは、母と子の間の特別なつながりを示すかけがえのない瞬間です。繊細で、比喩的で、非常に詩的でいて物語の力強さをあらわすイラストは、あらゆる年代の読者を魅了するでしょう。

Andrea Izquierdo著『Otoño en Londres』の表紙

ロンドンの秋

Otoño en Londres

アンドレア‧イスキエルド

Andrea Izquierdo

Nocturna Ediciones, S.L.

「エルズミーアホテルはハイドパークの南、ロンドンの高級住宅街、ピーターパンの作者の住まいのあったサウスケンジントンにある」奨学金のおかげで大学に入学できることになったリリーは、このホテルに泊まることになり、その豪華さに呆然とする。しかしメレディスにとっては、そのホテルはごく当たり前の場所で、アバにとってもそれは同じだった。アバの一番の関心事は、しつこいコナーにどんなに迫られようと、自分の秘密が明かさないこと。コナーは韓国人の青年で、いつも(母親のせいでいつもみなの話題にのぼる)レックスやマーサにくっついて歩いている。マーサは髪が青く、パーティでトムと会った時に派手に立ち回った子だ。そう、トム・ロイ! トムはフィンの友だちの、テレビゲームが大好きな赤毛の子で、オリバーを目の敵にしている。このオリバーと、リリーは一切関係しない方がいいだろう。秋の始まりとともに、これらの登場人物たちがサウスケンジントンで集う。そこは、頂上が高いだけに、落ちた時の危険が高い場所だ。

Vicente García Oliva著『Páginas del diario de Simón』の表紙

シモンの日記のページ

Páginas del diario de Simón

ビセンテ‧ガルシア‧オリバ

Vicente García Oliva

Pintar Pintar Comunicación

シモンはついに日記帳を手に入れた。頑丈な装丁に、秘密をまるで金塊であるかのようにしっかり閉じ込めてくれる南京錠まで付いた立派な日記帳だ。これで、あのうわさ好きの弟フリアンに自分の経験を知られなくて済むだろう。最近転校してきた自閉症の少年エクトルとの友情や、自分が先入観なしに彼を自然に受け入れた話、それにエクトルがいつも自分を理解させることができるとは限らないこと(ましてや他の生徒には)、必要な時は、シモンはいつでもこのクラスメイトを守るだろうということも。日記帳の各ページには、愛情に満ちた、気負わない自閉症へのアプローチの仕方が綴られている。

文学の風景

Paisajes literarios

ヌリア‧ソルソナ

Núria Solsona

Zahorí Books

多くの小説では、物語が展開する舞台がどこでもいいというわけではない。どんな偉大な作品でも、舞台や風景は主人公と同じくらい、物語と密接に結びついている。本書は25の世界的なYA文学の傑作をとりあげ、その作者がかつて住んだり、夢見た場所を巡る文芸入門の旅。それは、文学への美しいオマージュであり、名作の読書へといざなうもの。また、本書で取り上げたすべての作品には、風景の重要性に加えて大きな共通点がある。自由への願望と書き言葉の力が独自の道を模索するよう、私たちを突き動かすことだ。

Aina Bestard著『Paisajes perdidos de la Tierra』の表紙

地球の失われた光景

Paisajes perdidos de la Tierra

アイナ‧ベスタル

Aina Bestard

Zahorí Books

わくわくするような地球の歴史――その誕生と進化――を、光景の変化に視点を置いて辿っていく本。思わず引き込まれるようなアイナ・ベスタルドの描くイラストと、主な出来事を簡潔かつしっかりと記した解説が特徴。植物原料の紙に、古生代および中生代の動植物のイラストを収録。また地球全史のなかで、読者が今どこを見ているのか確認できる年表も掲載されている。レイアウトも凝っていて、たとえば「化石」のページでは、化石が描かれた厚紙をめくると、数百万年前に生きていた動物たちの在りし日の姿が現れる仕組みになっている。バルセロナ自然科学博物館との共同出版。

Gonzalo Moure著『Palabras de Caramelo』の表紙

キャラメルの言葉

Palabras de Caramelo

ゴンサロ‧モウレ

Gonzalo Moure

Anaya Infantil y Juvenil (Grupo ANAYA)

コリは西サハラ砂漠の難民キャンプで暮らす耳の聞こえない少年。読み書きが何に役立つのか理解しないまま学校に通っている。おじの家の小さな柵の中で、キャラメル色のラクダの赤ちゃんが生まれる。コリはキャラメルと名付け、すぐに友だちになる。コリは口の動きから言葉を読みとることに慣れているので、ラクダが唇を動かすときは話をしているのだと考えている。こうして、コリは大切な友だちキャラメルの詩のような言葉を形にしたい一心で、字を書く練習をしはじめる。しかしある日、恐ろしいことが…

ロバの腹

Panza de burro

アンドレア‧アブレウ

Andrea Abreu

Casanovas & Lynch Literary Agency

生きがよくワイルドで生々しい、古典となること間違いなしの、イニシエーションの物語。思春期の入り口にいるふたりの少女の衝撃的でかけがえのない友情、尊敬・羨望・嫉妬・欲望の感情がたえず行き交う交友を描く。カナリア諸島のテネリフェ島内陸部の(人からも観光客からも遠い)小さな村の、いつになく暑かった2005年の夏を舞台に、思春期、21世紀的な苦悩、地理的社会的な辺境での夢と人生を語る。アンドレア・アブレウは24歳のとき、マドリードのランジェリーショップで働きながらこの小説を書いた。カナリア諸島方言で書かれ、現代の若者言葉が用いられている。(訳注:「ロバの腹」とは、カナリア諸島グラン・カナリア島の夏の曇り空を指す表現)

パンツァーディヴィジョン―ドイツ国防軍装甲師団の歴史、組織、装備、制服(1935~1945)

Panzerdivisionen - Historia, organización, armamento y uniformes de las divisiones acorazadas de la Wehrmacht (1935-1945)

リカルド‧レシオ‧カルドナ

Ricardo Recio Cardona

AK Interactive

本書は、1935年の創設から第二次世界大戦終結に至るドイツ国防軍装甲師団の歴史と組織の、長期にわたる研究の成果である。また、この師団に供給された軍需品であるAFV(装甲戦闘車両)の様々なモデルを網羅する。数多くの組織図やカラー図版を収録、280枚以上のアーカイブ写真は多くの未発表写真を含む。制服に関する章も加筆された。

パピコメニーニョス (子食い妖怪パピ)

Papicomeniños

マリサ‧ロペス‧ソリア

Marisa López Soria

Galimatazo Editorial

幼いカルメンは創造性を発揮して自室の壁に思う存分絵を描くことにした。パパがすごく嫌がることは確実だ。そしてパパが怒るとパピコメニーニョスに変貌する。さて、パパが壁に描かれた絵を見たら何が起こるかな?

Paulo Cosín Fernández著『Para qué leer. Fomentar la lectura en jóvenes y adolescentes』の表紙

読書はなぜ必要なのか。若者とティーンエイジャーの読書を奨励する

Para qué leer. Fomentar la lectura en jóvenes y adolescentes

パウロ・コシン・フェルナンデス

Paulo Cosín Fernández

Ediciones Morata, S.L.

読書はなぜ必要なのか? 私たちは何に励まされ、駆り立てられ、行動させられ、揺さぶられて、どんな本でもいいから一冊開くのだろうか?まるで私たちを待っていたかのように語りかけてくる一冊を? 読書は人間特有の能力であり、私たちを娯楽や現実逃避、知識や考察へと導く、ひとつの財産であり美徳である。しかし何よりも、喜びや博識を超えて、私たちの存在理由を見出す対話へと私たちを開放するものである。 ガート・ビースタが言うように、「教育とは、この世の中で成長した主体として存在したいという意欲を他者に引き起こすこと」であるならば、私たちは若者たちが社会で自分の役割を見つけられるよう、この素晴らしいツールを伝えるという大きな挑戦と責任を負っている。また、教育に(どのレベルであれ)関わる大人として、私たちは読書のための社会協定を達成する義務がある。 この本では、考察はもちろんのこと、若者たちが簡単に取り組める多様な方法を通じて読書への関心を呼び起こすための提案や参考文献を見つけることができるだろう。芸術は私たちに幅広い表現の可能性を提供してくれる。 教育者ロリス・マラグッツィの言葉を借りれば、「子どもには100の言語があり、私たちはそのうち99を奪っている」。私たちはそれらを返還しなければならない。 彼らに「なぜ読むのか」を示そう!

傘は何の役に立つ?

¿Para qué sirve un paraguas?

フスト‧RR

Justo R.R.

La Orquídea de Darwin

ロドルフォ氏は日課の散歩に出ようとしている。だが雨が降っている。傘を手にするが破れていることに気づき、ごみ箱に捨てた。もう役に立たない、別の傘を買わなければ。だけどちょうど通りかかったマリナがそれを見つけ、ふたりは傘とその部品から山のように用途を引き出す。残ったのは座金だけ……、これだって、テントウムシの家になる。

Paloma Gómez Borrero著『Para ti... Papa Francisco』の表紙

あなたのために、フランシスコ法王

Para ti... Papa Francisco

パロマ‧ゴメス=ボレロ

Paloma Gómez Borrero

Grupo Editorial Bruño

誕生からローマ法王に選ばれるまで、フランシスコ法王の人生を、小さな子ども向けにやさしい言葉で描いたプレゼントブック。説明の中に、法王の感動的な言葉が引用され、法王の人となりを浮かび上がらせている。温かみのある写実的なイラストが心に残る。

Juan Martínez de las Rivas著『Paseo』の表紙

散歩

Paseo

フアン・マルティネス=デ・ラス・リバス

Juan Martínez de las Rivas

Editorial Pre-Textos

植物について何も知らない作家が、何年も手入れされずに放置されていた庭と家の世話を予期せずして引き受けることになる。引退間近の庭師が、彼に最初の手ほどきをする。その庭師が引退した後、作家はひとりで庭の手入れをし発見を続ける。本書は、庭を言葉で再現することを目的とする。生き物、植物、地元の人々との出会いの物語や、時の移ろいの観察を通して、いかにして彼が庭師となり、彼が手入れし創造する世界の断片がいかに生きていくかが綴られる。自然への研ぎ澄まされた視線を備えた文章は、訪れる人にその場所の秘密を教える散歩のようだ。

José María García López著『Pasolini o la noche de las luciérnagas』の表紙

パゾリーニもしくは蛍の夜

Pasolini o la noche de las luciérnagas

ホセ‧マリア‧ガルシア=ロペス

José María García López

Nocturna Ediciones, S.L.

1975年11月1日から2日にかけての夜、ピエル・パオロ・パゾリーニはオスティアの海岸で無残に殺害され、ヨーロッパ全体を震撼させる。検視結果は複数犯の存在を示していたが、ひとりの若者が犯人として有罪となる。犯罪学者の女性と男性教員が真相の究明に乗り出す。ふたりが目をつけたのは、マフィアと石油王エンリコ・マッテイの不可解な死について書いたパゾリーニの未完の小説『石油』だ。著者はパゾリーニが『命ある若者』で描いたような少年たちとローマの街を巡り、パゾリーニの生涯と、その悪魔たちー文学作品、映画作品、フェリーニやサルトル、モラヴィア、エルサ・モランテなど、時のアーティストや知識人との交流、揺るぎない政治思想ーについて、スリリングな小説を仕立てあげた。

パストゥール、微生物学的革命

Pasteur, la revolución microbiana

ジョルディ‧バヤリ‧ドルス

Jordi Bayarri

Anillos de Sirio

シノプシス: 臨床微生物学の先駆者ルイ・パスツールは、あらゆる生物は既存の生物から生まれることを証明し、自然発生説を否定した。微生物に関する彼の理論は細菌説と呼ばれ、医学の研究に革命を起こすものだった。それは無菌法の基礎を築き、その後、多くの命を救うことになるワクチンの開発など、新しい世界への入り口となったのである。本書は、パスツールの生涯と研究、また彼がどのように未知の生物たちが躍動するミクロの世界を発見したのかを紹介する。

Fernando Aramburu著『Patria』の表紙

祖国

Patria

フェルナンド・アランブル

Fernando Aramburu

Tusquets Editores

バスク武装組織ETAが武装放棄を発表したとき、ビトリは、テロリストに殺された夫の墓前で、彼らが住んでいた家に戻る決心をしたと報告する。彼女自身と家族の人生をめちゃくちゃにしたテロ事件の前も後も、彼女に嫌がらせをした人々と同じ場所で暮らすことができるだろうか? ビトリの存在は、村の、特に隣人ミレンの見せかけの平穏を乱すことになる。ミレンはかつて親友だったが、ミレンの息子のホセ・マリは投獄中のテロリストで、ビトリにとって最悪のテロ事件の容疑者だった。かつてはあんなに仲のよかったふたりの女性の人生、子どもたちの人生、夫たちの人生に毒を振りかけたのは何だったのか? 見ないふりをしてごまかしているふたりの心の傷と揺るぎない信念、痛みと勇気をつづる。テロ事件を挟んだ彼らの物語は、政治的ファナティズムによって破壊されたコミュニティで忘却は不可能だが、許しが必要だと読者に語りかける。

Alberto Barrera著『Patria o muerte』の表紙

祖国か死か

Patria o muerte

アルベルト‧バレーラ

Alberto Barrera

Tusquets Editores

サナブリア医師は参っていた。ベネズエラの政治的状況は悪化の一途だし、個人的には、反チャベス派の過激な妻と急進的体制派の弟の間を取り持つのにはうんざりしていた。そればかりか、政府の官僚である甥に、極秘の危ない録音が入った携帯電話を隠してくれと頼みこまれた。そんななかで、失業中のジャーナリストは大統領の病気についての本を仕上げるためにとんでもないことをしでかし、暴力が横行する街を避けて母親とふたり家に閉じこもって暮らす9歳の少女は、チャットで知り合った少年に僅かな希望を見出す。2015年トゥスケッツ賞受賞作。カリスマ的な大統領に左右される国特有の緊張感が続くベネズエラの現実を勇気をもって描いた、ぐいぐい読者を引き込む物語。

Alberto Sánchez Argüello著『Paula y la Luna』の表紙

パ-ラと月

Paula y la Luna

アルベルト‧サンチェス‧アルグエーリョ

Alberto Sánchez Argüello

Takatuka

パウラは月面旅行を夢見る女の子。パパの肩に登って届くか確かめてみたり、自作のロケットをシャボン玉や凧を使って飛ばそうとしたり、あれもこれも試してみた。そして大きくなったら、重力の法則を跳ね返す方法を学んでやろうと毎晩考えている。作者のツイッター上で連載されていた子ども向けショートショートのミニシリーズから生まれた本作は、「いつか月に行ってみたい」と願い続けるひとりの少女の空想のなかへと読者を誘う。そしてソニャ・ヴィマーの見事なイラストによって、夢の実現に向けて準備をする少女の世界に引き込まれる。その目標は、とても近くに見えている。

Jorge Quintana Orti著『Pedaleando en el infierno. Biografía de un ciclista en tiempos de penumbra』の表紙

地獄でペダルを踏みながら――薄暗がりの時代におけるある自転車レース選手の伝記

Pedaleando en el infierno. Biografía de un ciclista en tiempos de penumbra

ホルヘ‧キンタナ‧オルティ

Jorge Quintana Orti

Libros de Ruta Ediciones

本書は小説だが、ひとつの時代全体を忠実に描き出したものでもあり、残念ながら有名になった、警察によるドーピング摘発作戦「オペラシオン・プエルト」をはさんだ前後数年間に、スペインのプロ自転車競技で起きたことを鋭く描いている。光と影の時代:不動産バブルと公的助成金の急増で、数多くの新チーム結成が可能になったが、その浮かれ好景気は暗い一面も伴っていた。読者は若きルカス・カストロを通してその暗い側面を知ることになる。そして彼の自転車レース選手になりたいという夢を抱いていた子供時代から、自転車競技のエリートになるまでの歩みを追体験することになる。ひとつの世代の全自転車レース選手の、ジャーナリスティックな記録として読むことができる小説。本書はドーピングの世界を隠さず描いている。動機、誘因、実行、それら全てを、永遠に発展していくように思えたスペインという国とその経済を背景に描く。

チビヨギ

Pekeyoguis

クリスティーナ‧ブロンド

Cristina Brondo

Grup Enciclopèdia

本書は、著者が子供達とともにいくつかのヨガルーティーンに取り組む様子をカラー写真で紹介している。また家族で実践できるヨガルーティーンを収めた特別映像も収録。

Pedro Estrada & Raquel de la Morena著『Peliculibros 3D: Magos y Dragones』の表紙

映画本3D 魔法使いと>Pゴン

Peliculibros 3D: Magos y Dragones

ペドロ‧エストラーダ、ラケル‧デラモレーナ

Pedro Estrada y Raquel de la Morena

ST&A Literary Agency

ファンタジー映画『指輪物語』、最近公開された『ホビット』から『はてしない物語』『オズの魔法つかい』『ファンタジア』『マジック・ダンス』『コナン・ザ・グレート』などの名画へのオマージュとして生まれた新しい本。『映画本3D』シリーズの主人公は5人の子どもたちで、5人で力を合わせて謎や追跡や挑戦に立ち向かっていく。羽のあるサル、魔女、小人……。脚本家が戻ってきた! ファンタジー映画の世界で、どんな驚きがきみを待ち受けているのか? 3Dめがねをかけて、この新しい世界を体験しよう。さあ、アクション、スタート!

Rafael Ordóñez Cuadrado著『Peluquería Alegría』の表紙

うれしさ理髪店

Peluquería Alegría

ラフ=エル‧オルドニェス

Rafael Ordóñez Cuadrado

Bookolia Editorial

エドゥアルドは町で一番有名な理容師。さすがは「うれしさ理髪店」、お客さんはみんな幸せで満ち足りた気分になって店を出る。それなのに、彼はため息をついてばかり…どんな秘密があるのか? お店にはとても愉快な人たちがやってくるけど、彼らのうれしさをエドゥアルドは共有できないみたいだ。いつか誰かが彼自身にしあわせをもたらしてくれない限り。愛すべきキャラクターたちが登場し、最後は意外な展開を迎えるユーモアたっぷりの絵本。

Silvia Navarro Pedreño著『Pensamiento creativo y acción social innovadora』の表紙

創造的思考と革新的社会行動

Pensamiento creativo y acción social innovadora

シルビア‧ナバロ‧ペドレーニョ

Silvia Navarro Pedreño

Editorial CCS

社会的現実が複雑で変化しやすくなっている今日、私たちは従来の考えを改め、新たに問いかけ、さらに社会を観察、理解、アプローチしていくことで新たな理論を選ぶことが求められている。もし、私たちが今までと異なる視点から新しいつながりを求めるならば、もし他の人たちが直面していた問題や障害を見ようとするならば、もし変化の先頭をきって今までやったことのない行程を想像したり探求したりするならば、私たちの実践は大きな意味を持ち反響があるだろう。理論と概念を実践や省察に結びつけた本書は、イノベーションという刺激的で肥沃な分野の旅のガイドであり、限りない体験や発見、驚き、学び、成長ができる、まるで不思議な国のアリスのワンダーランドへの招待状のようである。

Sofía Gil著『Pensamientos』の表紙

思考

Pensamientos

ソフィア‧ヒル

Sofía Gil

Editorial Flamboyant

頭の中を吹き荒れる嵐ほどひどいものはない! 寝ている時すら人間の心は休んでいないのだから。子どもたちが緊張したり、不安になったり、悲しんだり、怒ったりする時の思考がどのようなものか知るのに役立つ本。また子どもたちは本書を通じて、彼らの小さいけど素晴らしい頭の中から不愉快な考えを素早く消し去るための、とっておきのコツを学ぶことができる。

Gracias Iglesias著『Pepita Sarmiento』の表紙

ペピータ‧サルミエント

Pepita Sarmiento

グラシア‧イグレシアス

Gracia Iglesias

Grupo de Comunicación Loyola, S.L.U.

外に出るたびに風に吹き飛ばされる女の子ペピータ・サルミエントのお話。ペピータがとても遠いところまで飛ばされてしまうことを恐れた家族は、彼女を地上に留めておくための手段を講じた。果たしてペピータを留めておく方法を見つけられるのか。グラシア・イグレシアス(文)とダビド・シエラ(イラスト)が手掛けた素敵な面白い絵本で、どこの家族内にもある多様性をどのように尊重するかを見出すための本。

Sandra Alonso著『Pepito Cebolla』の表紙

たまねぎペピート

Pepito Cebolla

サンドラ‧アルンソ

Sandra Alonso

La Maleta Ediciones

ペピートはたまねぎみたいな男の子……。なぜたまねぎかって? それは周りの大人たちが、ペピートを子どもではなくて「たまねぎ」のように、何層もの愛情で包んでいるから。その層がはがれた時、何が起きるかな?

BIYの小さな小屋。親子で建てるプロジェクト

Pequeñas cabañas BIY. Proyectos para construir juntos

ダビド‧タピアス‧モネ

David Tapias Monné

Editorial GG - Gustavo Gili

子供と大人が一緒に建てて楽しむ16タイプの小屋の作り方。簡単なテクニックでできる素敵な小屋の建て方を覚えれば、子供は建築に対する興味を持つだろう。家族や学校、友人や地域のグループ、あるいは日曜大工を趣味とする人を念頭に考えられた本。これらの小屋は遊び心と想像力を育み、また遊びながら建てることで特別な気分を味わえる。Build it yourself(BIY)で建てる小屋の本。あなた自身で小屋を建てよう!

Marta Sanz著『Pequeñas mujeres rojas』の表紙

小さな赤い女たち

Pequeñas mujeres rojas

マルタ‧サンス

Marta Sanz

Editorial Anagrama

パウラ・キニョネスは、スペイン内戦中の集団埋葬場所を探すためアサフラン村を訪れる。その不自由な片足を村に踏み入れるや否や、空が彼女の上に覆いかぶさって閉じ込められたような感覚に襲われる。まるで見えないゴムに体を引っ張られ、目的地であるベアト・ホテルから遠ざけられているような感じがしたのだ。そのホテルは「アスフロン」と読める看板の隣にあった。その夏、パウラは『Black, black, black(ブラック、ブラック、ブラック)』(著者が2014年に発表した小説)の主要登場人物のひとり、私立探偵サルコの義母ルスと手紙のやり取りをすることになる。ルスは美しい庭でのダビッド・ベアトとの恋愛を語る。また、密告者の存在についての怖れや、ホテル・ベアトに伝わる一族の伝説についても打ち明ける。一方で、ダビッドの母アナリアは、100歳の誕生日を迎えたばかりの優しい家長ヘスス・ベアトを愛情こめて介護し、ヘススが耳元でささやくメッセージに耳を傾ける。そして大勢の飢えた幽霊のような迷子たちと死んだ女たちの話に。

Fran Pintadera著『Pequeño problema』の表紙

小さな問題

Pequeño problema

フラン・ピンタデラ

Fran Pintadera

Iglú Editorial / Kalosini S.L. (Grupo editorial Olé Libros)

この物語は子どもたちに、いさかいを解決するには協力が大切だということを教えてくれます。静かな農場で、動物たち(めんどり、ひつじ、あり、ねずみ)がなかよく暮らしていました。ところがある日、小さな問題が発生して、みんなで協力できるかどうかが試されることになります。物語を通して、動物たちはそれぞれ課題を克服するために最善を尽くします。こうして、団結し協力することが効果的な解決策を見つけるためには不可欠であることを示すのです。 この物語にはチームワーク、共感、コミュニケーションといった基本的な価値観が含まれています。うまく使えば違いは強みになり得ることを、登場する動物たちが教えてくれます。さらにこの物語は、力を合わせて前向きに、問題に取り組む方法を示しています。教育的な観点から見ると、本書は子どもたちの社会情動的発達を促進するのに優れています。この本を読むことは、子どもたちが自分の感情を同定し、管理するのに役立つからです。また、他者と積極的に交流する方法も学べます。異なる視点を理解し、チームで働くのを学ぶことは、子どもたちの将来にとって欠かせません。

Anabel Rodríguez Sánchez著『Perdedores』の表紙

敗者たち

Perdedores

アナベル‧ロドリゲス‧サンチェス

Anabel Rodríguez Sánchez

Ediciones Dokusou

士官学校で恐ろしい事件が発生した。ある男が殺害され、遺体はばらばらにされて隠されたり下水溝に投げ込まれたりしたのだ。容疑者とされたのは学校長でキューバ戦争の英雄、ビセンテ・アグレロ大尉。大酒飲みで賭博好きなうえ喧嘩っ早く、長女のビルトゥーデスと近親相姦の関係にあった。一方、殺害されたのは娘の恋人で、壮年の経営者だった。彼は娘やその弟らを父親の束縛から解放すると約束していた。新聞はこぞってこの事件を追いかけ、逮捕された父親と娘の仕業だと連日書き立てた。弁護士ふたりが選任され、それぞれ対立する立場から公正な裁判を求めて戦うが、頑固に罪を認めない大尉と、気まぐれなふるまいを続ける娘のせいで、弁護活動は難航する。

美術館で迷ったら

Perdido en el museo

ルイサ‧ベラ

Luisa Vera

Editorial Casals

近代美術館での散策はいかが? この本の主人公はマティス、モンドリアン、ピカソ、ドローネー、モネ、ゴッホ、ミロなどの画家を称える架空の美術館を歩き回る。各見開きページには折り返しがついていて、芸術ムーブメントに関しての簡潔な説明が添えられ、裏にはその時代の画家の絵に着想を得た迷路遊びがある。もう一度戻って遊びたくなること間違いなし!この美術館を訪れる親子と一緒に行って、印象派からポップアートまでの近代美術を堪能しよう。もし迷子になったら迷路を抜けて次の部屋へ出よう。案内付きの絵画巡りはすぐに信じられないような迷路の大冒険となるだろう。

Yolanda Hidalgo Sánchez著『Perfecto』の表紙

完璧

Perfecto

ヨランダ‧イダルゴ=サンチェス

Yolanda Hidalgo Sánchez

Editorial M1C, S.L.

本書の価値は目では見えないものの中にある。目で見ることのできない2つのもの、つまり人生に対する姿勢と、内面の美しさだ。本書の主要な目的は、読者の自尊心を強くすることだ。人から好かれ愛される子どもは幸福だ。だれもがみな鏡を見て、自分が内側に持っているものを発見できる。

Sergio A. Sierra著『Pergamino: El hijo del cazador de libros』の表紙

ペルガミーノ

Pergamino: El hijo del cazador de libros

セルヒオ‧A.シエラ

Sergio A. Sierra

La Galera Editorial

ペルガミーノは、スラブの伝説的王国アンの図書館司書ミコーラの息子。消えた呪いの本、うぬぼれの強い巫女たち、よこしまな神託、昔の生き物や、夜の力のような古の力の物語。ある夜、ペルガミーノは父が吸血鬼に脅されている場面に居合わせる。父は吸血鬼のせいで、話す・読む・書くという大事な力を奪われてしまう。ペルガミーノは父を救おうと、家に住む悪魔と魔法をかけられたヒツジとともに危険な旅にのりだす。しかし道は罠に満ち、最後に恐ろしい吸血鬼と対決することになる。中世のスラブの神話に基づきリアルな筆致で、読者を魔術的世界に誘いこむ。

Enrique mauricio Iglesias著『Periplo Atlántico』の表紙

大西洋横断記

Periplo Atlántico

エンリケ‧マウリシオ

Enrique Mauricio Iglesias

Lela Edicións

本書は、すでに著作権フリーとなっているアルフォンソ・R・カステラオ著『O negriño Panchito(黒くて小さなパンチート)』を自由奔放にアレンジした作品。パンチートはガリシアに住む唯一のペンギン。周りにほかのペンギンは一羽もいない。ある日、彼は町の若者たちがしているように自分も世界を見たいと思い立ち、こっそり船に乗り込んで、大西洋横断の冒険の旅に出た。ついに目的地の南極大陸に着くと、そこにはたくさんのペンギンがいた!…でも、ガリシアが懐かしくなって……。

空を見ている犬たち

Perros mirando al cielo

エウjニオ‧フエンテス

Eugenio Fuentes

Tusquets Editores

マドリードの重要な病院の救急医であるサンティアゴは、新型コロナの第一波によるストレスに満ちた毎日の後、久しぶりにゆっくり休暇を楽しもうと、妻と息子とともにエストレマドゥーラの小さな町ブレダに旅行に出る。そこは20数年前、彼が医師として初めて仕事をした町だった。だが、数日後、彼は死体となって見つかり、残された妻は、その死の捜査をベテランの探偵クピドに頼む。最後に引き受けた事件(若い妊婦が死んだ交通事故)を解決できずスランプにあったクピドは、その捜査に深くのめりこんでいく。殺人の理由は現在にあるのか、それとも過去にあり、それが戻ってこようとしているのか。謎が行き交い、思いがけない展開をとげる筋立ての小説で、フエンテスは自分の内なる土地に戻る。

Canizales著『Pesadillas』の表紙

悪夢

Pesadillas

カニサレス

Canizales

Apila Ediciones

友情について、そして小さな子どもが夜の恐怖に立ち向かえるように、恐れを別のものに変える方法についての幼児向け絵本。ピルとビスモは友だちで、同じ部屋で寝ている。ピルは起きたときから遊びたくてたまらなくて、そこらじゅうを跳びはねてるけど、ビスモはいつも悪夢にうなされて目を覚まし、休めないから疲れてる。でもピルには解決策があるよ。ビスモの悪夢に入りこみ、それを甘い夢に変えるんだ。

Gemma Lienas著『Petits contes amb grans valors』の表紙

大きな価値ある小さな物語

Petits contes amb grans valors

ジェンマ‧リエナス

Gemma Lienas

Asterisc Agents

身の周りに起きる物事からのみ得られる学びがある…私たちはそのことを時々ブルーゴブリンに思い出させてもらわねばならない。本書に収められた10編のすぐれた物語が、私たちに日常生活における感謝、敬意、忍耐、約束、責任、共感といったものの価値を認識させてくれる。本書を通じて、それらを生活に取り入れる方法を学ぶことで、大人も子どもも自分たちを取り巻くものとこれまで以上にしっかり結びつき、それがいっそうの幸福を得ることにもつながっていく。子どもたちを楽しませ、親にとって子どもたちを教育する際の助けとなる、価値ある10編の物語。

ペトロカリプシス 石油の終末

Petrocalipsis

アントニオ‧トゥリエル

Antonio Turiel

Plataforma Editorial

ペトロカリプシスという最悪の事態を回避するためには、惑わされることなく実状を理解し、一刻も早く行動すべきだと、本書は明らかにしている。そのうえで、現システムの代替となり得るエネルギーを厳しく、かつ明確に分析。新たなエネルギー源の将来的利用について、しばしば自信過剰ともなりがちなニュースとは一線を画しており、過去20年間に渡って議論されてきた偽の解決策が、なぜ機能しておらず今後もその見込みがないのか、ひとつひとつを簡潔に解説する。エネルギー移行によって生じるジレンマに、単純な解決策や近道など存在しない。エネルギー移行は、化石燃料が及ぼす環境負荷だけでなく、その将来的な枯渇という、無視されがちな観点においても必要だ。

覆っていないJール

Piscinas que no cubren

マリア・アグンデス

María Agúndez

Editorial Dieciséis

少女マリアは両親とともにメノルカ島に着く。そこは、人が変化に順応しつつ、生涯暮らしていく多くの場所のひとつだ。新居は、灯台の見える家〈エル・カリプソ〉だった。マリアは、島のなかの、不思議な生活を送る人々が隠れている場所を探検しつつ、成長していく。みなの世話をやく尼僧、ふたりの恋人たち、小さなクラブのウェイターと知り合い、外国人旅行客にあふれ、豪華な食事やクルーズや事故があるホテルを探検する。本作は、半ば自立した幼少期へのオマージュである。

Ana Flecha Marco著『Piso compartido』の表紙

シェアアパート(シェアハウス)

Piso compartido

アナ・フレチャ=マルコ

Ana Flecha Marco

Menoslobos taller editorial, S.L.

『シェアアパート(シェアハウス)』は、内側の小説。魔法と記憶と日常性が組み合わさった、風俗小説的中編。多くの思い出や経験を持つ5人の婦人の人生と、ひとりの若い娘の人生が交差する。主人公の娘は、婦人たちがシェアしているアパートになぜ、どのようにして自分が現れたのかわからない。彼女は、婦人たちの儀式に参加し、本や言葉を分類し、毎週金曜日には即席の美容サロンになる居間で、彼女たちの紫色がかったふんわりした髪の手入れをし、食事ごとに食後の長いおしゃべりにつきあい、ことに住人たちがくりだす物語に耳を傾ける。インスタグラムと労働、外国の訪問、昨日の歌が、女性同士のコミュニケーションと共生を描いたこの小さな小説のなかでまじりあう。

Belén Boville著『Pitré no es verde』の表紙

ピトレはみどり色じゃない

Pitré no es verde

ベレン‧ボビリェ

Belén Boville

Editorial Kolima

若い人型ロボットπ3は、宇宙バイクで星々を旅行しているときに、道に迷って地球に落下してしまった。落ちたのはスペインのカディス湾。そこで伝説の蒸気船バポルシトの乗組員たちに助けられる。そこから冒険が始まった。ピトレ(カディスの新しい友だちは彼のことをそう呼ぶようになった)は、へんてこな地球の暮らしを見て、住民の行いによってすでに荒廃した自分の星とどう違うかを知っていく。π3は地球に残って人類を助け、自分の星で起こったようなことにならないよう、気候変動や動物の絶滅をくいとめようと決心する。

Ana Flecha Marco著『Planeta solitario』の表紙

孤独な惑星

Planeta solitario

アナ・フレチャ=マルコ

Ana Flecha Marco

Menoslobos taller editorial, S.L.

旅行記を出版しようとしていた編集者からの非公式な提案に触発され、著者は旅行という行為や概念をめぐる周辺的なアイデアについての本を好きなように執筆しようと決意した。それ以外ではない、ある特定の場所の出身であるという概念、自身の知る範囲外に世界があるという認識、幼い頃の未来への展望、移動、荷物、同行者、旅から持ち帰る有形無形の記憶、そして純粋に楽しむための旅行という特権(あるいは幻想)等。どこか具体的かつ普遍的な考察の中に、エピソード、夢、記憶、そして現実と想像上の領域についての観察が織り交ぜられている。

Agustín González Ruíz著『Plano americano』の表紙

アメリカ全図

Plano americano

アグスティン‧ゴンサレス‧ルイス

Agustín González Ruíz

Tría Ediciones

フェルナンド・ペレス・デル・カスティーリョは1898年の米西戦争で米軍に一杯食わせた英雄の玄孫。異国風の金髪、意固地なまでの小心さ、そして名高い俳優になるとの強い熱意を先祖から受け継いでいた。このような性質を持った本書「Plano Americano(アメリカ全図)」の主人公はマドリードでのブルジョア生活から抜け出し、刺激的な冒険の旅に出て地球の半分を周り、多くの人と出会って様々な状況を経験する。その長い旅にもうひとりの自分、セルヒオが「ボイスオーバー」として同行し、現代の「社会制度」の多くの部分、つまり、家族、伝統的教育、能力と富の関係、社会的差別、成功の空虚さと不当さなどへの辛辣で容赦ない批判をする。主人公は物事に対していい解釈をする術を身につけていき、最後には、よりよい生き方の象徴へと変貌する。

Mercedes Bermejo著『Plantánimals』の表紙

プラントアニマル

Plantánimals

メルセデス‧ベルメホ

Mercedes Bermejo

Editorial Sentir

動物は好きかな? 植物はどう? 感情を持つ、植物と動物の中間の生き物がいることは知ってるかい? マルティナやマルコスと一緒に、そんなプラントアニマルについて学んでみない? 彼らが君に、感情とは何かを、そしてそれらを表現し理解する方法を教えてくれる。感情知能の刺激と発達が生活の質と幸福感を高めると指摘する研究は数多く存在する。ゆえに幼少期において感情知能を刺激する主な情緒的能力を知り、楽しく愉快な遊びを通してそれらを伸ばす例を知ることは非常に重要なのだ。本作はマルティナとマルコスが愛情、怒り、嫌悪、悲しみ、喜びといった幼少期の様々な感情を表す生き物プラントアニマルたちを明快かつシンプルな言葉で紹介する、双方向的で楽しいお話。

栽培化された植物と特別変異種

Plantas domesticadas y otros mutantes

イバン‧エドゥアルド‧ムニョス

Iban Eduardo Muñoz

Editorial Juventud

これまで不思議にも思わなかった謎に対する答えが見つかる本。今食べられている食物は最初から食用だったのか? カナリア諸島のバナナを北京で植えたら、そのバナナはカナリア産なのか、あるいは北京産? なぜ私たちは種無しスイカが欲しいのか。そして種無しスイカを植えるための種はどうやって手に入れる? 楽しみながら、例えば歴史の流れの中で植物の種がどのように変わっていったかといった様々な疑問を解くのに適した本。

プラタノとバナナ

Plátanos y bananas

アリアドナ‧フレック

Ariadna Fleck

本当に大切なことに関する愛らしい物語に、色彩豊かで楽しいイラストがついた本。昔あるところに、それは優れた賢者がいました。もう何も学ぶことがありません。そこである日、世界を巡る旅に出ました。多くの事を調べましたが、新しい発見はひとつもありませんでした。しかしある日ジャングルで何も知らないサルと出会います。さて、賢者はプラタノ(バナナの一種)とバナナの区別さえできないサルから何か学ぶことができるのでしょうか?

Álvaro Aguilera著『Plato de mal gusto』の表紙

貧乏くじ

Plato de mal gusto

アルバロ‧アギレラ

Álvaro Aguilera

Ediciones Akal

パラシオスはここしばらくやってきた仕事、ヒットマンをやめようとしている40代の男。 運よくとても実入りのいい仕事の依頼を受け、引退の可能性ができたように見えたが、その仕事が終わるとかえってことが複雑になり、報酬も彼自身の社会復帰も重大な危機に陥り始めた。お金を受け取るために、パラシオスは彼にとっては全く見ず知らずの汚い世界を彷徨うはめになる。その世界とは、都市計画がらみの投機から生まれる巨大マネーの世界。まだ傷が癒えていない過去と次々に再会する中で、友情、愛、裏切り、復讐といった言葉の本当の意味を見つける。 マドリードのプロレタリア階級が住むスラムと、上流社会の贅沢な建物の間を縫う道は、生きるか死ぬかの状況に彼を追い込む。

表彰台

Podio

アンドレス‧ロメーニャ

Andrés Lomeña

Alianza Editorial

年若きパウラ・センはとてつもない野心を持った競泳の選手で、4着でフィニッシュしてもトレーナーは喜ばないことを知っている。彼女は空中を滑らかに泳ぎ、ビルの壁を突き破り天空を漕ぎ進む夢を繰り返し見る。競泳の偉大な女性チャンピオンたちの姿に自分を投影するが、パウラの野望は彼女たちのレベルに達することではなく、追い越すこと。この野望がどこから生まれるのか分からないが、その可能性を試してみたいのだ。世界記録の樹立や4種目制覇のみならず、自分の名前センを冠した新しい泳法の考案をも目標にしている。表彰台の1番高いところへ上るために金メダルを熱望し、プールの中で築き上げられた最も偉大な伝説として歴史に刻まれるまで降りるつもりはない。しかしながら、誇大妄想とノイローゼの狭間にある厳しい競技人生は大きな犠牲を伴い、レースの最中に代償を払うことになる。

Fernando Clemont著『Polaris』の表紙

ポラリス

Polaris

フェルナンド‧クレモット

Fernando Clemot

Sophie Savary Agent littéraire

1960年、北極海。ヤンマイエン島の向かいに停泊する古い探査船「エリダヌス号」では全てが変わってしまった。ほんの数日間で、乗組員の船室は留置所に、食料貯蔵庫は取調室に変身。バッヨネと謎めいたドット氏は、そこで執拗なまでの取り調べを進めている。今は船医のクリスティアン医師を尋問する番だ。彼は病気で苦しんでいる。記憶が抜け落ちているかと思えば突然正気を取り戻し、霞がかかっていた部分をはっきりと思い出す。その容赦ない尋問中、クリスティアン医師と彼の助手ムター、および他の乗組員を結びつけている奇妙な関係が浮かびあがってくる。また戦争の記憶、以前の旅の記憶、そして彼らの雇い主であり、船を厳しくコントロールする船会社「ラ・セントラル」の異常な介在など、トラウマとなっている記憶がちらつく。

Daniel Pinilla Gómez著『Polifemo vive al Este. Viaje a la trastienda de Europa』の表紙

ポリュペーモスは東に住んでいる ヨーロッパ奥地への旅

Polifemo vive al Este. Viaje a la trastienda de Europa

ダニエル‧ピニーリャ=ゴメス

Daniel Pinilla Gómez

Punto Rojo Libros, S.L.

紀行ジャーナリズム再び。21世紀の真っ只中、地球の隅々が地図に載り、計測され、写真に撮られ、詳細に説明されている。未知の大地を見出し、何かを発見するといった感覚を味わうことは最早不可能なのか。ロバート・カプランやイーヴリン・ウォー、ドミニク・ラピエール、そしてウィンストン・チャーチルに至る、文学ジャーナリズムの偉大なるマエストロの足跡をたどるレポーターにとっては不可能ではない。本書は読者を、あまり踏破されていないヨーロッパの果てへと誘う。忘れ去られたかのような国や国境を探しにいくのだが、そこに残された遺産は逆のことを我々に物語る。歴史の本と手帳を携え著者は再発見の旅に挑む。

Pablo Caracol著『¿Por qué los patos vuelan en forma de V?』の表紙

カモはどうしてV字型で飛行するのか?

¿Por qué los patos vuelan en forma de V?

パブロ‧カラコル

Pablo Caracol

Liana Editorial

A celebration of freedom and courage. This delicate, evocative picture book explores the bond between generations—the wisdom grandparents impart and the cyclical nature of life. It invites readers to gaze at the sky and its winged creatures, to shift their perspective, and to discover their own unique path. Through transformative illustrations, the book whispers a truth: poetry and inspiration hide in plain sight, waiting to be found in our everyday world.

Sergio Colado著『Potencia tu cerebro, mejora tu vida』の表紙

脳を活性化し、人生を豊かにする

Potencia tu cerebro, mejora tu vida

セルヒオ・コラード・ガルシア

Sergio Colado

Marcombo, S.L.

あなたの脳が、一生涯にわたって変化し適応する驚くべき能力を持っていることをご存じでしたか? 本書『Potencia tu cerebro, mejora tu vida(脳を活性化し、人生を豊かにする)』は、神経科学、心理学、行動科学を巡る刺激的な旅へとあなたを誘います。そして、より大きな幸福、成功、そして喜びを得るために、いかにしてあなたの心を再プログラムできるかを明らかにします。この本は魔法を約束するものではなく、あなたが日々の生活で実践できる、科学的に証明された実用的な戦略を提供します。 記憶力と集中力を強化し、簡単な習慣でストレスを軽減し、脳のパフォーマンスを最適化し、心の健康と感情的な幸福感を向上させる方法を学びましょう。 明確で分かりやすく、エビデンスに基づいたアプローチで、本書は、あなたの脳の潜在能力を解放し、あなたが常に夢見てきた人生を築きたいと願うなら、不可欠なガイドとなるでしょう。

ポジック‧ビジ 幸せに生きる

Pozik Bizi Vivir Feliz

共同作業

Obra colectiva

Universidad del País Vasco - Servicio Editorial

鬱は幼少期や思春期によく起こり、周知された健康問題だと思われている。だが、子供たちは自分の心身の不調を十分に説明することができないため、診断で発見されることはめったにない。両親や教師はこれを見極める重要な役割を負っている。ポズック・ビジは成人期に大きなダメージを与える子供の鬱を予防するためのプログラムである。いくつかの教育機関で実験的に開始され、効果が上がっている。また、このプログラムが大事にしているのは、子供の鬱症状の予防と8歳から10歳までの子供たちの感情面の改善である。幼少期と思春期の鬱の増加に対応するには、早期治療しかないのである。

Sara Cano著『Presidenta por sorpresa』の表紙

突然、大統領になる

Presidenta por sorpresa

サラ‧カノ

Sara Cano

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

マルタはごく普通の13歳の⼥の⼦。何ひとつ変わったことの起きない、ベツリアという⼩国に住んでいる。興味があるのはその年代のほかの⼦たちと同じ(ユーフォリアという⾳楽グループや、友だちと遊びに出かけること)で、政治なんて死ぬほど退屈と思っていた。ところが究極のライバル、エクトル・ルフィアン・ジュニアに対抗心を燃やして学校の⽣徒会⻑に⽴候補したことから事態は⼀変する。悪事と賄賂にまみれたルフィアン⼤統領の息⼦、エクトルと争う⽣徒会⻑選挙が偶然にも⼤統領選挙と重なり、ベツリアの国⺠はふたつの選挙を取り違えてしまう。そして、これまでの政治家にうんざりしている国⺠は、なんとベツリア初の⼥性⼤統領を誕⽣させるべく⼀丸となってマルタに投票する。ガール・パワー!少⼥が⼤統領?!マルタに衝撃が⾛る。しかしベツリアの法律では、⼤統領は選出後100⽇間は辞任することができない。マルタは友⼈の⼒を借りて⼤統領を務めるため奮闘する。

プロディヒオーソ‧レペルス

Prodigioso Repelús

フアナ‧コルテス‧アムナリス

Juana Cortés Amunarriz

Anaya Infantil y Juvenil (Grupo ANAYA)

この作品は、他のモンスターとは違うモンスターのお話。プロディヒオーソ・レペルスという名のモンスターは、他のモンスターが食べるものに耐えられず、それにひどい口臭。 そのため、他のモンスターたちは彼を避け、彼は避けられないようにするために、食べるのをやめることにする。ある日、空腹に耐えられなくなった彼は、森で落とし物の本を見つける。それを丸のみすると、なんと、その食べ物が自分に合っていることに気づく。そこで、村の家々から本を盗んででも、もっと本を探すことにした。 子供たちは、お気に入りの本がなくなってしまい、眠れないので、みんなで団結して犯人を見つけることにした。

Ignacio Vidal Folch著『Pronto seremos felices』の表紙

幸せはすぐそこに

Pronto seremos felices

イグナシオ‧ビダル-フ>ルチ

Ignacio Vidal-Folch

MB Agencia Literaria

あるスペイン人営業マンが、東欧各国にある自社の拠点に出張の旅に出る。そこは彼が激動の80年代を過ごした地だ。冷戦時代の世界秩序が崩れ去り、資本主義へ移行する中、彼はプラハ、ブカレスト、ソフィアを再び訪れ、彼の人生に大きく係わった人々との再会を果たすが、歴史的出来事や時の流れが彼らの生き方や価値観、活動に及ぼした変化を見て愕然とする。最後に訪れたプラハで、協力者のカミラと再会するが、彼女が忽然と姿を消したことをきっかけに驚くべき旅が始まる。カミラを探し回るうちに次々と昔の知人と出会い、当時共に過ごした人々がいったい何者だったのか、彼らは何を隠していたのかを知ることになる。

Enrique Mauricio Iglesias著『Protexendo ao Camiño』の表紙

道を守りながら

Protexendo ao Camiño

エンリケ‧マウリシオ

Enrique Mauricio Iglesias

Polo Correo do Vento

聖ヤコブの道(サンティアゴ巡礼路)の価値をより広めようと制作されたイラストがたくさんついたガイドブック。このプロジェクトはサンティアゴ巡礼路協力基金の出資により実現した。聖ヤコブの道の様々なルートを、遊び心のある愉快な語り口で解説する。

Miguel Pedrero著『Proyecto Anticristo』の表紙

反キリスト計画

Proyecto Anticristo

ミゲル‧ペドレロ

Miguel Pedrero

Ediciones Cydonia

この小説は、調査報道記者として有名な著者が、スパイ・政治・経済の世界につながりを持つ人物におこなったインタビューから生まれた。主人公はスペインのシークレットサービスCNIの秘密情報部員アナ・マルドナド。彼女はある悪魔教団に潜入する指令を受ける。その教団にはスペインの要人たちが名を連ね、CNIが持つデータによれば、CIA(米国中央情報局)の隠密作戦のための隠れ蓑である。話が進むにつれて、マルドナドは、この世で最も大きな権力を持った男たちが悪魔的な哲学を信奉していること、彼らが1776年に設立された秘密結社イルミナティの継承者だということ、彼らの目的は、超国家的な要人たちが陰から操る世界政府をつくりあげるために地球を混乱させることだというのが次第にわかっていく。

I. Biggi著『Proyecto Moisés』の表紙

プロジェクト‧モーセ

Proyecto Moisés

I. ビギ

I. Biggi

EDHASA - Editora y Distribuidora Hispano Americana

大西洋の防壁と呼ばれた塹壕でナチス軍は連合国軍の侵攻を待ち受けていた。英国は兵員数でも装備面でも世界で比肩するもののない大艦隊を用意した。1944年の夏、共和国政府側について戦い、亡命したスペイン人の大学教授は、ドイツが恐ろしい新兵器を有していると伝えた。ユダヤ人科学者が開発したその兵器は、一発の炸裂で英国南部に野営する全ての部隊を根絶やしにできるという。連合国軍の参謀本部はその情報の真偽に疑念をもった。だが不要なリスクを負う局面ではなく、そのような可能性は相当に低いと考えたウィンストン・チャーチルは遊撃隊を組織。風変りな米国人大佐を隊長とし、その指揮下に帰るところのない男たちを集めた部隊は、物理学者が開発した脅威を発見し排除する使命を帯びて、ナチス率いるドイツに潜入する。

Agustín Fernández Mallo著『Proyecto Nocilla』の表紙

ノシーリャ計画

Proyecto Nocilla

アグスティン‧フェルナンデス=マリョ

Agustín Fernández Mallo

Santillana Ediciones Generales, S.L.

スペイン文学の歴史を変えた三部作が、初めて1冊にまとめられた。芸術が語りだし、詩的な散文で読む者をとりこにする小説と、古いポラロイド写真の想起力を持つ野心的なプロジェクトに、漫画家・イラストレーターのペレ・ジョアンがコラボし挿絵をつけた。アグスティン・フェルナンデス=マリョは、ほんの少しピントのずれた詩的で、どこか心を乱す空気を作り出すが、物語が進むにつれて、読む者の心は登場人物に寄り添っていく。これは古典的な意味でのミステリーでも、サスペンスでもホラーでもなく、どこか、もっと不気味なもの、動きだした物体のように我々の眼前につきつけられる現実そのものだ。登場人物は、すっかり理解しあうことのないまま現実のあとを追いかけていく。それぞれが彼自身でありother大勢でもあり、ある時起こったことは、再び繰り返される運命にあることを直観できないまま、いくつもの人生を守っていく。

María Oruña著『Puerto escondido』の表紙

隠れた港

Puerto escondido

マリア‧オルーニャ

María Oruña

Cristina Mora Literary & Film Agency

オリベルはカンタブリアのスアンセスにコロニアル様式の大きな家を相続する。改修の最中壁の中から赤ん坊の死体が出てきて、その隣には時代に全くそぐわないものが一緒に置かれていた。この発見をきっかけにこの地域一帯で次々と殺人事件が起きていく。司法解剖の結果はどれも不可思議なものばかりで、治安警備隊の捜査は難航し、オリベルは窮地に追い込まれる。オリベルは残された時間と戦いながら、殺人犯を見つけるための旅に出る。まったくのフィクションながら、歴史的データの多くは事実に基づく。捜査の専門的な知識に関しては治安警備隊作戦本部、司法警察捜査司令部、警備隊本部、法医学研究所の協力を得た。

ドキドキ

Pum Pum

パコ‧ソルド

Paco Sordo

Anaya Infantil y Juvenil (Grupo ANAYA)

友情は壁をも乗り越えることを学ぶための物語。田舎に住むポングは幸せなロボット。無二の親友カミラが近くにいる。でもたったひとつ不満がある。それは心臓がないので胸が“ドキドキ”しないことだ。

Anna Font著『Quanta gent es necessita?』の表紙

何人必要?

Quanta gent es necessita?

アンナ・フォン

Anna Font

Ute Körner Literary Agent, S.L.U.

私たちは皆、この世に生まれてきた瞬間からだれかを必要としています。生まれるためには母親が、成長するためには世話をしてくれる人が必要です…。この本は色鮮やかなコラージュと、「象に乗るには何人必要?」「寂しいと感じるには?」「キスをするには何人?」といった問いで満たされています。具体的な問題から抽象的な問いかけまで、ページの隅に隠された答えを見る前に、読者は自分なりの答えを見つけようと夢中になるでしょう。遊び心いっぱいに、アンナ・フォンは謎々をつなぎ合わせ、連帯のメッセージをちりばめます。それによって子どもは、「他者」が最大の贈り物であり、調和して暮らすためには互いに助け合うべきだと理解するでしょう。--セシリア・フリアス、エルムンド紙

発達っていい感じ!

¡Qué buen rollo el desarrollo!

マティアス‧ネスポロ

Matías Néspolo

Boldletters Editorial

本書は《Chic@Genial(クールな男の子・女の子)》シリーズの3冊目。10歳から14歳の少年少女を対象に、この時期特有の変化に向き合いやすくすることを目的として書かれた。身体の発達の全過程と、ケアや衛生面について説明しているだけでなく、自分の気持ちや感情を認識してコントロールし、意思決定と向き合い、アイデンティティを見つけ、他者とかかわることを教えてくれる。正確で実用的、勇気づけてくれて楽しめる本だ。健康的な習慣を確立するための完璧な指導書で、ユーモアもたっぷり、少年少女と周りの大人たちがこの時期をうまく乗り越えるために理想的。イラスト、漫画、図表が入って、文章を理解しやすくなっている。さらに実例によって学んだ知識を試せる練習問題もついている。

Teresa Viejo著『Que el tiempo nos encuentre』の表紙

時が私たちを見つけてくれ!す&aに

Que el tiempo nos encuentre

テレサ‧ビエホ

Teresa Viejo

Pontas Literary & Film Agency

若く美しいアウロラは、混乱のスペインと苦しかった過去を後に残し、メキシコに居を移して、裕福なビヒル=デキニョネス一族のベビー・シッターとして働くことにする。時は1941年。メキシコの雰囲気は、アウロラが逃れてきた陰鬱なスペインとは全く違っていた。ダンス、パーティ、大オーケストラ、そしてなんといっても映画産業が隆盛期で、メキシコの映画スターたちはハリウッドのスターたちと競っていた。アウロラは彼女の本当の将来は、戦争の恐怖に打ちひしがれたスペインではなく、メキシコにあると理解する。アウロラは、富と栄光の夢を追うスペイン人青年パブロ・アリアガに恋をする。彼は、映画パージのために1936年に消えてしまったある映画のフィルム3巻を見つけることにとりつかれている。アウロラは謎めいたドイツ人女性と親しくなる。多くの秘密を隠す売春宿のオーナーだ。運命は、若い主人公アウロラに、過去と未来の選択を迫ることになる。

愛ってなんなの、ミニモニ?

Què és això de l'amor, Minimoni?

ロシオ‧ボニージャ

Rocio Bonilla

Edicions Bromera S.L.U.

ミニモニは愛犬のマックスとお散歩するのが大好き。マックスとならすごく分かり合える。でも、大人たちの話は時として理解に苦しむ。例えば、愛の話…、山をも動かす、って言うけど、同時に、とても小さいものの中にあるらしいし、愛があれば私たちは飛べるらしい。愛の概念や愛するということについて私たちに、新しい視点から楽しく考えさせるため、ミニモニとロシオ・ボニーリャが帰ってきた。だってミニモニは、大人の説明に全然納得しないで、こんな質問をするんだ。「愛っていうのは、なにかがものすごく欲しくなる時のことでしょ。だったら私、スパゲッティーに恋しちゃったってこと?」

Elisa Ramón著『¿Qué hace un elefante bajo el manzano?』の表紙

ゾウはりんごの木の下で何をしているの?

¿Qué hace un elefante bajo el manzano?

エリサ・ラモン

Elisa Ramón

Iglú Editorial / Kalosini S.L. (Grupo editorial Olé Libros)

ゾウはりんごの木の下で何をしているの? たくさんのことをしているよ。この物語は、子どもたちの読書を推進し、楽しく教育的な方法で本に親しませるための優れたツールです。きっと本書は、何度も読み返して楽しめるお気に入りの一冊になるでしょう。フランセスク・ロビラの丁寧なイラストとエリサ・ラモンの楽しい文章を通して、その秘密を発見してください。

Ximo Abadía著『Que nunca se acabe』の表紙

いつまでも

Que nunca se acabe

シモ・アバディア

Ximo Abadía

Litera Libros

読書への賛歌、いつまでも終わってほしくない本、常に私たちに寄り添ってくれる本へのオマージュ。そして子育てへの、一冊の本のように綴られていく人生へのオマージュ。いつまでも終わってほしくない瞬間、そして常に私たちに寄り添ってくれる瞬間へのまなざし。

Belén Gopegui著『Quédate este día y esta noche conmigo』の表紙

今日と今夜、い し#にいて

Quédate este día y esta noche conmigo

ベレン‧ゴペギ

Belén Gopegui

Agencia Literaria Carmen Balcells

これはマテオとオルガ、そしてグーグルに宛てたエントリーシートの物語。ロボットに興味があるマテオは、人間同士の関係から価値がなくなるのではないかということを調べたくて仕方がない。数学者兼実業家のオルガは、統計モデルこそ物語であり、確率とは自由であることの最も正確な名付け方だと思っている。普遍的な物語が出会いと会話、相手の声を聞きたいと思う気持ちで構成されているという意味では、これはラブストーリーだ。なぜならあらゆるラブストーリーのように、ここで描かれる出会いにもこの世界に生き存在するふたつの形のすれ違いが含まれているからだ。マテオとオルガはふたつの世代、窮地に陥っても直接会うのではなく、グーグルに頼るふたりの人間を象徴している。これは人間関係を詳細に分析し、社会格差とテクノロジーによる人間性の喪失を批判する小説だ。

しがらみを焼き払う

Quema de huesos

ミレン‧アグル=メアベ

Miren Agur Meabe

成熟したひとりの女性が、思い出の中で自分の人格の跡を追い求める。時間の経過のもたらした喪失と獲得物をうけいれ、人生に求めることができるものとできないものを見分けることを知る。苦境から自分を救うすべを学ぶ。いない者たちの不在を認める。愛の絶対的価値を信じないが、最後のチャンスを与える。ほかの女性たちの苦悩や恐れを知る。皮肉な息遣いを保つ。そして、孤独のなかに成長し続けるためのはずみを見つける。時には、よきものが私たちを傷つけることがないように風を見張りながら火を焚く。本書の21の物語の主人公はそういったことにつとめ、生涯を通して積み重なってきたしがらみを書くことによって燃やそうとする。なぜなら、書くことは、刈り株を焼き払うことだからだ。もちろん儀式としての焚き火だ。物を書くことで人生は燃やせない。

愛しい子どもたちへ

Queridos niños

ダビド‧トゥルエバ

David Trueba

Editorial Anagrama

友人との食後のおしゃべりのように楽しいが、肝臓につきささる鉤爪のような打撃を与える小説。敵から〈カバ〉と呼ばれている、主人公のバシリオは、その相反する性質をいくらかかかえている。119キロの巨体の彼は、そのあだ名を喜んでいる。機会をねらってじっと動かないカバの沈着さは彼のめざすところであり、またカバの獰猛な性質、攻撃的本能、とんでもない知性が彼をひきつける。だから、快適な隠遁生活を数週間やめて、代表候補アメリア・トマスの選挙キャンペーンに同行しないかという誘いがあったとき、彼の中の獣が伸びをして、動きだした。スペインのあらゆる市町村をまわるあいだ、彼の使命は候補の演説にダイナマイトをこめ、ライバルたちに弁舌でガソリンをかけ、とおりがかりにすべてを燃やすことだった。

Janeth G. S.著『¿Quién mató a Alex?』の表紙

だれがアレックスを殺した

¿Quién mató a Alex?

ハネス‧G.S

Janeth G. S.

Futurbox Project (Grupo Ático)

ハンナは16歳の女の子。コンピューターやSNSと向き合うだけの単調で退屈な毎日を送っている。しかし、フェイスブックでアレックス・クロウェルという人物からメッセージを受け取ったとき、すべてが変わる。彼女はすぐさま彼に友だち申請をし、数秒後に承諾されるが、そこで不安なことがもちあがる。アレックスのウォールを見て、彼が死んでいることがわかったのだ。これほどぞっとすることがあるだろうか。その直後、だれが自分を殺したのか、調べるのを手伝ってほしいと、アレックス本人からメッセージが届く。ハネス・G.S はメキシコの作家。この青春恋愛ミステリーで、ワットパッドコミュニティに革命を巻き起こした。

Carlo Frabetti著『¿Quién quieres ser?』の表紙

だれになりたい?

¿Quién quieres ser?

カルロ‧フラベッティ

Carlo Frabetti

エバは12歳。好奇心旺盛で、あふれ出る疑問はとどまるところを知らない。ちょっとおかしな物知り発明家、ライと知り合ったことで、すべてが見えている通りとは限らないし、いつでも答えがもっとも重要というわけではないと気づく。

ロボット

R-Boot

ジュアン‧トゥル

Joan Turu

El Cep i la Nansa Edicions

ロボットR-BOOTの物語。人間が愛と優しさを得るために、ロボットを必要とする社会について考えさせられる絵本。

Rosario Villajos著『Ramona』の表紙

ラモーナ

Ramona

ロサリオ‧ビリャホス

Rosario Villajos

Menoslobos taller editorial, S.L.

E. M. フォースターの言葉によると、小説においてはたとえば、悲しみというたったひとつの言葉がストーリーとプロットを分ける。悲しみがプロットをつくるのだ。本書『Ramona(ラモーナ)』は幼年期から青年期への移行を、その過渡期に生じる特有の悲しみを通して描いた物語。その描き方のためだろう、主人公も彼女を取り巻く登場人物たちも読者の同情に訴えかけようとせず、贖罪を求めている風でもない。ロサリオ・ビリャホスがつくりだす世界では、ヒロインの旅は、通行料を払う手段さえ持たないことを知る人の旅だ。よく似た我々の世界でも、ストーリーは常に我々を拒絶するが、プロットはそれを驚くほど容易にやってのける。

Olga de Dios著『Rana de tres ojos』の表紙

三つ目のカエル

Rana de tres ojos

オルガ‧デ‧ディオス

Olga de Dios

Apila Ediciones

三つ目のカエルは汚れた場所で育ち、住んでいるところの水もとてもきたない。でも、それはなぜ? 何が起きているかを理解し、自分の住みかがひどい状態になっている原因を見つけるためには、うんと高くジャンプしなければならない。やがて、三つ目のカエルは物事を変えていこうと決心し、おばあちゃんに助けてもらい、今の現実を変えて環境をよくしていくという課題にいっしょに挑んでくれる友だちを探しだす。共通の解決策を探すよう私たちを勇気づけてくれるお話。

Jin Taira Alonso著『[re]TOKIO』の表紙

変わりゆく東京

[re]TOKIO

ジン‧タイラ‧アロンソ

Jin Taira Alonso

Satori Ediciones

ジン・タイラ=アロンソは1970年、オビエド生まれ。日本人の父とスペイン人の母を持つ。原広司、磯崎新、伊東豊雄といった世界的に名高い建築界の巨匠たちの近くで、日本で建築家としてのキャリアを積んだ。SDreview(SDレビュー)やCasa de Encuentros de Corvera(コルデラ出会いの家)など国内外のコンクールでの入賞歴あり。非常に創造的かつ個性的な人物として知られる同氏は、著作物を発表し、国内外の雑誌「アルキテクトゥーラ・ビバ」や「10+1」などで記事を書いている他、建築と都市に関するコース、ワークショップ、国際会議の企画・協力などの活動も行なっている。現在はMPC-arquitectosスタジオの一員としてカナリア諸島に拠点を移した。またラス・パルマス・デ・グラン・カナリア大学の国際化・モビリティ・国際プロジェクト担当副学長でもある。

Asier Larramendi著『Récords y curiosidades de los dinosaurios. Terópodos y otros dinosauromorfos』の表紙

恐竜の記録と驚異の世界 獣脚亜目など

Récords y curiosidades de los dinosaurios. Terópodos y otros dinosauromorfos

アシエル・ララメンディ

Asier Larramendi

Larousse Editorial

獣脚亜目の恐竜たちは1億3千500万年もの間地球を支配していた。ほとんどが肉食の獣脚亜目に、私たちは畏敬をこめた恐れを抱きつつも魅せられる。直系の子孫は現在では鳥類として世界中の大陸で私たちと共存している。本書はこれまでに出版された獣脚亜目の記録の中で、最も詳細で厳密な書籍である。2000以上の図解や説明図と、300以上のカラー復元図を駆使して約1000種に上る有名な恐竜を紹介する。各章の内容は以下のとおり。「比べてみよう」獣脚亜目のうち最大のものはどれか、最小のものはどれかを示す。「中生代の暦」恐竜が生きていたさまざまな時代を掘り下げる。「恐竜の世界」どのようにどういうところに恐竜は広がっていったかを示す。……

Tessa Julià著『Refugiada: La odisea de una familia』の表紙

難民の少女 ある家族の旅

Refugiada: La odisea de una familia

テッサ‧ジュリア

Tessa Julià

La Galera Editorial

どうしてこんなに急いで起こされたんだろう? まだ夜なのに。荷物もほとんど持たずに出発なんて。ピクニックに行くわけじゃない。みんなの顔には恐れと悲しみが浮かんでる。パパはわたしの手をぎゅっと、痛いくらいに握る。泣き出したい気持ちだけど、泣かない。どこに行くんだろう? どうして逃げるんだろう? 話題のフィクションである本作の主人公の疑問は尽きない。

気候変動に る難民たち

Refugiados climáticos

ミゲル‧パハレス

Miguel Pajares

Rayo Verde Editorial

ミゲル・パハレスは、気候変動で国を追われて難民となる人々をどのように考慮するかというジレンマを掘り下げる。本書は、気候変動に関するふたつの章から構成されており、もっとも冷酷な移民反対論者の意見にも耳を傾けている。また、何十年も前から状況を知っていながら無責任に行動していた政府の消極的な姿勢を分析して憤慨する。気候変動の主な原因が豊かな国々の過剰生産と過剰消費だというのに、貧しい国々には悲惨な結果がもたらされ始めているのだ。新型コロナウイルス感染症は私たちの弱い部分をさらけ出したが、その脅威は、気候変動の脅威には到底およばない。著者は、アフリカやアジア、ラテンアメリカで起こった災害の詳細を私たちに教えてくれる。

José Fonollosa著『Refugio』の表紙

動物保護施設

Refugio

ホセ‧フォノロサ

José Fonollosa

Grafito Editorial

Did you know that thousands of pets are abandoned by their owners every year? And do you know what happens to them afterward? José Fonollosa, a volunteer at an animal shelter, recounts anecdotes and daily experiences with the shelter’s animals in this comic, infused with his signature humor. He reveals what happens to these animals after they’re surrendered—how staff and volunteers help them adjust to their new environment and overcome distrust from past trauma. All this leads to that long-awaited day when a new family gives them a second chance at life—a chance they wouldn’t have had without the tireless care and dedication of shelter workers.

Mario Alonso Puig著『Reinventarse: Tu Segunda Oportunidad』の表紙

ハーバード流 自分の潜在能力を発揮させる技術

Reinventarse: Tu Segunda Oportunidad

マリオ・アロンソ・プッチ

Mario Alonso Puig

Plataforma Editorial

マリオ・アロンソ・プッチ博士が、自分自身をもっと深く理解するための地図を示してくれます。私たちが世界を見て、感じ取るときの「ものの見方」は、実はどのようにして作られるのか。その秘密を博士が一つずつ解き明かしていきます。 私たちのものの見方は、往々にして未来への可能性よりも過去の失敗や責任に目を向けさせがちです。しかし本書を読むことで、そんな状況も全く新しい視点で捉え直すことができるようになるでしょう。

リラックスして教育しよう

Relájate y educa

アマヤ‧デ‧ミゲル

Amaya de Miguel

Plataforma Editorial

本書では、育児のあらゆるテーマに関して数多く寄せられる親達の疑問に著者が答えている。例えば怒りの管理、兄弟喧嘩、宿題、整理整頓、テレビやゲームとの付き合いかたなど。その他、遊び心のあるしつけのツールも数多く紹介している。そのベースとなるユーモアのセンスやゲーム、歌、物語は、困難で複雑な日々の状況を解決する有効な手段。感情の緊張を和らげ、子供達に前向きな行動を促す。

語れ、何かが残る

Relata, que algo queda

ホアン‧ガブリエル‧ブルゲラ=セラ

Joan-Gabriel Burguera-Serra

Edicions de la Universitat de Barcelona

バウマンが予期した「液状化する社会」は、公共の言説や、あらゆるフォーマットの画面上に留まらず、SNSの中にも無限に表れている。これらのコンテンツは必ず〝ストーリー〟を必要としている。そこから発せられるメッセージはそれ自体が目的となり、装飾や誇張があったり、明らかに推測に基づいているものであっても、ほぼ問題視されない。重要なのは、それが相応な構造を有し、狙っている戦略に合致しているという点である。まさに政治コミュニケーションは、作られた〝ストーリー〟で世論を操るという方法が執拗に繰り返されている分野のひとつだ。本書は、言葉、イメージ、レトリック、虚構、歪曲といった観点からこれらストーリーの結び付きをほどき、さらに分析を加えることで、政治コミュニケーションを支配するパラダイムを解読していく。

人魚のラメイス

Remeis de Sirena

テッサ‧ジュリア

Tessa Julià

L'art de la memoria edicions

海とそこに住む魚や人魚、船乗り、海藻、軟体動物、子供や大人たち、その魅力に触れる詩集。凪の時も嵐の時も、夜も昼も、風の歌にも波の砕ける音にも、渡り鳥の鳴く声にも、恐れを抱かず、その美しさ、多様性、広大さに驚く。

Andrés Barba著『República Luminosa』の表紙

きらめく共和国

República Luminosa

アンドレス‧バルバ

Andrés Barba

Casanovas & Lynch Literary Agency

私たちが幼年期という概念を再定義せざるを得なくなるには、何が起こらなければならないのだろうか? 出自不明の32人の暴力的な子どもたちの出現が、ジャングルと川に挟まれた小さな熱帯の町サン・クリストバルの生活を完全に混乱させる。20年後、その出来事の当事者の一人がこの『光の共和国』を執筆する。これは、子どもたちが死ぬまでの1年半の間に町を支配した際、都市がいかにして秩序と暴力の概念のみならず、文明そのものまでも再構築することを余儀なくされたかについて、事実、証拠、そして噂を織り交ぜて綴った年代記である。緊張感と不安に満ち、『闇の奥』のコンラッドの鮮明さを持つこの作品で、バルバは彼の常套手段である物語の大胆さと曖昧な状況を描く才能に加えて、偉大な物語の息づかいを持つ形而上学的で暗い寓話の次元を加えている。

Ines Castel-Branco著『Respira』の表紙

息をすって

Respira

イネス‧カステル=ブランコ

Inês Castel-Branco

VéroK Agency

ベッドタイムの母と子の対話の本。だがこれは、日中いつでもどこにでもある親子のやりとりではない。この本には、小さな子どもに自分の呼吸に意識させるための様々なエクササイズがわかりやすい図解とともに集めてあるからだ「ママ、今日はねむれないよ!」「どうして?」「わかんない……おちつかなくて、頭の中でぐるぐる考えごとをしちゃうんだ」「息をする方法をおしえてあげようか?」「息のしかた? そんなのもう知ってるよ!」「でも、どうやって息をしているか、ゆっくり考えてみたことある? どこから空気が入って、どこから出るのか、ふくらむのはお腹なのか胸なのか、ゆっくりと吸ってるのか、急いで吸ってるのか……」

創造的な肖像画、もしくは友人を失う技法

Retrato creativo o el arte de perder ami gos

リュイソット

LLuïsot

Editorial GG - Gustavo Gili

アーティストのリュイソットの手ほどきで君が学ぶのは、現実をそのまま描くというより、紙の上で創造的な本能を自由に発揮するのに必要な基礎知識を身につけるということ。それは、ヘアスタイル、アクセサリー、口ひげ、顔だち、靴や柄、構図、パターン、色…。この楽しい絵画の本には、絵を描くことへの恐れを取り除き、創造的な肖像画の技法を体験するための、数々の秘訣が詰まっている。まず友達に来てもらって……さあ、彼らの肖像画を描いてみよう!

弓道の師の真実

Revelaciones de la maestra del arco

ハビエル‧ベラ

Javier Vela

Editorial Pre-Textos

偽りの伝統の断片を散りばめ、そこに一見相反するメカニズムを混ぜるボーダーレスな記述。読者が導かれるのは故意に歪められた非現実の日本だが、著者は発明や神話で彩られたその列島を庇護する。寓話、詩、物語風エッセイを集めた本書は、著者の個人的な歩みに時間、空間、様式、記録(仏教の経典からアニメーション映画まで)を組み込んだ奇想天外な旅だ。物語と余談、メモと注釈、詩とアフォリズムが荒唐無稽なモザイクを作り、ユーモアと神話、パロディーと崇拝をミックスしながら「師匠」と「弟子」の関係に切り込んでいく。

José María Rodríguez Olaizola著『Rezando vamos』の表紙

祈りながら私たちは行く

Rezando vamos

ホセ・マリア・ロドリゲス=オライソラ

José María Rodríguez Olaizola

Grupo de Comunicación Loyola, S.L.U.

幼い子どもにとって、福音書を理解するのは難しい場合がある。そこに出てくる用語や場面、登場人物は、大人の世界やイエス・キリスト特有の文脈になじむよう想定されているからだ。数年前からRezandovoy(レサンドボイ、「祈りながら私は行く」の意)のグループは毎週日曜日、主日の福音書を子ども向けにアレンジしたミサを行っている。本書にはマルコによる福音書の文章を集成。イラストのおかげで読者がその場面を楽しみ、大人も童心に返って真理を直観することができる。この試みの意図は、様々な教育や子どもの相手をする場面で親世代、伝道士、教育者に役立つ資料を提供することであり、イエス・キリスト及びその友人について学ぶ術を身につけるためのものである。

Soledad Romero著『Robos de leyenda』の表紙

伝説の強盗

Robos de leyenda

ソレダード‧ロメロ

Soledad Romero

Zahorí Books

金、冒険、挑戦への渇望。巧妙、大胆、諧謔精神。この200年間で屈指の強盗事件に関する興味深い研究のもと、史上もっとも利口な泥棒たちを紹介する。たとえば、アルベール・スパジアリは、ニースのソシエテ銀行で金を奪った後、金庫室に「武器なし、暴力なし、恨みもなし」と書置きした。グラスゴーの列車強盗、ニースやフォルタレザの銀行強盗といった、悪名高い強盗事件の犯人たちの実像に迫り、どのようにそれらの強盗を計画し実行したか、また、その後の警察の捜査の驚くべき詳細をつまびらかにする。当時の新聞の第一面のデザインを踏襲したユニークなレイアウトを施し、各章でひとりずつ、伝説的な強盗を取り上げ語っていく。

Federico García Serrano著『Robos, expolios y otras anécdotas del arte viajero』の表紙

旅する美術 ― 窃盗、略奪、その他の逸話

Robos, expolios y otras anécdotas del arte viajero

フェデリコ‧ガルシア=セラーノ

Federico García Serrano

Larousse Editorial

冒険推理小説として読める、芸術の世界を描いた図版入り作品。本書はユニークな形で芸術とその歴史にアプローチしていく。数々の作品が時の流れとともに様々な場所を経て現在に至る、その旅(戦争、略奪、返還、有名な窃盗事件、遺産の奪い合い、コレクションの流行、売買やオークションがもたらした結果)をテーマとしている。こういった旅の醍醐味は、「アルノルフィーニ夫妻像」や「鏡のヴィーナス」(他にも、知名度は劣るが背景に偉大な歴史を持つものがある)のようなすぐれた作品の歴史に近づけるだけでなく、魅力的な人物、出来事、感情、芸術様式とムーブメント、作品が通過してきた象徴的な空間(芸術家のアトリエから、愛人の寝室や銀行家の執務室を通り、美術館のホールにたどり着くまで)がモザイクのように組み合わさった背景を知ることができる点にある。

ロボットランド

Robotland

ベルタ‧パラモ

Berta Páramo

Zahorí Books

さあ、これから、ロボットの歴史を巡る素晴らしい旅に出よう。語り手はベルタ。ロボットは、みなさんの想像以上に長い間、私たちの生活の一部となってきた。その起源は、仕事、時間の計測、宇宙観測、音楽の創造などのために、人工生命を作りだそうという人間の永遠の衝動から生まれたものである。そしてその進化は絶え間なく、ますます速くなっている。この特別な旅を通じて、ロボットランドの最も現代的な住人から原始的な先祖、さらにフィクションの世界に属するロボットたちにいたるまで、あらゆるロボットに出会うだろう。

Francisco Narla著『Ronin』の表紙

浪人

Ronin

フランシスコ‧ナルラ

Francisco Narla

Agencia Literaria Albardonedo

名誉、復讐、そして運命。時代の波にもまれた侍の物語。時は1600年、大海が国々を鍛え男たちを静めていた時代、フィリピンを目指して航海中のテルシオ軍の少尉ダマスコ・エルナンデスは出世して女官コンスタンサと結婚することを夢見ていた。同じ頃日本は群雄割拠の世。後に伝説となる長期に渡る包囲戦が行われていた伏見城では、4万の兵を率いる敵軍に対して、ほんの一握りの強者が城を守っていた。名誉の最期を遂げるには最早切腹しか無いと思われたその時、大将がその中のひとりに切腹を諦めさせ、ある任務を命じる。それは浪人に身を落とし、裏切り者を探し出すことだった。多大な権力をもつ藩主たちに翻弄される。明日をもしれぬ運命の我が身。やがて復讐の心を決めた浪人は、ついには驚くべき大航海の末スペインに上陸する。

Pilar Rahola著『Rosa de ceniza』の表紙

灰の薔薇

Rosa de cendra

ピラル‧ラホラ

Pilar Rahola

Columna Edicions, S.A.U.

キューバ戦争からすでに多くの年月が過ぎた。貧困と不幸に打ちひしがれた兵士だったアルベルト・コルネル=イ=エスピガはもう二度とみじめな思いをすることはない。彼は生き残り、新たな男になったと感じた。その予感通り富を築いてカタルーニャの上流階層と交流し、裕福な家庭をもった。時は政治的に不安定でいつ火花が散ってもおかしくない状態にあった。1901年の選挙ではカンボとプラット=ダラリバ率いるリーガ・ラジウナリスタが勝利。王党派とレルー派は暴動を起こし、政府がさらに追い打ちをかけた。カタルーニャは恐怖と不安の時代を過ごすが、それは同時に大きな夢と希望の時代でもあった。本作品は1909年にバルセロナで起きた「悲劇の1週間」を見事に再現している。絶対の真理がどこにも存在しない唯一無二の激動の時代を圧倒的な叙述力で巧みに描く。

Encarnación Villasevil著『Rostros 100% bellos』の表紙

100%美しい顔

Rostros 100% bellos

エンカルナシオン‧ビリャセビル

Encarnación Villasevil

Videocinco Editorial

顔は心を映す鏡であり、完璧な肌よりも、若々しく活力に満ちあふれた精神を披露するのにふさわしい! 過酷な天候、ストレス、不適切な食生活……、それら全てが肌の見た目に影響を及ぼす。だから徹底的なケアの秘訣を知っておこう。完璧な結果をもたらしてくれる商品は身近にたくさんあるけれど、私達はその使い方をちゃんとわかっているだろうか? あなたの年齢や、肌のタイプ、生活リズム等の要素をしっかりと考慮しなければならない。それにいつだって、思い出すべき「小さなコツ」がある。素敵な顔で周りを魅了するための、フェイスケアのABCがあなたの元へ。あなたの肌にはこんなアドバイスが必要だった! 今度はあなたの番だ。

Candela Sierra著『Rotunda』の表紙

ロトゥンダ・スタジオ

Rotunda

カンデラ・シエラ

Candela Sierra

Andana Gráfica (an imprint of Andana Llibres SL)

卒業したばかりの若き彫刻家ブリサは、カフェで働きながら、自分が思うような仕事を見つけようと必死だった。そんな彼女に幸運が訪れる。現代的なロータリーの設計を手がけるロトゥンダ・スタジオのディレクター、デルフィンとの出会いだ。しかし、次第にこの会社の創造性、モチベーション、そして“いい感じ”は薄れていき、上司による操作や非倫理的な慣行が明らかになる。これに直面したブリサは、仕事への熱意のために支払うべき代償について疑問を抱くようになる。

Alena Pons著『Royalty Witches. La esencia de la aurora』の表紙

王家の魔女たち

Royalty Witches. La esencia de la aurora

アレナ‧ポンス

Alena Pons

Norma Editorial, S.A.

Kat, Emma, Kibibi, and Lilith are four girls who, at first glance, seem to have little in common. Yet they all share one thing—they’re Royal Witches, chosen to compete together in the 118th Crown League. Each hails from a different country and hides her own secrets… though they’re not the only ones. Their coven also includes Shin, the untamed water witch, whose mere gaze makes Kibibi’s heart race. If they want to prove their worth, overcome the trials, and claim the throne of their homelands, they’ll have to set aside their differences and learn to fight as one.

犠牲

Sacrificio

オスバルド‧レイェス

Osvaldo Reyes

悪は不意に忍び寄ってくる。8月のある寒い夜、そのことをエバンス一家は身をもって経験することとなった。闇の中、娘のサラが二人組の何者かにさらわれ、姿を消したのだ。彼女は生きているのか、刑事アンへロ・モリスと法心理学者ハミレン・ラッソは力を合わせ、時をさかのぼって事件のなぞに挑む。一貫性がなさそうに見える犯罪にむきあうふたりは、犯人が残した手がかりが30年以上前の未解決の謎を指し示していることに気づく。やがてジグソーパズルのピースを合わせるように時の中に埋もれた秘密が明らかになるにつれ、恐ろしい現実が姿を現しはじめた。それは過去の亡霊が復讐を叫ぶ、苦痛に満ち荒涼とした光景だった。

赤ずきんちゃんを救って

Salvando a Caperucita Roja

クラウディーネ‧ベルナルデス

Claudine Bernardes

Batidora Ediciones (La Batidora Coop. V.)

どう猛なオオカミが隠れている。赤ずきんちゃんを助けてあげないか? 傷つき、沈黙している多くの子どもたちの心に向けて、声を上げるよう励ます物語。今こそ自分たちの話を語り、耳を傾けてくれる人を見つける時だ。この絵本は、暴力、虐待、児童性的虐待(CSA)を象徴的な形で取り上げており、著者たちが参加する様々な支援活動で対応した子どもたちの実際の言葉から作られている。

Juan Carlos Chandro著『Samuel casi no tiene miedo』の表紙

サムエルはほとんど何も怖くない

Samuel casi no tiene miedo

フアン‧カルロス‧チャンドロ

Juan Carlos Chandro

Grupo Editorial Bruño

サムエルは怖いものがほとんどない。犬だって高いところだって知らない人だって嵐だってヘビだって怖くない。だけどひとつだけ、ちょっと怖いものがある。それが何か見つけたくない? サムエルのように恐怖心に立ち向かい、たいがいはやっつける、すべての子どものための物語。恐怖と勇気というテーマはいつでも重要だ。人生や世界にどう立ち向かうかは、恐怖にどう立ち向かうかにかかっているからだ。同じような恐怖心を抱き、同じようにそれに立ち向かい自信を与えられる主人公と自分を重ねながら、子どもたちが自信を持ち、自分には勇気があると思うことをねらいとした絵本。

聖なる者、奇跡の本

San, el libro de los milagros

マヌエル‧アストゥール

Manuel Astur

「マルセリノは作業を止めて立ち上がると、手の甲を額にかざし足元の谷を見つめた。何もかもが金色の光の鈴のようにきらきら輝いていた。7月のあの日も同じようにマルセリノは立ちすくみ、じっと目を凝らしていた。家屋も穀物庫も荷車も夕暮れの濃い藍色に包まれる中、ただ弟から流れる血痕がおがくずを赤く染めていた。彼は弟を傷付けるつもりなどさらさらなかった。空には新たな時代の幕開けを告げるように一番星が輝き出していた。」この意外な展開を見せる美しい物語は、全ての読者にとって自らの姿を映し出す鏡のようなものだ。都会であれ田舎であれ、どこにいても読者は神話の世界を覗き込むことができるし、その視線を主人公の視線と同じように澄み切らせることが可能だ。神話の世界では歴史さえも火のそばで語られる寓話のひとつに過ぎない。

Mateo Miguel著『Sandunga』の表紙

サンドゥンガ

Sandunga

マテオ‧ミゲル

Mateo Miguel

Drácena Ediciones

「毎日の我らの酒よ、昼も夜も我らを見放すことなかれ」毎朝サンドゥンガはこう唱え、その日の最初の酒を1杯飲むと、気の向くまま過ごすために家を出る。欲望も目的も持たず、流れ任せの人生だが、それ自体がこの面白い小説の筋になっている。あるひとりのメキシコ先住民があるがままに世に出るが、様々な出来事に巻き込まれる。素晴らしくもない日常のせいではないが、大抵の場合不幸な出来事だ。そしてその様子は常に酩酊状態の彼の視点で語られる。つまりこの小説は同じく酔っ払いが主人公でメキシコを舞台に展開するマルカム・ラウリーの『火山の下』やスペインの小説家エクトル・バスケス=アスピリの『Fauna(ファウナ)』と類を成す。悲壮感や哄笑を誘うだけでなく、驚くほど生き生きとした読書体験をもたらす小説。

Berta Rubio Faus著『Santi, Jordi, la princesa i el drac』の表紙

サンティとジョルディとおひ さ とドラ2ン

Santi, Jordi, la princesa i el drac

ベルタ‧ルビオ=ファウス

Berta Rubio Faus

Elpoblet edicions

本書は、従来のドラゴンとおひめさまの物語とは少し違う。主人公のおひめさまは、なんとふたつの城に住んでいる。ひとつ目の城では、母親と義理の父とたくさんの家族と一緒に住み、もうひとつの城では父親と義理の母親(意地悪なまま母とは似ても似つかない)と住んでいる。ふたつの城の間を毎週自転車で行き来するのだが、仕事をリタイアしたドラゴンが耕す小さな野菜畑を自分が走っているとはおひめさまは気づいていなかった。畑のトマトがほとんど育たないのはおひめさまのせいだと気づいて、ドラゴンがおひめさまをつかまえてしまった(おひめさまはドラゴンの家の屋根の上で退屈で死にそうになっていた!)。おひめさまを救うには、サンティとジョルディ(おひめさまの父親と義理の父親)が力を合わせるしかない。ふたりの父親は、おひめさまが畑仕事を手伝うと、ドラゴンに約束する。

サラ #イカスパイ-雪の中のミステリー

Sara #espíacalamar - Misterio en la nieve

ピラール‧ロサノ‧カルバヨ

Pilar Lozano Carbayo

Grupo Editorial Bruño

サラ・イカスパイはあらゆる種類の謎や不可解な出来事を解決するスペシャリスト。読書年齢に合わせた文章にユーモア溢れるイラスト満載の冒険ストーリー。サラ♯イカスパイは天才的な調査能力の持ち主。「私はサラ・イカスパイ。でもイカスパイは苗字じゃないの。スパイは私にぴったりの職業で、素晴らしい冒険を経験できる。で、海が好きだからイカって付けたの。だって、イカは海洋動物の中でも、とても頭が良いから」 ある週末、祖父母と行った山でスキーを覚える一方で、わくわくする謎を解く。雪男って本当にいるの? それともただの作り話?

Parente & Pascual著『Secretos de luna llena』の表紙

満月の秘密

Secretos de la luna llena

イリア‧G‧パレンテ、セレーネ‧M‧パスクアル

Iria G. Parente y Selene M. Pascual

La Galera Editorial

昔々、あるところに凛々しい王子がいた……昔々、あるところにふたりの勇敢な王女がいた……昔々、あるところに謎めいた吟遊詩人がいた……昔々戦争があり、彼らの運命が出会った。ファエシアの地へようこそ。そこはおとぎ話が見かけ通りではなく、満月の後ろに秘密が隠れている土地だ。

Lluís Ferrés Gurt著『Secretos del Mediterráneo』の表紙

地中海の秘密

Secretos del Mediterráneo

リュイス‧ファレス=グルト

Lluís Ferrés Gurt

Editorial Juventud

歴史、神話と、回想的物語を集めた本。 地中海は迷宮のように入り組んでいるが、日のさした冬の広場のようにふところが深い。この海を愛してやまない作者が、鮮やかな色彩を使いざっくりとした筆づかいで描いた印象派の絵画のように、示唆に富んだ地中海の姿をうきぼりにする。地中海には、3つの大陸の風景と人々が顔をのぞかせる。すべてはその海岸から始まったのだ。

セダフィン、ある蚕の物語

Sedafín, historia de un gusano de seda

ペップ・モリスト

Pep Molist

El Cep i la Nansa Edicions

これはとっても特別な蚕、セダフィンのお話。セダフィンは飼育箱のなかでたった一匹、白やグレーじゃない、色とりどりの鮮やかな蚕で、仲間たちの驚きの的なんだ。

Mari Carme Roca著『Selfies al cementiri』の表紙

お墓でセルフィー

Selfies al cementiri

マリア‧カルマ‧ロカ

Mari Carme Roca

Barcanova Editorial

町の中央にある古く美しいマルモ墓地は、バーチャルな生者が集う場所だ。そのうちのひとりニルスは、自分がそういう存在なのがうれしくてたまらない。女の子をナンパするという、一番好きなことに打ち込めるからだ。リサイクルされた死者にはいろいろと利点があって、都合が悪いときは幽霊モードになれば、人に気づかれずにすむというのがそのひとつ。ところが、特別な女の子シリは彼らを見つけてしまった。ニルスはそれがおもしろくない。バーチャルな生者は、だれにも自分の存在を知られてはならないからだ。彼らは伝説のままでいなければならないのだ。

ジャングル

Selva

マリーナ‧ヒベルト

Marina Gilbert

Kalandraka Editora

見て楽しむ本。見開きページに描かれた絵だけで、緑豊かな場所を楽しく散歩する少年の様子を語る。人生に喩えた物語で、長い道を行き、深い茂みを横切り、奇妙な場所を上り下りして主人公がたどる行程には、見えている通りのものは何もない。好奇心と幻想に満ちた冒険へと誘う1冊。シンプルだが独創性に富む、驚くような輝かしい物語で、何よりも溢れるような豊かな色彩と紙面に感じる筆遣い、細部にこだわりながらも量感のある絵に引き込まれる。予想もつかない結末を迎える視点の遊び。子どもは本来とは異なる空間に入り込むが、記憶にはあらゆることがぎっしり蓄えられている。主題:人生のメタファー

Silvia Vilacoba Canal著『Sempre junts』の表紙

いつも一緒

Sempre junts

シルビア・ビラコバ・カナル

Silvia Vilacoba Canal

L.A. Boutique

パワフルで自信に満ちたビジネスマンのアンドレウ・プラット。金、権力、家族、子供…欲しいものは何でも手に入れてきた。そんな彼だが、40歳を過ぎた今、離婚を考えている。この男の魅力に抗える女性はほとんどいないが、ヌリアはその例外のひとりだ。彼女にとってカラ・モントゴは悲しみを癒すためにこれからもずっと訪れるであろう場所。未来を思い描くための静寂の隠れ家であり、過去と現在が絡み合って、ハバネラに歌われているような「ほんの小さな楽園」となるのだ。

Enrique mauricio Iglesias著『Seoane. O creador na súa tinta』の表紙

セオアネ、墨につかったクリエーター

Seoane. O creador na súa tinta

エンリケ‧マウリシオ

Enrique Mauricio Iglesias

Lela Edicións

ガリシア系アルゼンチン人のルイス・セオアネは、画家であり、文化を活性化させる起爆剤的な人物だった。本書は彼の幼少期からスペイン内戦により亡命を余儀なくされたときまでの半生を、コミック形式で描く伝記。

人類

Ser humanos

ファクンド‧マネス

Facundo Manes

Editorial Planeta, S.A.U.

ここ数十年、神経科学が発展したことで、人類をして地球上で最も複雑で、自らの本質を問うことができる存在にまでならしめた器官、すなわち脳の働きに関する多くのことが明らかになった。しかし、約1000億個の細胞からなる、この脳という器官は、科学者にとっていまだに謎に満ち溢れた挑戦の場である。国際的にも著名な神経科学者であるファクンド・マネスは本書『Ser humanos(人類)』の中で、脳科学における新発見までの長い道のりや大いなる発展について分かりやすくかつ魅力的に説明した。また理性と感情は結びつくのか? ストレスとは何か? 機械は人間より賢いのか? などの多くの疑問に答えている。

あなたは思い出となり、あなたは忘却となる

Serás recuerdo, serás olvido

マリア‧アンヘレス‧ロペス=ロメロ

Mª Ángeles López Romero

Editorial Luis Vives (Edelvives)

40歳の誕生日を目前に控えたディナは、ある辛い病の早期であると診断され、ふたつの別れのショックを受け、思いがけない3つのプレゼントを貰った。そんな疑問だらけの状況に置かれたディナだったが、自分の中に沸き起こる怒りや迷い、喪の悲しみを払拭するために真実の究明に乗り出す。友情の真価や忘却に対する認容と言葉が持つ大きな力について書かれた生命力あふれる物語。病はもちろんのこと殺人事件、売春、女性の人身売買から似非宗教の闇組織の話も出てくる面白い小説。家族やパートナー、友人との関係が主軸となって主人公ディナの人生に意味を与えている。ディナは木の箱に、彼らにまつわるすべての思い出をしまっている……。

Elena Gallego Abad著『Sete Caveiras』の表紙

七つの髑髏

Sete Caveiras

エレナ‧ガリェゴ=アバッド

Elena Gallego Abad

Elena Gallego Abad

新聞記者のマルタ・ビラスが、ビゴに港に浮かぶバイク乗りの死体を発見した時、殺人犯が被害者のポケットに忍ばせた小さな玩具が自分の人生を変えることになるとは夢にも思わなかった。閉鎖してしまった玩具メーカー、ファモビル社が製造初期に発売したシリーズの小さな人形が、この事件と対岸のカンガスで漁師によって引き上げられた警備員の殺害事件、そしてその後ガリシアの海岸のあちこちで次々と発見された死体とを結ぶ唯一の手掛かりとなる。はらはらする中にも時に愉快に、1980年代の出来事をちりばめ、実在の場所で行われる連続殺人事件をつむぎだす。アガサ・クリスティーの古典的作品のタッチで書かれたこの21世紀の小説は、著者のジャーナリズムに対するオマージュでもある。モビーダ(フランコ政権崩壊後から80年代までマドリードに起きた反文化的ムーブメント)の音楽に乗って展開する、魅力あふれる物語。

Santiago Elordi著『Seven』の表紙

セブン

Seven

サンティアゴ‧エロルディ

Santiago Elordi

Editorial Huerta Grande, S.L.

人の心を巧みに操る老人と、美しく先見の明のある女性アーティストのラブストーリー。分類不可能なバラード、時にノワールのパロディ、時に誰が語ったかだれにもわからない家族史でもある。私たちの生きるグローバルではっきりせず、悲劇的で浮かれた世界を、皮肉たっぷり痛烈に映し出す。この世界では、人間は思いもよらぬ時に現れる。お金の陰で、あるいは主人がおらずスペースもないような環境で。スペイン語ではあまり聞かない優しさとユーモアを介した、寄る辺ない身を訴える叫び。レトリックを極力省いて語られる、この悲劇的かつ魅力的なストーリーは、読者にとってまさにひとりのチリ人作家の発見になるだろう。ウエルタ・グランデ社が自信をもって紹介する。

規格外の性

Sexo fora de norma

ベル‧オリッド

Bel Olid

Rayo Verde Editorial

フェミニスト的観点から固定観念を退ける作者たちは、「快楽、性行為、エロティシズムがどのように、そして誰のためにあるべきか」といった、ひとつの明白な答えを出すような言説を展開したりはしない。本書には、一般的には規格外かもしれないが、社会に存在する性とエロスの多様性に応えるエロティックストーリー集という点では実にノーマルな性愛文学が網羅されている。これら12の文芸作品のテーマは、性的同意、自慰、スワッピング、性別のあいまいさ、個人の自由、探求、アバンチュール、生涯のパートナーの再発見など。作者たちは、ポルノのようなファロセントリズムに支配された男性的視点によるセックスを避け、よりリアリティのある物語を描いた。登場人物たちが見せる現実に寄り添った、願望、欲情、夢、野心は読者を魅了するだろう。

Ana R. Cañil著『Si a los tres años no he vuelto』の表紙

もし3年経っても!たし 戻ら ときは

Si a los tres años no he vuelto

アナ‧ラミレス=カニル

Ana R. Cañil

Editorial Espasa

ジャーナリスト、アナ・R・カニルは、ある恐ろしい歴史を長い間追ってきた。スペイン内戦後の女性服役者たちの物語である。彼女たちが獄中で産んだ子どもは、看守に奪われ、全寮制の神学校や修道院に送られたり、養子に出されたりした。この残酷な仕打ちは、全体主義体制特有のえせ科学理論によって正当化され、その時代の有力な医師や聖職者や律法学者らにも完全に支持されてきた。これを題材にノンフィクションを書き始めた著者は、書くうちにのめりこみ、小説にせずにはいられなくなった。その結果、読みだしたらやめられない小説ができた。告発された恐ろしい事実はもちろん、ふたりの敵対する登場人物の描き方が読者をひきつけてやまない。共産主義者の若い妻ヒメナ・バルトロメと、ベンタス女性刑務所の所長マリア・トペテのふたりは対照的で、どちらも忘れがたい登場人物となっている。

Pau Joan Hernàndez著『Si no te vas』の表紙

きみ 去らないのは

Si no te vas

Pau Joan Hernàndez

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

わたしの名前はロレーナ、歳は――16歳になったけど今は歳がないと言うべきか、16歳で、これから先ずっと16歳と言うべきか。じゃ、こう言えばいいかな。わたしの名前はロレーナ、約1カ月半前から死んでいる。 なんて言うと、読書好きの子はきっと、それは趣味の悪い大げさな比喩だと思うことだろう。でも、比喩なんてわたしのやり方じゃない。わたしはずばりと言うことが好きだし、わたしのこともそのままわかってほしいと思ってる。だから、わたしが死んでいると言えば、それは文字通り、死んでいるということ。正確にいうなら、死んで埋葬されたの。実を言うと、なぜ、何のために、わたしがまだここにいるのかは、さっぱりわからない。わからないと言えば、なぜ死んでしまったのかも実はわからない…

Guillermo Saavedra著『Siembra』の表紙

種まき

Siembra

ギジェルモ‧サアベドラ

Guillermo Saavedra

Dibbuks

グラフィックノベル『Siembra(種まき)』は、小さな村の少年たちの自由への渇望を描いた物語。それは、セマナ・サンタ(聖週間)の行列で、聖母マリア像の首が切られたことがきっかけだった。少年たちは衝撃をうけ、地域社会と世界における自分たちの居場所を必死に探し求める。そして、ある虐殺の事実につきあたる。

Andres Guerrero Sanchez著『Siempre estaré allí』の表紙

私はいつもそこにいる

Siempre estaré allí

アンドレス‧ゲレロ=サンチェス

Andrés Guerrero Sanchez

Grupo Editorial Bruño

両親の離婚以来マリナは、もうなにも元通りにはならないと感じている。変わらないのはただひとつ、おじいちゃん、おばあちゃんが住んでいるフランスの海岸地方の街、カマルグで過ごす夏休みだ。だけどその年は、絶対に忘れられない夏になった。エティエンヌに導かれて、再び大好きだった馬に乗るという希望と勇気を取り戻すことができたのだ。そして、なにより大事なことに、隙があれば現れてこようとする、悲しみという黒い虫が少しずつ消えていったのだ……。ところが、思いもかけない重大な出来事によって、マリナは再び自分の人生と向き合わなければならなくなる。

Alfredo Gómez Cerdá著『Siete llaves para abrir los sueños』の表紙

夢を開く7つの鍵

Siete llaves para abrir los sueños

アルフレド‧ゴメス‧セルダ

Alfredo Gómez Cerdá

Kalandraka Editora

ジャンニ・ロダーリ、トミー・ウンゲラー、アストリッド・リンドグレーン、フアン・ファリアス、クリスティーネ・ネストリンガー、ロアルド・ダール、グロリア・フエルテスをそれぞれ主役とする7つの物語。現代児童文学史の重要作家たちにささげた、夢のような作品。著者は、主人公となっている作家たちが長いキャリアを通して培った独自の空想力や創造性を使って物語を紡いでいる。それぞれの物語の元となるエピソードは、綿密な調査によって収集されたものであることが窺え、これらの作家の伝記や作品を読んでみようと読者を駆り立てる。ダビド・ピントールが描く登場人物の姿には、身体的な表現を超えた人間性の深みが反映されている。本書の主人公たちが本を通して世界中の人々に夢を見させた、あの幸福の魔法をかけられたような気になるイラストだ。

Matías Néspolo著『Siete maneras de matar a un gato』の表紙

ネコの7つの殺し方

Siete maneras de matar a un gato

マティアス‧ネスポロ

Matías Néspolo

物語の舞台は、とてつもなく貧しい国の中にある、あまりにも大きな都市の郊外。そこは最も強い者、最も嫌なやつが支配する、国境も法律も文化もない世界だ。グリンゴとチュエコというふたりの少年は、そんな空腹、退屈、麻薬がわりの接着剤しかないところに暮らしている。友情だけが、おそらく人生がふたりに与えた唯一の贈り物だ。ごろつきに囲まれ、性的暴力や非人間的な生き方が日常的な彼らは、ある日、慣れ親しんだ世界との関わり方である犯罪に身を投じることになる。銃を盗めば、チュエコはこの地獄のような掃き溜めで一目置かれるようになるのだ。しかし、グリンゴは、愛と、読み古された『白鯨』との偶然の出会いが救いの道を開いてくれるように感じていた。差別や不幸から逃れるすべはたくさんある。そして最も良い方法は、最も心地よいものではなく、最も早くそこから解放されるやり方だ。

Rafael Yuste著『Silván y los árboles parlantes』の表紙

シルバンとしゃべる木たち

Silván y los árboles parlantes

ラファエル‧ジュステ

Rafael Yuste

Prames

巨人シルバンは、地球上で最も素晴らしい木々を見つけるために世界一周の旅に出る。動物やその他の驚くべきキャラクターたちと一緒に、この驚異的な存在……木々について学ぶ、壮大な冒険の書。

Victoria Álvarez著『Silverville』の表紙

シルバービル

Silverville

ビクトリア‧アルバレス

Victoria Álvarez

Nocturna Ediciones, S.L.

コロラド州のシルバービルで銀採掘の夢を一撃で葬り去る復讐劇が幕を開けようとしていた。1872年にグレース・マロリーが夫の実家の古い邸宅に住み始めるや否や、彼女は村中の噂の的になった。「大きな空き家にご婦人がひとりで住むなんて」、「夫の銀採掘会社の跡取りのジョンはなぜ一緒じゃないの?」。 ルビー・ローレンスは女性であるがために軽視されることを嫌というほど知っている。だから、グレースに対する彼女の不信感を誰も真剣に受け止めないことにも驚かなかった。だが、少なくともルビーの親族は彼女の意見を聞くべきだった…なぜなら、ジョンの父親を殺害したのは彼らだったからだ。 シルバービルの平和が失われていくなか、グレースとルビーは複雑に入り組んだ策略に関係してゆく。その企みではどんな捨て駒にも意味がある。そして残るのはただひとつの確信。世界は舞台であり男も女も単に演者にしか過ぎない。

Equipo Hiares著『Simbad el Marino』の表紙

船乗りシンドバッド

Simbad el Marino

チーム‧イアレス

Equipo Hiares

Hiares Multimedia 2013

ビンテージイラスト入りの古典童話。本文はヨーロッパ言語共通参照枠B1レベル相当のスペイン語でリライトされている。中級者・自立した言語使用者向け。該当レベルに合わせて本文中で目立たせた単語の語彙集つき。

Josep Gregori著『Sis anys, sis casetes』の表紙

6歳、6個の小さな家

Sis anys, sis casetes

ジュゼップ‧グラゴリ

Josep Gregori

Edicions Bromera S.L.U.

この物語の主人公は毎年誕生日になると特別なプレゼントを受け取る。それは切り抜きの小さなお家。自分の部屋にはこうして集まった5個のお家が飾られていた。しかし両親が離婚した今、5個のお家はふたつの部屋にばらばらにして置かなければならなくなった。もうすぐ彼女の誕生日、でも、とても心配だ。はたして両親は今年も忘れずに小さなお家を贈ってくれるだろうか。優しさを感じさせる独特な切り口で両親の離婚と幼い子どもたちへの影響という繊細な問題を扱った物語。

Béla Braun著『Solo que Marla no volverá』の表紙

ただマルラは帰らないだけ

Solo que Marla no volverá

ベラ・ブラウン

Béla Braun

Drácena Ediciones

メキシコ市に住み、ビリヤード用品の販売で生計を立てる野心家は、突然、中学で学ぶ彼の恋人が誘拐されたことを知る。少女を救出しようとの思いに苛まれ、メキシコの人身売買、女性の搾取の巣窟で彼女の行方を捜す。このようにして捜索が始まる本書『Solo que Marla no volverá(ただマルラは帰らないだけ)』はベラ・ブラウンの2作目で、最良の推理小説の要素がすべて盛り込まれている。著者はメキシコで最も時代を感じさせる若手小説家のひとり。

夜のバーの孤独

Solos en los bares de noche

トニ‧モンテシノス

Toni Montesinos

Drácena Ediciones

主人公ディエゴがこれまでの自分とは別の存在になるためにやってきた町ダブリン。だが、新たな友人と憂鬱さのせいで酒に溺れ、一生住み続けることができないことも分かっている。ディエゴの心の中に潜むいまだ実行していないある種の犯罪は、彼を過去の面々の元に押し戻そうとしていた。すなわち、自らの運命を受け入れ、人目につかずに逃げおおせるバルセロナへと。その街で彼は、恐怖に打ち勝つために本能的にさまよい続けるが、夜、バル、そして彼と同じように漂流の旅をする一匹狼の群れの中にいても、孤独が消えることはない。そして、馴染みの場所、昔の酒場、過去を物語ることになるかつての恋に戻り、たとえ最も内面的な真実と向かい合うことになったとしても、彼の逃避は終わりを見ることはないだろう。

沈黙の影

Sombras silenciosas

イー‧エセ‧ギナルド

I. S. Guinaldo

Obscura Editorial S.L.

吸血鬼たちは、ミスティヴィルの聖域において長きにわたり守られ繁栄してきた。しかし、ある時、彼らの存在を抹殺しようと始まった卑劣な戦争が次第に激しさを増していき、すべてが変わっていく。戦いは必然的に人間にも波及し、20代のアストン・パーカーの退屈な日常は、謎めいた吸血鬼の黒魔術師エスリンと道ですれちがった夜を境に一変する。エスリンを取り巻く謎と魅力に幻惑されたアストンは知らぬ間に、かつてない岐路に立たされているミスティヴィルの吸血鬼たちを巡る紛争の重要人物のひとりとなっていくのだった。

César Verdúguez著『Somos Probetus』の表紙

僕たちはプロベトゥス

Somos Probetus

セサル‧ベルドゥゲス

César Verdúguez

Cartem Comics

世界最大の宇宙機関ナクサム・スペースは、時空をコントロールするための宇宙開発競争で勝利を目前にしている。しかし、ダウン症をもつ優秀な研究者が、この重要な開発競争で彼らを追い抜くことに成功する。シルビノ・プロベトゥスは、行方不明の伝説的科学者の息子で、数十年前に始まった秘密プログラム「時空侵入」部門の指揮をとる。シルビノ青年は、自分の過去に分け入る。そしてそこで、かつての想いがよみがえり、抑えることのできない疑念が生まれる。28年が経ち、父の失踪の事実は不明のままだが、今、父の進歩的な研究と何が起きたかについての新たな手掛かりが現れる。過去を遡る一連の冒険を経て、助けを求める一本の匿名電話を受ける。それは、シルビノの人生と、多元宇宙の物理法則を永遠に変えることになる電話だった。

あなたの影の下で

Sota la teva ombra

テレサ‧フランケサ

Teresa Franquesa

Editorial Casals

木々への賛歌。テレサ・フランケサが文を書き、シグリッド・マルティネスが巨大なイラストを描いたこの折り返し付きの新しい絵本には、木に対していろんな見方をしてみようという意図が込められている。1本の木では森にはならない。しかし子供たちはこの本を通して、1本の木はそれ自体がひとつの生息環境なのだということを知る。木は動物たちを養い、私たちに避難場所や木陰を提供し、果実や種を実らせ、風景を成し、絵画や詩歌や冒険譚の着想を与える。そして木は生きもので、慈しみと世話を必要とする存在なのだ。各見開きには、双眼鏡型に穴をくりぬいた大きな折り返しがついていて、子供たちの好奇心を刺激する。本の最後に順序を追った木の植え方の説明がある。木という素晴らしい生きものの成長過程を間近に見ることを誘いかける1冊。

記念品。お菓子と旅と思い出と

Souvenirs. Pasteles, viajes y recuerdos

イサベル‧ペレス

Isabel Pérez

Col & Col Ediciones

ヨーロッパを中心に、著者おすすめの14の街歩きを紹介。ローマ、パリ、ロンドン、ウィーンなどの都市で菓子店を訪れ、現地でよく知られたレシピをいくつか取り上げる。菓子店「アリテル・ドゥルシア」のイサベル・ペレスが案内するユニークな街歩きは、読者を単なる観光客から旅人へと変える。14の都市を〈見る〉代わりに〈知る〉ことで、より賢く、より幸せで自由な気分に戻れる思い出をスーツケースに詰めこむべく、記念品を探して広場や通りを楽しむことができるだろう。掲載する84のレシピが甘い味わいをもたらしてくれる。

スパニッシュ‧ビューティ

Spanish Beauty

エステル‧ガルシア‧リョベト

Esther García Llovet

Editorial Anagrama

ベニドルムを舞台に、父親および高級ライター“タリスマン”を探す不正まみれの女刑事が繰り広げるダークな犯罪スリラー。マドリード三部作(と、ここでは呼ぶ)『Cómo dejar de escribir(いかにして書くのを止めるか)』、『Sánchez(サンチェス)』、『Gordo de feria(祭りの惨事)』において、マドリードを夜行性でアウトローな、かなりシュールな都市として描いた作者のエステル・ガルシア=リョベトは、東国三部作の第一作となる本作『Spanish Beauty(スパニッシュ・ビューティ)』では、スペイン東部のリゾート地ベニドルムを、英国マフィアやロシア人大富豪が暗躍し、地下に薄汚いビリヤード場、地上に建設中の摩天楼が立つ街に仕立てた。この街で汚職警官ミケーラは、1960年代のロンドンでその名を知られた双子のギャング、クレイ兄弟が所有していたライターを何としても手に入れなければならないのだ。

Ernesto Navarro著『Spidercat』の表紙

スパイダーキャット

Spidercat

エルネスト‧ナバーロ

Ernesto Navarro

Apila Ediciones

スパイダーキャットは特別な猫だ。とびぬけた力を持っているが、本人はまだそのことを知らない。これは私たちにもよくあることだ。みんな特別で、人とは違っている、かけがえのない存在で、少なくとも何かひとつはとびぬけた力を持っている。君のはどんな力?

スプーキーとハロウィンの夜

Spooky y la noche de Halloween

ダビド‧サルバドール

David Salvador

Grupo Editorial Sargantana

幽霊の地ゴーステルバニアにようこそ。これはヨーロッパ北部の小さな町に伝わる小さな幽霊の伝説。古い教会の鐘楼に住む幽霊スプーキーは、1年のうち最も怖いお祭り、つまりハロウィンの夜を守った。スプーキーと小さな蜘蛛ブリジット、モルティスおじさんと一緒に影の王国に行って、王様が起こしたちょっとした問題を解決しよう。なんと、この王様は今年のハロウィンの夜の間、生者の王国にいるゴーステルバニアの全住民からかぼちゃを取り上げてしまったのだ。

潜水艦、ケーキに恥知らず。暴かれる謎

Submarinos, tartas y abusones. Misterios por desvelar

ピラル‧カバーニャス‧モレノ

Pilar Cabañas Moreno

Editorial Ciudad Nueva

友達と敵、恐れと勇気、呪術と遊びに関する楽しいお話に出会う本。主な登場人物はシマウマとシルベストレ、兵士ガニ、子豚のコチノン、子どものグレーハウンド。この本は学習教材としてグループで楽しんだり、ひとり静かに読んだり、または学校の授業やワークショップで使用したり、劇として演じたりすることが可能。だが何よりも、自由で幸せになることを覚えるための1冊だ。すべてが潜水艦とケーキ、恥知らずの間にある。6歳から。

子供の頃の夢

Sueños de infancia

フラン・ヌニョ

Fran Nuño

La Maleta Ediciones

フリアン、ヌリア、ロベルトとパウラの4人は、大人になったら何になりたいか明確な夢を持っていた。果たして4人はその夢を叶えることができたのだろうか?面白くて親しみやすいこの物語を読んでその結末を明らかにしよう。

Iria Parente y Selene Pascual著『Sueños de piedra』の表紙

石のゆめ

Sueños de piedra

イリア‧G‧パレンテ、セレーネ‧M‧パスクアル

Iria G. Parente y Selene M. Pascual

Ute Körner Literary Agent, S.L.U.

昔むかし、はるかかなたのある王国に、ひとりの王子がいた。王子は、ある若い娘を窮地から救いだしてくれたとして、魔法使いにほうびをやった。だが、それはすべて真実ではなく、呪いだった。そこで、王子は栄光と復讐を夢見る。だが、魔法使いの魔法はいつも災いを招くとは限らない。娘は魔法のおかげで、彼女を苦しめていた過去……彼女があやめた男の記憶から逃れる。昔むかしあるところに……。

Núria Pradas著『Sueños a medida』の表紙

オーダーメードの夢

Sueños a medida

ヌリア‧プラダス

Núria Pradas

Sandra Bruna Agencia Literaria

1926年のバルセロナ。有名な高級服メーカー「サンタ・エウラリア」は、初の自社コレクションを、大きなファッションショーで発表し売り出そうとしている。スペインで開催される初めての大規模ファッションショーのひとつだった。イベントは大成功する。変化は始まっていた。19世紀半ばに作られた昔ながらの生地問屋がすっかり、オートクチュールの世界に入ろうとしている。内部では、様々な登場人物(オーナー、デザイナー、店員等)の生きざまが交錯し、時代の進歩のリズムに合わせてうごめく。1929年の万国博覧会に象徴される将来の展望が開けていた時代。内戦と内戦直後に代表されるやっかいで不幸な時代。必死で困難に立ち向かい、どんなことがあってもいつも前に進み続けようとする「サンタ・エウラリア」を構成する人々の人生が描かれる。

Silvia Pratdesaba Lafuente著『Sujeto elíptico』の表紙

省略された主語

Sujeto elíptico

プレ-テクストス

Silvia Pratdesaba Lafuente

Editorial Pre-Textos

本作は、ベルベル文化のユニークな世界から生まれた本。著者クリスティアン・クルサットは、驚くほどよどみなく、伝説、エッセイ、伝記、旅行記を組み合わせている。読者は、(一般的および地理的な)境界、多種多様な境界についての文章を前にすることになる。その文章の中で論説より優先されているのは、否定しがたい信念、文学は世界を映す真の鏡という信念だ。サハラから地中海にかけての北アフリカに住むベルベル族は、神秘の民族で、その起源はわからないことが多い。無数の方言に枝分かれした彼らの言語は、謎めいた文字で表現される。それはあまりに不可解かつ目を引くので、ホルへ・ルイス・ボルヘスの幻想短編小説から引用してきたように思えるほどだ。

スナカイ

Sunakay

マリチェイ‧マルティ

Meritxell Martí

Editorial Flamboyant

巨大なゴミ捨て場と化してしまった海には海中生物の痕跡などない。ゴミに埋もれたプラスティックの島でふたりの姉妹が生き延びていた。ある小さな事故が起きて状況の流れを変えることになる。今まさに先祖返りの力が現れようとしていた。本書は海のプラスティック問題に関する絵本というだけにとどまらず、私たちの海と、そして地球を守る必要性への賛歌である。この素晴らしい絵本は3年に近い年月を費やした仕事の賜物として出来上がったもの。これまでにベストセラーと受賞を重ねてきたマルティとサルモのコンビが放つ最大の野心作。

Pema Maymó著『Superhermanos. Una rebelión inesperada』の表紙

スーパーきょうだい 思いがけない反乱

Superhermanos. Una rebelión inesperada

ペマ‧マイモ

Pema Maymó

La Galera Editorial

ペペとバレンティーナは今やお兄ちゃんとお姉ちゃん。ふたりには同じ心配事がある。妹だ。叫ぶし、泣くし、自分たちの部屋に入り込んできた耐えがたい生き物だ。ある晩、みんなが寝静まっている間、ペペは妹のベビーベッドで声がするのを聞く。けれども、妹はまだしゃべれない。「じゃあ、誰?」。ペペとバレンティーナはぞっとしながらも、命を得たぬいぐるみたちがとんでもない反乱を計画していることを知る。何があっても彼らの気持ちは変えさせられないだろう。スーパー兄姉はこの状況をおさめることができるだろうか? この思いもしなかった騒動の解決策は見つかるのか?

Davide Calì著『Superheroínas y superhéroes. Manual de instrucciones』の表紙

スーパーヒロインとスーパーヒーローになるためのマニュアル

Superheroínas y superhéroes. Manual de instrucciones

ダビデ‧カリ

Davide Calì

NubeOcho

君はスーパーヒーローやスーパーヒロインになることを考えている? とても大変な仕事だけれど、このマニュアルがあればかなり簡単になるだろう。スーパースーツを選ぶとき、最良のスーパーパワーを決めるとき、スーパーグループを結成するとき、秘密基地はどこがいいのかなどなど、憧れのスーパーヒーローになるために必要なすべてを教えてくれる。

Marina Hernández Ávila著『Superlucas』の表紙

スーパールカス

Superlucas

マリナ‧ヘルナンデス‧アビラ

Marina Hernández Ávila

Apila Ediciones

ルカスのママとパパはスーパーヒーローだ。ルカスのためならなんだってできる。ルカスの髪をとかし、服を着せ、宿題だってやってくれる。だけど夜になるとすっかりくたびれて、ルカスと遊びたがらない。ある日ルカスは、これからは自分のことは自分でやるぞと決心する。難しいチャレンジだけど、やりとげて、ほんとうのスーパーヒーローになってみせる。幼い子どもたちが、日常の課題を大きな冒険にするようはげます楽しい絵本。

Carolina Laguna著『Swift y Brainy: misión Egipto』の表紙

スイフトとブライニー ――エジプトの任務

Swift y Brainy: misión Egipto

カロリーナ‧ラグーナ

Carolina Laguna

Marcombo Editorial

スイフトとブライニーにはきみの助けが必要だ!エジプトの任務はなぞなぞやクイズ、絵文字、そして…危険がいっぱい。ふたりを無事にピラミッドから助け出すことができるかな? 謎解き名人のメダルを獲得できるかな? 我々は日々様々な問題や複雑な状況に直面し、その解決を迫られているが、巧みに問題を解決する能力は幼いころから育むことが肝要。ゲームを通して多様多種な問題を解決する力の習得や、能力を使いこなす熟練度の増進、成績の上昇、思考力の鍛錬など、今後の人生で様々な達成感を得るために手助けとなる本。

Rocio Bonilla著『T'avorreixes, Minimoni?』の表紙

ミニモニち&ん、退屈なの?

T'avorreixes, Minimoni?

ロシオ‧ボニージャ

Rocio Bonilla

Edicions Bromera S.L.U.

みんな、ミニモニが大きくなって帰ってきたよ。相変わらずお絵かきは好きだけど、今はハイキングしたり、おばあちゃんと遊んだり、お友達と会ったりするのも大好き。たまに退屈な時もあるけど、でもね、退屈しない方法を見つけたの! ねえ、教えてほしい? ベストセラー『What Colour is a Kiss?(キスは何色?)』 の愛すべき主人公ミニモニが帰ってきた。この新たな冒険では子供の想像力を掻き立てるために退屈な時間が持つ可能性を探る。作者のロシオ・ボニーリャ曰く「長い間退屈をテーマにした物語を書きたいと思っていたが、ミニモニは最適な相棒だった」

Pepe Monteserín著『Tac, tac, tac, plof』の表紙

カチ、カチ、カチ、Pシャ

Tac, tac, tac, plof

ペペ‧モンテセリン

Pepe Monteserín

Narval editores

カキが夜のあいだにカチカチと音をたてるのが耳にとまったことはある? 真珠が殻にぶつかるときにたてるカチカチという音だ。キツツキのコンコンだとか、コオロギのクリッ、クリッのように、そのカチカチという音は、エバにとって夜がふけていくことを意味している。ところがある日、カチカチカチのあとに、ポシャと音がした。

Andrés Pascual著『Taj』の表紙

タージ

Taj

アンドレス‧パスクアル

Andrés Pascual

Editorial Espasa

ヒンドゥスタンの美しい皇后ムムターズ・マハルが、永遠の眠りにつく直前、彼女の夫は今までに作られたどんなモニュメントよりも美しい記念碑で彼女の想い出を奉ることを約束した。Taj (タージ)は、その素晴らしい記念碑と、その建設に携わった建築家、書家、職人、象の背中に乗り巨大な大理石のブロックを運んだ労働者など、2万人の英雄たちの物語。この壮大な物語は、並外れた画才を持った砂漠の少年バルの目を通して描かれる。愛するアイシャが王のハーレムに閉じ込められたため、バルはアイシャを取り戻そうと、全ての因習に立ち向かう。

タンデム

Tàndem

マリア‧バルバル

María Cascales

Ediciones Destino

エレナとアルマンは出会ったその時から、自分たちを閉じ込めているものをすべて取り除こうと考えるようになった。それは人が今を生きる時にのみ感じ取ることのできる自発性と喜びを取り戻すための取り組みだ。そうして彼らは自分たちには権利があることに気付いていく。その権利とは、変わること、長年見てきたのとは違う見方で世界を眺めること、そして自分自身を愛することだ。言い換えれば、自由に生きられるようにすることである。『Tàndem(タンデム)』は、素晴らしい旅を約束してくれたりとか、「愛してる」みたいな言葉を聞いたりした時に感じる幸せではなく、誰かと一緒にペダルを漕いで、より深い、より永続的な幸福感を得るための道のりを楽しむといった心地よさを与えてくれる物語だ。本書は、自らの存在を見直そうとする人間の力を探求し、単調な生活を捨て、人生が用意してくれているものに身を任せてみようと読者に語りかけてくる。

Mercedes Gutiérrez García著『Tanto para esto』の表紙

こんなことのた$に

Tanto para esto

メルセデス‧グティエレス‧ガルシア

Mercedes Gutiérrez García

Drácena Ediciones

本作を構成する3つの短編は、私的でもあり普遍的でもある心象風景を描いている。それが本著の最大の長所。この短編3作は、モラルの破綻というよりむしろ、私たちが生きる21世紀特有のバイタリティの破綻について描く。今の時代、仕事の成功によって私たちの心は小さな達成感に満たされるが、主人公たちは不安で、しばしば出口のない虚無の中に放り出される。主人公たちのこの不幸な状況が、著者メルセデス・グティエレスの巧妙な手法によって、決して他人事とは思えない、とても身近な我がことのように感じさせ、自分に起こっているような感覚を生みだす。本書は私たちの日常が抱いているリスクに対するガイドブックかもしれない。

Té de fresa en la madriguera de Tejón

アナグマの巣穴でのイチゴティー

Té de fresa en la madriguera de Tejón

エウラリア・カナル

Eulàlia Canal Iglesias

IMC Literary Agency, S.L.

クマはメガネをなくしてさがしに出かけます。メガネがなければ、メスのクマをさそって星空をながめることができません。とちゅうで眠れなくなったアナグマや、巣穴のカギを探している、まあ、少なくともそう主張するオオカミ、そして、そうそう、リスに出会います。リスはなにをさがしているかって? 幸せをさがしています! こうしてみんなでさがしながら歩くうちに、4匹の動物たちは想像もしていなかった、数え切れないほどの発見をすることになります。

ぼくはき を見てるだろう

Te estaré mirando

イサーク‧ロサ

Isaac Rosa

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

あまり期待せずに公園を通ったけれど、突然きみがいるのに気づいた。ぼくを待っていたんだ。だけど、ちょっと待て。本当に彼女なのか、ダニ? ぼくは疑いだした。遠くからきみを見る。髪をアップにして、違うTシャツを着ている…… あれはきみ、それともきみに似た女の子? きみだ、間違いない。きみが視線を上げて、ぼくが歩く小道に顔を向けたとき、ぼくは確信した。きみはぼくを見て、ぼくに気付き、微笑んだ。

モヒートを奢り す

Te invito a un mojito

メイベル‧ロサノ

Mabel Lozano

Grup Enciclopèdia

乳がんに関する最新かつ非常に有益な情報を得ることができる本。マベル・ロサノとパカ・ディアスが語る乳がんの体験談は、人間味がありユーモアに溢れ、自分達を哀れな病人に見せることはしない。またその内容は目新しく役に立つ情報に満ちており、つい読み耽ってしまうこと請け合いだ。スペインでは女性の10人に1人がかかるといわれているこの病気を、作者である彼女たちはどのように理解し、またどのように向き合ってきたのか、それらが、逆境を跳ね返す力強さや女性らしいエネルギーに満ちた言葉で語られている。全10章からなる本書は、乳がんになると性欲はどうなるのか、肌にはどのクリームが良いのか、などアドバイスや注意事項を集めた実用的な手引きである。

Marta Fernández著『Te regalaré el mundo』の表紙

君に世界をあげよう

Te regalaré el mundo

マルタ‧フェルナンデス

Marta Fernández

Espasa Libros

この両親を、自分で選んだわけじゃない。好みも得意なこともそう。誰を好きになるかとか……敵さえも選んだわけじゃない。才能や弱点も。罪だってそうだ。生まれる国も、愛する人たちが私たちを呼ぶのに使う名前だって、更にその愛する人たちも自分が選んだわけじゃいない。人生が私たちを選ぶのだ。そして時には、人生にも選べないことがある。心の痛みから逃れるためにある世界をでっちあげるしかない男と、新たな世界を作り上げる代わりに自らの痛みを誰かに肩代わりさせようとするもうひとりの男。つまり、孤独な父親と、迷える息子の物語だ。

Luisa Carnés著『Tea Rooms. Mujeres obreras』の表紙

ティールーム 女性労働者たち

Tea Rooms. Mujeres obreras

ルイサ‧カルネス

Luisa Carnés

Hoja de lata editorial, S.L.

1930年代のマドリード。プエルタ・デル・ソル近くの高級ティールームで働く女性たちは、制服に身を包み新たな1日の仕事をスタートする。アントニアは一番のベテランだが、彼女はだれにも能力を認められたことがない。小さいマルタは貧窮によって大胆で断固とした性格になる。30歳代で信心ぶったパカは、余暇の時間を修道院で過ごす。オーナーの名づけ娘ラウリタは、「モダンガール」で通っている。3ペセタの日給ではとても暮らしていけないが、みんな黙っている。さもないと、どうなることか。上司に対しても、夫に対しても、父親に対しても、彼女たちは口をつぐむのには慣れている。信仰というアヘンで願望を飲みこんでいる。彼女たちは、わずかな賃金で長時間労働を耐える。だがマティルデだけは、この若々しい娘たちの集団に割り込んできたときに、著者が強く求める「反骨精神」を持つ。

María José Ferrada著『Tea y Camaleón son hermanos』の表紙

ティーとカメレオンはきょうだい

Tea y Camaleón son hermanos

マリア‧ホセ‧フェラーダ

María José Ferrada

A buen paso Editorial

ティーとカメレオンはきょうだい。きょうだいってことは、すごく運がいいってこと。だってふたりの世界は光に溢れ、はちみつのように甘くて、日々、なにか冒険が起こる。大きな紅茶の雲に乗って旅をしたり、釣りを楽しんだり、ドレミの湖でコンサートがあったり。日本人イラストレーターの鹿島孝一郎が描いた世界に入り込んだ、チリ人作家マリア・ホセ・フェラーダが主人公たちの冒険を物語る。ここでは雲や木々、風景を作り出すもの全てがそれぞれ人格を持っている。ティーとカメレオンは大きなティーポットの中に住み、外に出ては信じられないような冒険を経験する。このとても小さな生き物の世界で起きる出来事は何でもないようなことばかりだが、豊かな想像力と十分な時間があるときに私たちが体験する冒険と同じくらい大きな事件だ。

Eloy Tizón著『Técnicas de iluminación』の表紙

啓発のテクニック

Técnicas de iluminación

イロイ‧ティソン

Eloy Tizón

Páginas de Espuma

昨晩のパーティで実際に何が起こったのか? 犠牲者が出たのか? 開けないでくれと言って上司がこっそりと私たちに渡した箱には何が入っているのか? 中で何かが動いている。小さな鳴き声? それは生き物、時計仕掛け? カップルでいると、ほとんどいつも現れて恋人に寄り添い、間に海をはさもうと縁を切れない「あの無関係な人」は誰? 着のみ着のままで街を去り、迷いながら森をさまようその家族はどんな大惨事から逃れようとしているのか? どの物語もすべて、裏に影の一面、深い沈黙、直接名乗りはせずに読者に誘いかけてくる何かがある。物語に浸り、意味の構築に加わるように、これら10の夢の奇妙な日常に入ってくるようにと誘うのだ。

Javier Cercas著『Terra Alta』の表紙

テラ・アルタの憎悪

Terra Alta

ハビエル・セルカス

Javier Cercas

Agencia Literaria Carmen Balcells

Marino Amodio著『Terráneo』の表紙

テラネオ

Terráneo

マリノ‧アモディオ

Marino Amodio

Editorial Luis Vives (Edelvives)

地中海の起源に関する神話物語。地中海が接する村々のつながり、海岸を抱く架空の都市と、そこにかつて存在していたであろう住民たち、そして今日そこに住む人たちの精神をめぐる軌跡についての寓話。

テロニリカ:本当に大切なもの

Terronírica: Lo que de verdad importa

アナ‧コト‧フェルナンデス

Ana Coto Fernández

Editorial Palabras de Agua

何世紀にもわたって地球人の目からその存在を覆い隠していたベールが破れたとき、テロニリカの土台は揺らいだ。有史以来、彼らは知らず知らずのうちに霊気を通してその世界を育てていたのだ。可能と不可能の間の線はあいまいになり、牧神、緑の女、ミツバチの妖精、掘削人、アンサとその絞首台と毛むくじゃらの足、エンセルとその闇の随員らは、それまで想像もしなかったことだが、同盟を固く結ばざるをえなくなった。なぜなら今、かつてないほど生存の危機にさらされているからだ。忘却の娘はその力を取り戻そうとしており、一方闇に隠れた悪人どもは《本当に大切なもの》の現実とは無縁の、大きな賭けをしていた。きみも自分の霊気の力を知り、眠りを通してそれがテロニリカに届いていくさまを見届けてほしい。なぜならきっといつか、きみときみの家族や仲間の命がそれに左右される日が来るからだ。

Luis Martín Santos著『Tiempo de silencio』の表紙

沈黙の時

Tiempo de silencio

ルイス・マルティン=サントス

Luis Martín-Santos

Galaxia Gutenberg SL

フランコ将軍の独裁政権初期の悲惨な時代を舞台に、社会からの疎外、実存的絶望、そして殺人を描いたこの小説は、ノーベル賞受賞を夢見る癌研究者ドン・ペドロの数日間を綴る。文学・哲学界との気まぐれな関係、マドリードの貧困地区で実験用マウスを探し求める彼の姿、彼を孫娘と結婚させようとする下宿先の女主人との会話等は、社会主義リアリズムというよりも、独創的な意識の流れであり、衰退した国家の最後の厄災的局面にすぎない権威主義体制が何年も続いてどん底に落ちた社会の、叙情的で瞑想的で、遊び心がありながらも悲観的な一連の情景である。 1962年に出版されたルイス・マルティン=サントスのこの小説は、現代スペイン文学の傑作であり、多くの読者から内戦後スペインにおける最高の小説と見なす者も多い。その言語的創意工夫と、生き残るために奮闘する抑圧された個人への想像力豊かな洞察により、現代文学における『悪の華』と呼ぶべき作品となっている。マルティン=サントスは、ゴヤのブラックユーモアとジョイスの機知をもって、天才的な自己批判によってのみ救われる希望のない世界のビジョンを創造する。20以上の言語に翻訳されているが、日本語版はまだない。日本の読者にとってすばらしい発見となるだろう。

Emilio Lara著『Tiempos de esperanza』の表紙

希望の時代

Tiempos de esperanza

エミリオ‧ララ

Emilio Lara

Silvia Bastos Agencia Literaria

1212年、主イエス・キリストの年。激動のヨーロッパ。寄せ集められた集団「少年十字軍」がフランス王国を進んでいく。熱狂的で歓びに溢れる雰囲気の中、それを率いるのは羊飼いの少年、クロイエのエティエンヌ。彼らの目的はエルサレム。武器を全く使わず、信仰の力だけで、エルサレムを解放するのだ。一方、ムワッヒド朝カリフ・ナースィルは、戦々恐々の混乱にあるローマに進軍するためセビリアで強大な軍隊を準備する。カリフは、自軍の馬たちに必ずやバチカンの泉で水を飲ませると誓う。宗教的な熱意が、他者への、異なる者への憎しみと混ざり合う。そしてユダヤ人は残忍に迫害され、略奪され、虐殺される。陶酔した歴史的十字軍の子供たちも同じ運命をたどる。それらの子供たちの中に、待ち伏せで暗殺されたカスティーリャ人貴族の息子フアンも、仲間ピエール、フィリップとともにいた。

Concha Pasamar著『Tiempos de otoño』の表紙

秋の時間

Tiempos de otoño

コンチャ‧パサマール

Concha Pasamar

Bookolia Editorial

本書は、今この時を注意深く観察することで、一見何でもない瞬間の美しさを愛で、その瞬間を生きる勇気を与える、時間を超越した作品。平穏へのいざない、人生のなかにあるほんの小さなことに思いをはせること。一人称で語られる口調は親しみやすく、メランコリックで、主人公の女の子は移りゆく小さな変化を賞賛し、発見し、楽しんでいる。

David Trueba著『Tierra de campos』の表紙

草原の地

Tierra de campos

ダビド‧トゥルエバ

David Trueba

MB Agencia Literaria

亡くなった父親を埋葬するためにダニエルは特別な車で生まれ故郷へ向かう。その車とは霊柩車。運転手はコメディアンさながら、一風変わったおしゃべりなエクアドル人だ。ダニ・モスカとは果たしてどういう人物なのか。彼自身が言うように単にロマンチックな歌を作るだけの男なのかもしれない。しかし貧しい地域で育った子供であることも間違いない。そして人生に往々にしてあるように、ひょんなことから深い絆で結ばれる友と出会う。音楽を生業として旅を重ね人生を謳歌した。それも束の間、放埓行為の古典的3点セット(セックス、ドラッグ、ロックンロール)のせいで親友たちと結成したグループは解散してしまう。危なっかしい不安定な人生を送りながらも願望と現実の狭間で何とか耐えていた。

Luis Zueco著『Tierra sin rey』の表紙

王のいない土地

Tierra sin rey

ルイス‧スエコ

Luis Zueco

Ediciones Nowtilus, S.L.

800年前、異端のカタリ派によって荒廃した土地で、アラゴン国王ペドロ2世兼バルセロナ伯は、強大な軍の先頭に立っていた。キリスト教徒の土地で初めて招集された十字軍を相手にした野戦でその戦いは熾烈を極めていた。十字軍を指揮するシモン・ド・モンフォルは異端のカタリ派の鎮圧を試みる。カトリック王(El Católico)の異名を持つペドロ2世は、ローマ教皇イノケンティウス3世により戴冠を受け、異教徒を相手に戦ったラス・ナバス・デ・トロサの戦いで勝利した王だ。そのペドロ2世が、教会に向かって反旗を翻した。何がそのような唐突な状況を引き起したのだろう? 夢、歴史を永遠に変えてしまったかもしれない熱望。アラゴン王国をピレネー山脈をまたいで両側に広がる大王国にすること。様々な声からなる多元視点の小説で、短い章立てのスピード感のあるダイレクトなスタイルで、歴史を展開していく。

Salvador Vendrell著『Tirant lo Blanc per a infants』の表紙

子どものためのティラン‧ロ‧ブラン

Tirant lo Blanc per a infants

サルバドル‧バンドレイ‧グラウ

Salvador Vendrell Grau

Onada Edicions

『ティラン・ロ・ブラン』は世界文学の最高傑作のひとつ。地中海のあらゆる街でカタルーニャ語が話され、また書かれていた時代に、バレンシア人ジュアノット・マルトレイによって創作された。作品の中で、読者は夢を叶えようとするひとりの騎士の戦いや恋愛模様を目の当たりにする。その夢とは、コンスタンチノープルを敵から解放するということだった。慣習、戦争、恋愛…あらゆることが語られるがゆえに総合小説といわれるが、とりわけ際立つのがその真実性だ。ティランは賢明さ、勇敢さを以って敵を倒していく。実に人間らしいヒーローで、城を攻めるが、愛するカルメシーナの部屋から下りる際に足を骨折したりするのだった。

Parente & Pascual著『Títeres de la magia』の表紙

魔法の, り人形

Títeres de la magia

イリア‧G‧パレンテ、セレーネ‧M‧パスクアル

Iria G. Parente y Selene M. Pascual

Nocturna Ediciones, S.L.

イディルの塔の交霊術師たちは、物語に出てくる交霊術師とは違っている。彼らは生娘を生贄にしたり死をもてあそんだりはせず、本とまじないに埋もれて勉強するのみだ。ずっとそこで暮らしてきたクラレンスはその穏やかさが気にいっている。だが、外の世界を知るアサンは飽き飽きし始めていた。ちょうどその時、人の命を奪う猛毒がマラビリアで売られるようになり、平和の日々が終わりを告げる。誰かが至急解毒剤を見つけなければならない。その代償が自分自身の命であったとしても。

Nuria Barrios著『Todo arde』の表紙

すべてが燃える

Todo arde

ヌリア‧バリオス

Nuria Barrios

MB Agencia Literaria

これは姉弟の物語。弟、ロロ、16歳。姉、レナ、クラックとヘロインに溺れている。レナが家を出て1年が過ぎた。ある日、ロロはマドリードのバラハス空港で姉を見つける。彼女はそこで、つまらぬ盗みを重ねながら金を稼いでいた。ロロは自分と一緒に家に戻るようレナを説得しようと、レナが麻薬を買うスラム街についていく。レナはそこに住んでいるらしい。しかし夜が更け、ロロは地獄のような様相をみせる混乱した現実に直面する。レナに置いてきぼりにされたロロは、どうしてよいやらわからないまま、やくざ者たちのグループ抗争のまっただ中にひとり取り残されてしまう。レナはロロの命が危険だと察知するやいなや、彼を探しに飛び出してゆく。一刻の猶予もないまま、互いに互いを見つけようとする姉弟。本作は、家族の意味を問い、正常と破局を分ける紙一重の境界線、愛が必ず残す一条の光について語る。

すべて;ィノ)ッド

Todo Dinokid

ダビ‧ラミレス

David Ramírez

Norma Editorial, S.A.

どんな恐竜にでもなれるとしたらどうする? ディノキッドは、はっきり決めている。友達と思いっきり暴れまわるんだ! スペインの人気子ども向け雑誌「ディブス!」に掲載された部分と、これまでどこにも発表されていなかったコマを合わせて物語が完成するジュラ紀の巻で、個性的なスーパーヒーローの冒険に出会おう。

Jaume Copons著『Todo lo que sé de la gente』の表紙

⼈々について知ってること、 ん

Todo lo que sé de la gente

ジャウメ‧コポンス

Jaume Copons

Combel Editorial / Editorial Casals, S.A.

⼦どもの⽬で世界を⾒てみよう! 作者の「〜について知ってること、ぜんぶ」シリーズの最新作で、普遍的かつ多様なテーマを取り扱う。主⼈公はシンプルな⾔葉とユーモアに満ちた質問を発しながら、独⾃の視点から多様性について考えを巡らせる。若い読者にアピールし、より楽しく読めるように、グリディが愉快なイラストをつけた。そして最後に読者はシンプルなメカニズムに驚き、微笑むとともに、新たな質問に駆られるだろう。我々はみな違うのか、それとも同じなのか? 続きを知りたければ本を開こう。

Carmen Guaita著『Todo se olvida』の表紙

すべては忘れ去られる

Todo se olvida

カルメン‧グアイタ

Carmen Guaita

Editorial Luis Vives (Edelvives)

ラ・アロンドラ(ひばり)ことクリプタナ・センシは有名なソプラノ歌手で、長いことアルツハイマーを患っている。彼女の伝記執筆を依頼されたジャーナリスト、ペドロ・ベンナサールは、記憶を失ったひとりの女性の過去を探っていかなければならない。クリプタナ・センシはなぜ記憶を失ったのか? 何を忘れたかったのか? 何を忘れ去ることができたのか? クリプタナがその生涯のうちにやり取りした手紙を発見したとき、ペドロ・ベンナサールは彼自身の人生も立て直すべきだと気づく。音楽、心の痛み、希望とともに、本書の登場人物たちは印象的である。著者カルメン・グアイタは、『Jilgueros en la cabeza (頭の中のヒワ)』、そして 『El terrario(テラリウム)』に続き、本書で「赦しについての三部作」を完結する。赦されるということは、赦す人の抱えている思いを感じること。

Almudena Grandes著『Todo va a mejorar』の表紙

すべてが改善される

Todo va a mejorar

アルムデナ‧グランデス

Almudena Grandes

Tusquets Editores

近未来のスペイン。市民運動「直ぐに解決!」という名の新しい政党が選挙で大勝した。この政党を影で支配しているのは成功を収めている起業家で、国を企業と同様に運営するというのが持論である。多額の投資と想定される脅威に対する様々な計略を駆使し、新しい監視体制を敷いたりインターネットへのアクセスを制限したりする。その一方で、非難や抗議を隠ぺいするために購買と消費の自由を促進した。すべてが良い方向に進んでいると見られる新体制だが、実は臆面もない権力者たちの職権乱用に他ならず、それに気付いたのは普通の男女からなるひとつのグループだけだった。彼らは新体制の嘘を暴くことに奔走する。偉大な小説家の遺作となるこの作品は架空の政治問題を力強く描いた群像劇で、またしても読者に感動を与え、良心を揺さぶる。

Montse Panero著『Todos los besos del mundo』の表紙

世界じゅうのキス

Todos los besos del mundo

モンツェ‧パネロ

Montse Panero

El Cep i la Nansa Edicions

蝶のやさしいキスを知ってる? ワニの力強いキスは? 牛たちはどうやってキスをするの? プレゼントのキス、びっくりさせるためのキス、友情のキス……。空想の旅のあいだに、キス一家のおちびさん、シトはあらゆる種類のキスに出会う。あなたたちも一緒に旅してみない?

見えない子犬トリ。連帯感を生む旅

Toli, el gosset invisible. Un viatge solidari

アルベルト‧エルナンデス‧イ‧シュルビ

Albert Hernàndez i Xulvi

La Orquídea de Darwin

目に見えない犬トリと鞭のようなしっぽのネズミが冒険の旅に出た。その旅で彼らは、環境問題や人間の悩みに立ち向かう。海岸に座礁したクジラ、山火事、危険にさらされているカメ、ディアマール王女の結婚式、テンケータおじいさんの孤独。これは彼らが動物や人間たちを助ける感動の旅であり、やがて連帯感の旅となる。

Sylvia Marx著『Top Secret』の表紙

トップ‧シークレット

Top Secret

シルビア‧マルクス

Sylvia Marx

L.A. Boutique

すでに「ほぼ」すべてを手に入れたとしても、危うさも興奮もない人生って何? たとえそう思っても、不誠実な女友達の秘密を暴くことは、非常に危険なゲームになりかねない。40歳の誕生日、大富豪の未亡人として有名なミランダ・リッベントロップは、きらびやかな雰囲気の中で過ごしていた。だが人生に物足りなさを感じていた彼女が突然、その場にいた3人の女友達に「トップ・シークレット」という名前のゲームへの参加を勧めた時から、物語はスリリングな展開を見せ始める。弁護士立会いのもとで同意書にサインをして始まったこのゲームのルールは、7週間以内に他の参加者の隠し事を見つけるというもので、多額の賞金も用意されていた。セレブの気まぐれでスタートしたこのお遊びは、実際は名声、金、不倫、闇ビジネス、嘘、セックスが絡み合う、サスペンス、幻惑、エロティシズムに満ちた危険なゲームで、彼女たちを意外な結末へと導いていく。

Joan Carreras著『Torno a casa』の表紙

家路

Torno a casa

ジョアン‧カレラス

Joan Carreras

Asterisc Agents

道に迷った人が知らない場所で自分の身に起きたことを語る。来た道を戻ろうとして、驚くべき場所を見つけたり、しばしば、よりによって自分が知っている人や人生における重要な経験と関係のある人々に出会ったりするのだ。それ故、患った病気の明瞭な記憶が際立つ旅は、同時に回帰であり、発見でもある。そして、物語が進むにつれてどんどん始まりの雰囲気を帯びるようになるのは、物語が大切なものの喪失を思い起こさせるからだ。短く、ドキッとするようなシーンの連続で始まり、詩的で簡潔なスタイルで胸に刻み込まれる小説。夢中になって一気に読むうち、読者は謎の核心へと連れていかれる。「これほど短い頁数でこれほど濃密なものを読んだことはなかった」ジョアン・ジュゼップ=イゼルン(ニュースサイト「ビラウェブ」)

みんなの闘牛

Toros para todos

エンリケ‧ロメロ

Enrique Romero

Ediciones Alfar

雄牛は地上最強の生き物であり、対決して勝てる動物はいない。人間だけがその知性とマインドコントロールによって雄牛を支配し、その突進で美しさを生み出すことができる。なぜ雄牛は突進するのか?なぜ赤またはピンクの布を追いかけるのか?なぜ息絶えるまで攻撃するのか?その伝統は今日までどうやって続いてきたのか?本書はあまり説明されることのない多くの謎を解明する。また雄牛に立ち向かう闘牛士の秘密を暴き、歴史上最も偉大な闘牛士たちと対話する。毎週日曜放送、テレビ史上最も高い視聴率を誇る闘牛番組「みんなの闘牛」と同じように、雄牛に近づき、地上で最も強く不可解な動物の生態を明らかにする。

Empar Moliner著『Tot això ho faig perquè tinc molta por』の表紙

こんなことするのは怖いから

Tot això ho faig perquè tinc molta por

アンパル‧モリネール

Empar Moliner

Raval Ediciones S.L.U

生まれながらのフィクションの才能とスキル、ユーモア感覚を持つアンパル・モリネールのような作家だけが、このような短編集を書くことができるだろう。冒頭から終わりまで、読者を感動させ楽しませる文学の宝石だ。今の時代の病弊を独特のユニークな方法で浮き彫りにする。洞察力と皮肉に満ちたこれらの物語は、私たちが普段からどんなにばかばかしい問題にさらされているかを見せ、怖がらずに生きることや、愛情の対象を傷つけずに愛する方法も教える。また、私たちの弱点がどれほどたやすく神経症に変わり、登場人物たちに影響しうるかを示す。美食家気取り、森を走ることに潜む危険、わが子が苦しむ姿を見る時のパニック、一緒に笑うことができなくなったカップル、 最後にひとりになるという考えに耐えられない人々の必死の誘惑テクニックなど。

Xavi Sarrià著『Totes les cançons parlen de tu』の表紙

全ての歌は君を語る

Totes les cançons parlen de tu

シャビ‧サリア

Xavi Sarrià

Sembra Llibres Coop. V.

自らの闇と向かい合うためにバレンシアに戻ってきたイバンは、彼の人生を変えてしまうことになった、あの1992年の日々を思い出す。空き地に放置された建物の残骸、欲求不満をかかえた地元の友人たち、自らを守る鎧のように使っていた若者言葉や服装、逃げ場となっていたカセットに吹き込んだ歌、不確かさの大海原に彼らを引きずり込む暴力の連鎖、それぞれの悩みで沈没寸前の家族、思いがけない死によって崩れ去った危うい均衡。本書は90年代の世界を描き、当時人生のイニシエーションの時期にあった若者たちの心に開いた傷に踏みこんでいく。ザ・クラッシュ、ニルヴァーナ、イギー・ポップ、コルタトゥ、ダニエル・ビグリエッティ、パブリック・エナミーなどの音楽がバックに流れる、心ふるえる小説。ふたつの世代が張り巡らす愛の蜘蛛の巣が、読者をからめとる。

豊臣秀吉とヨーロッパ人 サムライ日本におけるポルトガル人とスペイン人

Toyotomi Hideyoshi y los europeos. Portugueses y castellanos en el Japón samurái

ジョナサン‧ロペス‧ベラ

Jonathan López Vera

Edicions de la Universitat de Barcelona

16世紀半ば、自国の船が日本の海岸に到着した時、ヨーロッパの君主らはまず交易を提案し、次にキリスト教の布教を試みた。本書は、日本を統一した豊臣秀吉とポルトガル人、そしてスペイン人との1587年から1598年の交渉について書かれたものだ。ポルトガル人とのやりとりは、1549年にすでに来日していたイエズス会の布教によって始まり、イエズス会士アレッサンドロ・ヴァリニャーノがその中心となった。その一方でスペイン人は、植民地であったフィリピンの総督府を通じてすでに置いていた日本の外交拠点で修道会、特にフランシスコ会が決定的な役割を果たした。著者は、伝統的なヨーロッパ中心史観を越えて、この時代を日本の歴史において有数の激動の時代だと紹介している。

José María García Sánchez著『Tráfico』の表紙

密売

Tráfico

ホセ‧マリア‧ガルシア‧サンチェス

José María García Sánchez

Ediciones del Serbal

本書はふたりの男の子についての一風変わった物語(ひとりは心臓病を患うブルジョア階級の子弟、もうひとりはスラム街に住む健康な男の子)。彼らの人生が、彼らと彼らの周囲にとって全く悲劇的なかたちで交差する。これは社会派の物語ではないし、ましてや社会を糾弾するものでもないが、この小説はあまりに近くあまりに遠いふたつの環境を描いている。気取って、虚飾に満ち、野心的で、見かけが全てのブルジョア階級。それに対し貧困と暴力に満ちた環境で、生き延びるのに想像を絶する努力が必要な、社会からあぶれた階級。バルセロナの高台に住む人々と、ラ・ミナのようなスラム街に住む人々、全く違った性格のふたつの世界が描かれている。同じだって? 生まれも、ましてや生活も、そして死さえも同じではない。

Nadar著『Transitorios』の表紙

巡り合わせ(「過ぎゆくものたち」)

Transitorios

ナダール

Nadar

Astiberri Ediciones

思春期に差し掛かった息子と母親の関係、架空の人物をリアルにみせるという不可能な依頼、ある教師にまつわる道徳的疑惑、父親から受け継いだ特別な遺産…。ナダールが『Transitorios (巡り合わせ(「過ぎゆくものたち」)』で扱ういくつかのテーマである、それらの物語がたどるのはありきたりの道ではない。

Tana Oshima著『Tratado de geometría』の表紙

幾何学論

Tratado de geometría

大嶋 田菜

Tana Oshima

Menoslobos taller editorial, S.L.

大嶋田菜のデビュー小説『Tratado de geometría(幾何学論)』は、「あなたが存在しないから、あなたに書く」という言葉から始まる。これは著者が追求するものを余すところなく伝えている。200ページ以上にわたるラブレターである。物語はふたつの異なる時間と場所で展開する。第1部では、黙示録的な現在。ある女性が長方形の内部を動き回り、彼女を取り巻く小さな世界を観察する。そこで彼女は他の形、自分自身、周囲の環境、感覚、そして愛と親しんでいく。第2部では、別の女性(同じ女性だろうか?)が、物事が名前を持つ前の世界にたどりつく。そこで彼女は、言葉をつくりだし、自分を理解し、名づけ、自分の場所とあらゆるものの場所を見つけていく。『Tratado de geometría(幾何学論)』は、存在、愛、セックス、感情がもたらす混乱について語る。絶対的で利己的な必要性や、私たちの存在を肯定する肉体的欲求という名の深淵の縁に現れては消える他者の身体との関係性についても語られている。

Ivan Ledesma著『Tres días en la calle ciprés』の表紙

シ?レ/通りでの3日間

Tres días en la calle ciprés

イバン‧レデスマ

Ivan Ledesma

Obrador Editorial, S.L.

ある事件の解決のため、バルトに残された時間は3日。しかしシプレス通りには彼が探し出そうとしている手掛かりよりも、もっと多くのことが隠されている。一軒一軒訪ねては足りないパズルの欠片を集めていくが、そのたびにパズルが大きくなっていくように感じる。ただ確かなことは、誰も隣の住民がどんな人物なのか知らないということだ。

3コペイカ

Tres Kopeks

モニカ‧ロドリゲス

Mónica Rodríguez

Ediciones Paraninfo

利発だが貧しい少年ビクトルは、靴磨きの道具箱を持ってパリの街を歩き回る。1934年、そのイルミネーション輝く街は、彼には手の届かない快適で豪華な世界を見せつける。ウージェニーおばさんの虐待で、家から逃げ出さざるを得なかったビクトルは、ふたりのロシア人画家に保護された。少年は、彼らといっしょに夜の自由奔放なパリを経験する。そこでは、モンパルナスの女王や、シュールレアリストたち、盲目の彫刻家など風変わりな人たちが行きかっていた。しかし、裕福な少年アントワーヌと出会うと、すべてが一変した。思いもかけず友情が深まったことで、ふたりは悲劇的な結末へと導かれる。第二次世界大戦後の荒廃した時代、ビクトルはふたりの友情を取り戻そうとする。

Ximena Renzo著『True Colors』の表紙

本当の色

True Colors

シメナ‧レンソ

Ximena Renzo

Nova Casa Editorial

本書はアブリル・リッツォとネイト・コリンズというふたりの子どもの物語。ふたりは米国、メキシコ、ベネズエラ、コロンビア、ペルー、イタリアなど様々な国を旅して世界を知ろうとするが、いちばん重要な旅は友情や愛への旅だった。その旅でふたりは涙にくれることになるが、やがて不運を乗り越える。それは幸せになるために欠かせない要素、すなわち夢の再確認と追求、自立、強さ、希望、感謝、許し、そして仲直りのおかげだった。

Glàfira Smith著『Trufa』の表紙

トルファ

Trufa

グラフィラ・スミス

Glàfira Smith

Brink Books

犬の色の見方は私たちと異なり、世界の捉え方も違っている。彼らの視線はより強く、共感的で、寛大だ。黒いラブラドール犬、トルファの目を通して、働き者だが感情的には淡白な父親、ホセ・ルイスの家族の日常が描かれる。愛するということの様々な形を描いた物語であり、老いた夫婦、病気の母親、そして冷淡な父親の沈黙を破ろうとする娘という、繊細な家族の記録でもある。

Natalia Olmedo Feria著『Tu alma en mi lienzo』の表紙

私の2RンHスの中の君の魂

Tu alma en mi lienzo

ナタリア‧オルメド‧フェリア

Natalia Olmedo Feria

Group Edition World

若きジャーナリスト、カロリーナは、謎めいた有名な画家マルティン・ベラへのインタビューを依頼される。世間ではこの画家は死んだと思われていたが、彼の絵画作品のうちの1点がプラド美術館に展示され、無から突然よみがえった。マルティンは、インタビュー嫌いだったが、カロリーナの中に何かを感じ、彼女のインタビューを受けることを承諾し、ついには長い間闇に包まれていた家族の大きな秘密を告白する。若きカロリーナにとっては、このインタビューは、彼女の人生を大幅に変えることになるだろう。3つの時代が交錯する、人生と戦争についての情熱的な物語。そこでは目に見える通りのものは何もない。

Isabel Hierro著『Tú decides la aventura: Vacaciones en la Atlántida』の表紙

冒険を決めるのは君だ ア=Pンティス の夏休み

Tú decides la aventura: Vacaciones en la Atlántida

イサベル‧イエロ

Isabel Hierro

ST&A Literary Agency

学校が終わった! いつもの年と同じように、きみは夏休みの旅行に出かける。今回行くのは、海のまん中に浮かぶ太陽がいっぱいの島だ。ところがそこには信じられない秘密が隠されていた。きみはその島で、海の下沈んでしまった伝説の都市アトランティスが本当にあるのを発見する。そして、その都市は危険にさらされている! きみはアトランティスを救うことができるのか? 運命はきみの心しだい。アトランティスの人びとが救われるか、敵にのみこまれてしまうかは、きみの選択にかかっている。127 ページでは巨大なマンタの背に乗って、43ページではサメの兵士たちに立ち向かう。58ページでは火山の爆発からのがれ、70ページではトカゲ人間から逃げだす。

Kiko Sánchez著『Túneles. Construcciones increíbles de aquí y de allá』の表紙

トンネル あちらこちらの信じられないような建造物

Túneles. Construcciones increíbles de aquí y de allá

キコ‧サンチェス

Kiko Sánchez

Tormenta Agencia Literaria

ホワイトハウスの地下に秘密のトンネルがあること、ソビエトが地球の核に到達しようとして作った、現在でも史上最大深度とされるトンネルがあることを知っていただろうか? 古来より、人類は障害物を回避し距離を縮めるためにトンネルを掘ってきた。洞窟の中や山の中、海底、大都市の地下……先史時代の最初の地下道から世界最大の地下鉄網やその他の驚異的な建造物、大型ハドロン衝突型加速器にいたるまで、これまでに造られた魅力的なトンネルの数々をこの本で見つけよう。

ユリシーズ -エドゥアルド‧アロヨによるイラスト版

Ulises

ジェイムズ‧ジョイス

James Joyces

Galaxia Gutenberg SL

ジェイムズ・ジョイスの大長編小説『ユリシーズ』に豊富なイラストを付した世界初の本。生前、同作品に命を救われたと語っていた著名アーティスト、エドゥアルド・アロヨによる134点のカラーおよび200点近いモノクロのイラストが掲載されている。イサベル・アスカラテ夫人が「彼はとにかくあの小説に夢中だった」と回想するほど、アロヨにとって『ユリシーズ』は完璧な作品だった。彼は生前、この大作に自分の絵を付して出版することを夢見ていた。そういう意味で、絵と文章を見事に調和させたこの作品が世に出ることは運命だったと言っても過言ではないだろう。ジョイスによる同作品の初版がパリで刊行されてから100年。それを記念して、本作『Ulises(ユリシーズ)』は現在、スペイン語(ガラクシア・グーテンベルグ)と英語(アザープレス)で出版されているが、世界中で出版される価値のある、洗練され時代をも超えた記憶に残る作品である。

Laura Falcó Lara著『Última llamada. Vuelo CW0764』の表紙

最後の通話 CW0764便

Última llamada. Vuelo CW0764

ラウラ・ファルコ=ララ

Laura Falcó Lara

EDHASA - Editora y Distribuidora Hispano Americana

遺体は発見されなかったが、CW0764便の乗客は、アマゾンで起きた飛行機事故で全員死亡したとされた。半年後、事故の犠牲者である少女メラニーの声で「助けて」というメッセージが、父ハビエルが働くラジオ番組に飛びこんでくる。同じ時間、民間航空会社のパイロット、エリックは、恋人ナタリーの命を奪った飛行機についての機密情報を知る。真実を知ろうと、必死の思いで急遽ペルーに向かったふたりの運命が、そこで交錯する。カウントダウンが開始される。隠された何かがある。誰も決して暴露したがらない何かが。父と子のきずなは死を超えて続きうるのか? ジャングルは何を隠しているのか? そして何より、事故の裏にいくつの嘘が隠されているのか?

Juani Velilla著『¡Un abrazo para Púas!』の表紙

プアスは抱きしめたい!

¡Un abrazo para Púas!

フアニ‧ベリリャ

Juani Velilla

Editorial BABIDI-BÚ

プアスはちっちゃなハリネズミ。友だちをぎゅっと抱きしめたいけど、とがった針でけがをさせてしまうのがこわい。友だちをぎゅっとするのを想像するたび、いやな考えが頭のなかに広がって、抱きしめる気をなくしてしまうんだ。なやみになやんだプアスは、おかしなことを思いついた。針をぬいちゃえばいい! さあ、じゅんびはととのった。でも、プアスはそのとき知らなかった。実はプアスの友だちも……。プアスは、森の友だちを抱きしめることができるだろうか?

Jordi Sebastià著『Un afer europeu』の表紙

ヨーロッパの出来事

Un afer europeu

ジョルディ‧サバスティア

Jordi Sebastià

GRUP 62, S.L.U.

年若きジャーナリスト、ジュアン・バリャステルはヨーロッパ同盟体制に興味はないが、ある式典のニュースをカバーするためにブリュッセルに飛んだ。この旅は向き合うことを避けている恋愛や家族の問題から離れるのに好都合だった。だが欧州連合の本部があるブリュッセルでバレンシアオレンジ生産者に壊滅的な打撃を与える貿易条約が可決される寸前であることを知る。この情報を耳にした、懐疑的だが根っからのジャーナリストであるバジェステルは、この協定に隠された利害を探るためにブリュッセルに残ること決意。雨が降り続けるブリュッセルとストラスブールでジュアンは、容赦ないロビイストたちを中心にした偽善と暴力が水面下で渦巻く掃きだめのような政治の世界に潜り込む。過ぎた好奇心には危険が伴うこともある…

Marta Ardite著『Un artista es』の表紙

アーティストとは...

Un artista es...

マルタ・アルディテ

Marta Ardite

Editorial Juventud

アーティストとは何でしょう? その創造性を刺激するものは何でしょう? きっと答えはひとつではないでしょう。しかしだれもが想像し、感動し、そしてなみはずれたものを生み出す能力をもっているのはたしかです! この絵本は、神格化された芸術に対する先入観を打ち破ることを目的とした小さなマニフェストです。私たちをアーティストのすがた、そして想像力や創造的な自由を通して世界を見るその視点に、より近づけてくれます。

1教室1プロジェクト。PBLと2020年以降の新たな教育

Un aula, un proyecto. El ABP y la nueva educación a partir de 2020

フアン‧ホセ‧ベルガラ

Juan José Vergara

Narcea Ediciones

PBL(課題解決型学習)の研修を行う中で、さまざまな国の、異なる教育レベルに属する何百人もの教師と共に「分単位」で取り組んできた内容を紹介したもの。シンプルでありながらも奥深く示唆に富む言葉を用い、キーとなるポイントごとにまとめられている。作者は、COVID-19のパンデミック以降に世界が経験している現実を教育の転換点と捉え、その考えに基づき本書を執筆した。その中にはPBLの実施方法、グループ分けや評価の仕方、さらに教師、生徒、コミュニティの関心がどこにあるのかなどの情報が明確に記されている。本書はそれほど多くないページ数だが、数十年にわたり何百時間もかけて行われたトレーニングにおいて実践から得られた成果の集大成である。

感情のシ(イク

Un batido de emociones

ノラ・ロドリゲス

Nora Rodríguez

Boldletters Editorial

ノラ・ロドリゲス(文)は文献学者、教育学者であり、青少年向けの本を多数執筆している。なかでも『Guerra en las Aulas(教室の中の戦争)』(Temas de Hoy、2004)は、学校のいじめ問題を取り上げたパイオニア的作品として大きな反響を呼んだ。この題材に関して著者は社会的プロジェクトや講演や出版物で現在も取り組みを続けている。『Guía genial para una chica como tú(君のような女の子のためのクールなガイドブック)』(当サイト2022年紹介作品)や本書『Un batido de emociones(感情のシェイク)』の著者。ラケル・グ(絵)は文献学者で翻訳家だが、鉛筆を持てるようになったころからずっと絵を描いていて、描くことがいちばん好き。2008年までサルバット出版の編集者として働いたあと、イラストレーター、漫画家として認知されるようになり、様々な印刷メディアとテレビに作品を寄せている。大人向けのグラフィックノベルや児童文学の著者でもあり、《Chic@Genial(クールな男の子・女の子)》シリーズのすべての本でイラストを描いている。

Carlos J. Server著『Un bautizo singular』の表紙

奇妙な洗礼式

Un bautizo singular

カルロス‧J‧セルベル

Carlos J. Server

Carlos Juan Server Lorente Ediciones

誰もが一度は家族の一大行事を行う機会があるはずだ。機会よりも苦行と言えるのだが。本作の主人公ルシアも一風変わった家族の伝統を守るために、息子アルヒミロの洗礼式をのどかなエル・イエロ島で行うしかなかった。エル・イエロ島はカナリア諸島の中で最も小さな島だ。ルシアにとって狂乱の週末が幕を開ける。風変わりな自分の家族や夫の家族との対峙だけではない。息子の父親は夫ではないのではという疑いを持つルシア。本当の父親を探すべきか、それとも単にルシアの思い違いなのか。そのためには疑惑の真相を確かめる必要があった。おかしな人達と極限状態におかれた日常を描くこの小説を読んだ後、読者は自分の家族も奇妙なのではと振り返らずにはいられないだろう。楽しめること間違いなしの作品をお見逃しなく。

雨の中の5ス

Un beso bajo la lluvia

ビオレタ‧ボイド

Violeta Boyd

Nova Casa Editorial

予報では、これがこの季節の最後の雨。ロマンチックな聖バレンタインデーなのに、フロイド・マクフライはついてなかった。公園の中でずぶ濡れで立ち、傷だらけの心を抱えた彼女は、いかにも「この恋はうまくいかない」と言われたばかりの姿。だが、茶色のコートを着た知らない男性に傘を差しだされ、彼女は楽天的な女の子に戻った。あれは誰? 候補者はふたり。そのひとりはジョゼフ・マーティン、スーパーヒーロー願望が強く、バットマンに仮装し、よくしゃべり、トラブルに巻き込まれがちな少年。もうひとりは、同居することになるフェリックス・フレデリック。雨と太陽。チョコレートとミント。多色と単色。ポジティブとネガティブ。それがフロイドとフェリックスで、正反対のふたりはかつて離れがたい仲だった。しかし、その無邪気な友情は思い出でしかない。フェリックスが抱える秘密。やがてフロイドは、それを知ることになる。

Cristina Carrillo de Albornoz著『Un beso en Tokio』の表紙

東京でキス

Un beso en Tokio

クリスティーナ・カリリョ=デ・アルボルノス・フィサック

Cristina Carrillo de Albornoz Fisac

Editorial La Huerta Grande

大江研吾は、安藤忠雄の教え子であり、国際的に名高い日本人建築家で、まさにキャリアの絶頂期にある。ある日、彼は失われた調和と生きがいを求めて、すべてを捨て去る決意をする。この決断により彼は直島から、中国、ドバイ、ニューヨーク、マドリードを経て、強烈で予測不能な場所であるジンバブエに至る感動的な旅に出る。21世紀の世界を巡る旅、最終的には並外れた内なる旅となるこの巡礼を通して、彼は欲望を再発見し、存在における偶然性、愛と不在の複雑な性質について熟考する。現実と夢、美の神秘、究極的には人にとっての決して壊されることのない幸福について彼は問いかける。 『Un beso en Tokio(東京でキス)』は、発見の喜びと生の脆さを結晶化させる小説であり、スリラーであり、長編詩である。偉大な詩人たちの詩句を織り交ぜながら、著名な建築家の直感的で生命力あふれる精神を通して、芸術や映画や音楽や建築の永遠の宇宙の秘密と経験を探求する。建築家は、芸術が私たちを唯一無二の宇宙へと運び、西洋と東洋の間の境界線をも消し去ると感じ、夢見ている。 建築家の内面を描きだしたこの本には、安藤忠雄、ミース・ファン・デル・ローエ、ラファエル・モネオといった建築家から、マルク・シャガール、アルベルト・ジャコメッティ、バルテュス、ダミアン・ハースト、ハーランド・ミラー、メルセデス・ララといった芸術家、マリア・カラス、ヘルベルト・フォン・カラヤン、マイルス・デイヴィス、坂本龍一といった音楽家まで、文化の巨匠たちが登場する。さらに、本書には安藤忠雄の「光の教会」、ダミアン・ハーストの「スピリチュアル・デイ・ブロッサム」、ハーランド・ミラーの三連作「アムール・アムール、モア・アムール」、バルトローネ・ゴッビ・コレクション所蔵の繊細な浮世絵、アーティストのメルセデス・ララが制作した地図「エントレ・マルヘネス」など、厳選された名品の画像が収録されている。

空中にうかぶ森

Un bosque en el aire

ベアトリス‧オセス

Beatriz Osés

Fundación Santa María - Ediciones SM

笑顔の住民とミステリアスな魔女が暮らし、たくさんの物語がある、家庭的な村。破産した父親と、世界を変えようと決めている祖父とともに、町から来た少年。つがいのアヒルは、本が実るオリーブの木と、ハートが実るアーモンドの木のあいだで居場所を探す。魔法が生まれるのに、森よりもいい場所があるだろうか?

Diego Blanco Albarova著『Un camino inesperado』の表紙

予期せぬ道

Un camino inesperado

ディエゴ‧ブランコ‧アルバロバ

Diego Blanco Albarova

Ediciones Encuentro

子どものころからの『指輪物語』への憧れをきっかけに、ディエゴ・ブランコは本作の読者を、トールキンが命を吹き込んだビルボ、フロドやほかの登場人物たちとともに、物語を味わいつくす旅へと誘う。そのために作者はガンダルフの役を引き受け、近代の文学の中でファンタジーのジャンルを羽ばたかせた最初のひとつであり、もっとも有名な物語の秘められた、だが的を射た解釈へと読者を導く。作者は400ページ以上もある本作を通じて、トールキンが魔術、並外れた生物、魔法の指輪でいっぱいの幻想的な世界を、何に基づいて創造したかを明らかにする。こうして我々は、トールキンの世界と登場人物の中に隠された寓話を見つけ、最高傑作の執筆へとこのイギリス人作家を導いた、まぎれもないキリスト教の影響を見出すことができる。

森の中の開けた場所

Un clar al bosc

オリオル‧ジネスタ

Oriol Ginestà

Comanegra Editorial

感性の豊かな人々がどのような経験をし、どのように自らを認識しているのか、その特別なやり方を示し、読者自身の感受性を見定めるのに役立つ寓話。森の暮らしが大好きなカイソはずいぶん前から、濁流のような大都会の喧騒を離れ、木々に囲まれた川のそばの小屋で平穏な日々を過ごしていた。そんなある日、謎めいた漁師が目の前に現れたことで、彼の人生は一変する。漁師は3つの問いを出し、答えることができるかカイソに挑んできたのだ。森や自然の魔法というテーマの中で、感受性に満ちたカイソの生き方に触れる物語。彼の記憶、夢、考察を通して、読者はその世界の感じ方を知り、自分自身の感性を大切にすることを学んでいく。

Raúl García Castán著『Un corredor en las nubes』の表紙

雲の中の通路

Un corredor en las nubes

ラウル‧ガルシア=カスタン

Raúl García Castán

Editorial M1C, S.L.

