示唆に富んだ広告に惹かれ、プルデンシア・プリムは、サン・イレネオ・デ・アルノイスにやって来る。この村は、住民たちが現代社会の影響に戦いをいどんでいる、魅力に溢れる小さな村だ。プリム嬢は、「肘掛椅子の男」の図書館を開設するために雇われた。「肘掛椅子の男」は、インテリで深みと教養はあるが、デリケートさのかけらもない人物だ。ボスとのたびたびの口論にも関わらず、彼女は少しずつ村独特のライフ・スタイルを知り、まったく型どおりではない住民たちの秘密に気づいていく。機知に富んだ聡明でみごとな語り口で、本書は失われた楽園、理性と美の力、些細なものの後ろに潜む深みを探求する忘れられない旅に読者を誘う。