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Tusquets Editores

Tusquets Editores

トゥスケッツ‧エディトレス

出版社

CIF

A08452021

所在地

Avda. Diagonal 662-664, 7ª pl. 08034. Barcelona (España)

1969年創立のトゥスケッツは文学、エッセイ、詩、歴史書、伝記、⼀般向けの科学書を出版する。また当社か.出版するスペイン語圏作家の大半のために外国向け代理業務も⾏っている。

葬儀業を営むロレンテ一家は、代々まともだと感じさせない強迫観念的な固定観念を受け継いでいるようだ。生き埋めにされる恐怖は、祖父の化粧品で増すばかりだ。父親のマティアスは、葬儀屋に持ち込まれた美しい女性の遺体に密かに惹かれずにはいられない。そして孫のトリスタンはちょっとしたフェティシズム気質だ。映画発祥の地ハリウッドの美人女優を彷彿とさせるグレースと恋に落ちたトリスタンは、生きる気力も幸福感もない、普通とはかけ離れた人々に囲まれていることに気づく。私は心配だ。たとえ抑えきれない衝動があったとしても、思いがけない恋に出会うだけで、人は生き生きとし、活力を得ると同時に心配になる。独創的なユーモア作家ベルジュの魅力を再確認させる、鋭く、ウィットに富み、痛快な作品である。

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文学

生きる気力

Ganas de vivir

ホアキン‧ベルヘス

Joaquín Berges
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近未来のスペイン。市民運動「直ぐに解決!」という名の新しい政党が選挙で大勝した。この政党を影で支配しているのは成功を収めている起業家で、国を企業と同様に運営するというのが持論である。多額の投資と想定される脅威に対する様々な計略を駆使し、新しい監視体制を敷いたりインターネットへのアクセスを制限したりする。その一方で、非難や抗議を隠ぺいするために購買と消費の自由を促進した。すべてが良い方向に進んでいると見られる新体制だが、実は臆面もない権力者たちの職権乱用に他ならず、それに気付いたのは普通の男女からなるひとつのグループだけだった。彼らは新体制の嘘を暴くことに奔走する。偉大な小説家の遺作となるこの作品は架空の政治問題を力強く描いた群像劇で、またしても読者に感動を与え、良心を揺さぶる。

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文学

すべてが改善される

Todo va a mejorar

アルムデナ‧グランデス

Almudena Grandes
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かつて義理の兄妹だったルベンとアマリアは、巨大マンションのエントランスでばったり会い、ずっと前から自分たちが同じ建物に住んでいたこと、どちらも自分が人生の主役と感じたことがないことを発見する。自分が傷つき、人を傷つけるのをおそれて、どちらも人が願うままに生きてきた。拒絶されるのを絶えず恐れながら、家族の枠に自分を当てはめようとしてきたルベンと、子どものころから姉妹とはりあってきた、利己主義で嘘つきのアマリア。まずは別れ、その後一緒になり、ふたりは自分たちの記憶をきちんと並べて、それまでの自分たちの人生に意味を与えようとする。本書『脇役』は、『Diario del asco(吐き気の日記)』では目立たず、ルベンの兄弟であり、アマリアの元夫であるマテオの言葉からしかわからなかったふたりの登場人物に声を与える。

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文学

脇役

Los secundarios

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マドリードの重要な病院の救急医であるサンティアゴは、新型コロナの第一波によるストレスに満ちた毎日の後、久しぶりにゆっくり休暇を楽しもうと、妻と息子とともにエストレマドゥーラの小さな町ブレダに旅行に出る。そこは20数年前、彼が医師として初めて仕事をした町だった。だが、数日後、彼は死体となって見つかり、残された妻は、その死の捜査をベテランの探偵クピドに頼む。最後に引き受けた事件(若い妊婦が死んだ交通事故)を解決できずスランプにあったクピドは、その捜査に深くのめりこんでいく。殺人の理由は現在にあるのか、それとも過去にあり、それが戻ってこようとしているのか。謎が行き交い、思いがけない展開をとげる筋立ての小説で、フエンテスは自分の内なる土地に戻る。

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文学

空を見ている犬たち

Perros mirando al cielo

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ある若い女性は、妊娠を確認し、喜びに満ちあふれている。赤ん坊のために家をどうアレンジするか、名前をどうするか、子どもとどんなふうに暮らそうかと、パートナーとともにあれこれと計画を立て始める。だがある朝、通勤途中で小さな事件が起きる。近道をしようと公園を通り抜けているとき、飼い主がとめきれなかった数匹の犬に襲われ、彼女は倒される。病院で胎児に影響はないことがわかるが、ひとりのベテラン医師が、事前に検知されるべきだったあやしい影がエコーに映っているのに気づく。堕胎という不可避のテーマを扱った衝撃作。才能豊かな若い女性作家が、さまざまな語りを巧みに駆使し、感傷に陥ることなく読者の心を動かし考察させ、特に若い世代の、現代スペインの社会状況を間接的に描きだす。

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文学

小さな薪

Leña menuda

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『Lluvia fina(霧雨)』の成功後、ランデロは自身の独特な人生の記憶と読書をたどり、この忘れがたい作品を書き上げた。エストレマドゥーラの村里での子供時代、マドリードにやってきたばかりの少年時代、働き始めた青年時代を、当時の物語や舞台背景とともに、現実世界と同じ情熱や貪欲さでもって見事に紡ぎあげている。ここに顔をのぞかせる現代の登場人物は、往時の人々のように、真実に満ちている。たとえば語り手の祖母のような家族を養っていた大変な働き者の女性たちや、寡黙だが、突然驚くような秘密を暴露する男たち。作者はこれらの人物を『ユリシーズ』や、カフカやスタンダールの作品の登場人物に置き換え、ユーモアと詩情、回想と魅力の比類なき融合のなかで、執筆と創作に関する輝かしい考察を行っている。

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文学

エメルソンの畑

El huerto de Emerson

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