ブランコス山脈の向こうに、ひとつの島が出現した。その島には枯れ木が1本あり、その木には6羽のカラスがとまっている。伝説によれば、カラス列島と名付けられた6つの島々はそのカラスとともに生まれた。気まぐれな海や風や魔法にゆだねられているその島にいるのは、水のドラゴン、絶望した残忍な王たち、預言が達成されるまで同じ場面を何度も繰り返し生きる定めを持つ幽霊、呪い、異世界への窓を開くお酒、血のクローバー、石の迷路、迷子の子どもたちなど。その中にいるナイアという少女は、ある日盗まれた一番大切なもの、つまり自分の弟を見つけようと決意していた。