34歳の女性マメンの人生の転変を綴った小説。マメンは過去の辛い体験から、人里離れたところで孤独に生きてきたが、地中海沿岸のとある灯台に住む少女と数日間を共にした後、彼女を雁字搦めにしていた蜘蛛の糸が少しずつほどけていく。何もかも、人さえも見た目どおりではないこの地。海、空、タコ、灯台、そしてその灯台に住む人々も。象徴性とユーモアに溢れた物語だが、文章は非常にシンプルで、心地よい読後感を与える。