亡くなった父親を埋葬するためにダニエルは特別な車で生まれ故郷へ向かう。その車とは霊柩車。運転手はコメディアンさながら、一風変わったおしゃべりなエクアドル人だ。ダニ・モスカとは果たしてどういう人物なのか。彼自身が言うように単にロマンチックな歌を作るだけの男なのかもしれない。しかし貧しい地域で育った子供であることも間違いない。そして人生に往々にしてあるように、ひょんなことから深い絆で結ばれる友と出会う。音楽を生業として旅を重ね人生を謳歌した。それも束の間、放埓行為の古典的3点セット(セックス、ドラッグ、ロックンロール)のせいで親友たちと結成したグループは解散してしまう。危なっかしい不安定な人生を送りながらも願望と現実の狭間で何とか耐えていた。