1097年4月12日。ドーノックの小さな城に、背が高い痩せた男が到着する。背中が少し曲がり、鼻が奇形の男。スコットランド王マクベスの息子、マクベスだ。彼がやってきた目的は、バンクォーの息子フリーアンスに会うためだ。罪と血の歴史がふたりを結んでいる。王の座を手に入れるための陰謀で、罪を犯したマクベス王は復讐によって首をはねられて死んだ。それから40年の時が流れる。60代になり、足元さえおぼつかないふたりの老人は今何をしようというのか? 短剣抜きの決闘。ルールはあいまいで、その原因は遠い昔に遡る。言葉と想い出と予言と復讐の決闘。しかし結局激しい決闘になる。その再会の瞬間から、最後の決戦を前に、事件、秘密、告白が夜を徹して続く。