Carmen Gil著『Un cuento para cada letra』の表紙

文字のものがたり

Un cuento para cada letra

カルメン‧ヒル

Carmen Gil

Fundación Santa María - Ediciones SM

アルファベット文字の1つ1つにまつわる29のお話をまとめたもので、読み書きを学んでいる子どもたちがそれぞれの文字の書き方や音について学べるように工夫している。各話では一つひとつの文字が主人公になっており、テキストはカリグラフィーの美しい文字で書かれている。

Miren Arzallus Loroño著『Un deslumbrante fresco Cristóbal Balenciaga. La forja del Maestro (1895-1936)』の表紙

クリストバル‧バレンシアガ 巨匠の形成(1895-1936)

Un deslumbrante fresco Cristóbal Balenciaga. La forja del Maestro (1895-1936)

ミレン‧アルサリュス=ロローニョ

Miren Arzallus Loroño

Editorial Nerea / Diputación Foral de Guipúzcoa

 20世紀のファッション界の巨匠クリストバル・バレンシアガは、1895年にギプスコアのヘタリアで生まれた。1936年にパリのジョルジュ・サンク通りに店を開き、その数ヶ月後、最初のパリコレクションで有無を言わさぬ成功をおさめ、モード界で国際的に名を連ねるようになり、その評価は以後落ちることはなかった。当時彼は42歳。しかし、彼のそれまでのクリエイターとして、また経営者としての足跡は知っているだろうか。このテーマの専門家であるミレン・アルサリュスは、バレンシアガのこれまで明かされなかった四十年を再構築し、家族のこと、専門家としての経歴、パリで地位を確立するまでの企業家としての軌跡を語る。バレンシアガの偉大な作品のもととなった豊かな独自の世界を再現する、歴史的社会的にまばゆいフレスコ画である。

Carlos Juan Server著『Un día con suerte』の表紙

幸運が舞い降りた日

Un día con suerte

カルロス‧J‧セルベル

Carlos J. Server

Carlos Juan Server Lorente Ediciones

ジローナのとある小さな村の住民がヨーロッパの宝くじ史上最高の当選金額を獲得した。こぞって幸せに酔いしれたのも束の間、村民は当選くじを換金させようと幸運な当選者を探し出すレースを始める。我先にと奔走するのは一度話し出したら止まらない神父、肉屋とのセックスを空想する定年退職の女、30年間も村長を務め続ける男、パン屋の女房に恋する郵便配達員などなど。この個性溢れる登場人物たちが読者の笑いと涙を誘いつつ非常事態と化した日常生活の模様を楽しませてくれるだろう。アクションとサスペンス満載のコメディとなっている本作品で、セルベルはベルランガやウディ・アレンが確立した社会風刺的スタイルを見事に表現している。時間をかけてじっくりと読みたい1冊。

Tomeu Simó Mesquida著『Un día de pesca』の表紙

釣りの日

Un día de pesca

トメウ‧シモ‧メスキダ

Tomeu Simó Mesquida

Vasaris Balta

一番の大物をつりあげようと、バレアレス諸島沿岸に小型船で乗り出す、ふたりの友だちの冒険物語。多くの驚きがふたりを待ちうけている。船乗りや漁師の伝統、友情やすばらしい食への賛歌。初版2016年、2刷2017年、3刷2020年。

José Carlos Román著『Un extraño regalo』の表紙

不思議な贈り物

Un extraño regalo

ホセ‧カルロス‧ロマン

José Carlos Román

Triqueta Verde

友情や虚栄心、外見で人を判断しないことの大切さについての物語。森にひとつの小さな包みが現れる。動物たちは誰もが自分宛てのものだと思う。しかしみんなの予想に反してその不思議な小包は小さなトガリネズミに宛てたもので、中にはみんながアッと驚くようなものが入っていた。

Gerard Guix著『Un faro en el fin del mundo』の表紙

地の果ての灯台

Un faro en el fin del mundo

ジェラルド‧ギクス

Gerard Guix

Elastics Books (Enciclopèdia Catalana, SLU)

思春期は発見と苦悩の時代といわれる。マックスはそのことをよく知っている。14歳で彼は人生が大きく変化するのを目の当たりにした。父親が離島の灯台の改修を依頼され、数ヶ月間、家族全員が現地に移住することになったのだ。ちょうどマックスが学校で友人を作り始めていたときで、クラスの一部から見た目のことを言われ、苦しんでいるときでもあった。そしてある女の子と特別な関係になり始めたときでもあった。その気持ちにまだ名前を付けられていなかったが。彼はそのすべてを捨てて、行きたいかどうかだれにも訊かれないまま、新しい生活を始めなければならなかった。しかしマックスは思春期が、永遠に刻まれることになる初恋の時期であることをまだ知らない。

Begoña Oro著『Un fuego rojo』の表紙

赤い火

Un fuego rojo

ベゴーニャ‧オロ

Begoña Oro

Galimatazo Editorial

秘密とは、私たちを消耗させ、いらいらさせるもので、自分にとって一番大切なことや、心揺さぶられたり苦しんだりすることを共有できないという深い孤独に陥れるものだ。本来、話すことのできない秘密というものに、どうやって言葉(やイメージ)を与えられるだろうか。答えは簡単、比喩を使うのだ。秘密とは赤い火である。「多かれ少なかれ、誰もが赤い火を持っている」。 プリタもそうだし、彼女の子供たち、つまりこの絵本の主人公ケルティとクップにも秘密がある。秘密を持つ人たちにぴったり寄り添いたいと願って作られた絵本。この物語の中で読者は、孤独、無理解、告白の試み、そして最後にその火にふっと吹きかかる風のような安堵を知ることになるだろう。

Andreu Llinas著『Un gato llamado Almohada』の表紙

まくらという名の こ

Un gato llamado Almohada

アンドレウ‧リナース

Anderu Llinàs

Lata de Sal, S.L.

ノベイ家の家族(お母さん、お父さん、息子、娘、おじさん、いとこ……等々)はみんな、目があまりよくない、というよりひどい近眼だ。だから1匹の猫が家にやって来たとき、たいへんなことに。わざとではないが、猫の上にすわるわ、えさをやりすぎてしまうわ、順々にみんながへまをする。さんざんだが、見ていると笑いが止まらない。そして最後はみんなハッピーエンドになる……特にまくらという名の猫にとっては。 この本のとりこになるのはなぜ?1:イラストに大笑いしてしまうから。2:ユーモアがストーリーへの信頼を裏打ちしてくれるから。3:びっくりするすごく楽しいラストだから。4:動物の世話や動物を大切にすることを考えさせてくれるから。

Alejandro Palomas著『Un hijo』の表紙

息子

Un hijo

アレハンドロ‧パロマス

Alejandro Palomas

Sandra Bruna Agencia Literaria

ギリェはいつも笑顔を絶やさない、一見幸せそうな男の子。しかし少し爪でひっかけば、その下に謎が隠れているのがわかる。笑顔を絶やさない内気なギリェは、想像力豊かな本好きの少年。友だちは女の子がひとりだけ。ここまでは平穏な話だ。だが、物静かな仮面の下にはトランプの城のように壊れやすい、謎に満ちた世界が隠されている。経済的に追い詰められた父親、不在の母親、好奇心をそそられた教師、背景にあるパズルを組み立てようとする心理学者。感情、優しさ、空虚さ、発せられなかった言葉、恐ろしい謎が息づく群像小説。

Cristina Villar Fernández著『Un hotel muy animal』の表紙

動物いっぱいのホテル

Un hotel muy animal

クリスティーナ・ビリャール=フェルナンデス

Cristina Villar Fernández

La Maleta Ediciones

パトリシオは、初めての仕事に胸をふくらませて出勤する。ところがカウンターの裏で予期せぬ間違いが起こり、大混乱を巻き起こすことになる。

著『Un lugar para Gusti』の表紙

グスティの居場所

Un lugar para Gusti

インマ‧ムニョス

Inma Muñoz

Ocho en punto

グスティは移動できる小さな家。地面に留めてある固定具を外し、トラックに乗りさえすればいいのだ。ある時期になると街に住み、桜の木がある大きな庭園のそばで、花が咲く春の訪れを待ち焦がれる。でもその冬は周りに多くの家が建てられ、春が来てもグスティは庭を楽しめなくなってしまう。そこでグスティは自分が心地よいと思える場所を探して世界中を旅することに。見たことのない場所を見つけ、世界中のいろんな家々を知ることになるが、居心地のいい場所はなかなか見つからない。果たして、自分の居場所は見つかるのか? グスティの大冒険についていこう。

著『Un món de mares 』の表紙

素晴らしき母たちの世界

Un món de mares fantàstiques

マルタ‧ゴメス‧マタ

Marta Gómez Mata

Comanegra Editorial

アルキメデスの母親は、過去との距離を縮めようと思いつき、お気に入りの物語の主人公の母親を集めて、息子や娘の物語を改めて語ってもらうことにした。アインシュタインの母親は、ロビンフッド、オーガ、醜いアヒルの子のそれぞれの母親とお茶をする。クレオパトラの母やガスパール王の母、シェヘラザードの母やマルコ・ポーロの母もいる。書店から直接、シャーロック・ホームズの母親やトム・ソーヤーの母親や長くつ下のピッピの母親も来る。フリーダ・カーロやキング・コング、マリー・キュリーにサンチョ・パンサ、チャイコフスキーやバスター・キートンらの母親たちも参加する。部屋の片隅では、アリスの母親、ピーターパンの母親、リトルマーメイドの母親が子どもたちの思い出話。彼女たちはマーティン・ルーサー・キングの母親と、そして素晴らしい物語や記憶のなかに登場するあらゆる人物の母親と同じくらい美しい。

Antonio Ladrillo著『Un...mundo maravilloso』の表紙

ある……すばらしい世界

Un... mundo maravilloso

アントニオ‧ラドリーリョ

Antonio Ladrillo

Fulgencio Pimentel Editorial

わたしたちをとりまく世界はすばらしい。動物、音、形、織物、感覚、自然、そしてわたしたちの自然とのかかわり方。この本はすばらしいもののカタログであると同時に、生きていることの喜びと悲しみ、そして生命の神秘をたたえる精神的な旅。アントニオ・ラドリーリョは絵本の世界に小さな革命を起こした。この上ない純粋さと純真さがここには表現されている。本書はおそらく、作者の最高傑作になるだろう。

とっても変な男の子

Un niño muy raro

リカルド‧アルカンタラ

Ricardo Alcántara

Editorial Juventud

クラスメートはポルと遊ばなかった。とっても変な子だと言って、彼を無視した。みんなで怒らせようとしたが、ポルは気にしなかった。「ぼくの父さんは魔術師なんだ」といっていた。だがある日、すごく変なこの子の秘密を暴こうと、みんなはポルのあとをつけることにした……。

君の名前が付いた国

Un país con tu nombre

アレハンドロ‧パロマス

Alejandro Palomas

そのさびれた村の住人は、動物園で象の飼育係をしているジョンと、猫11匹と暮らす未亡人のエディスだけだ。はじめ互いに関わり合わなかった彼らだったが、今では良き友人同士である。ふたりは、古い鐘楼の上の風見鶏が自分で回り始める夜、村に注がれる「時のまなざし」が自分たちの人生も共に回転させようとしていることなど知る由もなかった。春が訪れた時、動物園の経営陣は想像もしなかったような決断を下す。さらに村が属する自治体も、今は住む人もない湖畔の古いお屋敷を改装し田舎風のホテルにすると発表した。このふたつの知らせは、ジョンとエディスの人生を一変させ、彼らをこれまで踏み出すことのできなかった行動に駆り立てるのだった。

José Andrés Anguita Peragón著『Un paseo amable por el mundo del flamenco』の表紙

フラメンコ世界をめぐるやさしい散歩

Un paseo amable por el mundo del flamenco

ホセ‧アンドレス‧アンギータ=ペラゴン

José Andrés Anguita Peragón

Editorial Octaedro

本書はフラメンコの世界に入ってみたいと願う人を対象にしているが、フラメンコ通の人たち向けでもある。全てのフラメンコ・ファンのために、本書の中には、歴史を通じての曲種の様々な分類、フラメンコ民謡の形式、アンダルシア方言の特徴、フラメンコの詞によく見られるジプシー用語、様々な曲種の韻の踏み方及びそれらの研究について取り上げられている。また、フラメンコがどのように生まれたかについての興味深い理論や、フラメンコ芸術の形成に、ある意味、影響を与えたアンダルシアの歴史についての基礎知識も取り上げる。巻末にそえられている250人のアーティストの略歴は、ファンにとって大いに役にたつだろう。

森の中の散歩

Un paseo por el bosque

マリオナ‧トロサ‧システレ

Mariona Tolosa Sisteré

Editorial Flamboyant

マリオナ・トロサ=システレはバルセロナでイラストレーションを学び、アクリル絵の具、鉛筆、コラージュ、デジタル技術などのテクニックで世界を作ることを学んだ。絵を描くことに情熱を傾けるようになって以来、企業や公的機関と協力して、絵本や本、記事、アニメーション、ポスターの挿絵を手がけ、人物画を描き、レタリング文字、グラフィック画像、テキスタイルプリントのデザインに携わってきた。手がけた本は18以上の言語で出版されている。

Sara Nicolás著『Un pavo para cenar』の表紙

七面鳥をディナーに

Un pavo para cenar

サラ・ニコラス

Sara Nicolás

Tu Cuento y Tú

都会から離れた美しい農場に、メルビンは住んでいる。穏やかで幸せな時間が流れていた。ところがある日、電話での会話をぐうぜん耳にしたメルビンは、恐ろしいことを知ってしまった。だれかが夕食に七面鳥をほしいというのだ。その瞬間からメルビンは、農場から連れ出されないように、時間との戦いを始めた。『Un pavo para cenar(七面鳥をディナーに)』は、最後まであなたをハラハラさせる抱腹絶倒の絵本だ。

Alma Serra著『Un pellizco en la barriga』の表紙

おなかをさす痛み

Un pellizco en la barriga

アルマ‧セラ

Alma Serra

Editorial BABIDI-BÚ

マルは、親しかった人を亡くした経験がある女の子で、その喪失感をずっと抱きつづけている。困ったことにマルは自分の気持ちをうまく表現できず、怒ったり、泣いたり、遊ぶ気になれなかったり、何事もなかったかのように振舞うことがある。彼女は大きな秘密を抱えており、そのせいでおなかに刺すような痛みが走ることを誰も知らない。言えなかったことすべて、もう抱きしめられないこと、謝れなかったことを悲しく感じているのだ。ある晩、マルはすべてを変える夢をみる。それによって、自分が幸せになるのを妨げている秘密から解放され、大きな自由と感謝を感じることができるだろう。

Francesc Miralles著『Un rayo de esperanza』の表紙

一筋の希望の光

Un rayo de esperanza

フランセスク‧ミラレス

Francesc Miralles

Sandra Bruna Agencia Literaria

真冬で海岸沿いの村で開いている唯一の店カフェターナーで偶然会った孤独な魂をかかえる4人が、こんな質問をしあう。あなたの家が炎に包まれている、そして、あなたにとって生きがいとなるもの、ひとつしか救い出す時間しかないとしたら? ゲームで始まったこの会話は、彼らの運命を交錯させながら、全く予期しなかった結果を生み、最終的に4人は自分の人生に新たな意味を見出すことになる。トンネルの果てに光を見つけるための、友情と愛の見えない絆についての啓蒙的物語。

Pedro Riera著『Un relato de violencia』の表紙

暴力に関するお話

Un relato de violencia

ペドロ‧リエラ

Pedro Riera

Tormenta Agencia Literaria

ガブリエルとトニは9歳の夏休みに、家族と過ごすキャンプ場で出会った。ふたりは仲良くなり、また、同じ学校に進学したことから互いが親友といえる存在になる。しかし次第にふたりの友情は壊れ始める。果たして正義のためならば暴力に訴えることは許されるのか。トニの反対にあっても、ガブリエルは許されると信じ、それを証明しようとする。「覆面をした男がどこからともなく現れ火炎瓶を投げた。一瞬時間が止まった。人々は息を止め、騒音は掻き消えた。火炎瓶はスローモーションで撮影した映像のようにゆっくり空中を飛んで僕たちの頭上を通り過ぎた。そしてブルドーザーのひとつに当たった。その瞬間、今度はまるで誰かが早送りのボタンを押したかのようだった。火の玉がそこ一面を地獄へと化した」

Enrique Mauricio Iglesias著『Un ronsel de Ardora, una biografía de Ángeles Alvariño』の表紙

アルドラの航跡。アンヘレス・アルバリニョの伝記

Un ronsel de Ardora, una biografía de Ángeles Alvariño

エンリケ‧マウリシオ

Enrique Mauricio Iglesias

Lela Edicións

23種以上の海洋生物を発見した海洋学者アンヘレス・アルバリニョの子ども向け伝記。本書は2021年現在、8冊が刊行されている『Mulleres Galegas(ガリシアの女たち)』シリーズの1冊目にあたる。

Alicia Acosta著『Un sándwich de amor, ¡por favor!』の表紙

愛のサンドイッチをひとつください!

Un sándwich de amor, ¡por favor!

アリシア‧アコスタ

Alicia Acosta

Ediciones Jaguar S.A.U.

「ママとパパが一緒にいられなくなった理由を、小さな子どもに理解してもらうための絵本」 別れるってなに? 小さくてにこやかな主人公は、パパとママが一緒に暮らせなくなった理由に向き合う。くさいハムスターのブバのせい? いや、そうじゃないと思う。おもちゃを片付けないから? そうじゃないといいんだけど……それじゃ?  大人の事情はたいてい複雑だけど、何事にも解決策はあるもの。もし愛のサンドイッチがあるなら。アリシア・アコスタ作、エステル・ブルゲーニョ画の、別れのプロセスを描いた優しい物語。

Pablo Gutiérrez著『Un verano en Portugal』の表紙

ポルトガルでのひと夏

Un verano en Portugal

パブロ‧グティエレス

Pablo Gutiérrez

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

高校入学を控えた少年の夏を、友情と家族を土台にして描く、イニシエーションの物語。しなやかで扱いやすい波がゆっくりと私たちに向かってきていた。ボードが垂直になるような第一波をうまく回避し、第二波に挑んだ。-さあマヌ! 漕ぐんだ! 頭の上で波が割れるかと思ったよ。

Carmen Alcayde著『Un verano especial』の表紙

宇宙の夏

Un verano especial

カルメン‧アルカイデ

Carmen Alcayde

Grupo Editorial Sargantana

“宇宙”の夏に、あるマッドサイエンティストが、他人がいらなくなったものをすばらしい発明品に変える方法を教えてくれる。

Maite Carranza著『Una bala para el recuerdo』の表紙

この銃弾を忘れない

Una bala para el recuerdo

マイテ・カランサ

Maite Carranza

Sanoma Infantil y Juvenil

1938年、バルエロ。13歳のミゲルは、共和派の鉱夫である父親が前線で死んだと信じていた。突然、父親がオビエド近郊の捕虜収容所にいるという知らせが届く。母親は息子に父親を家に連れて帰ってくるよう懇願し、少年は愛犬グレタを連れて父親を探しに旅立つ。ミゲルは何百キロメートルもの道のりを歩き、狼や脱走兵のいる山々を越え、食べ物を盗み、市民警備隊から逃げ、恋に落ち、すべてを失った人々と出会い、大人になり、そして戦争とは何かを自分の目で見ることになる。

Irene Verdú著『Una carta』の表紙

手紙

Una carta

イレーネ‧ベルドゥー

Irene Verdú

Algar Editorial S.L.

ある日、風が迷子の手紙を見つけた。雨で封筒の文字が洗い流され、誰に宛てたものなのか、誰が書いたものなのかがわからなかった。でも、その手紙には「愛してる」という大切な言葉が書かれていた。そこで、風は手紙を空高く吹き上げ、強く、強く押した。その手紙は、きっと宛先を見つけ、愛されていると誰かに感じさせることだろう。でも、その手紙がいつも不機嫌で家に閉じこもっているネコ氏の頭の上に落ちるとは、風は想像もしなかった。 いつも? もしかしたら、言葉の力が彼の人生を変えるかもしれない。

Mariano Quirós著『Una casa junto al Tragadero』の表紙

底なし川のほとりの家

Una casa junto al Tragadero

マリアノ‧キロス

Mariano Quirós

Tusquets Editores

エル・ムド(口がきけない男)はアルゼンチン北部の奇妙な村の郊外に、雌犬のインディアと一緒に住んでいる。何年も前に街からやってきて、山の中にあるトラガデロ川畔の謎めいた家に住みついた。 川についての話をし、猿を狩って生き残る方法を教えてくれる店の主人インスアを除いては誰ともつきあわないようにしている。 彼はただ静かに暮らしたいだけだ。だから、こそこそと彼を待ち伏せる村の男の行動が気にいらない。その村人が彼のことを野生動物財団に訴え、環境保護活動をする若者たちがやってきて、彼の暮らしは複雑になっていく。 鳥、猿、ワニに囲まれた敵意に満ちた自然の厳しさの真っただ中で、読者は川の危険と、見知らぬ人たちからの脅威によって増していく緊張を体感する。彼らの真の意図を、私たちはエル・ムドの視点から不安な思いで推測するしかない。

Sheddad Kaid-Salah Ferrón著『Una ciudad en Marte』の表紙

火星の都市

Una ciudad en Marte

シェダード‧カイド-サラーフ‧フェロン

Sheddad Kaid-Salah Ferrón

Editorial Juventud

人間は好奇心旺盛な動物である。知りたいという欲求と新たな資源の追求のために、私たちは山に登り、極地を制覇し、広大な海を渡ってきた。そして、その飽くなき探求心は宇宙にまで及んでいる。その先には、最後のフロンティアといえる火星がある。 科学、技術、想像力が、赤い惑星を知り、その最初の住民の生活を発見する壮大な旅のお伴だ。火星は、私たちにゼロからスタートするチャンスを与えてくれる。発射準備はOK? この分野の著名な専門家によって書かれた本。

Rafael Mendoza著『Una duende en el Thyssen』の表紙

ティッセンの小妖精

Una duende en el Thyssen

ラファエル‧メンドサ

Rafael Mendoza

Editorial Saure

ひとつの伝説から生まれた主人公の物語。フェリペ5世の時代、レティロ宮殿の庭師たちの間で、植えた花を変えてしまう小妖精の存在が噂になっていた。この物語の小妖精は不機嫌に目を覚ました。本来の陽気さを取り戻すために旅に出ることにする。旅の目的は、その多種多様性の中にすべてを美しく吸収する芸術のおかげで達成する。ユネスコの世界文化遺産に登録されている、計り知れない文化的価値と自然とが融和する空間であるレティロ公園・プラド美術館に収められたコレクションに関するシリーズの第一弾。この物語ではティッセン美術館に収蔵されているルネサンス期及び20世紀の数点の作品について述べられている。小妖精エルバが編む物語によってマドリードの中心に存在する美術の宝庫を身近に感じさせる本。

Víctor Alexandre著『Una història immoral』の表紙

不道徳な物語

Una història immoral

ビクトル‧アレシャンドラ

Víctor Alexandre

Edicions Proa

妻の性欲をよびもどすために、夫がこっそりプロのセックスサービスを雇うことはあり得るか? 夫婦が性生活をとりもどすために、夫が第三者に頼るのは矛盾ではないか? やきもちは愛か、それとも傷ついた虚栄心か? 愛のために、どこまで掟やぶりが許されるのか? 愛する者の秘密が暴露されたとき、どこまでなら受け入れられるか? エリックは、自分がゲームを楽しんでいるうちに、パンドラの箱を開けてしまったのを分かっている。しかし、アンナの秘密を知りたいという誘惑はあまりにも強い。愛においては知らないほうが幸せなこともあるのをエリックは知らないらしい。

吸血鬼のポップカルチャー史

Una historia pop de los vampiros

David Remartínez

Arpa y Alfil Editores

21世紀の吸血鬼は昔とは違う。ドラキュラは『トワイライト』の登場人物のような悩める若者に取って代わられた。現代のバンパイアは中年の伯爵を葬り去り、若さや喜び、愛、女々しさを前面に押し出す。モンスターは人間の不条理を帯び、一方で世界は経済危機や政治抗争、SNS、感染症によって人の血を吸うようになった。本書は、トランシルバニアの城の伝説から映画で活気づく吸血鬼の再解釈に至るまで、神話の変容を分析。昔の子供は吸血鬼が怖かったが、今時の子供は吸血鬼になりたいのだ。そして大人は幸福な約束の中で、不安定な雇用や人間関係の軋轢、日々我々の血を吸う巨大企業からの避難所を見つける。

Alejandro Palomas著『Una madre』の表紙

ある母親

Una madre

アレハンドロ‧パロマス

Alejandro Palomas

Sandra Bruna Agencia Literaria

居心地がよくもあり不愛想でもある都会と、必要性と愛情で辛うじて繋がっている家族、そして、特別な瞬間の素晴らしい女性の眼差しを描いた小説。何度も失敗した末に、アマリアは65歳の今、漸く夢をかなえた。それは家族全員揃って大晦日の夜を過ごすことだ。アマリアが持ち前の陽気さと献身を発揮して、目に見えない糸の網を紡ぎ、いかに家族を結びつけ守っていったか、口を閉ざす者たちの間をつくろい、ある者たちは将来へと導いていったかを、ひとりの母親が語る。心に強烈にやきつく夜になることは分かっていた。秘密と嘘、笑い声が部屋を満たす。そして遂に長年押し殺してきた秘密が明かされるとき、何がこれからの人生をささえていくかが見えてくる。愛さずにはいられないひとりの女性の姿、長所を追求していくと人間が見せる思いがけない閃きを浮き彫りにする。

Juan Bonilla著『Una manada de ñus』の表紙

ヌーの群れ

Una manada de ñus

フアン‧ボニリャ

Juan Bonilla

Editorial Pre-Textos

草地を求めて移動し、ワニがうようよしている川を渡らなければならないヌーのドキュメンタリーは、おそらくだれもが見たことがあるだろう。毎年群れが通り過ぎたあとには必ず数匹が取り残されるが、ワニの飢えを和らげる、こういう犠牲がいるおかげで、群れは前進できるのだ。本書の登場人物たちも、そのような状況に置かれている。群れを渡らせるため自分が犠牲になるかもわからぬまま、ワニがひしめく水の中へ入っていくしかないヌーそっくりの状況だ。その多くは、青春期を通りすぎた大人である。遠くはなれて語られるこの群像劇の主人公たちの青春は、あきらめるしかなかった野心や、到達されなかった目標の中にあり、もはや郷愁をかきたてる無邪気な賞賛の対象でしかない。

Elsa Punset著『Una mochila para el universo』の表紙

宇宙のためのリュック

Una mochila para el universo

エルサ‧プンセット

Elsa Punset

Ediciones Destino

エルサ・プンセットが明瞭でシンプルな言葉で述べるように、生活や人間関係を変えていくには「私たちが考えるほど、多くのものは必要ない。私たちを取り巻く現実を理解し対処していく助けとなるものは、軽いリュックひとつに十分収まる」。 他者を理解し、感情の宇宙でどうにかうまくきりぬけていきたい人に必携の書。

Hernán Ronsino著『Una música』の表紙

ある音楽

Una música

エルナン‧ロンシノ

Hernán Ronsino

Sexto Piso España

フアン・セバスティアン・レボンテが音楽家になったのは、天才によるものではなく、絶対的な父方の権威によるものだった。東欧の小さな町をツアーしていたとき、父の訃報を受け、ブエノスアイレスに戻る。遺産相続についての話し合いの中で、1970年代に経済的に恵まれた立場にあった父親が、わずかな土地しか残さなかったことを知る。その土地はパソ・デル・レイ駅に隣接する同盟都市にあり、家族の誰もその地域の記憶を持っていなかった。現代アルゼンチン文学で最も影響力のある作家の一人とされるエルナン・ロンチーノのこの魅力的な小説は、父と息子の絆、家族の秘密を掘り下げ、同じことを繰り返さない方法を探り、出口を見つける可能性を探る。

空を飛ぶのに美しい夜

Una noche preciosa para volar

マル‧カンテロ

Mar Cantero

EDHASA - Editora y Distribuidora Hispano Americana

スペインの初期の女性パイロットたちの生きざまに着想を得て、マル・カンテロがすぐれた文体と人の気持ちに寄り添う繊細さで女性たちの勇気を描いた感動的な作品。今よりも女性の社会進出が困難だった20世紀を舞台とする、冒険、愛、未来への希望に包まれた物語だ。3人の女性、3つの物語、3つのとき、そして彼女たちに共通するたったひとつの夢、空を飛ぶこと。RAFのパイロットになるためにロンドンに向かうライア(1939年)、マドリードの軍事基地で飛行機に囲まれて育ち、空を飛んで世界を発見したいと願うアビガイル(1965年)、ある美術品収集家のプライベートジェットの操縦士になるためバルセロナに戻るシャルロッテ(2018年)。それぞれの時代に夢を実現しようと奮闘する女性たちの物語は、最後にひとつに収束していく。

Nuria Riera Carrillo著『Una ola con sabor a pez』の表紙

魚の味の波

Una ola con sabor a pez

ヌリア‧リエラ=カリーリョ

Nuria Riera Carrillo

Bartleby Editores, S. L.

34歳の女性マメンの人生の転変を綴った小説。マメンは過去の辛い体験から、人里離れたところで孤独に生きてきたが、地中海沿岸のとある灯台に住む少女と数日間を共にした後、彼女を雁字搦めにしていた蜘蛛の糸が少しずつほどけていく。何もかも、人さえも見た目どおりではないこの地。海、空、タコ、灯台、そしてその灯台に住む人々も。象徴性とユーモアに溢れた物語だが、文章は非常にシンプルで、心地よい読後感を与える。

Reyes Monforte著『Una pasión rusa』の表紙

ロシアの情熱

Una pasión rusa

レジェス‧マルティネス

Reyes Martínez

Espasa Libros

知られていないが魅力的なひとりの女性、スペイン人歌手カロリナ・コディナの人生を綴った本。カロリナは、ロシアの天才作曲家セルゲイ・プロコフィエフの妻でありミューズだった。結婚当初、ふたりはアバンギャルドのパリで過ごし、厳選されたインテリや芸術家だけが集うサークルに属していた。しかしプロコフィエフがソビエト連邦への帰国を決めたことで全てが変わる。最高の栄誉で迎えられたふたりだったが、時がたつにつれスターリン体制に苦しめられるようになり、夫婦関係も悪化する。大戦後、カロリナは不当に訴えられるが誰も救うことができない。強制労働収容所送りになり、スターリンが死ぬまでそこで過ごすことになる。天国から地獄へと転落したカロリナの人生は、愛と悲劇と忍耐力に彩られている。

Susana López Fernández著『Una princesa de diferente color』の表紙

ちがう色の王女さま

Una princesa de diferente color

スサナ‧ロペス‧フェルナンデス

Susana López Fernández

Excellence Editorial

主人公の女の子は、父親にとって生まれたときからピンク色の王女さまだった。だけど女の子は、ピンクが好きだと思ったことがない。大きくなってお父さんにそう言うようになったし、おばあさんも説明してくれたが、どれほど言ってもお父さんはわかってくれない。ある日、女の子はいいことを思いつく。お父さんに眼鏡を買ってあげたのだ。それはあらゆるものが見える特別な眼鏡だった。お父さんがその眼鏡をかけると、娘が何年も前から言っていたことをようやく理解した。娘は王女さまだ、が、色については間違っていた。この物語が示唆するのは、女の子に生まれたという事実に世間は決まりきった固定観念をもつということだ。王女さまならピンク色に違いない、というような。女の子であれ男の子であれ、生まれた子どもは自分自身のことについて自由に感じるべきだし、好きな色のことならなおさらそうだ。

バイクに乗るお姫さま

Una princesa en motocicleta

エクトル‧ボルラスカ

Héctor Borlasca

Aerys Producciones

ガチャン、ガシャン、シーッ、ドーン! コントロールを失った、乗り手のいないキックボードが本棚にぶつかって、本が棚から飛び散った。さらに悪いことに、物語の主人公たちも本から飛び出してしまった。セリア姫は自分自身で物語を進めて、たくさんの登場人物たちをそれぞれの物語に戻す手助けをしなければならない。型破りで意志が強く、勇敢。ピンチから救い出してくれる王子さまを必要としないお姫さまだ。この絵本は童話や読み物へのオマージュであるとともに、ジェンダーの平等や、伝説が強調するものとは別の側面から現実を見ることについて描いている。

チャチピルリな昼下がり

Una tarde chachi piruli

A‧H‧ベンジャミン

A. H. Benjamin

NubeOcho

英国人の作家で1980年代から児童書を執筆している。過去にアンデルセン・プレス、リトル・タイガー・プレス、フランクリン・ワッツなど、多くの出版社から作品を発表し、42作品が中国語、韓国語、アラビア語など25以上の言語に翻訳されている。ラジオやテレビ、劇場用に脚色された作品もある。

María J Cuesta著『Una varita mágica para Dulce』の表紙

ドゥルセの魔法の杖

Una varita mágica para Dulce

マリア‧J‧クエスタ

María J Cuesta

Letrimagia

ドゥルセはチョウのような、繊細で閉ざされた耳をしていた。チュール生地のような目を持ち、静かな美しい微笑みを浮かべていた。 時には怖かったり、苦しみや悲しみを感じたりすることもある。でも彼女の友だちは何とかしようと決意していた。これは盲ろうの少女ドゥルセと、彼女と世界との不思議な関係の物語。

Carmen M. Cáceres著『Una verdad improvisada』の表紙

即興の真実

Una verdad improvisada

カルメン‧M. カセレス

Carmen M. Cáceres

Editorial Pre-Textos

この美しいタイトルが語るように、愛はすべて、即興の真実で始まる。そこでは将来への期待と、過去を引き受ける必要性(それはいつも簡単とは限らない)が交錯する。クララは、一時的に言葉を失っているブルーノの病気を利用して、大人の愛の最初の数年についての研究に没頭する。目新しさだけではなく、避けがたい嫉妬、不安、好きになり始めた相手を手探りで発見していくことなどから、どのような関係が芽生えていくのか。 本書Una verdad improvisada (即興の真実)は、マリーナ・ツヴェターエワまたはナタリア・ギンズブルグといった20世紀の偉大な散文作家の持つ物語の鼓動と、読む者の心を無防備にさせる誠実さを持つ。カルメン・M.カセレスはこのデビュー作で、将来有望な新人というよりも完成した声として登場した。

Ana Punset著『Unicornia 1. Un lío con brilli-brilli』の表紙

ユニコニア 1 キラキラ大騒動

Unicornia 1. Un lío con brilli-brilli

アナ・プンセット

Ana Punset

Penguin Random House

ユニコニア、キラキラ大冒険 こんにちは!私の名前はクラウディアです。ユニコニアに引っ越してきたばかりなの。ここは宇宙で一番魔法に満ちた場所なのよ! ここではユニコーンが空を飛び、学校では大鍋で薬を煎じる授業があるの……算数なんて一切なし! うん、ユニコニアは最高だけど、完璧じゃないわ。高等魔法学校にも試験があるし、ちょうど明日、ユニコーン飛行試験があるのよ!  クラウディアは記録的な速さでユニコーンの乗り方を学べるでしょうか? 学校、友情、ユニコーン。魔法に満ちた、小さな子ども向けシリーズ。 -各ページで物語に寄り添う、美しく楽しいイラスト。 -読みやすく、理解しやすい、シンプルで楽しい文章。 -表紙にキラキラのグリッター付き(そう、キラキラ!) -ユニコーンが好きな若い読者や、砂糖の雲の間で浮かびたいと夢見る読者に。 -ユニコーンと一緒に飛ぶことを夢見るベストセラー作家、アナ・プンセットの本。 ユニコニアへようこそ!

Olalla González Paz著『Uno más 』の表紙

もうひとり

Uno más

オラリャ‧ゴンサレス文

Olalla González Paz

Kalandraka Editora

新しい妹か弟がやってくるのを知って、主人公の子ウサギは好奇心をかきたてられる。3段階の繰り返しを特徴とする、幼い読者向けのお話。子ウサギは、妹か弟はいつ生まれるのかとお母さんにたずね、次に森の住人たちにうれしいニュースを伝えては、生まれてきたらどうやって一緒に遊んだらよいかとたずねる。やさしさ、連帯感、喜び、感動、そして最後の驚きなど、さまざまな感情がいきかう物語が、ぎざぎざして図案的でくっきりした線と、白地にやわらかなトーンの水彩を用いた絵で描かれる。普通の場面はカラーで、おにいちゃんになるための準備をする主人公の夢や願望の場面は白黒で描き分けられている。

Antonio Martínez Conesa著『¡Uno, pequeño y libre!』の表紙

小さく自由に とり

¡Uno, pequeño y libre!

アントニオ‧マルティネス=コネサ

Antonio Martínez Conesa

Ediciones del Serbal

学校帰りに誘拐された9歳の少年の体験を綴った、辛いが感動的な物語。誘拐犯は彼を遠くに連れ去った後、金と引き換えに、子どもを授かることのできない夫婦に引き渡す。時は1960年代。今からそう遠くはないが、忘れてはならない恐ろしく恥ずべきことが起こっていた時代である。本書は、私たちだれもが幼少期に持っていた、先入観のない清らかな想像力へのオマージュでもある。

Pascu & Rodri著『Unravelling History series』の表紙

歴史を紐解くシリーズ

Unravelling History series

パスクとロドリ

Pascu & Rodri

Editorial Alfaguara

『Unravelling History(歴史を紐解く)』シリーズの最新刊を見てみよう! パスクとロドリのユーモアあふれる新しい歴史本を読めば、眠るのを忘れて新しい世界が発見できること必至。世界神話の冒険や怪物たちの荒唐無稽な物語が展開される。細部まで作り込まれたフルカラーの目を引くデザイン。ユーモアと楽しいイラストで定評のある歴史ファンタジーのシリーズを味わってみよう! 『The Most Epic Heroes(最も勇敢な英雄たち)』は5ヶ月で6,000部を売り上げ、シリーズ累計発行部数は41,600部。

牛のバカンス

VACAciones

グラシア‧イグレシアス

Gracia Iglesias

Aerys Producciones

ベティスーという名の牛は、人里離れた小さな納屋でのんびり幸せに暮らしていました。毎日は平和でのどかで、何の変わりもない日々――しかしある日、突然すべてが変わります。これは単なる牧場のお話ではなく、旅する牛の冒険譚。たとえ牛であっても、旅の重要性や新しい経験、安心できる場所から飛び出すことの意味を伝える物語です。イタリア人イラストレーター、アンナ・ラウラ・カントーネの絵とともに、韻を踏んだ文章で綴られています。

Carles Soldevila著『Valentina』の表紙

バレンティーナ

Valentina

カルレス‧ソルデビラ

Carles Soldevila

Edicions 62, S.A.

家族関係の危機と主人公のアイデンティティの問題をめぐる小説。主人公の17歳の少女は、自分の中で作り上げた理想の世界が崩れ行く様を目の当たりにし、バルセロナの裕福な家庭の只中で、シェークスピアのハムレットからエレクトラに至る文学的モティーフを展開していく。一歩引いたところから、彼女は自分の家庭生活の凡庸さや欺瞞を暴き、実の父エウセビオ・バイセレスのような登場人物を動かす隠れた打算を白日の下に晒していく。この父親が主人公の復讐の標的となる。

カザーン谷

Valle Kazaam

マリア‧ルビオ

María Rubio

カザーン谷へいらっしゃい、宇宙でいちばんすてきな秘密の場所へ! ココはカザーン谷で、魔女のおばあちゃんと、ハムという名の数独の好きなブタの友だちと暮らす女の子。谷はすてきなものでいっぱい。水道からはイチゴシェークが出てきて、ドラゴンやポニコーンやイルカがいて、バニラアイスの雪が降る。だけどココは、普通でないことにすっかり慣れてしまって、楽しめない。すっかり飽きている。ある日突然、境界を越えて、知らない世界へ行くことに決めた。そこでミーウィーという、すてきな生き物に出会った。お腹に小さなモニターがついた、ロボットのようなもの。ココはびっくりしたが、ミーウィーをカザーン谷に連れていくことにした。だけど……、ミーウィーのことをほとんど何も知らないのに、連れていくのはいいアイディア? それに、ココは気づかないあいだに、カザーン谷の住民を危機に陥れていたとしたら?

Jonathan Arribas著『Vallesordo』の表紙

バリェソルド

Vallesordo

ホナタン・アリバス

Jonathan Arribas

Silvia Bastos Agencia Literaria

スペイン文学界に現れた、新しい独創的な声。2000年代、サモラ地方の村で過ごした幼少期を描いた、心温まる小説。『Vallesordo(バリェソルド)』は、理解されていると感じること、希望を持って生きることの重要性について、個性的な声で語りかける。その世代を代表する作家となることが期待される著者の鮮烈なデビュー作。

Gemma Pasqual i Escriva著『Vampira. Ser o no ser, aquest és el dilema』の表紙

女ドラキュラ。生きるべきか死ぬべきか、それがジレンマだ

Vampira. Ser o no ser, aquest és el dilema

ジェンマ‧パスクアル=イ=アスクリバ

Gemma Pasqual i Escrivà

Santillana Infantil y Juvenil

今の時代を生きる若い吸血鬼のラ・ヌリアは、おじいちゃんのエストルック伯爵と一緒に悪い人間どものたくらみをつぶそうとしている。やつらは上流階級にまぎれこみ、世界をのっとろうと考えているのだ。吸血鬼、魔女、そして愛がテーマの冒険に満ちたこのお話は、1ページ目からあなたをとらえて離さない。きっと最後まで一気に読んじゃうよ!

Teresa Gutiérrez de Cabiedes著『Van Thuan. Libre entre rejas』の表紙

ヴ'ン‧ト+アン 鉄格子の中の自由な魂

Van Thuan. Libre entre rejas

テレサ‧グティエレス‧デ‧カビエデス

Teresa Gutiérrez de Cabiedes

Editorial Ciudad Nueva

ものごとを変化させる途方もない力をもった英雄的行為についての実話に基づく小説。極限まで追い込まれた愛の物語。ある男が裁判も判決もなしに刑務所に入れられる。彼は絶望し、将来の夢をくじかれる。一見、自由を奪う抑圧勢力が勝ったかに見えた。そのとき、自由を奪われたこの男が全国民のシンボルとなった。彼が獄中から人道的論理を伝え、その反響が大きな嵐を巻き起こしたときに状況が変わる。F. X.グエン・ヴァン・トゥアンの驚くべき経験を言葉で表すのは不可能かもしれない。我々にできるのは、探求の物語を紡ぐこと、我々の最も貴重な宝「自由」を脅かす刑務所や死刑執行人に対する疑問や確信を俎上にあげることだけだ。

Max著『Vapor』の表紙

蒸気

Vapor

マックス

Max

Ediciones La Cúpula

主人公ニックは、何もかもが騒々しく、くだらない見せ物にすぎないこの世界、この世の中にあきあきし、砂漠にひっこんで、物事の本当の意味をさぐろうと決心する。しかし、砂漠でさえ気が散るものにあふれていた。ありとあらゆる疑念と疲労と略奪の末に、ニックはようやく心の平穏を得たかに見えた。ところが、どこかに運ばれて、史上最も魅惑的な見せ物、近寄りがたいサバの女王の一行の誘惑にさらされる。この最後の誘惑にうちかつことができたなら、この蜃気楼は消え失せ、世界の本質が輝きだすのだということを、ニックは直感的に悟る。

Amanda Lemos著『¡Vaya semana de deberes!』の表紙

ああ、宿題の1週間!

¡Vaya semana de deberes!

アマンダ‧レモス

Amanda Lemos

Ediciones Idampa

今週、クレメンテは一度も宿題をやってこない。言い訳に途方もない話をするが、だれも信じない。とうとう、先生はクレメンテのお母さんと話すことにする……。この先生は、だれもがこんな先生がほしかったと思うような、センスがよくて辛抱強い、すばらしい先生だ。先生とクレメンテとお母さん、3人の主要登場人物が、生き生きと個性豊かに描かれている。

Cristina García Marcos著『Velocismo』の表紙

スピード至上主義

Velocismo

クリスティナ‧ガルシア‧マルコス

Cristina García Marcos

Velocismo Editorial

オートバイのスピード競技世界選手権で世界チャンピオンをかけて出場しているガスパルは、激しい最終レースの最中にプロドライバーとして歩んできた厳しい道のりと、現在の地位に辿り着くまでに想定したすべてのことを振り返る。その一方で今のライフスタイルが及ぼす実質的な影響や、競技の世界で気品を保つことの可能性について考える。この作品はユートピア小説という複雑で数少ない小説のジャンルに分類される。「ありえること」の心理学的描写で、長きにわたって誤解されているニヒリズムを避け、また「反ユートピア」の泥沼と安っぽい悲観主義を、不動性を正当化するための口実とすることも避けている。しかし、単純化、道徳主義、野暮ったさを控えることでこの種の文学が持つ難解さを克服し、良質な本に仕上げている。

美術品、骨董品を売る

Vender obras de arte y antigüedades

アナ‧トリゴ

Ana Trigo

Instituto de Asesores

美術品や骨董品を販売しようと考えるオーナーが抱く疑問はいくつもある。「個人で取引する? オークション? それとも画廊?」「この手数料は妥当?」「提示された評価額は低すぎないか?」「輸出ライセンスは必要?」 本書はそうした全ての疑問に対し、アート市場で長年の経験を持つプロの視点から回答している。例えば、あなたの美術品や骨董品の価値を知る方法や、高価な美術品の見分け方、あなたの作品に最適な販売方法、オークションの仕組みと手数料、販売委託契約について知っておくべきポイント、画廊や骨董品店への売り込み方、オンラインのプラットフォームやオークションの仕組み、スペイン国内・国外のどちらで販売するか、最も良い条件で販売するための交渉テクニック、実例にもとづいた実践的ケース。

Antonio Orejudo著『Ventajas de viajar en tren』の表紙

列車で旅する利点

Ventajas de viajar en tren

アントニオ‧オレフド

Antonio Orejudo

Laure Merle d'Aubigné (A.C.E.R. Agencia Literaria)

ひとりの女が夫を精神病院に入院させた後、列車でマドリードへ帰るときのこと、列車の中で見知らぬ男に、彼の人生の話を聞きたくないかといきなりたずねられる。男は先刻の精神病院で働いている精神科医。患者の語ったことや書いたものを通して人格障害を研究しているという。その文書が入ったファイルを、男はたずさえていた。ところが、男は途中駅でしばしホームに降りたときに列車に乗り遅れ、ファイルは女の手に残される。こうなると、読者は女とともにファイルの中身を読みたくてたまらない。創意にあふれた患者たちの物語が、セルバンテス的手法の見事な円環構造の中で展開していく小説。

Juan José Martínez著『Ver, oír y callar. Un año con la mara Salvatrucha』の表紙

見る、聞く、沈黙する&マラ‧サルバトゥルチャ13との1年

Ver, oír y callar. Un año con la mara Salvatrucha

フアン‧ホセ‧マルティネス‧ダビュイソン

Juan José Martínez D'aubuisson

Oh! Books Literary Agency

「マラス」は、ヒスパニック系移民が生き延びる手段として、米国で生まれたストリート・ギャングである。マルティネス=ダビュイソンはマラスという現象を説明するのではなく、彼らとの共生を試みる。1年間、エル・サルバドル最大級のマラス「マラ・サルバトゥルチャ13」の一派である「ロス・グアナコス・クリミナレス」と共に過ごした。彼らはある丘の上を拠点としているが、その麓を牛耳るライバルグループの「バリオ18」によって劣勢に立たされている。1年を通して、著者は連日「グアナコス」を訪れる。それは彼らの集団のしくみを内側から見るためではなく(そんなことは不可能だ)、許しが出れば、特権的な見学者として彼らを見るためなのだが、だからと言って受け入れられているわけではない。網羅的な社会学的調査を意図してもいない。我々読者に対し、そこで唯一可能な悲観的文学という視点から、彼らの日々を語っている。

Ledicia Costas著『Verne y la vida secreta de las mujeres planta』の表紙

ヴェルヌと植物女の秘密の生活

Verne y la vida secreta de las mujeres planta

レディシア‧コスタ

Ledicia Costas

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

ビオレタの家族には長い間守りぬいてきたある秘密がある。かの有名な作家ジュール・ヴェルヌは、旅行鞄と質問をどっさりかかえて、ビゴ港で下船した。ヴェルヌは植物女についてすべてのことを知りたがり……植物女たちは生きのびるために、彼の発明の助けを必要としている。謎と冒険と太古の魔法が、海中の森への一刻を争う急展開の旅を待ちうける。

Esperança Camps著『Vertigen』の表紙

眩暈

Vertigen

エスペランサ‧カム

Esperança Camps

Sembra Llibres Coop. V.

ギリシャのERTテレビ局が閉鎖した。そこで働いていた男性ジャーナリストは経済危機を理由にヨーロッパ第2の公的テレビ局が閉鎖したことを巡る疑念と悲惨さを、もろに体験する。様々な出来事が狂ったようなスピードで起こる状況の中、アンドレアスとノラは誤解を受け、地中海の両岸に存在する極右の標的になる。現実とフィクションを大胆に織りこんだこの推理小説は、恐怖、狭量、希望が混在する経済危機下の南ヨーロッパ社会に読者を引きずりこむ。

Fran Nuño著『Viaje a la Luna』の表紙

月世界旅行

Viaje a la Luna

フラン・ヌニョ

Fran Nuño

Sallybooks Editorial

1902年、フランスのイリュージョニストであり映画監督のジョルジュ・メリエスは映画『月世界旅行』を公開しました。この映画は、天文学者の一団が月にたどり着くまでの冒険と、そこで彼らが発見したものを描いています。そして今、そのコミック版が登場しました。冒険と楽しさは保証されています。いざ、月への良い旅を!

Tomeu Simó Mesquida著『Viaje al sur』の表紙

南への旅

Viaje al sur

トメウ‧シモ‧メスキダ

Tomeu Simó Mesquida

Vasaris Balta

フィンランド北部の小さな村、イナリに住むテントウムシの家族の物語。ヘンリの家の窓に住んでいるテントウムシ一家は、雪と寒さでいつもかなしそう。みんなが幸せになれる方法をさがしていたヘンリは、ドアをノックした郵便屋さんを見て思いついた。そうだ、テントウムシ一家を南へ送ろう。こうしてヨーロッパの北のはじっこイナリから、南のはじっこスペインのグラサレマ山脈(アンダルシア、カディス県)までの旅が始まった。とうちゃくしてカディスの緑の山々を見たテントウムシたちは大喜び。だけどヘンリのことをわすれてはいないよ。だから特別のプレゼントといっしょに手紙を送った。技術が発達して人間的なものが少なくなったこの時代に、手紙の持つ魔法を思い出させてくれる物語。フィンランドからスペインへ、これほどすてきなものはない。

Dani Torrent著『Viajes en trenes de primera clase』の表紙

一等列車の旅

Viajes en trenes de primera clase

ダニ・トレント

Dani Torrent

MARINA Books

自己認識と女性のエンパワーメントに関する、国際的に評価を得た絵本。クレメンティナは、シルクのドレスと一等列車の年間パスを買うために、最後の1セントまで使い果たした。その専用車両では、息つく暇もなく、気品ある乗客たちが、長い旅を我慢できるものにするための会話をしていた。こうしてクレメンティナには、国内で最も高貴な紳士たちと交流するための12ヶ月間が与えられた……。

道化師の人生。おかしくもかなしげなもの。

Vida de clown. La tragicomedia del ser

アラン‧ヴィニョー

Alan Vigneau

情熱的で陽気で魅力的な、一風変わった伝記。フェデリコ・フェリーニの映画とシュールレアリスムの詩の間にあるようなアランの人生は、人の有するレジリエンスを私たちに明示し、夢を追い求めるよう誘いかける。《苦しくとも勇気ある豊かな人生が描かれたこの伝記を通して、アランは道化師の鼻、つまりこの小さな仮面が、私たちを自分らしくさせ、自分たちの小ささや厳しい現実を前にした時の困惑を示してみせ、その傷を癒すことを発見した……。今やこの発見によって彼は壊れた魂を見事なまでに治癒することができるのだ。》」(イマ・サンチス、ラバングアルディア紙)、《もし自分の家が火事になったら、いや、もし自分の人生が炎に包まれたら、何を救い出すか? 何が大切か? 『Vida de clown(道化師の人生)』で、赤鼻を付けた詩人アラン・ヴィニョーは、あのおかしくもかなしげな声できっぱりとこう答える。「私は迷うことなく火を持ち出すだろう!」》(チェリフ・チャラカニ)

美徳(そしてミステリー)

Virtudes (e misterios)

シェスス‧フラガ‧サンチェス

Xesús Fraga Sánchez

Editorial Galaxia

ア・コルーニャ県のアス・マリーニャスに暮らすある家族の物語。印象、記憶、写真、母親の日記、信頼できる証言などを元に、作者のシェスス・フラガはまるでキャンバスに絵を描くみたいにこの20世紀後半の物語を展開させていく。登場人物たちが引き寄せられる街ロンドンの入り組んだ地下鉄路線のように、多くの読み方ができるのも本作の特徴だ。また感嘆すべき孫とその強い祖母の物語でもある。出て行った人が同じような人間として戻ってくるわけでもなければ、去った土地も出ていった時と同じではないということを本作は伝えている。

ビバ、色とりどりの生活

Viva la vida de colores

カルロス・ガルシア・スニィガ

Carlos García Zúñiga

La Maleta Ediciones

音楽グループ・ハプニングの4枚目のアルバムからの初のシングルであり、1月30日の「非暴力と平和の日」を祝うために15万人以上の学生が歌い踊った楽曲、「Vivan las manos de colores(ビバ、色とりどりの手)」。同曲のヒット後、ハプニングは「Viva la vida de colores ビバ、色とりどりの生活」と題したショーをすることに決めた。同じタイトルを持つこの物語によって、グループはそのショーで演奏されるすべての歌の世界にわたしたちを連れていってくれるだろう。

Jesús Ponce著『Vivero』の表紙

育苗場

Vivero

ヘスス・ポンセ

Jesús Ponce

Editorial Dosmanos

アルツハイマー症候群を患う父の介護者となる息子を描いた、親密で穏やかで深遠な作品。変容と記憶を探求するために、著者は極めて詩的なテキストのコラージュをつくりあげる。人生と言葉の中で、脆さと強さがどのように絡み合うかを理解するために不可欠な一冊。

Clara Pastor著『Voces al amanecer y otros relatos』の表紙

夜明けの声とその他の物語

Voces al amanecer y otros relatos

クララ‧パストール

Clara Pastor

Quaderns Crema

異なる舞台設定ながら似通った雰囲気が漂う4つの物語がクララ・パストールの小さな世界を作り出す。いくつもの道に枝分かれする記憶の回想と、最も近しい人々との間にできた大小の隔たりを縮めるために登場人物たちが手探りで行動するさまを、巧みに、そして繊細に描いている。家族の庇護と子供時代を過ごした家庭は、大人が人生に失望したときに逃げ込める懐かしい思い出の場所となると同時に、目に見えない蜘蛛の巣にもなるのだ。しんみりと、どこか懐かしさを思わせるこれらの物語は、共有する秘密を話すような親しさで読者に語りかける。

雪のつもる火山

Volcancito nevado

ホルヘ‧ルiン

Jorge Luján

Editorial Kokinos

アルゼンチン出身でメキシコ在住の詩人、ホルヘ・ルハンと、作家兼イラストレーター、マンダナ・サダトによる5冊目の絵本。文字の形と現実にあるものの相似や類似をもとにした、とても独特なアルファベットについての、非常に楽しい本。大人のように論理的に思考するのではなく、類似性に基づいた思考力を持つ子どもたちに近い感性で作られている。

Sandra Alonso著『Vuela』の表紙

飛べ

Vuela

サンドラ‧アルンソ

Sandra Alonso

Grupo de Comunicación Loyola, S.L.U.

両親との旅行も楽しいけれど、マラが本当に好きなのは、毎年、夏の村祭りを楽しむこと。今年は、特別な気球がマラをいろいろなところに連れだし、人生で何が本当に大切かを教えてくれる。バレリア・シャポバロワによるイラストで、どれだけ離れていても、わたしたちを結びつける絆はあるとわかるすばらしい作品。

José Morella著『West End』の表紙

ウエストエンド

West End

ホセ‧モレリャ

José Morella

Agencia Literaria Carmen Balcells

本作で、ホセ・モレリャは、祖父ニコメデスの人生を振り返る。ニコメデスは、精神病を患ったが、当時その治療や扱いはフランコ主義の時代特有の非人道的なものだった。ニコメデスについて話すことは常にタブーで、親族の集まりでもそれに触れる者はなかった。ホセ・モレリャは、わずかな手がかりを頼りに家族の数人から話を聞きだすことに成功し、祖父の人生に関するとても感動的で勇気ある物語を紡いだ。本書はまた、70年代スペインの生々しい証言にもなっている。この小説はニコメデス個人の話を超越して、アンダルシアの田舎からイビサ島まで読者を導く移住の物語であると同時に、人のもろさについて、そして私たちがどのようにアイデンティティを構築するかについての深い考察でもあり、結果として様々な思いを解放することにつながっている。

ぼくはもう悪い子じゃない

Xa non son malo

パウラ‧メルラン

Paula Merlán

Antela Editorial

オオカミのワルは花咲く森で、友だちのハリネズミのウヌボレといっしょに暮らしている。いっしょに森を見守り、道で見つけたごみを拾ってリサイクル。だけど、ワルは信用されない。もう悪い子じゃないのに。分かってもらえるでしょうか? 本作は自然と友情、そして何よりセカンドチャンスを描く、美しい物語。

Tony Amago著『Xiquetes que van imaginar allò impossible (i ho van aconseguir)』の表紙

不可能なことを夢見る女の子たち――そして彼女たちは実現する

Xiquetes que van imaginar allò impossible (i ho van aconseguir)

トニー‧アマゴ

Tony Amago

Edicions Bromera S.L.U.

小型機の飛行士、船乗り、考古学者、バイクライダー、世界旅行者、動物学者、博物学者、ジャーナリスト、パイロット、宇宙飛行士、登山家…、不可能と考えられていた無謀な夢を見て、ついにはその夢を実現した世界の約20人の女性の物語を描いた絵本。彼女たちのひたむきな人生知ると共に、興味深いエピソード、素晴らしい旅や偉業にまつわる逸話にも触れられる。さあ、あなたも不可能と思われることを夢見てみようじゃないの!

Eduardo Rojas著『Y apenas nada』の表紙

そして、ほとんど何も

Y apenas nada

エドゥアルド・ロハス

Eduardo Rojas

Drácena Ediciones

カリフォルニア湾に面した海辺の村の外れにある砂丘で、ある日の午後、息子ナポレオン・チコモストックが忽然と姿を消したことへの母親の嘆きそのものの作品。しかし、ナポレオン・チコモストックとは一体何者だったのか? 彼は重度の神経衰弱に苦しみ、赤ん坊だった一人息子を連れた妻にさえ見捨てられた無能な男だった。今では、彼の痕跡は、自転車と、二度と戻らないとは信じたくない母親の激しい苦痛にしか残っていない。 この単純なストーリーに対し、エドゥアルド・ロハスは、前作の小説『La mujer ladrillo(レンガ女)』(2016)と同様に、見事な物憂い語りをたち上げる。一文一文に込められた郷愁で、登場人物たちが感じている憐れな無力感が一層強まる。ロハスは、独特な散文を駆使し、傑作の域に達するばかりか、その簡潔さと痛ましい深さから「詩的リアリズム」と呼びうる、スペイン語文学の新たな様式を確立している。

Robert Juan-Cantavella著『Y el cielo era una bestia』の表紙

そして天はひどかった

Y el cielo era una bestia

ローベル‧フアン-カンタベーリャ

Robert Juan-Cantavella

Editorial Anagrama

シグルズ・マットはバルセロナに帰って来た。この地を去ってから30年の月日が流れていた。当時は未確認動物学に入れ込んでいて、同級生のベレールやシェーグレンと一緒に超常現象の謎を探ろうとやっきになったり、公式の科学の教えに反する危険な動物や存在しない動物を追いかけたりしていた。師と仰ぐ人たちがそうしていたように、普通の科学を「公式の科学」と呼んで軽蔑していた。しかし2007年も終わろうとする今、疲れ切った負け犬のシグルズはピレネー山中の小さな村ボルに向かった。官僚たちの間で知られる古い温泉、ブルトゥロの療養所でしばらく過ごそうと思っていたのだ。持ち物の中には、ハンブルグに送られてきたベレールの遺書と、同封された「コロンブキルを追って」と題された奇妙な本の一部とおぼしきものが入っていた。その本の内容や意味を知るには、全編をそろえなければならなかった。

そろそろ君は落ち着くだろう

Ya sentarás cabeza

イグナシオ・ペイロー

Ignacio Peyró

Libros del Asteroide, SLU

「メディアが提供するマドリードのイメージはとても興味深い。一日がリッツから始まり、昼はインターコンチネンタル、夜はパレスホテルで終わるが、もちろん、貧乏は相変わらずだ」マドリードの若い政治特派員として、バルとニュースルーム、本とガールフレンドたちの間を行き来しながら人生を始めることは、ピカレスクあるいはストイシズムを気取る口実になる上に、作家を目指すジャーナリストにとっては何よりすばらしい修業の機会となるものだ。作者が、自身が持つ幸福への使命感で人間不信を抑えつつ一片の皮肉もなしにつづったこの日々の記録は、青年から大人にかけて人生が本格的に始まる瞬間を明晰な観察眼で映し出した、文学的で心地よい旅路そのものだ。

Susanna Isern著『Ya soy mayor』の表紙

ぼくはもう大きい

Ya soy mayor

スザンナ‧イセルン

Susanna Isern

La Galera Editorial

幼い子どもの自立心を刺激するのに理想的な作品。ちっちゃいゾウくんはもう大きくなったので重要な任務を任されました。それはカメさんの100歳の誕生パーティーに必要なものを“ひとりで”買いに行くこと。失敗するはずないよね? ろうそくとチョコレートと風船を買うだけだし、どこに行けばいいのかも知っているのだから。けれども、なぜだか問題が次々に起こります。数を間違えたり、チョコレートを食べてしまったり、あちこちに行くのが遅くなったり、迷子のミーアキャットを助けるのに時間を食ってしまったりと、任務は完全に失敗です。スサンナ・イセルンはこの物語で、初めてのおつかいやその結果にどう対処するかを教えてくれます。

Carlos Zanón著『Yi fui Johnny Thunders』の表紙

俺はジョー‧サンダースだった

Yo fui Johnny Thunders

カルロス‧サノン

Carlos Zanón

Casanovas & Lynch Literary Agency

ミスターフランキーことフランシスは、生まれ育った土地に戻ることにした。ロックンロールの夢を追い求めて、一度はそこから飛び出した。ロックンロールはその指先で彼の頬をちょいとかすめ、束の間の有毒な名声を与えたが、今は貧しさや麻薬中毒とおさらばする時だ。しかし地元の古い地区は、未だに父親や腹違いの妹、初恋の相手、数人の友人がうろつく廃墟だった。何もかも新しくやり直したいフランシスだったが、昔のしがらみや、3分間の歌があり、過去の自分を捨てきれない。フランシスにとって直線は、2点を結ぶ曲がりくねった長い線だった。今請求書や宿泊代は払ってもらっているが、いつまでもこのままではいられない。前に踏み出すには誓いだけでは不十分だ。そう、彼は一度はジョニー・サンダースだったのだから。

私、ガウディ

Yo, Gaudí

シャビエル‧グエイ

Xavier Güell

Galaxia Gutenberg SL

サルダーニャで療養中のガウディが重篤な病の床でしたためた21通の書簡。その中に示されたこの偉大な建築家の胸のうちを元にフィクションを交えて綴った本作は、ガウディ本人が家族、仕事、友人への想い、そして情愛、野心、失望について一人称で語る興味深い作品である。作者のシャビエル・グエイは、ガウディのほぼ全てのプロジェクトに資金提供を行ったエウゼビ・グエイの末裔であり、本書は、ガウディとその世界的に有名な建築物について、われわれが抱き続けてきた多くの疑問に答えてくれる格好の読み物でもある。読者は本書を通じ、これまで知られていなかった、激動の時代を駆け抜けたこの天才の生き様と創作の過程を深く理解することとなるだろう。

私がレKッ+‧ブラック'ッドを殺した

Yo maté a Rebecca Blackwood

アナ‧トリゴ

Ana Trigo

Instituto de Asesores

不穏な言い伝えが残るストラディバリウスのチェロ、謎の失踪、未解決事件、一筋縄ではいかない幽霊話――2019年7月、世界の主要紙は衝撃的なニュースを大々的に報じた。「著名チェロ奏者レベッカ・ブラックウッド、嵐の夜に消える。夫、助手とともにヨットで航海中」。警察による必死の捜索活動や緻密な捜査でも、彼女の身に一体何が起きたのか手がかりがつかめないまま3ヶ月が過ぎる。そして10月31日、レベッカの死亡宣告まで残り数時間。借金取りに追われつつ、俳優としての再起を図る夫、アルバロ・トゥリスタンの手に妻の巨額の遺産が転がり込もうとしていた。

私はミスターノバックではない

Yo no soy Mr. Noback

ミゲル‧アンヘル‧メンド

Miguel Ángel Mendo

Ediciones Dokusou

ニューヨークからバラハス空港に着いたカルロス・Hは疲労困憊しきっていた。出迎えに来た自分の母親と恋人の姿を見つけ、だるそうに歩き出した彼だったが、到着を待つ群衆の中に美しい女性を見かけて、ついついそっちに足を向けてしまう。「ミスターノバック」と書かれたボードを持ったその若い女性にカルロスは、「こんにちは、ノバックです」と手を差し出して・・・この無謀ななりすましから、カルロスはこれまでの人生とはまったく異質な世界に深く引きずりこまれていく。何もかもとんでもない世界に。本作は知的かつ愉快で複雑な筋書きの喜劇であり、人が自分や他者のアイデンティティを形成する複雑な方法、そしていかにして他人のふりや変装をうまくやり遂げるかについての考察を織り交ぜた作品である。

Raquel Díaz Reguera著『Yo voy conmigo』の表紙

私は私らしく

Yo voy conmigo

ラケル‧ディアス‧レゲーラ

Raquel Díaz Reguera

Thule Ediciones

好きな男の子に見向きもされない女の子。悩む女の子に友達はお下げ髪をほどけ、眼鏡をはずせ、微笑め、そばかすを消せ、元気があり過ぎる、おしゃべりを止めろ、など様々なアドバイスをする。好きな子がようやく振り向いてくれた時、あれこれ自分を変えてしまった女の子は、あの浮き浮きした気持ちさえ失くしていた。そして自分らしくないことに気づいた女の子は以前の自分に戻っていく。

Carmen Chica著『Yokai』の表紙

妖怪

Yôkai

カルメン‧チカ

Carmen Chica

Fulgencio Pimentel Editorial

本書の出発点となったイラストレーションは、2017年3月にボローニャSM出版賞という、児童書のイラストレーション分野で世界的に最も権威ある賞を授与された。人間の手の加えられていない自然は不思議に満ちている。そこに入り込むことは、見えない扉をくぐることだ。まわりの世界が一変し、私たちのアイデンティティーが揺らいでくる。青空のもと、何かが解き放たれる。音のない突風、私たちの中に常にあった存在とのつながり。どんな山であれ、山に迷いこむことは、それまでの自分の一部をなくすことを意味する。夢から覚めたときと同様、山から戻ったとき、見知った世界がしばらくのあいだ見知らぬものとなる。そして、少しのあいだ自分が別のものになっていたことをはっきりと感じる。

ユミとバンF。アリマーニャはスーパースター

Yumi y su banda. Alimaña superstar

J. オジョキ

J. Olloqui

Editorial Drakul

わたしはユミ、10歳。大きくなったらロックグループのドラマーになるの。将来性がある職業で、きっとお金持ちで有名になれるから。今から話す信じられない話は、ビデオクリップを撮影しようとしたときに起こったの。そのとき親友のアリマーニャはロックスターになるって決めたんだって。そのあとわたしは騒動に巻き込まれたの。パパはわたしに本当のことを言うように約束させたけど、そのせいで騒ぎはもっと大きくなった。その間に、お姉ちゃんのアレックスとわたしは部屋の真ん中に境界線を作って、相手のテリトリーに入れなくなっちゃった。ビデオクリップは撮影できたけど、学校では上を下への大混乱が起こってしまったの。そう、これはわたしたちのせいじゃない、確かよ。『グレッグのダメ日記』と同じ形式の、たくさんのイラスト付きの児童書で、ユーモアを通して子どもたちが音楽の世界に近づくことを応援している。

Zooilogico著『Daniel Montero』の表紙

おかしな動物園

Zooilógico

ダニエル‧モンテロ

Daniel Montero

Ediciones Jaguar S.A.U.

実際にはいるわけのない動物たちの、独創的で楽しい寓話集。空想の世界ではどんな虫も動物もありえる。そんな空想世界でダニエル・モンテロが読者を驚かす。意表をつくイラストレーションに、読者の目はくぎづけ。

Luis Camacho Campoy著『Zoomorphic Manual』の表紙

獣形図鑑

Zoomorphic Manual

ルイス・カマチョ・カンポイ

Luis Camacho Campoy

Maldragon Editorial, S.L.

奇妙な存在、はっきりした形のないもの、恐ろしく圧倒的なもの、忌まわしく抑圧的なもの、そして太古の昔から私たちの歴史を築き上げてきた古代の神々が絡み合う中で、光と影、色彩と闇、現実の時間と、体験された現実におけるその時間の隔たりのはざまで、ルイス・カマチョは、私たちの精神の奥底、感情、そしてラヴクラフトの魅力的ではない、実存的で苦悩に満ちた人生へと私たちを引きずり込みます。彼は私たちを、映画や文学の第一人者たちがインスピレーションの源として探求してきたラヴクラフト的な宇宙へと導きます。 この精巧な奇獣図鑑はあなたを魅了し、形をもたないフルート奏者の催眠術的な音楽を感じさせ、あなたをイヌート族の夢の国に没入させたり、宇宙の闇に絡み合う測り知れない生物や歪んだ次元でぞっとさせたりするでしょう。ルイスの卓越した絵に支えられたこれらのラヴクラフトの物語によって、あなたはこのラヴクラフト的な世界でどこに住んでいるのか、足を踏み入れるのか、それとも逃げ出したいのか、自問することになるでしょう。

Pato Mena著『Zorropintor』の表紙

絵描きぎつね

Zorropintor

パト‧メナ

Pato Mena

Ediciones Jaguar S.A.U.

かの有名なキツネ画伯はインスピレーションがわいて、新しい絵を描くことにした。いっしょに描いてみたい人はいるかな? キツネ画伯、写実主義の絵を描こうと思ったけれど、気まぐれなので、やっぱりシュールレアリスムの絵にしたくなった。でも気まぐれなので、今度はミニマリズムを描きたくなり……、結局すべての画風をとりいれた絵を描くことに。幼い読者に美術史における考え方の最初の手ほどきをし、グループで取り組むことの大切さを深く考えさせてくれる物語。

Agustín Comotto著『155』の表紙

囚人155号

155

アグスティン‧コモット

Agustín Comotto

Nórdica Libros

ブエノスアイレス-ウシュアイアの飛行機に乗りこむ寸前、僕は遅延時間、溢れる観光客、飛び交う様々な言語について考える。待たされた鬱憤、研究のため大陸の果てに向かって飛ぶことへの不安について考える。そんなとき急に、どうしようもなくシモン・ラドヴィツキーのことが浮かんでしまう。彼は蒸気貨物船の船底で、他の惨めな境遇の男たちに交じって、埃と煙の中、鎖と鉄の棒を脚につけられて旅をした。暗闇の中の25日の船旅について僕は思いをはせる。汗、吹き出すアドレナリン、垢、ウシュアイアの刑務所に着くまでの悲惨な待ち時間。シモン・ラドヴィツキーは、檻の中に閉じ込められて21年間を過ごした。人は理想のためにどれだけ持ちこたえられるだろう? 彼を不屈の男にしているものは何なのか? シモン・ラドヴィツキーは、正義のために闘い、また普通の男に戻るために伝説の限界を超えた稀有で異例の存在だ。

Juan Vilà著『1980』の表紙

1980

1980

フアン‧ビラ

Juan Vilà

Editorial Anagrama

本書『1980』はすべての家族に当てはまる物語だ。少なくともほぼすべての家族に。つまり欠陥のある家族。ごく一般的な家族ともいう。そこには性的虐待もなければ暴力もない。いるのは強い、たぶん強すぎる女たちと、死んでいるかあるいは生死不明の男たち。70年代の終わりのマドリードに、マリア・ヒメネスの歌を聞き、国民党創設者のマヌエル・フラガを押しのける可能性をもてあそぶ進歩的な母親がいた。突然、未亡人になって自由を手に入れるが、彼女には育てなければならない子どもが3人もいる。そこにもうひとり登場するのが、その子どもたちの世話をする残忍な祖母。わずか16歳だった自分のきょうだいを屍衣で包んだ経験をいつも自慢する。そして上品な金持ちのカタルーニャ人。1980年の午後や夜が暗い影や秘密を抱えて現れると、みんなの人生が変わっていく。語り手である臆病で怒りを抱えた少年の人生は、独特な形で変化する。わたしたちが子ども時代に感じた、人生の重苦しさや家族についての回顧録。

癒やしの棒針編み‧かぎ針編み作品30点

30 proyectos de punto y crochet para tejer con calma

アナベル‧ガルシア‧プラタ

Anabel García Plata

The Sewing Box Company

簡単に短時間でできる作品を編みながら癒やしの時間を。棒針編み・かぎ針編みで女性用、子供用の衣服・服飾雑貨を作れる編み図30点以上を収めた書籍限定版。女性用オーバーサイズ。子供服は6カ月~2歳まで。内容ハッシュタグ #30pcalma 1. 理想の作品に加え、新進気鋭のデザイナーも見つかる。 2. 初心者、中級者、上級者まであらゆるレベルの編み図を収録。 3. 30点以上の作品はオールカラー写真で図解付き。 4. 一流手芸店から選び抜いた作品。 5. 書籍限定。デジタル特典付き。

3月32日

32 de març

シャビエル‧ボッシュ

Xavier Bosch

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

国際著作権のエージェントであるバルバラは、仕事で行き詰まり、パリに逃げた。落ち着き先は、特別なつながりのある祖母マルゴーの家。大雪の降った2008年のある朝、バルバラは祖母の家の赤いソファーで眠る、見知らぬ若者と出会う。人を一度も撮ったことがないという謎めいたカメラマンの彼は、バルバラが思いがけない調べ物をするのに手を貸すこととなる。ふたりは、第二次世界大戦中のドイツによる占領を生き延びた女性、祖母マルゴーの秘密を洗いだしていく。恐怖と美しさの間の戦いをめぐる小説。

Guzmán Lopez Bayarri著『32 maneras de saber que estás muerto』の表紙

自分が死んだと分かる32の方法

32 maneras de saber que estás muerto

グスマン‧ロペス=バヤリ

Guzmán Lopez Bayarri

Editorial Kolima

この本は、生きながら死んでいる者について語っている。そういう人間はごまんといる。冒険しない、意思決定をしないし、リスクを負わない、賭けをしない、自分なりの基準もなければ、目標もわかっていない人たち。まさに生けるゾンビだ。皮肉っぽい文章で綴られた本書であなたは、いわば人生の質のバロメーターを見つけるだろう。あなた自身を確認し、自分を意識するためのツールだ。「人生を無駄にしないよう知性で鞭打ち、元気をくれる本」

J. M. Calero著『3327 : yo soy la luz del mundo』の表紙

3327.わたしは世界の光

3327 : yo soy la luz del mundo

J. M. カレロ

J. M. Calero

Kvite Servicios Editoriales, S.L.

わたしたちは手で電球をともせるだろうか? そして触るだけで携帯電話を充電することは? 1世紀以上も前、ある並はずれた人物が、どうやったらそれが実現できるかを発見した。だがその大胆なヴィジョンは、我々の社会システムをいくらも変えなかった。21世紀真っただ中に書かれたこの小説は、ひとりの天才の人物像を下敷きにしたフィクションだ。彼は実在の人物だが、その歴史は意図的に隠されてきた。ここで語られる出来事は、実際には起こらなかったかもしれない……。あるいは現在、わたしたちが知らないうちに、起きつつあるかもしれない。本書の登場人物は、知らず知らずのうちにわたしたちの現在と未来を変えるかもしれない出来事の一部だ。愛、嫉妬、裏切り、友情、賞賛、死……。すべてをかけた人間の本質が描かれる。

Sergio Álvarez著『35 muertos』の表紙

死者35人

35 muertos

セルジオ‧アルバレス

Sergio Álvarez

Guillermo Schavelzon & Asoc. Agencia Literaria

歴史小説、冒険小説、私小説、スリラー、それにロマンス小説の要素まで盛りこんで書かれた35Muertos(死者35人)は、ある敗残者を襲った不幸の数々と、かつて彼を見知っていた何十人もの人々の物語を通じて、ここ40年間のコロンビアを描きだす。闘争に敗れた革命家、マチスモを標榜するゲリラたち、怒りに駆られて徒党を組む者、ボレロの得意な民兵たち、愛人に裏切られた麻薬の売人、極寒の地をめざした亡命者、行方不明者、お祭り騒ぎに明け暮れる恵まれた人々に至るまで、さまざまな人間がうごめくこの小説は、どのページも活力と悲劇がたぎり、それらがつねに絡みあってコロンビアの残虐な歴史を紡いでいく。めくるめく語り口に彩られたこの小説は、間違いなく新しいラテンアメリカ文学を代表する一作となるだろう。

色で気分が盛り上がるDIY 50作品

50 proyectos DIY para emocionarte con el color

アナベル‧ガルシア‧プラタ

Anabel García Plata

The Sewing Box Company

本書『色で気分が盛り上がるDIY 50作品』は、棒針編み、かぎ針編み、マクラメ編みの編み図を収めたDIY30作品と50作品の続編となる書籍限定版。今回紹介したいのは、さまざまな色調を通した人生の見え方である。色は気分を盛り上げてくれる。そして、落ち着き、喜び、安らぎをもたらしてくれる。話題の中心となり、独自の言葉となるような衣類・服飾雑貨の作り方ガイド。棒針編み、かぎ針編み、編みぐるみ、マクラメ編みの選りすぐりの編み図がついた50以上の作品を収録。ショール、セーター、カーディガン、ハーフトップ、ハンドバッグ、毛布、タペストリー、室内飾りなど、手芸の世界で特に多く作られており、一年を通して楽しめる作品ばかり。5つの章の中から自分の個性に合ったスタイル、色、感覚を見つけよう。

Alex Nogués著『7 hombres con bombín』の表紙

山高帽の7人男

7 hombres con bombín

アレックス‧ノゲス

Alex Nogués

Libros del Imaginario, S.L.

「わたしの街に、山高帽の7人男がいた。7人はいつもいっしょに散歩していた。まじめでしゃっちょこばっていて、黒い服を着て口ひげはくるんとカールしている。ある日風が吹いてきて、山高帽がひとつ、はるか遠くへ飛んでいった。帽子をさがす7人の前に、知らない世界が開け……」考え、笑い、また考えさせられる物語。ときどきわたしたちは知らない世界に行って、まわりの小さなこと、ふだんは気にとめないけれども、日々必要なささいなことを、もっと大切にすることを学ぶべきなのだろう。アレックス・ノゲスの文章とシルビア・カベスタニーの絵が、しゃっちょこばっていつも黒い服を着ている、くるんとしたひげの7人の男たちの日々へとわたしたちをいざなう。

Ángela Cuéllar著『7 vidas』の表紙

7つの命

7 vidas

アンヘラ‧クエリャル

Ángela Cuéllar

Dibbuks

『7つの命』はある猫の物語。「猫には7つの命がある」ということわざのとおり、この猫も7つの命を持つが、ほかの猫と違っている。なぜって、7つの命を生きるあいだに、それぞれ語るべき物語を持つ7人の飼い主に出会うからだ。そして肝心なのは、その出会いから何かを教えてくれる。目撃した出来事や状況の本質を理解できない動物だからこそのくもりのない目で、人間のよいところ、悪いところを浮き彫りにする。たった一度の人生では必ずしも充分とはいえないことを教えてくれるのだ。オールカラーのグラフィックノベル。

Violeta Monreal Díaz著『80 valores y virtude que te gustará conocer』の表紙

知っておきたい80の価値と美徳

80 valores y virtudes que te gustará conocer

ビオレタ‧モンレアル‧ディアス

Violeta Monreal Díaz

San Pablo Comunicación SSP

ことわざや物語を集めた絵本。本書を通して子どもたちは、生きるために役に立つ80の価値と美徳に気づくことができる。目標を達成するための(強さ、根気など)、自分の心に正直になるための(高潔さ、誠実さなど)、成功するための(賢明さなど)、自分が手にしているものをもっと楽しむための(控えめさ、簡素さなど)、社会で生きるための(辛抱強さ、寛大さなど)、失敗を恐れないための(知識、創造性など)、いい友だちを持つための(人間性、気前のよさなど)、もっと幸せになるための(楽天主義、慈悲など)、他人から受け入れられ、優しくされるための(感謝など)など。

Paula Bonet著『813 Truffaut』の表紙

813 トリュフォー

813 Truffaut

パウラ‧ボネ

Paula Bonet

Bridge (La Galera)

パウラ・ボネは国際的に最も広く知られ、名声を博しているイラストレーターのひとり。本書では彼女なりの視点でとらえたフランソワ・トリュフォーを表現している。ヌーベルバーグを代表するフランスの映画監督であるトリュフォーは魅力的な人物で、深い人間性を備えていた。トリュフォーの熱狂的なファンであるパウラ・ボネは、彼の映画作品を繰り返し見、パリを訪れて街の空気や音や光に包まれ、その経験を全て自分のノートに記録した。嘘偽りのないありのままのノート。ひとりのアーティストが、もうひとりのアーティストに迫る。

Sonia Pasamar著『99 mentiras』の表紙

99の嘘

99 mentiras

ソニア‧パサマル

Sonia Pasamar

Ediciones Cydonia

冷たい雨の降る午後、ブレンダの人生はがらりと変わった。日常から一歩踏み出しただけのところにそんな運命の急変が待ち受けているとは、以前の彼女なら想像もできなかっただろう。ある上品な人物との出会いがきっかけで加速度的に嘘の数が増え、彼女の生活は根本から変わってしまった。彼女の仕事、そして科学への情熱によって、地球上の生命の存続期間をのばせるだろう。だが愛と憎しみ、復讐が混ざり合った感情のカクテルには、スパイ活動、秘密諜報員、細菌戦争、冷酷な殺人、入り組んだ陰謀といった様々な要素が溶け込んでいて、ブレンダはそこから容易に逃れることができない。カナダと英国を舞台に、壮絶なストーリーが展開する。

時はどこへ行ったの?

¿A dónde se fue el tiempo?

クリスティナ‧エスポシト‧エスカロナ

Cristina Expósito Escalona

La Maleta Ediciones

時間は早く過ぎ去ることもあれば、ゆっくり流れることもある。時間は経験したり分かち合ったりした瞬間へと変化し、私たちの心になごりを残していく。老いの視点から、あるおばあさんが時間の生成について考える。なぜなら時間は昨日であり今日、明日だからだ。だけど、流れた時間はどこに行くの?

Bàrbara Castro Urío著『¡A dormir, gatitos!』の表紙

子猫たち、さあ寝ましょう!

¡A dormir, gatitos!

バルバラ‧カストロ‧ウリオ

Bàrbara Castro Urío

Zahorí Books

寝る前の読み聞かせは親子のより良い絆を作る。色とりどりの子猫たちと共に過ごしながら子供を眠りに誘うための本。

Laura Freixas著『A mí no me iba a pasar』の表紙

わたしには起こらないはずだった

A mí no me iba a pasar

ラウラ‧フレイシャス

Laura Freixas

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

スペイン・フェミニズムを代表する存在のひとりが、ジェンダーという観点から自身の人生を考察する。ひとりの知的で聡明で才能ある女性が、夫の陰に隠れて自由も少なく、同意できない決定に従い、子育てに専念するために仕事での成功をあきらめなければならないという人生が、どのようにして起こるのかを詳細に語る自叙伝。起こらないと思っていたことはすべて起こる。それを著者は赤裸々に語る。社会的な場面だけでなく、他人が見たり言ったりすること、率直で皮肉な話の中に、社会階級を超えたところにある結婚や母性の物語に付随する感情の詳細な記録が含まれている。不信、無力感、欲求不満、苦悩、罪悪感、怒りは、何世紀にもわたって女性が抱えてきた感情であり、これまで充分に語られたことがなかった。

カメの歩みで(のろのろと)

A paso de tortuga

ボニファス‧オフォゴ

Boniface Ofogo

Kalandraka Editora

アフリカに伝わる寓話。主人公である、世界で最も長生きで賢く、辛抱強い生き物が、いかにしてあらゆる動物を救ったかを描く。敏捷で抜け目ないウサギも、大きく威圧的なゾウも、サイも、チンパンジーも……、だれも伝えられなかった生き延びる方法を、ボアは知っていた。西洋の文化で危険や残酷さ、死を連想させる生き物だ。アフリカの伝承をもとにしたこの物語は、偏見を打ち崩すだけではなく、生物種間の均衡と調和を壊しながら、地球に住むほかの生き物たちに対して我々人類がはるか昔から握ってきた覇権に焦点を当てている。対話体をベースにした軽快なリズムの文体、プロットの巧みさ、行動の反復が、元になった口承伝説を想起させる物語。

描こう!色鉛筆画

¡A pintar! Con lápices de colores

アマンダ‧ガルシア‧オロスコ

Amanda García Orozco

MTM Editores (Metafísica del Tercer Milenio Editores, S.L.)

色鉛筆ってあんまり役に立たない。色鉛筆だとなかなかうまく描けない。そんな印象を持っていないだろうか? そんなイメージを覆そうとしたのがこの本だ。色鉛筆は誰でも使えるテクニックで、複雑な素晴らしい絵も描くことができる。この本を読めば、色鉛筆を使いこなすために必要な情報がすべて見つかるだろう。というより、試しに描かずにはいられなくなるだろう。まずはとにかく描いてみよう!

Emilio Ortíz著『A través de mis pequeños ojos』の表紙

僕の小さな目で

A través de mis pequeños ojos

エミリオ・オルティス

Emilio Ortiz

Duomo Ediciones / Antonio Vallardi Editore S.R.L

SNSで話題になりベストセラーになった小説。事実に基づくストーリーが読者を魅了する。盲導犬の目を通して語られた友情と恋愛、克服のゆかいな物語。クロスは陽気で腕白な盲導犬。マリオは人生の道を切り開こうとしている目の不自由な若者。ひとりと1匹は強い絆で結ばれたチームだ。本書『僕の小さな目で』は、クロスが人間世界で引き起こす波乱に満ちたゆかいな出来事を語った感動的な小説だ。作者のオルティスもクロスと同じくらい腕白なスポックと言う盲導犬を持ち、本作で自身がよく知る現実を語っている。

Ana Sarrias著『A veces mamá dice...』の表紙

ときどきママが言うんだ

A veces mamá dice...

アナ‧サリアス

Ana Sarrias

Grupo Editorial Bruño

ときどきママの言うことは、子どもには理解できないことだ。たとえば、ママにとっては、部屋が散らかっているのや、水の中にあまり長くもぐっていることや、それにはだしで歩くことだってよくないことだ。だけど、主人公はママのようには考えない。それらはすべてワクワクする小さな冒険なのだ。でも、1日の終わりになると、ママはいつも、お互いが同じように理解できる、満月のお月さまのように大きくてすてきなことを言う。

ときどき自分が小さく思える

A voltes em sent menuda

バネサ‧マルティネス

Vanesa Martínez

Edicions Bromera S.L.U.

しばしば私たちは、自分をちっぽけな存在だと感じるが、周囲の人々に視線を向ければ、自分は大きく、とても大きくなれるということに気づく。ほんの些細な行為が重要で、大きな行動のきっかけとなる。私たち一人ひとりが、個性を際立たせることができるのだ。ひとりの女の子の目を通して見ると、世界はとても大きくて、私たちを感動させ、変化させてくれるんだということがとてもよくわかる。自分がちっぽけであるという感覚、恐れや混乱に対する、自身の潜在能力を発見することについて語る本。他者を観察し、人生をよりよくするために皆が何かをもたらすことができるということを認識すれば、発見が生まれる。

Beatriz Taboada著『A voltes la mare té trons al cap』の表紙

ときどき、ママの頭でカミナリが鳴るの

A voltes la mare té trons al cap

ベアトリス‧タボアダ

Beatriz Taboada

Edicions Bromera S.L.U.

ときどき、ママの頭でカミナリが鳴るの。するとママは歯をくいしばり、キンキン声で話しだす。ときどき、頭に雲がかかると、ママがお昼ごはんのしたくを忘れるので、あたしたちはおたんじょうび会にちこくする。頭に虹がかかると、ママは車のなかで歌い、あたしにたくさんキスをする。あたしの頭のなかでも、カミナリが鳴ったり、雲や虹がかかったりするのかな? 感情の働きをわかりやすく表現し、その動きを楽しめばいいのだと教える物語。

Daniel Piqueras Fisk著『A vuelo de pájaro』の表紙

鳥の目線で

A vuelo de pájaro

ダニエル・ピケラス=フィスク

Daniel Piqueras Fisk

Pujol & Amado Agent sl (Tramuntana editorial)

自然って、なんて素晴らしいんだろう! ぼくは勇敢なタイプじゃないけれど、どこからともなく、それまで知らなかった「守りたい」という衝動がめばえたんだ。さあぼくたちと一緒に、空、谷、海、山を巡る世界旅行に出かけよう。見えなくなった鳥の群れを探しに!

Susanna Isern著『Abecemociones』の表紙

気持ちのABC

Abecemociones

スザンナ‧イセルン

Susanna Isern

Grupo Editorial Bruño

動物を主人公とするこのにぎやかな絵本を見れば、子どもはアルファベットの文字と同時に、Aの「喜び」(alegría)からZの「内気」(timidez)まで、恐怖心や恥ずかしさなども含む自分のすべての気持ちを発見するだろう。また、さまざまな気持ちを認識するだけでなく、それぞれに名前をつけ、理解し、ポジティブにつきあうことを学んでいける。

Pilar Lozano Carbayo著『Abeceoficios』の表紙

仕事のABC

Abeceoficios

ピラール‧ロサノ‧カルバヨ

Pilar Lozano Carbayo

Grupo Editorial Bruño

arquitecto(建築家)のAからcocinero (コックさん)のC、doctora (お医者さん)のD、ingeniera (エンジニア)のIを通ってzapatero(靴屋)のZまで、仕事の名前をずらりと並べたカラフルなアルファベットの本。愉快な詩と、優しいタッチでユーモラスに、だけど正確に描写したイラストで、それぞれの仕事を紹介していく。 《靴屋さんでも宇宙飛行士でも、獣医さんでも彫刻家でもいい、幸せ、ぼくは幸せになりたい!》

アブラカダブラ、読み方を覚えるの魔法学校 1.このパーティは……くさい!

Abracadabra, Cole de Magia para apre nder a leer, 1. Esta fiesta... ¡apesta!

バルバラ‧フェルナンデス

Bárbara Fernández

Grupo Editorial Bruño

とんだ大騒ぎ! 魔法学校はお祝いムード。ドラゴンのシモンの誕生日で、超絶大パーティの準備中なのだ。でもケーキを焼いてる魔女のブルブハが大問題を起こしちゃった!!! ユーモアとすてきな驚きがたっぷり詰まった『Abracadabra, Cole de Magia(アブラカダブラ、魔法学校)』シリーズで、子どもたちは簡単な方法で愉快に本を読めるようになる。

Lucrecia Zappi著『Acre』の表紙

アクレ

Acre

ルクレシア‧サッピ

Lucrecia Zappi

Editorial La Huerta Grande

マルセラとオスカルは、サンパウロの中心街で典型的な中流階級の暮らしをしている。アパートの寄せ木細工の床を修理したばかりで、隣近所の集まりに足しげく出かけ、夜はテレビを見て過ごす。彼らが暮らすビル内にネルソンがいわくありげに出現し、ふたりの当たり障りのない暮らしが乱されることになる。ネルソンは影のある男で、ふたりは若い頃、1980年代にサントスのサーフィンビーチでネルソンと知り合い、マルセラは彼と出奔したのだった。

Andrés Barba著『Agosto, octubre』の表紙

8月、10月

Agosto, octubre

アンドレス‧バルバ

Andrés Barba

Editorial Anagrama

いつも夏を過ごす小さな村へトマスが家族と一緒に行ったとき、青年期特有の彼の緊張感は後戻りできないところに達していた。突然、ひとつながりになってさまざまなことが起こる。性と暴力への目覚め、死、違反… トマスは知性が行動におきざりにされてしまっているのを閃光のように悟るが、勢いにさからえず、とうとう自分で自分を許せない行為をするにいたる。そしてその時、自分を裁き、許してくれる唯一の人の前に座らなければならないと感じるのだった。 暴力的でどっちつかずで無防備な若い年代を巧みに描いた、価値ある小説である。

Manuel Marsol著『Ahab y la ballena blanca』の表紙

エイハブと白鯨

Ahab y la ballena blanca

マヌエル‧マルソル

Manuel Marsol

Editorial Luis Vives (Edelvives)

エイハブ船長は、執念の対象であった白鯨を探しに出発する。鯨を求めて7つの海を渡るが、なんの手がかりも得られない。冒険の途中で彼を待ち受けるのは、氷山やクラゲの大群、沈没船、食人種の洞窟……、だが敵の痕跡はない。疲れ果てた船長は、家に帰ってのんびり暮らそうと決意するが、鯨が見つかるのはきっと、そんなときなのだ。どの絵にも必ず鯨がいるのが読者にはわかるが、執念に取りつかれたエイハブ船長の目には入らない。ハーマン・メルヴィルの名作に捧げたオマージュである本書は、人生の意味探しについての巧妙なメタファーでもある。

Mario Alonso Puig著『Ahora Yo』の表紙

ハーバード流 自分の限界を超える思考法

AHORA YO: ¿Y si creas tu propio futuro en lugar de encontrártelo?

マリオ・アロンソ・プッチ

Mario Alonso Puig

Plataforma Editorial

人生が私たちに試練を与えるとき、誰もが心の奥に秘めている無限の可能性を目覚めさせ、開花させることが必要になります。 医学、心理学、そして哲学の研究は、複雑で不確実な世界の中にあっても、充実した人生へと導く道筋を描く手助けをしてくれます。 この成長と進化の道のりを歩む「巡礼者」となることで、私たちはより広大な現実に目覚めていきます。それは、何をするかではなく、むしろ自分が何者であるかによって定義される現実なのです。

Toni Terrades著『Això és Barcelona』の表紙

これがバルセロナ

Això és Barcelona

トニ‧テラデス

Toni Terrades

GRUP 62, S.L.U.

バルセロナが単なるカタルーニャの州都ではなくなってから、もうずいぶんたつ。地中海の中軸であり、世界で最も多くの人が訪れる街のひとつである。この奇跡の街が、世界中の人の目に天国と映るのはなぜだろう。ほかの街とどこが違うのか。どんな人々が住んでいるのか。チェックしよう。これがバルセロナだ!

Jesús Bengoechea著『Alada y riente』の表紙

軽やかに陽気に

Alada y riente

ヘスス‧ベンゴエチェア

Jesús Bengoechea

Armaenia Editorial

作家アーサー・コナン=ドイルが、その主要作品に見られる分析精神と相反する、風変わりな妖精信仰を持つに至った動機とは何だったのだろう? ティンカーベルがネバーランドから容赦なく追放されたとき、ピーターパンはどうやって過ごしたのだろう? モビー・ディックの背に突き立てた、自分自身の銛の綱に絡まり、海に沈んだエイハブ船長は死んだのか? フランケンシュタイン博士がその恐ろしい創造物に命を吹き込むにあたって、本当に効力を発揮した手段は何だったのか? 切り裂きジャックの真の犯罪動機とは? ジミニー・クリケットはその謎めいたカバンのなかに何を入れていたのだろう? これらすべての物語の間に、何らかの関係はあるのか? 書簡、自伝、日記の形をとり、あふれんばかりの想像力と比類ない手法でもって書かれたこの小説では、ここに挙げた問いをはじめとする様々な疑問が次々と解き明かされる。

純粋への反論

Alegato contra la pureza

ホセ‧ルイス‧オルティス‧ヌエボ

José Luis Ortiz Nuevo

Malpaso Holdings

新しいフラメンコを愛する人々に向けた解説書。純粋派と革新派の論争はあらゆる科学・芸術分野で見受けられるが、フラメンコの世界は特にその対立が激しい。著者はタイトルでその立場を明らかにし、純粋派がこだわる伝統的衣装を拒否してこそ存在意義を持つ、革新派のハイブリッドな性質を探究する。巨匠たちを否定することなく、絶えず再構築され、様々な栄養を取り込み、新旧の入れ替わりによって活性化する芸術として、フラメンコの理解をサポートする。本書は、世界で最も有名なスペインの音楽様式の将来を予見する、刺激的かつ明解なビジョンである。

Virginia Read Escobal著『Alegría』の表紙

アレグリア

Alegría

ビルヒニア・リード=エスコバル

Virginia Read Escobal

Pintar Pintar Comunicación

祖母のキッチンで、アリエルは代々語り継がれる話を聞きながら、「アレグリア(喜び)」と呼ばれるお菓子を作っています。ココナッツ、シナモン、糖蜜の香りがただようなか、おばあちゃんは自分たちのルーツや奴隷制が傷跡を残す歴史、そして闘って勝ち取った自由についてアリエルに語りかけます。アフリカ系カリブ住民の伝統に着想を得たこの本は、記憶、文化的多様性、そして人権について繊細に描いています。

Xavier Bosch著『Algú com tu』の表紙

君のような誰か

Algú com tu

シャビエル‧ボッシュ

Xavier Bosch

Columna Edicions, S.A.U.

「互いのことを意識するばかりで街の様子も殆ど目に入らぬまま、彼らはセーヌ通りを歩いた。ジャンピエールは好感を持たれたい一心で、案内人としてそのあたりの珍しいものを説明し、彼女は黙って聞いていた。歩道が狭くなったところでお互いの手が自然と触れ合った気がした。肌と肌が。彼はゾクッとした。日陰のテラスに大勢の観光客が座っているブシ通りに曲がり、すぐにサンジェルマン通りに出た」セーヌ左岸で画廊を経営するジャンピエール・サナルディは自由人。バルセロナで家族と落ち着いた暮らしを送っているパウリナ・オムスは、いとこの結婚式に参列するためパリにやってきた。

上では何もかもちがうよ

Allí arriba todo es diferente

ペップ・モリスト

Pep Molist

El Cep i la Nansa Edicions

ある日、ぼくが悩みごとをかかえていると、おじいちゃんがやってきてぼくに言う。「マックス、今日はあの古いカシノキにいっしょにのぼろう。おまえくらいの年のころ、わたしもよくのぼったものさ。上からだと、何もかもちがって見えるぞ」

Lola Nuñez著『Almagesto. La Quinta Piedra』の表紙

アルマヘスト 5番目の石

Almagesto. La Quinta Piedra

ロラ‧ヌニェス

Lola Nuñez

Ediciones Diquesi

10歳から12歳の読者の関心にぴったりあった、友情・変化・個人の成長の物語。登場人物とともに読者が発見しながら、一緒になぞを解き明かしていける、解決すべき悩みや困難な状況があるが、それを解決しながら登場人物たちが成長し成熟していく、迷いや恋愛など、思春期らしい感情がストーリーにあふれ、からみあう、数、空間、幾何学にかかわる、年齢相応の謎が筋の中で展開していくなど、ヤングアダルト小説の魅力となる要素が詰まっている。

Alicia Roca著『Almost Blue』の表紙

オールモストブルー

Almost blue

アリシア‧ロカ

Alicia Roca

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

「これまで、痛みに個性や表情があるなんて考えたことがなかった。痛みにこんなにもいろんな形があるなんて、ましてやあなたがそのひとつになるなんて、想像もしていなかった。だけど砂が指のあいだからこぼれ落ちていくように、あなたはわたしの夢から逃げ出し、しだいに見えなくなっていった。一秒ごとに少しずつ、あなたはわたしのものではなくなっていった。少しずつ、あなたを失っていった。死にかけている人がゆっくりと血を失っていくように、あなたはわたしの体からぽたぽた、ぽたぽたと流れ落ちていった。わたしには、あなたを引き留めるすべがなかった」キャロルはいつも自分は、美しくて聡明で社交的な姉の影のような存在だと感じていた。だからある日、ハンサムな学生オリビエからつきあってくれと言われても、信じることさえできなかった。キャロルは数カ月間、夢のように幸せな日々を送るが、やがて足元をぐらつかせるできごとが起こり、この恋は永遠なのか、それとも有効期限つきなのかを確かめなければならなくなる。心を揺さぶる驚きのラブストーリー。

Lur Sotuela Elorriaga著『Alucinario』の表紙

目もくらむような

Alucinario

ルル‧ソトゥエラ=エロリアガ

Lur Sotuela Elorriaga

Eneida Editorial S.L.

ありえないものの世界にようこそ! 想像力の彼方まで連れていかれるのにまかせ、忘れがたきページの数々がもたらす、目もくらむ感覚に身を任せましょう。読みやすい25の章から成るこの小説には、きらきら光る万華鏡、人々の夢や欲望、幻想のありかを示した複雑な地図が巧みに仕組まれている。著者のルル・ソトゥエラ=エロリアガが、独自の詩的な語り口で繰りだす世界や登場人物たちは、突拍子もない状況や後戻りできない出来事に巻き込まれ、驚きや楽しみ、感動に読者を誘う。

アマンダ‧ブラック-危険な相続

Amanda Black - Una herencia peligrosa

フアン‧ゴメス‧フラド

Juan Gómez Jurado

13回目の誕生日、アマンダ・ブラックは、彼女が生後数か月のときに失踪した両親の署名入りの手紙を受け取った。手紙にはあるミッションが書かれていた。《おまえは私たち一族の最後のひとりだ。最後のブラックなのだ。自分がどんな遺産を受け継ぐか知りたければ、おまえ自身が見つけ出さなければならない。そしてそのためには、かつてのおまえの両親の家、今やお前の家であるブラック館の所有権を手にしなければならない。館のなかで、おまえが実際には何者かを確かめるのに必要なものすべてが見つかるだろう》アマンダ・ブラックは失われた答えを見つけ出すための探索を始めた。ブラック館は危険な状態にあるが、これは両親が彼女に残したたったひとつの所有物だ。なにがあろうと館を救わねばならない。でも、どうやって? それが最も気がかりだ……。

Laura Falcó Lara著『Amanecer de hielo』の表紙

氷の夜明け

Amanecer de hielo

ラウラ・ファルコ=ララ

Laura Falcó Lara

Agencia Literaria Albardonedo

Última llamada(最後の通話)の大ヒットに続き、ラウラ・ファルコがミステリー小説『氷の夜明け』で私たちを驚かす。サンドラはエドゥアルドとフェイスブックで知り合った。偶然にも彼は、ノルウェーに住む、彼女の仕事上の同僚の息子だった。エドゥアルドに会いにノルウェーに旅行しようと決めたとき、まさかそれがあのような悪夢と化すとはサンドラは夢にも思っていなかった。彼女がオースレンに降りたった2日後、エドゥアルドがベッドで死体となって発見される。明らかに他殺だった。手足を縛られ、根本から切りとられた性器を口にくわえていたのだ。一方、サンドラも姿を消す。捜査を担当した警官のエリカ・ビンテルとラース・オベセンにとって、議論の余地のない事実がふたつあった。ひとつは、だれかわからないが、エドゥアルドを殺した人物はコロンビアのマフィアのテクニックを使ったということ。もうひとつは、サンドラの失踪は殺人とは何の関係もないようだということだった。

Muriel Villanueva著『Amarillo y redondo』の表紙

黄色くて丸いやつ

Amarillo y redondo

ムリエル‧ビリャfエバ

Muriel Villanueva

Editorial Flamboyant

休みに⼊り、キャンプに⾏くときがやってきた。でも、彼はまったく乗り気がしない。知られたくない秘密があるのだ。それは夜ごと、シーツの間に現れる⻩⾊くて丸いやつ。この忌まわしい秘密とはなんなのか?彼はこの秘密から解放されて、キャンプを楽しむことができるのだろうか? 「不安と⽴ち向かい、乗り超えようと語りかける、そんな絵本」

Sergio Mora著『Amazing Art』の表紙

アメイジング‧アート

Amazing Art

セルヒオ‧モラ

Sergio Mora

MTM Editores (Metafísica del Tercer Milenio Editores, S.L.)

ユーモアと優しさとあいまいさに満ちた、取り外し可能な絵はがきサイズの40ページ。カラー絵はがき20枚(スペイン語版)と塗り絵用絵はがき20枚(英語版)を収録。カタルーニャ出身でイラストレーターでもあり画家でもある著者の個性が光る、アーティストブック兼大人のための塗り絵帳。

Canizales著『Amazona』の表紙

アマゾンの女

Amazona

カニサレス

Canizales

Nuevo Nueve Editores

本書『Amazona(アマゾンの女)』は事実に基づく作品。物語で描かれているほとんどのシーンは2014年6月28日、土曜日の数時間の出来事だ。アマゾンのジャングル奥深くにある先住民コミュニティ出身の女性アンドレアは、カリ市での不健康な生活と過密状態に別れを告げ、故郷を目指して長い旅に出る。しかし、その故郷は今、鉱業会社の搾取に遭い、武装集団によって監視されているのだった。

見せかけの愛

Amor fingido

アンドレア‧スミス

Andrea Smith

La Galera Editorial

アマンダは見せかけの生活を送ってきた。毎日、大嫌いな弟の子守をするよう母に強いられても気にしないふりをする。《親友》に恋人を奪われても傷ついていないふりをする。もう彼のことなど愛していないふりをする。幸せな生活を送っているふりをする。ネイト・ルイスはお坊ちゃん。ネイト・ルイスは大きな家に住んでいて、いつも何の努力もせずにほしいものを手に入れてきた。ネイト・ルイスは自分を大切に思う人などいないと思っている。運命のいたずらで、ふたりが交際しているふりをしなければならなくなったとき、アマンダは気づいた。ネイトと一緒にいると、ありのままの自分でいられる、何かのふりをしなくていい。そんな人は初めてだった。一方ネイトにとってアマンダは、一緒にいると自分が特別で、価値のある人間なんだと感じさせてくれる初めての人だった。だけど、問題がある。ふたりはすでにふりをしていた。愛しているふりをしていた。

Concha López Narváez y Rafael Salmerón López著『Andanzas de Puck en el sueño de una noche de verano』の表紙

夏の夜の夢の中でのパックの冒険

Andanzas de Puck en el sueño de una noche de verano

コンチャ‧ロペス=ナルバエス、ラファエル‧サルメロ =ロペス

Concha López Narváez y Rafael Salmerón López

Grupo Editorial Bruño

シェイクスピアの最も魅力的で想像力豊かな作品に基づく、喜びあふれる生き生きとした夢物語。いたずら好きであわて者で、ふざけんぼうの妖精パックが、ウイリアムという少年に物語を語る。この少年がのちに、歴史上有名な劇作家となる。本書は原作の精神に忠実に、世界文学の最高峰となっている作品の特徴を生かして書かれている。わくわくする物語が、10歳の読者を魔法とファンタジーいっぱいのおとぎ話の世界へと運ぶ。詩的な言葉づかいややわらかい語り口、登場人物たちの優しさも素晴らしい。好奇心で読者をひきこみ、ぐいぐい読ませていく。

Pablo d'Ors著『Andanzas del impresor Zollinger』の表紙

印刷工ゾーリンガーの冒険

Andanzas del impresor Zollinger

パブロ‧ドース

Pablo d'Ors

Impedimenta S.L.

自分の命を守るため、若きゾーリンガーは生まれ故郷を捨て、遠く離れた土地で7年間、ひとり冒険の道を歩み、ありとあらゆる職業についた。つらい亡命生活ゆえの経験は、やがて啓発の道に変わっていく。たとえば、毎日謎めいた電話受付係の女性からの仕事の電話を受ける、とある駅のごく小さな守衛室で真実の愛を知る。軍隊の隊列の中で仲間意識と最も忠実な友情をかみしめる。消えゆく森の壮大さの中で自然の神秘を発見する。そして、何より、些細でつつましい仕事の尊厳を尊重する心を学ぶ。この過程を通して身に着けていく物事によって、彼はやっと一人前の男になり、家に帰り、よい印刷工になることができる。彼がずっと夢見てきた印刷工に。

Javier Urra著『Animales』の表紙

動物

Animales

ハビエル‧ウラ

Javier Urra

Editorial Sentir

Written by a specialist in child psychology, this book is aimed at boys and girls aged from 4 to 8 years old. Ani is an eco-friend with a mission: to make sure humans care for and respect animals and plants. Do you think he will succeed? Do you want to help him? Surely together you can make it happen! Humans are animals with the capacity to laugh, cry, imagine, feel and develop nostalgia. But at the end of the day we are still animals with instincts, fears and territorial, tribal behaviours. It therefore makes sense that we should respect all other animals. This story encourages children to care for animals and nature. Using clear, simple and fun language, it contains elements that help us understand the difficult situation the main characters (the eco-friends and Captain Urra) are going through.

Gabi Martínez著『Animales invisibles. Mito, vida y extinción』の表紙

目に見えない動物たち。伝説、生涯と絶滅

Animales invisibles. Mito, vida y extinción

ガビ‧マルティネス

Gabi Martínez

Nórdica Libros

挿絵入り書籍。旅人で作家のガビ・マルティネスと、考古学者で博物学者そして探検家のジョルディ・サラリョンガ共著による本で、挿絵はジョアナ・サンタマンスが担当。目に見えない動物や、およそ誰も見たことのない動物を探して地上のあらゆる場所を訪れる。すでに絶滅し、もう見ることのできない動物、その生活様式や、人類が直接、あるいは生活環境を損なう形で害を与えた影響により、見ることが非常に難しくなった動物たちについて描写している。自然科学の概念や学術的なデータを、一般の読者にも理解できる言葉で記述してある。かつて在りしもの、在りえたもの、或いは存在の可能性があり発見が待たれる動物たちの説明書でありながら、文学と自然科学の側面を併せ持つ1冊。

Pedro Mañas著『Anna Kadabra. El club de la luna llena』の表紙

アンナ‧カダブラ 満月クラブ

Anna Kadabra. El club de la luna llena

ペドロ‧マニャス

Pedro Mañas

Editorial Planeta, S.A.U.

もし、物語の魔女がいい人だったら? アンナ・カダブラと魔法の満月クラブがやってきた! アンナはかんかんに怒っている。住んでいる街や学校、我が家を離れなければならなかったからだ。両親と一緒に越してきたのは森のまん中にある古びた村、ムーンビルだ。古いだけでなく、その村は伝説と秘密に満ちていた。たとえば、どこに行こうとアンナのあとをついてくるこの謎めいた猫はいったい何者? 魔女の飼い猫かしら? ちょっと待って……もし、その魔女がアンナだとしたら?!

Laura Falcó著『Anomalía』の表紙

異常

Anomalía

ラウラ・ファルコ=ララ

Laura Falcó Lara

Agencia Literaria Albardonedo

少女がひとり。火事で焼け落ちた空き家にある、鎖で閉ざされたクローゼットの中で、古ぼけたテディベアを抱きしめ体を丸めている。 少女の瞳も、顔を半分おおったぼさぼさの髪も真っ黒だ。のろのろと動き、ほとんど話しもしなければ反応もない。何があろうと無表情で、まるで別世界にいるようだ。 彼女はマラ。彼女に見つめられただけで人々は震えあがる。 あなたは彼女の物語を読む勇気があるか? フリークショー、サーカス、予言、魔術、ブードゥーが一体となって、物語はアメリカ西海岸のほぼ全域を巡り、ニューオーリンズへとたどり着く。時は1915年。リプリング兄弟のサーカスでは、何ひとつ、誰ひとり普通ではない。有名なブードゥーの女王マリー・ラヴォーの裏に隠された暗い秘密もまたしかりだ。

Viay Mallow著『Anonymous Land, volumen 1』の表紙

アノニマスランド 第1巻

Anonymous Land, volumen 1

ヴィアイ‧マロウ

Viay Mallow

Marta Alcaraz, Agente Literaria

……そして、人間が自分自身の運命の青写真をつくる機会を得る時が来て、対立が生まれた。テクノロジーと大企業の支配vs協力と自然との調和。全く相容れない2つの世界観が到達したたったひとつの合意は、今後二度と互いに接触しないこと。ミライ・シンコ-で、リアムはテクノロジーのユートピアがディストピアと化したのを直感し、皮肉と内省の間を揺れ動きつつ、大統領の養子という自らの恵まれた立場に立ち向かっていく。自分と似た風変わりな顔立ちをした、アズミという青い目の若い女性リポーターと出会ったことで自分のルーツに好奇心をそそられる。ふたりは一緒に、複雑な隠れた現実を見つけていく。海の向こうで何人かのコミュニティーのメンバーが謎の敵に拉致されたため、コミュニティーの最も秀でた狩人たちは彼らを探しに船出せざるをえなくなる。真逆のふたつの世界が再びまみえるとき、何が起こるのか?

Gonzalo Torné著『Años felices』の表紙

幸せな年月

Años felices

ゴンサロ‧トルネ

Gonzalo Torné

Editorial Anagrama

20世紀後半のある時、手に深い切り傷を負った若い男、アルフレド・モンサルバジェスがニューヨークのとある病院に現れる。作家志望のこの外国人男性は、対応した看護師のジーン・ローゼンブルームから見ると、おとぎ話の王子様だった。アルフレドはじきに友人グループの中心になる。友人の目から見ると彼は、人生がなかなか与えてくれないものすべてをそなえた、何もかも解決してくれる魔法のような存在、つまり腹心の友であり、同僚であり、恋人だった。友人は4人。若いユダヤ人で霊感が強く、その妬みや野望がなぜかまわりには喜劇的に見えてしまうケビン・プリチャード。好事家で教養があり、裕福な相続人であり、王子と長時間話すなかで自分の才能を推し量るハリー・オズボーン3世。ローゼンブルーム姉妹のなかで最もカリスマ性があり、美しく、自立心旺盛で自由な女性クレア。そして気高く、思いやりがあり、慎み深いジーン。

Iria G. Parente著『Antihéroes』の表紙

アンチヒーロー

Antihéroes

イリア‧G‧パレンテ

Iria G. Parente

Nocturna Ediciones, S.L.

ヒーローでいることは退屈過ぎた。ぼくの名前はイェライ・アヤラ。ぼくには秘密がある。君が手にしているこの本にはぼくや、ぼく以外の世の中になじめない者たちの話、そしてぼくたちみんなを結びつけるヒントが書かれている。ぼくたちには特別な力があるんだ。わかるよ、作り話なんだって思うだろうね。そう思うのがふつうだ。急に姿を消して、好きなところに再び現れることができるってわかったときは、ぼくだってこんなのあり得ないって思ったよ。そして自分は特別なんだってわかると、どうせなら利用してやれってことで、あんまり正しくないことにも力を使うようになった。でも、そんな話がしたいんじゃなくて、大事なのは、ぼくのような人間を捕まえるための組織に実際に捕まったとき、ぼくはそんなに珍しい存在じゃないとわかったってこと。その組織がCIRSEだ。組織の目的は、この力を悪い方向に使う人間を再教育すること。僕たちをヒーローにすることだ。でも、アンチヒーローになれるのに、ヒーローになりたいやつなんているのかな?

Gabriela Keselman著『Antón Piñón: Una dulce explosión』の表紙

アントン・ピニョン:甘いばくはつ

Antón Piñon: Una dulce explosión

ガブリエラ・ケセルマン

Gabriela Keselman

Fundación Santa María - Ediciones SM

今日、アントン・ピニョンはおばあちゃんのお菓子屋さんにこっそり忍び込み、手伝おうと意気込んでいます。でも案の定、鍋や生クリーム、チョコレートにまみれたアントンの冒険は、べたべたの大惨事に終わってしまうのでした。

ここに問題あり

Aquí hay avería

ロレンソ‧モンタトーレ

Lorenzo Montatore

ECC Ediciones (El Catálogo del Cómic, S.L.)

ビティは、麻薬に侵されている。罪深い魔法使いの衣装、紫と悪徳を身にまとい、髪の毛には火がついている。口はない。だって、聖域のトイレで、聖体拝領をするのには目がひとつあればいいから。夜、金色の流れに引きずられ、黄色い妄想にとりつかれて現れ、悲愴な面持ちで一瞬立ち止まって星を眺める。液体や思い出が浮かび上がる。たった一滴のしずくが、ビティの青春を曇らせた。そしてそこで、ビティは友だちを待ち続けている。さよならも言わず永遠に行ってしまった友だちを。「最後のパーティ」と自分に言い聞かせるが、それは嘘だとわかっている。トイレにつづく廊下を再びたどり、暗くて汚いビティの宮殿を嘆きの涙で照らすのだ。

Miriam Sugranyes著『Arborum. Trazo a trazo. Un manual para crear árboles con acuarela』の表紙

アルボルム(木々)一筆一筆:水彩画で木を描く手引書

Arborum. Trazo a trazo. Un manual para crear árboles con acuarela

ミリアム・スグラニェス

Miriam Sugranyes

Editorial GG - Gustavo Gili

『animalia(動物界)』で豊かな動物相を通して水彩画の技法を探求した後、この新しいマニュアルでイラストレーターのミリアム・スグラニェスは、自然の美しく、雄大で、常に魅力的な存在である木々に命を吹き込む方法を学ぶよう私たちを誘います。一般的な構造を描くことから始まり、水彩のわずかな層と段階的なガイドで、ここに描かれた15本の木の最も特徴的な要素、つまり幹や枝の曲線と質感から、葉や果実の色調の細部や特徴に至るまで、表現できるようになります。

Borja Navarro著『Arcén』の表紙

路肩

Arcén

ボルハ・ナバロ

Borja Navarro

Editorial Dosmanos

本書は、バレンシアの小村落を通る州道500号線を舞台とした一連の物語で構成される。情熱と批判とユーモアと知性が交錯する独特の雰囲気のなか、灼熱の地中海の風景へ読者をぐいぐいと誘いこむ。

Nina Melero著『Archipiélago』の表紙

群島

Archipiélago

ニナ‧マレロ

Nina Melero

Alianza Editorial

東南アジアを舞台にした冒険小説。出張でシンガポールへ行ったソフィアだったが、運命に翻弄され、お金やパスポートも無く、漂流したボートでひとり大海をさまよっていた。彼女はこの運命と同様、あり得ない形で、バスク出身の向こう見ずな男オリャウリと島の謎めいた住民ジャハンが抱える問題に巻き込まれていく。ふたりはジャワ海で起きた盗難事件の関係者として当局から逃げているお尋ね者だった。盗まれたのは9世紀に遭難した船の残骸に眠っていた品で、海のシルクロードが存在したことを示す唯一の物理的証拠になり得るものだ。しかしこのふたりを探しているのはマレーの当局だけではない。オランダ人と呼ばれる男もまた彼らの後を追っていた。オランダ人はふたりを見つけるためには最悪の手段を取ることも厭わない危険な男だった。古典的な冒険小説の味わいを残しつつカリスマ的な人物が数多く登場する小説になっている。

Daniel Hernández著『Archipiélago de cuervos』の表紙

カラス列島

Archipiélago de cuervos

ダニエル‧エルナンデス=チャンベルス

Daniel Hernández Chambers

Grupo Editorial Bruño

ブランコス山脈の向こうに、ひとつの島が出現した。その島には枯れ木が1本あり、その木には6羽のカラスがとまっている。伝説によれば、カラス列島と名付けられた6つの島々はそのカラスとともに生まれた。気まぐれな海や風や魔法にゆだねられているその島にいるのは、水のドラゴン、絶望した残忍な王たち、預言が達成されるまで同じ場面を何度も繰り返し生きる定めを持つ幽霊、呪い、異世界への窓を開くお酒、血のクローバー、石の迷路、迷子の子どもたちなど。その中にいるナイアという少女は、ある日盗まれた一番大切なもの、つまり自分の弟を見つけようと決意していた。

Gema Bonnín著『Arena roja』の表紙

赤い砂

Arena roja

ヘマ‧ボンニン

Gema Bonnín

Nocturna Ediciones, S.L.

フェイスは12歳。第1世界、アジアに住んでいる。目的は、人が訪ねてきたとき、母や近所の女たちがひどく落ち着かなくなる理由を調べること。フェイスは14歳。第3世界、ヨーロッパで貧しい暮らしをしている。目的は剣闘士の学校でなんとかやっていくこと。彼女は許しがたい犯罪により、その学校に売られてきた。フェイスは16歳。生き延びている……、今のところ。現在の目的はただひとつ、復讐することだ。

Federico García Lorca著『Arlequín』の表紙

アルルカン

Arlequín

フェデリコ‧ガルシア=ロルカ

Federico García Lorca

Barbara Fiore Editora S. L.

ロルカの4行詩が、アンドレ・ダロバにより美しい折り畳み式絵本の宇宙となった。昼から夜への旅。体を貫く愛と死。初めて詩を味わう赤ちゃんや子どもたちにも、芸術を熱烈に愛する人たちにも新たな扉を開く発見の書。

Montse Homs著『Arracades d'avellaner』の表紙

ヘーゼルナッツのイヤリング

Arracades d'avellaner

モンセ‧オムス

Montse Homs

Barcanova Editorial

'Arracades d'avellaner' (Hazelnuts), is a novel based in reality with a touch of the fantastical. It's main protagonists are a seven year old girl, Lisa, and her pet, a tame fox called Ketti who is two years old. The fox narrates the story and as in fairy tales, appears very anthropomorphised. Lisa lives in a sort of paradise, an idyllic bubble - surrounded by her family, nature, friends and toys - which in one fell swoop is turned upside down. The tenderness and tranquillity that have up until that point dominated Lisa's life are turned into uncertainty and fear. These feelings affect her whole family and her especially, to the point that she becomes sick. Ketti and Grandpa Pere are key figures in getting Lisa through all this. The story transitions naturally between reality and fantasy in a way that will enchant the reader.

Juan Villoro著『Arrecife』の表紙

サンゴ礁

Arrecife

フアン‧ビジョロ

Juan Villoro

Editorial Anagrama

ビーチが安らぎの場所だった時代があった。究極の観光の時代にあって旅行者は別のスリルを求めている。ロック・グループ「ロス・エストラディタブレス」の元メンバー、マリオ・ムリェールは、カリブ海に妄想めいた可能性を見いだす。「恐怖の悦楽」だ。 彼は巨大なサンゴ礁の海岸に、コントロールした危険を提供するリゾート「ラ・ピラミデ」を建設する。だがやがて、ひとりのダイバーがアクアリウムの水槽の前で死んでいるのが見つかる。 ムリェールは宿泊客の性格を知っている。毒グモを育てている者、ロシアン・ルーレットに興じる者、マヤの生贄儀式を現代に復活させたがっている者。そして岩礁では、きゃしゃな魚が尖った岩の間を泳ぐ。 人生に強烈な刺激を求めた結果、生じるダメージについての考察。読者を夢中にさせるこの小説で、フアン・ビジョーロは新しいエコロジーを描く。気候変動がホテルを空っぽにするが、資金洗浄が幻のエンポリウム(交易の中心地)としてホテルを生まれ変わらせる。 しかし、Arrecife(岩礁)は、友情と愛と解放の物語でもある。

Teresa Moure著『Artes subversivas para cultivar jardines』の表紙

ガーデニングのための反体制アート

Artes subversivas para cultivar jardines

テレサ‧モウレ

Teresa Moure

Hoja de lata editorial, S.L.

レアンドロ・バルセイロは繊細な紫色のユリやアネモネを植えていたとか、彼の娘のクララのゆりかごは西洋アジサイの苗木だったとか、クララはセイロンアマリリスの甘い花びらを吸うだけで栄養を摂っていた、などと村人は語る。2世代の後、その少女クララ・バルセイロ率いる芸術介入隊が、環境保護を訴えるための大胆計画を準備する。今は使われていない石切り場の土地に祖父のレアンドロが作っていたようなバビロンの空中庭園を再現するという計画だ。クララのほか、彼女の十代の息子、記憶喪失のピアニスト、オーストリア人の精神医学者、恋愛依存症の若い女性ら全員が、そうやって既存のものや自分たちの恐怖心に立ち向かう決心をする。フィールドノート風に書かれた、珍しい花のように貴重なこの作品は、反抗と環境保護のためにあげずにいられない声を私たちに届ける。

Marilar Aleixandre著『As malas mulleres』の表紙

悪女

As malas mulleres

マリラール‧アレイシャンドレ

Marilar Aleixandre

Editorial Galaxia

19世紀末を舞台に繰り広げられる厳しくも情熱的な物語。身売りの咎で収監された15歳のシスカや刑務所の視察員コンセプシオン・アレナール、物語の鍵となるフアナ・デ・ベガのような女たち、または性を貪る男たちとの出会いを嘆く悪女たちの声なき声といった複数の声で語られる。この小説は、1863年にア・コルーニャのア・ガレーラ刑務所に収監された囚人たち、この排除された人々が忘れ去られることなく記憶に留められるために書かれた。アレナールとフアナ・デ・ベガは人々の尊厳のために働き、排除された者たちの世話をした。これは紙上で奏でられる歌であり、絶望する人々へ希望を与えるための、または生活をより良いものとするための読み物である。文学的な記載が満載でよく練られた筋書きが印象的な小説。

Alex Mírez著『Asfixia』の表紙

窒息

Asfixia

アレックス‧ミレス

Alex Mírez

Nova Casa Editorial

地球。人口:1人。なにがなんだかわからなかった。2019年9月1日、それは起きた。初めはみんな元気だったが、間もなく窒息死しはじめた。とてつもない沈黙が、少しずつ世界を覆っていった。この謎めいた惨事を、わたしは父さんのおかげで生き延びた。目覚めたとき、わたしは身の毛もよだつ光景のただなかにいた。おびただしい数の死体が横たわっていた。みんな死んでいた。しばらくして、実際には7人の生き残りがいるとわかり、わたしは彼らに合流した。なにが起きたのか、人類消滅の理由はなにかを調べる人もいた。だけどそういう人たちはすぐ、奇妙な死に方をした。残った者たちは生き残りをかけて闘ったが、それでも、数カ月後に亡くなった。今、この世界に住んでいるのはわたしだけ。地球上でたったひとりの人間になってしまった……。少なくとも、そう思い込んでいた。

Covadonga O'Shea著『Así es Amancio Ortega, el hombre que creó Zara』の表紙

ザラを創った男、アマンシオ‧オルテガ

Así es Amancio Ortega, el hombre que creó Zara

コバドンガ‧オシェア

Covadonga O'Shea

LID Editorial Empresarial

天才実業家か、夢想家か、それとも疲れを知らない熱血ビジネスマンか? そのすべてが当てはまり、それを凌駕するのがアマンシオ・オルテガ――ザラ、マッシモ・ドゥッティ、オイショ、ベルシュカなど数々のファッション・ブランドを傘下に持つインディテックス・グループの創業者である。そのオルテガが、これまでの人生やビジネスについて初めて書物のなかで語った。21世紀のグローバル・ビジネス・シーンで、スペイン人として最も成功している実業家のひとりであるオルテガの唯一の評伝。

Glòria Gómez de la Tia著『Asim, viajero del mundo』の表紙

世界の旅人アシン

Asim, viajero del mundo

グロリア‧デ‧ラ‧ティア

Glòria Gómez de la Tia

Editorial Miguel A. Salvatella

アシンは、何でもよく観察し、何からでも学ぼうとする、きらきらとした目を持った若者だ。たくさんの国々や地方を歩いた彼の肌の色が変わり、その色は青だ。見てみたいなら、本を開いてごらん。そこにいるから。世界をめぐるすばらしい旅がキミを待っている。違う人種同士がわかりあうこと、肌の色を理由に差別をしないこと、人間への愛を謳ったお話。

高齢者の在宅介護

Asistencia domiciliaria a personas de la 3ª edad

Ediciones Daly

高齢者介護のトレーニング法について書かれた画期的な本。ケアとサポートのための包括的な視点を示しており、経験の有無に関係なく全ての介護者にとって最良の手引きとなるものである。介護のプロ、看護を学ぶ学生、インフォーマルケアワーカーなど高齢者の世話に携わるあらゆる人を対象にしている。高齢者介護は世界で最も需要が伸びている労働のひとつである。にもかかわらず、親や祖父母を介護する人へのトレーニングが、受ける側の身体的、心理的、情緒的なケアを完全に行うには不十分であるケースも少なくない。本書には、介護する側とされる側の双方が生活の質を向上させるために必要な情報、コツ、アドバイスが網羅されている。

Elyon Liu著『¡Asombroso!』の表紙

すごい!

¡Asombroso!

エリオン・リウ

Elyon Liu

Apila Ediciones

こんにちは! ぼくの名前はアルトゥーロ。巨大なカメで、待つのがきらいなんだ。きみはどう? アルトゥーロは待つことに慣れていなかった。何でもすぐに手に入れたがり、あまりにも長い年月を生きてきて、あらゆるものを見てしまったので、もう好奇心をかきたてられたり、感心したりするものはなにもなかった。ある日、小さなイサドラというイモムシに出会うまでは。イサドラの希望に満ちた視線を通してものごとを見るようになり、アルトゥーロは待つこと、がまんすることをおぼえていく。感性豊かで細部にまでこだわった素晴らしいイラストが添えられた、この心あたたまる物語は、待つことを学び、まわりの世界に対して好奇心を持とうとさそいかける。多様な読み方ができる、深い意味を持つ絵本。好奇心と希望を持ちつづけようとさそいかける、おおらかさに満ちた物語だ。友情は不意に訪れる贈りもののようなものかもしれないけど、ときには待つのを知ることも大切だ。自然の循環、そして変容の力と同じように…。

幸せを探求する国ビジュアル図鑑

Atlas de los países en busca de la felicidad

ジョアン‧トルト

Joan Tort

Larousse Editorial

地理や歴史、人類学からなる9人の専門家を執筆者に迎えた本書は、人類の歴史的冒険を幸せの探求という観点から分析し、たとえ命をかけても前進し新しい地平を発見したいという人間の意思を明らかに見せてくれる。前例のない視点から、環境や都市計画、エネルギー、心理学、経済、通信など多様なテーマを通じて社会を知る旅である。140点の地図や180点の図表・統計と共に、ひとつのテーマを「幸福の尺度」や「過去の時代の振り返り」、「今日の世界で幸せであること」という3つの視点で分析して、見開き2頁で80のテーマを紹介する。

Víctor Terrazas著『Atlas de Sonidos Remotos』の表紙

遥かなる音のアトラス

Atlas de Sonidos Remotos

ビクトル・テラサス

Víctor Terrazas

Ediciones Menguantes

氷山の上でルドヴィコ・エイナウディが奏でるピアノの和音、アフリカの砂漠のエレクトリックブルース、広大な宇宙空間を旅する音楽、火山島の失われた歌、ABBAを生み出したゴーストタウン、海底洞窟のメロディー、エルヴィスを魅了したハワイの響き、北極の地下壕に隠された音の記録、ビョークにインスピレーションを与えたヨイクの歌、世界で最も寒い都市のパンク…。 特定の地理的響きを持つメロディーが存在します。その土地、気候、儀式、習慣が歌の形で痕跡を残します。『Atlas de Sonidos Remotos(遥かなる音のアトラス)』は、私たちを感動させる遠く離れた、異国風の、あるいは不思議と馴染み深い音を探す冒険です。 本書には、各章にQRコードが含まれており、それぞれの場所で言及された楽曲リストにアクセスできます。

フリーハンド強盗

Atraco a mano alzada

ハビエル‧アラ

Javier Ara

Editorial Drakul

病気で余命いくばくもないことを悟った有名漫画家ルンディは、娘と妻が路頭に迷わないよう銀行強盗をやろうと思いつく。報道や彼の伝記で知られている通り、この強盗は失敗に終わりルンディもその中で死んでしまうのだが、娘のエリサが成人した時に、なぜ自分が「国際民間銀行」を襲撃しようとしたのかを伝えるべく彼は漫画を描き残していた。しかし漫画は未完であり、ルンディが残した遺書には、長年、自身のゴーストライターとして絵の手直しをしていたハビエル・アラ(作者)にその完成を託すと記されていた。アラは仕事を引き受けるものの、ルンディを憎むあまり、漫画の内容を膨らませその正体を暴くつもりでいた。

Anabel Rodríguez著『Azaría』の表紙

アサリア

Azaría

アナベル‧ロドリゲス

Anabel Rodríguez

Ediciones del Serbal

アサリアはのどかな山村。石畳の白い通りのこの村は、ミゲル・プリモ=デ=リベラの独裁政権による政治の激動とも無縁だった。しかし、グティエレス家の高齢の兄妹カンディドとパキタが殺害されたことで村の日々の平和が突然破られる。治安警察が慌ただしく介入し、住民のひとりを逮捕し厳しく尋問したことから村で反乱が起き、中央政府は事件解決のためにロベルト・マルティン警部を送り込んでくる。同じ頃27歳の独身の娘イネスはひとり、兄妹の殺害について探り始める。イネスは妙な罪悪感と、持ち前の反抗心から「婿叩き」というあだ名で呼ばれていた。資金は乏しく、その時代女性は一段低い地位に置かれていたが、彼女は自己流の犯罪捜査に乗り出していく。

Alba Flores Robla著『Azca』の表紙

アスカ

Azca

アルバ‧フローレス‧ロブラ

Alba Flores Robla

Menoslobos taller editorial, S.L.

アドナイス賞及びスペイン国営ラジオ局RNEのオホ・クリティコ賞(2018)を受賞したアルバ・フローレス=ロブラが読者に贈る愛の詩集。波乱に満ちた愛、平穏な愛、そして愛の欠如。そしてまた、私たちが見ることは叶わないが、どこかで育ち続けるだろう森の愛。不明瞭な事柄の多い今日にはうってつけの1冊。アルバは近年のスペインの詩の世界に新鮮な声を吹き込む詩人のひとり。そして同時に、最も儚い声でもある。

火と塩の下で

Bajo el fuego y la sal

ホセ‧ソト‧チカ

José Soto Chica

EDHASA - Editora y Distribuidora Hispano Americana

846年、ローマ帝国の首都であるローマの街は廃墟と化し、なかば打ち棄てられていた。それでもローマは永遠の都で、教皇が統治し、ペテロ、パウロなど十二使徒の亡骸が限りない財宝に囲まれて眠っていた。カトリック教会はすばらしい財宝を隠している。それゆえ海のかなたのイスラムの海賊たちがローマ略奪を企てる。一方、地中海じゅうで陰謀や戦争の噂がささやかれている。共通する唯一の目的は、繁栄し存続することだ。だれもがそんなふうに、よくも悪くも生きている。ローマ教皇からビザンチンの踊り子、バイキングの統領、あるいは誰もが手にいれたがっている秘密、すなわちギリシャの火の公式を、最も高い値をつけた買い手に売ろうとしている錬金術師まで。イスラム教徒によるローマ略奪という、中世キリスト教における最もドラマチックな事件を描いた小説。

Elena Martínez Blanco著『Bajo el paraguas azul』の表紙

青い傘の下で

Bajo el paraguas azul

エレナ‧マルティネス‧ブランコ

Elena Martínez Blanco

Planeta Nowe SL

ひとりの人間の人生を崩壊させるには、どのくらい時間がかかるか知ってる? 2秒だよ。ワッツアップで写真を1枚、シェアすればいいだけ。知ってるよね。ネットいじめについての注意は受けたけど、そんなこと実際には起こりっこない、ただいつもの退屈な日常が続くだけ、そうでしょ? グラウカもそう考えていた。だってカレのこと大好きなんだから、写真を1枚送ったところで、何が起こるというの? だけどグラウカは、恋人がアンドレアに写真を渡してしまうことを知らなかった。そしてグラウカを全身全霊で憎んでいるアンドレアが写真をほかの人にもシェアしたばかりか、ネットに上げてみんなの笑いものにしてしまったことも。ネットの世界では、あなたの人生が一瞬にしてあなたのものではなくなる。でもアンドレアが予想してなかったこと、それはグラウカがギブアップしそうになったとき、あきらめずに彼女のために闘い、そして……青い傘を差しだす人の存在だった。<<スペインで多くの学生や家族が楽しみ、感動的なYAとして米国で賞を受けた小説>>

Meritxell Martí著『Bajo las olas』の表紙

波の下で

Bajo las olas

マリチェイ‧マルティ

Meritxell Martí

Editorial Flamboyant

海の中で出会うという一見単純なことが、登場人物それぞれの心に葛藤を生む。恥ずかしさ、恐怖、拒絶…。解決するためには、深い海にもぐり、隠れた宝を探し、目を開けて、よく注意して見るしかない。そうすることで、自分に何ができるか、人生はいかにすばらしいか、何がほんとうに大切かが見つかるだろう。多くの読み方ができる、心に訴える感動的な物語。子どもや大人に、内面の葛藤に愛情と自信を持って立ち向かうよう促す。

Luis Costa著『Balearic: Historia oral de la cultura de club en Ibiza』の表紙

バレアリック:イビサにおけるクラブ文化のオーラルヒストリー

Balearic: Historia oral de la cultura de club en Ibiza

ルイス‧コスタ

Luis Costa

Contraediciones

約100人へのインタビューや、2年以上にわたる資料考証から、世界有数のクラブの聖地・イビサの歴史をたどった一冊。登場人物による一人称で語られる。世界的に有名なDJやミュージシャン、ジャーナリスト、レコード会社、ダンサー、プロモーター、ホテルオーナーの証言、パチャ、クー(現在のプリビレッジ)、アムネシア、スペースら伝説のクラブのオーナー、カフェデルマルなどのバー、カフェデルマルのレジデントDJであったホセ・パディーリャ(音楽をかけながら日没を楽しむスタイルの立役者)などの証言から、イビサのクラブ文化の魅力的な歴史に初めて気づくことになる。カール・コックス、ピーター・フック、ポール・オーケンフォールド、ダニー・ランプリング、DJハービー、ルチアーノ、ルイ・ベガ、アルフレド・フィオリート、ホセ・パディーリャ、ナイトメアズ・オン・ワックス、ジュリアン・テンプル、アービン・ウェルシュ、トレバー・ファング、テリー・ファーリー、ビル・ブルースターら多数登場。

バルバネラ

Balvanera

フランシスコ‧ナルラ

Francisco Narla

Agencia Literaria Albardonedo

信心深い娼婦、信仰心のない修道士、脚の悪いインディオ、高潔なならずもの。母は娼婦、父はイギリス人。空腹を追い払うための唯一の手段である苗字もない。それでもカマチョは高潔さという美点だけを手に、糊口をしのごうと奮闘するが、すべてはついえる。あとは絞首刑だ。信心深い娼婦、口をきかないインディオ、信仰心のない修道士、高潔なならずものが、インディアス艦隊の史上最大の荷を狙っている。一方、大洋の反対側、太陽の沈まない帝国ヌエバ・エスパーニャの、熱帯雨が夢を潰すユカタン半島にいるバルバネラ号の船倉は、その当時非常に珍重された染料である商材「アカミノキ」が満載されていった。一方、死神は債務を徴収しようとしていた。

著『Barcelona TM. La Ciudad Condal vista por 33 autores』の表紙

バルセロナTM

Barcelona TM

フアン・ミゲル・アギレラ、エリア・バルセロ、ヨランダ・カマチョ、アリシア・ペレス=ヒル、ヌリア・C・ボテイ、エミリオ・ブエソ、ギリェム・ロペス、イバン・モウリン、ビクトル・セリェス、ロラ・ロブレス

Varios Autores

Norma Editorial, S.A.

ファンタジー、風俗小説、社会派小説、未来小説、ユーモア小説のアンソロジー。九番目の芸術であるマンガ(コミック)を知るのにもよい。 さまざまなテーマをカバーしたこれらの短編は、実験に開かれたすぐれたラボラトリーとなっている。グーグルの時代において、コミック、短編映画、短編小説など、さまざまな魅力のある形式のこれらの作品は、読者に瞬時に満足を与えるかっこうの手段である。 バルセロナは、多くの作家を受け入れ、彼らにインスピレーションを与えてきた。本書は、バルセロナ在住の作家たちによる、バルセロナを舞台とした27の短編集である。

手なずけられない女

Basa

ミレン‧アムリサ

Miren Amuriza

Consonni Ediciones

アルツェレカは橋のたもとの薄暗い場所にある古くて大きな農家だ。その家を頑なに支配している寡婦のサビナ・ゴヘノラもこれまた老女である。同居人で片足を切断して障害者となった義弟のヘンリーも、当然その支配下にある。サビナの子どもたちは、母親の日々の生活を少しでも楽にしようと懸命だ。しかし、自分以外の人間が定めた道を歩みたくないサビナは、あらゆる快適さを拒否する。彼女の愛情の対象は共に過ごす羊や犬と猫だけだ。家族との間にあるのは疑惑と緊張感、隣人との間には言い争いと妬みばかり。人生の終わりの迎え方に対して抗う厳しくも正直な田舎の女の姿をアムリサが的確かつ力強い筆法で描く。そこで主人公につけられたあだ名が〈手なずけられない女〉だが、それでもサビナの独立心が強い性格と因習を拒む姿勢を描くには言葉足らずだ。

命の鼓動

Batecs de vida

ベア‧ラモス

Bea Ramos

Obrador Editorial, S.L.

0歳から100歳(と、それ以上)の子どもが持つ権利十か条を、詩の形でまとめた本。勇敢なアリたち、飽くことなく遊ぶ大人たち、夢見る国々、飛び方を学ぶ子どもたちの物語と風景を集めた。だが同時に悲しいカニ、ワンピースのポケットに涙を隠している女の子、退屈は必要で楽しいこととされている場所についても描く。私たちは遊び、夢見て、学び、幸せになり、自分を愛し、人を愛し愛される権利を取り戻す。自然のなかで生き、悲しみ、泣き、退屈し、そしてもちろん、自由に生きる権利を守るのだ。

María Menéndez Ponte著『Bea & Guille』の表紙

ベアとギリェ

Bea & Guille

マリア‧メネンデス-ポンテ

María Menéndez Ponte

La Galera Editorial

ベアは機嫌が悪い。雨が好きじゃないのに、今は土砂降りなのだ。弟のギリェは彼女と遊びたくて仕方がない。小さな弟というのはいつもうっとうしいものだ。でもなんか、おかしい。ママがギリェのことを叱って、ギリェがベアにごめんなさいというのだ。「もういいよ」っていうのは、どうしてこんなに大変なんだろう?

ベートーヴェン:ウィーンの描写

Beethoven: un retrato vienés

アルトウール‧レベルテル

Arturo Reverter

Editorial Tirant lo Blanch

本書を読めば誰しも19世紀初頭のウィーンの街を有意義に旅行できるだろう。当時のウィーンはヨーロッパの中心であり、ベートーヴェンの生涯の後半30年間はこの地で展開した。この旅では、まずこの街の数々の文化的側面を広範に照らし、それとベートーヴェンという作曲家が個人として芸術家として経験した出来事を結び付け、彼の振舞いの真相や彼の五線譜の意味の深さ、さらには音楽史における新時代の幕開けの前提となった高い独創性を一枚の絵に仕立てて見せてくれる。ベートーヴェンの膨大な楽曲のうち、最も重要な曲を選りすぐって紹介し、各章で当時の状況に関連付けて検討および分析をしている。

Maru Godàs著『Belleza orgánica. Manual ilustrado de comética natural』の表紙

オーガニックな美しさ――イラストによる自然派化粧品の作り方

Belleza orgánica. Manual ilustrado de cosmética natural

マル‧ゴダス

Maru Godàs

Editorial GG - Gustavo Gili

化粧品に関する知識と作り方、自分と地球に対する良識と責任ある姿勢を学びながら健康管理を可能にする、イラストを用いた自然派化粧品の作り方ガイド。 ◆意識的なケア:従来の化粧品の落とし穴を検証し、自然派化粧品のメリットと特性を確認することで、外見の美しさという呪縛にとらわれずに自分の体に気を配り、自分を愛する方法を学ぶ。 ◆天然成分:植物、エッセンシャルオイル、植物油脂、果物・野菜などの生鮮品について、その成分と本来備わるメリットを知る。 ◆作り方:可愛く丁寧なイラストで描かれた手順に沿って、パック、スクラブ、アロマオイル、バター、髪用ローションなど、あらゆる自然派化粧品作りをすぐに実践可能。

José Manuel Aparicio著『Bellum Cantabricum』の表紙

カンタブリア戦争

Bellum Cantabricum

ホセ‧マヌエル‧アパリシオ

José Manuel Aparicio

EDHASA - Editora y Distribuidora Hispano Americana

It is the year 26 BC. The Romans are attempting to subdue the indomitable Cantabrians and Asturians in the inaccessible regions of the north of the Iberian Peninsula. While the fortified city of Bergida is engulfed in flames, Sekeios, an Autrigonian mercenary in the service of Rome, flees the camp after a serious incident with the governor of the province of Tarraconensis. Wandering through hostile territory, he is captured by Konkan warriors who take him to the city of Aracillum, a stronghold of the Cantabrian resistance. The governor has sworn to bring him down. Sekeios is left alone with no way back. So he must kneel before the feared leader Corocotta. To survive, he must fight first against the hatred of the mountain dwellers and then against the relentless offensive of the Roman legions to conquer the Iberian Peninsula. And between battles and wolf hunts, he discovers love with Turennia... A constant struggle and an uncertain fate.

Antonio Amago著『Bemol Pispante, un ratón en el piano』の表紙

ベモル‧ピスパンテ、ピアノの中のネズミ

Bemol Pispante, un ratón en el piano

アントニオ‧アマゴ

Antonio Amago

Sieteleguas Ediciones

小さなネズミ、ベモル・ピスパンテは音楽が大好き。だから、ピアノの中に住んでいる。みんなを危険にさらすので、仲間のネズミたちからは頭がヘンだと思われている。家のあるじは偉大なピアニストで、美しくて難しい曲の練習をする。マルチメディアのコンテンツ入りのCD-Rom付属。

キス

Besos

マルタ‧コミン

Marta Comín

Shackleton Books

再会、祝福、謝罪、おやすみのキス……、それぞれのシチュエーションに応じて、世界にはあらゆるタイプのキスがある。キスは愛情を示す素晴らしい方法。魚や蜂、それに蛇まで、キスすることができるんだ! だけど、そういうキス、動物のキスは、どんな音を立てるんだろう? 小さな読者のための楽しい絵本。各ページにある仕掛けやフラップを動かすことで、動物たちや人々のキスにはたくさんの仕方があることがわかるだろう。

Borja Gonzalez Hoyos著『The Black Holes』の表紙

ブラックホールズ

The Black Holes

ボルハ‧ゴンサレス=オヨス

Borja Gonzalez Hoyos

Reservoir Books (Penguin Random House Grupo Editorial)

『Los agujeros negros(ブラックホールズ)』は、スペインで将来最も有望なグラフィック作家のひとりボルハ・ゴンサレス=オヨスが、文学的ロマン主義と若者の反抗のふたつを掘り下げ、過去と現在の若者の憧れを描いた美しくも不気味な寓話である。グロリア、ラウラ、クリスティーナの3人は、パンク風のバンド「ブラックホールズ」を結成しようとしている。やる気、存在感、直感…必要なものは全て持っている。そしてひとつ気がかりなのは音楽教育の欠如。リハーサルを始めるとすぐに奇妙な存在が現れる。160年前に起こった何かのおぼろげな記憶が彼女たちのひとりを悩ませる。彼女たちがおそらく気づいていないのは、時間は二車線道路だということだ。

Francesca Dell'Orto著『Blancanieves』の表紙

しらゆきひめ

Blancanieves

フランチェスカ‧デル‧オルト

Francesca Dell'Orto

Editorial Luis Vives (Edelvives)

エレナ・クラエ再話によるグリム兄弟の物語に、フランチェスカ・デロルトが絵をつける。しらゆきひめの父親が再婚した新しい女王は、とても美しい義理の娘に嫉妬心をいだく。そこで、娘をなきものにしようと、森に連れていって殺すよう狩人に命じる。しかし、狩人はかわいそうになって女王の命令にそむき、彼女を森においてくる。しらゆきひめは逃げ、日暮れどきに7人の小人が住む小屋を見つけ、そこに隠れ住むようになる。だが、継母は老婆にばけ、しらゆきひめを毒リンゴで殺す。しかし、ある国の王子が、継母が与えたリンゴをとりのぞいてしらゆきひめを生き返らせ、若く美しいしらゆきひめと結婚する。

Andrés Guerrero著『Blanco de tigre』の表紙

トラの白

Blanco de tigre

アンドレス‧ゲレロ

Andrés Guerrero

Fundación Santa María - Ediciones SM

ここから白いトラが支配する禁じられた場所が始まる。ずっと昔の話だ。もうずいぶん前のことなので、語る者もいない。まだ覚えている者たちは、深いジャングルで生まれた伝説のひとつにすぎないと言う。だが、そうではない。断じてない。ある日、偶然の導きで、私の姉妹ドゥナの運命と白いトラの運命が交差した。そして、ふたりは自分たちの場所を見つけた。

Rosa Tiziana Bruno著『Bolsitas raras』の表紙

おかしなバッグ

Bolsitas raras

ロサ‧ティシアナ‧ブルーノ

Rosa Tiziana Bruno

Ediciones Aljibe

この世にやってきたすべての恐怖心は、かたすみにみな身をよせあい、ちぢこまっている。しかし、その恐怖心はどこで生まれ、どこで死んでいくのだろう。恐怖心は何でできているのか。それらのことは、何もわからない。ただひとつ確かなのは、最も悪い瞬間に、恐怖心が表に出てくることだ。本書は、2010年の世界哲学の日にパリのユネスコで発表され、出版社のホームページでも配信されている。

絵画のような刺繍

Bordado pictórico

ヒメナ‧ロメロ

Gimena Romero

『México bordado(刺繍されたメキシコ)』での成功に引き続き、テキスタイルアーティストのヒメナ・ロメロが、技術的な観点からではなく、芸術的な表現の手段として、再び刺繍の製作に読者を導く。本書『Bordado pictórico(絵画のような刺繍)』は、刺繍に言葉を語らせ、実践のさまざまな場面で、各要素――土(素材、アクセント、バックステッチ)、水(糸の流れ、色、光沢のあるフィリング)、火(衝動、意図、ステッチ)、風(息遣い、静寂、フィリングの中の空気)、そして、刺繍の中に溢れ、宿る魂――が、どのよう互いに影響し合っているかを観察するよう、われわれに注意を促す。

朝鮮小史

Breve historia de Corea

ルーベン‧アルマルサ‧ゴンサレス

Rubén Almarza González

Editorial Nowtilus

朝鮮半島のエキサイティングな文化を掘り下げてみよう。その歴史は、両班、飢饉、戦争、独立の試み、また絶え間のない諸外国からの攻撃。さらに根本的に異なる2つの体制を作り上げた歴史的転換。先史時代から現在の分断や朝鮮戦争までを扱っている。現在の朝鮮半島に刻まれた政治的分断のせいで、30年前までスペインでは朝鮮半島について知っている人はほとんどいなかった。しかし、90年代が始まると、韓国の文化はK-popや韓国ドラマのおかげで注目されていく。だが、その一方で統合や分断、占領や独立に翻弄された朝鮮半島の国々の豊かな歴史はほとんど、いや全く知られていない。本書で私たちは、様々な発展過程を経てきた朝鮮半島の歴史を明らかにしていこう。

プレ‧コロンビア美術小史

Breve historia del arte precolombino

カルロス‧ハビエル‧タラニーリャ

Carlos Javier Taranilla

Editorial Nowtilus

プレ・コロンビア美術として本書が扱うのは、メソアメリカの謎のオルメカ文明、古典期の都市テオティワカン、モンテ・アルバン遺跡のサポテカ文明、マヤ文明と都市遺跡、アンデス山脈のナスカの地上絵とティワナク遺跡、トゥーラ遺跡のトルテカ文明、チチェン・イッツア遺跡のマヤ・プウク様式から、テノチティトラン遺跡のアステカ文明、クスコとマチュピチュのインカ帝国までである。本書を読めば、コロンブスのアメリカ発見以前にアメリカ大陸の人々が培っていた文化の発展がわかり、アメリカ大陸の北から南まで、アラスカやメキシコ、ペルー、ブラジル、パタゴニアで保存されてきた先史時代の絵画を見ることができる。先古典期では、謎に満ちたオルメカ文化とその代表的な人頭像や石の祭壇、人物像、謎の神々のレリーフについて深く掘り下げている。

農業占星術の手引き

Breve manual de Astrología agrícola

フアン‧エスタデーリャ

Juan Estadella

Ediciones del Serbal

月、惑星、星座が、自然やわれわれの住む世界に与える影響については、時代を問わず、誰もが耳にしたことがあるのではないだろうか。地球の衛星である月が潮の満ち引きや天候だけでなく、人間の行動や、動植物の生態にも影響を与えるのを、実際に見たり何かで読んだりしたことがあるはずだ。地上のあらゆるものへの天体の影響は現実に存在し、否定できない。しかし、最も驚くべきことは、われわれがそれを利用できるということだ。耕作への応用は、まさにその最も古い用法のひとつである。本書では、われわれの栽培する作物や庭、都会の小さなバルコニーの植物が、天体の力を借りていきいきと成長するよう、簡単に利用できるコンセプト、アイデア、テクニックを紹介している。星を味方につけて、驚きの世界に足を踏み入れてみよう。

Raquel Brune著『Brujas y nigromantes. Hermandad』の表紙

魔女と黒魔術師―友愛

Brujas y nigromantes. Hermandad

ラケル‧ブルネ

Raquel Brune

ST&A Literary Agency

何百年も迫害され追われてきた魔女たちが、とうとうははばかることなく人前に出てこられるようになった。ネット上で住まいをシェアし、呪文を唱えるところを録画し、魔女集会のメンバーしか参加できないパーティーを開いている。黒魔術師たちと休戦協定を結び、一般の人々は、魔女たち特有の魔法を恐れることはない。若い魔女のサベレは、1年に1度行なわれる魔女認定試験を受けようとしている。しかし、選考会の夜、思いがけない方向に運命が変わる。魔女と黒魔術師の和平協定が空中分解するとき、サベレと友人たちは両方の側の死者を目の当たりにし、誰もが無事ではいられないと悟る。

Mònica Peitx著『Bruno se hace mayor』の表紙

ブルーノおとなになる

Bruno se hace mayor

モニカ‧ペッシュ

Mònica Peitx

Editorial Juventud

10歳の男の子ブルーノは、自分の体が変わってきているのに気づく。お姉ちゃんのミアのように、もうすぐ思春期にさしかかるのだろう。思春期の男子の体には、どんな変化があるのかを知り、男性生殖器のすべてを学ぼう。ブルーノとともに、おとなになる冒険の旅に出よう。内分泌学が専門の小児科医が、正常な成長の過程として男子の体の変化を解説し、その大きな変化の時期に必要な健康のための習慣を教える。2016年と2017年にセラ・ドール批評家賞、ジャウマ・アイグアデル・イ・ミロ賞(衛生の普及と教育の賞)等の賞を受賞したMía se hace mayor(ミアおとなになる)の姉妹編。

María Ramos著『Bubble Gum Boy』の表紙

バブルガムボーイ

Bubble Gum Boy

マリア‧ラモス

María Ramos

Fulgencio Pimentel Editorial

バブルガムボーイは新しい学校で新学年を迎え、だれでも経験があるように怖気づいている。新しいクラスメイトは自分のことをどう思うだろう。頭がガムだからって、いじめられないかな。まわりを見まわしてみると、たまねぎっこもエルネストもみかんちゃんもみんなすごくて、いろんなことができる。自分は何ができるだろう。ただのガムだもん…。何言ってるの! みんな同じだったらたいへん。違うからいいんだよ。ベストセラー『El libro del futuro(みらいの本)』(Fulgencio Pimentel SL 、2018-当サイト2019年日本向けおすすめ書籍)のイラストを手がけ、珠玉の個性派書籍『Picnic(ピクニック)』を創りあげたマリア・ラモスが、その才能を遺憾なく発揮した、ガムの男の子と忘れがたい友だちが登場する、新しい絵本シリーズ。

Paula Porroni著『Buena alumna』の表紙

優等生

Buena alumna

パウラ‧ポローニ

Paula Porroni

Editorial Minúscula

経済危機で雇用が不足しているヨーロッパで、エリートを目指して有名大学に通っていた女子大生が、イギリスの村に帰ってきた。挫折の影と、アルゼンチンからの送金によって彼女をコントロールする母親に追い詰められ、主人公は自分に約束されていたはずの成功が消えていくのを見る。彼女は日々賃貸の家やアパートのあいだで過ぎていく。そこにある他人の家財は、使い捨てられた他の人生の証以外のなにものでもない。しかし彼女は、厳しい規律を自分に課して軌道修正しようとする。今度こそ人生に勝利しようと勉強を再開する。いつか優等生、完璧な学生になるのだ。本書はかみそりのように鋭く圧倒的な精確さで、現代ありがちなやさしげな物語を切り裂き、暴力と自己処罰しか芽生えない不毛な光景を露にする。

José C. Vales著『Cabaret Biarritz』の表紙

キャバレー ビアリッツ

Cabaret Biarritz

ホセ‧G‧バレス

José C. Vales

Dos Passos Agencia Literaria

ジョルジュ・ミエはフランスの出版社ラ・フォルチュの依頼で大衆向けの物語を書いている。ある日担当編集者から、15年前の1925年夏、観光客でにぎわうビアリッツを揺るがした悲劇について「堅い」小説を書くようにとの依頼を受ける。地元の若い女性の死体が桟橋の金属の輪に縛りつけらて発見されたという事件だ。ジョルジュは現地に赴き、30名前後の人たちに話を聞く。彼らは様々な社会階層に属しているが、なんらかの形で被害女性と面識があった。その結果、警察と判事がこの事件を握りつぶそうとしたこと、それでも事実が明らかになったのは、当時ジャーナリストのポール・ビルコーとカメラマンのギャレ、それにビルコーが若かりし頃の恋人、魅力的で美しいベアトリス・ロスが調べたからだというのがわかってくる。

Francisco Narla著『Caja negra』の表紙

ブラックボックス

Caja negra

フランシスコ‧ナルラ

Francisco Narla

Agencia Literaria Albardonedo

「飛ぶのが怖いですか? 怖いでしょう」飛行、電子音声現象、古いケルト神話……この見事な小説にはすべてが盛り込まれている。民間航空会社のあるパイロットが通りすぎたあとには死と流血が起こる。あるアマチュア超心理学者が人気のないチャペルで記録した、不気味な電子音声現象が、暴いてはいけない謎を解明する最初の手がかりとなる。破壊的な邪悪な力がとき放たれ、30年以上の時を隔てたふたつのストーリーがぶつかり合う。

大人と高齢者の生活の質 社会的状況における教育的介入

Calidad de vida en personas adultas y mayores. Intervención educativa en contextos sociales

アンtル‧デ‧フアナス‧オリーバ

Ángel de Juanas Oliva

UNED - Universidad Nacional de Educación a Distancia

私たちの社会では、人口の高齢化や大人と高齢者の生活の質の改善の追求は疑う余地のない現実だ。このシリーズでは、社会教育行動やグローバル、専門的な視点から、大人と高齢者が福祉を受けて自立した生活を送るために重要なテーマが扱われている。読者対象は、社会教育や心理学、作業療法、社会福祉分野の学生と教師。それに加え、老後に直面する課題に不安や関心のあるすべての人々である。

カミロ‧セスト 私の一番新しい歌 第1巻

Camilo Sesto. Mi última Canción Vol 1

エレナ‧ゴメス‧デ‧ラ‧プエルタ

Elena Gomez de la Puerta

Editorial Chocolate, SL

カミロ・セストとして世界的に知られるカミロ・ブラネス・コルテスは1946年9月16日、アリカンテ県アルコイ市の、貧しくも勤勉な家庭に生まれた。ラジオから流れるメロディーを聴きながら幼少期を過ごした彼は、やがて絵画や音楽に強く惹かれるようになり、生涯にわたりその情熱を持ち続けた。地元でロス・ダイソンというバンドを組んで行った活動で最初の成功を収めたのち、カミロ・セストは迷うことなく全てを投げうちマドリードに移り住んだ。当時、食料不足や政治および社会的な問題が存在していたにもかかわらず、音楽シーンで自身の居場所を求めて戦い続けるために。その独特な歌声が首都のレコーディングスタジオから発信されるや、楽曲の持つテーマや周りを遠ざけるかのような力強い歌唱に人々は魅了されていくのだった。

カミロ‧セスト 私の一番新しい歌 第2巻

Camilo Sesto. Mi última Canción Vol 2

エレナ‧ゴメス‧デ‧ラ‧プエルタ

Elena Gomez de la Puerta

Editorial Chocolate, SL

カミロ・セストのキャリアの中でピークを選ぶとすれば、それは1975年11月6日にマドリードのテアトロ・アルカラ・パレスで上演されたジーザス・クライスト・スーパースターのスペイン初演の日だ。自らプロデュースし、主演したこの作品は、スペインで初めて上演されたイギリス生まれのミュージカルであり、批判を浴びつつも5ヶ月にわたって上演されるという挑戦的な舞台となった。その数年前、カミロ・セストはすでにOTI(テレビ局)、アルメリア、ベニドルムの音楽祭に参加し、いずれも成功を収めていた。さらに大西洋を渡ってアメリカ大陸にも活躍の場を広げ、チリ、コロンビア、メキシコ、ペルー、アルゼンチンで公演を開いた。この新天地では全ての首都で、その都市の劇場が彼を出演させようと競い合うほどであった。

街を歩く。バルセロナの都市体験

Caminando la ciudad. Barcelona como experiencia urbana

共同作業

Obra colectiva

Edicions de la Universitat de Barcelona

バルセロナという街での体験については多くの作家によって描写されてきた。マヌエル・デ・ソラ=モラレス、ホアン・ブスケッツ、ジョセップ・マリア・ウエルタス・クラベリア、ルイス・ペルマニェル、アレハンドレ・シリシ、イツィアル・ゴンサレスなどがこの街の歴史や出来事、公共機関と市民権の関係などを書き残した。本書は、カタルーニャ工科大学バルセロナ建築高等専門学校の教育プログラムの一環として企画されたプロジェクトおよび研究のエッセンスを紹介したものだ。同プログラムでは都市を教室や実験室と捉え、バルセロナに関する知識を深めるべく、建築、都市計画、社会学、歴史、その他この街を特徴づけているものにアプローチするための探訪がなされた。

Raimon Portell著『Caminos de noche』の表紙

夜道

Caminos de noche

ライモン‧ポルテイ

Raimon Portell

Barcanova Editorial

ルットは逃げなければならない。 誰から? なぜ? 彼女はそうするしかないことを知っているが、なぜだかわからない。 アルジモン先生や、アンチョビことマルクのように彼女を助けたい人さえも秘密に覆われている。ルットを探している人たちは、彼女に対してどんな関心があるのだろう? 彼女はどこに行くのだろう? なぜ? 3部作La luz de Artús(アルトゥスの光)の第1部Caminos de noche(夜道)では、すべてが解決されるわけではない。いくつかの答えは出るが、それは必ずしも読者が望むものではない。3部作の舞台は私たちの世界ではない。少なくとも私たちが知っている通りのこの世界ではない。 歴史は他の道を辿った。いくつか似ているところはあるし、いくつかの国の現在の地名と同じものもあるが、国境線は違っている。 時代背景としては、スペイン内戦が実際より20年早く起こり、第2次世界大戦勃発時にまだ続いているという具合だ。

Raimon Portell著『Camins d'aigua 』の表紙

水の道

Camins d'aigua

ライモン‧ポルテイ

Raimon Portell

Barcanova Editorial

Caminos de noche(夜道)』(Barcanova、2017-当サイト2018年紹介作品)で始まる三部作『La luz de Artús(アルトゥスの光)』の第二部。第一部のストーリーから離れたところから物語は始まるが、第一部の主人公ルットが、モンセグル城で再び登場する。安全な隠れ家に見えた城だが、戦争は大陸を火の海とし、軍隊は執拗に彼女を追い、長い触手を伸ばしてくる。新たな困難に立ち向かわねばならないとルットはわかっているが、どうにもならないこともある。ガイドであり友だちである、シコイワシのマルコスは、帝国で最も危ない穴に入らなければならないとしても、彼女を助けるつもりだ。この第二部で壁が開く。世界はさらに広いことに私たちは気づく。もっと多くの人々がいて、ゲームは私たちが知る国境の向こうまで続く。すべてはつながっていて、ここでの小さな行為に大陸の運命がかかっている。

Sergi Pàmies著『Cançons d'amor i de pluja』の表紙

愛と雨の歌

Cançons d'amor i de pluja

セルジ‧パミエス

Sergi Pàmies

Quaderns Crema

本書Cançons d'amor i de pluja(愛と雨の歌)に収められている25の物語は、熟年の傷つきやすさとくだらない習慣に関しての想いと考察がアンサンブルのように構成されている。セルジ・パミエスは簡潔で力強い文体で、典型的ロマンチシズムの紋切型と、感情的心気症の束縛を解釈しなおす。浄化され抑制された散文と文体が、辛辣さとバイタリティとメランコリーの間でのバランスを模索する。パミエスはこれらの手段を使って、愛のよどみ、受け継いだ記憶への従属、いなくなった人たちにまつわる痛み、作り話と自伝の境があいまいなまま書く喜びに浸る。

Reyes Martínez著『Candela y el misterio de la puerta entreabierta』の表紙

カンデラと半開きのドアの謎

Candela y el misterio de la puerta entreabierta

レジェス‧マルティネス

Reyes Martínez

Editorial Bambú

学校の帰り道、カンデラはいつもツタのからまった屋敷の前を通る。怖いのでいつもは足を速めて通りすぎるのだが、今日はひとつ、いつもと違うことが目をひき不安になった。2階のバルコニーのガラス戸が少し開いていたのだ。しかも、ささやき声も聞こえてくる気がする。だれか中にいるのだろうか。謎に満ちた冒険ミステリー。

Reyes Martínez著『Candela y el rey de papel』の表紙

カンデラと紙の王さま

Candela y el rey de papel

レジェス‧マルティネス

Reyes Martínez

Editorial Casals

血と肉をそなえた人間のまま、紙の世界でくらすことを想像できる? 怖いもの知らずの女の子カンデラが、新しい冒険をひっさげて帰ってきた。今度冒険するのは、オリガミでつくったものでいっぱいの紙の世界。オリガミは何かって? 紙を折る遊びを日本語でそういうんだって。雨が降る11月の土曜の朝、カンデラと仲間たちが科学博物館に行ってみると、折り紙のめずらしい展示をやっていた。ところがちょっとうっかりしたすきにカンデラは、こわれやすい紙でできたその信じられない世界にとらわれてしまった。息つく間もなく繰り広げられる紙の世界の冒険を、メルセ・ロペスのイラストが美しく彩る。

Per Abbad著『Cantar de Mio Cid』の表紙

わがシッドの歌

Cantar de Mio Cid

ペール‧アバッド

Per Abbad

Century Publishers S.L.

『わがシッドの歌』は作者不詳。カスティーリャの騎士、勇者ロドリゴ・ディアスの晩年に着想を得て英雄的功しを物語った武勲詩。ロマンス語で書かれたスペイン文学最初の長編叙述作品であり、その文体は文学的に高く評価されている。現代の大半の批評家によると、書かれたのは1200年頃。スペイン文学で唯一ほぼ完全に保存された叙事詩である。原本の最初のページと写本の中の2ページが喪失されたが、その内容はCronica de veinte reyes (20人の王の年代記)などの年代記から推察できる。このジャンルでは、『わがシッドの歌』の他に1700の詩句から成るlas Mocedades de Rodrigo(ロドリゴの青年期)(1360年頃)など4つの作品が現存している。

Sergio García Sánchez著『Caperucita roja』の表紙

赤ずきんちゃん

Caperucita roja

セルヒオ‧ガルシア‧サンチェス

Sergio García Sánchez

Dibbuks

これまでとは違う形で語られ、描かれた、すばらしい赤ずきんちゃんの物語。ペローやグリム兄弟の物語に基づいて、アーティスト、ロラ・モラルによる再話に、美しい挿絵をつけた新版。折りたたんだページがあり、開くと片側では赤ずきんちゃんのお話が語られ、もう一方の側では登場人物や村、エピソードやおばあさんのケーキの作り方などのサイドストーリーが展開する。セルヒオ・ガルシアの繊細な絵が、まだ魔法のあった時代に読者を誘い、夢が現実となる。あらゆる年齢の読者の心をつかむ。

Alba Dalmau著『Capgirat』の表紙

ひっくりかえって

Capgirat

アルバ‧ダルマウ

Alba Dalmau

IMC Literary Agency, S.L.

ある日、世界が揺れ始め、すべてが宙を舞った。揺れが収まったとき、あらゆるものが散乱し、飼い猫のカリウアは姿を消していた……。アルバ・ダルマウとシンタ・ビダルが贈る詩的で暗示的なこの物語は、周りの世界を違った視点から見てみようとわたしたちに提案する。

Sara Mesa著『Cara de pan』の表紙

パン顔

Cara de pan

サラ‧メサ

Sara Mesa

Editorial Anagrama

ふたりの出会いは公園だった。もう直ぐ14才になる少⼥カシとかなり年上の男性エル・ビエホ。この偶然の出会いはその後何度も繰り返されることになる。彼⼥は学校の強制から逃げているうえに周りの⼈々と交流できずにいる。⿃を眺めることやニーナ・シモンの歌を聴くことが好きな彼は仕事がなく、複雑な過去を引きずっている。世間からはじき出され傷ついたふたりは、不適切で世間からは認められない、疑わしい関係を築いていく。⼈々の推測が真実かどうかは別として、無理解や拒絶反応を引き起こす関係だ。読者をはぐらかし、強迫観念を抱かせ、居⼼地の悪さを感じさせるようなストーリー。しかしタブーや⼤⼈の世界へ飛び込む恐怖、社会的規範に順応することの難しさなどが克明に描写され、読者を引き込む不思議な⼒を持った小説だ。

ネズミの顔、悪の星

Cara de Rata, estrella del mal

クリスティナ‧ガルシア‧マルコス

Cristina García Marcos

Velocismo Editorial

不機嫌に始まったピルグリスの1日が、悪趣味なCM撮影を引き起こして終わるだけでなく、飼い猫がヒヨコに変装してしまうなんて、そんなことってあり得る? あり得るんだよ、だって車が自力で進み、子どもたちが宇宙服を着ていて、見えない朝食をとる青いウサギ村では、どんなことでも起こるから。ほんの小さな子どものころから共存してきた力のせいでいらいらすることと、なにか関係していたのかもしれない。あるいは飼い猫が持つ本物の〝ウサギ的〟な性質か、それともきっと、何でも吸い込んじゃうスポンジみたいなこの村の空気か……それともきっとちがうのかな。理由はそれよりもっと驚くべきことかもしれない……。

Layla Martínez著『Carcoma』の表紙

木喰い虫

Carcoma

ライラ‧マルティネス

Layla Martínez

Casanovas & Lynch Literary Agency

ゴシック小説と新しいマジックジリアリズムにおいて確立した動向へのスペインの答えである。ライラ・マルティネスはスペインの片田舎を舞台とするこの衝撃的なデビュー作で、イベリア半島とカトリックの民間伝承を利用し、ブラックユーモアとロルカ的回想とともに、隣人たちから拒絶され恐れられた一家の唯一の生き残りである祖母と孫娘の波瀾万丈の復讐劇を描く。村の地主の一人息子が失踪したとき、彼女たちふたりに犯人の容疑がかけられる。ふたり目の失踪者である地主の息子とはたまたまかかわっただけだという彼女たちの言葉を、誰も信じない。ざらついた豊かな声で、祖母と孫娘が交互に、家族のこと、家のこと、天使や聖人との取引のことを語り、火を囲んで夜に語られる怖い話のように私たちをとりこにする。復讐と階級闘争の物語。

Anna Casanovas著『Carolina y los Valientes』の表紙

カロリーナと勇者たち

Carolina y los Valientes

アンナ‧カサノバス

Anna Casanovas

Ediciones Urano, SAU

1965年夏、カロリーナと勇者たちはマドリードとバルセロナでビートルズの前座として歌った。国じゅうが彼らの歌を知っていた。世界のほかの国々も、もうすぐ彼らに夢中になるはずだった。しかし、1966年、彼らは表舞台から姿を消した。その後の消息を知る人は誰もいない。これは1963年のある夜ベニカシムで知り合い、自分たちの夢を守ろうとした少年と少女の物語だ。そして何よりもお互いを思い合い、ともに不可能なことを可能にしようとした友人グループの物語でもある。彼らは、それがたとえ破滅を意味しようとも、希望をもって正義のために戦った。さらにこれは、のちに家族の真実を見つけ出そうと決意した少女の、そしてそのために生き、呼吸し、愛するだけの価値のある思想が存在することを記録しようとするジャーナリストの物語でもある。なぜなら現在を理解するための唯一の方法はおそらく、自分たちの過去を取り戻すことなのだから。

Pablo C. Reyna著『Carreras de Dragones 1. Llamas y hechizos』の表紙

ドラゴンレース 1. 炎と呪文

Carreras de Dragones 1. Llamas y hechizos

パブロ・C・レイナ

Pablo C. Reyna

Tormenta Agencia Literaria

あなたが今、手にしているこの物語の舞台はぷかぷか諸島。そこは見えない怪物、人をミミズに変える能力を持った魔法使い、けんかっぱやい人間、やせこけたドラゴン(と、その他もろもろ)が住む世界だ。人食い怪物がひそむトンネルにつらぬかれたこの諸島には、たとえば歌う(しかも巨大な)ゴキブリ、かたまりになったナメクジ、めったにシャワーを浴びないゴブリン、歯のない継父…つまり、おそろしい生きものたちが巣くっている。魔法(気まぐれにしか効かない)、地下レース、そして予期せぬ効果をもたらすナツメヤシの実でいっぱいなのだ。この世界で命を落とさないために、人間のアライアとドラゴンのパンポックスは力を合わせざるを得なくなる。立ち向かうのは敵の攻撃か、それとも……。ドラゴンレースへようこそ!

María Agundez著『Casas limpias』の表紙

清潔な家

Casas limpias

マリア・アグンデス

María Agúndez

Editorial Planeta, S.A.U.

