ガブリエルとトニは9歳の夏休みに、家族と過ごすキャンプ場で出会った。ふたりは仲良くなり、また、同じ学校に進学したことから互いが親友といえる存在になる。しかし次第にふたりの友情は壊れ始める。果たして正義のためならば暴力に訴えることは許されるのか。トニの反対にあっても、ガブリエルは許されると信じ、それを証明しようとする。「覆面をした男がどこからともなく現れ火炎瓶を投げた。一瞬時間が止まった。人々は息を止め、騒音は掻き消えた。火炎瓶はスローモーションで撮影した映像のようにゆっくり空中を飛んで僕たちの頭上を通り過ぎた。そしてブルドーザーのひとつに当たった。その瞬間、今度はまるで誰かが早送りのボタンを押したかのようだった。火の玉がそこ一面を地獄へと化した」