以前はのどかだった場所にミストラル社が設置を始めた風力発電の近代的な風車。その翼で首を吊った女性の死体が発見される。それは同社のエンジニア、エステルだった。殺人それとも自殺? リカルド・クピード刑事は依頼を受けて捜査に乗り出すが、たどりついたのは夢にも思わない場所だった。風力発電所は争いの種だった。多くの住民はここぞとばかり土地を売却したが、環境保護に熱心な夫婦は売却を拒否するばかりか、この事業を台無しにしてやると脅す。発電所では次々と嫌がらせや襲撃が起こる。しかも会社の幹部の間でさえ見解は統一されていない。一方、後任のエンジニア、センダからエステルの抱えていた愛情のもつれや仕事上のストレスなどを聞くクピード刑事は、センダに惹かれていく自分を止められない。そして、また新たな死体が出現する。