ヘンリー・マレーとクリスティアナ・モルガンは1925年ニューヨークで出会った。当時ヘンリーはハーバード大学の意欲的な医者で、ボストンの裕福な資産家の娘と結婚していた。一方、クリスティアナ・モルガンは美術を学ぶ激しい気性の学生で、退役軍人の妻だった。ふたりはどうしようもなく惹かれあい、スイスに渡ってカール・グスタフ・ユングの分析を受ける。ユングはクリスティアナを深いトランス状態に沈める。ノートに忠実に再現され描かれた若いクリスティアナのビジョンは、その後42年間続く絶対愛を探る実験の出発点となる。
当時の男性社会に果敢に立ち向かったクリスティアナ・モルガンの姿を描く。極限の思いにつき動かされた女性の波乱万丈の物語。