潔癖症の若い女性ソルは、妊娠して以来、毎週火曜日、家事代行のために雇ったディアナとエミリーをやや羞恥心を覚えながら自宅に迎えている。現代的な思考の彼女は、家政婦を雇うことをよしとしない。ゆえに、もともとは助けとなるはずのことが、「人からどう見られるか」という絶え間ない不安の種となっている。二人の家政婦がどうしても必要なのに、彼女たちがいなくなってくれればと願わずにはいられない。 不快感が募り、銀行口座の残高が減り続けるにつれて、ある疑問が湧いてくる。彼女たちと自分とは、それほど隔たっているのだろうか? もし自分が掃除婦だったら、容赦ない自分の家族(別名「夢を食い荒らすシロアリ」)が、品位に欠けるとか才能の無駄遣いだと自分をなじるのは目に見えている。ソルの人生や人間関係、彼女が世界を見る目は、ありのままの自身の性向と、他者が期待する自分とのズレにより、日ごとに変わっていく。 『清潔な家』はただの小説ではなく、強迫観念そのものであり、私たちが目にしたくないものすべてに向けられた視線である。品位あるものと屈辱的なもの、「彼女たち」と「私たち」、見えるものと隠されたもの、という二つの世界の間に常にある分断についての物語である。 マリア・アグンデスは、辛辣でありつつユーモラスな声で読者を魅了する。

Brenda Navarro著『Casas vacías』の表紙

空っぽの家

Casas vacías

ブレンダ・ナバロ

Brenda Navarro

Sexto Piso España

母であることは、ほとんどの場合幸福と結びつけられるものだが、ときには悪夢にも変わりうる。公園で遊んでいた息子が行方不明になった母と、わが子として育てるためにその子をさらった女の場合がそうだ。深刻な肉体的・感情的不安定さを背景に、同じ子ども――最初はダニエルという名で、その後レオネルと名付けられた――の母である女たち、そして同じ空虚感を抱えた母たちの物語が、親密さ、家庭内暴力、社会の不平等、孤独、寄り添うこと、罪と愛に対して我々が持つ先入観を私たちに突きつける。

Gemma Freixas著『Casino de Santa Isabel』の表紙

サン=‧イサベルのカジノ

Casino de Santa Isabel

ジェンマ‧フレシャス

Gemma Freixas

Raval Ediciones S.L.U

赤道ギニアの独立宣言の翌日、フェルナンド・ポー島サンタ・イサベルの黒人地区付近で、街のスペイン人コミュニティのリーダー格、パブロ・モンテシノスの死体が発見された。どう見ても自然死と思われたが、治安警備隊に配属された、書類整理担当の役人が、糸口をさぐり始める……。このように始まる本書は、かの地におけるスペイン人の最後の数か月と、非植民地化プロセスの失敗を描く。無責任な政府の決定、経済的利害、人種間・男女間の差別……そして祖国喪失、亡命、悲恋、失われた楽園の物語だ。

Eduardo Gismera著『Catarsis』の表紙

カタルシス

Catarsis

エドゥアルド‧ヒスメラ

Eduardo Gismera

Editorial Kolima

父親の没後困窮した若い建築家のアロンソは、何百年も前から西の方角に埋もれている秘宝があるのを知る。砂漠の旅によってアロンソは、死は生の終わりではなく、生のひとつの状態に過ぎないことを教えられる。さらに自らの臨死体験によって、その直観が確信に変わる。シンプルで読みやすい、ヒスメラの洗練された筆が、人間の魂の奥底の深い知恵を開示する。

Cenizas

アルバロ‧オルティス

Álvaro Ortiz

Astiberri Ediciones

何年も会っていなかった3人の友人が、地図に描かれた謎のX印を目指し、長い道のりを進んで行く。そんな前提で『Cenizas(灰)』の物語は始まる。出会いとすれ違い、追跡、道沿いのモーテル、バンジョーを弾く髭面のチンピラたち、船の墓場、飲み放題のビール、口論、二日酔い、そして暴力有り官能有り。心揺さぶるロードムービーと、バイオレンス・スリラーが激しく錯綜する。目に見えるとおりのものは何もない。

Laura Falcó Lara著『Chelston House』の表紙

チェルストン‧ハウス

Chelston House

ラウラ・ファルコ=ララ

Laura Falcó Lara

Agencia Literaria Albardonedo

スリラー。恐怖小説。1年間つきあってきた優雅な英国紳士エドワード・ベネットが、自分の母に引き合わせるため米国から英国まで旅をしようと持ち掛けたとき、これが人生最悪の旅になろうとはアマンダ・クレスリーは思ってもみなかった。英国の田園地帯にある美しいチェルストン・ハウスは、エドワードの母メレディスが暮らすのどかな邸宅だった。しかし、最初は素晴らしい滞在になると思えたのだが、チェルストンの実態は見た目と全く違っていた。じきにアマンダは、秘密と嘘に満ちた世界、自分たちの奇妙な暮らし方を守るためならどんなことも厭わない、狂気すれすれの精神錯乱者の世界に入り込んでしまったのに気づく。

Raquel Garrido martos著『Chester el oso extraterrestre』の表紙

宇宙クマ、チェスター

Chester el oso extraterrestre

ラケル‧ガリンド‧マルトス

Raquel Garrido Martos

Apila Ediciones

チェスターは特別なクマだ。宇宙からきたクマ。いや、違うかも。私たちは時々ほかの人の風変りな習慣に驚かされることがある、が、だからっていちばんの親友になれないわけじゃない。語り手の男の子が、自分の一番の友だちである、宇宙クマ、チェスターのおかしな習慣を説明する。読み進め、絵を見ていくうちに、チェスターが地球のクマのような習慣を持たないことがわかる。だけど、それはたぶん、主人公の男の子が考えるように宇宙から来たからではなく、チェスターが私たちの思ったようではなかっただけのことだ。このお話の結末に驚きが待っている。楽しいストーリーとすばらしい絵を通して、友情とは何か、習慣の違いは友情の妨げにならないことを考察させる。

Rafael Ordónez Cuadrado著『Chispeanditillejo』の表紙

チスペアンディティリェY

Chispeanditillejo

ラフ=エル‧オルドニェス

Rafael Ordóñez Cuadrado

Bookolia Editorial

マリソルはペットの犬のモモと散歩に行きたい。出かける準備をしていると、慎重で用心深い父親から、雨がふりそうだからとコートを着せられる。親はときどきどれほど過保護になるか、そんなエピソードがどんどん積み重なっていく楽しい物語。ストーリーは2つの場面で繰り広げられる。愛犬モモと散歩に行こうとがんばっているマリソルがいる家の中と、家の外と。マリソルは窓から外を見ているが、家の中のことと並行して、外でも信じられないことが起きる。

Sara Mesa著『Cicatriz』の表紙

傷跡

Cicatriz

サラ‧メサ

Sara Mesa

Editorial Anagrama

ソニアはインターネットの文学交流サイトでヌットと出会い、700キロも離れた場所にいるにもかかわらず、強迫観念と奇妙さに彩られた奇妙な関係ができあがる。通常の社会規範の外に身をおき、豪華な盗品をプレゼントして口説いてくる、完璧主義者のとんでもない男ヌットに、ソニアは反感を持ちつつも魅了されずにいられない。「缶詰を1個盗みに行くときですら身なりを整えているのを好む男」ヌットは、若いが19世紀の作家について語り、哲学し、あらゆることに疑問を持つ。個人と集団、社会の偽善や贖罪のヤギ、神と運命、処女性とセックスなどについて論じる。考えることほど楽しいことはないと、よく言っていた。それなのに気取りもせず傲慢でもない。ただ……何もかもそろいすぎていた。ヌットの支配欲があまりに強くなったとき、ソニアは距離をおくことが必要になる。

Luisgé Martin著『Cien noches』の表紙

百夜

Cien noches

ルイスヘ‧マルティン

Luisgé Martin

Dos Passos Agencia Literaria

人間の半数は、パートナーに性的に不誠実であると認めている。だが、残りの半分は真実を語っているのか、それとも嘘をついているのか? それを証明する唯一の方法は、探偵または電子的な手段を用いてひそかに対象者の生活を調査することだ。本書『CIEN NOCHES (百夜)』はこの人類学的実験を提起している。つまり、同意なしに6000人を調査し、最終的にはわたしたちの社会における性行動についての信頼できる統計を作成すること。主人公イレネは、性欲のなかに人間の魂の秘密を探る。『CIEN NOCHES (百夜)』は同時に、恋愛を考察する小説であり、官能を探求する小説であり、犯罪の痕跡を残さない殺人者を警察が追跡する小説でもある。さまざまな愛の形を探求する本書は、わたしたちの関係を取り巻く忠誠心、不貞、恥ずべき欲望、半分の真実、欺瞞の記録だ。

Eduardo Banqueri著『Ciencia cotidiana』の表紙

日常の科学

Ciencia cotidiana

エドウアルド‧バンケリ

Eduardo Banqueri

Parramon Paidotribo, S.L.

たいがいは気づきもしない、何気ない日常の行動の多くに科学が存在していることを、子どもに教えるための実験の本。これらの実験のねらいは、読者が科学を理解し、科学へ興味を抱き、まわりの世界に科学が及ぼす影響を共有すること。日常生活のなかにあるごく普通の物を使ってできるユニークで楽しく、びっくりする実験が、読者の科学への好奇心や想像力を目覚めさせる。主役は読者。おどろきながら学び、自分でやってみせてまわりをおどろかせることもできる。自分で取り組めば、学んだ内容が役立ち忘れにくくなる。

歴史における科学とキリスト教信仰

Ciencia y fe cristiana en la historia

アグスティン‧ウディアス‧バリィナ

Agustín Udías

Grupo de Comunicación Loyola, S.L.U.

時として考えられているのとは逆に、キリスト教信仰と科学の関係には長い歴史があり、両者には親密な関係が存在する。キリスト教が成立した頃、キリスト教信仰とローマ帝国で広く普及していたギリシャ哲学及び科学が初めて出会い、中世では、当時の科学とキリスト教神学が結びついた。また、近代科学の黎明期には新たな状況が生み出されたが、そこでは、新たな科学を通じて神の認識に至る自然神学の発展とともに英国国教会の聖職者らが大きな役割を果たした。まさに近代科学が生まれたのは西洋のキリスト教を取り巻く状況の中からだといえよう。

夜とガラスの白鳥

Cisne de noche y cristal

トメウ‧シモ‧メスキダ

Tomeu Simó Mesquida

Ediciones Urano, SAU

アレックス・ベルは英国ブリストルに住む13歳の女の子。バレエに情熱を燃やしている。所属しているダンススクールが「白鳥の湖」の公演を行うことになり、主役の白鳥と黒鳥を演じることになったアレックスは幸せに浸っている。ところが思いもよらない成り行きで、人生が一変する。ひどく奇妙な状況で近所の湖に落ち、深く沈んでしまったのだ。目覚めたとき、アレックスは自分がラッセル王国にいるのを知った。そこでは行方不明のお姫様を皆が探している。帰り道を見つける途上で、アレックスは大いなる闘いに打ち勝ち、恐るべき悪人どもと対峙し、自分が演じることになった役となりたい自分の間の迷いに決着をつけ、行方不明のお姫様を救うか、それとも忘れ去ってしまうかを決めざるを得なくなる。

Juan Ramón Barat著『Clara en la oscuridad』の表紙

暗闇のなかのクララ

Clara en la oscuridad

フアン‧ラモン‧バラット

Juan Ramón Barat

Grupo Editorial Bruño

大きな街の近くに、今にも崩れそうな大邸宅、黒バラ館が建っていた。どうやらだれも住んでいないようだ。ぶきみな木の茂った森、黒い彫像、秘密の地下室、古い時代の追憶が、館全体を密室めいた雰囲気で包み込んでいる。ある夜、15歳のセルヒオとクララは偶然、この闇の王国へと入りこむ。謎めいた豪邸の内部に、ふたりの運命がひそんでいるのは疑いようがなかった。

Eduardo Halfon著『Clases de Chapín』の表紙

チャピンの授業

Clases de Chapín

エドゥアルド‧ハルフォン

Eduardo Halfon

Fulgencio Pimentel Editorial

「チャピン」とはスペインの上げ底サンダルの⼀種だが、中南⽶の⼤部分では「チャピン」と⾔えばグアテマラ⼈のことを指す。軽蔑を伴って投げかけられることもあれば、誇りを持って⽤いられることもある。⼆重の使い⽅ができる呼称が、心を傾け作り上げられたこのジグソーパズルのような小説を解き明かすひとつのカギを読者に与えてくれる。 エドゥアルド・ハルフォンの中の⽂学、それは彼の磁⽯に引き寄せられる断⽚、私的で断⽚的な伝記としての物語、伝統と他者性、造語、幼少期の沈黙を反映した絵のような表現。そして暴⼒、暴⼒の祭典、未知の幸福な⾕のような破壊、それ以外の何物でもない。

エッセンシャルオイルとハーブの料理

Cocina con aceites esenciales y hierbas aromáticas

マリア‧ピラール‧イベルン

María Pilar Ibern

Profit Editorial

ここ10年、マッサージや美容関連で、とりわけ治療を目的としたエッセンシャルオイル(精油)の使用が見直されてきた。しかし、そもそも体にいいことから、エッセンシャルオイルは、何千年もまえにさかのぼって食の世界でも使用されている。健康的な料理で有名な〈カモメ〉ことマリア・ピラール・イベルンが、料理でエッセンシャルオイルを正しく使う方法を伝授するレシピ本を刊行。読者は、錬金術の本を読むかのごとく、それぞれのエッセンシャルオイルの特性だけでなく、使用する際の適切な分量や温度、組み合わせとして最適な食品について知ることができる。まさに必要不可欠な一冊。

とにかく料理

Cocina y punto

エンリケ‧サンチェス

Enrique Sánchez

Ediciones Alfar

偉大な基本のソース……タパス、冷たい前菜、サラダ、温かい前菜。米、シチュー、クリーム、卵料理。パスタ、魚とシーフード、肉類、デザートとケーキ……とにかく料理! 単なる料理本にとどまらず、どんな好みにも、料理を楽しみたいどんな人にも対応する。プロの料理人にも、アマチュアにも、初めて料理の世界に足を踏み入れようとしている人にも、ぴったりの本。いつもの料理、いつもの食材に、テレビに出演する料理人エンリケ・サンチェスがひと工夫。既刊の料理本が成功を収め、独自の食の冒険に乗り出す。簡単で、コツいらずで、細部まで革新的で、あくまで食材そのものを尊重するレシピ集。

Josep Vilella著『Cocinar en familia con recetas de una selección de los mejores chefs de Europa』の表紙

ヨーロッパの腕利きシェフの選りす りレシRをおうちで作ろう

Cocinar en familia con recetas de una selección de los mejores chefs de Europa

ジュゼップ‧ビレリャ

Josep Vilella

Pagès Editors

キッチンで楽しくリラックスした時間を我が子と共有してもらうための本。ヨーロッパの一流シェフがそれを後押しする。シェフが自身の得意料理を、オリジナルレシピの真髄もそのままにていねいにアレンジ。それぞれの料理を、ひとつひとつ手順を追って説明し、みなが喜んでくれる料理を作るために、大人がするべき作業と子ども達のできる作業とを区別しながらわかりやすく図解する。

Juan Carlos Cubeiro著『Código Mourinho』の表紙

モウリーニョ‧コード

Código Mourinho

フアン‧カルロス‧クベイロ

Juan Carlos Cubeiro

Alienta Editorial

レアル・マドリード監督モウリーニョは、なぜサッカー界の内外でこれほど評価されるのか。彼から学びとれることは何か。彼は「有能なリーダーシップ」の達人として知られている。彼の業績でとりわけ際立つのは、超一流の選手を育て上げたことだ。選手においた期待を明確にし、選手が自分自身をよりよく知る手助けをし、発奮させ、鍛錬させることで、それを成し遂げた。本書は彼の人格を深く分析し、どうやって選手にやる気を起こさせるか、ライバルをいかに研究するか、マスコミとの付き合い方、戦術と戦略について、その実像を浮き彫りにする。

癒やしのコラージュ 切り抜いて楽しむ

Collage terapia. La felicidad a un golpe de tijera

レベカ‧エリセギ

Rebeca Elizegi

Hoaki Books

『癒やしのコラージュ』は、書籍とノートがひとつになった素敵な一冊。コラージュの方法は無限大なので、自分ならではの経験を生かして、世界にひとつだけの超個性的な作品を作りたくなる。切り抜く、貼る、塗る、留める、描く・・・。あらゆる方法で自分らしさ全開の個性的なアルバムを作ろう。材料は、家族写真、花、ポストに入っていたチラシ、雑誌、切符、古本など何でもよし。可能性は無限大。始めるのに必要なのは、はさみ、糊少々、そして、たっぷりの好奇心とチャレンジ精神だけ。「この本でたくさん練習すれば、自分のことをよく知り、自分の作品を楽しみ、創作力を育てられるので、表現力が豊かになるだろう。」

María Ramos著『Colorines』の表紙

色とりどり

Colorines

マリア‧ラモス

María Ramos

MTM Editores (Metafísica del Tercer Milenio Editores, S.L.)

マリア・ラモスの親しみやすいキャラクターたちに手をとられて、ごく小さな子どもたちがゲームや課題に挑戦しながら、色と色の名前を結びつけられるようになる。色のマジックを理解するための、見開き展開の20のアクティビティー。

Laura Gamero著『Cómo atrapar al monstruo de tu armario』の表紙

たんすのモンスターを10の簡単なステップでつかまえる方法

Cómo atrapar al monstruo de tu armario, en 10 sencillos pasos

ラウラ‧ガメロ

Laura Gamero

Barbara Fiore Editora S. L.

ラウラ・ガメロとマヌ・カリェホンは本書で、子どもによくある恐怖心、家のすみにかくれているモンスターへの恐怖とどう向き合うかをとりあげる。主人公たちは、簡単なマニュアルにそってモンスターをつかまえることにする。計画をねってわなをこしらえたり、不意をつこうと待ち伏せしたりしながら、子どもたちはだんだんと勇気やしんぼう強さを見せていく。こわさが消えると、モンスターがあらわれる。あとは、モンスターと仲よくなれるかどうかだ。

環境への気の配り方

Como cuidar el medio ambiente

ジェニファー‧ムーア‧マジノス

Jennifer Moore Mallinos

Gemser Publications

明日を必ずより良い日にするために、きみは何をするつもり? 環境を救える方法はたくさんある。木を植えてもいいし、残り物を堆肥にしてもいいし、ハチの巣箱を作っても、電気を消して回ったっていい。地球の青さを維持する役目は、わたしたちにかかっている。

Alba Cardalda著『Cómo mandar a la mierda de forma educada』の表紙

穏やかに「もう結構」と伝える方法

Cómo mandar a la mierda de forma educada

アルバ・カルダルダ

Alba Cardalda

Penguin Random House

30万部を突破し、11ヶ国語に翻訳。 なぜ私たちは境界線を引くのがこんなにも苦手なのでしょうか?仕事を失うことへの恐れ、ロマンチックな愛の概念、社会的な輪から排除されることへの不安などが、その理由の一部です。だからこそ、私たちはそれを実行するのが非常に難しく、いざ決心しても罪悪感や不安さえ感じてしまいます。実際、人間関係において境界線を設けることは、道路に標識を立てるのと同じくらい必要です。事故を防ぐからです。重要なのは、それらの境界線をどのように伝えるかを知ることです。それが他者との関係、そして自分自身との関係を改善するのに役立つからです。 この本では、心理学者であり神経科学者でもあるアルバ・カルダルダが、より充実した誠実な人間関係を築くために、自己主張と共感を持って「もうやめて」と言う方法を教えてくれます。それは私たちをより尊重され、愛され、そして何よりも自分自身でいられるように解放してくれるでしょう。

先史時代を生き延びる方法

Cómo sobrevivir a la Prehistoria

エル‧フィスゴン‧イストリコ

El Fisgón histórico

死をもたらす氷河期、人を殺すけだもの、暴力的な種族……。先史時代を生き残れる自信はある? 何百万年も前、非常に知能の高い霊長類が進化を遂げて人類となった。火を発見し、道具を製造することをおぼえ、洞窟に絵を描いて、少しずつ発展していった我々はまた、想像もつかない危険と対峙しなければならなかった。先史時代の脅威の回避の仕方を学べる生き残りガイド。ほんの少しの運さえあれば、この時代を生きて抜け出すことができるよ! エル・フィスゴン・イストリコ(歴史の探究者)の楽しいシリーズの一冊。この新しいシリーズにはほかに、読者を古代ローマや中世へと連れていってくれる本が用意されている。

この線で

Con esta línea

ルイサ‧ベラ

Luisa Vera

Combel Editorial / Editorial Casals, S.A.

ページからページへと線をたどっていき、ブックカバーのそでを開いてこんがらがった線のなかにかくれているものを数えよう。ずっと紙から離れずに、線は部屋や庭、都市を描いていき……、やがて主人公の部屋へと戻ってくる。この技法のふたりの巨匠、パウル・クレーとソール・スタインバーグの作品に触発された絵さがしパズル。

Diego Ameixeiras著『Ediciones Akal』の表紙

スピードを出して運転しろ

Conduce rápido

ディエゴ‧アメイシェイラス

Diego Ameixeiras

Ediciones Akal

エリカはあらゆることを街中で学んだ。 彼女は20歳になったばかりだが、みんなは彼女がもっと年上に見えると言う。多分それは彼女の眼差しのせい。それが彼女を何歳も年上に見せるのだ。 エリカは弟のように見える兄サムエルと暮らしている。兄はいつも彼女にお金を借りている。いつももめごとに巻き込まれている。彼は彼女よりもっと強い思いで、家を出ること、そしてその汚くて暗い穴倉を後にすることを夢見ている。その穴倉には足りないものがあるが、それについてふたりは決して話すことはない。今回は、兄の酔っぱらったあげくのいつもの無分別ではなさそうだ。サムエルは待っていた機会が到来したと確信している。ある軽率な男が、大金が転がり込む商売を彼に持ち掛けたのだ。エリカは自分を危険にさらす計画をサムエルから説明されたが、彼女は拒否できなかった。 それは危険だ。難しい。あまりにもリスクが大きすぎる。でも、どんなことでもじっと座っているよりはましだ。

繋がり 創作の源としての言葉と物体

Conexiones: La palabra y el objeto como fuentes de creación

ラウル‧ニエト‧グリディ

Raúl Nieto Guridi

Editorial GG - Gustavo Gili

創作の過程は反応から始まる。反応とは、予期せぬ繋がりから生まれる創造的な衝動のことだ。本書に掲載されている画像と物体の狙いは見た者の感情を呼び起こすことだ。偶然の繋がりを生み出すよう読者を誘い、計画を育てるためのアイデアや物語をそこから生み出してくれる。「そして、なにより、自分のことは最初からアーティストだと思え」。

星座

Constel·lacions

ブランカ‧ブスケッツ

Blanca Busquets

シントはこの日曜日に100歳の誕生日を迎える。週末の間家族全員と一緒に過ごすことになっていた。長い年月をかけて、シントは家族にすべての星と星座を教えた。彼がその名前を覚えたのは内戦の時だった。少年動員部隊に所属していた頃、記憶に残る特別な星と出会った。もちろん息子のキムも、孫のパウラやラモンも、それぞれの戦いがあった。それは誰にでもあることだが、彼らの戦いは恐らく他よりもっと危険だったのかもしれない。いずれにしても、彼らは少しの間バスクで暮らした。そして彼らの愛の物語は危ういもので大変な結果をもたらす。しかし、何があっても彼らは毎晩星を眺める。なぜなら星は4世代の家族を繋ぐ絆だから。

優待消費

Consum preferent

アンドレア‧ヘノバルト

Andrea Genovart

Editorial Anagrama

この小説は、現代のバルセロナに住む若い女性の物語である。一人称で、ジョイセンの「ある日の出来事」風に語られる。30歳を目前にした世代の矛盾に直面し、同年代の両親が経験した現実とはまったく異なる現実を生きていることに気づいた少女の波瀾万丈を描いている。語り手は不安定な仕事に就いており、結局は解雇される。ポストモダンのリバタリアンの論理のレンズを通して見れば、失敗に終わる恋愛に巻き込まれ、親しい友人関係が揺らぎ、これらすべてによって、彼女は平衡感覚を見出すのが難しいことに気づくだろう。

診断に抗う 精神疾患の慢性化を疑問視する本

Contra el diagnóstico. Una obra que cuestiona la cronificación de la enfermedad mental

マルコス‧オブレゴン

Marcos Obregón

Editorial Rosamerón

本の校正をしながら演劇を教えていた著者は、双極性障害の患者となって苦悩の日々を送るようになる。信じてもらえず、見下され、たいてい疑われる。将来への絶望、社会的に無能であるという感覚、薬を常飲しながら野心を持つことの難しさは、重い発作に苦しむ者にとって不可避のようだ。多くの医師や心理学者がその障害のみに注目する中、色眼鏡をかけずに人格を認めてくれる例外的な専門家がいる。もし彼らに出会えなければ、診断が全てとなるかもしれない。患者とみなされれば将来を失い、何百万という患者にとっての理不尽な処方箋、つまり診断に従うことを余儀なくされる。

Eva Blanch著『Corazón amarillo, sangre azul』の表紙

黄色いハート、青い血

Corazón amarillo, sangre azul

エバ‧ブランチ

Eva Blanch

Tusquets Editores

バルセロナ出身のエキセントリックだが有名な熟年の女流作家が兄弟の家に現れ、いきなり無愛想に言い放つ。「想像つくと思うけど、ここに死にに来たよ」別の40代の女性は金に困り、絶望的状況から逃れようと愛人の腕に必死で身を委ねる。追い詰められたふたりの女性は、極限状態の中で助け合わざるをえなくなる。殆ど共通点がないふたりだが、次第に見えない絆で結ばれていく。相手を理解しなければと思いつめた若い方の女性は、女性作家を過去を調べあげ、その伝説を知り、彼女の最期を受け入れられるようになる。予見できない魅惑的な作家の肖像と、その失墜を綴った小説。文学の中に救いが見出せるという希望に照らされて、狂気と正気、優しさと激怒のエピソードが次々巻き起こる。

Carles Sala i Vila著『Cornelius y la despensa de imposibles』の表紙

コルネリウスとありえないことの店

Cornelius y la despensa de imposibles

Carles Sala i Vila

La Galera Editorial

山の中にあるくねくね村に、ある日奇妙なふたり組がやってくる。トビアスという男の子と魔法使いのかっこうのコルネリウス。ふたりはすぐに、村の少女マルとその祖父と親しくなる。マルの祖父は目が見えないが、人間や物事の大事なことが見える。トビアスとコルネリウスは「ありえないこと」をあきなう素敵な店を開く。その店で、村人は必要としている気持ちや能力を手に入れ、店はうまくいき、すべてが平和そのものだった。しかし、ふたりのしていることをみながみな理解し、快く思っているわけではなかった。不幸なことに、物事がうまくいくようにあやつっていた人が、あやつるのをやめると……。

エイリアンコーポレーション株式会社

Corporació d'alienígenes SA

リュイス‧プラッツ

Lluis Prats Martínez

Barcanova Editorial

映画「メン・イン・ブラック」や「ライフ・イズ・ビューティフル」が好きな人なら、この小説は見逃せない。とんでもない状況におかれ、息子が父親を信頼しなければならない物語だ。もしきみの父親が、きみの仕事はエイリアンをつかまえることだと言い出したら、きみならどうする? 父親を信じる? この本の主人公ニコ・ダスクロットは、まさにそういう目にあう。けれども、父親に説得されて、ニコは疑いながらもそれに従う。こうしてニコは、わくわくするすばらしい新しい世界を見つけるが、やがて、見かけほどすべてがすばらしいわけではないことに気づく。理由は簡単。そんなおかしな職業などあるはずないからだ。それは哀れな父親の空想からくる馬鹿げたたわごとなのか、父親は頭がどうかしてしまったのか、それとも…。

Kilian Jornet著『Correr o Morir』の表紙

RUN or DIE

Correr o Morir

キリアン・ジョルネ

Kilian Jornet

The Ella Sher Literary Agency

キスか殺すか。ベサ・オ・マタ。栄光にキスするか、挑戦して死ぬか。負けることは死ぬこと、勝つことは生きること。闘いこそが勝利と勝者を決定づけるものなのだ」。規格外の人間。英雄。並外れた人物。キリアン・ジョルネットは現在のスカイランニング世界チャンピオンであり、これは地球上で最も過酷な肉体的試練の一つである。彼はキリマンジャロの登頂・下山を世界で誰よりも速く成し遂げた。これまで挑戦したあらゆる競技で世界記録を塗り替えてきた。モンブラン・ウルトラトレイル、トランスピレネー、タホ湖一周……。『走るか死ぬか』は勝者の日記であり、人生哲学であり、私たち全員にとっての模範的な教訓なのである。

Jesús Marchamalo著『Cortázar』の表紙

コルタサル

Cortázar

ヘスス・マルチャマロ

Jesús Marchamalo García

Nórdica Libros

フリオ・コルタサル。痩せてひょろっと背が高く、黒髪、鼻っ柱が強く、ひげ面、太ふちめがね、永遠の若者のような顔立ち。現代文学の中で最もよく知られ愛されている作家のひとりで、ラテンアメリカ・ブームを語るうえで欠くことはできない存在。私たちはコルタサルの人生の最も重要で啓発的なエピソードを、ヘスス・マルチャマロとマルク・トリセス作のこの伝記漫画で辿り、コルタサルの世界と彼の文学の大筋を知る証人となる特権を得られる。コルタサルの読書と旅行、 子供時代、友人たち、初期の文章、ジャズ、パリ、ラ・マガとのパリの散策、そして猫好き。『石蹴り遊び』の作者コルタサルを、共感と賞賛に満ちたタッチで描いた不可欠の伝記物語。コルタサルをこんな風に見せてくれた者はこれまでいなかった。

Clara Cortés著『Cosas que escribiste sobre el fuego』の表紙

火についてきみが書いたこと

Cosas que escribiste sobre el fuego

クララ‧コルテス

Clara Cortés

Plataforma Editorial

イグナシとマリアは最初から別れる運命にあった。マリアが転校してきたとき、みんなが彼女のかかえる問題、ひどい殴打を受けて母が昏睡状態で入院していることを知っていた。だが暗い過去がマリアの行く手に影を落とすことはなく、間もなく彼女はクラスの中心的存在になる。ほほえみと機知に富んだマリアは、大勢のなかでもひときわ輝いている。ずっとその学校に通うイグナシの特技は、いてもだれにも気づかれないこと。ふたりの親友以外、だれも彼を気にとめない。沈黙が隠れ家だと、自分でもよくわかっている。だからこそイグナシは、マリアの笑顔と気配りの裏に秘密が隠されていることにすぐ気づいた。たがいの道が交差したとき、マリアとイグナシの人生はやっかいなものとなる。沈黙に親しむ者は、真実が聞こえ始めるとバランスを失うのだ。

Pruden Panadès著『Cosins de Tarzan』の表紙

ターザンのいとこたち

Cosins de Tarzan

プルーデン‧パナデス

Pruden Panadès

Rayo Verde Editorial

子供時代と思い出についての小説。丁寧に並べられた小さなスライドを通してバルセロナを投影し、時空の旅ができる素晴らしい作品。すりむけて泥や血がこびりついた膝小僧から、バケーション最後の日さよならを言う時に感じたあの喪失感に至るまで、ひとつひとつの体験はあまりに甘美で、主人公の気持ちにすんなり感情移入できる。言葉探しパズルで遊んだこと、ドライブで車に酔ったこと、一列につながってならんでパティオ(アパートの中庭)に下りて行った時のこと、あるいは大人たちがしつこく繰り返したあの意味不明のフレーズ「お行儀よくしなさい!」。私たちの記憶への旅、一見取るに足らないようにみえるひとつひとつの瞬間と幸福への旅。見かけは取るに足らないけれど・・・

Paula Cuadros著『Cosmic Cat y la fiesta planetaria』の表紙

コスミック‧キャット

Cosmic Cat y la fiesta planetaria

パウラ‧クアドロス

Paula Cuadros

MTM Editores (Metafísica del Tercer Milenio Editores, S.L.)

コスミック・キャットは大胆不敵な宇宙ネコ。ゴーダ惑星で開かれるパーティーにどうしても行きたくなった。何を着ていく? とちゅうで何が出てくるかな? 本に描かれた、かつら、服、宇宙人、惑星、隕石などのなかから、それぞれのシーンでいちばん楽しいと思うものをえらんで色をぬろう。自分だけのお話がつくれるし、何度でも好きなだけ変えてもいい。

Javier de Castro著『Cosmo en el espacio』の表紙

宇宙のコスモ

Cosmo en el espacio

ハビ・デ・カストロ

Javier de Castro

Astiberri Ediciones

コスモとそのチームは、新しいジェットパックの最初の試運転を準備中。若き宇宙飛行士コスモは宇宙服を着て、準備はいよいよ最終段階……。そのときジェットパックが爆発し、コスモは宇宙へ放り出されてしまった。仲間との連絡手段も断たれ、方向を知る術もない。漂流から始まったコスモの旅は、退屈とは無縁。宇宙人、救助船、駆逐艦、魔術師、波乱に富んだ発射、そして排水管のミュータント……。どちらかといえば運のいい、数えきれないほどの出会いが、我らが主人公を待ち受けている。 ハビ・デ・カストロは物語づくりで挑戦するのが好きだ。ウェブコミック『The Eyes(目)』で2020年のアイズナー賞とハーヴェイ賞にノミネートされ、その後オンラインゲームから書籍化された『Crímenes ilustrados(図解・犯罪)』にイラストレーターとして参加、2021年には“フォークホラー”のグラフィックノベル『Villanueva(新しい町)』(アスティベリ、2021)を上梓。今回は二度読める、いや二度読むべき児童向けコミックに挑戦した。最初は普通に、それから逆さまに読んでほしい。コスモの冒険は、この本の64ページ目で終わるわけではなく、ひっくり返して読むことで続いていく。類まれな読書体験だ。

Eduardo Gismera著『Cosmos』の表紙

コスモス (宇宙)

Cosmos

エドゥアルド‧ヒスメラ

Eduardo Gismera

Editorial Kolima

晩年にさしかかったイレーネは、まだほんの子供の頃に彼女の人生を永遠に変えたできごとを思い出している。あの数日後、グラナダの海とマドリードへの引っ越しまでの間のあの頃からずっと隠し通すことになる秘密が生まれた。彼女の物語は、聖職を放棄し、過去に直面することを拒む孤独な老人エンリケの物語と絡み合う。 彼はソリアの、山に守られた小さな村にある荒廃した屋敷に住み、あらゆる時空から隔絶していると感じている。 ふたりとも時々、心を許して打ち明け話のできる若いカップル、マリアとアロンソとつきあっている。彼らと一緒にいて、運命はとらえどころがなく、気まぐれで、人間の存在を神秘的で理解できない光輪の中に包みこむということを知る。 本書Cosmos(コスモス)は真の愛という特権に出会った4人の人生を並行させながら深く追求していく。

Begoña Ibarrola著『Crisol e a súa estrela』の表紙

クリソルとお星さま

Crisol e a súa estrela

ベゴニャ‧イバロラ

Begoña Ibarrola

Monllor y Gey Editores

ガラスの地と呼ばれる世界に、星と話す民が住んでいた。その土地では年配者が子供にとても小さいうちから星とコミュニケーションする術をおしえるのだが、言葉ではなく心を使う。ガラスの地の子どもは7歳になると大きなお祭りをして、自分が交信することを学ぶ星を選ぶのだ。クリソルは緊張していた。その晩、誕生日を迎えた彼は、お祝いの後で自らの星を選ぶことになっていたから。自分自身を信じることと自尊心についての童話。

シェアリングエコノミーの評価:社会学的なパースペクティブからのモデル分析と代替プラン

Crítica de la economía colaborativa : análisis del modelo y sus alternativas desde una perspectiva sociológica

ハビエル‧デ‧リベーラ‧オウトムラ

Javier de Rivera Outomuro

Editorial CSIC

本書はシェアリングエコノミーについての研究書である。シェアリングエコノミーとは2010年代中ごろから見られるようになった個人間でシェアするサービス環境のことである。こうした動きを初期の段階から後押ししたのは、ベンチャーキャピタルの多額投資によって推し進められた民泊サービスAirbnb(エアビーアンドビー)のような大規模プラットフォームの成功だった。普及するなかで、もともと共同体を基盤に構想されていたシェアリングというパラダイムに、利益追求型ではない協働型サービスという概念が組み込まれ、今では「シェアリングエコノミー」という名で、曖昧だが多面的なカテゴリーとして定着してきている。

Fernando San Basilio著『Crónicas de la Era K-pop』の表紙

Kポップ時代のクロニクル

Crónicas de la Era K-pop

フェルナンド‧サン‧バシリオ

Fernando San Basilio

Impedimenta S.L.

何気ない日常にひそむ突拍子もないこと、不可解なことを発見する天才である、現代スペイン有数の反権威的で妄想にあふれる作家サン=バシリオの新作。韓国の輝かしいスター集団を、ユーモアと驚きをもって覗き見る。占い師のもとを頻繁に訪れるヨンセイ大学の学生。脚本家たちに殺されると恐れるテレビコメディの俳優。ソウルの地下鉄のショッピング街で木製のアヒルを売る90代の老婆。世界一よく売れている菓子パンの試食用割引クーポンをもっているカップル。韓国のフランチャイズカフェのバブル。そして国際コーヒー見本市に参加するためソウルに到着し、韓国にとどまるために次々と言い訳を見つける、ほとんど特徴のない男フェルナンデス。北朝鮮から戦争の風が吹き、やがて桜の季節が来てブッダの誕生日がやってくる。

Lur Sotuela著『Crónicas de lo imposible』の表紙

不可能のクロニクル

Crónicas de lo imposible

ルル‧ソトゥエラ

Lur Sotuela

Eneida Editorial S.L.

本書は、詩人ルル・ソトゥエラのバランス良い短編集で、フリオ・シルバが挿絵を描いている。これら25編の短編に共通する特徴は、深い心理表現、人間の不安、ブラックで辛辣なユーモアである。それに加え、Les discours du Pince-Gueule (パンス・ゴールのスピーチ、1966年)、 La vuelta al día en ochenta mundos (80世界一日めぐり、1967年)、 Último round (最後のラウンド、1969年)などフリオ・コルタサル作品の挿絵を手がけてきた、80歳を超えるフリオ・シルバの挿絵により、かけがえのない1冊となった。我々人間をめぐる存在の問題に、著者は優しく、人間的に、深く、そしてユーモアを持って向き合い、どの短編も楽しく、健康的で、興味深い体験になっている。知性と繊細さをもって書かれた物語で、的確で絶妙な筆運びにより、我々は登場人物の内面に入りこみ、感動し、楽しみ、心をふるわせる。

Pere Calders著『Cròniques de la veritat oculta』の表紙

隠された真実クロニクル

Cròniques de la veritat oculta

ペラ‧カルデルス

Pere Calders

Edicions 62, S.A.

Cròniques de la veritat(隠された真実クロニクル)はカルデルスの小説の中でカギとなる作品であり、スペイン内戦後の読者にとって、すばらしい作家の登場であった。カルデルス独特のユーモアと幻想は年月とともに強くなり、深くなり、あいまいさを増していった。そのあいまいさはエドガー・アラン・ポーから、ルイジ・ピランデルロ、マッシモ・ボンテンペッリを経てフランツ・カフカにつながる幻想文学をいつもとりまいていたあいまいさである。

Manuel Gutiérrez Aragón著『Cuando el frío llugue al corazón』の表紙

寒さが心に届く時

Cuando el frío llegue al corazón

マニュエル‧グティエレス‧アラゴン

Manuel Gutiérrez Aragón

Editorial Anagrama

女神と牝牛と初恋が交錯する物語。北部の街でのひと夏と、性の発見についてのリアリスティックですばらしい物語。青年ルディ・リベロは父親が予防拘禁されているので、この夏、指図する者がおらず自由を謳歌している。彼の父は政治活動がきっかけで告発されただけでなく、女性関係もややこしい。そして息子であるルディも似たような蜘蛛の巣にからめとられていく。夏の間に、ルディは大人への一歩を踏み出す。けだるい雰囲気の美しい女が、先の見えない、だが甘美な愛への未知の旅にルディを導く。物語の始まりは古典的な色合いを帯びている。ルディの後見人である叔父が、べスペロ山の山麓でギリシャ語の授業に出席するようルディに強要する。その山頂で、ルディは往年のボクサーで今は修道士になっている男から教えを受ける。

Leila Nachawati Rego著『Cuando la revolución termine』の表紙

革命が終わるとき

Cuando la revolución termine

レイラ‧ナチャワティ=レゴ

Leila Nachawati Rego

Oh! Books Literary Agency

2014年マドリード。サラは、3歳の娘シャムの父親の身を案じ、不安にさいなまれながら暮らしている。彼はダマスカス(シリアの首都)で行方不明になり、消息がない。気持ちを落ち着けようと、サラは彼とシリアで出会い、すべてが始まった2011年のできごとを綴ることにする。そこからはサラの日記の章と、ダマスカスの5人の若者の日常を3人称で描いた章が交互に展開する。2011年の蜂起の数か月前から戦争が勃発するまでを描いたその物語に登場するのは、シリアとパレスチナの血をひく青年、保守的な家庭のダマスカスの女性、シーア派の家庭の青年、体制側に近い家庭で育ったラウードの名手の女性、レポーターの青年。2011年武力衝突に見舞われ、彼らは自身の身の振り方を選ばなければならなくなる……。ある日、自分の尊厳を回復するためにすべてを賭さなければならなくなったごく普通の人々の現実を知らしめてくれる小説。

Concha Pasamar著『Cuando mamá llevaba trenzas』の表紙

ママが髪をみつ編みにしていたとき

Cuando mamá llevaba trenzas

コンチャ‧パサマール

Concha Pasamar

Bookolia Editorial

ある雨の午後、女の子は偶然、お母さんが思い出の品物を大事にしまっている箱を見つけ、今とはぜんぜん違うが、それほど遠くない過去へ旅を始める。時の流れ、私たちに影響を与える変化、来るべき機会についての物語。時間的にはさほど遠くなく、でも、短い期間のうちに起こった変化によって今とはずいぶん違う過去の子ども時代へまなざしを投げかける本。大人にはノスタルジーを喚起し、現代の子どもには好奇心と知識をもたらす。評価することなく、世代間の対話のかけ橋となり、各自が生きた時代によってアイデンティティが形成される可能性を浮き彫りにする。

Laura Gallego García著『Cuando me veas』の表紙

きみが僕を見るとき

Cuando me veas

ラウラ‧ガルシア‧ガジェゴ

Laura Gallego García

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

数週間前から、説明のつかない奇妙な出来事についての噂が流れている。見えないパワーに攻撃されたと言う生徒もいれば、ひとりでに空中を動いていく物体を見たとか、不可思議な存在が廊下で待ちうけているのを感じたという者もいる。いったい何が起きているのか。「声」にはあらゆる趣向の理論が集まるが、一番支持を得たのは超常現象だとするものだった。つまり、あのよく知られた「屋上の少年」の悲しい物語をみなが思い出す……ということは、中学校に幽霊がいるのか。いるとすれば、だれの幽霊か? 幽霊は何をしようとしているのか? まだ何もわからないが、じきに真相はつきとめられるだろう。

Clara Berenguer著『Cuando pita el abuelo』の表紙

おじいちゃんがふえをふくとき

Cuando pita el abuelo

クララ‧ベレンゲル

Clara Berenguer

Onada Edicions

おじいちゃんはひどい病気で、おばあちゃんが面倒をみてる。食事を作ったり、薬をあげたり、お風呂に入れたり、一緒にいてあげたり。おじいちゃんには孫娘がいて、一緒にいるととても楽しい。ふたりは口笛を吹いておばあちゃんをからかったり、秘密を話し合ったり、大笑いしあったりするが、ある日、突然すべてが変わることになる。

José Carlos Sánchez著『Cuando tomábamos café』の表紙

わたしたちがコーヒーを飲んでいたとき

Cuando tomábamos café

ホセ‧カルロス‧サンチェス

José Carlos Sánchez

Raspabook

マドリードの中心部が、この物語の主人公たちが闊歩する舞台となる。フランコ政権末期の社会と、自分の声を聞いてもらうために戦った、ある世代の勇敢な女性たちによる自由の獲得を余すところなく描いた小説。フランコ政権をもっとも揺るがした汚職事件マテサは、混迷を深めていく時代の政界と社会を揺さぶっていた。この現実をよそに、上流階級の若い娘アデラには、子どものころから知っている音楽家のカルロスのことしか見えていない。しかし、そのカルロスが人生に求めているのは、束縛のない生活と女友だちのコンスタンサだけだ。本書『Cuando tomábamos café(わたしたちがコーヒーを飲んでいたとき)』は、状況の変化を期待してマドリードの街に渦巻きはじめた、社会的理想主義と文化運動を反映した小説。

Enrique Páez著『Cuatro muertes para Lidia』の表紙

リディアのための4つの死

Cuatro muertes para Lidia

エンリケ‧パエス

Enrique Páez

Grupo Editorial Bruño

少女リディアをとりまく世界は、終末的な災禍によって壊滅状態だ。リディアの住む街は火と煙にとり囲まれ、だれひとり助かりそうにない。リディアは父親と兄カルロスと一緒に、母親を探す長い旅に出る。行ったら最後もう前の自分にはもどれない、帰れない旅へ……。誰をもひきつけてやまない、最高におもしろい成長物語。

Alberto Guaita Tello著『Cuentos de la Zamina』の表紙

サミナのお話

Cuentos de la Zamina

アルベルト‧グアイタ‧テリョ

Alberto Guaita Tello

Aerys Producciones

カンタブリア地方の年老いた農夫カシミロは、冬も間近のある日森の中でサミハの妖精に出会った。罠にかかった妖精は意識もなく栗の葉っぱでできた羽が一枚折れている。カシミロは看病のために小屋へ連れ帰ることにした。目を覚ましたサミハの妖精イスナラは、過去の王国や未来の王国についてのお話を聞かせることを交換条件に、この小屋で一緒に冬を越させてくれと頼む。サミナの森に住む素晴らしい生き物たちについて知る良い機会だと申し出を喜んで受けたカシミロは、イスナラから聞くだけではなく、自分が子供の頃に母親から聞き覚えた物語も話してやることにする。リウンやフリール、コケぐまなどの新しく不思議な生き物たちを観においで。

Vanesa Pérez-Sauquillo著『Cuentos con beso para las buenas noches』の表紙

おやすみのキスの物語

Cuentos con beso para las buenas noches

バネサ‧ペレス=サウキリョ

Vanesa Pérez-Sauquillo

Alfaguara Infantil y Juvenil

ペレスねずみってだれか知っている? ひつじが眠らないのはなぜ? くりの実がどんなにたくさんのことに役立つかわかるかな? おやすみのキスをしてもらいながら、そんなたくさんのことをお話してくれる本。寝る前に読む短い物語集で、字を読み始めて間もない子どもたちを、毎晩ベッドに入る間際の5分間、夢の世界にさそってくれる。なかなか寝ようとしない小さな子どもを持つ、すべての親に欠かせない本。親しみやすい登場人物たちと楽しく愛情のこもったストーリー、そしておやすみのキスが基調になっている。やさしく美しい色合いのイラストが、ただの挿絵ではなく第2の語りとなって、物語をいろどっている。

Horacio Quiroga著『Cuentos de la selva』の表紙

ジャングルの物語

Cuentos de la selva

オラシオ‧キロガ

Horacio Quiroga

Nórdica Libros

ジャングルは動物にあふれ、わずかな数の人間が、わくわくするような、そして時に危険な環境で生きている。そんなジャングルの様子が、オラシオ・キロガによってとてもユーモラスに語られる。若い読者たちは、ワニたちがいかにして人間の脅威から川を守るか、どうしてフラミンゴは一本足で立つのかについて楽しく読むことできるだろう。また小さなハナグマが身を粉にして子どもたちと共に暮らす話、カメが甲羅の上にひとりの男を乗せて命を救う話に興奮するだろう。これらの物語は何よりも、自然や連帯に対する賛歌なのだ。

暗闇で読む物語。ロボットたち

Cuentos para leer a oscuras. Robots

イグナシ‧バリオス

Ignasi Valios

Barcanova Editorial

1963年10月3日、リェイダ生まれ。リェイダ美術工芸学校とリョッジャ応用美術・美術工芸学校でイラストレーションを専攻。出版・広告のイラストレーターとして働いている。2001年から手掛けているヒットシリーズ『Cuentos para leer a oscuras(暗闇で読む物語)』は、カタルーニャ語版をバルカノバ、ガリシア語版をシェライス、スペイン語版をアナヤ・インファンティルから出版している。

Pedro Solís著『Cuerdas 』の表紙

なわ

Cuerdas

ペドロ‧ソリス

Pedro Solís

Grupo Editorial Bruño

ニコはマリアのクラスに来た転校生。すごく無口だし、走ったりジャンプしたりしないから、みんなから相手にされない。特別な男の子だ。だけどみんなよりものごとを深く見ることのできるマリアは、ニコとサッカーをしたり、手を叩いて遊んだりする方法を考えだす……。友情と障がいについての感動的な物語絵本。対象年齢6歳から。原作の同名映画は2014年のゴヤ賞ショートアニメ部門で最優秀賞を獲得し、史上最も多くの賞を受けた短編アニメとしてギネスブックで認定されている。

運次第

Cuestión de suerte

パブロ‧デ‧アギラル

Pablo de Aguilar

Ediciones Dokusou

運が良いと思う日があれば、運に見放されたと思う日もある。スターになるために生まれて来たと確信している詐欺師、初潮を迎えると同時に股を開いて、それ以来閉じたことのないニンフォマニア、ドラッグと酒にまみれて夜を過ごす低俗な麻薬の密売人、心残りと諦めの狭間で揺れ動くエレベーターの技術者。この多様な登場人物たちが幸運あるいは悪運によって人生のバランスを崩し、それぞれの結末を迎えるまでの物語。

Marta Pi Martín著『Cuidar-se en comunitat. Una aproximació a les llars col•laboratives per a persones grans』の表紙

コミュニティでのセルフケア:高齢者向け共同住宅へのアプローチ

Cuidar-se en comunitat. Una aproximació a les llars col•laboratives per a persones grans

マルタ・ピ・マルティン

Marta Pi Martín

Edicions de la Universitat de Barcelona

近年、人口動態の変化、個人的な介護と支援への期待、家族の居住形態、財産の譲渡と相続、そしてより活動的な老後の追求により、共同住宅は欧州および国内の両方で著しい拡大を遂げてきました。本書は、民族誌的アプローチを通して、国内の高齢者向け共同住宅7軒の経験をまとめたものです。これらは、地域社会でのケアとセルフケアに焦点を当て、健康的な高齢化を提唱することで、生活様式の新しいパラダイムを提示する場です。注意深いグループダイナミクスと生まれる連帯感のおかげで、これらの住宅にすでに住んでいる人、あるいは将来住むことを考えている人は、この共同生活の代替案を、自立した形で老後を送る選択肢として評価するようになります。

Mónica Gonzalo著『Dani contra el miedo』の表紙

ダニ、こわさとたたかう

Dani contra el miedo

モニカ‧ゴンサロ

Mónica Gonzalo

Marcombo Editorial

ダニはこわがりだ。だけど、きみが助けてくれるなら、モンスターもドラゴンもミイラも魔女も幽霊も、怖いものをみんなやっつけられるかもしれない。手伝ってくれる? どうやったらいいと思う? きみもこわい気持ちを乗り越えたくない? きっとできるさ! 子どもでいるのもラクじゃない。新しい挑戦や試練だらけの知らない世界に立ち向かっていかなければならない。人が感じていること、考えていることをすっかり理解はできないし、これから何があるかわからない。世界は時としてこわいものだ。だから子どもは、その恐怖心をわかって、つきあい、安心させてくれる大人を必要としている。

Edgardo Cozarinsky著『Dark』の表紙

ダーク

Dark

エドガルド‧コザリンスキー

Edgardo Cozarinsky

Tusquets Editores

住所不定のある男との友情は、真面目なある学生をどんな怪しげな情動にかりたてるのか? 息子の文学的資質に無関心な、ごく平凡な両親のもとで育った青年は、出所が怪しい金を使いちらす男によって、危険で不道徳な未知の世界へと導かれる。本の中でしか知らなかった領域に入りたくてたまらない、危険を求める青年と、アウトサイダーのような人生を送って得体のしれない男との間には、曖昧な親愛の情や、利用したり惹かれたりという絆が創られていき、ふたりはある冒険を共有することとなる。「両親が悪しき反復と呼んだであろうことが青年を成長させる。世間からはとんでもない教育とみなされたとしても、ただ結果で判断しうるのだった」。

Pilar Adón著『De bestias y aves』の表紙

野獣と鳥類の

De bestias y aves

ピラール‧アドン

Pilar Adón

Galaxia Gutenberg SL

大自然、独自のルールに従う女性たちだけが住む1軒の家、見知らぬ女。そこへ最近やってきたのは、車がガス欠になり、扉の閉ざされた家しかないでこぼこ道に迷いこんだコロ・マエだ。都会育ちの彼女は、何もかもに見放された状況で何もわからないまま、俗世から離れて独自のルールのもとで数名の女性たちが暮らす家、ベタニアにたどりつく。その家の地下で寝泊まりしているグロリアに、泊まっていくよう強引に誘われ、ほかの女性たちにもそれとなく勧められたのと、くたびれ果ててどうすることもできなかったことが手伝って、コロ・マエは、女性たちが支配する、その野蛮な場所から出ることができなくなる。女性たちが彼女をひきとめているのか。それとも、無能感に彼女が屈したのか。惨事の領域へ、原初的驚きを伴う警戒と詩的恐怖の状況へと読者をひきずりこむ感覚的小説。

César Martín Ortiz著『De corazones y cerebros』の表紙

心と脳の

De corazones y cerebros

セサル‧マルティン‧オルティス

César Martín Ortiz

Baile del Sol Editorial

「執筆と出版は思考と想像をリサイクルする行為だ。すなわちその目的は異なり、その結果もまたそれぞれだ」。セサル・マルティン・オルティス(1958-2010)は、そう確信していたが故に、1995年から2003年の8年間をこの小説の執筆に費やすことに何らの不都合も感じず、その後は善良な読者たちにマヌエル・メディナの存在を知らしめることに無頓着であったのだろう。マヌエル・メディナは、《愛と教育の理想的な関係》(カサンドラへの愛と、実質的には《ユートピア、共和国、自由人たちの共同体であり、悪人を除いて人類の理想を見つける場所》である学校での教育)に前半生をささげた絵画の教師で、35歳からの後半生は名もなき村の寄せ木細工の店に閉じこもった。

動物の文法について

De Grammatica Animalis

ルル‧ソトゥエラ

Lur Sotuela

Eneida Editorial S.L.

¿Qué o quiénes son? ¿De dónde vienen? ¿Dónde viven esas formidables criaturas?&nbsp; Y, sobre todo, ¿me quieren como merienda? Eso es lo que mi querido amigo, mi querida amiga , averiguarás en este asombroso y mágico libro. Este imprescindible vademecum que tienes al alcance de tus ojos, intitulado «De gammatica animalis», es el primer tratado zoológico , estudio sociológico y antropológico, que se ha realizado de los animaligramas, esas formidables criaturas, mitad fantásticas, mitad ridículas, que habitan entre los sueños, las ideas conceptuables e intelectuales y el poderoso mundo de la imaginación. La recopilación de estos datos ha sido laboriosa, y con algunos de sus protagonistas - no debemos olvidar que todos ellos son criaturas salvajes - ha resultado tremendamente peligrosa. Estamos ante un libro insólito, que gravita entre el arte, la sensibilidad y la literatura. Nos hallamos ante una muestra desternillante donde se conjugan una reformulación del bestiario y de la poesía visual, una muestra rebosante de humor inteligente y salvaje que genera una experiencia única e inolvidable.&nbsp;

Carmen Gil著『De gran, per treballar, ofici has de triar』の表紙

大きくなったら、仕事を選ばなきゃいけないよ

De gran, per treballar, ofici has de triar

カルメン‧ヒル

Carmen Gil

Animallibres Editorial, S.L.

大きくなったら何になるか、まだ考えたことがないのなら、想像してごらん! スープやシチューをせっせと作っているか、アルファベットを教えているか、大人や子どもの病気をなおしているのか。楽しくて創意に富んだ、身近な話題の10の子ども向けお話からなるOroneta(オロネタ)コレクションの1冊。人体、季節、動植物、発明、職業、街など多くのテーマを、カルメン・ヒルがウィットに富んだ音楽的な文章で子どもたちにわかりやすく伝える。定評ある画家たちのオールカラーのイラストが感性豊かにページを彩る。

ハイブリッド戦争からグレーFーンまで。 21世紀の紛争の変容。

De las guerras híbridas a la zona gris. La metamorfosis de los conflictos en el siglo XXI.

ジョセップ‧バケス‧ケサーダ

Josep Baqués Quesada

UNED - Universidad Nacional de Educación a Distancia

グレーゾーンとは、脅威や戦略、ハイブリッド戦の一種であり、穏健的な修正主義のアクター(通常は国家)が戦争と同じような目的(だが実際の武力攻撃には至らない)を追求する際に引き起こされる事態のこと。アクターは行動を曖昧にすること(または代理戦争)で自らの身を守りながら、民間の動員や経済的制裁といった戦略的ナラティブ(物語)を流布し、そうした動員(機密情報や特別作戦)を増進または強化するために軍隊の力を借り、その結果、現状維持したい相手がアクター(正規軍)に抵抗することを断念させるのが目的である。

Rocio Bonilla著『¿De qué color es un beso?』の表紙

キスはなに色?

De quin color són els besos?

ロシオ‧ボニージャ

Rocio Bonilla

Edicions Bromera S.L.U.

みんながミニモニと呼ぶモニカは、いろんなものに色をぬるのが大好き。青い空、ペンギン、ゴリラ……、だけど、まだキスには、色をぬったことがない。キスってなに色? スパゲティのトマトソースみたいな赤? きっとちがう、だって赤はおこった色だだもん……。それとも、大好きなワニのみどり? うーん、絶対ちがう! だって緑は野菜の色だもん。野菜なんて食べたくない。それなら? 最後にママが解決してくれる。それもいいね。

Silvia Aliaga著『De Seúl al cielo』の表紙

ソウルから空へ

De Seúl al cielo

シルビア・アリアガ

Silvia Aliaga

Tormenta Agencia Literaria

スペイン⼈のダンサー、パウラはソウルに着いたばかり。彼⼥の夢は破れた。町は期待していたのと違い、誰よりも会いたかった⼈は彼⼥を裏切った。クリスはイギリス⼈の⼥の⼦で、ただひとつの使命を持っている。イギリスですれ違ったKポップのスターにペンダントを返すのだ。全てが悪い⽅向に向かい始めたのは、彼のせいだ…。でも、早くしなくちゃいけない。友達のダニと職場の新しい同僚ミンウに隠している問題が、今にも起ころうとしているのだ。ジェイというのがそのスターで、REX というグループのメンバーだ。彼に加えて、ヒョンス、アレックス、ヨンが、何百万⼈ものファンを熱狂させている。ほとんど知る⼈はいないが、メンバー間はうまくいっていなくて、彼らがケンカしているという秘密は、全てを壊してしまいかねない。De Seúl al cielo(ソウルから空へ)は、圧倒的な世界現象であるKポップを掘り下げたスペイン初の⼩説。

チチナボの絵付け陶器

Decoración con calcas cerámicas de Chichinabo

パトリシア‧ラサロ

Patricia Lázaro

Editorial GG - Gustavo Gili

お皿やカップやタイルに好きに模様を付ける方法を学べるとしたら? 家の食器を生き生きと色鮮やかなものにしたり、朝食用のシリアルボウルにオリジナルの物語を描けるとしたら? デザイナー、そして陶芸家でもあるパトリシア・ラサロは、物語を描いた商品製作を専門に行う、陶器のデザイン・装飾ブランド「チチナボ」の代表。本書では、下書きから転写、最後の仕上げまで、陶器の絵付けの秘訣を手軽に楽しく学ぶことができる。陶芸家やイラストレーター、装飾・工芸品好きの方は、この素晴らしい実用的な趣味の本を読めば、いよいよ陶芸作品の装飾に取りかかろうという時に必要となるヒントやひらめきが見つかるだろう。

Juan Ramón Barat著『Deja en paz a los muertos』の表紙

死者に手を出すな

Deja en paz a los muertos

フアン‧ラモン‧バラット

Juan Ramón Barat

Grupo Editorial Bruño

家族で休暇を過ごすため、海沿いの小さな村に出かけた少年ダニエル・ビリェナ。そこで神出鬼没の奇妙な若者と接触を持つ。彼はダニエルの夢のなかに入り込み、夢を悪夢そのものに変えてしまう力を持っていた。ある日ダニエルは差出人不明の手紙を受け取る。それは13語から成る警告の手紙だった。「死者に手を出すな。さもなければ、おまえもすぐにその仲間入りだ」そのときからダニエルは、死体や謎の人物や不可解なできごとがうずまく物語のなかに放り込まれる。そこでは、見かけ通りのものは何もない。

Pedro Miguel Lamet著『Deja que el mar te lleve』の表紙

海に運ばれていきなさい

Deja que el mar te lleve

ペドロ‧ミゲル‧ラメット

Pedro Miguel Lamet

Grupo de Comunicación Loyola, S.L.U.

つらい闘病生活と姉の交通事故死を経て、ロドリゴは海辺の古い別荘に越してきた。ベテランジャーナリストである彼はその別荘で、若いころの思い出と思想への旅を始める。姉のシルビアの死に別の原因があるのではと直感したのもその別荘でのことだった。そこで警察も顔負けの調査を開始したロドリゴは、不法移民、麻薬取引、犯罪の生々しい現場に身を置くこととなる。ペドロ・ミゲル・ラメットが人の心の痛みの克服について描いた驚くべき小説。

宇宙の錯乱。夜行性写真家の天文学的奇行

Delirio cósmico. Extravagancias astron ómicas de un fotógrafo noctámbulo

オスワルド‧フェリペ(フェルナンド‧フェリペ)

Oswaldo Felipe (Fernando Felipe)

Prames

宇宙に身を投じ、理解し、闇の中から光を採取する技術について知るための70枚の写真。空のイメージは、物語を聞かせ、神話を呼び起こし、問いを投げかけ、答えを夢見させ、この宇宙の錯乱の中で秘められた事実の暴露と虚構を混合させる。

日本における法、事業、行政:日本の新型コロナウイルス感染症対応を! って

Derecho, Empresa y Administración Pública en Japón Con referencia al tratamiento de la pandemia de la COVID-19 en Japón

ラモン‧ビラロチ=モヤ

Ramón Vilarroig Moya

Editorial Tirant lo Blanch

本書はスペインと日本の研究者や企業、行政機構の協力で完成した。日本の法律や経済、行政をよく知ることによって、両国の企業間の関係が強化され、社会と経済界の交流も促進される。本書の内容は4章で構成されている。第1章では、2019年にEUと日本の間で調印された3つの重要な協定を分析する。すなわち、経済連携協定(EPA)と戦略的提携協定(SPA)、スペインと日本の間で取り交わされ2021年5月に発効した二重課税協定である。第2章では、スペインと日本の経済・商業貿易関係について分析する。分析対象は、ウベ・コーポレーション・ヨーロッパ。同社のプラスチック資源循環方法を紹介する。第3章では、日本の行政機構を紹介する。注目したのは地方間の競合システムであり、分析対象はふるさと納税制度である。最終章では、世界的なパンデミックの衝撃により医療や経済、社会が危機的な状況に陥った。スペインと日本がどのように直面し対応したかを分析する。

Juan José Millás著『Desde la sombra』の表紙

陰の中から

Desde la sombra

フアン‧ホセ‧ミリャス

Juan José Millás

Casanovas & Lynch Literary Agency

ダミアンは失業して以来混乱している。ある日骨董市でちょっとした盗みを働き、たんすに隠れるが、彼が入ったままたんすは売られてしまう。ルシアとフェデという夫婦の部屋に運ばれたたんすの中で、ダミアンは家具の一部であるかのようにそこに居着く。ありえない設定を、いかにももっともらしくラストまでもっていく巧みさが、小説に格別の緊張感を与える。ダミアンは、隠れ場所からルシア夫婦を観察するうちに、ルシアの心や恐れや夢に寄り添うようになる。それによってついには自分が尊重されていると感じて、生きていると実感すれば何ができるかを悟る。

Julen Gabiria Lara著『Desde lo alto se ve el mar』の表紙

高いところから海が見える

Desde lo alto se ve el mar

フレン‧ガビリア‧ララ

Julen Gabiria Lara

Libros de Ruta Ediciones

第二次世界大戦に見舞われたイタリアを舞台にした小説。 少年ロマン・アルベルディは、バスク一周のレースで、初めて偉大なサイクリストのジーノ・バルタリに会う。内戦で亡命したときにも、ツール・ド・フランスで再びジーノ・バルタリに会う。その後ロマンはジーノに会おうと、トスカーナのポンテ・ア・エマに赴く。サイクリングだけではなく、様々なテーマや人物がこの本で交差する。密かに映画を上映する映画ファン、鳥に福音を伝える修道士、陸に残ったポルトガルの船乗り、毎日特別なバゲットを焼くパン職人、身元を隠さなければならない牛乳売りの女…… 新鮮なスタイル、夢のような雰囲気、シュールレアリスム的なタッチ、それに、不正に対する反乱の呼びかけが混ざり合ったこの作品は、文学と生活が共存可能ということを示している。

Nancho Novo著『Despertar』の表紙

目覚め

Despertar

ナンチョ‧ノボ

Nancho Novo

Bartleby Editores, S. L.

ハイメの血管の中にいる女性の幽霊が、その創造主に恋をし、あり得ないことを夢見るようになる。目覚めることだ。幻想の世界では、人類が再創造した空想上の生き物たちが、危うい均衡を保って共存しているのだが、幽霊の熱い願いがその世界を打ち砕く。一方ハイメの日々は、大学時代の過酷な毎日から穏やかな日常へと移行する。『目覚め』はコントラストの小説だ。生々しさと真正、自由奔放さと夢、ロマンティックとエロティック。不敬だが優しいユーモア/ホラー感覚で融合した完璧なコラージュだ。ハラハラドキドキ最後まで読者に期待を持たせ続ける、しっかりとした構成に支えられたコラージュである。

Jordi Sierra i Fabra著『Después del huracán』の表紙

ハリケーンのあとで

Después del huracán

ジョルディ‧シエラ‧イ‧ファブラ

Jordi Sierra i Fabra

Grupo Editorial Bruño

強力なハリケーンで、マイナウニの街は壊滅状態に陥った。ストリートで暮らす幼なじみの3人の少年、サン、イボ、タジルは、災害後に打ち捨てられた家々に盗みに入ろうと決める。リーダーのサンは成功まちがいなしだと言い、従順なタジルは賛成した。だがイボは、もっと別の生き方があるんじゃないかと考え始め、アダミアとの出会いが、根なし草の生活を変えるターニングポイントとなった……。暴力が支配する阻害と絶望のなかで育まれる友情と愛の物語。

ナザレのヨゼフの日記

Diario de José de Nazaret

アンドレス‧マルティネス‧エステバン

Andrés Martínez Esteban

Editorial Ciudad Nueva

マリアの懐妊を知った時、ヨゼフの心によぎったのは何だったのだろうか? イエスの父親になるようにとの神の呼びかけを、彼はどう理解したのだろうか? 主のその呼びかけをどう経験したのだろうか? マリアとイエスと彼の関係はどうだったのだろうか? これらのすべての疑問には答えが無い。福音書にはヨゼフに関することはほとんど書かれていない。ただひとり、福音史家マタイだけがイエスの父親代わりとなったこの公正な男について素描している。けれども、御子イエスと聖母マリアの保護者となるべく神の呼びかけを受けたヨゼフの役割が容易ではなかったことは想像に難くない。著者はその心の内を覗き見ることができるように聖ヨゼフに声を与えた。この本を読むことでイエスの父親代わりを務めたヨゼフの人物像に近づけると同時に、彼が何をどのように経験したかを理解することができる。

Fernando de Pablo y Miren Lasa著『¡Dibújalo! Innova, crea y comunica de manera visual』の表紙

絵にしよう! ビジュアルでイノベーション、クリエーション、コミュニケーション

¡Dibújalo! Innova, crea y comunica de manera visual

フェルナンド‧デパブロ、ミレン‧ラサ

Fernando de Pablo y Miren Lasa

LID Editorial Empresarial

クリエイティブで革新的な形でアイデアを売りこんだり、コンセプトや製品をプレゼンしたくはないか? クライアントや上司や共同出資者、投資家などに、メッセージで大きなインパクトを与えるには? 複雑なアイデアを伝えなければならないが、どうすればよいのか? 解決するのはイラストだ。本書は、イラストやビジュアルなコンセプトを仕事のツールとして提案する。あらゆる状況に合わせて、創造、理解、コミュニケーションの新しいヒントを与えてくれるイラスト。「絵は描けない」と思うのは間違いだ。手と目、それにもちろん右脳をトレーニングすればいい。本書の基本的テクニックと練習で、あなたも絵を描けるようになる。そうすればイラストというエキサイティングな言語で可能性が様々に広がり、ますますクリエイティブになり、自分のアイデアをはっきりと捉え紹介して、成功に導くことができる。

Bárbara Blasco著『Dicen los síntomas』の表紙

症状は語る

Dicen los síntomas

バルバラ‧ブラスコ

Bárbara Blasco

Tusquets Editores

ビルヒニアは父親との関係がずっとうまくいっていなかったが、病院でこん睡状態の父を毎日見舞うのは義務だと感じている。病に取りつかれた彼女にとって、症状は言葉よりも正直だ。その病室で、ビルヒニアの人生の決定的な瞬間に、母親や姉妹との絆が試される。彼女が母親になれる期限が迫っていた。そのとき、謎めいた魅力的な男の患者が新しく隣のベッドにやってくる。ビルヒニアと男は、少しずつ病院の無菌状態にはふさわしくないことを一緒にするようになり、ついに小さな共有スペースをつくる。すべてが失われたとき、きっとそこで思いがけない真実の何かが生まれるだろう。非常に独創的かつ容赦のない筆致で崖っぷち世代の女性を秀逸に描いた物語。

植物模型マスターブック

Dominando la vegetación en modelismo

フェルナンド‧バリェホ

Fernando Vallejo

AK Interactive

模型作家たちが植物のジオラマ風景作成のポイントとコツをもれなく披露した一冊。各種材料の説明に加え、さまざまなスタイル、テクニックを紹介。植物模型は、縮尺にかかわらず風景や場面を完成させるうえで非常に重要なテーマであることから、植物に関心のある模型作家なら必携のガイドと言える。模型作りの初心者も上級者も、各テクニックの手順とその理由をひとつひとつ簡単に学ぶことができる。ジオラマ作りの基本マニュアル。これで植物模型をマスターしよう。

Miguel de Cervantes Saavedra著『Don Quijote de la Mancha』の表紙

ドン‧キLーテ

Don Quijote de la Mancha

ミゲル‧デ‧セルバンテス‧サアベドラ

Miguel de Cervantes Saavedra

Century Publishers S.L.

スペイン人セルバンテス=サアベドラによって書かれた小説。第1部の初版は1605年初頭に『才智あふれた郷士ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ』の題名で出版された。スペイン文学及び世界文学を代表する作品で、最も多く翻訳された本のひとつ。1615年に『才智あぶれた郷士ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ後篇』と題する第2部が出た。滑稽な描写によって騎士道や宮廷の伝統を脱神話化した最初の作品。最初の現代小説とされる。また初めてポリフォニックの手法を用いて書かれた作品で、その後のヨーロッパ文学に多大な影響を与えた。

ふたり姉妹

Dos hermanas

レティシア‧ルイフェルナンデス

Leticia Ruifernández

A Fin de Cuentos Editorial

ふたりの姉妹が笑い、遊びながら、体の部分の名前を挙げていく。腕、目、心臓……。口頭伝承である〈スカートの遊び〉を直接取り入れた、つい歌いたくなるような二か国語(スペイン語と英語)の詩の本。水彩画が乳幼児向けの本のイラストに使われることはあまりないが、その絵を見ただけでページを開きたくなる。

Raquel Mayorga著『Dos hermanos, el cachorro perdido』の表紙

ふたりのきょうだい、まい の子犬

Dos hermanos, el cachorro perdido

ラケル‧マジョルガ

Raquel Mayorga

La Pulga con Gafas

凶暴な老犬、邪悪な枝を持つ木々、2匹の怪物から逃げるオオカミ、森で迷った白い子犬……。こういった冒険と驚きがいっぱいのこの物語は、家族とは、生まれたときに一緒だった人たちとは限らないことを教えてくれる。寄り添い、世話をし、愛し、ありのままのあなたを受け入れてくれる人こそが、時には家族となる。それが心の家族だ。

Nina Minina著『Dos maneras de decir te quiero』の表紙

愛してるって告げるふたつの方法

Dos maneras de decir te quiero

ニナ‧ミニナ

Nina Minina

Group Edition World

愛してるって告げるには、幾通りの方法がある? たぶん世界中の人の数だけある。アクセルとエバは仕事の同僚だが、水と油のようにそりが合わない。アクセルは横柄で女好き、エバはちょっと嫌味な完璧主義者。だがアメリカ出張中に想像もしていなかった出来事が起き、生き残るためにふたりは良好な関係を築くか、少なくとも、そのように努力せざるを得なくなった。本書は独創的で様々なニュアンスを含んだロマンティック・コメディ。はじけそうなほどの愛とウィットが詰まったカクテルの中で、現実とファンタジーが結びつく。こんな愛の告げ方もあるんだって、知ってみたくない? 著者の作品には、ほかに『Emparéjame (わたしとペアになって)』(Penguin、2017)、『¿Viernes o te vas? (金曜日に来る? それとも行く?) 』(Amazon、2017)、『Alicia en el País sin wifi (Wifiのない国のアリス)』(Amazon、2017)、『Algo tan (estúpido) estupendo como el amor (愛みたいにとっても(バカな)すごいこと)』(Amazon、2018)、『Algo tan mágico como tú (あなたみたいにうっとりすること)』(Amazon、2018)がある。

Claire Smedley著『Dos peixets a la peixera』の表紙

金魚鉢のなかの2匹の小さな魚

Dos peixets a la peixera

クレア‧スメドレー

Claire Smedley

Obrador Editorial, S.L.

金魚鉢のなかの2匹の小さな魚がある日、競争しようと考えたお話。その後の出来事が、英語やカタルーニャ語の韻が持つ音楽性や、水彩画の繊細なイラストとともに、遊び心いっぱいに語られる。

Pep Coll著『Dos taüts negres i dos de blancs』の表紙

黒いふたつの棺と白いふたつの棺

Dos taüts negres i dos de blancs

ペップ‧コール

Pep Coll

Raval Ediciones S.L.U

1943年、カレウで農民一家が惨殺された事件は、片田舎のパリャルス・ジュッサの農家や近隣の村々に衝撃を与えた。だが何人もが殺されたそのニュースは、あまり遠くまで届かなかった。新生スペインは平和の天国だというイメージを与えたい時代、政府の検閲が新聞を沈黙させていた。70年経ってペップ・コイは、パスナーダでの子ども時代、心にきざみつけられたこの恐ろしい出来事の秘密を探り始めた。最初は、トルーマン・カポーティが小説化したあの有名なカンザスの惨殺事件とよく似ていると思われたが、パリャルスの犯罪の結末はすべての点で対照的だった。報道機関は事件を忘れ、フランコ政権の司法機関は解決をできないか、あるいは解決を望まなかった。事件に関わった実在の人物の話に基づく、異色にして表現豊か、夢中になること間違いなしの小説だ。

Noël Lang,  Rodrigo García著『Downtown』の表紙

ダウンタウン

Downtown

ノエル・ラング

Noël Lang

Dibbuks

僕の名前はブロ。ダウン症だけど、彼女もいるし、友達もたくさんいる。それに大好きなレコードもあるんだ」。日常性と社会への溶け込みが、この本に収められたコミカルで気楽な作品群の特徴です。作者たちは次のように語っています。「ダウン症の親族がいる人なら、誰でも本当に面白いエピソードをいくつか持っているものです。私たちの目標は、それらの話をダウン症の人の視点から、とてもシンプルな物の見方で語り直すことです

ドラキュラ

Drácula

フェルナンド‧フェルナンデス

Fernando Fernández

Ediciones de Arte y Bibliofilia

本作『Drácula(ドラキュラ)』は、ブラム・ストーカーの原作を、作者のフェルナンデスが忠実に解釈した上で自由な脚色をもって描いた作品。1982年、クリーピー誌(スペイン語版)に1章ごと掲載され、読者が選ぶ最優秀作品賞を受賞した。イタリア、フランス、ドイツ、米国でも出版されており、一般読者のみならず批評家からも高く評価された。今回、通し番号付きで刊行される特別記念版は、フェルナンデスの手による原画を実際に鑑賞するかのごとくそれぞれのカットを楽しめるようにと、すでに故人である作者の家族が保管していたオリジナルの油彩から印刷された。同様に作家の残した資料の中から発見され家族によって保管されてきた、未発表の鉛筆デッサン6点が今回初めて収録された。作家のマルセル・ミラレスが序文を、著者の息子エクトル・フェルナンデスが跋文を担当。

Marina Tena著『Dulce』の表紙

甘い

Dulce

マリナ・テナ

Marina Tena

MARINA Books

糖尿病に関する初の自伝的コミック作品。マリナは糖尿病と診断されたとき、すべてはこれまで通りだと思った。でもそこからは、何もかもが以前と同じではなくなる。毎日、生き続けることを心配しなければならない少女のリアルな生活とは? マリナ・テナは若い世代の読者に向けて、幼少期から大人になるまでの、自身の糖尿病についての経験を正直かつ感情豊かに描く。それらは、慢性疾患と診断された他の多くの少年少女の経験でもありうる。大切なのは病気だけでなく、人生への愛情、日々の些細なことへの情熱、そして何よりも人としての成長であるという、力強い人生の手引書。

一年のお菓子

Dulces todo el año

共同作業

Obra colectiva

Col & Col Ediciones

ヨーロッパを中心に、著者おすすめの14の街歩きを紹介。ローマ、パリ、ロンドン、ウィーンなどの都市で菓子店を訪れ、現地でよく知られたレシピをいくつか取り上げる。菓子店「アリテル・ドゥルシア」のイサベル・ペレスが案内するユニークな街歩きは、読者を単なる観光客から旅人へと変える。14の都市を〈見る〉代わりに〈知る〉ことで、より賢く、より幸せで自由な気分に戻れる思い出をスーツケースに詰めこむべく、記念品を探して広場や通りを楽しむことができるだろう。掲載する84のレシピが甘い味わいをもたらしてくれる。

硬膜

Duramadre

ビクトル‧セリェス

Víctor Sellés

Obscura Editorial S.L.

病床の祖父が難しい状況にあることを知ったロレナは、面倒を見るためにマドリードへ向かう。家族で一番年下のダニが行方不明になったことへの罪悪感を持つふたりの心の叫び声が行きかう中、退屈な日々が流れる。明晰夢を介して弟を再生させることに執着するロレナ。それがダニの命を維持する唯一の方法だと信じ込んでいる彼女は、夢の世界で彼と再会するためならどんなことでもするだろう。一方祖父は、家族崩壊を招いていたかもしれないほどの過去の重荷を背負っていた。その過去を乗り越えるために悪魔に対峙しようとするが、その悪魔はマドリードで多発している若い女性の失踪事件の裏にいる殺人犯だった。ビクトル・セリェスはこの超自然的なテイストの暗黒小説を以って、再びジャンルの壁を軽々と越え、消し去った。良心の呵責、復讐、贖罪の願いがふたつの全く異なる次元で進む小説。

Iria Marañón著『Educar en el feminismo』の表紙

フェミニズムの環境で育てる

Educar en el feminismo

イリア‧マラニョン

Iria Marañón

Plataforma Editorial

ご存じだろうか。女児は6歳にして男児よりも頭が悪いと感じ、大学では男子学生は女子学生の能力を過小評価していることを。これらのすべては社会通念にとらわれた結果に他ならない。遊びや文化的環境が女の子、男の子それぞれの行動、表現、かかわり方に「〇〇すべし」という影響を与えている。子どもは性別に縛られることなく自由に感じ、表現し、行動したほうが良いのではないか。公の場で男女平等を擁護できる良心と決意を持った子どもたち、従来の考え方を超越した思考能力を持ち、テレビや映画、本、SNSなどで頻繁に見受けられる様式に影響されない子どもたちが必要とされる。公正かつ平等主義社会を形成していくうえで、子供たちは力強く、公平で、連帯感を持ち、幸福であるべきだ。その達成にはフェミニズムの環境の中で教育する必要性があると訴えた本。

Sònia Hernandez著『Ejercicios de inmovilidad』の表紙

不動の練習

Ejercicios de inmovilidad

ソニア・エルナンデス

Sònia Hernandez

Acantilado (Quaderns Crema S.A)

『Ejercicios de inmovilidad(不動の練習)』の主人公の女性たちは、周囲の世界からの苦々しい疎外感を感じている。感情が麻痺するような無関心や、生気のなさのようなものに悩まされ、画廊主や作家、歌手、介護者である彼女たちは、不安な境界的空間に追いやられている。不条理文学の最良の伝統を受け継ぐソニア・エルナンデスの語りから溢れでる声は、言葉を手がかりに実感を伴った現実を作りあげ、不穏な幻想の迷路に読者を引きこみ、彼女が生来の語り手であることを証明している。

Alberto Olmos著『Ejército enemigo』の表紙

敵軍

Ejército enemigo

アルベルト‧オルモス

Alberto Olmos

Laure Merle d'Aubigné (A.C.E.R. Agencia Literaria)

団結、広告芸術、そしてインターネットから派生したニューテクノロジーが、このいやらしいほど現代的な小説Ejército enemigo(敵軍)の戦場である。 サンティアゴは落ち目の広告マン。気が滅入る町に住み、上流階級の友人たちが参加する社会運動をシニカルに眺めている。そのうちの一人が死んだ時、彼はサンティアゴに一通の封筒を残していった。サンティアゴはそれによって亡くなった友人の本当の人生を発見し、後戻りのできない危険な道を進み始める。 本書は、現代の大きな社会問題に真っ向からとびこんでいく。政治議論の不毛、社会行動とメディアの反響の間の混乱、倒すべき敵の消失など、挑発的な文章で、社会の不愉快な側面を決然と浮き彫りにする。

Ana López著『El abecedario de Nico y Arturo』の表紙

ニコとアルトゥーロのアルファベット練習帳

El abecedario de Nico y Arturo

アナ・ロペス

Ana López

A Fin de Cuentos Editorial

アルファベットの文字をツールとして、読者のたくさんの好奇心にアプローチするために、兄弟のふたりがこのストーリーですることといえば、散歩すること、観察すること、冗談を言うこと、そして何よりも発見することだ。なぜって、わたしたちが知っていること、知らないこと、想像することが、ふたりと歩むどんな冒険の中にもあるから。

Féliz J. Palma著『El abrazo del monstruo』の表紙

怪物の抱擁

El abrazo del monstruo

フェリクス‧J‧パルマ

Félix J. Palma

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

ミステリー⼩説家のディエゴ・アルセはスランプに陥っていた。彼を有名にしたデビュー作と同等の、満⾜のいく作品が書けずにいるのだ。周りからの多⼤な圧⼒や失敗作の連続、出版社の悲痛な願いもあり、出世に導いてくれたデビュー作の登場⼈物を再び使った作品を書くことを承諾した。その登場⼈物は「怪物」の異名をもつ精神異常者で、近代都市バルセロナで少⼥たちを誘拐していた。ある夜ディエゴが妻とパーティーに出席している間に7歳の娘アリアドナが誘拐される。犯⼈はディエゴの⼩説を具現化し、作中の怪物を模して犯⾏に及んだのだった。そこから⾝の⽑がよだつゲームが始まる。犯⼈は娘を解放する条件としてディエゴに3つの試練を与える。全てインターネットを通してディエゴ⾃⾝が乗り越えなければならない試練だ。あなたは⼦供を救うためにどこまでやれるだろうか?

ハナのコート

El abrigo de Jana

ロラ‧オルドニェス

Lola Ordóñez

Emonautas

ハナは今日、グレーのコートを着ています。歩きながら、だれかほかの人のように感じられたらどんなにいいだろうと想像します。きっとすばらしいに違いありません! けれど、ハナはまだ一番すばらしいものに気付いていませんでした……。これは自尊心の物語。自分が何者かよくわからなかったり、自分のよい面は忘れて他人のよい面ばかりが目についてしまったり、そんな瞬間が語られています。教師用資料付き絵本。

Ana Gerhard著『El agua』の表紙

水 管弦楽入門

El agua. Introducción a la música de concierto

アナ‧ゲルハルト

Ana Gerhard

Editorial Océano, S.L.

川や湖、海、泉は、歴史が始まって以来無数の作曲家たちにインスピレーションを与えてきた。本書はCDつきの子ども向け絵本。これまで多くの音楽家が、生命力あふれる水をテーマに作品を書いてきた。それらの曲を聞くと、音を通して水が目に浮かんでくる。透明感、流れる音、大波のうねり……。そういった水のさまは美しい音に移しかえられ、バロックの時代から現代まで、いくつもの忘れがたい曲となってわたしたちのもとに届いている。本書はIntroducción a la Música de Concierto(管弦楽入門)シリーズの3巻目。世界最高の音楽に子どもたちを誘う招待状だ。

Alejandro Palomas著『El alma del mundo』の表紙

世界のたましい

El alma del mundo

アレハンドロ‧パロマス

Alejandro Palomas

Sandra Bruna Agencia Literaria

オットーとクレアがブエナ・ビスタ老人ホームにやってきた午後、このふたりの老人が、時の流れとともにすり減ったふたつの人生の重み以上のものを抱えていようとは、誰も思わなかった。若いヘルパーのイロナでさえ、彼らに付き添うこの3か月間が彼女の人生にこれほどのものをもたらそうとは想像していなかった。3か月の間、3つの魂は、最初は一緒に過ごすことで、やがて次第に愛情でつながり、やがてがっしりと結ばれる。退屈することに子どものように抵抗し、決然と人生と真実を危険にさらすふたりの老人。そして、多くの隠しごとをしながら、そうやって秘密をかかえているせいで悪いことがあるのではと恐れる若い娘。 本書は大きな愛の物語であり、愛をめぐる大きな物語でもある。音楽へ、人生へ、そして最後のチャンスへの愛。ふたりの勇敢な老人は、感情を優先するため、そして今までそうなる勇気がなかったものを手に入れるための最後のチャンスをつくりだす。

Nívola Uyá著『El alma del violín』の表紙

バイオリンの魂

El alma del violín

ニボラ・ウヤ

Nívola Uyá

Cuento de Luz S.L

ガスパール・ボルチャルトの実話に着想を得た物語。仕事に情熱を傾ける、並外れた腕を持つ弦楽器職人には、かなえたい夢がある。それは世界で最も美しい木材を使ってバイオリンを作ることだ。ほとんど消滅しかけた森の、伝説的な木から採れる木材をめぐる、唯一無二の冒険。きっとたやすくはないだろう、だけど夢をかなえる旅の途中で、主人公は私たちに大事なことを教えてくれる。それは自分の仕事に対する愛、自然への敬意、受け継がれてきた芸術と音楽のはかりしれない価値、そして実現するまで夢を追いつづける勇気だ。

近代の魂とその他の短編

El alma moderna y otros cuentos

キャサリン‧マンスフィールド

Katherine Mansfield

Libros del Zorro Rojo / Albur Producciones Editoriales, S.L.

表層の下に隠れたものを、キャサリン・マンスフィールドは誰より巧みに描いてきた。彼女の時代の女性たちの行動原理についての深い理解により、女性の登場人物たちのみごとな立体性を発見した。そこで、美と驚愕、卑しいものと崇高なものを組み合わせ、人生の複数の次元を構成する、微細な矛盾を見事に描きだした。本書は、主人公たちの人生にしかけられた火山のような感情、常に崖っぷちにある日常生活に入りこんで心を揺るがす感情を浮き彫りにした物語を集めた短編集である。『ジェーン・エア』や、エミリー・ブロンテ、シルヴィア・プラスなどの古典作品のイラストレーターとして定評のあるサラ・モランテが、マンスフィールドの文学的空想を完璧に解釈している。

Santiago Roncagliolo著『El amante uruguayo. Una historia real』の表紙

ウルグアイ人の恋人。実話

El amante uruguayo. Una historia real

サンティアゴ‧ロンカグリオロ

Santiago Roncagliolo

Alcala Grupo Editorial y Distribuidor de Libros

エンリケ・アモリムは恋人フェデリコ・ガルシア=ロルカの死体を盗んだのか? チャプリンとピカソの密会にもぐり込むため、ジャン・ポール・サルトルのふりをしたか? パブロ・ネルーダがノーベル賞をとるための努力を妨害したのか? 1930年代のブエノスアイレス、スペイン内戦、戦後のパリを徹底的に調査研究し、サンティアゴ・ロンカグリオロは20世紀芸術の大巨匠たちの交友関係、嫉妬、ライバル心、恋愛を暴露する。億万長者でありながら共産党員、ホモセクシュアルでありながら妻帯者、ウルグアイ人でありながらアルゼンチン人、カメレオンのように姿を変えるエンリケ・アモリムの視点を借りて、物語は語られる。彼は20世紀のもっとも輝かしい才能を持った人々の心を魅了する術を知っていた。そしてガルシア=ロルカとは、謎めいた愛の物語を生きた。死さえも乗り超えた愛を。

Susana Fortes著『El amor no es un verso libre』の表紙

愛は自由詩ではない

El amor no es un verso libre

スサナ‧フCルテス

Susana Fortes

Pontas Literary & Film Agency

1935年、マドリード。共和派の知識人の粋が集まる学生寮に、アメリカ人の若い娘が到着する。実在の人物と架空の人物がマドリードの街角で交錯する。ポプラの丘の夕べという学生寮の有名なパーティーにひきよせられて、芸術家、ミュージシャン、伊達男、詩人、夢想家、学生たちがあらゆる場所からやって来る。ところが、ひとりの学生の死体が近くの灌漑用水用の運河に浮かんでいるのが見つかり、学生寮の心地よくすみきった雰囲気は突然吹き飛ぶ。また、やってきたばかりのアメリカ人の女の子と高名で懐疑的な教授の間の激しい愛の物語が始まり、教授は難しい岐路に立たされる。犯罪の影と並行して進んでいく、情熱的な禁断のロマンス。主人公たちは、命が代償になりかねない第一級の国家機密やスキャンダルや陰謀に満ちた蜘蛛の巣に絡められていく。

Javier Sáez Castán著『El animalario vertical』の表紙

垂直動物実験室

El Animalario Vertical

ハビエル‧サエス=カスタン

Javier Sáez Castán

Fondo de Cultura Económica de España, S. L.

1924年。レビリョ教授の世界動物実験室が脚光を浴びた数年後、最新の研究成果を披露するため、教授が戻ってきた。レビリョ研究所は動物の進化に貢献し、生き物を直立させるための実験に取り組んでいる。そのため「レビリョラマ」と題するショーを、現在の研究所の本部である進化パレスで行うことにした。

バッファローの年

El año del Búfalo

ハビエル‧ペレス‧アンドゥハル

Javier Pérez Andújar

Editorial Anagrama

不運な世代の4人のアーティストの物語。夢に破れ、理想を失くした4人はガレージに閉じ込められていた。そこへ奇妙な生き物が現れぞっとする取引を持ち掛ける。これはスペインに恋焦がれるフォルケ・インゴという名のフィンランド人作家の人生を綴った小説で、彼は冒頭の4人に起きた出来事を書いた小説の著者。これはフォルケ・インゴの文章の注釈からフッターにまで注やコメントを付ける様々な人に関する小説。その様々な人とはスペイン人翻訳者、彼のフィンランド人の母親、人文科学省の官僚的な教授、ガレージに閉じ込められている4人のうちのひとりの両親、グレゴリオ・モラン友人クラブの会長、サンタ・コロマ・デ・グラメネットの一風変わった映画クラブの元会長だ。

Eva Braojos著『El año del cerdo』の表紙

豚の年

El año del cerdo

エバ・ブラオホス

Eva Braojos

Eirene Editorial

中国の暦でいう豚年に生まれ、驚くべき絆で結ばれたエルビラ、アナ、ハシント、テロ、イバン、フランという登場人物を中心に繰り広げられる小説。読者をぐいぐいひきこむ。 働いていた工場の閉鎖によって彼らの人生がどうなっていくかを巡って物語は展開する。彼らの夢、秘密、そして内なる葛藤があらわになり、その行動が新たな結果を招いていく。 巧妙な文章が読者をとらえ、裏切りと同盟の世界へと誘いこむ。種子を蒔けば、すべてを収穫することができるのかを問いかける強烈な人間ドラマ。

パン屋の見習い

El aprendiz de panadero

フアン‧クルス‧イゲラビデ

Juan Kruz Igerabide Sarasola

Ediciones Paraninfo

1936年、国民蜂起の前日に、治安警備隊の刑事がナバラ州のレクンベリに着いた。市役所の守衛の命を奪った殺人犯の足跡を追ってきたのだ。守衛は強固なカルロス党員で、共和国側に属する村の教師の敵だった。あらゆる形跡が殺人の容疑者として教師を指し示していたが、ある若者のおかげで刑事は別の手がかりを見つける。その若者は役所の職員で、村のパン屋でもあった。生涯でたった1冊、繰り返し読んで暗記するほどになった本『ドン・キホーテ』からインスピレーションを受けてものを考えたり行動したりする人物だ。犯人は隠れたまま、事件の筋道を気まぐれに動かしていた。

Luisa Etxenike著『El arte de la pesca』の表紙

釣りの技

El arte de la pesca

ルイサ‧エチェニケ

Luisa Etxenike

Abiali Afidi S.L.

午後、しばらく釣りをしたあと「祖父はよく僕を自宅に連れていったものだった」。そこでこの物語の若き語り手は、釣り針の「後戻りのできない残酷さ」で傷ついた魚になることの意味を、海に向かっていた時以上によく理解する。しかし魚は「大きくても小さくても、強い歯があってもなくても」釣られないように最後の最後まで闘うということも思い知る。釣り糸のように透明で堅固な文体の本作品は、その決定的闘いのさ中に私たちを引きずりこむ。読者はまた、音の出るイラストという新たな仕掛けに出会う。ボルハ・デミゲルのオリジナル曲Las notas de antes(以前の音符)が水滴のようにテクストに寄り添う。この物語の主人公にとって、息ができる水。「少年-魚」、後に「男-魚」は釣られまいと闘う。

Lucía Martínez Alcalde著『El arte de no llegar a todo』の表紙

すべてをやりきらない術

El arte de no llegar a todo

ルシア・マルティネス・アルカルデ

Lucía Martínez Alcalde

Ediciones Universidad de Navarra S.A.

大きな夢と、すべてを達成できないという現実を受け入れることをどのように調和させるのか? 疲弊、失望、幻滅に陥ることなく、真剣に取り組んで生きることは可能か? 皮肉や執着、重苦しい気持ちに囚われず、強い願望を持ち続けながら成長できるか? 目標が重要なのか、それとも道のりだけが重要なのか? あなたは輝けるのか、それとも燃え尽きてしまうのか? 本書は、これらの問い(他にも)を投げかけ、いくつかの答えを試みる。平和と喜びに満ちた時間との関係を築く必要性、(自分自身と他者の)限界に対する適切な応答としての優しさ、愛がもたらし、人生を豊かにする創造性。カオスを受け入れ、焦りから逃れ、脆弱性を受け入れ、ノーとイエスを言い、生き、愛する、あなた独自の道を見つけるための招待状である。 本書には、決まった答えはない。サブタイトルが示すように、これは対話である。話しませんか?

Marcos Chicot著『El asesinato de Pitágoras』の表紙

El asesinato de Pitágoras

マルコス‧チコット

Marcos Chicot

Duomo Ediciones / Antonio Vallardi Editore S.R.L

他でもないピタゴラスの知性を凌ぐパワフルな知性を持つ人がいるだろうか? その時代最も大きな権力を持っていた人物のひとり、老哲学者ピタゴラスは、偉大な学者たちの中から後継者を選ぼうとしていた。その時、彼の教団の中で一連の殺人事件が始まる。犯罪の背後に、ピタゴラス自身を凌ぐほど強大で暗い知性が垣間見えてくる。謎の女アリアドナとエジプト人探偵アケノンが、殺人者が誰かをつきとめようとする。それは同時に彼ら自身の気持ちを晴らすためでもあった。挑戦的な一冊。その中で過去の亡霊と現代の暗い脅威とが結びつく。魅惑的な秘密や不安をかきたてる人物がうごめく古代ギリシャへの旅。

ゲラルドゥス‧メルカトルのアトラス。地図の世界で活躍した男

El Atlas de Gerardus Mercator. El hombre que puso al mundo en el mapa

ケビン‧R‧ウィットマン

Kevin R. Wittmann

Ediciones de Arte y Bibliofilia

本書は、地図製作史における至宝、アトラス(世界地図帳)と、その作成者であるゲラルドゥス・メルカトルの人生を深く掘り下げたもの。メルカトルは複雑な理論体系と重要な革新技術を駆使し、地理に関する知識とその地図作成における解釈を体系化した。その図法は現代でも用いられ、地図作成に活かされている。歴史家ケビン・R・ウィットマンが情熱を傾けて著した本書は、16世紀の拡大していく世界を映し出し現在の世界地図の直接の起源にもなった地図について詳述した作品で、読む人を地図製作の知識と歴史の世界に引き込む。

Vicente Muñoz Puelles著『El ayudante de Darwin』の表紙

ダーウィンの助手

El ayudante de Darwin

ビセンテ‧ムニョス‧プエリェス

Vicente Muñoz Puelles

Feditrés S.L.

ビーグル号は1831年にイギリスを出港し、世界をめぐり、歴史をぬりかえる旅をすることとなる。その船には、22歳の若きナチュラリスト、チャールズ・ダーウィンと、15歳の見習い水夫シム・コヴィントンがのりこんでいた。シムは、ダーウィンのために動物を捕獲したり、剥製にしたり、カードを作ったりする手伝いをする。二人はジャングルに分け入り、地震や火山の爆発にあい、それまで知られていなかった動植物を見つけ、進化理論を形にしていく。

Patrick Rosas著『El año de los saico』の表紙

ロス‧サ.コスの年

El año de los saicos

パトリック‧ロサス

Patrick Rosas

Editorial La Huerta Grande

El año de Los Saicos(ロス・サイコスの年)は、1964年のリマ社会の内部事情を辛辣なユーモアで語る。この年はリマ出身のロック・グループ、ロス・サイコスが登場した年で、当時、リマの社会は偽善的常識の尊重と個人の品格低下の間で身動きできなくなっていた。嘘が怪しげな生き残り戦略となり、登場人物のひとりが言うように「誰もが嘘をつく」社会だった。 この小説は「良家」のいとこふたりによる女中への誘惑をめぐる出来事を描く。連通管のようにつながり、リアルタイムで執筆している物語を読んでいるような錯覚を読者に起こす。パトリック・ロサスは、そこかしこに存在する美への信奉がもしかしたら息苦しさをより強めていたかもしれないリマの上流階級の、卑俗で偽善的で人種差別的な社会を完膚なきまでに描いている。

Manuel Hidalgo著『El banquete de los genios』の表紙

天才たちの宴

El banquete de los genios

マヌエル‧イダルゴ

Manuel Hidalgo

Laure Merle d'Aubigné (A.C.E.R. Agencia Literaria)

たぐい稀なある饗宴の歴史。1972年11月。ルイス=ブニュエルはロサンゼルスにいた。ジョージ=キューカーはブニュエルを食事に招待したが、彼にはほかにどんな招待客がいるのかは知らせなかった。やって来たのはムリガン、ワイラー、ワイズ、カリエール、シルバーマン、ウィルダー、スティーブンス、ヒッチコック、マムーリアン。フリッツ・ラングは参加できなかった。ジョン・フォードは写真を撮る前に帰った。映画の巨匠がこれほど勢揃いした写真は、後にも先にもないだろう。

El Torres, Gabriel Hernández著『El bosque de los suicidas』の表紙

自殺の森

El bosque de los suicidas

エル‧トレス

El Torres

Dibbuks

Paul Pen著『El brillo de las luciérnagas』の表紙

ホタルの輝き

El brillo de las luciérnagas

パウル・ペン

Paul Pen

Dos Passos Agencia Literaria

僕は10歳で、生まれてからずっとこの地下室で過ごしてきた。両親、祖母、姉、兄と一緒に暗闇の中で暮らしている。みんな火事で顔がひどく変形してしまっていて、姉さんは火傷を隠すために白い仮面をつけている。姉さんの顔を見たら僕が怖がるかもしれないとパパが言うからだ。僕はサボテンが好きだ。僕は昆虫の本を読むのが好きだ。天井の隙間から差し込む唯一の太陽の光を何時間も触っているのも好きだ。でも、姉さんが赤ちゃんを産んでから、みんなの様子がおかしくなる。誰がその子の父親なのか、夜中に待ち伏せているコオロギ男は誰か、僕が生まれる前に何が起こったのか、なぜ僕たちがここに閉じ込められているのかについて、みんなは僕に嘘をついていると思う。でも僕にはホタルがいる。数日前に地下室にやってきたホタルを僕は瓶に入れた。おばあちゃんが言うように、自ら光を作り出すことができる生き物ほど魅力的なものはない。その光は、外の世界を知りなさい、逃げ出して、何が起こったのかを発見しなさいと僕をそそのかす。けれども、あいにくここでは全てのドアが閉ざされていて、どこに出口があるのか分からない...

Pedro Miguel Lamet著『El Caballero de las dos banderas』の表紙

ふたつの旗印の騎士

El Caballero de las dos banderas

ペドロ‧ミゲル‧ラメット

Pedro Miguel Lamet

Grupo de Comunicación Loyola, S.L.U.

ペドロ・ミゲル・ラメが史実に基づき、巡礼者ロヨラの人生を魅力的な語り口で再現する。黄金世紀のわくわくする時代に読者を誘い、イエズス会に大きな足跡を残したイグナシオ・ロヨラの青春時代の葛藤、心の動き、文化状況や精神性を理解させてくれる。

José González Torices著『El caballero del panecillo verde』の表紙

緑色の小さなパンの紳士

El caballero del panecillo verde

ホセ‧ゴンザレス‧トリセス

José González Torices

Editorial CCS

少年マリオ・ルカスは星の世界に夢中だった。はるか彼方のパルサーの星々に、「リトル・グリーン・マン」が住んでいるに違いないと信じている。平和を好み、高いところから何もかも見ていた彼らが、人間たちに秩序をもたらそうと地球に降りてくることになった。出迎えることになったのは、マリオときょうだいのファビオラ、本屋のおじいさんのドン・アベリノなど。冒険や不思議、宇宙にまつわる伝説たっぷりの、「心で深く考えさせる」ホセ・ゴンサレス=トリセスの新刊本。

Martí Perarnau著『El camí dels campions』の表紙

チャンピオンへの道

El camí dels campions

マルティ‧ペラルナウ

Martí Perarnau

Columna Edicions, S.A.U.

ラ・マシア(FCバルセロナの育成組織)の種を植えた老人は誰だったか? そして丹念に世話をし、その種の成長を助けた親とは? そして今、相続者としてその実りの収穫をするのは誰? ラ・マシアの特徴となっている哲学は? 世界最高のサッカー選手を育てあげるために、育成選手たちに何を伝授するのか? この必読の書は、ラ・マシアのアイデアがどこから生まれたのかを説明してくれる。なぜこれほどまですばらしく機能し、成功をおさめているのか? 選手たちに何を求め、いかに育成するのか。要するに、成功のカギは何か? グアルディオラ、メッシ、シャビ、イニエスタ、FIFA バロンドール2010年最優秀選手賞1位から3位独占、クラブワールドカップチャンピオン1回、史上最多の獲得タイトル…。彼らは国際的ブランドであり、世界的成功をおさめた、これ以上望みえないほどの誇らしい存在である。クローンのようにすばらしい選手を育て、また新しい世代がやってくる。新人たちの名前を覚えておくがいい。将来バルサのユニフォームを着るのは彼らなのだから。

Marcos Calveiro著『El camino de Levante. El samurái del Rey』の表紙

レバンテの道

El camino de Levante. El samurái del Rey

マルコス‧カルベイロ

Marcos Calveiro

Edelvives

セバスティアン・コルバドは、義理の母親が働く領主の屋敷にこもりきりで暮らしている。めったに外に出ないが、めずらしく外出したある日、若かりし日のディエゴ・ベラスケスと知り合い、友だちになる。また、主人から虐待されている奴隷の少女と親しくなり、恋をして、彼女を自由にしてやろうと決心する。

カタツムリ

El cargol

マイテ‧ムンス

Maite Muns

L'art de la memoria edicions

この本は、子どもたちを東洋の詩の真髄、とくに俳句の世界へと案内します。俳句は、非常に人気のある詩の形式で、わたしたちの感覚のなかに呼び起こされる印象を通じて自然を導き出そうとするものです。想起されるイメージのほとんどは、アンプルダン(カタルーニャ地方北部の地域)の土地から着想を得ています。イラストはナチュラルかつシンプルで、それぞれの詩から着想を得たものです。イラストは詩とぴったりマッチして、見る者の想像力を掻き立てます。きめの粗い紙に伝統的な水彩技法で描かれており、一部は、グワッシュや水彩色鉛筆で仕上げられています。イラストはすべて、オリジナルの色を維持し、紙の質感をとらえるように細心の注意を払ってデジタル化されています。

下の道

El carrer de baix

ビセント‧フロール

Vicent Flor

GRUP 62, S.L.U.

愛と死は、兄弟であるかのように似通った響きを持ち、かけ離れているようだが共存している。本書は、バレンシア及びガジネラの谷で繰り広げられる愛と友情、死と失恋の物語である。多くの歴史を持ちながら人口の少ないこの谷は、さびれてすっかり荒廃している。中学教師のジュアンと、段々畑で耕作をする心理学者のサラはこの谷に住む。またカルロスという人物もそこにやってくる。彼は編集者で、養子の息子のドラッグや犯罪の問題からくる苦痛から逃れたいという事情を抱えている。谷の暮らしと同様、ほとんど消えかけているガジネラ川をたどって3人が共に歩く道に、過去と、逃れることができないすべてのことが流れこむ。

Susanna Peix著『El cartero que no sabía leer』の表紙

字の読めない郵便屋さん

El cartero que no sabía leer

スザンナ・ペイシュ

Susanna Peix

MARINA Books

森の郵便屋さんルカスは、手紙を配るのが大好き。字が読めなくても、持ち前の勘と近所の人たちの助けのおかげで、いつも仕事をきちんとこなしています。でもある日、いつもと違う手紙を受け取り、初めて、だれに届ければいいのかわからなくなってしまいました。謎を解こうと決心したルカスは、あて先をさがして森じゅう走り回ります。このふしぎな手紙はだれあてなのでしょうか?

崖の上の豪邸

El caserón del acantilado

マルコス‧ベー

Marcos Beltrán

Tebeox Editorial

マルコス・ベーは、自分で漫画の技法を身に付けたガリシア人作家で、主にミステリー、アドベンチャー、ファンタジーものの作品を発表している。大人向けの作品はリアルで細部にまでこだわった劇画調、ユーモラスな作品はシンプルで軽いタッチ、というふうにまったく異なるスタイルで描き分けるのが特徴だ。絵や物語の創作はずっと続けていたが、プロデビュー作は2013年に出版された初の長編漫画『Las aventuras de M&amp;M, El caserón del acantilado (M&amp;Mの冒険、崖の上の豪邸)』。それ以来、「エイ!」や「エクセへシス」などの雑誌で絵を描き、バイーア、エディヌメン、テベオックスなどの出版社とも仕事をするようになった。現在はイラストの仕事を受けながら、冒険物語『M&amp;M』の続編制作など自身のプロジェクトも進めている。

Marta Serra Muñoz著『El catalejo』の表紙

望遠鏡

El catalejo

マルタ‧セラ‧ムニョス

Marta Serra Muñoz

Almadraba Editorial

私の部屋にはあなぼこがあって、私はその穴に学校で作った厚紙の望遠鏡をつっこんで見るのが好きだ。望遠鏡を通して、あらゆる種類の空想の動物が見える。私の友達のフアンも、ちがっている…。

Rafael Torres著『El cementerio de los ingleses』の表紙

英国人墓地

El cementerio de los ingleses

ラファエル‧トレス

Rafael Torres

Ediciones Xorki (Moldava S.L.)

El Cementerio de los Ingleses(英国人墓地)でトレスは、ヨーロッパ、特に英国のロマンチックな旅行者たちがスペインを訪れていた時代へと我々を運ぶ。本書は、18〜19世紀、そして20世紀初頭に、外国人旅行者たちがスペインに見出した目新しさや異国情緒を映し出し、スペイン初のプロテスタント墓地であるマラガの英国人墓地のことと、そこに眠る人々の人生を語る。彼らこそ、南スペインの外国人居住地の魅力的なモザイクを形作る唯一無二のピースである。通り過ぎていった人々、作家、徴兵忌避者、船員、遭難者、宣教師、無国籍者、スパイ、観光客、女優、商人などはみな、ヒブラルファロの丘の海に面した斜面にある、今は植物園である美しい墓地で、永遠の眠りについている人々。彼らはどのような人生を送ったのだろうか? その時代の社会はどんなだったのか?

Xabier Hualde著『El Cerco aliado』の表紙

連合軍の「包囲」 フランコ独裁(1945-1953)を前にした米国、英国、フランス

El «Cerco» aliado. Estados Unidos, Gran Bretaña y Francia frente a la dictadura franquista (1945-1953)

シャビエル‧ウアルデ=アムナリス

Xabier Hualde Amunarriz

Universidad del País Vasco - Servicio Editorial

枢軸国とのつながりが明白であるにもかかわらず、フランコ体制が第二次世界大戦後にも存続したのは、終戦後に構想された国際関係の新しい秩序における概念的歴史的アナクロニズムの結果だった。本書は、1975年に死去するまで独裁者フランコが権力の座にとどまるのを可能にした、1945年から1953年までの複雑な世界情勢の外的な決定的要因の説明を試みる。アプローチにあたっては、これまでの史料編纂の特徴である、野党や体制自体が果たした役割の研究によるスペイン中心主義を避け、大戦中は連合国として勝利を導き戦後も結束した米英仏3国の位置づけに焦点をあてる。

楽観的な脳

El cerebro optimista

ミケル‧アロンソ

Mikel Alonso

Ediciones Urano, SAU

脳は無数の複雑なタスクをこなし、信じがたいほどの働きをするすばらしい器官だ。だが、われわれを幸福にするようには設計されていない。進化というものは、われわれを生存させるためのものであり、幸福に導くようには仕組まれてないのだ。幸い、人間の脳は主な特徴のひとつとして可塑性を有しており、今日、われわれは生物として何百万年もの進化を経た結果、脳の構造を新たな現実に適応させ、神経学的なメカニズムを利用して自分なりの幸福を構築するのに必要な知識を獲得した。著者は最新の神経科学に基づき、習慣、信条、自己認識に関するワークに取り組むことで、脳の基本的なプログラミングを再編成するよう提案する。本書はすなわち、ストレス、悲観的思考、型通りの行動を、冒険、自分への評価、純粋な感動に変えたいと願う人にとっての指南書である。

永遠の皇帝のサイクル

El ciclo del eterno emperador

ラウラ‧ガルシア‧ガジェゴ

Laura Gallego García

アキダビアの皇帝は1000年間国を治め、死ぬとまた生まれ変わる。今回の生まれ変わりでは、皇帝の死後に帝国会議のメンバー数名がある小さな村に現れた。神の魂が宿り、それゆえに玉座を占めるべき新生児を探すためだ。これは永遠の皇帝の17番目の生まれ変わり、ビンタネラランダリの物語。力が目覚めるとすぐに帝国を統率できるように子どものころから教育されてきた女性だ。だけどこれはまた、アキダビアの辺境で育った少年、ケランの物語でもある。その人生は地域の権威に挑もうとした日を境に突然変化する。ふたりの運命が交差するとき、帝国の将来は予期せぬ局面を迎えることになるだろう。

Juan Antonio Masoliver Ródenas著『El ciego en la ventana』の表紙

窓辺の盲人

El ciego en la ventana

フアンアントニオ‧マソリベルロデナス

Juan Antonio Masoliver Ródenas

Quaderns Crema

ノスタルジーは、戦いを挑むべき蜃気楼だと著者は書く。ノスタルジーは過去を理想化し、実際はなかったものの形をとらせようと絶えず私たちに迫ってくるからだ。だから。本書は、作者マソリベルによって再構築された不穏な記憶の書だ。盲人の語りはストーリーの形をとらず、地滑りのようになだれ落ちてくる活き活きとしたイメージ群だ。思い出や幻想、胸を引き裂く場面。時間のない無為の中にいる男は、死の世界から語るように、その明晰な頭に去来するイメージをくりだしていく。作者は本書において、知人と敵、求めた愛と求めざる愛をたしなめ、時の経過や、迫りくる旅の終点を受け入れることを伝えている。

Clara Sánchez著『El cielo ha vuelto』の表紙

空が戻った

El cielo ha vuelto

クララ‧サンチェス

Clara Sánchez

Editorial Planeta, S.A.U.

パトリシアは若いファッション・モデルで、彼女の人生は成功に彩られているかに見える。パトリシアは仕事で乗った飛行機の中で、隣の席に座ったビビアナと知り合う。ビビアナは、パトリシアの周辺にいる誰かが彼女の死を願っているので注意するようにと忠告するが、神も迷信も信じないパトリシアは気に留めず、幸せな日常に戻ると、根拠のない忠告のことは忘れることにする。しかし、一連の偶然の事故が続き、仕事や私生活に支障が出てきて、結局パトリシアは、これらの出来事の説明を求めてビビアナを探しだす。

Islena Neira著『El cisne oculto』の表紙

隠された白鳥

El cisne oculto

イスレナ・ネイラ

Islena Neira

Sallybooks Editorial

白鳥が一羽、黒鳥が一羽、剣を持った親指のない猫が一匹、そしてボーイフレンドの眼鏡を探すひとりの少女……。彼らはみんなで『隠された白鳥』を形作る。アングレーム郊外の散策と即興から生まれた作品であり、冒険、ファンタジー、そして奇想天外なユーモアの物語。

Ana Coto Fernández著『El club de los kakamonstruos』の表紙

カカモンスタークラブ

El club de los kakamonstruos

アナ‧コト‧フェルナンデス

Ana Coto Fernández

Editorial Palabras de Agua

主人公は学校に行くのが嫌いな9歳の少年マルコ。なぜって、学校にはおばけやトロール、魔女、ゾンビや吸血鬼がいて、いつも嫌がらせをしようとするから。新学期の最初はみんなが敵ですごく一人ぼっちだと感じるけれど、すぐに一緒に冒険を分かち合える友だちに出会う。マルコと友人たちは、モンスターたちの真実をみつけられるだろうか? 注意:もし寝る前にこの本を読んだら、次の朝に枕の下を見るのを忘れないで。そして、物事は、時々見た目通りじゃないってことを覚えておいて。

カカモンスタークラブ:ブリィ氏来たる

El club de los Kakamonstruos: que viene Mr. Bully

アナ‧コト‧フェルナンデス

Ana Coto Fernández

Editorial Palabras de Agua

マルコと仲間たちの新学年は、あぜんとするような急展開で始まった。小学校6年生は驚きの連続だ。すごく楽しい驚きもあれば、それほど楽しくもないものもある。小鬼、魔法使い、トロール、ゾンビ、吸血鬼が来る日も来る日もアレックス、マルコ、エストレーリャ、クリスティーナ、ゴンサロに嫌がらせをしようとするんだ。だけど今回は、さらに強力な敵が暗闇からみんなを見張っている。マルコと仲間たちは、待ち受ける不思議な謎を解き明かすことができるかな? その真の魔法の秘密とは何か、知ることができるだろうか? 気をつけて!!! 寝る前にこの本を読んだら、次の日、枕の下を見るのを忘れないで。そして何より、ものごとは、見えている通りとは限らないこともあると覚えておいて。

Fernando Montero, Rafael Galán著『El Club de los tipos duros』の表紙

タフガイの仕事術

El Club de los tipos duros

フェルナンド・モンテロ

Fernando Montero

Gestión 2000

職場で軽く扱われ、踏み台にされることにもううんざりしていませんか?同僚があなたの努力を横取りし、アイデアを盗んで、挙げ句の果てに服装まで馬鹿にしてくる。上司はあなたをいじめ、つまらない仕事ばかり押し付けてくる。そんな状況を変えたくありませんか? 本書では、ドクター・ハウス、ジョン・ロック、デクスター・モーガン、ハンニバル・レクター、ジョン・マクレーン、そしてあのマージ・シンプソンが、あなたの専属コーチとして登場します。彼らの豊富な経験と、他の追随を許さないタフな人生観をもとに、どんな心理学者よりも効果的で実践的なアドバイスを提供。上司や同僚たちに立ち向かう具体的な方法を教えてくれます。あなたもついに、ずっと憧れていた「強い自分」になれるのです。

だれのものでもない櫃

El cofre de Nadie

チキ‧ファブレガット

Chiki Fabregat

ページを繰る手が止まらない、力強い小説。流麗かつ平易な文体で綴る、陰謀とアイデンティティ探しについての情熱的な物語だ。全体が、若者の間のあらゆる種類の愛情関係、支配的で中毒性のある関係の危うさ、ソーシャルネットワークの影響、新しいタイプの家族への適合といった現代性に富むテーマに自然かつ新鮮な切り口で触れている。

Juan Gómez Alcaide著『El cofre del pescador』の表紙

漁師の大箱

El cofre del pescador

フアン‧ゴメス=アルカイデ

Juan Gómez Alcaide

Mary de Sojo Branding

ふたりの人間の間の愛情と共犯者意識が、これほど特別になったことはそうないだろう。あまりに特別なものだから、たったひとりであらゆる不慮の出来事や逆境にも対峙できると感じてしまうほどだ。100歳の祖母と無鉄砲な孫娘は、自分たちに譲渡された遺産の謎を解明するためならどんな障害も乗り越えようと心に決めている。現在の疑問を解き明かすために過去の原因を熱心に探り、想像できる限り最大の冒険に没頭するふたりの姿に、私たちは心のなかのもっとも気高く深い部分をゆすぶられ、夢を見て、微笑む。最初は単なる好奇心だったものを、絶対的な優先事項に変えてしまうほど魅惑的な謎。もしあなたが自分のルーツを否定したり、家族意識に欠けていたり、人生における大冒険に乗りだせない人ならば、この本は読まないでほしい。逆にその3つの要素を持ち合わせた人であれば、信じてほしい。すべてはひとつの理由で起こるのだ…。

影のコレクター

El coleccionista de sombras

ハビエル‧バスコネス

Javier Vásconez

Editorial Pre-Textos

本作品は大衆小説としてみなすこともできるが、面白い仕掛けや文豪への敬意、円熟した叙述、登場人物の構成と劇的内容の奥深さから、教養小説としても読める。

Gonzalo Torné著『El corazón de la fiesta』の表紙

祭りの中心

El corazón de la fiesta

ゴンサロ‧トルネ

Gonzalo Torné

Editorial Anagrama

バルセロナの中心部にある広いマンションを相続したクララ・ムンサルバッジャは、ここを仕事や恋愛、健康問題などで不運な目に遭っている女友だちが駆け込めるスペースとして使おうと決めた。夏が来てスペースが無人になったとき、向かいのマンションに謎めいたカップルが越してきた。ほどなくして、向かいからは絶えず大声で言い争う不快な声が聞こえるようになる。暴力沙汰になるのではないかという怖さ半分、ゲーム感覚半分で、クララは元恋人を呼び出し、この状況を《解決する》手助けをしてほしいと頼む。その中でも、彼ら自身、互いが互いに対して何をすべきであるかについて決める。ある夜、笑い声が突然の殴打の音と悲鳴で中断されたあと、クララはついに向かいの家に足を踏み入れ、(良識に反しつつも、好奇心に背中を押されて)その部屋に住む女性の相談相手となる。そのうちに、その隣人の貧しい出生と豊かな将来への希望が混ざりあった、旋風のような経験に彼女は引き込まれてゆく。

特派員

El corresponsal

ダビッド‧ヒメネス

David Jiménez

年若いジャーナリスト、ミゲル・ブラボは、仏教の僧侶たちが主導したサフラン革命の取材でミャンマー派遣という大きなチャンスを手にした時、冒険の日々になることを期待していた。国内が混乱を極める中、ブラボは世界各国から集まった特派員のとあるグループに入り、刺激的な生活に浸る。独裁政権が抗議デモを鎮圧し、ジャーナリストたちがホテルに監禁されると、ライバル心、恐怖、希望、光と影といったものが際限の状態に達した。ブラボと過去の戦いに疲れ切った伝説的なジャーナリスト、ダニエル・ビントンの友情と、謎めいた通訳ナン・ライへの愛は、ブラボが火の試練に向き合うことになる悲劇の前兆だった。果たして愛や友情、そして真実は、人間性が抱える闇を抜け出すことができるのだろうか?

Carmen Gil著『El cos ens comença amb el cap que pensa』の表紙

考える頭で体は始まる

El cos ens comença amb el cap que pensa

カルメン‧ヒル

Carmen Gil

Edicions Bromera S.L.U.

とっても知りたがりの目、ソーセージの鼻、おしゃべりな口、うちわみたいな耳、足、手……、さあ、きみはどんなふう? 楽しくて創意に富んだ、身近な話題の10の子ども向けお話からなるRimar i somiar(詩を作って夢を見る)コレクションの1冊。人体、季節、動植物、発明、職業、街など多くのテーマを、カルメン・ヒルがウィットに富んだ音楽的文章で子どもたちにわかりやすく伝える。定評ある画家たちのオールカラーのイラストが、ページを感性豊かに彩る。

Béla Braun著『El cuerpo anterior』の表紙

前の体

El cuerpo anterior

ベラ・ブラウン

Béla Braun

Drácena Ediciones

思春期を終えたばかりのメキシコ人青年が、幽霊のように捉えどころのない女性に魅了され、その女性によって若き日のあらゆる願望を打ち砕かれ支配される。いわゆるゴシックロマンの典型的なストーリーの舞台を、ベラ・ブラウンは魅惑的な鋭敏さで21世紀の郊外に移し、狂気の愛の苦悩に満ちた波乱というよりも、主人公の感情が悲痛にも崩壊していくさまを描く。 前作『Solo que Marla no volverá(ただマルラは戻らないだけ)』(ドラセナ、2022)と同様、ベラ・ブラウンはひとりの女性の追跡を描く。しかし、前作が純粋なノワール小説であったのに対し、本作は舞台を現代の現実的な場所に設定している点で、ファンタジーの驚くべき再解釈となっている。この矛盾した試みは見事に成功し、本作に優れた独自性を与えている。

Salvador Vendrell Grau著『El cuervo y la serpiente』の表紙

カラスとMI

El cuervo y la serpiente

サルバドル‧バンドレイ‧グラウ

Salvador Vendrell Grau

Onada Edicions

ずるがしこさと権力、大切なのはどっち? 哲学者ラモン・リュイが考える、文学と人生の普遍的なテーマが描かれる。

Carmen Gil著『El deporte es divertido. ¡Elige tu preferido!』の表紙

スポーツは楽しい どれがすき?

El deporte es divertido. ¡Elige tu preferido!

カルメン‧ヒル

Carmen Gil

Feditrés empresa editorial S.L.

放課後、週末、夏休みや冬休み……。ずっと遊んでいられるって、なんて楽しいんだろう! 想像すればいくらでも遊びはある。どれが一番好き? 楽しくて創意に富んだ、身近な話題の10の子ども向けお話からなるRimar i somiar(詩を作って夢を見る)コレクションの1冊。人体、季節、動植物、発明、職業、街など多くのテーマを、カルメン・ヒルがウィットに富んだ音楽的文章で子どもたちにわかりやすく伝える。定評ある画家たちのオールカラーのイラストが、ページを感性豊かに彩る。

Natalia Sanmartin Fenollera著『El despertar de la señorita Prim』の表紙

世界でいち んすてきな村(セニWリー=‧プリムの目覚め)

El despertar de la señorita Prim

ナタリア‧サンマルティン=フェノリェラ

Natalia Sanmartin Fenollera

Dos Passos Agencia Literaria

示唆に富んだ広告に惹かれ、プルデンシア・プリムは、サン・イレネオ・デ・アルノイスにやって来る。この村は、住民たちが現代社会の影響に戦いをいどんでいる、魅力に溢れる小さな村だ。プリム嬢は、「肘掛椅子の男」の図書館を開設するために雇われた。「肘掛椅子の男」は、インテリで深みと教養はあるが、デリケートさのかけらもない人物だ。ボスとのたびたびの口論にも関わらず、彼女は少しずつ村独特のライフ・スタイルを知り、まったく型どおりではない住民たちの秘密に気づいていく。機知に富んだ聡明でみごとな語り口で、本書は失われた楽園、理性と美の力、些細なものの後ろに潜む深みを探求する忘れられない旅に読者を誘う。

ぼくがママを飲み込んだ日

El día que me tragué a mi mamá

デシレエ‧アランシビア=ロペス

Desiree Arancibia López

Gamusetes Editorial

ある日、ミロはママのおっぱいを飲んでいました。ところが、あまりに吸い過ぎたので、ママを丸ごと飲み込んでしまいます。ミロはママに会いたくてママを捜しに行くことにしました。自分自身を食べようとしますが失敗し、ママを出さなければならないと考えました。最初は鼻から出そうとしますが、うまくいきません。大きなおならで空中に噴き出すことでとうとうママを取り戻すことに成功しました。ママは喜びのあまり、ミロを食べてしまう勢いでキスの雨を降らせました。大きなおならをしたミロは、結局また欲しくなりました。おっぱいのおかわりちょうだい?

悪魔は我らにささやく

El diablo nos susurra

ゼルカル

Zerkkal

Tebeox Editorial

犯罪にまみれ罪悪感にさいなまれる生活を捨て小さな町にやってきたセリア。しかし、新しい暮らしは、隣家の不穏な音と匂いによって邪魔されることになる。彼女は元彼のポールを呼んで隣家の秘密を探ろうとするのだが、ふたりには大きな影が忍び寄っていた。亡霊となって今もなおつきまとう、彼らの共有する悲惨な過去。悪魔がささやく時、傷跡は開き、血はとめどなく流れていく。

剣に宿る神

El Dios que habita la espada

ホセ‧ソト‧チカ

José Soto Chica

EDHASA - Editora y Distribuidora Hispano Americana

568年、ローマ帝国から実質的に忘れ去られ、互いの間で争いを続ける多様で脆弱な民が住むイスパニアは、混沌と戦いが支配する危険な地であった。しかし侵略者である西ゴートのレオヴィギルドは、唯一の王とすべての民のためのただひとつの法律を持つ強く結束した王国を夢見ていた。ふたりの息子、ヘルメネギルドとレカレドのための平和な王国、イスパニアだ。初めは無慈悲で死を招く戦士ヴァルタリオだけが王のこの夢を信じた。王の周りは陰謀や背信や反乱が渦巻く。このような不穏な動きは、冷酷かつ頭脳明晰な彼の妻であるゴスヴィンタ女王からも見られた。彼女は彼女なりの計画を持っていたのだ。キリスト教の神とゴートの昔の神、所謂剣に宿る狂暴な神の間に位置することになったイスパニアは、混沌とした暗黒時代を過ごすことになる。

翡翠のFラゴン

El dragón de jade

フリオ‧サントス

Julio Santos

Xarpa Books

7歳以上を対象とした児童向け冒険シリーズ。色彩豊かなイラスト入りの120頁を超える本で、冒険、ミステリーなどが楽しめる。「やあ!僕はチャノ。双子の兄弟の名前はオスカル。このお話の始まりはどこだか知ってる? それはね、遠くはるかな中国の僧院なんだ。僧院の蔵の奥には翡翠で彫られた美しいドラゴンの像があったが、その伝説と共に何世紀もの間忘れ去られていた。ある日大きな地震があり、僧院に向かった救助チームが奇跡的に無傷なドラゴンの像を見つけた。最終的にはツインシティに持ってこられたんだけど、僕たちは何にもしていないのに800年もの間秘められていた謎に巻き込まれてしまったんだ。君もこの冒険に立ち会ってみない?」

Paula Cheshire著『El duelo』の表紙

喪失

El Duelo

パウラ・チェシャー

Paula Cheshire

Fandogamia Editorial S.L.

誰かが亡くなると、何が起こるのでしょうか? 確かなのは、正しい答えはないということです。生きている人々の間に残るものだけは知られています。虚無と不在に向き合おうとする、感情の渦です。本作では、パウラががんで母親を亡くした後の喪失のプロセスについて語ります。彼女はさまざまな段階を通じて、やがて痛みと共に生きることを学び、それをもう一度自分を突き動かす力に変えます。

David Monteagudo著『El edificio』の表紙

ビルディン.

El edificio

ダビ‧モンテアグド

David Monteagudo

Quaderns Crema

本書は、多くの片隅が認められる建造物だ。我々を金縛りにする恐れと不安の片隅に、我々を破壊しかねないやむにやまれぬ衝動の片隅。だがそれだけではなく、ゲームの喜びの片隅、持っているとは思わなかった、自分を大きくする内側の力を見つける片隅もある。ダビッド・モンテアグードが、書かずにいられなかった題材に立ち返った、非常にボルテージの高い短編集。読者は心をつかまれ、自分の姿をそこに認めるだろう。

Natasha Domanova著『El elefante con gafas』の表紙

めがねをかけたゾウ

El elefante con gafas

ナターシャ・ドマノバ

Natasha Domanova

Milenio Publicaciones SL

ゾウは珍しい動物ではない。でも、もしゾウがめがねをかけていたら、物語は面白くなる…そうだよね? めがねをかけたゾウがころんでしまい、ここから物語が始まる! クジャクの尾が遠くからでも見えること、鳥が飛べることはだれもが知っている。でも、それを持つ者を特別な存在に変えてしまう、見ただけではわからない隠れた力があるんだ。この物語を通して私たちは、外見は当てにならないこと、そして皆が持つ資質や能力はそれぞれ異なるものの、等しく価値があり特別だということを学ぶ。シンプルな物語で、繰り返しの構成を持ち、ブロック体の文字にとても楽しくて詳細なイラストが添えられている。多様性と協力の価値を学ぶのに理想的な本。

Ana de Eulate著『El encantador de pájaros』の表紙

鳥を魅了する者

El encantador de pájaros

アナ・エウラテ

Ana de Eulate

Cuento de Luz S.L

象徴に満ちた美しい物語が私たちに、今この瞬間に目を向けるよう誘いかけ、「人生は今ここにある」という力強いメッセージを伝える。謎めいた若い女性が、毎日自転車でパリの街を走り抜ける。仕事に夢中で、毎日休むことなくスタジオに通っている。彼女に笑顔をもたらすのは、愛猫マックスの鳴き声だけ。この物語の語り手は特別な存在。女性に目をとめ、思わずその足取りを追うなかで、何が起こっているのか気づく。やがてある日、全てを変える出来事が……。この美しい絵本がわたしたちに思い出させてくれるのは、本当に大切なのは今この瞬間、なぜなら人生は今ここにあるからということ。そしてそれを楽しむには、立ち止まって目を向け、周囲に注意を払う必要がある。優美で、精緻で、詩的な文章が、アール・ヌーヴォーを思わせる素晴らしい挿絵に包まれた力強い物語へと私たちを導き、読者を魅了してやまない。最後には、信じられないような驚きが待っている。特に、主人公である女性に。彼女はただ気づけばいい、あとは身を任せるだけ……。

Susana López Rubio著『El encanto』の表紙

ハバナ、エル‧エンカント百貨店

El encanto

スサナ‧ロペス‧ルビオ

Susana López Rubio

Editorial Planeta, S.A.U.

1950年代初頭のある朝、アストゥリアス出身の青年パトリシオがハバナ港に降り立つ。パトリシオは、内戦後でまだ暗い影に覆われたスペインの村を出て行きたい一心で、裸一貫だが一旗あげてやろうと意欲満々だった。 光に溢れたハバナの街は彼を温かく受け入れ、友人もすぐにできる。街の象徴であり誇りであるデパート「エル・エンカント」ですぐに仕事を見つけたパトリシオは出世し始め、より責任ある地位について新しい世界への扉を開くが、それは同時に、彼に対して多くの妬みを生むことでもあった。グロリアと出会ったのもエル・エンカントだ。誰もが認める絶世の美女のひとりだが、キューバ中で一番手を出してはいけない女性だった。なぜなら、彼女の夫はハバナの地下世界の冷酷なギャングだからだ。

Ignacio Peyró著『El español que enamoró al mundo』の表紙

世界を魅了したスペイン人

El español que enamoró al mundo

イグナシオ・ペイロー

Ignacio Peyró

Libros del Asteroide, SLU

今日のスペイン出版界を代表する書き手であるペイローが、フリオ・イグレシアスの評伝で初めてポップカルチャーに迫る。病をかかえてのデビューからヨーロッパやアメリカでの成功、そして最後にはネット上でからかいのネタになるまでの彼の人生を、父親、妻たち、子どもたちとの関係にも焦点をあてて描く。とはいえ、フリオ・イグレシアスの人物形成を語ることで、本書はスペイン社会の50年の歴史となり、フランコ独裁末期から現代に至る社会の変化を象徴する物語となっている。プラ、モーロワ、チェスタートン、エミール・ルートヴィヒの人物評伝の系譜に連なる本書は、ジャーナリズム特有の緊迫感と、文学だけが与えうる喜びを併せ持つ一冊である。

Domingo del Prado著『El estanque de las estrellas』の表紙

星の池

El estanque de las estrellas

ドミンゴ‧デル‧プラド=アルマンサ

Domingo del Prado Almanza

Comunidad San Juan Bosco Sociedad de San Francisco de Sales

人と社会の基本的価値をめぐる3幕の喜劇。小さなミゲルはおじいちゃんから贈られた魔法のあみを使い、池で7つの星をつかまえた。星たちはミゲルの友だちになり、人生のほんとうの価値を教えてくれる。優しさ、広い心、ねばり強さ、努力、平和、ゆるす心、喜び、期待、いとしい人たちの思い出、分かちあえること……。心あたたまる場面を通して、大事なことがほかにもたくさん見つかる。すべての人のための劇だが、特に青少年向け。

José de Cora著『El estornudo de la mariposa. Los Garbo contra Hitler』の表紙

蝶のくしゃみ ガルボ夫妻対ヒットラー

El estornudo de la mariposa. Los Garbo contra Hitler

ホセ‧デ‧コラ

José de Cora

EDHASA - Editora y Distribuidora Hispano Americana

1938年。ヒットラーにより世界平和は脅威にさらされていた。ナチスはどの国に対しても不滅の体制を誇っていた。だが、実際にはそうではなかったのは、ある意味、ガルボという偽名で知られるフアン・プジョルがいたからだ。ガルボは自信に満ち、更にはごまかし、大胆さ、尽きない想像力、人間的魅力などありあまるほどの長所があった。1940年、彼はそれまでで最も重大な決断を下す。ナチスを倒すまで闘うこと、しかもそれをドイツ軍の内側からしようというのだ。しかし彼はひとりではなかった。良家の生まれで美しくて強い娘アラセリ・ゴンサレスが妻となり、支えとなった。常軌を逸した、まったく非論理的な試みに思えた。しかしそうではなかった。アラセリのお陰で、後にガルボはヒットラーを欺いたスパイとして知られることになった。上質の文章とすばらしいユーモア感覚を備えた作者が、このふたりのスペイン人の物語を綴る。

Jordi Sierra i Fabra著『El extraordinario ingenio parlante del profesor Palermo』の表紙

パレルモ先生のす しいおし り機械

El extraordinario ingenio parlante del profesor Palermo

ジョルディ‧シエラ‧イ‧ファブラ

Jordi Sierra i Fabra

La Galera Editorial

20世紀の初め、ひとりの孤児が衝撃的な見世物を目の当たりにした。腹話術をする手品師が、金属の人形をしゃべらせ動かしている。しかし孤児は、手品だけではこの並外れた見世物は説明がつかないと思う。こうして孤児は手品師のパレルモ教授と出会い、100年もの歴史を見る特権を得た観客となり、想像もつかない最高の冒険をする。しかし、それには高い代償を払わなければならなくなる……。パレルモ教授とそのしゃべる金属の人形は、20世紀が始まろうとしていた時代、多くの人々を魅了していた。手品師と人形は神秘のオーラに包まれていた。ひとりの孤児だけが通り抜けられた守りのベールに。

Silvana Vogt著『El fino arte de crear monstruos』の表紙

怪物を創る絶妙の技法

El fino arte de crear monstruos

シルバナ・ボクト

Silvana Vogt

H&O Editorial

「モルテロスは簡単に理由もなく洪水になった」本書は、この一文から始まる。アルゼンチンのモルテロスの村の現実と、少女ビドリアの魔法のような想像力という二つの世界にまたがる、催眠術のように読者をひきこむ物語だ。水に漂う棺桶、屍のようなミラノ風カツレツ、世の終わりを思わせる牛、突然変異の少女たち、ハーレー・ダビッドソンと名乗る男等々は、モルテロスの日常における間違いない主人公の一部である。そんな中で、ビドリアが成長し、生きることを学ぶさまが、シルバナ・ボクトの制御不能の創意と豊かな語り口を通して語られる。子どもたちが楽しい夢、こわい夢を見るように、ボクトはいともたやすく、ユーモアと驚きに満ちたさまざまな心温まる場面をあざやかに結びつけてみせる。

Òscar Sardà著『El follet Oriol i l'illa de plàstic』の表紙

お のウリ7ルとプラスチックの島

El follet Oriol i l'illa de plàstic

オスカル‧サルダー

Òscar Sardà

Barcanova Editorial

おばけのウリオルとその友人たちは、とても心配な知らせを受ける。真珠捕りが住む遠方の島トムクがプラスチックのゴミに囲まれているというのだ。海の汚れによって、トムクの人々は潜水ができず、カメの生息が脅かされ、魚たちは深海に閉じ込められているのだという。島の住人や生き物たちの命が危機に瀕しているため、彼らは助けを求めることにした。リサイクルできないプラスチックの容器やボトル、袋が海にとどまり、地球の生命を脅かしているのだ。おばけのウリオル、アンショベータとノラは迷うことなくトムクの人々を助けるために冒険の旅に出る。

Maite Carranza著『El fruto del Baobab』の表紙

バオバブの実

El fruto del Baobab

マイテ・カランサ

Maite Carranza

Pontas Literary & Film Agency

ローラは将来有望な小児科医、39歳。恋人と別れたばかりだ。母親願望によって、最近自分の人生の意味に疑問を持ち始めている。診療で、ガンビア人で彼女より若く4人の子持ちのアミナタに会う。移民で、専業主婦。読み書きはできないが、観察眼のある誇りに溢れた女性で、自分が教えられてきた主義や伝統に疑問を持ち始めている。多分それは長女ビンタとのとげとげした言い争いが原因かもしれない。思春期で、反抗的で闘争心の強い少女ビンタはスペインで育ち、女性を永久に従順な立場に縛り付けている自分の家族の文化を拒否している。ビンタは優秀な生徒で、タブーを破り、大学に行くことを夢見、困ったことに白人の少年に恋してしまう。3人の女性、彼女たちの戦い、彼女たちがあきらめたものと手にしたもの。

Fernando Morillo著『El fuego de las sombras』の表紙

暗闇の火

El fuego de las sombras

フェルナンド‧モリーリョ

Fernando Morillo

Gaumin, S.L.

21世紀、君たちの世界。バスクの霊山アンボトを頂く土地に、ひとりの向う見ずな神が他の神々に先んじていた。夜の帝王ガウエコだ。他の神々はまだ眠っている。静かに! 死者を起こしてはいけない。彼らが目を開けないように祈れ。君たちの伝説時代よりずっと前、岩山には悪魔のような獣が住み、闇が夜を支配していた。霧の海の下を何世紀もの時が流れ、ダンスと闘いは血と泥に覆われた。やがて、時は過ぎ、彼らは忘れられた。今までは。 これらの忘れられた神々が再び目を覚まそうとしている。かつての彼らの存在を取り戻そうと渇望して。世界は、テクノロジーによる君たちの近代的世界は木端微塵になるだろう。闇の帝王ガウエコはチャンスを逃したくない。そして、古来より最高位の女神、恐ろしいマリが目覚める前に行動しなくてはならない。マリはガウエコの永遠のライバルなのだ。

Mike Lightwood著『El fuego en el que ardo』の表紙

ぼくを燃やす炎

El fuego en el que ardo

マイク‧ライトウッド

Mike Lightwood

Plataforma Editorial

ゲイとして生きることは難しい。ゲイであることの素晴らしさを語る映画や連続ドラマ? ありのままの君を好きでいてくれる、今風の同級生? 無条件にきみを支えてくれる両親? 全部嘘っぱちだ。現実はそんなに甘くない。少なくともこの物語の主人公にとってはそうだ。ありのままの自分を受け入れてくれない人々のせいで、まさに地獄に置かれている。だが、事態がどうしようもなく紛糾したとき、主人公はひとりの都会の少年と出会う。世界に対する見方がまったく違う、その少年に助けられて、主人公は選択をせまられる。人々の憎しみの炎で焼き尽くされるのか、それとも自らの灰の中からよみがえるのか。

Luna Miguel著『El funeral de Lolita』の表紙

ロリータの葬式

El funeral de Lolita

ルナ‧ミゲル

Luna Miguel

Penguin Random House

「あなたの耳に入っているかどうかわからないけど、ロベルトが亡くなったの」。こんなふうに始まる、かつての同級生ロシオのメッセージを読んだとき、エレナはドキッとした。文学の教師に恋をしたと気づいたあの日と同じように。今は彼の死、そして思い出と対峙しなければならない。エレナは死がどんなものか知っている(両親は、それぞれ全く異なる状況で亡くなった)が、ロベルトの死はすべての亡者を揺さぶる。エレナは毀誉褒貶相半ばするグルメ評論家だが、今は途方に暮れている。勤務している雑誌社からもパートナーからも遠く離れた故郷アルカラ・デ・エナレスにいると、思い出があふれて胃が重苦しくなってくる。遺体安置所ではロシオのほかに、ロベルトの妻ラウラがエレナを待っていた。ラウラはエレナに、ロベルトの日記を持っていてほしいとしつこく頼む。そこにはエレナの思い出とは異なる話が書かれている。エレナはその日記をどうするのだろう? 彼との想い出を作り替えるのか?

Carlos Poveda著『El gabinete del alquimista muerto』の表紙

死んだ錬金術師の実験室

El gabinete del alquimista muerto

カルロス‧ポベダ

Carlos Poveda

Círculo de Lectores, S.A.U.

パリはパーティーのようなもの。ベル・エポックの光が、アブサンとアヘンが自由に行きかう自堕落なモンマルトルやピガールの夜を照らしだす。しかし、路地や貧民街から離れたある上品な並木道で、斬首されたムッシュー・ボナンシューの死体が発見される。これといった手がかりも動機も見当たらなかったが、殺されたこの紳士には密かに情熱を傾けていることがあった。自宅の錬金術の実験室にこもり、賢者の石を求めて日々を過ごしていたのだった。偽りの外見、怪しげな化学式、他人の所有物に対する密かな願望が渦巻く中で、2つだけ確かなことがあった。人は死後、多くの驚きを暴露することがあるということ。そして隣人の正体は誰にも分からないということだ。 

David Blanco Laserna著『El galeón de oro』の表紙

黄金のガレオン船

El galeón de oro

ダビッド・ブランコ=ラセルナ

David Blanco Laserna

Oxford University Press España

ちょっと変わった宇宙海賊船の乗組員たち。厚かましくてすごくケチな女船長。唯一の目的は、古代エイリアン文明が建造した黄金のガレオン船を盗み、太陽系よりも巨大なブラックホール「グラン・トゥエルト(大隻眼)」に到達すること。この考えにとりつかれた女船長とその手下たちは危険に向かっていく。だが何もかも、期待通りにはいかない…。メーカー・フィロソフィーの考え方が詰め込まれたこの独創性あふれる一冊に、ユーモアとアクション、そして物理学、芸術、テクノロジー、生物学、工学、歴史、数学が融合。さあ、あなたも登場人物のひとりとなって、創造し行動しよう。

エル‧ガジネロ

El Gallinero

マリア‧ホセ‧フロリアーノ

María José Floriano

Kalandraka Editora

ヨーロッパ最大のスラム街カニャダ・レアル。社会からはじき出されたこの地区の中心を舞台に、子どもの素朴で優しく創造的な視線を通して、何千人もの人々の厳しい現実を文学に変えたのが本書だ。社会から排除された人々に焦点を当て、そこで暮らす子供たちの声を伝えて、何年も前から停滞している建物の一部撤去か集団移住かという問題を可視化した、大胆で危険な必読の書。この危険極まりない状況下で子供たちが過ごす日々をサーカスの曲芸に例え、その遊びの要素を、最も弱い立場の人々の生存と法の埒外の活動という大人たちの暮らしにまで広げるという比喩表現が際立っている。

César Lillo Gil著『El gato que no quería ser gato』の表紙

ネコになりたくなかったネコ

El gato que no quería ser gato

セサル‧リロ=ヒル

César Lillo Gil

San Pablo Comunicación SSP

El gato que no quería ser gato(ネコになりたくなかったネコ)、El secreto de Esmeralda(エスメラルダのひみつ)、Un héroe llamado Miraralcruzar(ヨクミテワタールという名のヒーロー)、El secreto de los dulces robados(ぬすまれたお菓子のひみつ)、El mercado de los jueves(木曜日の市場)の5編を収録したお話集。好奇心が強い、怖いもの知らずの主人公、子ネコのニエベが活躍するお話を通して、子どもたちは友情や自尊心、家族、年長者への敬意、分別、他者と分かち合うことの大切さなど、成長を助ける価値観を学ぶだろう。ニエベやその友だちの冒険を読んで楽しく、魅力的なイラストをながめて楽しい1冊。

Santiago Gil著『El gran amor de Galdós』の表紙

ガルドスの大恋愛

El gran amor de Galdós

サンティアゴ‧ヒル

Santiago Gil

Ediciones La Palma

ベニート・ペレス=ガルドスは愛情深い男だったが、結婚して同居することや婚約には生涯、縁がなかった。彼はガレー船の奴隷のように、書くために閉じこもり、どこか自分の分身のような登場人物たちを作り上げた。回想録の中で、1864年以前には特筆すべきことは何もないと言い切っているが、彼の人生を知る人々は、ペレス=ガルドスの存在全体に大きな影響を与えたマリア・ホセファ・ワシントン=ガルドス=テイトとの初恋のことを語るだろう。この小説では、フィクションとしてその恋物語を詳しく述べると同時に、心の傷のせいで、ガルドス自身が言う“キャラクターや出来事を作り上げる仕事に没頭”し、登場人物たちと永遠に閉じこもって生きる作家になったというのがどこまでフィクションなのかを語る。2020年はペレス=ガルドスの没後100周年記念の年だった。彼の仕事や人生について今後も多くのことが書かれるだろうが、このかなわぬ恋について話す者はほとんどいないだろう。

キッズヨ,の/レート‧ブック

El gran libro del yoga para niños y niñas

パウラ‧アクニャ

Paula Acuña

San Pablo Comunicación SSP

本書は子ども向けのヨガ・プラクティスや、最も一般的なアサナ(ポーズ)をステップごとに紹介している。巻末では、ヨガが健康にもたらすメリットについても解説。ヨガの5つの道は次のように色分けされている。オレンジ=ハタ・ヨガ(身体のヨガ)バランスを整える。グリーン=カルマ・ヨガ(無償の行為や奉仕のヨガ)活力を与える。レッド=バクティ・ヨガ(献身のヨガ)心の解放。イエロー=ニャーナ・ヨガ(知識のヨガ)注意力と集中力をもたらす。ブルー=ラジャ・ヨガ(瞑想のヨガ)安定をもたらし、心を落ち着かせる。

Antonio Montes著『El grito』の表紙

悲鳴

El grito

アントニオ‧モンテス

Antonio Montes

Ediciones Siruela, S.A.

とある4月の土曜日の夜明け、スペイン南部の小さな村。その家に住む老女が亡くなっているのを見つけた家人の悲鳴で家じゅうが目を覚ます。それから何時間かにわたって、家の扉が弔問客に開かれる。会話と中傷、家族と近所の人々、涙と再会、花と祈り、人、たくさんの人。良きにつけ悪しきにつけ、いやがおうにもつきあわざるをえない村人たちの人生が投影される。故人の孫カルロスとルイスは、雪崩のように押し寄せてきて、自分たちの個人的生活にわりこんできて、家族の秘密をあばこうとする人々をどうにかやりすごし、もちこたえようとする。 誰の人生にもある小さな悲喜劇を描いた物語。ヒーローも悪者も登場しない。笑いを誘うブラックユーモアと、優しさのあふれた感動的な場面が、絶妙に組み合わされた物語。

魔法使いのおじさん

El hado padrino

アナイス‧バランダ

Anaïs Baranda

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

ルシアは外見と中身が違うと感じている。髪は刈り込み、耳にはいくつもリングをつけ、男物の服を着ている。家族は兄弟ふたりと父親。母親は他界しており、形見にギターをもらったが、もう音が出ない。そこで、若い才能を発掘するコンテストに出ることにした。しかし、参加するにはギターと見栄えのよい衣装が必要だ。インターネットで探していると、魔法使いのおばさんを提供するサイトを発見した。冗談か何かだろうかと思いながらも申込書を送ったところ、翌日、部屋の中にカリストがいた。カリストは彼女の“魔法使いのおじさん”で、派手なピンク色の服を着ていた……。

Andrés Pascual著『El haiku de las palabras perdidas』の表紙

失われた言葉の俳句

El haiku de las palabras perdidas

アンドレス‧パスクアル

Andrés Pascual

Julio F - Yáñez Agencia Literaria, S.L.

1945年8月、長崎。カズオは、日本に住む西洋人の青年。ジュンコは美しい娘で、母親は生け花の師匠。俳句にふたりの恋愛関係の秘密を封じ込め、愛を誓い合うために、ふたりは丘の上で会う約束をする。約束の時間の数分前、原子爆弾が長崎の街を地獄絵図に変える。2011年2月、東京。スイス人建築家エミリアン・ザックの人生は崩壊寸前だ。国連のアドバイザーで原子力エネルギーの擁護者でもあるザックは、日本美術画廊の女性オーナーと知り合う。彼女は、先祖の昔の恋人を見つけたいという思いにとりつかれている。このふたつの並行する物語と、結末の驚くべき結びつきを通して、アンドレス・パスクアルは感動的なプロットを紡ぎ出し、現在に立ち向かい、自分で自身の運命を描いていくためには、過去の悲劇を自分のものとすることが大切であることを語っている。

Carlos Luria著『El hidalgo que nunca regresó』の表紙

二度と戻らなかった郷士

El hidalgo que nunca regresó

カルロス‧ルリア

Carlos Luria

Agencia Literaria Letras Propias

1615年のマドリード。バルセロナから到着したばかりの若者が、迷路のように入り組んだ凍てつく人けのない道を歩き回り、ようやく目的地にたどりついた。死期が近いひとりの老人が毎日通うみすぼらしい居酒屋だ。老人はミゲル・デ・セルバンテス、『ドン・キホーテ』の生みの親だ。若者は作家セルバンテスに謎めいた小さな古い櫃を渡すという使命をおびていた。櫃と引き換えに、セルバンテスは40年前の出来事を語らねばならない。亡命の途中でバルセロナに避難したおたずね者の郷士だった時のことを。このような書き出しで、セルバンテスの生涯で最も謎の多い時期のことが語られる。オスマン帝国の怒りにふれ、命をおびやかされてバルセロナで過ごした6日間。セルバンテスのその後の人生をすっかり変えることになった劇的な6日間だ。

Jon López de Viñaspre著『El hijo de Mamá Dana』の表紙

ママ‧ダナの息子

El hijo de Mamá Dana

ジョン‧ロペス‧デ‧ビニャスプレ

Jon López de Viñaspre

Lapislàtzuli Editorial

本書『El hijo de Mamá Dana(ママ・ダナの息子)』は、コロンビア・コーヒー地帯のもっとも奥深いところ、エンベラ先住民コミュニティの集落近くにある、山々に守られた小さな村を舞台にした小説。オランダ人らしくないオランダ人、ヒエロニムス・パーリングは、物語全体で4回登場し、事件現場、事件関係者、暴力と無処罰がはびこる状況、全員の上に垂れ込める沈黙を暴いていく。物語は、軍隊とゲリラ・グループの間の恒久的な戦闘中に数人のドライバーが犠牲になった不可解な殺人、そして住民の限界に近い生活という、悲劇的であると同時に魅惑的な現実へとわたしたちを連れて行く。登場人物はその独特の個性、風変わりな命の燃やし方ゆえに、ひとりひとりが、それぞれのやり方で周りの状況に立ち向かい、すべてを破壊し尽くす混沌とした世の中を生き抜こうとする。

Carlos Salem著『El hijo del tigre blanco』の表紙

ホワイトタイガーの息子

El hijo del tigre blanco

カルロス‧サレム

Carlos Salem

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

13歳になるまで、ぼくの人生にはなんの苦労もなかった。13歳と30日目の今、じめじめした見知らぬ部屋で、目隠しをされおんぼろの椅子に縛りつけられている。こんなこと、ぼくの年頃のだれにでも起こることじゃないのはわかってる。だけど、みんなはホワイトタイガーの息子じゃない。でも、ぼくはそうなんだ。

Luis Landero著『El huerto de Emerson』の表紙

エメルソンの畑

El huerto de Emerson

ルイス‧ランデロ

Luis Landero

Tusquets Editores

『Lluvia fina(霧雨)』の成功後、ランデロは自身の独特な人生の記憶と読書をたどり、この忘れがたい作品を書き上げた。エストレマドゥーラの村里での子供時代、マドリードにやってきたばかりの少年時代、働き始めた青年時代を、当時の物語や舞台背景とともに、現実世界と同じ情熱や貪欲さでもって見事に紡ぎあげている。ここに顔をのぞかせる現代の登場人物は、往時の人々のように、真実に満ちている。たとえば語り手の祖母のような家族を養っていた大変な働き者の女性たちや、寡黙だが、突然驚くような秘密を暴露する男たち。作者はこれらの人物を『ユリシーズ』や、カフカやスタンダールの作品の登場人物に置き換え、ユーモアと詩情、回想と魅力の比類なき融合のなかで、執筆と創作に関する輝かしい考察を行っている。

Jesús López Moya著『El iglú』の表紙

イグルー

El iglú

ヘスス‧ロペス‧モヤ

Jesús López Moya

Bookolia Editorial

小さな村の暮らしは、奇妙なイグルーの出現で混乱し、様々な疑問がわき起こる。心の目で見ることを学ぶための物語。無関心に慣れてしまった世界で、連帯を呼びかける。連帯や相手への敬意など、大切な資質を賛美する。文章も絵も細部まで行き届いた本で、親が我が子と、人間として大切なものについて話し合うのに最適。読んで、意見を出し合うための本であり、幼い読者の知的好奇心をかきたてる。

Manuel Moyano著『El imperio de Yegorov』の表紙

エゴロフの帝国

El imperio de Yegorov

マヌエル‧モヤノ

Manuel Moyano

Editorial Anagrama

1967年、パプアニューギニアの失われた部族ハムライ族を探す日本の調査団の一員である人類学部の学生イズミ・フクダは、不思議な病気に罹ってしまう。この些細なエピソードが、その後日本とアメリカで次々に起こる出来事、そして75年後にはついに全世界を真っ暗な悪夢に陥れる重大な連鎖の端緒となる。冒険、サスペンス、スリル溢れる政治的な駆け引き、社会風刺、SF、これら全てがひとつに詰まった本書は、大胆な技巧、独創的なストーリー展開、軽快なテンポで読者を驚かせる。「頑固者」と呼ばれる日本人医師のヤスタカ・マシムラ、宣教師のアーネスト・クバリョ、詩人のジェフ・ルシャン、女優のリリアン・シンクレア、警察官ウォーターなどの個性豊かな登場人物で奏でられるロックオペラ。

Javier Azpeitia著『El impresor de Venecia』の表紙

ヴェネツィアの印刷屋

El impresor de Venecia

ハビエル‧アスペイティア

Javier Azpeitia

Tusquets Editores

1530年、ひとりの若者が偉大な編集者アルド・マヌツィオの未亡人に近づき、亡夫の生涯に関する文章を見せる。真実の物語が、想像していた武勲とかけ離れていることは知られていない。マヌツィオはギリシャ文学の至宝の最高の版を作ろうと1489年にヴェネツィアに到着するが、手写本を盗まれたり、義父で印刷屋のトレサニに課金を要求されたり、若き妻マリアが入れ込んでいるエピクロス主義の流布に対して権力者の検閲が入ったり、想定外の困難に見舞われる。皮肉とそれとない学識をちょうどよく加えて、出版の黎明期の人物やニュースを取り入れて、危機の時代の狂気の街における出版ビジネスの誕生を見事に再現し、現代の出版界の課題を投げかける。

Ángeles Doñate著『El invierno que tomamos cartas en el asunto』の表紙

私た が首を っ ! 冬

El invierno que tomamos cartas en el asunto

アンへレス‧ドニャテ

Ángeles Doñate

Sandra Bruna Agencia Literaria

ポルベニル村に冬が来て、悪いニュースを運んできた。手紙が少ないため郵便局を閉鎖し、職員を異動させることになったというのだ。山の中でさえソーシャルメディアやeメールやWhatsApp(注:LINE と同種の通信アプリ)が勝ったようだ。村で唯一の郵便配達人であるサラはこの村で生まれた。3人の幼い子どもたちとここで暮らし、近所に住む、80歳になる老女ロサと多くの時間を共に過ごしている。ロサは、サラや子どもたちが辛い目にあわないため、一番大切な人たちの生活がくつがえされないためなら、なんでもする覚悟だ。だが、一介の老女に何をできるというのか? それは1通の手紙を書くというごくささやかなことだった。70年前から心にしまってあった手紙を……。

Albert Asensio著『¡El invierno ya está aquí!』の表紙

冬がきた!

¡El invierno ya está aquí!

アルベルト‧アセンシオ

Albert Asensio

Editorial Juventud

季節の移りかわりとともに森とその住人たちがどんなふうに変わるかを、リスのニンと一緒に発見しよう。ほかの季節との違いを見つけることができるかな? イラストの細部を観察しながら、1年の各季節がもたらす変化を発見して遊べる、2歳以上の子ども向け4巻本ボードブック。

Sofía Rhei著『El joven Moriarty: El misterio del Dodo』の表紙

ヤングモリアーティ1 ドードーの謎

El joven Moriarty: El misterio del Dodo

ソフィア‧レイ

Sofía Rhei

Nevsky Prospects S.L.

世界を旅していたテオドシウスおじさんが、とても変わった標本を持って帰ってきた。だれもが絶滅したと信じていた、ドードー鳥の標本だ。あいにくこの哀れな鳥には、多くの敵がいた。ジェームズ・モリアーティの父親が探検家のおじさんの帰還を祝って開いた盛大な歓迎パーティの招待客の数くらい。ジェームズ・モリアーティは活発でもなければ、世界一やさしくもない子どもかもしれないが、なにかに打ち込み始めると、なにがあっても立ち止まらない。ドードー鳥、ダーウィン、秘密を抱えた女性家庭教師、黒衣の小さな殺人者、水晶の目を持つ男爵夫人、どんなものでも食べられる美食家、アフリカの魔女、没落貴族、嘘つき女優、『不思議の国のアリス』の作者とアリス自身、そしてアフリカの巨大なカタツムリなど、様々な人や動物が登場するミステリー。

Sofía Rhei著『El joven Moriarty y la planta carnívora』の表紙

若きモリアーティと食虫植物

El joven Moriarty y la planta carnívora

ソフィア‧レイ

Sofía Rhei

Nevsky Prospects S.L.

ロンドンは謎と驚きに満ちた街だ。特に、行く先々で問題を探し出してしまう人にとっては。のんびりした休暇になると思いきや……。ジェームズ・モリアーティは大英博物館をおとずれ、さまざまなものと出会う。耳を疑うほどバイオリンがうまい子ども、巨大グモ、忌まわしい過去を持つ建物、正体不明の発明家、世界一大きな食虫植物、牙に強迫観念を持つアイルランド人青年、ロンドンのどまん中にある、入ると出てこられない熱帯のジャングル。人のいいジョン・ワトソンはトラブル続き。テオドシウスおじさんの秘密の日記がどうなったか、ジュール・ヴェルヌという名のフランス人はロンドンで何をしているのか、チャリティおばさんの家にいると言われているのはだれの幽霊か、知る方法はひとつしかない。ジェームズ・モリアーティ少年の冒険パート2、つまりこの本を読むことだ。

Sofía Rhei著『El joven Moriarty y los misterios de Oxford』の表紙

ヤングモリアーティ3 オックスフォードの謎

El joven Moriarty y los misterios de Oxford

ソフィア‧レイ

Sofía Rhei

Nevsky Prospects S.L.

どんな場所にも謎が潜んでいるものだが、秘密の博物館があり、一風変わった教授たちがいるオックスフォードの街ほど、謎だらけのところはない。ジェームズ・モリアーティは、ちょっとでも口実があれば、進んでやっかいごとに巻き込まれる傾向がある。だけど神出鬼没の女の子たち、いんちき学生、なんでも開く鍵束、空気を武器として使う容疑者たちと出会ったとき、やっかいごとが向こうから転がりこんできた。19世紀のいたずらっ子が活躍する、抱腹絶倒の新しいミステリー。

Víctor Sabaté著『El joven Nathaniel Hathorne』の表紙

若きナサニエル‧ハーソーン

El joven Nathaniel Hathorne

ビクトル‧サバテー

Víctor Sabaté

Rayo Verde Editorial

もうそれほど若くない作家志望の男。日々のルーチンと生活の糧を得る必要性から夢はあきらめざるを得なかった。ある日彼は、自分が若い頃に書いた古い原稿が盗作されているのを見つける。彼自身でさえ信じられない事を、他人に信じてもらうにはどうすればいいのか? 盗作の容疑者が150年以上前に亡くなった作家なら、事はとりわけ難しくなる。この小説は、文学の世界に深く入り込もうとする人々の欲求不満と苦難を読者に語りかけると同時に、文学の影響力、インスピレーション、そして盗作について考察する。ひとつの作品が出版にこぎつけるのがいかに難しいかを、質問、引用、自己言及ゲームを通して語る、非の打ちどころのない文章。ボルヘス、ビオイ=カサーレス、シルビア・オカンポ、バルガス=リョサ、ポー、メルビルなどの興味深いエピソードを交えながら、著者はこのありえないフィクションに信憑性を与えることに成功している。

Cuca Canals著『El joven Poe: El misterio de la calle Morgue』の表紙

若き日のポー1:モルグ街の謎

El joven Poe: El misterio de la calle Morgue

クカ‧カナルス

Cuca Canals

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

若き日のエドガー・アラン・ポーが養子縁組した家族と住む葬儀屋から2ブロック離れたボストンのモルグ街で、ふたりの女性が惨殺される事件が起きた。隣人のひとりが不当に容疑を受けると、ポーは警察でその無実を証明する。事件を担当するデュパン警部はホルマリンの入ったガラス瓶に入れられていた黒ずくめの服の死人の眼球に驚くとともに、隣人の無実を証明したポーの明晰さにも舌を巻く。真犯人をみつけるため、デュパン警部は彼に捜査チームに入るよう依頼。真犯人を突き止めれば、ポーは認められるだけでなく、実の父親を捜すために兄弟とダブリンに出掛けられるだけの報酬を得ることができるのだった。

Fernando San Basilio著『El joven vendedor y el estilo de vida fluido』の表紙

若き販売員と普通の生き方

El joven vendedor y el estilo de vida fluido

フェルナンド‧サン‧バシリオ

Fernando San Basilio

Impedimenta S.L.

イスラエルは、ラ・バグアダ・ショッピング・センター1階の、ある店の中にスペースを構えるショップの片隅で働いている。以前は夢想家で、現実離れしたことばかり考えロマンを追い求めていたが、今は違う。より良い人間になるというふれこみの1冊の自己啓発本を読んで以来、ごく普通の生き方をすることにした。だが、虚無主義にたどり着く運命にとらわれ、イスラエルは完璧なアンチヒーローとして、自らの破滅に立ち向かうことになる。狂乱の1日、ジョイスの『ユリシーズ』の地獄堕ちの章から抜き出したような、熱狂的でハチャメチャな、息つくひまもない展開の中で、ショッピング・センター(現実全体の鏡)が現代の私たちの遊び場に変わる。すべてが手に入り、全てが起こるその場所は、世界の完璧なメタファーである。

Francisco Javier Martínez Bernal著『El juego de la oca』の表紙

すごろく

El juego de la oca

フランシスコ‧ハビエル‧マルティネス‧ベルナル

Francisco Javier Martínez Bernal

Servicios Reprográficos Integrales, S.L.

1965年スペイン北部で不思議な連続殺人が起きたが、迷宮入りになった。忘れ去られた「ガチョウの道」をあえて歩こうとする者に求められた犠牲と直接関係があったかもしれない殺人事件。今、30年経って、同じことが起きる。あのいまわしいゲームをまた再び体験しようとする精神異常者を追うのはひとりの若い刑事。7つの試練、対決するふたりの男、実際のゲーム板。ゲームは始まった。

María Barbal著『En la piel del otro』の表紙

他人の皮膚で

En la pell de l'altre

マリア‧バルバル

María Barbal

Columna Edicions, S.A.U.

1971年初頭から現在までの、ふたりの若い女性の人生をたどる。ひとりはラモナ・マルケス。革命家に捨てられたとき、妊娠していた。もうひとりはミレイア・フェレル。トマス・フェレルという男の娘である。トマスは「記憶と自由協会」の設立者で、国外追放者の記憶を留めるために闘っている。ミレイアは潜入中の国家警察官マヌエルと結婚するが、性暴力を避けるため身を潜めなければならなくなる。一方ラモナは、孤独なシングルマザーに待ちうける運命に飽き足らず、自分の母親の物語をねつ造し、国外追放者だとして母親の情報を協会に登録し、自分の全人生を嘘で塗り固めていく。

Julio Moya Boix著『El Laberinto de Hawara』の表紙

ハワーラの迷宮

El Laberinto de Hawara

フリオ‧モヤ=ボッシ

Julio Moya Boix

Mary de Sojo Branding

ピラミッドは驚くべき建造物で、その起源は謎めいている。だがエジプトには他にも、知る人ぞ知るうっとりするような場所があるのだ。そのひとつがハワーラの迷宮。地中に埋もれた神秘的な構造物であり、そこには過去の大帝国にまつわる真実が隠されている。冒険好きのスペイン人考古学者ラウラ・ソウトと、その夫オマル・サリムは闇に沈んだその場所に隠された恐るべき秘密を発見しようとする。オマルはエジプト空軍に在籍していたヌビア人の元兵士であり、疲れ知らずの対テロ闘士だ。ふたりが繰り広げる波乱万丈の冒険を通して、著者は私たちを紀元前2600年の昔から現在に至る旅へといざない、歴史上名の知られた人物がいかにして迷宮に足を踏み入れたか、そこでどんな忌まわしい結末が彼らを待っていたかを語る。遠い銀河から我々を操る存在、ホルスの使者は実在したのか? さあ、ハワーラの迷宮で目がくらむような冒険を楽しもう!

David Lozano Garbala著『El ladrón de minutos』の表紙

時間泥棒

El ladrón de minutos

ダビ‧ロサノ=ガルバラ

David Lozano Garbala

Sandra Bruna Agencia Literaria

当局がカレンダーから1日を削除すると決定した。選ばれたのは10月6日、エドゥの生まれた日だ。突然誕生日がなくなったエドゥは、いつまでも10歳のまま。もちろん、そんなのおもしろくない。こういうことが起こるのは初めてじゃない(どうして2月は28日しかないんだ?)といっても、なんのなぐさめにもならない。そこで、エドゥは誕生日を取り戻すために闘おうと決心し、「禁じられた物の店」にかけつけた。途方もないことに挑戦するには、途方もない解決策が必要だ。そこでエドゥは「時間吸引機」を手に入れた。時間を1分ずつ盗んでいき、やがて丸1日を取り戻してくれる機械だ。簡単そうに思えたから、あとさき考えず、エドゥは時間狩りを始めたのだが……。

Luis Goytisolo著『El lago en las pupilas』の表紙

瞳の中の湖

El lago en las pupilas

ルイス‧ゴイティソロ

Luis Goytisolo

Ediciones Siruela, S.A.

グロリアとマルセルは、それぞれの家族の過去を辿りながら、リオフリオにたどり着く。過去スペイン内戦の騒乱に巻き込まれた、山あいの小さな村だ。リチャードはジャーナリストで、スイスの高級リゾート地ロカルノで開催される経済サミットに関するニュースを取材中だが、60年代にまさに同じ場所で結ばれた別の情事そっくりの官能的な体験をする。その過去の情事こそグロリアとマルセルを苦しめている問題の元凶だった。エル・モロは、今は立派な実業家で、遠い昔のリオフリオでの怪しい過去を消し去るための回想録を書きながら退職生活を過ごしている。交錯し、補いあう4つの物語の糸が、研ぎ澄まされた文体で、示唆に富み、ユーモアと不安に満ちた物語を紡いでいく。

きみの名前の長い夢

El largo sueño de tu nombre

アマイア‧オロリス

Amaia Oloriz

Editorial Txalaparta

1938年5月22日パンプローナ。「仲間たちよ、外に出ろ。俺たちは自由だ!」力強い囚人の声が刑務所の中庭に響いた。ホアキンは間髪をいれずに立ち上がり、ともに牢の床に座っていたトマスの体をゆさぶった。「行こう!」呼びかけて、セーターをひっぱり、立たせる。ふたりは第二旅団に属していた。彼らの牢は、サンクリストバル要塞の2階にあった。25平米あるかないかのその空間の壁にほとんど1日囲まれていると、精神がおかしくなりそうになる。誰かが牢屋の扉を開くと、囚人たちは階段に殺到して駆けおりた。ふたりははぐれないようにしながらほかの囚人たちに紛れ、「フランスへ! フランスへ!」と叫ぶ、誰のものかわからない声に導かれて、中庭をつっきって刑務所の入り口に向かって駆けた。

Edhasa著『Lazarillo de Tormes』の表紙

ラサリーリョ‧デ‧トルメス

El Lazarillo de Tormes

ホセ‧マリア‧ゴンサレス=セルナ

José María González-Serna

EDHASA - Editora y Distribuidora Hispano Americana

サラマンカのトルメス川のほとりでラサロは生まれた。ひどく貧乏で、小さなうちから自分で食いぶちをかせがなければならなかった。幸せな世界に生きているとは言いがたかったが、利口で機転のきくラサロは、なんとかして逆境を乗り越えていく……。こうして本書は、貧しさゆえに様々な主人の元を転々とし、飢え死にしないため知性を磨いていったひとりの少年の歩みを自叙伝の形で綴る。父はなく、まだほんの子どものラサロを母はひとりの盲人にひきわたす。盲人につきそい、手をひいて生計を立てるためだ。作者不詳のスペイン文学の古典をホセ・マリア・ゴンサレス-セルナが子ども向けに再話。カルロス・デ・ミゲルがこの版のために特別に描いた、印象的で楽しいイラストつき。

Almudena Grandes著『El lector de Julio Verne』の表紙

ジュール‧ベルヌを読む少年

El lector de Julio Verne

アルムデナ‧グランデス

Almudena Grandes

Tusquets Editores

ニノは9歳。父親は治安警察で、アンダルシアのシエラ・スル山脈の村に住んでいる。ニノは1947年の夏を忘れることがないだろう。その夏、ポルトガル人のペペという魅力あふれる男に出会い、父親のように治安警察官にはならないと誓って、ルビアス農場でタイプを習い始める。農場は未亡人と孤児たちの女だけの所帯で、山際の土地でなんとか凌いでいる。ペペやルビアス農場の女性たちとともに、ニノは冒険小説のおかげで新しい世界に出会い、誰も彼に話してくれなかった真実を知る。シエラ・スル山脈では戦いが起きていて、相手はセンセロ率いる山賊だということ。ニノは山賊たちを屈強な無法者以上の者とみなすようになり、最後には、なぜ父親が彼にタイプを習わせたがるのか、その理由を理解する。

秘密の言葉

El lenguaje secreto

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

マリア・テレサのことをクラスメートは奇妙な目で見る。生まれつき耳が聞こえないからだ。だけどセルマが転校してきて、初めての親友ができた。そしてそれから、すべてが変わった。週末をセルマと一緒に過ごすために、マリア・テレサはあるお願いをする。それ以来、人間の言葉を聞くための補聴器を外すと、動物の言葉がわかるようになった。だけどこれは、秘密にしている。

カンデラのライオン

El león de Candela

マリア‧カストロ

María Castro

Twin Brooks Press

カンデラはきょうだいや両親と住む4歳の女の子。動物が大好きだけど、ほんとうのペットは飼えないので、ベッドのなかはぬいぐるみでいっぱい。その中でも特にお気に入りなのがライオンだ。ライオンはどこへ行くにも一緒。なぜって、ライオンはカンデラのやることをそっくりそのままやりたがるから。いや、そっくり、そのまま……ではないけど。だってライオンは、おふろに入りたがらないもの! ライオンがバスタブに落っこっちゃったら、さあどうなる? 片時も離れない女の子とライオンのお遊びや、もしかしたらおふろに入るのはいいものかもしれないとライオンが思うようになる様子に、小さな読者は大喜びすることだろう。

Inma Muñoz著『El libro bombático』の表紙

最高に楽しい本

El libro bombático

インマ‧ムニョス

Inma Muñoz

Ocho en punto

本が大好きなエンマ。数日後に誕生日を迎える友人のセバスティアンに最高のプレゼント、つまり「最高に楽しい本」を贈りたい。問題は、そんな本がどんなものなのか誰も知らないことだ。ある日の午後、エンマはアリシアの本屋に行き、最高に楽しい本がないかと尋ねるが、アリシアはわけがわからず、エンマにどんな本なのか、何かヒントをくれるよう頼む。エンマが最高に楽しい本には恐竜が出てこないとダメだというので、アリシアは恐竜が出てくる素敵な本を何冊か見せる。でもエンマは考え込んだまま、最高に楽しい本には恐竜と……ダンサーが出てくるはずだと言う。驚いたアリシアは、ダンスに夢中な男の子の本を見せるが、エンマはそれがいい本だとは思えない。最高に楽しい本には、恐竜やダンサーや……他にもいろんなものが出てこないといけないから。ひどくややこしい話だけど、エンマはそんな不思議な本を見つけ、親友にプレゼントすることができるのだろうか?

