1940〜50年代のスペイン、農家が点在する、マエストラスゴのある村で展開する小説。一帯の森林にはマキ(反フランコゲリラ)が潜む。その家の娘のテレサは物心両面からマキのゲリラに加担しているが、夫を治安警察に殺された母親は、そんな娘の行動に気をもんでいる。末息子が語り手となり、秘密と暴力に満ちた村の状況を明らかにしていく。テレサと親しいマキのゲリラは、治安警察のスパイだった。それがきっかけで、ある誤解から銃撃戦となる。一家はゲリラと治安警察との戦いによって翻弄され分裂させられる。バレンシアの山村を舞台に、主人公の少年とその家族の変遷をたどる小説。