赤道ギニアの独立宣言の翌日、フェルナンド・ポー島サンタ・イサベルの黒人地区付近で、街のスペイン人コミュニティのリーダー格、パブロ・モンテシノスの死体が発見された。どう見ても自然死と思われたが、治安警備隊に配属された、書類整理担当の役人が、糸口をさぐり始める……。このように始まる本書は、かの地におけるスペイン人の最後の数か月と、非植民地化プロセスの失敗を描く。無責任な政府の決定、経済的利害、人種間・男女間の差別……そして祖国喪失、亡命、悲恋、失われた楽園の物語だ。