Tania Berta Judith著『El libro de la magia blanca』の表紙

白魔術の本

El libro de la magia blanca

タニア‧ベルタ‧ジュディット

Tania Berta Judith

Fulgencio Pimentel Editorial

この本は奥義を示すような大げさなものでも、複雑なマニュアルでもない。むしろその反対で、自分や他人の人生をよいものにする、シンプルで常にやさしい魔法を紹介している。遊びから始まり魅了され、目がくらむ、ひとりでも、また仲間たちとでも、読者は魔法の一番簡単で愉しく、身近な部分に入りこむことができ、これまで、そして今現在も魔法が本質的に重要な部分を占める様々な文化を発見することになる。魔法によって、わたしたちは自分自身をよりよく知ることができ、また自分を取り巻く世界を理解し、世界との調和につなげられる。そして魔法は現在を解釈しやすく(未来も先取りしやすく!)してくれる、創造的で遊び心のあるプロセスの一部なんだということがわかるようになる。

Àngels Navarro著『El libro de la memoria』の表紙

記憶力の本

El libro de la memoria

アンへルス‧ナバーロ

Àngels Navarro

IMC Literary Agency, S.L.

本書は、とっつきにくい訓練プログラムをとりあげた学術書ではなく、遊びながら記憶力を鍛えるための一般書。読者が自分の記憶の弱点を知り、その弱点を強化するのに必要なトレーニングを自覚するための、記憶力を高めるさまざまなプロセス、作戦、テクニック、アドバイスを紹介する。あらゆる年代の大人向けの多数のゲームを収録。若い読者には、注意力や集中力や記憶力の強化に、中年の読者には記憶力を良好に保つために、高齢者には、認知症などのちょっとした症状をカバーするために役立つだろう。

Eva Manzano著『El libro de los culos』の表紙

おしり図鑑

El libro de los culos

エバ・マンサノ

Eva Manzano

NubeOcho

おしりについて、私たちはあまり知りません。この本を読んでおしりにまつわるあれこれを知れば、人間や動物のおしり、その種類やありとあらゆる色のおしりが存在することについて語り合えます! おしりがあることで、私たちはよりかしこくなるって知っていましたか? カタパルトおしりについて聞いたことがありますか? ふたつと同じおしりはなく、だからこそ、よく知ることが大切なのです。

死者の書:アニのパピルス

El libro de los muertos: El Papiro de Ani

ナチョ‧アレス

Nacho Ares

Ediciones de Arte y Bibliofilia

“最高の専門家らによる古代エジプトの旅” アニのパピルスを所蔵している大英博物館の協力によって、今までにない豪華な本書が生まれた。原文翻訳を担当したのはイギリスの探検家ウォリス・バッジ卿。それに加えてエジプトの名高い考古学者ザヒ・ハワス(Zahi Hawass)が序文を、スペインの有名な文筆家でエジプト考古学者ナチョ・アレス(Nacho Ares)が研究紹介を担当した。後世のあらゆる文明に影響を与えているエジプトの神話を巡るエキサイティングな旅は、300点以上のオールカラーの図版で構成される。盲人の祈りとは何か? 死者が審判を受ける際の心臓の計測は何から始まったのか? アニとその妻トゥートはどんな脅威に直面したのか? 詳細な説明や美しい画像、他の資料と比較することで、古代エジプト愛好家たちが今まで知りたくても知ることができなかった疑問に大いに答えている。

Clara Obligado著『El libro de los viajes equivocados』の表紙

間違った旅の本

El libro de los viajes equivocados

クララ・オブリガド

Clara Obligado

Páginas de Espuma

どんな旅も3つの領域で展開する。内面の旅、時間の中で進行する旅、空間を移動する旅だ。空間の旅は感覚を満足させ、時間の旅は経験を豊かにするが、人間を変えうるのは内面の旅だ。だが、人間は世界の行方を変えられるだろうか? 本作の登場人物たちは冒険に出発し、偶然に導かれて小さな物語がよせ集められ、しまいに全体の変転をもたらす。はらはらする螺旋のような語りを通してこれらの短編は、私たちが生きることになった複雑な世界に自問するよううながす。

Ricard Ruiz & Àlex Hinojo著『El libro de Morfeo』の表紙

モルフェウスの書

El libro de Morfeo

リカルド‧ルイス、アレックス‧イノホ

Ricard Ruiz / Àlex Hinojo

La Galera Editorial

LOS GUARDIANES DEL SUEÑO(夢の番人)シリーズの第1巻。学年末が近づいて、セレナは恐い夢を見る。両親は試験の緊張のせいだと考えたが、もっと不吉な何かが隠されていた。クラスメートのインソムニアの父親でレタルゴ医師と名乗る人物が、セレナと友だちのビルヒニア、ラウル、シモンを脅かす。自分たちの夢が現実の世界に影響を及ぼし始めたとき、四人は何か恐ろしいことが起きていることに気づく……。

César Sánchez著『El libro del futuro』の表紙

みらいの本

El libro del futuro

セサル‧サンチェス

César Sánchez

Fulgencio Pimentel Editorial

もし、15年前にあなた⾃⾝があなたに宛てて書いた⼿紙を受け取ったとしたら? もしその⼿紙の中に宝の隠し場所が記されていたとしたら? 今日の自分がどんなだったか、そして明⽇はどんな自分でいたいのかを、いつでも思い出せるように、未来のあなたが今のあなたに向けてこの本を送ってきたのかもしれない。 ・空欄に自分の生活などを書き込んで出版社に送れば、15年後、大人になったあなたのもとに送り返されてくる。つまり、この本⾃体がタイムカプセルというわけ。少年少⼥向けのアクティビティ・ブックで、全46ページにわたってふんだんに盛り込まれた創造的な提案は、読者に幼少期を正確に描写させることを意図したものだ。 ・この本の売り上げの1%は、タイムマシン製造に取り組む科学者ロナルド・マレット⽒の研究に寄付されることになっている。

茶の本

El libro del té

岡倉覚三

Okakura Kakuzō

Albur Producciones Editoriales

1906年に書かれた本書は、優れた禅の儀式である古典的な茶道に集約された文化的、宗教的、美学的な要素を見事に記述した詩情あふれるエッセイ。国民イラスト賞のイシドロ・フェレルが様々なテクニックを駆使して描いた花々(中にはお茶で色付けしたものも)やデザインは、世界的な文化遺産といえるこの原文が持つ豊かな味わいを際立たせている。『El libro del té(茶の本) 』は、実はほとばしる悲鳴だ。欧米の実用主義の乱入―20世紀の初頭に巨大な力を以って全てに侵入した―により、若い世代の人々が忘れ去ってしまった在りし日の生活様式の文学的な遺書なのだ。

Cristina Romero著『El Libro Dorado de los Niños』の表紙

男の子のための金色の本

El Libro Dorado de los Niños

クリスティーナ・ロメロ・ミラレス

Cristina Romero Miralles

Editorial OB STARE, S.L.U.

思春期を経て大人になる過程の男の子たちによりそっていこうと生まれた本。ここでいう男の子像、男性像はリアルで自然のままの、ステレオタイプに陥らないもので、涙で悲しみを表現するのも大歓迎。男の子は、これまで言われてきたのとは違う意味で強いのだ。筋肉を鍛え、たくさん賞を取ればもっと強くなれると思い込ませる社会の価値観や競争心などかなぐり捨てよう。文章と絵がたがいに響きあいながら、幸せになるための真の力とはなにかを解き明かす。それは本当の自分であること、自分の心に従って自尊心を持つこと。そして子どもたち自身がその一部であるまわりの自然を尊重すること。未来のために不可欠なものとして、子どもたちと自然とのつながりを強調する。これは大人の男性のための本でもある。もう隠しつづける必要のない、古傷を癒すのを手伝ってくれるからだ。

Cristina Romero著『El Libro Rojo de las Niñas』の表紙

女の子のための赤い本

El Libro Rojo de las Niñas

クリスティーナ・ロメロ・ミラレス

Cristina Romero Miralles

Editorial OB STARE, S.L.U.

思春期を経て大人になっていく過程の女の子によりそっていこうと生まれた本。詩的な文章とぴったりのイラストで、リアルで自然な女の子像を提示する。私たちの社会や文化が喧伝する、性別を過剰に意識した女の子像ではない。もっとやせていてもっとくびれた、今とは違う体になりたい、そんな願望を助長する本ではない。本書の目的は、無条件で自分を愛せるように手助けすることだ。ごく小さなうちから、ありのままではだめとおしりをたたかれる社会、男に選ばれるための服を着て化粧をした少女の広告があふれる社会では、それは至難の業だ。自分の心に従って本当の自分になれば、女の子は強くなれる。これはすべての女性のための本だ。子どものころの心の傷を癒すのも手伝ってくれる。

ミドルマネージャーの謙虚なリーダーシップ。物事を達成し、変革し、実現させる人たち

El liderazgo humilde de los mandos intermedios

ルルデス‧バサラ

Lourdes Bazarra

Narcea Ediciones

学校が単なるスペースでなくなってから随分経つ。新型コロナウイルスのパンデミックにより、学校は3次元、ハイブリッド、ユビキタスな空間へと加速度的に変化していき、今や予測不能性や不確実性に対する判断、解釈、解答や解決策の提供について学ぶ場となった。そういう状況に学校組織はどのようにすれば柔軟に対応できるのか? この課題に強い関心を有する熱意ある学校経営者たちは、学校組織というモデルが時代に追いついていないことを認識している。われわれはつながり、共有し、対比し、実行するという、コミュニケーションとアクションのネットワークをリードしなければならない。しかもそれを、能力と最適なソリューションを提供する、シンプルかつ明確で効率的な構造とすることも求められる。このネットワークマップにおいて重要な役割を担うのが、目的と人を結びつけるミドルマネージャーたちであり、彼らこそ教育現場を変える真の担い手なのだ。

Nere Besabe著『El límite inferior』の表紙

下限

El límite inferior

ネレ‧バサべ

Nere Basabe

Agencia Literaria Virginia López-Ballesteros

ある週末、寒波に見舞われた地中海沿岸の小さな町ラ・ソラナに4人の人物が居合わせる。ビクトルとバレリアは、結婚生活が破綻寸前の夫婦。商用旅行と言っているが、どうやら夫婦関係を終わらせに来たようだ。そして、職人のブレオガンと観光ガイドのブリジットは、この寒村に行きついて毎日路地を行き来するが普段決して出食わすことがない。第1部「風」は、外部から時ならぬ知らせをもたらす。第2部「潮」は、4人の登場人物の心の奥底をかき回す。時化と自動車事故とひとりの少年の謎の失踪が、不穏な空気に包まれて人生の淵に立つ登場人物たちの虚無あるいは不在に終止符を打つ。スペインのチルべス、ゴペギや、フランスのウェルベックを彷彿とさせるアンティミスム的プロット。

Fernando Figueroa Saavedra著『El libro de Angelina』の表紙

アンヘリーナの本

El libro de Angelina

フェルナンド‧フィゲロア=サアベドラ

Fernando Figueroa Saavedra

Editorial Minobitia / Minotauro Digital

17世紀のベネチア。思春期の少女アンヘリーナは両親の死後その身に危険が迫り、やむなく生まれ故郷を去ることになる。従順な召使ピエトロリーノと共にヨーロッパ、アフリカ、アジアの国々を渡り歩くにうちに女性としての自覚を持ち、性と愛に目覚めていく。また、それまで彼女に隠されていた謎の身分を解き明かす手掛かりを見出すことにもつながる。女性の町をつくったり、後に彼女の人生に大きく係わっていく不思議な人物たちとの出会いがあったりと様々な冒険が待ち受ける。エロティシズム漂う筆致で幻想と神話が混ざり合うユニークな歴史小説。著者自身が描いた魅力あふれる54点の挿絵が本書に色を添えている。史実の力に、芸術的な創造性とイタリアのコンメディア・デッラルテの特徴を融合させて、読者を感動させ楽しませる小説となっている。

Sònia Hernández著『El lugar de la espera』の表紙

待っている場所

El lugar de la espera

ソニア‧エルナンデス

Sònia Hernández

Acantilado (Quaderns Crema S.A)

「わたしたちとほぼ同時に生まれた民主主義と憲法は、誰もが望むものになる権利があるとうたっている。社会全体が合意し、わたしたちの願いと希望を守ろうとした。わたしたちは自分が望むものになろうとした。そのため、大人になったら何になりたいのかと、わたしたちは常に聞かれてきた」。一人称複数形で語られるこの群像小説では、登場人物たちが分かち合うのは、我々皆の代表者としての意見を超えたもの。つまり彼らは、同じ象徴的な場所で生きている。仕事をするとか決定を下すといった人生の重要な時、人生に意味を与える時を示す兆候を待っているがために、失われたとまでは言えないがさまよっている世代という、同じ場所で。

Lola Llatas著『El lugar invisible』の表紙

見えない場所

El lugar invisible

ロラ・リャタス

Lola Llatas

Obscura Editorial S.L.

街を離れ、姪のエステラと共にティエバナに引っ越すことを決めたとき、グラシアは新たな人生のステージの始まりに胸を躍らせていた。美しい手つかずの自然に囲まれたパソ・イナニスで、その家の家事をになうアンヘラとふたりの子どもと共同で生活し、寝たきりの老婦人ベラの世話をすることになっていた。 パソ・イナニスは小さな楽園であり、アンヘラは新しく来たグラシアとエステラを家族のように扱ってくれる。しかし、日が経つにつれ、その村の人びとには生と死が自然に流れていないことにふたりは気づき始める。ほどなくしてティエバナでの滞在は、超自然的な恐ろしい広がりをみせはじめる。パソ・イナニスはふたりにとって日増しに敵意を帯びた場所となり、ティエバナの村が大きな犠牲を要求するために彼女たちを呼び寄せたことを理解することになる。

うまく眠れない私(「不眠」)

El mal dormir: Un ensayo sobre el sueño, la vigilia y el cansancio

ダビッド‧ヒメネス=トーレス

David Jiménez Torres

Libros del Asteroide, SLU

第1回リブロス・デル・アステロイデ賞ノンフィクション部門受賞作「いつもよく眠れない。それは私の人生の重要な事実だ」筆者を含め、睡眠に悩む人の体験を語る本書はこの言葉から始まる。この本の不眠はいわゆる極度の不眠症ではなく、比較的普通の日常を送れてはいるものの、夜、昼、仕事、周りの人々などとの関係に影響を及ぼし、孤独や敗北、失望といった感情に向かわせる持続的な睡眠の問題だ。『El mal dormir(不眠)』はごく普通に起きるが謎だらけの不調に関する明解な思索で、睡眠に問題がない人に対して、不眠に悩む人が持つ知られざる側面を見せるとともに、不眠の人にとっては、知ってもらえることによるささやかな慰めを与えることを目的としている。

Marta Guillén Muñoz著『El maquillaje como profesión』の表紙

プロのメイク術

El maquillaje como profesión

マルタ‧ギリェン‧ムニョス

Marta Guillén Muñoz

Videocinco Editorial

昨今、プロのメイクアップ技術は最も求められるプロファイルのひとつであり、仕事としての活躍の場はテレビや映画などのAVメディアや写真の世界に限らなくなった。SNSが普及し、インフルエンサーが現れ、新しい高画質テクノロジーが登場したことで、イメージというものは大きく塗り替えられた。そうした中、メイクアップのプロは伝統的な技術を現代という時代のニーズに合わせて修正しなければならないという大きな課題を抱えている。本書には、HD(ハイデフ)化粧品からエアブラシメイクアップに化粧直し、さらには下地の重要性まで、スペシャリストが知っておくべき最重要ポイントが網羅された。作者は、それぞれのステップがどのように行われるべきかを、プロセスのいくつかを順を追いつつ例示しながら、明快かつシンプルそして実用的に説明している。

Patricia García Rojo著『El mar』の表紙

The Sea

El mar

パトリシア‧ガルシア=ロホ

Patricia García-Rojo

Fundación Santa María - Ediciones SM

ロブは津波で生き残り、今は屋根の上に住んでいる。白いコルク樫でできた船でトレジャーハンティングをし、ラナにぞっこん惚れている。新しい海の財宝を求めて遠征したときに、だれでもなりたい人に変身できる魔法の石を見つける。この発見で彼の人生はがらりと変わるが、同時にこの世には、見かけ通りのものなど何もないと気づくことになる。

Jordi Tomas著『El mar dels traïdors』の表紙

裏切り者たちの海

El mar dels traïdors

ジョルディ‧トマース

Jordi Tomàs

Edicions Proa

1864年、アントニ・リウボは医者として、ブリガンティン(2本マストの帆船)「モンセラの聖女号」の乗組員になる。アフリカ大陸を経由しバルセロナとアメリカ大陸を結ぶ交易船だ。シエラ・レオネに到着した時、この若い医者は彼らの船が奴隷商人によって支配されていることに気づく。航海を利用して何百人というアフリカ人をアメリカに運びプランテーションに売るのだ。医者はその事実に驚愕し、奴隷制度支持者たちの計画をボイコットするため、様々な行動を考え出す。

後ろに海

El mar detrás

ヒネス‧サンチェス

Ginés Sánchez

Fundación Santa María - Ediciones SM

運よく海を渡れたとしても、海は後ろに過ぎ去り、前には多くの店や汚れ、単調さや悲しみが横たわる。日々が同じように過ぎていき……ある日、それが一変する。そのとき君は店や行列や柵のはるか向こうに目をやるだろう。山々に。未来に。それを探しに行きたければ、探す理由を見つければいいだけだ。

Violeta Monreal Díaz著『El mar enfermo』の表紙

ぐあいのわるい海

El mar enfermo

ビオレタ‧モンレアル‧ディアス

Violeta Monreal Díaz

Ediciones Paraninfo

タティは海の番人。穏やかに暮らしていたが、ある日、人間たちが引き起こした海洋汚染によって、友だちの魚たちがいなくなっていることに気づく。この状況を変えるために、タティは人間たちの生活に介入することを決める。本書は8巻あるシリーズの第1巻。リズムの良い文章で、地球の番人と呼ばれる不思議な生物たちを通じ、子どもたちに環境を守ることの大切さ、その方法をおしえてくれる。地球の番人たちの仕事は、人間による継続的な汚染に苦しむ地球を守ることだ。各巻でひとつずつ、地球を脅かす問題を集中的に扱う。

Silvia Martínez Markus著『El mar no siempre es azul』の表紙

海は青いとはか らない

El mar no siempre es azul

シルビア‧マルティネス=マルクス

Silvia Martínez-Markus

Ediciones Palabra

16歳の誕生日に、ある秘密を発見したステリャは自分の運命を受け入れるしかなかった。だがその秘密はやがて、地中海沿いの村の穏やかな生活を根底から揺るがすことになる。成長には多くの責任がつきものだ。ステリャは友だちに助けられて、それに気づく。めくるめく冒険にのり出した彼女は、悪意に満ちた敵と戦うことになる。敵は、力を得てあらゆる海の生き物を奴隷にすることしか考えていない。さらにラブストーリーがからみ、だからこそ、ステリャは戦いつづけることになる。彼女の使命は、青い―いつも青いとはかぎらないが―未知の危険な世界で答えを探すことだ。

Soledad Romero Mariño著『El maravilloso libro de la vida』の表紙

生命の素晴らしい本

El maravilloso libro de la vida

ソレダッド・ロメロ=マリーニョ

Soledad Romero Mariño

Litera Libros

新しい生命は祝祭です。生まれたものすべては、宇宙に宿る計り知れない創造力の確かな証です。私たちはどうやって生まれるのでしょう? 生命が誕生するためにどんな条件が必要でしょうか? どんな種類の生殖方法があるでしょう? ウミガメが、自分が生まれたのと同じ浜辺に卵を埋めることを知っていましたか? ヒトデは、ちぎれた腕から新しい生命体を生み出せるって? あるいは、多くの植物が空に種子を飛ばしていることをご存知でしたか? とても激しい誕生の瞬間もありますが、その一方で、繊細で緻密な場合もあります。決まったルールはなく、ただ驚くべき自然の創意工夫と忍耐力によって繰り出される無限の多様性があるだけです。

Mar Cantero著『El matarratas』の表紙

ネズミ捕り

El matarratas

マル‧カンテロ

Mar Cantero

Nowevolution Editorial

「電気が消えるやいなや観客を座席に釘付けにする映画のワンシーンのように『ネズミ捕り』は登場した。目がくらむほどすばらしい小説。読者をとらえ、征服し、誘惑し、最後まで虜にする」と、Mandela(マンデラ)、Indian Express(インドエキスプレス、2011年アソリン賞)の著者ペパ・ローマ。 過去を乗り越えることは出来るのか? 母の病気によりアンヘルは、つれあいの女性と共に実家のある故郷へ向かう。幼年期を過ごした村は思い出に満ち、今なおトラウマとなって彼を苦しめるある秘密が蘇る。誰もがひとつは持っている決して人には言えない秘密。数年後、彼はインドに移り住み、人々の生き様や苦しみなどを見るうちに、自らの過去を受け入れ、生きる意欲を取り戻していく。

Juan Tallón著『El mejor del mundo』の表紙

世界一

El mejor del mundo

フアン・タリョン

Juan Tallón

Dos Passos Agencia Literaria

アントニオは、計り知れない野心を抱くガリシアの実業家である。これまで後を継ぐのを渋っていた、父親が設立した棺桶工場をついに引き継ぐと、経営方針を一変させる。トップ企業にのしあがろうと、高級部門に目を向ける。ヒューストンとメキシコシティに旅立ち、そこで常に心から欲してきた成功を手に入れる。しかし、成功に手が届いた途端、彼の夢は不可解な形で消え去ってしまう。スペインに戻ると、すべてが変わりはて、取り返しのつかなくなっているのを知り衝撃をうける。家族も、家も、友人も、仕事も、街も、世界も、そして彼自身でさえも、15日前に彼が旅に出たときと同じではなくなっている。何も意味をなさず、すべてが不可能に思える。一体何があったのか? いつ、どんなふうに現実は歪んでしまったのか? フアン・タリョンは、矛盾に満ち、容赦なく、暴力的だが時には優しくもある人物を通して、違和感の体験に切り込んでいく。道徳的限界をほとんど持たず、世界に馴染めない主人公は、誰もがみな時としてそうであるように、自分の周りで起こる多くのことを理解できていないが、困難を乗り越えるためにはそれに立ち向かわなければならない。波乱に満ちた過去を持ち、自分を嫌悪する父親と対立し、忌まわしい姓を背負うことになった主人公アントニオは、逆境に打ちのめされながらも耐え、必要なことを何でもする覚悟があるならば、人はあらゆる野心を満たしていくことができるという、生きた見本である。

Sheddad Kaid-Salah Ferrón著『El meu primer llibre de Relativitat』の表紙

はじめての相対性理論

El meu primer llibre de Relativitat

シェダード‧カイド-サラーフ‧フェロン

Sheddad Kaid-Salah Ferrón

Editorial Juventud

道を歩いているとき、時間はだれにでも同じであるように思える。私たちにも、すれ違う近所の⼈にも、モスクワの住⺠にも、⽕星の岩にも。けれども、アルベルト・アインシュタインは100 年以上前に、時間はどこでも同じに流れているのではなく、物体が移動する速さによって変わることに気づいた。だから、私たちが光の速さで移動できたなら、時間と空間について信じられないことが起こるのがわかるだろう。アインシュタイン博⼠の案内で、魅⼒あふれる相対性理論の世界を発⾒しよう。Mi primer libro de física cuántica(はじめての量⼦物理学)の執筆陣が⼿がけた本書は、時間の膨張、⻑さの収縮、質量の増加など、⼀⾒複雑な問題を、わかりやすく明快に解説する⼊⾨書の決定版。

空飛ぶトイレットペーパーの謎。クルトン姉妹3

El misteri del paper de vàter volador

アンナ‧カベサ

Anna Cabeza

Editorial Casals

クルトン姉妹シリーズの3冊目。ユーモアと現代への警鐘に満ちた新しい冒険の始まりだ。クルトン姉妹は世界最大のおばあちゃん調査員の大会、インターナショナル・グラニー・ディテクティヴ・カンファレンスに出席するためニューヨークへ行かなければならなくなった。プラザホテルは有名人でいっぱい。イタリアのティアトラッポ姉妹、日本のアキ・メケド、そしてなんと、かのドナルド・トロンパソまで。騒々しい中、ある謎めいた出来事が起きた。ホテルのトイレットペーパーが理由もなく消えたのだ。クルトン姉妹と孫のマルセロ、マルセロの新しい友人マックスは手がかりを追う。犯人はだれだろう? アンナ・カベサが文を書き、トニ・バトリョリがイラストを描いた本シリーズは1万5000部以上を売り上げ、4言語に翻訳されている。シリーズ4作目は2022年2月に刊行。

Susana Vallejo Chavarino著『El Misterios de Arlene』の表紙

アルレーFの謎

El Misterio de Arlene

スサナ‧バジェホ=チャバリノ

Susana Vallejo Chavarino

Ediciones Diquesi

もし親があなたを、友だちからも住む街からも遠い寄宿舎に入れたとしたらどんな気持ちになると思う? そうなったとき、13歳のわたしは、恐れと怒り期待をいっぺんに感じた。カメリアス校の門をくぐったとき、2度と出られない場所に来てしまったような感覚に襲われた。だけどそのあとは、うん、そんなに悪くなかった。ベアやベルトと知り合い、そしてわたしたちはやっかいごとに巻き込まれた。たとえば、寄宿舎で取引しているドラッグの売人を見つけたとか……。アルレーネという最高の友だちができたのも悪くない。どこにでもいそうな普通の女の子なんだけど、ただ、えーっと……、死んでるの。つまり、幽霊ってわけ。1977年にカメリアス校で死んでしまって、そのときのことは何も覚えていないんだって。なんだか、たくさん秘密があるみたい。そして、彼女だけじゃない。だってカメリアス校って秘密がいっぱいなんだ。わたしといっしょに、冒険してみない?

Josep Lluis Badal著『El misterio de la luna』の表紙

月の謎

El misterio de la luna

ジュゼップ‧リュイス‧バダル

Josep Lluis Badal

La Galera Editorial

満月の夜、シャーロック・ホーム寄宿学校でフェルナンドは不思議なことにとても小さな子犬のホピを見つけます。バルビナと一緒に、二人は若くてまだ経験の浅いですが、とても勇敢な探偵チームを結成します。彼らは恐ろしい教師サラミとシビウダに立ち向かい、消えた下着の謎を解明しなければなりません。果たして彼らは成功するのでしょうか?

Carmen Gil著『El misterio de la sonrisa de Lucas』の表紙

ルーカスのほほえみの不思議

El misterio de la sonrisa de Lucas

カルメン‧ヒル

Carmen Gil

Triqueta Verde

遠くのある町では、マーガレット畑や雲のない空よりも大きな不思議がある。それは、昼も夜も、夏も冬も、一年365日、うるう年には366日、ルーカスの顔に浮かんでいるほほえみだ。世界中から科学者たちがやってきて調べるが、そのほほえみの理由がわからない。ルーカス本人にもわからない。彼はただ日々を楽しんでいるだけなのだ。でも一日の中で、彼のほほえみが特別な輝きを放つときがある。クマの鳴き声のようにぶつぶつしゃべる気難しい老人が、住んでいる青い家から出てくるときだ。ルーカスが老人と共に過ごす時間、ふたりの間に醸し出される幸せな、あたたかい空気は、気難しい老人の心にまでたどり着けるルーカスの能力を示している。面白さと愛を組み合わせた新鮮なストーリーは読者に、人生における大切なことを考えさせてくれる。

Esteban Martín著『El misterio del lago Ness』の表紙

ネス湖の謎

El misterio del lago Ness

エステバン‧マルティン

Esteban Martín

Grupo Editorial Bruño

ホルヘは英語を上達させるためにスペインからスコットランドの地へ行き、ネス湖の近くの村の農場でホームステイしている。日々はおだやかに過ぎていくかに見えたが、間もなくホルヘや友だち、ホルヘが好きになった女の子のアナベラの身の安全をおびやかす謎に巻き込まれる。湖に住む怪物の伝説に加え、おかしな行動をとる村人もいる。家族全員がつけている奇妙なブレスレットは何か? 幾人かの村人たちが明け方にしている秘密の儀式は何か? 湖の中で動いているものは何か? そして何より、なぜアナベラはこの頃自分を避けようとするのか? 危険な冒険と古くからの伝説、人に明かすことのできない秘密の物語。

Anna Llenas Serra著『El monstruo de colores』の表紙

カラーモンスター

El monstruo de colores

アンナ‧リェナス

Anna Llenas Serra

Editorial Flamboyant

いろんな気持ちがごちゃごちゃになってしまったことはない? このお話の色いろモンスターはそんなふうに気持ちがこんがらかって、喜び、悲しみ、怒り、恐怖、冷静さを整理することを身につけなくてはならなくなる。表現力豊かなイラストレーションで、子どもが1日のあいだに体験するさまざまな感情を簡単に見つけられる。スペインの学校では、3~5歳のこどもたちの感情教育をするのに欠かせない本となった。また、国際連合人権高等弁務官事務所の協力のもと、NGOシンク・イコールによって選ばれて世界じゅうの学校で導入される感情教育プログラムに採用されることになり、2018年はスリランカで試験的に使用される。

追い出された怪物

El monstruo desterrado

オクタビオ‧フェレーロ

Octavio Ferrero

Iglú Editorial / Kalosini S.L. (Grupo editorial Olé Libros)

オオカミや熊、鳥、小鬼やヒキガエルを怖がらせる怪物、ましてや子どもたち、王女さま、お年寄り、犬や猫などは震えあがるような怪物が、機嫌の悪い男の子に部屋から追い出されるなんて想像できる? これはそんなお話。主人公の怪物がお腹をすかせ、靴もなく寒さに震えながら町をさまよう羽目になり、途方に暮れてつぶやく。「怪物が追い出されるなんて話、どこにある?」

Jorge Franco著『El mundo de afuera』の表紙

外の世界

El mundo de afuera

ホルヘ‧フランコ

Jorge Franco

Casanovas & Lynch Literary Agency

イソルダは、奇妙だが魅力に満ちた城に閉じこもって暮らしている。城はメデジン市にあるのだが、個性豊かな市民が暮らすこの町とは無縁だった。十代の少女イソルダにとって、城の中の雰囲気は現実からかけ離れて重苦しく、城の周りの森だけが彼女の孤独を癒してくれるのだった。しかし、目に見えない外界の脅威は、城のまわりの木々の枝の間から忍びこんでくる。ホルヘ・フランコが緊張感を見事に操りながら作り上げた、怪しい雰囲気をたたえたおとぎ話は、やがて常軌を逸した誘拐の物語となる。城という要塞の内外で、御しがたい怪物とも言える恋が強迫観念となり、増長し、凶暴化して報復心を煽る。死を運命と受け入れるしか、逃れるすべはなさそうだ。

失われた博物館

El Museo Perdido

マリナ‧サエス

Marina Sáez

MTM Editores (Metafísica del Tercer Milenio Editores, S.L.)

わたしたちが無くしていったものすべてを見つけることができたら素晴らしいと思いませんか? 1995年に、ある少女は左手の手袋を無くしました。少女が手袋を捜していると、すべての紛失物が行きつく所、〈失われた博物館〉に出くわしました。博物館は何階もある建物で、すてきな部屋がたくさんあり、二度と見ることができないと思っていた物であふれています。さあ、中に入ってください。でも、迷子にならないでね!

穏やかな挫折

El naufragio sereno

アルバ‧フェレテー

Alba Ferreté

Ediciones Urano, SAU

人生の危機は、うまく導くことですばらしいものとない得る。現実の挫折に伴う精神的な苦痛や空虚さの下には、自らの内面を見つめ、内なる革命を実行する可能性が秘められているのだ。失われた何かが人間関係であれ、仕事であれ、物質的なものであれ、あるいは長いこと抱き続けた夢であれ、違いはない。われわれは、失うことは永遠の罰ではないとわかっているので、被害者意識、感情的依存、考えすぎといった状態から、信頼感、平穏、心の中の自由へと気持ちを移行させることが可能だ。つらい思い出からの解放が常にそうであるように、挫折を穏やかなものにするには信念と勇気を要する。トランスパーソナル・マインドフルネスの認定コーチであり、コンサルタントでもあるアルバ・フェレテーは、本書において、人生における危機をより深く穏やかに生命とつながった状態で、新たな自分に向かう道へと変化させるために、彼女自身が用いた解決策を紹介する。

Joan-Lluís Lluís著『El navegant』の表紙

航海者

El navegant

ジョアン=リュイス‧リュイス

Joan-Lluís Lluís

Fishing Talent SL (Asterisc Agents)

この冒険小説の主人公は、好奇心があり、未熟だが、超自然的とも言える特異な才能を持つところがみなと違っている。また、世界の言語に無限の情熱を抱いている。19世紀半ばのペルピニャンに住む主人公は、その才能と情熱のせいで想像もしていなかった道を歩み、普仏戦争とコミューン革命のさなかのパリに行きつく。その後冒険の風にのって、はるか遠いニューカレドニアに至る。植民者と先住民のはざまで主人公は何度も試練にあう。故郷からも恋人からも遠く離れた場所で主人公は、ありとあらゆるトラブルをもたらすばかりの才能など、なんの役にたつのかと自問する。クラシックな冒険小説と文学の間を行き来しながら、稀な才能を持つカタルーニャの若者の特別な旅を語る。

Fernando Aramburu著『El niño』の表紙

子供

El niño

フェルナンド・アランブル

Fernando Aramburu

Tusquets Editores

1980年に実際に起きた事故に着想を得た作品。繊細かつ共感に満ちた筆致で描かれた悲劇であると同時に、愛と回復と克服の物語でもある。定年退職したニカシオは、毎週木曜日に故郷の墓地を訪れ、国中に衝撃を与えた爆発事故で犠牲となった多くの子供のひとりである孫の墓参りをしている。忘れがたい人物ニカシオと、何年もを経てからの子供の母親の証言を通して、悲劇がいかに彼らの人生を永遠に変え、知られざる側面を暴きだしたかが明らかになる。予期せぬ感情と、心理的・文学的探求、そして密度の濃い感情にあふれた物語が、登場人物たちの運命を理解させ、感動を呼ぶ。

小さな哲学者

El niño filósofo

ジョルディ‧ノメン

Jordi Nomen

Arpa y Alfil Editores

子供たちは驚嘆するという素晴らしい能力と尽きることのない好奇心を持っている。そのふたつが彼らを小さくて偉大な哲学者に変える。哲学的思考は子供たちを責任ある積極的な市民に育てるが、家庭や学校でその思考を深める重要なツールとなるのが本書だ。前半では、子供たちの個人的あるいは社会的な知的発達を助ける哲学教育のメリットを説く。後半では、西欧の大思想家が遺した12の重要な問題を取り上げ、批評や対話、ゲームや想像力を通して、家族や教師が子供たちと共にその問題に取り組むための実践的方法を提案する。

José Antonio Jiménez Barbero著『El niño que no quiso llorar』の表紙

泣きたくなかった少年

El niño que no quiso llorar

ホセ‧アントニオ‧ヒメネス‧バルベロ

José Antonio Jiménez Barbero

Ediciones Dokusou

また鏡の前に立ち、また同じことを考える。自分の命を絶つこと。握りしめたこぶしの中には母親の睡眠薬。学校の同級生がつくる地獄から逃れられるたったひとつの希望。この世につなぎとめているのは妹のテレサへの愛だけだ。学校で何年間もいじめられ続けてきたサンティアゴは自分自身の影となった。そんなとき、ルシアが転校してくる。ちょっと風変わりで、他の子たちとは違っている。彼女は、サンティアゴのいる冷たく荒涼とした世界から彼を救い出し、笑顔を取り戻す希望をもたせてくれる。だが学校ではいじめが続き、いじめグループのボスであるナチョはあの手この手で絶えずサンティアゴの心を折ろうとしてくる。自分は屈しないと決心したサンティアゴは、けっきょく、自分がもっとも嫌うものになっていく。

Pere Marti著『El niños y el pueblo perdido』の表紙

少年と消えた村

El niño y el pueblo perdido

ペレ‧マルティ

Pere Marti

Ediciones del Serbal

スペイン内戦は終わった瞬間から、文学のインスピレーションの源となってきた。本書も内戦をテーマとした作品のひとつ。具体的には、エブロ川の戦い、特にラ・ファタレリャ山中の戦闘から想を得たもの。本書の特徴は、登場人物は実在の人物だが、小説風にアレンジされていること。特定の地方のことを描きながら作品世界は普遍的で、だれでも共感できる。だれひとり無関心ではいられない物語。

Aina Li著『El noi del bus』の表紙

バスの男の子

El noi del bus

アイナ‧リー

Aina Li

GRUP 62, S.L.U.

ディアナは毎日学校が終わると、バスで家に帰る。とある午後、すごくハンサムな少年と隣り合わせた。彼は次の停留所で降りなければならず、名前も電話番号も告げあわずに別れる。しかし、ふたりは偶然再会し、ある約束のもとでデートするようになる。ひと月は名前を教えあわず、バスの男の子、バスの女の子と呼び合おうという申し合わせだ。

Sergio Llanes Romera著『El ocaso de los normidones』の表紙

ノルミドンの落日

El ocaso de los normidones

セルヒオ‧リャネス‧ロメラ

Sergio Llanes Romera

Ediciones Dokusou

アウリアとスフォルツア王朝は自国の元老院内部で沸き起こる反逆を警戒している。帝王の命を狙う陰謀に加担する一族もあれば、変わらず忠実な一族もあり、混とんとした戦闘状態が引き起こされて、派閥同士の対立が勃発する。一方、帝王の安全保障を担当するノルミドン警備隊はどうやら消えゆく運命にあるようだ。3000年以上にわたって帝国を維持してきた王朝も、また。そこで血統を守ることが優先事項となった。それはノルミドンのファビオ・ベルトゥッチのみならず、歴戦の傭兵マキシモ・エレアサールにとっての大義である。一見、いくつかの二次的なストーリーに支えられて主要な筋書きが成り立っているようだが、これらのサイドストーリーがやがて暴力的な闇の勢力の謎めいた地下世界へとつながっていく。

ポリュKモスの目

El Ojo de Polifemo

フアン‧ラモン‧バラット

Juan Ramón Barat

Grupo Editorial Bruño

16歳の少年サムエルが主人公の探偵小説。サムエルは家族の事情で、探偵事務所を経営している叔父のフアン・ドミンゴのもとに一時的に身を寄せ、叔父の新しい事件に協力することになる。ふたりで一緒に捜査するうちに、ラ・マンチャのワイン醸造家が高価な宝石〈ポリュペモスの目〉を盗まれたことを発端とする、張り巡らされた陰謀に気付く。事件にかかわりがあると見られるのはダミアン・ロメロという行方不明者とその同僚たち、古美術商、宝石商、骨董品を集める女性とその甥。捜査に明け暮れるなかで、サムエルはアイスクリーム店で働く同い年の少女アンドレアに恋をする。次第にサムエルは叔父を慕うようになり、ふたりは特別な絆を築く。

波の匂い

El olor de las olas

ロベルト‧コラル‧モロ

Roberto Corral Moro

Grupo de Comunicación Loyola, S.L.U.

「年寄りになっても在りし日の子どものままだわ」自嘲を込めて言った。この小説『El olor de las olas(波の匂い)』の主人公アウロラの台詞だが、誰にでも当てはまる言葉だ。『El olor de las olas(波の匂い)』は他でもない思い出の匂い。ちょっとした言葉やコーヒーを入れたカップを包み込んだ感触、自転車で行った散歩、ひとかけらのケーキ、その時々に私たちの心に永遠に刻まれた思い出。『El olor de las olas(波の匂い)』はある女の物語であるが、それは直ぐに自分の物語となる。なぜなら、アウロラの人生も、私たちの人生も、基本的にすべての人生に大差はなく、愛、希望、情熱、友情、悲しみ、喜びといった感情は誰の中にも存在するのだから。生きることになった場所や時は単なる心の覆いに過ぎない。ページ毎に自らの姿を見ることになるだろう。

Iria G. Parente著『El orgullo del dragón』の表紙

ドラゴンのプライド

El orgullo del dragón

イリア‧G‧パレンテ

Iria G. Parente

Nocturna Ediciones, S.L.

イリア・G・パレンテ(1993年生)とセレーネ・M・パスクアル(1989年生)はそれぞれマドリードとビゴ出身の若い女性作家。主な作品に『Sueños de piedra (石のゆめ)』(Nocturna、2015-当サイト2016年紹介作品)、『Alianzas (契約)』(La Galera、2016)、『Títeres de la magia (魔法のあやつり人形)』(Nocturna、2016)、『Rojo y oro (赤と金)』(Alfaguara、2017)、『Encuentros (出会い)』(La Galera、2017)、『Ladrones de libertad (自由の泥棒たち)』(Nocturna、2017)、 本書『Antihéroes (アンチヒーロー)』(Nocturna、2018)、『Jaulas de seda (絹の檻)』(Nocturna、 2018)、『Despedidas (別離)』(La Galera、2018)、『El Orgullo del Dragón (ドラゴンのプライド)』(Nocturna、2019)、『Reinos de cristal (ガラスの王国)』(Nocturna、2019)がある。

シロクマと小さな$リ

El oso blanco y la hormiguita

ホセ‧フェデリコ‧バルセロナ=マルティネス

José Federico Barcelona Martínez

Iglú Editorial / Kalosini S.L. (Grupo editorial Olé Libros)

猛吹雪の山の中でひとり迷子になった小さなアリはどうすればいい? 冬眠したシロクマが何度も目を覚ますのはなぜ? シロクマと出会って安らぎと温もりを見つけた小さなアリの美しい物語。けれども最悪の状況で見知らぬ場所にやって来たアリにとっては、寒さから逃れ、手厚いもてなしを受けるだけでは不十分で、連れ添い、認めてくれる存在が必要だった。『El oso blanco y la hormiguita(シロクマと小さなアリ)』は、助けること、庇護すること、受け入れること、強い者と弱い者や持つ者と持たざる者のあいだの友情や友愛といった、基本的な価値観を伝える寓話だ。それと同時に、楽しいイラストでより一層説得力を持った語りを通して、言葉の発達と意識や身体イメージの形成を助ける。

Ana Campoy著『El paracaidista』の表紙

落下傘兵

El paracaidista

アナ・カンポイ

Ana Campoy

Las afueras S.L

『El paracaidista(落下傘兵)』は、記憶についての、そして暴力がいかに時と世代を超えてとどまり拡大していくかについての物語だ。 アナ・カンポイは、魔法と古い寓話を用いて、女性たちの脆弱性を浮き彫りにする小説を書き上げた。内戦後まもない荒々しい時代を舞台に、強いられた沈黙にもかかわらず、野原に広がり、家々の内部で響き渡る母たち、妻たち、娘たちの声を私たちに伝える。 そんな忌むべき状況下、ある村の郊外に予期せずして落下した落下傘兵が、登場人物たちの運命を変え、過去と現在の間に隙間を開き、未来への唯一の可能性を忍びこませる。ロルカやアナ・マリア・マトゥーテを思わせる筆致で、アナ・カンポイはアラクネの神話を再解釈し、タペストリーのように様々な筋を織り込んでいく。

Ricardo Cano Gaviria著『El pasajero Walter Benjamin』の表紙

旅人 ヴァルター‧ベンヤミン

El pasajero Walter Benjamin

リカルド‧カノ=ガビリア

Ricardo Cano Gaviria

Ediciones Igitur S.L.

ヴァルター・ベンヤミンが、1940年9月26日、国境の村ポルボウで自殺する前の最後の24時間を語った小説。

ニーナ‧シモンのピアノ

El piano de Nina Simone

デイビッド‧アセイトゥノ

David Aceituno

Norma Editorial, S.A.

ニーナ・シモンの情熱的な生涯を知ってほしい。アフリカ系米国人の市民権を求め、音楽で闘った女性だ。小さなころは、ピアノのペダルに足が届きもしなかった。大人になると、指は鍵の上を舞った。音楽を武器に不公正と闘い、より公正な世界を手に入れるため地球上を駆け巡った。対象年齢:3歳から。

母の言葉の力

El poder del discurso materno

ラウラ‧グットマン

Laura Gutman

Ediciones Urano, SAU

どの人物の伝記も、それ自体その人の小さな宇宙である。ラウラ・グットマンが本書で取り上げているのは、私たちひとりひとりの話、つまり子供時代の話であり、特に子供時代を覚えていないすべての人の話である。それを書くことで私たちは自分の人生の流れを変えていくことができる。本書は私たちが自分自身をもっとよく理解するための本である。私たちが重ねてきた感情的な現実に分け入り明らかにするといってもいい。伝記を書くことで、母から言われた言葉と子供だった自分が受けとめた現実との間の隔たりを埋めるためのプロセスが見えてくる。そうして私たちは人生のどの局面においても、より意識的に決定ができるようになる。幼少期における母子の相互関係に関する研究でも、母親の言葉がそれ以前とそれ以後を分ける重要な節目になっている。

権力。戦略家がマキャベリを読む

El Poder: Un estratega lee a Maquiavelo

ペドロ‧バーニョス

Pedro Baños

Editorial Rosamerón

権力をどうやって手に入れるのか? どうやって保持するのか? ニッコロ・マキャベリは当時の為政者たちに思いを馳せながら君主論を書いたが、著者はその考えが政治や軍隊、企業や社会活動における現代のリーダーにも当てはまることを明らかにする。しかし、マキャベリの考えは有効であり続けるのだろうか? 著者とマキャベリが時代を超えて重ねる熱く赤裸々な対話は、権力とは外見が変わっても本質は変わらないこと、たとえ現代のリーダーたちがSNSとアルゴリズムによる複雑な世界に適応しなければならなくても、全時代における最高のインフルエンサー、ニッコロ・マキャベリの成功(と失敗)を忘れてはならないということを教えてくれる。

初代皇帝と女王リュナ

El primer emperador i la reina Lluna

ジョルディ‧クッサ

Jordi Cussà Balaguer

Comanegra Editorial

『El primer emperador i la reina Lluna(初代皇帝と女王リュナ)』でジョルディ・クッサは至高の域に達した。中国文化においてもはや神話的な存在である魅力的な人物、秦の始皇帝のぞくぞくするような冒険小説。現実と驚異が混じり合う中国の初代皇帝の人生はホメロスの叙事詩に劣ることなく、中国文化史上類を見ない創設者として英雄の役目を果たしており、その魅力的な人物像は神性と醜悪の間で揺れる。当時の年代史にはない女性たちを創造し登場させたのは、小説ならではの成果。貪欲さを人類の害毒として記憶させるような記述、かの遥かなる帝国と近隣文化との関係を仄めかす描写など、正統派が苦々しく思うような雰囲気と登場人物の設定が印象的な作品。

子どもと大人のための初めての絵の本

El primer libro de dibujo para niños y adultos

ダニエル・ハワース

Daniel Howarth

Gemser Publications

なにか描いてと頼まれて、描けなかったことは何度ある? さあ、描いてみよう! スリーステップでアーティストに変身だ。描けば描くほど簡単になるよ。可能性は無限大だ。

Oscar Wilde著『El Príncipe Feliz y otros cuentos』の表紙

幸福な王子とその他の物語

El Príncipe Feliz y otros cuentos

オスカー‧ワイルド

Oscar Wilde

Editorial Juventud

美しい挿絵とともに、オスカー・ワイルドの最も有名な3つの短編『幸福な王子』、『ナイチンゲールとばら』、『わがままな巨人』を収めたアンソロジー。これらの短編には、著者を最も悩ませたテーマであるエゴイズム、不平等、苦痛と、それらを愛情や憐れみ、寛容さでいかに改められるかが描かれている。アルベルト・アセンシオの美しい挿絵が入った3つの感動的な短編は悲しく物憂げにみえるが、同時に魅力と詩情にあふれている。ワイルドの作品の中には現代に照らし合わせると必ずしも的を射ていないと思われるものもあるが、彼が生きた時代背景に鑑みると、著者の才能を証明するものといえる。だがその才能にもかかわらず、彼は一部で称賛され有名となっただけで、当時の社会全体の中では受け入れられなかった。

El príncipe Serafín著『Raquel Díez Real』の表紙

セラフィン王子

El príncipe Serafín

ラケル‧ディエス‧レアル

Raquel Díez Real

Onada Edicions

セラフィン王子はこれまで児童文学に登場してきたステレオタイプな性的役割を覆す存在だ。本書は、男女共学が進む現代において、性差別のない社会における忍耐、尊敬、自由、機会の平等の価値を説く。児童文学に出てくる従来の登場人物に対して読者が持っていた性別への先入観を打ち壊してくれるのだ。セラフィン王子はピンク色の部屋で寝起きし、真の愛を探し求め、結婚したいと願い、自分の運命はしきたりが決めるものだと思っている。王子は勇敢で強く、人助けに向かう典型的なヒーローからはほど遠く、繊細で、泣き虫で、誰かが助けてくれるのを待っている。が、気立てがよくて、美しく、心優しいお姫さまは王子を待っていない。本書の姫は、強く自立した女性として描かれている。

Elisenda Guiu Pont著『El raïm inquiet』の表紙

じっとしていないブA1

El raïm inquiet

エリセンダ‧ギウ=ポン

Elisenda Guiu Pont

Arola Editors, S.L.

ワインになりたくてたまらない、せっかちで元気いっぱいのひと房のブドウの物語。次々と姿を変えながら続くブドウの旅を通して、読者はブドウのしぼり汁やワインの作り方を学ぶことができる。めずらしいエピソードやブドウの収穫に関する用語、ワインにまつわることわざや成句、早口言葉も収録。

ヨーロッパの略奪 私たちの時代の歴史的解釈

El rapto de Europa. Una interpretación histórica de nuestro tiempo

ルイス‧ディエス‧デル‧コラール

Luis Díez del Corral

Ediciones Encuentro

本書は、ルイス・ディエス・デル・コラール=イ=ペドルッソの最高傑作を、ヨーロッパのルーツシリーズとして2018年に再編集されたものであり、20世紀に構想されたヨーロッパの歴史的解釈のなかで最も際立った作品のひとつである。また、ここ数十年間でヨーロッパで支配的になっている不確実性を予言したことでも知られている。その証拠にフランス語や英語、ドイツ語、イタリア語、日本語など複数の言語に翻訳されている。神ゼウスによって略奪されたシリアの乙女の神話的なイメージから始まり、著者は、その価値や文化の「普遍的」な広がりを通じてヨーロッパは世界を「略奪した」と言う一方で、その本質が多様な伝統や文化を学習や統合、発展させた結果であると考えると、ヨーロッパは「略奪され」ているともいえると言い、ヨーロッパの本質を見事に提示して見せている。

Montse Balada著『El ratoncito Pérez 』の表紙

ネ:Oの Vス

El ratoncito Pérez

モンツェ‧バラダ

Montse Balada

Carambuco Ediciones

ネズミのぺレスは、仕事をしているととっても幸せ。毎晩、子どもたちの歯を集めに出かける。ところがある日、ネズミのヒメネスが現れて、自分こそ新しい歯ネズミだと宣言した。さあたいへん! ペレスとヒメネス、どっちが新しい歯ネズミ? イージーリーダー(国際図書館連盟等の指針に従って読みやすくした書籍)方式で書かれた物語。スペイン語の手話と、手話の単語集がつき、ナレーションと手話(CNSE財団の協力で作成)の入った映像をダウンロードできるURLがある。イラストはフリルストラドール。

Margarita del Mazo著『El rebaño』の表紙

羊の群れ

El rebaño

マルガリータ・デル・マソ

Margarita del Mazo

NubeOcho

なかなか眠れないミゲルは毎晩、柵をとびこえる羊を数えます。まず羊の「1」がとび、次に「2」、「3」、こうしてミゲルが眠りにつくまで羊たちはとびつづけます。ところがある晩、羊の「4」はとぶのにつかれたといいだします。みんなが説得しようとしても、「いや! いや! 絶対いや!」と叫ぶのです。群れのほかの羊たちは、どうすればいいのでしょう?

Mireia Olive著『El regalo más bonito del mundo』の表紙

世界で一番美しい贈り物

El regalo más bonito del mundo

ミレイア・オリベ=オブラドールス

Mireia Olivé Obradors

MARINA Books

家族みんなを感動させる、優しさと無条件の愛についての普遍的な物語。小さなネズミは、お母さんに最高のプレゼントをしようと、森のなかを探し回ります。「どんなにお母さんが好きかを示すため、なにをおくればいいだろう?」松の実がいっぱいついた松ぼっくり? きれいな花? それともカラフルな鳥の羽? でも誕生日になると、なにひとつ思い通りにはいきません…小さなネズミは、どうやって愛する気持ちを証明するのでしょうか?

Sofía Rhei著『El Reino Secreto (Los hermanos Mozart)』の表紙

(モーツァルトきょうだいの)秘密の王国

El Reino Secreto (Los hermanos Mozart)

ソフィア‧レイ

Sofía Rhei

Ediciones Diquesi

13歳のナンネル・モーツァルトは、天才作曲家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトのお姉さんだ。ヴォルフリ(モーツァルト)はその年ごろのどの子もそうであるように、遊びといたずらが大好きで、大人の世界はよくわからない。パーティは好きだけど、宮廷やお屋敷に招待されるのは好きじゃない。そういうところでは、まるで珍しい生き物のように見られるから。姉さんは弟のことをいちばんよく知っていて、弟が責任と義務感で爆発しそうだと感じると、弟のために素晴らしい世界、リュッケンの魔法の王国を作り出す。そこならふたりとも、自分の居場所を見つけられる。ソフィア・レイがマリア・アンナ(ナンネル)・モーツァルトの日記をもとに、『魔笛』の素晴らしいファンタジーをおりまぜ、モーツァルト姉弟の本物の人生へと読者を誘う。現実がフィクションをいつ超えるかを決めるのは読者だ。

Emilio González Déniz著『El reloj de Clio』の表紙

クリオの時計

El reloj de Clío

エミリオ‧ゴンサレス‧デニス

Emilio González Déniz

Ediciones La Palma

偶然に見つかったフォルダの中に、タイプライターで書かれ、作家テセオ・イェドラの署名が入った200枚の原稿が入っていた。作家がエージェントに送ってから30年経っており、受領した証拠もなかったが、テセオ・イェドラの作品の専門家たちは、大きな文学賞を受賞したばかりの当時、大いに待ち望まれていた彼の新作であると確信した。今こうして原稿が出てきたということは、その作家が33歳の誕生日の前夜に本当に原稿を送ったという証拠である。

Emilio Lara著『El relojero de la Puerta del Sol』の表紙

プエルタ‧デル‧ソルの時計を創った男

El relojero de la Puerta del Sol

エミリオ‧ララ

Emilio Lara

Agencia Literaria Albardonedo

1866年のロンドン、ホセ・ロドリゲス=ロサダは何度となく、自分の過去から逃げるはめになる。子どもの時に親元を離れたあと、彼は政治的理由によりフェルナンド7世の絶対王政のスペインからイギリスに亡命する。そして、故郷よりずっと進歩したロンドンという大都会で、未来への希望がうっすらと見えかけてきたとき、時計職人としての不断の情熱とすぐれた腕前をかわれ、世界じゅうが知る時計、ビッグベンの修理という仕事を大急ぎですることになる。しかし、だれも自分の過去から逃れることはできない。ロンドンの霧のなか、ある人影が彼の命をねらっている。革新的構造の時計をつくりあげるという自分の夢のためにだけ生き、仕事にうちこむホセ。彼は身に迫る危険から逃れることができるのか? 歴史はできたと告げている。というのも、彼の夢はやがてプエルタ・デル・ソル(訳注:マドリードの中心街の地名)の時計として知られるところとなるからだ。

Francesc Puigpelat著『El retorn de Macbeth』の表紙

マクベスの帰還

El retorn de Macbeth

フランセスク‧プッチパラット

Francesc Puigpelat

Edicions Bromera S.L.U.

1097年4月12日。ドーノックの小さな城に、背が高い痩せた男が到着する。背中が少し曲がり、鼻が奇形の男。スコットランド王マクベスの息子、マクベスだ。彼がやってきた目的は、バンクォーの息子フリーアンスに会うためだ。罪と血の歴史がふたりを結んでいる。王の座を手に入れるための陰謀で、罪を犯したマクベス王は復讐によって首をはねられて死んだ。それから40年の時が流れる。60代になり、足元さえおぼつかないふたりの老人は今何をしようというのか? 短剣抜きの決闘。ルールはあいまいで、その原因は遠い昔に遡る。言葉と想い出と予言と復讐の決闘。しかし結局激しい決闘になる。その再会の瞬間から、最後の決戦を前に、事件、秘密、告白が夜を徹して続く。

Manuel Aparicio Villalba著『El retratista de los niños muertos (En los tiempos del porvenir)』の表紙

死んだ子どもの肖像写真家(やがて来る時代に)

El retratista de los niños muertos (En los tiempos del porvenir)

マヌエル‧アパリシオ‧ビリャルバ

Manuel Aparicio Villalba

Ediciones Alfar

1923年、プリモ・デ・リベラ政権は29年開催のイベロアメリカ博覧会を訪れる観光客の目から都市周辺の貧困地帯を隠すことを決定する。教会もないその地域で貧困のうちに子どもを亡くす母親たちにとっての唯一の慰めは、亡骸の写真を思い出として残すこと。そんな場末の地区にできた安宿は、数年のうちに県で一番大きくて安い、悪臭の漂う売春宿になった。ふたりの偉大な女性ダビニアとチェの物語は、1882年、クリスティナ・サラサル=エスポシトが13歳を迎えたときに始まった。サンティシマ・トリニダード孤児院の修道女たちは、クリスティナのために安宿の女中の仕事を探してきた。マジックリアリズムの神髄にのっとって書かれた本書によって、私たちは電気という妖精とともに幕を開けたばかりの近代の日々にどっぷりと浸る。

森の王様

El rey del bosque

マルガリータ・デル・マソ

Margarita del Mazo

Nórdica Libros

幼児向けの驚くべき絵本。どこにでもある、ありきたりの森の話だ。住民たちにはタイムスケジュールなどなく、気ままな生活をしている。だが、みんなのだらしない日常をきちんとすることにこだわるクマが現れて、すべてが変わることになる。うまくいくのか? 森はどうなるのだろう? そしてクマは?

Jacobo Rivero著『El ritmo de la cancha. Historias del mundo alrededor del baloncesto』の表紙

コートのリ4J。 バス-ットボールをめぐる世界の話

El ritmo de la cancha. Historias del mundo alrededor del baloncesto

ハコボ‧リベロ

Jacobo Rivero

Clave Intelectual SL

登場人物も、場所も、時代も様々な13の物語。 サム・バルターは1936年マンハッタン港で船に乗り、着いたのはナチスの非道行為の震源地だった。ファルーク1世はペルシャ王からサーベルを、チャーチルから時計を盗む。ビッグ・ドンによってサン・フランシスコ湾のカトリック教区のアフリカ系アメリカ人信者たちが踊りだす。アルゼンチンでマジシャン・マンドレイクがトリックを行っている間に、ある世代が時代から消えていく。ニューヨーク市が憔悴していた時代、ジム・キャロルはセントラル駅で同性愛者に体を売った。メコン川の岸で、キム・バンがウェブ・サーフィンしているのを、遠くから叔父が見ている。 13の物語は、バスケットボールを通して世界共通の場所を見つけようとする。著者は、それぞれの物語がジャズのように響くよう願う。

C. Gerardo Perla著『El sabor de lo heroico』の表紙

英雄的行為の味

El sabor de lo heroico

ヘラルド‧ペルラ

C. Gerardo Perla

Alcala Grupo Editorial y Distribuidor de Libros

1913年、エルサルバドル大統領マヌエル・エンリケ・アラウホは、野蛮な農民グループにマチェテ(山刀)で切り殺される。彼らは誰を殺しているのかさえよくわかっていなかった。首都中心の公園で起きたこの流血の事件の中で、アラウホ大統領を銃で負傷させる任務を負ったエルサルバドル軍の元将校も、農民グループと共に捕まった。農民たちは裁判を受けることもなく、大統領暗殺の10日後、軍により銃殺された。元将校は、独房で自分の拳銃で自殺をしているのを発見されたが、それに驚いた国民は少なかった。数週間が経ち、真の暗殺者についてのうわさが流れ始める。もしかするとエルサルバドルの富豪ファミリー(アラウホ自身も裕福なコーヒー農園主だが、コーヒー栽培税を増税し、他の農園主たちの大きな怒りをかっていた)、嫉妬した夫たちなどの共謀ではないか。

José Luis Muñoz著『El secreto del náufrago』の表紙

遭難者の秘密

El secreto del náufrago

ホセ‧ルイス=ムニョス

José Luis Muñoz

Ediciones del Serbal

インディアスへ旅立ち、新大陸を発見したときのコロンブスの確信に満ちた態度からは、数々の疑問がわいてくる。コロンブスは、なぜそこまで自信を持ってその航路を進めたのか? この点に関しては諸説あるが、どれも立証はされていない。コロンブスを取り巻くすべてのことは謎に包まれている。一説によれば、コロンブスは総督の娘フェリパ・モニス・デペレストレーリョと結婚してマデイラ島に滞在していたとき、マルコ・ポーロが陸路で辿ったよりも短い航路をなんとかしてたどれないかと思案していた。そこでちょうど目的地近くからやってきたひとりの遭難者を保護し、彼から聞きだしたことが成功を決定づけたという。著者は、こまやかな文体で過去へとさかのぼり、既に数多く書かれてきたコロンブスの航海について新しい小説をうみだした。

Daniel Nesquens著『El señor H』の表紙

ミスター‧ カバの一日

El señor H

ダニエル‧ネスケンス

Daniel Nesquens

Editorial Bambú

動物園につながれているのがいやになった1頭のカバが、故郷のアフリカに帰ることにする。何人かに助けてもらって動物園の外に出るが、なによりびっくりしたことに、自由になったカバを見ても、だれひとり――動物園の職員も、通りをいく通行人も、店員も、ピザやのウェイターも――おかしいと思わない。

Ricardo Alía著『El signo del dragón』の表紙

ドラゴンの宮(十二宮三部作)

El signo del dragón (La trilogía del Zodíaco)

リカルド‧アリア

Ricardo Alía

Ediciones Maeva

十二宮三部作:ある年、ひとつの宮、1件の犯罪。2012年1月、ドラゴンの年が始まった。中国の十二宮で唯一の神話上の動物であるドラゴンは、知恵と権力と富を象徴する。過激派組織「バスク祖国と自由」(ETA)が武力抗争の完全停止を発表して以来、のどかなサンセバスティアン市では重大な犯罪も起こらず、毎日は平穏に過ぎていた。しかし大学の化学部で男子学生の首切り死体が発見されると状況は一変する。捜査を担当するのはバスク州警察殺人捜査担当警部マックス・メディナ。警部の強い個性は、新人のエリカ・ロペスや科学捜査担当のジョシュア・オニールとぶつかる。災害や悲劇的な事件が起こりがちなドラゴンの年に、連続犯罪が発生する。

Albert Juvany著『El silenci del far』の表紙

灯台は語らず

El silenci del far

アルベルト‧フバニー

Albert Juvany

Cristina Mora Literary & Film Agency

アンナはアイスランドの小さな漁村フーサヴィークの図書館員。ある日、結びに「あなたを愛する父より」と記された手紙を受け取った時、それまで固く閉ざされ決して開かないと思っていた心の扉が開く。それは過去と向き合い、自分の本当の素性を明らかにすることを意味していた。両親はなぜアンナを捨てたのか? 彼女は本当は誰なのか? 昔のピアノ教師は何を助けてくれるのか? 明らかにするには、かつて両親が住んでいた廃屋に入るしかない。たとえ言い知れぬ恐怖があろうとも。丁度その頃フーサヴィークにギスリという若者がやってきた。レイキャビックの生物学者である彼は心の古傷を癒やそうと国内を巡る旅をしていたのだ。二人は必然的に出会い、過去の亡霊を蘇らせるという共通の目的に、手をとりあってのりだしていく。

Jesús Rodellar著『El silencio de Custodio』の表紙

守護者の沈黙

El Silencio de Custodio

ヘスス‧ロデリャル

Jesús Rodellar

Aragón Tiene Talento, S.L.

たったひとつの故郷は幼年時代であると、ドイツ語詩人リルケは言った。またリルケは、こうも言った。人生に初心者クラスはない、すぐに難題をつきつけられると。この物語の主人公、フェデは60年代にスペインの田舎で生まれた。そのころ恐怖から回復しつつあった農村部では、住民がこぞって国際的で近代的な大都市に出て、輝かしい未来を築こうとしていた。フェデは父の愛情をあまり感じたことがなかった。父との関係にはどこか怪しげで謎めいたものがあった。そして都会に出ても、だれもが感じる愛されたいという激しい欲求が満たされないことを外に見せなかったフェデは、喜びと出会い、享受する。予期せぬときに思いがけないことが起き、新しい地平が開けた。幸せな80年代、フェデは「真実の愛」を感じることができるのか。真実の愛とは? 私たちは忘れ、赦すことができるのか……?

Eva García Sáenz著『El silencio de la ciudad blanca』の表紙

白い街の沈黙

El silencio de la ciudad blanca

エバ‧ガルシア=サエンス‧デ‧ウルトゥリ

Eva García Sáenz de Urturi

Editorial Planeta, S.A.U.

タシオ・オルティス・デ・サラテは優秀な考古学者だが、20年前に平穏なビトリア市を震撼させた不可思議な殺人事件で有罪判決を受けた。彼が最初の仮出所で刑務所を出ようとした矢先、再び犯罪が起きる。20歳のカップルがビトリアの旧大聖堂で真っ裸で死んでおり、その喉には蜂に刺された跡があった。それから間もなく別の25才のカップルが有名な中世の建物コルドン館で殺された。犯罪プロファイルの専門家である若き警部ウナイ・ロペス・デ・アヤラ(通称クラケン)は、犯罪を未然に予見することに執念を燃やすが、まだ記憶に新しい個人的悲劇のせいで、これらをただの事件として片づけることができない。またクラケンの自己流のやり方が上司である警察副所長のアルバをいらだたせる。クラケンはアルバとはもともと曖昧な関係にあった……時も彼に味方しない。

Andrés Pérez Domínguez著『El silencio de tu nombre』の表紙

きみの名の静けさ

El silencio de tu nombre

アンドレス‧ペレス=ドミンゲス

Andrés Pérez Domínguez

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

ペレス=ドミンゲスが私たちに贈る忘れがたい物語。失望した英雄たち、謎めいた女たち、激しい追跡、そして登場人物を救い出す聖杯のように、いつも愛が現れる家の痕跡。グレアム・グリーン風の胸おどるスパイ小説の世界が、50年代のマドリードとセビーリャを舞台にごく自然に展開する。ひとりで愛する女の名を呼ぶ、そんなときに自分を偽ることのできる男などいない。1950年1月。ドイツ人秘密情報部員の未亡人エリカ・ワルターは、亡命中のナチスの高官に関連する重要書類を持ってマドリードに逃亡する。その愛人である元スペイン共産党員マルティン・ナバロは、パリを離れ、彼女を追う。だがスペインに戻れば、フランコ政府の警察に捕まって投獄されるか、彼を裏切り者と見なす共産党の同僚たちに殺されることはわかっていた。

Juan Enrique Soto著『El silencio entre las palabras』の表紙

言葉の間の沈黙

El silencio entre las palabras

フアン‧エンリケ‧ソト

Juan Enrique Soto

Baile del Sol Editorial

カルメロは、生まれ故郷のアンダルシアの村に初めて戻ってきた。30年前、彼がわずか3歳の時、母親がそこで起きた恐ろしい事件から彼を連れて逃げたのだ。ふたりはその事件の証人であり、その事件は、フランコ将軍の蜂起の時代、彼らの人生と地元住民全員に影響を与えた。カルメロが秘密の核心に迫っていく。真実が明るみに出るにつれ、小さなコミュニティーのみせかけのバランスが崩れる。孤立し乾いた生まれ故郷で、そこで生き延びるその冷酷な土地のようにかたくなな人々とともに、カルメロは人間が為せる偉業と卑劣な行為を発見しながら、自分自身へとつながる困難な道を歩んでいくことになる。

ベルジュラック症候群

El síndrome de Bergerac

パブロ‧グティエレス

Pablo Gutiérrez

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

私はありふれた少女だった。だれでもそうするように、学校へ行き、両親とケンカし、友人を無条件に愛し、ときどき、好きになってはいけない人を好きになった。紙面を割く価値のあるような現実離れした出来事や、英雄的な話は何もなかった。だからこの物語は、両親や友だちや、私が恋した人たちの話ではない。学校で退屈している女子高生の日常の話なんかじゃない。この物語の主人公はたったひとつ、鼻。有名で、並外れた鼻。ベルジュラックに生まれ、名をシラノという英雄の鼻だ。

Marta Martínez Novoa著『El síndrome de la chica buena』の表紙

グッドガール症候群

El síndrome de la chica buena

マルタ・マルティネス・ノボア

Marta Martínez Novoa

Grupo Planeta (sello Zenith)

もしあなたが常に自分のことよりも他人のことを優先していると感じるなら、もし他人の目を気にして決断を下すのが難しいなら、もし常に他人の期待に応えようと努力し、「ノー」という言葉があなたの語彙に存在しないなら、もし傷つけたくないからといって、何の益もない関係に居続けなければならないと感じているなら… あなたはきっと「良い女の子症候群」を患っているのでしょう。 「良い子」であること自体は何も悪いことではありません。しかし、その「良い子」であろうとすることが、境界線を引くこと、衝突に立ち向かうこと、自分の価値観を守ること、つまり、他人が望む自分ではなく、自分が望む自分であることの困難につながる場合、それは問題となり得ます。もう、与えるためだけに生きること、間違いを犯せないこと、他人がより多くのスペースを占めるために自分を小さくしなければならないこと、他の人がもっと輝くようにと自分の光を消さなければならないことにはうんざりです。 この実践ガイドでは、心理学者マルタ・マルティネス・ノボアが、あなたの過去を分析し、なぜ現在そのように感じているのかを理解し、あなたが自分を最優先する未来を築くための旅へとあなたを導きます。このページには、偽りの「良い子」の要求から解放され、自分を大切にし、安心感を感じ、自分のすることに自信を持つための鍵が見つかるでしょう。

Susana Peix著『El sol llega tarde』の表紙

ちこくしちゃった太陽

El sol llega tarde

スサナ‧ペイシュ

Susana Peix

Carambuco Ediciones / CEP I NANSA S.L.

ある日とつぜん眠りこんで、地球をまっくらにしてしまった太陽のお話。どうすればまた地球を明るく照らせる? なんとかしなくちゃと、太陽はいっしょうけんめいお空にのぼる。

El soldado de plomo著『Page Tsou』の表紙

鉛の兵隊

El soldado de plomo

ペイジ‧チュー

Page Tsou

Fundación Santa María - Ediciones SM

ハンス・クリスチャン・アンデルセンの物語の翻案。どんな困難に直面しても、何より愛を大切にした、兵隊の物語。

Berna González Harbour著『El sueño de la razón』の表紙

理性の夢

El sueño de la razón

ベルナ‧ゴンサレス‧アルボウル

Berna González Harbour

Dos Passos Agencia Literaria

死は芸術の一形式になりうるのか? ルイス警視は一時的に隊を離れている。今日は首都の祭りで、誰もがマンサナレス川のほとりで楽しんでいるようだ。しかし、決まったパターンに沿って動物の死骸が何体か発見されたのが、異常事態の最初の兆候だった。ほどなくして、別の死の痕跡が見つかる。美術の奨学生である若い女性が、川のダムのひとつで、まるで儀式のような姿で殺害されているのが見つかったのだ。悲劇はこれだけにとどまらないと思われた。警察はいくつかの仮説を立てて捜査するが、やがて事態は錯綜し、難解な筋書きを描きはじめて、一連の流れに飲み込まれたルイス警視はゴヤの遺産へと導かれていく。死を芸術に近づけることは可能なのか? 狂気は創作たりうるのか? チームも制服も銃もないマリア・ルイスは、高い知能を持ち妄想に取りつかれた犯人に立ち向かっていく。

Ricardo Gómez著『El sueño de Lu Shzu』の表紙

ル‧シュの夢

El sueño de Lu Shzu

リカルド‧ゴメス

Ricardo Gómez

Editorial Luis Vives (Edelvives)

ル・シュは工場の組立部門で働いている女の子。穏やかにくらしていたが、あるとき、自分の働いているのがおもちゃ工場だと知り、自分の人形を持ちたいと思いはじめる。少しずつパーツを集めはじめたが、見つかって首になってしまう。けれど、おばあちゃんが人形をプレゼントしてくれる。

Teresa L. Velayos著『El sueño que soñaba ser soñado』の表紙

夢見られる夢を見た夢

El sueño que soñaba ser soñado

テレサ‧L‧ヴェラヨス

Teresa L. Velayos

Editorial Kolima

小さな夢は不安だった。なにをすればいいかわからず、暗い悪夢の影に隠れていた。つまるところ、誇り高き大いなる夢になろうという気はなかったし、ましてや黄金の夢になるなど考えもしなかった。黄金の夢とは、人間の最大の願いになると与えられる特別な地位だ。小さな夢はあまりに小さくて、ほんのちっぽけな望みにもなれなかったけど、たとえどんなに小さくて取るに足りなくても、だれかの願望になろうとしなければならなかった。「わたしたちのもっとも暗くて美しい夢に関する素晴らしい物語」

Rosa Lentini著『El sur hacia mi』の表紙

私への南

El sur hacia mi

ロサ‧レンティーニ

Rosa Lentini

Ediciones Igitur S.L.

大きな破壊力のシンボル、津波をメタファーとして用いながら、彼女の複雑で洗練された詩のパレット独特のテーマを、作者は歌いあげる。すなわち、喪失感、記憶、時のうつろい、困惑を乗り越える必要性、「荒廃後の風景」を認識する恐怖。本書のプロローグでジュアン・ペルチョが言うように、「鏡の後ろに何があるのか、詩人だけが知っている。その深奥にあるのは、この世の神秘と起源、この世のあくなき例外性だ」。

Gusti著『El temido enemigo』の表紙

おそる き敵

El temido enemigo

グスティ

Gusti

Editorial Océano, S.L.

むかしあるところに、国で一番力のある男になりたがっている王がいた。しかし、王の力は、未来がわかると言う魔術師にはかなわない。そこで王はある日、魔術師に未来が分からないことを証明してやろうと、あるたくらみを企てる。魔術師に本人の死ぬ日をたずね、まさにその瞬間に剣を抜いて、魔術師に死をもたらすのだ……。 ところが、王が想像だにしなかったことには、魔術師の答えを聞いた王は、自分の命よりも魔術師を大切にせざるを得なくなる。 ブカイが今一度グスティとのコラボレーションで、子どもと、そして親たちにも考えさせる作品を創りだした。

貧者の寺院

El temple dels pobres

アルフレド‧ボスク

Alfred Bosch

Columna Edicions, S.A.U.

「僕たちは自分の人生を額に刻印されているのか? 生まれたときから? 僕の場合、知るのは簡単だ。サグラダ・ファミリアに行こう。見つけたんだ(…)。どこに行くかって? 生誕のファサードさ。左上にエジプト逃避の彫刻がある。聖母マリアが抱いている赤ん坊が見えるだろう。あれが僕だ」父を知らない少年ボルデガスは、自分とサグラダ・ファミリアとの関係をそのように語る。子どもの頃、ライバルグループとの抗争はすべて石の投げ合いで解決した。数十年たって教会は頂点に達し、彼らは大人になった。そして、仲間同士の争いは、内戦での銃撃戦にとってかわられた。

ルシオの宝

El tesoro de Lucio

ミケル‧サントス

Mikel Santos

Editorial Txalaparta

理論家というより、ルシオ・ウルトゥビアは、断然、行動する男。彼の人生は、戦いに次ぐ戦いだった。多くの人の考えに反し、それが彼の遺産であり、ルシオの宝だ。ナバラ出身のアナキスト、ルシオ・ウルトゥビアとの尽きることのない会話やインタビューに基づいて、作者のベラッツは、ルシオの人生に影響を与えた行動、場所、人物、出来事、雰囲気を鮮明かつ綿密に再現する。自身もナバラ州のパンプロナ出身のイラストレーター、ベラッツが、ルシオの公式伝記作家として、最も有名な出来事や、あまり知られていない冒険を語る。カスカンテで送った幼少期、最初の銀行強盗、警察からの逃亡、家族や個人的な問題、有名なシティバンクとの交渉、国境を越える方法など、全て、あるいはほぼ全てが、このアクション満載の本に投影されている。

Berta Carmona Fernández著『El tesoro pirata de Topamí』の表紙

トパミの海賊の宝物

El tesoro pirata de Topamí

ベルタ‧カルモナ=フェルナンデス

Berta Carmona Fernández

Educación para el Optimismo, S.L.

ふたりの海賊トパミとベントゥーラは、いつもいっしょの仲良しだ。ところがある日、ベントゥーラは別のことをしにいってしまい、さそわれなかったトパミはカンカンに怒って悲しくなる。その時から、船ではたいへんな事件が始まる。大きな宝箱が現れ、トパミは中にあった宝物のおかげで、ほんとうの友情とは何かを知る。 幼い子どもたちが、ポジティブな方法で人間関係に向き合うことを助ける、楽しく深みのある物語。共感と尊重の大切さ、友情と自由の価値を学べる作品。

3人の時代

El tiempo de los tres

フィデル‧デ‧トバール

Fidel de Tovar

Norma Editorial, S.A.

サグラダ・ファミリア(聖家族)教会が崩壊し、教会と共に、エルダの中で何かが壊れる。エルダは辛い過去との折り合いをつけるために、神戸からバルセロナに戻るため飛行機に乗る。バルセロナの街角で、当時のルームメートだったジュレスやヒロシとともに過ごした90年代の生活を思い出す。果たして彼女の決断は正しかったのかとの疑問が、今になって彼女をさいなむ。その過去から30年以上逃げてきたが、彼女の青春の何かが残っているだろうか?

María Dueñas著『El tiempo entre costuras』の表紙

縫い目のあいだの時間

El tiempo entre costuras

マリア‧ドゥエニャス

María Dueñas

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

縫い子だったシラ・キロガはスペイン市民戦争を逃れて恋人ラミロと一緒にモロッコへ逃げる。浮草のような生活の中でラミロは金を使い果たし、シラを捨てる。この時点からシラの人生は紆余曲折をたどる。警察に目をつけられないようテトゥアンで再び縫い子となり、顧客の有力者の夫人方をうまくいなしつつ英国政府のスパイとして二重生活を送る。そんなある日、別人になりすましてマドリードへ戻り、顧客のドイツ人たちの情報収集をせよとの命令を受ける。そして果敢に任務に挑んだ末、リスボンまで至ったシラは、きわめて重大な最後の発見をする。

ガブリエル=イ=ガランのゴリオおじさんとプリアおじさん

El tío Gorio y la tía Pulía de Gabriel y Galán

フアン‧ルイス‧イグレシアス

Juan Luis Iglesias

Editorial Drakul

1901年に発表された『El tío Gorio(ゴリオおじさん)』は、詩人のホセ・マリア・ガブリエル=イ=ガランの手による数少ない物語の一作。フアン・ルイス・イグレシアス(原作)とホセ・クルス・デ・クルス(作画)は、このガランの代表作を独自のアプローチにより風俗画タッチの漫画に仕上げた。本作では、ガブリエル=イ=ガラン自身が物語の語り手そして主人公として登場し、彼が創作した登場人物、ゴリオおじさんとプリアおばさんという愛と打算で結ばれた夫婦と交流する。またイ・ガランは、エミリア・パルド・バサン、ベニート・ペレス・ガルドスという他のふたりの文学者と寄り集い文学芸術について考察し内輪話を回想していく。その会話を通じイ=ガランが批判と情愛のはざまで同胞たちをどのように見ていたのかが本作では描かれている。2020年に生誕150年を迎えたスペイン語とエストレマドゥーラ語の魂の詩人、ホセ・マリア・ガブリエル=イ=ガランへのオマージュ。

は かしが$"のトマト

El tomàquet vergonyós

シャビエル‧メンディギレン

Xabier Mendiguren

Editorial Baula

楽しませ、笑わせ、でも考えさせるためのFrutas y verduras(果物と野菜)シリーズの1冊。トマトはとてもはずかしがりやで、学校に行っても、ほかのクラスメートのように授業中に大きな声で話したがらない。すごくはずかしいのだ。ところがある日、はずかしさをのりこえて、みんなとお話しできるようになる。

Guia Risari著『El tranvía número flor』の表紙

花の路面電車

El tranvía número flor

グイア・リザーリ

Guia Risari

Kalandraka Editora

友情の力と想像力が、非日常への扉を開くことを見せてくれる旅の物語。ファンタジーと驚きに心を開く者にとっては、「すべてが可能」。すばらしい場所に停車するこの路面電車で、風変わりな乗客たちとともに信じられないような旅をすれば、どんより曇った気持ちが晴れていく。あふれんばかりの創造性を持つラウラは、生まれた国を恋しがるオマールをめったとない体験へと誘い、それによってふたりの友情が深まる。文章と絵がともに高め合って、現実との境界をわからなくさせるような、遊び心ある絵本が生まれた。

Teo Palacios著『El trono de barro』の表紙

泥の玉座

El trono de barro

テオ‧パラシオ

Teo Palacios

EDHASA - Editora y Distribuidora Hispano Americana

遺産が無いことに絶望した若き貴族フランシスコ・デサンドバルは、出世する方法を見つける。恋人のフアナを棄て、カタリナ・デラセルダと政略結婚するのだ。お陰でフランシスコはすばやく社会的地位を昇りつめ、国王フェリペ3世の右腕と目される寵臣となる。しかしこの昇進ぶりは論議を呼び、多くの政敵ができる。王妃オーストリアのマルガリータとも対立し、昔の恋人フアナも彼の失脚を狙う。レルマ公爵として世に名を馳せたフランシスコ・デサンドバルは、ハプスブルク王朝時代のスペインで最も有名な人物のひとりである。彼は、冒険者のような大胆さと軽蔑とでスペイン帝国を治めたが、宮廷の陰謀でマドリード市街には憎悪や死がばらまかれた。

Beatriz Martín Vidal著『El truco más asombroso del mundo』の表紙

世界一の驚きマジック

El truco más asombroso del mundo

ベアトリス‧マルティン‧ビダル

Beatriz Martín Vidal

Thule Ediciones

女の子が読者の前でマジックを披露する。マジック自体に目新しさはない。誰だってマジシャンがシルクハットからウサギを取りだすのは見たことがあるだろう。が、ここに驚きがある。そのマジックをどうやったかの説明だ。それは私たちが慣れ切っている現実のルールを壊す。2017年グラン・カナリア島絵本文庫国際コンクールで特別賞を受賞。

Xavier Navaza Blanco著『El último amante de Marilyn』の表紙

マリリンの最後の恋人

El último amante de Marilyn

シャビエル‧ナバサ=ブランコ

Xavier Navaza Blanco

Alvarellos Editora S.L.

マリリン・モンローの人生最後の数か月と、ガリシア生まれの映画人ホセ・ボラーニョスとの関係を再現したノンフィクション。著者が70年代に「インテルビウ誌」や「ラ・カリェ誌」に掲載した衝撃的なルポルタージュを彷彿とさせる本書は、力強い報道記事が持ち合わせている全要素と、大河小説の魅力を併せ持つ。内容はモンローだけに留まらない。マリリン神話が見え隠れするなか、さまざまな物語が絡みあう。登場するのは、ルイス・ブニュエル、リチャード・ニクソン、アル・カポネ、ジャン・レオン、そしてかのチェ・ゲバラ……。一方で無名の人々(ガリシアやスペインからの移民、亡命者)、すなわちアメリカンドリームに魅了された人々も描かれる。

Andrés Barba著『El último día de la vida anterior』の表紙

前世の最後の日

El último día de la vida anterior

アンドレス‧バルバ

Andrés Barba

Casanovas & Lynch Literary Agency

不動産会社で熱心に働く女性が空き家になっている物件の内覧準備をしていると、まばたきをしない7歳の少年と出会う。ガラス瓶の中の虫のように昔からこの場所に捕らわれている少年は、女性に何かを期待しているがそれを言葉にすることさえできず、ふたりの間に不気味で完全なる相互依存関係を作り上げてしまう。この「幽霊の出てこない幽霊小説」で、見事な腕前によって人間の親密さを分析してみせたバルバ。幽霊小説のスタイルに寄せつつ、自身の写実主義的な文体にさらに磨きをかけている。時間の重なりと交差に満ちたこの小説は、そのテクニックの正確さから、ヘンリー・ジェイムズやアドルフォ・ビオイ=カサーレスが書いた幻想小説の名作と通じるところがあるが、リンドクヴィストやシャーリイ・ジャクスンの美学と同様、叙情性、繊細さ、残酷さに富んだ現代的な作品と言える。

最後の探検家

El último explorador

クリスティナ‧プッチ

Cristina Puig

Editorial Palabras de Agua

1892年、英国。名高い収集家で冒険家のクリスチャン・モンゴメリーは慌てた様子で、孫のウィリアム・ジャクソンにしばらくの間事業を見ていてほしいと頼んだ。経営する骨とう品店で売る品を求めて、カラカスに行かなければならなくなったのだという。だが、時が過ぎても彼は戻らず、謎めいた手紙が届いて、心配したウィリアムは助けを求めることに決めた。手紙のなかで、祖父は固く守り続けてきた秘密を打ち明け、最も価値ある財産、機械仕掛けの動物創造にまつわる秘密が隠された本をカラカスまで持ってきてほしいとウィリアムに頼んでいた。その瞬間からウィリアムは本を守り、祖父の居場所を突き止めるため、次から次へと冒険に巻き込まれて数多くの危険と対峙することになる。というのも、不本意ながら、だれかにあとをつけられていたからだ。本はどうなるのか? ウィリアムは祖父を見つけられるだろうか?

Gregorio León著『El último secreto de Frida K.』の表紙

フリーダ‧K.の最後の秘密

El último secreto de Frida K.

グレゴリオ‧レオン

Gregorio León

Algaida Editores

メキシコを舞台にした、暴力的だが皮肉のきいた小説。いくつかのストーリーからなり、ひとつは、フリーダ・カーロの絵を探してメキシコに行く私立探偵のダニエラ。一方、マフィアについての記事を書くジャーナリストのフレディは、ひどく殴られて家で倒れている。彼もまた完璧なフリーダ研究者だ。警察は絵画泥棒を探すだけでなく、ダンサー殺人事件についても調べている。「神の御業のために」と入れ墨をされたダンサーの遺体が夜になると現れ、不思議なことに、その翌日、サンタ・ムエルテ(死神)の祭壇が壊されているのが見つかるのだ。世に知られていないフリーダの絵が、トロツキーとの愛の物語を語りだすときに、3つの物語がひとつになる。

Felipe Galán著『El último secreto de Verne』の表紙

ヴェルヌの最後の秘密

El último secreto de Verne

フェリペ‧ガラン

Felipe Galán

Ediciones Cydonia

実際の出来事と、ジュール・ヴェルヌがいくつかの自作に隠したメッセージを土台にしたこの小説は、『驚異の旅』の著者ヴェルヌが巧妙に守ってきた秘密を探る。 3つの物語が収束する驚くべき結末で、ヴェルヌの本当の顔が明らかになる。1886年1月、ジュール・ヴェルヌは、彼の人生で一番の秘密のエピソードを掘り起こす不思議な手紙を受け取る。彼自身の家族さえも知らなかった出来事だ。1972年3月、アミアンのラ・マドレーヌ墓地の墓堀人ジャン・モネは、彼の前の墓堀人ニコラス・ベルジェが書いた不思議なメモを発見する。2013年4月、ピカルディ・ジュール・ヴェルヌ大学の学生モニク・ロワイヤルは、学年末の論文として、1898年にヴェルヌの個人的な書類が破棄された謎を調査するつもりだと教授に伝える。

Mercedes Núñez Targa著『El valor de la memoria. De la cárcel de Ventas al campo de Ravënsbruck』の表紙

記憶の価値 ベンタス監獄からラーベンスブリュック強制収容所まで

El valor de la memoria. De la cárcel de Ventas al campo de Ravënsbruck

メルセデス‧ヌニェス‧タルガ

Mercedes Núñez Targa

Editorial Renacimiento

20世紀の信念の女メルセデス・ヌニェス=タルガ(1911年バルセロナ生まれ、1986年ビゴにて死去)は、フランコの刑務所からナチスのホロコーストの収容所まで、信じられないほどの惨苦の経験を、その才能を駆使して真摯に語っている。自叙伝を社会学的分析で補完した一人称の物語だ。非常に女性らしい細部の描写が、証言をとくに興味深いものにしている。1931年4月14日、メルセデスはスペイン第二共和政の宣言を熱烈に支持した。1934年には、バルセロナ駐在のチリ領事パブロ・ネルーダの秘書として働く。1936年7月18日、反乱軍による軍事クーデターが勃発。メルセデスは、共和国の価値観を守るという信念のために自由を奪われることになる。

魔女のaルB

El vals de la bruja

ベレン‧マルティネス

Belén Martínez

Ediciones Urano, SAU

コブナント学院ではその夜も、いつも通りに時が過ぎるはずだった。ふたりの若い魔女、エリザ・キットラーとケイト・サンジェルマンがリトル・ヒル墓地の死者たちを一斉に目覚めさせようと決めるまでは。それはほんのいたずらのつもりだったが、ふたりは放校になってしまう。今やエリザに残された道は社交界にデビューして申し分のない夫を見つけることだけだった。だけど派手なドレスとありあまるお金、光るものすべてが金に見えるようなダンスホールの日々が始まるのと時を同じくして、ロンドンの闇社会では暗い兆しが膨らみはじめていた。エリザの両親が殺されてから27年後、魔女たちに再び死が襲い掛かる。それも犠牲者は、その前の死者よりもっと不気味な姿で見つかるのだった。魔法使い殺しの裏にいるのは、いったい誰なのか?

Enric Lluch著『El vampir Ladislau』の表紙

吸血鬼ラディスラウ

El vampir Ladislau

エンリック‧リュック

Enric Lluch

Edicions Bromera S.L.U.

吸血鬼のラディスラウは問題を抱えている。牙が鋭くないのだ。鋭い牙がなければ人間を怖がらせることもできなければ、おいしい首に噛みつくこともできない。実は、吸血鬼の人生だって、なかなか厳しいのだ!

鳥を売る男

El vendedor de pájaros

ロベール‧ブラジヤック

Robert Brasillach

Ediciones Alfar

鳥を売る男はこのロベール・ブラジヤックの小説の重要人物のひとり。30年代の典型的なパリジャンが登場する小さな世界のすべてが彼を中心に巡る。登場するのは3人のソルボンヌの大学生で、その中には若く美しいイザベルがいる。そして小売商マリー・レペティトコルプス。過去の出来事のせいで孤独な人生を送っていたが、道に迷ったふたりの少年、セルジュとミッシェルが現れ、もうひとりの重要人物、カブリティーリョのせいで人生が変わり、満たされるようになる。『El vendedor de pájaros(鳥を売る男)』はロベール・ブラジヤックの3冊目の小説。少年は帽子を脱いで足を均一に揺り動かしていた。鳥かごは老人との間に置かれていた。少年は中を見ようと眼差しを時々落としながら、老人の言い分に少し反論するようなはっきりした声で、的確な質問をしていた。(※本書はフランス語からの翻訳作品で、『パリの小鳥売り』のタイトルで2011年3月に高井道夫氏の翻訳で春風社より出版されている)

空中ブランコ乗りのめまい

El vértigo del trapecista

フアン‧ラモン‧アスアル=ロメロ

Juan Ramón Azuar Romero

Drácena Ediciones

マテオ・サレルノはサーカス芸人一族の最後のひとり。サーカスの舞台、そして父親から離れることを決意したあと、代々続いてきたサーカス一家の裏に隠された物語を本にまとめて借金を清算しようとする。自分自身の思い出、芸人たちへのインタビュー、そして長年かけて集めてきたあらゆる資料(手紙、パンフレット、映像、記念品、スピーチ、写真…)から、一座の生活の様々な瞬間、テントの中と外で絡み合う様々な物語がひとつのモザイク模様のように浮かび上がり、この群像小説の真の主役、老舗サーカス団サレルノの衰退と崩壊が様々な声で語られる。マテオは公演のために読者に最前列の席を用意してくれた。テンポのよい自然な散文にひたっているうちに、このサーカス一族の非常に人間らしい面に引き込まれていく。ショーを楽しんでもらいたい。

Arianna Squilloni著『El viaje del calígrafo』の表紙

書道家の旅

El viaje del calígrafo

アリアンナ‧スキロリ

Arianna Squilloni

Editorial Juventud

書道家は、あの谷や森の向こうには別の谷や森があることに思いいたり、人々にまた別の人々の話を語ることを夢見ていた。そしてある日、書き物机の前に座る代わりに、わずかな荷物を包んで深い森の中へと入っていった。書道家の旅はこんなふうに始まり、人々は自分たち以外の世界に気づく。詩情あふれる絵本には、旅の経験だけでなく、冒険したい、新しいことを発見したいという強い思い、自分自身の変化、他人を受け入れたり、受け入れられたりする能力など、旅へと私たちを駆り立てる気持ちも描かれる。そして日々、世界中で行われている旅の話だけでなく、言葉や画、想像力が私たちを誘うところについての話も語られる。

Roberto Aliaga著『El viejo y la margarita』の表紙

おじいさんとヒナギク

El viejo y la margarita

ロベルト・アリアガ

Roberto Aliaga

Narval editores

ヒナギクがアブラムシだらけ! かわいいヒナギクの悲劇をなんとかしてあげようと、おじいさんは難問の迷路に飛び込み、やがて予想もしなかった幸せな結末を迎える。ロベルト・アリアガ作の楽しい物語に、グリディがやさしさとユーモアたっぷりのイラストを添えている。

César Vidal著『El viento de los dioses』の表紙

神々の風

El viento de los dioses

セサル‧ビダル

César Vidal

Grupo Ramírez Cogollor, S.L.

1273年、最後の偉大なハーンにして中国元朝最初の皇帝である恐るべきジンギス・カンの孫、フビライ・ハーンは日本列島を侵略することに決める。自らの指揮のもと世界を統一するのが彼の夢だ。フビライ・ハーンの軍隊にファンがいた。博識な中国人で、ハーンの軍隊が帯同する軍用機器と包囲の専門家であり、新しい征服地の管理を担当することになっている。一方、日本を防衛する者の中にニョゲンがいた。仕える大名に忠実な勇敢なサムライで、武士道の神聖な規範で生活を律している。距離は近いが根本的に異なる2つの世界を代表するファンとニョゲンは、それぞれの主君を守るために対峙することとなる。中世の日本、日本人とその慣習を描く壮大な物語。芸者、侍、戦士、賢人や天皇が住む世界で冒険が始まる。

Montse Ciurans著『El violín y el viaje mágico de Martín』の表紙

バイオリンとマルティンの魔法の旅

El violín y el viaje mágico de Martín

モンツェ‧シウランス

Montse Ciurans

A Sense of Music,S.L. Bellaterra Música Ed.

マルティンは世界をめぐるすばらしい旅をして、友だちや音楽と出会い、バイオリンと音楽への愛情をわかち合う。

Javier Fonseca García著『El visitante del otro lado』の表紙

向こう側からの訪問者

El visitante del otro lado

ハビエル‧フォンセカ=ガルシア-ドナス

Javier Fonseca Garcia-Donas

Ediciones Diquesi

個性の異なる3人の若者が登場するファンタジー。彼らは物語の中で、読者が自分を重ねやすそうな日常の状況(いじめ、恋愛、家族関係など)と向き合い、自分の感情と戦うことを覚えていく。彼らはふたつの世界の分岐点でトラブルに巻きこまれていくが、それはあらかじめ直面することが運命づけられていたことのようだった。読者対象は12歳以上。若者のうちのひとり、パブロの1人称の、その年頃の若者らしい語りは親近感があり、読者は主人公たちの願望、不安、惧れに共感し、たやすく感情移入していけるだろう。

Almudena Villegas Becerril著『Elaboración y exposición de comidas en el bar y cafetería』の表紙

バーとカフェの料理とそのディスプレイ

Elaboración y exposición de comidas en el bar y cafetería

アルムデナ‧ビリェガス=ベセリル

Almudena Villegas Becerril

Ideaspropias Editorial

本書は、バー及びカフェ店舗で、シンプルなメニューをどのように作り、新鮮で美味しそうにディスプレイするかを解説。よく使われる基本的な食材の定義と分類、冷凍・保存食品や缶詰などパック食材の適切な再生法、業務用設備や器具、道具の正しい使い方、メニューの工夫、客をあっと驚かせる魅力的かつ斬新で創造的な新しい料理を作ることの大切さについて、詳細に述べている。

Sébastien Pérez著『Elisa en el corazón del Laberinto』の表紙

迷路の中心のエリサ

Elisa en el corazón del Laberinto

セバスチャン‧ペレーズ

Sébastien Perez

Edelvives

エリサは15歳。自分の結婚式の朝、式で弾かなければならないヴァイオリンの一小節を練習しようと努力している。 でもふたつの悲しみが彼女の胸を苦しめる。結婚しなければならない相手は見ず知らずの男だということ、そして彼女に音楽を教えてくれた先生であり、たったひとりの同志だった祖母が亡くなったばかりだということ。 慰めを求めて、エリサは祖母の部屋に行く。そこには祖母の大きな肖像画がかかっている。 そこで一度も開く勇気がなかった宝石箱を見つける。 蓋を開けると、エリサは流れるメロディで魔法にかかって迷路に連れていかれ、そこから逃げられなくなった。

彼女は くをわかってくれる

Ella sí que m'entén

リカルド‧アルカンタラ

Ricardo Alcántara

Editorial Baula

リカルド・アルカンタラが贈る、日常生活の中で自分の真価が認められていないことがあると感じる子どものお話。たとえばシュートを失敗してやじられたとき、授業中に話して先生に叱られたりするとき……。でも泳ぎに行くときや、学校にいるときには、いい友だちに囲まれているんだ……。ノエミ・ビリャムサがイラストをつけた、感情についての優しい物語。

彼ら あそこにいた

Ellos también estuvieron allí

ホセ‧アントニオ‧マジョ=ダボ

Jose Antonio Mayo Davo

Maldragon Editorial, S.L.

第二次世界大戦を実際に経験した100人の語りを通して、戦争の全体像をまとめた一冊。大衆には知られていない人がほとんどだが、証拠で裏付けられた、いずも実際の話を読むことで、読者は人類が起こしたこの大きな争いについて知り、理解することができるだろう。

エルマと鼻のないモンスターたち

Elma y los monstruos sin nariz

エンカルニ‧コラル‧プリド

Encarni Corral Pulido

Grupo de Comunicación Loyola, S.L.U.

エンカルニ・コラルが文を書き、キエル・ラモスが絵を描いたこのかわいらしい物語は、私たちを魔法で満たし、そして自分の感情を知るお手伝いをしてくれるだけでなく、友情の価値はあらゆるものに勝ると教えてくれる。困難が大きなチャンスに変わることもあるということを示す友情の物語だ。エルマは羽を失った妖精。鼻を変えられる愛情深いモンスターたちが、エルマの羽探しを手伝う。色のついた鼻で、モンスターたちはエルマに自分の感情を知り、コントロールすることを教える。感情は子どもの発達に非常に大切なものだから、ごく小さいうちから自分の感情を認識し、制御するのに役立つような環境を大人が子どもたちに与えなければならない。

Victoria Camps著『Elogio de la duda』の表紙

懐疑礼賛

Elogio de la duda

ビクトリア‧カンプス

Victoria Camps

Arpa y Alfil Editores

「哲学は常に懐疑主義の実践である」と言ったのはバートランド・ラッセルである。疑うことを学ぶということは、与えられたものから距離を置き、常識と先入観を疑い、明白なものに疑問を呈することである。ひたすら否定するためではなく、調査し、分析し、論証した上で決定するために。本書は思想史における懐疑の変遷をたどり(プラトン、アリストテレス、デカルト、スピノザ、ヒューム、モンターニュ、ニーチェ、ヴィトゲンシュタイン、ラッセル、ロールズ、その他様々な懐疑主義者が登場)、30年にわたり大学で教鞭を取った著者の専門性を排除することなく、幅広い読者層にわかりやすく語りかける内容となっている。

Eulàlia Canal Iglesias著『Els fantasmes no toquen a la porta』の表紙

幽霊はドアをノックしない

Els fantasmes no toquen a la porta

エウラリア・カナル

Eulàlia Canal Iglesias

Edicions Bromera S.L.U.

クマとマーモットは大のなかよし、いつもいっしょに遊んでいる。宝ものを探したり、スターのように歌ったり踊ったりしてごきげんだ。ところがある午後、アヒルを遊びに誘ったと、クマがマーモットに言う。えーっ、それはないよ! だって、マーモットはアヒルが好きじゃない。クマと自分だけの友情をこわすような者は、アヒルだってだれだってお断りだ。そこで、マーモットはアヒルを遊びにこさせないようにしようと決心する。それには何をすればいい? マーモットのひとりよがりの考えからどんな騒動が巻き起こるのか。結局のところ、友だちがたくさんいるのは悪くないし、思ったよりずうっと楽しいことかもしれないよ。

ガルシアたちと壁

Els García i el Mur

ジャウメ‧コポンス

Jaume Copons

Edicions Bromera S.L.U.

ドゥナ・ガルシアとルカス・ガルシアは同じ名字だが、兄妹でもなければいとこ同士でもない。お隣さんで友だちだが、ずっとそうだったわけでもない。知り合ったころ、ルカスはドゥナの友だちになんてなりたくなかった。なにせドゥナに会わなくてすむように、箱で庭に壁までつくったんだから! だけどほんのちょっとの我慢とユーモアがあれば、友情が芽生えることもあるんだ。そうなったら……すごい発見だよ! 評判のクリエイターふたり、ジャウマ・クポンスとオスカル・ジュルベによるこの絵本で、友情の価値を学ぼう。物語を読むうち、人と人との関係には時間と敬意が必要で、本当の友情が芽生えるのに、違いが妨げになることはないと気づかされる。《ルカスとあたしはよく遊ぶの。それにあたしたちはすごく仲のいい友だち。だけどいつもそうだったわけじゃない》友情とは、珍しい野生動物のよう。飼いならすことはできないが、ちゃんと気をつけてはぐくめば、強くて固い絆になるよ

Salvador Macip著『Els límits de la vida』の表紙

命の限界

Els límits de la vida

サルバドール‧マシップ

Salvador Macip

Fishing Talent SL (Asterisc Agents)

ララはまだ15歳にもならないけど、なんでもわかっている。生と死の間で戦っているからだ。病気を発症し、集中治療室に入れられ、その夜が峠になるかもしれなかった。だが治療室には、はじめて見る女医のカルメンがいて、心躍る物語、命の物語を語りはじめた。本書は、生の概念を説明する、心を打つクロスオーバー小説。1990年代、わたしたちは『ソフィーの世界』で哲学を理解した。今、21世紀のただなか、3人の偉大な科学者の手ほどきで「我々は何者か」「ここで何をしているのか」を理解することになる。

青ひげのうわさ

Els rumors sobre en Barbablava

ビビム‧ダル‧クエントゥ

Vivim del cuentu

Editorial Baula

『Cuentos Desexplicados(語られなかった物語)』は数多くの登場人物と名作物語を、靴下みたいに取り換えたシリーズ。驚きとユーモアに満ちたストーリーは、小さな読者たちの想像力を飛躍させ、発達させる。

Cristina Zafra著『Els veïns del c/ Quisap』の表紙

キサップ通りの隣人たち

Els veïns del c/ Quisap

クリスティーナ‧ザフラ

Cristina Zafra

Comanegra Editorial

パゲイラス氏は背中をかくことができない。なぜなら手の代わりに傘しかないから! でも運がよかった。だって、1-1に住んでるソルミナ夫人にはたっくさんの手があるから。でも、つめはどうやって切るんだろう? それは2-1に住むロセッティ姉妹に頼めばいいんだ。ふたりには足はないけど、ハサミは持ってる。キサップ(「さあ、どうだろう」)通りの建物には一風変わった登場人物たちが爆笑のエピソードとともに突然に現れる。みんないろいろな問題をかかえてはいるが、いつも手を差し伸べてくれる隣人がいる。それぞれの問題がユニークな解決をむかえる頃には、暖かい気持ちや何ともいえない連帯感が生まれ、わたしたちは誰もが困った人を助けることができるカギを持っていることに気づかされる。

エルビラ

Elvira

ルシア・コボ

Lucía Cobo

Antela Editorial

ダチョウは羽を使ってなにができる? 飛び跳ね、拍手し、あいさつし、ハグをして、触ることができる……、でもエルビラは、もっとなにかしたい……。たくさん長所があるというのに、小さなダチョウのエルビラは飛びたがっている。だけど、ほしいものがいつでも手に入るとは限らない。この物語を通して私たちは、自分を認め、自分自身を愛することを知る。

Pep Molist著『Emma. La pequeña dragona de Oriente』の表紙

エマ 東の小さなドラゴン

Emma. La pequeña dragona de Oriente

ペップ・モリスト

Pep Molist

Milenio Publicaciones SL

エマには火を吐く口、空を飛ぶための2枚の翼、地上を歩くための4本の足、そして水中を泳ぐためのたくさんのうろこがある。エマと一緒に元素や季節を巡る冒険をして、最後に「おやすみ、エマ!」と言ってあげよう。ドラゴンは一部の文化圏において、土、水、火、空気という4つの元素を統合し、支配するとされる動物。そのためドラゴンは火を吹き、翼とうろこ、足を持つ。さらに守護神とされたり、幸運を招く力があるとされることもある。東の小さなドラゴン、エマの日常生活は、その象徴である4つの元素と1年の四季に結びついた4連からなる詩で語られる。細部まで描き込まれたマルタ・カブロルのイラストは優しさに満ちており、その描線と色調が見る者を包み込む。おやすみ絵本に最適。

Joan Riera, Tomás Soler著『Emprende tu propia aventura』の表紙

模擬起業 あなたの経営センスを試す起業シミュレーションブック

Emprende tu propia aventura

フアン・リエラ、トマス・ソレル

Joan Riera, Tomás Soler

LID Editorial Empresarial

世界中で何百万人もの若い読者を魅了した「きみが決める冒険シリーズ」のモデルに従い、数百人の起業志望者にアドバイスを提供してきた専門家であるジョアン・リエラとトマス・ソレルが、あなたを起業家キムの立場に置き、彼女が自分のビジネスを立ち上げる体験をさせてくれます。 物語が進むにつれ、各章の終わりでいくつかの選択肢から一つを選び、35通りの結末のうちの一つに向かって道のりを続けていくことになります。その過程で、実際に会社を設立する人が体験することすべてを経験し、戦略、財務、マーケティング、オペレーション、人的資源の分野において、自分自身の決断がどこに導くかを学ぶことができます。あなたの会社を最大の成功へと導くことも、完全な失敗に陥らせることも可能なのです。

著『En calma』の表紙

静けさのなかで

En calma

カルメン・マテオ

Carmen Mateo

Grupo de Comunicación Loyola, S.L.U.

サバンナに夕ぐれがおとずれ、動物たちが眠りにつこうとするとき、ふしぎな物音が聞こえてきます。そこにいたのは見おぼえのない小さな動物で、ライオンもキリンもゾウもおどろきます。みんなでこの小さな動物をおちつかせようといろんな方法を試しますが、なかなかうまくいきません。はたしてサバンナに、「静けさ」をとりもどすことができるのでしょうか? チームで協力し、助け合い、みんなが本当に必要としているものはなにかを見つけ出そうと提案する物語です。

Ignacio Abad著『En Düsseldorf no hay ni puede haber leones』の表紙

デュッセルドルフにライオンはいないし、いられない

En Düsseldorf no hay ni puede haber leones

イグナシオ‧アバド

Ignacio Abad

Menoslobos taller editorial, S.L.

この小説には読者を待ち受ける多くの驚きがあり、そこには著者イグナシオ・アバドによる金細工のように繊細な仕事や、少しずつ読者を巻き込んでいくプロット構築の正確さが隠されている。物語を組み立てる彼の能力と、主人公である名前のないジャーナリストのしっかりした人物造形に裏打ちされて、私たちの前に繰り広げられるのは、過去、現在、未来を行き来し、ついには一対の鏡のなかで、あるいは迷宮、交錯するストーリーの迷路のなかで枝分かれしていく裁断された物語だ。読み進むにつれ、何が真実で何が噓か、どこまでが現実でどこからが空想か、それらを隔てるぼやけた線のどちらが正しい側なのかを見分けるのはどんどん複雑な作業となり、厄介で刺激的な挑戦になる。

森のなかで

En el bosque

アナ‧マリア‧マトゥーテ

Ana María Matute

Albur Producciones Editoriales

1998年1月、アナ・マリア・マトゥーテはスペイン王立アカデミーで《En el bosque(森のなかで)》と題した入会の講演を行った。言葉でできたその場所から物語の語り手は、明瞭な声で子どものころから魅了されてきた世界を披露した。聴衆の前に生き生きと立ち上がったのは、作家としての軌跡に常に寄り添ってきた映像や人物、すなわち秘密のささやき、暗がりにひそむ目に見えない命、世界の中心の住民たちの声。今回の刊行は講演の原稿と著者のバイオグラフィーを収めた小冊子に9枚のイラストカードがついたバージョン。カードは自由に組み合わせて並べることができるので、森のなかのシーンや物語を無限に創り出せる。繊細さとアンティミスムの描線が特徴のオドリオゾーラがイラストを描いた本書は、作家がインスピレーションを受けた妖精物語の宇宙発生論にオマージュを捧げている。

Rafael Chirbes著『En la orilla』の表紙

岸辺にて

En la orilla

ラフ<エル‧チルベス

Rafael Chirbes

Editorial Anagrama

物語はオルバの貯水池で死体が発見されるところから始まる。主人公エステバンは、経営する工務店をたたんで、従業員を路頭に迷わせることになる。病気で末期の父親の看病をしながら、エステバンは、破産の原因を探す。彼はその犠牲者であり首切りの執行人という2役を背負っている。そして私たちはその瓦礫の中に、ひとつの社会、ひとつの世界、ひとつの時代を支配して来た価値観を見つける。福祉とその裏側、強欲と全て瓦礫と化してしまった偽りのプロジェクトの数々。エステバンの人生が映る鏡、ある意味特徴のない男。敗れた夢と失われた幻想をそのまま映している。みんなががつがつしていた。一握りの人たちのこの饗宴では、愛や家族、友情、社会規範もまたメニューの一部だった。

Natàlia Cerezo著『En las ciudades escondidas』の表紙

秘められた町で

En las ciudades escondidas

ナタリア‧セレソ

Natàlia Cerezo

Editorial Rata

ナタリア・セレソの最初の短編集En las ciudades escondidas (ひなびた町で)に収められた物語を読んだ⼈の⼼には、奇妙なミニマリスト感覚が残る。孤独で難解な登場人物すべてに強く感じられる、秘められた私生活。⼝に出さないこと、失ったことの中に彼らの本当の姿はある。彼らはただ、⽣きている。著者が語るのはそれだ。暑く平穏な夏に過ぎていく⼈⽣、全く何も起こらない穏やかな⽥舎町、⾯識がないように⾒えて、⼤地が震えるほど求めあっている隣⼈たち、喪失と病気によって壊れた⼦ども時代、⼦どもになる術を知らない親たちと親になりたくない⼦どもたち、私たちが知らない町で起こる数カ⽉の暮らしを描く。

Jaume Cabré著『En Pere i el bosc』の表紙

ペラと森

En Pere i el bosc

ジャウマ‧カブレ

Jaume Cabré

GRUP 62, S.L.U.

ペラという男の子が夜中に家を抜け出して、おもちゃの消防車を探そうと森へ入っていった。何匹かの動物が、珍しそうにペラを見ている。フクロウ、リス、ハリネズミ……。でもペラは気づかない。どの動物なら、ペラに消防車を見つけさせることができるかな? さあ、ペラといっしょに森へ入ろう。そこできみは、好奇心旺盛なたくさんの動物に出会い、一緒に驚きに満ちたすばらしい冒険へと乗り出すだろう。

Andrés Barba著『En presencia de un payaso』の表紙

ピエロの前で

En presencia de un payaso

アンドレス‧バルバ

Andrés Barba

Editorial Anagrama

自分の人生を300語にまとめることが出来る者がいるだろうか? アンドレス・バルバのこの空想的な小説の主人公は科学者のマルコス。母親が亡くなった後、妻と、複雑な政治歴を持つ引退したコメディアンの義兄弟とが初めてクリスマスに集ったときも、彼はずっとこの不可能なことについて頭を悩ませ続けていた。いつもながら個々人の密やかな空間を描き出すことに長けた作者は、本書でアイデンティティー、家族、ユーモア、願望、他人を真に発見した驚きについて語る。

Marta Rivera de la Cruz著『En tiempos de prodigios』の表紙

奇跡の時代に

En tiempo de prodigios

マルタ‧リベラ=デラクルス

Marta Rivera de la Cruz

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

セシリアはシルビオを訪ねる唯一の人間だ。シルビオは彼女の親友のおじいちゃん。シルビオはこれまで誰にも話そうとしなかった、ある伝説的人生についてじっと胸に秘めている。シルビオは写真が入った箱を見せながら、セシリアにザッカリー・ウェストとの魅惑的なストーリーを話し始める。ウェストは風変りな米国人で、彼がリバノバにやって来たことが周囲の人たちの運命を変えてしまった。ウェストによって、ドイツでナチス台頭が引き起こした恐怖を知り、そして理想のために自分の命を犠牲にするという価値観を学ぶ。セシリアは、母親を亡くし、恋人と別れた後、人間として深刻な危機に陥っていたが、シルビオは彼女にとって、人生を立て直すための友人、同志になるだろう。

Salvador Tomás Rubio著『En tiempos de crisálida』の表紙

さなぎの時

En tiempos de crisálida

サルバドール‧トマス‧ルビオ

Salvador Tomás Rubio

Susana Alfonso Agencia Literaria

歴史上、多くの女性は確固たる願望を実現させるために、あるいは単に社会の中で居場所を見つけるために、男性の役割をしなければならなかった。何世紀にもわたる女性に対する差別や不寛容のせいで、女性に男性と同じ権利を認めようとしない、融通の利かない不条理で不公平な社会と戦うために、反骨精神の強い女性たちは男装するに至った。実在の人物の伝記を模した本書の主人公は医師で、ナポレオン戦争で兵士となり、ヨーロッパの戦場を駆け抜けた。スペインで投獄され、新世界へと移民した彼女の人生は、その時代の偽善的な社会への決断と勇気の教えとなり、後の世代のための権利回復のモデルとなる。

Izara Batres著『ENC o El sueño del pez luciérnaga』の表紙

ENCまたはオニハダカの夢

ENC o El sueño del pez luciérnaga

イサラ‧バトレス

Izara Batres

Ediciones Xorki (Moldava S.L.)

経済危機下のマドリード。夜は「バールの壁にぶつかって砕けた挫折した感情と夢と情熱の場」である。30代というもうひとつの危機を目前にした登場人物たちが、自分の道を探し求める。主人公の女性は行政訓練校に通う、60年代を懐かしむ作家で、つましい暮らしをしながら世界を変えようと目論んでいる。その友人には、唯一の解決法は光と闇との激しい戦いで全てを破壊することと考える元学生、美貌が却って仇になっている失業中の女優、 「持続可能性フリーク」のばりばりのIT技術者、好奇心旺盛で野心家の成金などがいる。そしてその周囲で、皮肉屋、うつ病患者、買収された人間、社会からの逃避者などがうごめき、15-M運動、捜索、どんでん返しが起こる。映画のように明確なイメージで、現代社会を活き活きと描きだす。

Juan José Badiola Díez著『Encefalopatías espongiformes transmisibles』の表紙

感染性海綿状脳症

Encefalopatías espongiformes transmisibles

フアン‧ホセ‧バディオラ=ディエス

Juan José Badiola Díez

Ediciones Mayo, S.A.

EU諸国で起きた深刻な食糧危機の原因となった牛海綿状脳症。公衆衛生、経済、政治の各方面にあまりにも大きな影響を与えた病気である。 本書はプリオンによる病気の特徴を病因学、病原論、遺伝、診断、疫学と関連づけて掘り下げると同時に、近年進歩した治療法、予防、バイオセキュリティの状況についても発生要因と関連づけて述べており、興味深い1冊に仕上がっている。

Vicky Timón著『Enciclopedia de ejercicios de pilates』の表紙

ピラティス‧エクササイズ百科辞典

Enciclopedia de ejercicios de pilates

ビッキー‧ティモン

Vicky Timón

Pila Teleña

ピラティス・メソッドは、体への負荷がない動きで、姿勢の矯正、代謝の促進、けがをすることなく筋肉の弾力性や柔軟性の向上を促すために考えられたエクササイズである。ピラティスで鍛える筋肉群は、普段の生活や職場で使われるのと同じ筋肉である。

どこにもない

Enlloc

グロリア‧カスタニャレス‧マルティ

Glòria Castañares Martí

Batidora Ediciones (La Batidora Coop. V.)

これは単に学校でのいじめの現実を伝える作品ではない。登場人物のひとり、中学生のアルバロが一人称で語る物語。アルバロは家庭の事情で転校してから、学校生活の苦い側面を味わうことになった。新しい学校で、あるグループから攻撃の標的にされてしまったのだ。アルバロはもうひとりの生徒も同じように攻撃されていると知る。彼を助けることが、自分の問題を解決するきっかけになるだろう。登場人物の生活を多角的に見つめ、その個人的欲望や家庭生活を掘り下げる、力強い物語。恐れ、不安、痛み、そして……、別の現実も可能だということを垣間見せてくれる、希望という名の裂け目。

能力を与える環境:排除されるおそれのある青少年への介入

Entornos que capacitan. Intervención c on adolescentes y jóvenes en riesgo de exclusión

ザス‧マルティン

Xus Martín

早い段階で学業を放棄した青少年の教育は、彼らの学習能力のなさや社会的無能さを強調するような意見をあれこれと生みがちだ。だが、それは実際にはもっと複雑な現実を覆い隠してしまう性急な判断と言える。本書の中で著者は、排除されるおそれのある若者が、学習能力やコミュニティでの生活能力の点で劣っているわけではないという事実から出発し、環境が人間の統合的な発達に与える影響に着目していく。そして、恵まれているとは言えない環境に置かれた青少年たちの未発達な能力を伸ばすような教育の必要性を指摘し、5つの基本的なスキルで構成された介入案を提示して、そのための理論的貢献、民族学的説明、教育的方法論、活動案について記述している。

Clara Sánchez著『Entra en mi vida』の表紙

私の人 に入ってきて

Entra en mi vida

クララ‧サンチェス

Clara Sánchez

Ediciones Destino

ベロニカは10歳の時、一度も見たことのない女の子の写真を見つける。それ以来、彼女の家の中の悲しさ、言い争い、沈黙には、誰も触れたくない何かが隠されているような感覚を抱えて生きてきた。年月が過ぎ、思春期のベロニカにふりかかる母親の病気。そして盗まれた過去がベロニカをあの写真の女の子にどんどん近づけていく。 ラウラは自分の家族には何かしっくりこないものがあるといつも感じていた。暴君のような祖母と彼女のことを気にもかけない母親のもと、不安な気持ちで成長した。ある日、ラウラが働く靴屋にベロニカが入ってくる。そして、ラウラは一目で、人の人生にはその前と後をはっきりとわける決定的な瞬間があるのだと理解する。

Elena Almirall Arnal著『Entrar en el Olimpo. Un viaje arquetípico a través de la mitologia clásica』の表紙

オリンポスへの入り口:古典神話を通じた原型的な旅

Entrar en el Olimpo. Un viaje arquetípico a través de la mitologia clásica.

エレナ・アルミラル・アルナル

Elena Almirall Arnal

Editorial Kairós

デルフォイのアポロン神殿の入口には、「汝自身を知れ」という格言が刻まれていた。これは、古代の哲学者たちの心を悩ませた根本的な問い、すなわち「人間が到達しうる最も重要な教えとは何か?」に対する答えであった。 ギリシャ人が追求した自己認識の探求に倣い、本書は古代の偉大な神話を通して、その内なる旅へと誘うものである。もしオリンポスが単なる遠い場所ではなく、私たちがアクセスできる意識の状態であるとしたら? 明確で、面白く、そして深遠なスタイルで、エレナ・アルミラル・アルナルは吟遊詩人のように、ナルキッソス、プロメテウス、ペルセフォネからプシュケ、オデュッセウス、ダナエまで、18の原型的な人物の物語へと私たちを導き、それらが隠す真の象徴的意味、つまり私たち自身をより良く理解し、より意識的に生きるための時代を超えた鍵を明らかにしている。神話は死んでいない。私たちが耳を傾ければ、今も語りかけてくるのだから。

Celso Castro著『Entre culebras y extraños』の表紙

蛇とよそ者に囲まれて

Entre culebras y extraños

セルソ‧カストロ

Celso Castro

A.C.E.R. Agencia Literaria

語り手の父親の死から物語は始まる。あっけない突然の死。過干渉な母親に甘やかされて育ち、周囲の世界に終始悩まされている、極端に繊細で病弱な主人公は、この悲劇的な出来事で大きな打撃を受ける。それを克服しようとソフィアの愛情に頼る。ソフィアは彼と同い年の娘で、別れてはまたくっついてを繰り返すデリケートな関係でつながっていた。それは、素晴らしくもあれば悲劇的でもある関係だった。やがて隠されていた家族の歴史が明らかになり、全てが変わる。主人公は姉のもとに逃げ込む。だが、ドラッグや酒の経験がある反抗的な大学生の姉も、心の底では弟と同じくらい途方に暮れているのだった。

Arturo Padilla著『Entre dos blaus』の表紙

ふたつの青の間

Entre dos blaus

ふたつの青の間

Arturo Padilla

Barcanova Editorial

アルバとマリーナはお父さんにものすごく特別な贈り物をする。それは難破船への潜水だ。そして、この冒険に寄り添ってくれる2人のダイビングのインストラクター、ウリオル、ライアと一緒にお父さんが潜る瞬間が待ち遠しい。姉妹は3人が海の真ん中に消えていくのを小型船から眺めるが、まさか彼らの姿をみるのはそれが最後になるとは想像だにしていない。海は、浅いところも深いところもとっても危険な場所に変わり得る。生き残れるのは勇敢な者だけだ。

知的機械の中で

Entre máquinas inteligentes

コシコサ

Cosicosa

Editorial Flamboyant

自動運転自動車、携帯電話、しゃべるおもちゃ、ロボット掃除機……。知的機械はちまたに溢れています。機械はどれだけの人類を所有していて、人間はどれだけの機械を所有しているのでしょう? この本を読めば、知的機械の働き、それらがわたしたちの生活に与える影響や倫理的脅威を学ぶことができます。知的機械がどのようにして作動するのか、どのように学習するのか、多様でいながら使用者を選ばないためにはどのようなプログラミングが必要か、ということがわかります。イラストは鮮やかで、ユーモアたっぷりの本です。

Justo Sotelo著『Entrevías mon amour』の表紙

エントレビアス モナムール

Entrevías mon amour

フスト‧ソテロ

Justo Sotelo

Bartleby Editores, S. L.

本書は父親と息子(テオ・アバド、戦場レポーター、本書の語り手)の愛情の物語であると同時に、孤独な女たちと、不当な武力紛争から帰還した英雄たちとの愛情の物語である。さらには、アンティゴネーとイーピゲニアというギリシャ文学の神話的登場人物に対するオマージュでもある。アンティゴネーが兄を埋葬しようとするように、ジュディット(この小説の主人公)は60年代にフランコ体制に殺害された両親の遺体を見つけて埋葬したいと思っている。イーピゲニアが生贄になったことは、エディパ、タマラ、ラ・ニニャといった女性たちの遺体で体現される。舞台はマドリードの人口密集地、エントレビアス地区という実在の魅惑的な地区。戦争とそれに伴う不正、他人の人生を決定する権力は誰が持っているのか、いないのか、といったことを考えさせる一冊だ。

Belén Gaudes著『Érase dos veces... Blancanieves』の表紙

またまたあったとさ……白雪姫

Érase dos veces... Blancanieves

ベレン‧ガウデス、パブロ‧マシアス

Belén Gaudes y Pablo Macías

Cuatro Tuercas, S.L.

だれもが知る昔話を、性差別・不平等・暴力の要素なしに再話したシリーズ。おひめさまはいつもかよわくて従順でほっそりしていて、王子さまは決断し冒険し、魔女は悪くて賢明さに欠け、愛さえあればなんでもできる……。こういった神話や偏見を取り除き、オリジナルにくらべて意義のある物語になっている。著者はここで提案する男と女の新しいモデルが、子どもたちにとっての平等の見本になるよう願っている。この「白雪姫」の主人公の娘は、王国一の美女でもなければ、愛のくちづけで救われることもないし、白馬に乗った王子さまの腕に抱かれもしない。自分のことは自分で決めて、お姫さまでいるより鉱山で働くほうを選び、自立した幸せな女性になる。

Belén Gaudes & Pablo Macías著『Érase dos veces... Cenicienta』の表紙

またまた,ったとさ……シンデレラ

Érase dos veces... Cenicienta

ベレン‧ガウデス、パブロ‧マシアス

Belén Gaudes y Pablo Macías

Cuatro Tuercas, S.L.

だれもが知る昔話を、性差別・不平等・暴力の要素なしに再話したシリーズ。おひめさまはいつもかよわくて従順でほっそりしていて、王子さまは決断し冒険し、魔女は悪くて賢明さに欠け、愛さえあればなんでもできる……。こういった神話や偏見を取り除き、オリジナルにくらべて意義のある物語になっている。著者はここで提案する男と女の新しいモデルが、子どもたちにとっての平等の見本になるよう願っている。この「シンデレラ」の主人公の娘は、舞踏会に行って王子さまと恋に落ちたりはしない。その代わり、まるで家畜を選ぶように妃を選ぶのはいい考えだと思うかと、王子さまに訊ねるのだ。魔法使いには、ガラスのくつがふさわしいのかどうかと考えさせ……、そして自分の人生の手綱は、自分でとる。

Belén Gaudes & Pablo Macías著『Érase dos veces...La bella durmiente』の表紙

またまたあったとさ……眠れる森の美女

Érase dos veces... La bella durmiente

ベレン‧ガウデス、パブロ‧マシアス

Belén Gaudes y Pablo Macías

Cuatro Tuercas, S.L.

だれもが知る昔話を、性差別・不平等・暴力の要素なしに再話したシリーズ。おひめさまはいつもかよわくて従順でほっそりしていて、王子さまは決断し冒険し、魔女は悪くて賢明さに欠け、愛さえあればなんでもできる……。こういった神話や偏見を取り除き、オリジナルにくらべて意義のある物語になっている。著者はここで提案する男と女の新しいモデルが、子どもたちにとっての平等の見本になるよう願っている。この「眠れる森の美女」の主人公は娘は、くだらないものではなく、本当に大事な3つの贈り物を授かる。そして白馬に乗った王子さまの愛のくちづけで救われるのではなく、自らドラゴンと戦って自分を救うのだ。

Beatriz Osés著『Erik Vogler 6: El secreto de Albert Zimmer』の表紙

エリック‧フォグラー6巻 アルベルト‧ツィマーの秘密

Erik Vogler 6: El secreto de Albert Zimmer

ベアトリス‧オセス

Beatriz Osés

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

近年のヤングアダルト向けミステリーのなかで最も注目のシリーズ。超常的な要素を満載し、抱腹絶倒の主人公が登場。エリック・フォグラーは、見た目は憎たらしいが、読むうちに愛さずにはいられなくなるキャラクター。潔癖症で、きちんとしていなければ気がすまず(なんでも色ごとに分類する)、すべてコントロールせずにはいられない。古典的な探偵ふうにブランドものの服を着こみ、靴はイタリア製で、ズボンは乗馬用、もちろんエレガントでなければならないので鼻紙は絶対に使わない。実はいきなり気絶するほど小心者で臆病なので、厄介ごとから逃れようとするのだが、いつでも犯罪に巻き込まれてしまう。しかも、たいがい重大な事件に。コミカルな設定とミステリーが心をつかみ、読者は夢中になって次々と続刊を読む。

Mildre Hernández Barrios著『Es raro ser niña』の表紙

女の子だっていうのは変

Es raro ser niña

ミルドレ‧エルナンデス=バリオス

Mildre Hernández Barrios

Legua editorial, S.L.

本書は思春期向けの書籍だが、全ての年齢層の読者に好まれる作品。この誠実な物語の主人公はクアシ。現代社会の良識の声ともいえる思春期目前の女の子だ。彼女が体験する波乱万丈とともに、私たちは人情、団結、自己アイデンティティの模索、人の成長について多くを学ぶ。その文章は、想像力に溢れ、メタファーや言葉遊びに満ち、それらによって読者は著者が提案する考察に優しく導かれていく。本書では全てが明るく楽観的で、価値観について教えるだけではなく、非常に楽しい体験を与えてくれる。

Xevi Sala著『Esborraràs les teves petjades』の表紙

足跡を消しさって

Esborraràs les teves petjades

シェビ‧サラ

Xevi Sala

Raval Ediciones S.L.U

バスクのあるテロリストが25年の刑期を終えて出獄する。彼が服役中、組織の幹部は政府を相手に戦闘中止の交渉を進めていた。出獄した男は昔の仲間に失望して単独で動くことにし、カタルーニャのリポリェー山中の村に身を潜めて新たな襲撃を準備しようと決心する。彼は名を伏せて隠れ住むのだが、村にはかつて村人同士を対立させた古傷があり、やがてそれが暴力となって噴出する。彼はそこで、自分の大義への忠誠を貫くべきか、無垢の人を護るべきか、選択をせまられる。

戦争のさなかに書かれたもの

Escritos en la guerra

ダニエル‧エルナンデス=チャンベルス

Daniel Hernández Chambers

Kalandraka Editora

世界的に著名な作家たちが登場する7つの短編集。共通のテーマとして戦争がもたらす破壊と死、そしてそれらに打ち克つ、逆境を前にした希望の視線、不幸を乗り越える強さ、団結の絆を描く。それぞれの短編に登場するのは、まず避難民の少女が感動的に語るリッチマル・クロンプトン、エレナ・フォルトゥン、詩人のミゲル・フェルナンデス、フェデリコ・ガルシア=ロルカ、ラファエル・アルベルティ、ガブリエル・セラヤ、文芸クラブとフェミニズムに関連してグロリア・フエルテス。そしてゴンサロ・モウレが一人称でフランコ独裁時代の経験を詳細に語り、飛行家アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの晩年も描かれる。インタビューから証言、年代記風の作品まで、語り口の多彩さと文学的価値が特徴の短編集だ。

Xesco Bueno著『Escuela de arroz』の表紙

米料理の学校

Escuela de arroz

シェスコ‧ブエノ

Xesco Bueno

Larousse Editorial

米はスペイン料理にとってスター的存在で、この本の主役だ。調理手順を追った写真が多数掲載されており、調理器具や台所用品、器などの基本的な情報に加え、米の炒め方や焦げ目のつけ方、透き通った魚の出汁や甲殻類の出汁の取り方などの秘訣やテクニックも満載。最もページを割いているのはもちろんのことレシピ集である。色々な好みや難易度に合わせた57のレシピが掲載されている。例えばクリーミーライス、米の2段階調理、サラダやソテー用白米、カエルの脚入りオーブンライス、腸詰めとベーコンのクリーミーライス、コウイカと魚介のクリーミーライス、コリアンダー・ライム・カルダモン風味のピラフなど。

ヴィーガンスイーツの学校

Escuela de pastelería vegana

トニ‧ロドリゲス‧セグラ

Toni Rodríguez Segura

Larousse Editorial

トニ・ロドリゲスはヴィーガンスイーツの技術と製法の研究に力を注いできたひとりで、本書ではそのスイーツを紹介する。収録する100を超えるレシピは以下のような項目に分かれている。・基本の準備(自家製クリームマーガリン、植物性ミルク、ケーキ用クリーム、自家製プラリネなど)、・スポンジケーキ(クルミのブラウニー、バナナブレッド、レモンケーキ、マドレーヌなど)、・ヴィエノワズリー(定番のブリオッシュ、シナモンロール、ドーナツ、クロワッサン、ミルフィーユ、エンサイマーダなど)、・朝食と軽食(ワッフル、スコーン、フラップジャック、アニスロールなど)、・クッキー、サブレ、ケーキ、・マカロンとプチフール、・チョコレート(カカオ35%ホワイトチョコレート、カカオ42%ミルクチョコレート、ロシェ、トリュフなど)、・ペストリー(ピーナッツボンバ、キャロットケーキ、クーラン、ザッハトルテ、ロールケーキなど)、・クリーム、プディング、ムース。

Jordi Soler著『Ese príncipe que fui』の表紙

王子だった私

Ese príncipe que fui

ジョルデイ‧ソレル

Jordi Soler

MB Agencia Literaria

王子なのか詐欺師なのか? メキシコのアステカ族の王モクテスマの最後の子孫の奇想天外な物語。16世紀にモクテスマの娘のひとりがスペイン人貴族に拉致され、ピレネー山中の人里離れた村に連れていかれた。そこで男児を生んだことが、21世紀まで続く狂気の血統の始まりとなる。この話に魅せられた語り手は、アステカ王女と息子の子孫である、バルセロナ上流階級の男、キコ・グラウのとても本当とは思えない実話を発見する。妄想とペテン、さらに自分の血統がもたらす歴史的責任のはざまでキコ・グラウは皇太子を名乗り、貴族の称号を欲しがるうぬぼれ成金たちをペテンにかけていた。最後にグラウはスペインから逃亡し、メキシコの密林にある怪しげな村に隠遁する。そこの住人達だけが、彼とスペイン征服前の王族との結びつきを認めるのだった。

夜明けを待って

Esperando el amanecer

ファビオラ‧アンチョレナ

Fabiola Anchorena

Kalandraka Editora

ずっと前から真っ暗な闇がジャングルを覆っている。そこに住むものたちは月や星を、とくに太陽を待ち焦がれた。しかし動物たちは、その温かい命の源を見つけるどころか荒廃を発見し、どう呼べばよいかわからないほどの大きな火災を前にパニックに陥る。気候変動や人間の行いが起こした大規模火災による、地球の緑地帯の破壊だ。著者ファビオラ・アンチョレナはアマゾン熱帯雨林の終焉を描いたが、これは世界中のどの森に起きてもおかしくない。陸に生きるもの、水中で暮らすもの、そして空を飛ぶもの、すべての動物たちが「夜明けを待つ」という共通の行動原理のもと団結する。厳しい物語と対照的に、文章は詩的で、イラストが強く語りかけてくる。見開きページに描かれたイラストは映画的効果をもたらしている。

Sergi Puertas著『Estabulario』の表紙

動物施設

Estabulario

セルジ‧プエルタス

Sergi Puertas

Impedimenta Editorial

客の到着を待ちながら携帯でお喋りするふたりの少⼥。通りでは発砲⾳や爆発⾳がしている。ある⽇テレビが彼⼥たちに話し始め、逃げるよう促す。100キロの重さがあり、DNAのレベルまで溶け込む着脱テクノロジーのお陰でブッダのなりをしてウェイターをつとめる哀れな悪魔。着ぐるみを制御するソフトウェアが機能しなくなった時に問題が⽣じる。ある⼤⾂は都市計画にまつわる不正⾏為を働くよう指⽰をうけるが、実はもっとうさんくさい別物だった。排出された人間たちは、コンピューターにつながれて⽣活体験を元にした映像を造り出し、兄弟戦争ののち、主権を⼿にしたアンダルシアを舞台にしたテレビ番組の主役をつとめる。ベッドで昏睡状態にある2⼈の同性愛者が意味を求めて選択肢のボックスを⾒つめている。

Rodrigo Palacios著『Estanebrage』の表紙

エスタネブラヘ

Estanebrage

ロドリゴ‧パラシオス

Rodrigo Palacios

EDHASA - Editora y Distribuidora Hispano Americana

不公平、魔法、戦争と愛……遥か昔、とある架空の王国では、邪悪な王ロムバル・ナトケが国中を恐怖に陥れていた。王の野望は果てしなく、すべてが王の支配下にあった。魔法は禁じられ、人々は恐れおののいて生きていた。そこで、 ニクライ・エスタネブラヘという若き靴職人が先頭に立って反乱を起こす。その戦いで貴重な助けとなったのが、人々に希望を取り戻させる力を持つ見習い魔術師のオイブ、ロムバル・ナトケ王から追放された貴族ゲンコとアベロン、勇ましい女戦士アラナなど、不公平な暴君に対抗して立ち上がった者たちだった。

Miquel & Daniel Arguimbau著『Estimat Leo』の表紙

レオへ

Estimat Leo

ミゲルとダニエル‧アルギンバウ

Miquel & Daniel Arguimbau

Barcanova Editorial

一番の親友が自分と同じく、サラという女の子に恋をしたとき、アドリアは感情の領域の内外で負けることをおぼえる。そのとき彼は尊敬するサッカー選手、レオ・メッシに手紙を書きはじめ、それが1冊の本になった。人生において10はとても重要な数字だ。読者は、アドリアやその家族や友だち、先生やコーチの日々の態度や行為が認められるに足るものかを判断することになる。ユーモアはあるか? もちろん。騒動は? それもある。落胆やフラストレーションは? そして克服がある。この本は男子向け、女子向け? きみの名前がサラだろうとアドリアだろうと、この本はきみのための本だ。

Susanna Isern著『Esto no es una selva』の表紙

これはジャングルじゃない

Esto no es una selva

スザンナ‧イセルン

Susanna Isern

Editorial Flamboyant

すべてはパウラが「イヤ」と言うことにした日に始まった。「イヤ」と言うのはすごいことだ。パウラはなんでも好きなことができる……。けれどもそのとき、予想もしなかった事態になる。家がほんもののジャングルに変わったのだ。木やツタがはえ、植物がうっそうとしげり、あらゆる動物がのびのび暮らしている。子どもが大人に挑むとどういうことになるかを描いた、心をつかむ物語。

Varios autores著『Etnias del mundo』の表紙

世界の民族

Etnias del mundo

共著

Varios Autores

Tres patas y pico

現代に存在する民族を主人公に、様々な作家が執筆した20の物語を収録。これらの民族は、困難な世界で逆境に立ち向かいながら、自らの文化を守るために奮闘している。それぞれの作家が独自の個性を吹き込んでいるため、物語のスタイルは多様。本書を読めば小さな子も、それほど小さくない人も、感動し、楽しみ、そして多様な生き方をする人々について知ることになるだろう。各話に人類学者エドゥアルド・バロナが監修した情報シートが付いていて、それぞれの民族の居住地域、言語、生活様式、住居、服装、信仰、豆知識がまとめられている。さらに「読んだあとに」と題して、ワニのしおり作り、天然顔料によるフェイスペインティング、ツリーハウス作りといった、物語に関連するアクティビティが提案されている。

エティ‧ヒレスムとその変容 リルケの足跡

Etty Hillesum y la transformación: La huella de R. M. Rilke

V ‧ハビエル‧リョップ‧ペレス

V. Javier Llop Pérez

Narcea Ediciones

世界大戦と全体主義の世紀には、並外れた人生の証を残した稀有な人々が存在した。エティ・ヒレスムはそのひとりである。その日記と手紙を読んでまず驚くのは、彼女の深い変容と非常に困難な環境だ。ヒレスムがどの程度哲学者あるいは思想家だったのか、強制収容所のための倫理を確立し、仏教や東洋哲学に傾倒していったのかは様々な試論がある。彼女の著作に最も強い影響を及ぼしたのは、詩人のライナー・マリア・リルケだ。彼は20世紀の少数派として、先鋭的かつ真摯に人間の有限性、死、とりわけ生を受け止めた。本書は厳密なアプローチで、ヒレスムがどのように生、神、死、傾聴、孤独などについて考えを深め、作家としての使命に突き動かされていったのかを記している。

Xavier Bosch著『Eufòria』の表紙

陶酔

Eufòria

シャビエル‧ボッシュ

Xavier Bosch

Raval Ediciones S.L.U

ダニ・サンタナに何があったのか? ジャーナリストのダニは殺されかけ、今は体の上から下までギプスに覆われている。病院という独自の法則を持つ世界で、彼は車椅子生活を送ることになったラグビーのユースチームの選手グラトゥと親しくなる。落ち着きがなく、おまけにハッカーでもあるグラトゥは、保健システムの破たんの原因調査にサンタナを巻き込む。その頃、世界有数の億万長者、メキシコの実業家ロベルト・M・ファウラがバルセロナに到着する。携帯電話会社のトップであるファウラは、欧州最大のテーマパークの開園を政府と交渉中だ。市民の反対運動、法の網の目をかいくぐろうとする試み、そして国の経済再生には不可欠と思われるプロジェクトをつぶそうとする権力者たち。しかし、何事も新聞記事に書かれている通りではないのだ。

Xabier Pikaza Ibarrondo著『Evangelio de Marcos』の表紙

マルコの福音書

Evangelio de Marcos

ハビエル‧ピカサ=イバロンド

Xabier Pikaza Ibarrondo

Editorial Verbo Divino

本書は、次の3つの新たな研究成果をもたらしてくれる。1)歴史的側面においては、福音書をキリスト教共同体の展開の内部から、ユダヤ戦争(西暦66~70年)の文脈の中に位置づける。2)神学的側面においては、マルコが復活の(生き返った)キリストと歴史上の人物としてのイエスを同一人物としたことが、教会のアイデンティティと意識の発展に寄与したことを浮き彫りにする。3)文学的側面においては、原文の語りの特徴を重視する。つまり、マルコは理屈を述べたり証明したりするのではなく、イエスの物語を語るのであり、そのようにして、キリスト教の出発点および中心となるイエス像を確立したと説く。

Sandra Andrés Belenguer著『Ex Libris』の表紙

エクス‧リブリス

Ex Libris

サンドラ‧アンドレス=ベレンゲール

Sandra Andrés Belenguer

Editorial Everest, S.A.

ララは学校で「ビチョ・ラロ(変な子)」というあだ名をつけられている。仲間外れにされている理由はまず、彼女は文学にしか興味がないみたいだし、友だち付き合いがうまくないからだ。ララは2年前にパリに引っ越した。その環境の変化はひとつのチャンスだと思ったがそうじゃなかった。やりきれなくて、学校をさぼりパリの街をぶらぶら散歩している途中で、不思議な本屋、ブランシャール書店を見つける。その本屋の看板は1冊の開いた本で「エクス・リブリス」と言う文字とクエスチョンマークがふたつ書かれている。本屋はとても古く、閉まっているように見えるが、ララはとめどない好奇心に駆られて、中に入ってみる。本屋の店主に日を改めて出直して来るようにと言われ、彼女は何か変だと感じるが、そこにある珍しい本を読むためには、その老店主の信用を勝ちとらなければならない。その約束の日を境に、ララ自身の冒険が始まる。現実の冒険か、それとも文学の冒険か?

David Cantolla著『Éxito para perdedores』の表紙

敗者のための成功

Éxito para perdedores

ダビッド‧カントーリャ

David Cantolla

Astiberri Ediciones

本書はアニメシリーズ「ポコヨ」と「ジェリー・ジャム」の制作者のひとりであるダビッド・カントーリャの評伝。その成功と失敗と、新たなる国際的成功を一人称で語る。成功と転落のその波乱万丈の人生がフアン・ディアス=ファエスの巧みな語りと絵で味つけされている。感動やドラマに胡椒をきかせたエピソードが楽しく、かつビジネスの世界のしくみがわかる貴重な資料という意味で教育的な一冊。

David Luna Lorenzo著『Éxodo (o cómo salvar a la Reina)』の表紙

エクソダス(もしくは如何にして女王を助けるか)

Éxodo (o cómo salvar a la Reina)

ダビド‧ルナ=ロレンソ

David Luna Lorenzo

Apache Libros

2016年UPC(カタルーニャ工科大学)SF賞受賞作品。ジグラットへようこそ。この不思議な惑星の移民たちは劣悪きわまる環境の中で数世紀にわたり生き延びてきた。その間加速度的な進化を遂げた結果、異質なものへと変化していた。やがて灼熱が惑星を襲う。王室警備隊長の指揮の元、住民の大移動が始まった。脅威に満ちた旅の先に待っているのは天国か、はたまた地獄か。画家ミケル・バルセロは本作を「とりわけ、我々が築いてきて我々の変化を支配する社会構造について考えさせ、一方で見かけほど突飛ではない別の可能性を示唆する物語だ」と評している。

白と黒の探究

Explorando el blanco y negro

ビクトル‧エスカンデル

Víctor Escandell

Hoaki Books

白黒のデッサン・絵画制作の無限の可能性を追及した一冊。墨、鉛筆、ボールペン、竹、水溶性グラファイト、各種支持体用の様々な種類のフェルトペン、グラッタージュなど、伝統的な技法・塗り方、現代的な技法・塗り方を分かりやすくひとつずつ解説。章ごとにひとつの技法を取り上げ、利用方法、材料の種類、その技法を用いたサンプル絵画、技法が誕生した際の興味深い秘話、コツ、その他の古典・現代画家の紹介など、役立つ情報を盛り込んでいる。いずれの章にも完成版と制作過程の写真を掲載。白と黒を混ぜ合わせたさまざまな技法を紹介した章を1つ立てているほか、最終章では、織物やガラスなど紙以外の支持体を使った技法も紹介している。デモ動画を見られるQRコード付き。

ハイパーリアリズムの探究 デッサン‧絵画技法

Explorando el hiperrealismo. Técnicas de dibujo y pintura

マルティ‧コルマンド

Martí Cormand

Hoaki Books

対象を写実的に精密に描くことを目指した技法ジャンルである、ハイパーリアリズム運動を紹介した本。情報や参考画像の収集といった、作品に向き合う前にまずすべきことから、デッサン、絵画、彫刻のさまざまな技法にいたるまで、制作過程をひとつずつ解説。白黒や色鉛筆での描き方、水彩絵の具、油絵の具での描き方、だまし絵の作り方、超写実的な3Dモデルの作り方を紹介。ハイパーリアリズム作品を制作するためのあらゆる技法とアドバイスが掲載されており、楽しみながら学ぶことができる。本書で紹介した各技法を用いた現代の作家による作品のほか、美術界の珍しい特徴、作品を制作する上での秘訣も収録。

Rocío Collins著『Éxtasis en una noche de verano』の表紙

夏の夜のエクスタシー

Éxtasis en una noche de verano

ロシオ・コリンス

Rocío Collins

H&O Editorial

20代のエイヴァ=ビジューとアグネス・グレースは、ジェーン・オースティンとショーガールズのファンだ。少しお調子者だが輝いていて、遊び半分で薬物に手を出し、混乱した愛と性に囚われている。ひとりは裕福で、もうひとりは貧しい(そうは見えないが)。インクルーシブ、ヴィーガン、クィア、エコフレンドリーなど、あらゆる謳い文句で宣伝されているフェスティバルで、彼女たちは思い切り週末を楽しみたいと思っている。そこで人生で最もクレイジーな時間を過ごすことになるのを彼女たちは知らない。元レッドスキンの医師、天を超えた生き物、ドラァグクイーンたちの一団、ファシスト的な金持ちのお坊ちゃん集団など、驚きの渦が待ち受けている。ユーモア、過剰、優しさ、そして狂乱に満ちた夏の夜のエクスタシー。

違うのと同じくらい甘い

Ezberdina bezain gozoa

アンチョン‧カサボン

Antton Kazabon

Editorial Ibaizabal

愛情の問題はいつも感情で彩られ、危険に満ちて厄介で、矛盾だらけ。そして何より、気持ちと感情でおおわれてしまっている。愛に触れると自分をコントロールできなくなって、情熱の風に吹かれ、すっかり理性を失うほどにわけがわからなくなってしまうことが多い。だから危険で厄介だというのだ。恋をして理性を失ってしまうと、現実に気づけなくなる。そして見えなくなった現実が、私たちを破滅へと導く。幸い、たいていの場合は友だちや心から愛してくれる人がいて、手遅れになる前に悲劇から救い出してくれる。

Pedro Juan Gutiérrez著『Fabián y el caos』の表紙

ファビアンとカオス

Fabián y el caos

ペドロ‧フアン=グティエレス

Pedro Juan Gutiérrrez

Agencia Literaria Virginia López-Ballesteros

1960年代のキューバ。革命が勝利した国で、一見何の共通点もないふたりの若者が友達になる。ペドロ・フアンは体育会系で筋骨たくましい。ファビアンはひ弱で臆病で近眼、ピアノが弾けてホモセクシュアル、1920年代にスペインから移住してきた両親を持つ。ふたりの意外な友情は続き、幾星霜を経て彼らの人生は再び交差する。ペドロ・フアンはあらゆるタイプの女性とセックスを楽しむ快楽主義者になっていた。ファビアンはホモセクシュアルが原因で逮捕され、なんとか釈放に漕ぎつけたものの恐怖心にとりつかれ、次第に自分の中に籠りがちになっていた。新しい革命社会のアウトサイダーたちが働く肉の缶詰工場で彼らは再会するが、ふたりの運命はもはやどうしようもなくかけはなれていた。実話に基づいた小説。

賦役

Facendera

オスカル‧ガルシア=シエラ

Óscar García Sierra

Editorial Anagrama

舞台は、鉱山が閉鎖し、発電所も解体予定で先行きが見えないレオンのとある村。薬剤師の母を持つ息子と飼料屋の娘の物語。希望もなく「レンガ」を摂取する人々の物語。愛、ガソリンスタンドの駐車場に残された改造車、礼拝堂のがれきに積もったほこり、ニワトリとその睾丸を使った実験の物語でもある。そして何より、物語を語って相手を誘惑し、操り、口車に乗せようとする者の物語。

フェイク‧オーバー

Fake Over

ネレイダ‧カリリョ

Nereida Carrillo

Editorial Flamboyant

それは何? だれがそれを作り出すの? そしてなにより、目的は? ソーシャルネットワークを通じて私たちは日々、操作された画像や映像、陰謀論、ディープフェイクや悪意のあるボットを目にする。それだけではなく、何が本当で何が嘘かを確かめるすべを持たないために、知らないうちに共犯者になったり、ニセ情報を流して混乱を引き起こしたりしてしまうかもしれない。でも愚弄されないでいることは、思ったよりずっと簡単だとしたら? 楽しくて厳密なこのマニュアルで情報のチェック方法を覚えれば、正真正銘の噓の狩人になれる。

Fernando Lalana著『Falso directo』の表紙

偽の生 継

Falso directo

フェルナンド‧ララナ=ホサ

Fernando Lalana Josa

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

エルネストは恋人を見つけたいと思い、テレビのデート番組に応募した。が、相手はフェリックスという男の子だと聞いて、何が起きたのかわからずびっくりしてしまう。番組は業界でいうところの「偽の生中継-ストリーミング」で撮影が行われており、エルネストの抗議にもかかわらず、番組のディレクターは続行を決め、若い男ふたりはロマンチックなディナーに向うことになる。しかしこの混乱は見た目以上に複雑だった。話はさらにややこしさを増していくのだが…。

Ana Campoy著『Familia a la Fuga 2 - Infiltrados en la gran ciudad』の表紙

逃亡一家2――大都会に潜入

Familia a la Fuga 2 - Infiltrados en la gran ciudad

アナ・カンポイ

Ana Campoy

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

逃亡一家が戻ってきた!好評だったシリーズ1作目の続編。今回、F一家には驚くべき隠れ家が用意されていた。それは大都会の贅沢なマンション。おまけに稼ぎのいい仕事に、独創的な友人たち…しかしすべてが見た目通りというわけにはいかない。悪の組織「マンディブラ(あご)」は変わらず待ち伏せている。F一家は重要な証人として証人保護プログラムの元にあり、F一家の唯一のミッションは「目立たないこと」だということを忘れてはならない。

Carles Soldevila著『Fanny』の表紙

ファニー

Fanny

カルレス‧ソルデビラ

Carles Soldevila

Edicions 62, S.A.

カルラス・スルダビラの、最も有名な小説。主人公(独立心旺盛で、自分をしっかり持った娘)の性格や、主に内的独白で表現された現代性により、その時代の新しいカタルーニャ文学を代表する作品となった。1929年刊行時の作品の魅力は、今日の読者にも保たれ、カルラス・スルダビラの最も重要な散文作品とみなされている。

Agustín Fernández Paz著『Fantasmes de llum』の表紙

光の幽霊

Fantasmes de llum

アグスティン‧フェルナンデス=パス

Agustín Fernández Paz

Edicions Bromera S.L.U.

ダミアンは35年前から映画館の映写室で働いている。自らの手で映した映画を通して世の中を見ることに慣れ、その登場人物のように考えたり話したりする。ところがある日、映画館が閉鎖されることになり、彼の知る世界はがらりと変わる。彼も妻も失職し、しだいに自分たちが他人の目には見えない存在になっていくことに気づく。社会的にというだけでなく、物理的に消えていくのだ。しかし、混乱や新たな状況への戸惑いは、自分たちと同じ状況にある人びとと知り合うことでやわらいでいき、その人びとの中に助けを見いだしていく。

Pedro Torréns Otin著『FAR S.A.』の表紙

ファール株式会社

FAR S.A.

ペドロ‧トレンス=オティン

Pedro Torréns Otin

Ediciones Dauro

セサルとマラは経営学部の学生カップルで、卒業を間近に控えている。ふたりは街で暴漢に襲われるが、見知らぬ男、ミケルが現れて事なきを得る。ミケルは、芸術学部の学生で、どのようにして襲ってきた男たちに警察が来たと思いこませ、彼らを追い払ったのかの顛末を説明する。数日後、セサルは事件を振り返り、芸術に関するミケルの持論は、マーケティングに応用したらとても役に立つのではないかと考える。ふさわしい舞台と雰囲気を創れば、人々の決断を左右できる。そしてそれこそが、ものを売る者がやるべきことだ。売り手に都合のいいものを人々に見せるのだ。経済を勉強したセサルとマラの知識を、ミケルのような芸術家の創造力・テクニックと補い合えば完璧だ。3人はFAR株式会社を立ち上げて活動を始めるが、彼らへの依頼や注文は、困難と危険に満ちたものだった。 ※ タイトルになっている会社の名前FAR S.A. は、FARSA(道化芝居、茶番)を暗示。

Ramón Erra著『Far West gitano』の表紙

ジプシーの遥かなる西部

Far West gitano

ラモン‧エラ

Ramon Erra

GRUP 62, S.L.U.

ラモネはフランス南部に暮らすジプシー。カタルーニャ地方のアンプルダンのとある町の郊外で中古トラックを買い、自分が属するジプシー部族マノウチェ族伝統の放浪生活をとりもどそうと旅に出る。喜びと悲しみ、冒険や想定外の出来事が待ち受けているこの危険な旅には、ある逃亡が潜んでいるのだが、家族や自分のルーツとの和解の試みでもある。魅力とユーモアと冒険に満ちたロードムービー。

Marta Sanz著『Farándula』の表紙

芸能界

Farándula

マルタ‧サンス

Marta Sanz

Editorial Anagrama

ある程度名の通った女優であるバレリア・ファルコンは、毎週木曜日往年の舞台女優アナ・ウルティアを訪ねている。ウルティアはディオゲネス症候群を患い、どん底の状態だ。彼女の斜陽は若い新進女優ナタリア・デミゲルの登場と重なり、ナタリアに、別名アディソン・ドウィットこと、シニカルなロレンソ・ルカスはぞっこんになる。ナタリアの幸せを壊す権利は誰にもない。彼女はとても細身だがスクリーンではぽっちゃりして見える。一方、ヴォルピ杯(ヴェネチア国際映画祭男優賞)の受賞者ダニエル・バルスは、自分の成功や金や魅力と、政界進出の可能性を秤に掛け、しばしば「俺は気が弱すぎる」という結論に達する。彼の妻シャーロット・サンクレールは芸者のように夫の世話をし、ダニエルの親友であるバレリアを嫌う。脳卒中、「イブの総て」の上演、宣言書の署名によって見えてくるのは、場を失う恐怖についての物語だ。

Iolanda Batallé著『Faré tot el que tu vulguis』の表紙

あなたが求めることは何でもする

Faré tot el que tu vulguis

イオランダ‧バタリェ

Iolanda Batallé

Columna Edicions, S.A.U.

ノラは40歳になる既婚女性で、ある秘密を隠している。彼女は飛行機の機上でナチョという若い生物学者と知り合い、初めて不倫をする。この出会いから依存と情熱のゲームが始まり、ノラはそこから次の展覧会のための絵を描きあげていく。従来型の結婚に感情を捕らわれている女性の愛、官能、そして性欲への目覚めの旅を描いた小説。ノラは他人が欲することでなく自分が欲することをすることを学ぶ。「あなたが求めることは何でもする」から「私が求めることは何でもする」に至る道のりである。

Pablo Aranda著『Fede quiere ser pirata』の表紙

フェデは海賊になりたい

Fede quiere ser pirata

パブロ‧アランダ

Pablo Aranda

Anaya Infantil y Juvenil (Grupo ANAYA)

フェデの一番の望みは海賊になることだが、海賊への道は遠い。海賊になるためには、その前にやっておかねばならないと思われるいくつかのことがある。たとえば、ひとりでおふろに入ること、ベッドの中でこわがらないこと、オウムを手にいれること、そして何より重要なのは片脚をなくして、義足をつけること。しかし、クラスに転校生がやってきてから、勇敢な海賊になるには、脚をなくさなくてもよいことがわかってくる。

フェデリコ‧ガルシア‧ロルカ

Federico García Lorca

ジョルディ‧アマット

Jordi Amat

Shackleton Books

月に歌った詩人、フェデリコ・ガルシア=ロルカのように大いなる夢を見よう。スペイン屈指の作家、ジョルディ・アマットがロルカの人生を子どもたちに紹介してくれる。わたしたちが知るヒーローはたいていの場合、魔法を使えたり、肩からマントをはためかせたりしている、特別な存在だ。しかし、あなたやわたしのように時には間違いを犯し、また時には大成功を収めるような、生身の人間のヒーローもいる。フェデリコ・ガルシア=ロルカもそんなヒーローのひとりだ。彼の武器は、とてつもない想像力とその夢をすべて書き留めるための万年筆。彼はそれらの武器で、人々の魂を虜にし、今日でもわたしたちの心を震わす崇高な詩をつくった。それがロルカの偉業であり、これはその物語である。

Gracia Iglesias著『Felipe tiene gripe』の表紙

フェリペはかぜをひいている

Felipe tiene gripe

グラシア‧イグレシアス

Gracia Iglesias

Ediciones Jaguar S.A.U.

フェリペはかぜをひいていて、くしゃみが止まらないけど、薬をのみたくない。だけど、友だちが教えてくれるなおし方はどれもむちゃくちゃで、ちっともなおりそうにない。だからかわいそうに、フェリペはかぜをひいたまま! この絵本に出てくるフェリペは、かぜをひいてもおばあちゃんには耳をかさず、友だちのいうことばかり聞く。経験ゆたかな人の言葉には、教えられることがたくさんあるのにね……。

幸せなフェロス

Feliz Feroz

エル‧エマトクリティコ

El Hematocrítico

Anaya Infantil y Juvenil (Grupo ANAYA)

大きな悪いオオカミ、フェロスの妹は、心配でたまりません。自分の息子がちっとも悪くないどころか、これ以上ないほどいい子過ぎるからです。フェロスはそんな妹を慰め、甥っ子を自分の家に来させるようにいいました。自分が甥っ子を真の悪いオオカミに鍛えてやろうというのです。子どもオオカミは伯父を訪ね、伯父の言う通りにしようとします。恐ろしい遠吠えをしたり、ウサギを狩ったり、赤ずきんちゃんを怖がらせたり、おばあさんを食べたり…… けれど、いつも失敗してしまいます。ウサギたちとは一緒に座ってサラダを食べるし、赤ずきんちゃんとは友達になり、おばあさんとはお茶をします。そしてクライマックスは、子どもオオカミがキャロットケーキを作るときにやってきます。2015年クアトロガトス財団賞、2015年ホワイト・レイブンズを受賞。

お金を稼ぐ

Fer diners

テオドール‧デ‧マス=バルス

Teodor de Mas Valls

Columna Edicions, S.A.U.

あなた方それぞれの出自が、個々の存在自体や、感情的および経済的にどのように人生を管理するのかについての大部分を決定している。筆者のテオドール・デ・マスは、彼自身とその幼少期の家族(デ・マス家、バルス家、ロカバジェラ家、イサルド家、テヘドール家、ベントサ家、インダルテ家、バディア家)の経験を通して、より良い日々の管理に資する経済観念を説明し、きわめて重要なエピソードを紹介する。その目的は節約し、裕福になり、他者のために働く義務から解放されることだ。さらに、本書は、あなたの人生で発生する数多くの経済的な決断を効果的に下す際の助けにもなるだろう。

Gemma Armengol著『Festa Major』の表紙

おおきなおまつり

Festa Major

ジェンマ‧アルメンゴル

Gemma Armengol

Animallibres Editorial, S.L.

「にわのいきものたち」シリーズの最新刊。今回は、テントウムシのアントニエタと仲間たちは、1年に一度の庭のお祭りの準備中。楽しい夜にむけて準備は万事オーケー。楽団の生演奏つきのダンスまであります! ところが、いよいよというときになって、楽団の歌手が病気に。お祭りはどうなるのでしょう? シンプルな楽しいお話を通して、小さな子どもたちは、テントウムシのアントニエタが新しい友だちを作り、ゆかいな冒険をするようすを楽しめる。読むスピードに合わせて、筆記体とブロック体の2種の版あり。

David Monteagudo著『Fin』の表紙

おしまい

Fin

ダビ‧モンテアグド

David Monteagudo

Quaderns Crema

古くからの友人たちの一行が、山小屋に集まって週末を過ごす。彼らには、過去の暗いひとつのエピソード以外には共通するものは何もない。集まりはいつもの筋書き通りに進行するが、宴たけなわの中、外部からのある出来事で、すっかり計画が変わる。 強まるプレッシャーの中、ひとりひとりがそれぞれの思うところでその出来事を解釈する。ひたひたと迫りくる恐怖の陰のもと、各人が長い間胸につかえてきたものをはきだし、告白したり言い争ったりするうちに、かつて彼らを結びつけていた関係のあさましく錯綜した図式が新たに組みかえられていく。

Ignacio Martínez de Pisón著『Fin de temporada』の表紙

季節の終わり

Fin de temporada

イグナシオ‧マルティネス‧デ‧ピソン

Ignacio Martínez de Pisón

MB Agencia Literaria

1977年6月、思春期を迎えて間もないフアンとロサは、ポルトガルとの国境沿いの道路を非合法の堕胎手術を行う病院へ向かっていた。しかし事故に会い目的地へ着くことはなかった。それから20年ほどたち、ロサと息子のイバンは新たな人生を歩むためにイベリア半島の反対側の突端の地に移り住む。だが、過去は否応なしに追いかけてくる。時には害毒でしかない強い血縁、世代が変わっても同じ過ちを繰り返す危険が潜む家族の秘密、そして人を別人に変えてしまう知恵について書かれた小説。ほぼ25年にわたって描かれる母と息子の強い絆や印象的な登場人物を見事に描写。また、清算されない過去はたとえ無視しようとも、むしろ無視するがゆえに、大きな落とし穴になることを明かしている。

Alfonso Valentín著『Flores de Bach』の表紙

バッチフラワー(肌の健康の源)

Flores de Bach

アルフォンソ‧バレンティン

Alfonso Valentín

Videocinco Editorial

『Flores de Bach(バッチフラワー)』は、私たちがどのように行動し、なぜ特定の行動をとるのかを認知し、また自分の感情や自分自身について、少しずつ理解するのに役立つ本だ。同時に、この本を通じて私たちは、プライベート、仕事、社会全般、さらには精神的な暮らしぶりの違いに関係なく、自分がどこにいて今何が起きているかを知ることができる。全ての感情は、たとえそれが隠れたものであっても、私たちの器官、もちろん肌にも記録されている。バッチ博士が考案したフラワーエッセンスは、数多くの専門的セラピストの研究と経験によって、その適用範囲を広げてきた。最近も私たちはフラワーレメディ(花療法)の肌への適用に取り組んでおり、特に美容に関しては局所的な使用を通して驚くほど効果的な作用について証明することが可能かつ必要であると認識している。

Berta Páramo著『Fluidoteca』の表紙

たいえきかん(体液館)

Fluidoteca

ベルタ‧パラモ

Berta Páramo

Litera Libros

本書は小さな読者向けに、あらゆる体液を一覧にした刺激的な本だけど、それほど小さくない人たちにも読んでほしい。なぜって……ほんとのところ、体液って何なのかあなたは知ってる? それがどれほど大切かを? どんな体液を知ってる? 汗は何の役に立つの? 血液は1日に300回、腎臓を通過するって知ってた? 私たちの目にはいつも涙があるっていうことも? 鼻では1日1リットルの鼻水が製造されることは? 楽しくてカラフルな(テーマごとに10種類以上の色調が使われている!)体の中の液体を巡る旅に、小さな読者は大喜びすること間違いなし。そしてそれほど小さくない人たちもね。;)

Fondo

ロドリゴ‧バスケス

Rodrigo Vázquez

Sallybooks Editorial

犬や羊たちとともに気楽で波風のない人生を歩んでいるひとりの羊飼い。彼はまだ、金とラム酒に飢えた世界に自らを引きずりこむ見えない力があることに気づいていない。そう、彼はまだ、自らをその存在の深淵まで連れて行き、自分自身を映し出す、すなわち、本当の自分の底に向き合わせる悪魔の契約を認知できていないのだ・・・。

Marina Izquierdo García著『Formas escondidas』の表紙

隠されたかたち

Formas escondidas

マリナ・イスキエルド・ガルシア

Marina Izquierdo García

MTM Editores (Metafísica del Tercer Milenio Editores, S.L.)

『Formas escondidas(隠されたかたち)』は、創造のためのインスピレーションを与える一冊です。視覚的かつシンプルな方法で、あらゆる絵がいくつかの基本的な幾何学的図形に還元できることを説明しています。この抽象化のプロセスは、イラストを構成する形を特定するためだけでなく、それらを描写するためにも役立ちます。 平面的でシンプルなイラスト、目を引く色彩、そして愛らしいキャラクターたちを用いて、著者は簡潔な理論的基礎と、読者の注意を引き、その後に想像力を羽ばたかせるための豊富な例を提示しています。

フォルン‧サン‧フランEスク 伝統のパンと菓子の店

Forn Sant Francesc. Panadería y repostería tradicional

ホアン‧セギ

Joan Seguí

Col & Col Ediciones

職人の技が際立つマヨルカの菓子とパンの店。彼らは料理の伝統に深く根ざし、製品に注力する。もともとはお祭りやお祝いの席で作られていたものだ。本書は8つのセクションで構成され、パイ、菓子パン、総菜パン、エンパナーダ、マヨルカ伝統のエンサイマーダなどの昔ながらのレシピを紹介する。インカ(マヨルカ)でパン店を営む著者のホアン・セギは、エンサイマーダの世界一、マヨルカのパン・モレノのベスト5、インカのベストショップ金賞などに輝いた。一家はもう100年以上菓子とパンの店を営んでいる。

Ximo Abadía著『Frank: La increíble historia de una dictadura olvidada』の表紙

フランク――忘れられた独裁者の信じがたい物語

Frank: La increíble historia de una dictadura olvidada

シモ・アバディア

Ximo Abadía

Dibbuks

フランシスコ・フランコ(1939-75年までスペインを統治した独裁者)の生涯について、その誕生から死まで重要なエピソードに焦点を当てて描いたイラスト本。いまだ最近の話であり、多くの家庭においてタブー視されている我々の歴史の一時代が寓話的に描かれている。筆者が伝えたいメッセージは一目しただけでは伝わらないかもしれない。上質のワインをデキャンタするように、そしてそれが私たちの頭の中で醸し出されていくよう、練り込まれた作品。

紙の国境

Fronteras de papel

アルバ‧デ‧エバン

Alba de Evan

Antela Editorial

ファティマとその家族は海をわたる旅に出ます。その旅のなかで、通り抜けるのが最も難しい国境は紙のように脆いものでできているのかもしれないということを、ファティマたちは知ります。わたしたちがこの本で伝えたいのは、今日、世界中にいる何千人という移民の生活とよく似たファティマの物語、そして彼らがしばしば、官僚主義に象徴される障害に直面することです。役人たちは人々を放逐し、そして国境を、紙でできた国境を設けます。移民の人々が理想の地を見つけられることがわたしたちの願いです。

Josep Soler i Sardà著『Fuga, técnica e historia』の表紙

フーガ:テクニックと歴史

Fuga, técnica e historia

ジュゼップ‧ソレール=イ=サルダ

Josep Soler i Sardà

Antoni Bosch Editor, S.A.

そもそも音楽形式を構成しうるあらゆる形式のなかで、フーガはもっとも厳格で内に閉じているように思われる。このフーガ形式のあらゆる異なった演奏を通してみると、作品全体の基調や主題を選ぶ始まりから、主題の展開、完結まで、全体が管理され統御されていることがわかる。私たちは分析を試みることで、作曲家がこのフーガという音楽形式をつくりあげられるようになることを目指すと同時に、非合理的で「不確かな」要素が、一見厳格に見えるこのフーガ形式の道を切り開くに違いないことを訴えたい。

Daniel Sánchez Pardos著『G (la novela de Gaudí)』の表紙

G(ガウディに いての小説)

G (la novela de Gaudí)

ダニエル‧サンチェス=パルドス

Daniel Sánchez Pardos

Editorial Planeta, S.A.U.

