Eugenio Fuentes
エウjニオ‧フエンテス
1958年カセレス県モンテエルモソ出身。私立探偵リカルド‧クピドが事件に挑む小説で成功し、スペインの推理小説作家としての地位を確立した。『El interior del bosque(森の中)』、『La sangre de los ángeles(天使の血)』、『Las manos del pianista(ピアニストの手)』、『Cuerpo a cuerpo(格闘)』、『Contrarreloj(タイムトライアル)』、
『Mistralia(ミストラリアー風力発電所の謎)』(当サイト2015年紹介作品 http://www.newspanishbooks.jp/book-jp/mistralia)、『Piedras negras(黒い石)』など、作品はスペインの大都市から離れた場所を舞台とし、推理小説としての筋と登場人物の心理や社会批判が完璧なバランスで合体している。&かに小説『Venas de nieve(雪の静脈)』『Si mañana muero(私がもし明日死んだら)』、不寛容についてのエッセイ『La hoguera de los inocentes(罪なき者たちのたき火)』などの著書がある。エストレマドゥーラ創作賞、第9回カナリア紙/アルバ賞、その年の最も優れた推理小説に贈られるブリガダ21賞を受賞。
以前はのどかだった場所にミストラル社が設置を始めた風力発電の近代的な風車。その翼で首を吊った女性の死体が発見される。それは同社のエンジニア、エステルだった。殺人それとも自殺? リカルド・クピード刑事は依頼を受けて捜査に乗り出すが、たどりついたのは夢にも思わない場所だった。風力発電所は争いの種だった。多くの住民はここぞとばかり土地を売却したが、環境保護に熱心な夫婦は売却を拒否するばかりか、この事業を台無しにしてやると脅す。発電所では次々と嫌がらせや襲撃が起こる。しかも会社の幹部の間でさえ見解は統一されていない。一方、後任のエンジニア、センダからエステルの抱えていた愛情のもつれや仕事上のストレスなどを聞くクピード刑事は、センダに惹かれていく自分を止められない。そして、また新たな死体が出現する。
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文学
ミストラリア 風力発電所の謎
Mistralia
エウjニオ‧フエンテス
Eugenio Fuentes
Tusquets Editores
マドリードの重要な病院の救急医であるサンティアゴは、新型コロナの第一波によるストレスに満ちた毎日の後、久しぶりにゆっくり休暇を楽しもうと、妻と息子とともにエストレマドゥーラの小さな町ブレダに旅行に出る。そこは20数年前、彼が医師として初めて仕事をした町だった。だが、数日後、彼は死体となって見つかり、残された妻は、その死の捜査をベテランの探偵クピドに頼む。最後に引き受けた事件(若い妊婦が死んだ交通事故)を解決できずスランプにあったクピドは、その捜査に深くのめりこんでいく。殺人の理由は現在にあるのか、それとも過去にあり、それが戻ってこようとしているのか。謎が行き交い、思いがけない展開をとげる筋立ての小説で、フエンテスは自分の内なる土地に戻る。
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