1935年、マドリード。共和派の知識人の粋が集まる学生寮に、アメリカ人の若い娘が到着する。実在の人物と架空の人物がマドリードの街角で交錯する。ポプラの丘の夕べという学生寮の有名なパーティーにひきよせられて、芸術家、ミュージシャン、伊達男、詩人、夢想家、学生たちがあらゆる場所からやって来る。ところが、ひとりの学生の死体が近くの灌漑用水用の運河に浮かんでいるのが見つかり、学生寮の心地よくすみきった雰囲気は突然吹き飛ぶ。また、やってきたばかりのアメリカ人の女の子と高名で懐疑的な教授の間の激しい愛の物語が始まり、教授は難しい岐路に立たされる。犯罪の影と並行して進んでいく、情熱的な禁断のロマンス。主人公たちは、命が代償になりかねない第一級の国家機密やスキャンダルや陰謀に満ちた蜘蛛の巣に絡められていく。