1874年10月。ガブリエル・カマラサは、ロンドンで数年の亡命生活を送ったのち、家族とともにバルセロナに戻ってきたばかりだ。ラ・ロンハ建築専門学校の初日、入学2年目の若者アントニ・ガウディと知り合う。若いカマラサにとってガウディは謎だ。その年齢の建築学生には考えられないほど豊富な建築の知識を持ち、秘教とオカルト植物学と写真にも興味を寄せる。また、バルセロナの最下層の人々とコンタクトを持ち、彼らと謎の商売をしている。ガウディはまた一級の演繹的思考の持ち主である、あるいはそう考えられている。ふたりの学生の平穏な生活が、ある殺人者と予測不可能な結果をもたらす怪しげな陰謀によって乱されたとき、若きガウディの能力の総てがついに試される。

Thaís Prat Sierra著『Galaxia Nimu. Descubriendo nuevos mundos』の表紙

ギャラクシー‧ニム

Galaxia Nimu. Descubriendo nuevos mundos

タイス‧プラット‧シエラ

Thaís Prat Sierra

Coco Books

もし時々、きみの小さな世界がズレてうまくいっていないと感じたら、ニムの仲間たちと旅してみよう。自分自身がいん石のように強く、星のようにきらびやかで、満月のように力強く宇宙のようにでっかいってことに気付けるはず。レジリエンスとは、難しい状況を前にしてもポジティブに自らを調整できる能力のこと。本書でニム、カタ、ココ、そしてオラフの世界を知れば、きみの世界にも彼らに共鳴する何かがあることがわかる。登場人物たちの一人一人と行動を共にし、きみ自身のロケットをつくって、みんなを乗せて好きな場所へ旅に出よう。

ガルドスとラ‧ミセリア(不幸な女)

Galdós y la Miseria

エル‧トレス

El Torres

Nuevo Nueve Editores

1919年1月20日、マドリードのレティーロ公園。著名な小説家ベニート・ペレス・ガルドスは、すでにほとんど視力を失い、体も不自由だったが、彼の栄誉を称える記念碑の落成式に出席する。その夜、銅像の足元で男性が喉を切られて死亡し、犯人は他でもないガルドスの看護師エレナだった。10年前、ガルドスは迷子になっているところを発見された。老いと失明の影響は大きく、マドリードは抑圧的に感じられた。サンタンデールに逃げられないときは、記憶の中に逃げ込んで自分を慰めた。エレナ・ミデレスと出会ったのはそんな時だった。彼女は不幸な境遇で、ラ・ミセリア(不幸な女)とあだ名がついていた。ガルドスは彼女を保護者としてひきとる。エレナの人生は、まさにガルドス風で、ガルドスの小説そのものだった。それぞれの人生、実らなかった恋愛、経済的苦境の思い出を共有しながら、狂暴な舞台のように、抑圧的に迫りくるマドリードをふたりは歩き回る。

Vicente del Bosque著『Ganar y perder: La fortaleza emocional』の表紙

勝って負けろ

Ganar y perder: La fortaleza emocional

ビセンテ‧デル‧ボスケ=ゴンザレス

Vicente del Bosque González

Plataforma Editorial

努力と謙虚さ、それはスポーツと人生における秘訣だ。ビセンテ・デルボスケが、自身のサッカー哲学と人生哲学の全てを本書で初めて語る。長年の選手生活、監督としてのエピソード、サッカーに対する彼の情熱。クラブや代表チームが切望する全てのビッグタイトルを持つデルボスケの、人間として、そしてプロとしての真価がわかる。ルイス・アラゴネスとともに、スペイン代表の黄金時代を築き、ワールドカップとUEFA欧州選手権を制し、3つのビッグタイトルを続けてとらせ、スペイン代表を史上初の3冠達成チームに変えたデルボスケ。表題のGanar y perder(勝って負けろ)は、デルボスケのスポーツと人生の教訓にほかならない。

生きる気力

Ganas de vivir

ホアキン‧ベルヘス

Joaquín Berges

Tusquets Editores

葬儀業を営むロレンテ一家は、代々まともだと感じさせない強迫観念的な固定観念を受け継いでいるようだ。生き埋めにされる恐怖は、祖父の化粧品で増すばかりだ。父親のマティアスは、葬儀屋に持ち込まれた美しい女性の遺体に密かに惹かれずにはいられない。そして孫のトリスタンはちょっとしたフェティシズム気質だ。映画発祥の地ハリウッドの美人女優を彷彿とさせるグレースと恋に落ちたトリスタンは、生きる気力も幸福感もない、普通とはかけ離れた人々に囲まれていることに気づく。私は心配だ。たとえ抑えきれない衝動があったとしても、思いがけない恋に出会うだけで、人は生き生きとし、活力を得ると同時に心配になる。独創的なユーモア作家ベルジュの魅力を再確認させる、鋭く、ウィットに富み、痛快な作品である。

ガストロソフィー(美食学)。哲学の異色な物語

Gastrosofía. Una historia atípica de la filosofía

エドゥアルド‧インファンテ

Eduardo Infante

Editorial Rosamerón

最も著名な哲学者たちの、食べ物についての考察(とその飲食)の遍歴。19世紀半ば、オイゲン・フォン・ファーストがガストロゾフィーという本を執筆したが、それは良い食事、良い思考、良い生活を求める快楽主義者のエレジーだった。それを踏まえた本書は、プラトンの少食(イチジク以外)に対するピタゴラスの料理の基準(両者は肉体の快楽より魂や思想の純粋さに関心があった)から出発し、オーガニックな自給自足の先駆けともいえる快適な「エピクロスの園」、中世の有名な思想家たちの断食への病的執着を経由して、用心深いヘーゲルの意外なワイン愛、そして美食家マルクスのビールと葉巻への月並みな愛情へと辿り着く、巡礼の旅を試みる。

路上の猫

Gato en el camino

ニカノール‧パラ

Nicanor Parra

Libros del Zorro Rojo / Albur Producciones Editoriales, S.L.

『Gato en el camino(路上の猫)』は、セルバンテス賞受賞の詩人ニカノール・パラにとって最初の《自己による反詩の先例》であり、天分を示した作品だ。不条理性、脈絡のなさ、そしてユーモアが運に身をゆだねた猫のいのちを包みこむ。ジュアン・カサラモナが独自の解釈を施した絵は読書の可能性を広げ、この物語をどんな世代の読者にも作者の作品の愛読者にも扉を開く文学的遺産に変えた。ニカノール・パラの最初に出版された小説となったこの短篇は、彼が若干20歳のときに執筆されたものだが、のちにこの作品は、《伝統的物語の要素を全く持たない》《反物語、原物語、小物語》と定義づけられる。

移民にとってのジェンダー、仕事、家族。ソーシャルワークの新たな傾向

Género, trabajo y familia en inmigrantes. Nuevas tendencias del trabajo socia l

フランシスコ‧ゴメス=ゴメス

Francisco Gómez Gómez

Editorial UNED

移民という現象にジェンダーの視点から統合的アプローチを行った作品。大きな不均衡が存在するこの世界の人間開発を巡る女性と移民が果たす役割を、移民受け入れ社会という背景におけるその優れた社会的機能について示しつつ論じている。本書において、フィールドワークは、現象に対する過度なエスノセントリズム的な解釈を避けるために、現実から切り取られた側面を示し、かつ、当事者にとっての移民の意味をより深く理解できるよう提示される。ここに記された事例や結果は、体系的な現象学モデルの原理を基礎とし、なおかつ蓄積された専門的経験の成果である。さらに、これに付け加え、グループで実施した5つのケースの進展について記載することにより、前述したモデルをさらに深いところまで掘り下げる提案も行う。

地理学

Geo-gráficos

レヒーナ‧ヒメネス

Regina Giménez

Zahorí Books

星の色が違うのはなぜ? 他の惑星から見た太陽の大きさは? 宇宙や地球はびっくりするような秘密や不思議なことでいっぱいだ。本書はカラフルですばらしい幾何学模様を用いて、対比を容易にし、地理学に芸術を持ち込んだ。惑星、大陸、島々などが、円や多角形や線やらせんを描き、私たちを取り囲む世界を説明してくれる型破りな地図帳。

Eduardo Olier著『Geoeconomía』の表紙

地理経済学

Geoeconomía

エドゥアルド‧オリエール

Eduardo Olier

Pearson Educación, S.A.

経済力は常に、商業および富の生産に与える影響力と結びついてきた。政治上にせよ、企業社会の慣習にせよ、既存のルールに基づいてのことだ。だが政治と企業は理論的には異なる。政治的領域から行使される経済力には納税行動が伴うものだし、一方、自由競争に基づいた経済力は投資、商業、技術といった関心から出発するからだ。 地理経済学とは様々な経済主体の力関係を研究し、世界の金融の動き、あるいは権力闘争を続ける政治家たちの意思決定の裏側を理解するカギを提供するものである。

Rocio Bonilla著『Germans!』の表紙

きょうだい!

Germans!

ロシオ‧ボニージャ

Rocio Bonilla

Edicions Bromera S.L.U.

弟がいるってホントうざい! いつもバカなことばかりしてサルみたい! 姉を持つのだって⼤変だ! なんにでもケチをつけるし、僕がやりたいことは何もやらせてくれない 。だけど、たまには姉弟で助け合ったり、楽しい時間を過ごしたりすることもある。実は弟や姉がいるのはそんなに悪いことじゃないのかも……。でも、これが3⼈兄弟となったら? それは絶対ダメ! 2方向から読める、愉快で独創的なストーリー。一方から読み始めると、弟がいることの煩わしさと良さを、もう⼀⽅から読むと姉を持つという不便さと⻑所を発⾒する。ところが真ん中に来ると、思ってもみなかったことが起こる。家族に新しい⾚ちゃんが加わったのだ! ⼀家に3⼈も兄弟がいると、どうなるの? 「きょうだい」の愛憎を扱った素敵な物語。

Javier Andrada Guerrero著『Gigante』の表紙

巨人

Gigante

ハビエル‧アンドラーダ‧ゲレロ

Javier Andrada Guerrero

Fundación Santa María - Ediciones SM

全文を巻末に配置した大型本。これにより読者は、別の時代の小さな世界に現れた男の子とともに各ページをじっくり見ていくことができる。あるいは小さな世界ではなく、その子が巨人なのかも? 『ガリバー旅行記』にオマージュを捧げた作品。4歳から。

光の衝撃

Golpes de luz

レディシア‧コスタ

Ledicia Costas

Ediciones Destino

ガリシアの農村で暮らす3世代家族のユーモアに満ちた愛情深い小説。離婚したばかりのジャーナリストのフリアはマドリードを離れ息子のセバスと故郷のガリシアに戻ることにした。転地で心を癒すため、また母親の面倒を見るために決心したことだった。10歳のセバスは祖母のルスを神のトールと信じて疑わない。なぜなら、彼女は片時も愛用の金槌を手放さないからだ。しかし、たとえお菓子のポルボロンを靴下に隠そうが、物が二重に見えるようになるまでワインを飲もうが、嘘ばかり言おうが、セバスは祖母をとても愛している。彼女は女神で、庭を神殿に変えた。しかし、フリアにとって帰郷は明らかにしなければいけない秘密だらけの過去と、30年以上も前に別れも告げずにいなくなった父親の失踪に向き合うことを意味している。90年代のガリシアの麻薬密売、介護の世界と真実の追求をテーマとする物語。

グーゴル

Googol

ジュゼップ‧リュイス‧バダル

Josep Lluis Badal

「僕のことをグーゴルと呼んでいいよ」でも、グーゴルって誰? または何? グーゴルは他者がそうあってほしいと望むものではない。両親や13人の兄弟とは違った、自分自身でありたいと思っている。なのに、みんなは質問ばかり浴びせてくる。それでグーゴルは自分の道を歩み出した。自由気ままに幻想的な所、たとえば、虚栄心の強いテアトルム・ムンディ(世界劇場)とか、頑固な人々の国とか、言葉だけでできた森とかにたどり着く。未来と忘れ得ぬ友達でいっぱいの幻想世界。想像できる? 「グーゴルと名付けたのは彼自身だった。――君、名前は? ベネット? ニコラウ? カミラ?――彼はベネットともニコラウともカミラとも名乗らなかった。自分の名前をグーゴルに決めた、ただそれだけ。グーゴルは、ほとんど無限に近い、途方もなく大きな数の名前でもある」

Mar Hernández著『Gordito』の表紙

太っちょ

Gordito

マル‧エルナンデス

Mar Hernández

Sallybooks Editorial

とても変わったひとりの人物の物語。自分の居場所を求めて世界をめぐるうちに、たくさんの冒険に出会う。

Esther García Llovet著『Gordo de feria』の表紙

祭りの惨事

Gordo de feria

エステル‧ガルシア‧リョベト

Esther García Llovet

Editorial Anagrama

シュールなノワール、突飛で凄まじい純正のコメディ。著者がまたしても舞台に選んだのは独特な街マドリード。主人公はカストルのあだ名で知られるコメディアンで、テレビで演じるひとり芝居が有名。成り行きと運任せの人生だが、その運に導かれ、彼とよく似たフリオという名のウェイターと知り合う。ふたりは瓜二つだった。そこでカストルは大嫌いな夜会にフリオを自分の代わりに行かせることを思いつく。しかし事はうまく運ばず、過激で気も狂うような出来事が次々と起こる。他にも逃亡、誘拐、お笑いコンビ、アルメリア砂漠のど真ん中にあるディスコ、詐欺、殺人犯になりかけている女詐欺師、テレビと不動産に投資する中国人、ドナウ川を航行するクルーズ船、未確認飛行物体が登場する小説。

怪奇ものの傑作たち

Grandes de lo macabro

ジョアン‧ボア

Joan Boix

Grupo Editorial Sargantana

約50年前に「ドシエ・ネグロ」や「S.O.S.」などの怪奇ミステリー雑誌に掲載された、巨匠ジョアン・ボアのホラー漫画20作をアレタ出版が復刻。それらの中には、H・P・ラブクラフトやフランツ・カフカ、アーサー・コナン・ドイル、グスタボ・アドルフォ・ベッケール、エドガー・アラン・ポーの名作に基づく作品も含まれている。カバー絵もジョアン・ボアにより新たに描かれ、ホラー界最高の巨匠たちの作品を集めた決定版にふさわしいものとなっている。

Enrique Vegas著『Grandes personajes que cambiaron la historia』の表紙

歴史を変えた偉人たち

Grandes personajes que cambiaron la historia

エンリケ‧バルガス

Enrique Vegas

Plan B Publicaciones

イラストレーターであるエンリケ・バルガスと作家のハビエル・マテサンスが贈る人類史の本。精密かつ楽しい絵と文で、歴史上傑出した25人の人物の物語を紹介する。彼ら、彼女らなしでは世界は違っていたかもしれない。時にわたしたちは人間の精神の素晴らしさや、人類の歴史の中で偉大な事業を成し遂げた人々がいたことに意識を向けないことがある。ペニシリンがなければ人類が生き残るのは難しかっただろうし、アメリカ大陸のない地図や、本のない図書館は想像できない。ビートルズやピカソ、シェークスピアのおかげで、私たちはより賢く、幸せになっているのではないか? 人類は、ガンジーやマザー・テレサ、マンデラのような人たちの善良さのおかげで、よりよくなったのではないだろうか?

模型作り入門ガイド

Guía de modelismo para principiantes

エドゥアルド‧フェルナンデス‧ロドリゲス

Eduardo Fernández Rodríguez

AK Interactive

模型作りには歴史や空想、技術、そして美術を組み合わせた芸術的な側面がある。模型作りはとても楽しい趣味だが、どの作業を行うにしても上達するには基本知識と基礎が必要であり、それを身に付けなければ達人になることはできない。本書は2ページでひとつの章となっており、模型作りに欠かせない用語やテクニックを一から学ぶのにとても便利な仕様となっているため、これから模型作りを始めようという初心者にも、たいていのコンセプトは学んだが改めてアップデートしたいという上級者にも役立つだろう。どのコンセプトにも写真が豊富に付いており、ひとつずつ解説してくれているので、スムーズに理解することができる。また、章ごとに色分けされているので、探している章がすぐに見つかる。模型作りを始めたい人にも、さらに極めたい人にもぴったりなガイド。

Grupo Gourmets著『Guía de vinos gourmets』の表紙

グルメ‧ワインガイド

Guía de vinos gourmets

グルーポ‧グルメッツ

Grupo Gourmets

Grupo Gourmets (Progourmet, S.A.)

スペイン初の、最良にして完璧なスペイン・ワイン集。現在活躍中の専門家22名で構成する試飲委員会が、スペインで最上級にランクされるワインを解説し、コメントし、格付けする。 ブラインドティスティングされたワイン4973銘柄、ブラインドティスティングされた上でコメント、格付けされたワイン1121銘柄。1263の醸造元とそのすべてのワイン、335の専門店、118のワイン産地の情報を収録。

君のような女の子のためのクールなガイドブック

Guía genial para una chica como tú

ノラ・ロドリゲス

Nora Rodríguez

Boldletters Editorial

本書はノンフィクション・シリーズ《Chic@Genial(クールな男の子・女の子)》の1冊目で、8~12歳の女の子を対象とし、思春期に経験する重要な身体的変化に順応しやすくすることを目的として書かれた。この『Guía Genial(クールなガイドブック)』は初めてのブラジャーから初潮まで幅広い状況をカバーし、常に対象者に寄り添った楽しい文体で、わかりやすく正確に表現。女の子たちがこの成長段階に落ち着いて自然に向き合えるように支援する実用書。イラストや漫画、図表が入り、読者の年齢や経験に応じて理解できるようになっている。親、親戚、教育者がやさしく自然な方法で個人的な問題を子どもたちと共有し、幼いころからセルフケアと健康的な習慣の重要性を教えるための非常に有効なサポートツール。

Grupo Gourmets著『Guía gourmets: Los mejores vinos de España』の表紙

グルメガイド 最高のスペインワイン

Guía Gourmets: Los mejores vinos de España

グルーポ‧グルメッツ

Grupo Gourmets

Grupo Gourmets (Progourmet, S.A.)

グルメ関連機関で、スペインにおけるワインメディアのパイオニアであるグルーポ・グルメッツが、ワインや醸造元、専門店、ワイン産地の魅惑的な世界の奥深くへ読者をいざなう。 2013年版では、ブラインドテイスティングを行った約5000銘柄の特徴と価格、そのうち1125銘柄のコメントと格付け、1285のワイナリーとそこでつくられている全ワイン、325の専門店、120のワイン産地、原産地呼称制度で指定されたすべての産地ごとの地図、産地を記載したスペインのカラー地図を掲載。東欧のワインにも1章を割いている。自宅でのワインセラーづくりのアイデアや、ワインの加工法の解説、用語集も収録。

Josep Vila i Miravent著『Guía práctica para entender los comportamientos de los enfermos de Alzheimer』の表紙

アルツハイマー患者の行動を理解するための実践的ガイド

Guía práctica para entender los comportamientos de los enfermos de Alzheimer

ジュゼップ‧ビラ=イ=ミラベント

Josep Vila i Miravent

Editorial Octaedro

認知症は患者だけでなく、日々患者の世話をするすべての人に同じくらいの重さでのしかかってくる悲劇的現実。 発症したそのときから、家族は日常生活、仕事、個人の趣味、人づきあいを見直し、医療に関することはもちろん、経済的・法的な知識も身につけなければならない。 本書は病気をきっかけに新しい状況と向き合わざるをえなくなった家族だけでなく、認知症患者ケアセンターの職員にも向けて書かれたもの。患者の安全、自信、自尊心、尊厳を保ちつつ生活の質を向上させていくことを目的としている。

Tyto Alba著『Gus no quiere ir de caza』の表紙

グス:すきなことをしたいいぬ

Gus no quiere ir de caza

ティト‧アルバ

Tyto Alba

Nuevo Nueve Editores

グスは猟犬。グスは自分がやりたくないことを強いられるのは我慢できない。グスは代償を求めずになんでも与えるということを教えてくれる。グスはただ幸せになりたいだけ。多数のグラフィックノベルのイラストレーター兼作家であるティト・アルバの初めての幼年童話には、美しいイラストと友情についての大切な教訓がつまっている。

Carolina Gilbert y Daniel Lorente著『Gwyneth』の表紙

グウィネス

Gwyneth

カロリーナ・ジルベルトと ダニエル・ロレンテ

Carolina Gilbert y Daniel Lorente

Editorial Luis Vives (Edelvives)

魔法の大きなメダルを使わないと入れない、冬の景色に覆われた村。人里離れているけれど明るいその村へと読者を誘う、心に残るファンタジー物語だ。母を亡くした小さなグウィネスは、スカグウェーで警察署長をしている父さんと暮らしている。世界の片隅のような小さな町での平穏な生活は、グウィネスの不安によって曇ってしまう。いじめを受け、学校での居場所を見つけられずにいるからだ。忘れられない仲間たちと旅をして、どこでもない場所でアイデンティティを見つけたグウィネスも、やがて父さんが恋しくなり、故郷へと帰ることになる。

ハリーのH

H de Harry

ダルリス‧ステファニー

Darlis Stefany

Nova Casa Editorial

ベネズエラに生まれ、政治学と行政学を学んだ。作家への道は12歳のときに始まる。現在のダルリス・ステファニーはほとんどの時間、コンピューターの前に座り、ぶつぶつ言ったり、笑ったり、泣いたりしている。自分の作品に、何らかの形で音楽の世界を出現させることが好き。いつか訪れたいと思っているイギリスに恋している。小説を書くなかでバンドについて夢中で空想する。もちろん、現実のバンドも大好き。夜は、(眠ろうとしている間に)本の分析をしたり、書きたい物語の筋を組み立てたり(これが眠れない原因)して起きている。矛盾のかたまりだと言われそうだが、そしたら彼女は言うだろう。「信じないで。そんなのは噓だから。でも、もしかしたら、本当のことかもね」

歳を取るなんてまっぴら

Hacerse mayor es una mierda

フィリパ‧べレサ

Filipa Beleza

Roca Editorial

昔、本当に好きな人とデートしてた時のことを覚えているだろうか? 一生分のデートはどこへ行ってしまったのか? どうしてこの頃は、Hするのがこんなに大変なのか? マッチング・アプリは役に立つのか、それとも、色恋の世界をいっそう複雑にしているだけなのか? 出会い系が失敗に終わるのは、キャリー・ブラッドショー(ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティー」の登場人物)やレナ・ダナム(ドラマ「GIRLS」の監督・脚本・主演女優)が出てくるドラマに何らかの原因があるのは間違いない。Tinder(マッチング・アプリ)の問題ばかりではなくて。他者への関心を減らす一方で、人はますます自分を見せようとするようになった。一体、どこまでが現実で、どこからが虚構なのだろう? 自分をよく見せたいという気持ちと、好かれたいという単純な欲求の境界線はどこにあるのだろう? 本作を著すことでフィリパ・ベレサは、何もしようとしない男たちに代わって、この混乱を認識し変えようと行動する女性の声を代弁している。

Lluís Prats著『Hachiko』の表紙

ハチ公

Hachiko

リュイス‧プラッツ

Lluis Prats Martínez

La Galera Editorial

上野教授は娘のために子犬を拾う。すぐに教授と犬のハチ公の仲は特別なものとなる。ハチ公は毎朝教授を駅まで送り、夕方5時半にはまた駅で帰りを待つ。平日は毎日。毎月。毎年。友愛と忠誠に基づく絆が結ばれた。だれにも断ち切ることのできない絆が……。

José Antonio López "Rodorín"著『Hagamos títeres de cachiporra. De cómo Cristobita con destreza, no deja títeres con cabeza』の表紙

パンチ&ジュディ人形を作ろう。クリストビータがいかに巧みに、すべての人形を叩き潰したか

Hagamos títeres de cachiporra. De cómo Cristobita con destreza, no deja títeres con cabeza

ホセ・アントニオ・ロペス《ロドリン》

José Antonio López "Rodorín"

Ediciones Modernas El Embudo

パンチ&ジュディ人形劇の成功の秘訣は、同じ演目を何度見ても、初めて見た時と同じ興奮を味わえることにある。ワニ、幽霊、警官、悪魔、死神……。ドン・クリストバルと対峙する相手はだれでも、すさまじいリズムで繰り出される棍棒の威力に屈することは間違いなく、それを見た観客は熱狂する。だがこの効果を得るためには、喧嘩好きのクリストビータが劇場に現れる前に、人形遣いはキャラクターをよく理解し、作り方を考案し、操作を習得し、その「ルーティン」を正確に作り上げる必要がある。 遊び、想像力、創造性、経験すること、楽しむことの大切さを出発点として、子どもたちにパンチ&ジュディ人形を作って遊ぶことを提案する本。一般的なマニュアルではなく、決まった作り方や作業の指導もない。むしろその章立ては、ロドリンが新しいショーを準備する際にたどるプロセスと非常によく似ている。伝統と前衛が手をたずさえ、読むのはもちろんだが何よりも、創造し、楽しもうと提案している。

Flavia Company著『Haru』の表紙

ハル

Haru

フラビア‧コンパニー

Flavia Company

Enciclopédia Catalana, S.L.U.

「美しいストーリー。描写から詩へ。普遍的なストーリー。イメージから理想へ、そしてエッセンスへ。魔術的なストーリー。自分たちがあるべき姿を、かつて私たちは思い描いていた。戒めのストーリー。道はいつも帰還を待つ。唯一のストーリー。ひとつのストーリーだけが登場人物を落ち着かせ透明にし、長年自分がかつていた場所に戻らせてくれる」「人生には進む方向があるが、そちらへと私たちを導くのも人生だ。こちらが導こうとするなら、人生は私たちを粉々にし、ふりだしに戻そうとする。そのような瞬間がこの本にはある。ハルが道を外れる時、戻る時、受け入れる時、拒否するとき、やっと知る時、受け入れる時、愛する時」「百歳になったら、毎日がひとつの人生なのよ、と訪れる誰彼に彼女は言っていた。毎日がひとつの人生、とカズコは考えている」本文からの抜粋。

場所はある?

¿Hay sitio?

エドゥ‧フローレス

Edu Flores

Apila Ediciones

ちょっと変わった絵本。三角形、四角形、半円形……。幾何学だって愉快になれる。みんなに居場所があるお話。楽しさいっぱい、読んでいるだけで楽観的になれる独創的な物語だ。登場人物がユーモアを通して、人とのつながりや友情といったとても大切なことを教えてくれる。他者を受け入れ、偏見を捨てようと語りかけてくる本だ。さあ、みんな一緒に……。

あたしのベッドにウシがいる

Hay una vaca en mi cama

ダニエル‧フェール

Daniel Fehr

NubeOcho

おやすみ前、主人公の女の子はいった。あたしのベッドにウシがいるの。そんなことってある? お父さんが部屋に行くと、そこにはだれもいない。「それは今、ウシがゾウやアヒルと一緒にかくれんぼしてるからよ、パパ」おやすみ前の楽しいお話。これはほんとに、全部女の子が想像したことなのかな?

Alicia Martín Santos著『Hecha a sí misma』の表紙

セルフメイド

Hecha a sí misma

アリシア・マルティン・サントス

Alicia Martín Santos

Garbuix Books SL

自己啓発書のベストセラーの教えを文字通り実践したらどうなるだろう? それを試してみるのが苦境に立つコンサルタントのクカ。彼女は英語からの外来語やモチベーションの上がる言葉を駆使し、成功を目指す。『セルフメイド』は、自己啓発への執着に探りを入れる抱腹絶倒のコメディであり、労働世界への批判的な視点と明確なジェンダー視点が含まれている。

Leonardo Padura著『Herejes』の表紙

異端者

Herejes

レオナルド‧パドゥーラ

Leonardo Padura

Tusquets Editores

1939年、ドイツから逃れてきたユダヤ人900名を乗せたS・S・サン・ルイ号は、ハバナを目前にして、避難民の上陸許可が下りるのを待って何日も停泊していた。幼いダニエルとそのおじは桟橋で、親族が下船してくるのを待っていた。彼らが隠し持ってきた、17世紀から一族に伝わるレンブラントの小さな油絵が、通行許可証代わりになってくれるという確信があった。だが計画は失敗に終わり、ドイツに引き返すことになった船は、すべての希望も運び去った。2007年、油絵がオークションに出品された。ダニエルの息子はあの絵と一族にその後どのような運命が訪れたのかを明らかにするため、ハバナへとやってきた。彼に手を貸せるのは、マリオ・コンデをおいてほかにいない。マリオはダニエルがある犯罪に苦しんでいたこと、そしてあのキリストを描いた絵が、すべてをかけてレンブラントの工房に絵を習いに来た別のユダヤ人をモデルにしていたことをつきとめる。

継承すること。遺伝子と生物学が私たちの行動に与える影響

Heretaʼt. Com influeixen en el nostre comportament els gens i la biologia

ダビ‧ブエノ‧イ‧トレンツ

David Bueno i Torrents

Edicions de la Universitat de Barcelona

この世に同じ人間はふたりといない。似たような状況であってもまったく同じ行動をとる人はいないし、同じ個人でも常に同じように反応するわけではない。では、知能、創造力、衝動性のレベル、カンの良し悪し、特定の政治的傾向などは、遺伝子の特徴なのか? それともわれわれが育ってきた生活環境に起因するのか? また、脳はどのような役割を果たしているのか? 本書は、われわれの人となりが、親から受け継いだ遺伝子と受けた教育、すなわち、生物学的および文化的な遺産によって形成されると論じている。一方で、われわれは「自分自身を受け継ぐ」ことによって、自らを意識して望む方向に微妙に変えていくことや、自分を演出することもできると説く。つまり、その人がどういう人間であるか、そのほとんどはすでにできあがっているが、本人が望む人生を歩むための道のりは長く続いていることを本書は説いている。

Beatriz Dapena著『Hermanos』の表紙

きょうだい

Hermanos

ベアトリス‧ダペナ

Beatriz Dapena

Ediciones Jaguar S.A.U.

この本には、いろいろなタイプの兄弟と、兄弟間のさまざまな関係が出てくる。楽しくゆかいな文章を、カラフルでやさしいイラストがひきたてる。

Antonio Illán著『Hermonías』の表紙

エルモニアス

Hermonías

アントニオ‧イリャン

Antonio Illán

Editorial Cuarto Centenario

家庭や学校で、言葉のリズムで遊びながら学べる本。平等、違いの尊重など、人にとって大切なことを身につけるための道であり、想像の翼を広げ、自然を尊重するための贈り物であり、外国語を身につける意欲を引き出すために開かれた窓。

Patricia García Ferrer著『Hijas de las sombras』の表紙

闇の娘たち

Hijas de las sombras

パトリシア‧ガルシア‧フェレル

Patricia García Ferrer

ST&A Literary Agency

娘たちは裏切られた。復讐を果たすまでは生き延びなければ…。王に仕える凄腕の暗殺者である3人の娘たち、カタリーナ、クリスタル、ルアンヌには他にも才能があった――特別な能力があるのだ。しかし、祝賀会で隣国の皇太子を暗殺するという最後の任務で、娘たちは裏切られたことに気付く。今や彼女たちは標的となったのだ。いつもはひとの命を奪うことにたけている娘たちだが、この絶望的な状況下ではたして自分たちの命を守り通すことができるのか?

Marcos González Morales著『Hijo de Malinche, conquistado por las 'Américas'』の表紙

アメリカに征服されたマリンチェの息子

Hijo de Malinche, conquistado por las 'Américas'

マルコス‧ゴンサレス‧モラレス

Marcos González Morales

Media Responsable

上司の命令でメキシコへの出張を余儀なくされたカタルーニャの新聞記者マルティン・コルテスの身に起きた大きな変化を書いた小説。40歳目前、既婚で幼い子持ちのマルティンは幸せいっぱいとは言い難い心境だった。メキシコでは様々な状況によって自分がエルナン・コルテスの息子の生まれ変わりだと信じ始め、21世紀だというのに自らが征服者でありつつもアメリカに征服されたと感じる。現実とフィクションが混然とし、超自然的な色合いを帯びた冒険ものミステリー。内なる旅、致命的な危機、幸福の追求、偏見の克服、許し、情熱、より良き世界への渇望、ジャーナリズム、持続可能な開発のための2030アジェンダをテーマとし、裏切りの経験、抑制できない性欲、野心、フラストレーション、偽善なども盛り込まれている。

Xavier Aldekoa著『Hijos del Nilo』の表紙

ナイルの息子たち

Hijos del Nilo

シャビエル‧アルデコア

Xavier Aldekoa

GRUP 62, S.L.U.

ナイルはただの川ではない。このアフリカ最大の川は、何百もの民族の心であり、地球上最大の権力を誇った歴代ファラオたちの浮き沈みを見てきた目撃者である。ナイルという名前はピラミッドに隠された秘密を思い起こさせ、今日もなお生き残りをかけて戦う長い歴史に支えられた諸文明の誇りでもある。今日ナイルは、ウガンダの北の平和を表す一方、南スーダンでは戦争も起きている。エチオピアの谷では生、エジプトやスーダンの牢獄では死を意味する。独裁であり、不平等である一方、進歩であり、希望であり、自由への欲求である。そして革命の夢でもある。様々な傷跡を背負いつつもナイルは過去の、そして現在のアフリカや地中海の偉大な文化が混ざり合う揺り籠であり続ける。アルデコアはその人々や文化、伝統を発見するべく何か月もかけてナイルの源流から河口までを巡った。

色の糸

Hilo de colores

エレナ‧フェランディス

Elena Ferrándiz

Nórdica Libros

女の子はおばあさんから、思い出を知るための本をもらいました。彼女は、おばあさんの面倒を見ることと、美しい服を織るための糸となる色をおばあさんに見せる役割を引き受けていました。いま、その服にはどんどん穴が開いていきます。というのも、思い出が失われていくからです。だからこそ、孫娘はおばあさんの介護者になったのです……。これは悲しい物語ではなく、希望に満ちた物語です。

Ricardo Alcántara著『Hilos y tijeras』の表紙

糸とはさみ

Hilos y tijeras

リカルド‧アルカンタラ

Ricardo Alcántara

Feditrés empresa editorial S.L.

新しい家に住み始めてから、ロシオは不安でびくびくしている。この家は、大きすぎる! そこでいつもママに、ぺったりくっついている。まるで糸で縫いつけられたみたいに。仕立て屋ではないけれど器用なママは、そこでを思いついた……。ロシオに特別なワンピースを作ってあげよう。カラフルな糸のおかげで、一緒にいなくても、いつもママとつながっていることがわかる服を。小さな子どもが孤独の恐怖に立ち向かうのに役立つ、心あたたまる本。心の絆のほうが物理的絆よりも強いことを教えてくれる。

Mercè Mabres Boix著『Hiperactividades y déficit de atención. Comprendiendo el TDHA』の表紙

多動と注意欠陥。ADHDを理解する

Hiperactividades y déficit de atención. Comprendiendo el TDHA

マルセ‧マブラス=ボッシュ

Mercè Mabres Boix

Editorial Octaedro

ADHD(注意欠陥多動性障害)は現在、児童精神病理学において議論の的となっている症状のひとつ。 ADHDと診断される子どもは多いが、治療はほぼ薬物のみに限られており、そのため医療化と問題の慢性化につながる危険性が伴う。心理学的アプローチのない薬物療法では、症状は改善するかもしれないが、望ましい人格の成熟と進歩はもたらされない。 本書では、児童青少年の精神機能の複雑さ、思考、特に注意力、そして子どもの心の傷つきやすさと周囲の影響との相互関係に留意しつつ、この症状の原因、診断、治療について考察を試みる。

Ana Alonso著『Historia de Sara』の表紙

サラの物語

Historia de Sara

アナ‧アロンソ

Ana Alonso

Oxford University Press España

The year is 2055. Huge multinational companies dominate a globalised world and the symbols of a person's identity can be sold on the market through sophisticated advertising techniques. Education is not aimed at producing effective workers but rather perfect consumers. From a young age, boys and girls are bombarded with publicity adapted to their preferences, psychology and personal weaknesses. Dani and Sara, two teens who represent two of the major brands in the market try to regain their freedom and find their own path. To do this, however, they find themselves obliged to break the rules and challenge all those around them. This is a transmedia story that continues on the internet via the web and on real-life blogs which give this work an innovative digital dimension and broaden the reader's experience to beyond the bounds of the page.

Alan Pauls著『Historia del dinero』の表紙

お金の話

Historia del dinero

アラン・パウルス

Alan Pauls

Editorial Anagrama

70年代のアルゼンチン。労働組合は過激左翼によって牛耳られている。ひとりの製鉄所幹部を乗せたヘリコプターが川に墜落し、彼は死亡する。現金が詰まった彼のアタッシュケースが跡形もなく消える。彼の死と現金の行方に関する憶測が飛び交う。組合の代表と交渉? 彼らを買収? 大勢の死者を出すことにつながる不法な鎮圧のための資金? 物語は暗いエピソードを軸に展開し、そのドラマの核はコスタ・ガヴラス(映画監督)風に使われ、家族をめぐるこの小説においてお金の役割を見直すこととなる。語り手の父親はポーカーやカジノで金を「作り」、水を得た魚のように金融投機の世界を奔走する。彼の母親は相続したわずかな財産を贅沢な生活と別荘に浪費する。際限なく増える出費、それを支払うのは彼だ。

Historia social del flamenco著『Alfredo Grimaldos』の表紙

フラメンコの社会史

Historia social del flamenco

アルフレド‧グリマルドス

Alfredo Grimaldos

Península

口承芸術であるフラメンコは、長らく、基本的にはバハ・アンダルシアの大いなるジプシー一族の中で守られ、家庭や地域で世代から世代へと伝えられてきた。その歌詞は迫害や疎外の産物であり、そこには反抗心が沈殿している。30年代には、ファンダンゴはもっぱら、ハカの将校フェルミン・ガランや「共和国の小旗」に捧げられてきた。その一方で、フランコ政権末期と民主主義への移行期のあいだは、多くのフラメンコ・アーティストたちが政治がらみで社会的立場を手にした。夜あかしで成り金の男たちのために歌うといった、野外のきつい商売だったフラメンコは、タブラオや夏祭りで披露されるものとなり、ついには劇場で演じられるまでになった。

やあ、フレド!

¡Hola, Fredo!

エレナ‧オルミガ

Elena Hormiga

Apila Ediciones

¿Qué pasa si la basura que tiraste durante el día regresa y se queda en tu casa? Esto es lo que realmente le pasó a Fredo. Un domingo, la basura que tiró en la estación de recolección de basura volvió a la mañana siguiente y, para colmo, comenzó a hablar con Fredo. Al día siguiente había una bolsa de basura más, y al día siguiente había una más, y al día siguiente... Fredo notó que incluso si intentaba tirarlo, seguía regresando. La solución no es tirar la basura, sino reciclarla y darle una segunda vida. Una historia humorística sobre nuestra responsabilidad hacia nuestras posesiones. Viene con un cartel divertido y colorido que explica el reciclaje para los niños pequeños.

Álvaro del Olmo著『Hombre sobre una escultura』の表紙

彫刻の上の男

Hombre sobre una escultura

アルバロ‧デルオルモ

Álvaro del Olmo

Rayo Verde Editorial

主人公であり、語り手でもあるエルクレス・デガルは、アートで社会を変えようという風変わりな試みに着手する。本書は、彼と行動を共にした友人たち(写真家、女優、カジノのクルピエ)の人生の物語である。エルクレスの夢と不眠が、巧みな横領工作と絡み合うが、この工作は、主人公にとって昔の女神、いくつもの謎を抱えた女性の突然の出現で危うくなる。作者アルバロ・オルモが輝かしい初めての小説で読者に挑む。挑発的で、野心と好奇心にあふれた作品。大胆で個性的な文体で読者を驚かす、時間も場所も定めず語られる、忘れがたい傑作。

魔性の男:文学‧映画における男性の願望の変化

Hombres fatales Metamorfosis del des eo masculino en la literatura y el cine

エリセンダ‧フリベルト

Elisenda Julibert

Acantilado (Quaderns Crema S.A)

文学や映画はこれまで数多くの架空の登場人物を生み出してきた。中でも「魔性の女」タイプの人物は、トロヤ戦争の原因を作ったとされる移り気なヘレネや全人類に罰をもたらした軽率なイブなど、古くはギリシャ神話や聖書にも登場するほど長い歴史があるが、この200年で特に登場頻度が高く変遷も激しい。魔性の女というステレオタイプは、ある女性たちの不吉な性格を証明するというより、男性の願望を際立って不吉な形で表しているとしたら?――文学の世界からはカルメンやロリータ、映画の世界からは『めまい』のマデリンや『欲望のあいまいな対象』のコンチータといった女性たちを分析しながら、恐ろしい「魔性の女」の神話を、著者は新たな視点から検証する。そして、これらの架空の女たちの裏にある男たちの痕跡を、まるで陰謀の筋立てを追うように読ませてくれる。

Xavier Bosch著『Homes d'honor』の表紙

誇り高き男たち

Homes d'honor

シャビエル‧ボッシュ

Xavier Bosch

GRUP 62, S.L.U.

ダニ・サンタナについて、何か知っているだろうか? 彼は日刊紙「クロニカ」の元部長で、現在テレビの調査インタビュー番組を作っている。一連の問題からようやくのがれたと思うと、また新たな問題がもちあがる。気性のはげしいシシリア女性、トゥッザ・テレーザが、彼の番組に登場しマフィアの秘密をあばいたことから、彼の人生は変わる。バルセロナのリセウ劇場の火災の、とある目撃者が、公式発表されているバージョンとはまったく異なる、ひどく気がかりな告白をする。一方、カタルーニャの文句なしの英雄、バルセロナ市長の父親は、自分の亡命時代のことについてすべてを語ろうとしなかった。

María Martinón-Torres著『Homo imperfectus』の表紙

人類、この不完全な生き物―人類が進化しても病気になる理由

Homo imperfectus

マリア‧マルティノン=トレス

María Martinón-Torres

Editorial Planeta, S.A.U.

マリア・マルティノン=トレスは、本書を通じ読者を生物学の漆黒の闇の片隅にまで誘い込み、われわれが不完全であるというレッテルを貼ってしまったことで、ホモ・サピエンスの優れた適応力の重要な側面が隠されてきたことを明らかにする。進化論に照らし合わせると、ガン、感染症、免疫系障害、不安、心血管事故、神経変性疾患、老化、死に対する恐怖といった人間の大きな病は、変化する世の中で生き残ろうとする人類という種の闘いの変遷を物語るものだというのだ。病気やその傷跡は、ヒトが弱い存在であることを示しているどころか、人類の連帯と回復の歴史を読み解くためのいびつな線であるということを、読者は本書を通じて理解するだろう。

ウープス

Hoops

ヘニエ‧エスピノサ

Genie Espinosa

Penguin Random House

クボ、ゴール、ピッパの3人は、エナジードリンクをがぶ飲みし、マリファナを吸いまくるアウトローのティーンエージャーたちだ。1年ちょっと前にこの世の男たちは全員謎の失踪を遂げた。今は女だけの世界で、平和と正義が保たれ、経済は順調に推移し、貧困は完全に根絶されている。ある朝、3人は休み時間に教室を抜け出し、そのまま授業をサボることにした。こっそり何本目かのマリファナを吸っていた時、ピッパは誤ってイスからころげ落ちてしまう。ところが彼女が倒れたところは地面ではなかった。不思議の国のアリスがウサギの穴を通ってたどり着いたようなパラレルワールドに夢心地で降り立ったのだ。ピッパと一緒にゴールとクボも、出発地も目的地もはっきりしない幽体離脱の旅に出ることになるが、そこで彼女たちは奇妙な変身を遂げ・・・。

オルチェル

Horcher

エリサベス‧オルチェル

Elisabeth Horcher

Agencia Literaria Albardonedo

伝説的で高い評価を受ける世界有数のレストラン「オルチェル」の美食にまつわる記録。ひとつの民族の歴史は、彼らの料理の歴史でもある。ベルリンで誕生し、後にマドリードに移転、伝統と前衛のバランスを保ちつつ、120年近く厨房の火を絶やさずに来たこのレストランの沿革はそのことを如実に物語っている。20世紀および21世紀におけるヨーロッパ美食界の聖域と呼べるオルチェルのようなレストランはそれほど多くは存在しない。本書の各ページ、レシピ、写真は、オルチェル一族4代の系譜(一時期、かの伝説的レストラン、フランス・マキシムの支配人を輩出)と、戦争、危機、パンデミックなどさまざまな波乱の渦を乗り越えてきたレストランの姿を読者に映して見せる。それは美食の鮮やかな歴史でもあるのだ!

Varios autores著『Horripilantes』の表紙

ゾッとする話

Horripilantes

共著

Varios Autores

Tres patas y pico

様々な著者が執筆し、イラストを描いた、モンスターに関する16の短編集。ブレイクダンスが好きな骸骨、衣装を探しているミイラ、脳をなくしたゾンビなど、ゾッとするけど楽しく、奇怪なのに愛らしい16のキャラクターに出会える。また16の豆知識と、「読んだあとに」と題した16のアクティビティの提案も含まれている。恐ろしくも楽しい物語の本。

Melcior Comes著『Hotel Indira』の表紙

インディラホテル

Hotel Indira

メルシオル・コマス

Melcior Comes

Edicions 62, S.A.

ニコラウ・コマグラン・セルクは詩人ニック・セルクとして名を馳せている若者。文学の道を志すが挫折し、マジョルカに戻り、叔父を手伝ってインディラ・ホテルで働き始める。祖父の時代から一族が所有する少々さびれたホテルである。こうして一転、踏み込んだ新たな世界にあったのは、昔の亡霊たちと、恋と成功のライバルになる人物の家族の幻惑だった。本書はニックとナタリアの狂わんばかりの恋と発見の物語だ。2人の関係は、過去や秘密や不満、運命や嘘に彩られている。自分自身を受け入れることの難しさ、汚職や喪失の痛み、慰めの必要性、限界があることによって生じる悲劇についての小説である。

Javier Vásconez著『Hoteles del silencio』の表紙

沈黙のホテル

Hoteles del silencio

ハビエル‧バスコネス

Javier Vásconez

Editorial Pre-Textos

『沈黙のホテル』というこの暗示的なタイトルから、ハビエル・バスコネスは私たちを戦慄の極みに連れていく。真夜中にホテルの闇を切りさく子どもの泣き声よりも身に毛のよだつものがあるだろうか? しかし、この小説の一番の読みどころは、絶望する複数の人々の物語が織りこまれていることだろう。舞台は、子どもという最も弱く無防備な存在を被害者とする連続誘拐と殺人に震撼する都市。この街で登場人物たちは愛と自分自身を探し求める。解決することのできなかった辛い過去の物語を心にかかえた人物たちは、難破の連続の自分の人生をなんとか再建しようとする。

Endika Urtaran著『Huida al Tíbet』の表紙

チべットの逃亡

Huida al Tíbet

エンディカ‧ウルタラン

Endika Urtaran

Ediciones Desnivel, S. L.

2011年第13回デスニベル文学賞受賞作。ジョンはバスク人の料理人で短気な登山家でもある。家族に大問題が生じたあと逃げ出してチベットに行く。古地図好きなチベットの僧ドルジェは1717年にフランスのイエズス会士が作成した、奇妙な注釈つきの地図を見つける。カルロタはずっと人生から逃げてきた、キューバ生まれのはちゃめちゃな地図作成者。サムはいつもギリギリのところで生きようとする米国生まれの登山家でガイド。本書はこうした人々の物語である。それぞれ人生から逃がれてやってきたヒマラヤのど真ん中で、不運な冒険に巻き込まれる。冒険と山、ミステリーと迷信、愛や友情を描いた本物の小説。山と仏教の伝統によって、主人公たちは苦境に追い込まれる。

ウル、土と水

Hur, Lur eta Ur

アンチョン‧カサボン

Antton Kazabon

Editorial Ibaizabal

バサヤウンは森や山の手入れの仕方、自然が病気になったときに治す方法をよく知っている。今回は小さなウルがバサヤウンを手伝って、乾燥した山がまた木でおおわれるように、乾いた土の中の水を探すことになった。うまくいくかな? 神話と自然の力が結びついた物語。

Zuriñe Aguirre著『Im-perfecte』の表紙

不‧完全

Im-perfecte

スリニェ‧アギレ

Zuriñe Aguirre

Edicions Bromera S.L.U.

殴り書きという意味の名を持つガラバトは、鉛筆の先っちょに住んでいる。すごく臆病で、隠れ場所から出たがらないのは、自分に欠点があると感じてるからだ。だって一日中、素晴らしい形が描かれていくのを見てるんだもの。でもある日、鉛筆のおかげでガラバトは気づいた。円や四角みたいに完ぺきじゃなくても、独特な存在にはなれる。だって不・完全であることは、なりたい自分を見つけるチャンスということだから。私たちはみんな違っているから、みんな不完全なんだということを教えてくれる寓話。

想像して作ろう――楽しむための本

Imagina y crea: Un libro para disfrutar

ペリーネ‧オノール

Perrine Honoré

Coco Books

内に秘めた創造力を解き放て! 最新の夢を絵に描こう。求める色が見つかるまで色で遊ぼう。草の上に寝っ転がって一番おかしな形の雲を描こう。横糸を組み合わせてワニやカメやシマウマの皮の模様を描こう。おもしろい髪形を発明しよう。板チョコで実験したり絵を描いたりしよう。デイヴィッド・ホックニー風のプールを描こう。建築家リカルド・ボフィルの建築物「赤い城壁」の影に色を塗り、アーバンアーティスト気取りで壁画を描こう……などなど、この本にはまだまだたくさん楽しいことが載っている。

Violeta Monreal Díaz著『Imperfectas』の表紙

不完全な女たち

Imperfectas

ビオレタ‧モンレアル‧ディアス

Violeta Monreal Díaz

San Pablo Comunicación SSP

ビオレタ・モンレアルが、完全に不完全な50人の女性を描く。妄想的で、革命的で、夢想家で、革新的で、ユニークな、世界を変えた女性たち。マリ・キュリー、ヘディ・ラマ―、ヘレン・ケラー、マリア・モンテッソーリ、クララ・カンポアモール、ガブリエラ・ミストラル、ルイーズ・ブルジョワ、マリア・モリネール、インディラ・ガンジー、アビラのテレサ、アメリア・イアハート、ジェーン・グドール等々、歴史の中で重要な発見を行ったり、他の人びとをインスパイアしたり、世界の進歩につながるアクションを起こしたり、現実を変えたり、世界を率いたり、危険を冒して夢を実現するために尽力した女性たち。紹介されるのは50人だが、その数はもっと多かったはずだ。

Ledicia Costas著『Infamia』の表紙

汚名

Infamia

レディシア‧コスタ

Ledicia Costas

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

エンマ・クルスは弁護士で、刑法の教授。大学で講義をするために、ガリシアの小さな町メルロに引っ越す。そこに不幸な過去があったことなどまるで知らずに。彼女が村に着いた日は、ちょうどジロー姉妹が大地に飲み込まれたように忽然と失踪してから25年目の日だった。そうして、エンマは、メルロの住民が秘密を抱え、口を固く閉ざしていることがあることを知る。ジロー姉妹に何が起こったのか? 死んでしまったのか? そしてもしそうなら、その責任は誰にあるのか? なぜ彼女たちの遺体は見つからなかったのか? 『Infamia(汚名)』は、見かけ通りのものは何もない心理スリラー。スリル満点のリズムを持った小説で、読者を魅了し、人間性の極限に導く。愛、憎しみ、狂気の物語。

María Martínez Sagrera著『Infancias rotas』の表紙

壊れた子供時代

Infancias rotas

マリア‧マルティネス=サグレラ

María Martínez Sagrera

Grupo de Comunicación Loyola, S.L.U.

魅力的で成功したジャーナリストだが、自分の環境になじめないでいるアンヘラ、 両親をひどく怒らせている反抗的なティーンエイジャー、エバ、 待ち望んだ娘が生まれた後、幸せな結婚生活がぎくしゃくしてしまった若い夫婦。これらの登場人物の人生が、同じ不幸な運命の下で絡み合う。 彼らの人生の隠された面に想像をはるかに超えた共通点があるのだが、その隠しているものとは何だ?

Soledad Romero著『Infinito』の表紙

無限

Infinito

ソレダード‧ロメロ

Soledad Romero

Zahorí Books

この世のすべてのものは、終わりにたどりついたとき、新たに始まる。完全になくなるものは何ひとつなく、すべては何度となく、形を変える。冬が終われば、春が訪れる。夜の後には、新しい朝が来て、地面に実が落ちれば、芽が出て、木になる。それは、すばらしい宇宙の循環だ。いくつかのそういった循環を、本書はとりあげる。無限に続く、とてつもない旅へようこそ!

Daniel Granado Pulido著『Inglés profesional para servicios de restauración』の表紙

レストランサービスのための専門英語

Inglés profesional para servicios de restauración

ダニエル‧グラナド=プリド

Daniel Granado Pulido

Ideaspropias Editorial

本書は、ホテル業界において、英語を話す顧客にプロとして優れた接客を行うため、基本的に必要な事項を解説。日常の場面で、書類やメッセージを理解、解釈、表現するのに必要な高いレベルの英語を身につけることを目指す。顧客の要望に対応するための会話表現と、会話や文章の大まかな意味の解釈法、レストランサービス特有の状況におけるプロとしての適切なコミュニケーションなど。また英語圏の主な国々で使われている度量衡制度、調理器具やテーブルウェア、飲料、食品に関するレストラン業界の専門用語についても書かれ、手引書としても使える。

Ralph del Valle著『Insularidad. El viaje interior de un corredor』の表紙

島国性:ランナーの内なる旅

Insularidad. El viaje interior de un corredor

ラルフ‧デルバリェ=ゴンサレス

Ralph del Valle González

Ediciones Desnivel, S. L.

「走る男は必ず逃げる男でもある。ランニングシューズや装備品、脈拍計に騙されてはいけない。仕事を終えて空っぽの家に帰り、壁に飲み込まれ、魂をつぶされるという事実から逃げているのだ」本書はこんな書き出しで始まる。そこから、逃亡と救いをめぐる内面の物語へと発展し、喪失と敗北がどうしたら道と希望に変わっていくのかが考察される。ヒトは旅する生き物であることを思い出させてくれる。旅するゆえに、難所で転び、過ちを犯し、反抗し、後悔し、学び、立ち上がる。

Jesús Carrasco Jaramillo著『Intemperie』の表紙

悪天候

Intemperie

ヘスース‧カラスコ‧ハラミージョ

Jesús Carrasco Jaramillo

Editorial Seix Barral

家から逃げてきたひとりの子供が、隠れ家の奥に潜んでいる。彼を探す男たちの叫び声が聞こえる。男たちが通り過ぎてしまうと、彼の前には干からびた大地が果てしなく広がっている。逃げてきた場所に戻りたくなければ、そこを超えて行くしかない。ある夜、ひとりのヤギ飼いと出会い、その時から、ふたりにとって全てが一変してしまう。Intemperie(悪天候)は、干ばつにみまわれ暴力に支配される国を通り抜けて逃げる、ひとりの少年の逃避行を語る。閉ざされた世界、名前もなく日付もない。その世界では、水が排水溝から流れ出て行ったみたいに、モラルも一緒に流失してしまっていた。そんな環境の中、まだ挫折せず一縷の望みを失わない少年は、苦しくてもまっとうな道を1からスタートするチャンスを得ることになる。あるいは対照的に、嫌というほど身に染みている暴力に走るのか。

Sole Otero著『Intensa』の表紙

激しい女

Intensa

ソーレ‧オテロ

Sole Otero

Astiberri Ediciones

銀河系の遥か彼方、退屈で孤独に飽きた宇宙人の女が地球に降り立つ決心をする。その目的は誘惑、肉欲、人間の愛の喜びを味わうことで、彼女の新たな使命、それは地球人の男とステディな関係になることだ。彼女をサポートする装置XOXOは、ガイド役として、彼女に人間の心と体の機能について説明するのが仕事。ところが、すぐに女は気が付く。全てが見た目ほど単純ではないこと、そしてカップルになるためには無限に暗号を解き規則を守る必要があるということに。どうして最初のデートのためにそこまで真剣に服を選ばねばならないの? お腹に溜まったガスがすべて台無しにするってどういうこと? SNSはどこまで信じていいの? 激しすぎるのは問題なの? 人間同士の関係は不可解千万。アルゼンチン人の筆者は、カップルがうまくいくのに必要な複雑さを巡る楽しさとつらさを同時に描写してみせる。

現代アートと建築におけるスペインと日本の相互作用

Interacciones España-Japón en el arte y arquitectura contemporáneos

ブランカ‧ガルシア‧ベガ

Blanca García Vega

Editorial Tirant lo Blanch

本書は日本の文化に関心のある読者が喜ぶような、スペインと日本の芸術的な文化交流に関するエッセイをまとめたものである。2013年から2014年にかけて開催された日本スペイン交流400年周年、それに続く2018年の日本スペイン外交関係樹立150周年以来、スペインにとって日本という偉大な「他者」は、距離的に離れているにもかかわらず、自らの本質を映し出す合わせ鏡のような存在だと新たな関心が向けられるようになった。本書では、スペインと日本の批評家や芸術家の視座や作品を通して、長年培われてきた交流や影響が研究されている。そうした交流や影響によって、芸術家たちは、西洋で「ジャポニスム」という現象をもたらしたミステリアスな異国情緒という従来の日本観から脱却でき、自らを省み新たな戦略を企画できるようになった。

イントランセックステラー

Intransextellar

ヒミ‧マシアス

Jimi Macías

Bang ediciones

狩猟シーズンがまもなく終わろうとしているある日の夜明け前。飼い犬を連れて、ひとりの男が狩りに出かける。出発していくらもしないうちに、なぜか彼らの車は高速道路の真ん中で突然停車し、やがて近づいてきたまぶしい光線に車ごと吸い込まれてしまう。男についての消息がないまま1か月が過ぎ、男が戻ってくる。しかし、彼はすっかり変わっていた。世界の男たちを性転換するという使命を帯びたエイリアンたちが、彼の体と心を女性のものに変えてしまったのだ。

現代社会学入門

Introducción a la sociología actual

ホセ‧アントニオ‧ディアス=マルティネス

José Antonio Díaz Martínez

Editorial UNED

社会学の入門書。冒頭において、社会学の視点が一般常識とは異なる点を指摘し、社会科学の方法論を用いて、なぜ物事がそのようになるのかを説明している。つまり、社会学は社会の現実やある社会現象がどのようなものかを書き記すだけでなく、社会的な出来事や現象に対する説明を見出そうとするものなのだ。社会学はその始まり以来、社会の現実を客観的に研究し、社会生活の規則性や法則を発見するという科学的な意図を有してきた。今日の複雑な社会を特徴づける核心的な側面について研究した本書においても、そのようなアプローチが取られているが、同時に、教育的かつ総合的な観点から記されている。

Elvira Valgañón著『Invierno』の表紙

Invierno

エルビラ‧バルガニョン

Elvira Valgañón

Oh!Books Agencia Literaria

1809年冬の初め、ナポレオン軍の脱走兵でひどく負傷した男が山の中のとある小さな村にたどり着く。その村がこの小説の中心舞台となり、村の通りや草原で、命と秘密、情熱と希望が150年以上に渡って絡み合う。家、広場、森、空、洞窟……、生きていくという魔法以外何の変哲もない村、冬があまりに長く、空気は雪と霜の匂いがする。夢見る子どもたち、忘却を拒む老人たち、冬そのもののような日々を耐える男女たち。しかし、全てが見かけ通りではない。なぜなら著者エルビラ・バルガニョンは、落ち葉のようにまじりあう物語を集めたこの小説の中で、美しさと哀れみこそ、人生と文学を心地良くするための最高の源だということを垣間見せているのだ。

アテネのエイレーネー

Irene de Atenas

アルバロ‧ロサノ

Álvaro Lozano

EDHASA - Editora y Distribuidora Hispano Americana

若きエイレーネーは、アテネからコンスタンティノープルにやってきたとき、未来に何が待ち受けているかわからなかったが、やがて道は思わぬ方向に向かう。皇帝の妻であり母だった彼女は、衰退しながらもいまだ過去の栄光をとどめる東ローマ帝国の、紛れもない唯一の女帝となる。女性でありながら、少数の忠実な家臣とともにひとり厳格に、コンスタンティノープルから民と土地の運命を統べていく。そのためには、権力を狙って何度も繰り返される陰謀や裏切りに立ち向かい、敵だけでなく、時には迷わず我が子の血で手を汚さねばならなかった……。思索的な文体で、静かながらパワフルに読者をひきこむ。東ローマ帝国の最も有力な皇帝のひとりの一人称で語られる、ユルスナール『ハドリアヌス帝の回想』を思わせる物語。

Rafael Lindem著『Iron Shoes』の表紙

アイアンシューズ

Iron Shoes

ラファエル・リンデム

Rafael Lindem

Cartem Comics

戦争によって引き裂かれた世界で、わずか12歳の勇敢な少女ロニー・マテイは、大人の陰鬱な支配から逃れようと奮闘する。一方、新型ポリオで両足を失った勇気ある青年バルタザール・マストランドは、鉄の構造物に体を預けて移動する。彼らは共に、荒廃と絶望により壊滅的となった状況の中で、課せられた運命に立ち向かう。しかし、彼らの道には障害が立ちはだかる。失脚した軍事指導者で、かつての権力と新政府の擁護を取り戻すことをねらう恐ろしいマリオ・ジャマッティ将軍と対峙しなければならないからだ。逆境と危機に直面しながら、ロニーとバルタザールは、自分たちが生まれた世界の運命を変えるため、ドラマチックでスリリングな旅に出る。

Jordi Morell著『Islàndia, somnis de riolita』の表紙

アイスランド 流紋岩の夢

Islàndia, somnis de riolita

ジョルディ‧モレル

Jordi Morell

Rayo Verde Editorial

夢の国で交差する人生。忘れがたいアイスランド旅行。バルセロナ郊外のサバデイの町から一歩も出たことがなかった時計職人が、古い時計を修理するためアイスランドに行かなければならなくなる。好きな音楽を演奏するためにグループを探す北欧の青年。夢見てきた旅を実現した地質学者のカップル。アイスランドの海岸を巡るルート1よろしく、引退したカルト作家と彼にインタビューをしなければならない若きジャーナリスト。成功者らしき男。これらの人物たちの人生を結びつける小説である。彼らは、これが自分の望んだ人生なのか、人生を変えるための時間は残っているのかと振り返る。作家ハルドル・ラクスネスとフォルメンテラ島の登場も重要な意味を持つ。

ジャック‧ムリ.ットと七つの海

Jack Mullet de los siete mares

クリスティナ‧フェルナンデス=バイス

Cristina Fernández Valls

Fundación Santa María - Ediciones SM

ジョンとジェイムズはジャックの父さん。そして失踪中だ。でも彼女はすでに、ふたりを見つける計画を立てている。そのために友だち、つまり人魚のクラケン、ドルイド教の司祭を目指すエレチョ、カングレホ島の幽霊オリベルの助けを借りるつもり。こうしてわくわくする島の旅が始まった。雲を突っ切り、溶岩の砂漠を歩き、火山の噴火口によじ登り、ドラゴンの背に乗って飛ぶんだ。

Paloma Corral著『Jasón y los Argonautas』の表紙

イアソンとアルゴナウタイ

Jasón y los Argonautas

パロマ‧コラル

Paloma Corral

Editorial Milrazones

すべての神話がそうであるように、イアソンのこの神話も、私たちの人生や、前に進み続けることの必要性、不可能に見えても夢をかなえることについて語っている。イラストレーターであり作者であるパルマ・コラルとキケ・イバニェスは、神話に現代的な解釈を加えたこの絵本で、若い読者にぴったりと合ったすばらしいイメージを私たちに贈る。イアソンとアルゴナウタイ(訳注:アルゴー船の乗組員たち)は、金の羊毛を手にいれて家に戻るために、危険に満ちた長い航海をしなければならない。航海を最もおびやかすのは、巨大な戦士でも、身の毛のよだつハルピュイアたちでも、ほかの神話上の生き物でもない。最大の影は彼らの頭にある、やりとげられないのではないかという考えだ!

ジャニスジョプリン

Jenisjoplin

ウシュエ‧アルベルディ

Uxue Alberdi

Consonni Ediciones

ナゴーレ・バルガス、父の呼び方ならジャニスジョプリンは、1980年代にバスクの小さな工業の町で生まれた。28歳のとき、辛い状況をくぐりぬけて鍛えられた。今は挑戦や内なる衝動に突き動かされて、当局と熱く闘うことに慣れている。いつでもすぐに人を愛し、危険を呼びこみ、何にでも立ち向かっていく。ビルバオにやってきたとき、闘争の中にある町、かかわるべき革命、ひとりひとりが階級や祖国や性の名の下に怒りを燃やす状況と出会う。だが、やがてHIVに感染していることがわかる。自分は大丈夫だと思ってきたが、以後は、どこで闘いを始め、終わらせるかを決めるにも、自分自身だけでなく世界とやりくりし、自分のもろさから喜びを理解しなければならなくなる。

María Menéndez Ponte著『Jim el Pecas』の表紙

そばかすジム

Jim el Pecas

マリア‧メネンデス-ポンテ

María Menéndez Ponte

IMC Literary Agency, S.L.

アントニオは、アメリカ西部の本物のカウボーイになりたい8歳の少年。憧れのヒーロー、ジョン・ウェインがサンティアゴ・デ・コンポステラまで自分を迎えにきて、西部に連れていってくれるのを夢見ている。ある日、自分と同じくらいの年のカウボーイ、そばかすジムの写真を見つけたアントニオは、ジムになってしまおうと決心する。けれども、それは簡単なことではなく、夢をかなえるにはいつでも大きな代償が求められる……。子ども時代、家族、友だち、想像力、昔からの遊びなどへのオマージュ。小さなことを楽しみ、自分が持っているもので満足することを知ろうと、やさしく楽しく呼びかける。舞台は1950年代のガリシア地方の、まだ消費社会になっていない、現在とは対照的な世界。そんな世界を自分の幼いころのようだと感じるに違いない、親や祖父母も楽しめる。

Laia Longan著『Jo que vaig dormir amb lleons』の表紙

I Slept with Lions

Jo que vaig dormir amb lleons

ライア‧ロンガン

Laia Longan

Animallibres Editorial, S.L.

トムは児童養護施設に住んでいて、動物が大好き。だからサーカス団と暮らす女の子ラナと出会った日、逃げ出してふたつの夢をかなえるチャンスだと思った。夢とは、世界一魅力的な動物たちのすぐそばにいること、そしてまだ会ったことのない父さんを探しに行くこと。ある日、夢にも思わなかったことが起こる。ライオンたちといっしょに寝ることになったのだ。

Chusa Garcés著『Jodido Joyce』の表紙

くだらないジョイス

Jodido Joyce

チュサ‧ガルセス

Chusa Garcés

Aragón Tiene Talento, S.L.

いきなり成果を収めるのは簡単ではない。必ずしもいつも完璧な文章が丸々書ける訳でもない。ゼロは丸だし、ミートボールやジャガイモだって丸だ。物事は見かけによらない……それとも、見かけどおりか。この本は作家のための手引書。小説は現実の写しなのか? それとも現実は小説を超えるのか? オーケストラの指揮者は音の製作者、それとも単なるオブザーバー? 読者は単に読むだけか、はたまた本と影響し合うのか? 作家とは天性のものなのか、それとも成すものなのか?永遠の謎… 小説の書き方を知るには最適な本。作家の血をひく教育者が書いたとあれば尚更だ。本を読もう。青いキルトのガウンを着た隣人と文学病の男の中に答えを見出すことが出来るだろう。

Isabel-Clara Simó著『Jonàs』の表紙

ジョナス

Jonàs

イサベル=クララ‧シモー

Isabel-Clara Simó

Edicions 62, S.A.

ラテン文学研究者のアレックスは、学会に出席するためにニューヨークに飛ぶ。そこで有能でクリエイティブな写真家のジョナスと知り合い、自分が同性愛者であることに気づく。アレックスは教養があり神経症的で、ペダンティックで感受性が極めて強い。ジョナスは美形で、会う者みなが心を動かされる。ふたりの間に愛が芽生え、カップルとして生きることを決める。しかしほどなく、悲劇が彼らを襲う。母親の死でアレックスはバルセロナに戻ることになり、彼を理解しない冷淡な家族や社会に立ち向かうことになる。抑えた静かな筆致、対話と内省に満ちた文章で、イサベル=クララ・シモーは、自我の現代的危機、無邪気さの喪失、同性愛への気づきについて、リアリスティックで細やかな心理小説を書きあげた。

ジョルディ‧サバテル‧ピ:最後のナチュラリスト

Jordi Sabater Pi: lʼúltim naturalista

トニ‧ポウ

Toni Pou

Edicions de la Universitat de Barcelona

サバテル・ピの物語はまるで小説のようだ。しかし事実である。17歳でアフリカに渡り、30年後にバルセロナに戻ってきた彼は、学位すら有していなかったが、世界で最も有名な霊長類学者のひとりとなった。サバテルは、学問の世界を超え、学界に普及していた人類の概念を書き替えてしまうほどの貢献をした。彼の経歴は、好奇心と粘り強さ、そして自然に対する敬意に満ちている。また、自らをフンボルトやダーウィンの後継者であると公言していたが、彼らと同じような科学的探求へのロマンに満ちていた。サバテルのアフリカ時代の手紙をもとに、彼の人生が初めて物語として描かれた本書では、スペインで最も偉大とされる科学者のひとりであるサバテルの活気に満ちた知的冒険が、躍動感あふれる文章で正確かつ興味深く描かれている。

Josep Lluis Badal著『Juan Plata. El misterio de los piratas』の表紙

フアン‧プラタ――海賊たちの謎

Juan Plata. El misterio de los piratas

ジュゼップ‧リュイス‧バダル

Josep Lluis Badal

La Galera Editorial

お父さんが世界の海をわたる本物の海賊だったらいいな、とか、海の怪物や巨大ロボットとの戦いに連れて行ってもらえたらいいなと思ったことがあるなら、人魚や秘密の宝物や魔法のバイオリンがどこかにあると信じたいなら……それとも、よい文学にも激しいアクションやユーモアがあってもいいのにとだけでも思うなら、この本は君の愛読書になるだろう。

体育ゲームと応急手当

Juegos de educación física + primeros auxilios

Ediciones Daly

本書は、小学生児童の身体的・知的能力の向上を促す数多くの遊びを完全網羅したマニュアルで、教師や指導員、教育者を始めとする体育のプロフェッショナルや、家族のための基礎的ツールとして役立つ。体育ゲーム、創意工夫と機敏さが求められるゲーム、ウォーミングアップ用のゲームを収録しているほか、応急手当ガイドでは予防の重要性、緊急時や事故の際にとるべき行動、子供に対し自然かつ冷静に状況を説明する方法を解説。このユニークな書籍は、小学生の親や教師に対し、子どもの身体的・感情的・社会的な成長を総合的に促進する手段を提供すべく作られた。

Francisco Solano著『Jugaban con serpientes』の表紙

蛇と戯れていた

Jugaban con serpientes

フランシスコ‧ソラノ

Francisco Solano

Editorial Minúscula

不倫の恋人たちは、偽りの感情も本当の感情も、同じ確信をもってかわしあう。それが繰り広げられるのは、ほかに証人などいないふたりきりの場所だ。だが、もし偽りが真実で、本当は、夫に取って代わるのを恐れているのだとしたらどうなるだろう? この物語の語り手である無名の男は、この疑問を解き明かそうとして書いているのではない。「別の人間になりきり」、不貞を理解できたなら気がすむのだ。自分の中には、感情の絶頂と賞味期限があり、愛人の中には、既婚者であるのを嘆くだけの投げやりな感情があるのを認識している。しかし現実の夫婦生活の情熱が冷めつつあるなか、ひょっとすると禁断の愛は結婚生活を害するのではなく、夫婦の絆を強める働きをしているのではないか。本書は不倫への辛辣な解釈を提案する。

Berta Carmona著『Julia en la Isla de la Calma』の表紙

静けさの島のフリア

Julia en la Isla de la Calma

ベルタ‧カルモナ=フェルナンデス

Berta Carmona Fernández

Educación para el Optimismo, S.L.

フリアは生まれて初めてひどくがっかりすることがあり、母親にワーワーわめきちらす。ばつとして自分の部屋に行かされ、いらいらしながら悲しく腹を立てていると、突然すべてがぐるぐる回り始め、ぐらっときたと思うと、知らない所にいた。この静けさの島で、わくわくどきどきする冒険が始まる。怖い思いをしたり、のんびりしたり、木と友だちになったり、恐ろしい力と戦わなくてはならなくなったり……。気持ちをを静めて、自分の感情や否定的な考えをコントロールすることを子どもたちに教える、驚きに満ちた物語。できる限りポジティブで現実的に、ものごとと向き合う術を教えてくれる。

Javier Vidal著『Junto a los campos de trigo』の表紙

麦畑のそ で

Junto a los campos de trigo

ハビエル‧ビダル

Javier Vidal

Alcala Grupo Editorial y Distribuidor de Libros

「僕たちの中には光にしがみつく者がいる(中略)しかし、ひと思いに命を絶ちたがる者もいる。誰しもそんな地点にぶつかるだろう。暗闇の中、ひとりぼっちで、もう後戻りはできない」ハビエル・ビダル(1979年、セゴビア生まれ)の最初の小説は冒頭で、逆説的な意味での出発点に読者を立たせる。同時にそこで、本作品の主要テーマを垣間見せる。つまり、死、そして死と表裏一体になった人生の変転だ。最初の出来事は、主人公の内省の旅において起きる。主人公は、純粋に実存的問いかけに新たな視点から挑み、思索的志向と優れた語りのリズムで、人間にとって極めて重要な問題を的確にあぶりだしていく。

Joan Mas i Vives著『Kabul i Berlin a l'ultim segon』の表紙

最後の瞬間のカ@ールとベルリン

Kabul i Berlin a l'ultim segon

ジョアン‧マス=イ=ビベス

Joan Mas i Vives

Raval Ediciones S.L.U

マヨルカの同じ地区で一緒に育った3人の友人が、ジャーナリズム、スポーツ、軍隊と、個人的にも仕事の上でも非常に異なった道に進む。長い年月がたち、ジャーナリストになった男がスポーツ選手になった友だちのバスケットボール・クラブについての本を書こうと決めて、彼らの道が再び交差する。ベルリンの壁の崩壊とともに死ぬ古い20世紀、そしてアフガニスタン戦争とともに生まれた新しい21世紀。世紀の変化を刻んだ紛争をバックに人間関係が絡み合う。

カイゼンと忍者学校

Kaizen y su escuela ninja

アントニオ‧ディアス‧ベルナル

Antonio Díaz Bernal

San Pablo Comunicación SSP

カイゼンは忍者の師範。独特の革新的な学校で若い読者たちに感情をコントロールすることを教え、彼らがどれだけ大切な存在なのかということや、暴力なしで身を守る方法や、共感図とは何から構成されるかを知る手助けをします。この本でカイゼンが生徒たちに課す忍者ミッションやその他のアクティビティを達成すれば、本当の忍者になることができるでしょう。カイゼンの忍者学校は、共感、自尊心、ポジティブな精神、社会技能といった、感情教育に不可欠な面に取り組むことを目的としています。

Juan Francisco Ferré著『Karnaval』の表紙

カーニバル

Karnaval

フアン‧フランシスコ‧フェレー

Juan Francisco Ferré

Editorial Anagrama

まずこの小説は実在の人物が出発点だ。世界で最も強大な権力を持った男のひとりで、ニューヨークの高級ホテルの1室においてホテル従業員の黒人移民女性を暴行したと訴えられて、慌てて帰国の便に乗り込んでいたところを逮捕され、世界中のニュースや討論や巷の噂をにぎわせた男だ。著者は、そこに端を発し、物語を再現するだけにとどまらず、想像力と叙述力の豊かな才能を発揮して、文学が持つ変化球でその物語に取り組む。表現方法も内容も圧倒的に過激な試みのなかで、この実在の人物がDK、偉大な神Kに変身する。そして、このKarnaval(カーニバル、cではなくkで綴る)は、カーニバルの仮面を通して、現代社会の行き過ぎ、罪、悪を読者に語りかける。

Carles Batlle著『Kárvadan. La leyenda del impostor』の表紙

カルバダン:なりすましの伝説

Kárvadan. La leyenda del impostor

カルラス‧バトレ=ジョルダ

Carles Batlle Jordà

La Galera Editorial

2011年夏、ポル・バルサックは、抗議デモ中の妨害行為により彼を逮捕しにきた警察からのがれようと、自宅のベランダからぶらさがって外に出る。しかし、不思議な物理現象が起き、ポルの身体は異次元へと運ばれる。城のある美しい街、現実のものとは思えない動物たち、密林のジャングルがある幻想的な世界だが、奇妙なことにポルは親しみをおぼえる。その世界で生きのびるためには、ポルは伝説の男カルバダンになりすまし、天災に脅かされている住人を救わなければならなかった。リア姫と出会い、彼女とともに使命に挑み、情熱的な愛が生まれる。ふたりは困難な試練を乗り越えながら、忠実さ、友情、勇気、そして情熱を発見していく。

Ana Belén Ramos著『Koko. Una fantasía ecológica』の表紙

ココ エコなファンタジー

Koko. Una fantasía ecológica

アナ‧ベレン‧ラモス

Ana Belén Ramos

Editorial Océano, S.L.

子どもと青少年に向けて環境保護のメッセージを伝えるファンタジー小説。著者が言うには、環境悪化は人々の生活様式の変化だけでなく、自然への無関心の結果引き起こされたものである。ココは自分は「だらしなくて忘れっぽくて、かなりぼんやりしている」と考えている未来世界の女の子。大規模な環境破壊により荒れ果てた、不毛の地に住んでいる。この悲劇は人類の愚かさゆえに起きた。ココにはサルに似たしっぽがあって、おかげで木にうまくよじ登れる。ホメロスのオデュッセウスのように、小さなココも危険に満ちた旅に出て、一風変わった人々と出会う。旅の途中で出会ったグランディアは、ひとつ目の恐ろしい女で、ココを食べようとする。一方、よい魔法使いのヨルグントは、夢と現実というふたつの世界に住んでいた。

Ángel Idígoras著『Kota y el niño』の表紙

コータと少年

Kota y el niño

アンヘル・イディゴラス

Ángel Idígoras

Maldragón Editorial

画家を夢見る少年が住むマラガの町に、日本人の芸術家がやってくるという実話に基づく物語。コータという名のその日本人は、少年の家からすぐのところで海に向かってイーゼルを立てる。少年は筆使いひとつ見逃すまいと決心する。しかし、コータが何を描こうとしているのか、少年には不思議でならない。4日間を共に過ごすうちに絆が生まれ、少年の心の中で何かが変わっていく。その出会いから50年後、互いに連絡を取ることのなかったふたりだが、魔法のような出来事が現実に起こる。

Josep María Esquirol著『L'escola de l`ànima』の表紙

魂の学校

L'escola de l`ànima

ジョセップ・マリア・エスキロル

Josep María Esquirol

Quaderns Crema

『L'escola de l`ànima(魂の学校)』は、単なる書物ではなく、教育の真の基盤から成熟し、実り豊かで精神的な生活の地平に至るまでの道のりを読者に歩ませる、驚くほど分類不能な招待状です。場所、教え、仲間、注意、世界、配慮、熟考、創造といった言葉が示す現実が、一歩一歩、それ自身の光で道を照らし、私たちに新しい意味を発見させます。一人ひとりの人間は根源として現れ、二人の人物の出会いは「魂が魂に触れる」ものとして示されます。混迷と失意の時代において、ジョセップ・マリア・エスキロルは、物事の本質を追求する中で、再び明るく希望に満ちた提案、すなわち「愛の哲学的秩序」という極めてユニークな企てを私たちに提示します。

Tomeu Simó Mesquida著『L'hort del padrí』の表紙

おじいちゃんの畑

L'hort del padrí

トメウ‧シモ‧メスキダ

Tomeu Simó Mesquida

Vasaris Balta

1日中テレビばかり見ているふたりの子どものお話。畑を作ることほど楽しいことはないとおじいちゃんに言われて、ふたりは畑づくりにとりかかる。土地やタネを用意して、畑仕事や自然のすばらしさを満喫。最後に、ふたりは感謝をこめて、おじいちゃんにサプライズ・プレゼントを用意する。

Almudena Sánchez著『La acústica de los iglús』の表紙

イグルーの音響

La acústica de los iglús

アルムデナ‧サンチェス

Almudena Sánchez

Casanovas & Lynch Literary Agency

音楽とウィットとリリシズムに導かれ、夢のような雰囲気をかもしだす10の短編。クラリッセ・リスペクトールの短編に似た感覚を読者に与える。アルムデナ・サンチェスの初めての短編集である本書には、数学と人生の音楽が残響を放つ。後ろの座席にふたりの息子を乗せて、ふらふらと脇道をドライブする母親、最後の夢をかなえようとロープウェーに乗ったふたりの老人、最後には宇宙飛行士となった失業中の勤勉な女子学生、けんかをし、楽器の弾き方をおぼえ、スイマーに恋をする大勢の若い娘たちなどが、この短編集の魅惑的で心あたたまるページを駆け抜ける。大人の青年期あるいは若々しい熟年というまぼろしがあるならば、アルムデナ・サンチェスの物語はすべてをかけてそのような夢想をよびおこそうとする。

Eudald Carbonell著『La aventura de la vida』の表紙

いのちの冒険

La aventura de la vida

アウダルド‧カルボネル

Eudald Carbonell

La Galera Editorial

アウダルド・カルボネルは科学者チャールズ・ダーウィンの船、ビーグル号に乗ってすばらしい旅をする。その航海でふたりは、人間が今のような姿になった理由や、ヒトという種の進化の過程に刻まれた危険やできごと、火の発明から遺伝子工学までを説明してくれる冒険を経験することになる。エピソード満載のわくわくする進化史散歩だ。

引き潮

La bajamar

アロア‧モレノ‧ドウラン

Aroa Moreno Durán

Penguin Random House

アディラネは、祖母ルットの内戦時の幼い頃の記憶を記録するというたよりない理由を言い訳にして、バスク北部の海辺の村にある実家に戻る。一言の説明もなしに、夫と5歳になる娘を残し、自分自身の過去から新たな出発点を見つけるつもりだった。故郷では、祖母と共に、何年も前から言葉を交わしていない母アドリアナが暮らしている。3つの違った歴史的、政治的背景のもと、常にはりつめた土地で人を育て世話していくのは何を意味するのか。世代の異なる母と娘が、潮の満ち干のリズムと力にのせて、それまで遠ざけてきた家族の秘密や緊張に揺れる一族の物語を紡ぎあげる。

Lisa Biggi著『La bañera』の表紙

リザ‧ビッジ

La bañera

リザ‧ビッジ

Lisa Biggi

Takatuka

毎日の日課であるおふろの時間は、想像を働かせると、まさに冒険にかわる。せっけん入れは空飛ぶ円盤を連想させ、スポンジは洗車場、シャンプーの泡は氷山のようだ。おふろよりわくわくするものはある? そう、ママが一緒におふろに入ること。だけど、それはママ? それとも無人島? バスルームのさまざまな物がインスピレーションのたねとなり、思いがけない冒険へと私たちを運ぶ。物を何かに見立てて遊ぶ母親と息子が、自由な空想をときはなつ。イラストは、水の深みへと私たちを導く。青と緑を基調にした色が、明るいバックとコントラストをなし、簡潔で詩的なテキストがまたとない冒険を描く。

アニエリェの船

La barca de Hanille

ア‧フィン‧クエントス

Emilia Arias Domínguez

A Fin de Cuentos Editorial

読者はふたつの旅に居合わせる。ひとつは大型船に乗った女の子の幸せな旅で、食べ物や飲み物が豊富にあり、夜はダンスを踊り、波の音が心地よい眠りを誘う。もうひとつは、アニエリェとその母親、他の乗客たちが薄っぺらな小舟で命がけで海を渡る、苦難に満ちた不確かな旅。ひとりは休暇のため、もうひとりは安全で平和に暮らせる場所を見つけるための旅だ。絵は前者のストーリーを語るが、本文は後者を語り、付録の虫メガネを使うと見つけられる隠し絵がある。ふたりの少女はやがて出会い、お互いを認識するようになる。

Fernando Flores Maio著『La Biblioreca de Borges』の表紙

ボルヘスの図書館

La Biblioteca de Borges

フェルナンド‧フローレス‧マイオ

Fernando Flores Maio

Denken Pro - ParipéBooks

ボルヘスの蔵書を収めた図書館は彼の名前を冠した財団内にあり、その書籍のほとんどが哲学や宗教といったテーマを扱ったものだ。それらを著した⼈々を通じて、この天才の⼈⽣哲学のカギとなるものが見える。それはすなわち、幸福だ。『アレフ』の作者は、我々に素晴らしい図書館を残した。本書ではそのうちの数冊しか⾒られないが、その幸福のカギを発⾒することはできるだろう。彼が読んだ哲学者や神秘論者の本のいくつかが、彼の作品に決定的な影響を与え、そしてその作品が我々によりよく生きる道を教えてくれるのだ。本書に掲載された書籍は、財団が保管しているうちの5%にも満たない。しかしそこで私たちは幸福へと導いてくれる思考と出会うことができる。そして、18世紀から20世紀の書籍をじっくり⾒ることもできる。

Antonio G. Iturbe著『La bibliotecaria de Auschwitz』の表紙

アウシュビッツの図書館員

La bibliotecaria de Auschwitz

アントニオ‧G. イトゥルベ

Antonio G. Iturbe

Editorial Planeta, S.A.U.

全てを飲み込んでしまうアウシュビッツの黒いぬかるみの上に、フレディ・ヒルシュは密かに学校を建てた。本が禁止されている場所で、若い娘ディタは服の下に、史上最も小さく、人目につかない、秘密の公共図書館のもろい本を何冊か隠している。恐怖の真っただ中にあって、ディタは私たちに勇気についての素晴らしい教訓を与えてくれる。恐ろしいナチスの絶滅収容所の中でさえ、彼女は屈しないし、生きる意欲、読書の意欲を決して失わない。なぜなら「本を開けることは汽車に乗ってバケーションに出かけるようなもの」だから。実話にもとづいた感動的な小説であり、文化的ヒロイズムの最も感動的な物語のひとつを忘却の中から救い出した作品。

Mónica Rodríguez著『La bicicleta de Selva』の表紙

セルバの自転車

La bicicleta de Selva

モニカ‧ロドリゲス

Mónica Rodríguez

Anaya Infantil y Juvenil (Grupo ANAYA)

セルバはみなと違う女の子だ。肌が青くて、砂しかない国から来た。錆びて、ベルのついていない自転車を持っているが、そのサドルにはすばらしい物語が隠されている。 何年もたってから、主人公は、セルバとの友情がどんなふうに芽生えたか、自転車の物語や、ともに体験した大冒険を思い出し、砂漠を探しにいこうと決心する。遠い夏の太陽とともに心の中にしまいこまれた、決して忘れることのない美しい思い出。

Sergi Pàmies著『La bicicleta estática』の表紙

フィットネスバイク

La bicicleta estática

セルジ‧パミエス

Sergi Pàmies

Quaderns Crema

熟年期における挫折、それが、20作の短編をおさめたセルジ・パミエスのこの新しい作品集の中心テーマ。個人及び集団をみまう不運、不運を乗り越えて生き延びる能力、不運によってひきおこされるあらゆる感情が、オブセッシブなスタイルで描かれる。このスタイルこそ、何千もの読者をひきつけてやまない、最近のパミエスの著作の特徴である。パミエス初の自伝的題材に基づく作品であり、ばかばかしくかつヒロイックな決意で必死にペダルを踏むが、いっこうに前に進まない登場人物たちを通して、生きることの困難さを浮き彫りにする。

ゴルフボール

La bola de golf

ダビッド‧フェルナンデス‧シフレス

David Fernández Sifres

Editorial Luis Vives (Edelvives)

ゴルフが大好きなドン・ヤタが丘の上でプレーしていると……ボールが逃げて飛んでいってしまう。ボールを追いかけていると、ウサギのしっぽ、マッシュルーム、牡蠣の真珠など、ボールに似たいろいろなものと間違ってしまう。折りたたまれたページを開いて、おかしな取り違いの中からボールを見つけられるように手助けしてあげよう。小さな読者たちは折込みのページを開いて、次から次へと驚きの発見をしながら、おもしろい間違い探しのゲームを楽しめる。一緒にボールを探すことで、子どもたちが細部に気づく仕掛けだ。サイのドン・ヤタがこの子ども向けの楽しいシリーズの主人公。それぞれの本で、たくさんの友達を持ち、ライオンのことがちょっと怖い、彼の愛らしい日常を扱っている。

Enric Lluch Girbés著『La Bruja Maruja』の表紙

魔女のマルハ

La Bruja Maruja

エンリック‧リュック

Enric Lluch Girbés

Feditrés empresa editorial S.L.

魔女のマルハはやっかいな問題を起こしてばかり。一番最近のは、ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家。別の場所への移動願いを出したけれど、お話をめちゃくちゃにしてしまったのをえらい魔女のマンドーナが知ったらどうなるか……。本書は9歳以上まで読者対象を広げている、大ヒットシリーズEl Baúl de los Monstruos(怪物たちのトランク)の1冊。イラストがたっぷり入ったオールカラーの絵本で、型やぶりの魔女が子どもたちを笑わせてくれる。

Ignacio Martínez de Pisón著『La buena reputación』の表紙

名声

La buena reputación

イグナシオ‧マルティネス‧デ‧ピソン

Ignacio Martínez de Pisón

MB Agencia Literaria

1950年代のメリリャ。モロッコ独立の前にスペイン人は故国に戻らなければならない。北アフリカのヘブライ人たちは最近創られたイスラエルに定住して、出エジプト以来の大移動に終止符を打とうとしている。このような不確実な状況下、ある中年夫婦が自分たちとふたりの娘の将来を案じている。夫のサムエルは15世紀末にイベリア半島を追われたユダヤ人の末裔。妻のメルセデスはカトリック教徒。1980年代まで続くこの物語で作者は、家族の葛藤、秘密の価値、過去の存続に分け入る。本書『名声』は、相続についての作品である。まずは厳密な意味での相続だ。というのも登場人物たちの人生は、ある遺書で決まってくるからだ。しかしまた広い意味での相続でもある。彼ら全員の運命は、彼らに先立つ弁証法に記されており、妥協点を見つけるのは容易ではない。

La caja

リエバナ‧ゴニ‧ヤルノス

Liébana Goñi Yárnoz

Tormenta Agencia Literaria

君もこの箱の中に、何が入っているか知りたいかい? 何が入っているのか、ミカとサルパスと一緒に探ろう。驚くこと請け合いだ。これは好奇心、想像力、遊びに関する物語。巻末のQRコードから、家族や教育者への教育の提案が見られる。

Rodrigo Palacios著『La cámara del oro』の表紙

ゴールドの貯蔵庫

La cámara del oro

ロドリゴ‧パラシオス

Rodrigo Palacios

EDHASA - Editora y Distribuidora Hispano Americana

地下35メートルの深さに、マドリードで最も厳重に隠されてきた秘密がある。90トンのゴールドとその他計り知れない価値がある財宝。それは、特別なセキュリティー(装甲板の扉、堀、破ることのできないセキュリティ・システム…)で守られている。そこに入ろうと試みたものは誰もいない。いくつもの前代未聞の信じがたい盗みの容疑者で、イタリアで引退中の「ラ・ガタ(雌猫)」でさえも、それをしようなどとは考えなかった。しかし、状況が変わった。ラ・ガタの昔の仲間のひとりが暗殺され、残りの泥棒仲間が危険にさらされるかもしれないのだ。すべてが、やり残した仕事と裏切りに関係しているようだ。ラ・ガタはチーム全員を召集し、過去の影と対峙せざるを得なくなる。しかし、そのためにはある老人が必要だ。誰とも組まず、70年間復讐を企んでいる男…ふたつの物語が同時並行で進んでいき、現代で同じ結末を迎える。

Erika Lust著『La canción de Nora』の表紙

ノラの歌

La canción de Nora

エリカ‧ルスト

Erika Lust

Editorial Espasa

ノラは24歳をほんの少しすぎたところ。とても勇敢で、ユーモアのセンスが抜群で、なにより人生を思い切り謳歌したいという果てしない欲求を持った女性。モダンな街バルセロナで映画を学ぶ学生のノラは、全く違ったタイプのふたりの男性にアタックされることになる。育ちがよく将来有望なシャビエルと、謎めいたセクシーなマティアス。

保守反動

La carcunda

ヘスス‧ティスカル‧ハンドラ

Jesús Tíscar Jandra

Marli Brosgen Editorial

「怒れる者たち」は、彼らを代表しない政治家たちに抗議するため、座りこみやスローガンや集会を計画している。フランコ時代の終わりに逮捕者を拷問した経験を持つアル中の元警察官は、首都マドリードのバルでピストルを持ち歩く。魂の欠如に傷ついた、元オプス・デイ信者の美しい若者は、十字架を買うために通行人に金をせびったことがもとで、地元のファシズムの根絶をもくろむ極左のテロリスト集団に加わることになる。このような状況で展開する、異質な散文で書かれ、礼儀正しさとは無縁のこの小説は、20世紀半ばの粗野なスペインで荒くれどもとともに始まり、民衆がうんざりした声をあげ、気のすむまで叫んだ、その遠い時代でしめくくられる。

Rosa Montero著『La carne』の表紙

肉体

La carne

ロサ‧モンテロ

Rosa Montero

Agencia Literaria Carmen Balcells

独身で子供もいないソレダは60歳を迎えた。多くの人にはごく普通の生活と思えるものが彼女にとっては異常の兆候に思え、昼夜苦しんでいる。ある晩、オペラを観に行くために32歳になるジゴロのアダムを雇い、同伴者として連れて行く。昔の恋人の嫉妬心を煽る魂胆だ。しかし突然予期せぬ出来事が起こり、困難な状況に陥る。これをきっかけに穏やかならぬ、ともすれば危険とさえ言える熱烈な関係が始まった。男は暗い過去を引きずり、女は狂気と加齢によるシミに取りつかれて、これがその身を燃やし尽くす最後のチャンスだと必死になっている。ソレダの人生の物語が、国立図書館が企画している展示会に名を連ねる呪われた作家たちの物語と見事なまでに絡み合う。

Daniel Torres著『La  casa. Crónica de una conquista』の表紙

家。ある征服の年代記

La casa. Crónica de una conquista

ダニエル‧トーレス

Daniel Torres

Norma Editorial, S.A.

本書La Casa(家)は、歴史書や建築学の専⾨書ではない。かといって、⼈類学についてのエッセイでもなければインテリアに関するマニュアルでもない。本書には、⼈類の始まりから今の私たちに⾄るまでの歴史が集められている。これらの歴史の主⼈公となるのは家庭であり、何世紀にもわたって家庭を構成してきたすべてのものだ。著者のダニエル・トーレスは徹底的な考証を⾏い、シークエンシャル・アートによって⽣み出されるスピード感のあるストーリー展開を活かしながら、⼈類の歴史全体および⼈類とその住処との関係を探っていく。中世、バロック時代、産業⾰命の都市計画、1968年に学生運動家たちが夢見たユートピア、または20世紀の近代的な超⾼層ビルなど、新⽯器時代から21世紀までを通して⾒ていく。本書には、私たちの⼈⽣がどのようなものかが描かれている。すなわち、⼈⽣は⼤きな劇場であり、読者である私達もまたその劇場から恩恵を受ける観客なのである。

Vendi Vernic著『La casa de fieras』の表紙

動物園

La casa de fieras

ヴェンディ・ヴェルニッチ

Vendi Vernic

Fundación Santa María - Ediciones SM

『La casa de fieras(動物園)』は、クロアチア最高の児童文学作家イワナ・ブルリッチ=マジュラニッチ(1874-1939)原作の童話。5人の兄弟(ふたりの男の子と3人の女の子)がある日、ペットたちと動物園をつくることにした。兄弟たちの考えは、ペットたちをエキゾチックな動物に変装させることだったのだが、ことは思うようには運ばず…。

Francesc Serés著『La casa de foc』の表紙

火の家

La casa de foc

フランセスク‧セレス

Francesc Serés

Raval Ediciones S.L.U

ある冬の夜ひとりの男がサンタ・パウのサリェンにやって来た。間もなくマルという13歳の女の子の教師を頼まれる。このセル谷の生活は娘の家族を中心に回っていた。「この娘は消えてしまうだろう」。地下の水脈を探す天賦の才を持ち、無言で命令を下す娘の祖父の口癖だった。消えるとは?その意味を知るにはこの谷間の村の家々を結ぶ道を歩き回り、住民の暮らしを見ていくしかない。すでに多くの人が村から逃げて行き、残ったのは出るに出られなかった者だけになっていた。よそ者である男は占い師さながらに水脈の中に埋められた過去を掘り起こし、村とそこに住む人々、時代と国、伝説、そして自身についての心象を描いていく。

Claudia Leal著『La casa del árbol』の表紙

ツリーハ1ス

La casa del árbol

クラウディア‧レアル

Claudia Leal

Asturlibros Noroeste

9月のしずかでたいくつな朝、一連の出来事が起こりはじめ、まったく思いがけない結末を迎える。大きな木の枝の間に何が隠れているか、お話を通じて見つけよう。

Blanca Busquets著『La casa del silenci』の表紙

沈黙の家

La casa del silenci

ブランカ‧ブスケッツ

Blanca Busquets

Pontas Literary & Film Agency

La casa del silenci(沈黙の家)は女性、クラシック音楽、バイオリンをめぐる小説。ベルリンでのあるコンサート中に物語は展開する。コンサートが今しも始まろうとしている。はりつめた空気。観客の中にいる老女の存在にオーケストラのメンバー何人かが落ち着かなくなる。彼女は何者か? 彼女との関係は何か? たくさんの物語がひとつになった小説。持ち主の手を離れ人手に渡った1台のバイオリン。亡命生活を余儀なくされたオーケストラ指揮者。家族を引き裂いた戦争。金持ちの男と女中の間の情熱的な恋愛関係。20世紀、スペインとドイツを舞台に展開する家族の物語で、音楽が常に物語を彩る。いろんな角度からの視点と様々な声で語られ、著者の文体は温かみがあり、読者に寄り添い、直接的で、繊細さに満ちている。

Corina Oproae著『La casa limón』の表紙

レモンハウス

La casa limón

コリナ・オプロアエ

Corina Oproae

Tusquets Editores

『La casa limón(レモンハウス)』は、寓話に近い示唆的なトーンで、ルーマニアにおけるチャウシェスク政権の崩壊の年月を少女の無垢な目を通して描く。共産主義の終焉を生きる少女は、家族が直面する個人的な災難とトランシルヴァニア出身の祖父母が持つ古くからの伝統の間で、周囲で何が起こっているのかを理解しようとする。ダイニングテーブルの下に身を隠し、本の城に囲まれて、少女は、自分が期せずして父親の奇妙な病気を引き起こしてしまったのではないかと心配する。規制と悪名高いセクリターテへの密告が続く中、彼らは独裁政権の終焉が近づいていることを知らない。正確で、生々しいが夢のような筆致で描かれた、リリカルで感動的な小説。少女の声と全体主義の影が私たちに問いかける普遍的な物語。

Margarita Torres著『La cátedra de la calavera』の表紙

どくろの教室

La cátedra de la calavera

マルガリータ‧トレス

Margarita Torres

Ediciones Temas de Hoy

本書はサラマンカ大学という組織の初期の歩みを描いたものである。サラマンカ大学の創設は12世紀だが、カトリック女王イサベルが同大学をソルボンヌ大学スペイン版に育てようと決心して世界的に有名になった。本書は見事な散文によって、魅惑的で激しい世紀に我々をいざなう。人文主義がイタリアでおこり、ヨーロッパに広がった後スペインにも到来した時代である。イベリア半島では、すでに確立している宗教秩序を維持せんと人文主義に対抗し異端審問所が立ちはだかる。このふたつの対照的な流れの真っ只中、大学は活気にあふれ実り多い知的時代を迎えていた。 これは読者に息もつかせない歴史スリラーである。スペインの最も重要な教育機関のひとつであるサラマンカ大学に敬意を表し、スペイン史上初めて大学教授になった女性、ルイサ・デメドラノの栄誉を取り戻す書でもある。

Miguel Luis Sancho著『El extraño caso de la chica perfecta』の表紙

完璧な少女の奇妙な事件

El extraño caso de la chica perfecta

ミゲル‧ルイス‧サンチョ

Miguel Luis Sancho

Ediciones Palabra

校内のトイレでガラスの割れる音がした。カルロスは激しい音にハッとして、すぐさま駆けつけた。すると、学校一完璧な女の子、エステル・サンチェスが床に倒れ、頭にひどいけがをしていた。カルロスは、彼女のそばで思いもよらない奇妙な物体を見つけ、すぐポケットにしまい込んだ。その瞬間から、カルロスは不思議な冒険に巻きこまれ、何もかもが見た目とは違ってくる。ファンタジーと青春恋愛ストーリーの要素のもりこまれたミステリー仕立ての小説。現代社会における科学の限界について考えさせてくれる。

Victoria Álvarez著『La ciudad de las sombras』の表紙

闇の都市

La ciudad de las sombras

ビクトリア‧アルバレス

Victoria Álvarez

Nocturna Ediciones, S.L.

時は1923年。17歳のエレーナ・レノックスにはひとつの願いがあった。それはロンドンの退屈な日常を、遠い土地での冒険と発見の生活に取って替えるということだ。だから両親が消息不明の考古学者たちを調査するためにインドに行くことになったとき、彼女はついていくことを決心する…両親が出発して数日後、こっそりと。幻影の街バンガルにまつわる伝説はたくさんあるが、エレーナは一度たりとも迷信を信じることはなかった。しかし英国人を憎む王子、アルシャド・デ・ジャイプールは彼女は間違っているという。バンガルは呪われており、日が沈んで王宮が暗闇に染まったとき、その壁の中にいる者はみな跡形もなく消えてしまうのだ。1920年代のインドを巡りながら、エレーナはある調査に巻き込まれることになる。その調査では、誰も闇の都市から戻ってくることはないという確信だけが絶えず顔をのぞかせるのだった。

いちばんすきな街

La ciudad que más quiero

ライア・ベルロソ

Laia Berloso

La Galera Editorial

都市を持続可能でゆとりのある生活ができる場所にしよう。実家の農場で暮らすリアは、毎晩のように満天の星空を眺めて幸せな時間を過ごしている。家族と一緒におじとおばの家に遊びに行こうと言われたリアは、都会の街を見て回るという期待に胸を躍らせる。しかし、街は誰もが急いでいて、騒音が絶えず、夜には星のひとつも見えない場所だなんて、彼女は思ってもみなかった。リアは従兄弟のパブロと一緒に、持続可能でクリーンで、環境にやさしい街を実現するために独自の活動を始める。

Gemma Turmo著『La clase de los pequeños artistas』の表紙

小さな芸術家た の+Jス

La clase de los pequeños artistas

ヘマ‧トゥルモ

Gemma Turmo

La Pulga con Gafas

クララは時々衝動的な行動をとり、それがネガティブな結果を招くことがある。妖精チックはいつもそばにいて、クララが間違いを見定めて、よく考えるのを手伝ってくれる。つまり将来同じような状況に陥らないよう考えさせてくれる。この物語のテーマは、自尊心と尊重と衝動だ。妖精(チック)とトロル(トロック)という架空の人物が、子どもの行動を見守り、よく考えさせるコーチとして登場する。そして、子どものネガティブな行動が起こるたびに、熟考するよう主人公を導く。小さな読者が楽しく愉快にアイデンティティを確認し、自分の行動の結果を考えられるようになることが本書の目的だ。

Empar Moliner著『La col·laboradora』の表紙

協力者

La col·laboradora

アンパル‧モリネール

Empar Moliner

Columna Edicions, S.A.U.

本書はバルセロナのとある出版社でゴーストライターとして働く女性の物語。独特のユーモア感覚で、エンパル・モリネーは驚くべき物語をつくりあげ、その登場人物たちに現代の出版界を浮き彫りにさせる。複数のストーリーがからみあう、ユーモアと皮肉たっぷりの小説。

Leonardo Padura著『La cola de la serpiente』の表紙

蛇の尾

La cola de la serpiente

レオナルド‧パドゥーラ

Leonardo Padura

Tusquets Editores

2、3本のかなりさびれた通り、それだけがハバナのチャイナタウンの名残だ。キューバ人の元刑事マリオ・コンデはそこに足を踏み入れた途端、何年も前、1989年に既に来たことがあるといやでも思い出す。魅力的な警部補のパトリシア・チオから不思議な事件を解決するために手を貸してくれと頼まれたのだった。ペドロ・クアング老人の殺人事件。老人は指1本が切りとられ、胸に丸と2本の矢の絵を刻んだ状態で、首を吊って発見された。これはサンテリア教(キューバの民間信仰)の儀式だった。捜査は街の近隣地域へと広がり、コンデは意外なコネクションを発見する。秘密のビジネス、多くのアジア系移民家族の現実をさらけだす自己否定と不幸の物語、彼らのキューバ人との散発的なコンタクト。中国のことわざにあるように、蛇の頭にたどりつくには蛇の尾を見つけるべし。無秩序な街をさまよいながら、コンデが過去と現在を行きつもどりつするうちに、友人、女たち、危険などに彩られた混沌とした世界の空気を、読者は再び吸うことになる。コンデ・シリーズの1冊。

Román Gubern著『La confesión de Carmen』の表紙

カルメンの告白

La confesión de Carmen

ロマン‧グベルン

Román Gubern

Editorial Pre-Textos

プロスペル・メリメが1870年にカンヌで死去した後、彼の書斎で下書き、草稿、出版を意図していたかどうか定かではない未完成原稿などが見つかった。

Felipe Benítez Reyes著『La conspiración de los conspiranoicos』の表紙

陰謀論者の陰謀

La conspiración de los conspiranoicos

フェリペ‧ベニテス‧レイエス

Felipe Benítez Reyes

Editorial Renacimiento

ベニテス=レイエスの今回の小説はあちこちで集まっては話に興じる物語。パンデミックの真っただ中、5人の陰謀論者が好き勝手に自説を唱え奇想天外な結論を導き出していく。彼らにとって公式発表は明らかに現実を歪曲したものでしかない。毎日流れるニュースに沿って、理性から最もかけ離れた理論に基づき意見を述べ、議論し、もっともらしく話す。科学、地政学、社会経済学に関するどんな問題でも標的だ。全くの作り話のように思えてしまうが、実際の資料に基づいた小説。大笑いすること間違いなしのストーリーで、予期せぬ結末が待ち構えている。オルタナティブな考えに対する痛烈で哄笑を誘う風刺のきいた小説。

Concepción Perea著『La corte de los espejos』の表紙

鏡の王都

La corte de los espejos

コンセプシオン‧ペレア

Concepción Perea

Agencia Literaria Albardonedo

よい妖精がついに死に絶える世界を描いた、アクションと冒険に溢れるファンタジー小説。鏡の王都とは、テラリンデ王国の首都であり中心地。この国の妖精たちは、人間が存在するとは思っていない。この古都は「眠れる女王戦争」の間、決定的な役割を果たした。数年前のその血みどろの戦争によって、王国には危うい平和と数々の恨み、不安定な王座が残された。そんな王国で、ニカシアとドゥハルは長年権力を巡っていがみあっている。だが、ドゥハルの家庭教師で、ニカシアの軍隊仲間の女性が殺害されたとき、ふたりは犯人を見つけるため手を組まざるをえなくなる。謎の貴婦人レコレトゥネレスの長い影と、固く守られてきたニカシアの秘密につきまとわれながら、ふたりは共に捜査に乗り出す。

José Antonio Cotrina著『La cosecha de Samhein (El ciclo de la luna roja)』の表紙

サンハインの収穫(赤い月の時)

La cosecha de Samhein (El ciclo de la luna roja)

ホセ‧アントニオ‧コトリーナ

José Antonio Cotrina

ST&A Literary Agency

ある町に入りこんだ12の命。彼らを生かしておくか、運命にまかせるか、意見が分かれた空想上の生き物たちの都。悪夢か、はたまた奇跡を呼ぶ赤い月の到来を、みなが待っている。 それは、ロカバランコリア王国の最後の希望、王国の失われた栄光をとりもどす唯一の機会。しかし、希望ははかない。30年の間、連れてこられた若者はひとりとして生きのびられなかった。30年の間、ひとりとして生きのびて赤い月を見た者はいない。  作品HPはhttp://www.elcielodelalunaroja.com

Juan Ramón Barat著『La cripta negra』の表紙

黒い地下納骨堂

La cripta negra

フアン‧ラモン‧バラット

Juan Ramón Barat

Grupo Editorial Bruño

ダニエルはジャーナリズム学科の3年生になったが相変わらずアリシアとの関係や予知能力は続いていた。今回予知したのはメキシコで起きる若者の不思議な死。大学教授が歴史の研究調査のためダニエルにメキシコ行きを提案したことから話の糸が絡まっていく。メキシコに着いたダニエルはまたもや不思議な出来事を体験する。それはアステカ文明の壮大なピラミッドの影に隠れて行われる先祖代々の黒儀式に関わることだった

David Nel-lo著『La crónica de Ivo Cukar』の表紙

イボ‧クカールのクSニクル

La crónica de Ivo Cukar

ダビド‧ネロ

David Nel-lo

Grupo EDEBÉ

ゴキブリのイボ・クカールは大勢の家族とともに、アトリルさんの家に住み着き、幸せに暮らしている。ところが、ある日、そこから逃げなければならなくなった。さまざまな苦難に満ちた旅の末、とうとうアポロホテルにたどりつく。そこはゴキブリの楽園だった。だが、ホテルでは、自分たちのほうがすぐれていると考え、クカールたちを侵略者扱いする、別種のゴキブリ集団と対決することになる。さらには、またしても追放され、さまようことになる。

Lorena López Míguez著『La Cueva de Moura』の表紙

モウラのほら穴

La Cueva de Moura

ロレーナ‧ロペス=ミゲス

Lorena López Míguez

Lorena López Míguez Ediciones

本作のタイトル「モウラのほら穴」は、ケルトに起源をもつ古い伝説と名を同じくしている。その伝説が、この感動的な冒険の導線であり起爆剤だ。読者は主人公のエバとともに、ケルトに起源をもつ世界の様々な場所を訪れる。スタート地点となるスペイン北部ガリシアの小さな村は、すべてが見た目どおりではなく、幾世紀にも渡って戦いを繰り広げる2つの勢力、「光」と「闇」に巻き込まれることになる。魔法、伝統、愛、謎に満ちたストーリーは強烈な展開をみせて、予想だにしない結末を迎える。

Lorena López Míguez著『La Cueva de Moura. Anam Cara』の表紙

モウラのほら穴 アナム‧カラ

La Cueva de Moura. Anam Cara

ロレーナ‧ロペス=ミゲス

Lorena López Míguez

Lorena López Míguez Ediciones

本作のタイトル「モウラのほら穴」は、ケルトに起源をもつ古い伝説と名を同じくしている。その伝説が、この感動的な冒険の導線であり起爆剤だ。読者は主人公のエバとともに、ケルトに起源をもつ世界の様々な場所を訪れる。スタート地点となるスペイン北部ガリシアの小さな村は、すべてが見た目どおりではなく、幾世紀にも渡って戦いを繰り広げる2つの勢力、「光」と「闇」に巻き込まれることになる。魔法、伝統、愛、謎に満ちたストーリーは強烈な展開をみせて、予想だにしない結末を迎える。

Lorena López Míguez著『La Cueva de la Moura. La Gae Bolga』の表紙

モウラのほら穴 ラ‧ガエ‧ボルガ

La Cueva de la Moura. La Gae Bolga

ロレーナ‧ロペス=ミゲス

Lorena López Míguez

Lorena López Míguez Ediciones

本作のタイトル「モウラのほら穴」は、ケルトに起源をもつ古い伝説と名を同じくしている。その伝説が、この感動的な冒険の導線であり起爆剤だ。読者は主人公のエバとともに、ケルトに起源をもつ世界の様々な場所を訪れる。スタート地点となるスペイン北部ガリシアの小さな村は、すべてが見た目どおりではなく、幾世紀にも渡って戦いを繰り広げる2つの勢力、「光」と「闇」に巻き込まれることになる。魔法、伝統、愛、謎に満ちたストーリーは強烈な展開をみせて、予想だにしない結末を迎える。

Coia Valls著『La cocinera』の表紙

女料理人

La cuinera

コイア‧バイス

Coia Valls

Sandra Bruna Agencia Literaria

1771年のバルセロナ。17歳のコンスタンサは、アメリカ大陸の副王に仕えていた外交官の父の死後リマを後にし、長旅を経てバルセロナの祖父母のもとに身を寄せる。リマの風景や味やテクスチャーを記憶に刻み、唯一の遺品である料理帖を手に旅してきたのだった。料理帖はペルーの副王の料理人である、彼女の最初の師匠アントワーヌ・シャンペルの直伝だった。バルセロナに落ち着いたコンスタンサは偉大な料理人になることを夢見るが、女性である故に門は閉ざされている。しかし、勇気と情熱で激動のバルセロナで道を切り開いていく。まわりには、革命を叫ぶ集団や、洗練された優美なサロンに出入りする人々など、魅力的な人々がうごめいており、当時の美食界の第一人者とみなされていたマルダ男爵もそのひとりだった。

Patricia García Ferrer著『La cúpula de hielo』の表紙

氷のドーム

La cúpula de hielo

パトリシア‧ガルシア‧フェレル

Patricia García Ferrer

ST&A Literary Agency

本作は「Little red read(リトル・レッド・リード)」で知られるブックチューバー、パトリシア・ガルシアのデビュー作で、スリル満点の青春ファンタジー小説。若いイレーヌは城に閉じこもり、驚異的なパワーを持っていることを秘密にしている。その力は、抑え込んでおかなければ王国中を破壊してしまうほどの力なのだ。けれど、とつぜん戦争が起こり、陰謀の渦に巻き込まれ、家族に危険が迫る。イレーヌは今にも自制を失いそうだ。『アナと雪の女王』や『Shadow and Bone(影と骨)』の系譜に連なる、急展開とアクション、冒険がいっぱいのファンタジー・ヤングアダルト小説。

Gema Bonnín著『La dama y el dragón』の表紙

ドラゴンと貴婦人

La dama y el dragón

ヘマ‧ボンニン

Gema Bonnín

Editorial Planeta, S.A.U.

エリカがアイデンに出会った日、ふたりともほんの子どもだったが、エリカは言い知れぬ強い衝撃を感じて逃げだした。逃げる途中でエリカはドラゴンと出会い、それがもとで「ドラゴンの貴婦人」となる。その首に賞金がかかった、なぞに包まれた正義の旗手だ。 十代のスペイン人女性作家が書いた、愛とファンタジーの感動の物語。

痛みに効く食事

La dieta para el dolor

ラウラ‧イサベル‧アランス

Laura Isabel Arranz

Profit Editorial

痛みは警告のサインだが、長引くとその役目を失い、苦しむ人の生活の質を著しく低下させてしまう。偏頭痛、腰痛、関節痛は慢性痛になりやすく、共通して炎症が要因となっている。抗炎症作用と抗酸化作用のある食物を優先する正しい食習慣を取り入れることで、自然に痛みを和らげることができる。ラウラ・イサベル・アランス博士は、本書で、慢性痛に苦しむ患者との栄養にまつわる長年の経験を明らかにし、食事と病気と痛みの関係を分析する。この分野の最新情報を提供するとともに、健康を改善し、心の平静を取り戻す体にいい食事についてアドバイスする実用的なガイド本。

Imma Monsó著『La dona veloç』の表紙

速い女

La dona veloç

インマ‧ムンゾ

Imma Monsó

Columna Edicions, S.A.U.

48歳の女性精神科医ネスは、異常に速い時間に追いまくられるプレッシャーを感じながら暮らしている。郡部の町の外科医の娘であり、その一族は、速い者と遅い者の、2つのカテゴリーに分かれている。

体育

La educación física

ロサリオ‧ビリャホス

Rosario Villajos

Editorial Planeta, S.A.U.

8月終わりのある午後。16歳になったばかりのカタリーナは、ある不愉快な出来事が起きて郊外の団地にある親友の家を飛び出す。幹線道路までやってきた彼女は、家に帰るにはヒッチハイクをするしかないと決意。同年代の若者と同じように自分だって知らない人の車に乗るのは怖い。でも、両親が決めた厳しい門限を守らなかったらどうなるかと思うと、大したことはない。90年代初頭を舞台に描く、自身の体との複雑な関係、そして「女だから悪い」と思わせようとする世界に対する恨みを抱えた少女の物語。若者世代の価値観を支える物語が明らかになる。

学校における社会教育 構築途上の未来

La educación social en la escuela: un futuro por construir

ホセ‧キンタナル‧ディアス

José Quintanal Díaz

Editorial CCS

現在、我が国の学校という組織を支えているモデルはぐらついている。今教室に通う生徒たちが将来社会でやっていけるように、学校という組織を社会に適合させ、充実させることが必要かつ喫緊の問題である。その変革を現実的なものにしたいのならば、学校組織をプロフェショナルな組織に変えるために社会人を教師として送り込み、彼らを教育改革、つまりは社会改革のアクターにしていくことである。本書は、そうした現実を分析し、大胆かつ信頼を失わず、好機をとらえて再編成ができるような実質的な教育改革を提案している。学校という組織を十分に発展させていくために、将来への使命感と公平感を失わないような提案を行っている。

退屈という病

La enfermedad del aburrimiento

ホセファ‧ロス=ベラスコ

Josefa Ros Velasco

Alianza Editorial

退屈というのは、現実が期待に応えられないときに生じてわれわれを悩ます日常的な現象だ。それは、ごく浅い一過性のこともあれば、深く永続的の場合もあり、われわれ誰もが時折経験する。退屈は集団でも感じることがある。人類はその苦痛から逃れるため、あらゆることを試してきた。それは人間としての創造性を生み出させる一方、最悪の怪物も誕生させる。その苦しみは病的であり、病気とさえみなされることがある。しかし、退屈は単なる症状でしかない。退屈の持つ役割は、個人と環境の関係が損なわれているという事実をその人に認識させることであり、われわれがなすべきことは、問題の根源を掘り下げ、それを修復することだ。本書においてホセファ・ロス=ベラスコは、退屈の声に耳を傾けてその理由を探り、手近にある何かを用いつつ満ち足りた状態に戻れるよう読者を導く。

Mabela Ruiz-Gallardón著『La era de los místicos』の表紙

神秘なる者たちの時代

La era de los místicos

マベラ‧ルイス=ガリャルドン

Mabela Ruiz-Gallardón

Grupo de Comunicación Loyola, S.L.U.

アイサべスは、人間世界を奴隷状態から解放するための「選ばれし者」である。目的を果たすためにはある貴重な宝石を見つけて、自分の首にかけている「解放の鍵」にはめこまなければならない。それはひとりではできない。神託『血と引き換えの命、意志の結合により王国の扉が永久に開かれる』をやりとげるには、ケンタウロスの命と自分の命をつなぎ合わせなければならないのだ。彼女は虚栄心を克服して、エリセオに近づけるのだろうか? 彼は獣性を放棄してアイサべスに命を与えられるのだろうか?

Ángel Esteban著『La estirpe de Babel』の表紙

バベルの血族

La estirpe de Babel

アンヘル‧エステバン

Ángel Esteban

Agencia Literaria Virginia López-Ballesteros

バベルの塔の建設者のうちのひとりの息子パリム4世は、バビロニアの図書館の火事で生き残ったとき、自分は不死身だと意識する。それからはさすらいの人生を送り、ホメロスのギリシャ、フェリペ3世のスペイン、ロシア帝国、1920年代のパリ、幻想的で文化主義の作家に染まったブエノスアイレスへと赴く。読者はパリム4世に導かれて、ホメロス、ウェルギリウス、ダンテ、セルバンテス、シェークスピア、モリエール、ゲーテ、フローベール、ドストエフスキー、ジョイス、カフカ、フォークナー、ボルヘスなど、西洋文学の巨匠たちと出会い、その生涯や作品について詳しく知ることになる。主人公で物語のキーパーソンであるパリム4世は、これら巨匠たちと会話を交わしたり、働いたり、議論したりしながら創作の鍵やその天分をひもといていく。

César Mallorquí著『La estrategia del parásito』の表紙

寄生虫作戦

La estrategia del parásito

セサル‧マジョルキ

César Mallorquí

Fundación Santa María - Ediciones SM

姿をかくし、見ることはできないが、そいつはいつもそこにいて、じっと君を監視し、きみのすべての言動をスパイしている。吸血鬼ではないが、君から栄養をとり、君に依存し、身をひそめて君を利用する。そしてその間にも、休むことなくどんどん成長する。寄生虫のように。寄生虫作戦とは、他の種の体内に潜んで、殺しはせずに栄養をすいとること。動物にも植物にも多種の寄生生物が存在するが、こいつは君が一度も耳にしたことがないやつだ。最も恐ろしい悪夢の中ですら想像できないような寄生虫。そいつは、知能が発達し、無慈悲で、信じられないほど広範な力を持っている。

サッカー戦術の進化

La evolución táctica del fútbol

マルティ‧ペラルナウ

Martí Perarnau

Roca Editorial

本書はサッカーの遺伝暗号を解読する。1863年のルール制定以降のプレー戦術の進化について解説している。例えばケンブリッジピラミッドや攻撃的セントラルミッドフィルダー、ウルグアイのリベロ、イギリスのWMフォーメーション、イタリア・メソッド、ハンガリーの4-2-4フォーメーション、スイスの閂(かんぬき)システム、アルゼンチンの3-2-5フォーメーションなど。本書は、サッカーにおいて最も複雑かつ緻密さが求められる存在である偽9番による、様々な戦術展開を紹介する。偽9番というポジションは1910年の誕生以降、様々な戦術とともに進化を遂げてきた。例えばイングランドのダイレクトプレー、スコットランドのパスサッカー、攻守の方向付け、先手を打つメンタリティーと反応する精神、ゾーンディフェンス、マンマーク、扇形やW形のライン攻撃など。全てのプレーアイデアは、サッカーの4大要素(ボール、時間、空間、欺き)を結集した偽9番の中に組み込まれている

バルミス遠征隊:パンデミックとの世界規模での闘いにおける最初のモデル

La expedición de Balmis: primer modelo de lucha global contra las pandemias

スサナ‧マリア‧ラミレス‧マルティン

Susana María Ramírez Martín

Editorial CSIC

1803年11月30日、22人の孤児を乗せ、コルベット船「マリア・ピタ号」がア・コルーニャ港を出航した。彼らに託された使命は、発見まもない天然痘ワクチンを自分たちの体で国外に届けることだった。ホセ・サルバニー、イザベル・ゼンダルといった探検家たちが同行し、世界規模の予防接種を目的に編成された、この王立慈善ワクチン遠征隊(1803-1810)は、フランシスコ・ハビエル・バルミス博士が率いたことからバルミス遠征隊とも呼ばれている。彼らの遠征が史上最大の人道的偉業となったのは、のちに50万人以上の命を救うことになる子供たちの勇敢さと、保健衛生活動の模範とされるフランシスコ・ハビエル・バルミスの勇気によるものであった。

ユー‧フィーリング体験

La experiencia U-feeling

ホセ‧アンヘル‧マニャス

José Ángel Mañas

ALT autores Editorial

肉体の相互交換サービスを提供する新しい多国籍企業が首都にやってきました。男女間の争いや階級闘争、ゼノフォビア(外国人嫌悪)は終わったのです。「ユー・フィーリング」は、その技術であなたが相容れない敵に歩み寄ることを可能にし、私たちを世界平和に近づけます。古のカントのユートピアがついに手の届くところまでやってきたのです。数日間あなたの存在をリフレッシュしたいですか?「ユー・フィーリング」は絶対的な体験です。あなたがなりたい自分を決めるのです!『Historias del Kronen(クローネンの物語)』の著者が、因習を打破し物議を醸す新しい冒険と共に帰ってきた。ロサ・モンテロ「緊迫した未来派の物語であり、不安を煽るリアリズムの物語でもある。心理的不安という鋭い刃はアラン・ポーを彷彿とさせる」

ユー‧フィーリング体験II 食いしん坊の(ブリ

La experiencia U feeling II Gabri la zam pabollos

ホセ‧アンヘル‧マニャス

José Ángel Mañas

ALT autores Editorial

『La experiencia U-feeling(ユー・フィーリング体験)』シリーズ(当サイト2022年紹介作品)はびっくり箱だ。新作が届くたびに異世界に入り込ませてくれる。今回フアン・カルロス・ガリドとタッグを組んだホセ・アンヘル・マニャスは、若々しい文体で美の小説に我々を没入させてくれるが、そこには罠が。すなわち、この物語では一体、誰が大人で誰が若者なのか? このシリーズの読者ならご存じだろう。体を交換できる世界では不可能なものなど何もなく、見た目を信じてはいけないということを…。

学部

La Facultad

ホセ‧アントニオ‧ヒメネス‧バルベロ

José Antonio Jiménez Barbero

Ediciones Dokusou

アウグスト・サラスとカルメン・レベルテが、ある有名小学校での連続児童殺害事件を解決してから2年たった。現在、ふたりは警察を辞して、探偵事務所で成功をおさめている。ふたりの生活はおおむね順調だった。グラナダ大学の教員からおかしな依頼を受けるまでは。依頼とは、心理学部の有名教授の暗殺事件の解明だ。サラスとレベルテはグラナダに向かい、一見忘れられているかに見えた奇妙な事件の捜査のため、錯綜し、どこか不透明な大学の世界に飛び込んでいく。まもなく、ふたりは自分たちの捜査が、ブラットの死が明るみに出ることを望んでいない何者かの神経を逆撫でし、その人物が自分の目的のためには人を殺すこともためらわないことに気づく。

Catalina González Vilar著『La familia de la vajilla impar』の表紙

不ぞろいな食器の家族

La familia de la vajilla impar

カタリーナ‧ゴンサレス=ビラール

Catalina González Vilar

Editorial Luis Vives (Edelvives)

数年にわたる家族の物語。割れたり、どこかに行ってしまったり、他の目的に使われたりしている食器をあらためて数えると、生きてきたあいだにあった喪失、発見、変化が見えてくる。著者は、2012年にバルコ・デ・バポール賞、2011年にインベンシオネス児童文学賞を受賞している。

Tommy Roca著『La feliz historia del Gatito Mishifuz』の表紙

猫のO7Hスの幸せな物語

La feliz historia del Gatito Mishifuz

トミー‧ロカ

Tommy Roca

Mary de Sojo Branding & Marketing

子どもと、「トミー・ロカ」を子どもに読んでやりたい大人のための短いお話で、Historia del Gatito Mishifuz(猫のミシフスの物語)のプロローグにあたる。主人公のミシフスは小さい頃に捨てられ、スペインのコスタ・デル・ソルにある可愛らしい家の庭で見つかった猫。ミシフスを拾った家族はこれ以上猫を飼えないので、引き取ってくれる家族を探したところ、オランダで見つかる。ミシフスがスペインで暮らし始めた頃から、のちにオランダに移り住むまでを、愛情と教訓を交えた様々なエピソードで綴ったトミー・ロカによる物語。

Gemma Turmo著『La fiesta de cumpleaños』の表紙

お誕生日パーティー

La fiesta de cumpleaños

ヘマ‧トゥルモ

Gemma Turmo

La Pulga con Gafas

ギリェはとても楽しい男の子。だけどそれは家のなかだけで、なじんだ環境の外に出ると臆病で内向的になる。楽しい誕生パーティも、仲良しが行けないとギリェにとっては悪夢になる。そんなときトロルのトロックが現れ、間違いを見定めてよく考えさせてくれる。つまり将来同じことに陥らないないよう導いてくれるのだ。この物語のテーマは自尊心と臆病さだ。社会的な行事は子どもの姿勢次第で、楽しくもなるし退屈にもなる。妖精(チック)とトロル(トロック)という架空の人物が、子どもの行動を見守り、よく考えさせるコーチとして登場する。そして、子どものネガティブな行動が起こるたびに、妖精かトロルが熟考するよう主人公を導く。

Míriam Tirado著『La FiesTETA』の表紙

おっ いパーティー

La FiesTETA

ミリアム‧ティラド

Míriam Tirado

El Cep i la Nansa Edicions

お母さんは、娘のノアに母乳をやるのをやめようと決心する。お母さんはノアに説明するために、幸せな雲の寓話をつくりだす。生まれた日からずっとノアのそばにはひとつの雲がいて、ノアといっしょに少しずつ大きくなっていると話しだす。色のついた、このふんわりとした雲は、いつもそばにいてノアをだきしめている。お母さんはノアに、おっぱいを飲むのをやめたら、すてきなパーティーを開いて、授乳していた月や年と同じ本数のろうそくを吹き消そうと約束する。困難を伴うこともある、ひとつ上の段階への変化を幼い子どもに理解させるすばらしい物語。この変化に苦労して立ち向かう母親を助けるツールにもなる。

Alba Quintas García著『La flor de fuego』の表紙

火の花

La flor de fuego

アルバ・キンタス=ガルシアンディア

Alba Quintas Garciandia

Nocturna Ediciones, S.L.

学校でいったい何が起きたのか、誰もわからない。銃声のような音が響く間、生徒も教師も建物中を走り、何とかして外に出ようとする。でも、こんなことありえないよね? 武装した彼らが入っていくのを、通りにいたひとりの女の子が見たという。別の生徒は決して忘れられない光景を目の当たりにして、図書館で震えが止まらない。そしてジョンは…ジョンはどこに? どうしてみんなは必死で逃げようとしているのに、彼は銃声の方向に向かって廊下を歩いてるのか? たぶん、彼は話したいのだろう。だって、これはジョンの物語だから。そしてジョンの物語は、コロンバインの物語なのだ。それは言い過ぎだろうか。

Sergio Olguín著『La fragilidad de los cuerpos』の表紙

肉体の脆さ

La fragilidad de los cuerpos

セルヒオ‧オルギン

Sergio Olguín

Tusquets Editores

電車の運転士が、4人の人物の死について許しを乞う手紙を残して自殺する。手紙の中で、犠牲者の中のひとりの子供について漠然と触れられている点が、「ヌエストロ・ティエンポ誌」の編集者ベロニカ・ローゼンタールの注意を引く。ベロニカは妥協を許さない生粋のジャーナリスト。真実と正義を追求することに情熱を燃やし、ヘビースモーカーで、酒に目が無く、妻帯者に弱い。ベロニカの調査を阻むことができるものは何もない。しかし、彼女が遭遇するのは、邪悪な企みをはるかに超えたもので、ベロニカはSMゲームの迷路の中で彼女についてゆく運転士とともに、自分の欲望の最も暗い部分と対決することになる。最高にエキサイティングなリズム、狂った愛の物語、忘れることのできない登場人物が織りなす推理小説で、肉体、愛され、失われ、殺された肉体が支配的な地位を占めている。

Silvestre Vilaplana著『La frontera negra』の表紙

黒い境界

La frontera negra

シルベストレ‧ビラプラナ

Silvestre Vilaplana

Feditrés S.L.

生き埋めにされた人間、謎の失踪をとげた若者、期待どおりの結果を得られない偽のスピリチュアルセッション、悪魔的存在に支配され、ふたりの奇妙な人物に封鎖されているアマゾン奥地の忘れられた村……時は来た。恐れていた時代が目前にせまり、その前兆として、地球上のあらゆるところで尋常でない出来事が起こる。黒い境界線とは何か? 身も凍るそのこたえは、知らないほうが身のためかもしれない。

逃走

La fuga

クリスティーナ‧オレビ

Cristina Oleby

Algar Editorial S.L.

ピーナッツを放り投げてくるくると5回まわり、ピーナッツを鼻でキャッチして、スマートに口に運ぶ。象のナルシソは連続1825日間、サーカスでこの芸を行ってきた。でももう限界だ! 逃げ出すことにしたが、その計画はうまくいきそうにもない。ナルシソの問題は自尊心が少し足りないことだけなのかもしれない。

遺伝学 バーバラ‧マクリントック博士による解説

La genética. Explicada por Dra. Barbar a McClintock

パブロ‧バレチェグレン

Pablo Barrecheguren

Editorial Juventud

ノーベル医学・生理学賞を受賞したバーバラ・マクリントック博士が語る、複雑だが興味深い遺伝学の世界。恐竜のクローンを作れるかどうか知り、全ての生き物が従う取扱説明書、つまりゲノムの秘密に驚いてほしい。なぜ両親に似ているのか、突然変異とは何か、科学者たちがどのように遺伝学の知識を使って病気を治療しているのかが分かるだろう。偉大な研究者ロザリンド・フランクリンや、遺伝学の父グレゴール・ヨハン・メンデルなど先駆者たちについても学べる! 『El cerebro humano. Explicado por Dr. Santiago Ramón y Cajal(人間の脳。サンティアゴ・ラモン・イ・カハル博士による解説)』の著者たちによる第2弾。

Maite Carranza著『La Guerra de las Brujas』の表紙

魔女たちの戦い(完全版)

La guerra de las brujas

マイテ・カランサ

Maite Carranza

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

はるか昔から、魔女オマールの一族は、血に飢えた魔女オディッシュの一族から隠れて暮らし、預言者によって選ばれし者の到来を待ち望んでいた。今、星はその時が近いことを告げている。14年間ピレネーの山奥の村で、一族の女性たちにまつわる秘密を知らないで育ってきたアナイードは、母親である赤毛のセレーネが姿を消したとき、身も凍る信じがたい真実とむきあい、危険と発見に満ちた道を歩みだす。

Jaume Copons著『La guerra del bosque. Colección "Agus y los monstruos"』の表紙

森の戦争「アグスと怪物たち」シリーズ

La guerra del bosque. Colección "Agus y los monstruos"

ジャウメ‧コポンス

Jaume Copons

Combel Editorial / Editorial Casals, S.A.

ジャーン! アグス・ピアノラを紹介します。そそっかしくてちょっと図々しい男の子だけど、いいやつだよ。部屋を片づけなきゃならないのはわかってるけど、いつもママにいわれるまで手をつけない。だって、なかなか始めるチャンスがないんだ。散らかった部屋ではボールやらゲームやら作文やら、いろんなものがなくなるけど、代わりに別のものが見つかることもある……。ある日突然、部屋が怪物だらけになったら、きみならどうする? アグスとその友だちは、うかうか遠足にも行けやしない! 裏切者ブロット博士とその助手ナップは、妖精とベルドゥリアの小鬼のあいだで戦争をけしかける。きっかけは大昔の金貨! ホールは、穴(ホール)をあける斧というだけではなく、偉大なるヒーローだった。

Javier F著『La herencia del capitán Bañuelos』の表紙

バニュエロス船長の遺産

La herencia del capitán Bañuelos

ハビエル‧フォンセカ=ガルシア-ドナス

Javier Fonseca Garcia-Donas

Ediciones Diquesi

マールとアレックスはきょうだい。あいにく生まれた日が364日しか離れていないので、なんでもかんでも一緒だ。学校もクラスも遊び仲間も。左腕の母斑まで一緒で、これにはたくさんの伝説がある。すれ違っても、注意をひくような子たちじゃない。だけどふたりには、難しい謎にもけっして怖気づかないという秘密がある。さて、今度はなにをたくらんでるのかな? 日々の問題(宿題、友だち、夢、男の子たち、かわいい女の子たち、家族……そう、どこにでもあるような家族)を解決するだけではなく、ふたりは消えた歌の謎を解き明かそうとのりだす。バニュエロス船長は亡くなる前、娘のオリビア・バルデスにいくつかの歌を書き残した。知ってのとおり、オリビアは今一番有名な歌手だ。オリビアとその謎めいたマネージャー、ビエルは必死にその歌を探す。だけどどうやら、だれかが先に探し始めたようだ……。

Karina Sainz Borgo著『La hija de la española』の表紙

スペイン女の娘

La hija de la española

カリナ‧サインス‧ボルゴ

Karina Sainz Borgo

Casanovas & Lynch Literary Agency

アデライダ・ファルコンはシングルマザーに育てられた。そのため家族と呼べるものは後にも先にも⺟と⾃分が築いていた関係しかないと固く思っていたが、その世界も⺟の死によってなくなった。貧しく失望した彼⼥が喪に服して暮らしている街では⾷料が⼿に⼊らず、わずかに⼊⼿できた⾷料も市⺠同士で強奪。強権的な政府は略奪し、誘拐し、殺⼈を犯していた。その全てがアデライダが閉じこもろうと決めた世界、すなわち⺟と暮らしていた家と外界との間で起きていた。抗議と政治的抑圧が続く⽇々。彼⼥は家に閉じこもり、何⽇もかけて⺟親の持ち物を整理しつつ、⺟の⼈⽣と彼女がいなくなった場所を再構築していた。しかし暴力的な⼥性の⼀団が現れ、全てが⼀変する。

潮の娘

La hija de las mareas

ピラル‧サンチェス‧ビセンテ

Pilar Sánchez Vicente

Roca Editorial

1820年、魅惑の人グロリア・カルバヨと、ホビノことガスパール・メルチョール・デ・ホベリャーノスの娘である、ピレネー娘ことアンドレア・カルバヨ・デ・ホベリャーノスは、異端審問官バルデスに執拗に追われ、今の場所にたどりつくまでの波瀾万丈の人生を記録にとどめておこうと回想録を執筆する。読者は、オビエドでの彼女の子ども時代を思いめぐらせ、オックスフォードに旅し、男装した彼女とともに、現代医学にとっての重大な発見の発表に立ち会っていく。パリではフェミニストのオランプ・ド・グーシュとともに革命の近くで生き、女性たちの権利のための闘争と印刷所の仕事に身を投じる。知的で教養豊かなアンドレアは、会合の常連、作家、翻訳家、教師、フェミニストとして、多方面のパイオニアだった。だがそのことをもってしても、あらゆる時代や場所で生きたほかの女性たち同様、彼女を歴史の表舞台にとどめおくことはできなかった。

蓮の娘

La hija del Loto

アマンダ‧ガルシア‧オロスコ

Amanda García Orozco

EDHASA - Editora y Distribuidora Hispano Americana

桜の花がもう咲いている。桜の一族の人々が総出で小さな娘トモエを探すが、彼女はサクラの主にかどわかされ、山の一族で新たな人生を歩んでいた。師匠であるキヘイの保護下に入ったトモエの将来は、星が輝く夜のように前途洋々。ハルキが影となり、彼女に運命づけられたあらゆる不幸を自分に引き寄せ、死してなお彼女に付いていく。シオダは彼女の夫となり、山の一族を継ぐ。トモエは封建時代の厳しい名誉の掟のもと、やがて日出ずる国一の侍になると思われた。だが、武家の間で対立が勃発すると、関ヶ原の戦いで平和だけでなくトモエの夢も終わりを迎えることになる。そしてその時、報われぬ愛、孤独、憎しみ、義務感、自分の顔に浮かぶある印によって、彼女は自分が生まれるはるか前に星々で描かれた奇妙な計画を果たすべく動き出すことになる。

María Tallón著『La historia de Rita』の表紙

リタの物語

La historia de Rita

マリア‧タリョン

María Tallón

Aragón Tiene Talento, S.L.

子どもが幸せに成長するための実践的アイデア集。感情的な葛藤をうまく解決し、課題を乗り越え、ポジティブに考えられるようになるために必要なスキルの伸ばし方を教えてくれる。物語のなかで主人公リタが、心と体の痛みに立ち向かう秘訣を教えてくれる。

Rocío Alejandro著『La huerta de Simón』の表紙

シモンの畑

La huerta de Simón

ロシオ‧アレハンドロ

Rocío Alejandro

Kalandraka Editora

ウサギのシモンはニンジンをたくさん植えた。だが、だれかさんはレタスを、だれかさんはトマトを、だれかさんはナスを植えたらいいと言うものだから、畑はどんどん大きくなって、野菜だけでなく、ネズミ、めんどり、子ヤギ、子ブタ、キツネなど、農夫たちでいっぱいになる。共同作業や、自然とふれあい、調和を保って共生することのすばらしさをうたった、第10回コンポステラ国際絵本賞受賞作。イラストは、物語の舞台にふさわしい黄土色とオレンジを基調とし、スミの型押しのテクニックを用いて描かれている。登場人物や農具の一部や全体は、対応するスタンプを押して表され、創作過程は非常に手がこんでいる。

María Neila Martín著『La increíble, pero cierta, historia del Gato Luna』の表紙

ガト‧ルナ(月猫)の信じがたいけれど本当の話

La increíble, pero cierta, historia del Gato Luna

マリア‧ネイラ‧マルティン

María Neila Martín

Lata de Sal, S.L.

信じられないようなガト・ルナの話は、太陽のロレンソと月のカタリーナの愛を語った有名なスペインの童話や童謡を基にした美しい物語。一匹のトカゲを通じ、1本の脚で月と取引する猫のおかげで、暦を狂わせることなく愛が成就します。詩でつづられた物語。カバーに蛍光加工がされており暗闇で光ります。

Ricard Ruiz Garzón著『La inmortal』の表紙

イモータル-いつまでも忘れない

La inmortal

リカルド‧ルイス‧ガルソン

Ricard Ruiz Garzón

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

ジュディは絵がうまい12歳の女の子。母親と祖父と3人でジュネーブに住んでいる。有名な画家の父親は、彼女が小さい頃に家族を捨ててハンガリーに行ってしまった。ジュディは絵のコンクールに出ようと準備をしているときに、チェスの手ほどきをうけ、そこで驚くべき才能を発揮する。チェスをするために頻繁に公園に通うようになったある日、ある対局が彼女の人生を変えることになる。年老いた不思議な師匠、イラン人のミスター・アリヤットと戦っているとき、彼から謎めいたメモを受け取る。イスラム教原理主義のテロリストの容疑でミスター・アリヤットが逮捕されたとき、ジュディはチェスのルールを変えなければならなくなる。

César Mallorquí著『La isla de Bowen』の表紙

ボーウェンの島

La isla de Bowen

セサル‧マジョルキ

César Mallorquí

Grupo EDEBÉ

1920年。すべてはイギリス人の船乗りジェレミー・パーキンスがノルウェーの町Havoysund で殺され、死ぬ前にパーキンスがエリザベス・ファラデイ夫人に送っていたなぞの包みから始まる。あるいは物語はもっと前、不思議な聖遺物が発見され、シグマ地理協会会長ユリシーズ・ザルコ博士が船でサン・ミシェルへと向かい、思いもかけない冒険にまきこまれたときから、始まっていたのかもしれない。ザルコもその助手も、船長のベルヌや援助をかってでた乗組員の二人の英国人女性も、どんな危険もおそれず世界をめぐってきた人間だが、北極圏の先にあるボーウェン島でかようにおそろしい謎が待っていようとは、だれもまったく予想していなかった。

Elizabeth Mirabal著『La isla de las mujeres tristes』の表紙

悲しい女た の島

La isla de las mujeres tristes

エリザベス‧ミラバル

Elizabeth Mirabal

Editorial Verbum, S.L.

都会を離れ、コンチャ駅から毎時出発する列車に乗り、プエンテス・グランデスに到着し、アルメンダレス川のほとりにあるボレロ家の屋敷に行く。常軌を逸したこの家族を知り、その(天真爛漫かつ悪魔的な)秘密の中、奇妙で悲劇的な運命の中に入っていく。フリアン・デル・カサルと言う邪悪な(病んだ)若い詩人が、予告もなくその家に入り込むのを目の当たりにする……エリザベス・ミラバルは、この小説で描き出す冒険で2014年ベルブム・イベロアメリカ小説賞の審査員を魅了した。作者は、均衡と、登場人物たちにとりついたのと同じ悪魔性、非凡な成熟を見せる独自の言葉で、冒険のもようを想起させる。ある一家の、多くの詩人の、そしてある時代の内面を見事にえぐった、驚くべき小説である。

Elvira Navarro著『La isla de los conejos』の表紙

うさぎの島

La isla de los conejos

エルビラ・ナバロ

Elvira Navarro

Casanovas & Lynch Literary Agency

不安を掻き立てるこれら11編の短編の中には、寓話的な変化をもたらす出来事がある。それは救いのある出来事ではなく恐怖を伴う途方もないものだ。エルビラ・ナバロは、容赦のない明解さで、致命的にゆがんでいく人生を私たちに見せ、また、私たちをも引きずり込む。ナバロを読むことは、恐ろしい影を呼び覚ますことだ。そして夕暮れ時に、よく知っていたはずのものが全く違う顔を見せるように、これらの物語の中で、登場人物は密室、ぬかるみだらけの小島、精神的迷路の中に迷い込む。それらは正常を破壊し、もはや逃れることができない強烈なホワイトノイズに至る。本作で、著者はスマートで的確な筆致で現実をむき出しにし、痛いほどまぶしい白日の下にさらしだす。

Oriol Canosa著『La isla de Paidonesia』の表紙

パイドネシア島

La isla de Paidonesia

ウリオール‧カノッサ

Oriol Canosa

La Galera Editorial

9歳の少年、ニコラス・ロブレアルトは両親と船で旅に出かけるが、退屈でしかたがない。両親は喧嘩ばかりで楽しむどころではなかった。ニコラスはついに脅しを実行に移すことを決意する。救命用ボートを借りて、無人島へと向かうのだ。ここからの冒険が手紙で語られる。島は男の子と女の子でいっぱいで、大人は何もできず、事態はどんどん悪化する。いや、見方を変えればいい方へ向かっているのかもしれない。

Equipo Hiares著『La isla del tesoro』の表紙

宝島

La isla del tesoro

チーム‧イアレス

Equipo Hiares

Hiares Multimedia 2013

ビンテージイラスト入りの古典童話。本文はヨーロッパ言語共通参照枠B1レベル相当のスペイン語でリライトされている。中級者・自立した言語使用者向け。該当レベルに合わせて本文中で目立たせた単語の語彙集つき。

Rita Morrigan著『La isla en tus manos』の表紙

あなたの両手の中の月

La isla en tus manos

リタ‧モリガン

Rita Morrigan

Libros de Seda

19世紀の英国とキューバとの間で展開する禁断の愛と、情熱的な冒険。 マリア・レスカノの穏やかな人生は、養子である兄エリックに恋していると気付いた19歳のときに大激震する。 それは、1870年のイギリスでは白い目で見られる行為だった……。エリックもまた、彼女への恋心を自覚し、家を出る決心をする。彼が出て行って、マリアと両親の心は千々に砕けた。そんなとき、アレハンドロ・モンテネグロが彼女の人生に登場する。これはおそらくマリアがエリックを忘れるために待っていたチャンスかもしれない。 だがアレハンドロが結婚を申し込んだ直後、祖国キューバで革命が勃発、彼は国に帰らなければならなくなる。座して待つだけの人間ではないマリアは、友人アリス・グリーンを説得し、神秘的で伝説的なキューバに向けて共に旅立つ。しかし道中で、思いがけない人物と出会うことになる………。

Irene vasco著『La joven maestra y la gran serpiente』の表紙

若い女教師と大蛇

La joven maestra y la gran serpiente

イレネ‧バスコ

Irene Vasco

Editorial Juventud

若い女教師がアマゾンのジャングルにある学校に転勤になり、自分の本をたくさん持ってやってきた。生徒たちが一番好きなのは、物語を読んでもらうことだった。その後、生徒たちは本をそれぞれの家に持って帰った。母親やおばあちゃんたちは、字が読めないけど、それらの本を興味津々で見つめていた。ジャングルの村の住人たちは、たくさんの伝説を語るのが常だったが、当時若い女教師は、それらがただの伝説だと思っていた。都会と本に慣れた若い教師は、異なった現実と出会い、カルチャーショックを受ける。しかし、やがて彼女は自分だけが教える立場にあるわけではないことに気付く。この本は全てを捨てて教育という夢を追いかけるラテンアメリカの女性教師たちへ敬意を表するとともに、また、はるか遠い村が持つ伝説に対する畏敬の念を表している。

Antoni Dalmases著『La leyenda del rey Arturo y sus caballeros』の表紙

アーサー王と円卓の騎士の伝説

La leyenda del rey Arturo y sus caballeros

アントニ‧ダルマサス

Antoni Dalmases

Combel Editorial / Editorial Casals, S.A.

一連のアーサー王物語の初のスペイン語完全再話版。アーサー王伝説を載せている様々な文学作品を基にする。著者アントニ・ダルマサスが、中世の叙事詩を読みやすい現代語に書きかえ、ペラ・ジナルドのすばらしい絵が当時の雰囲気と登場人物を見事に再現。

Michael F. Ryan著『La libertad última』の表紙

最後の自由

La libertad última

マイケル‧F‧ライアン

Michael F. Ryan

Plataforma Editorial

ロジャー・マーフィーはすべてを持っていた。マリーナ地区のすばらしいマンション、世界一の犬、サンフランシスコの新聞の中でも、最もよく人びとの話題にのぼる新聞のコラム欄。しかし、大地が揺れ始めたとき、すべてを失い、突然、生きのびるための戦いのただ中におかれる。崖っぷちに立ったとき、ヴィクトール・フランクルが彼の人生に入りこみ、生き方を変容させた。ホロコーストを生きのびた、『夜と霧』の作者であるフランクルは、ロジャーにナチスの捕虜収容所での経験、そのあとの勝利までの道のりを語り、彼を悩みから解放する。 フランクルの秘密……人であることの最後の自由。

Etsuro Sotoo著『La libertad vertical. Conversaciones sobre La Sagrada Familia』の表紙

垂直の自由 サグラダ‧ファミリアについての対話

La libertad vertical. Conversaciones sobre La Sagrada Familia

外尾 悦郎

Etsuro Sotoo

Ediciones Encuentro

書店にある他の本とは異なる、サグラダ・ファミリアについての書。人間としての、また芸術家としてのガウディの経験を語らせたら並ぶもののない証人である外尾悦郎との対話。日本人の彫刻家、外尾は30年以上前にバルセロナに来てサグラダ・ファミリアの石の鼓動に魅了された。作品への関わりはガウディへの、とりわけガウディが見ていたものへの、深く沈思したまなざしがあったからこそ。ガウディを撮らせたら右に出るもののいない写真家マルク・リマルガスの素晴らしい写真がビジュアル・ポエムの趣をそえ、この教会の存在意義と精神性を読者に深く考えさせる。

Claudia Rueda著『La línea』の表紙

La línea

クラウディア‧ルエダ

Claudia Rueda

Editorial Océano, S.L.

1本の線が主人公のユニークな本。ある日、鉛筆で書かれたただの線が、方眼ノートの上を動き回るのにうんざりし、教室から抜け出すことにした。自由な世界に飛び出して、気分は最高! こうして線は町にたどりつき、高い山に登り、海を知り、恐ろしい海賊に出くわす。そこで読者は、物語の本当の主人公がレオナルドという名の少年だということに気づく。レオナルドは授業中に想像の世界に羽ばたいて、クラスメートが書き方の練習をしているあいだに、冒険の旅に出かけるのだ。

Maite Carranza著『La loba gris』の表紙

灰色の雌狼

La loba gris

マイテ・カランサ

Maite Carranza

Edebé Educación, S.L.

遠い昔から、オマール族の魔女たちは、血に飢えたオディッシュ族の魔女たちから身を隠して生きてきた。アモルゴス島の預言者の少女デメテルは、オディッシュ族の最強の魔女のひとりであるアテがその名声に関心を寄せるまで、自分の魔法の力の及ぶ範囲を知らなかった。その瞬間から、常に人々の心に潜んでいた魔術と女たちへの憎悪がこの小さなギリシャの島で爆発し、デメテルの子ども時代を破壊する。若きデメテルは、恐怖の命令に従うことを拒否。その無謀さが、オマール族の反抗的な魔女たちの希望である灰色の雌狼の伝説に火をつける。

月はドゥアラにある

La luna esta en Duala

サニ‧ラダン

Sani Ladan

Dos Passos Agencia Literaria

学業を続けるために大陸を横断した10代の若者の感動の実話。想像してみてほしい。自分が、成長のために必要な勉強をすることを許されない国に住んでいると。また勉強すること以上の大きな望みを持てないということを。思い浮かべてみるといい。15歳の君は、まだ秘密と幻想に満ちた子供の心を抱えているが、頭では自分が冷静で賢い大人になったつもりになって、なにかを成し遂げようと家を飛び出す…しかし、最初の一歩からうまくいかず、暴力的で非人間的なものに巻き込まれていく…。われわれが生きる世の中にあるこんなリアルな不公平こそ、作者が歩んできた道だ。本書は、どんなにニュースになっても変わらず存在し続ける非人間的な悲劇に、語るべき声と顔を与えた、深い感動の物語だ。世の中に必要とされる一冊である。

Francisco Singul著『La luz dormida en el espejo. Memorias de Diego Velázquez』の表紙

鏡の中に眠る光~ディエゴ‧ベPスケス回想録

La luz dormida en el espejo. Memorias de Diego Velázquez

フランシスコ‧シングール

Francisco Singul

Alvarellos Editora S.L.

没後3世紀半にして初めて、ベラスケスが「語る」。ガリシア出身の歴史家で、美術史学博士のフランシスコ・シングールは、セビーリャ生まれの偉大な画家ベラスケスの伝記を再構築するという難題に挑戦した。このディエゴ・ベラスケスの回想録は、正確な出典をもとに、控えめでありながらかつ真実を明かす語り口で書かれ、ベラスケス絵画の手がかりと、彼の思考の内奥を読者に伝え、17世紀スペインを忠実に描写した作品でもある。「内気で、プライバシーを大切にした画家の分析・伝記。それが今、クリエイティブで、新しく、独創的に取り上げられ研究されて登場する」(ビクトル・ニエト=アルカイデによる序文より)。

沈む光

La luz que cae

アドルフォ・ガルシア=オルテガ

Adolfo García Ortega

Galaxia Gutenberg SL

読んだ人の心からいつまでも離れない、独特で意表を突く、自由で個性的な一冊。翻訳者である語り手は最近、講演を行うため日本を訪れた際、18世紀の風変わりな思想家、キンダイチ・ヒロシの考え方と人物像を知る。今日でもほとんど無名のキンダイチは型破りの異端な神道信者で、当時の社会を敵に回しながらも、自然との対話や、自然そのものが放つ精神的な驚きをいち早く説いた。語り手は、キンダイチの異端な世界を研究している専門家の助けを得ながら日本で心の旅を始め、キンダイチの人生と思想を見つけ出す。旅と時間移動、キンダイチの人生の浮き沈み、日本とオランダとの関係、さらにはディドロのいるヨーロッパにやって来たキンダイチの一風変わった暮らしぶりも描いたハイブリッド小説。

Almudena Grandes著『La madre de Frankenstein』の表紙

フランケンシュタインの母親

La madre de Frankenstein

アルムデナ‧グランデス

Almudena Grandes

Tusquets Editores

若き精神科医ヘルマン・ベラスケスは1939年に亡命し、スイスでドクター・ゴールドスタイン家に迎え入れられ15年を過ごした後、1954年、シエンポスエロスの女性精神病院で働くためスペインに戻る。ヘルマンはそこで、とても知能が高い偏執狂的殺人犯・アウロラ・ロドリゲス=カルバリェイラと再会し、また、若い助手マリアと出会う。マリアに惹かれたヘルマンは、彼女に拒絶される訳が理解できず、彼女の人生には多くの秘密が隠されているのではと感じる。精神病院の庭師の孫娘という彼女のつつましい出自、小間使いとして長年過ごしたこと、彼女の報われなかった愛の物語、並行してヘルマンがスペインに戻ったわけが語られる。それぞれの過去から逃げたい似た者同士のヘルマンとマリアはチャンスに賭けたいと望むが、ふたりが住む国は、道徳的な罪が犯罪となり、ピューリタン主義があらゆる種類の虐待や人権侵害を覆い隠す屈辱的な国だった。

Daniel Nesquens著『La madre de Jack』の表紙

ジャックの母さん

La madre de Jack

ダニエル‧ネスケンス

Daniel Nesquens

Apila Ediciones

6歳以上の子ども向け絵本。様々なバージョンのある口承伝説を下敷きにしている。死も人生の一部だということを子どもたちに教えてくれる本。ジャックの母さんは重い病気で、もはや生よりは死のほうに近づいている。浜辺で泣いていたジャックは、母さんを迎えに来た死神と出会う。そこでジャックは死神をだまし、瓶のなかに閉じ込めて素早くふたを閉めることに成功した。それ以来人も動物も、植物も死ななくなる。世界は大混乱に陥り、ジャックは母さんから、死神を外に出すよう諭される。生と死はひとつのコインの裏表であり、どちらかがなければもうひとつも意味がなくなる。結局ジャックの母さんは天に召されるが、その心は満たされていた。

Elena Alonso Frayle著『La mala entraña』の表紙

性悪

La mala entraña

エレナ‧アロンソ‧フライレ

Elena Alonso Frayle

Baile del Sol Editorial

心に悩みを抱えた母親が夜間飛行機で破廉恥な誘惑に負ける。少女が天井にある何気ない光の環が隠す残虐な謎を暴露する。女性精神科医が、ある世代全体が共有する集団的恐怖を内包する顕著な恐怖症の症状を発見する。退屈な生活から逃れるために悪事を働く若者のグループ。テロリストの父親に対する娘の無意味な復讐。夢ばかり追っている恋人のよこしまで皮肉な態度。戦争の残酷さに対する女性の不毛な英雄物語。それらが、本作を構成する9つの物語に登場するいくつかのテーマ。悪の概念と、人間の行動の中に現れる悪への9つのアプローチ。

Carmen Sanz Chacón著『La maldición de la inteligencia』の表紙

知性の呪い

La maldición de la inteligencia

カルメン‧サンス=チャコン

Carmen Sanz Chacón

Plataforma Editorial

著者は、ギフテッドであることをいかに、問題ではなく長所にできるかを説明する。というのも、ギフテッドはしばしば問題となるからだ。子ども自身にとっても、両親や一般の教育者たちにとってもそうで、教育者たちは、このような子どもたちに必要な配慮をするための知識も時間もない。またこれは、公衆衛生の問題でもある。なぜそのような症状が現れているのか、その背景まで見通すことができず、ギフテッドの子どもたちが異なる障害と診断されるケースがよくあるからだ。感情的、社会的、教育的トラブルによって、学校中退、職業的挫折、深刻な家庭問題や心身の疾患を引き起こすことも非常に多い。

魔女たちの呪い

La maledicció de les bruixes

ジョルディ‧フォルク

Jordi Folck

Barcanova Editorial

有名な作家であるあなたは、「死人」という、とても怪しげな名前の隔絶した場所で、あなたの著書「魔女狩り」を発表するべく招待される。しかし、若いファンたちが集まってくるかと思いきや、あなたが書いた本にまったく賛同せず、厳しい罰を用意する聴衆に立ち向かうことになる。逃げようとすれば、「盗賊の井戸」と呼ばれる井戸、廃墟の研究所、毒が盛られた本の図書館、そして地下牢など、数多くの危険があなたを待ちかまえる。50以上ある逃げ道の中で、生きて脱出する方法はひとつしかないことをあなたは知らない。この小説では、あなたが決断を下すのだが、間違いを犯さないように、いくつかのヒントに注意し慎重を期す必要がある。生き残るためには、冷徹さが必要だ。

Juan Trejo著『La máquina del porvenir』の表紙

未来の機械

La máquina del porvenir

フアン‧トレホ

Juan Trejo

Tusquets Editores

オスカルは亡くなった母親の遺品を整理するためベルリンに向かう。母親は女性と暮らし、息子には無関心だったので、長年音沙汰がなかった。彼は訃報を父親には届けもしなかった。父親は幸福探しに関する数冊の本を書いたベストセラー作家だったが、数えるほどしか会ったことがなく他人同然だった。根無し草のオスカルは悲嘆にくれながら、1930年のニューヨークや1970年のカダケス、メキシコやブエノスアイレスにいる一族の物語を再構築しようとする。そして自分が現状に飽き足らない、超越的な真実の探求にとりつかれた夢想家の家系に属しているらしいことを発見する。未来を予知する装置の製作というプロジェクトにとりつかれた、同じ一族の3つの時代の3人の主人公を驚くべき語り口で描きだす。

Luisgé Martin著『La misma ciudad』の表紙

同じ街

La misma ciudad

ルイスヘ‧マルティン

Luisgé Martin

Dos Passos Agencia Literaria

2001年9月10日、ブランドン・モイはニューヨークで古い友達と再会し、若かりし頃一緒に追った夢を全部思い出した。決して叶えられることのなかった夢。モイには愛する妻と、模範的な息子がいる。マンハッタンに誰もが羨むマンションを持ち、仕事でも成功している。しかし、やりたかったことを思い出したとき、人生に失敗したような感情にとらわれる。再会の翌日、ツイン・タワーの職場に向かう途中、アルカイダの飛行機がツイン・タワーに突っ込む。モイは、運命が彼に第2のチャンスを与えたと思った。本書は、この第2のチャンスの物語である。時に陰鬱なニューヨークの街で自分探しをするブランドン・モイの物語。夢のむなしさと、今ある豊かさの源としての冒険の価値をめぐる旅。

Francisco Aguilera著『La Moneda, 11 de septiembre』の表紙

チリ大統領官邸モネダ宮殿、9月11日

La Moneda, 11 de septiembre

フランシスコ‧アIレラ

Francisco Aguilera

Drácena Ediciones

本作は、端的にいえば証言集だ。4人の証言者、ウェイター、警察官、新兵、消防士が、1973年9月11日のあの朝をどのように生き、何をしたのかを語る。これに先立つ6月にクーデター未遂があったが、この日、チリ軍部はサルバドール・アジェンデ大統領率いる人民連合政府の政権を、容赦なき暴力ではく奪。本書では、読者には具体的に示されることのない、質問に回答する形式で4つの話が、あのクーデターと時と場所を同じくし、大統領官邸モネダ宮殿を中心に展開する。登場人物のひとりはまさにその宮殿内にいたし、他の3人もすぐ近くにいた。この巧妙な手法によって、著者は、南半球の冬の終わりのあの朝、チリのサンティアゴで起きたことを、ほとんど分刻みで追体験できるように読者をリードしてゆく。非常に明快で巧みな筆致が、この本を類まれな作品に仕上げた。

Darío Jaramillo Agudelo著『La muerte de Alec』の表紙

アレックの死

La muerte de Alec

ダリオ‧ハラミーリョ=アグデロ

Darío Jaramillo Agudelo

Editorial Pre-Textos

表向きの性質の裏に、謎めいた感覚、陰謀と知られざる関係が隠れ、時間は、それ自身に謎と確かさをはらんだ、別のリズム、別の秩序で流れていく。理性という拘束衣をはねのけて、アレックの死へとたどりつく出来事が謎に包まれていることをまずは認める必要がある。死という結末がなければ意味がなく、おそらくは記憶から消されていたであろうばらばらの出来事が、アレックの死によって完全に調和して整理された。暗い諦観とともに私は悟ったのだが、もしアレックが死んでいなかったなら、その消失を告げる兆候も現れていなかっただろう。なぜそう言えるかは、アレックの死そのものが実証している。

Luisgé Martin著『La mujer de sombra』の表紙

影の女

La mujer de sombra

ルイスヘ‧マルティン

Luisgé Martin

Dos Passos Agencia Literaria

エウセビオは、友人のギリェルモから、謎の女性とSMセックスの関係を持っていると打ち明けられる。その数日後、ギリェルモは事故死する。エウセビオはギリェルモの死を告げるためその女を探そうと決心する。そして探し当てた時、彼女に夢中になる。自分が秘密を知っていることがばれたら彼女が離れていくだろうと思うと、エウセビオは彼女に何も言えない。ふたりは少しずつお互いを好きになっていく。エウセビオは、彼女フリアがギリェルモにしていたように、セックスのときに自分を殴り、辱め、いじめることを期待するが、彼女は彼を愛撫し優しくするばかり。エウセビオは恐ろしい疑問を抱くようになる。「ギリェルモの言っていた女性とフリアは同一人物なのだろうか?」この小説は、強迫観念の物語であり、地獄に通じる道の物語である。ルイスヘ・マルティンは、人間の魂の最も暗い迷路の中に分けいっていく。

Sabina Berman著『La mujer que buceó dentro del corazón del mundo』の表紙

世界の中心に潜った女

La mujer que buceó dentro del corazón del mundo

サビーナ‧ベルマン

Sabina Berman

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

マサトラン(メキシコ)の海辺。イサベルがハンモックで目をさますと、髪がくしゃくしゃの野生の少女が彼女を見つめている。イサベルの愛情と辛抱強い教育のおかげで、その少女カレン・ニエトは話すことや読み書きを覚え、大学では単位をだいぶ落としながらも動物学を専攻し、世界有数のマグロ漁の会社社長となる。が、相当の変わりものである。知的な面はかんばしくないが、そのほかでは天賦の才を発揮し、海洋生物の保護に乗りだす。海にあってはマグロと一緒に潜り、陸にあっては人々に笑いと戸惑いを振りまく。彼女の奇妙な美徳は、事実を隠そうとして比喩や婉曲表現を用いないこと。正真正銘の驚くべき人物。カレンは読者の心にいつまでも残るよう運命づけられた主人公だ。

Empar Fernández Gómez著『La mujer que no bajó del avión』の表紙

飛行機から降りなかった女

La mujer que no bajó del avión

エンパール‧フェルナンデス=ゴメス

Empar Fernández Gómez

IMC Literary Agency, S.L.

ローマで惨憺たる一時期を過ごしたアレックス・ベルナルは明け方バルセロナ空港に到着し、手荷物受取所で自分のスーツケースが出てくるのを辛抱強く待つ。やっと自分の荷物が出て来たときには同じフライトの乗客はとっくに自分たちの鞄を手に姿を消していた。しかし、がらんとした巨大ターミナルのベルトの上を1個のスーツケースが回り続けていた。金に困っていたアレックスは出来心からそのスーツケースを持ち帰る。そして、思ってもみなかった恋愛と苦痛の物語の主役となる。そのスーツケースの持ち主サラ・スアレスは、重大な過ちを犯していたのだ。その過ちとは? 何故自分のスーツケースを引き取らなかったのか? 犯罪か、それとも自殺か。飛行機から降りなかった女がかかえる物語のせいで、あと何人の命が失われるのか?

Rocio Bonilla著『La muntanya de llibres més alta del món』の表紙

世界で一番高い本の山

La muntanya de llibres més alta del món

ロシオ‧ボニージャ

Rocio Bonilla

Edicions Bromera S.L.U.

ルカスは、自分は飛ぶために生まれてきたのだと思いこんでいた。飛行機を見て、あらゆる種類の翼を作ろうとした。クリスマスプレゼントに、「飛べること」をお願いさえした! だけど、どれもうまくいかないようだった……。そんなある日、夢をかなえる方法はほかにもあると母さんがいって、ルカスに1冊の本を手渡した。その日、いつのまにかルカスは飛び始めた……。

Iban Barrenetxea著『La musaraña que robó una montaña』の表紙

山を盗んだトガリネズミ

La musaraña que robó una montaña

イバン・バレネチェア

Iban Barrenetxea

Tormenta Agencia Literaria

ケチケチ王は絶望していた。王室の宝がだれかに盗まれたのだ! 99人の衛兵、一体の怪物、そして決して破られない迷路までが宝を守っていたのに…すべては無駄だった! 金貨が一枚、なくなっているのだ! ケチケチ王は、ずさんな見張りをしていた者たちを直ちに罰した。首をはねよ!(残念ながら迷路には、はねる首がないため罰をまぬがれた)その後、王は自分以上の番人はいないと決心し、いかなる危険からも宝を守るため、自ら宝物庫に陣取った。だが対峙することになる泥棒の正体については、全く知る由もなかった…。

Jorge Bergua Cavero著『La música de los clásicos. Versiones de la poesía antigua, de la Edad Media al Renacimiento tardío』の表紙

クラシック音楽 中世から後期ルネサンスに至る古詩の解釈

La música de los clásicos. Versiones de la poesía antigua, de la Edad Media al Renacimiento tardío

ホルヘ‧ベルグア=カベロ

Jorge Bergua Cavero

Editorial Pre-Textos

この研究の根底にある問いは、少なくとも視覚よりも聴覚優先で外界を感知しがちな人にとっては、人文科学の分野において最も複雑かつ興味深い問いだろう。それは言葉と音楽との関係という問題だ。テクストとメロディー、韻律とアーティキュレーション、言葉のリズムと音楽のリズム、言葉の意味と音の持つ意味、……これらの要素は、たいがいは緊密に協調しあっているが、同時に自分自身のルールを相手に押しつけようと、永遠にきそいあっている。

死に抗う音楽:フランク‧ザッパの知られざる生涯

La música se resiste a morir: Frank Zappa. Biografía no autorizada

マヌエル‧デ‧ラ‧フエンテ‧ソレール

Manuel de la Fuente Soler

Alianza Editorial

多くの人々にとって20世紀のポピュラー音楽シーンを最も大きく塗り替えた存在とも言える、フランク・ザッパの芸術的・文化的・政治的伝記。2023年で没後30年を迎えるこの神話的ミュージシャンの生涯を年代順に網羅した伝記は、スペイン語ではおそらく今作が初。写真をふんだんに盛り込み、巻末にはディスコグラフィ、フィルモグラフィのほか、最新の参考文献一覧、入門プレイリストも収録。

ネゴシエーション:評価と調査の基盤となる の

La negociación, piedra angular de las e valuaciones y las investigaciones

ミゲル‧アンヘル‧サントス=ゲラ

Miguel Ángel Santos Guerra

Narcea Ediciones

本書は筆者の持つふたつの源泉から生み出された。いずれも同様に重要なもので、ひとつは読書、熟考、同僚との議論。もうひとつは、半世紀近くにわたる多くの調査や評価から培われた経験だ。ネゴシエーションは、調査および評価の中で生じるものである。ここでこのふたつの課程を区別したのは、全ての評価が調査の結果として出てくるものあったとしても、全ての調査が評価に辿り着くというわけではないからだ。探求の形態にはそれぞれ特殊性があり、求められるものは異なる。では、ネゴシエーションとは何なのか?本書は、その必要性および重要性、段階(初期、経過、報告)、原則、俗説、誤謬について解説している。また、ネゴシエーションのいくつかのケースを簡潔に紹介し、最終章では、評価プロセスにおけるトレーニングとして使用できる12の演習を紹介している。

Eulàlia Canal著『』の表紙

少女と移動図書館

La nena i la biblioteca ambulant

エウラリア・カナル

Eulàlia Canal Iglesias

IMC Literary Agency, S.L.

壁の向こうに住む少女は、母親に会うことができません。ある日、クマとビーバーが運転する移動図書館がその場所にやってきます。ひとりと2匹は本と想像力を使い、壁をうちこわす計画を立てます。この物語は言葉、読書、連帯の力が、障害を乗り越え、より自由で人間的な世界を築く上でいかに重要かをうったえています。

Sumara Marletta著『La niña que sabía de perros』の表紙

犬のことを知っていた少女

La niña que sabía de perros

スマラ‧マルレッタ

Sumara Marletta

Kns ediciones S.C.

犬が子どもに噛みつくのを予防するために書かれた本。犬との間でトラブルが起きると、子どもは後あとまで大きな影響をひきずり、犬への信頼感をすっかり失ってしまうこともある(飼わなくなったり、さらに大きな結果にもつながりうる)。この本は、幼い子どもがペットの犬とともに暮らすために守るべき基本を教えてくれる。家庭で犬を大切にし、安全に楽しく犬と接する方法を、子どもたちは楽しみつつしっかりと学べる。大人や訓練士が犬の言葉を使う際、残念なトラブルを起こさないために役立つアクティビティーと簡潔な解説も収録。

Màxim Huerta著『La noche soñada』の表紙

夢に見た夜

La noche soñada

マキシム‧ウエルタ

Màxim Huerta

Editorial Espasa

1980年サン・フアン祭の前夜。コスタ・ブラバにあるカラベラ町の住民たちは村の夏季映画館のオープニングに来るはずの伝説のエバ・ガードナーを待っている。だが、みなが女優を待つなか、風変わりなブライトマン家の末息子フストだけは違っていた。この魔法の夜に、彼は自分の願い事をする代わりに、自分の家族の運命を変えるため、できる限りのことをするつもりだった。本書は幸せ探しの物語だ。愛を求める危険な旅は、しばしば痛みを伴い、実を結ばないが、決して夢を見ることを止めてはいけないということを、マキシム・ウエルタの筆は発見させてくれる。

両生類女のノスタルジー

La nostalgia de la Mujer Anfibio

クリスティーナ‧サンチェス=アンドラーデ

Cristina Sánchez Andrade

Editorial Anagrama

老女ルチャは、呆然と見つめる孫娘の前で、夫に殺されようとしている。数十年積み重なった恨みは、元を正せば1921年1月2日に遡る。若きルチャは、サルボラ島で蒸気船サンタイサベル号の遭難に遭遇した。男たちが新年を祝っているあいだに、女性たちは海に飛び込み、遭難者たちの救出に向かった。彼女たちはヒロインとみなされたが、貪欲さや略奪といった、英雄的ではない行為の噂も囁かれた。その夜、ルチャはウェディングドレスで海岸にかけつけた。長い髪をひきずり、混乱のなかで彼女は、全裸だがシルクハットをかぶった遭難者に出会った。それは誰だったのか。イギリス人の音楽家か、悪魔の化身か。なぜルチャは、彼のように裸になったのか。その日あったことが、彼女の人生、そして彼女の娘と孫娘の人生に刻印を残すことになった。

José Ramón de Cea著『La nota que faltaba』の表紙

足りなかった音符

La nota que faltaba

ホセ‧ラモン‧デ‧セア=ベラスコ

José Ramón de Cea Velasco

Editorial Kolima

この物語の主人公は小さなサックス。楽器の習得は苦労がつきものだが、小さなサックスがお話のなかで、音楽のこと、習い始めの音楽の基礎を語る。他者とのコミュニケーションにおいて一番大切なのは、コミュニケーションが円滑で有意義なものになるような参考例や接点を探すことだとこの物語は伝えている。つまり、音楽を学ぶことを通して、人間関係や仲間意識、協力、友情、チームワークの世界を垣間見られる心あたたまるお話。

Rafael Jiménez著『La novia ahorcada en el país del viento』の表紙

風の国で絞首された花嫁

La novia ahorcada en el país del viento

ラフ=エル‧ヒメネス

Rafael Jiménez

Futurbox Project (Grupo Ático)

国境に接する町の愛と死の物語。1990年、ポルボウ町。若い女性が木で首を吊った状態で見つかった。花嫁のような白いドレスをまとっていたが、誰も彼女を知らない。捜査の結果、自殺であることが確認されたものの女性の身元は分からなかった。それから25年後、ガリバルディ警部がこの件を見出した。長い年月がたってはいたものの、何が起きたのかを調べるため、警部はポルボウに赴くことにした。しかし町に着いてみると麻薬密売、女性の人身売買や政治汚職などが強力に絡み合っている状況に直面し、物事は簡単に進まない。ガリバルディ警部は命がかかっていることを知りつつも、最後まで捜査する決心をする。実話に基づいた話である。

新しい経済 ブロックチェーンと暗号資産に関する100の質問

La nueva economía blockchain y criptomonedas en 100 preguntas

イスマエル‧サンティアゴ‧モレノ

Ismael Santiago Moreno

Editorial Nowtilus

ブロックチェーンテクノロジーとその経済に関連したすべての基本的なポイントについて解説している。暗号理論、サイファーパンクス、サトシ・ナカモト、暗号資産の分類、暗号資産のビジネスモデル、ブロックチェーンの技術的基盤、ブロックチェーンがさまざまな経済分野に与える影響、新たなベータファイナンスとその規制、暗号資産市場でうまく投資する方法、第4次産業革命、新しいブロックチェーン経済から考える経済と社会の未来、新しいブロックチェーン経済は何によって構成されているのか? 暗号資産はどこでどのようにして取得すればよいのか? 暗号資産とトークンは違うのか? 暗号資産市場の主な予測市場はどれか? ビットコインやイーサリアムの仕組みは? 「スマートコントラクト」は何の役に立っているのか? 経済のトークン化は実現可能か? ICOやクラウドセールはどのような構造をしているのか?

