シェニアは、医学部に入りたくて、よい成績をとろうと頑張っているのだが、最近成績がふるわない。恋をしたからだ。しかも、相手はそこらにいる男子ではなく幽霊だ。一度だけインターネットの中で出会い、本好き同士、意気投合したのだった。彼女の気持ちは決まっているが、バーチャルな恋人が先の約束はできないという言うため、彼女は不意打ちをかけて驚かせてやろうと、手に入るわずかなデータをもとにして調査を開始する。そして、わかったのは、写真も名前も何もかもが嘘だということだった。魂の片割れである彼は、本当は何者なのか。勉強がおろそかになっているのを悔いたシェニアは、どこかの恥知らずな輩にもてあそばれたのだと思い、すべてを両親に告白する。ところが、まもなく思いがけない荷物が届き、少年の正体がわかり、いっそう親密な心の交流が始まる。彼は少年院にいる、殺人歴のある少年だったのだ。