人の内部にある言葉や声と同じだけお話は存在し、自然のなかで生まれる色や音と同じだけの詩がある。それなら、お話のなかに詩が入りこんだらどうなるだろう。その瞬間に伝説がとびだす。この絵本の中できみも物語を見つけよう。抒情性と魔法がすべてをつつみ、イラストレーション一点一点に体現されたデリケートでやさしい雰囲気のなかに、感動につながるリズムと、体をゆすぶる音楽性がある物語を。始まりから終わりまで魔法があり、詩の鼓動とお話(この物語のふたりの主人公)が、手をとりあって私たちの心や感情をかけめぐる。世界を動かす原動力である愛を語った本。愛を形にしたキスは、単に唇をあわせることではなく、そこから伝説がしるされる限りない抱擁だ。