2011年第13回デスニベル文学賞受賞作。ジョンはバスク人の料理人で短気な登山家でもある。家族に大問題が生じたあと逃げ出してチベットに行く。古地図好きなチベットの僧ドルジェは1717年にフランスのイエズス会士が作成した、奇妙な注釈つきの地図を見つける。カルロタはずっと人生から逃げてきた、キューバ生まれのはちゃめちゃな地図作成者。サムはいつもギリギリのところで生きようとする米国生まれの登山家でガイド。本書はこうした人々の物語である。それぞれ人生から逃がれてやってきたヒマラヤのど真ん中で、不運な冒険に巻き込まれる。冒険と山、ミステリーと迷信、愛や友情を描いた本物の小説。山と仏教の伝統によって、主人公たちは苦境に追い込まれる。