セサルとマラは経営学部の学生カップルで、卒業を間近に控えている。ふたりは街で暴漢に襲われるが、見知らぬ男、ミケルが現れて事なきを得る。ミケルは、芸術学部の学生で、どのようにして襲ってきた男たちに警察が来たと思いこませ、彼らを追い払ったのかの顛末を説明する。数日後、セサルは事件を振り返り、芸術に関するミケルの持論は、マーケティングに応用したらとても役に立つのではないかと考える。ふさわしい舞台と雰囲気を創れば、人々の決断を左右できる。そしてそれこそが、ものを売る者がやるべきことだ。売り手に都合のいいものを人々に見せるのだ。経済を勉強したセサルとマラの知識を、ミケルのような芸術家の創造力・テクニックと補い合えば完璧だ。3人はFAR株式会社を立ち上げて活動を始めるが、彼らへの依頼や注文は、困難と危険に満ちたものだった。 ※ タイトルになっている会社の名前FAR S.A. は、FARSA(道化芝居、茶番)を暗示。