オデュッセイア

La Odisea

エドゥアルド‧アシン

Eduardo Acín

Shackleton Books

オデュッセウスのスリリングな冒険譚を現代の子ども向けにアレンジ。かつて見たことがないほどの驚くべき旅をした英雄がいた。彼は何年も地中海を縦横無尽にさまよい、怪物やキュクロプス、恐ろしい生き物など、あらゆる困難や脅威に直面したが、決して目的地に着く希望を捨てなかった。帰国して再び妻子を抱きしめたいという思いは、どんな障害よりも常に強かったのだ。その英雄の名はオデュッセウスで、彼の旅が『オデュッセイア』。トロイからイサカへの長い旅を駆け抜けたオデュッセウスの冒険を知ってほしい。

Pilar Pascual著『La Oniromarca secreta』の表紙

秘密の夢占い

La Oniromarca secreta

ピラール‧パスクアル

Pilar Pascual

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

「夢を失ったら、あなたは悪夢の奴隷になる。だから、この世界には必要なんだ……夢見ることを恐れない人が」。両親がなぜかいなくなり、レベッカはごく幼い頃にしか会ったことのない祖父、バルバティン先生のところで暮らさなくてはならなくなった。風変わりな家の冷ややかでよそよそしい祖父のもとで途方に暮れていたレベッカは、やがて両親が消えたのは偶然ではなかったこと、自分もまた危険にさらされていることを知る。現実が崩壊し、彼女は隠された真実、先祖にまつわる千年越しの秘密へと導かれ、思いもよらない危険な敵に追われることになる。Mundo Sueño(夢の世界)は、最良のサーガの魅力と魔法をもつファンタジー4部作。現実を変え、私たちを迷いから救いだすファンタジーの力を見直させてくれるシリーズ。

Yoe Suárez著『La otra isla』の表紙

もう とつの島

La otra isla

ヨエ‧スアレス

Yoe Suárez

Lantia Editorial

本作品は地図といえるだろう。キューバの島々に共存する不思議な⼈々や⼈⽣模様を浮き彫りにした地図。本書をひもとけばハバナに残る悪魔の⾜取りを追ったり、マヤの⼥祭司や⽔を神と祀る宗教の数少ない最後の信者たちと話したりすることができる。洞窟や⼲ばつとハリケーンに⽴ち向かう町々を訪ね、あるいは恐れを知らないカイマンの捕獲者たちと⼀緒に湿地帯を歩くことも。⽇々シュールな世界に⽣きるキューバの⼈々を発⾒することができる本。

上のページ

La página de arriba

カニサレス

Canizales

Aerys Producciones

ページの上にいるライオンは、そこでの楽しい生活に大満足。一方、下のページの動物たちは、あまり楽しくはなさそう。ライオンの気まぐれの相手をしなければならず、歩くときにはその重みにたえなければならない始末。もし、本を逆さまにして、上のページを下のページにしたらどうなる? すべての登場人物に変化が起きることになるだろう。ユーモアのセンスが光る、とても独創的な本で、小さな子どもは笑い、大人はほんのちょっぴり皮肉を感じる。上と下、ページをひっくり返して、空間を遊ぶことへ誘う1冊。物事を変えることは可能であり、ひっくり返すことさえできることを教えてくれる、シンプルな物語。相手を理解するために、相手の立場に立つことを促す。

Mónica Rodríguez著『La partitura』の表紙

楽譜

La partitura

モニカ‧ロドリゲス

Mónica Rodríguez

Editorial Luis Vives (Edelvives)

マルタは10年間ずっと隠してきた秘密をパートナーに打ち明けた。それは、勤めていた高齢者施設で知り合った老人、ダニエル・ファウラ・オイゴンの奇妙で心惹かれる人生の話だ。ダニエルが亡くなった時、マルタは彼の日記と手紙、そして謎の女性サヤに捧げたソナタの楽譜を見つけた。日記はダニエルが少年時代から晩年まで、自分の人生を綴ったものだった。

Jorge Eduardo Benavides著『La paz de los vencidos』の表紙

敗北者た の平和

La paz de los vencidos

ホルx‧エドゥアルド‧べナビデス

Jorge Eduardo Benavides

Nocturna Ediciones, S.L.

「こういう言い方はすでに矛盾をはらんでいそうだが、僕は自分がいわゆる自主亡命者のように感じている。縁を切ることのできない唯一のもの、つまり自分自身と根底でつながりを断てないので、どこにも安らぎを見いだせない」。テネリフェに移住したあるペルー人が、スロットマシーン場での新しい仕事を始めたときから日記をつけ始める。日々は先の見通しがまったくないまま過ぎてゆき、彼の周りの登場人物たちもよく似た状況にいる。生徒がいない高齢の教師、ギャンブル中毒の女、痛ましい過去に主人公を縛りつける旧友、横暴なボス、一作以外は鳴かず飛ばずの作家、奇妙な目的を持つ美少女、昔の恋の長く伸びた影……。「ホルヘ・エドゥアルド・べナビデスは素晴らしい作家だ」(作家フェルナンド・イワサキ)

Oriol Toro著『La peluqueróa del señor Calabacín』の表紙

ズッキーニさんのヘアサロン

La peluquería del señor Calabacín

オリオル‧トロ

Oriol Toro

El Cep i la Nansa Edicions

畑のすみっこの見えない場所に、ズッキーニは隠れている。いつも21個のボタンのついた服を着て、前髪は畑のだれよりぴたっとワックスでかためている。毎晩、葉っぱの下からハサミとくしとドライヤーをとりだし、石のうしろの隠れた場所にヘアサロン営業中のプレートをかける。けれども、ズッキーニ氏は客たちを陰で非難するのがほとほといやになった。あるこだわりが、たくさんの問題をひきおこす。

Lluis Prats Martínez著『La pequeña coral de la señorita Collignonの表紙』

虹色のコーラス

La pequeña coral de la señorita Collignon

リュイス‧プラッツ

Lluis Prats Martínez

Editorial Casals

コリニョン先生はバルセロナの高級住宅街にある学校でフランス語と音楽を教えている。ある日突然、学校運営側から予告なしに現在の学校を離れ、様々な国籍や文化背景を持つ生徒たちが通うラバル地区の学校への転任を命じられる。この庶民的な街での生活は彼女の人生を一変させ、新たな挑戦が待ち受けることになる。コリニョン先生は生徒たちを巻き込んで、野心的なプロジェクトに取り組むことになる。それは「虹の合唱団」だった。

Juan Ramón Barat著『La Perla de Sanzio』の表紙

サンツィオの『ラ‧ペルラ(真珠)』

La Perla de Sanzio

フアン‧ラモン‧バラット

Juan Ramón Barat

Grupo Editorial Bruño

15歳のアンドレスは少し前に父フェルナンドを亡くした。フェルナンドは尊敬された警察署長だったが、ビルマニア・ホテルのプールで睡眠薬の過剰摂取で死亡しているのが発見された。自殺に思われた。だが、腑に落ちない点もある。フェルナンドは楽天家で幸せに過ごしていたのに、なぜ自ら命を絶つ必要があるのか? アンドレスは偶然、父の古いパソコンの中に謎のファイルを見つける。その瞬間から、物語は全く逆の方向へ進み始める。アンドレスはどんなことでも起こりうる怪しく危険な世界に立ち向かわざるを得なくなる。

Pilar Quintana著『La perra』の表紙

雌犬

La perra

ピラール‧キンタナ

Pilar Quintana

Casanovas & Lynch Literary Agency

美しさと荒々しさが同居する地域で、豊かさと貧しさ、白人と黒人が、距離を置きながら共存する太平洋の小さな村。その村がダマリスの物語の舞台。ダマリスは、女ざかりの太平洋の黒人女。長年ロへリオと連れ添ってきた。ふたりの白けた関係は子供を求めてのむなしい努力に大いに関係がある。あらゆることを試すが、ダマリスは妊娠しない。すべての希望が絶たれたとき、ダマリスは1匹の雌犬を飼うことになり、新しい夢を見つける。この雌犬との新しく身近な関係が、ダマリスにとって本能と母性について考察させる経験になっていく。

緑色の石

La piedra verde

フリオ‧サントス

Julio Santos

Xarpa Books

7歳以上を対象とした児童向け冒険シリーズ。色彩豊かなイラスト入りの120ページを超える本で、冒険、ミステリーなどが楽しめる。「やあ!僕はチャノ。双子の兄弟の名前はオスカル。君は隕石が落ちるのを見たことある? 僕たちは見たんだよ。夏の初めに遠足に行ったとき、目の前の空を巨大な火の玉が通り過ぎて森の中に落ちたんだ! 本当は反対の方向に逃げなくちゃいけないってわかっていたけど、僕たちは森に探しに行ったのさ。見つけたのは緑色の不思議な石。その輝きの奥に隠された秘密は僕たちの人生を永遠に変えてしまった。一緒に秘密を探ってみない?」。本書のデジタル版は10万を超える作品の中から2017年のワッティ賞最終選考作品に選ばれ、AmazonとPlayStoreでのダウンロードの回数は累計50万超となっている。

María del Mar Rodríguez著『La prestamista』の表紙

金貸し女

La prestamista

マリア‧デル‧マル‧ロドリゲス

María del Mar Rodríguez

Baile del Sol Editorial

舞台はラ・パルマ島(1850~1946年)。ビリャ・デ・マソの金貸し女ペトラと彼女を取り巻く人々の物語。キューバへの移民を余儀なくした飢饉、ラ・パルマの人々の黄金世紀の絶頂と貧窮、物資不足の疲弊した社会に勃発した左翼思想、共和制への期待、スペイン内戦の残酷さ、反乱軍と生き残りのための彼らの闘い…、それらの史実が、ペトラの物語の過去、現在、未来を取り巻く。一方、彼女は心の中に強い愛を秘めている、限りなく長きにわたって誰にも知られないままに。

Carlos del Pino Velasco著『La primera decisión de Guillermo』の表紙

ギリェルモのはじめての決心

La primera decisión de Guillermo

カルロス‧デルピノ=ベラスコ

Carlos del Pino Velasco

Educación para el Optimismo, S.L.

ちょっとの間、ひとりで留守番しなくてはならなくなったギリェルモは、悪いことばかりを考えてしまう。危険の真っただ中にいるような気がして、心臓がバクバクし、わけがわからなくなって、しまいに気絶してしまう。気づくと、不思議な世界にいた。いろんな道があって、どの道に行くかをギリェルモが決めなくてはならない。それまでいつもだれかかわりに決めてもらっていたギリェルモは、おじけづいてしまう。その時、一輪のマーガレットと出会い、一緒に素晴らしい秘密を見つけると、すべてが変わっていく……。自分で決断し、リスクを引き受け、自分自身で物事にかかわっていくことを幼い子どもたちに教えてくれる、すてきなお話。

Ana Andreu Baquero著『La princesa de Buchenwald. La historia olvidada de Mafalda de Saboya』の表紙

ブーヘンヴァルトの王女:マファルダ・デ・サボイアの忘れられた物語

La princesa de Buchenwald. La historia olvidada de Mafalda de Saboya

アナ・アンドレウ=バケロ

Ana Andreu Baquero

Libros de Seda

1945年、ワイマール。ブーヘンヴァルト強制収容所の解放から間もなく、イタリア王立海軍に所属する7人の男たちが、市の墓地に入り、番号が振られた杭が立つみすぼらしい広場へと向かう。広場に着くと、幸運に助けられてやっとのことで262番の杭を探し当てる。記録によるとそこには「身元不明の女性」の遺体が安置されているはずだった。その杭を引き抜くと、隠されていた名前が現れ、彼らの任務の大きさが確認される。彼らは、平和を取り戻したばかりの市中で物々交換によって手に入れたブナ材の墓石と十字架を、その杭と置き換える。今や墓は完成し、不吉な番号は、丁寧に彫られた高貴な名前「マファルダ・デ・サボイア」に変わったのだった。

Marisa López Soria著『La princesa de la nube』の表紙

雲の王女

La princesa de la nube

マリサ‧ロペス‧ソリア

Marisa López Soria

Ediciones del Laberinto

バネッサは雲の中で生きているかのように夢見がちな現代の王女様。バビア王国でキリンや魔女やシャボン玉と暮らしている。結婚する年頃になると、両親はそわそわしはじめた。そこで名付け親の妖精は、王女に求婚する者は、なぞなぞを解かなければならないという条件を付けてはどうかと提案する。彼女の婿になるには、少なくとも想像力が豊かでなければならない。けれど、物事は思い通りにいくとは限らないのだ。

Miguel Dueñas著『La prohibición del jade』の表紙

翡翠の禁制

La prohibición del jade

ミゲル‧ドゥエニャス

Miguel Dueñas

Editorial La Huerta Grande

先住民のとある集落。シェップがナイフで親指の先を切ってしまい仕事は中断する。その出来事が偶発的な事故であることを疑問視する者は誰もいない。男も女も自分の役割を甘受し、それに疑問を抱く者はいない。若者シェップも同じだ。誰も何も自らに問うことをしない。先住民居留地では暮らしが変わることなく続き、彼らがとらわれている空間では、偶然と運命の間、あきらめとより良い生活の可能性の間を時間が流れていく。そんなとき、最初の白人が現れる。どこか寓話じみたこの類まれな物語は、私たちにものごとを従順に受け入れるための能力、あるいは、私たちの問いかけ次第で運命が変わることもあると認めるための能力について語る。

Manel Loureiro著『La puerta』の表紙

La puerta

マネル‧ロウレイロ

Manel Loureiro

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

マネル・ロウレイロが届ける、謎と伝説に満ちたガリシアを舞台にしたミステリー小説。神秘的な奇岩ポルタレンの下で、昔の儀式に則った方法で殺された若い女性の死体が見つかり、捜査員たちを困惑させる。刑事のラケル・コリーナは、現代医学では治療できない病に侵された息子を助けたい一心でガリシアのこの辺鄙な地に来たばかりだ。選択の余地がないラケルは、疑いながらも息子の完治を約束した地元の民間療法士に頼る。その民間療法士が突然いなくなった。この謎の失踪とポルタレンの殺人事件は繋がっているのではないかと考えるラケル。誰もが秘密を隠し持っているような不可解な農村で、ラケルは同僚と一緒に事件の解決と息子の命を助けるために必死の捜索に挑む。

Sonia Fernández-Vidal著『La puerta de los tres cerrojos』の表紙

錠が3つついたドア

La puerta de tres cerrojos

ソニア‧フェルナンデス‧ビダル

Sonia Fernández-Vidal

Sandra Bruna Agencia Literaria

14歳の少年ニコは、ある朝いつもと違う道を通って学校へ向かったところ、途中で見たことのない家を見つける。不思議に思って中に入ると、奇妙な宇宙にはいりこんでしまう。 量子の世界では驚くべきことが起こる。何もないところからひとつの宇宙が作られ、時計屋は光速ツアーを売り出している。ネコは現れると同時に消える。しかもニコは知らないうちに使命をおびていた。幸いそのおかしな世界で知り合った新しい友達が助けてくれる。『数の悪魔』が数学の世界の冒険を描き、『ソフィーの世界』が哲学を一般の人々に普及させたのに倣い、ソニア・フェルナンデス=ビダルは現代物理学に関する楽しく明快な小説を書きあげた。9歳から99歳までの人の為のエンターテイメント小説の古典ともいうべき書。

Ricardo Cano Gaviria著『La puerta del infierno』の表紙

地獄の門

La puerta del infierno

リカルド‧カノ=ガビリア

Ricardo Cano Gaviria

Ediciones Igitur S.L.

80人のコロンビア人がパリの街角で出会い、いきなり熱をおびた会話が始まる。60年代の革命運動を背景に、特に、これまで文学では語られてこなかった、フロイドやサルトルやマルクス主義に傾倒するコロンビア人たちを通して、物事のはかなさ、死にあたって見える生の広がり、すぎゆく世代などが見えてくる。世界が、時とともに償いの場となるようすが描かれるが、そこでは、陽気な再会の場として地獄があるという約束だけが、唯一の出口となる。

5日目の夜

La quinta noche

メルセデス‧オリベット

Mercedes Olivet

Editorial Luis Vives (Edelvives)

1851年。悲劇がクロンプトン・プレイスの屋敷を揺るがす。ロイセストン兄弟と母親が謎の死を遂げた。孤児のフランキー少年は犯人を暴く鍵となる、不穏な秘密の会話を耳にする。そしてカウントダウンが始まった…。恐ろしい呪いを解くために、フランキーは自分の命を危険にさらす。ヴィクトリア朝英国を舞台にしたディケンズ風の小説。アクションが満載で、現実と魔術が交錯。人間性を映し出す恋模様もあり、ヤングアダルトにうってつけの物語だ。

桜の乾いた枝

La rama seca del cerezo

ラファエル‧サルメロン

Rafael Salmerón

Anaya Infantil y Juvenil (Grupo ANAYA)

友情と克服を描く感動的な物語。1945年、原爆が落ちる直前の広島の街で、イチローとマスジは遊んでいた。現代の広島で、手の不自由な10代の少女サクラは、クラスメートの嘲笑と家族間での孤立をどうにかやり過ごしている。母には愛されていないと思い、仕事に没頭する父とはほとんど顔を合わせない。ネット上の友だちのアイコは別の街に住んでいて、実際に会うのは難しい。彼女の夢は漫画家になることだが、それは叶わないことだとわかっている。しかし、幼いテツオと、大きな秘密を抱えた広島の被爆者の老人との出会いが、サクラの人生を大きく変えることになる。

Rafael Argullol著『La razón del mal』の表紙

悪の理

La razón del mal

ラファエル‧アルグリョル

Rafael Argullol

Quaderns Crema

繫栄を極めた、西洋のとある国際的都市で不思議な現象が起こる。初めは不愉快な偶然の出来事としか思われなかったが、間もなくそれが悪意のある脅威に変わり、市民の心の内にある確信が覆される。社会全体に影響が及ぶこの現象を皮切りに、著者は密告、恐怖、疑念、はたまた略奪や魔力、迷信などにより社会が腐敗していく過程を描きだす。混乱の中、神話的絵画をゆったりと修復するような時間の流れの中で、ひとつの愛が静かに生まれる。芸術家はオルフェウスとエウリュディケのために別の運命を夢見るよう、大胆にも観客にさそいかける。

Mario Szichman著『La región vacía』の表紙

空っぽの地方

La región vacía

マリオ‧シッチマン

Mario Szichman

Editorial Verbum, S.L.

『空っぽの地方』は、パキスタンの信心深い戦士のキャンプからCIAやFBIのセキュリティーゲートまで読者を運ぶ。ビン・ラディンやジョージ・ブッシュを含む歴史上の人物や悲劇の裏を知る公務員など多くの人物をちりばめて展開する、魅力に満ちた謎解きである。作者はハイジャックを企てるアルカイダのメンバーが悲劇的儀式に向けて出発するターミナルに読者を誘い、誘導ミサイルになった飛行機で旅をさせ、火災が起きたワールドトレードセンターが地上の地獄になった102分間を体験させる。「シッヒマンは昆虫学者並みの正確さ、華麗なレトリック、戦慄と感動的なサスペンスを持ち合わせている。ストーリーの面白さは目まぐるしく起きる色々な出来事とモザイクのように絡み合う主人公たちの行動にある」フェルナンド・ロドリゲス=ラフエンテ評。

Víctor García Antón著『La Reina de las Lentejas』の表紙

レンズまめの女王

La Reina de las Lentejas

ビクトル‧ガルシア‧アントン

Víctor García Antón

Gato Sueco Editorial

レンズまめの女王はレンズまめが好きではない。目の前に大きな皿を置かれた女王は、全部食べなさいとパパに言われた。しかも弟は何もかも床にほうり投げ、ずっと泣き続けている。もううんざり! ところが、運良く遠い国からマトリョーシカが、女王への贈り物を持ってやってきた。マトリョーシカたちはお腹がすいているに違いない。世界を広げたり、より人間的な世界をつくったりするツールとしての遊びやお話作りについての、小さい人とそれほど小さくない人のためのお話。

Herminia Luque著『La reina del exilio』の表紙

亡命の女王

La reina del exilio

エルミニア‧ルケ

Herminia Luque

EDHASA - Editora y Distribuidora Hispano Americana

臨終に際してのサリカ法典の撤廃とイサベル2世の王位継承は、スペインにおいて数知れぬ骨肉の争いや陰謀、謎といった動乱の19世紀を引き起こした。1882年、イサベル2世は権力から遠く離れたパリのカスティーリャ宮殿で亡命生活を送っていた。そこに女王にとってはまずい書類を携えて、魅力的な紳士フリオ・ウセダがサガスタの使者として訪れる。そしてもうひとり。マドリードの孤児院で教育を受けたテレサという名の若い使用人は、宮殿の暮らしとはかけ離れた視点で世の中を見ている。フリオとテレサは恋に落ちるが、政治的な陰謀と、偽善が日常化し、衰退した君主制の腐敗との間で翻弄される。王宮の陰謀をテーマに、歴史的な人物であるイサベル2世に迫り、19世紀を見事に再現すると同時に、その社会に対する皮肉な批判を込めた小説。

Armand Puig著『La Sagrada Família segons Gaudí』の表紙

ガウディによるサグラダ‧ファミリア

La Sagrada Família segons Gaudí

アルマンド‧プッチ

Armand Puig

Pòrtic

バルセロナの最も特徴的なモニュメント「サグラダ・ファミリア」を理解することは容易ではない。しかし、当のガウディは、解決できない謎としてではなく、誰にでも開かれた本のようにそれを設計した。ガウディは「彼の」作品がどこからでも見えるよう望み、それを成し遂げた。またサグラダ・ファミリアを作る全ての石、ひとつひとつの石が語りかけて欲しいと望んだ。ガウディはその建築に着手したばかりのときにこの世を去った。今、着工から125年経って、その象徴の奥深さ、アイデアの大胆さ、「新しい建築」でありたいと熟考の末に生まれたプロジェクトが持つ力を私たちは理解し始めている。 サグラダ・ファミリアは理解されることを求める。その意味を理解できる者は、世界でも最も独特な建物のひとつであるサグラダ・ファミリアの「なぜ」と「どのようにして」がわかる。この本は見学の手引きにもなるが、何より「ヨーロッパの大聖堂」サグラダ・ファミリアに具現化された象徴的宇宙を理解させてくれる。

Elvira Navarro著『La sangre está cayendo al patio』の表紙

中庭に血がしたたる

La sangre está cayendo al patio

エルビラ・ナバロ

Elvira Navarro

Casanovas & Lynch Literary Agency

この9つの物語は、運命に翻弄される男女を主人公とする。不安定な職、僻地の村、空虚な住宅地、コンクリートの塊と化した都市などから成るその世界の輪郭を、エルビラ・ナバロは巧みに歪め、現実を悪夢の淵へと誘う奇妙な質感で満たす。手遅れと気づいたときにはすでに壊れてしまっている人間関係や孤独を通して、ほとんど気づかぬうちに不穏なものが彼らの日常に忍びこむ。

Martí Domínguez著『La sega』の表紙

刈り取り

La sega

マルティ‧ドミンゲス

Martí Domínguez

Raval Ediciones S.L.U

1940〜50年代のスペイン、農家が点在する、マエストラスゴのある村で展開する小説。一帯の森林にはマキ(反フランコゲリラ)が潜む。その家の娘のテレサは物心両面からマキのゲリラに加担しているが、夫を治安警察に殺された母親は、そんな娘の行動に気をもんでいる。末息子が語り手となり、秘密と暴力に満ちた村の状況を明らかにしていく。テレサと親しいマキのゲリラは、治安警察のスパイだった。それがきっかけで、ある誤解から銃撃戦となる。一家はゲリラと治安警察との戦いによって翻弄され分裂させられる。バレンシアの山村を舞台に、主人公の少年とその家族の変遷をたどる小説。

Leon Tolstói著『La semilla milagrosa』の表紙

奇跡の種

La semilla milagrosa

レオン‧トルストイ

Leon Tolstói

Editorial M1C, S.L.

この物語は、他者に対する自分自身の価値を教えてくれる。わたしたちはときとして、人の持っているものばかりが気にかかるのだが、大切なものや真実のものは、かけがえなく貴重で唯一にして無限の、ひとりひとりのなかにあるのだ。

Pablo Tobías Gavasa著『La Senda Secreta』の表紙

秘密の細道

La Senda Secreta

パブロ‧トビーアス‧ガバサ

Pablo Tobías Gavasa

Grupo Ramírez Cogollor, S.L.

苦悩するひとりの忍者。隠された陰謀。危険な使命。不滅の作品。1689年、高名な俳人、松尾芭蕉が仙台藩に向けて旅立ち、彼の最も有名な作品となる「おくのほそ道」が生まれる。だが芭蕉は、実際には清算すべき過去を抱えたもの憂げな忍者だったこと、そしてその旅には、日本の最大の政治的陰謀のひとつが渦巻いていたことをだれも知らない。復讐を目指す一派と徳川幕府のよこしまな幕僚たちが暗躍し、大きな犠牲を払い、血を流してやっと手に入れた平穏が揺らぐことになる。将軍家の重鎮は、日本を支配しようとしている。それらの陰謀は全て、同じ目的地をめざしている。唯一それを知っている人物は、俳人に姿を変えた忍者。彼の希代な旅だけが、平和を取り戻す頼みの綱だ。

第7弦

La séptima cuerda

マヌエル‧ラモス=ラモス

Manuel Ramos Ramos

Colibrí Ediciones

フラメンコを題材にした小説。この複雑な芸術に関する知識を追求するなかで青年ギタリストの身に起きる予期せぬ出来事を綴る。エバ・ジェルバブエナ、ロシオ・マルケス、ビセンテ・アミーゴの序文から始まるフラメンコの魅力の探求には、エストレージャ・モレンテ、カルメン・リナーレス、ハビエル・バロン、アルカンヘルといった大勢のアーティストが登場し、この古典音楽への理解を深める手助けとなってくれる。各章の冒頭はフラメンコの歌詞で始まり、第3版に記載されたQR(二次元バーコード)から聞くことができるようになっている。また、パトリシオ・イダルゴの挿絵が花を添えるこの小説はフィクションと現実が混在する面白い作品というだけではなく、教材としても価値がある。

Catarina Sobral著『La sirena y los gigantes enamorados』の表紙

人魚と恋する巨人たち

La sirena y los gigantes enamorados

カタリナ‧ソブラル

Catarina Sobral

Fundación Santa María - Ediciones SM

ポルトガルの伝説を題材にした絵本。海と山、ふたりの巨人がひとりの人魚に恋をして、対決することになった。伝説の再話と挿絵は2014年ボローニャSM財団賞を受賞したポルトガルのイラストレーター、カタリーナ・ソブラル。

Horacio Castellanos Moya著『La sirvienta y el luchador』の表紙

女中とレスラー

La sirvienta y el luchador

オラシオ‧カステジャーノス=モヤ

Horacio Castellanos Moya

Tusquets Editores

エル・ビキンゴは年老いた元プロレスラー。自分がまだ、どんな職務もやりとげられるタフな男だということを勤め先の警察の上司たちに見せたくて、同僚とともに何人かの容疑者の若者を留置所に連行する任務をかってでる。その翌日、マリア・エレナというひとりの家政婦が、かつての主人の孫の元で働くことになり、新婚家庭をたずねるが、家には誰もいない。事情をたずねてまわったり、日増しに不安を募らせる家族からの電話を受けたりするうちに、マリア・エレナはこの失踪の裏に、何か非常に重大な事実が隠れていると直感する。そこで、警察にいる古い知り合い、エル・ビキンゴに頼る。彼はかつて彼女の主人の護衛をしており、彼女に言い寄ったことがあった。マリア・エレナは何も知らずに孫夫婦をさがすうち、野蛮な逮捕現場に出くわし、反政府グループの言い争いを目撃し、フードで顔を隠した反政府グループの中に、見知った人物の顔をちらりとみとめる。自分の娘と孫息子の居所も考えるうち、マリア・エレナの不安は苦悩に変わっていく。

Natalio Grueso著『La soledad』の表紙

孤独

La soledad

ナタリオ‧グルエソ

Natalio Grueso

Dos Passos Agencia Literaria

孤独は私たちの感情の内部へのデリケートな旅であり、願望や感謝や正義や夢が合わさった空想に満ちあふれた冒険である。ページをかけめぐる数名の登場人物たちが、みな読者の心に残る。感じのよい泥棒ブルノ・ラバスティデ、書籍の処方師、若き夢狩人、そしてははちみつ色の目をした若い日本人女性などが、毎日午後になるとヴェニスのアパートで運命に立ち向かっていく。魔術か催眠術のように心とらえる感動的なこの小説は、読者をパリからブエノスアイレスへ、ヴェニスからインドシナ半島へと連れて行き、登場人物たちのたどるのっぴきならない旅程の共犯者に仕立て上げる。彼らは孤独な敗者であるように見えるが、自分でもそれと気づかぬうちに、人間が望みうる最も気高く美しいこと、つまり他人を幸せにすることをなしとげるのだ。

Jorge Volpi著『La tejedora de sombras』の表紙

影を紡ぐ女

La tejedora de sombras

ホルヘ‧ボルビ

Jorge Volpi

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

ヘンリー・マレーとクリスティアナ・モルガンは1925年ニューヨークで出会った。当時ヘンリーはハーバード大学の意欲的な医者で、ボストンの裕福な資産家の娘と結婚していた。一方、クリスティアナ・モルガンは美術を学ぶ激しい気性の学生で、退役軍人の妻だった。ふたりはどうしようもなく惹かれあい、スイスに渡ってカール・グスタフ・ユングの分析を受ける。ユングはクリスティアナを深いトランス状態に沈める。ノートに忠実に再現され描かれた若いクリスティアナのビジョンは、その後42年間続く絶対愛を探る実験の出発点となる。 当時の男性社会に果敢に立ち向かったクリスティアナ・モルガンの姿を描く。極限の思いにつき動かされた女性の波乱万丈の物語。

Gaspar Hernàndez著『La terapeuta』の表紙

セラピスト

La terapeuta

ガスパール‧エルナンデス

Gaspar Hernàndez

Sandra Bruna Agencia Literaria

登場人物の依存関係が、1ページ目からあなたをひきつけてやまない。21世紀の最もよくある病のひとつ、不安についての物語。エクトル・アマトは俳優で、ある若い女性の殺害現場に偶然居合わせてしまって以来、不安にさいなまれている。不安が障壁となって、彼は起きたことを思い出せなくなる。苦悩をしずめて記憶を取り戻そうと、エクトルは心理学者のエウヘニア・リョルトの診察室を訪れる。彼女は事件のあとに彼の治療を受け持ったセラピストだった。最初は医者と患者という職業上のつながりだったふたりの関係が、やがて依存関係に代わり、ついに限界に達する。

ニュートンの第三の法則

La tercera ley de Newton

ハビエル‧マルキナ

Javier Marquina

Sallybooks Editorial

エネアスは地球にただひとりのスーパーマン。だが、そのことに疲れてきっており、恋人のベリットとパーティー三昧の日々を送っていた。地球を太陽に打ち上げることもできるのに、ぐったりしながらドラッグをやっている方が性に合ってると思っているのだ。一方、ベリットはエネアスに夢中でありながら、パーティーで知り合ったバカっぽい若者が自分に言い寄ってきても好きにさせていた。何もかも普通に見えるが、ちょっとしたナンパから始まった出来事が、やがて史上最も壮大で破滅的な対立へとつながっていく。

Aurora Freijo Corbeira著『La ternera』の表紙

子牛の肉

La ternera

アウロラ‧フレイホ‧コルベイラ

Aurora Freijo Corbeira

Editorial Anagrama

幼女に対する虐待を圧倒的な文学の力をもって語る。いたたまれない内容だが読むべき本。たったひとつのしぐさで彼女は子牛と化した。その子はあまりにも幼くて、自分が不自然な立場に置かれている事さえ分からない。深い絶望を秘めた瞳と驚きを隠せぬ眼差し。自分の家には居場所がなくなった。親しくしている隣人はまだ適齢に達してもいない彼女を肉として初めて味わった。孤独だけが彼女に残った。『La ternera(子牛の肉)』は誰もが目を背けていたい虐待の現実を、抑制のきいた筆致で語る。痛みや恥、押しつけられた罪の意識、抵抗の表れである沈黙について語る。心を揺り動かされること必然の、高い文学性を持った本。不快で厳しいと同時に愛情のこもった作品だ。

Sara Noguera著『La tienda de los miedos』の表紙

こわがり屋さんのお店

La tienda de los miedos

サラ・ノゲラ

Sara Noguera

Grupo Editorial Sargantana

お子さんの「こわい」が魔法のように消えてなくなってほしいと願ったことはありませんか? 著名な心理学者サラ・ノゲラによる本書があれば、その夢が現実になります。この魅惑的な児童書はすでにスペインで成功をおさめただけでなく、今やトルコでも人気となり、国際的にも大きな関心を集めています。小さな読者が自分の恐怖を探り、克服するためのユニークで楽しいツール。本書の世界に没頭すれば、子どもたちは親切な店主が提供してくれる「解決策」によって自分をおびえさせるものに立ち向かい、不安を勇気と笑顔に変えていきます。『La tienda de los miedos(こわがり屋さんのお店)』は、単なる本ではありません。子どもたちの感情的知性を育み、楽しみながら恐怖から解放される力をつける、インタラクティブな体験です。

Andrea Antinori著『La Tierra no es plana』の表紙

地球は平らではない

La Tierra no es plana

アンドレア・アンティノリ

Andrea Antinori

Zahorí Books

もし地球が平らだったら、どんな生活になるだろう? この本で語られるように、奇妙で楽しいことが起こりそうだ。まず、平らな地球にはA面とB面のふたつの面があり、穴をひとつ開けるだけで両側が出会えるだろう。でも、もしそんなに簡単だったら…、何が起こるか想像できるかな? あっという間に、地球はチーズよりもっと穴だらけになってしまう。小さな子ども向けの、ちょっとおかしな新科学シリーズ『VERDADERO O FALSO(ホントかウソか)』の1冊目。既成概念を打ち破り、陳腐な考えを捨て、物事を別の視点から見ようと読者を促す。

Alan Monroe Finch著『La tomba de Mary Jay』の表紙

メアリー‧ジェイの墓

La tomba de Mary Jay

アラン‧モンロー=フィンチ

Alan Monroe Finch

Edicions Bromera S.L.U.

モートンハムステッドはイギリスで一番長い名前の村だが、あるとほうもないことで知られている。メアリー・ジェイの墓に秘められた伝説だ。ある晩、11歳のジョン・ウィルコックスといとこたちは、伝説の秘密を明かそうと、墓のところでキャンプすることに。その夜は、ジョンが想像もしなかった長い夜となり、おそろしいたいへんなことが起こる。どんなことか、知る勇気はあるかな?

Ángel Gutiérrez著『La torre prohibida』の表紙

禁じられた塔

La torre prohibida

アンヘル‧グティエレス

Ángel Gutiérrez

Editorial Planeta, S.A.U.

ジャック・ウィンガーは、事故に会って完全に記憶を失い、とある療養クリニックに入院する。そこで、彼は事件記者だったこと、病院に見舞いに来た人はいなかったこと、入院者は全員記憶喪失の患者だと説明を受ける。ただし、患者全員が夜毎繰り返しひどい悪夢にさいなまれていることは誰も教えてくれない。看護師長が時々森に入院患者を連れて行き、ひとりで戻ってくることも、立入禁止で入口が隠された塔があることも誰も教えてくれない。 若い患者フリアの悪夢は、ジャックのよりずっとひどいものだ。ジュリアの助けで、入院しないほうが良い場所があること、永遠に隠されたままでいるべき秘密があることをジャックは知る。

灯台守の悲し

La tristeza del farero

マリサ‧ペニャ

Marisa Peña

Marli Brosgen Editorial

マリサ・ペニャは不死鳥の系譜にある詩人だ。この本は、彼女自身が道すがら選びぬいたハーブを使い、熟練した時計職人の精巧さと、限りなく繊細な手で編み上げた巣である。感動する者の手の中で燃え上がり、その灰の中からよみがえり、再び感動をもたらす。『灯台守の悲しみ』は、思考にしみとおる雨の本であり、心の奥底に湿り気を残す。その湿り気は、悲しみに歌いかける方法だ。暗闇や岩場や浅瀬や岩礁があるところでも、いつでも私たちがイタカにたどりつけるように夜を照らす灯台守と同様、マリサは、彼女の物語を私たちが見失わないよう細心の注意を払う。

Víctor del Árbol著『La tristeza del samurái』の表紙

サムライの悲しみ

La tristeza del samurái

ビクトル‧デルアルボル

Víctor del Árbol

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

1941年、スペインのエストレマドゥラで起きた犯罪がアルカラ家の家族3代と、40年間彼らと関わりあった人々に影響をもたらす。陰謀、誘拐、殺人、拷問、男性から女性への暴力などをもりこんで、小説は展開する。著者は、ルポルタージュ的かつ軽快な文体で、起こった出来事を語り、登場人物ひとりひとりの心理に入り込みながら、少しずつ双方の人々を絡み合わせていく。その結果、感情と遺恨、愛と憎しみ、野望と苦悩、偽善ととりわけ罪悪感が渦巻く素晴らしい推理小説となった。子が父の罪を受け継ぎ、孫が祖父母の罪を受け継ぎ、代々汚点がひきつがれていく。

Fernando Lalana Josa著『La tuneladora』の表紙

La tuneladora

フェルナンド‧ララナ=ホサ

Fernando Lalana Josa

Editorial Bambú

地下鉄のトンネル工事を進めていた掘削会社の責任者である若きエンジニアが、忽然と姿を消した。これが、私立探偵フェルミン・エスカルティンが立ちむかう、身の毛のよだつ事件の始まりとなる。大学教員から探偵に転身したフェルミン・エスカルティンは、フェルナンド・ララナのミステリーシリーズの主人公。『トンネル掘り』は中でも、鋭い皮肉と真に迫る恐怖が冴えわたる、一度手にとると最後まで一気に読まずにいられない秀作ミステリー。

Joaquín Camps著『La última confidencia del escritor Hugo Mendoza』の表紙

作家ウゴ‧メンドサの最後の告白

La última confidencia del escritor Hugo Mendoza

ホアキン‧カンプスはバレンシア大学で文学を教えており、同市に住んでいます。彼の主な研究および教育の関は組織における人間行動にあり、この分野で多数の科学

Joaquín Camps

Editorial Planeta, S.A.U.

魅力的な文学教授ビクトル・べガは、作家ウゴ・メンドサの未亡人からの風変わりな依頼を引き受けることにする。ウゴ・メンドサが死んだことは厳格に証明されているのだが、彼女は、亡き夫がまだ生きていないかどうか、毎年12月3日に彼の新しい手稿を送ってくるのが誰なのかを調べて欲しいと頼んできた。ビクトルは謎の糾明に乗り出し、その結果、自分の生命を脅かされるようになるが、一方でその間現れた謎めいた美女にぞっこんになる。数学に長けた芸人のパロマと、ITの天才である修道女のサンタ・テクラのふたりも、この謎だらけの波乱万丈の物語でビクトルにからんでくる。

José Ángel Mañas著『La última juerga』の表紙

最後の馬鹿騒ぎ

La última juerga

ホセ‧アンヘル‧マニャス

José Ángel Mañas

ALT autores Editorial

当時彼らは20歳を少し過ぎた頃だった。クローネン・バルに集合して、セックス、アルコール、ドラッグで若いエネルギーを発散していた友達グループ。ときには、命を危険にさらすほどの馬鹿をすることもあり、そのおふざけが過ぎてとんでもない結果を招いた者もいた。それから長い時が経った。ちょうど25年だ。今彼らは仕事をし、暮らし向きも悪くない。結婚して、子供がいる者もいる。ドラッグをやる者はほとんどいないし、酔っぱらってどんちゃん騒ぎをする代わりにワインをたしなんでいる。カルロスが人生を揺るがす知らせを受けたとき、何年も前から会っていない友人のペドロにもう一度会うべきだと感じた。再開したところでおそらく、過去のいくつかの瞬間を思い出すだけに過ぎないかもしれないが、もしかしたら、「最後の馬鹿騒ぎ」の始まりになるかもしれない。

最後の薔薇

La última rosa

ヘスス‧モンティエル

Jesús Montiel

Editorial Pre-Textos

ベン・クラーク「詩でも小説でもない。これはフィクションではない。我々を生と調和で満たす濃密な人生なのだ」 エリカ・マルティネス「厭世の帝国を離れ、ヘスス・モンティエルは私的な現像室で純粋な心を露わにする。現代のシニシズムとは折り合わない純真さを読者に取り戻させる。彼が強く必要とされるのは当然だ」アルフォンソ・トレシーリャス「彼の詩とその純真さは、ボバンの作品にある生の歓喜を彷彿とさせる。それは無邪気な歓喜ではなく、人間の本質に根ざしたもの、彼の超越した感覚に基づくものだ」

Cristina Sardà著『La vaca, el médico y el hijo del jardinero』の表紙

牛、医者、そして庭師の息子

La vaca, el médico y el hijo del jardinero

クリスティーナ・サルダー

Cristina Sardà

Fulgencio Pimentel Editorial

30冊以上の著作を持つクリスティーナ・サルダーは、「ワクチンの物語」と副題をつけることができる本書を皮切りに、あらゆる読者層に向けた啓蒙的な絵本シリーズを始めた。社会の最も保守反動的な一部がワクチンの有効性を疑問視している今、ワクチンがいつ、どのようにして生まれ、社会にとって何を意味し、どのように世界を変えたのかを思い出すことは重要だ。児童(小学校2年生、3年生)だけでなく、その歴史的、科学的厳密さから、青少年や大人にも向けられた1冊。本書は現代、特にコロナパンデミック後によく見られる否定主義の波に対抗することを目指しており(そして、それは大成功しているといえる)、厳密でありながらも楽しい方法で語られている。数多くのエピソード、予期せぬつながり、偶然が散りばめられており、読書を豊かにして驚くべき視点をもたらす本だ。

Nono Granero著『La vaca Victoria』の表紙

めうしのビクトリア

La vaca Victoria

ノノ‧グラネロ

Nono Granero

Editorial Milrazones

「これは牝牛のビクトリアの物語だ。ビクトリアは死んで、はい、それまで」昔話はこんなふうに語っている。モンテロッソ(訳注:短いお話で知られているグアテマラの作家)の恐竜の物語とさして変わらない長さだ。これではあまりにも短いと、ノノ・グラネロはお話の中から要素をひきだし、不幸な牝牛の別の人生を描いた、このめくるめく悪党バージョンをつくりあげた。はじけるユーモアと韻とナンセンスで、おしまいまでたどりついたかと思うと、ぐるっとまわって、それがべつの始まりとなる。

La ventana

カルメン‧グアイタ

Carmen Guaita

Editorial Luis Vives (Edelvives)

生徒の大半が人工知能によって教育され、ほんの一握りのエリートの子どもだけが教師と直に会う世界は、どのようなものだろう。この小説は21世紀末、教師による教育が特権階級だけのものとなった近未来を舞台とする。メリダでは、小さな古典劇団がローマ劇場とともに、人間の本質を生かし続けるために闘っている。彼らはふたつの教育システムの壁を破り、エリートしか知らない教師のベネシアが、学習意欲まんまんだが、コンピューターを通しての教育しか知らないアルシビアデスに授業をするようしむける。その教育は、教師と生徒、両方の未来、そして人間の未来を変えていく。

裏窓

La ventana indiscreta

マリナ‧サエス

Marina Sáez

MTM Editores (Metafísica del Tercer Milenio Editores, S.L.)

脚を骨折したら、走ることもジャンプすることも登ることもできない。退屈を持て余したフリアはあることを思いつく。双眼鏡でご近所さんを覗いてみよう。幸運にも向かいの建物は活気があり、幼稚園、クリスの美容院、アレスの部屋やその他あちこちの窓を覗いていると1日があっという間に過ぎていく。あなたは、どんな双眼鏡で世の中を見ていますか? 本書は文化的背景によって子どもたちに押し付けられた先入観を壊そうとしている。なぜなら、そうした先入観は子どもたちそれぞれが成長する可能性を狭めているからだ。巻末には、ジェンダーとセクシュアリティーに関するガイドも。

禁じられた真実

La verdad prohibida

ミゲル‧ペドレロ

Miguel Pedrero

Ediciones Cydonia

我々の思考は今も他からの干渉を受けずに残っている最後の領域だ。しかし、その我々の脳を占領して思考を操ろうとする数々の用意周到な攻撃が存在する。しかも、その攻撃には最新の技術と一流の専門家がバックについている。世論を操ろうとする者たちは、自分たちの思い通りに物事を動かすため、人々に特定の感情を一定の割合で的確にもたらす方法を既に把握している。本書が目指すのはその真逆だ。不動の真実と思われるものも実はそうではないことを示すのである。統制、国際機関による操作、学術機関、マスコミを通して、世界の真の支配者(資本主義体制を操る者)は、我々が真の現実を発見しないよう夢物語を作り出したのだ。

本当に本当のこと

La verdad verdadera

ナネン‧ガルシア

Nanen García

Takatuka

本当のことだといっても、あまり信用できないこともあるので、トラブルを避けるためには、もしかするとちょっとした嘘に頼った方がいいのかもしれない。しかし、それもまた説得力がないとしたら、もっと大きな嘘、つまり汚くて腐ったような嘘、とってもとっても大きな嘘をつくしかないだろう。でも、本当に本当のことは、どんなにありそうもないようにみえても、遅かれ早かれ明らかになるもの。大人は「いつも本当のことを言わなきゃダメ」と子どもに教えるのに慣れているが、子どもは空想や中途半端な真実で遊ぶのが好きで、すべて本当のことを言うのは必ずしも簡単ではない。この絵本のうそ・ほんとゲームで作者は、子どもたちが窮地に陥ったときに頼りがちな嘘のレパートリーを、物語と同様に魅力的でユーモアに満ちたイラストで巧みに表現する。

Nando López著『La versión de Eric』の表紙

エリックのバージョン

La versión de Eric

ナンド‧ロペス

Nando López

Fundación Santa María - Ediciones SM

今日だれかが死に、その責任はぼくにある。だけど、どうってことない。そうだろう? その前にいろんなことがあった。最初、ぼくは鏡の前にいた。ぼくが本当の名前を選んだ夏。すべてを、全員をなきものにすると決めた中学のあの学年。ぼくが選ばれたキャスティング。ドラマの成功。フォロワー。手首に見つけたタトゥー。殺人の夜。そしてぼくは、自分の真実を知ってほしい。どうしてあのことが起きたのか。これはぼくのバージョンだ。

イルカの前世

La vida anterior de los delfines

キルメン‧ウリベ

Kirmen Uribe

Editorial Seix Barral

3つの物語が交錯する作品。ひとつめは、数回ノーベル平和賞候補になった活動家で平和主義者、婦人参政権運動家のシュヴィンメル・ロージカに、フェミニストのエディス・ウィナーが捧げた未完の本の運命と、20世紀前半における、この非凡なふたりの女性の関係。ふたつめは、トランプ政権の終盤の荒れ模様の政治社会状況を背景にした、現代のニューヨークに移住したバスク人一家の暮らしぶり。3つめは、1970年代、80年代に、革命的な女性たちの傍らで語り手が育った小さな海辺の村における、ふたりの少女の友情の回想。やさしく詩的で、読者をひきこむ。美しく、きわめて人間的に綴られ、多くの秘密を秘めた、キルメン・ウリベの意欲作。

Javier Sádaba著『La vida buena』の表紙

良い生活

La vida buena

ハビエル‧サダバ

Javier Sádaba

GRUP 62, S.L.U.

手の届く幸福、良識的なそれなりの満足感をもたらす様々な生き方を探る本。スペイン全国でめざましく活躍する哲学者のひとりハビエル・サバダがそのために提唱するのは、人間のありのままの現実をうけいれること。永遠の幸福という、しばしば宗教の衣をまとった偽の約束を著者は批判する。日常生活こそ充実した生活を実現する場所であって、退屈や昂揚した幻想を抱くところではないと考える。一方で、知識は私たちの生活の質をどこまでも高めてくれる。中身のない政治の世界への批判、ユーモアの再発見、生真面目さを笑いとばす態度が、私たちが切望する良い生き方を補完する。魂の平安と健康な身体、そしてもっと平等な社会を手にいれる鍵を握るのは、私たち自身だ。

ホモサピエンスがネアンデルタール人に語った生命

La vida contada por un sapiens a un neandertal

フアン‧ホセ‧ミリャス

Juan José Millás

Editorial Alfaguara

長年フアン・ホセ・ミリャスの頭には、生命やその起源や進化を理解したいという思いがあった。そこで、スペインのこの分野での第一人者であるフアン・ルイス・アルスアガに、なぜ私たちはこのようなのか、何が私たちを今いる場所までたどりつかせたのかをたずねてみることにした。現実についての古生物学者の知見と、作家の持つ機知や個性的な驚くべき視線が組み合わさって本書ができた。ミリャスからすれば、自分はネアンデルタール人で、アルスアガはホモサピエンスだ。数か月にわたってふたりは、日常生活のごく普通の場所の多くと、かつての私たちの足跡を見ることのできる、私たちの起源となるユニークな場所のいくつかをおとずれた。

小さな人生。フーガの技法

La vida pequeña. El arte de la fuga

ホセ‧アンヘル‧ゴンサレス‧サインス

José Ángel González Sainz

Aerys Producciones

新たなやり方で人生に立ち向かうための羅針盤となるノート。執筆を通してのパンデミックへの回答。すべてに感染する微細なものによって引き起こされた空前絶後の大異変の後、ひとつの声が熟考し、たくらみ、思い出し、朗誦し、そして祈る。パンデミックによる世界的危機の下に、もっと局地的だが類似の規模、あるいはさらに重大かもしれない別の伝染病がひそんでいる。我々の暮らし方、現実や言葉と我々との関係の病だ。声とは、道理の純粋な実践である。その声が、時には語りかけるように、時には芝居のモノローグや、詩的、あるいは哲学的な問いかけの抑揚をつけて、心のメロディーのなかに主題と変奏を紡ぎだしていく。そこでは、重々しい低音からユーモラスなものまですべての音が、観念的かつ音楽的な一種のフーガの技法の中に編みこまれていく。

Héctor Sánchez Minguillán著『La vida puerca』の表紙

下劣な人

La vida puerca

エクトル‧サンチェス‧ミンギジャン

Héctor Sánchez Minguillán

Tapia, Verzello & Pérez S.L.

プリミティボ・ダトロが作家マウロ・レデスマ=ペリスの筆耕者を募集の広告を見て応募したとき、自分が恐怖の迷路に入りこみつつあるとは思いもしなかった。作家の蛮行にあった後、プリミティボは他の被害者の証言を集めた証言集を作ることにする。こうして生まれたのが『下劣な人生』だ。その残忍な行為をなんとか逃れた者たちの話を通じて、レデスマ=ペリスの人生と人間性を浮き彫りにした本だ。エクトル・サンチェス=ミンギリャンは本作で、倒錯したナルシシストの人となりと、ねじれて混乱した誘惑のやり口を巧みに描きだす。感動的ともグロテスクとも言える一連の登場人物を通して物語は、人と作品とのロマンティックな一致に関する異端的な考察を見事に繰り広げていく。

Àngels Navarro著『La vida secreta de los mocos』の表紙

鼻水の秘密の生活

La vida secreta de los mocos

マリオナ‧トロサ‧システレ

Mariona Tolosa Sisteré

Zahorí Books

みなさん、残念なお知らせです!鼻水は病気ではありません。鼻水が出ても学校に行けます。鼻水は、とくに寒い季節にわたしたちの中にすみ、喜んで学校へもついて来て、鼻にしがみついてどんな病気からも守ってくれます。鼻水はちょっと嫌かもしれませんが、わたしたちの健康にとっては重要な防衛装置です。じっさい、鼻水はスーパーヒーローなのです!

Pedro Mañas著『La vida secreta de Rebecca Paradice』の表紙

レベッカ‧パラディセの秘密の生活

La vida secreta de Rebecca Paradice

ペドロ‧マニャス

Pedro Mañas

Fundación Santa María - Ediciones SM

11歳の女の子、ウルスラの生活はちょっと複雑。何度も小学校をかわり、母さんはメトロポリタン美術館から絵を盗んで、逃亡生活を送っている……。ちがう……、そうじゃない。ウルスラはレベッカと名乗る11歳の女の子で、母さんを消してしまった魔法使いたちが大嫌い。それともレベッカは有名なスパイで、追跡をかわすためにウルスラと名乗っている? まあ、いずれにしても11歳で、箱のなかの5匹のミミズと、宇宙で迷子になったネコを飼っている。もしかしたら、ネコのことはほんとじゃない? でも、いつもいつもほんとのことしかいわない人なんて、いるのかな。

Pep Puig著『La vida sense la Sara Amat』の表紙

サラ‧アマットのいない生活

La vida sense la Sara Amat

ペップ‧プーチ

Pep Puig

Raval Ediciones S.L.U

今日誰がサラ・アマットのことを憶えているだろうか? ある夏の夜、行方不明となったとき、彼女は13歳かそこらだった。以後何もわかっていない。ただ、翌日タラサ新聞にニュースが出て、多くのうわさや憶測が飛びかっただけだった。だが、この物語の語り手である、サバテール家のペップは彼女のことをよく覚えている。というのも、彼の話によれば、サラはその夜、姿を消したのではない。彼の家に裏口から忍び込んだからだ。何日も潜んでいたわけではないが、時に、ある出来事の記憶が一生つきまとい、だれかに意味を与えることもある。何年も経ってから書かれたLa vida sense la Sara Amat (サラ・アマットのいない生活)は、忘れられない出来事、恋する従順な少年の夏の日々の告白だ。すでに子どもではなかったひとりの少女は差し迫った激しい逃避願望を、裏口からであれ満たしたいと望んだのだった。

Marc Artigau i Queralt著『La vigília』の表紙

徹夜

La vigília

マルク‧アルティガウ‧イ‧ケラルト

Marc Artigau i Queralt

Columna Edicions, S.A.U.

ライモンはラジオのために物語を書き、弟のブライと一緒に暮らしている。ブライは小さいころ森で起こった事故のせいで情緒不安定だ。今は作業所で働きながら質素な暮らしをしている。ある日ライモンは、いつも彼の物語をラジオで聞いているという年配の女性セリアから奇妙な依頼を受ける。彼女の回想録を書くために彼を雇いたいというのだ。「あなたの物語が私の人生をこんなにもうまく説明してくれるとは想像もしませんでした」。その女性は、自分の全人生を再現して書いてほしいと頼む。彼はこの依頼の裏にある理由を調べようとする。本作は、人間の最高の部分と最悪の部分を併せ持つ小説。それは、愛の無限の力、私たちの思い出の価値、過去を克服し歩もうと決めた人生についての物語。

Margarita del Mazo著『La visita』の表紙

た てくるのは

La visita

マルガリータ・デル・マソ

Margarita del Mazo

Ediciones Jaguar S.A.U.

家で一番小さな子の部屋に、夜ごとひとりの客が現れ、恐怖からか感動からか、その子を震え上がらせる。マルガリータの文とナタリア・コロンボのイラストが最後まで興味を持続させつつ、なんだかわからないもの、立ち向かわなくてはならないコントロールできない物や状況に対する子どもの恐怖心を描く。サスペンス調の楽しい語りは、子どもたちをひきつけずにはおかない。

Marisa López Soria著『La visita (Globito, los tremendos y las paplinias)』の表紙

お客さん(グロビート、トレメンド、パプリニア)

La visita (Globito, los tremendos y las paplinias)

マリサ‧ロペス‧ソリア

Marisa López Soria

Galimatazo Editorial

グロビートたちは、無邪気な思いつきで、ときに問題をひき起こしもするが、愛情深く、感じがよくやさしい魅力的な生き物だ。親切で気高いパプリニアたちは、グロビートたちを尊敬していて、トレメンドたちが叱ることで秩序を整えようとすると口をはさむ。ある午後、グロビートは友だちの家にホットチョコレートとチュロスを食べにいく。けれども、ひとりではなく、ライオンの赤ちゃんを腕に抱いていくことにした。そこで騒動になり……。不条理文学とフリオ・コルタサルと、クロノピオ、ファマ、エスペランサといった、コルタサル作品の有名な登場人物たちへのオマージュ。

Marca Serena著『La volta dels 25』の表紙

25で世界一周

La volta dels 25

マーク‧セレナ

Marc Serena

La Magrana (RBA Libros, S.A.)

中国の女性エコロジスト、ペルーの男性シャーマン、ニュージーランドのマオリ族女性、ロシアの女性宇宙飛行士の卵…。共通点は何だろう? 悩みは何だろう? どんな暮らしをしているのだろう? どんなふうに将来に立ち向かうのだろう? これはジャーナリスト、マルク・セレナが1年間にわたって世界一周をし、25か国の同年齢25歳の若者25人とともに暮らしながら問いかけた質問である。貧しい人、裕福な人、学歴がある人ない人、革新的な人保守的な人、仕事がある人ない人、大都会の人田舎の人など様々な環境にあるが、非常に現代的で驚くべき若者たち。新たな世界観を与えてくれる様々なニュアンスに満ちている若者たち。 出会いの成果が25章に分かれ、野心的な世代群像となった。心をこめ、わかりやすく、真摯で簡潔な言葉づかいで書かれている。

トリスタンの声

La voz de Tristán

ラウラ‧ロメロ‧フェルナンデス

Laura Romero Fernández

San Pablo Comunicación SSP

トリスタンが生まれた日はあまりにも騒がしかったので、彼の耳は塞がれ、声は隠されてしまった。この物語は、トリスタンが失われた声を探し、静けさの最も深いところでそれを見つける旅の記録だ。美しく描かれたシンプルなこの寓話は、子どもから大人までが、沈黙の価値や内なる声、人間とそれを囲むものとの親密な関係を見出すことを手助けしてくれる。

Vicente Muñoz Puelles著『La voz del árbol』の表紙

木の声

La voz del árbol

ビセンテ‧ムニョス‧プエリェス

Vicente Muñoz Puelles

Anaya Infantil y Juvenil (Grupo ANAYA)

ビルヒニアは家族と一緒に田舎で、動物や草木に囲まれて暮らしている。雌犬のライカ、カエルのレネー、フェレットのウーゴ、鳥のグリップと暮らすのは、兄弟といるのと同じように極自然なことだ。彼女にとって動物は家族同然だ。しかしその夏、ビルヒニアはとても不思議な出来事に出会う。木の上に作られた小さな家に、どこからともなく次々と本が現れるのだ。誰が置いていくのだろう? それはなぜ?

Ramón Besora著『Laberint Roig』の表紙

赤い迷路

Laberint Roig

赤い迷路

Ramón Besora

Barcanova Editorial

ラモン・ベソラは、長い道程を経て、この心あたたまる、みごとな詩集を書くに至った。本書は、言葉と、言葉から始まる詩的な遊びとの、長きにわたる恋愛関係の成果である。選びぬかれた最小限の言葉と韻文の中に、音、匂い、季節の色、遊び、オノマトペ、メタファーの利用、芸術の楽しみなど、人生のさまざまなニュアンスが凝縮されている。

Rocio Bonilla著『Laios, piranyes i altres històries』の表紙

おじいちゃんおばあちゃん、ピラニアとその他の物語

Laios, piranyes i altres històries

ロシオ‧ボニージャ

Rocio Bonilla

Edicions Bromera S.L.U.

ニコとロドリゴおじいちゃんは釣りに行ったり、いっしょに本を読んだり、芸術のことを話したり、サイクリングをしたり、算数の宿題をしたりする。もちろん、たくさんのピラニアに追いかけられてないときには、だ。何世代にもわたって私たちは、祖父母と愛情を伝え合い、共謀しながら、学び、楽しみ、わくわく胸をおどらせてきた。孫と祖父母の関係について、ユーモアとやさしさにあふれたまなざしを投げかける。

Gisela Baños著『Las aventuras de Thor』の表紙

トールの冒険

Las aventuras de Thor

ヒセラ‧バニョス

Gisela Baños

Shackleton Books

遠いアスガルドの王国に、北欧神話における最強の神々が住んでいた。中でもすぐれた武勲と残酷さと途方もない力で際立っていたのが雷の神トールだった。トールはその魔法のハンマーで、ヨトゥンヘイムの氷の頂きに住む悪辣な巨人たちの脅威から、神々や人間たちを守っていた。さあ、きみも9つの世界に入り、北欧神話の神々のうち、最も勇ましいトールの冒険を見つけよう。

トム‧ソーヤの冒険

Las aventuras de Tom Sawyer

アントニオ‧ロレンテ

Antonio Lorente

Editorial Luis Vives (Edelvives)

アントニオ・ロレンテがその肖像画の才能すべてをいかんなく発揮し、世界的な児童文学の中で最も有名な子どものキャラクターのひとり、トム・ソーヤのスピリットを描く。作者のマーク・トウェインはトムの冒険を通して、彼自身の人生に着想を得た、生き生きとした子ども時代の描写を実現。このハードカバー版は多数の挿絵が用いられ、内側はスクラップブック(写真アルバムの特別な技術)の美しさを模した丁寧な作りとなっている。物語の主人公は 1840年から1850年にかけて、ミシシッピー川沿いの架空の町セント・ピーターズバーグでポリーおばさんと義弟シド、いとこのメリーと暮らす規則知らずの少年トム。好奇心旺盛でいたずら好きな彼は、信じられないような冒険を繰り広げる。その中には危険を伴う冒険も……。友人のハックルベリーやジョー・ハーパーとともに、自分の葬儀に立ち会い、海賊、インディアン、盗賊になりきって遊ぶのだ。

サイバー1ームの冒険

Las aventuras del Equipo Ciber

ジャイサ‧ルビオ

Yaiza Rubio

Shackleton Books

世界の主要なサイバーセキュリティ専門家のひとりであるジャイサ・ルビオがこの本の主人公。子供たちにインターネットの安全な使い方を教える。この本でジャイサは、トラモンターナ学校でサイバーセキュリティを教える新任の先生だ。この学校の生徒サラ、マリア、アレックスとディエゴの4人は、各章でデジタル世界の脅威に直面。先生からアドバイスを受け、被害を未然に防ぐ方法を見つけていく。この本で子供たちが学ぶのは以下の通り。①ウィルス、トロイの木馬、マルウェア全般の対策。②個人情報の保護。③詐欺や甘い言葉に引っかからない方法。④安全にネットサーフィンする方法――。これはみんなが安全にインターネットを使えるようになるための本だ!

Nieves Muñoz著『Las batallas silenciadas』の表紙

沈黙の戦い

Las batallas silenciadas

ニエベス‧ムニョス

Nieves Muñoz

EDHASA - Editora y Distribuidora Hispano Americana

1916年、フランス・ヴェルダン。第一次世界大戦が勃発したとき、イレーヌ・キュリーは可能な限り前線に近づこうとした。多くの命を救うことに役立つことを信じ、彼女と母親のマリー・キュリーが考案したポータブル機器を使った放射線医学を野戦病院の外科医たちに伝えようと努める。バールルデュックの病院に滞在し、兵士、医師、同僚たちの尊敬を勝ち取るために闘いはじめた。ドイツ軍がヴェルダンを爆撃し、命を救うためのタイムトライアル・レースがスタートした。イレーヌは看護師ベルト、ボランティアのシャーリーと共に、この戦争の最も血みどろで長い闘いとなる地獄に立ち向かうことになる。彼女たち自身の生き残りのために闘うだけではない。ここに何らかの形で関わった全ての人たちの人生が私たちの目前に現れる。塹壕から、村々で、空中で、野戦病院で…。

Sergio Martín García著『Las bondades de un asesino』の表紙

ある殺人犯の親切心

Las bondades de un asesino

セルヒオ‧マルティン

Sergio Martín García

Drácena Ediciones

辛口でむさ苦しいパロディー、下品で時に不敬な言葉遣い、全てにおいて腹立たしい、イギリスの田舎町での出来事。そのどれを取っても、本書『Las bondades de un asesino(ある殺人犯の親切心)』はガイ・リッチーや ダニー・ボイルの素晴らしいコメディ映画を彷彿させる。しかしこの小説の結末には物悲しいパラドックスが隠されていて、それはスペインの良質のユーモアのなかにはなかなか根付かない流れだと言えば不興を買うかもしれない。だからこそ、本書は往年の雑誌「ラ・コドルニス」 世代の人々のユーモアに対する感覚を、もっとどぎつく雑然とした現在のものに置き換えるための一種の賭けなのだ。

Carmen Gil著『Las brujas trillizas』の表紙

三つ子の魔女

Las brujas trillizas

カルメン‧ヒル

Carmen Gil

Editorial CCS

いたずらやドジで魔法の学校で有名な三つ子の魔女、ブラウリアとブリヒダ、ブルニルダの、ぜったいに楽しい物語。三つ子は魔女の資格を取ったばかりで、実習をするために、大魔女にごく普通の人間の学校に送られる。3人は、オートマチックでエアバッグ標準装備、人間工学に基づくシートを備え、CDプレーヤーを内蔵したほうきに乗って、目的地に着く。そこで困っている女の子を助け、あれこれといたずらをたくらんで、わくわくする冒険をくり広げる。ユーモアいっぱいの大笑いを誘う物語が、自分と違っている人に対する友情や優しさ、尊重といった、人間として大切なことを伝える。

Lorenzo de Medici著『Las cartas robadas』の表紙

盗まれた手紙

Las cartas robadas

ロレンソ‧デ‧メディチ

Lorenzo de Medici

Agencia Literaria Albardonedo

1923年のパリ。秘密の手紙。消えた宝石。暗号で書かれたコード。女王と宮廷画家。2010年のイタリア、カモーリ。アメリカで歴史の教師をしているアン・カーリントンはスコペッタ教授と会う約束をしていた。だがスコペッタが亡くなったことを知り、困った状況に陥る。スコペッタは未発表のマリー・ド・メディシスの手紙を見せて、ある秘密を明かしてくれることになっていたのだ。この殺人の裏には誰がいるのだろうか? スコペッタの行っていた研究にはどんな重要なことが隠されているのだろうか? 果たしてアン・カーリントンは研究を続け、ルーベンスが王妃マリー・ド・メディシスとのやり取りに使っていた暗号を解読できるのか? ロレンソ・デ・メディチが自身の有名な祖先の秘話を語った小説。興味深い歴史の詳細や魅力的な登場人物が満載で読者を魅了する。

Mariana Enriquez著『Las cosas que perdimos en el fuego』の表紙

火の中でなくしたもの

Las cosas que perdimos en el fuego

マリアナ‧エンリケス

Mariana Enriquez

Casanovas & Lynch Literary Agency

マリアナ・エンリケスの世界は私たちの世界とは無縁のようだが、読み進めるうち最後は自分のものとなる。数行でもその世界に足を踏み入れ、空気を吸ったならば、生き生きとした感情表現のとりこになり、忘れられなくなる。細分化され悪夢となった日常に読者はうちのめされ、ストーリーやイメージに感情をかき乱され、それらが頭から決してはなれなくなる。例えば、「激越な女たち」と自称する集団は、ウイルスと化した重度の家庭内暴力に抗議する。爪をはぎ取り睫毛を引き抜いてしまう女生徒と、彼女を助けようとするクラスメイト。政府の独裁の暗い年月に中毒になり、死によって引き裂かれる3人の女友だち。ペティソ・オレフードという、たった9歳の連続殺人犯。引きこもり、黒魔術、嫉妬、失恋、田舎の迷信、廃屋など。

Josep Lluis Badal著『Las cosas que realmente han visto estos ojos inexistentes』の表紙

実在しないこの目が実際に見た事

Las cosas que realmente han visto estos ojos inexistentes

ジュゼップ‧リュイス‧バダル

Josep Lluis Badal

Editorial Rata

何もない果てしない夜。だけど心に呼びかける。天気の良い夕暮れ時、お父さんはシャツの袖を捲る。家の外で犬が吠え、楡の木々はそよぎ、洗濯場の蛇口から水滴が垂れる。兄さんが何かを叩く音がする。庭の作業場をひっかきまわしているんだ。お母さんは1階の店で午後の最初の客を待っている。家は労働と冷えた食べ物のにおいがする。土、トマト、藁の上のジャガイモ、誰もいない家のようなにおい。お父さんは洗い場の上にもたれて雲を眺める。その日の休息を取るように、仕事や病、人生に一息入れるように。近ごろでは人生なんてインチキだと思うと言い張るようになった。赤いひげに埋もれたほほが緩む。会いたいよ、お父さん。

Marisol Sales Giménez著『Las crónicas del ángel. La noche roja』の表紙

天使のクロFカ 赤い夜

Las crónicas del ángel. La noche roja

マリソル‧サレス‧ヒメネス

Marisol Sales Giménez

Bohodón Ediciones

自分に超能力があり、親友たちが不思議な才能を持ち、自分の最大の敵は悪魔だとわかったら、きみならどうする? それが僕に起きたことだ。中学で一番さえない男子だった僕が、地下世界で最も人気のある半天使になった。

César Mallorquí著『Las fabulosas aventuras del Profesor Furia y Mr. Cristal』の表紙

フリア教授とPスター‧クリスタルのすばらしい冒険

Las fabulosas aventuras del Profesor Furia y Mr. Cristal

セサル‧マジョルキ

César Mallorquí

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

この小説のあらすじを説明するのはやめておこう。多くの場所で目にするだろうから。ただ、これがキャシー、スティーブン、コーリー、ケリー、マシュー、ダン、ダニエル、レイチェル、イザイア、ジョン、ローレン、カイル、ウィリアムの思い出に捧げた本だということは言っておこう。そう、コロンバイン高校の恐怖の犠牲者たちだ。意味が分からなければ、調べてほしい。このテーマに興味があって、怖くなければ、読んでほしい。現実とはこういうもの、きみの学校でこんな事件が起きないのはただの偶然、あるいは幸運だと思うかもしれないし、こんなことはよその国の、よその街の、よその世界のできごとでしかないと思うかもしれない。他者の過ちを責めるかもしれないし、世の中には砲弾の餌食となって、何にもなれずに終わる人たちがいると思うかもしれない。あるいは、こんなことがもう二度と起きないように行動するかもしれない。せめて、これほど頻繁には。いずれにせよ、決めるのはきみだ。

José María Plaza著『Las historias de terror del libro rojo de David』の表紙

ダビッドの赤い本の怪談

Las historias de terror del libro rojo de David

ホセ‧マリア‧プラサ

José María Plaza

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

ダビッドは、ホセ・マリア・プラサの冒険ミステリーシリーズLos Sin Miedo(恐れを知らぬ者たち)の主人公である若者たちのひとり。祖父の家で見つけた古い手稿で読んだ怪談を、いつも(場違いなときでさえ)仲間たちに話している。幸い、いつも最後まで話すことができない。 本書は、この古い手稿からとってきた19の怪談からなる。場所を変えるタトゥー、だだっぴろい墓場のあるひっそりとした村、写っている人物の顔が毎日変わる生きていている写真、嫉妬から飼い主の友だちを殺してしまうネコ、時をこえた愛、血のしたたるピアノ、人を殺すMP3プレーヤーなど……謎にいつもこたえがあるとは限らない。

Antonio Orihuela著『Las increíbles aventuras de Gorzila en España』の表紙

ゴルシラのスペインでの大冒険

Las increíbles aventuras de Gorzila en España

アントニオ‧オリウエラ

Antonio Orihuela

El Desvelo Ediciones

⽇本⾵の怪獣ゴルシラが、仏教僧の純粋さと、無政府主義者の強さと、ふたつの脳より⼤きな⼼でスペインを旅する。寓話と社会的クロニクルの間で、オリウエラはこの主⼈公を冗談好きで⽪⾁屋のオルター・エゴ(別⼈格)として使う。この⼩説は他者と自己の境界を分けるアイデンティティについての考察であり、掟、シンボル、⽂化的価値観を⼀掃しようとする試みである。掟、シンボル、⽂化的価値観の中に深く根を下ろした社会は、帰属と集団⽣活のシステムに従わせるには好都合だが、同時に虚偽に満ちている。それこそが、⾃分たちの快適さにぬくぬくとし、憂鬱な⺠族主義に陥り、有刺鉄線を巡らせた壁の向こう側の世界を⾒ようとしなくなった今、ヨーロッパを再び魅了している最悪の社会的モンスターを形作っているものに他ならない。

Elena Medel著『Las maravillas』の表紙

素晴らしいこと

Las maravillas

エレナ‧メデル

Elena Medel

Pontas Copyright Agency

人生において家族やお金の重みとはどれほどのものだろうか?違う場所、時代に、違う身体で生まれてくれば、何か違っただろうか? この小説にはふたりの女性が登場する。ひとりはマリア。彼女は60年代後期にマドリードで働くためにそれまでの人生を捨てた。もうひとりの女性アリシアは、30年以上も後にマリアと同じ道を通る。『Las maravillas (素晴らしいこと)』はお金、そしてお金がないことにまつわる小説で、所持していないお金がどのようして人を定義づけていくのかを描く。また本書は、心遣い、責任、期待についての小説でもある。経済危機ではなく階級を原因とする乏しさや、何が人の素性や過去について教えてくれるのかに関しても述べている。大都会の外れで働くふたりの女性の声、そして身体を通して語った誠実で抒情的な本。

Sabina Urraca著『Las niñas prodigio』の表紙

天才少女たち

Las niñas prodigio

サビナ‧ウラカ

Sabina Urraca

Fulgencio Pimentel Editorial

Las niñas prodigio (天才少女たち)は、部分的にはアルコール中毒の中年男の執拗なアムール・フー(狂気の愛)にかき乱される自叙伝だが、数幕ものの演劇、ゴシック・ホラーの色合いを持った物語であるとも言える。しかし本書はとりわけ、ひとりの女性が不完全な現在からスタートして、あらゆる時代に戻るためのアイデンティティについての現代小説だ。

Ángela Rodicio著『Las novias de la Yihad』の表紙

ジハードの花嫁たち

Las novias de la Yihad

アンヘラ‧ロディシオ

Ángela Rodicio

Espasa Libros

ヨーロッパの中心にいる十代の若者や大学生は、実在の虚無を満たすために、きわめて現代的な思考と古い原理的な信念を併せ持っている。それは文化の土台をゆるがし、私たちを地獄の奥底へと落下させる。21世紀のネット社会を生きる理想主義の若者たちは、中世風の正義の味方を名乗る者のなかに白馬の王子がいることを期待している。だが、おとぎ話が語られる前に正義の味方は死んでいきかねない。メソポタミアの古い信仰の性の奴隷は、非人道的な屈辱を甘んじていた。30年にわたって中東を取材してきた著者は、聖書がこの世の楽園とした土地に住む人々にとって恐怖の悪夢と化した政治と戦略地政学のパズルを、金銀細工師のように組み立てていく。恐怖の千夜一夜物語最新バージョンだ。

Paloma Sánchez Ibarzábal著『Las palabras que se llevó el viento』の表紙

風が運びさった言葉

Las palabras que se llevó el viento

パロマ‧サンチェス‧イバルサーバル

Paloma Sánchez Ibarzábal

Narval editores

やんちゃな風とネコとウサギ。リエ(Rye)になった王様(Rey)。「やあ」と挨拶するかたつむり。泡の馬車で旅するクジラ。かごから逃げた鳥。風と話す少女……。旅から喜んで帰宅した父親が、「風が運びさった言葉」というお話を娘に手渡す。形態論、音節、意味、語形変化など、早くから言葉にふれること。現実の構築にあたっての言葉の重要性。話すことに関連した創作能力。言語運用能力を鍛える想像力。喜び、聞くこと、言葉を大切にすること、相互作用としての文学や詩の習得を促す本。

Montse Gisbert著『Las pequeñas (y grandes) emociones de la vida』の表紙

人生の小さい(大きい)気持ち

Las pequeñas (y grandes) emociones de la vida

モンツェ‧ギスベルト

Montse Gisbert

Feditrés empresa editorial S.L.

友だちと仲直りするときのハグの魔法にあなたは気づいてる? 顔が赤くなるのがわかって、隠れたくなったことはない? がっくりして腹が立って泣いたことは? 恐怖心、やさしさ、嫉妬、喜び……は、本書に出てくる気持ちの一部だ。快くないものもあれば、すばらしいものもあるが、いつでもそういういろんな気持ちが人生を、どこかわくわくする生きるに値するものにするのだ。

Sergio Vega著『Las piedras Chihaya 2. La nube rasgada』の表紙

チハヤの石 2:たなびく雲

Las piedras Chihaya 2. La nube rasgada

セルヒオ‧ベガ

Sergio Vega

Grupo Ramírez Cogollor, S.L.

日本の天皇は何としてでも、侍たちが祖先から奪い取った権力を取り戻そうと決心を固める。しかし蜂起を前に、北条家が都を攻撃する。都の外では天皇に忠実な地方の領主が京都の僧兵たちの砦に避難する。彼らの忠誠の誓いは包囲された人々の最後の希望であった。元寇の闘いが始まった。こうした出来事が聖なる島々を揺り動かす中、ひとりの田舎の少年がある禅僧に伴われて巡礼修行を始める。サーガ『チハヤの石』の第2部では、侍たちの残忍な戦いが繰り広げられるが、同時に日本最初の禅僧たち、忍者の隠密な行動や、因習に固められた社会の中での自由を求める闘いなどが描かれる。

手に負えない王女たち第1巻 不老の虫のな

Las princesas rebeldes nº1. El misterio de la virgulina inmortal

ロベルト‧サンティアゴ

Roberto Santiago

「ロベルト・サンティアゴのスーパーヒーローズ」は、前例のない長期出版プロジェクトで、『LOS ONCE(イレブン)』と『LAS PRINCESAS REBLEDES(手に負えない王女たち)』というふたつのシリーズで幕を開ける、複数のそれぞれ独立したシリーズを集めたサーガ。冒険や超能力、時事問題、ユーモアの素晴らしい組み合わせで、子どもたちを読書の虜にしてしまう。本書『LAS PRINCESAS REBLEDES(手に負えない王女たち)第1巻』のあらすじ: アルマは王位継承者の王女だが、儀礼や公式行事が大嫌い。でも11歳になった彼女は、初めて人前でスピーチをしたり、王室を代表して大きな行事に参加したり、そして……空を飛んだり、考えるだけで物を動かしたりできるようになったり、という大きなチャレンジをすることになる。アルマは、自分の中に信じられないような超能力があると知って驚き、やがて他の若い王位継承者たちとともに伝説となるグループを結成することになる。

Martín Berasategui著『Las recetas favoritas de Martín Berasategui』の表紙

マルティン‧ベラサテギのお気に入りレシピ

Las recetas favoritas de Martín Berasategui

マルティン・ベラサテギ

Martín Berasategui

Santillana Ediciones Generales, S.L.

マルティン・ベラセテギが提案する、簡単でおいしい150のお気に入りレシピ。 マルティン・ベラサテギと「エル・パイス‐アギラール」出版がふたたびタッグを組み、おいしいものに目のない読者に、最高においしい料理を紹介する。家庭料理を基本としているが、マルティン・ベラサテギが真摯に腕をふるってつくりあげた料理には、名人の味が加わる。 これらのレシピには、高度な技術も珍しい食材も必要ない。市場で手に入る食材があればOK。おいしいものを食べたい気持ちと料理を楽しむ心があれば、特別な技術がなくてもつくれるものばかり。

Belén Gaudes y Pablo Macías著『Las redes de Mercedes』の表紙

メルセデスのネットワーク

Las redes de Mercedes

ベレン・ガウデス と パブロ・マシアス

Belén Gaudes, Pablo Macías

Cuatro Tuercas, S.L.

メルセデスは、自分のプライバシーがないことに気づきました。街じゅうから見られていると感じています。ソーシャルメディアが自分の生活を語りつづけているのに、メルセデスにはどうすることもできません。家の人は日常を共有できることをとても喜んでいますが、それがメルセデスにどのような影響を与えるかには気づいていませんでした。これは、私たちがソーシャルメディアで何を、そしてどのように共有するかを再考するよう促す物語です。私たちは子どもたちの私生活を共有してはなりません。子どもにひどいいたずらをしたり、それを録画してアップロードしたりしてはいけません。子どもたちをインフルエンサーにしてはいけません。画像の拡散が制御不能になることで起こる現実のリスク(小児性愛、サイバーいじめ、AIのリスクなど)はもとより、ここではプライバシーの権利や肖像権といった基本的な権利について話しています。韻を踏んで書かれたこの絵本は「Ande yo valiente(勇敢に行きましょう)」シリーズの一冊。ステレオタイプ、不平等、性差別から解き放たれるこのシリーズの物語は、ユーモアと感動をもって、子どもたちは大人からの偏見なしに成長すべきであること、そして多くの場合、大人である私たちが彼らの「小さな」知恵から学ぶべきであることを思い出させてくれます。

Simón Elías Barasoain著『Las ventajas de ser antipático. Tribulaciones de un aventurero desnudo』の表紙

感じが悪い人間であることの利点。裸の冒険家の苦悩

Las ventajas de ser antipático. Tribulaciones de un aventurero desnudo.

シモン‧エリアス‧バラソアイン

Simón Elías Barasoain

Pepitas de Calabaza Editorial

4つの⼤陸(ロス・カメロスからリフ地⽅の⼭、コロラドのキャニオンからパキスタンの街かど、パリのスラム街からロンドンの⾦融街シティ、そしてジュネーブからフィンランドのアーネコスキーを通ってシャモニーまで)をまたにかけ、「正常」という基準によって屈服させられていない様々な⼈間が住む世界を巡って書かれた本書。刺激、グロテスクな状況、極東のエキゾチックな歴史、そしてまた、⾯⽩い戦いを超えたものを私たちに⾒せてくれる。Las ventajas de ser antipático(感じが悪い⼈間であることの利点)は、親密であると同時に露出的な作品だ。現代に渦巻く誹謗中傷を容認もしなければ、あらゆる局⾯で私たちを悩ませる習慣化した愚かしさに寛大でもない⽂章。本書のページは、⻭磨き粉のコマーシャルのような美しい笑顔を持つことに強い関⼼を⽰す世界にあって、感じ悪い⼈間でいることの⼤切さについて取り上げている。

Manuel Mira Candel著『Las zapatillas vietnamitas』の表紙

ベトナム製の運動靴

Las zapatillas vietnamitas

マヌエル・ミラ・カンデル

Manuel Mira Candel

Susana Alfonso Agencia Literaria

『アディオス・ノニーノ』の音符、オランダのウィレム王太子との結婚の際にマキシマが流した涙、招待客の写真の中に見つかったドイツの銀行家の娘で危険な活動家の姿。そして波乱のマラソンレースがスタートする。現在のヨーロッパに存在する外国人恐怖症と超国家主義の動きに着想を得て書かれた小説。主人公は警察から強力なネオナチ組織の計画を暴く依頼を受ける。その組織のリーダーたちもマラソンランナーで、主人公がアンデスで不慮の死を遂げたジャーナリストの妻から貰ったシューズと同じものを履いて競技に参加していた。病みつきになるカルトミステリーというだけではなく、しっかりした参考資料を基に、冒険活劇と歴史小説、サスペンスと紀行ものの素晴らしい部分を品よく、かつ巧みにまとめ上げている

Miquel Llor Forcada著『Laura a la ciutat dels sants』の表紙

聖人の街のラウラ

Laura a la ciutat dels sants

ミケル‧リョル=フォルカダ

Miquel Llor Forcada

Edicions 62, S.A.

Laura en la ciudad de los santos (聖人の街のラウラ)は、誰もが認める20世紀カタルーニャ文学の古典のひとつ。地方都市コマルキナルの裕福な家の跡取り息子との結婚によって自己実現をしようとする、世間ずれしていない魅力的な女性の物語。しかし、彼女はすぐに、欲得ずくの上品ぶった保守的社会の裏に隠れた偽善に気づく。ラウラはボヴァリー夫人と共通点が多いが、最終的に反抗するところが違っている。

Pilar López Ávila著『Lávate las manos, María』の表紙

マリア、手をあらって

Lávate las manos, María

ピラル‧ロペス=アビラ

Pilar López Ávila

Grupo Editorial Bruño

ブルーニョは1898年にその歩みを開始した。現在はヨーロッパ随一の出版企業集団と考えられているアシェットグループに属する。児童・YA文学では第一人者とされ、既刊本のなかには『アステリックス』や『トム・ゲイツ』のシリーズ、『星の王子さま』『もりでいちばんつよいのは?』、『Junie B. Jones(ジュニー・B・ジョーンズ) 』シリーズなど、世界的に有名なキャラクターの書籍が数多くある。

バイオリンの音が聞こえてくるよ!

Le violon joue!

ウリオル‧ガルシア=モルソザ

Oriol Garcia Molsosa

Combel Editorial / Editorial Casals, S.A.

触れて、見て、聞いて、そしてバイオリンが隠しているすべての謎を発見してください。この素晴らしい楽器はいつ発明されたのでしょうか?バイオリンであらゆる種類の音楽を演奏することができますか? 誰がバイオリンを作るのでしょうか?そして内部はどのようになっているのでしょうか?バイオリンの中には何があるのでしょうか?目を開けて耳を澄ましてください、バイオリンの音が聞こえてきます!

Gustavo Puerta Leisse著『Lecciones de cosas. Un universo de andar por casa』の表紙

モノのレッスン 家の中の宇宙

Lecciones de cosas. Un universo de andar por casa.

グスタボ・プエルタ=レイセ

Gustavo Puerta Leisse

Ediciones Modernas El Embudo

ボタン、サイコロ、フリスビー、ハエたたき、貯金箱…これらは普段、あまり気にも留めない日用品。でも注意深く観察すると、本当に魅力的であることがわかる。この本は、遊び、思索、創造への招待状。19世紀後半から20世紀初頭にかけて人気を博した教育ジャンル「モノのレッスン」から着想を得ており、情報書、アクティビティブック、哲学的考察、そしておかしなユーモアがページに織り交ぜられている。これは最後のページで終わるのではなく、むしろそこから子どもたちが書いたり、描いたり、考えたり、想像しはじめるきっかけとなる本だ。

小さな薪

Leña menuda

マルタ‧バリオ

Marta Barrio

Tusquets Editores

ある若い女性は、妊娠を確認し、喜びに満ちあふれている。赤ん坊のために家をどうアレンジするか、名前をどうするか、子どもとどんなふうに暮らそうかと、パートナーとともにあれこれと計画を立て始める。だがある朝、通勤途中で小さな事件が起きる。近道をしようと公園を通り抜けているとき、飼い主がとめきれなかった数匹の犬に襲われ、彼女は倒される。病院で胎児に影響はないことがわかるが、ひとりのベテラン医師が、事前に検知されるべきだったあやしい影がエコーに映っているのに気づく。堕胎という不可避のテーマを扱った衝撃作。才能豊かな若い女性作家が、さまざまな語りを巧みに駆使し、感傷に陥ることなく読者の心を動かし考察させ、特に若い世代の、現代スペインの社会状況を間接的に描きだす。

Lluís Calvo著『L'endemà de tot』の表紙

みんなの風土病

L'endemà de tot

リュイス‧カルボ

Lluís Calvo

Rayo Verde Editorial

全てがいつもの通りであるかのように暮らし、愛そうとする友だちグループの異常な日々を描いた作品。リュイス・カルボは、変わった愛の物語を書き上げた。その中で愛は、非常に特殊な叙事詩を求め、誰もの心の片隅に隠れている。しかしそれだけでなく、サバイバルも語られる。変化を、闇を、流行のバールやオブセッションを、どう生き延びていくのか。つまり日々を生き延びることについて語っている。

他人の言葉

Lengua ajena

フリア‧レンドン

Julia Rendón

De Conatus Editorial

カタルーニャ人の銀行員との間に娘をもつ若いエクアドル人女性。現状の壊れた社会に身を置きながら、第二次世界大戦時にナチスが占拠したウイーンから移民した家族を救い出す方法を探す。憎しみ、子育て、新しい人生の模索に縁どられたニューヨークの暮らしだが、毎日のように家族の記憶の映像がとめどなく彼女の心に飛び込んでくる。理性では自己防衛になるような思索を巡らせようとするが、若さゆえの衝動が性や恋愛、家族との経験を支配する。本作品はこの独創的な著者の小説家としてのデビュー作で、世界に名前を付ける必要性に駆られてこぼれ出るかのように生まれる圧倒的な言語力で綴る素晴らしい小説。

José A. Ramírez Lozano著『Lengua de gato』の表紙

ネコのことば

Lengua de gato

ホセ‧A‧ラミレス=ロサーノ

José A. Ramírez Lozano

Editorial Luis Vives (Edelvives)

東洋の古い伝説の語りにしたがって、秘密と影から成る独特の世界へと作者はいざなう。知恵をきわめようとするネコ、沈黙の王国を支配しようとするスルタン、絹の言葉で思いを表現する口のきけないじゅうたん織り。すべて迷路だらけの魔法の街イスタンブールで起こる。

痺れた舌

Lengua dormida

フランコ‧フェリックス

Franco Félix

Sexto Piso España

最終的には不運な結果を招いた事故に遭遇したアナ・マリアは、その後3年間エルモシーリョにある病院に入退院を繰り返していたが、そこで複数あった人生の最後のひとつを終えた。死亡後、秘密にしていた過去のライフヒストリーから彼女の最初の人生のひとつが垣間見えた。メキシコシティに住み、夫と4人の子供があったが、そのすべてを手放したというものだ。これは女のふたつの存在を結ぶ糸について語った小説であると同時に、喪失の記録、恋文、弔いの万華鏡、探求そして発見でもある。死がもたらす悲しみはまさに物語の不在を呼び起こすので、乗り越えるのが非常に難しい。『Lengua dormida(痺れた舌)』は孤児という境遇に対する反射行動によって、亡くなった母親を探し求める息子の心理的な旅を描いた小説。

Susana López Fernández著『Leo & Lía』の表紙

レオとリーア

Leo & Lía

スサナ‧ロペス‧フェルナンデス

Susana López Fernández

Excellence Editorial

レオは子どもライオン。もうすぐ妹が生まれるのでなんだか気持ちが落ち着かない。友だちもあまり助けにならない。だって妹が生まれたら、今まで持っていた特別待遇がいろいろなくなってしまうなんて言うんだ。妹には、ひげやしっぽを引っ張られたり、かけっこでは勝たせてやったりしなければならないだろう。だって、赤ちゃんが泣くと大人たちはすごく悲しむから。それに、大人たちに怒られたくなければ、赤ちゃんをぜったい泣かせちゃいけない。でも、いちばんイヤなのは、ジャングルの王の王冠を取られることなんだ。それだけは絶対イヤだ。けれど、妹が生まれてみると、お母さんがしているのは、自分が赤ちゃんのときにしてくれたのと同じことだと気がついた。それに、妹が女王のように感じられるよう王冠をゆずってやることは、王になるのをあきらめることではない。新しい家族を迎えるとき、王座を下ろされるように感じるのはよくあることなんだ。

Álvaro García Hernádez著『León Kamikaze』の表紙

カミカゼ‧ライオン

León Kamikaze

アルバロ‧ガルシア=エルナンデス

Álvaro García Hernández

Fundación Santa María - Ediciones SM

オレはライオン、カミカゼ・ライオンだ。家族は持ったことがない。友だちもいない。1度だけ恋をした……。オレは3回生きた。1回め、世界に拒まれた。2回め、皆に嫌われた。3回め、まだ自分が何者かわからない。オレはライオン、カミカゼ・ライオンだ、これがオレがこれまでたどってきた道だ。

Elena Poniatowska著『Leonora』の表紙

レオノーラ‧キャリントン

Leonora

エレナ‧ポニアトウスカ

Elena Poniatowska

Guillermo Schavelzon & Asoc. Agencia Literaria

レオノーラ・キャリントンは、繊維業界大物の相続人として、裕福で何不自由なく育つ運命の星のもとに生まれた。しかし、小さい頃から自分は他の子とは違うと彼女にはわかっていた。他人には見えないものが見える能力が、彼女を特別な存在にした。個人的にも芸術的にも自由な女性でいる権利を勝ちとるために、社会のしきたりや両親や教師に立ち向かい、宗教や思想のくびきを断ち切っていく。今日では伝説となった、シュールレアリズムの大女流画家レオノーラ・キャリントンの魅力あふれる人生が、私たちの夢を膨らませる。 エレナ・ポニアトウスカが、非凡な女性の生涯を描くのはこれが初めてではない。レオノーラ・キャリントンのとてつもない人生は、著者のペンにより、情熱的な冒険、自由の叫び、20世紀前半の歴史的前衛への優雅なアプローチとなっている。

Susana Aliano Casales著『Leru leru』の表紙

レル‧レル

Leru leru

スサナ‧アリアノ‧カサレス

Susana Aliano Casales

¡Más pimienta!

ペドロは男の子だけれど、女の子に見えます。反対に、きょうだいのバレリアは女の子だけど男の子みたいです。学校でふたりはとってもヘンテコな存在です。テーマは学校でのいじめ、性別、学校、家族、変容、容認、共感。

イシスの翼

Les ales d'Isis

マルタ‧コロメ‧ロメラ

Marta Colomé Romera

Barcanova Editorial

この物語は、神秘性、すばらしい建築物、そして何よりもその神話の複雑さで幼い頃から著者を魅了してきた国、エジプトで主に展開される。著者は文学史における女性の不可視性に懸念をもっており、そのことはこの小説の中でも横断的に扱われている。内向的なアダ・キタブは、ロビン、サンとともに、「書籍探索隊」を構成する勇敢な司書。彼女たちは、盗まれ、闇市で売られている貴重な資料を回収することに従事している。そんな彼女たちに、古代エジプト史上最も重要な発見物である「イシスの翼」の回収という、かつてない重要な案件が任されることになった。カイロでの冒険には、3千年前に生まれたエジプトの王子も同行する。

Lluís Llach著『Les dones de la Principal』の表紙

プリンシパル家の女た

Les dones de la Principal

リュイス‧リャック

Lluís Llach

GRUP 62, S.L.U.

マリア・ロデリック(お婆さま)、マリア・マジー(奥様)とマリア・コスタは約1世紀の間プリンシパル家を取り仕切ってきた。プリンシパル家はアバディアのブドウの産地の中心にあるポウス村最大の旧家だ。祖母、母と娘の3人が一連の変革を行ってビジネスを確立し、周辺のブドウ園を繁栄させてきた。しかしプリンシパル家の歴史には闇がある。1936年7月18日に元親方が殺されたのだ。内戦の後、ある警部がこの事件を解決しようと捜査を始めると、一族の秘密と、気質と情熱と権力という節で結ばれた網が浮かびあがってくる。

Llucia Ramis著『Les possessions』の表紙

憑依

Les possessions

リュシア‧ラミス

Llucia Ramis

MB Agencia Literaria

これは幽霊の話だ。帰還に始まり、咆哮とともに終わる⼩説。Les possesions (憑依)の語り⼿は、バルセロナからパルマに旅し、⽗親の偏執的な陰謀のスパイラルにブレーキをかけようとする。⽗親は退職と同時に穏やかな学校教師から⼀転、都市犯罪疑惑に対して法廷闘争を始めた。居⼼地の悪い週末、突然見知らぬ人間へと変貌した⽗親との会話、何事もないかのように振る舞う⺟親、そして古い恋⼈でよき助⾔者だった男。これらの出会いが古い傷を再び開き、主人公の記憶は忌まわしい家族の歴史、1993年にマドリードで起きた不吉な事件のただなかへと舞い戻る。その事件とは、祖⽗の元共同経営者ベニト・バスコンセロスが増額投資法に関わって破産に瀕し、妻と息⼦を殺した後⾃殺したというものだ。

Silvestre Vilaplana Barnés著『Lʼestany de foc』の表紙

火の池

Lʼestany de foc

シルベストレ‧ビラプラナ

Silvestre Vilaplana Barnés

Edicions Bromera S.L.U.

知識のベールの下に神の言葉に背く迷信や異端を隠している、極めて危険な本というのがあるものだ。中でも特に邪悪とされたな1冊の本がある。数人の男たちがこっそり保管していたこの本を、異端審問所が血眼になって探すようになり、15世紀末、著作物とその所有者をめぐるものとしては歴史上最大規模の追跡が引き起こされた。この特別な本を守る男たちは、不運にもこの最後の1冊と運命を共にする。神が聖書に残さなかったものをすべて焼き尽くさんとする火の池から救いださなければならない本。史実とまったくの虚構をないまぜにしつつ、巧みな語り口で読者をぐいぐいひきこむ作品。

Irene Vasco著『Letras al carbón』の表紙

カーMン紙の文字

Letras al carbón

イレネ‧バスコ

Irene Vasco

Editorial Juventud

パレンケ村では、ほとんどだれも字を読めない。店の主人のべランディアさんは、字が読める数少ない人のひとりだ。ヒナは手紙をうけとりはじめたとき、ラブレターだと思っていたが、弟はその謎めいた手紙を読んでみたくて字をおぼえようと決心する。コロンビアでよく知られた作家イレーネ・バスコによる、コロンビアの小さな村から届いた、心あたたまる識字のお話。

Asunción Carracedo著『Leyenda de un beso』の表紙

キスの伝説

Leyenda de un beso

アスンシオン‧カラセド=ゴメス

Asunción Carracedo Gómez

Amigos de Papel

人の内部にある言葉や声と同じだけお話は存在し、自然のなかで生まれる色や音と同じだけの詩がある。それなら、お話のなかに詩が入りこんだらどうなるだろう。その瞬間に伝説がとびだす。この絵本の中できみも物語を見つけよう。抒情性と魔法がすべてをつつみ、イラストレーション一点一点に体現されたデリケートでやさしい雰囲気のなかに、感動につながるリズムと、体をゆすぶる音楽性がある物語を。始まりから終わりまで魔法があり、詩の鼓動とお話(この物語のふたりの主人公)が、手をとりあって私たちの心や感情をかけめぐる。世界を動かす原動力である愛を語った本。愛を形にしたキスは、単に唇をあわせることではなく、そこから伝説がしるされる限りない抱擁だ。

Xosé Ramón Mariño de Santiago著『Leyendas y milagros del Camino de Santiago』の表紙

サンティアゴ巡礼の道の伝説と奇跡

Leyendas y milagros del Camino de Santiago

Xosé Ramón Mariño Ferro

Ellago Ediciones

周知のとおり、中世においてサンティアゴの道は様々な国から大勢の人々が途切れなく集まり、一大文化交流の場となった。この道を行きかったのは様々なものの見方、知識、歌、音楽、芸術様式、芸術作品、そして言い伝え。特に、当然のことながら、ヤコブの人生とその死、行った奇跡についての伝説である

David Peña Puño著『L'homme』の表紙

L'homme

ダビッド‧ペーニャ=プーニョ

David Peña Puño

Cream Ebooks

このサイレンスコミックはアングレーム「24時間漫画コンテスト」で制作したもの。コンテストの規則は、美術館が舞台であり24ページで24時間以内で仕上げられた作品であること。 僕はたしか19時間で仕上げました。

Joan Todó著『L'horitzó primer』の表紙

最初の地平線

L'horitzó primer

ジョアン‧トドー

Joan Todó

L'Avenç, S.L.

経済危機で窮地に追い込まれた35歳の作家が、都会を離れ、カタルーニャ南部の小さな村の実家に戻る。そこで自分の故郷を新たに発見をしつつ、自分がそこの人間であるが異邦人でもあることに気づく。地元の祭りのオープニングのスピーチを頼まれ、そこの景観や歴史と自分との関係をどのように語ればよいのかと考えこむ。タバコを吸いながら歩き、田舎と正反対の都会の生活について、ルーツの重みについて、名誉のアイロニーについて思いめぐらす。彼にとってこのような名誉など実のところ、失敗の証明にほかならないのだ。

Pilar Romera著『Li deien Lola』の表紙

彼女はローラと呼ばれていた

Li deien Lola

ピラール‧ロメラ‧アギラ

Pilar Romera Aguilà

Columna Edicions, S.A.U.

1930年4月、リベル・デブラのエブロ川の河原で、ローラと呼ばれていたドロルスの遺体が発見された。彼女の最後の恋人であるボアダと、村の医師ラムセスはこの事件の捜査に乗り出し、ローラの人生をたどり始める。エブロの川辺での貧しかった幼年期、そして村を出て19世紀末の近代化しつつあるバルセロナへ。貧しいソモロストロ地区からリセオの豪華なサロンに至るまで、ひとりで身を立ててきた女性の人生のさまざまなシーンを彼らはつなぎあわせていくが、彼女は30年間隠し通してきた恐ろしい秘密を持っていた。

Sandra Aza著『Libelo de Sangre』の表紙

血の中傷

Libelo de Sangre

サンドラ‧アサ

Sandra Aza

Nova Casa Editorial

1620年冬のマドリード。町の公証役場の有名な書記官セバスティアン・カストロとマルガリータ・カルバハル夫妻の幸せは揺らいでいた。血の中傷の有力な容疑者として捕らえられたのだ。血の中傷とは血を集めるためにカトリック教徒の子どもたちを生贄にした咎でユダヤ人を告訴することで、管轄は異端審問所だった。火刑の脅威が迫る中、13歳の息子アロンソは両親を助ける方法を必死になって探し始めるが、その決意は快適な生活に別れを告げ、人生の苦渋を味わうことを意味していた。それでも逆境の闇に3つの灯りがともる。それは友情、希望と夢だった。

Nicolás Aretxaederra著『Libro bot』の表紙

ボットの本

Libro bot

2008年コロンビアのハベリアナ教皇庁立大学の芸術学部を卒業し、同年マドリード‧ヨーロッパ大学の展示企画士コースをおさめる。2016年に出版社、コエテ社を創業

Nicolás Aretxaederra

Editorial Cohete

サイバネティックの世界をめぐる、楽しく教育的な旅の本。ロボットやすばらしい景色の魅力あふれる世界が、子どもたちに想像の翼を広げさせる。インタラクティブな作りで、ダイナミックにどこからでも読める。「すばらしい機能を持つ、何百万ものロボットがある。小さなもの、中くらいのものもあれば、太陽も隠してしまうほど大きくて、何キロも先から見えるものもある。ロボットに何ができると思う? ロボットのガイド、ロンポットが、無数の自動人形や機械や奇跡に満ちたこの世界で待ち受ける謎を教えてくれる」

獣の本

Libro de las bestias

ペップ‧ブロカル

Pep Brocal

Bang ediciones

こんなにたくさんの動物たちが集まってここで何しているのだろう? 王様選び! 状況からみて、最後に王座につくのはどう見てもライオンのようだが、雌ギツネは陰で権力を操るためにあらゆる策略を巡らすだろう。すべてを支配する快感に浸りたい、その昔からの願望に突き動かされ、主人公(雌ギツネ)は、だまし、嘘、ずる賢さ、巧みな話術を駆使して陰謀を企てる。しかし、この作品は本当は動物の話ではない。動物は登場するが、人間の本性の暗い面を描いている。ラモン・リュイの『El Libro de las bestias(獣の本)』には、群像寓話の衣の影に、権力闘争における人々の行動に関する皮肉がこもっている。権力闘争においては、嫉妬、野心、残酷から悪が生まれる。

Unai González Martínez著『Libro de las formas geométricas』の表紙

幾何学の形の本

Libro de las formas geométricas

ウナイ‧ゴンサレス‧マルティネス

Unai González Martínez

Editorial Cohete

見て読むための、刺激的な本。日常的なものの発見と自然と創造性に、5つの重要な幾何学の形の間の類似性をミックスする。最後には、作者と同様、独自の幾何学的な形を作り出して遊べる。

無限の本たち 太陽系のはなし

Libros infinitos. El Sistema Solar

フアン‧アスピリクエタ

Juan Azpilicueta

Larousse Editorial

ページを動かしたり折ったりすると次々にイラストや文章が現れ、「無限の本」へと変わっていくという、機知に富んだ驚くべき仕組みの本。フアン・アスピリクエタのデザインにより、読者はページを様々な方法で見て、読むことができる。遊びが詰まった、尽きることのない読書体験だ。初めて本を読む年齢の子どもたち向けにグラフィックが工夫された『Libros infinitos. El Sistema solar(無限の本たち:太陽系のはなし)』は、単なる本にとどまらない。想像力を刺激し、太陽系や惑星、地球、月、星座についての知識を広げると同時に、操作できることで細かな運動機能が強化され、視覚理解や読解力の発達が促される。

成長するための本:アクティビティノート

Libros para crecer - Cuaderno de actividades

Ediciones Daly

文字や数字の練習をするために、書いたり消したりできる魔法のアクティビティノート。読み書きを一番楽しい形で子どもたちに始めさせたい親や先生には理想的な本。読み書きは、できるだけ早く始めるべき基本的なプロセスのひとつであり、子どもたちがコミュニケーションに最も重要なふたつのスキルである「読み」と「書き」を身につけるためには、サポートする材料を持つことが不可欠。本書には細かな運動機能を刺激し、スペイン語のアルファベット27文字と1から10までの数字の書き方を教える練習問題が収録されている。 子どもが書いたり消したりできるマジックマーカー付きなので、文字や数字を自在に描けるようになるまで、何度でも練習できる。

Anna Tortajada著『Lili i Marlene』の表紙

リリとマルレーン

Lili i Marlene

アナ‧トルタハダ=ウリオルス

Anna Tortajada Orriols

Columna Edicions, S.A.U.

恋人同士の波乱万丈な物語。真実の愛が手に入らないとき妖精はどうなるだろうか? リリは妖精を信じている、マルレーンは信じていない。マルレーンは慎重、リリはクレイジー。読者はこの双子のおかげで、ベルリン出身のcatalan教師である母親と、「ママの新しい恋人」の間のどきどきの恋の行方を目の当たりにできる。舞台はバルセロナ。ベルリンを出たときは小学生になったばかりだった双子のまなざしは、裁くことなく、母親と恋人の弱点や欠点、素晴らしさや喜びをとらえていく。しかしまた、夢がかなうかもしれないという幻想に目がくらんで、限りをしらず全てを賭けてしまう関係にひそむさもしさも浮き彫りにする。そこには犠牲者も死刑執行人もいない。「あなたが好きと分かってもらうために、これ以上何をあげればいいというの?」

L'illa

エウダルド‧パルマ

Eudald Palma

Obrador Editorial, S.L.

本書は絆を築くことや、共感、共有、発見、尊重、学びについて語る旅。経験でわかっていることを信頼し、自分と違うように見えるものは何でも知りたいと思わせてくれる本だ。主人公は、天気がしばしば悪くなることがあっても自分の島を気に入っていて、必要なものは全部ここあると思っているが、孤独を感じる日もだんだんと増えていく。だから、自分の島のような島を探しに出かけ、そしてみつけるのだが、そこには違うものもあって……。

リキッド‧メモリーズ~水の殺人犯

Liquid Memories. El asesino del agua

フィデル‧デ‧トバール

Fidel de Tovar

Norma Editorial, S.A.

もし君が殺人犯でそれを知らないとしたら? ある連続殺人事件によってロンドン市民は不安に襲われる。この一連の殺人事件を結びつける不穏なもの、それは「水」である。コルト警部はこれらの凶悪殺人事件を解決し、その背後にある謎を解き明かすことができるのだろうか? もしかしたら水の殺人犯は、私たちが認めたくないくらい、近くにいるかもしれない。もし君が殺人犯で、それを知らないとしたら?

Alexandre Peñalver i Cabré著『Litigación climática. El papel de la ciudadanía y los jueces』の表紙

気候訴訟:市民と裁判官の役割

Litigación climática. El papel de la ciudadanía y los jueces.

アレクサンドル・ペニャルベル・イ・カブレ

Alexandre Peñalver i Cabré

Edicions de la Universitat de Barcelona

気候訴訟は世界中で著しい増加を見せ、気候危機に対処するための市民と裁判官の重要な手段となっています。これらは、主に温室効果ガスの削減、地球温暖化への適応の強化、そして人権の尊重を達成するために、国家や企業に構造的変革を要求する戦略的訴訟です。国際裁判所や他国の判決が影響を及ぼすことにより、各国の訴訟上の自律性に完全に影響を与える法的グローバル化の現象に直面しており、同時に、立法府、行政府、司法府の関係において新たな視点を提示しています。多様な分野と出身の専門家によって書かれた本書は、気候訴訟の最も重要な特徴を検証し、気候変動と闘うためのこの司法アクセス手段を広める目的で、最も注目すべき事例を記述しています。

私を家に連れていって

Llévame a casa

ヘスース‧カラスコ‧ハラミージョ

Jesús Carrasco Jaramillo

Editorial Planeta, S.A.U.

祖国から遠く離れ、独立して暮らすフアンは、父の死により生まれ故郷の寒村にやむをえず戻る。葬儀が終われば一刻も早くエジンバラに帰る予定だったが、姉妹から聞いた知らせにより、計画は永久に変更させられる。逃げようと決めたその場所に、期せずしてとどまり、母親の介護をすることになるが、母親はほとんど見ず知らずの人間であり、共通するのは家族で乗っていた古いルノー4だけだった。「人間がひきうける責任のうち、子を持つことは最大で、最も決定的なものだろう。誰かに命を与え、無事に生かしていくことは、人間のすべての人格を巻き込む。だが、人の子であることの責任については、めったに語られない。『私を家に連れていって』は、子の責任と、その責任を引き受けるのがどういうことかを扱った小説だ」ヘスス・カラスコ。

Francisco Álvarez著『Lluvia de agosto』の表紙

8月の雨

Lluvia de agosto

フランシスコ‧アルバレス

Francisco Álvarez

Hoja de lata editorial, S.L.

1936年11月20日、ひとりの男が死に、ひとつの伝説が生まれた。男の名はブエナベントゥーラ・ドゥルティ。修理工にしてアナーキストのピストル強盗、そしてバルセロナの反ファシスト義勇兵。50年後、フランス人ジャーナリスト、リベルタード・カサルはドゥルティの死にまつわる謎を明らかにしようと決意する。ドゥルティのスペインでの初めてのすさまじい銀行強盗、ラテンアメリカ諸国への密入国、フランスへの国外追放、そしてカタルーニャの軍事クーデターを阻止した後サラゴサに向かうドゥルティ部隊など、読者は彼の足跡の証人となっていく。この調査により、カサル自身も自分の人生の亡霊と向き合わされることとなる。著者は綿密に検証した史実を踏まえて、時代の雰囲気を見事に再現し、8月の小ぬか雨の下、あまりにも短い夏を生きた無政府主義革命の偶像に再び息を吹き込んだ。

チベットに降る赤い雨

Lluvia roja sobre el Tibet

フアン‧アルクディア

Juan Alcudia

Maldragon Editorial, S.L.

人を殺すことがあなたの仕事であるとき、狂気はよくない旅の道連れだ。あるプロの殺し屋が、数年間属していた組織を離れる。彼は遠くまで逃げ、円形の塀に囲まれた宿屋〈真夜中の中心〉に身を隠す。その宿には、6人の客が泊まっている。逃亡中の殺し屋は、自分を殺すために組織が人を送り出したという考えにとらわれ、その宿にその手先が泊まり、自分の命を奪うタイミングをうかがっていると思いこんでいる。

Raúl Nieto Guridi著『Lo difícil』の表紙

むずかしいこと

Lo difícil

ラウル‧ニエト‧グリディ

Raúl Nieto Guridi

Publicaciones Ilustradas TTT

「家の外に出ると、ぼくには何もかもがむずかしくなる。むずむずした感じがやまなくて、一歩一歩が容易ではない」。人とコミュニケーションをとることは、見かけほど簡単ではなく、それには我慢強さや努力や勇気が必要だ。この本の主人公はそんな問題をかかえていて、パン屋のおじさんや、近所のアナさんやアントニアさんにあいさつしたいのに、しようとすると胸がドキドキして、手が汗ばんで、ほほえみしか出てこなくなる。

Iñaki Martínez著『Lo que dejan ver las sombras』の表紙

影が見せるもの

Lo que dejan ver las sombras

イニャキ・マルティネス

Iñaki Martínez

ALT autores Editorial

舞台は、権力が危うい均衡を保つ都会の町。1953年、CIAのアナリストは病院で生死の境をさまよっていた。その間、彼の上司は誰が彼を撃ったのかを突き止めようとしていた。時は刻々と過ぎ、暗殺者は再び誰かを標的にするかもしれない。独裁者バティスタ、ハバナに滞在するニューヨークのマフィア、反体制派の反逆者たちが、それぞれの思惑で暗躍する。 古典的なスパイ小説の味わいの筋立て。合法とは限らない利益のために動く様々な登場人物たち。 これほど魅力的で危険なハバナは、いまだかつてなかった。

Eloy Moreno著『 Lo que encontré bajo el sofá』の表紙

私がソファの下で見つけたもの

Lo que encontré bajo el sofá

エロイ‧モレノ

Eloy Moreno

Espasa Libros

アリシアは若い代用教員。とある学校で2か月間だけ教鞭をとるため、3歳の娘を連れてトレドに引っ越すことになる。生まれ故郷に夫を残し、まずまず幸せと言える安定した生活を後にして。トレドでは叔母ラウラの家に居候するが、叔母は家族以外には決して口外できないたいへんな秘密を隠している。ある日、アリシアは、クラスメートからいじめを受けている女の子マルタと出会う。その時からもう決して後戻りできなくなってしまう。トレド市警の警察官マルコスと知り合い、彼女の常識は全て覆される。そして彼と、情熱的でロマンティックであると同時に絶望的で不安に満ちた関係に引きずり込まれていく。

Lucía Mallén著『Lo que esconde el mar』の表紙

海が隠している%の

Lo que esconde el mar

ルシア‧マリェン(ペンネーム)

Lucía Mallén (pseudónimo)

Roca Editorial

ナディアは夫マルコスとともに購入した家「サ・マレア」の改装工事の進み具合を確認しにイビサに向かう。夫婦は最近しっくりいっていない。子供ができないことを、最初のうちふたりは問題にしていなかったが、今ではそのことをちょくちょく考えてしまう。だからナディアにとって購入した家のリフォームは、ふたりが必要としている平穏を見つけるためのきっかけだった。だがマルコスの気のなさが、ナディアを落ち込ませ、この家の元の持ち主、バレリオ・モンタルバン博士へ興味をそそられる。水中の考古学調査の日誌を通して、博士は何か重要なものを見つけていたかもしれない、そしてその死は事故ではなかった可能性がある、とナディアは推理する。ミステリーとアクション満載の物語。

Pablo de Aguilar著『Lo que está por venir』の表紙

これから起こること

Lo que está por venir

パブロ‧デ‧アギラル

Pablo de Aguilar

Ediciones del Serbal

1936年冬。スペイン第二共和政に対して蜂起した反乱軍は、マドリードの街を爆撃した。共和党政府はそれを受け、プラド美術館から最も貴重な絵画を避難させることにする。それは非常に面倒で複雑なミッションだった。その危険な冒険に、この小説の主人公フィデルとリサンドロはまきこまれる。ふたりは、マドリードの大きな金物屋の倉庫で働く同僚で、共通の趣味である絵画に暇な時間のほとんどを費やしていた。戦争のなりゆきで、ふたりは同じ陣営内だが別々の派閥に分かれてしまう。Lo que está por venir (これから起こること)は、友情と裏切りの、そして純粋な心と奪われた愛の物語。計画も夢もかすませる、混沌とした暴力的現実にのみこまれていく主人公たちの物語。

潮が隠すもの

Lo que la marea esconde

マリア‧オルーニャ

María Oruña

Editorial Planeta, S.A.U.

サンタンデール湾クラブの会長で、市の有力者のひとりである女性実業家フディス・ポンボが、豪華スクーナーの船室で死体となって見つかった。彼女はテニス界の選ばれた数名の招待客とともに、日暮れどきにクルーズに出ていた。前世紀初頭の密室犯罪の小説を思わせる犯行。船室は内側から鍵がかけられ、遺体に残された奇妙な傷も、犯行の謎めいた方法も説明がつかない。またパーティーのすべての招待客には、彼女の命を奪う動機があるようだった。犯行を犯すにせよ逃げるにせよ、誰も船に乗り込むことも、船からおりることもできない。誰が殺したのか。どうやって? なぜ? マリア・オルーニャの意欲作、癖になるエレガントなスリラー。

Elvira Lindo著『Lo que me queda por vivir』の表紙

生きるために私に残っているもの

Lo que me queda por vivir

エルビラ‧リンド

Elvira Lindo

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

アントニア26歳。もの皆変わっていく80年代マドリードで、4歳の男の子とふたりきりだった。若く未熟で子どもを抱えながら生きていた女性の、内面の軌跡の物語。大都会で、確としているよりも渾沌とした時代の中で、喪失と孤独を経験するにはあまりに早すぎた人間が、自分自身の場を確立しようとする。

Kirmen Uribe著『Lo que mueve el mundo』の表紙

世界を動かすもの

Lo que mueve el mundo

キルメン‧ウリベ

Kirmen Uribe

Editorial Seix Barral

1937年5月、ゲルニカの爆撃後、何千というバスク人の子どもたちが戦争の残虐さを逃れ、亡命地に向かってサントゥルセの港から出発した。その中のひとり、8歳の少女カルメンは、ベルギーに住む、ロルカの翻訳家でもある作家の家に身を寄せることになった。カルメンは祖国から引き離され、その作家の家族のもとで育つ。第二次世界大戦が終結した日、養父が亡くなり、フランコ体制下のスペインに戻ったカルメンは、生まれた家で新たな生活を始める。キルメン・ウリベが豊かな感性と優しさ、語りの才で綴る、親と子の、そして親と夫婦の物語であり、友情の、そして何よりも亡命の物語。

Cristina Fernández Cubas 著『Lo que no se ve』の表紙

見えないもの

Lo que no se ve

クリスティーナ・フェルナンデス=クバス

Cristina Fernández Cubas

Casanovas & Lynch Literary Agency

すでに老境に入った二人の姉妹が、青春時代のお気に入りの映画を演じて遊ぶ。二人のティーンエイジャーが終業式の日に、これまでとは異なる視線で生々しく互いを発見する。ある女性が、彼女の人生を永遠に変えたパーティーを回想する。イタリアのある都市で、ひとりの男が大聖堂の建設現場に入り込み、予期せぬ結果をもたらす指令を受ける。巧みな心理描写と日常の微妙な混乱を用いて、説明不可能なもの、震撼とさせるもの、語られないもの、予期せぬ形で私たちを変え、決して忘れられなくなるものを浮き彫りにした短編集。

わたしたちのユニークなところ

Lo que nos hace únicos

ベレン‧リョレンテ

Belén Llorente

Norma Editorial, S.A.

あらゆる身体を可視化し、ありのままの自分を愛することの大切さを訴える絵本。ディナの肌の色はクラスの他の子どもたちと違っていて、ルイスは時々どもってしまい、シロは車いすを使い、アランはナラと呼ばれたがっている……でも、そんなことで彼らが歩みを止めることはない。彼らは、世界を汚染から救いたい、旅行したい、楽器を演奏したい、写真家になりたい、本をたくさん読みたいのだ。みんな特別で、自分をユニークな存在にする何かを持っている。

Paloma Díaz Mas著『Lo que olvidamos』の表紙

私たちが忘れさったこと

Lo que olvidamos

パロマ‧ディアス=マス

Paloma Díaz-Mas

Editorial Anagrama

繊細で注意深いまなざしと気取りのない感情を持つパロマ・ディアスは、ふたつの物語の交差点に立ち、物や物語や思い出となって追いかけてくるふたつの過去(家族と集団の、政治と個人の)を探っていく。記憶の衰退という辛い現実を前に、本書『私たちが忘れさったもの』は、記憶を回復し、再評価、再現しようとする堅い意志を、エネルギッシュで才能豊かに、確かな筆致で示して見せる。内面をこまやかに描いた、読者をひきつけてやまない誠実な作品。

Juan Gómez Jurado著『Loba negra』の表紙

黒い狼

Loba negra

フアン‧ゴメス‧フラド

Juan Gómez Jurado

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

アントニア・スコットは何をも恐れない。恐れているのは自分自身だけ。しかし、そんな彼女よりも危険な人物が現れる。彼女を打ち負かしかねない人物だ。黒い狼は刻一刻と近づいてくる。アントニアは今初めて恐怖を感じる。

Ginés Sánchez著『Lobisón』の表紙

オオカミ人間

Lobisón

ヒネス‧サンチェス

Ginés Sánchez

Tusquets Editores

アドリアンはとても変わった青年。それは彼の行動に自閉症の特徴が見られるからだけでなく、7番目の子どもだからだ。山の伝承によると、7番目の子どもはオオカミ人間に変身するという。さらに、時々夜になると奇妙な発作に襲われるせいで、アドリアンは誰からも理解されない。そこで、村を出、今は兄セノン、兄の恋人、仲間と呼んでいる自分の犬とともにワゴン車で暮らし、スペインじゅうを放浪している。違法すれすれの商売でどうにか生計を立てながら、アドリアンは大人の世界で自分の場所を見つけようともがき、愛とセックスをおぼえていく。そして彼は一匹の黒い犬との関係によって、暴力的でめちゃくちゃな父親のためにつらかった子ども時代の自分を払拭し、再起をはかろうとする。若者が生きのびていくさまがなまなましく描かれ、読むものをひきこむ物語。若者の語りで、忘れがたい鮮やかなイメージが立ち上がる。

歴史に夢中

Locos por la Historia

Bonalletra Alcompàs

歴史好きにはたまらない一冊。主要な文明や歴史上の時代に関する125の珍事や面白い逸話を紹介。エジプトにピラミッドがあることや、中世の騎士がものすごい戦士だったことは、誰もが知っているが、古代ローマでは公衆トイレで体を洗い、皆同じスポンジを使っていたことは知っていただろうか? また、有名なヨーヨーはギリシアで発明されたことは? 「グロッキーになった」という表現はどこから来たか考えたことはある? 中世の裁判で豚やネズミが何の罪で裁かれたかということは? このページに飛び込んで、これらの質問に答えてみよう。だって歴史は、エピソードや逸話、驚くべき好奇心でいっぱいなのだから!&nbsp;

ミミズとウサギ

Lombriz y Conejo

ラモン‧D‧ベイガ

Ramón D. Veiga

Takatuka

ウサギと出会ったミミズは、ウサギに自分のペットになってほしいと頼む。あまり気乗りしないウサギだったが、ミミズの説得とユーモア、そしてたくさんの木いちごに釣られて承諾することになりそうだ。この新作漫画シリーズの主役は、ピザが大好物で、溢れんばかりのユーモアセンスを持つという、ありえないようなミミズである。読者に自分の暮らしを紹介して見せるこの憎めないキャラクターの持ち主は、さらに驚くべきことに、抑えきれないほどの好奇心を抱え、他の動物と友達になりたいという望みを持っているのだ。本作は、ほとんどの場合、友情が互いの違いを超えたところに存在することを示したハッピーエンドの物語。5歳以上の、本を読み始めたばかりの子供を対象に描かれている。

Àngels Navarro著『Los 10 mejores juegos del mundo』の表紙

世界の最良ゲーム10

Los 10 mejores juegos del mundo

アンへルス‧ナバーロ

Àngels Navarro

Combel Editorial / Editorial Casals, S.A.

世界の最もよいボードゲームを集めたもの。このプレイブックで、家族全員が新しい楽しみを見いだすだろう。ボード、札、サイコロがそろってすぐに遊べる。ゲームの世界を発見するすべてがそろっている!

あなたの生活を変える100のサプリと食品

Los 100 mejores suplementos y alimentos que cambiarán tu vida

アレクサンドル‧ヤニェス‧デ‧ラ‧カル

Alexandre Yañez de la Cal

Profit Editorial

本書できっと答えが見つかる。アレックス・ヤニェス博士があなたの体と心をケアする100の優れたサプリと食品を紹介。集められた情報はすべて現在の科学的根拠に基づくものだ(2,000以上の科学的資料と文献情報を掲載)。この最新のガイド本は、100のサプリと食品それぞれについて、主な効能、特定の病気や痛みに対する有用性、もしあれば禁忌や副作用、正しい使用量などを提示する。科学と深く結びついているという点でも、膨大な数のサプリと食品を分析している点でも、時代に合っているという点でも、ひと味違うユニークな一冊だ。

Marco Quadri著『Los alienígenas no son verdes』の表紙

宇宙人は緑じゃない

Los alienígenas no son verdes

マルコ・クアドリ

Marco Quadri

Zahorí Books

想像してみてください、もし宇宙人が緑色じゃなかったら…どんな姿をしているでしょうか? 歴史を通じて、人類は宇宙人を様々な形で想像してきました。それは私たちの夢と、私たちを取り巻く広大な宇宙における絶え間ない探求を反映しています。美術、文学、映画、そして大衆文化を通して、私たちはこの宇宙の小さな片隅の向こうにある生命の可能性について調査しつづけ、アイデアを形にしつづけています。この旅が、宇宙の謎を夢見て調査しつづけるための、インスピレーションとなりますように!

天使は挫折しない:良識ある女性なら逃げるべき毒男研究学

Los ángeles no se estrellan: Tipejo-logías de hombres tóxicos de los que toda mujer sensata debería huir

R‧ロマン

Regina Román

ビクトリアの人生に次々と現れるダメ男たち。本当なら逃げるべき相手なのに好きになってしまう。そんな彼女自身や、彼女やその女友達たちに巻き起こる出来事に共感せずにはいられないだろう。人生というこの大きな市場でつきまとってくる毒男たち。良識ある女性なら逃げるべきそんな男たちのエピソードを、ブラックユーモア風に描いた面白小説(物語と自己啓発書の中間)。挫折を経験した優しい男から、自己陶酔したナルシストまでさまざまな男たちが登場。例えば、うぬぼれやのアントニートは自分の能力を過大評価しがちなうえ、みんなが自分に注目していると思い込んでいる。そんな男たちから逃れることはできるだろうか? それは無理かもしれないが、せめて自分を見失うことなく、過去の過ちを笑い飛ばして、その経験がくれた教訓を生かせるようにしておこう。

宇宙飛行士

Los astronautas

ラウラ‧フェレロ

Laura Ferrero

MB Agencia Literaria

ロス・アストロナウタス私たちは皆、幼少期にどのような人々が家族を形成し、どのようなつながりが私たちを結びつけているのかを学ぶ。この小説の主人公以外は、自分にもかつて家族がいたことを知らされていない。その痕跡がひとつ残らず消えてしまうまでに、長い年月の間に何があったのか。宇宙飛行士たち』は、時間の中で失われたこの生態系を読み解く物語である。偶然発見された、両親と一緒にいる少女を写した写真が、35年遅れの家族の現実に光を当てる。しかし、最も重要なことは、彼女がアイデンティティを構築せざるを得なかった空白、沈黙、秘密に光を当てることである。しかし、物語は決して真実を語らない。ラウラ・フェレーロは、自伝的事実を出発点として、感動的で、時に胸を打つフィクションを創作する。

バーニョス‧デル‧アルミランテ

Los Baños del Almirante

ダナ‧ギンUル

Dana Gynther

Batidora Ediciones (La Batidora Coop. V.)

幾度となく襲い掛かる困難に果敢に立ち向かい克服する4人の強い女性が主人公の物語。それはまるで、バレンシアの旧市街にある昔の大衆浴場で700年もの間流行病、戦争、再開発などを生き抜いた施設バーニョス・デル・アルミランテのような途轍もない強さだ。浴場は最も幸せな瞬間や辛い時間が過ぎていく人生の背景幕。

Almudena Grandes著『Los besos en el pan』の表紙

パンにキス

Los besos en el pan

アルムデナ‧グランデス

Almudena Grandes

Tusquets Editores

複数の家族と隣人たちの1年間の暮らしを描いた、心を揺さぶる群像小説。親と子、若者と老人、前に進もうと勇気をふるい起こして生きるごく普通の人々。思いがけず知人に支えられた者もいれば、新たなチャンスにかけた者もいるが、みな、パンにキスして感謝の気持ちを表していた昔の人々と同じように辛抱強く踏ん張っている。それらをもとにこの小説は、ほろ苦い瞬間、大都市の中できらりと輝く連帯、運命の交差点での友情や愛情の細やかな物語を紡ぎ、ごく最近のスペインの感動的な肖像を描きあげた。著者曰く、「これは多くの物語からなる物語。そうはならなかったものの、全てがひっくり返るのではという恐怖を人々に与えた経済危機という台風の目の中で、自分らしくあり続けようとしたマドリードの下町の物語」

すばらしい隣人

Los buenos vecinos

クララ‧パストール

Clara Pastor

Quaderns Crema

細やかな心理描写の11の短編で、クララ・パストールは特異な宇宙を見せてくれる。地理的な位置はあいまいだが、的確な雰囲気のなかに、登場人物の微妙な心理が見てとれる。主人公が子どもの場合は別だが、収録された物語の多くで、主人公が気づかないうちに欲望が生まれて死んでゆく。主人公は外見の落ち着きを保とうとするが、なかなかそうはいかない。流れるような自然な散文とともに、物語の筋の動かし方の巧みさを楽しめる美しい本。ほのめかされ、想像力と感性にゆだねられるすべてが読者を魅了する。

Eva Rodríguez著『Los calcetines de Susana』の表紙

スサナのくつした

Los calcetines de Susana

エバ‧ロドリゲス

Eva Rodríguez

Ediciones Jaguar S.A.U.

スサナは、はじめてひとりで服を着ました。うまくいったと思いきや、白いくつしたが片っぽ、どこにも見あたりません。いったいどこにいったのでしょう? スサナといっしょにくつしたをさがしてね!  スペイン語と英語のバイリンガル版。色と数字をおさらいするための単語集つき。対象読者5歳以上。

Álvaro Valderas著『Los casos del inspector Covarrubia』の表紙

コバルビアス警部の事件簿

Los casos del inspector Covarrubia

アルバロ‧バルデラス

Álvaro Valderas

Ediciones del Serbal

これらの物語は、あまりに信ぴょう性があり過ぎて逆に、真実味を持たせるために一部の詳細を削除しなくてはならなかったほどで、「排尿文学」とでも呼ばれるジャンル、さらにその厳しいレアリズムによって「下剤文学」というサブ・ジャンルに入る。入る、というより、下劣な喜びに浸りながら、そのサブ・ジャンルに潜り込む。出版社の最初の意図は、そのデリケートな役割にふさわしい紙(トイレットペーパー)に印刷するつもりだったが、インクがにじんでしまった。斬新なシャーロック&ワトソンとでもいうべき主人公コンビは、道徳観念なしで損得勘定が得意な警部と、おばかだが忠実な部下。交互に警察から遠ざけられたり表彰されたりしている。コバルビアスは、機知に富んだ、良心の呵責ゼロの男で、(触ったもの全てを黄金に変える)ミダス王とは正反対。ミエルダス(糞)王とでも言おうか、手に触れるものすべてを「黄金ならぬ糞」に変える。

Jorge Zepeda Patterson著『Los corruptores』の表紙

堕落さ る者たち

Los corruptores

ホルヘ‧セペダ=パターソン

Jorge Zepeda Patterson

Ediciones Destino

メキシコ・シティ。女優のパメラ・ドサントスは、その有名な太ももと、メキシコの大物政治家たちが通り過ぎて行った広く寛容な心のおかげで、スターの座に上り詰めていた。だが、彼女のバラバラ死体が発見されると、続いてPRI(制度的革命党)の政権復帰に赤信号をともすわけのわからない出来事が次々に明るみにでる。トマスは、全くやる気のないジャーナリストだが、この有名な女優の殺人について急ぎ記事を書き、死体発見現場について、必要な裏付けをせずにあるデータを盛り込む。記事になると、一見つまらなそうなそのデータが興味をひき、人びとの注目が集まる。死体は、新政権の最も危険な人物サラサールの自宅からわずか数メートルの場所にあったのだった。

Juan Carlos Garrido Luque著『Los crímenes de la Gran Vía』の表紙

グラン‧ビア事件

Los crímenes de la Gran Vía

フアン‧カルロス‧ガリード=ルケ

Juan Carlos Garrido Luque

Ediciones del Serbal

ミュージカルが物語を導く糸となる。劇場で次々と起こる連続殺人犯で、マドリード中心部の警察署の特捜班は八方ふさがりになっていた。犯罪に終止符を打つため、あるベテラン刑事が特捜班に戻る。事件解明に向けて、彼は自身の過去までさぐることとなるが、そこで殺人犯を特定するためのカギが見つかる。推理やサスペンスを超えた刑事推理小説。私たちの人生のシナリオが、まるで演劇のそれのように変わり得ることを深く分析する。

アランチャの4つの脳

Los cuatro cerebros de Arantxa

ラファ‧ゲレーロ

Rafa Guerrero

Aerys Producciones

わたしたちの脳は4つの部分に分かれてるって知ってた? その一つひとつの部分が決まった仕事をすることになってるんだけど、穏やかにバランスを保つためには大人の手助けが必要なんだって。どんなものなのか、 アランチャといっしょに見てみない? 最近の神経画像の技術によると、脳は生後10年まで発達し続けることがわかってるんだって。残念ながら、さまざまな問題とか状況のせいで、脳の発達の可能性を最大限に発揮できない人もいるんだ。わたしたちの脳には、ちがってるけどお互いをカバーする機能を持つ4つの大きなゾーンがあって、本質的には一番身近な保護者に依存していることを、この絵本は、親や子どもたち自身に教えてくれる。子どもたちの脳を十分に発達させるには、大人たちが無条件に見てあげることが不可欠なのだ。

Fumilayo Johnson著『Los cuentos de la abuela Chioma』の表紙

チオマおばあちゃんのお話

Los cuentos de la abuela Chioma

フミラヨ‧ジョンソン‧ソパレ

Fumilayo Johnson Sopale

Editorial Nueva Economía Social

人々が集まって物語を語り聞くという、「ニシントリー」と呼ばれるアフリカの純粋な口承の伝統が、フミラヨ・ジョンソンの物語のなかにはきらきらと魔法に満ちて花開いている。スペインとギニアの血をひく、才能あふれる若き女性作家ジョンソンは本書で、生命と限りない美にあふれる世界を伝え、ラマンチャ出身のイラストレーター、ペドロ・セルバンテスのずばぬけたクオリティの個性的な絵がさらなる魅力を添えている。ジョンソンはあたかも生き証人のように、一族と文化の記憶に根差す物語という遺産を私たちに手渡して、はかり知れない価値を持つ世襲財産を保存すると同時に、今の世代の読者に感動を与える

Lorenzo Silva著『Los cuerpos extraños』の表紙

奇妙な死体

Los cuerpos extraños

ロレンソ‧シルバ

Lorenzo Silva

A.C.E.R. Agencia Literaria

家族と週末を過ごしていたベビラクア曹長は、レバンテのある場所で女性町長の死体が発見されたという知らせを受ける。町長の夫がかねてから妻の失踪を届けていたのだが、死体はビーチで観光客に発見されたのだった。ベビラクアと部下たちが到着し、捜査にとりかかった時には、既に判事が死体を引き上げ、最初の方策は講じられ、葬儀の準備が行われていた。現場はごたごたし、被害者についてありとあらゆる噂が広まっていた。被害者である町長は将来を嘱望された若い女性で、党の高齢の有力者たちのやり口や腐敗を断ち切り、政治のやり方を一新しようと意気込んでいた。加えて「味気ない」という言葉とは程遠い彼女の派手な性生活が明らかになったことが捜査をかく乱させるが、許された時間は限られていた。

アヘン日記

Los diarios del opio

ダビッド‧ヒメネス=トーレス

David Jiménez Torres

Oh!Books Agencia Literaria

本書は、ラドヤード・キップリング、ジョゼフ・コンラッド、グレアム・グリーンなど、東洋の魔法に魅せられた伝説的作家たちの足跡を辿った本だ。一体どんな秘密が、探検家や作家を旅に駆り立てたのか?ダビッド・ヒメネスは、10人の偉大な文学者たちの著作の舞台となった場所を巡り、その大いなる謎を解くための波乱の旅、すなわちアジアの何が彼らにインスピレーションを与えたのかを発見するための旅に出立した。それは、騒然とした大陸の冒険、人間性の深淵を探り、とらえがたい東洋の謎を追求するスリルに満ちた旅となるのだった。

完璧な日々

Los días perfectos

ハコボ‧ビルガレチェ

Jacobo Bergareche

Libros del Asteroide, SLU

仕事にも結婚にも疲れた新聞記者のルイスは、テキサスのオースティンでの学会に出席する予定である。出張は、人生の唯一の喜びとなっているカミーラとの束の間の逢瀬のアリバイにすぎない。しかし、出発しようとしたとき、カミーラから「もうここでおしまいにして、思い出にしましょう」というメッセージを受け取る。ルイスは落胆し、どうしてよいかわからないままオースティンに行き、大学の文書館にこもり、そこで偶然、ウィリアム・フォークナーが愛人ミータ・カーペンターに送った手紙を見つける。この長い書簡を読んだのがきっかけで彼は、自分の恋の冒険の思い出をたどりなおし、退屈な家庭生活をふりかえる。しかし同時に、生きがいを持って日々を生きるにはどうすべきかと自問せずにはいられない。たっぷりの真実とユーモア、語りの力で、恋の熱情と、人間関係の避けがたいルーチンを普遍的な形で探求する。

Daniel García Fernández著『Los discípulos de Baco』の表紙

バッカスの弟子たち

Los discípulos de Baco

ダニエル‧ガルシア‧フェルナンデス

Daniel García Fernández

Plataforma Editorial

この波乱万丈のスリラーはワインの世界が舞台。ワイン界に関係がある複数の殺人の捜査が、ひとりの女性警察官に委ねられる。あるたれこみ屋との出会いにより彼女は、だれが敵かわからないまま勝つしかないレースに追い込まれる。ロシアマフィア、盗掘をする女性考古学者、バルセロナ大聖堂の文書係、謎めいたブロンド女性、旧ナチ将校、優しい眼差しの殺し屋、大酒飲みのワイン醸造家といった面々が、100年以上前に醸造された1本のワインに隠された秘密をめぐって交錯する。鋭い感覚、アクション、暴力、ブラックユーモア、歴史、そしてワインに対する情熱の物語であり、登場人物は誰もが邪悪でありながら人間的。読む者を酔わせる小説だ。

選ばれし者た

Los Elegidos

ナンド‧ロペス

Nando López

Dos Passos Agencia Literaria

1950年1月14日、アスンは才能というよりも図々しさを武器にコプラを歌っているタブラオへ出向いた。その夜、人生を一変させる人と出会うなど知る由もない。その人物とはアテネオ図書館の司書サントスで、文化的な繋がりや大学生との交流を通して反フランコ派レジスタンスに協力していた。このふたりの間に、外見はごくありふれたものだが、実は非常に特殊な関係が生まれる。サントスはアスンに文学を通した自由と変革の可能性について教え、彼女は見せかけの婚約関係で彼の隠れ蓑になった。サントスにとってこの関係は、1954年に発令された新たな浮浪者取締法によって迫害される同性愛者のひとりとならないために必要不可欠なものとなる。登場人物たちの感動的な人生と入念な歴史の調査によって、これまで必ずしも詳細に語られてこなかった時代を見せてくれる小説。

Javier Marias著『Los enamoramientos』の表紙

執着

Los enamoramientos

ハビエル‧マリアス

Javier Marias

Casanovas & Lynch Literary Agency

深く魅力的な文体で、恋をした状態について考察する小説。ほぼだれもが恋愛を有益なもの、ときには救済とさえ考えるがゆえに、恋愛においては、高貴で無欲な振る舞いから、大いなる横暴や下劣さまで、ほとんどすべてのふるまいが正当に思えるものだ。本書はまた、事実の恐るべき力と無処罰についての本であり、また、どれほど嘆き、戻ってきてほしい、少なくとも生きていてほしいと強く望んだとしても、死者を生き返らせるわけにはいかないこと、真実を正確に知ることは不可能なこと、絶えず揺れ動き、変化する私たちの思考の真実さえ知ることができないことについて語った本でもある。

Beatriz Osés著『Los escribidores de cartas』の表紙

手紙を書いた人たち

Los escribidores de cartas

ベアトリス‧オセス

Beatriz Osés

ヘビと言われる川が小さなノアベリ村を通っています。郵便配達人のフェデリコはもうすぐ職を失いそうです。孫娘のイリアにはおじいちゃんを救うある計画がありました。でも、村長のイシドロさんは川とフェデリコが大嫌いです。相手に届かない手紙…そして、みんながなにか秘密を隠しています。さぁて、どんな秘密でしょう?

Alberto Pérez Villacampa著『Los fabricantes de montañas』の表紙

山をつくる者たち

Los fabricantes de montañas

アルベルト‧ペレス=ビジャカンパ

Alberto Pérez Villacampa

Feditrés S.L.

ごつごつした山しかないところには、眠っている大男が隠れているんだよ。きみたちは、大男を起こして、その不思議な仕事を見てみたくないか?

海賊ゲーマーズ1 目的地:インフィニテの神話

Los Gamers Piratas 1. Destino: Mítica In finite

ロベルト‧サンティアゴ

Roberto Santiago

Editorial Planeta, S.A.U.

これは単なるゲームではない。ペガソとデルタは共通点が多い。どちらもシャイで、友達作りが難しい。そしてテレビゲームでは、とてつもない能力を発揮する。しかし想像できなかったことがある。ツィッチで配信したインフィニテの神話で遊ぶ様子が世界中に拡散されたことだ。11歳の誕生日を祝うために、家族がサプライズ・パーティーを準備していた日、すべてが一変する。パーティーの最中に起きた恐ろしい出来事の後、デルタとペガソは超能力が備わっていることに気づく。なぜ、どうやって備わったのかは分からない。しかしほかの人と違うことは確かだ。やがてふたりは伝説的な海賊ゲーマーに上りつめる。

Ginés Sánchez著『Los gatos pardos』の表紙

山猫

Los gatos pardos

ヒネス‧サンチェス

Ginés Sánchez

Tusquets Editores

ムルシア、サン・フアンの夜。3人の登場人物が経験する忘れがたい物語。メキシコ人のハシントはドン・ホルヘのボディーガード。ボスがパーティに興じている間に、身内を殺した殺し屋たちと決着を付けなければならない。マリアはその夜新しい経験をして家族のゴタゴタを忘れたいと街に出かけて来たティーンエージャーの女の子。ハシントとマリアが出会う。マリアは、近所に住む孤独で謎めいた男ヒネスが、彼女がその夜いた場所をくまなく歩き回り、ドン・ホルヘのパーティに参加し、ハシントと知り合いだということを不審に思わない。独特の雰囲気や集団の中をさまよう3人の登場人物の秘密の生活をめぐる、ダイレクトで、心をつかむ物語。こういった人びとの様子や雰囲気をこれほど生き生きと描いた文学は最近あまりない。様々な人生が合流し噴出し、危険とバイオレンスにみちた夜、思いがけないラブストーリーが生まれる。

ラインの子どもたち

Los hijos de Lain

タニア‧ロペス‧パラ

Tania López Parra

Maldragon Editorial, S.L.

もし、あなたに対する最大の罰が、自分の星から出ていくことだとしたら? リアムとアリアは想像だにしなかった運命に直面する。一見、普通に暮らしているように見える兄妹ふたりは、故郷の惑星ラインを離れることを余儀なくされる。未知の世界の危険にさらされながら、ふたりは答えを探しに何が何でも生き延びなければならない旅に出る。秘密の中には永遠に埋もれてしまっていた方がいいものもあることも知らずに。

Gastón Segura著『Los invertebrados』の表紙

無脊椎動物

Los invertebrados

ガストン‧セグラ

Gastón Segura

Drácena Ediciones

2011年春に政党の閉鎖性に対抗して起こったスペインの若者たちの抗議デモ、15-Mから10年を記念して出版された。物語はデモの1週間前に始まる。しばらく世間から離れて入院し、退院したばかりの主人公のモイセス・マルメロは、勤務していた会社はどうなっているか確かめようと出かけ、最後にデモの参加者が溢れるプエルタ・デル・ソル広場にたどりつく。章を追うごとに、当時のマドリード、そしてスペインの姿の忠実でユーモラスな描写へと変貌していく本書。そこでは政治腐敗となりすましとプロの騙りが当たり前であり、そのことが、痛切さと風俗描写とからかいが合わさった、この愉快な小説に読者をひきつける端緒となっている。

Francisco Narla著『Los lobos del centeno』の表紙

ライ麦狼

Los lobos del centeno

フランシスコ‧ナルラ

Francisco Narla

Agencia Literaria Albardonedo

ガリシア内陸部の村で、気難しいやもめの風車守の男が、ガリシアに伝わる最悪の悪夢が周囲で息を吹き返すのを目の当たりにする。バラバラになった動物の死骸が発見され、収穫作物が荒らされ、亡霊行列(サンタ・コンパーニャ)が現れ、狼男が代父を襲う。村人はそれらを風車守のせいにし、村のメイガ(霊媒師)がしゃしゃり出てくることで、村人の間の裏切りの歴史が暴露されていく。本作は、著者フランシスコ・ナルラの処女作で、主人公たちの暮らしだけでなく、死、残虐性、欺き、魂の悲嘆についても、正確かつ豊かな表現で語る。古典的な風俗描写のテクニックを使い、焼酎で酩酊した酔っ払いの戯言の類としておきたかった、ベールに包まれていた残虐な出来事の言い伝えを白日の下にさらす。読者を惹きつけて離さないこの作品からはすでに、のちの大作家への萌芽が窺える。

色とりどりの月曜日 ホンジュラスの移動図書館

Los lunes de colores. Un bibliomóvil en Honduras

ネルソン‧ロドリゲス

Nelson Rodríguez

Editorial Juventud

ビジャ・ヌエバでは悲しい話が絶えないようだが、毎週月曜日は待ちに待った日だ。ネルソンとヘルソンが本の詰まった車でやってきて、彼らの物語で子どもたちは幸せな気持ちでうちに帰り、太陽は再び輝く。ホンジュラスの実話に基づく作品。

Ledicia Costas著『Los Minimuertos - Bienvenidos al otro barrio』の表紙

ミニ死者たち もうひとつの町に%うこそ

Los Minimuertos - Bienvenidos al otro barrio

レディシア‧コスタ

Ledicia Costas

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

〈ミニ死者〉たちは、きみとはぜんぜん違う、あの世の子どもたちだ。彼らは、〈もうひとつの町〉でパパやママを待っている。〈もうひとつの町〉は、なんでもやりたいことをできる一時的な場所だ。けれども、生きている者の世界に戻りたがっている子ども、カタクラックがやってきた日に、すべてが変わる。ミニ死者たちは、カタクラックを助けるために奮闘することになる。生者の世界に帰るというとんでもない望みはかなえられるのか? 『Escarlatina(エスカルラティナ)』シリーズの作者で、スペイン国民児童文学賞作家であるレディシア・コスタスの新たなシリーズ。

Mariano Peyrou著『Los nombres de las cosas』の表紙

もの との名前

Los nombres de las cosas

マリアノ‧ペイロウ

Mariano Peyrou

Sexto Piso España

毎週木曜日、3人の友人がバルで集まる。ひとりは映画監督で現実と想像の世界を隔てる境界線を常にあいまいにしているようにみえる。もうひとりは小説家で、書くことと生きることにおいてできる限り自由であることを目指し、文体もガールフレンドもあまた持つ。3人目はある役所勤めの公務員、自分の妻や息子のことをほとんど何も知らないと感じている。3人は、扱いが難しい現実について、確信、ジレンマ、啓発的なナンセンスを口にするが、彼らにとって、ものごとに名前をつけることは、現実を自分のものとしてとりこむ方法であり、自分自身との矛盾、世界との矛盾も、生きる術のひとつだ。しかし、「ものごとの名前」とは、一見、普遍的で確実なもののように見えるが、一旦そこに疑問を呈すると、恣意的で不十分なものになる。

Nando López著『Los nombres del fuego』の表紙

火の名前

Los nombres del fuego

ナンド‧ロペス

Nando López

Santillana Infantil y Juvenil

アブリルとシャラキアには共通点がたくさんある。ふたりとも16歳になったばかりで、未来は自分の手でつかみとっていきたいと考えている。そして間もなく人生の決定的な変化を迎えようとしているところも同じだ。ふたりをへだてるものはただ、16世紀のテノチティトランと21世紀のマドリードという時間と空間だけ。ふたつの世界で、彼女たちは友だちといっしょに冒険の旅へと出かける。魅力と謎に満ちた旅のなかでふたりは同様の、そして究極の疑問を抱くようになる。すなわち、わたしたちは何者なのか。答えはきっと、名前の裏に隠された真実と関係している。それともアブリルとシャラキアが感じている、空をも燃やすほど熱い欲求と関係があるのかもしれない。すべてに……そして今すぐなりたいという欲求と。

Edurne Portela著『Los ojos cerrados』の表紙

閉ざした目

Los ojos cerrados

エドゥルネ・ポルテラ

Edurne Portela

Galaxia Gutenberg SL

プエブロ・チコは、時に霧に包まれ、雪に覆われる山間の小さな村だ。時に動物が迷い込み、人が姿を消すこともある山中にある。一見穏やかな場所で、今は数少ない寡黙な老人たちが住んでいる。その静けさに、秘密や暴力的な過去、復讐の念が隠れているとは、誰も思わない。1年間そこで過ごそうと都会からやってきた夫婦も何も疑っていない。しかし、父親がそこで生まれたという理由でそこに来ることを選んだアリアドナはやがて、山に何かが隠されていると感じ始める。村の住人たち、特に透き通るような目をして幻覚にも似た謎めいた言葉を話すペドロと出会い、アリアドナは父親が自身の過去についてなぜ何も語らなかったのかをようやく理解するようになる。それは、村全体が目を閉じ、見ないことにしようと決めた過去だった。 読者を巻き込むざらついた文体で書かれたこのポリフォニックな小説で、エドゥルネ・ポルテラはある村、ひいてはある国家、大陸、そして人類の集団的記憶を鋭く問いただす。

Carolina Molina著『Los ojos de Galdós』の表紙

ガルドスの目

Los ojos de Galdós

カロリナ‧モリナ

Carolina Molina

EDHASA - Editora y Distribuidora Hispano Americana

貧しく、病気がちで、ほとんど目が見えない。スペインが生んだ20世紀文学の天才、ベニート・ペレス=ガルドスはそんな風に晩年を生きた。それにも拘わらず、彼は友人、家族、市井の人々からの愛情に不足することはなかった。彼が文筆業を続けるために他の若い人たちの目に頼ることが必要になったとき、彼女、カルメラ・シッドが彼の傍らにいた。彼女が彼の目になる。そして彼の声になる。カルメラは、ガルドスが法律を学ぶ学生としてマドリードに来てから、ジャーナリズムの重鎮、確立した地位の作家になるまでの彼の人生の舞台を、彼と一緒に回想する。同時に、エミリア・パルド=バサンなど、当時の有名な女性たちが恋に落ちた、知的で謙虚であると同時に慈悲深く魅力的なガルドスの人柄を知ることになる。19世紀から20世紀初頭のスペインを、誰より見事に描く術を知っていた作家ガルドスについての心温まる知られざる物語。

Alberto Guaita Tello著『Los ojos del mar』の表紙

海の目

Los ojos del mar

アルベルト‧グアイタ‧テリョ

Alberto Guaita Tello

Aerys Producciones

うら若き娘ファニャと呪術医の祖母のシモネは浜辺で傷ついて意識を失ったシャルドゥクという名のヒューマノイドを見つける。シモネにはこのヒューマノイドが水の霊だとわかり、孫とふたりで命を助けるために尽力する。目を覚ましたシャルドゥクは自分が住むテルリアがどのような世界か、そして「交差地帯」という不思議な場所を通りぬけ、どのようにしてこの世界に辿り着いたかを話す。やがてファニャとシャルドゥクは恋に落ちるが、別れの日がやって来た。シャルドゥクはファニャに海中の「交差地帯」をふたりで通過するための策を持って帰ることを誓う。こうして冒険や愛、アフリカンマジック、そしてSFの壮大な物語が始まる。

オランウータンとわたし

Los orangutanes y yo

カルメレ‧リャノ

Karmele Llano

A Fin de Cuentos Editorial

カルメレは獣医学生時代から、野生動物に関わる仕事がしたいとはっきり思っていた。その情熱は冷めることなく、43歳の今、彼女はボルネオ島(インドネシア)でオランウータンの保護と回復を目的とした大規模なNGOを率いている。本書では、自然とともにあった幼少期、学業、野生動物回復センターでの最初の仕事の日々、ボランティアとして働くためにジャカルタに降り立ったこと、そしてゴミの中で棒につながれるひどい生活を送っていた飼育下のオランウータン、ジョジョとの出会いが人生に与えた衝撃について語っている。オランウータンは、ボルネオ島とスマトラ島にのみ生息する霊長類の一種で、その生存は深刻な危機に瀕している。そのため、本書では彼らの生活について語るだけではなく、類人猿たちの知性の高さや、アブラヤシ農園によって荒廃した彼らの環境、彼らとそこに住む人々のニーズについても紹介する。

Almudena Grandes著『Los pacientes del doctor García』の表紙

ガルシア先生の患者たち

Los pacientes del doctor García

アルムデナ‧グランデス

Almudena Grandes

Tusquets Editores

若い共和党員の医師ギリェルモ・ガルシアは、フランコ勝利後も親友からもらった偽の⾝分のおかげでマドリードに住み続けている。外交官だった親友は1937年にガルシアに命を助けられた後亡命したが、危険な秘密の任務を帯びて1946年に帰国する。その任務とは第三帝国、即ちナチスが犯罪者を隠匿するために作った地下組織に潜⼊すること。マドリードでその組織を率いていたのはクララ・ストーファーだった。ガルシアが徴兵される⼀⽅で、ナチス親衛隊の志願兵として最後のベルリン市街戦を戦ったスペイン⼈ボクサーはドイツでひどい⽣活を送っており、誰かが⾃分に成り代わってアルゼンチンに逃亡を企てていることなど知る由もない。第⼆次世界の実際の出来事をベースに造りだした⼈物たちが、スペインとアルゼンチンの情勢や冷戦初期の影響を共有しながら織りなすスリル満点の国際的なスパイ⼩説で、著者渾⾝の作品。

Olga Barroso著『Los pájaros arcoíris』の表紙

虹色の鳥

Los pájaros arcoíris

オルガ‧バロソ

Olga Barroso

Marcombo Editorial

ベガはパートナーにひどい扱いをする雄の小鳥の話を聞きました。何が起きたか知りたいですか? そんなことをする小鳥がなぜいるか知っていますか? 雌の小鳥がどうしたか知りたいですか? 性差別暴力は地理的、社会的、時間的境界を越えた大きな社会問題です。性差別暴力はいろいろな形で現れますが、このセンティクエント・シリーズで取り上げるのはカップルの間で男性が女性にふるう暴力です。子供たちの健全な育成のためには、幼少期にきちんとした扱いをうけなければなりません。

Jorge Blaschke著『Los pájaros se orientan con la física cuántica』の表紙

鳥は量子物 学で方向を定める

Los pájaros se orientan con la física cuántica

ホルヘ‧ブラシュケ

Jorge Blaschke

Ediciones Robinbook, S.L.

量子力学の現実は、未来を先取りする新しいパラダイムだ。Los gatos sueñan con física cuántica y los perros con universos paralelos(ネコは量子物理学を、犬はパラレルワールドを夢見る)の成功の後、ブラシュケはこの新刊で、我々をとりまく量子の世界のさまざまな面を紹介し、楽しくわかりやすい形で、量子力学のパラダイムの新しいモデルにふみこみ、限りなく小さいものの世界や限りなく大きいものの世界、中くらいの世界における影響を明らかにしてみせる。この量子のパラダイムがどのように人類に影響し、近い未来の生活をどのように規定するのかを見ていこう。甘い蜜の湖、ヒッグズ場、シンメトリー、スーパーシンメトリー、弦理論。宇宙の膨張と銀河の衝突。鳥は量子物理学で方向を定めるのか? ホーキンズが賭けに負ける日。太陽系外惑星の狩人。量子脳。

Aleksandra Lun著『Los palimpsestos』の表紙

消し跡の残る羊皮紙

Los palimpsestos

アレクサンドラ‧ルン

Aleksandra Lun

The Ella Sher Literary Agency

母語以外で書くようになった作家に対するすばらしい風刺。東ヨーロッパから移住した男性がベルギーの精神病院へ入院し、言語の再組み込み治療を受ける。彼は母語で書かないことに由来する病を患っていた。しかしこの病院の患者は彼だけではなかった。しかも、みな彼と同じ「外国作家シンドローム」の患者ばかり。作家はなぜ言語を変えるのか? 母語でも昔書いていたのだろうか? 学習した言語を使った創造には限界はないのか? 後に獲得した言語と作家との関係は? 新たな言語を忘れたらどうなるのか? ユーモアたっぷりにこういった疑問を投げかけていくーしかし、答えないー、鋭い風刺のきいたすばらしい作品。

Pablo Adán著『Los pasos de Camper』の表紙

カンFールの歩み

Los pasos de Camper

パブロ‧アダン

Pablo Adán

LID Editorial Empresarial

スペインを代表する靴のブランド、カンペールの歴史。バレアレス諸島の小さな工房として創業して、世界各地の一級地に店舗を構えるまでを振り返る。作者パブロ・アダンは、今やスペインでも有数の国際的ブランドとなったカンペールの内部に入り、いかに成功を築きあげたか、いかにして現在の世界的名声を得るにいたったかを読者に語り明かす。

Daniel Blanco著『Los pecados del verano』の表紙

夏の罪

Los pecados del verano

ダニエル‧ブランコモゲル(1978年ウエルバ生まれ)はビリャ大学で新聞学学士号を、コミュニケーション学部学学科で博士号を、創作で修士号(2011年)取得。国立

Daniel Blanco

Iniciativas Empresariales Ilustrata S.L.

内陸部のある村で最も裕福な一家には奥様、その夫、幼いふたりの子ども、奥様の母親と使用人のアマリアがいる。彼らが暮らす邸宅では一見すべてが完璧だが、中身もそうとは限らない。奥様の名はコンスエロ。非常に貧しい家庭に生まれた美貌の若い女性。娘と自分の将来を確かなものにしようとした母親が見つけてきた相手と結婚したものの、コンスエロは妻である自分の立場に不安と恐れで一杯になっている。スペイン各地のビーチの道徳性に関する会議に出席する夫が、コンスエロと子どもたちを地中海のある町に連れていく。ここでコンスエロは自分とは違う、もっと自由で官能的な生活を垣間見る。一方夫は、50年代初めのこの時期、新たにスペインにやってくるようになった外国人観光客の女性たちが積極的に道徳を乱していく様を見て呆然とする。家族の誰もがバカンスに行く前とは変化して帰宅する。

Alicia Estopiñá著『Los perros y los cuchillos』の表紙

犬とナイフ

Los perros y los cuchillos

アリシア‧エストピニャ

Alicia Estopiñá

Ediciones del Serbal

一見何の価値もなさそうな風変わりな絵画1点が瓦礫の中から偶然発見される。しかし実際はとてつもなく貴重な美術コレクションの一部だとわかる。それは独立戦争の真っ只中、テルエルのマエストラスゴの村、バルデロブレスの地下に掘られた入り組んだトンネルの片隅に、知識人たちによって隠されたコレクションだった。そのお宝を探し出そうと人々が殺到し、追跡と死の狂奔劇に巻きこまれていく。メルローと名乗る画家、型破りの弁護士夫婦、シニッカルな司法書士、色気を振りまく未亡人、凶暴な犬、貧しい娼婦、マフィアの一団など、一癖も二癖もある人物たちの大活劇。ユーモラスで皮肉に飛んだ語り口と、スピード感溢れる展開で、最初から最後まで読者を惹きつけて離さない。

Sonia Hernandez著『Los Pissimboni』の表紙

ピッシンボニ家の人々

Los Pissimboni

ソニア‧エルナンデス

Sònia Hernández

Quaderns Crema

「ピッシンボニ家の人々はだれにも好かれていなかった。丘の上の蔦の絡まる家に住んでいたが、他の家々からあまりに離れていたので、村の外に住んでいると思われるほどだった。兄弟が大勢いたが、家長のイグナシオと妻のマルティナがまだ生きているのか、だれも知らなかった。村で姿を見かけることもなかった。村人たちから忘れさられ、だれからも心配されなかったし、彼らのほうも、村人のことを考えることもなければ、だれかに好意をいだくこともなかった」ソニア・エルナンデスの驚きに満ちたこのカフカ調のこの物語はフィクションの限界に果敢に挑み、自由についての美しいメタファーとなっている。

Roberto Santiago著『Los protectores』の表紙

ガーディアン

Los protectores

ロベルト‧サンティアゴ

Roberto Santiago

Fundación Santa María - Ediciones SM

ビセンテ・フリーマンは新入りだ。新しいところに来るのはこれが初めてではないので、それほど心配はしていない。しかし今回は違う。今回はバルバラがいる。「ガーディアン」のボスだ。あるいは、そう彼女は思っている。それに「アパッチ」もいる。この地区で恐れられているワルどもだ。皆がビセンテに何かを求めている。でも、何を求められているのか、彼自身はよくわからない。おまけに彼はくさくさしている。ビセンテ・フリーマンが本当は何者か、今こそ示す時だ。2016年バルコ・デ・バポール賞受賞作。

Susanna Isern著『Los Quebrantasueños』の表紙

夢をこわす者たち

Los Quebrantasueños

スザンナ‧イセルン

Susanna Isern

Libros del Imaginario, S.L.

ソフィーは森のそばにある家に両親とおじいちゃんと一緒に暮らしている。おじいちゃんは時々姿をくらまし、それが数時間のときもあれば数日にわたることもある。そしてすっかり汚れて、でもすごくうれしそうに帰ってくる。おかしいのはそれだけじゃない、メガネがすごくおかしくて……。おじいちゃんは何を隠してる? 本当は何をしてるの? それがわかった時、ソフィーは次第に大きくなる危険の存在に気づく。夢をこわす者たちがいるのだ……。

Sabrina Catdoor著『Los Rescatadores mágicos y la puerta a Imaginaria』の表紙

魔法のレス:_ー隊と空想への扉

Los Rescatadores mágicos y la puerta a Imaginaria

サブリナ‧キャットドア

Sabrina Catdoor

Tormenta Agencia Literaria

おばあちゃんの家にはネコ用のドアがある。へんてこなマークが描かれていて、ふつうのネコの出入り口よりもちょっと大きめだ。だけど、何より不思議なのは、おばあちゃんは今だかつてネコを飼ったことがないことだ。マリナ、ルカス、ソエの3人は、その扉が別の世界に通じていて、自分たちが、森の王様を救うというミッションを持っていることを知る。その世界には、きまぐれな人魚、強欲な小人、ヤモリのようなドラゴンが待ち受けていて……。魔法のレスキュー隊、出動だ!

脇役

Los secundarios

イザベル・ボノ

Isabel Bono

Tusquets Editores

かつて義理の兄妹だったルベンとアマリアは、巨大マンションのエントランスでばったり会い、ずっと前から自分たちが同じ建物に住んでいたこと、どちらも自分が人生の主役と感じたことがないことを発見する。自分が傷つき、人を傷つけるのをおそれて、どちらも人が願うままに生きてきた。拒絶されるのを絶えず恐れながら、家族の枠に自分を当てはめようとしてきたルベンと、子どものころから姉妹とはりあってきた、利己主義で嘘つきのアマリア。まずは別れ、その後一緒になり、ふたりは自分たちの記憶をきちんと並べて、それまでの自分たちの人生に意味を与えようとする。本書『脇役』は、『Diario del asco(吐き気の日記)』では目立たず、ルベンの兄弟であり、アマリアの元夫であるマテオの言葉からしかわからなかったふたりの登場人物に声を与える。

Yvette Delhom著『Los Semifusos. Aventura musical en Nueva York』の表紙

ロス‧セミフソス――ニューヨークの音楽アドベンチャー

Los Semifusos. Aventura musical en Nueva York

イベッテ‧ダローム

Yvette Delhom

A Fin de Cuentos Editorial

バートがいなくなった。ニューヨーク・ソルファンディ音楽学校の仲間たち、ミア、エリック、サミラ、ジャスティンは、秋祭りにクインテットで参加するためにバートを見つけなければならない。どこに行ったのか? バートは音楽に夢中なので、音楽のある所ならどこだって彼のいる可能性がある。必死になって街の通りやバーや劇場に行ってはバートを捜し歩くうち、友人たちはラテン音楽やジャズ、クラシックにラップ、ゴスペルやミュージカルを楽しむようになる。イベッテ教授のガイドで、読者はバートの仲間たちと一緒に知識を広め、楽しむことができる。

Larousse Editorial著『Los Superpreguntones. Matemáticas del día a día』の表紙

超聞きたがり 子の数学

Los Superpreguntones. Matemáticas del día a día

ブルーノ‧マルティネス‧タバレス

Bruno Martínez Tabares

Larousse Editorial

スペイン国内で10万部以上売れた大人気の児童シリーズ「超聞きたがりっ子」の最新作。超聞きたがりっ子が目をみつめながら口を開くと、それはもう恐怖の瞬間だ……。「果てしない絵ってあるの?」「幸せって測れるの?」「ソーセージを切ると、どんな形になる?」「どうして10ずつ数えるの?」「4分の1が4つで、なにができる?」「サッカー場をまるごと包むには、どのくらいの紙が必要?」「統計って何の役に立つの?」「映画館で、3人の友だちは何通りの座り方ができる?」

Obra colectiva著『Los Superpreguntones XXL. ¡Viajamos al futuro!』の表紙

超聞きたがりっ子XXL 未来に行こう

Los Superpreguntones XXL. ¡Viajamos al futuro!

共同作業

Obra colectiva

Larousse Editorial

科学は常に進歩している。なんでも知りたい仲間たち、『los Superpreguntones(超聞きたがりっ子)』シリーズのこの巻は、すぐそこにある未来への扉を開く。テーマごとに章分けし、1年間1日ひとつにあたる365の質問を収録。未来の職業、薬、学校、動物、輸送機関、ロボット、宇宙旅行は、どうなっているのだろう。子どもや大人がこの本を囲んで座り、ページをめくって、みんなで読み、絵や質問を楽しめるように作られた、超特大サイズの本。知識の源である好奇心がどんどんふくらむ。

ブレフの触手-愛

Los tentáculos de Blef - Amor

エバ‧クレメンテ

Eva Clemente

Emonautas

ブレフは友人のドロイが宇宙旅行から戻ってくることを知り、彼女に地球上で最も素晴らしい贈り物をしたいと考えています。この物語は、感情の発達において最も重要な感情の一つである愛についてのものであり、私たちが一緒にその変化しやすく、複雑で必要な概念について考えることができるようにしてくれます。

ターボスケーターズ1 殺人ロボットの伝説

Los Turboskaters, 1. La leyenda del robot asesino

共同作業

Obra colectiva

Grupo Editorial Bruño

ドーゴ、オリビア(友だちからの呼び名はオリ)、ニコはスケートボーダーの仲間たち、通称ターボスケーターズ。彼らを主人公とする、話題になること必至のシリーズ第1巻だ。アクション満載で、ミステリーの味付けもある各巻で主人公たちは新たな冒険を繰り広げる。ドーゴはナイーブで新鮮な視点を持った、物語の語り手。最初の冒険となる本書では、ドーゴ、オリ、ニコの3人が村で開催されるスケート大会で優勝するために熱くなっている。しかし、休まず必死で練習する3人のプランに邪魔が入る……。

Oscar Gual著『Los últimos días de Roger Lobus』の表紙

ロヘル‧ロブスの最後の日々

Los últimos días de Roger Lobus

オスカル‧グァル

Oscar Gual

Sophie Savary Agent littéraire

元市長ローヘル・ロブスの息子で多種の薬物依存症であるジュニアは、過剰摂取で危うく死にかけたあと、故郷のシエルぺへ戻ることにした。そこで父親が末期がんを宣告されたと知る。偶然にもこのふたつの出来事が重なったこと、そして以前からジュニアが取りつかれている死に対する強迫観念も手伝って、破綻していた父との関係を修復しようとする。小説は病室でふたりが過ごす最後の日々を綴っている。その中で、自分が抱える全ての問題をカート・コバーンのせいだとする武道かぶれの精神病質者や、障害者で香水メーカーの所有者であるギャングなど様々な人物たちが登場する。過去2作の著書でも舞台となった想像上の町シエルぺの世界が、この3作目で更に広がりを見せる。父親の死というテーマに鋭い洞察力で迫っているが、困ったことに面白い。

Luis E. Iñigo著『Los vigilantes de la Atlántida』の表紙

アトランCィスの守り人

Los vigilantes de la Atlántida

ルイス‧E‧イニゴ

Luis E. Iñigo

Ediciones Cydonia

エジプト学者であるふたりのスペイン人が、エジプトの神官の墓の考古学的発掘の過程で奇妙な碑文を見つける。アトランティスの歴史を語るプラトンの『クリティアス(対話篇)』の断片だった。発見に驚いた彼らは見つけたものの由来と意義を調査し始めるが、すぐに彼らの歩みを導く不思議な人物の助けを得ることになる。大学の友人アルバロ・デ・アンドラデの助けを借りて彼らはブラジルの街マナウスに行き、そこで、引退した警察官と連絡を取る。この人物が、『クリティアス』の鍵があるかもしれないジャングルに埋もれた不思議な都市、エジプトの墓の碑文、そして太古の昔に姿を消した文明の存在についてのヒントを与える。

Jorge Real著『Los vuelos del silencio』の表紙

沈黙の飛行

Los vuelos del silencio

ホルヘ‧レアル

Jorge Real

Representación literaria y artística SL

ベネズエラのある島に生まれた少年が、不幸な幼少年期を経て自ら生きる道を探し、空港で働くようになる。そして旅客機のパイロットに転身しコロンビアから米国への密輸に従事する。波乱万丈のこの小説では、国際政治でよく名の知られた人物と麻薬取引・武器密輸との関係が明らかにされ、政府が倒され、ゲリラへ資金提供がなされ、少数者の権力闘争のために多くの人々が行方不明になった時代が語られる。

Roser Rimbau著『Lota la cachalota』の表紙

マッコウクジラのロタ

Lota, la cachalota

ロゼル‧リンバウ

Roser Rimbau

Takatuka

海のごみがだんだん増えている。マッコウクジラのロタは、そんなごみがどこから来るのか知りたくなった。そこで、カニのマラクと一緒に調査の旅に出かける。まず船を、次に港を調べ、最後に町へとたどり着くと、人間の住むところにプラスチックがあふれていた。だから、海の動物たちみんなを呼んで海のクリーン作戦を実行することにした。ロゼル・リンバウが書いたこの物語は、ロサ・サルディーナ・グループの独創的なアイディアから生まれた。次世代の子どもたちが、私たちの悪しき習慣を早急にあらためる役割を担いリードしてくれることを願って、少年少女向けに書かれたものだ。イラストは全て手作業で色を塗り、切り貼りしたコラージュ法で描かれており、アーティスト同士の協力によって生まれた、類まれな豊かさをもつ作品となった。

Aníbal Malvar著『Lucero』の表紙

ルセロ、明星

Lucero

アニバル‧マルバル

Aníbal Malvar

Ediciones Akal

詩人ヴェルレーヌのいう、いわゆる『呪われた詩人たち』の人生は、その人生を解釈する者の気まぐれに左右されるのだろう。本書はフェデリコ・ガルシア=ロルカの人生と時代についての小説であり、また、そうではない。おそらく、暗殺されるに足る根拠をひとりの詩人に与えるために、国がどのような陰謀を企てるかについての物語といえるかもしれない。 1916年、ラ・ベガ・デ・グラナダ。アンダルシアの最も豊かな土地は、扇動的な社会・政治紛争の舞台だった。そこでは労働者たちが腹を空かせており、一方、大地主たちは第一次世界大戦の最前線向けの兵糧の密売で途方もない財を成していた。そんな時代を背景に、ロルカの最初の詩的高揚が培われる。ダリやブニュエルと共にマドリードの「学生館」の前衛主義に浸る前のことだ。戯曲の派手な失敗や、プリモ・デ・リベラ独裁政権の検閲、同性愛に対する迫害、国際的成功。自身の劇団ラ・バラッカの地方巡業では、ファランヘ党に絶えず脅されながらも、村々を巡ってロペ・デ・ベガやセルバンテスの作品を上演した。高い文学性を持ち、読者の胸を締め付ける感動作。

Grazias Piras著『Lucía y la respiración mágica de los dinosaurios』の表紙

ルシアと恐竜たちの魔法の呼吸

Lucía y la respiración mágica de los dinosaurios

グラツィア‧ピラス

Grazia Piras

Ediciones del Laberinto

さあ、ルシアと恐竜の仲間たちと一緒に、わくわくする冒険をしよう。簡単で楽しいヨガの8つの呼吸法を試して、魔法の呼吸の力について調べよう。子どもも大人も自分の感情に向き合ってリラックスするための絶好の書。

Nancy Kunhardt著『Lucy y el fantasma de la Mona Lisa』の表紙

ルーシーとモナリ7の幽霊

Lucy y el fantasma de la Mona Lisa

ナンシー‧クンハート‧ロッジ

Nancy Kunhardt Lodge

Editorial Kolima

El Navegador de Cristal(水晶の冒険家)のめくるめく冒険に続いて、大胆なルーシー・ナイチンゲールが今回はレオナルド・ダ・ヴィンチの世界に我々を誘う。ダ・ヴィンチの最高傑作のひとつ、「モナリザ」が、名画をすっかりカオスに陥れようとする奇妙な現象にさらされる。アメリカ人のルネサンス美術専門家、ナンシー・ロッジ先生が再び私たちに贈るすばらしい物語。卓越した芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチとその傑作の背後に何があるかをさぐりつつ子どもたちを夢中にする、発見と魔法とイマジネーションと知識の冒険ファンタジー。

Clara Duarte Ceballos著『Luna 174』の表紙

ルナ174

Luna 174

クララ‧ドゥアルテ‧セバリョス

Clara Duarte Ceballos

La Galera Editorial

本書『Luna 174(ルナ174)』はファンタジーとSFの中間的な小説で、オリジナリティーと驚きに満ちている。しかし何より、空間と生死を超越する愛の物語だと言える。ルナ・ハットンは20歳、オーストラリアの片田舎に暮らす。平凡な毎日だが、ルナには幼い頃から持っている特異な才能があった。他人の魂の色を見分けられるのだ。周囲にいる大半の人の魂は灰色で、善悪の中間にある色だ。しかし、ひとりだけ白い魂を持つ女の子がいた。彼女には何かひかれるものがあり、彼女の家の屋根の上には星々が輝いていた。彼女の名前は、ガイア・ホイーラー。ルナは自分の秘密を誰かに打ち明けたことはない。が、ある日、彼女の秘密を知っていると思われる会社から、ある申し出を受ける。

着火!

