この冒険小説の主人公は、好奇心があり、未熟だが、超自然的とも言える特異な才能を持つところがみなと違っている。また、世界の言語に無限の情熱を抱いている。19世紀半ばのペルピニャンに住む主人公は、その才能と情熱のせいで想像もしていなかった道を歩み、普仏戦争とコミューン革命のさなかのパリに行きつく。その後冒険の風にのって、はるか遠いニューカレドニアに至る。植民者と先住民のはざまで主人公は何度も試練にあう。故郷からも恋人からも遠く離れた場所で主人公は、ありとあらゆるトラブルをもたらすばかりの才能など、なんの役にたつのかと自問する。クラシックな冒険小説と文学の間を行き来しながら、稀な才能を持つカタルーニャの若者の特別な旅を語る。