ロジャー・マーフィーはすべてを持っていた。マリーナ地区のすばらしいマンション、世界一の犬、サンフランシスコの新聞の中でも、最もよく人びとの話題にのぼる新聞のコラム欄。しかし、大地が揺れ始めたとき、すべてを失い、突然、生きのびるための戦いのただ中におかれる。崖っぷちに立ったとき、ヴィクトール・フランクルが彼の人生に入りこみ、生き方を変容させた。ホロコーストを生きのびた、『夜と霧』の作者であるフランクルは、ロジャーにナチスの捕虜収容所での経験、そのあとの勝利までの道のりを語り、彼を悩みから解放する。
フランクルの秘密……人であることの最後の自由。