Luuume!

アンドレア‧フレイレ

Andrea Freire

Antela Editorial

ミストはいつも怒っていて、その間に人生は進んでいきます。彼の家族や友人たちは彼を助けようとしますが、果たして成功するでしょうか?この美しい物語では、いつも怒っている小さなミストが、フラストレーションを管理する方法を学びます。

Gloria Camarero Gómez著『Madrid en el cine de Pedro Almodóvar』の表紙

ペドロ‧アルモドバルの映画に見るマドリード

Madrid en el cine de Pedro Almodóvar

グロリア‧カマレロ‧ゴメス

Gloria Camarero Gómez

Ediciones Akal

ペドロ・アルモドバルは自身の作品の大半をマドリードで撮影してきた。いや、マドリードの中にあるたくさんのマドリードで、と言ったほうがいいだろう。彼自身こう語っている。「この大都会で僕はいつも、それぞれの作品にぴったりな景色と、そぐわない人々を見出してきた」と。アルモドバルの映画とマドリードの関係は、ほぼ彼の自伝となっている。いずれの作品においても、彼は登場人物を巻き込んでいる。つまり、アルモドバル自身が過ごした通りや広場、地区、カフェ、建物、レストラン、バルなどが原型にあるのだ。本書では、物理的、概念的な側面から制作の一連の過程を見ていく。その過程からは、アルモドバル作品の特徴であるマドリードを知ることができるだけでなく、もはやその存在なしでは作品を理解できないほどこの街がいかにして作品の中心軸となったのかも明らかにすることができる。

Laura Gallego著『Mago por casualidad』の表紙

たまたま魔法使い

Mago por casualidad

ラウラ‧ガルシア‧ガジェゴ

Laura Gallego García

Grupo Editorial Bruño

あるところに、妖精やドラゴンや騎士、ファンタジーに出てくるありとあらゆるものがいるファンタジーの国があった。また、ある道を行くとたどりつける大きな町もあった。その道に「太った鬼」という宿屋があり、ラトン(ねずみ)という若者が働いていた。ある日ラトンはあやまって、悪い魔法使いカルデラウスの魔力を受け取ってしまう。どう使えばよいかわからない魔力……。魔法使いはあらゆる手を使って取り戻そうとし、とんでもない旅が始まる。その旅でラトンは、とっぴな人たちに出会い、ユーモアにあふれるわくわくする冒険をする。暗示的ファンタジーの世界で展開するハラハラドキドキのストーリー。ファンタジーの名手が、ユーモアにも踏みこむ。

Jaim Royo著『Mala yerba』の表紙

雑草

Mala yerba

ハイメ‧ロヨ

Jaim Royo

Ediciones Tolstoievski

ひとりの男、3つの物語。 ハリーはスウェルを好きになった。 昔はマリアが好きだった。 その後、サブリナを好きになった。ハリーは1日のうちに妻、仕事、家を失った男。 ハリーは自家用車で寝泊まりするようになる。 ハリーは精神病院に入院した。 ハリーはどん底まで落ちたが、助かった。 自我を切り取られ、真実が一番大切だという信条を守っていた。 もう決して、口先だけで愛の言葉を言うことはないだろう。 決して心を偽って親切にしたりはしないし、決して言い訳や偽善で装うことはしない。奈落に落ちて入院した後では、自分と同じくらいぎりぎりのところにいる女性しか好きになれないだろう。3つの愛の物語の中で、愛が新たな次元に発展する。すなわち深淵そのもの。 ハリーだけが耐えられたであろう3つのラブストーリー。≪――― 私、あなたがいない方がずっといいことに気づいたの。そのフレーズは忘れられない。額に撃ち込まれている≫

Gusti著『Mallko y Papá』の表紙

マルコとパパ

Mallko y Papá

グスティ

Gusti

Editorial Océano, S.L.

これは間違いなく、ラテンアメリカで最も重要な作家・イラストレーターの一人であるグスティの、最も深く個人的な作品である。本書において、この作者は自らの心の扉を開き、絶対的な誠実さをもって自分自身について、そして現在息子のマルコとの間に築いている関係について語りかけてくる。最も多様な造形技法と簡潔で直接的な文章を駆使して、グスティは私たちを家族という親密な環境へと誘い、これほど特別な子どもと共に生きることの意味を語って聞かせる。困惑と当惑から無条件の愛へと移行する父親の光と影を描いた、心を動かす作品である。その愛は愛する人々へ、そして特にダウン症候群を持つ小さな息子へと向けられている。極めて高い芸術的品質を持つ書籍であることに加え、間違いなく両親にとって感動的な指針となる作品でもある。 「受け入れるとは、私たちに差し出されるものを自発的に、そして喜びをもって受け取ることである。」グスティ

ママはまだ知らない

Mamá no lo sabe todavía

ブランカ‧バルテス

Blanca Baltés

ALT autores Editorial

成長していく4人の子供と彼らを守る、あるいは守ろうとしている母親。小さな娘は観察し、疑問に思い、静寂を数える。ビッグニュースの後にまたニュース、腹を立てたりびっくりしたり、陰謀は道を険しくする。人生と同じように、おかしい出来事、悲しい出来事、重大な出来事、ちょっとした出来事が混じり合う軽快なエピソードがモザイクのように埋め込まれた目がくらむ物語。母親はあまり問わず多くのことに口を閉ざす。だが人生は待ったなしで続いていく。

Natalia Kapatsoulia著『Mamá quiere volar』の表紙

ママは飛びたい

Mamá quiere volar

ナタリア‧カパツォウリア

Natalia Kapatsoulia

Aerys Producciones

絵本。主人公の男の子が1人称で語る。「ぼくのママはぼくがいないところで、山ほどたくさんのことをしてる。ママは、高く遠くに飛んでいきたがっている風船の中で暮らしてる。高く飛んで空のかなたに消えてしまう風船もあるから、ぼくはこわくなる」 仕事やスポーツジムなどに行ったときなど、ママは主人公から遠い風船の中にいるように見えることがある。けれども、男の子はうまい手を持っている。ひもをひっぱって、風船をひきよせるのだ。大人の生活に対する子どもの目線、子どものものの見方を伝え、あたたかな気持ちで自らをふりかえらせてくれるやさしいお話。

Julio César Cano著『Mañana, si Dios y el diablo quieren』の表紙

神と悪魔次第で明日

Mañana, si Dios y el diablo quieren

フリオ‧セサル‧カノ

Julio César Cano

Ediciones Maeva

刻々と時間が過ぎていく中、連続殺人を阻むための唯一の手掛かりは、聖書の謎めいた数節だけだった。カステリョンの町の平穏な日々が、不気味な殺人によって乱される。無残に切り刻まれた男の死体が中心街のアパートに置き去りにされていた。ロマレス警察署長は事件解決のためにバルトロメ・モンフォルト警部に助けを求めた。前作『ファローラ広場の殺人』で語られるように、ふたりはかつてともに捜査したことがあった。被害者の身元特定で、死んだ男は、職業相談所の所長で、かなりの女好きで有名だったことが分かる。そこで最初の被害者と全く関係なさそうなふたり目の死体が発見され、事件は紛糾する。しかしモンフォルト警部の鋭い勘が冴えわたり、重要な手がかりを得て、捜査は進んでいく。

Beatriz Enríquez著『Mañana todo el día』の表紙

あしたは1日じゅう

Mañana todo el día

ベア‧エンリケス

Bea Enríquez

Lata de Sal, S.L.

イラストレーション界のホープ、ベア・エンリケスによるインスピレーションに満ちた驚きの作品。主人公の猫は大胆で勇敢、思慮深いが、ときどきしっちゃかめっちゃかになり、なんといっても夢見がちだ。どこに行っても空想し、必要となるといつでも空想が働く。その空想力のおかげで、主人公は無限の世界を作り出すことになるが、現実は猫の考えるフィクションにまさっていた。この本のとりこになるのはなぜ? 1.いつも夢見ることの大切さをおしえてくれるから。2.読ませるところがたくさんあり、どこもインスピレーションに満ちているから。3.詩的で、感情のこもった巧みな言葉で書かれているから。4.最初から最後まで魔法や驚きにあふれているから。

Luis Leante著『Maneras de vivir』の表紙

それぞれの生き方

Maneras de vivir

ルイス‧レアンテ

Luis Leante

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

穏やかなメロディーのように始まる物語は進むにつれ息をつくのも忘れるほどのスリラーへと展開していく。しかしそれはまた、虚構と現実が混在する別の小説の中の小説でもあった。ある小説家が青春時代に熱を上げたロックグループのギタリスト兼ボーカルに再会し、彼らの足跡をたどるためにインタビューをしたことがすべての始まりだ。年代や置かれた状況を問わず、すべての人に押し寄せる様々な感情のせめぎ合い。そして、たとえひどく危険な極限状態にあったとしても、登場人物たちの原動力でありつづける音楽に対する無条件の愛を綴る。

マニとモニ、R-をする

Mani y Moni juegan al yoga

パブロ‧アロンソ

Pablo Alonso

Ediciones Jaguar S.A.U.

「ちびっこのためのヨガゲームとポーズ」。夏休みの初日、何をして遊んだらいいのか困ってしまうモニ…。すると犬のマニが、「いいこと思いついた! ヨガをしようよ!」と叫ぶ。 遊びながら、モニと小さな動物たちは、マニのおかげでたくさんのポーズを覚えて、とても楽しい時間を過ごす。パブロ・アロンソとエステル・ブルゲーニョによる本書で、家族みんなで実践できるヨガの基礎を、ゲームや簡単なポーズを通じて楽しく学べる。

Mónica Rodríguez著『Manzur, o el ángel que tenía una sola ala』の表紙

マンスール 翼が片方しかない天使

Manzur, o el ángel que tenía una sola ala

モニカ‧ロドリゲス

Mónica Rodríguez

Anaya Infantil y Juvenil (Grupo ANAYA)

無のただ中にある島、ア・カエリに、ある日、翼が片方しかない天使をのせた船がたどりつく。普段ほとんど人がやってこない島の住民たちは、そのような人物の到来に好奇心をかきたてられる。やがて、その人物は名前をマンスールと言い、背中にあるのは翼ではないかもしれないということがわかってくる。

Javi Padilla著『Mara Turing - El Despertar de los Hackers』の表紙

マーラ‧ターニング―ハッカーたちの目覚め―

Mara Turing - El Despertar de los Hackers

ハビ‧パディーリャ

Javi Padilla

Lantia Editorial

夏休みでニューヨークに⾏く直前、マーラ・ターリングは怪しげなメッセージを受け取った。「助けて」――。その不可解なメッセージは、危険なハッカー集団「ダーティ・ルーパーズ」のメンバーで、マーラが5歳のときに失踪した彼⼥の叔⽗からのものだった。幼かった彼女の心にぽっかりと空いた穴を残して消えた叔⽗、アーノルド・ターリングを探すため、マーラとその友⼈たちはニューヨークに向かう。クイーンズのガレージでプログラミングを学び、批評的な目で世間を見て、やがて最先端の⼈⼯知能ヘルメスによって鍛えられた悪魔的な二人組、そして「隠された山」で刑に服している史上最凶ハッカー、ファルコ・マッキノンに⽴ち向かうことになる。

Gracia Iglesias著『Marcelina en la cocina』の表紙

キッチンのマルセリーナ

Marcelina en la cocina

グラシア‧イグレシアス

Gracia Iglesias

IMC Literary Agency, S.L.

小さな読者が喜ぶ、韻をふんだリズミカルな文章で書かれた絵本。キリンのマルセリーナはなんでも上手だが、料理だけは苦手。うまく作れないくせに、めいっこが好きなごちそうを作ってあげたくなった。どんな騒動がもちあがるか、想像がつくでしょう! 友だちがあれこれととんでもないアドバイスをして、ディナーはしっちゃかめっちゃかのパーティーに。気の毒なマルセリーナ! キッチンはもうたいへん! どうすればいいの? ディナーはどうなる?

Alaine Agirre Garmendia著『Martín』の表紙

マルティン

Martín

アライネ‧アギーレ‧ガルメンディア

Alaine Agirre Garmendia

La Topera Editorial

「マルティンは僕の親友。でも変わってるってみんなが言うんだ。イチゴが大好きだけど鼻から食べるし、シャツを好んで着るけどボタンは全部しっかり留めるし、庭で虫を捕まえてはポケットに入れちゃう。コロッケは毎回必ずきっかり9個ずつ食べるんだ」。  2015年10月21日に教育省の後援でスペイン児童図書評議会 (OEPLI)が公募したラサリーリョ賞絵本部門の受賞作が決定した。応募のあった51作品の中から選出されたのは本作品マルティン。個々の違いや子供の純粋さを尊重した文とイラストの調和、登場人物の豊かな表現力と感性が伝わる作品として高く評価された。

Santi Balmes著『Martina y Anitram en el país de los calcetines perdidos』の表紙

なくな たくつ下の国のマルCィナとアニトラム

Martina y Anitram en el país de los calcetines perdidos

サントゥ‧バルメス

Santi Balmes

Futurbox Project (Grupo Ático)

マルティナはちょっと寂しい。パパとママが、歯が生えてきた弟のマルクのことばかりかまうからだ。ある日、弟にぬいぐるみをこわされて腹を立てたマルティナは、家を出てモンスターの世界に行き、友だちのアニトラムと遊ぶことにする。ところが、知らないうちにマルクがついてきていた。マルクはアニトラムの弟のクラムと遊びはじめて、ふたりで迷子になってしまう。マルティナとアニトラムは弟たちを探すうちに、なくなったくつ下の国にたどりつく。その国の王様は、弟を返してほしければなぞなぞに答えろと言う。アニトラムとふたりで悪い王様をうちやぶったマルティナは、おねえちゃんになるのも悪くないとわかる。

Raúl Quinto著『Martinete del Rey Sombra』の表紙

影の王マルティネテ

Martinete del Rey Sombra

ラウル・キント

Raúl Quinto

Ute Körner Literary Agent, S.L.U.

単に歴史をたどるだけでなく、歴史に新たな命を吹きこむ、すぐれた文学的発掘。2024年に国民文学賞および批評家賞を受賞した本作は、溢れるような挑戦的なスタイルで、スペインで影の王がロマ民族の絶滅を命じた夜へと私たちを連れてゆく。歴史がいかに選択的忘却の狭間に築かれているかを、実話に基づいた小説が明らかにする。逮捕から18年後に恩赦されるまで、ロマ民族が拷問と病に苦しむ間も、ブルボン朝の宮廷は贅沢と富にふけっていた。

ドラゴン狩りのメアリー‧アニング

Mary Anning, cazadora de dragones

ジョルディ‧バヤリ‧ドルス

Jordi Bayarri

Anillos de Sirio

メアリー・アニングは幼少の頃から、父に連れられてイギリス南部のライム・リージスの荒磯で化石採集をしていた。大人になっても化石に対する情熱は続き、彼女はやがて研究者の道に進む。メアリーの業績は、当時の科学界でほぼ黙殺されたが、一方でその数々の発見は、草創期の古生物学の発展に大きく貢献する。過去のドラゴン(恐竜)たちの骨を掘り起こすのに彼女が取り除いた石の重さは何トンにも及んだ。そうしてメアリー・アニングは、世界が何百万年も前に誕生し、人類が出現するよりもはるか以前に未知の奇妙な生物が生息していたという仮説を裏付ける発見をしていくのだった

マテオくんの好きなこと

Mateo juega a su manera

ジョン‧ラサー

Jon Lasser

Gemser Publications

マテオには彼自身の好みがあり、その好みに合わせて遊ぶことを知っている。だが周りの人はマテオがやりたいことよりやるべきことしか頭にない。家族は子供が喜ぶはずだと思うおもちゃをたくさん買い与えるが、当のマテオはそんな家族の期待に押しつぶされそう。しかし、唯一の理解者であるおばあちゃんの助けもあり、マテオは大人がもつ子供の可能性に対する固定概念から逃れ、自由に遊ぶ。

Martí Domínguez著『Mater』の表紙

Mater

マルティ‧ドミンゲス

Martí Domínguez

Raval Ediciones S.L.U

この小説の舞台となる新しい世界では、妊娠は女性の体外で起こる出来事だ。ゆえに思いがけなく妊娠したことを知ったソエはパートナーと共に深い森の奥に逃げ込む。そこには科学の進歩を避けて人々が隠れ住む小さな居留地がいくつか点在していた。このふたつの世界の対比は胸を突く。生にまつわる情熱的なこの小説で、著者は人の本質に係る要となる疑問を提起するとともに、すべての始まりである母性に対する賛歌を捧げる。

Rocío Bonilla著『Max i els superherois』の表紙

マックスとスーパーヒーロー

Max i els superherois

ロシオ‧ボニージャ

Rocio Bonilla

Edicions Bromera S.L.U.

マックスはスーパーヒーローに夢中だ。スーパ―ヒーローの本や映画、戦略型ゲーム、カード、フィギュア、ポスターは宝物で、友だちとよくスーパーヒーローの話をしている。特に気に入っているのはメガパワーだ。メガパワーはとにかくすごい女の子で、コンピューターをプログラミングしたり、爆弾の起爆装置を解除したり、何百万ものロボットを同時に制御したり、超人的な視力や途方もないパワーを持っている。女の子にそんなことをできるはずがないとみんなは言うけれど、そんなのかまわない。だって、メガパワーは他のスーパーヒーローとは違うのだから!

Roser Calafell著『Max y Mía en la Prehistoria: Yellow Van-1』の表紙

黄色いバン

Max y Mía en la Prehistoria: Yellow Van-1

ロセル‧カラフェル

Roser Calafell

La Galera Editorial

Raquel Díez Real著『Me encanta mi Papá』の表紙

パパが大好き

Me encanta mi Papá

ラケル‧ディエス‧レアル

Raquel Díez Real

Onada Edicions

これがぼくのパパ。象みたいに大きいんだ! ちょっとハゲているけど、とてもかっこよくてやさしいよ。パパはベッドをととのえて、ぼくを学校に送ってくれて、料理や洗濯をして、かくれんぼうもするし、オペラだって歌うんだ。ぼくはパパが大好き! 性別への既成概念にとらわれない父親像が登場する、かわいい絵本。元気あふれるイラストに彩られたリズミカルな文章が、家事に楽しいイメージを与えてくれる。

メ;ィアと学習リソース、教育分野における:+ノロジー

Medios, recursos didácticos y tecnología educativa

エステバン‧バスケス‧カノ

Esteban Vázquez Cano

UNED - Universidad Nacional de Educación a Distancia

本書は、放送大学の教育学学位プログラムの教科「メディアと学習リソース、教育分野におけるテクノロジー」の内容開発に、理論でも実用でも役立つことを目指している。また、本書は教育分野(教師、学生、教育検査官、指導教官、教育者など)に関係するすべての人にとって興味深く有益な本である。本書は7章で構成されており、テクノロジーに基づくメディアや学習リソースが、教育学習プロセス(ゲーミフィケーション、バーチャルリアリティ、ソーシャルネットワーク、デジタルデバイス、仮想学習環境、大規模公開オンライン講座(MOOC)、チャットボット、ラーニングアナリティックスなど)の改善にいかに役立っているかについて取り上げている。21世紀の教育は、教室の中でも外でもテクノロジーとの共生を無視することはできない。

クラゲ

Medusa

ぺパ‧マヨ

Pepa Mayo

Marli Brosgen Editorial

数世紀も前から地球は巨大クラゲに侵略された氷河と化し、人々は生き延びるために奥深い山の中に隠れ住んでいた。そんな中、サイボーグ工学と光遺伝学の技術者である20歳の若者マケナが軌道リングからタコミック・コロニーへ向かった。そこで科学者として職に就き、彼が最も得意とする分野、つまり感情と、それを3次元で脳にはめこむ仕事をするためだ。また、市民とサイボーグからなるデルタ・アロー隊にも入隊。この隊は植林のために外部へ出たり、ノアの方舟の名で知られる防空壕タオ・タコミックの監視をしたりする任務を遂行している。デルタ・アロー隊へ出向いた初日、マケナはノムラに夢中になる。しかし、ノムラのような原型のサイボーグは生存と人間を保護するための基本的な感情しか備えておらず、愛することを知らない。

Paco Roca著『Memorias de un hombre en pijama』の表紙

パジャマを着た男の回想録

Memorias de un hombre en pijama

パコ‧ロカ

Paco Roca

Astisendo Grupo Editorial, S.L. (Astiberri)

パコ・ロカが描く四十男の日常――それは、ようやくかなえた子どものころからの夢、パジャマを着たまま1日中家のなかで過ごす生活だった。多分に著者の自伝的要素を含んだ、テレビのコメディー・シリーズ『となりのサインフェルド』を思い起こさせるこの作品は、爆笑より、にやりとする笑いを誘う。 時には真面目に考えさせる部分もある本書は、2010年3月から2011年7月までの1年半のあいだ、バレンシアの「プロビンシア紙」に毎週掲載されたもので、パコ・ロカの自他の行動に対する観察力の鋭さが見てとれる。

Care Santos著『Mentira』の表紙

ウソ

Mentira

カラ・サントス

Care Santos

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

シェニアは、医学部に入りたくて、よい成績をとろうと頑張っているのだが、最近成績がふるわない。恋をしたからだ。しかも、相手はそこらにいる男子ではなく幽霊だ。一度だけインターネットの中で出会い、本好き同士、意気投合したのだった。彼女の気持ちは決まっているが、バーチャルな恋人が先の約束はできないという言うため、彼女は不意打ちをかけて驚かせてやろうと、手に入るわずかなデータをもとにして調査を開始する。そして、わかったのは、写真も名前も何もかもが嘘だということだった。魂の片割れである彼は、本当は何者なのか。勉強がおろそかになっているのを悔いたシェニアは、どこかの恥知らずな輩にもてあそばれたのだと思い、すべてを両親に告白する。ところが、まもなく思いがけない荷物が届き、少年の正体がわかり、いっそう親密な心の交流が始まる。彼は少年院にいる、殺人歴のある少年だったのだ。

Care Santos著『Mentira』の表紙

Mentira

カラ・サントス

Care Santos

Edebé Educación, S.L.

読書に情熱を傾ける優秀な学生シェニアは、J.D.サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』に関するバーチャル文学フォーラムで出会った、謎めいた少年マルセロに恋をして、人生が予期せぬ展開を迎える。マルセロが自分の素性を偽っていたことを知ったとき、シェニアの世界は崩れ去る。欺瞞、激しい感情、そしてマルセロの本名であるエリックが少年刑務所から送ってきた日記で明かされた衝撃的な事実が、シェニアの夢と信頼を試す。単独の小説として出版された本書だが、後にシリーズ化された。

Vis Molina著『Mesa reservada』の表紙

予約席

Mesa reservada

ビス・モリナ

Vis Molina

International Editors'Co, S. L.

若く有能な美人ソムリエ。容姿端麗で野心的だが、どこか暗い過去を持つシェフ。控えめな天才パティシエ。教養あり洗練された給仕長。バルセロナのように活気のある現代的な都市。流行の発信地で、世界中の著名人を顧客に持つミシュラン三ツ星のレストランを舞台に、めくるめく物語が展開する。サスペンスと陰謀、愛と憎しみ、秘密、そして調査に乗り出すジャーナリスト。すべてがあなたを、1ページ目からとらえて離さない。

色を混ぜる

Mezcla colores

マリナ‧サエス

Marina Sáez

MTM Editores (Metafísica del Tercer Milenio Editores, S.L.)

黄色と赤紫色を混ぜたらどうなるか考えたことある? もっと赤紫を足したら、どうなるのかな? もし好奇心をくすぐられたら、アランとティグレタと一緒に旅に出よう。色の窓を次々にくぐって、数々の素晴らしい世界を訪ねよう。そして……おっと、これから先は秘密だよ。でもヒントをひとつだけ。ティグレタの様子に注目してね。

Graciela Fernández著『Mi abuelita Juanita』の表紙

私の祖母フアニータ

Mi abuelita Juanita

グラシエラ‧フェルナンデス

Graciela Fernández

Eolas Ediciones

Núria Parera著『Mi abuelo y yo』の表紙

お いちゃんとわたし

Mi abuelo y yo

ヌリア‧パレラ

Núria Parera

Editorial Juventud

「シモンおじいちゃんとわたしは毎日、キスかくしごっこをして遊ぶ。病院に行かなきゃならなかったり、いないときもあるけれど、おじいちゃんとわたしは遊びつづける……」アーティスティックな美しい絵本。やさしい言葉で、孫娘と祖父の交流が語られる。キスかくしごっこを通して、読者はおじいちゃんが認知症を患っていることがわかる。そんなある日、おじいちゃんは息の仕方を忘れてしまったのでもう戻ってこないと、わたしは告げられる。けれども、母親とキスのおかげで、わたしはなんとか悲しみをのりこえていく。いなくなっても自分を思い出してくれるようにと、おじいちゃんはわたしにキスを残しておいてくれたのだった。

ヤモリは僕の友達

Mi amigo Hemidactylus

ホセ‧アルバノ‧ロペス

José Albano López

La Orquídea de Darwin

この物語は『ハーメルンの笛吹き男』のメタファー。ある小さな村でひとりの悪人が魔法を使って捕食動物を連れ去ってしまった。家の中や道、畑や野原など、どこもかしこもネズミや蚊などの動物がはびこり、村は大混乱に陥る。仲の良い子どもたちのグループがロレンソ教授と共にこの問題を解決しようと乗り出し、そこでヤモリや蜘蛛といった小動物の重要性を見出していく。

Andreu Llinàs著『Mi animal favorito』の表紙

私のお気に入りの動物

Mi animal favorito

アンドレウ‧リナス

Andreu Llinàs

Lata de Sal, S.L.

本書の主人公アドリアナは動物が大好きな女の子。アドリアナのお父さんが一人称で詩のように韻を踏みながら、娘の好きな動物たちや、日々、動物のかっこうや動きをまねする様子を語ってくれる。でも、彼女の一番お気に入りの動物は、猫。アドリアナは本の最後でそのことを教えてくれる。読者は最初のページに戻って、本の中にいた猫たちをみんな見つけたくなるだろう。

Carmen García Iglesias著『Mi avión y yo』の表紙

私と私の飛行機

Mi avión y yo

カルメン‧ガルシア‧イグレシアス

Carmen García Iglesias

Ediciones Paraninfo

ラウラは自分の赤い複葉機に乗って世界を旅して回り、オーストラリアに着いた。家に帰る前にコアラやカンガルーにご対面。友情と自然環境保護のふたつのテーマを軸にした物語。イラストに描かれている各場面について話すことで想像力を掻き立て、会話を促す。また格納庫、ワシのひな、滑空するなどの言葉も覚え、イラストの詳細を読み解く練習にも向いているほか、多様な風景の特徴や登場する動物とその生息地などについて話し合うことができる本。

Amanda Lemos著『Mi bisabuela』の表紙

わたしのひいおばあちゃん

Mi bisabuela

アマンダ‧レモス

Amanda Lemos

Ediciones Idampa

わたしのひいおばあちゃんは、すごく年をとっていて、だから、何でも知っている。とてもおもしろくて楽しい。ときどき悲しそうになるけれど、たいていはほがらかだ。ひいおばあちゃんは、わたしといるのが大好きで、わたしもひいおばあちゃんと一緒にいるのが大好き。よかったら、紹介してあげるよ。会ってみたくない?……呼んであげる。家族で読むための家族の本のシリーズEn familia(家族で)の1冊。ページの中には、モザイク、布、写真、スポンジ、段ボール、ファスナー、愛撫や愛情がつまっている。探してごらん、見つかるよ!

Anna Rayo著『Mi familia es especial』の表紙

私の家族は特別

Mi familia es especial

アンナ‧ラジョ

Anna Rayo

Tormenta Agencia Literaria

本書を読むと、家族の多様なあり方がわかる。見事なイラストによって、読者はたくさんの動物が登場するストーリーに引き込まれる。そこでは、100歳になるおばあちゃんが誕生日祝いのパーティーに家族みんなを招待する。いろんな家族のタイプを見つけよう。さらに読者は、イラストに何度も出てくるものを探して遊べる。さあ、見つけられるかな? 文章は大文字で書かれている。

Susana López Fernández著『Mi historia』の表紙

わたしの話

Mi historia

スサナ‧ロペス‧フェルナンデス

Susana López Fernández

Excellence Editorial

この物語の主人公は車いすに乗った小さな女の子と道端で生まれたメスの子猫。理由はそれぞれ違うけれど、ふたりは家から出るのが怖い。外に出ないでいると、人生が通り過ぎるのを窓から見ているだけ、外の世界には入っていけないような気がしてくる。女の子は毎晩お話をするが、実感はこもらなかった。なにしろ、外に出るのが怖くて、そんな経験はできないのだから。けれどある日、外を見ると、カタツムリが植木鉢に上るのに四苦八苦していた。少女と子猫は気づいたら庭に出てカタツムリを助けていた。そのとき少女は、怖いことは何も起こらないと気づく。その日から、女の子が子猫に毎晩語るのは彼女自身の話になった。わたしたちはときどき、自分の話に限界を設けて夢を阻む壁を作ってしまうことがある。

Gonzalo Moure著『Mi Lazarilla, Mi Capitán』の表紙

私のガイド、私のキャプテン

Mi Lazarilla, Mi Capitán

ゴンサロ‧モウレ

Gonzalo Moure

Kalandraka Editora

深い愛情に満ちた父娘を描くこの美しい物語は、たとえ目が見えなくても見えるものがあることを教えてくれる。暗闇に生きようとも視野が欠けていようとも充実した人生を送ることは可能だ。例えばこの本に登場する父娘は歩いて通う学校までの道のりを冒険の旅と捉えて楽しむ。町は勇猛な動物と魅惑的な音でいっぱいのジャングルに変貌するのだ。もっと住みやすく美しい世界を得るために互いを必要とする少女と父親、そのふたりの間にある優しさと互いを称え合う気持ちが伝わる作品。対話と内省的な語りを織り交ぜて物語が進行し、都会の風景のなかにマリア・ヒロンは愛嬌一杯で優しい野生の動物たちを住まわせる。主人公の想像の世界で一緒に通学する、愛すべき仲間たちだ。

私の小さなfしゃれ工房

Mi pequeño taller de moda

マユミ‧オオノ

Mayumi Oono

Zahorí Books

小さな子供はいつも大人の仕事に好奇心と興味を持っている。この本は創造性に富んで普遍的ないくつかの職業についての導入書であるとともに、作って楽しむこともできる1冊となっている。着せ替え人形の台紙がついていて、好きな衣装のシールを張って遊ぶことができる。豊富な種類の衣装と服飾雑貨の中から自由に色や模様を組み合わせ、素敵なオリジナル作品を作ろう。

Cristina Brocos著『Mi querido Zar』の表紙

愛しのツァー

Mi querido Zar

クリスティナ‧ブロコス

Cristina Brocos

Zarana Agencia Literaria

ガリシア生まれの若い女性教師は夫と別れたばかり。気分を一新するためカナリア諸島でバカンスを過ごすことにする。『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』を読みふけり、魅力的で裕福なロシア人の実業家と出会って情熱的なロマンスが芽生えると、彼女は自分の空想の主人公になる。こういうことは小説の中でしか起きないと信じている全ての女性読者に捧げる願望と情熱の物語。待ち望んでいたカナリア諸島でのバカンスに向け飛行機に搭乗するとき、クリスティーナは壊れてしまった結婚生活を忘れることしか考えていなかった。日光を楽しみ、大好きなジャンルである恋愛小説を読んで楽しむつもりだった。しかしこのバカンスでまったく期待していなかったことが起こった。大金持ちのロシア人実業家ミーシャと知り合ったのだ。魅力的で男性的、恐ろしくセクシーなミーシャが自分に目をとめるなんて……。

ピンク無しの私の人

Mi vida sin rosa

リズ‧ビアンク

Lizth Bianc

Fandogamia Editorial S.L.

自伝的な物語。別の立場で生きられたらもっといいだろうなと感じる女性。別の役割での人生、今の自分とは違った感じだったらと。彼女は内省するうちに、自分の中にある女性的なものすべてを憎むように仕向けた社会的圧力、ジェンダーのレッテル、暴力的状況の中に、その原因を見つけることになる。『Mi vida sin rosa(ピンク無しの私の人生)』は、女性として生きることが意味するもの全てについて、家父長制社会において女性のジェンダーに属しながら生きるとはどういうことか、その役割にまつわるあらゆる固定観念について、そして彼女の体にのしかかる重い負担について、シスジェンダー女性(非トランスジェンダー女性)の視点から、ジェンダーの葛藤を描いた作品。リズ・ビアンクがFandogamiaのために初めて書いた本作品は、この本を手に取る人の感性を目覚めさせる、内省的で誠実な作品。ジェンダーセンシティブについてのチェックは、アンヘラ・マリア・ガリード(教育者、性科学者)が担当した。

Monica Peitx著『Mía se hace mayor』の表紙

ミア大きくなる

Mía se hace mayor

モニカ‧ペッシュ

Mònica Peitx

Editorial Juventud

9歳のミアが、大人になるという特別な冒険について語る。思春期に女の子の体はどう変化するの? 胸は? ブラジャーは? 脱毛って? 生理って? タンポンって? 主治医の小児科の先生がミアの疑問にすべて答えてくれる。大人になるのはすばらしい冒険で、それはよく知っていればいるほどいい! 内分泌学専門の小児科医が、思春期の変化について書いた本。イラストはクリスティーナ・ロサントス。

Rafael Narbona著『Miedo de ser dos』の表紙

ふたりになる恐怖

Miedo de ser dos

ラファエル‧ナルボナ=モンテアグド

Rafael Narbona Monteagudo

Editorial Minobitia / Minotauro Digital

作者自身が患う多重人格障害を描いた物語。自分自身や家族のエピソードと、フィクションの要素や夢想を混ぜ合わせてしたてられた小説だが、フィクションと現実は、多重人格そのもの同様、どちらがどちらと見極めがたく重なりあっている。20世紀の第二共和政からモビーダ(民政移行直後の時代)にかけてのスペインを見渡しながら、すぐれた語り口で限りなく誠実に、多重人格障害の苦しみを一人称で、だが希望のメッセージをこめて描く。

Issa Watanabe著『Migrantes』の表紙

移動するものたち

Migrantes

イッサ‧ワタナベ

Issa Watanabe

Albur Producciones Editoriales

木の葉が無くなってしまった暗い夜の森を捨て、旅に出る動物たちの様子を力強いタッチの絵だけで雄弁に物語る。一度きりの大移動は死と希望が共存する不安に満ちた長い旅。様々な脅威に立ち向かいながら国境を越えて進む。ありのままの姿を描いたイッサ・ワタナベの絵は、難民キャンプの日常やメディアでよく取り上げられる移民の映像のような見慣れた光景からも読者の心を揺り動かし、反省、共感、連帯感を生み出す。移動という状況を通して歴史的な決断の必要性を読者に気づかせてくれる本。

José Carlos Román著『Miko. La gata de la suerte』の表紙

ミコ――幸運のTス猫

Miko. La gata de la suerte

ホセ‧カルロス‧ロマン

José Carlos Román

Grupo Ramírez Cogollor, S.L.

日本人にとても愛されている招き猫。愛嬌たっぷりで幸運を呼び込むとされる招き猫の由来説のひとつを、ミコという名の猫を主人公として脚色した作品。

Jorge Zepeda Patterson著『Milena o el fémur más bello del mundo』の表紙

ミレナあるいは世界一美しい大腿骨

Milena o el fémur más bello del mundo

ホルヘ‧セペダ=パターソン

Jorge Zepeda Patterson

Editorial Planeta, S.A.U.

ミレナの美しさが仇だった。若い頃から性の奴隷となってきた彼女は、パトロンである通信業界の大物が、彼女との情事の最中に心臓発作で死んだとき、逃亡を試みる。不安な逃亡の最中に、アスレスと名乗る正義漢の3人組に出会う。ジャーナリストのトマス・アリスメンディ、政治家のアメリア・ナバロ、保安の専門家ハイメ・レムスである。彼らは彼女を解放しようするが、ミレナは黒い手帳に書き込まれた謎をかかえて怯えている。その謎は、救いと同時に復讐を示唆しているからだ。アクションと愛に満ちたパワフルなこの小説は、日々グローバリゼーションが進む世界におけるパワハラと汚職を告発すると同時に、恥辱を受けている一女性が、多くの女性たち同様、開かれた心を持っていることを教えてくれる。

Meritxell Martí著『Minino y la luna』の表紙

ネコと月

Minino y la luna

マリチェイ‧マルティ

Meritxell Martí

Editorial Casals

本書はマルティとサロモの2人の作家による新シリーズ 『Minino (ネコ)』の一冊。本シリーズは厚紙製で、各ページの舌状の部分を指でスライドさせると、子どもが簡単に絵を動かせる仕組みになっている。ページをめくるごとに日常生活のささやかな瞬間に潜む魔法が見つかるというわけだ。ネコとその仲間たちと一緒に月への旅に出かけよう。ずっと遠くまで行けるよ!

ミキッツ

Miquits

アルバ‧デ‧エバン、ハビエル‧ドミンゲス

Alba De Evan y Javier Domínguez

Antela Editorial

ミキッツは猫。でもそんじょそこらの猫じゃない。魔女の親戚だ。その魔女と一緒に危険でエキサイティングな冒険をする。楽しいこと間違いなし。一緒に出掛ける勇気が君にはあるかい?この子ども向けマンガでは、魔女の飼い猫ミキッツの物語に迫る。たくさんの面白い冒険をしながら、彼らは友情と仲間意識の大切さを学んでいく。

José Ramón Alonso著『¡Mira al cielo!』の表紙

空を見て!

¡Mira al cielo!

ホセ・ラモン・アロンソ

José Ramón Alonso

Editorial Juventud

宇宙に旅したことのある動物は? 海王星の空は何色? 土星にはいくつの月がある? 楽しく教育的なイラストが入ったこの本には、これらの質問への答えはもちろん、宇宙開発という魅力あふれる世界についての多くの疑問への答えが詰まっている。宇宙研究のためのはじめの一歩。だれだって宇宙飛行士を夢見たことがあるだろう。

Àngels Navarro著『Mira, mira ¿qué ves?』の表紙

ほらほら、何が見える?

Mira, mira ¿qué ves?

アンへルス‧ナバーロ

Àngels Navarro

Aerys Producciones

脳は世界で一番複雑な機械だと考えられている。私たち人間のすべての活動の司令塔だ。でも、本当に完璧な機械だろうか? この質問に答える前に、本書を開いて、脳がどんなふうにできているか見てみよう。脳は間違うことだってあるんだ!

恐ろしい悪夢

Mis más terribles pesadillas

アリシア‧アコスタ

Alicia Acosta

Ediciones Jaguar S.A.U.

ペトラは地元で一番明るく、勝ち気で楽しい女の子。お気に入りの遊びはかくれんぼうで、わっ!と驚かすのが大好き。でも、ある日からワニや虫、お化けなどが登場する悪夢を見始める。なんて恐ろしい悪夢! 「その夢の中で遊んでみたら?」と、おばあちゃんが言った。「なんですって? どうやって遊べっていうの?」びっくりしたペトラはおばあちゃんに訊ねた。精神の力で自ら判断し、勇敢に悪夢に立ち向かう術を子どもに授けるために最適な絵本。夢は不思議な世界で、その中の出来事を決めるのは自分だということをペトラと一緒に学んでいこう。

Susana Peix著『Mis vecinos』の表紙

私のご近所さん

Mis vecinos

スサナ‧ペイシュ

Susana Peix

Triqueta Verde

主人公の少女はずいぶん前から近所の人たちを観察しており、彼らの行動を通して真の愛の意味を知るための答えを見つけ出している。愛はいろんな感情の中心にあって、心のよりどころのひとつだと私たちは幼いころから教えられてきた。子供が愛について学ぶことは、それがどのような形の愛であっても、大人の行動を理解するうえで大きな助けになる。「イアとフランはご近所さんで、ふたりはお互いのことを好きなんだと思うの!」この物語は、こんな文章で始まる。歩くとき手をつないだり、イチャイチャしたりするご近所さんを見ている少女の視点から描かれた、大いなる愛、ふたりの人間の本質的な恋愛の物語だ。

先史時代のミッションに挑む

Misión Prehistoria

ブランカ‧アルバレス

Blanca Álvarez

Aerys Producciones

先史時代を訪れたスウィフトとブライニー。ふたりが無事に戻るには、冒険で起きるすべての事柄を記憶する必要があり、そのために君の助けを求めている。君はスーパーメモリーのメダルを獲得できるかな? 記憶力を鍛えることは誰にとっても大きなメリットがある。今はいつでもアクセス可能なデータバンクがあるが、優れた記憶力は知的活動を行う際により多くの情報を提供できるので、論理的思考力などの向上に貢献すると考えられる。具体的には学齢期の児童において、成長に合わせた読書は大きなメリットとなり得るが、そこに記憶力向上に特化したトレーニングが加われば、楽しみながらも劇的な能力アップが見込まれる。

Joan de Déu Prats著『Misteri a l'arca de Noé』の表紙

ノアのはこ舟の謎

Misteri a l'arca de Noé

ジョアン‧デ‧ドウ=プラッツ

Joan de Déu Prats

Animallibres Editorial, S.L.

新しい世界に旅に出るため、あらゆる種類のつがいの動物を求むというあの広告を、ぼくみたいにミーアキャットが読まなければよかったのに。そしたら、大洪水が世界を飲みこんでいるとき、あのいまいましいはこ舟に乗らなかっただろうし、あの大混乱の中で、動物が1ぴき、また1ぴきと、跡形もなく消えていくのを見ることもなかっただろうに。

Eugenio Fuentes著『Mistralia』の表紙

ミストラリア 風力発電所の謎

Mistralia

エウjニオ‧フエンテス

Eugenio Fuentes

Tusquets Editores

以前はのどかだった場所にミストラル社が設置を始めた風力発電の近代的な風車。その翼で首を吊った女性の死体が発見される。それは同社のエンジニア、エステルだった。殺人それとも自殺? リカルド・クピード刑事は依頼を受けて捜査に乗り出すが、たどりついたのは夢にも思わない場所だった。風力発電所は争いの種だった。多くの住民はここぞとばかり土地を売却したが、環境保護に熱心な夫婦は売却を拒否するばかりか、この事業を台無しにしてやると脅す。発電所では次々と嫌がらせや襲撃が起こる。しかも会社の幹部の間でさえ見解は統一されていない。一方、後任のエンジニア、センダからエステルの抱えていた愛情のもつれや仕事上のストレスなどを聞くクピード刑事は、センダに惹かれていく自分を止められない。そして、また新たな死体が出現する。

モンとピン。色

Mon & Pin. Colores

マルタ‧ビエル

Marta Biel

La Galera Editorial

幼児の認知機能発達に適した新シリーズ。モンとピンは私たちを取り巻く世界を知るには最強のふたり組。モンはジャングルで生まれたサルで、ちょっとシャイだけどとても身軽で責任感が強い。ピンは北極から来たペンギンで、いたずらっ子で怖いもの知らず。そしてお魚が大好物。モンとピンと一緒に色を覚えようか?何も見逃さないように注意してね。とっても素敵な世界が開けていくよ!

Pola Oloixarac著『Mona』の表紙

モナ

Mona

ポラ‧オロイシャラック

Pola Oloixarac

Casanovas & Lynch Literary Agency

「彼らは我こそが作家だとうぬぼれてここにやって来たけれど、帰るときは自分たちが登場人物になっているわ」と、若いペルー人作家モナ・タリレ=ビルネは思う。カリフォルニアの麻薬とセックスの深みにはまりつつある中で、モナは権威ある文学賞Basske Wortz賞にノミネートされた数人の小説家たちと共にスウェーデンのとある村に降り立つ。北極圏の真夜中ちかく、文化的居住空間の境界線にあるその極限の地で、不思議な説明のつかない暴力の痕跡を見つける。世界各地からやってきた作家たちはお互い親交を深め、けん制しあい、力を競い、誘惑しあう。主人公モナのセックスと心理的冒険と、TED Talks(世界の研究者たちによるプレゼン) からボルヘスが主張するオーガズムまでを網羅する前衛、イデオロギー、マーケットについての討論の間で、著者ポラ・オロイシャラックは驚くべき辛辣さで、架空の世界文学のヒップスター集団を描き、このスリラー的思想の中で輝きを見せる。

モンゴ・ブランコ

Mongo blanco

カルロス‧バルデム

Carlos Bardem

Plaza & Janes

俺、ドン・ペドロ・ブランコ、奴隷商人。狂人。巨人かモンスターか。モンゴ・ブランコ。鏡と太陽の偉大なる魔術師。雌鶏の王。海賊。神父。修道士。マラガの場末からアフリカの王座、栄光のハバナからバルセロナの精神病院。ピストル。もし俺がピストルを持ったなら、俺の脳みそで壁を汚すだろう。それは俺のせいだし、俺の罰だ。これは俺の物語だ。カルロス・バルデムが再び筆をとり、伝説となった強烈な実在の人物モンゴ・ブランコの波乱万丈の英雄伝をひっさげ、アクション満載の意欲的で壮大な冒険小説で戻ってきた。スペイン、キューバ、アフリカなどが、資料に裏付けられた、趣豊かな圧倒的物語の舞台となる。

ソノロ物語

Monogatari

イグナシオ‧アバド

Ignacio Abad

Menoslobos taller editorial, S.L.

作者のナチョ(イグナシオの愛称)は現実というものに納得していない。言い換えれば、彼は現実に欺かれていないということだ。それゆえナチョは、長編ではなく短編集を出したのだ。新しい情報を伝えるという意味でnovela(ラテン語のnovelは「新しい」などの意味を持つ)と呼ばれる長編は、ゆったりと十分なスペースを持つジャンルである。一方、彼が我々の前に提示した短編集は一度読めば全体が記憶に残り、かつ新鮮だ。その中では以前のものでさえ新しいからだ。それぞれの作品において作家は、例えば後世のこととして記憶の比喩を用いてみたり、自分を独特だと感じるのは皆にあることで陳腐だという、注目すべき考えを取り入れたりしている。この日常のさまよいという糸でナチョは連結したシーンの仕掛け(罠でもある)を、そして心そのものの仄暗さの中、思考の周囲に見つけた難解な言葉を織り上げていく。作中で説明こそされていないものの、彼の静謐で澄み切った文章はおそらく本人も意図しないうちに、読者を理解に導いてくれるのだ。(ルベン・ラルディン)

Monstruo Rosa著『Olga de Dios Ruiz』の表紙

ピンク色のモンスター (モモンスター)

Monstruo Rosa

オルガ‧デディオス

Olga de Dios Ruiz

Aerys Producciones

違いの大切さについての物語。人それぞれ違っていることで、私たちの社会が豊かになることを理解するための物語で、自由への叫びである。

イベリアの怪物たち:クアランタマウラの足跡を追って

Monstruos Ibéricos tras los pasos de la Quarantamaula

ラウル‧コルデロ‧ポスティゴ

Raúl Cordero Postigo

Maldragon Editorial, S.L.

コミック『Monstruos Ibéricos: Tras los pasos de la Quarantamaula(イベリアの怪物たち:クアランタマウラの足跡を追って)』の舞台は、16世紀のスペイン。フェリペ2世の治世下、スペインが日の沈むことのない帝国だった時代だ。しかし、スペイン全土に恐ろしい怪物たちが出現し、その権勢に影を落としていく。フェリペ2世の命により、教会の上級異端審問官、ガスパール・デ・キロガ・イ・ベラ枢機卿もしぶしぶ承知し、アルバ大公フェルナンド・アルバレス・デ・トレド・イ・ピメンテルは怪物を制圧するためのグループを結成する。

Enrique Vila Matas著『Montevideo』の表紙

モンテビデオ

Montevideo

エンリケ‧ビラ=マタス

Enrique Vila Matas

MB Agencia Literaria

個人的にも文学的にも変わる時期の最中にあったこの小説の語り手は、ドアや隣の部屋に印を目にするようになった。それは自分とパリ、カシュカイシュ、モンテビデオ、レイキャビク、ザンクトガレン、ボゴタを結ぶ印で、これまで話したくて仕方なかった体験談の数々を文字にして人生の図版にしたいという思いを主人公に取り戻させていく。現代の特徴のひとつである両義性を題材にした大いなるフィクション。自身の最高傑作といえるこの作品の中で、著者はすでに言い尽くされたと思われた事柄に新たな名前を付ける方法を見つけ、また彼の作品の中核が小説の現代化に他ならないことから、称賛に値する偉業である。

Inés Plana著『Morir no es lo que más duele』の表紙

死ぬよりも とつらいことがある

Morir no es lo que más duele

イネス‧プラナ

Inés Plana

Editorial Espasa

マドリード郊外の松林で、両目をくり抜かれた男の首つり死体が見つかる。そのポケットには、ある女の名前と住所が書かれた謎のメモが入っていた。犯罪現場から数キロのところに住むサラ・アスカラガ。弱々しく孤独で、ひとりでウォッカを飲むこの女は、人との接触を一切避けて在宅で仕事をしていた。治安警察のフリアン・トレセル警部補が事件の担当になり、若いコイラ巡査部長が助手としてつく。コイラにとっては初めての犯罪捜査。しかも手がかりはほとんどなく、あまりにも多くの謎がある難しい捜査だった。トレセル警部補が捜査を進めるにつれ、存在そのものをひっくり返して悲劇に突き落とすいくつかの事実が見つかり、彼は生きている限り永久に脳裏に刻み込まれそうな地獄への旅へと導かれることになる。

おまえたちを殺した死

Morts, qui us ha mort?

イニャキ‧ルビオ

Iñaki Rubio

Comanegra Editorial

「本書は、ある家系の消滅についての、そして、ある暮らし方の破滅についての記録である。選択肢のない人生を生きる人々を追い詰める残酷さ」銃声が響きわたり、山が震える。ピレネー山脈を震撼させた兄弟殺しの物語。1943年、アンドーラ国は近隣のヨーロッパ諸国からふりかかる戦火にどうにか耐えていた。スペインは内戦後の最悪の時期にあり、共和国側の人々が国外に脱出し、ファシズムが君臨していた。フランスはナチスに占領され、ナチスは特にアンドーラの山々の制圧に関心を寄せていた。このような背景のもと、ばらばらになったある一家で、アンドーラの犯罪史上最も有名な事件が起きた。その数か月後、生き残った兄弟は死刑の判決を受け、公衆の面前で辱めを受ける。最も不当だったのは、どの死なのか? 本書はその答えを出そうと試みる。

イベリアの怪物

Monstruos Ibéricos

ハビエル‧プラド‧コロネル

Javier Prado Coronel

Maldragon Editorial, S.L.

セビーリャ出身の作家ハビエル・プラドは、スペインの神話や伝説、多くの恐ろしい怪物を集めて本書を執筆。我々の祖先を怖がらせた存在は、口頭伝承によって代々伝えられてきた。スペインで一番多いのは人喰い巨人。また子供を静かにさせておくため、大人を煩わせず早く寝かせるために利用される怪物も、スペイン国中で見られる。この「怪奇寓話集」にはたくさんの怪物が次々と登場するが、面白くてむしろ愛らしいもの、奇怪なもの、見事に退廃的なものなど、その外見や振る舞いは様々だ。

Stalker著『Motorsoul』の表紙

モーターソウル

Motorsoul

スタルケル

Stalker

Rayo Verde Editorial

ナミビア、コンゴ、セネガル、ルワンダのアフリカ4か国を舞台に、私たちが知らない別の世界の残忍性と活気を生々しく綴った4つの物語。モーターソウルを物語を進める軸として、見えないアフリカの姿について書いた本。虐待、暴力、病気、英雄的行為、宗教、希望、魔力、迷信が、人や家族、コミュニティを繋ぎそして破壊する。「モーターソウルは不可侵の原始的なエネルギーだ。万策尽きた時、最終的に人間を動かす。モーターソウルは私たちをみな同等にし、私たちの意志で操れないが、私たちが最悪の状況に陥った時に現れる。モーターソウルが私たちを決して見捨てない、自然なのだ」と著者は定義している。最後の瞬間、あなたが素早く決断する前に、モーターソウルがリアクションを導くのだと。脳に従って行動していると、あなたは確かに言えるだろうか?

Aharon Quincoces著『Muerde ese fruto』の表紙

その果実を齧れ

Muerde ese fruto

アーロン‧キンコセス

Aharon Quincoces

Ediciones Tolstoievski

アンドレスは名前のない都会の街に住む。その街では毎日自殺者が後を絶たない。アンドレスは新聞の日曜版のライターだが、取り上げる記事と言えば低俗でくだらない話題ばかり。独身だが、今の日常を変えてまでパートナーを持つつもりはない。彼は自殺についての記事は書かない。今週のテーマは「高校の時の友人はどうなったか」だ。習慣に忠実なアンドレスは、職務を果たすために自らの過去にどっぷりと浸る。友達や別れた女たちがアンドレスの人生に蘇る。書かれることのないあの厄介な記事やら、放射性同位体のあるバーで過ごす夜やら、屋上から飛び降り続ける自殺者たちが。これがアンドレスの物語だ。

Andrés Barba著『Muerte de un caballo』の表紙

ある馬の死

Muerte de un caballo

アンドレス‧バルバ

Andrés Barba

Editorial Pre-Textos

事故にあった瀕死の一頭の馬。愛し合う勇気を持てないカップル。ひとりの若者。『ある馬の死』の中では、こういった単純なモチーフが組み合わさって愛と死に関する物語を構築する。愛することへの恐れ、死と事故の体験、他者の内面と、他者と対峙する自分自身の内面の遅々とした発見。実際には、舞台は一枚の写真のように動かない。主人公たちの心の内面と意志は、瀕死の一頭の馬のまわりをぐるぐるとめぐりながら、何が起きたのか、自分たちは本当は何を望んでいるのかを理解しようとする。瀕死の馬は、最後にはある意味ですべての重心となり、それを前にすると、嘘をつくことも自分を欺くこともできない存在となる。その真っ白な重心が主人公たちに、自分たちが感じ望んでいることを認識させていく。

Vanessa Montfort著『Mujeres que compran flores』の表紙

花を買う女たち

Mujeres que compran flores

バネッサ‧モントフEルト

Vanessa Montfort

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

ある都市の中心部に近い地区に花を買う5人の女がいる。買い始めたころは自分のためではなかった。ひとりは秘密の愛人のために、もうひとりは事務所用、3人目は絵の題材として、4人目は顧客のために。そして最後のひとりは死者のためだった。この最後の女が私。そしてこれは私の物語だ。連れ合いを亡くしてからマリナは自分が途方に暮れていることに気付く。あまりにも長い間助手席に座りすぎた、つまりは夫任せの人生だった。ゼロからの出発を心に決め「天使の庭」という名のちょっと変わった花屋でアルバイトを始める。そこで花を買いに来る女たちと知り合いになる。彼女たちは立場は違うがそれぞれがマリナと同じで危機的な状況にあった。それは仕事、愛人との関係、願望、あるいは家族といったものだ。この女性たちにエキセントリックで賢い花屋のオーナー、オリビアも加わり、緊密な友情を築いていく。

ムCアと月

Munia y la luna

アスン‧バルソラ

Asun Balzola

Galimatazo Editorial

夕暮れどきに、ムニアは両親と妹のアンドレアと共に、水汲みに行く。川面に映るのは、まんまるで、輝くような月。ムニアは、ほんの少しだけ月の水を自分の小さなボトルに入れて、家にもち帰ってしまう。家で眠りについたムニア を訪ねてきたのは月…、欠けてしまった小さなかけらを返して、と。

Carlos Fonseca著『Museo animal』の表紙

動物の博物館

Museo animal

カルロス‧フEンセカ

Carlos Fonseca

Editorial Anagrama

新しいミレニアム到来のお祝い気分の真っただ中、カリブの博物館学者が、有名なファッションデザイナーから奇妙な展覧会に協力してほしいとの誘いを受ける。 動物界の在り方に対する大きな関心がふたりを結びつける。7年が経ち、展覧会はとん挫していたが、デザイナーの死後、博物館学者はふたりの共同作業のファイルを取り戻す。眠れなくてファイルを読み始めた長い夜、あの常軌を逸したプロジェクトの裏には、デザイナー一族の謎の歴史を解読するための鍵があったことを知る。それは気が遠くなるようなジグソーパズルだったが、ラテンアメリカのジャングルを貫く壮大な政治の旅の解明へとつながっていく。

Candelaria Tejera著『Nace Eugenia』の表紙

エウヘニアが生まれる

Nace Eugenia

カンデレイラ‧テヘラ

Candelaria Tejera

Editorial OB STARE, S.L.U.

出産場所が家庭から病院になり、子どもたちはお産を目にしなくなった。粉ミルクは母親による授乳の文化を家庭から追いだしてしまった。現在、学校で与えられるお産に関する情報はあるにはあるが乏しく、家庭で与えられる情報も、社会がお産に対して持つネガティブで不自然な見方の影響を間違いなく受けている。よって出産のプロセスについて、大半の子どもは無知をひけらかし、偏見に満ちた間違った考えを持っている。だからこそ、前衛的な楽しい絵と文で自然な視点から子どもたちにお産のことを話す必要があると私たちは考えた。

René Ruano著『Nacerás entre bestias』の表紙

おまえは獣たちに囲まれて生まれることになる

Nacerás entre bestias

レネ‧ルアノ

René Ruano

Edeta Editorial

悪魔ドカルは自分の山を下りて、ナルタニスの全ての種族を支配するため、形ある肉体を持とうとする。そのためには、手に入れられる限りのあらゆる手段、怖れと憎しみ、愛、勇気、希望までも駆使するだろう。ナルタニスの中で進化した3つの種族の様々なキャラクターが彼に抵抗する。賢く、能力と観察力があり、恐るべき戦士で優れた追跡者のオオカミ。他のどんなことより美しさを重視し、物をつかむことができる尾を持ち、とても器用で、隠密行動が得意なトゥリド。そして最後に、人間の外見をし、時には雌の特性を持って素晴らしいネインを生み、3メートル以上の巨体をもちながら中性的、凶暴で、王を崇敬するテライ。

Minerva Piquero著『Nacida libre』の表紙

自由な女に生まれる

Nacida libre

ミネルバ‧ピケロ

Minerva Piquero

Ediciones Alfar

テレビの司会者ミネルバ・ピケロのデビュー作。コラは、生涯で一番愛した恋人との思いがけない別れのあとに陥った暗闇から抜け出し、心機一転を図ろうとしていた。セックスが、新しいアイデンティティに向けてのイニシエーションの儀式になるだろう。体験し、出会いなおし、許すという未知の世界。一方、バレンティナは暗い秘密とトラウマの過去から逃れて、スペインにやってくる。世界の中に自分の場所を見つけるために生まれ変わりたいと感じていた。トランスセクシュアルの若い外国人女性が生きていくのは簡単ではない。本作のふたりの主人公は、とても異質でかけ離れた世界に生きていたが、それぞれにとって運命の別れ目となる瞬間に出会う。それは裏切りと復讐を過去に置き去り、自分を知る道に歩みだすべきときだった。出会った状況が、ふたりの間に深い友情と、自由な女に生まれかわった事を理解するために必要な力が育つのを助ける。

Javier Sáez Castán著『Nada pura 100%』の表紙

無100パーセント

Nada pura 100%

ハビエル‧サエス=カスタン

Javier Sáez Castán

Anaya Infantil y Juvenil (Grupo ANAYA)

春のある日、ブタくんは、森でいっぷう変わった科学者、キャンベル教授とばったり会う。好奇心旺盛で積極的なブタくんは、教授の助手になって、大いなる科学の冒険について行きたいと思う。もちろん、教授の荷物だって持つつもり。 高名な教授は、ファミリーサイズの「無」のびんを手に入れる。中身はなんでもない、純度100%の無。教授がふたを開けると、無がびんの外に出て、だんだんとあらゆるものをおおっていく。無が入っていたびんも、ひと連なりのピリ辛ソーセージも、3時15分の急行列車も、アンドラーデ未亡人のユニバーサル・サーカスも、すべてをのみこんでいく。 教授はあっけに取られるが、探求心に満ちた科学者の性分から、この途方もない出来事を調査しようと、無の穴に入る決心をする。 「ブタにとっては小さなジャンプだが、人間にとっては大きな一歩だ」

Laura Fernández Arquisola著『Nada se termina』の表紙

何も終わらない

Nada se termina

ラウラ・フェルナンデス=アルキソラ(ラウフェル)

Laura Fernández Arquisola (Laufer)

Pintar Pintar Comunicación

クロウタドリとヒマワリの間の絆を通して、生命とその循環について語る本。ヒマワリは枯れると、畑を種子でいっぱいにして、そこから新しい花が生まれる。これは自然における私たちの居場所、そして私たち人間も他の生命体と何ら変わりはないということについて考えさせてくれる連続的な循環だ。自然のリズムを通して、生命に宿る脆さと強さを明らかにする、詩的な要素がつまった絵本。

この地球上の誰も

Nadie en esta tierra

ビクトル‧デルアルボル

Víctor del Árbol

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

バルセロナ警察の警部、フリアン・レアルはつらい時期を過ごしていた。ガンと診断されて余命は長くないうえ、仕事では未成年虐待の容疑者に対する暴行で懲戒処分を受けたばかりだ。そんなフリアンがガリシアの故郷を訪れた後、彼と関係のある人々の死体が数体発見された。上官は過去の恨みの復讐として、フリアンに罪を着せようとしていた。フリアンと相棒のビルヒニアはとてつもなく難解な捜査に引きずり込まれ、彼ら自身や彼らの愛する人々の命までも危ぶまれる。フリアンは現在だけではなく過去の清算も求められていた。夢が時として悪夢に変わっていく様を描いた小説。

ナーヤ:子供の神様の伝説

Naya: La leyenda del dios niño

トニ‧ソラネス

Toni Solanes

Tebeox Editorial

ナーヤは中国仏教神話に起源を持つ、道教における守護神で、殷王朝の時代に軍の要塞で生まれたとされている。父のリ・ジンは総督兼司令官であった。母親のインは、妊娠して3年6ヶ月の後、蓮の花が入った玉を産み・・・物語はそこから始まる。このストーリーの原案となるのは(道教の少年神)哪吒(ナタ)の物語だが、既に知られている内容の模倣にならないよう脚色されている。哪吒にまつわる伝説は数多く残されており、鳥山明が自らの作品(『ドラゴンボール』)の中で孫悟空のモデルとして用いたサルの王で有名な小説「西遊記」にも、主人公らを助けるために何度も登場する。ナーヤが繰り返し現れる『La investidura de los dioses(封神演義)』と同様に、本書は、克服、名誉、責任、犠牲をテーマにした野心的な物語である。

Ángela Bravo Hernández著『Nefertiti también usaba mascarilla』の表紙

ネフェルティティもパックしていた

Nefertiti también usaba mascarilla

アンへラ‧ブラボ

Ángela Bravo Hernández

Ediciones Nowtilus, S.L.

世界で最もきれいな肌の持ち主は、エスキモーと修道女だとする科学的研究がある。いつまでも美しくありたいという願いは今に始まったことではない。本書では、文化も時代も異なる男女が、いかに努力して自らの美しさを磨き、老化の時計を止めようとしてきたかが語られる。著者は何世紀にもわたる人類の歴史の中で美とはなんであったかを分析しつつ、サロメ、ルクレツィア・ボルジア、バートリ伯爵夫人、皇后シシィといった伝説の美女の美容の秘密を解き明かす。ページを開くと、砂漠や謎めいたハーレム、何千年もの社会習慣や伝統の中にいざなわれる。肌、髪、手の有名な手入れ法から、クレオパトラやポッパエア・サビナが入っていた風呂、リラックスできて治療効果もある入浴方法まで、アンヘラ・ブラボが明らかにする。

星で見るビジネス

Negocios con estrella

フアン‧エスタデーリャ

Juan Estadella

Ediciones del Serbal

この本には、古来の知識である占星術を、容易かつ知的な方法でビジネスの世界に応用する方法が記されている。読者は本格的に占星術を学ばずとも本書を通じて、この千年来の知識を活用し、事業全般、さらには職業人としてのあらゆる活動を強化することが可能だ。読者が起業家、経営者、従業員、いずれであろうと、本書は、占星術の知識を日々の仕事の中で容易かつ実用的に使う方法を習得させるだけでなく、将来訪れるかもしれない危機、好景気、流行・・・など、われわれの社会の未来についても読み解かせてくれるだろう。過去2回の世界危機を正確に予言した、経験豊富で国際的にも著名な占星術師フアン・エスタデーリャ。その手によって記された本書は単なる書籍を超えた、星を渡りゆく魅力的な旅路である。

Nazareth Castellanos著『Neurociencia del cuerpo. Cómo el organismo esculpe el cerebro』の表紙

身体の神経科学:生体はいかに脳を形作るか

Neurociencia del cuerpo: Cómo el organismo esculpe el cerebro.

ナザレス・カステリャーノス

Nazareth Castellanos

Editorial Kairós

もしあなたの心を理解する鍵が、常にあなたの身体の中にあったとしたら? 身体と脳のつながりに関する最新の発見のおかげで、私たちは健康、幸福、そして人間関係のあり方に深い影響を与える真の科学革命を経験しています。この本は、あなた自身を新しい視点で見つめ、常にあなたと共にあるもの、つまりあなた自身の身体を観察するだけで、より深く自己を理解するための招待状です。現代神経科学で最も魅力的な声の一人であるナザレス・カステリャーノス氏の手引きにより、姿勢、心拍、さらには腸内細菌叢がいかにあなたの感情、思考、決定に直接影響を与えるかを発見するでしょう。 明確で厳密かつアクセスしやすいアプローチで、本書は最新の神経科学研究と、東西の医療実践のしばしば無視されてきた歴史を組み合わせています。あなた自身の存在の仕方を根本的に変える、啓示的な一冊です。

Pilar Lozano Carbayo著『Nico, espía y el "ingenioso" Cervantes』の表紙

ニコ、スパイと "機知に富んだ" セルバン@ス

Nico, espía y el "ingenioso" Cervantes

ピラール‧ロサノ‧カルバヨ

Pilar Lozano Carbayo

Grupo Editorial Bruño

ニコは若き秘密工作員で、謎の魔法の百科事典の助けを借りて、友人のメガと共にスペイン黄金世紀のような時代で(レパントの海戦でセルバンテスと共に!)最もエキサイティングな冒険を体験します。冒険、アクション、たくさんのユーモア—時にニコとメガの会話は完全なコメディー—がすべて実際の歴史的時代に組み込まれており、裏付けとなる事実や数字、そして読者がその時代の生活がどのようなものだったかをイメージできるよう時代背景を説明する最終ページが含まれています。 魔法の百科事典はニコをセルバンテスの足跡へと導きます。そして彼が作家の足跡をたどる中でどんな冒険に出会うことでしょう!ニコと彼の仲間メガは、偉大なレパントの海戦に参加し、アルジェの捕虜から逃れ、ドン・キホーテとサンチョ・パンサと共に馬を走らせ、劇場で「トマト投げ」を受け止めます...「放浪の騎士」の人生は、非常に濃密でカラフルです!

ニコXタと牙の謎

Nicoleta y el misterio del colmillo

カティア‧クレイン

Katia Klein

Sallybooks Editorial

ある吸血鬼一家のお話。今日、初めてニコレタの歯が抜けた。夜になり、プレゼントとの交換を楽しみに枕の下に置いた。するとすぐに変な虫たちが部屋に入り込み、その大切な牙を盗んでいった。果たして無事に取り返すことができるだろうか? さあ、ニコレタと一緒にこの冒険に出かけよう!

Xabier Cervera著『Nigrino. La condena de la memoria』の表紙

ニグリヌス 記憶の破壊

Nigrino. La condena de la memoria

シャビエル‧サルベラ

Xabier Cervera

Edeta Editorial

歴史小説。ローマ帝国の最も偉大な軍人、エデタニア出身のマルクス・コルネリウス・ニグリヌス・クリアティウス・マテルヌスは、皇帝の座を巡るもうひとりの候補者トラヤヌスの野望にとっての脅威とみなされ、ダムナティオ・メモリアエ(記憶の破壊)を受ける。ニグリヌスは、最高の勲章を授与された将軍で、当時最も輝かしい軍歴を持ち、執政官となり、ローマ帝国の属州アクィタニア、モエシア、シリアの総督を務めるが、ローマ皇帝ネルウァは後継者としてトラヤヌスを選んだ。ニグリヌスが退き、強制追放され、彼の名前を口にすることも禁じられるというように、あっという間に事態は進み、内戦の可能性は消えた。しかし、エデタニアの地から、ニグリウスとその家族は何とかして彼の記憶を守るため闘おうとするが、ニグリヌスの失脚によって、その影響力と莫大な財産を奪おうと狙う者たちが大きく立ちはだかる。

Gervasio Posadas著『Niki Zas y el retrete nuclear』の表紙

ぶっとびトイレ大作戦(ニキ‧サスと核便器)

Niki Zas y el retrete nuclear

ヘルバシオ‧ポサダス

Gervasio Posadas

Grupo EDEBÉ

ニキ・サスは小さい頃から、いとこが大嫌い。ところが、いとこはクラスメートなので、ふたりの間で戦争が起こるのはまちがいない。ニキと友だちは、いとこに復讐しようと学校のトイレのパイプをふさぐ。すると、急場しのぎに移動式のプラスチック製トイレが設置されるが、その小部屋のひとつにテレポーテーションマシンが隠されているのを発見する。それを使えば、どこでも行きたい所(テスト問題を盗みに先生の職員室に行ったり、授業の課題をすり替えにいとこの部屋に行ったり)や、思いもかけない場所(ハリウッドにジャスティン・ビーバーに会い)に行けた。パンツを下ろして便器に座りながら、行きたい場所を思い浮かべ、水を流しさえすればいい。タンクの水が再びいっぱいになるまでの間、移動していられた。ところがある日、元のトイレが使えるようになり、仮設トイレが撤去された。ニキたちは、仮設トイレ奪還のミッションを開始する。

Ignacio Chao著『Ninguén coma min』の表紙

誰も俺様の#うには

Ninguén coma min

イグナシオ‧チャオ

Ignacio Chao

Kalandraka Editora

人生を振り返る暴君、その権力を表した暗喩である本書には、フィクションと現実が混じり合う。主人公は世界でも稀な自分の個性をほめたたえ、協調性を欠き、エリート主義を貫く。臣下への共感の欠如、文化に対する蔑視、そして自分が宇宙の中心だとみなす思考で、完全な誇大妄想の持ち主となる。批判には耳を貸さず、対立する者皆に罰を与え、自分が憎しみの対象であると知ると、さらに誇大妄想が増幅する。しかし、予期せぬ結末が読者の認識を一変させる。どんな誇張もささいな逸話にすぎなくなるのだ。巧みな色使いで細密に描かれた具象的なイラストが、本書に登場するネズミ、キツネ、サル、ハゲワシなどといったキャラクターを絶妙に表現し、擬人化された情景の暴力性を際立たせている。

Alaine Agirre Garmendia著『Nire amama umea da, ni bezala』の表紙

ぼくみたいな子供になったおばあちゃん

Nire amama umea da, ni bezala

アライネ‧アギーレ‧ガルメンディア

Alaine Agirre Garmendia

La Topera Editorial

「おばあちゃんはすごーく年寄りだってみんな言う。でもその心の奥には子供が住んでいるって、ぼくとおばあちゃんは知ってるんだ」。アルツハイマーについて小さな子供に優しく、丁寧に、時には面白おかしく話すことはできるだろうか? 大人の作った概念を取り払って愛情を育み、理解し合うおばあちゃんと孫の物語をアライネ・アギーレとアイナラ・アスピアスが届けてくれる一冊。

Saïd El Kadaoui Moussaoui著『No』の表紙

ノー

No

サイード‧エル‧カダウイ‧ムサーウィ

Saïd El Kadaoui Moussaoui

Editorial Catedral

主人公はハニフ・クレイシとフィリプ・ロスを敬愛する文学教師で、そのことをモロッコに帰国を決めた友人に日々話している。モロッコはふたりの生まれ故郷で、友人はそこで子どもが育つのを見たいという。主人公は子どもは欲しくないし、愛する女性と暮らす勇気がなく、イスラムにムスリムが徴兵されることをうけいれられない。また自分のセックス中毒を抑えることが出来ず、満足感を得ることがない。ふたつの文化に自分が引き裂かれているとは思わないし、モロッコには帰るつもりはない。作者はこの作品でマグレブから来た移民の子どもたちの感情と矛盾を、率直にユーモアをこめ非常に明晰に描く。彼らは西洋諸国が与えたチャンスをものにした二世だが、ヨーロッパ人がだれしもそうであるように、ヨーロッパ文化は彼らを幸せにはしなかった。

Maxim Huerta著『No me dejes (Ne me quitte pas)』の表紙

行かないで(ネ‧メ‧キテ‧パ)

No me dejes (Ne me quitte pas)

マキシム‧ウエルタ

Màxim Huerta

Espasa Libros

目立たない外見のドミニク氏は実は園芸の名人で、しかも本物の魔法使いだ。いつの間にかパリの片隅を花壇に変えてしまった。彼の花屋レトワール・マンカントは、メルセデスとティルデのお気に入りの場所だ。スペインから移住し、フランスで40年以上働くふたりの女性はどちらも自分は孤独だと思っている。メルセデスは国境を超えたところで夫に置き去りにされ、ティルデは自分を愛してくれる相手と巡り合うことがなかったからだ。そんな平穏でメランコリックな毎日を送るふたりの前に、ビオレタというハリケーンが現れる。若い娘ビオレタは、ストーカーから逃れるためにマドリードからやって来たのだった。

Susanna Isern著『No me invitaron al cumpleaños』の表紙

誕生日に呼ばれなかった

No me invitaron al cumpleaños

スザンナ‧イセルン

Susanna Isern

NubeOcho

友だちの誕生会に招待されなかった子どもは、仲間はずれにされた気持ちになる。心理学者である著者は、そういった状況を理解するよう手を差し伸べる。下校するとき、みんなわいわい騒いでいる。クラスメイトの誕生会があるのだが、招待されなかった子がいる……誕生会が開かれるとき、招待されなかった子どもは悲しくなり、仲間はずれにされた気持ちになる。心理学者である著者は魅力的な物語で、いつも全てを手に入れられるとは限らないこと、何かが手に入らないことが、ポジティブな結果につながることもよくあることを理解させてくれる。

Pere Cervantes著『No nos dejan ser niños』の表紙

無邪気なままではいら$ない

No nos dejan ser niños

ペレ‧セルバンテス

Pere Cervantes

Zarana Agencia Literaria

メノルカ島のシウタデリャ。マリア・メデムが産休を終え地元警察の刑事の職に戻った時、70歳代のふたりの女性の殺人事件が起きる。遺体が発見されたそれぞれの住まいには3つの共通点があった。ミント系の強い匂い、パソコンから繰り返し流れるラファエルの同じ楽曲、そして隅々まで片付いた室内。バルセロナ警察の殺人課にいた経歴を買われ、マリアはこの難解な事件の捜査を任される。夫が仕事の都合で家を留守にすることが多い中での育児と仕事の両立、なぜか現れる、マドリード本部殺人課所属の謎めいたロベルト・リアル捜査課長。しかしそんなことはマリアの一番の心配事からすればどうでもよいことだった。

Xabi López著『¡No pasa nada!』の表紙

だいじょうぶ

¡No pasa nada!

シャビ‧ロペス

Xabi López

Grupo Editorial Sargantana

パンダやシマウマは多様なこの世界に住むのが大好き。だって、違っていてもだいじょうぶだから! その謎を探ってみない? 児童の多様性を養うためのお話。

Josef Ajram著『No sé dónde está el límite pero sí sé dónde no está』の表紙

限界が こかはわからないが、限界ではない場所はわかる

No sé dónde está el límite pero sí sé dónde no está

ヨセフ=アフラム

Josef Ajram

Centro de libros P.A.P.F., S. L. U.

本書は著者の作品の中でも最もプライベートな作品で、実際の経験や秘話を通して、日々向上するための秘訣や失敗と成功についての理想、努力についての考え方などを明かす。著者いわく、≪文句を言う代わりに早く起きあがって、もっと力をこめて挑戦することに価値がある≫

私たちはゴミじゃない

No somos basura

エバ‧ロドリゲス

Eva Jaguar

Ediciones Jaguar S.A.U.

浜辺? 山? 外洋のクルージング? それともスポーツ競技? 瓶は冒険に満ちた一生を夢見ていた。リサイクルの黄色いボックスに入れられて終わるなんて、大して良い計画だとは思えなかった。でも、多くの人は知らない。夜になるとリサイクルボックスは、踊ったり、歌ったり、時には夢を見たりする者たちでいっぱいの不思議な場所に様変わりするのだ。もしゴミ箱に捨てたものが新たな人生を持てたとしたら? この物語では私たちが捨てたものに生命が宿り、ゴミを排出する私たちの自覚を促す。環境や友情、そして思いもよらず現実となる夢の大切さについてテンポよく書かれた絵本。

Jaume Benavente著『Nocturno de Portbou』の表紙

ポルトボウ夜想曲

Nocturno de Portbou

ジャウメ‧ベナベンテ

Jaume Benavente

Tapia, Verzello & Pérez S.L.

時間をかけて自分の居場所を見つけたダニエルだったが、その夜、ポルトボウの人気のない駅で友人の到着を待っている間に、思い出がふいに押し寄せてくる。なんということのない平凡な人生、ソフィア・ドゥランとの思い出、そんな人生に影を落とす、近年のヨーロッパの歴史がからんだある悲劇を織り交ぜて話は進行する。記憶の中で主人公は、その時々の心の動きという舞台を通して読者を物語に導く。都会の風景描写は読み手を魅了し、親密なトーンにサスペンスの味付けの加わった物語は、一気に読まずにいられない。跡形もなく変貌していくヨーロッパを背景に、住み慣れた土地を離れた人々が求め、求め合い、ひとつの時代の中で、個人のひそやかな歴史とその時代の人々の歴史がからみあう。

Laura Pérez著『Nocturnos』の表紙

ノクターン

Nocturnos

ラウラ・ペレス

Laura Pérez

Astiberri Ediciones

『Nocturnos(ノクターン)』は、夜の多様な生態系を描いています。夜とは、歴史の中で私たち自身のものにしてきた時の空間でありながら、決して私たちのものにはならない、目に見えない領域です。 孤独と人工知能は、現実ではないものが虚無を埋めるとは信じていない女性のベッドに忍び込みます。ある小屋はすべてが見た目通りではないことを示し、闇の中では子供が何かを思い出しているようです……。思いもよらず、普遍的で、儚い情報とともに現実を明らかにする夢。親密なもの、個人的なものを覗き見ること。夕暮れの扉が開くとき、人々の心にやどる、そこかしこの情景。 ラウラ・ペレスの新作グラフィックノベル。『Ocultos(隠されたもの)』(2020年「エル・オホ・クリティコ・コミック賞」受賞作)、『Tótem(トーテム)』、『Espanto(戦慄)』に続く、初めての完全単独作品。

私たちを思い出すだろう

Nos recordarán

カルラ‧グラシア

Carla Gracia

Editorial Catedral

ゲーテとシラーが共に過ごし、その後の彼らの作品にとって、またふたりの関係にとって決定的な意味を持つことになった1794年の夏の数日間へと読者を誘う。友情の物語であり、同時に神話の後ろに隠れた人物の夢や苦悩、心の奥底の野望、誰にも明かせない恐れの物語である。ヨーロッパ文学において最も影響力のあるこのふたりの作家は、常に生涯の伴侶である女性たちに守られていた。彼女たちはしばしば、完全な闇にとざされてしまいそうになる彼らの唯一の光だった。シンフォニーのように、多様な声と、時の中で絡み合う横糸が、男と女、過去と未来の間で完璧な合わせ鏡となって内的考察を導き、人生と愛の密接な関係を語る。

Xavier Bosch著『Nosaltres dos』の表紙

私たちふたり

Nosaltres dos

シャビエル‧ボッシュ

Xavier Bosch

Columna Edicions, S.A.U.

「15年も会っていないにもかかわらず、一昨日話したばかりのように感じる、見えない絆で結ばれている。友情とはこうあるべきだ」キムとラウラは大学で知り合った。ふたりが住む世界は全く違っていた。キムはバルセロナのグラシア通りにあるホテルのオーナーの息子。魅力的で人の目を全く気にしないおおらかな性格だ。一方ラウラは地方出身。素朴で理想主義者。そして人生で大切なのは細やかな気遣いだと分かっている。友情の絆で結ばれたふたりは共に笑い、楽しみ、前途に立ちはだかる障壁を乗り越えていく。それぞれの道が離れても支え合うことに迷いはない。たとえ遠くにいようと、再会までにどれだけの時を要しようと関係ない。彼らは何があろうと真の友達。希少な存在だ。

私たち、これから

Nosotros, después

シルビア‧ソレール

Silvia Soler

Grup Enciclopèdia

4人の友からなる2組のカップル、そしてすべてを変えていくある喪失。著者の一連の代表的小説『El verano que empieza(始まりの夏)』、『Un año y medio(一年半)』 、『Los viejos amigos(旧友)』に続いて、本作は時の流れや愛、人生の浮き沈みを描く。男性2名、女性2名からなる4人の人物は、人生の本番が始まる前の思春期に知り合う。ソレールが、こまやかで映画的な特徴ある文体で描く物語は、読みだすと止まらず、忠実な読者の心をつかむ。この小説に登場する人物たちは野望や期待や希望に動かされ、私たちがみなそうであるように失望や喜びや欲望、とりわけ愛を経験する。そして、中心的テーマのひとつである友情を。

Mónica Bustos著『Novela B』の表紙

B級小説

Novela B

モニカ‧ブストス

Mónica Bustos

Obscura Editorial S.L.

不可解な事故で息子を失ったカップル。人食い儀式に巻き込まれてしまったふたりの旅人。バイクの暴走族。UFOを探す者たち。ビートニクの狼男たち。血に取り付かれメシア思想にのめり込んでいるひとりの若い女性。世間を恐怖に陥れる連続殺人者…。これらすべての物語が目のくらむような速さで交差し、恐ろしさと不条理さと強烈なインパクトを等しく兼ね備えたストーリーへと集約されていく。モニカ・ブストスはB級作品の流儀を用いて、激しさのある、生々しいストーリーとパロディー的な場面を詰め込んだ物語を作り出した。物語から漂うユーモアは辛辣ながら、勇敢かつ魅力的な雰囲気も感じられる。異色であるにとどまらない群像小説であり、パルプ・フィクションの伝統に敬意を表したキラリと光る小粒の傑作。断片的に描かれたそれぞれの物語は、ひとつに繋がったときすべての意味が明らかになる。

Manuel Septien Ortiz著『Nubes de tiza』の表紙

チョークの雲

Nubes de tiza

マニュエル‧セプティエン=オルティス

Manuel Septien Ortiz

Ediciones del Serbal

ある晩校長は予期せぬ電話を受ける。フランス研修旅行中の彼の高校の女生徒が自殺未遂をしたというのだ。それは、次々と起こる思いがけない重大な出来事の始まりとなった。ワイナリーやぶどう畑が広がる牧歌的な風景を背景とする地方の学校では、カリキュラムにはない悪事や復讐や暴力からの学びが繰り広げられている。長く教育に携わってきた著者はこの小説で、教室や新しいテクノロジーの出現や異文化の交流といった事象が、変わりゆく教室や暮らしの現実の中に、豊かさだけではなく争いをもたらしていることを提示している。

ヌックと魔法の.ット

Nuc y el kit mágico

ヌリア‧アパリシオ

Núria Aparicio

ECC Ediciones (El Catálogo del Cómic, S.L.)

ヌックは不思議な箱の入った小包を受け取り、すぐに魔女が使う魔法の道具が全部入っていることを発見する。しかし、魔女に変身するのは、思ったほどたやすいことではなさそうだ…。

Imapla著『Números escondidos』の表紙

隠れた数字

Números escondidos

イマプラ

Imapla

Editorial Juventud

イマプラは長い経歴を持つイラストレーター兼作家。1985年バルセロナのエリサバ美術学校グラフィックデザイン科を卒業。卒業直後より画像を使う仕事を習得し、グラフィックと絵画は別物との理解を示す。バルセロナオリンピックが開催される中、またグラフィックデザインがブームの1992年にアペル・メストレ賞を受賞。これをきっかけに本の創作に取り組むようになる。

Jesus María Ballaz Zabalza著『Nunca digas la contraseña』の表紙

パスワードは言わないで

Nunca digas la contraseña

ヘスス‧マリア‧バリャス=サバルサ

Jesus María Ballaz Zabalza

Editorial CCS

マリアは平日に母親とのあいだに起こったことをアルバにメールする。母親は、父と別居してから頭が少しおかしくなっている。アルバは、父親と過ごした週末のできごとを書いて返信する。驚いたことに、父親は若々しくなっていた。そしてマリアとアルバは、両親が知り合った場所でもう一度ふたりを会わせようと計画を練る。それで何かが変わるかも知れない! メールという現代の書簡体で、マリアとアルバのふたりが苦しみながらも、両親の状況を理解していく様子を描く。

Fernando Lalana Josa著『Nunca más』の表紙

もう二度と

Nunca más

フェルナンド‧ララナ=ホサ

Fernando Lalana Josa

Editorial Bambú

1970年、スペイン。ダルマシオの運命は古紙回収作戦の初日から悪い方へと向かいだした。これが恐るべきブラス先生の好感度を少しでもあげて、無事学年を終える最後のチャンスだというのに。しかしどこかうまく行かず、我らがヒーローは毎年夏に訪れるカラロチャに来てもその悩みが頭から消えなかった。そして驚くべき結末を迎える。「よくないね、坊主、良くないことだよ」

エマ‧オルセンの最後の本

O derradeiro libro de Emma Olsen

ベルタ‧ダビラ

Berta Dávila

Editorial Galaxia

ある病により終末期にあるエンマ・オルセンは、まもなく死が訪れるのを知り、人生最後の数か月と向き合っている。だが、作家であるエンマ・オルセンは、残された時間で、ある小説を仕上げようと決意する。正確にいうなら小説ではなく、彼女の人生における最も重要な年月、遅かりし青春時代の一人称の記録だ。オルセンは、長年隠してきた秘密の物語を語るために筆をとる。そして、彼女が生まれた、アメリカ中西部の忘れられた小さな町フェイスにもどる。これといったことの起こりそうにない町だが、そこには数少ない住人たちの間に嘘と対立の宇宙が隠されていた。

Enrique Mauricio Iglesias著『O esquío rampante』の表紙

後ろ足で立つリス・コシモ

O esquío rampante

エンリケ‧マウリシオ

Enrique Mauricio Iglesias

Polo Correo do Vento

シアドールのピオガレゴ一家に生まれた仔リスのコシモは、住処にしている樹齢100年の樫の木の病気の治療法を見つけようとして、様々な出来事を経験する。この世に社会が生まれたときから現代にいたるまで、物語は教育に役立てられてきた。エンリケ・マウリシオとカルロス・タボアダによる本書も、そういった役割を担う物語にほかならない。心惹きつけるこの作品で、読者は友情、連帯、自然への愛情といった価値観の大切さに気付き、木や草についての知識を深めるだろう。

傑作

Obra maestra

フアン・タリョン

Juan Tallón

Editorial Anagrama

この小説が語る物語は、まったくありえなさそうだが、実際に起きたことだ。一流の国際的美術館、レイナ・ソフィア美術館は、1986年開館にあたって、北米の有名彫刻家、リチャード・セラに作品を依頼した。だが、38トンもある彫刻作品が、ある日突然……煙のごとく消えた。本書は、ノンフィクションと記録文学とナンセンスの間をいきながら、スリル満点に事件を再構成し、さまざまな疑問をわきあがらせる。なぜそのようなことが起こりえたのか、なぜコピーがオリジナルとなったのか、現代美術における芸術とは何か、消えた鋼鉄製の彫刻がある日いきなり現れることがありうるのか。これらの疑問にこたえようと、リチャード・セラ本人を含む、さまざまな人物の声が集められた。不可解な消失が、傑作へともちあげられる。

José Luis de Juan著『Obra muerta』の表紙

乾舷

Obra muerta

ホセ‧ルイス‧デ‧フアン

José Luis de Juan

Editorial Minúscula

夜、眠れない男、眠る女。男はまどろみのあいだだけ現れるイメージにふけり、「不眠は熾火のような赤い目をした暗い獣だ」と思う。天気予報の原稿を書くアルコールに溺れた元船乗り、「監視されて退屈な」フランコ独裁政権時代のバルセロナに現れる日本人学生など、かつての友人たちが、夜明け前、想い出がつくりあげた幽霊となって、ひとりずつ出てくる。登場人物の人生、現実になるとは限らない彼らの運命は、人生の中で他者が占める真の位置について、読者に自問させる。乾舷(つまり海から出ている部分。それに対し喫水部とは海の下に使っている部分)を見せて航海する船のように、ホセ・ルイス・デ・フアンのこの素晴らしい物語は、夜明けと夜の間、現在と想い出の間をたゆたいながら堂々と進んでいく。

オブスクラ2。10の短編

Obscura 2. Diez relatos

共同作業

Obra colectiva

Obscura Editorial S.L.

恐怖と不安と不信感を感じさせる不確かなもの。未知の、よくわからない、謎めいたもの。弊社の看板となったアンソロジー『Obscura, Diez relatos(オブスクラ 10の物語)』(本サイト2021年紹介作品。新たに私たちを、不確かなもの、隠されたもの、未知なるもの、すばらしいもの、震撼させるもの、神秘なるものへと導く。ホラーやファンタジーやSFの分野の中堅どころから、頭角を現しつつある若手まで、10名の作家の不安をかきたてる10編を収録。10編はそれぞれ全くばらばらだが、そのねらいはひとつ、暗黒の無限の顔を読者に知らしめることだ。

Obra colectiva著『Obscura: Diez relatos』の表紙

オブスクラ 10の物語

Obscura: Diez relatos

共同作業

Obra colectiva

Obscura Editorial S.L.

オブスクラ(OBSCURA)とは、「不確かな」、「恐れや不安、疑念を抱かせるような」、「無名の」、「世に知られない」、「怪しげな」という意味である。各作家が作品を通して恐怖に対する自身の見方を忠実に映し出した選集。 一見怖くなさそうだが最後は予期せぬ怖い展開になる作品、出だしから恐怖を感じる作品、さらには、思いもよらない場所(その多くは人間の心の内)にも恐ろしさがあることを教えてくれる作品もある。ホラー文学界で台頭著しい作家たちによる選集であり、多彩なアプローチによる作品の数々が集結。この中から自分にあったものを見つけるのは難しいことではないだろう。

極地を観察する

Observando los polos

バネッサ‧バラゲ

Vanessa Balagué

Editorial CSIC

地球の気候に重要な役割を持つ極地で、自然環境が劇的に変化している。これは気候変動への敏感な反応によるもので、極地外の緯度帯の気候、海洋、環境の動態に直接影響を及ぼす。この本は北極と南極に関する知識の現況―その地質学的進化、この領域における切迫した汚染問題、多様な陸域及び海洋生態系の特徴、過去の進化と将来の極地の気候―を包括的、学際的に提示することを目的としている。最終的な意図は北極と南極の類似点や相違点を面白く、だが明確に説明し、気候変動が極域に及ぼす変質について関心を持たせることにある。

Javier Barreira著『Occidente, llorarás por mí』の表紙

西洋よ、お前は俺の いで泣くことになる

Occidente, llorarás por mí

ハビエル‧バレイラ

Javier Barreira

Editorial Kolima

Occidente, llorarás por mí (⻄洋よ、お前は俺のせいで泣くことになる)は、⼩さな事件が発端となり、徐々に史上最⼤のジハーディスト(イスラム過激派)の脅威を明るみに出していく捜査を描いた推理⼩説。当初、型どおりの確認作業をしていた⼩さな事件が、氷山が少しずつ姿を現すかのように、国際的にも影響を与えるとんでもない様相を⾒せていく。政府の秘密情報部員という厳しい仕事で鍛え抜かれた主⼈公、ミゲル・アギーレがこの難事件の解決に挑む。犯罪の陰謀を解き明かしていくにつれて、脅威と危険はエスカレートしていき、やがて物語は時間との闘いとなる。ハビエル・バレイラは、マドリードを舞台にした壮⼤なスパイ⼩説を書きおろし、読者を最後までハラハラさせる。

海洋

Oceánica

ヨランダ‧ゴンサレス

Yolanda González

De Conatus Editorial

2019年8月、G7のサミット開催の直前に1頭のクジラがオンダリビアの海岸に打ち上げられた。富を象徴するお祭り騒ぎに水を差すための自然からのメッセージだろうか。あるいはエコサイドを続ける政府の非難を目的とした反体制グループの工作だろうか。いずれにしても40トンの動物の死骸は公衆衛生上の脅威であることに間違いない。クジラの死の原因調査と責任の所在を突き止めることが急がれる。それと並行して名も知れぬ人々の声が合唱となって同じ海を航海し、大々的なクジラ漁が始まった5世紀前へ時間を遡る。海洋の衝撃的な現状を書いた小説で、新たな環境問題を探りつつ現代が抱える倫理と政治の矛盾を突き付ける。

生き生きと充実した老後を送るための大切な趣味

Ocio valioso para un envejecimiento activo y satisfactorio

マヌエル‧クエンカ‧カベサ

Manuel Cuenca Cabeza

Editorial CCS

老後は人生の一部であり、思ったよりもずっと早く始まる。ただ、それを後ろ向きにとらえる必要はない。むしろ老後は人生で一番楽しい時期かもしれない。とにかく全力を尽くして楽しむだけだ。老後を生き生きと過ごすことの大事さはよく耳にするが、大切な趣味を持つことが、人生を豊かに、そして老後を充実させる助けになることは知られていない。趣味とは単に自分の好きなことをするだけではない。刺激や生きる意欲を与えてくれることをするのも趣味といえる。本当の趣味というのは、どんなに小さな行為であっても、生きる意味を与えてくれる。本書は、大切な趣味について、そしてそれを実践することのメリットについて取り上げた本である。全部で20の短い章からなり、章ごとに充実した老後にまつわるテーマが掲げられている。読む人ごとに違った驚きや発見、ヒントがあるだろう。

Pablo Carbonell著『Oda al mar』の表紙

海への頌歌

Oda al mar

パブロ‧カルボネル

Pablo Carbonell

Nuevo Nueve Editores

オブスクラ(OBSCURA)とは、「不確かな」、「恐れや不安、疑念を抱かせるような」、「無名の」、「世に知られない」、「怪しげな」という意味である。各作家が作品を通して恐怖に対する自身の見方を忠実に映し出した選集。 一見怖くなさそうだが最後は予期せぬ怖い展開になる作品、出だしから恐怖を感じる作品、さらには、思いもよらない場所(その多くは人間の心の内)にも恐ろしさがあることを教えてくれる作品もある。ホラー文学界で台頭著しい作家たちによる選集であり、多彩なアプローチによる作品の数々が集結。この中から自分にあったものを見つけるのは難しいことではないだろう。

Mario Muchnik著『Oficio editor』の表紙

編集者の仕事

Oficio editor

マリオ‧ムクニック

Mario Muchnik

El Aleph Editores

スペインで最も名高い編集者のひとりの回想録。本と同じだけ古くからあるこの職業の、いわば弁明の書である。この中でムクニックは、迫りくるデジタル革命の中でも、編集者の仕事は削除したり排除したりできない職業だとしている。すなわち著者が過ちをおかさないよう守り、そして読者をもまた過ちをおかさないよう守るのが編集者なのだ。

Alexandra Roma著『Ojalá siempre』の表紙

どうかずっと

Ojalá siempre

アレクサンドラ‧ロマ

Alexandra Roma

Ediciones Urano, SAU

彼女は、親友の一番下の妹。黄色が大好きで、思うままに星を線で結んで星座を描き、彼女独自の星空を創りあげていた。彼は、革ジャン姿の反抗的な少年で、彼の胸をかき乱すあれこれをボールペンで描いていた。ふたりは共に一時代を駆け抜け、思い出を作り、唇がほとんど触れそうなくらい近くにいることもあるほど、ずっとお互いをとても必要としていた。今、フリエタとマルコは疎遠になってしまったが、運命的にサラマンカの街で再会し、昔の歌は決して色あせないのか、トラファルガーの灯台は新たな夕暮れとともに彼らを待っているのかを確かめる。過去、現在、誓い、時の秘密を抱えた砂時計、そして「La chica de ayer(昨日の女の子)」の曲の中に≪ずっと≫が隠されているかもしれないという希望…。

Anabel Botella著『Ojos azules en Kabul』の表紙

カブールの青い目

Ojos azules en Kabul

アナベル‧ボテリャ

Anabel Botella

Plataforma Editorial

サイラは自分の容姿を好きだと思ったことが一度もない。金髪で目が青く、みんなにカラミ、つまり私生児と呼ばれていた。姉と母、祖父と一緒にアフガニスタンに住み、自分を8歳と思っている。ある時、タリバンの忠実な信奉者である残酷な男、ラミンがサイラの人生に現れ、一家に永遠の不幸が降りかかる。しかし、すべてが失われた訳ではなかった。スペイン軍のおかげで、サイラはスペインのバレンシアに行くことができ、里親の愛情に包まれて育つ。だが、過去の悪夢は頭からはなれることがない。パブロの愛が心を開くチャンスをくれたとき、サイラは幼い頃の傷を癒し、幸せになることができるのだろうか?

José Ramón Gómez Cabezas著『Ojos que no ven』の表紙

うつろな目

Ojos que no ven

ホセ‧ラモン‧ゴメス‧カベサス

José Ramón Gómez Cabezas

Editorial Anagrama

クーデターの企てと、新共和制確立に向けて機運が高まり、アルフォンソ13世の王政が揺らいでいた不安定な激動の時代。ホアキン・コルドバは、友人マテオから至急の呼び出しを受ける。ホアキンをトレド特有の霧が迎え、その霧は古都の栄華を覆い隠すように刻々と広がっていく。ホアキンは、タホ川の河畔で起きる一連の嫌な出来事に少しずつ巻き込まれていく。両目をえぐり取られた何人もの売春婦の死体が連続して発見されるが、誰もそのことを気にしていないようだ。捜査が進むにつれて、ホアキンは自分と周囲の人たちの命を危険にさらすことになる。ホアキンは、トレド騎士団と呼ばれる怪しい若者グループの足取りを追うが、殺人事件の進展とともに、彼は友人までも疑うようになる。

Fran Toro著『Olivos de cal』の表紙

石灰のオリーブ

Olivos de cal

フラン‧トロ

Fran Toro

Susana Alfonso Agencia Literaria

簡素にしたデリーベスの作品を彷彿させる農村小説。丁寧に描写された登場人物たちがひたすらに隠す感情は静という形で昇華され物語の主役の域に達している。ハエンの地で繰り広げられるふたつの物語は厳しい30年代まで遡る。巧みな言葉遣いは農場に灯ったランプのまどろみを誘う光のように読み始めた途端に読者を包み込む。フェンネルやローズマリーの香りが漂うオリーブ畑を歩き、銃殺班を前にした時や爆弾の攻撃にさらされた時の自らの呼吸を感じ、花盛りのオリーブの梢の揺らぎに身を任せよう。フラン・トロの小説はロレ・イ・マヌエルのようで、湿った大地の匂いとオリーブ油の味がする。スサナ・フォルテスの言葉を借りれば、「ひとりの女性の姿を描き、古いオリーブの木の間を抜けて人生の坂を上っていく、その息遣いまで感じさせる」小説だ。

Ainara Bezanilla Orallo著『Olor a mandarina』の表紙

みかんの香り

Olor a mandarina

アイナラ・ベサニリャ=オラリョ

Ainara Bezanilla Orallo

La Maleta Ediciones

それは冬のこと:あなた、絵、雨、時折の太陽、そしてみかん。

Belén Gaudes y Pablo Macías著『Omar, ¿el zoo no quieres visitar?』の表紙

オマール、動物園に行きたくないの?

Omar, ¿el zoo no quieres visitar?

ベレン・ガウデス と パブロ・マシアス

Belén Gaudes, Pablo Macías

Cuatro Tuercas, S.L.

オマールは動物が大好きです。だから、好きな科目は自然科学です。でも動物園に行くと、ひどく泣きたくなります。ゾウからミミズまで、幸せになるためには自由に生きる必要があります。動物への真の愛を見つけましょう。韻を踏んで書かれたこの絵本は「Ande yo valiente(勇敢に行きましょう)」シリーズの一冊。ステレオタイプ、不平等、性差別から解き放たれるこのシリーズの物語は、ユーモアと感動をもって、子どもたちは大人からの偏見なしに成長すべきであること、そして多くの場合、大人である私たちが彼らの「小さな」知恵から学ぶべきであることを思い出させてくれます。

Alaine Agirre Garmendia著『On ha anat, l'avi?』の表紙

おじいちゃんはどこに行ったの

On ha anat, l'avi?

アライネ‧アギーレ‧ガルメンディア

Alaine Agirre Garmendia

La Topera Editorial

「年を取るごとにおじいちゃんが衰えてるとおばあちゃんが言うけど、何のことかちっともわからない。学校で石は時の流れによって浸食されすり減ると習った。でもおじいちゃんは石じゃない。それとも石なの? 時々そう思える、だって例えば寝ている間は1ミリも動かないから」。2015年ラサリーリョ賞絵本部門の栄冠に輝いたタッグが戻ってきた。今回は時の流れや老化、そして死を子どもの目を通して語る優しく感動的な物語。幼い子どもを対象に、愛する人の旅立ちを、現実を踏まえつつほっこりと、そして誠実に語りかける。

追跡作戦

Operación sabueso

フリオ‧サントス

Julio Santos

Xarpa Books

7歳以上を対象とした児童向け冒険シリーズ。色彩豊かなイラスト入りの120ページを超える本で、冒険、ミステリーなどが楽しめる。「やあ!僕はチャノ。双子の兄弟の名前はオスカル。緑色の不思議な隕石を見てから、僕たちはテレパシーを感じるようになったと親友のラウルとソニアに話したら、とても驚いた。それで彼らが最初に思いついたことがなんだかわかるかい? なんと捜査本部を作ることだったんだ! そんな時、ツインシティでは犬の失踪事件が相次いでいた。だからどうしたって? それが大いに関係あるんだよ。さあ、本を開いて何が起こるのか、君自身が発見してよ」

Alberto Guaita Tello著『Orgullo de cuervo』の表紙

カラスの自尊心

Orgullo de cuervo

アルベルト‧グアイタ‧テリョ

Alberto Guaita Tello

Aerys Producciones

隣人への愛と自然の大切さを伝える10編の愉快なアフリカの物語で、様々な文化を垣間見ることができる。本のタイトルになっている話はカラスに捕えられた年老いたトカゲが、巧妙にカラスの自尊心をくすぐって難を逃れようとする物語。

José Ramón Alonso著『Osa』の表紙

オサ

Osa

ホセ・ラモン・アロンソ

José Ramón Alonso

Kalandraka Editora

オサはひとりぼっち。寒さと冬がやってきたので、寝るのにいい場所をさがします。ある朝、かくれがに光がさしこみ、おなかがもぞもぞと動きます。おなかがすいたからではありません。オサには新しい春が訪れるでしょう。そして、もうひとりぼっちではありません……。生命と自然のサイクルに基づいた、母性を自然でおだやかな出来事として描く心あたたまる物語。それは、母と子の間の特別なつながりを示すかけがえのない瞬間です。繊細で、比喩的で、非常に詩的でいて物語の力強さをあらわすイラストは、あらゆる年代の読者を魅了するでしょう。

Andrea Izquierdo著『Otoño en Londres』の表紙

ロンドンの秋

Otoño en Londres

アンドレア‧イスキエルド

Andrea Izquierdo

Nocturna Ediciones, S.L.

「エルズミーアホテルはハイドパークの南、ロンドンの高級住宅街、ピーターパンの作者の住まいのあったサウスケンジントンにある」奨学金のおかげで大学に入学できることになったリリーは、このホテルに泊まることになり、その豪華さに呆然とする。しかしメレディスにとっては、そのホテルはごく当たり前の場所で、アバにとってもそれは同じだった。アバの一番の関心事は、しつこいコナーにどんなに迫られようと、自分の秘密が明かさないこと。コナーは韓国人の青年で、いつも(母親のせいでいつもみなの話題にのぼる)レックスやマーサにくっついて歩いている。マーサは髪が青く、パーティでトムと会った時に派手に立ち回った子だ。そう、トム・ロイ! トムはフィンの友だちの、テレビゲームが大好きな赤毛の子で、オリバーを目の敵にしている。このオリバーと、リリーは一切関係しない方がいいだろう。秋の始まりとともに、これらの登場人物たちがサウスケンジントンで集う。そこは、頂上が高いだけに、落ちた時の危険が高い場所だ。

Vicente García Oliva著『Páginas del diario de Simón』の表紙

シモンの日記のページ

Páginas del diario de Simón

ビセンテ‧ガルシア‧オリバ

Vicente García Oliva

Pintar Pintar Comunicación

シモンはついに日記帳を手に入れた。頑丈な装丁に、秘密をまるで金塊であるかのようにしっかり閉じ込めてくれる南京錠まで付いた立派な日記帳だ。これで、あのうわさ好きの弟フリアンに自分の経験を知られなくて済むだろう。最近転校してきた自閉症の少年エクトルとの友情や、自分が先入観なしに彼を自然に受け入れた話、それにエクトルがいつも自分を理解させることができるとは限らないこと(ましてや他の生徒には)、必要な時は、シモンはいつでもこのクラスメイトを守るだろうということも。日記帳の各ページには、愛情に満ちた、気負わない自閉症へのアプローチの仕方が綴られている。

文学の風景

Paisajes literarios

ヌリア‧ソルソナ

Núria Solsona

Zahorí Books

多くの小説では、物語が展開する舞台がどこでもいいというわけではない。どんな偉大な作品でも、舞台や風景は主人公と同じくらい、物語と密接に結びついている。本書は25の世界的なYA文学の傑作をとりあげ、その作者がかつて住んだり、夢見た場所を巡る文芸入門の旅。それは、文学への美しいオマージュであり、名作の読書へといざなうもの。また、本書で取り上げたすべての作品には、風景の重要性に加えて大きな共通点がある。自由への願望と書き言葉の力が独自の道を模索するよう、私たちを突き動かすことだ。

Aina Bestard著『Paisajes perdidos de la Tierra』の表紙

地球の失われた光景

Paisajes perdidos de la Tierra

アイナ‧ベスタル

Aina Bestard

Zahorí Books

わくわくするような地球の歴史――その誕生と進化――を、光景の変化に視点を置いて辿っていく本。思わず引き込まれるようなアイナ・ベスタルドの描くイラストと、主な出来事を簡潔かつしっかりと記した解説が特徴。植物原料の紙に、古生代および中生代の動植物のイラストを収録。また地球全史のなかで、読者が今どこを見ているのか確認できる年表も掲載されている。レイアウトも凝っていて、たとえば「化石」のページでは、化石が描かれた厚紙をめくると、数百万年前に生きていた動物たちの在りし日の姿が現れる仕組みになっている。バルセロナ自然科学博物館との共同出版。

Gonzalo Moure著『Palabras de Caramelo』の表紙

キャラメルの言葉

Palabras de Caramelo

ゴンサロ‧モウレ

Gonzalo Moure

Anaya Infantil y Juvenil (Grupo ANAYA)

コリは西サハラ砂漠の難民キャンプで暮らす耳の聞こえない少年。読み書きが何に役立つのか理解しないまま学校に通っている。おじの家の小さな柵の中で、キャラメル色のラクダの赤ちゃんが生まれる。コリはキャラメルと名付け、すぐに友だちになる。コリは口の動きから言葉を読みとることに慣れているので、ラクダが唇を動かすときは話をしているのだと考えている。こうして、コリは大切な友だちキャラメルの詩のような言葉を形にしたい一心で、字を書く練習をしはじめる。しかしある日、恐ろしいことが…

ロバの腹

Panza de burro

アンドレア‧アブレウ

Andrea Abreu

Casanovas & Lynch Literary Agency

生きがよくワイルドで生々しい、古典となること間違いなしの、イニシエーションの物語。思春期の入り口にいるふたりの少女の衝撃的でかけがえのない友情、尊敬・羨望・嫉妬・欲望の感情がたえず行き交う交友を描く。カナリア諸島のテネリフェ島内陸部の(人からも観光客からも遠い)小さな村の、いつになく暑かった2005年の夏を舞台に、思春期、21世紀的な苦悩、地理的社会的な辺境での夢と人生を語る。アンドレア・アブレウは24歳のとき、マドリードのランジェリーショップで働きながらこの小説を書いた。カナリア諸島方言で書かれ、現代の若者言葉が用いられている。(訳注:「ロバの腹」とは、カナリア諸島グラン・カナリア島の夏の曇り空を指す表現)

パンツァーディヴィジョン―ドイツ国防軍装甲師団の歴史、組織、装備、制服(1935~1945)

Panzerdivisionen - Historia, organización, armamento y uniformes de las divisiones acorazadas de la Wehrmacht (1935-1945)

リカルド‧レシオ‧カルドナ

Ricardo Recio Cardona

AK Interactive

本書は、1935年の創設から第二次世界大戦終結に至るドイツ国防軍装甲師団の歴史と組織の、長期にわたる研究の成果である。また、この師団に供給された軍需品であるAFV(装甲戦闘車両)の様々なモデルを網羅する。数多くの組織図やカラー図版を収録、280枚以上のアーカイブ写真は多くの未発表写真を含む。制服に関する章も加筆された。

パピコメニーニョス (子食い妖怪パピ)

Papicomeniños

マリサ‧ロペス‧ソリア

Marisa López Soria

Galimatazo Editorial

幼いカルメンは創造性を発揮して自室の壁に思う存分絵を描くことにした。パパがすごく嫌がることは確実だ。そしてパパが怒るとパピコメニーニョスに変貌する。さて、パパが壁に描かれた絵を見たら何が起こるかな?

Paulo Cosín Fernández著『Para qué leer. Fomentar la lectura en jóvenes y adolescentes』の表紙

読書はなぜ必要なのか。若者とティーンエイジャーの読書を奨励する

Para qué leer. Fomentar la lectura en jóvenes y adolescentes

パウロ・コシン・フェルナンデス

Paulo Cosín Fernández

Ediciones Morata, S.L.

読書はなぜ必要なのか? 私たちは何に励まされ、駆り立てられ、行動させられ、揺さぶられて、どんな本でもいいから一冊開くのだろうか?まるで私たちを待っていたかのように語りかけてくる一冊を? 読書は人間特有の能力であり、私たちを娯楽や現実逃避、知識や考察へと導く、ひとつの財産であり美徳である。しかし何よりも、喜びや博識を超えて、私たちの存在理由を見出す対話へと私たちを開放するものである。 ガート・ビースタが言うように、「教育とは、この世の中で成長した主体として存在したいという意欲を他者に引き起こすこと」であるならば、私たちは若者たちが社会で自分の役割を見つけられるよう、この素晴らしいツールを伝えるという大きな挑戦と責任を負っている。また、教育に(どのレベルであれ)関わる大人として、私たちは読書のための社会協定を達成する義務がある。 この本では、考察はもちろんのこと、若者たちが簡単に取り組める多様な方法を通じて読書への関心を呼び起こすための提案や参考文献を見つけることができるだろう。芸術は私たちに幅広い表現の可能性を提供してくれる。 教育者ロリス・マラグッツィの言葉を借りれば、「子どもには100の言語があり、私たちはそのうち99を奪っている」。私たちはそれらを返還しなければならない。 彼らに「なぜ読むのか」を示そう!

傘は何の役に立つ?

¿Para qué sirve un paraguas?

フスト‧RR

Justo R.R.

La Orquídea de Darwin

ロドルフォ氏は日課の散歩に出ようとしている。だが雨が降っている。傘を手にするが破れていることに気づき、ごみ箱に捨てた。もう役に立たない、別の傘を買わなければ。だけどちょうど通りかかったマリナがそれを見つけ、ふたりは傘とその部品から山のように用途を引き出す。残ったのは座金だけ……、これだって、テントウムシの家になる。

Paloma Gómez Borrero著『Para ti... Papa Francisco』の表紙

あなたのために、フランシスコ法王

Para ti... Papa Francisco

パロマ‧ゴメス=ボレロ

Paloma Gómez Borrero

Grupo Editorial Bruño

誕生からローマ法王に選ばれるまで、フランシスコ法王の人生を、小さな子ども向けにやさしい言葉で描いたプレゼントブック。説明の中に、法王の感動的な言葉が引用され、法王の人となりを浮かび上がらせている。温かみのある写実的なイラストが心に残る。

Juan Martínez de las Rivas著『Paseo』の表紙

散歩

Paseo

フアン・マルティネス=デ・ラス・リバス

Juan Martínez de las Rivas

Editorial Pre-Textos

植物について何も知らない作家が、何年も手入れされずに放置されていた庭と家の世話を予期せずして引き受けることになる。引退間近の庭師が、彼に最初の手ほどきをする。その庭師が引退した後、作家はひとりで庭の手入れをし発見を続ける。本書は、庭を言葉で再現することを目的とする。生き物、植物、地元の人々との出会いの物語や、時の移ろいの観察を通して、いかにして彼が庭師となり、彼が手入れし創造する世界の断片がいかに生きていくかが綴られる。自然への研ぎ澄まされた視線を備えた文章は、訪れる人にその場所の秘密を教える散歩のようだ。

José María García López著『Pasolini o la noche de las luciérnagas』の表紙

パゾリーニもしくは蛍の夜

Pasolini o la noche de las luciérnagas

ホセ‧マリア‧ガルシア=ロペス

José María García López

Nocturna Ediciones, S.L.

1975年11月1日から2日にかけての夜、ピエル・パオロ・パゾリーニはオスティアの海岸で無残に殺害され、ヨーロッパ全体を震撼させる。検視結果は複数犯の存在を示していたが、ひとりの若者が犯人として有罪となる。犯罪学者の女性と男性教員が真相の究明に乗り出す。ふたりが目をつけたのは、マフィアと石油王エンリコ・マッテイの不可解な死について書いたパゾリーニの未完の小説『石油』だ。著者はパゾリーニが『命ある若者』で描いたような少年たちとローマの街を巡り、パゾリーニの生涯と、その悪魔たちー文学作品、映画作品、フェリーニやサルトル、モラヴィア、エルサ・モランテなど、時のアーティストや知識人との交流、揺るぎない政治思想ーについて、スリリングな小説を仕立てあげた。

パストゥール、微生物学的革命

Pasteur, la revolución microbiana

ジョルディ‧バヤリ‧ドルス

Jordi Bayarri

Anillos de Sirio

シノプシス: 臨床微生物学の先駆者ルイ・パスツールは、あらゆる生物は既存の生物から生まれることを証明し、自然発生説を否定した。微生物に関する彼の理論は細菌説と呼ばれ、医学の研究に革命を起こすものだった。それは無菌法の基礎を築き、その後、多くの命を救うことになるワクチンの開発など、新しい世界への入り口となったのである。本書は、パスツールの生涯と研究、また彼がどのように未知の生物たちが躍動するミクロの世界を発見したのかを紹介する。

Fernando Aramburu著『Patria』の表紙

祖国

Patria

フェルナンド・アランブル

Fernando Aramburu

Tusquets Editores

バスク武装組織ETAが武装放棄を発表したとき、ビトリは、テロリストに殺された夫の墓前で、彼らが住んでいた家に戻る決心をしたと報告する。彼女自身と家族の人生をめちゃくちゃにしたテロ事件の前も後も、彼女に嫌がらせをした人々と同じ場所で暮らすことができるだろうか? ビトリの存在は、村の、特に隣人ミレンの見せかけの平穏を乱すことになる。ミレンはかつて親友だったが、ミレンの息子のホセ・マリは投獄中のテロリストで、ビトリにとって最悪のテロ事件の容疑者だった。かつてはあんなに仲のよかったふたりの女性の人生、子どもたちの人生、夫たちの人生に毒を振りかけたのは何だったのか? 見ないふりをしてごまかしているふたりの心の傷と揺るぎない信念、痛みと勇気をつづる。テロ事件を挟んだ彼らの物語は、政治的ファナティズムによって破壊されたコミュニティで忘却は不可能だが、許しが必要だと読者に語りかける。

Alberto Barrera著『Patria o muerte』の表紙

祖国か死か

Patria o muerte

アルベルト‧バレーラ

Alberto Barrera

Tusquets Editores

サナブリア医師は参っていた。ベネズエラの政治的状況は悪化の一途だし、個人的には、反チャベス派の過激な妻と急進的体制派の弟の間を取り持つのにはうんざりしていた。そればかりか、政府の官僚である甥に、極秘の危ない録音が入った携帯電話を隠してくれと頼みこまれた。そんななかで、失業中のジャーナリストは大統領の病気についての本を仕上げるためにとんでもないことをしでかし、暴力が横行する街を避けて母親とふたり家に閉じこもって暮らす9歳の少女は、チャットで知り合った少年に僅かな希望を見出す。2015年トゥスケッツ賞受賞作。カリスマ的な大統領に左右される国特有の緊張感が続くベネズエラの現実を勇気をもって描いた、ぐいぐい読者を引き込む物語。

Alberto Sánchez Argüello著『Paula y la Luna』の表紙

パ-ラと月

Paula y la Luna

アルベルト‧サンチェス‧アルグエーリョ

Alberto Sánchez Argüello

Takatuka

パウラは月面旅行を夢見る女の子。パパの肩に登って届くか確かめてみたり、自作のロケットをシャボン玉や凧を使って飛ばそうとしたり、あれもこれも試してみた。そして大きくなったら、重力の法則を跳ね返す方法を学んでやろうと毎晩考えている。作者のツイッター上で連載されていた子ども向けショートショートのミニシリーズから生まれた本作は、「いつか月に行ってみたい」と願い続けるひとりの少女の空想のなかへと読者を誘う。そしてソニャ・ヴィマーの見事なイラストによって、夢の実現に向けて準備をする少女の世界に引き込まれる。その目標は、とても近くに見えている。

Jorge Quintana Orti著『Pedaleando en el infierno. Biografía de un ciclista en tiempos de penumbra』の表紙

地獄でペダルを踏みながら――薄暗がりの時代におけるある自転車レース選手の伝記

Pedaleando en el infierno. Biografía de un ciclista en tiempos de penumbra

ホルヘ‧キンタナ‧オルティ

Jorge Quintana Orti

Libros de Ruta Ediciones

本書は小説だが、ひとつの時代全体を忠実に描き出したものでもあり、残念ながら有名になった、警察によるドーピング摘発作戦「オペラシオン・プエルト」をはさんだ前後数年間に、スペインのプロ自転車競技で起きたことを鋭く描いている。光と影の時代:不動産バブルと公的助成金の急増で、数多くの新チーム結成が可能になったが、その浮かれ好景気は暗い一面も伴っていた。読者は若きルカス・カストロを通してその暗い側面を知ることになる。そして彼の自転車レース選手になりたいという夢を抱いていた子供時代から、自転車競技のエリートになるまでの歩みを追体験することになる。ひとつの世代の全自転車レース選手の、ジャーナリスティックな記録として読むことができる小説。本書はドーピングの世界を隠さず描いている。動機、誘因、実行、それら全てを、永遠に発展していくように思えたスペインという国とその経済を背景に描く。

チビヨギ

Pekeyoguis

クリスティーナ‧ブロンド

Cristina Brondo

Grup Enciclopèdia

本書は、著者が子供達とともにいくつかのヨガルーティーンに取り組む様子をカラー写真で紹介している。また家族で実践できるヨガルーティーンを収めた特別映像も収録。

Pedro Estrada & Raquel de la Morena著『Peliculibros 3D: Magos y Dragones』の表紙

映画本3D 魔法使いと>Pゴン

Peliculibros 3D: Magos y Dragones

ペドロ‧エストラーダ、ラケル‧デラモレーナ

Pedro Estrada y Raquel de la Morena

ST&A Literary Agency

ファンタジー映画『指輪物語』、最近公開された『ホビット』から『はてしない物語』『オズの魔法つかい』『ファンタジア』『マジック・ダンス』『コナン・ザ・グレート』などの名画へのオマージュとして生まれた新しい本。『映画本3D』シリーズの主人公は5人の子どもたちで、5人で力を合わせて謎や追跡や挑戦に立ち向かっていく。羽のあるサル、魔女、小人……。脚本家が戻ってきた! ファンタジー映画の世界で、どんな驚きがきみを待ち受けているのか? 3Dめがねをかけて、この新しい世界を体験しよう。さあ、アクション、スタート!

Rafael Ordóñez Cuadrado著『Peluquería Alegría』の表紙

うれしさ理髪店

Peluquería Alegría

ラフ=エル‧オルドニェス

Rafael Ordóñez Cuadrado

Bookolia Editorial

エドゥアルドは町で一番有名な理容師。さすがは「うれしさ理髪店」、お客さんはみんな幸せで満ち足りた気分になって店を出る。それなのに、彼はため息をついてばかり…どんな秘密があるのか? お店にはとても愉快な人たちがやってくるけど、彼らのうれしさをエドゥアルドは共有できないみたいだ。いつか誰かが彼自身にしあわせをもたらしてくれない限り。愛すべきキャラクターたちが登場し、最後は意外な展開を迎えるユーモアたっぷりの絵本。

Silvia Navarro Pedreño著『Pensamiento creativo y acción social innovadora』の表紙

創造的思考と革新的社会行動

Pensamiento creativo y acción social innovadora

シルビア‧ナバロ‧ペドレーニョ

Silvia Navarro Pedreño

Editorial CCS

社会的現実が複雑で変化しやすくなっている今日、私たちは従来の考えを改め、新たに問いかけ、さらに社会を観察、理解、アプローチしていくことで新たな理論を選ぶことが求められている。もし、私たちが今までと異なる視点から新しいつながりを求めるならば、もし他の人たちが直面していた問題や障害を見ようとするならば、もし変化の先頭をきって今までやったことのない行程を想像したり探求したりするならば、私たちの実践は大きな意味を持ち反響があるだろう。理論と概念を実践や省察に結びつけた本書は、イノベーションという刺激的で肥沃な分野の旅のガイドであり、限りない体験や発見、驚き、学び、成長ができる、まるで不思議な国のアリスのワンダーランドへの招待状のようである。

Sofía Gil著『Pensamientos』の表紙

思考

Pensamientos

ソフィア‧ヒル

Sofía Gil

Editorial Flamboyant

頭の中を吹き荒れる嵐ほどひどいものはない! 寝ている時すら人間の心は休んでいないのだから。子どもたちが緊張したり、不安になったり、悲しんだり、怒ったりする時の思考がどのようなものか知るのに役立つ本。また子どもたちは本書を通じて、彼らの小さいけど素晴らしい頭の中から不愉快な考えを素早く消し去るための、とっておきのコツを学ぶことができる。

Gracias Iglesias著『Pepita Sarmiento』の表紙

ペピータ‧サルミエント

Pepita Sarmiento

グラシア‧イグレシアス

Gracia Iglesias

Grupo de Comunicación Loyola, S.L.U.

外に出るたびに風に吹き飛ばされる女の子ペピータ・サルミエントのお話。ペピータがとても遠いところまで飛ばされてしまうことを恐れた家族は、彼女を地上に留めておくための手段を講じた。果たしてペピータを留めておく方法を見つけられるのか。グラシア・イグレシアス(文)とダビド・シエラ(イラスト)が手掛けた素敵な面白い絵本で、どこの家族内にもある多様性をどのように尊重するかを見出すための本。

Sandra Alonso著『Pepito Cebolla』の表紙

たまねぎペピート

Pepito Cebolla

サンドラ‧アルンソ

Sandra Alonso

La Maleta Ediciones

ペピートはたまねぎみたいな男の子……。なぜたまねぎかって? それは周りの大人たちが、ペピートを子どもではなくて「たまねぎ」のように、何層もの愛情で包んでいるから。その層がはがれた時、何が起きるかな?

BIYの小さな小屋。親子で建てるプロジェクト

Pequeñas cabañas BIY. Proyectos para construir juntos

ダビド‧タピアス‧モネ

David Tapias Monné

Editorial GG - Gustavo Gili

子供と大人が一緒に建てて楽しむ16タイプの小屋の作り方。簡単なテクニックでできる素敵な小屋の建て方を覚えれば、子供は建築に対する興味を持つだろう。家族や学校、友人や地域のグループ、あるいは日曜大工を趣味とする人を念頭に考えられた本。これらの小屋は遊び心と想像力を育み、また遊びながら建てることで特別な気分を味わえる。Build it yourself(BIY)で建てる小屋の本。あなた自身で小屋を建てよう!

Marta Sanz著『Pequeñas mujeres rojas』の表紙

小さな赤い女たち

Pequeñas mujeres rojas

マルタ‧サンス

Marta Sanz

Editorial Anagrama

パウラ・キニョネスは、スペイン内戦中の集団埋葬場所を探すためアサフラン村を訪れる。その不自由な片足を村に踏み入れるや否や、空が彼女の上に覆いかぶさって閉じ込められたような感覚に襲われる。まるで見えないゴムに体を引っ張られ、目的地であるベアト・ホテルから遠ざけられているような感じがしたのだ。そのホテルは「アスフロン」と読める看板の隣にあった。その夏、パウラは『Black, black, black(ブラック、ブラック、ブラック)』(著者が2014年に発表した小説)の主要登場人物のひとり、私立探偵サルコの義母ルスと手紙のやり取りをすることになる。ルスは美しい庭でのダビッド・ベアトとの恋愛を語る。また、密告者の存在についての怖れや、ホテル・ベアトに伝わる一族の伝説についても打ち明ける。一方で、ダビッドの母アナリアは、100歳の誕生日を迎えたばかりの優しい家長ヘスス・ベアトを愛情こめて介護し、ヘススが耳元でささやくメッセージに耳を傾ける。そして大勢の飢えた幽霊のような迷子たちと死んだ女たちの話に。

Fran Pintadera著『Pequeño problema』の表紙

小さな問題

Pequeño problema

フラン・ピンタデラ

Fran Pintadera

Iglú Editorial / Kalosini S.L. (Grupo editorial Olé Libros)

この物語は子どもたちに、いさかいを解決するには協力が大切だということを教えてくれます。静かな農場で、動物たち(めんどり、ひつじ、あり、ねずみ)がなかよく暮らしていました。ところがある日、小さな問題が発生して、みんなで協力できるかどうかが試されることになります。物語を通して、動物たちはそれぞれ課題を克服するために最善を尽くします。こうして、団結し協力することが効果的な解決策を見つけるためには不可欠であることを示すのです。 この物語にはチームワーク、共感、コミュニケーションといった基本的な価値観が含まれています。うまく使えば違いは強みになり得ることを、登場する動物たちが教えてくれます。さらにこの物語は、力を合わせて前向きに、問題に取り組む方法を示しています。教育的な観点から見ると、本書は子どもたちの社会情動的発達を促進するのに優れています。この本を読むことは、子どもたちが自分の感情を同定し、管理するのに役立つからです。また、他者と積極的に交流する方法も学べます。異なる視点を理解し、チームで働くのを学ぶことは、子どもたちの将来にとって欠かせません。

Anabel Rodríguez Sánchez著『Perdedores』の表紙

敗者たち

Perdedores

アナベル‧ロドリゲス‧サンチェス

Anabel Rodríguez Sánchez

Ediciones Dokusou

士官学校で恐ろしい事件が発生した。ある男が殺害され、遺体はばらばらにされて隠されたり下水溝に投げ込まれたりしたのだ。容疑者とされたのは学校長でキューバ戦争の英雄、ビセンテ・アグレロ大尉。大酒飲みで賭博好きなうえ喧嘩っ早く、長女のビルトゥーデスと近親相姦の関係にあった。一方、殺害されたのは娘の恋人で、壮年の経営者だった。彼は娘やその弟らを父親の束縛から解放すると約束していた。新聞はこぞってこの事件を追いかけ、逮捕された父親と娘の仕業だと連日書き立てた。弁護士ふたりが選任され、それぞれ対立する立場から公正な裁判を求めて戦うが、頑固に罪を認めない大尉と、気まぐれなふるまいを続ける娘のせいで、弁護活動は難航する。

美術館で迷ったら

Perdido en el museo

ルイサ‧ベラ

Luisa Vera

Editorial Casals

近代美術館での散策はいかが? この本の主人公はマティス、モンドリアン、ピカソ、ドローネー、モネ、ゴッホ、ミロなどの画家を称える架空の美術館を歩き回る。各見開きページには折り返しがついていて、芸術ムーブメントに関しての簡潔な説明が添えられ、裏にはその時代の画家の絵に着想を得た迷路遊びがある。もう一度戻って遊びたくなること間違いなし!この美術館を訪れる親子と一緒に行って、印象派からポップアートまでの近代美術を堪能しよう。もし迷子になったら迷路を抜けて次の部屋へ出よう。案内付きの絵画巡りはすぐに信じられないような迷路の大冒険となるだろう。

Yolanda Hidalgo Sánchez著『Perfecto』の表紙

完璧

Perfecto

ヨランダ‧イダルゴ=サンチェス

Yolanda Hidalgo Sánchez

Editorial M1C, S.L.

本書の価値は目では見えないものの中にある。目で見ることのできない2つのもの、つまり人生に対する姿勢と、内面の美しさだ。本書の主要な目的は、読者の自尊心を強くすることだ。人から好かれ愛される子どもは幸福だ。だれもがみな鏡を見て、自分が内側に持っているものを発見できる。

Sergio A. Sierra著『Pergamino: El hijo del cazador de libros』の表紙

ペルガミーノ

Pergamino: El hijo del cazador de libros

セルヒオ‧A.シエラ

Sergio A. Sierra

La Galera Editorial

ペルガミーノは、スラブの伝説的王国アンの図書館司書ミコーラの息子。消えた呪いの本、うぬぼれの強い巫女たち、よこしまな神託、昔の生き物や、夜の力のような古の力の物語。ある夜、ペルガミーノは父が吸血鬼に脅されている場面に居合わせる。父は吸血鬼のせいで、話す・読む・書くという大事な力を奪われてしまう。ペルガミーノは父を救おうと、家に住む悪魔と魔法をかけられたヒツジとともに危険な旅にのりだす。しかし道は罠に満ち、最後に恐ろしい吸血鬼と対決することになる。中世のスラブの神話に基づきリアルな筆致で、読者を魔術的世界に誘いこむ。

Enrique mauricio Iglesias著『Periplo Atlántico』の表紙

大西洋横断記

Periplo Atlántico

エンリケ‧マウリシオ

Enrique Mauricio Iglesias

Lela Edicións

本書は、すでに著作権フリーとなっているアルフォンソ・R・カステラオ著『O negriño Panchito(黒くて小さなパンチート)』を自由奔放にアレンジした作品。パンチートはガリシアに住む唯一のペンギン。周りにほかのペンギンは一羽もいない。ある日、彼は町の若者たちがしているように自分も世界を見たいと思い立ち、こっそり船に乗り込んで、大西洋横断の冒険の旅に出た。ついに目的地の南極大陸に着くと、そこにはたくさんのペンギンがいた!…でも、ガリシアが懐かしくなって……。

空を見ている犬たち

Perros mirando al cielo

エウjニオ‧フエンテス

Eugenio Fuentes

Tusquets Editores

マドリードの重要な病院の救急医であるサンティアゴは、新型コロナの第一波によるストレスに満ちた毎日の後、久しぶりにゆっくり休暇を楽しもうと、妻と息子とともにエストレマドゥーラの小さな町ブレダに旅行に出る。そこは20数年前、彼が医師として初めて仕事をした町だった。だが、数日後、彼は死体となって見つかり、残された妻は、その死の捜査をベテランの探偵クピドに頼む。最後に引き受けた事件(若い妊婦が死んだ交通事故)を解決できずスランプにあったクピドは、その捜査に深くのめりこんでいく。殺人の理由は現在にあるのか、それとも過去にあり、それが戻ってこようとしているのか。謎が行き交い、思いがけない展開をとげる筋立ての小説で、フエンテスは自分の内なる土地に戻る。

Canizales著『Pesadillas』の表紙

悪夢

Pesadillas

カニサレス

Canizales

Apila Ediciones

友情について、そして小さな子どもが夜の恐怖に立ち向かえるように、恐れを別のものに変える方法についての幼児向け絵本。ピルとビスモは友だちで、同じ部屋で寝ている。ピルは起きたときから遊びたくてたまらなくて、そこらじゅうを跳びはねてるけど、ビスモはいつも悪夢にうなされて目を覚まし、休めないから疲れてる。でもピルには解決策があるよ。ビスモの悪夢に入りこみ、それを甘い夢に変えるんだ。

Gemma Lienas著『Petits contes amb grans valors』の表紙

大きな価値ある小さな物語

Petits contes amb grans valors

ジェンマ‧リエナス

Gemma Lienas

Asterisc Agents

身の周りに起きる物事からのみ得られる学びがある…私たちはそのことを時々ブルーゴブリンに思い出させてもらわねばならない。本書に収められた10編のすぐれた物語が、私たちに日常生活における感謝、敬意、忍耐、約束、責任、共感といったものの価値を認識させてくれる。本書を通じて、それらを生活に取り入れる方法を学ぶことで、大人も子どもも自分たちを取り巻くものとこれまで以上にしっかり結びつき、それがいっそうの幸福を得ることにもつながっていく。子どもたちを楽しませ、親にとって子どもたちを教育する際の助けとなる、価値ある10編の物語。

ペトロカリプシス 石油の終末

Petrocalipsis

アントニオ‧トゥリエル

Antonio Turiel

Plataforma Editorial

ペトロカリプシスという最悪の事態を回避するためには、惑わされることなく実状を理解し、一刻も早く行動すべきだと、本書は明らかにしている。そのうえで、現システムの代替となり得るエネルギーを厳しく、かつ明確に分析。新たなエネルギー源の将来的利用について、しばしば自信過剰ともなりがちなニュースとは一線を画しており、過去20年間に渡って議論されてきた偽の解決策が、なぜ機能しておらず今後もその見込みがないのか、ひとつひとつを簡潔に解説する。エネルギー移行によって生じるジレンマに、単純な解決策や近道など存在しない。エネルギー移行は、化石燃料が及ぼす環境負荷だけでなく、その将来的な枯渇という、無視されがちな観点においても必要だ。

覆っていないJール

Piscinas que no cubren

マリア・アグンデス

María Agúndez

Editorial Dieciséis

少女マリアは両親とともにメノルカ島に着く。そこは、人が変化に順応しつつ、生涯暮らしていく多くの場所のひとつだ。新居は、灯台の見える家〈エル・カリプソ〉だった。マリアは、島のなかの、不思議な生活を送る人々が隠れている場所を探検しつつ、成長していく。みなの世話をやく尼僧、ふたりの恋人たち、小さなクラブのウェイターと知り合い、外国人旅行客にあふれ、豪華な食事やクルーズや事故があるホテルを探検する。本作は、半ば自立した幼少期へのオマージュである。

Ana Flecha Marco著『Piso compartido』の表紙

シェアアパート(シェアハウス)

Piso compartido

アナ・フレチャ=マルコ

Ana Flecha Marco

Menoslobos taller editorial, S.L.

『シェアアパート(シェアハウス)』は、内側の小説。魔法と記憶と日常性が組み合わさった、風俗小説的中編。多くの思い出や経験を持つ5人の婦人の人生と、ひとりの若い娘の人生が交差する。主人公の娘は、婦人たちがシェアしているアパートになぜ、どのようにして自分が現れたのかわからない。彼女は、婦人たちの儀式に参加し、本や言葉を分類し、毎週金曜日には即席の美容サロンになる居間で、彼女たちの紫色がかったふんわりした髪の手入れをし、食事ごとに食後の長いおしゃべりにつきあい、ことに住人たちがくりだす物語に耳を傾ける。インスタグラムと労働、外国の訪問、昨日の歌が、女性同士のコミュニケーションと共生を描いたこの小さな小説のなかでまじりあう。

Belén Boville著『Pitré no es verde』の表紙

ピトレはみどり色じゃない

Pitré no es verde

ベレン‧ボビリェ

Belén Boville

Editorial Kolima

若い人型ロボットπ3は、宇宙バイクで星々を旅行しているときに、道に迷って地球に落下してしまった。落ちたのはスペインのカディス湾。そこで伝説の蒸気船バポルシトの乗組員たちに助けられる。そこから冒険が始まった。ピトレ(カディスの新しい友だちは彼のことをそう呼ぶようになった)は、へんてこな地球の暮らしを見て、住民の行いによってすでに荒廃した自分の星とどう違うかを知っていく。π3は地球に残って人類を助け、自分の星で起こったようなことにならないよう、気候変動や動物の絶滅をくいとめようと決心する。

Ana Flecha Marco著『Planeta solitario』の表紙

孤独な惑星

Planeta solitario

アナ・フレチャ=マルコ

Ana Flecha Marco

Menoslobos taller editorial, S.L.

旅行記を出版しようとしていた編集者からの非公式な提案に触発され、著者は旅行という行為や概念をめぐる周辺的なアイデアについての本を好きなように執筆しようと決意した。それ以外ではない、ある特定の場所の出身であるという概念、自身の知る範囲外に世界があるという認識、幼い頃の未来への展望、移動、荷物、同行者、旅から持ち帰る有形無形の記憶、そして純粋に楽しむための旅行という特権(あるいは幻想)等。どこか具体的かつ普遍的な考察の中に、エピソード、夢、記憶、そして現実と想像上の領域についての観察が織り交ぜられている。

Agustín González Ruíz著『Plano americano』の表紙

アメリカ全図

Plano americano

アグスティン‧ゴンサレス‧ルイス

Agustín González Ruíz

Tría Ediciones

フェルナンド・ペレス・デル・カスティーリョは1898年の米西戦争で米軍に一杯食わせた英雄の玄孫。異国風の金髪、意固地なまでの小心さ、そして名高い俳優になるとの強い熱意を先祖から受け継いでいた。このような性質を持った本書「Plano Americano(アメリカ全図)」の主人公はマドリードでのブルジョア生活から抜け出し、刺激的な冒険の旅に出て地球の半分を周り、多くの人と出会って様々な状況を経験する。その長い旅にもうひとりの自分、セルヒオが「ボイスオーバー」として同行し、現代の「社会制度」の多くの部分、つまり、家族、伝統的教育、能力と富の関係、社会的差別、成功の空虚さと不当さなどへの辛辣で容赦ない批判をする。主人公は物事に対していい解釈をする術を身につけていき、最後には、よりよい生き方の象徴へと変貌する。

Mercedes Bermejo著『Plantánimals』の表紙

プラントアニマル

Plantánimals

メルセデス‧ベルメホ

Mercedes Bermejo

Editorial Sentir

動物は好きかな? 植物はどう? 感情を持つ、植物と動物の中間の生き物がいることは知ってるかい? マルティナやマルコスと一緒に、そんなプラントアニマルについて学んでみない? 彼らが君に、感情とは何かを、そしてそれらを表現し理解する方法を教えてくれる。感情知能の刺激と発達が生活の質と幸福感を高めると指摘する研究は数多く存在する。ゆえに幼少期において感情知能を刺激する主な情緒的能力を知り、楽しく愉快な遊びを通してそれらを伸ばす例を知ることは非常に重要なのだ。本作はマルティナとマルコスが愛情、怒り、嫌悪、悲しみ、喜びといった幼少期の様々な感情を表す生き物プラントアニマルたちを明快かつシンプルな言葉で紹介する、双方向的で楽しいお話。

栽培化された植物と特別変異種

Plantas domesticadas y otros mutantes

イバン‧エドゥアルド‧ムニョス

Iban Eduardo Muñoz

Editorial Juventud

これまで不思議にも思わなかった謎に対する答えが見つかる本。今食べられている食物は最初から食用だったのか? カナリア諸島のバナナを北京で植えたら、そのバナナはカナリア産なのか、あるいは北京産? なぜ私たちは種無しスイカが欲しいのか。そして種無しスイカを植えるための種はどうやって手に入れる? 楽しみながら、例えば歴史の流れの中で植物の種がどのように変わっていったかといった様々な疑問を解くのに適した本。

プラタノとバナナ

Plátanos y bananas

アリアドナ‧フレック

Ariadna Fleck

本当に大切なことに関する愛らしい物語に、色彩豊かで楽しいイラストがついた本。昔あるところに、それは優れた賢者がいました。もう何も学ぶことがありません。そこである日、世界を巡る旅に出ました。多くの事を調べましたが、新しい発見はひとつもありませんでした。しかしある日ジャングルで何も知らないサルと出会います。さて、賢者はプラタノ(バナナの一種)とバナナの区別さえできないサルから何か学ぶことができるのでしょうか?

Álvaro Aguilera著『Plato de mal gusto』の表紙

貧乏くじ

Plato de mal gusto

アルバロ‧アギレラ

Álvaro Aguilera

Ediciones Akal

パラシオスはここしばらくやってきた仕事、ヒットマンをやめようとしている40代の男。 運よくとても実入りのいい仕事の依頼を受け、引退の可能性ができたように見えたが、その仕事が終わるとかえってことが複雑になり、報酬も彼自身の社会復帰も重大な危機に陥り始めた。お金を受け取るために、パラシオスは彼にとっては全く見ず知らずの汚い世界を彷徨うはめになる。その世界とは、都市計画がらみの投機から生まれる巨大マネーの世界。まだ傷が癒えていない過去と次々に再会する中で、友情、愛、裏切り、復讐といった言葉の本当の意味を見つける。 マドリードのプロレタリア階級が住むスラムと、上流社会の贅沢な建物の間を縫う道は、生きるか死ぬかの状況に彼を追い込む。

表彰台

Podio

アンドレス‧ロメーニャ

Andrés Lomeña

Alianza Editorial

年若きパウラ・センはとてつもない野心を持った競泳の選手で、4着でフィニッシュしてもトレーナーは喜ばないことを知っている。彼女は空中を滑らかに泳ぎ、ビルの壁を突き破り天空を漕ぎ進む夢を繰り返し見る。競泳の偉大な女性チャンピオンたちの姿に自分を投影するが、パウラの野望は彼女たちのレベルに達することではなく、追い越すこと。この野望がどこから生まれるのか分からないが、その可能性を試してみたいのだ。世界記録の樹立や4種目制覇のみならず、自分の名前センを冠した新しい泳法の考案をも目標にしている。表彰台の1番高いところへ上るために金メダルを熱望し、プールの中で築き上げられた最も偉大な伝説として歴史に刻まれるまで降りるつもりはない。しかしながら、誇大妄想とノイローゼの狭間にある厳しい競技人生は大きな犠牲を伴い、レースの最中に代償を払うことになる。

Fernando Clemont著『Polaris』の表紙

ポラリス

Polaris

フェルナンド‧クレモット

Fernando Clemot

Sophie Savary Agent littéraire

1960年、北極海。ヤンマイエン島の向かいに停泊する古い探査船「エリダヌス号」では全てが変わってしまった。ほんの数日間で、乗組員の船室は留置所に、食料貯蔵庫は取調室に変身。バッヨネと謎めいたドット氏は、そこで執拗なまでの取り調べを進めている。今は船医のクリスティアン医師を尋問する番だ。彼は病気で苦しんでいる。記憶が抜け落ちているかと思えば突然正気を取り戻し、霞がかかっていた部分をはっきりと思い出す。その容赦ない尋問中、クリスティアン医師と彼の助手ムター、および他の乗組員を結びつけている奇妙な関係が浮かびあがってくる。また戦争の記憶、以前の旅の記憶、そして彼らの雇い主であり、船を厳しくコントロールする船会社「ラ・セントラル」の異常な介在など、トラウマとなっている記憶がちらつく。

Daniel Pinilla Gómez著『Polifemo vive al Este. Viaje a la trastienda de Europa』の表紙

ポリュペーモスは東に住んでいる ヨーロッパ奥地への旅

Polifemo vive al Este. Viaje a la trastienda de Europa

ダニエル‧ピニーリャ=ゴメス

Daniel Pinilla Gómez

Punto Rojo Libros, S.L.

紀行ジャーナリズム再び。21世紀の真っ只中、地球の隅々が地図に載り、計測され、写真に撮られ、詳細に説明されている。未知の大地を見出し、何かを発見するといった感覚を味わうことは最早不可能なのか。ロバート・カプランやイーヴリン・ウォー、ドミニク・ラピエール、そしてウィンストン・チャーチルに至る、文学ジャーナリズムの偉大なるマエストロの足跡をたどるレポーターにとっては不可能ではない。本書は読者を、あまり踏破されていないヨーロッパの果てへと誘う。忘れ去られたかのような国や国境を探しにいくのだが、そこに残された遺産は逆のことを我々に物語る。歴史の本と手帳を携え著者は再発見の旅に挑む。

Pablo Caracol著『¿Por qué los patos vuelan en forma de V?』の表紙

カモはどうしてV字型で飛行するのか?

¿Por qué los patos vuelan en forma de V?

パブロ‧カラコル

Pablo Caracol

Liana Editorial

A celebration of freedom and courage. This delicate, evocative picture book explores the bond between generations—the wisdom grandparents impart and the cyclical nature of life. It invites readers to gaze at the sky and its winged creatures, to shift their perspective, and to discover their own unique path. Through transformative illustrations, the book whispers a truth: poetry and inspiration hide in plain sight, waiting to be found in our everyday world.

Sergio Colado著『Potencia tu cerebro, mejora tu vida』の表紙

脳を活性化し、人生を豊かにする

Potencia tu cerebro, mejora tu vida

セルヒオ・コラード・ガルシア

Sergio Colado

Marcombo, S.L.

あなたの脳が、一生涯にわたって変化し適応する驚くべき能力を持っていることをご存じでしたか? 本書『Potencia tu cerebro, mejora tu vida(脳を活性化し、人生を豊かにする)』は、神経科学、心理学、行動科学を巡る刺激的な旅へとあなたを誘います。そして、より大きな幸福、成功、そして喜びを得るために、いかにしてあなたの心を再プログラムできるかを明らかにします。この本は魔法を約束するものではなく、あなたが日々の生活で実践できる、科学的に証明された実用的な戦略を提供します。 記憶力と集中力を強化し、簡単な習慣でストレスを軽減し、脳のパフォーマンスを最適化し、心の健康と感情的な幸福感を向上させる方法を学びましょう。 明確で分かりやすく、エビデンスに基づいたアプローチで、本書は、あなたの脳の潜在能力を解放し、あなたが常に夢見てきた人生を築きたいと願うなら、不可欠なガイドとなるでしょう。

ポジック‧ビジ 幸せに生きる

Pozik Bizi Vivir Feliz

共同作業

Obra colectiva

Universidad del País Vasco - Servicio Editorial

鬱は幼少期や思春期によく起こり、周知された健康問題だと思われている。だが、子供たちは自分の心身の不調を十分に説明することができないため、診断で発見されることはめったにない。両親や教師はこれを見極める重要な役割を負っている。ポズック・ビジは成人期に大きなダメージを与える子供の鬱を予防するためのプログラムである。いくつかの教育機関で実験的に開始され、効果が上がっている。また、このプログラムが大事にしているのは、子供の鬱症状の予防と8歳から10歳までの子供たちの感情面の改善である。幼少期と思春期の鬱の増加に対応するには、早期治療しかないのである。

Sara Cano著『Presidenta por sorpresa』の表紙

突然、大統領になる

Presidenta por sorpresa

サラ‧カノ

Sara Cano

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

マルタはごく普通の13歳の⼥の⼦。何ひとつ変わったことの起きない、ベツリアという⼩国に住んでいる。興味があるのはその年代のほかの⼦たちと同じ(ユーフォリアという⾳楽グループや、友だちと遊びに出かけること)で、政治なんて死ぬほど退屈と思っていた。ところが究極のライバル、エクトル・ルフィアン・ジュニアに対抗心を燃やして学校の⽣徒会⻑に⽴候補したことから事態は⼀変する。悪事と賄賂にまみれたルフィアン⼤統領の息⼦、エクトルと争う⽣徒会⻑選挙が偶然にも⼤統領選挙と重なり、ベツリアの国⺠はふたつの選挙を取り違えてしまう。そして、これまでの政治家にうんざりしている国⺠は、なんとベツリア初の⼥性⼤統領を誕⽣させるべく⼀丸となってマルタに投票する。ガール・パワー!少⼥が⼤統領?!マルタに衝撃が⾛る。しかしベツリアの法律では、⼤統領は選出後100⽇間は辞任することができない。マルタは友⼈の⼒を借りて⼤統領を務めるため奮闘する。

プロディヒオーソ‧レペルス

Prodigioso Repelús

フアナ‧コルテス‧アムナリス

Juana Cortés Amunarriz

Anaya Infantil y Juvenil (Grupo ANAYA)

この作品は、他のモンスターとは違うモンスターのお話。プロディヒオーソ・レペルスという名のモンスターは、他のモンスターが食べるものに耐えられず、それにひどい口臭。 そのため、他のモンスターたちは彼を避け、彼は避けられないようにするために、食べるのをやめることにする。ある日、空腹に耐えられなくなった彼は、森で落とし物の本を見つける。それを丸のみすると、なんと、その食べ物が自分に合っていることに気づく。そこで、村の家々から本を盗んででも、もっと本を探すことにした。 子供たちは、お気に入りの本がなくなってしまい、眠れないので、みんなで団結して犯人を見つけることにした。

Ignacio Vidal Folch著『Pronto seremos felices』の表紙

幸せはすぐそこに

Pronto seremos felices

イグナシオ‧ビダル-フ>ルチ

Ignacio Vidal-Folch

MB Agencia Literaria

あるスペイン人営業マンが、東欧各国にある自社の拠点に出張の旅に出る。そこは彼が激動の80年代を過ごした地だ。冷戦時代の世界秩序が崩れ去り、資本主義へ移行する中、彼はプラハ、ブカレスト、ソフィアを再び訪れ、彼の人生に大きく係わった人々との再会を果たすが、歴史的出来事や時の流れが彼らの生き方や価値観、活動に及ぼした変化を見て愕然とする。最後に訪れたプラハで、協力者のカミラと再会するが、彼女が忽然と姿を消したことをきっかけに驚くべき旅が始まる。カミラを探し回るうちに次々と昔の知人と出会い、当時共に過ごした人々がいったい何者だったのか、彼らは何を隠していたのかを知ることになる。

Enrique Mauricio Iglesias著『Protexendo ao Camiño』の表紙

道を守りながら

Protexendo ao Camiño

エンリケ‧マウリシオ

Enrique Mauricio Iglesias

Polo Correo do Vento

聖ヤコブの道(サンティアゴ巡礼路)の価値をより広めようと制作されたイラストがたくさんついたガイドブック。このプロジェクトはサンティアゴ巡礼路協力基金の出資により実現した。聖ヤコブの道の様々なルートを、遊び心のある愉快な語り口で解説する。

Miguel Pedrero著『Proyecto Anticristo』の表紙

反キリスト計画

Proyecto Anticristo

ミゲル‧ペドレロ

Miguel Pedrero

Ediciones Cydonia

この小説は、調査報道記者として有名な著者が、スパイ・政治・経済の世界につながりを持つ人物におこなったインタビューから生まれた。主人公はスペインのシークレットサービスCNIの秘密情報部員アナ・マルドナド。彼女はある悪魔教団に潜入する指令を受ける。その教団にはスペインの要人たちが名を連ね、CNIが持つデータによれば、CIA(米国中央情報局)の隠密作戦のための隠れ蓑である。話が進むにつれて、マルドナドは、この世で最も大きな権力を持った男たちが悪魔的な哲学を信奉していること、彼らが1776年に設立された秘密結社イルミナティの継承者だということ、彼らの目的は、超国家的な要人たちが陰から操る世界政府をつくりあげるために地球を混乱させることだというのが次第にわかっていく。

I. Biggi著『Proyecto Moisés』の表紙

プロジェクト‧モーセ

Proyecto Moisés

I. ビギ

I. Biggi

EDHASA - Editora y Distribuidora Hispano Americana

大西洋の防壁と呼ばれた塹壕でナチス軍は連合国軍の侵攻を待ち受けていた。英国は兵員数でも装備面でも世界で比肩するもののない大艦隊を用意した。1944年の夏、共和国政府側について戦い、亡命したスペイン人の大学教授は、ドイツが恐ろしい新兵器を有していると伝えた。ユダヤ人科学者が開発したその兵器は、一発の炸裂で英国南部に野営する全ての部隊を根絶やしにできるという。連合国軍の参謀本部はその情報の真偽に疑念をもった。だが不要なリスクを負う局面ではなく、そのような可能性は相当に低いと考えたウィンストン・チャーチルは遊撃隊を組織。風変りな米国人大佐を隊長とし、その指揮下に帰るところのない男たちを集めた部隊は、物理学者が開発した脅威を発見し排除する使命を帯びて、ナチス率いるドイツに潜入する。

Agustín Fernández Mallo著『Proyecto Nocilla』の表紙

ノシーリャ計画

Proyecto Nocilla

アグスティン‧フェルナンデス=マリョ

Agustín Fernández Mallo

Santillana Ediciones Generales, S.L.

スペイン文学の歴史を変えた三部作が、初めて1冊にまとめられた。芸術が語りだし、詩的な散文で読む者をとりこにする小説と、古いポラロイド写真の想起力を持つ野心的なプロジェクトに、漫画家・イラストレーターのペレ・ジョアンがコラボし挿絵をつけた。アグスティン・フェルナンデス=マリョは、ほんの少しピントのずれた詩的で、どこか心を乱す空気を作り出すが、物語が進むにつれて、読む者の心は登場人物に寄り添っていく。これは古典的な意味でのミステリーでも、サスペンスでもホラーでもなく、どこか、もっと不気味なもの、動きだした物体のように我々の眼前につきつけられる現実そのものだ。登場人物は、すっかり理解しあうことのないまま現実のあとを追いかけていく。それぞれが彼自身でありother大勢でもあり、ある時起こったことは、再び繰り返される運命にあることを直観できないまま、いくつもの人生を守っていく。

María Oruña著『Puerto escondido』の表紙

隠れた港

Puerto escondido

マリア‧オルーニャ

María Oruña

Cristina Mora Literary & Film Agency

オリベルはカンタブリアのスアンセスにコロニアル様式の大きな家を相続する。改修の最中壁の中から赤ん坊の死体が出てきて、その隣には時代に全くそぐわないものが一緒に置かれていた。この発見をきっかけにこの地域一帯で次々と殺人事件が起きていく。司法解剖の結果はどれも不可思議なものばかりで、治安警備隊の捜査は難航し、オリベルは窮地に追い込まれる。オリベルは残された時間と戦いながら、殺人犯を見つけるための旅に出る。まったくのフィクションながら、歴史的データの多くは事実に基づく。捜査の専門的な知識に関しては治安警備隊作戦本部、司法警察捜査司令部、警備隊本部、法医学研究所の協力を得た。

ドキドキ

Pum Pum

パコ‧ソルド

Paco Sordo

Anaya Infantil y Juvenil (Grupo ANAYA)

友情は壁をも乗り越えることを学ぶための物語。田舎に住むポングは幸せなロボット。無二の親友カミラが近くにいる。でもたったひとつ不満がある。それは心臓がないので胸が“ドキドキ”しないことだ。

Anna Font著『Quanta gent es necessita?』の表紙

何人必要?

Quanta gent es necessita?

アンナ・フォン

Anna Font

Ute Körner Literary Agent, S.L.U.

私たちは皆、この世に生まれてきた瞬間からだれかを必要としています。生まれるためには母親が、成長するためには世話をしてくれる人が必要です…。この本は色鮮やかなコラージュと、「象に乗るには何人必要?」「寂しいと感じるには?」「キスをするには何人?」といった問いで満たされています。具体的な問題から抽象的な問いかけまで、ページの隅に隠された答えを見る前に、読者は自分なりの答えを見つけようと夢中になるでしょう。遊び心いっぱいに、アンナ・フォンは謎々をつなぎ合わせ、連帯のメッセージをちりばめます。それによって子どもは、「他者」が最大の贈り物であり、調和して暮らすためには互いに助け合うべきだと理解するでしょう。--セシリア・フリアス、エルムンド紙

発達っていい感じ!

¡Qué buen rollo el desarrollo!

マティアス‧ネスポロ

Matías Néspolo

Boldletters Editorial

本書は《Chic@Genial(クールな男の子・女の子)》シリーズの3冊目。10歳から14歳の少年少女を対象に、この時期特有の変化に向き合いやすくすることを目的として書かれた。身体の発達の全過程と、ケアや衛生面について説明しているだけでなく、自分の気持ちや感情を認識してコントロールし、意思決定と向き合い、アイデンティティを見つけ、他者とかかわることを教えてくれる。正確で実用的、勇気づけてくれて楽しめる本だ。健康的な習慣を確立するための完璧な指導書で、ユーモアもたっぷり、少年少女と周りの大人たちがこの時期をうまく乗り越えるために理想的。イラスト、漫画、図表が入って、文章を理解しやすくなっている。さらに実例によって学んだ知識を試せる練習問題もついている。

Teresa Viejo著『Que el tiempo nos encuentre』の表紙

時が私たちを見つけてくれ!す&aに

Que el tiempo nos encuentre

テレサ‧ビエホ

Teresa Viejo

Pontas Literary & Film Agency

若く美しいアウロラは、混乱のスペインと苦しかった過去を後に残し、メキシコに居を移して、裕福なビヒル=デキニョネス一族のベビー・シッターとして働くことにする。時は1941年。メキシコの雰囲気は、アウロラが逃れてきた陰鬱なスペインとは全く違っていた。ダンス、パーティ、大オーケストラ、そしてなんといっても映画産業が隆盛期で、メキシコの映画スターたちはハリウッドのスターたちと競っていた。アウロラは彼女の本当の将来は、戦争の恐怖に打ちひしがれたスペインではなく、メキシコにあると理解する。アウロラは、富と栄光の夢を追うスペイン人青年パブロ・アリアガに恋をする。彼は、映画パージのために1936年に消えてしまったある映画のフィルム3巻を見つけることにとりつかれている。アウロラは謎めいたドイツ人女性と親しくなる。多くの秘密を隠す売春宿のオーナーだ。運命は、若い主人公アウロラに、過去と未来の選択を迫ることになる。

愛ってなんなの、ミニモニ?

Què és això de l'amor, Minimoni?

ロシオ‧ボニージャ

Rocio Bonilla

Edicions Bromera S.L.U.

ミニモニは愛犬のマックスとお散歩するのが大好き。マックスとならすごく分かり合える。でも、大人たちの話は時として理解に苦しむ。例えば、愛の話…、山をも動かす、って言うけど、同時に、とても小さいものの中にあるらしいし、愛があれば私たちは飛べるらしい。愛の概念や愛するということについて私たちに、新しい視点から楽しく考えさせるため、ミニモニとロシオ・ボニーリャが帰ってきた。だってミニモニは、大人の説明に全然納得しないで、こんな質問をするんだ。「愛っていうのは、なにかがものすごく欲しくなる時のことでしょ。だったら私、スパゲッティーに恋しちゃったってこと?」

Elisa Ramón著『¿Qué hace un elefante bajo el manzano?』の表紙

ゾウはりんごの木の下で何をしているの?

¿Qué hace un elefante bajo el manzano?

エリサ・ラモン

Elisa Ramón

Iglú Editorial / Kalosini S.L. (Grupo editorial Olé Libros)

ゾウはりんごの木の下で何をしているの? たくさんのことをしているよ。この物語は、子どもたちの読書を推進し、楽しく教育的な方法で本に親しませるための優れたツールです。きっと本書は、何度も読み返して楽しめるお気に入りの一冊になるでしょう。フランセスク・ロビラの丁寧なイラストとエリサ・ラモンの楽しい文章を通して、その秘密を発見してください。

Ximo Abadía著『Que nunca se acabe』の表紙

いつまでも

Que nunca se acabe

シモ・アバディア

Ximo Abadía

Litera Libros

読書への賛歌、いつまでも終わってほしくない本、常に私たちに寄り添ってくれる本へのオマージュ。そして子育てへの、一冊の本のように綴られていく人生へのオマージュ。いつまでも終わってほしくない瞬間、そして常に私たちに寄り添ってくれる瞬間へのまなざし。

Belén Gopegui著『Quédate este día y esta noche conmigo』の表紙

今日と今夜、い し#にいて

Quédate este día y esta noche conmigo

ベレン‧ゴペギ

Belén Gopegui

Agencia Literaria Carmen Balcells

これはマテオとオルガ、そしてグーグルに宛てたエントリーシートの物語。ロボットに興味があるマテオは、人間同士の関係から価値がなくなるのではないかということを調べたくて仕方がない。数学者兼実業家のオルガは、統計モデルこそ物語であり、確率とは自由であることの最も正確な名付け方だと思っている。普遍的な物語が出会いと会話、相手の声を聞きたいと思う気持ちで構成されているという意味では、これはラブストーリーだ。なぜならあらゆるラブストーリーのように、ここで描かれる出会いにもこの世界に生き存在するふたつの形のすれ違いが含まれているからだ。マテオとオルガはふたつの世代、窮地に陥っても直接会うのではなく、グーグルに頼るふたりの人間を象徴している。これは人間関係を詳細に分析し、社会格差とテクノロジーによる人間性の喪失を批判する小説だ。

しがらみを焼き払う

Quema de huesos

ミレン‧アグル=メアベ

Miren Agur Meabe

成熟したひとりの女性が、思い出の中で自分の人格の跡を追い求める。時間の経過のもたらした喪失と獲得物をうけいれ、人生に求めることができるものとできないものを見分けることを知る。苦境から自分を救うすべを学ぶ。いない者たちの不在を認める。愛の絶対的価値を信じないが、最後のチャンスを与える。ほかの女性たちの苦悩や恐れを知る。皮肉な息遣いを保つ。そして、孤独のなかに成長し続けるためのはずみを見つける。時には、よきものが私たちを傷つけることがないように風を見張りながら火を焚く。本書の21の物語の主人公はそういったことにつとめ、生涯を通して積み重なってきたしがらみを書くことによって燃やそうとする。なぜなら、書くことは、刈り株を焼き払うことだからだ。もちろん儀式としての焚き火だ。物を書くことで人生は燃やせない。

愛しい子どもたちへ

Queridos niños

ダビド‧トゥルエバ

David Trueba

Editorial Anagrama

友人との食後のおしゃべりのように楽しいが、肝臓につきささる鉤爪のような打撃を与える小説。敵から〈カバ〉と呼ばれている、主人公のバシリオは、その相反する性質をいくらかかかえている。119キロの巨体の彼は、そのあだ名を喜んでいる。機会をねらってじっと動かないカバの沈着さは彼のめざすところであり、またカバの獰猛な性質、攻撃的本能、とんでもない知性が彼をひきつける。だから、快適な隠遁生活を数週間やめて、代表候補アメリア・トマスの選挙キャンペーンに同行しないかという誘いがあったとき、彼の中の獣が伸びをして、動きだした。スペインのあらゆる市町村をまわるあいだ、彼の使命は候補の演説にダイナマイトをこめ、ライバルたちに弁舌でガソリンをかけ、とおりがかりにすべてを燃やすことだった。

Janeth G. S.著『¿Quién mató a Alex?』の表紙

だれがアレックスを殺した

¿Quién mató a Alex?

ハネス‧G.S

Janeth G. S.

Futurbox Project (Grupo Ático)

ハンナは16歳の女の子。コンピューターやSNSと向き合うだけの単調で退屈な毎日を送っている。しかし、フェイスブックでアレックス・クロウェルという人物からメッセージを受け取ったとき、すべてが変わる。彼女はすぐさま彼に友だち申請をし、数秒後に承諾されるが、そこで不安なことがもちあがる。アレックスのウォールを見て、彼が死んでいることがわかったのだ。これほどぞっとすることがあるだろうか。その直後、だれが自分を殺したのか、調べるのを手伝ってほしいと、アレックス本人からメッセージが届く。ハネス・G.S はメキシコの作家。この青春恋愛ミステリーで、ワットパッドコミュニティに革命を巻き起こした。

Carlo Frabetti著『¿Quién quieres ser?』の表紙

だれになりたい?

¿Quién quieres ser?

カルロ‧フラベッティ

Carlo Frabetti

エバは12歳。好奇心旺盛で、あふれ出る疑問はとどまるところを知らない。ちょっとおかしな物知り発明家、ライと知り合ったことで、すべてが見えている通りとは限らないし、いつでも答えがもっとも重要というわけではないと気づく。

ロボット

R-Boot

ジュアン‧トゥル

Joan Turu

El Cep i la Nansa Edicions

ロボットR-BOOTの物語。人間が愛と優しさを得るために、ロボットを必要とする社会について考えさせられる絵本。

Rosario Villajos著『Ramona』の表紙

ラモーナ

Ramona

ロサリオ‧ビリャホス

Rosario Villajos

Menoslobos taller editorial, S.L.

E. M. フォースターの言葉によると、小説においてはたとえば、悲しみというたったひとつの言葉がストーリーとプロットを分ける。悲しみがプロットをつくるのだ。本書『Ramona(ラモーナ)』は幼年期から青年期への移行を、その過渡期に生じる特有の悲しみを通して描いた物語。その描き方のためだろう、主人公も彼女を取り巻く登場人物たちも読者の同情に訴えかけようとせず、贖罪を求めている風でもない。ロサリオ・ビリャホスがつくりだす世界では、ヒロインの旅は、通行料を払う手段さえ持たないことを知る人の旅だ。よく似た我々の世界でも、ストーリーは常に我々を拒絶するが、プロットはそれを驚くほど容易にやってのける。

Olga de Dios著『Rana de tres ojos』の表紙

三つ目のカエル

Rana de tres ojos

オルガ‧デ‧ディオス

Olga de Dios

Apila Ediciones

三つ目のカエルは汚れた場所で育ち、住んでいるところの水もとてもきたない。でも、それはなぜ? 何が起きているかを理解し、自分の住みかがひどい状態になっている原因を見つけるためには、うんと高くジャンプしなければならない。やがて、三つ目のカエルは物事を変えていこうと決心し、おばあちゃんに助けてもらい、今の現実を変えて環境をよくしていくという課題にいっしょに挑んでくれる友だちを探しだす。共通の解決策を探すよう私たちを勇気づけてくれるお話。

Jin Taira Alonso著『[re]TOKIO』の表紙

変わりゆく東京

[re]TOKIO

ジン‧タイラ‧アロンソ

Jin Taira Alonso

Satori Ediciones

ジン・タイラ=アロンソは1970年、オビエド生まれ。日本人の父とスペイン人の母を持つ。原広司、磯崎新、伊東豊雄といった世界的に名高い建築界の巨匠たちの近くで、日本で建築家としてのキャリアを積んだ。SDreview(SDレビュー)やCasa de Encuentros de Corvera(コルデラ出会いの家)など国内外のコンクールでの入賞歴あり。非常に創造的かつ個性的な人物として知られる同氏は、著作物を発表し、国内外の雑誌「アルキテクトゥーラ・ビバ」や「10+1」などで記事を書いている他、建築と都市に関するコース、ワークショップ、国際会議の企画・協力などの活動も行なっている。現在はMPC-arquitectosスタジオの一員としてカナリア諸島に拠点を移した。またラス・パルマス・デ・グラン・カナリア大学の国際化・モビリティ・国際プロジェクト担当副学長でもある。

Asier Larramendi著『Récords y curiosidades de los dinosaurios. Terópodos y otros dinosauromorfos』の表紙

恐竜の記録と驚異の世界 獣脚亜目など

Récords y curiosidades de los dinosaurios. Terópodos y otros dinosauromorfos

アシエル・ララメンディ

Asier Larramendi

Larousse Editorial

獣脚亜目の恐竜たちは1億3千500万年もの間地球を支配していた。ほとんどが肉食の獣脚亜目に、私たちは畏敬をこめた恐れを抱きつつも魅せられる。直系の子孫は現在では鳥類として世界中の大陸で私たちと共存している。本書はこれまでに出版された獣脚亜目の記録の中で、最も詳細で厳密な書籍である。2000以上の図解や説明図と、300以上のカラー復元図を駆使して約1000種に上る有名な恐竜を紹介する。各章の内容は以下のとおり。「比べてみよう」獣脚亜目のうち最大のものはどれか、最小のものはどれかを示す。「中生代の暦」恐竜が生きていたさまざまな時代を掘り下げる。「恐竜の世界」どのようにどういうところに恐竜は広がっていったかを示す。……

Tessa Julià著『Refugiada: La odisea de una familia』の表紙

難民の少女 ある家族の旅

Refugiada: La odisea de una familia

テッサ‧ジュリア

Tessa Julià

La Galera Editorial

どうしてこんなに急いで起こされたんだろう? まだ夜なのに。荷物もほとんど持たずに出発なんて。ピクニックに行くわけじゃない。みんなの顔には恐れと悲しみが浮かんでる。パパはわたしの手をぎゅっと、痛いくらいに握る。泣き出したい気持ちだけど、泣かない。どこに行くんだろう? どうして逃げるんだろう? 話題のフィクションである本作の主人公の疑問は尽きない。

気候変動に る難民たち

Refugiados climáticos

ミゲル‧パハレス

Miguel Pajares

Rayo Verde Editorial

ミゲル・パハレスは、気候変動で国を追われて難民となる人々をどのように考慮するかというジレンマを掘り下げる。本書は、気候変動に関するふたつの章から構成されており、もっとも冷酷な移民反対論者の意見にも耳を傾けている。また、何十年も前から状況を知っていながら無責任に行動していた政府の消極的な姿勢を分析して憤慨する。気候変動の主な原因が豊かな国々の過剰生産と過剰消費だというのに、貧しい国々には悲惨な結果がもたらされ始めているのだ。新型コロナウイルス感染症は私たちの弱い部分をさらけ出したが、その脅威は、気候変動の脅威には到底およばない。著者は、アフリカやアジア、ラテンアメリカで起こった災害の詳細を私たちに教えてくれる。

José Fonollosa著『Refugio』の表紙

動物保護施設

Refugio

ホセ‧フォノロサ

José Fonollosa

Grafito Editorial

Did you know that thousands of pets are abandoned by their owners every year? And do you know what happens to them afterward? José Fonollosa, a volunteer at an animal shelter, recounts anecdotes and daily experiences with the shelter’s animals in this comic, infused with his signature humor. He reveals what happens to these animals after they’re surrendered—how staff and volunteers help them adjust to their new environment and overcome distrust from past trauma. All this leads to that long-awaited day when a new family gives them a second chance at life—a chance they wouldn’t have had without the tireless care and dedication of shelter workers.

