これは姉弟の物語。弟、ロロ、16歳。姉、レナ、クラックとヘロインに溺れている。レナが家を出て1年が過ぎた。ある日、ロロはマドリードのバラハス空港で姉を見つける。彼女はそこで、つまらぬ盗みを重ねながら金を稼いでいた。ロロは自分と一緒に家に戻るようレナを説得しようと、レナが麻薬を買うスラム街についていく。レナはそこに住んでいるらしい。しかし夜が更け、ロロは地獄のような様相をみせる混乱した現実に直面する。レナに置いてきぼりにされたロロは、どうしてよいやらわからないまま、やくざ者たちのグループ抗争のまっただ中にひとり取り残されてしまう。レナはロロの命が危険だと察知するやいなや、彼を探しに飛び出してゆく。一刻の猶予もないまま、互いに互いを見つけようとする姉弟。本作は、家族の意味を問い、正常と破局を分ける紙一重の境界線、愛が必ず残す一条の光について語る。