ティーとカメレオンはきょうだい。きょうだいってことは、すごく運がいいってこと。だってふたりの世界は光に溢れ、はちみつのように甘くて、日々、なにか冒険が起こる。大きな紅茶の雲に乗って旅をしたり、釣りを楽しんだり、ドレミの湖でコンサートがあったり。日本人イラストレーターの鹿島孝一郎が描いた世界に入り込んだ、チリ人作家マリア・ホセ・フェラーダが主人公たちの冒険を物語る。ここでは雲や木々、風景を作り出すもの全てがそれぞれ人格を持っている。ティーとカメレオンは大きなティーポットの中に住み、外に出ては信じられないような冒険を経験する。このとても小さな生き物の世界で起きる出来事は何でもないようなことばかりだが、豊かな想像力と十分な時間があるときに私たちが体験する冒険と同じくらい大きな事件だ。