Mario Alonso Puig著『Reinventarse: Tu Segunda Oportunidad』の表紙

ハーバード流 自分の潜在能力を発揮させる技術

Reinventarse: Tu Segunda Oportunidad

マリオ・アロンソ・プッチ

Mario Alonso Puig

Plataforma Editorial

マリオ・アロンソ・プッチ博士が、自分自身をもっと深く理解するための地図を示してくれます。私たちが世界を見て、感じ取るときの「ものの見方」は、実はどのようにして作られるのか。その秘密を博士が一つずつ解き明かしていきます。 私たちのものの見方は、往々にして未来への可能性よりも過去の失敗や責任に目を向けさせがちです。しかし本書を読むことで、そんな状況も全く新しい視点で捉え直すことができるようになるでしょう。

リラックスして教育しよう

Relájate y educa

アマヤ‧デ‧ミゲル

Amaya de Miguel

Plataforma Editorial

本書では、育児のあらゆるテーマに関して数多く寄せられる親達の疑問に著者が答えている。例えば怒りの管理、兄弟喧嘩、宿題、整理整頓、テレビやゲームとの付き合いかたなど。その他、遊び心のあるしつけのツールも数多く紹介している。そのベースとなるユーモアのセンスやゲーム、歌、物語は、困難で複雑な日々の状況を解決する有効な手段。感情の緊張を和らげ、子供達に前向きな行動を促す。

語れ、何かが残る

Relata, que algo queda

ホアン‧ガブリエル‧ブルゲラ=セラ

Joan-Gabriel Burguera-Serra

Edicions de la Universitat de Barcelona

バウマンが予期した「液状化する社会」は、公共の言説や、あらゆるフォーマットの画面上に留まらず、SNSの中にも無限に表れている。これらのコンテンツは必ず〝ストーリー〟を必要としている。そこから発せられるメッセージはそれ自体が目的となり、装飾や誇張があったり、明らかに推測に基づいているものであっても、ほぼ問題視されない。重要なのは、それが相応な構造を有し、狙っている戦略に合致しているという点である。まさに政治コミュニケーションは、作られた〝ストーリー〟で世論を操るという方法が執拗に繰り返されている分野のひとつだ。本書は、言葉、イメージ、レトリック、虚構、歪曲といった観点からこれらストーリーの結び付きをほどき、さらに分析を加えることで、政治コミュニケーションを支配するパラダイムを解読していく。

人魚のラメイス

Remeis de Sirena

テッサ‧ジュリア

Tessa Julià

L'art de la memoria edicions

海とそこに住む魚や人魚、船乗り、海藻、軟体動物、子供や大人たち、その魅力に触れる詩集。凪の時も嵐の時も、夜も昼も、風の歌にも波の砕ける音にも、渡り鳥の鳴く声にも、恐れを抱かず、その美しさ、多様性、広大さに驚く。

Andrés Barba著『República Luminosa』の表紙

きらめく共和国

República Luminosa

アンドレス‧バルバ

Andrés Barba

Casanovas & Lynch Literary Agency

私たちが幼年期という概念を再定義せざるを得なくなるには、何が起こらなければならないのだろうか? 出自不明の32人の暴力的な子どもたちの出現が、ジャングルと川に挟まれた小さな熱帯の町サン・クリストバルの生活を完全に混乱させる。20年後、その出来事の当事者の一人がこの『光の共和国』を執筆する。これは、子どもたちが死ぬまでの1年半の間に町を支配した際、都市がいかにして秩序と暴力の概念のみならず、文明そのものまでも再構築することを余儀なくされたかについて、事実、証拠、そして噂を織り交ぜて綴った年代記である。緊張感と不安に満ち、『闇の奥』のコンラッドの鮮明さを持つこの作品で、バルバは彼の常套手段である物語の大胆さと曖昧な状況を描く才能に加えて、偉大な物語の息づかいを持つ形而上学的で暗い寓話の次元を加えている。

Ines Castel-Branco著『Respira』の表紙

息をすって

Respira

イネス‧カステル=ブランコ

Inês Castel-Branco

VéroK Agency

ベッドタイムの母と子の対話の本。だがこれは、日中いつでもどこにでもある親子のやりとりではない。この本には、小さな子どもに自分の呼吸に意識させるための様々なエクササイズがわかりやすい図解とともに集めてあるからだ「ママ、今日はねむれないよ!」「どうして?」「わかんない……おちつかなくて、頭の中でぐるぐる考えごとをしちゃうんだ」「息をする方法をおしえてあげようか?」「息のしかた? そんなのもう知ってるよ!」「でも、どうやって息をしているか、ゆっくり考えてみたことある? どこから空気が入って、どこから出るのか、ふくらむのはお腹なのか胸なのか、ゆっくりと吸ってるのか、急いで吸ってるのか……」

創造的な肖像画、もしくは友人を失う技法

Retrato creativo o el arte de perder ami gos

リュイソット

LLuïsot

Editorial GG - Gustavo Gili

アーティストのリュイソットの手ほどきで君が学ぶのは、現実をそのまま描くというより、紙の上で創造的な本能を自由に発揮するのに必要な基礎知識を身につけるということ。それは、ヘアスタイル、アクセサリー、口ひげ、顔だち、靴や柄、構図、パターン、色…。この楽しい絵画の本には、絵を描くことへの恐れを取り除き、創造的な肖像画の技法を体験するための、数々の秘訣が詰まっている。まず友達に来てもらって……さあ、彼らの肖像画を描いてみよう!

弓道の師の真実

Revelaciones de la maestra del arco

ハビエル‧ベラ

Javier Vela

Editorial Pre-Textos

偽りの伝統の断片を散りばめ、そこに一見相反するメカニズムを混ぜるボーダーレスな記述。読者が導かれるのは故意に歪められた非現実の日本だが、著者は発明や神話で彩られたその列島を庇護する。寓話、詩、物語風エッセイを集めた本書は、著者の個人的な歩みに時間、空間、様式、記録(仏教の経典からアニメーション映画まで)を組み込んだ奇想天外な旅だ。物語と余談、メモと注釈、詩とアフォリズムが荒唐無稽なモザイクを作り、ユーモアと神話、パロディーと崇拝をミックスしながら「師匠」と「弟子」の関係に切り込んでいく。

José María Rodríguez Olaizola著『Rezando vamos』の表紙

祈りながら私たちは行く

Rezando vamos

ホセ・マリア・ロドリゲス=オライソラ

José María Rodríguez Olaizola

Grupo de Comunicación Loyola, S.L.U.

幼い子どもにとって、福音書を理解するのは難しい場合がある。そこに出てくる用語や場面、登場人物は、大人の世界やイエス・キリスト特有の文脈になじむよう想定されているからだ。数年前からRezandovoy(レサンドボイ、「祈りながら私は行く」の意)のグループは毎週日曜日、主日の福音書を子ども向けにアレンジしたミサを行っている。本書にはマルコによる福音書の文章を集成。イラストのおかげで読者がその場面を楽しみ、大人も童心に返って真理を直観することができる。この試みの意図は、様々な教育や子どもの相手をする場面で親世代、伝道士、教育者に役立つ資料を提供することであり、イエス・キリスト及びその友人について学ぶ術を身につけるためのものである。

Soledad Romero著『Robos de leyenda』の表紙

伝説の強盗

Robos de leyenda

ソレダード‧ロメロ

Soledad Romero

Zahorí Books

金、冒険、挑戦への渇望。巧妙、大胆、諧謔精神。この200年間で屈指の強盗事件に関する興味深い研究のもと、史上もっとも利口な泥棒たちを紹介する。たとえば、アルベール・スパジアリは、ニースのソシエテ銀行で金を奪った後、金庫室に「武器なし、暴力なし、恨みもなし」と書置きした。グラスゴーの列車強盗、ニースやフォルタレザの銀行強盗といった、悪名高い強盗事件の犯人たちの実像に迫り、どのようにそれらの強盗を計画し実行したか、また、その後の警察の捜査の驚くべき詳細をつまびらかにする。当時の新聞の第一面のデザインを踏襲したユニークなレイアウトを施し、各章でひとりずつ、伝説的な強盗を取り上げ語っていく。

Federico García Serrano著『Robos, expolios y otras anécdotas del arte viajero』の表紙

旅する美術 ― 窃盗、略奪、その他の逸話

Robos, expolios y otras anécdotas del arte viajero

フェデリコ‧ガルシア=セラーノ

Federico García Serrano

Larousse Editorial

冒険推理小説として読める、芸術の世界を描いた図版入り作品。本書はユニークな形で芸術とその歴史にアプローチしていく。数々の作品が時の流れとともに様々な場所を経て現在に至る、その旅(戦争、略奪、返還、有名な窃盗事件、遺産の奪い合い、コレクションの流行、売買やオークションがもたらした結果)をテーマとしている。こういった旅の醍醐味は、「アルノルフィーニ夫妻像」や「鏡のヴィーナス」(他にも、知名度は劣るが背景に偉大な歴史を持つものがある)のようなすぐれた作品の歴史に近づけるだけでなく、魅力的な人物、出来事、感情、芸術様式とムーブメント、作品が通過してきた象徴的な空間(芸術家のアトリエから、愛人の寝室や銀行家の執務室を通り、美術館のホールにたどり着くまで)がモザイクのように組み合わさった背景を知ることができる点にある。

ロボットランド

Robotland

ベルタ‧パラモ

Berta Páramo

Zahorí Books

さあ、これから、ロボットの歴史を巡る素晴らしい旅に出よう。語り手はベルタ。ロボットは、みなさんの想像以上に長い間、私たちの生活の一部となってきた。その起源は、仕事、時間の計測、宇宙観測、音楽の創造などのために、人工生命を作りだそうという人間の永遠の衝動から生まれたものである。そしてその進化は絶え間なく、ますます速くなっている。この特別な旅を通じて、ロボットランドの最も現代的な住人から原始的な先祖、さらにフィクションの世界に属するロボットたちにいたるまで、あらゆるロボットに出会うだろう。

Francisco Narla著『Ronin』の表紙

浪人

Ronin

フランシスコ‧ナルラ

Francisco Narla

Agencia Literaria Albardonedo

名誉、復讐、そして運命。時代の波にもまれた侍の物語。時は1600年、大海が国々を鍛え男たちを静めていた時代、フィリピンを目指して航海中のテルシオ軍の少尉ダマスコ・エルナンデスは出世して女官コンスタンサと結婚することを夢見ていた。同じ頃日本は群雄割拠の世。後に伝説となる長期に渡る包囲戦が行われていた伏見城では、4万の兵を率いる敵軍に対して、ほんの一握りの強者が城を守っていた。名誉の最期を遂げるには最早切腹しか無いと思われたその時、大将がその中のひとりに切腹を諦めさせ、ある任務を命じる。それは浪人に身を落とし、裏切り者を探し出すことだった。多大な権力をもつ藩主たちに翻弄される。明日をもしれぬ運命の我が身。やがて復讐の心を決めた浪人は、ついには驚くべき大航海の末スペインに上陸する。

Pilar Rahola著『Rosa de ceniza』の表紙

灰の薔薇

Rosa de cendra

ピラル‧ラホラ

Pilar Rahola

Columna Edicions, S.A.U.

キューバ戦争からすでに多くの年月が過ぎた。貧困と不幸に打ちひしがれた兵士だったアルベルト・コルネル=イ=エスピガはもう二度とみじめな思いをすることはない。彼は生き残り、新たな男になったと感じた。その予感通り富を築いてカタルーニャの上流階層と交流し、裕福な家庭をもった。時は政治的に不安定でいつ火花が散ってもおかしくない状態にあった。1901年の選挙ではカンボとプラット=ダラリバ率いるリーガ・ラジウナリスタが勝利。王党派とレルー派は暴動を起こし、政府がさらに追い打ちをかけた。カタルーニャは恐怖と不安の時代を過ごすが、それは同時に大きな夢と希望の時代でもあった。本作品は1909年にバルセロナで起きた「悲劇の1週間」を見事に再現している。絶対の真理がどこにも存在しない唯一無二の激動の時代を圧倒的な叙述力で巧みに描く。

Encarnación Villasevil著『Rostros 100% bellos』の表紙

100%美しい顔

Rostros 100% bellos

エンカルナシオン‧ビリャセビル

Encarnación Villasevil

Videocinco Editorial

顔は心を映す鏡であり、完璧な肌よりも、若々しく活力に満ちあふれた精神を披露するのにふさわしい! 過酷な天候、ストレス、不適切な食生活……、それら全てが肌の見た目に影響を及ぼす。だから徹底的なケアの秘訣を知っておこう。完璧な結果をもたらしてくれる商品は身近にたくさんあるけれど、私達はその使い方をちゃんとわかっているだろうか? あなたの年齢や、肌のタイプ、生活リズム等の要素をしっかりと考慮しなければならない。それにいつだって、思い出すべき「小さなコツ」がある。素敵な顔で周りを魅了するための、フェイスケアのABCがあなたの元へ。あなたの肌にはこんなアドバイスが必要だった! 今度はあなたの番だ。

Candela Sierra著『Rotunda』の表紙

ロトゥンダ・スタジオ

Rotunda

カンデラ・シエラ

Candela Sierra

Andana Gráfica (an imprint of Andana Llibres SL)

卒業したばかりの若き彫刻家ブリサは、カフェで働きながら、自分が思うような仕事を見つけようと必死だった。そんな彼女に幸運が訪れる。現代的なロータリーの設計を手がけるロトゥンダ・スタジオのディレクター、デルフィンとの出会いだ。しかし、次第にこの会社の創造性、モチベーション、そして“いい感じ”は薄れていき、上司による操作や非倫理的な慣行が明らかになる。これに直面したブリサは、仕事への熱意のために支払うべき代償について疑問を抱くようになる。

Alena Pons著『Royalty Witches. La esencia de la aurora』の表紙

王家の魔女たち

Royalty Witches. La esencia de la aurora

アレナ‧ポンス

Alena Pons

Norma Editorial, S.A.

Kat, Emma, Kibibi, and Lilith are four girls who, at first glance, seem to have little in common. Yet they all share one thing—they’re Royal Witches, chosen to compete together in the 118th Crown League. Each hails from a different country and hides her own secrets… though they’re not the only ones. Their coven also includes Shin, the untamed water witch, whose mere gaze makes Kibibi’s heart race. If they want to prove their worth, overcome the trials, and claim the throne of their homelands, they’ll have to set aside their differences and learn to fight as one.

犠牲

Sacrificio

オスバルド‧レイェス

Osvaldo Reyes

悪は不意に忍び寄ってくる。8月のある寒い夜、そのことをエバンス一家は身をもって経験することとなった。闇の中、娘のサラが二人組の何者かにさらわれ、姿を消したのだ。彼女は生きているのか、刑事アンへロ・モリスと法心理学者ハミレン・ラッソは力を合わせ、時をさかのぼって事件のなぞに挑む。一貫性がなさそうに見える犯罪にむきあうふたりは、犯人が残した手がかりが30年以上前の未解決の謎を指し示していることに気づく。やがてジグソーパズルのピースを合わせるように時の中に埋もれた秘密が明らかになるにつれ、恐ろしい現実が姿を現しはじめた。それは過去の亡霊が復讐を叫ぶ、苦痛に満ち荒涼とした光景だった。

赤ずきんちゃんを救って

Salvando a Caperucita Roja

クラウディーネ‧ベルナルデス

Claudine Bernardes

Batidora Ediciones (La Batidora Coop. V.)

どう猛なオオカミが隠れている。赤ずきんちゃんを助けてあげないか? 傷つき、沈黙している多くの子どもたちの心に向けて、声を上げるよう励ます物語。今こそ自分たちの話を語り、耳を傾けてくれる人を見つける時だ。この絵本は、暴力、虐待、児童性的虐待(CSA)を象徴的な形で取り上げており、著者たちが参加する様々な支援活動で対応した子どもたちの実際の言葉から作られている。

Juan Carlos Chandro著『Samuel casi no tiene miedo』の表紙

サムエルはほとんど何も怖くない

Samuel casi no tiene miedo

フアン‧カルロス‧チャンドロ

Juan Carlos Chandro

Grupo Editorial Bruño

サムエルは怖いものがほとんどない。犬だって高いところだって知らない人だって嵐だってヘビだって怖くない。だけどひとつだけ、ちょっと怖いものがある。それが何か見つけたくない? サムエルのように恐怖心に立ち向かい、たいがいはやっつける、すべての子どものための物語。恐怖と勇気というテーマはいつでも重要だ。人生や世界にどう立ち向かうかは、恐怖にどう立ち向かうかにかかっているからだ。同じような恐怖心を抱き、同じようにそれに立ち向かい自信を与えられる主人公と自分を重ねながら、子どもたちが自信を持ち、自分には勇気があると思うことをねらいとした絵本。

聖なる者、奇跡の本

San, el libro de los milagros

マヌエル‧アストゥール

Manuel Astur

「マルセリノは作業を止めて立ち上がると、手の甲を額にかざし足元の谷を見つめた。何もかもが金色の光の鈴のようにきらきら輝いていた。7月のあの日も同じようにマルセリノは立ちすくみ、じっと目を凝らしていた。家屋も穀物庫も荷車も夕暮れの濃い藍色に包まれる中、ただ弟から流れる血痕がおがくずを赤く染めていた。彼は弟を傷付けるつもりなどさらさらなかった。空には新たな時代の幕開けを告げるように一番星が輝き出していた。」この意外な展開を見せる美しい物語は、全ての読者にとって自らの姿を映し出す鏡のようなものだ。都会であれ田舎であれ、どこにいても読者は神話の世界を覗き込むことができるし、その視線を主人公の視線と同じように澄み切らせることが可能だ。神話の世界では歴史さえも火のそばで語られる寓話のひとつに過ぎない。

Mateo Miguel著『Sandunga』の表紙

サンドゥンガ

Sandunga

マテオ‧ミゲル

Mateo Miguel

Drácena Ediciones

「毎日の我らの酒よ、昼も夜も我らを見放すことなかれ」毎朝サンドゥンガはこう唱え、その日の最初の酒を1杯飲むと、気の向くまま過ごすために家を出る。欲望も目的も持たず、流れ任せの人生だが、それ自体がこの面白い小説の筋になっている。あるひとりのメキシコ先住民があるがままに世に出るが、様々な出来事に巻き込まれる。素晴らしくもない日常のせいではないが、大抵の場合不幸な出来事だ。そしてその様子は常に酩酊状態の彼の視点で語られる。つまりこの小説は同じく酔っ払いが主人公でメキシコを舞台に展開するマルカム・ラウリーの『火山の下』やスペインの小説家エクトル・バスケス=アスピリの『Fauna(ファウナ)』と類を成す。悲壮感や哄笑を誘うだけでなく、驚くほど生き生きとした読書体験をもたらす小説。

Berta Rubio Faus著『Santi, Jordi, la princesa i el drac』の表紙

サンティとジョルディとおひ さ とドラ2ン

Santi, Jordi, la princesa i el drac

ベルタ‧ルビオ=ファウス

Berta Rubio Faus

Elpoblet edicions

本書は、従来のドラゴンとおひめさまの物語とは少し違う。主人公のおひめさまは、なんとふたつの城に住んでいる。ひとつ目の城では、母親と義理の父とたくさんの家族と一緒に住み、もうひとつの城では父親と義理の母親(意地悪なまま母とは似ても似つかない)と住んでいる。ふたつの城の間を毎週自転車で行き来するのだが、仕事をリタイアしたドラゴンが耕す小さな野菜畑を自分が走っているとはおひめさまは気づいていなかった。畑のトマトがほとんど育たないのはおひめさまのせいだと気づいて、ドラゴンがおひめさまをつかまえてしまった(おひめさまはドラゴンの家の屋根の上で退屈で死にそうになっていた!)。おひめさまを救うには、サンティとジョルディ(おひめさまの父親と義理の父親)が力を合わせるしかない。ふたりの父親は、おひめさまが畑仕事を手伝うと、ドラゴンに約束する。

サラ #イカスパイ-雪の中のミステリー

Sara #espíacalamar - Misterio en la nieve

ピラール‧ロサノ‧カルバヨ

Pilar Lozano Carbayo

Grupo Editorial Bruño

サラ・イカスパイはあらゆる種類の謎や不可解な出来事を解決するスペシャリスト。読書年齢に合わせた文章にユーモア溢れるイラスト満載の冒険ストーリー。サラ♯イカスパイは天才的な調査能力の持ち主。「私はサラ・イカスパイ。でもイカスパイは苗字じゃないの。スパイは私にぴったりの職業で、素晴らしい冒険を経験できる。で、海が好きだからイカって付けたの。だって、イカは海洋動物の中でも、とても頭が良いから」 ある週末、祖父母と行った山でスキーを覚える一方で、わくわくする謎を解く。雪男って本当にいるの? それともただの作り話?

Parente & Pascual著『Secretos de luna llena』の表紙

満月の秘密

Secretos de la luna llena

イリア‧G‧パレンテ、セレーネ‧M‧パスクアル

Iria G. Parente y Selene M. Pascual

La Galera Editorial

昔々、あるところに凛々しい王子がいた……昔々、あるところにふたりの勇敢な王女がいた……昔々、あるところに謎めいた吟遊詩人がいた……昔々戦争があり、彼らの運命が出会った。ファエシアの地へようこそ。そこはおとぎ話が見かけ通りではなく、満月の後ろに秘密が隠れている土地だ。

Lluís Ferrés Gurt著『Secretos del Mediterráneo』の表紙

地中海の秘密

Secretos del Mediterráneo

リュイス‧ファレス=グルト

Lluís Ferrés Gurt

Editorial Juventud

歴史、神話と、回想的物語を集めた本。 地中海は迷宮のように入り組んでいるが、日のさした冬の広場のようにふところが深い。この海を愛してやまない作者が、鮮やかな色彩を使いざっくりとした筆づかいで描いた印象派の絵画のように、示唆に富んだ地中海の姿をうきぼりにする。地中海には、3つの大陸の風景と人々が顔をのぞかせる。すべてはその海岸から始まったのだ。

セダフィン、ある蚕の物語

Sedafín, historia de un gusano de seda

ペップ・モリスト

Pep Molist

El Cep i la Nansa Edicions

これはとっても特別な蚕、セダフィンのお話。セダフィンは飼育箱のなかでたった一匹、白やグレーじゃない、色とりどりの鮮やかな蚕で、仲間たちの驚きの的なんだ。

Mari Carme Roca著『Selfies al cementiri』の表紙

お墓でセルフィー

Selfies al cementiri

マリア‧カルマ‧ロカ

Mari Carme Roca

Barcanova Editorial

町の中央にある古く美しいマルモ墓地は、バーチャルな生者が集う場所だ。そのうちのひとりニルスは、自分がそういう存在なのがうれしくてたまらない。女の子をナンパするという、一番好きなことに打ち込めるからだ。リサイクルされた死者にはいろいろと利点があって、都合が悪いときは幽霊モードになれば、人に気づかれずにすむというのがそのひとつ。ところが、特別な女の子シリは彼らを見つけてしまった。ニルスはそれがおもしろくない。バーチャルな生者は、だれにも自分の存在を知られてはならないからだ。彼らは伝説のままでいなければならないのだ。

ジャングル

Selva

マリーナ‧ヒベルト

Marina Gilbert

Kalandraka Editora

見て楽しむ本。見開きページに描かれた絵だけで、緑豊かな場所を楽しく散歩する少年の様子を語る。人生に喩えた物語で、長い道を行き、深い茂みを横切り、奇妙な場所を上り下りして主人公がたどる行程には、見えている通りのものは何もない。好奇心と幻想に満ちた冒険へと誘う1冊。シンプルだが独創性に富む、驚くような輝かしい物語で、何よりも溢れるような豊かな色彩と紙面に感じる筆遣い、細部にこだわりながらも量感のある絵に引き込まれる。予想もつかない結末を迎える視点の遊び。子どもは本来とは異なる空間に入り込むが、記憶にはあらゆることがぎっしり蓄えられている。主題:人生のメタファー

Silvia Vilacoba Canal著『Sempre junts』の表紙

いつも一緒

Sempre junts

シルビア・ビラコバ・カナル

Silvia Vilacoba Canal

L.A. Boutique

パワフルで自信に満ちたビジネスマンのアンドレウ・プラット。金、権力、家族、子供…欲しいものは何でも手に入れてきた。そんな彼だが、40歳を過ぎた今、離婚を考えている。この男の魅力に抗える女性はほとんどいないが、ヌリアはその例外のひとりだ。彼女にとってカラ・モントゴは悲しみを癒すためにこれからもずっと訪れるであろう場所。未来を思い描くための静寂の隠れ家であり、過去と現在が絡み合って、ハバネラに歌われているような「ほんの小さな楽園」となるのだ。

Enrique mauricio Iglesias著『Seoane. O creador na súa tinta』の表紙

セオアネ、墨につかったクリエーター

Seoane. O creador na súa tinta

エンリケ‧マウリシオ

Enrique Mauricio Iglesias

Lela Edicións

ガリシア系アルゼンチン人のルイス・セオアネは、画家であり、文化を活性化させる起爆剤的な人物だった。本書は彼の幼少期からスペイン内戦により亡命を余儀なくされたときまでの半生を、コミック形式で描く伝記。

人類

Ser humanos

ファクンド‧マネス

Facundo Manes

Editorial Planeta, S.A.U.

ここ数十年、神経科学が発展したことで、人類をして地球上で最も複雑で、自らの本質を問うことができる存在にまでならしめた器官、すなわち脳の働きに関する多くのことが明らかになった。しかし、約1000億個の細胞からなる、この脳という器官は、科学者にとっていまだに謎に満ち溢れた挑戦の場である。国際的にも著名な神経科学者であるファクンド・マネスは本書『Ser humanos(人類)』の中で、脳科学における新発見までの長い道のりや大いなる発展について分かりやすくかつ魅力的に説明した。また理性と感情は結びつくのか? ストレスとは何か? 機械は人間より賢いのか? などの多くの疑問に答えている。

あなたは思い出となり、あなたは忘却となる

Serás recuerdo, serás olvido

マリア‧アンヘレス‧ロペス=ロメロ

Mª Ángeles López Romero

Editorial Luis Vives (Edelvives)

40歳の誕生日を目前に控えたディナは、ある辛い病の早期であると診断され、ふたつの別れのショックを受け、思いがけない3つのプレゼントを貰った。そんな疑問だらけの状況に置かれたディナだったが、自分の中に沸き起こる怒りや迷い、喪の悲しみを払拭するために真実の究明に乗り出す。友情の真価や忘却に対する認容と言葉が持つ大きな力について書かれた生命力あふれる物語。病はもちろんのこと殺人事件、売春、女性の人身売買から似非宗教の闇組織の話も出てくる面白い小説。家族やパートナー、友人との関係が主軸となって主人公ディナの人生に意味を与えている。ディナは木の箱に、彼らにまつわるすべての思い出をしまっている……。

Elena Gallego Abad著『Sete Caveiras』の表紙

七つの髑髏

Sete Caveiras

エレナ‧ガリェゴ=アバッド

Elena Gallego Abad

Elena Gallego Abad

新聞記者のマルタ・ビラスが、ビゴに港に浮かぶバイク乗りの死体を発見した時、殺人犯が被害者のポケットに忍ばせた小さな玩具が自分の人生を変えることになるとは夢にも思わなかった。閉鎖してしまった玩具メーカー、ファモビル社が製造初期に発売したシリーズの小さな人形が、この事件と対岸のカンガスで漁師によって引き上げられた警備員の殺害事件、そしてその後ガリシアの海岸のあちこちで次々と発見された死体とを結ぶ唯一の手掛かりとなる。はらはらする中にも時に愉快に、1980年代の出来事をちりばめ、実在の場所で行われる連続殺人事件をつむぎだす。アガサ・クリスティーの古典的作品のタッチで書かれたこの21世紀の小説は、著者のジャーナリズムに対するオマージュでもある。モビーダ(フランコ政権崩壊後から80年代までマドリードに起きた反文化的ムーブメント)の音楽に乗って展開する、魅力あふれる物語。

Santiago Elordi著『Seven』の表紙

セブン

Seven

サンティアゴ‧エロルディ

Santiago Elordi

Editorial Huerta Grande, S.L.

人の心を巧みに操る老人と、美しく先見の明のある女性アーティストのラブストーリー。分類不可能なバラード、時にノワールのパロディ、時に誰が語ったかだれにもわからない家族史でもある。私たちの生きるグローバルではっきりせず、悲劇的で浮かれた世界を、皮肉たっぷり痛烈に映し出す。この世界では、人間は思いもよらぬ時に現れる。お金の陰で、あるいは主人がおらずスペースもないような環境で。スペイン語ではあまり聞かない優しさとユーモアを介した、寄る辺ない身を訴える叫び。レトリックを極力省いて語られる、この悲劇的かつ魅力的なストーリーは、読者にとってまさにひとりのチリ人作家の発見になるだろう。ウエルタ・グランデ社が自信をもって紹介する。

規格外の性

Sexo fora de norma

ベル‧オリッド

Bel Olid

Rayo Verde Editorial

フェミニスト的観点から固定観念を退ける作者たちは、「快楽、性行為、エロティシズムがどのように、そして誰のためにあるべきか」といった、ひとつの明白な答えを出すような言説を展開したりはしない。本書には、一般的には規格外かもしれないが、社会に存在する性とエロスの多様性に応えるエロティックストーリー集という点では実にノーマルな性愛文学が網羅されている。これら12の文芸作品のテーマは、性的同意、自慰、スワッピング、性別のあいまいさ、個人の自由、探求、アバンチュール、生涯のパートナーの再発見など。作者たちは、ポルノのようなファロセントリズムに支配された男性的視点によるセックスを避け、よりリアリティのある物語を描いた。登場人物たちが見せる現実に寄り添った、願望、欲情、夢、野心は読者を魅了するだろう。

Ana R. Cañil著『Si a los tres años no he vuelto』の表紙

もし3年経っても!たし 戻ら ときは

Si a los tres años no he vuelto

アナ‧ラミレス=カニル

Ana R. Cañil

Editorial Espasa

ジャーナリスト、アナ・R・カニルは、ある恐ろしい歴史を長い間追ってきた。スペイン内戦後の女性服役者たちの物語である。彼女たちが獄中で産んだ子どもは、看守に奪われ、全寮制の神学校や修道院に送られたり、養子に出されたりした。この残酷な仕打ちは、全体主義体制特有のえせ科学理論によって正当化され、その時代の有力な医師や聖職者や律法学者らにも完全に支持されてきた。これを題材にノンフィクションを書き始めた著者は、書くうちにのめりこみ、小説にせずにはいられなくなった。その結果、読みだしたらやめられない小説ができた。告発された恐ろしい事実はもちろん、ふたりの敵対する登場人物の描き方が読者をひきつけてやまない。共産主義者の若い妻ヒメナ・バルトロメと、ベンタス女性刑務所の所長マリア・トペテのふたりは対照的で、どちらも忘れがたい登場人物となっている。

Pau Joan Hernàndez著『Si no te vas』の表紙

きみ 去らないのは

Si no te vas

Pau Joan Hernàndez

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

わたしの名前はロレーナ、歳は――16歳になったけど今は歳がないと言うべきか、16歳で、これから先ずっと16歳と言うべきか。じゃ、こう言えばいいかな。わたしの名前はロレーナ、約1カ月半前から死んでいる。 なんて言うと、読書好きの子はきっと、それは趣味の悪い大げさな比喩だと思うことだろう。でも、比喩なんてわたしのやり方じゃない。わたしはずばりと言うことが好きだし、わたしのこともそのままわかってほしいと思ってる。だから、わたしが死んでいると言えば、それは文字通り、死んでいるということ。正確にいうなら、死んで埋葬されたの。実を言うと、なぜ、何のために、わたしがまだここにいるのかは、さっぱりわからない。わからないと言えば、なぜ死んでしまったのかも実はわからない…

Guillermo Saavedra著『Siembra』の表紙

種まき

Siembra

ギジェルモ‧サアベドラ

Guillermo Saavedra

Dibbuks

グラフィックノベル『Siembra(種まき)』は、小さな村の少年たちの自由への渇望を描いた物語。それは、セマナ・サンタ(聖週間)の行列で、聖母マリア像の首が切られたことがきっかけだった。少年たちは衝撃をうけ、地域社会と世界における自分たちの居場所を必死に探し求める。そして、ある虐殺の事実につきあたる。

Andres Guerrero Sanchez著『Siempre estaré allí』の表紙

私はいつもそこにいる

Siempre estaré allí

アンドレス‧ゲレロ=サンチェス

Andrés Guerrero Sanchez

Grupo Editorial Bruño

両親の離婚以来マリナは、もうなにも元通りにはならないと感じている。変わらないのはただひとつ、おじいちゃん、おばあちゃんが住んでいるフランスの海岸地方の街、カマルグで過ごす夏休みだ。だけどその年は、絶対に忘れられない夏になった。エティエンヌに導かれて、再び大好きだった馬に乗るという希望と勇気を取り戻すことができたのだ。そして、なにより大事なことに、隙があれば現れてこようとする、悲しみという黒い虫が少しずつ消えていったのだ……。ところが、思いもかけない重大な出来事によって、マリナは再び自分の人生と向き合わなければならなくなる。

Alfredo Gómez Cerdá著『Siete llaves para abrir los sueños』の表紙

夢を開く7つの鍵

Siete llaves para abrir los sueños

アルフレド‧ゴメス‧セルダ

Alfredo Gómez Cerdá

Kalandraka Editora

ジャンニ・ロダーリ、トミー・ウンゲラー、アストリッド・リンドグレーン、フアン・ファリアス、クリスティーネ・ネストリンガー、ロアルド・ダール、グロリア・フエルテスをそれぞれ主役とする7つの物語。現代児童文学史の重要作家たちにささげた、夢のような作品。著者は、主人公となっている作家たちが長いキャリアを通して培った独自の空想力や創造性を使って物語を紡いでいる。それぞれの物語の元となるエピソードは、綿密な調査によって収集されたものであることが窺え、これらの作家の伝記や作品を読んでみようと読者を駆り立てる。ダビド・ピントールが描く登場人物の姿には、身体的な表現を超えた人間性の深みが反映されている。本書の主人公たちが本を通して世界中の人々に夢を見させた、あの幸福の魔法をかけられたような気になるイラストだ。

Matías Néspolo著『Siete maneras de matar a un gato』の表紙

ネコの7つの殺し方

Siete maneras de matar a un gato

マティアス‧ネスポロ

Matías Néspolo

物語の舞台は、とてつもなく貧しい国の中にある、あまりにも大きな都市の郊外。そこは最も強い者、最も嫌なやつが支配する、国境も法律も文化もない世界だ。グリンゴとチュエコというふたりの少年は、そんな空腹、退屈、麻薬がわりの接着剤しかないところに暮らしている。友情だけが、おそらく人生がふたりに与えた唯一の贈り物だ。ごろつきに囲まれ、性的暴力や非人間的な生き方が日常的な彼らは、ある日、慣れ親しんだ世界との関わり方である犯罪に身を投じることになる。銃を盗めば、チュエコはこの地獄のような掃き溜めで一目置かれるようになるのだ。しかし、グリンゴは、愛と、読み古された『白鯨』との偶然の出会いが救いの道を開いてくれるように感じていた。差別や不幸から逃れるすべはたくさんある。そして最も良い方法は、最も心地よいものではなく、最も早くそこから解放されるやり方だ。

Rafael Yuste著『Silván y los árboles parlantes』の表紙

シルバンとしゃべる木たち

Silván y los árboles parlantes

ラファエル‧ジュステ

Rafael Yuste

Prames

巨人シルバンは、地球上で最も素晴らしい木々を見つけるために世界一周の旅に出る。動物やその他の驚くべきキャラクターたちと一緒に、この驚異的な存在……木々について学ぶ、壮大な冒険の書。

Victoria Álvarez著『Silverville』の表紙

シルバービル

Silverville

ビクトリア‧アルバレス

Victoria Álvarez

Nocturna Ediciones, S.L.

コロラド州のシルバービルで銀採掘の夢を一撃で葬り去る復讐劇が幕を開けようとしていた。1872年にグレース・マロリーが夫の実家の古い邸宅に住み始めるや否や、彼女は村中の噂の的になった。「大きな空き家にご婦人がひとりで住むなんて」、「夫の銀採掘会社の跡取りのジョンはなぜ一緒じゃないの?」。 ルビー・ローレンスは女性であるがために軽視されることを嫌というほど知っている。だから、グレースに対する彼女の不信感を誰も真剣に受け止めないことにも驚かなかった。だが、少なくともルビーの親族は彼女の意見を聞くべきだった…なぜなら、ジョンの父親を殺害したのは彼らだったからだ。 シルバービルの平和が失われていくなか、グレースとルビーは複雑に入り組んだ策略に関係してゆく。その企みではどんな捨て駒にも意味がある。そして残るのはただひとつの確信。世界は舞台であり男も女も単に演者にしか過ぎない。

Equipo Hiares著『Simbad el Marino』の表紙

船乗りシンドバッド

Simbad el Marino

チーム‧イアレス

Equipo Hiares

Hiares Multimedia 2013

ビンテージイラスト入りの古典童話。本文はヨーロッパ言語共通参照枠B1レベル相当のスペイン語でリライトされている。中級者・自立した言語使用者向け。該当レベルに合わせて本文中で目立たせた単語の語彙集つき。

Josep Gregori著『Sis anys, sis casetes』の表紙

6歳、6個の小さな家

Sis anys, sis casetes

ジュゼップ‧グラゴリ

Josep Gregori

Edicions Bromera S.L.U.

この物語の主人公は毎年誕生日になると特別なプレゼントを受け取る。それは切り抜きの小さなお家。自分の部屋にはこうして集まった5個のお家が飾られていた。しかし両親が離婚した今、5個のお家はふたつの部屋にばらばらにして置かなければならなくなった。もうすぐ彼女の誕生日、でも、とても心配だ。はたして両親は今年も忘れずに小さなお家を贈ってくれるだろうか。優しさを感じさせる独特な切り口で両親の離婚と幼い子どもたちへの影響という繊細な問題を扱った物語。

Béla Braun著『Solo que Marla no volverá』の表紙

ただマルラは帰らないだけ

Solo que Marla no volverá

ベラ・ブラウン

Béla Braun

Drácena Ediciones

メキシコ市に住み、ビリヤード用品の販売で生計を立てる野心家は、突然、中学で学ぶ彼の恋人が誘拐されたことを知る。少女を救出しようとの思いに苛まれ、メキシコの人身売買、女性の搾取の巣窟で彼女の行方を捜す。このようにして捜索が始まる本書『Solo que Marla no volverá(ただマルラは帰らないだけ)』はベラ・ブラウンの2作目で、最良の推理小説の要素がすべて盛り込まれている。著者はメキシコで最も時代を感じさせる若手小説家のひとり。

夜のバーの孤独

Solos en los bares de noche

トニ‧モンテシノス

Toni Montesinos

Drácena Ediciones

主人公ディエゴがこれまでの自分とは別の存在になるためにやってきた町ダブリン。だが、新たな友人と憂鬱さのせいで酒に溺れ、一生住み続けることができないことも分かっている。ディエゴの心の中に潜むいまだ実行していないある種の犯罪は、彼を過去の面々の元に押し戻そうとしていた。すなわち、自らの運命を受け入れ、人目につかずに逃げおおせるバルセロナへと。その街で彼は、恐怖に打ち勝つために本能的にさまよい続けるが、夜、バル、そして彼と同じように漂流の旅をする一匹狼の群れの中にいても、孤独が消えることはない。そして、馴染みの場所、昔の酒場、過去を物語ることになるかつての恋に戻り、たとえ最も内面的な真実と向かい合うことになったとしても、彼の逃避は終わりを見ることはないだろう。

沈黙の影

Sombras silenciosas

イー‧エセ‧ギナルド

I. S. Guinaldo

Obscura Editorial S.L.

吸血鬼たちは、ミスティヴィルの聖域において長きにわたり守られ繁栄してきた。しかし、ある時、彼らの存在を抹殺しようと始まった卑劣な戦争が次第に激しさを増していき、すべてが変わっていく。戦いは必然的に人間にも波及し、20代のアストン・パーカーの退屈な日常は、謎めいた吸血鬼の黒魔術師エスリンと道ですれちがった夜を境に一変する。エスリンを取り巻く謎と魅力に幻惑されたアストンは知らぬ間に、かつてない岐路に立たされているミスティヴィルの吸血鬼たちを巡る紛争の重要人物のひとりとなっていくのだった。

César Verdúguez著『Somos Probetus』の表紙

僕たちはプロベトゥス

Somos Probetus

セサル‧ベルドゥゲス

César Verdúguez

Cartem Comics

世界最大の宇宙機関ナクサム・スペースは、時空をコントロールするための宇宙開発競争で勝利を目前にしている。しかし、ダウン症をもつ優秀な研究者が、この重要な開発競争で彼らを追い抜くことに成功する。シルビノ・プロベトゥスは、行方不明の伝説的科学者の息子で、数十年前に始まった秘密プログラム「時空侵入」部門の指揮をとる。シルビノ青年は、自分の過去に分け入る。そしてそこで、かつての想いがよみがえり、抑えることのできない疑念が生まれる。28年が経ち、父の失踪の事実は不明のままだが、今、父の進歩的な研究と何が起きたかについての新たな手掛かりが現れる。過去を遡る一連の冒険を経て、助けを求める一本の匿名電話を受ける。それは、シルビノの人生と、多元宇宙の物理法則を永遠に変えることになる電話だった。

あなたの影の下で

Sota la teva ombra

テレサ‧フランケサ

Teresa Franquesa

Editorial Casals

木々への賛歌。テレサ・フランケサが文を書き、シグリッド・マルティネスが巨大なイラストを描いたこの折り返し付きの新しい絵本には、木に対していろんな見方をしてみようという意図が込められている。1本の木では森にはならない。しかし子供たちはこの本を通して、1本の木はそれ自体がひとつの生息環境なのだということを知る。木は動物たちを養い、私たちに避難場所や木陰を提供し、果実や種を実らせ、風景を成し、絵画や詩歌や冒険譚の着想を与える。そして木は生きもので、慈しみと世話を必要とする存在なのだ。各見開きには、双眼鏡型に穴をくりぬいた大きな折り返しがついていて、子供たちの好奇心を刺激する。本の最後に順序を追った木の植え方の説明がある。木という素晴らしい生きものの成長過程を間近に見ることを誘いかける1冊。

記念品。お菓子と旅と思い出と

Souvenirs. Pasteles, viajes y recuerdos

イサベル‧ペレス

Isabel Pérez

Col & Col Ediciones

ヨーロッパを中心に、著者おすすめの14の街歩きを紹介。ローマ、パリ、ロンドン、ウィーンなどの都市で菓子店を訪れ、現地でよく知られたレシピをいくつか取り上げる。菓子店「アリテル・ドゥルシア」のイサベル・ペレスが案内するユニークな街歩きは、読者を単なる観光客から旅人へと変える。14の都市を〈見る〉代わりに〈知る〉ことで、より賢く、より幸せで自由な気分に戻れる思い出をスーツケースに詰めこむべく、記念品を探して広場や通りを楽しむことができるだろう。掲載する84のレシピが甘い味わいをもたらしてくれる。

スパニッシュ‧ビューティ

Spanish Beauty

エステル‧ガルシア‧リョベト

Esther García Llovet

Editorial Anagrama

ベニドルムを舞台に、父親および高級ライター“タリスマン”を探す不正まみれの女刑事が繰り広げるダークな犯罪スリラー。マドリード三部作(と、ここでは呼ぶ)『Cómo dejar de escribir(いかにして書くのを止めるか)』、『Sánchez(サンチェス)』、『Gordo de feria(祭りの惨事)』において、マドリードを夜行性でアウトローな、かなりシュールな都市として描いた作者のエステル・ガルシア=リョベトは、東国三部作の第一作となる本作『Spanish Beauty(スパニッシュ・ビューティ)』では、スペイン東部のリゾート地ベニドルムを、英国マフィアやロシア人大富豪が暗躍し、地下に薄汚いビリヤード場、地上に建設中の摩天楼が立つ街に仕立てた。この街で汚職警官ミケーラは、1960年代のロンドンでその名を知られた双子のギャング、クレイ兄弟が所有していたライターを何としても手に入れなければならないのだ。

Ernesto Navarro著『Spidercat』の表紙

スパイダーキャット

Spidercat

エルネスト‧ナバーロ

Ernesto Navarro

Apila Ediciones

スパイダーキャットは特別な猫だ。とびぬけた力を持っているが、本人はまだそのことを知らない。これは私たちにもよくあることだ。みんな特別で、人とは違っている、かけがえのない存在で、少なくとも何かひとつはとびぬけた力を持っている。君のはどんな力?

スプーキーとハロウィンの夜

Spooky y la noche de Halloween

ダビド‧サルバドール

David Salvador

Grupo Editorial Sargantana

幽霊の地ゴーステルバニアにようこそ。これはヨーロッパ北部の小さな町に伝わる小さな幽霊の伝説。古い教会の鐘楼に住む幽霊スプーキーは、1年のうち最も怖いお祭り、つまりハロウィンの夜を守った。スプーキーと小さな蜘蛛ブリジット、モルティスおじさんと一緒に影の王国に行って、王様が起こしたちょっとした問題を解決しよう。なんと、この王様は今年のハロウィンの夜の間、生者の王国にいるゴーステルバニアの全住民からかぼちゃを取り上げてしまったのだ。

潜水艦、ケーキに恥知らず。暴かれる謎

Submarinos, tartas y abusones. Misterios por desvelar

ピラル‧カバーニャス‧モレノ

Pilar Cabañas Moreno

Editorial Ciudad Nueva

友達と敵、恐れと勇気、呪術と遊びに関する楽しいお話に出会う本。主な登場人物はシマウマとシルベストレ、兵士ガニ、子豚のコチノン、子どものグレーハウンド。この本は学習教材としてグループで楽しんだり、ひとり静かに読んだり、または学校の授業やワークショップで使用したり、劇として演じたりすることが可能。だが何よりも、自由で幸せになることを覚えるための1冊だ。すべてが潜水艦とケーキ、恥知らずの間にある。6歳から。

子供の頃の夢

Sueños de infancia

フラン・ヌニョ

Fran Nuño

La Maleta Ediciones

フリアン、ヌリア、ロベルトとパウラの4人は、大人になったら何になりたいか明確な夢を持っていた。果たして4人はその夢を叶えることができたのだろうか?面白くて親しみやすいこの物語を読んでその結末を明らかにしよう。

Iria Parente y Selene Pascual著『Sueños de piedra』の表紙

石のゆめ

Sueños de piedra

イリア‧G‧パレンテ、セレーネ‧M‧パスクアル

Iria G. Parente y Selene M. Pascual

Ute Körner Literary Agent, S.L.U.

昔むかし、はるかかなたのある王国に、ひとりの王子がいた。王子は、ある若い娘を窮地から救いだしてくれたとして、魔法使いにほうびをやった。だが、それはすべて真実ではなく、呪いだった。そこで、王子は栄光と復讐を夢見る。だが、魔法使いの魔法はいつも災いを招くとは限らない。娘は魔法のおかげで、彼女を苦しめていた過去……彼女があやめた男の記憶から逃れる。昔むかしあるところに……。

Núria Pradas著『Sueños a medida』の表紙

オーダーメードの夢

Sueños a medida

ヌリア‧プラダス

Núria Pradas

Sandra Bruna Agencia Literaria

1926年のバルセロナ。有名な高級服メーカー「サンタ・エウラリア」は、初の自社コレクションを、大きなファッションショーで発表し売り出そうとしている。スペインで開催される初めての大規模ファッションショーのひとつだった。イベントは大成功する。変化は始まっていた。19世紀半ばに作られた昔ながらの生地問屋がすっかり、オートクチュールの世界に入ろうとしている。内部では、様々な登場人物(オーナー、デザイナー、店員等)の生きざまが交錯し、時代の進歩のリズムに合わせてうごめく。1929年の万国博覧会に象徴される将来の展望が開けていた時代。内戦と内戦直後に代表されるやっかいで不幸な時代。必死で困難に立ち向かい、どんなことがあってもいつも前に進み続けようとする「サンタ・エウラリア」を構成する人々の人生が描かれる。

Silvia Pratdesaba Lafuente著『Sujeto elíptico』の表紙

省略された主語

Sujeto elíptico

プレ-テクストス

Silvia Pratdesaba Lafuente

Editorial Pre-Textos

本作は、ベルベル文化のユニークな世界から生まれた本。著者クリスティアン・クルサットは、驚くほどよどみなく、伝説、エッセイ、伝記、旅行記を組み合わせている。読者は、(一般的および地理的な)境界、多種多様な境界についての文章を前にすることになる。その文章の中で論説より優先されているのは、否定しがたい信念、文学は世界を映す真の鏡という信念だ。サハラから地中海にかけての北アフリカに住むベルベル族は、神秘の民族で、その起源はわからないことが多い。無数の方言に枝分かれした彼らの言語は、謎めいた文字で表現される。それはあまりに不可解かつ目を引くので、ホルへ・ルイス・ボルヘスの幻想短編小説から引用してきたように思えるほどだ。

スナカイ

Sunakay

マリチェイ‧マルティ

Meritxell Martí

Editorial Flamboyant

巨大なゴミ捨て場と化してしまった海には海中生物の痕跡などない。ゴミに埋もれたプラスティックの島でふたりの姉妹が生き延びていた。ある小さな事故が起きて状況の流れを変えることになる。今まさに先祖返りの力が現れようとしていた。本書は海のプラスティック問題に関する絵本というだけにとどまらず、私たちの海と、そして地球を守る必要性への賛歌である。この素晴らしい絵本は3年に近い年月を費やした仕事の賜物として出来上がったもの。これまでにベストセラーと受賞を重ねてきたマルティとサルモのコンビが放つ最大の野心作。

Pema Maymó著『Superhermanos. Una rebelión inesperada』の表紙

スーパーきょうだい 思いがけない反乱

Superhermanos. Una rebelión inesperada

ペマ‧マイモ

Pema Maymó

La Galera Editorial

ペペとバレンティーナは今やお兄ちゃんとお姉ちゃん。ふたりには同じ心配事がある。妹だ。叫ぶし、泣くし、自分たちの部屋に入り込んできた耐えがたい生き物だ。ある晩、みんなが寝静まっている間、ペペは妹のベビーベッドで声がするのを聞く。けれども、妹はまだしゃべれない。「じゃあ、誰?」。ペペとバレンティーナはぞっとしながらも、命を得たぬいぐるみたちがとんでもない反乱を計画していることを知る。何があっても彼らの気持ちは変えさせられないだろう。スーパー兄姉はこの状況をおさめることができるだろうか? この思いもしなかった騒動の解決策は見つかるのか?

Davide Calì著『Superheroínas y superhéroes. Manual de instrucciones』の表紙

スーパーヒロインとスーパーヒーローになるためのマニュアル

Superheroínas y superhéroes. Manual de instrucciones

ダビデ‧カリ

Davide Calì

NubeOcho

君はスーパーヒーローやスーパーヒロインになることを考えている? とても大変な仕事だけれど、このマニュアルがあればかなり簡単になるだろう。スーパースーツを選ぶとき、最良のスーパーパワーを決めるとき、スーパーグループを結成するとき、秘密基地はどこがいいのかなどなど、憧れのスーパーヒーローになるために必要なすべてを教えてくれる。

Marina Hernández Ávila著『Superlucas』の表紙

スーパールカス

Superlucas

マリナ‧ヘルナンデス‧アビラ

Marina Hernández Ávila

Apila Ediciones

ルカスのママとパパはスーパーヒーローだ。ルカスのためならなんだってできる。ルカスの髪をとかし、服を着せ、宿題だってやってくれる。だけど夜になるとすっかりくたびれて、ルカスと遊びたがらない。ある日ルカスは、これからは自分のことは自分でやるぞと決心する。難しいチャレンジだけど、やりとげて、ほんとうのスーパーヒーローになってみせる。幼い子どもたちが、日常の課題を大きな冒険にするようはげます楽しい絵本。

Carolina Laguna著『Swift y Brainy: misión Egipto』の表紙

スイフトとブライニー ――エジプトの任務

Swift y Brainy: misión Egipto

カロリーナ‧ラグーナ

Carolina Laguna

Marcombo Editorial

スイフトとブライニーにはきみの助けが必要だ!エジプトの任務はなぞなぞやクイズ、絵文字、そして…危険がいっぱい。ふたりを無事にピラミッドから助け出すことができるかな? 謎解き名人のメダルを獲得できるかな? 我々は日々様々な問題や複雑な状況に直面し、その解決を迫られているが、巧みに問題を解決する能力は幼いころから育むことが肝要。ゲームを通して多様多種な問題を解決する力の習得や、能力を使いこなす熟練度の増進、成績の上昇、思考力の鍛錬など、今後の人生で様々な達成感を得るために手助けとなる本。

Rocio Bonilla著『T'avorreixes, Minimoni?』の表紙

ミニモニち&ん、退屈なの?

T'avorreixes, Minimoni?

ロシオ‧ボニージャ

Rocio Bonilla

Edicions Bromera S.L.U.

みんな、ミニモニが大きくなって帰ってきたよ。相変わらずお絵かきは好きだけど、今はハイキングしたり、おばあちゃんと遊んだり、お友達と会ったりするのも大好き。たまに退屈な時もあるけど、でもね、退屈しない方法を見つけたの! ねえ、教えてほしい? ベストセラー『What Colour is a Kiss?(キスは何色?)』 の愛すべき主人公ミニモニが帰ってきた。この新たな冒険では子供の想像力を掻き立てるために退屈な時間が持つ可能性を探る。作者のロシオ・ボニーリャ曰く「長い間退屈をテーマにした物語を書きたいと思っていたが、ミニモニは最適な相棒だった」

Pepe Monteserín著『Tac, tac, tac, plof』の表紙

カチ、カチ、カチ、Pシャ

Tac, tac, tac, plof

ペペ‧モンテセリン

Pepe Monteserín

Narval editores

カキが夜のあいだにカチカチと音をたてるのが耳にとまったことはある? 真珠が殻にぶつかるときにたてるカチカチという音だ。キツツキのコンコンだとか、コオロギのクリッ、クリッのように、そのカチカチという音は、エバにとって夜がふけていくことを意味している。ところがある日、カチカチカチのあとに、ポシャと音がした。

Andrés Pascual著『Taj』の表紙

タージ

Taj

アンドレス‧パスクアル

Andrés Pascual

Editorial Espasa

ヒンドゥスタンの美しい皇后ムムターズ・マハルが、永遠の眠りにつく直前、彼女の夫は今までに作られたどんなモニュメントよりも美しい記念碑で彼女の想い出を奉ることを約束した。Taj (タージ)は、その素晴らしい記念碑と、その建設に携わった建築家、書家、職人、象の背中に乗り巨大な大理石のブロックを運んだ労働者など、2万人の英雄たちの物語。この壮大な物語は、並外れた画才を持った砂漠の少年バルの目を通して描かれる。愛するアイシャが王のハーレムに閉じ込められたため、バルはアイシャを取り戻そうと、全ての因習に立ち向かう。

タンデム

Tàndem

マリア‧バルバル

María Cascales

Ediciones Destino

エレナとアルマンは出会ったその時から、自分たちを閉じ込めているものをすべて取り除こうと考えるようになった。それは人が今を生きる時にのみ感じ取ることのできる自発性と喜びを取り戻すための取り組みだ。そうして彼らは自分たちには権利があることに気付いていく。その権利とは、変わること、長年見てきたのとは違う見方で世界を眺めること、そして自分自身を愛することだ。言い換えれば、自由に生きられるようにすることである。『Tàndem(タンデム)』は、素晴らしい旅を約束してくれたりとか、「愛してる」みたいな言葉を聞いたりした時に感じる幸せではなく、誰かと一緒にペダルを漕いで、より深い、より永続的な幸福感を得るための道のりを楽しむといった心地よさを与えてくれる物語だ。本書は、自らの存在を見直そうとする人間の力を探求し、単調な生活を捨て、人生が用意してくれているものに身を任せてみようと読者に語りかけてくる。

Mercedes Gutiérrez García著『Tanto para esto』の表紙

こんなことのた$に

Tanto para esto

メルセデス‧グティエレス‧ガルシア

Mercedes Gutiérrez García

Drácena Ediciones

本作を構成する3つの短編は、私的でもあり普遍的でもある心象風景を描いている。それが本著の最大の長所。この短編3作は、モラルの破綻というよりむしろ、私たちが生きる21世紀特有のバイタリティの破綻について描く。今の時代、仕事の成功によって私たちの心は小さな達成感に満たされるが、主人公たちは不安で、しばしば出口のない虚無の中に放り出される。主人公たちのこの不幸な状況が、著者メルセデス・グティエレスの巧妙な手法によって、決して他人事とは思えない、とても身近な我がことのように感じさせ、自分に起こっているような感覚を生みだす。本書は私たちの日常が抱いているリスクに対するガイドブックかもしれない。

Té de fresa en la madriguera de Tejón

アナグマの巣穴でのイチゴティー

Té de fresa en la madriguera de Tejón

エウラリア・カナル

Eulàlia Canal Iglesias

IMC Literary Agency, S.L.

クマはメガネをなくしてさがしに出かけます。メガネがなければ、メスのクマをさそって星空をながめることができません。とちゅうで眠れなくなったアナグマや、巣穴のカギを探している、まあ、少なくともそう主張するオオカミ、そして、そうそう、リスに出会います。リスはなにをさがしているかって? 幸せをさがしています! こうしてみんなでさがしながら歩くうちに、4匹の動物たちは想像もしていなかった、数え切れないほどの発見をすることになります。

ぼくはき を見てるだろう

Te estaré mirando

イサーク‧ロサ

Isaac Rosa

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

あまり期待せずに公園を通ったけれど、突然きみがいるのに気づいた。ぼくを待っていたんだ。だけど、ちょっと待て。本当に彼女なのか、ダニ? ぼくは疑いだした。遠くからきみを見る。髪をアップにして、違うTシャツを着ている…… あれはきみ、それともきみに似た女の子? きみだ、間違いない。きみが視線を上げて、ぼくが歩く小道に顔を向けたとき、ぼくは確信した。きみはぼくを見て、ぼくに気付き、微笑んだ。

モヒートを奢り す

Te invito a un mojito

メイベル‧ロサノ

Mabel Lozano

Grup Enciclopèdia

乳がんに関する最新かつ非常に有益な情報を得ることができる本。マベル・ロサノとパカ・ディアスが語る乳がんの体験談は、人間味がありユーモアに溢れ、自分達を哀れな病人に見せることはしない。またその内容は目新しく役に立つ情報に満ちており、つい読み耽ってしまうこと請け合いだ。スペインでは女性の10人に1人がかかるといわれているこの病気を、作者である彼女たちはどのように理解し、またどのように向き合ってきたのか、それらが、逆境を跳ね返す力強さや女性らしいエネルギーに満ちた言葉で語られている。全10章からなる本書は、乳がんになると性欲はどうなるのか、肌にはどのクリームが良いのか、などアドバイスや注意事項を集めた実用的な手引きである。

Marta Fernández著『Te regalaré el mundo』の表紙

君に世界をあげよう

Te regalaré el mundo

マルタ‧フェルナンデス

Marta Fernández

Espasa Libros

この両親を、自分で選んだわけじゃない。好みも得意なこともそう。誰を好きになるかとか……敵さえも選んだわけじゃない。才能や弱点も。罪だってそうだ。生まれる国も、愛する人たちが私たちを呼ぶのに使う名前だって、更にその愛する人たちも自分が選んだわけじゃいない。人生が私たちを選ぶのだ。そして時には、人生にも選べないことがある。心の痛みから逃れるためにある世界をでっちあげるしかない男と、新たな世界を作り上げる代わりに自らの痛みを誰かに肩代わりさせようとするもうひとりの男。つまり、孤独な父親と、迷える息子の物語だ。

Luisa Carnés著『Tea Rooms. Mujeres obreras』の表紙

ティールーム 女性労働者たち

Tea Rooms. Mujeres obreras

ルイサ‧カルネス

Luisa Carnés

Hoja de lata editorial, S.L.

1930年代のマドリード。プエルタ・デル・ソル近くの高級ティールームで働く女性たちは、制服に身を包み新たな1日の仕事をスタートする。アントニアは一番のベテランだが、彼女はだれにも能力を認められたことがない。小さいマルタは貧窮によって大胆で断固とした性格になる。30歳代で信心ぶったパカは、余暇の時間を修道院で過ごす。オーナーの名づけ娘ラウリタは、「モダンガール」で通っている。3ペセタの日給ではとても暮らしていけないが、みんな黙っている。さもないと、どうなることか。上司に対しても、夫に対しても、父親に対しても、彼女たちは口をつぐむのには慣れている。信仰というアヘンで願望を飲みこんでいる。彼女たちは、わずかな賃金で長時間労働を耐える。だがマティルデだけは、この若々しい娘たちの集団に割り込んできたときに、著者が強く求める「反骨精神」を持つ。

María José Ferrada著『Tea y Camaleón son hermanos』の表紙

ティーとカメレオンはきょうだい

Tea y Camaleón son hermanos

マリア‧ホセ‧フェラーダ

María José Ferrada

A buen paso Editorial

ティーとカメレオンはきょうだい。きょうだいってことは、すごく運がいいってこと。だってふたりの世界は光に溢れ、はちみつのように甘くて、日々、なにか冒険が起こる。大きな紅茶の雲に乗って旅をしたり、釣りを楽しんだり、ドレミの湖でコンサートがあったり。日本人イラストレーターの鹿島孝一郎が描いた世界に入り込んだ、チリ人作家マリア・ホセ・フェラーダが主人公たちの冒険を物語る。ここでは雲や木々、風景を作り出すもの全てがそれぞれ人格を持っている。ティーとカメレオンは大きなティーポットの中に住み、外に出ては信じられないような冒険を経験する。このとても小さな生き物の世界で起きる出来事は何でもないようなことばかりだが、豊かな想像力と十分な時間があるときに私たちが体験する冒険と同じくらい大きな事件だ。

Eloy Tizón著『Técnicas de iluminación』の表紙

啓発のテクニック

Técnicas de iluminación

イロイ‧ティソン

Eloy Tizón

Páginas de Espuma

昨晩のパーティで実際に何が起こったのか? 犠牲者が出たのか? 開けないでくれと言って上司がこっそりと私たちに渡した箱には何が入っているのか? 中で何かが動いている。小さな鳴き声? それは生き物、時計仕掛け? カップルでいると、ほとんどいつも現れて恋人に寄り添い、間に海をはさもうと縁を切れない「あの無関係な人」は誰? 着のみ着のままで街を去り、迷いながら森をさまようその家族はどんな大惨事から逃れようとしているのか? どの物語もすべて、裏に影の一面、深い沈黙、直接名乗りはせずに読者に誘いかけてくる何かがある。物語に浸り、意味の構築に加わるように、これら10の夢の奇妙な日常に入ってくるようにと誘うのだ。

Javier Cercas著『Terra Alta』の表紙

テラ・アルタの憎悪

Terra Alta

ハビエル・セルカス

Javier Cercas

Agencia Literaria Carmen Balcells

Marino Amodio著『Terráneo』の表紙

テラネオ

Terráneo

マリノ‧アモディオ

Marino Amodio

Editorial Luis Vives (Edelvives)

地中海の起源に関する神話物語。地中海が接する村々のつながり、海岸を抱く架空の都市と、そこにかつて存在していたであろう住民たち、そして今日そこに住む人たちの精神をめぐる軌跡についての寓話。

テロニリカ:本当に大切なもの

Terronírica: Lo que de verdad importa

アナ‧コト‧フェルナンデス

Ana Coto Fernández

Editorial Palabras de Agua

何世紀にもわたって地球人の目からその存在を覆い隠していたベールが破れたとき、テロニリカの土台は揺らいだ。有史以来、彼らは知らず知らずのうちに霊気を通してその世界を育てていたのだ。可能と不可能の間の線はあいまいになり、牧神、緑の女、ミツバチの妖精、掘削人、アンサとその絞首台と毛むくじゃらの足、エンセルとその闇の随員らは、それまで想像もしなかったことだが、同盟を固く結ばざるをえなくなった。なぜなら今、かつてないほど生存の危機にさらされているからだ。忘却の娘はその力を取り戻そうとしており、一方闇に隠れた悪人どもは《本当に大切なもの》の現実とは無縁の、大きな賭けをしていた。きみも自分の霊気の力を知り、眠りを通してそれがテロニリカに届いていくさまを見届けてほしい。なぜならきっといつか、きみときみの家族や仲間の命がそれに左右される日が来るからだ。

Luis Martín Santos著『Tiempo de silencio』の表紙

沈黙の時

Tiempo de silencio

ルイス・マルティン=サントス

Luis Martín-Santos

Galaxia Gutenberg SL

フランコ将軍の独裁政権初期の悲惨な時代を舞台に、社会からの疎外、実存的絶望、そして殺人を描いたこの小説は、ノーベル賞受賞を夢見る癌研究者ドン・ペドロの数日間を綴る。文学・哲学界との気まぐれな関係、マドリードの貧困地区で実験用マウスを探し求める彼の姿、彼を孫娘と結婚させようとする下宿先の女主人との会話等は、社会主義リアリズムというよりも、独創的な意識の流れであり、衰退した国家の最後の厄災的局面にすぎない権威主義体制が何年も続いてどん底に落ちた社会の、叙情的で瞑想的で、遊び心がありながらも悲観的な一連の情景である。 1962年に出版されたルイス・マルティン=サントスのこの小説は、現代スペイン文学の傑作であり、多くの読者から内戦後スペインにおける最高の小説と見なす者も多い。その言語的創意工夫と、生き残るために奮闘する抑圧された個人への想像力豊かな洞察により、現代文学における『悪の華』と呼ぶべき作品となっている。マルティン=サントスは、ゴヤのブラックユーモアとジョイスの機知をもって、天才的な自己批判によってのみ救われる希望のない世界のビジョンを創造する。20以上の言語に翻訳されているが、日本語版はまだない。日本の読者にとってすばらしい発見となるだろう。

Emilio Lara著『Tiempos de esperanza』の表紙

希望の時代

Tiempos de esperanza

エミリオ‧ララ

Emilio Lara

Silvia Bastos Agencia Literaria

1212年、主イエス・キリストの年。激動のヨーロッパ。寄せ集められた集団「少年十字軍」がフランス王国を進んでいく。熱狂的で歓びに溢れる雰囲気の中、それを率いるのは羊飼いの少年、クロイエのエティエンヌ。彼らの目的はエルサレム。武器を全く使わず、信仰の力だけで、エルサレムを解放するのだ。一方、ムワッヒド朝カリフ・ナースィルは、戦々恐々の混乱にあるローマに進軍するためセビリアで強大な軍隊を準備する。カリフは、自軍の馬たちに必ずやバチカンの泉で水を飲ませると誓う。宗教的な熱意が、他者への、異なる者への憎しみと混ざり合う。そしてユダヤ人は残忍に迫害され、略奪され、虐殺される。陶酔した歴史的十字軍の子供たちも同じ運命をたどる。それらの子供たちの中に、待ち伏せで暗殺されたカスティーリャ人貴族の息子フアンも、仲間ピエール、フィリップとともにいた。

Concha Pasamar著『Tiempos de otoño』の表紙

秋の時間

Tiempos de otoño

コンチャ‧パサマール

Concha Pasamar

Bookolia Editorial

本書は、今この時を注意深く観察することで、一見何でもない瞬間の美しさを愛で、その瞬間を生きる勇気を与える、時間を超越した作品。平穏へのいざない、人生のなかにあるほんの小さなことに思いをはせること。一人称で語られる口調は親しみやすく、メランコリックで、主人公の女の子は移りゆく小さな変化を賞賛し、発見し、楽しんでいる。

David Trueba著『Tierra de campos』の表紙

草原の地

Tierra de campos

ダビド‧トゥルエバ

David Trueba

MB Agencia Literaria

亡くなった父親を埋葬するためにダニエルは特別な車で生まれ故郷へ向かう。その車とは霊柩車。運転手はコメディアンさながら、一風変わったおしゃべりなエクアドル人だ。ダニ・モスカとは果たしてどういう人物なのか。彼自身が言うように単にロマンチックな歌を作るだけの男なのかもしれない。しかし貧しい地域で育った子供であることも間違いない。そして人生に往々にしてあるように、ひょんなことから深い絆で結ばれる友と出会う。音楽を生業として旅を重ね人生を謳歌した。それも束の間、放埓行為の古典的3点セット(セックス、ドラッグ、ロックンロール)のせいで親友たちと結成したグループは解散してしまう。危なっかしい不安定な人生を送りながらも願望と現実の狭間で何とか耐えていた。

Luis Zueco著『Tierra sin rey』の表紙

王のいない土地

Tierra sin rey

ルイス‧スエコ

Luis Zueco

Ediciones Nowtilus, S.L.

800年前、異端のカタリ派によって荒廃した土地で、アラゴン国王ペドロ2世兼バルセロナ伯は、強大な軍の先頭に立っていた。キリスト教徒の土地で初めて招集された十字軍を相手にした野戦でその戦いは熾烈を極めていた。十字軍を指揮するシモン・ド・モンフォルは異端のカタリ派の鎮圧を試みる。カトリック王(El Católico)の異名を持つペドロ2世は、ローマ教皇イノケンティウス3世により戴冠を受け、異教徒を相手に戦ったラス・ナバス・デ・トロサの戦いで勝利した王だ。そのペドロ2世が、教会に向かって反旗を翻した。何がそのような唐突な状況を引き起したのだろう? 夢、歴史を永遠に変えてしまったかもしれない熱望。アラゴン王国をピレネー山脈をまたいで両側に広がる大王国にすること。様々な声からなる多元視点の小説で、短い章立てのスピード感のあるダイレクトなスタイルで、歴史を展開していく。

Salvador Vendrell著『Tirant lo Blanc per a infants』の表紙

子どものためのティラン‧ロ‧ブラン

Tirant lo Blanc per a infants

サルバドル‧バンドレイ‧グラウ

Salvador Vendrell Grau

Onada Edicions

『ティラン・ロ・ブラン』は世界文学の最高傑作のひとつ。地中海のあらゆる街でカタルーニャ語が話され、また書かれていた時代に、バレンシア人ジュアノット・マルトレイによって創作された。作品の中で、読者は夢を叶えようとするひとりの騎士の戦いや恋愛模様を目の当たりにする。その夢とは、コンスタンチノープルを敵から解放するということだった。慣習、戦争、恋愛…あらゆることが語られるがゆえに総合小説といわれるが、とりわけ際立つのがその真実性だ。ティランは賢明さ、勇敢さを以って敵を倒していく。実に人間らしいヒーローで、城を攻めるが、愛するカルメシーナの部屋から下りる際に足を骨折したりするのだった。

Parente & Pascual著『Títeres de la magia』の表紙

魔法の, り人形

Títeres de la magia

イリア‧G‧パレンテ、セレーネ‧M‧パスクアル

Iria G. Parente y Selene M. Pascual

Nocturna Ediciones, S.L.

イディルの塔の交霊術師たちは、物語に出てくる交霊術師とは違っている。彼らは生娘を生贄にしたり死をもてあそんだりはせず、本とまじないに埋もれて勉強するのみだ。ずっとそこで暮らしてきたクラレンスはその穏やかさが気にいっている。だが、外の世界を知るアサンは飽き飽きし始めていた。ちょうどその時、人の命を奪う猛毒がマラビリアで売られるようになり、平和の日々が終わりを告げる。誰かが至急解毒剤を見つけなければならない。その代償が自分自身の命であったとしても。

Nuria Barrios著『Todo arde』の表紙

すべてが燃える

Todo arde

ヌリア‧バリオス

Nuria Barrios

MB Agencia Literaria

これは姉弟の物語。弟、ロロ、16歳。姉、レナ、クラックとヘロインに溺れている。レナが家を出て1年が過ぎた。ある日、ロロはマドリードのバラハス空港で姉を見つける。彼女はそこで、つまらぬ盗みを重ねながら金を稼いでいた。ロロは自分と一緒に家に戻るようレナを説得しようと、レナが麻薬を買うスラム街についていく。レナはそこに住んでいるらしい。しかし夜が更け、ロロは地獄のような様相をみせる混乱した現実に直面する。レナに置いてきぼりにされたロロは、どうしてよいやらわからないまま、やくざ者たちのグループ抗争のまっただ中にひとり取り残されてしまう。レナはロロの命が危険だと察知するやいなや、彼を探しに飛び出してゆく。一刻の猶予もないまま、互いに互いを見つけようとする姉弟。本作は、家族の意味を問い、正常と破局を分ける紙一重の境界線、愛が必ず残す一条の光について語る。

すべて;ィノ)ッド

Todo Dinokid

ダビ‧ラミレス

David Ramírez

Norma Editorial, S.A.

どんな恐竜にでもなれるとしたらどうする? ディノキッドは、はっきり決めている。友達と思いっきり暴れまわるんだ! スペインの人気子ども向け雑誌「ディブス!」に掲載された部分と、これまでどこにも発表されていなかったコマを合わせて物語が完成するジュラ紀の巻で、個性的なスーパーヒーローの冒険に出会おう。

Jaume Copons著『Todo lo que sé de la gente』の表紙

⼈々について知ってること、 ん

Todo lo que sé de la gente

ジャウメ‧コポンス

Jaume Copons

Combel Editorial / Editorial Casals, S.A.

⼦どもの⽬で世界を⾒てみよう! 作者の「〜について知ってること、ぜんぶ」シリーズの最新作で、普遍的かつ多様なテーマを取り扱う。主⼈公はシンプルな⾔葉とユーモアに満ちた質問を発しながら、独⾃の視点から多様性について考えを巡らせる。若い読者にアピールし、より楽しく読めるように、グリディが愉快なイラストをつけた。そして最後に読者はシンプルなメカニズムに驚き、微笑むとともに、新たな質問に駆られるだろう。我々はみな違うのか、それとも同じなのか? 続きを知りたければ本を開こう。

Carmen Guaita著『Todo se olvida』の表紙

すべては忘れ去られる

Todo se olvida

カルメン‧グアイタ

Carmen Guaita

Editorial Luis Vives (Edelvives)

ラ・アロンドラ(ひばり)ことクリプタナ・センシは有名なソプラノ歌手で、長いことアルツハイマーを患っている。彼女の伝記執筆を依頼されたジャーナリスト、ペドロ・ベンナサールは、記憶を失ったひとりの女性の過去を探っていかなければならない。クリプタナ・センシはなぜ記憶を失ったのか? 何を忘れたかったのか? 何を忘れ去ることができたのか? クリプタナがその生涯のうちにやり取りした手紙を発見したとき、ペドロ・ベンナサールは彼自身の人生も立て直すべきだと気づく。音楽、心の痛み、希望とともに、本書の登場人物たちは印象的である。著者カルメン・グアイタは、『Jilgueros en la cabeza (頭の中のヒワ)』、そして 『El terrario(テラリウム)』に続き、本書で「赦しについての三部作」を完結する。赦されるということは、赦す人の抱えている思いを感じること。

Almudena Grandes著『Todo va a mejorar』の表紙

すべてが改善される

Todo va a mejorar

アルムデナ‧グランデス

Almudena Grandes

Tusquets Editores

近未来のスペイン。市民運動「直ぐに解決!」という名の新しい政党が選挙で大勝した。この政党を影で支配しているのは成功を収めている起業家で、国を企業と同様に運営するというのが持論である。多額の投資と想定される脅威に対する様々な計略を駆使し、新しい監視体制を敷いたりインターネットへのアクセスを制限したりする。その一方で、非難や抗議を隠ぺいするために購買と消費の自由を促進した。すべてが良い方向に進んでいると見られる新体制だが、実は臆面もない権力者たちの職権乱用に他ならず、それに気付いたのは普通の男女からなるひとつのグループだけだった。彼らは新体制の嘘を暴くことに奔走する。偉大な小説家の遺作となるこの作品は架空の政治問題を力強く描いた群像劇で、またしても読者に感動を与え、良心を揺さぶる。

Montse Panero著『Todos los besos del mundo』の表紙

世界じゅうのキス

Todos los besos del mundo

モンツェ‧パネロ

Montse Panero

El Cep i la Nansa Edicions

蝶のやさしいキスを知ってる? ワニの力強いキスは? 牛たちはどうやってキスをするの? プレゼントのキス、びっくりさせるためのキス、友情のキス……。空想の旅のあいだに、キス一家のおちびさん、シトはあらゆる種類のキスに出会う。あなたたちも一緒に旅してみない?

見えない子犬トリ。連帯感を生む旅

Toli, el gosset invisible. Un viatge solidari

アルベルト‧エルナンデス‧イ‧シュルビ

Albert Hernàndez i Xulvi

La Orquídea de Darwin

目に見えない犬トリと鞭のようなしっぽのネズミが冒険の旅に出た。その旅で彼らは、環境問題や人間の悩みに立ち向かう。海岸に座礁したクジラ、山火事、危険にさらされているカメ、ディアマール王女の結婚式、テンケータおじいさんの孤独。これは彼らが動物や人間たちを助ける感動の旅であり、やがて連帯感の旅となる。

Sylvia Marx著『Top Secret』の表紙

トップ‧シークレット

Top Secret

シルビア‧マルクス

Sylvia Marx

L.A. Boutique

すでに「ほぼ」すべてを手に入れたとしても、危うさも興奮もない人生って何? たとえそう思っても、不誠実な女友達の秘密を暴くことは、非常に危険なゲームになりかねない。40歳の誕生日、大富豪の未亡人として有名なミランダ・リッベントロップは、きらびやかな雰囲気の中で過ごしていた。だが人生に物足りなさを感じていた彼女が突然、その場にいた3人の女友達に「トップ・シークレット」という名前のゲームへの参加を勧めた時から、物語はスリリングな展開を見せ始める。弁護士立会いのもとで同意書にサインをして始まったこのゲームのルールは、7週間以内に他の参加者の隠し事を見つけるというもので、多額の賞金も用意されていた。セレブの気まぐれでスタートしたこのお遊びは、実際は名声、金、不倫、闇ビジネス、嘘、セックスが絡み合う、サスペンス、幻惑、エロティシズムに満ちた危険なゲームで、彼女たちを意外な結末へと導いていく。

Joan Carreras著『Torno a casa』の表紙

家路

Torno a casa

ジョアン‧カレラス

Joan Carreras

Asterisc Agents

道に迷った人が知らない場所で自分の身に起きたことを語る。来た道を戻ろうとして、驚くべき場所を見つけたり、しばしば、よりによって自分が知っている人や人生における重要な経験と関係のある人々に出会ったりするのだ。それ故、患った病気の明瞭な記憶が際立つ旅は、同時に回帰であり、発見でもある。そして、物語が進むにつれてどんどん始まりの雰囲気を帯びるようになるのは、物語が大切なものの喪失を思い起こさせるからだ。短く、ドキッとするようなシーンの連続で始まり、詩的で簡潔なスタイルで胸に刻み込まれる小説。夢中になって一気に読むうち、読者は謎の核心へと連れていかれる。「これほど短い頁数でこれほど濃密なものを読んだことはなかった」ジョアン・ジュゼップ=イゼルン(ニュースサイト「ビラウェブ」)

みんなの闘牛

Toros para todos

エンリケ‧ロメロ

Enrique Romero

Ediciones Alfar

雄牛は地上最強の生き物であり、対決して勝てる動物はいない。人間だけがその知性とマインドコントロールによって雄牛を支配し、その突進で美しさを生み出すことができる。なぜ雄牛は突進するのか?なぜ赤またはピンクの布を追いかけるのか?なぜ息絶えるまで攻撃するのか?その伝統は今日までどうやって続いてきたのか?本書はあまり説明されることのない多くの謎を解明する。また雄牛に立ち向かう闘牛士の秘密を暴き、歴史上最も偉大な闘牛士たちと対話する。毎週日曜放送、テレビ史上最も高い視聴率を誇る闘牛番組「みんなの闘牛」と同じように、雄牛に近づき、地上で最も強く不可解な動物の生態を明らかにする。

Empar Moliner著『Tot això ho faig perquè tinc molta por』の表紙

こんなことするのは怖いから

Tot això ho faig perquè tinc molta por

アンパル‧モリネール

Empar Moliner

Raval Ediciones S.L.U

生まれながらのフィクションの才能とスキル、ユーモア感覚を持つアンパル・モリネールのような作家だけが、このような短編集を書くことができるだろう。冒頭から終わりまで、読者を感動させ楽しませる文学の宝石だ。今の時代の病弊を独特のユニークな方法で浮き彫りにする。洞察力と皮肉に満ちたこれらの物語は、私たちが普段からどんなにばかばかしい問題にさらされているかを見せ、怖がらずに生きることや、愛情の対象を傷つけずに愛する方法も教える。また、私たちの弱点がどれほどたやすく神経症に変わり、登場人物たちに影響しうるかを示す。美食家気取り、森を走ることに潜む危険、わが子が苦しむ姿を見る時のパニック、一緒に笑うことができなくなったカップル、 最後にひとりになるという考えに耐えられない人々の必死の誘惑テクニックなど。

Xavi Sarrià著『Totes les cançons parlen de tu』の表紙

全ての歌は君を語る

Totes les cançons parlen de tu

シャビ‧サリア

Xavi Sarrià

Sembra Llibres Coop. V.

自らの闇と向かい合うためにバレンシアに戻ってきたイバンは、彼の人生を変えてしまうことになった、あの1992年の日々を思い出す。空き地に放置された建物の残骸、欲求不満をかかえた地元の友人たち、自らを守る鎧のように使っていた若者言葉や服装、逃げ場となっていたカセットに吹き込んだ歌、不確かさの大海原に彼らを引きずり込む暴力の連鎖、それぞれの悩みで沈没寸前の家族、思いがけない死によって崩れ去った危うい均衡。本書は90年代の世界を描き、当時人生のイニシエーションの時期にあった若者たちの心に開いた傷に踏みこんでいく。ザ・クラッシュ、ニルヴァーナ、イギー・ポップ、コルタトゥ、ダニエル・ビグリエッティ、パブリック・エナミーなどの音楽がバックに流れる、心ふるえる小説。ふたつの世代が張り巡らす愛の蜘蛛の巣が、読者をからめとる。

豊臣秀吉とヨーロッパ人 サムライ日本におけるポルトガル人とスペイン人

Toyotomi Hideyoshi y los europeos. Portugueses y castellanos en el Japón samurái

ジョナサン‧ロペス‧ベラ

Jonathan López Vera

Edicions de la Universitat de Barcelona

16世紀半ば、自国の船が日本の海岸に到着した時、ヨーロッパの君主らはまず交易を提案し、次にキリスト教の布教を試みた。本書は、日本を統一した豊臣秀吉とポルトガル人、そしてスペイン人との1587年から1598年の交渉について書かれたものだ。ポルトガル人とのやりとりは、1549年にすでに来日していたイエズス会の布教によって始まり、イエズス会士アレッサンドロ・ヴァリニャーノがその中心となった。その一方でスペイン人は、植民地であったフィリピンの総督府を通じてすでに置いていた日本の外交拠点で修道会、特にフランシスコ会が決定的な役割を果たした。著者は、伝統的なヨーロッパ中心史観を越えて、この時代を日本の歴史において有数の激動の時代だと紹介している。

José María García Sánchez著『Tráfico』の表紙

密売

Tráfico

ホセ‧マリア‧ガルシア‧サンチェス

José María García Sánchez

Ediciones del Serbal

本書はふたりの男の子についての一風変わった物語(ひとりは心臓病を患うブルジョア階級の子弟、もうひとりはスラム街に住む健康な男の子)。彼らの人生が、彼らと彼らの周囲にとって全く悲劇的なかたちで交差する。これは社会派の物語ではないし、ましてや社会を糾弾するものでもないが、この小説はあまりに近くあまりに遠いふたつの環境を描いている。気取って、虚飾に満ち、野心的で、見かけが全てのブルジョア階級。それに対し貧困と暴力に満ちた環境で、生き延びるのに想像を絶する努力が必要な、社会からあぶれた階級。バルセロナの高台に住む人々と、ラ・ミナのようなスラム街に住む人々、全く違った性格のふたつの世界が描かれている。同じだって? 生まれも、ましてや生活も、そして死さえも同じではない。

Nadar著『Transitorios』の表紙

巡り合わせ(「過ぎゆくものたち」)

Transitorios

ナダール

Nadar

Astiberri Ediciones

思春期に差し掛かった息子と母親の関係、架空の人物をリアルにみせるという不可能な依頼、ある教師にまつわる道徳的疑惑、父親から受け継いだ特別な遺産…。ナダールが『Transitorios (巡り合わせ(「過ぎゆくものたち」)』で扱ういくつかのテーマである、それらの物語がたどるのはありきたりの道ではない。

Tana Oshima著『Tratado de geometría』の表紙

幾何学論

Tratado de geometría

大嶋 田菜

Tana Oshima

Menoslobos taller editorial, S.L.

大嶋田菜のデビュー小説『Tratado de geometría(幾何学論)』は、「あなたが存在しないから、あなたに書く」という言葉から始まる。これは著者が追求するものを余すところなく伝えている。200ページ以上にわたるラブレターである。物語はふたつの異なる時間と場所で展開する。第1部では、黙示録的な現在。ある女性が長方形の内部を動き回り、彼女を取り巻く小さな世界を観察する。そこで彼女は他の形、自分自身、周囲の環境、感覚、そして愛と親しんでいく。第2部では、別の女性(同じ女性だろうか?)が、物事が名前を持つ前の世界にたどりつく。そこで彼女は、言葉をつくりだし、自分を理解し、名づけ、自分の場所とあらゆるものの場所を見つけていく。『Tratado de geometría(幾何学論)』は、存在、愛、セックス、感情がもたらす混乱について語る。絶対的で利己的な必要性や、私たちの存在を肯定する肉体的欲求という名の深淵の縁に現れては消える他者の身体との関係性についても語られている。

Ivan Ledesma著『Tres días en la calle ciprés』の表紙

シ?レ/通りでの3日間

Tres días en la calle ciprés

イバン‧レデスマ

Ivan Ledesma

Obrador Editorial, S.L.

ある事件の解決のため、バルトに残された時間は3日。しかしシプレス通りには彼が探し出そうとしている手掛かりよりも、もっと多くのことが隠されている。一軒一軒訪ねては足りないパズルの欠片を集めていくが、そのたびにパズルが大きくなっていくように感じる。ただ確かなことは、誰も隣の住民がどんな人物なのか知らないということだ。

3コペイカ

Tres Kopeks

モニカ‧ロドリゲス

Mónica Rodríguez

Ediciones Paraninfo

利発だが貧しい少年ビクトルは、靴磨きの道具箱を持ってパリの街を歩き回る。1934年、そのイルミネーション輝く街は、彼には手の届かない快適で豪華な世界を見せつける。ウージェニーおばさんの虐待で、家から逃げ出さざるを得なかったビクトルは、ふたりのロシア人画家に保護された。少年は、彼らといっしょに夜の自由奔放なパリを経験する。そこでは、モンパルナスの女王や、シュールレアリストたち、盲目の彫刻家など風変わりな人たちが行きかっていた。しかし、裕福な少年アントワーヌと出会うと、すべてが一変した。思いもかけず友情が深まったことで、ふたりは悲劇的な結末へと導かれる。第二次世界大戦後の荒廃した時代、ビクトルはふたりの友情を取り戻そうとする。

Ximena Renzo著『True Colors』の表紙

本当の色

True Colors

シメナ‧レンソ

Ximena Renzo

Nova Casa Editorial

本書はアブリル・リッツォとネイト・コリンズというふたりの子どもの物語。ふたりは米国、メキシコ、ベネズエラ、コロンビア、ペルー、イタリアなど様々な国を旅して世界を知ろうとするが、いちばん重要な旅は友情や愛への旅だった。その旅でふたりは涙にくれることになるが、やがて不運を乗り越える。それは幸せになるために欠かせない要素、すなわち夢の再確認と追求、自立、強さ、希望、感謝、許し、そして仲直りのおかげだった。

Glàfira Smith著『Trufa』の表紙

トルファ

Trufa

グラフィラ・スミス

Glàfira Smith

Brink Books

犬の色の見方は私たちと異なり、世界の捉え方も違っている。彼らの視線はより強く、共感的で、寛大だ。黒いラブラドール犬、トルファの目を通して、働き者だが感情的には淡白な父親、ホセ・ルイスの家族の日常が描かれる。愛するということの様々な形を描いた物語であり、老いた夫婦、病気の母親、そして冷淡な父親の沈黙を破ろうとする娘という、繊細な家族の記録でもある。

Natalia Olmedo Feria著『Tu alma en mi lienzo』の表紙

私の2RンHスの中の君の魂

Tu alma en mi lienzo

ナタリア‧オルメド‧フェリア

Natalia Olmedo Feria

Group Edition World

若きジャーナリスト、カロリーナは、謎めいた有名な画家マルティン・ベラへのインタビューを依頼される。世間ではこの画家は死んだと思われていたが、彼の絵画作品のうちの1点がプラド美術館に展示され、無から突然よみがえった。マルティンは、インタビュー嫌いだったが、カロリーナの中に何かを感じ、彼女のインタビューを受けることを承諾し、ついには長い間闇に包まれていた家族の大きな秘密を告白する。若きカロリーナにとっては、このインタビューは、彼女の人生を大幅に変えることになるだろう。3つの時代が交錯する、人生と戦争についての情熱的な物語。そこでは目に見える通りのものは何もない。

Isabel Hierro著『Tú decides la aventura: Vacaciones en la Atlántida』の表紙

冒険を決めるのは君だ ア=Pンティス の夏休み

Tú decides la aventura: Vacaciones en la Atlántida

イサベル‧イエロ

Isabel Hierro

ST&A Literary Agency

学校が終わった! いつもの年と同じように、きみは夏休みの旅行に出かける。今回行くのは、海のまん中に浮かぶ太陽がいっぱいの島だ。ところがそこには信じられない秘密が隠されていた。きみはその島で、海の下沈んでしまった伝説の都市アトランティスが本当にあるのを発見する。そして、その都市は危険にさらされている! きみはアトランティスを救うことができるのか? 運命はきみの心しだい。アトランティスの人びとが救われるか、敵にのみこまれてしまうかは、きみの選択にかかっている。127 ページでは巨大なマンタの背に乗って、43ページではサメの兵士たちに立ち向かう。58ページでは火山の爆発からのがれ、70ページではトカゲ人間から逃げだす。

Kiko Sánchez著『Túneles. Construcciones increíbles de aquí y de allá』の表紙

トンネル あちらこちらの信じられないような建造物

Túneles. Construcciones increíbles de aquí y de allá

キコ‧サンチェス

Kiko Sánchez

Tormenta Agencia Literaria

ホワイトハウスの地下に秘密のトンネルがあること、ソビエトが地球の核に到達しようとして作った、現在でも史上最大深度とされるトンネルがあることを知っていただろうか? 古来より、人類は障害物を回避し距離を縮めるためにトンネルを掘ってきた。洞窟の中や山の中、海底、大都市の地下……先史時代の最初の地下道から世界最大の地下鉄網やその他の驚異的な建造物、大型ハドロン衝突型加速器にいたるまで、これまでに造られた魅力的なトンネルの数々をこの本で見つけよう。

ユリシーズ -エドゥアルド‧アロヨによるイラスト版

Ulises

ジェイムズ‧ジョイス

James Joyces

Galaxia Gutenberg SL

ジェイムズ・ジョイスの大長編小説『ユリシーズ』に豊富なイラストを付した世界初の本。生前、同作品に命を救われたと語っていた著名アーティスト、エドゥアルド・アロヨによる134点のカラーおよび200点近いモノクロのイラストが掲載されている。イサベル・アスカラテ夫人が「彼はとにかくあの小説に夢中だった」と回想するほど、アロヨにとって『ユリシーズ』は完璧な作品だった。彼は生前、この大作に自分の絵を付して出版することを夢見ていた。そういう意味で、絵と文章を見事に調和させたこの作品が世に出ることは運命だったと言っても過言ではないだろう。ジョイスによる同作品の初版がパリで刊行されてから100年。それを記念して、本作『Ulises(ユリシーズ)』は現在、スペイン語(ガラクシア・グーテンベルグ)と英語(アザープレス)で出版されているが、世界中で出版される価値のある、洗練され時代をも超えた記憶に残る作品である。

Laura Falcó Lara著『Última llamada. Vuelo CW0764』の表紙

最後の通話 CW0764便

Última llamada. Vuelo CW0764

ラウラ・ファルコ=ララ

Laura Falcó Lara

EDHASA - Editora y Distribuidora Hispano Americana

遺体は発見されなかったが、CW0764便の乗客は、アマゾンで起きた飛行機事故で全員死亡したとされた。半年後、事故の犠牲者である少女メラニーの声で「助けて」というメッセージが、父ハビエルが働くラジオ番組に飛びこんでくる。同じ時間、民間航空会社のパイロット、エリックは、恋人ナタリーの命を奪った飛行機についての機密情報を知る。真実を知ろうと、必死の思いで急遽ペルーに向かったふたりの運命が、そこで交錯する。カウントダウンが開始される。隠された何かがある。誰も決して暴露したがらない何かが。父と子のきずなは死を超えて続きうるのか? ジャングルは何を隠しているのか? そして何より、事故の裏にいくつの嘘が隠されているのか?

Juani Velilla著『¡Un abrazo para Púas!』の表紙

プアスは抱きしめたい!

¡Un abrazo para Púas!

フアニ‧ベリリャ

Juani Velilla

Editorial BABIDI-BÚ

プアスはちっちゃなハリネズミ。友だちをぎゅっと抱きしめたいけど、とがった針でけがをさせてしまうのがこわい。友だちをぎゅっとするのを想像するたび、いやな考えが頭のなかに広がって、抱きしめる気をなくしてしまうんだ。なやみになやんだプアスは、おかしなことを思いついた。針をぬいちゃえばいい! さあ、じゅんびはととのった。でも、プアスはそのとき知らなかった。実はプアスの友だちも……。プアスは、森の友だちを抱きしめることができるだろうか?

Jordi Sebastià著『Un afer europeu』の表紙

ヨーロッパの出来事

Un afer europeu

ジョルディ‧サバスティア

Jordi Sebastià

GRUP 62, S.L.U.

年若きジャーナリスト、ジュアン・バリャステルはヨーロッパ同盟体制に興味はないが、ある式典のニュースをカバーするためにブリュッセルに飛んだ。この旅は向き合うことを避けている恋愛や家族の問題から離れるのに好都合だった。だが欧州連合の本部があるブリュッセルでバレンシアオレンジ生産者に壊滅的な打撃を与える貿易条約が可決される寸前であることを知る。この情報を耳にした、懐疑的だが根っからのジャーナリストであるバジェステルは、この協定に隠された利害を探るためにブリュッセルに残ること決意。雨が降り続けるブリュッセルとストラスブールでジュアンは、容赦ないロビイストたちを中心にした偽善と暴力が水面下で渦巻く掃きだめのような政治の世界に潜り込む。過ぎた好奇心には危険が伴うこともある…

Marta Ardite著『Un artista es』の表紙

アーティストとは...

Un artista es...

マルタ・アルディテ

Marta Ardite

Editorial Juventud

アーティストとは何でしょう? その創造性を刺激するものは何でしょう? きっと答えはひとつではないでしょう。しかしだれもが想像し、感動し、そしてなみはずれたものを生み出す能力をもっているのはたしかです! この絵本は、神格化された芸術に対する先入観を打ち破ることを目的とした小さなマニフェストです。私たちをアーティストのすがた、そして想像力や創造的な自由を通して世界を見るその視点に、より近づけてくれます。

1教室1プロジェクト。PBLと2020年以降の新たな教育

Un aula, un proyecto. El ABP y la nueva educación a partir de 2020

フアン‧ホセ‧ベルガラ

Juan José Vergara

Narcea Ediciones

PBL(課題解決型学習)の研修を行う中で、さまざまな国の、異なる教育レベルに属する何百人もの教師と共に「分単位」で取り組んできた内容を紹介したもの。シンプルでありながらも奥深く示唆に富む言葉を用い、キーとなるポイントごとにまとめられている。作者は、COVID-19のパンデミック以降に世界が経験している現実を教育の転換点と捉え、その考えに基づき本書を執筆した。その中にはPBLの実施方法、グループ分けや評価の仕方、さらに教師、生徒、コミュニティの関心がどこにあるのかなどの情報が明確に記されている。本書はそれほど多くないページ数だが、数十年にわたり何百時間もかけて行われたトレーニングにおいて実践から得られた成果の集大成である。

感情のシ(イク

Un batido de emociones

ノラ・ロドリゲス

Nora Rodríguez

Boldletters Editorial

ノラ・ロドリゲス(文)は文献学者、教育学者であり、青少年向けの本を多数執筆している。なかでも『Guerra en las Aulas(教室の中の戦争)』(Temas de Hoy、2004)は、学校のいじめ問題を取り上げたパイオニア的作品として大きな反響を呼んだ。この題材に関して著者は社会的プロジェクトや講演や出版物で現在も取り組みを続けている。『Guía genial para una chica como tú(君のような女の子のためのクールなガイドブック)』(当サイト2022年紹介作品)や本書『Un batido de emociones(感情のシェイク)』の著者。ラケル・グ(絵)は文献学者で翻訳家だが、鉛筆を持てるようになったころからずっと絵を描いていて、描くことがいちばん好き。2008年までサルバット出版の編集者として働いたあと、イラストレーター、漫画家として認知されるようになり、様々な印刷メディアとテレビに作品を寄せている。大人向けのグラフィックノベルや児童文学の著者でもあり、《Chic@Genial(クールな男の子・女の子)》シリーズのすべての本でイラストを描いている。

Carlos J. Server著『Un bautizo singular』の表紙

奇妙な洗礼式

Un bautizo singular

カルロス‧J‧セルベル

Carlos J. Server

Carlos Juan Server Lorente Ediciones

誰もが一度は家族の一大行事を行う機会があるはずだ。機会よりも苦行と言えるのだが。本作の主人公ルシアも一風変わった家族の伝統を守るために、息子アルヒミロの洗礼式をのどかなエル・イエロ島で行うしかなかった。エル・イエロ島はカナリア諸島の中で最も小さな島だ。ルシアにとって狂乱の週末が幕を開ける。風変わりな自分の家族や夫の家族との対峙だけではない。息子の父親は夫ではないのではという疑いを持つルシア。本当の父親を探すべきか、それとも単にルシアの思い違いなのか。そのためには疑惑の真相を確かめる必要があった。おかしな人達と極限状態におかれた日常を描くこの小説を読んだ後、読者は自分の家族も奇妙なのではと振り返らずにはいられないだろう。楽しめること間違いなしの作品をお見逃しなく。

雨の中の5ス

Un beso bajo la lluvia

ビオレタ‧ボイド

Violeta Boyd

Nova Casa Editorial

予報では、これがこの季節の最後の雨。ロマンチックな聖バレンタインデーなのに、フロイド・マクフライはついてなかった。公園の中でずぶ濡れで立ち、傷だらけの心を抱えた彼女は、いかにも「この恋はうまくいかない」と言われたばかりの姿。だが、茶色のコートを着た知らない男性に傘を差しだされ、彼女は楽天的な女の子に戻った。あれは誰? 候補者はふたり。そのひとりはジョゼフ・マーティン、スーパーヒーロー願望が強く、バットマンに仮装し、よくしゃべり、トラブルに巻き込まれがちな少年。もうひとりは、同居することになるフェリックス・フレデリック。雨と太陽。チョコレートとミント。多色と単色。ポジティブとネガティブ。それがフロイドとフェリックスで、正反対のふたりはかつて離れがたい仲だった。しかし、その無邪気な友情は思い出でしかない。フェリックスが抱える秘密。やがてフロイドは、それを知ることになる。

Cristina Carrillo de Albornoz著『Un beso en Tokio』の表紙

東京でキス

Un beso en Tokio

クリスティーナ・カリリョ=デ・アルボルノス・フィサック

Cristina Carrillo de Albornoz Fisac

Editorial La Huerta Grande

大江研吾は、安藤忠雄の教え子であり、国際的に名高い日本人建築家で、まさにキャリアの絶頂期にある。ある日、彼は失われた調和と生きがいを求めて、すべてを捨て去る決意をする。この決断により彼は直島から、中国、ドバイ、ニューヨーク、マドリードを経て、強烈で予測不能な場所であるジンバブエに至る感動的な旅に出る。21世紀の世界を巡る旅、最終的には並外れた内なる旅となるこの巡礼を通して、彼は欲望を再発見し、存在における偶然性、愛と不在の複雑な性質について熟考する。現実と夢、美の神秘、究極的には人にとっての決して壊されることのない幸福について彼は問いかける。 『Un beso en Tokio(東京でキス)』は、発見の喜びと生の脆さを結晶化させる小説であり、スリラーであり、長編詩である。偉大な詩人たちの詩句を織り交ぜながら、著名な建築家の直感的で生命力あふれる精神を通して、芸術や映画や音楽や建築の永遠の宇宙の秘密と経験を探求する。建築家は、芸術が私たちを唯一無二の宇宙へと運び、西洋と東洋の間の境界線をも消し去ると感じ、夢見ている。 建築家の内面を描きだしたこの本には、安藤忠雄、ミース・ファン・デル・ローエ、ラファエル・モネオといった建築家から、マルク・シャガール、アルベルト・ジャコメッティ、バルテュス、ダミアン・ハースト、ハーランド・ミラー、メルセデス・ララといった芸術家、マリア・カラス、ヘルベルト・フォン・カラヤン、マイルス・デイヴィス、坂本龍一といった音楽家まで、文化の巨匠たちが登場する。さらに、本書には安藤忠雄の「光の教会」、ダミアン・ハーストの「スピリチュアル・デイ・ブロッサム」、ハーランド・ミラーの三連作「アムール・アムール、モア・アムール」、バルトローネ・ゴッビ・コレクション所蔵の繊細な浮世絵、アーティストのメルセデス・ララが制作した地図「エントレ・マルヘネス」など、厳選された名品の画像が収録されている。

空中にうかぶ森

Un bosque en el aire

ベアトリス‧オセス

Beatriz Osés

Fundación Santa María - Ediciones SM

笑顔の住民とミステリアスな魔女が暮らし、たくさんの物語がある、家庭的な村。破産した父親と、世界を変えようと決めている祖父とともに、町から来た少年。つがいのアヒルは、本が実るオリーブの木と、ハートが実るアーモンドの木のあいだで居場所を探す。魔法が生まれるのに、森よりもいい場所があるだろうか?

Diego Blanco Albarova著『Un camino inesperado』の表紙

予期せぬ道

Un camino inesperado

ディエゴ‧ブランコ‧アルバロバ

Diego Blanco Albarova

Ediciones Encuentro

子どものころからの『指輪物語』への憧れをきっかけに、ディエゴ・ブランコは本作の読者を、トールキンが命を吹き込んだビルボ、フロドやほかの登場人物たちとともに、物語を味わいつくす旅へと誘う。そのために作者はガンダルフの役を引き受け、近代の文学の中でファンタジーのジャンルを羽ばたかせた最初のひとつであり、もっとも有名な物語の秘められた、だが的を射た解釈へと読者を導く。作者は400ページ以上もある本作を通じて、トールキンが魔術、並外れた生物、魔法の指輪でいっぱいの幻想的な世界を、何に基づいて創造したかを明らかにする。こうして我々は、トールキンの世界と登場人物の中に隠された寓話を見つけ、最高傑作の執筆へとこのイギリス人作家を導いた、まぎれもないキリスト教の影響を見出すことができる。

森の中の開けた場所

Un clar al bosc

オリオル‧ジネスタ

Oriol Ginestà

Comanegra Editorial

感性の豊かな人々がどのような経験をし、どのように自らを認識しているのか、その特別なやり方を示し、読者自身の感受性を見定めるのに役立つ寓話。森の暮らしが大好きなカイソはずいぶん前から、濁流のような大都会の喧騒を離れ、木々に囲まれた川のそばの小屋で平穏な日々を過ごしていた。そんなある日、謎めいた漁師が目の前に現れたことで、彼の人生は一変する。漁師は3つの問いを出し、答えることができるかカイソに挑んできたのだ。森や自然の魔法というテーマの中で、感受性に満ちたカイソの生き方に触れる物語。彼の記憶、夢、考察を通して、読者はその世界の感じ方を知り、自分自身の感性を大切にすることを学んでいく。

Raúl García Castán著『Un corredor en las nubes』の表紙

雲の中の通路

Un corredor en las nubes

ラウル‧ガルシア=カスタン

Raúl García Castán

Editorial M1C, S.L.

Carmen Gil著『Un cuento para cada letra』の表紙

文字のものがたり

Un cuento para cada letra

カルメン‧ヒル

Carmen Gil

Fundación Santa María - Ediciones SM

アルファベット文字の1つ1つにまつわる29のお話をまとめたもので、読み書きを学んでいる子どもたちがそれぞれの文字の書き方や音について学べるように工夫している。各話では一つひとつの文字が主人公になっており、テキストはカリグラフィーの美しい文字で書かれている。

Miren Arzallus Loroño著『Un deslumbrante fresco Cristóbal Balenciaga. La forja del Maestro (1895-1936)』の表紙

クリストバル‧バレンシアガ 巨匠の形成(1895-1936)

Un deslumbrante fresco Cristóbal Balenciaga. La forja del Maestro (1895-1936)

ミレン‧アルサリュス=ロローニョ

Miren Arzallus Loroño

Editorial Nerea / Diputación Foral de Guipúzcoa

 20世紀のファッション界の巨匠クリストバル・バレンシアガは、1895年にギプスコアのヘタリアで生まれた。1936年にパリのジョルジュ・サンク通りに店を開き、その数ヶ月後、最初のパリコレクションで有無を言わさぬ成功をおさめ、モード界で国際的に名を連ねるようになり、その評価は以後落ちることはなかった。当時彼は42歳。しかし、彼のそれまでのクリエイターとして、また経営者としての足跡は知っているだろうか。このテーマの専門家であるミレン・アルサリュスは、バレンシアガのこれまで明かされなかった四十年を再構築し、家族のこと、専門家としての経歴、パリで地位を確立するまでの企業家としての軌跡を語る。バレンシアガの偉大な作品のもととなった豊かな独自の世界を再現する、歴史的社会的にまばゆいフレスコ画である。

Carlos Juan Server著『Un día con suerte』の表紙

幸運が舞い降りた日

Un día con suerte

カルロス‧J‧セルベル

Carlos J. Server

Carlos Juan Server Lorente Ediciones

ジローナのとある小さな村の住民がヨーロッパの宝くじ史上最高の当選金額を獲得した。こぞって幸せに酔いしれたのも束の間、村民は当選くじを換金させようと幸運な当選者を探し出すレースを始める。我先にと奔走するのは一度話し出したら止まらない神父、肉屋とのセックスを空想する定年退職の女、30年間も村長を務め続ける男、パン屋の女房に恋する郵便配達員などなど。この個性溢れる登場人物たちが読者の笑いと涙を誘いつつ非常事態と化した日常生活の模様を楽しませてくれるだろう。アクションとサスペンス満載のコメディとなっている本作品で、セルベルはベルランガやウディ・アレンが確立した社会風刺的スタイルを見事に表現している。時間をかけてじっくりと読みたい1冊。

Tomeu Simó Mesquida著『Un día de pesca』の表紙

釣りの日

Un día de pesca

トメウ‧シモ‧メスキダ

Tomeu Simó Mesquida

Vasaris Balta

一番の大物をつりあげようと、バレアレス諸島沿岸に小型船で乗り出す、ふたりの友だちの冒険物語。多くの驚きがふたりを待ちうけている。船乗りや漁師の伝統、友情やすばらしい食への賛歌。初版2016年、2刷2017年、3刷2020年。

José Carlos Román著『Un extraño regalo』の表紙

不思議な贈り物

Un extraño regalo

ホセ‧カルロス‧ロマン

José Carlos Román

Triqueta Verde

友情や虚栄心、外見で人を判断しないことの大切さについての物語。森にひとつの小さな包みが現れる。動物たちは誰もが自分宛てのものだと思う。しかしみんなの予想に反してその不思議な小包は小さなトガリネズミに宛てたもので、中にはみんながアッと驚くようなものが入っていた。

Gerard Guix著『Un faro en el fin del mundo』の表紙

地の果ての灯台

Un faro en el fin del mundo

ジェラルド‧ギクス

Gerard Guix

Elastics Books (Enciclopèdia Catalana, SLU)

思春期は発見と苦悩の時代といわれる。マックスはそのことをよく知っている。14歳で彼は人生が大きく変化するのを目の当たりにした。父親が離島の灯台の改修を依頼され、数ヶ月間、家族全員が現地に移住することになったのだ。ちょうどマックスが学校で友人を作り始めていたときで、クラスの一部から見た目のことを言われ、苦しんでいるときでもあった。そしてある女の子と特別な関係になり始めたときでもあった。その気持ちにまだ名前を付けられていなかったが。彼はそのすべてを捨てて、行きたいかどうかだれにも訊かれないまま、新しい生活を始めなければならなかった。しかしマックスは思春期が、永遠に刻まれることになる初恋の時期であることをまだ知らない。

Begoña Oro著『Un fuego rojo』の表紙

赤い火

Un fuego rojo

ベゴーニャ‧オロ

Begoña Oro

Galimatazo Editorial

秘密とは、私たちを消耗させ、いらいらさせるもので、自分にとって一番大切なことや、心揺さぶられたり苦しんだりすることを共有できないという深い孤独に陥れるものだ。本来、話すことのできない秘密というものに、どうやって言葉(やイメージ)を与えられるだろうか。答えは簡単、比喩を使うのだ。秘密とは赤い火である。「多かれ少なかれ、誰もが赤い火を持っている」。 プリタもそうだし、彼女の子供たち、つまりこの絵本の主人公ケルティとクップにも秘密がある。秘密を持つ人たちにぴったり寄り添いたいと願って作られた絵本。この物語の中で読者は、孤独、無理解、告白の試み、そして最後にその火にふっと吹きかかる風のような安堵を知ることになるだろう。

Andreu Llinas著『Un gato llamado Almohada』の表紙

まくらという名の こ

Un gato llamado Almohada

アンドレウ‧リナース

Anderu Llinàs

Lata de Sal, S.L.

ノベイ家の家族(お母さん、お父さん、息子、娘、おじさん、いとこ……等々)はみんな、目があまりよくない、というよりひどい近眼だ。だから1匹の猫が家にやって来たとき、たいへんなことに。わざとではないが、猫の上にすわるわ、えさをやりすぎてしまうわ、順々にみんながへまをする。さんざんだが、見ていると笑いが止まらない。そして最後はみんなハッピーエンドになる……特にまくらという名の猫にとっては。 この本のとりこになるのはなぜ?1:イラストに大笑いしてしまうから。2:ユーモアがストーリーへの信頼を裏打ちしてくれるから。3:びっくりするすごく楽しいラストだから。4:動物の世話や動物を大切にすることを考えさせてくれるから。

Alejandro Palomas著『Un hijo』の表紙

息子

Un hijo

アレハンドロ‧パロマス

Alejandro Palomas

Sandra Bruna Agencia Literaria

ギリェはいつも笑顔を絶やさない、一見幸せそうな男の子。しかし少し爪でひっかけば、その下に謎が隠れているのがわかる。笑顔を絶やさない内気なギリェは、想像力豊かな本好きの少年。友だちは女の子がひとりだけ。ここまでは平穏な話だ。だが、物静かな仮面の下にはトランプの城のように壊れやすい、謎に満ちた世界が隠されている。経済的に追い詰められた父親、不在の母親、好奇心をそそられた教師、背景にあるパズルを組み立てようとする心理学者。感情、優しさ、空虚さ、発せられなかった言葉、恐ろしい謎が息づく群像小説。

Cristina Villar Fernández著『Un hotel muy animal』の表紙

動物いっぱいのホテル

Un hotel muy animal

クリスティーナ・ビリャール=フェルナンデス

Cristina Villar Fernández

La Maleta Ediciones

パトリシオは、初めての仕事に胸をふくらませて出勤する。ところがカウンターの裏で予期せぬ間違いが起こり、大混乱を巻き起こすことになる。

著『Un lugar para Gusti』の表紙

グスティの居場所

Un lugar para Gusti

インマ‧ムニョス

Inma Muñoz

Ocho en punto

グスティは移動できる小さな家。地面に留めてある固定具を外し、トラックに乗りさえすればいいのだ。ある時期になると街に住み、桜の木がある大きな庭園のそばで、花が咲く春の訪れを待ち焦がれる。でもその冬は周りに多くの家が建てられ、春が来てもグスティは庭を楽しめなくなってしまう。そこでグスティは自分が心地よいと思える場所を探して世界中を旅することに。見たことのない場所を見つけ、世界中のいろんな家々を知ることになるが、居心地のいい場所はなかなか見つからない。果たして、自分の居場所は見つかるのか? グスティの大冒険についていこう。

著『Un món de mares 』の表紙

素晴らしき母たちの世界

Un món de mares fantàstiques

マルタ‧ゴメス‧マタ

Marta Gómez Mata

Comanegra Editorial

アルキメデスの母親は、過去との距離を縮めようと思いつき、お気に入りの物語の主人公の母親を集めて、息子や娘の物語を改めて語ってもらうことにした。アインシュタインの母親は、ロビンフッド、オーガ、醜いアヒルの子のそれぞれの母親とお茶をする。クレオパトラの母やガスパール王の母、シェヘラザードの母やマルコ・ポーロの母もいる。書店から直接、シャーロック・ホームズの母親やトム・ソーヤーの母親や長くつ下のピッピの母親も来る。フリーダ・カーロやキング・コング、マリー・キュリーにサンチョ・パンサ、チャイコフスキーやバスター・キートンらの母親たちも参加する。部屋の片隅では、アリスの母親、ピーターパンの母親、リトルマーメイドの母親が子どもたちの思い出話。彼女たちはマーティン・ルーサー・キングの母親と、そして素晴らしい物語や記憶のなかに登場するあらゆる人物の母親と同じくらい美しい。

Antonio Ladrillo著『Un...mundo maravilloso』の表紙

ある……すばらしい世界

Un... mundo maravilloso

アントニオ‧ラドリーリョ

Antonio Ladrillo

Fulgencio Pimentel Editorial

わたしたちをとりまく世界はすばらしい。動物、音、形、織物、感覚、自然、そしてわたしたちの自然とのかかわり方。この本はすばらしいもののカタログであると同時に、生きていることの喜びと悲しみ、そして生命の神秘をたたえる精神的な旅。アントニオ・ラドリーリョは絵本の世界に小さな革命を起こした。この上ない純粋さと純真さがここには表現されている。本書はおそらく、作者の最高傑作になるだろう。

とっても変な男の子

Un niño muy raro

リカルド‧アルカンタラ

Ricardo Alcántara

Editorial Juventud

クラスメートはポルと遊ばなかった。とっても変な子だと言って、彼を無視した。みんなで怒らせようとしたが、ポルは気にしなかった。「ぼくの父さんは魔術師なんだ」といっていた。だがある日、すごく変なこの子の秘密を暴こうと、みんなはポルのあとをつけることにした……。

君の名前が付いた国

Un país con tu nombre

アレハンドロ‧パロマス

Alejandro Palomas

そのさびれた村の住人は、動物園で象の飼育係をしているジョンと、猫11匹と暮らす未亡人のエディスだけだ。はじめ互いに関わり合わなかった彼らだったが、今では良き友人同士である。ふたりは、古い鐘楼の上の風見鶏が自分で回り始める夜、村に注がれる「時のまなざし」が自分たちの人生も共に回転させようとしていることなど知る由もなかった。春が訪れた時、動物園の経営陣は想像もしなかったような決断を下す。さらに村が属する自治体も、今は住む人もない湖畔の古いお屋敷を改装し田舎風のホテルにすると発表した。このふたつの知らせは、ジョンとエディスの人生を一変させ、彼らをこれまで踏み出すことのできなかった行動に駆り立てるのだった。

José Andrés Anguita Peragón著『Un paseo amable por el mundo del flamenco』の表紙

フラメンコ世界をめぐるやさしい散歩

Un paseo amable por el mundo del flamenco

ホセ‧アンドレス‧アンギータ=ペラゴン

José Andrés Anguita Peragón

Editorial Octaedro

本書はフラメンコの世界に入ってみたいと願う人を対象にしているが、フラメンコ通の人たち向けでもある。全てのフラメンコ・ファンのために、本書の中には、歴史を通じての曲種の様々な分類、フラメンコ民謡の形式、アンダルシア方言の特徴、フラメンコの詞によく見られるジプシー用語、様々な曲種の韻の踏み方及びそれらの研究について取り上げられている。また、フラメンコがどのように生まれたかについての興味深い理論や、フラメンコ芸術の形成に、ある意味、影響を与えたアンダルシアの歴史についての基礎知識も取り上げる。巻末にそえられている250人のアーティストの略歴は、ファンにとって大いに役にたつだろう。

森の中の散歩

Un paseo por el bosque

マリオナ‧トロサ‧システレ

Mariona Tolosa Sisteré

Editorial Flamboyant

マリオナ・トロサ=システレはバルセロナでイラストレーションを学び、アクリル絵の具、鉛筆、コラージュ、デジタル技術などのテクニックで世界を作ることを学んだ。絵を描くことに情熱を傾けるようになって以来、企業や公的機関と協力して、絵本や本、記事、アニメーション、ポスターの挿絵を手がけ、人物画を描き、レタリング文字、グラフィック画像、テキスタイルプリントのデザインに携わってきた。手がけた本は18以上の言語で出版されている。

Sara Nicolás著『Un pavo para cenar』の表紙

七面鳥をディナーに

Un pavo para cenar

サラ・ニコラス

Sara Nicolás

Tu Cuento y Tú

都会から離れた美しい農場に、メルビンは住んでいる。穏やかで幸せな時間が流れていた。ところがある日、電話での会話をぐうぜん耳にしたメルビンは、恐ろしいことを知ってしまった。だれかが夕食に七面鳥をほしいというのだ。その瞬間からメルビンは、農場から連れ出されないように、時間との戦いを始めた。『Un pavo para cenar(七面鳥をディナーに)』は、最後まであなたをハラハラさせる抱腹絶倒の絵本だ。

Alma Serra著『Un pellizco en la barriga』の表紙

おなかをさす痛み

Un pellizco en la barriga

アルマ‧セラ

Alma Serra

Editorial BABIDI-BÚ

マルは、親しかった人を亡くした経験がある女の子で、その喪失感をずっと抱きつづけている。困ったことにマルは自分の気持ちをうまく表現できず、怒ったり、泣いたり、遊ぶ気になれなかったり、何事もなかったかのように振舞うことがある。彼女は大きな秘密を抱えており、そのせいでおなかに刺すような痛みが走ることを誰も知らない。言えなかったことすべて、もう抱きしめられないこと、謝れなかったことを悲しく感じているのだ。ある晩、マルはすべてを変える夢をみる。それによって、自分が幸せになるのを妨げている秘密から解放され、大きな自由と感謝を感じることができるだろう。

Francesc Miralles著『Un rayo de esperanza』の表紙

一筋の希望の光

Un rayo de esperanza

フランセスク‧ミラレス

Francesc Miralles

Sandra Bruna Agencia Literaria

真冬で海岸沿いの村で開いている唯一の店カフェターナーで偶然会った孤独な魂をかかえる4人が、こんな質問をしあう。あなたの家が炎に包まれている、そして、あなたにとって生きがいとなるもの、ひとつしか救い出す時間しかないとしたら? ゲームで始まったこの会話は、彼らの運命を交錯させながら、全く予期しなかった結果を生み、最終的に4人は自分の人生に新たな意味を見出すことになる。トンネルの果てに光を見つけるための、友情と愛の見えない絆についての啓蒙的物語。

Pedro Riera著『Un relato de violencia』の表紙

暴力に関するお話

Un relato de violencia

ペドロ‧リエラ

Pedro Riera

Tormenta Agencia Literaria

ガブリエルとトニは9歳の夏休みに、家族と過ごすキャンプ場で出会った。ふたりは仲良くなり、また、同じ学校に進学したことから互いが親友といえる存在になる。しかし次第にふたりの友情は壊れ始める。果たして正義のためならば暴力に訴えることは許されるのか。トニの反対にあっても、ガブリエルは許されると信じ、それを証明しようとする。「覆面をした男がどこからともなく現れ火炎瓶を投げた。一瞬時間が止まった。人々は息を止め、騒音は掻き消えた。火炎瓶はスローモーションで撮影した映像のようにゆっくり空中を飛んで僕たちの頭上を通り過ぎた。そしてブルドーザーのひとつに当たった。その瞬間、今度はまるで誰かが早送りのボタンを押したかのようだった。火の玉がそこ一面を地獄へと化した」

Enrique Mauricio Iglesias著『Un ronsel de Ardora, una biografía de Ángeles Alvariño』の表紙

アルドラの航跡。アンヘレス・アルバリニョの伝記

Un ronsel de Ardora, una biografía de Ángeles Alvariño

エンリケ‧マウリシオ

Enrique Mauricio Iglesias

Lela Edicións

23種以上の海洋生物を発見した海洋学者アンヘレス・アルバリニョの子ども向け伝記。本書は2021年現在、8冊が刊行されている『Mulleres Galegas(ガリシアの女たち)』シリーズの1冊目にあたる。

Alicia Acosta著『Un sándwich de amor, ¡por favor!』の表紙

愛のサンドイッチをひとつください!

Un sándwich de amor, ¡por favor!

アリシア‧アコスタ

Alicia Acosta

Ediciones Jaguar S.A.U.

「ママとパパが一緒にいられなくなった理由を、小さな子どもに理解してもらうための絵本」 別れるってなに? 小さくてにこやかな主人公は、パパとママが一緒に暮らせなくなった理由に向き合う。くさいハムスターのブバのせい? いや、そうじゃないと思う。おもちゃを片付けないから? そうじゃないといいんだけど……それじゃ?  大人の事情はたいてい複雑だけど、何事にも解決策はあるもの。もし愛のサンドイッチがあるなら。アリシア・アコスタ作、エステル・ブルゲーニョ画の、別れのプロセスを描いた優しい物語。

Pablo Gutiérrez著『Un verano en Portugal』の表紙

ポルトガルでのひと夏

Un verano en Portugal

パブロ‧グティエレス

Pablo Gutiérrez

EDEBÉ - Ediciones Don Bosco

高校入学を控えた少年の夏を、友情と家族を土台にして描く、イニシエーションの物語。しなやかで扱いやすい波がゆっくりと私たちに向かってきていた。ボードが垂直になるような第一波をうまく回避し、第二波に挑んだ。-さあマヌ! 漕ぐんだ! 頭の上で波が割れるかと思ったよ。

Carmen Alcayde著『Un verano especial』の表紙

宇宙の夏

Un verano especial

カルメン‧アルカイデ

Carmen Alcayde

Grupo Editorial Sargantana

“宇宙”の夏に、あるマッドサイエンティストが、他人がいらなくなったものをすばらしい発明品に変える方法を教えてくれる。

Maite Carranza著『Una bala para el recuerdo』の表紙

この銃弾を忘れない

Una bala para el recuerdo

マイテ・カランサ

Maite Carranza

Sanoma Infantil y Juvenil

1938年、バルエロ。13歳のミゲルは、共和派の鉱夫である父親が前線で死んだと信じていた。突然、父親がオビエド近郊の捕虜収容所にいるという知らせが届く。母親は息子に父親を家に連れて帰ってくるよう懇願し、少年は愛犬グレタを連れて父親を探しに旅立つ。ミゲルは何百キロメートルもの道のりを歩き、狼や脱走兵のいる山々を越え、食べ物を盗み、市民警備隊から逃げ、恋に落ち、すべてを失った人々と出会い、大人になり、そして戦争とは何かを自分の目で見ることになる。

Irene Verdú著『Una carta』の表紙

手紙

Una carta

イレーネ‧ベルドゥー

Irene Verdú

Algar Editorial S.L.

ある日、風が迷子の手紙を見つけた。雨で封筒の文字が洗い流され、誰に宛てたものなのか、誰が書いたものなのかがわからなかった。でも、その手紙には「愛してる」という大切な言葉が書かれていた。そこで、風は手紙を空高く吹き上げ、強く、強く押した。その手紙は、きっと宛先を見つけ、愛されていると誰かに感じさせることだろう。でも、その手紙がいつも不機嫌で家に閉じこもっているネコ氏の頭の上に落ちるとは、風は想像もしなかった。 いつも? もしかしたら、言葉の力が彼の人生を変えるかもしれない。

Mariano Quirós著『Una casa junto al Tragadero』の表紙

底なし川のほとりの家

Una casa junto al Tragadero

マリアノ‧キロス

Mariano Quirós

Tusquets Editores

エル・ムド(口がきけない男)はアルゼンチン北部の奇妙な村の郊外に、雌犬のインディアと一緒に住んでいる。何年も前に街からやってきて、山の中にあるトラガデロ川畔の謎めいた家に住みついた。 川についての話をし、猿を狩って生き残る方法を教えてくれる店の主人インスアを除いては誰ともつきあわないようにしている。 彼はただ静かに暮らしたいだけだ。だから、こそこそと彼を待ち伏せる村の男の行動が気にいらない。その村人が彼のことを野生動物財団に訴え、環境保護活動をする若者たちがやってきて、彼の暮らしは複雑になっていく。 鳥、猿、ワニに囲まれた敵意に満ちた自然の厳しさの真っただ中で、読者は川の危険と、見知らぬ人たちからの脅威によって増していく緊張を体感する。彼らの真の意図を、私たちはエル・ムドの視点から不安な思いで推測するしかない。

Sheddad Kaid-Salah Ferrón著『Una ciudad en Marte』の表紙

火星の都市

Una ciudad en Marte

シェダード‧カイド-サラーフ‧フェロン

Sheddad Kaid-Salah Ferrón

Editorial Juventud

人間は好奇心旺盛な動物である。知りたいという欲求と新たな資源の追求のために、私たちは山に登り、極地を制覇し、広大な海を渡ってきた。そして、その飽くなき探求心は宇宙にまで及んでいる。その先には、最後のフロンティアといえる火星がある。 科学、技術、想像力が、赤い惑星を知り、その最初の住民の生活を発見する壮大な旅のお伴だ。火星は、私たちにゼロからスタートするチャンスを与えてくれる。発射準備はOK? この分野の著名な専門家によって書かれた本。

Rafael Mendoza著『Una duende en el Thyssen』の表紙

ティッセンの小妖精

Una duende en el Thyssen

ラファエル‧メンドサ

Rafael Mendoza

Editorial Saure

ひとつの伝説から生まれた主人公の物語。フェリペ5世の時代、レティロ宮殿の庭師たちの間で、植えた花を変えてしまう小妖精の存在が噂になっていた。この物語の小妖精は不機嫌に目を覚ました。本来の陽気さを取り戻すために旅に出ることにする。旅の目的は、その多種多様性の中にすべてを美しく吸収する芸術のおかげで達成する。ユネスコの世界文化遺産に登録されている、計り知れない文化的価値と自然とが融和する空間であるレティロ公園・プラド美術館に収められたコレクションに関するシリーズの第一弾。この物語ではティッセン美術館に収蔵されているルネサンス期及び20世紀の数点の作品について述べられている。小妖精エルバが編む物語によってマドリードの中心に存在する美術の宝庫を身近に感じさせる本。

Víctor Alexandre著『Una història immoral』の表紙

不道徳な物語

Una història immoral

ビクトル‧アレシャンドラ

Víctor Alexandre

Edicions Proa

妻の性欲をよびもどすために、夫がこっそりプロのセックスサービスを雇うことはあり得るか? 夫婦が性生活をとりもどすために、夫が第三者に頼るのは矛盾ではないか? やきもちは愛か、それとも傷ついた虚栄心か? 愛のために、どこまで掟やぶりが許されるのか? 愛する者の秘密が暴露されたとき、どこまでなら受け入れられるか? エリックは、自分がゲームを楽しんでいるうちに、パンドラの箱を開けてしまったのを分かっている。しかし、アンナの秘密を知りたいという誘惑はあまりにも強い。愛においては知らないほうが幸せなこともあるのをエリックは知らないらしい。

吸血鬼のポップカルチャー史

Una historia pop de los vampiros

David Remartínez

Arpa y Alfil Editores

21世紀の吸血鬼は昔とは違う。ドラキュラは『トワイライト』の登場人物のような悩める若者に取って代わられた。現代のバンパイアは中年の伯爵を葬り去り、若さや喜び、愛、女々しさを前面に押し出す。モンスターは人間の不条理を帯び、一方で世界は経済危機や政治抗争、SNS、感染症によって人の血を吸うようになった。本書は、トランシルバニアの城の伝説から映画で活気づく吸血鬼の再解釈に至るまで、神話の変容を分析。昔の子供は吸血鬼が怖かったが、今時の子供は吸血鬼になりたいのだ。そして大人は幸福な約束の中で、不安定な雇用や人間関係の軋轢、日々我々の血を吸う巨大企業からの避難所を見つける。

Alejandro Palomas著『Una madre』の表紙

ある母親

Una madre

アレハンドロ‧パロマス

Alejandro Palomas

Sandra Bruna Agencia Literaria

居心地がよくもあり不愛想でもある都会と、必要性と愛情で辛うじて繋がっている家族、そして、特別な瞬間の素晴らしい女性の眼差しを描いた小説。何度も失敗した末に、アマリアは65歳の今、漸く夢をかなえた。それは家族全員揃って大晦日の夜を過ごすことだ。アマリアが持ち前の陽気さと献身を発揮して、目に見えない糸の網を紡ぎ、いかに家族を結びつけ守っていったか、口を閉ざす者たちの間をつくろい、ある者たちは将来へと導いていったかを、ひとりの母親が語る。心に強烈にやきつく夜になることは分かっていた。秘密と嘘、笑い声が部屋を満たす。そして遂に長年押し殺してきた秘密が明かされるとき、何がこれからの人生をささえていくかが見えてくる。愛さずにはいられないひとりの女性の姿、長所を追求していくと人間が見せる思いがけない閃きを浮き彫りにする。

Juan Bonilla著『Una manada de ñus』の表紙

ヌーの群れ

Una manada de ñus

フアン‧ボニリャ

Juan Bonilla

Editorial Pre-Textos

草地を求めて移動し、ワニがうようよしている川を渡らなければならないヌーのドキュメンタリーは、おそらくだれもが見たことがあるだろう。毎年群れが通り過ぎたあとには必ず数匹が取り残されるが、ワニの飢えを和らげる、こういう犠牲がいるおかげで、群れは前進できるのだ。本書の登場人物たちも、そのような状況に置かれている。群れを渡らせるため自分が犠牲になるかもわからぬまま、ワニがひしめく水の中へ入っていくしかないヌーそっくりの状況だ。その多くは、青春期を通りすぎた大人である。遠くはなれて語られるこの群像劇の主人公たちの青春は、あきらめるしかなかった野心や、到達されなかった目標の中にあり、もはや郷愁をかきたてる無邪気な賞賛の対象でしかない。

Elsa Punset著『Una mochila para el universo』の表紙

宇宙のためのリュック

Una mochila para el universo

エルサ‧プンセット

Elsa Punset

Ediciones Destino

エルサ・プンセットが明瞭でシンプルな言葉で述べるように、生活や人間関係を変えていくには「私たちが考えるほど、多くのものは必要ない。私たちを取り巻く現実を理解し対処していく助けとなるものは、軽いリュックひとつに十分収まる」。 他者を理解し、感情の宇宙でどうにかうまくきりぬけていきたい人に必携の書。

Hernán Ronsino著『Una música』の表紙

ある音楽

Una música

エルナン‧ロンシノ

Hernán Ronsino

Sexto Piso España

フアン・セバスティアン・レボンテが音楽家になったのは、天才によるものではなく、絶対的な父方の権威によるものだった。東欧の小さな町をツアーしていたとき、父の訃報を受け、ブエノスアイレスに戻る。遺産相続についての話し合いの中で、1970年代に経済的に恵まれた立場にあった父親が、わずかな土地しか残さなかったことを知る。その土地はパソ・デル・レイ駅に隣接する同盟都市にあり、家族の誰もその地域の記憶を持っていなかった。現代アルゼンチン文学で最も影響力のある作家の一人とされるエルナン・ロンチーノのこの魅力的な小説は、父と息子の絆、家族の秘密を掘り下げ、同じことを繰り返さない方法を探り、出口を見つける可能性を探る。

空を飛ぶのに美しい夜

Una noche preciosa para volar

マル‧カンテロ

Mar Cantero

EDHASA - Editora y Distribuidora Hispano Americana

スペインの初期の女性パイロットたちの生きざまに着想を得て、マル・カンテロがすぐれた文体と人の気持ちに寄り添う繊細さで女性たちの勇気を描いた感動的な作品。今よりも女性の社会進出が困難だった20世紀を舞台とする、冒険、愛、未来への希望に包まれた物語だ。3人の女性、3つの物語、3つのとき、そして彼女たちに共通するたったひとつの夢、空を飛ぶこと。RAFのパイロットになるためにロンドンに向かうライア(1939年)、マドリードの軍事基地で飛行機に囲まれて育ち、空を飛んで世界を発見したいと願うアビガイル(1965年)、ある美術品収集家のプライベートジェットの操縦士になるためバルセロナに戻るシャルロッテ(2018年)。それぞれの時代に夢を実現しようと奮闘する女性たちの物語は、最後にひとつに収束していく。

Nuria Riera Carrillo著『Una ola con sabor a pez』の表紙

魚の味の波

Una ola con sabor a pez

ヌリア‧リエラ=カリーリョ

Nuria Riera Carrillo

Bartleby Editores, S. L.

34歳の女性マメンの人生の転変を綴った小説。マメンは過去の辛い体験から、人里離れたところで孤独に生きてきたが、地中海沿岸のとある灯台に住む少女と数日間を共にした後、彼女を雁字搦めにしていた蜘蛛の糸が少しずつほどけていく。何もかも、人さえも見た目どおりではないこの地。海、空、タコ、灯台、そしてその灯台に住む人々も。象徴性とユーモアに溢れた物語だが、文章は非常にシンプルで、心地よい読後感を与える。

Reyes Monforte著『Una pasión rusa』の表紙

ロシアの情熱

Una pasión rusa

レジェス‧マルティネス

Reyes Martínez

Espasa Libros

知られていないが魅力的なひとりの女性、スペイン人歌手カロリナ・コディナの人生を綴った本。カロリナは、ロシアの天才作曲家セルゲイ・プロコフィエフの妻でありミューズだった。結婚当初、ふたりはアバンギャルドのパリで過ごし、厳選されたインテリや芸術家だけが集うサークルに属していた。しかしプロコフィエフがソビエト連邦への帰国を決めたことで全てが変わる。最高の栄誉で迎えられたふたりだったが、時がたつにつれスターリン体制に苦しめられるようになり、夫婦関係も悪化する。大戦後、カロリナは不当に訴えられるが誰も救うことができない。強制労働収容所送りになり、スターリンが死ぬまでそこで過ごすことになる。天国から地獄へと転落したカロリナの人生は、愛と悲劇と忍耐力に彩られている。

Susana López Fernández著『Una princesa de diferente color』の表紙

ちがう色の王女さま

Una princesa de diferente color

スサナ‧ロペス‧フェルナンデス

Susana López Fernández

Excellence Editorial

主人公の女の子は、父親にとって生まれたときからピンク色の王女さまだった。だけど女の子は、ピンクが好きだと思ったことがない。大きくなってお父さんにそう言うようになったし、おばあさんも説明してくれたが、どれほど言ってもお父さんはわかってくれない。ある日、女の子はいいことを思いつく。お父さんに眼鏡を買ってあげたのだ。それはあらゆるものが見える特別な眼鏡だった。お父さんがその眼鏡をかけると、娘が何年も前から言っていたことをようやく理解した。娘は王女さまだ、が、色については間違っていた。この物語が示唆するのは、女の子に生まれたという事実に世間は決まりきった固定観念をもつということだ。王女さまならピンク色に違いない、というような。女の子であれ男の子であれ、生まれた子どもは自分自身のことについて自由に感じるべきだし、好きな色のことならなおさらそうだ。

バイクに乗るお姫さま

Una princesa en motocicleta

エクトル‧ボルラスカ

Héctor Borlasca

Aerys Producciones

ガチャン、ガシャン、シーッ、ドーン! コントロールを失った、乗り手のいないキックボードが本棚にぶつかって、本が棚から飛び散った。さらに悪いことに、物語の主人公たちも本から飛び出してしまった。セリア姫は自分自身で物語を進めて、たくさんの登場人物たちをそれぞれの物語に戻す手助けをしなければならない。型破りで意志が強く、勇敢。ピンチから救い出してくれる王子さまを必要としないお姫さまだ。この絵本は童話や読み物へのオマージュであるとともに、ジェンダーの平等や、伝説が強調するものとは別の側面から現実を見ることについて描いている。

チャチピルリな昼下がり

Una tarde chachi piruli

A‧H‧ベンジャミン

A. H. Benjamin

NubeOcho

英国人の作家で1980年代から児童書を執筆している。過去にアンデルセン・プレス、リトル・タイガー・プレス、フランクリン・ワッツなど、多くの出版社から作品を発表し、42作品が中国語、韓国語、アラビア語など25以上の言語に翻訳されている。ラジオやテレビ、劇場用に脚色された作品もある。

María J Cuesta著『Una varita mágica para Dulce』の表紙

ドゥルセの魔法の杖

Una varita mágica para Dulce

マリア‧J‧クエスタ

María J Cuesta

Letrimagia

ドゥルセはチョウのような、繊細で閉ざされた耳をしていた。チュール生地のような目を持ち、静かな美しい微笑みを浮かべていた。 時には怖かったり、苦しみや悲しみを感じたりすることもある。でも彼女の友だちは何とかしようと決意していた。これは盲ろうの少女ドゥルセと、彼女と世界との不思議な関係の物語。

Carmen M. Cáceres著『Una verdad improvisada』の表紙

即興の真実

Una verdad improvisada

カルメン‧M. カセレス

Carmen M. Cáceres

Editorial Pre-Textos

この美しいタイトルが語るように、愛はすべて、即興の真実で始まる。そこでは将来への期待と、過去を引き受ける必要性(それはいつも簡単とは限らない)が交錯する。クララは、一時的に言葉を失っているブルーノの病気を利用して、大人の愛の最初の数年についての研究に没頭する。目新しさだけではなく、避けがたい嫉妬、不安、好きになり始めた相手を手探りで発見していくことなどから、どのような関係が芽生えていくのか。 本書Una verdad improvisada (即興の真実)は、マリーナ・ツヴェターエワまたはナタリア・ギンズブルグといった20世紀の偉大な散文作家の持つ物語の鼓動と、読む者の心を無防備にさせる誠実さを持つ。カルメン・M.カセレスはこのデビュー作で、将来有望な新人というよりも完成した声として登場した。

Ana Punset著『Unicornia 1. Un lío con brilli-brilli』の表紙

ユニコニア 1 キラキラ大騒動

Unicornia 1. Un lío con brilli-brilli

アナ・プンセット

Ana Punset

Penguin Random House

ユニコニア、キラキラ大冒険 こんにちは!私の名前はクラウディアです。ユニコニアに引っ越してきたばかりなの。ここは宇宙で一番魔法に満ちた場所なのよ! ここではユニコーンが空を飛び、学校では大鍋で薬を煎じる授業があるの……算数なんて一切なし! うん、ユニコニアは最高だけど、完璧じゃないわ。高等魔法学校にも試験があるし、ちょうど明日、ユニコーン飛行試験があるのよ!  クラウディアは記録的な速さでユニコーンの乗り方を学べるでしょうか? 学校、友情、ユニコーン。魔法に満ちた、小さな子ども向けシリーズ。 -各ページで物語に寄り添う、美しく楽しいイラスト。 -読みやすく、理解しやすい、シンプルで楽しい文章。 -表紙にキラキラのグリッター付き(そう、キラキラ!) -ユニコーンが好きな若い読者や、砂糖の雲の間で浮かびたいと夢見る読者に。 -ユニコーンと一緒に飛ぶことを夢見るベストセラー作家、アナ・プンセットの本。 ユニコニアへようこそ!

Olalla González Paz著『Uno más 』の表紙

もうひとり

Uno más

オラリャ‧ゴンサレス文

Olalla González Paz

Kalandraka Editora

新しい妹か弟がやってくるのを知って、主人公の子ウサギは好奇心をかきたてられる。3段階の繰り返しを特徴とする、幼い読者向けのお話。子ウサギは、妹か弟はいつ生まれるのかとお母さんにたずね、次に森の住人たちにうれしいニュースを伝えては、生まれてきたらどうやって一緒に遊んだらよいかとたずねる。やさしさ、連帯感、喜び、感動、そして最後の驚きなど、さまざまな感情がいきかう物語が、ぎざぎざして図案的でくっきりした線と、白地にやわらかなトーンの水彩を用いた絵で描かれる。普通の場面はカラーで、おにいちゃんになるための準備をする主人公の夢や願望の場面は白黒で描き分けられている。

Antonio Martínez Conesa著『¡Uno, pequeño y libre!』の表紙

小さく自由に とり

¡Uno, pequeño y libre!

アントニオ‧マルティネス=コネサ

Antonio Martínez Conesa

Ediciones del Serbal

学校帰りに誘拐された9歳の少年の体験を綴った、辛いが感動的な物語。誘拐犯は彼を遠くに連れ去った後、金と引き換えに、子どもを授かることのできない夫婦に引き渡す。時は1960年代。今からそう遠くはないが、忘れてはならない恐ろしく恥ずべきことが起こっていた時代である。本書は、私たちだれもが幼少期に持っていた、先入観のない清らかな想像力へのオマージュでもある。

Pascu & Rodri著『Unravelling History series』の表紙

歴史を紐解くシリーズ

Unravelling History series

パスクとロドリ

Pascu & Rodri

Editorial Alfaguara

『Unravelling History(歴史を紐解く)』シリーズの最新刊を見てみよう! パスクとロドリのユーモアあふれる新しい歴史本を読めば、眠るのを忘れて新しい世界が発見できること必至。世界神話の冒険や怪物たちの荒唐無稽な物語が展開される。細部まで作り込まれたフルカラーの目を引くデザイン。ユーモアと楽しいイラストで定評のある歴史ファンタジーのシリーズを味わってみよう! 『The Most Epic Heroes(最も勇敢な英雄たち)』は5ヶ月で6,000部を売り上げ、シリーズ累計発行部数は41,600部。

牛のバカンス

VACAciones

グラシア‧イグレシアス

Gracia Iglesias

Aerys Producciones

ベティスーという名の牛は、人里離れた小さな納屋でのんびり幸せに暮らしていました。毎日は平和でのどかで、何の変わりもない日々――しかしある日、突然すべてが変わります。これは単なる牧場のお話ではなく、旅する牛の冒険譚。たとえ牛であっても、旅の重要性や新しい経験、安心できる場所から飛び出すことの意味を伝える物語です。イタリア人イラストレーター、アンナ・ラウラ・カントーネの絵とともに、韻を踏んだ文章で綴られています。

Carles Soldevila著『Valentina』の表紙

バレンティーナ

Valentina

カルレス‧ソルデビラ

Carles Soldevila

Edicions 62, S.A.

家族関係の危機と主人公のアイデンティティの問題をめぐる小説。主人公の17歳の少女は、自分の中で作り上げた理想の世界が崩れ行く様を目の当たりにし、バルセロナの裕福な家庭の只中で、シェークスピアのハムレットからエレクトラに至る文学的モティーフを展開していく。一歩引いたところから、彼女は自分の家庭生活の凡庸さや欺瞞を暴き、実の父エウセビオ・バイセレスのような登場人物を動かす隠れた打算を白日の下に晒していく。この父親が主人公の復讐の標的となる。

カザーン谷

Valle Kazaam

マリア‧ルビオ

María Rubio

カザーン谷へいらっしゃい、宇宙でいちばんすてきな秘密の場所へ! ココはカザーン谷で、魔女のおばあちゃんと、ハムという名の数独の好きなブタの友だちと暮らす女の子。谷はすてきなものでいっぱい。水道からはイチゴシェークが出てきて、ドラゴンやポニコーンやイルカがいて、バニラアイスの雪が降る。だけどココは、普通でないことにすっかり慣れてしまって、楽しめない。すっかり飽きている。ある日突然、境界を越えて、知らない世界へ行くことに決めた。そこでミーウィーという、すてきな生き物に出会った。お腹に小さなモニターがついた、ロボットのようなもの。ココはびっくりしたが、ミーウィーをカザーン谷に連れていくことにした。だけど……、ミーウィーのことをほとんど何も知らないのに、連れていくのはいいアイディア? それに、ココは気づかないあいだに、カザーン谷の住民を危機に陥れていたとしたら?

Jonathan Arribas著『Vallesordo』の表紙

バリェソルド

Vallesordo

ホナタン・アリバス

Jonathan Arribas

Silvia Bastos Agencia Literaria

スペイン文学界に現れた、新しい独創的な声。2000年代、サモラ地方の村で過ごした幼少期を描いた、心温まる小説。『Vallesordo(バリェソルド)』は、理解されていると感じること、希望を持って生きることの重要性について、個性的な声で語りかける。その世代を代表する作家となることが期待される著者の鮮烈なデビュー作。

Gemma Pasqual i Escriva著『Vampira. Ser o no ser, aquest és el dilema』の表紙

女ドラキュラ。生きるべきか死ぬべきか、それがジレンマだ

Vampira. Ser o no ser, aquest és el dilema

ジェンマ‧パスクアル=イ=アスクリバ

Gemma Pasqual i Escrivà

Santillana Infantil y Juvenil

今の時代を生きる若い吸血鬼のラ・ヌリアは、おじいちゃんのエストルック伯爵と一緒に悪い人間どものたくらみをつぶそうとしている。やつらは上流階級にまぎれこみ、世界をのっとろうと考えているのだ。吸血鬼、魔女、そして愛がテーマの冒険に満ちたこのお話は、1ページ目からあなたをとらえて離さない。きっと最後まで一気に読んじゃうよ!

Teresa Gutiérrez de Cabiedes著『Van Thuan. Libre entre rejas』の表紙

ヴ'ン‧ト+アン 鉄格子の中の自由な魂

Van Thuan. Libre entre rejas

テレサ‧グティエレス‧デ‧カビエデス

Teresa Gutiérrez de Cabiedes

Editorial Ciudad Nueva

ものごとを変化させる途方もない力をもった英雄的行為についての実話に基づく小説。極限まで追い込まれた愛の物語。ある男が裁判も判決もなしに刑務所に入れられる。彼は絶望し、将来の夢をくじかれる。一見、自由を奪う抑圧勢力が勝ったかに見えた。そのとき、自由を奪われたこの男が全国民のシンボルとなった。彼が獄中から人道的論理を伝え、その反響が大きな嵐を巻き起こしたときに状況が変わる。F. X.グエン・ヴァン・トゥアンの驚くべき経験を言葉で表すのは不可能かもしれない。我々にできるのは、探求の物語を紡ぐこと、我々の最も貴重な宝「自由」を脅かす刑務所や死刑執行人に対する疑問や確信を俎上にあげることだけだ。

Max著『Vapor』の表紙

蒸気

Vapor

マックス

Max

Ediciones La Cúpula

主人公ニックは、何もかもが騒々しく、くだらない見せ物にすぎないこの世界、この世の中にあきあきし、砂漠にひっこんで、物事の本当の意味をさぐろうと決心する。しかし、砂漠でさえ気が散るものにあふれていた。ありとあらゆる疑念と疲労と略奪の末に、ニックはようやく心の平穏を得たかに見えた。ところが、どこかに運ばれて、史上最も魅惑的な見せ物、近寄りがたいサバの女王の一行の誘惑にさらされる。この最後の誘惑にうちかつことができたなら、この蜃気楼は消え失せ、世界の本質が輝きだすのだということを、ニックは直感的に悟る。

Amanda Lemos著『¡Vaya semana de deberes!』の表紙

ああ、宿題の1週間!

¡Vaya semana de deberes!

アマンダ‧レモス

Amanda Lemos

Ediciones Idampa

今週、クレメンテは一度も宿題をやってこない。言い訳に途方もない話をするが、だれも信じない。とうとう、先生はクレメンテのお母さんと話すことにする……。この先生は、だれもがこんな先生がほしかったと思うような、センスがよくて辛抱強い、すばらしい先生だ。先生とクレメンテとお母さん、3人の主要登場人物が、生き生きと個性豊かに描かれている。

Cristina García Marcos著『Velocismo』の表紙

スピード至上主義

Velocismo

クリスティナ‧ガルシア‧マルコス

Cristina García Marcos

Velocismo Editorial

オートバイのスピード競技世界選手権で世界チャンピオンをかけて出場しているガスパルは、激しい最終レースの最中にプロドライバーとして歩んできた厳しい道のりと、現在の地位に辿り着くまでに想定したすべてのことを振り返る。その一方で今のライフスタイルが及ぼす実質的な影響や、競技の世界で気品を保つことの可能性について考える。この作品はユートピア小説という複雑で数少ない小説のジャンルに分類される。「ありえること」の心理学的描写で、長きにわたって誤解されているニヒリズムを避け、また「反ユートピア」の泥沼と安っぽい悲観主義を、不動性を正当化するための口実とすることも避けている。しかし、単純化、道徳主義、野暮ったさを控えることでこの種の文学が持つ難解さを克服し、良質な本に仕上げている。

美術品、骨董品を売る

Vender obras de arte y antigüedades

アナ‧トリゴ

Ana Trigo

Instituto de Asesores

美術品や骨董品を販売しようと考えるオーナーが抱く疑問はいくつもある。「個人で取引する? オークション? それとも画廊?」「この手数料は妥当?」「提示された評価額は低すぎないか?」「輸出ライセンスは必要?」 本書はそうした全ての疑問に対し、アート市場で長年の経験を持つプロの視点から回答している。例えば、あなたの美術品や骨董品の価値を知る方法や、高価な美術品の見分け方、あなたの作品に最適な販売方法、オークションの仕組みと手数料、販売委託契約について知っておくべきポイント、画廊や骨董品店への売り込み方、オンラインのプラットフォームやオークションの仕組み、スペイン国内・国外のどちらで販売するか、最も良い条件で販売するための交渉テクニック、実例にもとづいた実践的ケース。

Antonio Orejudo著『Ventajas de viajar en tren』の表紙

列車で旅する利点

Ventajas de viajar en tren

アントニオ‧オレフド

Antonio Orejudo

Laure Merle d'Aubigné (A.C.E.R. Agencia Literaria)

ひとりの女が夫を精神病院に入院させた後、列車でマドリードへ帰るときのこと、列車の中で見知らぬ男に、彼の人生の話を聞きたくないかといきなりたずねられる。男は先刻の精神病院で働いている精神科医。患者の語ったことや書いたものを通して人格障害を研究しているという。その文書が入ったファイルを、男はたずさえていた。ところが、男は途中駅でしばしホームに降りたときに列車に乗り遅れ、ファイルは女の手に残される。こうなると、読者は女とともにファイルの中身を読みたくてたまらない。創意にあふれた患者たちの物語が、セルバンテス的手法の見事な円環構造の中で展開していく小説。

Juan José Martínez著『Ver, oír y callar. Un año con la mara Salvatrucha』の表紙

見る、聞く、沈黙する&マラ‧サルバトゥルチャ13との1年

Ver, oír y callar. Un año con la mara Salvatrucha

フアン‧ホセ‧マルティネス‧ダビュイソン

Juan José Martínez D'aubuisson

Oh! Books Literary Agency

「マラス」は、ヒスパニック系移民が生き延びる手段として、米国で生まれたストリート・ギャングである。マルティネス=ダビュイソンはマラスという現象を説明するのではなく、彼らとの共生を試みる。1年間、エル・サルバドル最大級のマラス「マラ・サルバトゥルチャ13」の一派である「ロス・グアナコス・クリミナレス」と共に過ごした。彼らはある丘の上を拠点としているが、その麓を牛耳るライバルグループの「バリオ18」によって劣勢に立たされている。1年を通して、著者は連日「グアナコス」を訪れる。それは彼らの集団のしくみを内側から見るためではなく(そんなことは不可能だ)、許しが出れば、特権的な見学者として彼らを見るためなのだが、だからと言って受け入れられているわけではない。網羅的な社会学的調査を意図してもいない。我々読者に対し、そこで唯一可能な悲観的文学という視点から、彼らの日々を語っている。

Ledicia Costas著『Verne y la vida secreta de las mujeres planta』の表紙

ヴェルヌと植物女の秘密の生活

Verne y la vida secreta de las mujeres planta

レディシア‧コスタ

Ledicia Costas

Donegal Magnalia S.L. (Antonia Kerrigan Agencia Literaria)

ビオレタの家族には長い間守りぬいてきたある秘密がある。かの有名な作家ジュール・ヴェルヌは、旅行鞄と質問をどっさりかかえて、ビゴ港で下船した。ヴェルヌは植物女についてすべてのことを知りたがり……植物女たちは生きのびるために、彼の発明の助けを必要としている。謎と冒険と太古の魔法が、海中の森への一刻を争う急展開の旅を待ちうける。

Esperança Camps著『Vertigen』の表紙

眩暈

Vertigen

エスペランサ‧カム

Esperança Camps

Sembra Llibres Coop. V.

ギリシャのERTテレビ局が閉鎖した。そこで働いていた男性ジャーナリストは経済危機を理由にヨーロッパ第2の公的テレビ局が閉鎖したことを巡る疑念と悲惨さを、もろに体験する。様々な出来事が狂ったようなスピードで起こる状況の中、アンドレアスとノラは誤解を受け、地中海の両岸に存在する極右の標的になる。現実とフィクションを大胆に織りこんだこの推理小説は、恐怖、狭量、希望が混在する経済危機下の南ヨーロッパ社会に読者を引きずりこむ。

Fran Nuño著『Viaje a la Luna』の表紙

月世界旅行

Viaje a la Luna

フラン・ヌニョ

Fran Nuño

Sallybooks Editorial

1902年、フランスのイリュージョニストであり映画監督のジョルジュ・メリエスは映画『月世界旅行』を公開しました。この映画は、天文学者の一団が月にたどり着くまでの冒険と、そこで彼らが発見したものを描いています。そして今、そのコミック版が登場しました。冒険と楽しさは保証されています。いざ、月への良い旅を!

Tomeu Simó Mesquida著『Viaje al sur』の表紙

南への旅

Viaje al sur

トメウ‧シモ‧メスキダ

Tomeu Simó Mesquida

Vasaris Balta

フィンランド北部の小さな村、イナリに住むテントウムシの家族の物語。ヘンリの家の窓に住んでいるテントウムシ一家は、雪と寒さでいつもかなしそう。みんなが幸せになれる方法をさがしていたヘンリは、ドアをノックした郵便屋さんを見て思いついた。そうだ、テントウムシ一家を南へ送ろう。こうしてヨーロッパの北のはじっこイナリから、南のはじっこスペインのグラサレマ山脈(アンダルシア、カディス県)までの旅が始まった。とうちゃくしてカディスの緑の山々を見たテントウムシたちは大喜び。だけどヘンリのことをわすれてはいないよ。だから特別のプレゼントといっしょに手紙を送った。技術が発達して人間的なものが少なくなったこの時代に、手紙の持つ魔法を思い出させてくれる物語。フィンランドからスペインへ、これほどすてきなものはない。

Dani Torrent著『Viajes en trenes de primera clase』の表紙

一等列車の旅

Viajes en trenes de primera clase

ダニ・トレント

Dani Torrent

MARINA Books

自己認識と女性のエンパワーメントに関する、国際的に評価を得た絵本。クレメンティナは、シルクのドレスと一等列車の年間パスを買うために、最後の1セントまで使い果たした。その専用車両では、息つく暇もなく、気品ある乗客たちが、長い旅を我慢できるものにするための会話をしていた。こうしてクレメンティナには、国内で最も高貴な紳士たちと交流するための12ヶ月間が与えられた……。

道化師の人生。おかしくもかなしげなもの。

Vida de clown. La tragicomedia del ser

アラン‧ヴィニョー

Alan Vigneau

情熱的で陽気で魅力的な、一風変わった伝記。フェデリコ・フェリーニの映画とシュールレアリスムの詩の間にあるようなアランの人生は、人の有するレジリエンスを私たちに明示し、夢を追い求めるよう誘いかける。《苦しくとも勇気ある豊かな人生が描かれたこの伝記を通して、アランは道化師の鼻、つまりこの小さな仮面が、私たちを自分らしくさせ、自分たちの小ささや厳しい現実を前にした時の困惑を示してみせ、その傷を癒すことを発見した……。今やこの発見によって彼は壊れた魂を見事なまでに治癒することができるのだ。》」(イマ・サンチス、ラバングアルディア紙)、《もし自分の家が火事になったら、いや、もし自分の人生が炎に包まれたら、何を救い出すか? 何が大切か? 『Vida de clown(道化師の人生)』で、赤鼻を付けた詩人アラン・ヴィニョーは、あのおかしくもかなしげな声できっぱりとこう答える。「私は迷うことなく火を持ち出すだろう!」》(チェリフ・チャラカニ)

美徳(そしてミステリー)

Virtudes (e misterios)

シェスス‧フラガ‧サンチェス

Xesús Fraga Sánchez

Editorial Galaxia

ア・コルーニャ県のアス・マリーニャスに暮らすある家族の物語。印象、記憶、写真、母親の日記、信頼できる証言などを元に、作者のシェスス・フラガはまるでキャンバスに絵を描くみたいにこの20世紀後半の物語を展開させていく。登場人物たちが引き寄せられる街ロンドンの入り組んだ地下鉄路線のように、多くの読み方ができるのも本作の特徴だ。また感嘆すべき孫とその強い祖母の物語でもある。出て行った人が同じような人間として戻ってくるわけでもなければ、去った土地も出ていった時と同じではないということを本作は伝えている。

ビバ、色とりどりの生活

Viva la vida de colores

カルロス・ガルシア・スニィガ

Carlos García Zúñiga

La Maleta Ediciones

音楽グループ・ハプニングの4枚目のアルバムからの初のシングルであり、1月30日の「非暴力と平和の日」を祝うために15万人以上の学生が歌い踊った楽曲、「Vivan las manos de colores(ビバ、色とりどりの手)」。同曲のヒット後、ハプニングは「Viva la vida de colores ビバ、色とりどりの生活」と題したショーをすることに決めた。同じタイトルを持つこの物語によって、グループはそのショーで演奏されるすべての歌の世界にわたしたちを連れていってくれるだろう。

Jesús Ponce著『Vivero』の表紙

育苗場

Vivero

ヘスス・ポンセ

Jesús Ponce

Editorial Dosmanos

アルツハイマー症候群を患う父の介護者となる息子を描いた、親密で穏やかで深遠な作品。変容と記憶を探求するために、著者は極めて詩的なテキストのコラージュをつくりあげる。人生と言葉の中で、脆さと強さがどのように絡み合うかを理解するために不可欠な一冊。

Clara Pastor著『Voces al amanecer y otros relatos』の表紙

夜明けの声とその他の物語

Voces al amanecer y otros relatos

クララ‧パストール

Clara Pastor

Quaderns Crema

異なる舞台設定ながら似通った雰囲気が漂う4つの物語がクララ・パストールの小さな世界を作り出す。いくつもの道に枝分かれする記憶の回想と、最も近しい人々との間にできた大小の隔たりを縮めるために登場人物たちが手探りで行動するさまを、巧みに、そして繊細に描いている。家族の庇護と子供時代を過ごした家庭は、大人が人生に失望したときに逃げ込める懐かしい思い出の場所となると同時に、目に見えない蜘蛛の巣にもなるのだ。しんみりと、どこか懐かしさを思わせるこれらの物語は、共有する秘密を話すような親しさで読者に語りかける。

雪のつもる火山

Volcancito nevado

ホルヘ‧ルiン

Jorge Luján

Editorial Kokinos

アルゼンチン出身でメキシコ在住の詩人、ホルヘ・ルハンと、作家兼イラストレーター、マンダナ・サダトによる5冊目の絵本。文字の形と現実にあるものの相似や類似をもとにした、とても独特なアルファベットについての、非常に楽しい本。大人のように論理的に思考するのではなく、類似性に基づいた思考力を持つ子どもたちに近い感性で作られている。

Sandra Alonso著『Vuela』の表紙

飛べ

Vuela

サンドラ‧アルンソ

Sandra Alonso

Grupo de Comunicación Loyola, S.L.U.

両親との旅行も楽しいけれど、マラが本当に好きなのは、毎年、夏の村祭りを楽しむこと。今年は、特別な気球がマラをいろいろなところに連れだし、人生で何が本当に大切かを教えてくれる。バレリア・シャポバロワによるイラストで、どれだけ離れていても、わたしたちを結びつける絆はあるとわかるすばらしい作品。

José Morella著『West End』の表紙

ウエストエンド

West End

ホセ‧モレリャ

José Morella

Agencia Literaria Carmen Balcells

本作で、ホセ・モレリャは、祖父ニコメデスの人生を振り返る。ニコメデスは、精神病を患ったが、当時その治療や扱いはフランコ主義の時代特有の非人道的なものだった。ニコメデスについて話すことは常にタブーで、親族の集まりでもそれに触れる者はなかった。ホセ・モレリャは、わずかな手がかりを頼りに家族の数人から話を聞きだすことに成功し、祖父の人生に関するとても感動的で勇気ある物語を紡いだ。本書はまた、70年代スペインの生々しい証言にもなっている。この小説はニコメデス個人の話を超越して、アンダルシアの田舎からイビサ島まで読者を導く移住の物語であると同時に、人のもろさについて、そして私たちがどのようにアイデンティティを構築するかについての深い考察でもあり、結果として様々な思いを解放することにつながっている。

ぼくはもう悪い子じゃない

Xa non son malo

パウラ‧メルラン

Paula Merlán

Antela Editorial

オオカミのワルは花咲く森で、友だちのハリネズミのウヌボレといっしょに暮らしている。いっしょに森を見守り、道で見つけたごみを拾ってリサイクル。だけど、ワルは信用されない。もう悪い子じゃないのに。分かってもらえるでしょうか? 本作は自然と友情、そして何よりセカンドチャンスを描く、美しい物語。

Tony Amago著『Xiquetes que van imaginar allò impossible (i ho van aconseguir)』の表紙

不可能なことを夢見る女の子たち――そして彼女たちは実現する

Xiquetes que van imaginar allò impossible (i ho van aconseguir)

トニー‧アマゴ

Tony Amago

Edicions Bromera S.L.U.

小型機の飛行士、船乗り、考古学者、バイクライダー、世界旅行者、動物学者、博物学者、ジャーナリスト、パイロット、宇宙飛行士、登山家…、不可能と考えられていた無謀な夢を見て、ついにはその夢を実現した世界の約20人の女性の物語を描いた絵本。彼女たちのひたむきな人生知ると共に、興味深いエピソード、素晴らしい旅や偉業にまつわる逸話にも触れられる。さあ、あなたも不可能と思われることを夢見てみようじゃないの!

Eduardo Rojas著『Y apenas nada』の表紙

そして、ほとんど何も

Y apenas nada

エドゥアルド・ロハス

Eduardo Rojas

Drácena Ediciones

カリフォルニア湾に面した海辺の村の外れにある砂丘で、ある日の午後、息子ナポレオン・チコモストックが忽然と姿を消したことへの母親の嘆きそのものの作品。しかし、ナポレオン・チコモストックとは一体何者だったのか? 彼は重度の神経衰弱に苦しみ、赤ん坊だった一人息子を連れた妻にさえ見捨てられた無能な男だった。今では、彼の痕跡は、自転車と、二度と戻らないとは信じたくない母親の激しい苦痛にしか残っていない。 この単純なストーリーに対し、エドゥアルド・ロハスは、前作の小説『La mujer ladrillo(レンガ女)』(2016)と同様に、見事な物憂い語りをたち上げる。一文一文に込められた郷愁で、登場人物たちが感じている憐れな無力感が一層強まる。ロハスは、独特な散文を駆使し、傑作の域に達するばかりか、その簡潔さと痛ましい深さから「詩的リアリズム」と呼びうる、スペイン語文学の新たな様式を確立している。

Robert Juan-Cantavella著『Y el cielo era una bestia』の表紙

そして天はひどかった

Y el cielo era una bestia

ローベル‧フアン-カンタベーリャ

Robert Juan-Cantavella

Editorial Anagrama

シグルズ・マットはバルセロナに帰って来た。この地を去ってから30年の月日が流れていた。当時は未確認動物学に入れ込んでいて、同級生のベレールやシェーグレンと一緒に超常現象の謎を探ろうとやっきになったり、公式の科学の教えに反する危険な動物や存在しない動物を追いかけたりしていた。師と仰ぐ人たちがそうしていたように、普通の科学を「公式の科学」と呼んで軽蔑していた。しかし2007年も終わろうとする今、疲れ切った負け犬のシグルズはピレネー山中の小さな村ボルに向かった。官僚たちの間で知られる古い温泉、ブルトゥロの療養所でしばらく過ごそうと思っていたのだ。持ち物の中には、ハンブルグに送られてきたベレールの遺書と、同封された「コロンブキルを追って」と題された奇妙な本の一部とおぼしきものが入っていた。その本の内容や意味を知るには、全編をそろえなければならなかった。

そろそろ君は落ち着くだろう

Ya sentarás cabeza

イグナシオ・ペイロー

Ignacio Peyró

Libros del Asteroide, SLU

「メディアが提供するマドリードのイメージはとても興味深い。一日がリッツから始まり、昼はインターコンチネンタル、夜はパレスホテルで終わるが、もちろん、貧乏は相変わらずだ」マドリードの若い政治特派員として、バルとニュースルーム、本とガールフレンドたちの間を行き来しながら人生を始めることは、ピカレスクあるいはストイシズムを気取る口実になる上に、作家を目指すジャーナリストにとっては何よりすばらしい修業の機会となるものだ。作者が、自身が持つ幸福への使命感で人間不信を抑えつつ一片の皮肉もなしにつづったこの日々の記録は、青年から大人にかけて人生が本格的に始まる瞬間を明晰な観察眼で映し出した、文学的で心地よい旅路そのものだ。

Susanna Isern著『Ya soy mayor』の表紙

ぼくはもう大きい

Ya soy mayor

スザンナ‧イセルン

Susanna Isern

La Galera Editorial

幼い子どもの自立心を刺激するのに理想的な作品。ちっちゃいゾウくんはもう大きくなったので重要な任務を任されました。それはカメさんの100歳の誕生パーティーに必要なものを“ひとりで”買いに行くこと。失敗するはずないよね? ろうそくとチョコレートと風船を買うだけだし、どこに行けばいいのかも知っているのだから。けれども、なぜだか問題が次々に起こります。数を間違えたり、チョコレートを食べてしまったり、あちこちに行くのが遅くなったり、迷子のミーアキャットを助けるのに時間を食ってしまったりと、任務は完全に失敗です。スサンナ・イセルンはこの物語で、初めてのおつかいやその結果にどう対処するかを教えてくれます。

Carlos Zanón著『Yi fui Johnny Thunders』の表紙

俺はジョー‧サンダースだった

Yo fui Johnny Thunders

カルロス‧サノン

Carlos Zanón

Casanovas & Lynch Literary Agency

ミスターフランキーことフランシスは、生まれ育った土地に戻ることにした。ロックンロールの夢を追い求めて、一度はそこから飛び出した。ロックンロールはその指先で彼の頬をちょいとかすめ、束の間の有毒な名声を与えたが、今は貧しさや麻薬中毒とおさらばする時だ。しかし地元の古い地区は、未だに父親や腹違いの妹、初恋の相手、数人の友人がうろつく廃墟だった。何もかも新しくやり直したいフランシスだったが、昔のしがらみや、3分間の歌があり、過去の自分を捨てきれない。フランシスにとって直線は、2点を結ぶ曲がりくねった長い線だった。今請求書や宿泊代は払ってもらっているが、いつまでもこのままではいられない。前に踏み出すには誓いだけでは不十分だ。そう、彼は一度はジョニー・サンダースだったのだから。

私、ガウディ

Yo, Gaudí

シャビエル‧グエイ

Xavier Güell

Galaxia Gutenberg SL

サルダーニャで療養中のガウディが重篤な病の床でしたためた21通の書簡。その中に示されたこの偉大な建築家の胸のうちを元にフィクションを交えて綴った本作は、ガウディ本人が家族、仕事、友人への想い、そして情愛、野心、失望について一人称で語る興味深い作品である。作者のシャビエル・グエイは、ガウディのほぼ全てのプロジェクトに資金提供を行ったエウゼビ・グエイの末裔であり、本書は、ガウディとその世界的に有名な建築物について、われわれが抱き続けてきた多くの疑問に答えてくれる格好の読み物でもある。読者は本書を通じ、これまで知られていなかった、激動の時代を駆け抜けたこの天才の生き様と創作の過程を深く理解することとなるだろう。

私がレKッ+‧ブラック'ッドを殺した

Yo maté a Rebecca Blackwood

アナ‧トリゴ

Ana Trigo

Instituto de Asesores

不穏な言い伝えが残るストラディバリウスのチェロ、謎の失踪、未解決事件、一筋縄ではいかない幽霊話――2019年7月、世界の主要紙は衝撃的なニュースを大々的に報じた。「著名チェロ奏者レベッカ・ブラックウッド、嵐の夜に消える。夫、助手とともにヨットで航海中」。警察による必死の捜索活動や緻密な捜査でも、彼女の身に一体何が起きたのか手がかりがつかめないまま3ヶ月が過ぎる。そして10月31日、レベッカの死亡宣告まで残り数時間。借金取りに追われつつ、俳優としての再起を図る夫、アルバロ・トゥリスタンの手に妻の巨額の遺産が転がり込もうとしていた。

私はミスターノバックではない

Yo no soy Mr. Noback

ミゲル‧アンヘル‧メンド

Miguel Ángel Mendo

Ediciones Dokusou

ニューヨークからバラハス空港に着いたカルロス・Hは疲労困憊しきっていた。出迎えに来た自分の母親と恋人の姿を見つけ、だるそうに歩き出した彼だったが、到着を待つ群衆の中に美しい女性を見かけて、ついついそっちに足を向けてしまう。「ミスターノバック」と書かれたボードを持ったその若い女性にカルロスは、「こんにちは、ノバックです」と手を差し出して・・・この無謀ななりすましから、カルロスはこれまでの人生とはまったく異質な世界に深く引きずりこまれていく。何もかもとんでもない世界に。本作は知的かつ愉快で複雑な筋書きの喜劇であり、人が自分や他者のアイデンティティを形成する複雑な方法、そしていかにして他人のふりや変装をうまくやり遂げるかについての考察を織り交ぜた作品である。

Raquel Díaz Reguera著『Yo voy conmigo』の表紙

私は私らしく

Yo voy conmigo

ラケル‧ディアス‧レゲーラ

Raquel Díaz Reguera

Thule Ediciones

好きな男の子に見向きもされない女の子。悩む女の子に友達はお下げ髪をほどけ、眼鏡をはずせ、微笑め、そばかすを消せ、元気があり過ぎる、おしゃべりを止めろ、など様々なアドバイスをする。好きな子がようやく振り向いてくれた時、あれこれ自分を変えてしまった女の子は、あの浮き浮きした気持ちさえ失くしていた。そして自分らしくないことに気づいた女の子は以前の自分に戻っていく。

Carmen Chica著『Yokai』の表紙

妖怪

Yôkai

カルメン‧チカ

Carmen Chica

Fulgencio Pimentel Editorial

本書の出発点となったイラストレーションは、2017年3月にボローニャSM出版賞という、児童書のイラストレーション分野で世界的に最も権威ある賞を授与された。人間の手の加えられていない自然は不思議に満ちている。そこに入り込むことは、見えない扉をくぐることだ。まわりの世界が一変し、私たちのアイデンティティーが揺らいでくる。青空のもと、何かが解き放たれる。音のない突風、私たちの中に常にあった存在とのつながり。どんな山であれ、山に迷いこむことは、それまでの自分の一部をなくすことを意味する。夢から覚めたときと同様、山から戻ったとき、見知った世界がしばらくのあいだ見知らぬものとなる。そして、少しのあいだ自分が別のものになっていたことをはっきりと感じる。

ユミとバンF。アリマーニャはスーパースター

Yumi y su banda. Alimaña superstar

J. オジョキ

J. Olloqui

Editorial Drakul

わたしはユミ、10歳。大きくなったらロックグループのドラマーになるの。将来性がある職業で、きっとお金持ちで有名になれるから。今から話す信じられない話は、ビデオクリップを撮影しようとしたときに起こったの。そのとき親友のアリマーニャはロックスターになるって決めたんだって。そのあとわたしは騒動に巻き込まれたの。パパはわたしに本当のことを言うように約束させたけど、そのせいで騒ぎはもっと大きくなった。その間に、お姉ちゃんのアレックスとわたしは部屋の真ん中に境界線を作って、相手のテリトリーに入れなくなっちゃった。ビデオクリップは撮影できたけど、学校では上を下への大混乱が起こってしまったの。そう、これはわたしたちのせいじゃない、確かよ。『グレッグのダメ日記』と同じ形式の、たくさんのイラスト付きの児童書で、ユーモアを通して子どもたちが音楽の世界に近づくことを応援している。

Zooilogico著『Daniel Montero』の表紙

おかしな動物園

Zooilógico

ダニエル‧モンテロ

Daniel Montero

Ediciones Jaguar S.A.U.

実際にはいるわけのない動物たちの、独創的で楽しい寓話集。空想の世界ではどんな虫も動物もありえる。そんな空想世界でダニエル・モンテロが読者を驚かす。意表をつくイラストレーションに、読者の目はくぎづけ。

Luis Camacho Campoy著『Zoomorphic Manual』の表紙

獣形図鑑

Zoomorphic Manual

ルイス・カマチョ・カンポイ

Luis Camacho Campoy

Maldragon Editorial, S.L.

奇妙な存在、はっきりした形のないもの、恐ろしく圧倒的なもの、忌まわしく抑圧的なもの、そして太古の昔から私たちの歴史を築き上げてきた古代の神々が絡み合う中で、光と影、色彩と闇、現実の時間と、体験された現実におけるその時間の隔たりのはざまで、ルイス・カマチョは、私たちの精神の奥底、感情、そしてラヴクラフトの魅力的ではない、実存的で苦悩に満ちた人生へと私たちを引きずり込みます。彼は私たちを、映画や文学の第一人者たちがインスピレーションの源として探求してきたラヴクラフト的な宇宙へと導きます。 この精巧な奇獣図鑑はあなたを魅了し、形をもたないフルート奏者の催眠術的な音楽を感じさせ、あなたをイヌート族の夢の国に没入させたり、宇宙の闇に絡み合う測り知れない生物や歪んだ次元でぞっとさせたりするでしょう。ルイスの卓越した絵に支えられたこれらのラヴクラフトの物語によって、あなたはこのラヴクラフト的な世界でどこに住んでいるのか、足を踏み入れるのか、それとも逃げ出したいのか、自問することになるでしょう。

Pato Mena著『Zorropintor』の表紙

絵描きぎつね

Zorropintor

パト‧メナ

Pato Mena

Ediciones Jaguar S.A.U.

かの有名なキツネ画伯はインスピレーションがわいて、新しい絵を描くことにした。いっしょに描いてみたい人はいるかな? キツネ画伯、写実主義の絵を描こうと思ったけれど、気まぐれなので、やっぱりシュールレアリスムの絵にしたくなった。でも気まぐれなので、今度はミニマリズムを描きたくなり……、結局すべての画風をとりいれた絵を描くことに。幼い読者に美術史における考え方の最初の手ほどきをし、グループで取り組むことの大切さを深く考えさせてくれる物語。

検索

検索