歴史小説。ローマ帝国の最も偉大な軍人、エデタニア出身のマルクス・コルネリウス・ニグリヌス・クリアティウス・マテルヌスは、皇帝の座を巡るもうひとりの候補者トラヤヌスの野望にとっての脅威とみなされ、ダムナティオ・メモリアエ(記憶の破壊)を受ける。ニグリヌスは、最高の勲章を授与された将軍で、当時最も輝かしい軍歴を持ち、執政官となり、ローマ帝国の属州アクィタニア、モエシア、シリアの総督を務めるが、ローマ皇帝ネルウァは後継者としてトラヤヌスを選んだ。ニグリヌスが退き、強制追放され、彼の名前を口にすることも禁じられるというように、あっという間に事態は進み、内戦の可能性は消えた。しかし、エデタニアの地から、ニグリウスとその家族は何とかして彼の記憶を守るため闘おうとするが、ニグリヌスの失脚によって、その影響力と莫大な財産を奪おうと狙う者たちが大きく立ちはだかる。