1965年夏、カロリーナと勇者たちはマドリードとバルセロナでビートルズの前座として歌った。国じゅうが彼らの歌を知っていた。世界のほかの国々も、もうすぐ彼らに夢中になるはずだった。しかし、1966年、彼らは表舞台から姿を消した。その後の消息を知る人は誰もいない。これは1963年のある夜ベニカシムで知り合い、自分たちの夢を守ろうとした少年と少女の物語だ。そして何よりもお互いを思い合い、ともに不可能なことを可能にしようとした友人グループの物語でもある。彼らは、それがたとえ破滅を意味しようとも、希望をもって正義のために戦った。さらにこれは、のちに家族の真実を見つけ出そうと決意した少女の、そしてそのために生き、呼吸し、愛するだけの価値のある思想が存在することを記録しようとするジャーナリストの物語でもある。なぜなら現在を理解するための唯一の方法はおそらく、自分たちの過去を取り戻すことなのだから。