「わたしの街に、山高帽の7人男がいた。7人はいつもいっしょに散歩していた。まじめでしゃっちょこばっていて、黒い服を着て口ひげはくるんとカールしている。ある日風が吹いてきて、山高帽がひとつ、はるか遠くへ飛んでいった。帽子をさがす7人の前に、知らない世界が開け……」考え、笑い、また考えさせられる物語。ときどきわたしたちは知らない世界に行って、まわりの小さなこと、ふだんは気にとめないけれども、日々必要なささいなことを、もっと大切にすることを学ぶべきなのだろう。アレックス・ノゲスの文章とシルビア・カベスタニーの絵が、しゃっちょこばっていつも黒い服を着ている、くるんとしたひげの7人の男たちの日々へとわたしたちをいざなう。