ある雨の午後、女の子は偶然、お母さんが思い出の品物を大事にしまっている箱を見つけ、今とはぜんぜん違うが、それほど遠くない過去へ旅を始める。時の流れ、私たちに影響を与える変化、来るべき機会についての物語。時間的にはさほど遠くなく、でも、短い期間のうちに起こった変化によって今とはずいぶん違う過去の子ども時代へまなざしを投げかける本。大人にはノスタルジーを喚起し、現代の子どもには好奇心と知識をもたらす。評価することなく、世代間の対話のかけ橋となり、各自が生きた時代によってアイデンティティが形成される可能性を浮き彫りにする。