時は1923年。17歳のエレーナ・レノックスにはひとつの願いがあった。それはロンドンの退屈な日常を、遠い土地での冒険と発見の生活に取って替えるということだ。だから両親が消息不明の考古学者たちを調査するためにインドに行くことになったとき、彼女はついていくことを決心する…両親が出発して数日後、こっそりと。幻影の街バンガルにまつわる伝説はたくさんあるが、エレーナは一度たりとも迷信を信じることはなかった。しかし英国人を憎む王子、アルシャド・デ・ジャイプールは彼女は間違っているという。バンガルは呪われており、日が沈んで王宮が暗闇に染まったとき、その壁の中にいる者はみな跡形もなく消えてしまうのだ。1920年代のインドを巡りながら、エレーナはある調査に巻き込まれることになる。その調査では、誰も闇の都市から戻ってくることはないという確信だけが絶えず顔をのぞかせるのだった。