MB Agencia Literaria
エメベ著作権事務所
エージェント
CIF
B61456125
所在地
Ronda de Sant Pere, 62. 08010. Barcelona (España)
文芸と視聴覚ソフトの制作、その販促活動と国内外の流通経路の開拓を行う会社。
1950年代のメリリャ。モロッコ独立の前にスペイン人は故国に戻らなければならない。北アフリカのヘブライ人たちは最近創られたイスラエルに定住して、出エジプト以来の大移動に終止符を打とうとしている。このような不確実な状況下、ある中年夫婦が自分たちとふたりの娘の将来を案じている。夫のサムエルは15世紀末にイベリア半島を追われたユダヤ人の末裔。妻のメルセデスはカトリック教徒。1980年代まで続くこの物語で作者は、家族の葛藤、秘密の価値、過去の存続に分け入る。本書『名声』は、相続についての作品である。まずは厳密な意味での相続だ。というのも登場人物たちの人生は、ある遺書で決まってくるからだ。しかしまた広い意味での相続でもある。彼ら全員の運命は、彼らに先立つ弁証法に記されており、妥協点を見つけるのは容易ではない。
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文学
名声
La buena reputación
イグナシオ‧マルティネス‧デ‧ピソン
Ignacio Martínez de Pisón
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王子なのか詐欺師なのか? メキシコのアステカ族の王モクテスマの最後の子孫の奇想天外な物語。16世紀にモクテスマの娘のひとりがスペイン人貴族に拉致され、ピレネー山中の人里離れた村に連れていかれた。そこで男児を生んだことが、21世紀まで続く狂気の血統の始まりとなる。この話に魅せられた語り手は、アステカ王女と息子の子孫である、バルセロナ上流階級の男、キコ・グラウのとても本当とは思えない実話を発見する。妄想とペテン、さらに自分の血統がもたらす歴史的責任のはざまでキコ・グラウは皇太子を名乗り、貴族の称号を欲しがるうぬぼれ成金たちをペテンにかけていた。最後にグラウはスペインから逃亡し、メキシコの密林にある怪しげな村に隠遁する。そこの住人達だけが、彼とスペイン征服前の王族との結びつきを認めるのだった。
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文学
王子だった私
Ese príncipe que fui
ジョルデイ‧ソレル
Jordi Soler
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あるスペイン人営業マンが、東欧各国にある自社の拠点に出張の旅に出る。そこは彼が激動の80年代を過ごした地だ。冷戦時代の世界秩序が崩れ去り、資本主義へ移行する中、彼はプラハ、ブカレスト、ソフィアを再び訪れ、彼の人生に大きく係わった人々との再会を果たすが、歴史的出来事や時の流れが彼らの生き方や価値観、活動に及ぼした変化を見て愕然とする。最後に訪れたプラハで、協力者のカミラと再会するが、彼女が忽然と姿を消したことをきっかけに驚くべき旅が始まる。カミラを探し回るうちに次々と昔の知人と出会い、当時共に過ごした人々がいったい何者だったのか、彼らは何を隠していたのかを知ることになる。
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文学
幸せはすぐそこに
Pronto seremos felices
イグナシオ‧ビダル-フ>ルチ
Ignacio Vidal-Folch
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亡くなった父親を埋葬するためにダニエルは特別な車で生まれ故郷へ向かう。その車とは霊柩車。運転手はコメディアンさながら、一風変わったおしゃべりなエクアドル人だ。ダニ・モスカとは果たしてどういう人物なのか。彼自身が言うように単にロマンチックな歌を作るだけの男なのかもしれない。しかし貧しい地域で育った子供であることも間違いない。そして人生に往々にしてあるように、ひょんなことから深い絆で結ばれる友と出会う。音楽を生業として旅を重ね人生を謳歌した。それも束の間、放埓行為の古典的3点セット(セックス、ドラッグ、ロックンロール)のせいで親友たちと結成したグループは解散してしまう。危なっかしい不安定な人生を送りながらも願望と現実の狭間で何とか耐えていた。
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文学
草原の地
Tierra de campos
ダビド‧トゥルエバ
David Trueba
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これは幽霊の話だ。帰還に始まり、咆哮とともに終わる⼩説。Les possesions (憑依)の語り⼿は、バルセロナからパルマに旅し、⽗親の偏執的な陰謀のスパイラルにブレーキをかけようとする。⽗親は退職と同時に穏やかな学校教師から⼀転、都市犯罪疑惑に対して法廷闘争を始めた。居⼼地の悪い週末、突然見知らぬ人間へと変貌した⽗親との会話、何事もないかのように振る舞う⺟親、そして古い恋⼈でよき助⾔者だった男。これらの出会いが古い傷を再び開き、主人公の記憶は忌まわしい家族の歴史、1993年にマドリードで起きた不吉な事件のただなかへと舞い戻る。その事件とは、祖⽗の元共同経営者ベニト・バスコンセロスが増額投資法に関わって破産に瀕し、妻と息⼦を殺した後⾃殺したというものだ。
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文学
憑依
Les possessions
リュシア‧ラミス
Llucia Ramis
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これは姉弟の物語。弟、ロロ、16歳。姉、レナ、クラックとヘロインに溺れている。レナが家を出て1年が過ぎた。ある日、ロロはマドリードのバラハス空港で姉を見つける。彼女はそこで、つまらぬ盗みを重ねながら金を稼いでいた。ロロは自分と一緒に家に戻るようレナを説得しようと、レナが麻薬を買うスラム街についていく。レナはそこに住んでいるらしい。しかし夜が更け、ロロは地獄のような様相をみせる混乱した現実に直面する。レナに置いてきぼりにされたロロは、どうしてよいやらわからないまま、やくざ者たちのグループ抗争のまっただ中にひとり取り残されてしまう。レナはロロの命が危険だと察知するやいなや、彼を探しに飛び出してゆく。一刻の猶予もないまま、互いに互いを見つけようとする姉弟。本作は、家族の意味を問い、正常と破局を分ける紙一重の境界線、愛が必ず残す一条の光について語る。
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