Concha Pasamar
コンチャ‧パサマール
コンチャ‧パサマールは文献学の分野で主に活動してきた。しかし日頃から絵を描いていた彼女は、近年イラストレーションの方向に舵を切り、著名なプロのイラストレーターによる講座やワークショップで学んだ。イラストレーションの仕事で、メディア、音楽、教育の分野に活動の場を広げ、CDやイベントや教材に載せる絵を描いている。文芸創作や、文章と絵の結びつきに関してのワークショップを開催する一方、何冊もの児童書や大人向けの散文にイラストを添える。bookoliaからは、Arrecife y la fábrica de melodías(アレシフェとメロディー工場)、13326、そして2019年にクアトロガトス財団賞を受賞した『Cuando mamá llevaba trenzas(ママが三つ編みにしていたとき)』(bookolia、当サイト2020年紹介作品)が出ている。
ある雨の午後、女の子は偶然、お母さんが思い出の品物を大事にしまっている箱を見つけ、今とはぜんぜん違うが、それほど遠くない過去へ旅を始める。時の流れ、私たちに影響を与える変化、来るべき機会についての物語。時間的にはさほど遠くなく、でも、短い期間のうちに起こった変化によって今とはずいぶん違う過去の子ども時代へまなざしを投げかける本。大人にはノスタルジーを喚起し、現代の子どもには好奇心と知識をもたらす。評価することなく、世代間の対話のかけ橋となり、各自が生きた時代によってアイデンティティが形成される可能性を浮き彫りにする。
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児童書・YA
ママが髪をみつ編みにしていたとき
Cuando mamá llevaba trenzas
コンチャ‧パサマール
Concha Pasamar
Bookolia Editorial
本書は、今この時を注意深く観察することで、一見何でもない瞬間の美しさを愛で、その瞬間を生きる勇気を与える、時間を超越した作品。平穏へのいざない、人生のなかにあるほんの小さなことに思いをはせること。一人称で語られる口調は親しみやすく、メランコリックで、主人公の女の子は移りゆく小さな変化を賞賛し、発見し、楽しんでいる。
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