あるところに、妖精やドラゴンや騎士、ファンタジーに出てくるありとあらゆるものがいるファンタジーの国があった。また、ある道を行くとたどりつける大きな町もあった。その道に「太った鬼」という宿屋があり、ラトン(ねずみ)という若者が働いていた。ある日ラトンはあやまって、悪い魔法使いカルデラウスの魔力を受け取ってしまう。どう使えばよいかわからない魔力……。魔法使いはあらゆる手を使って取り戻そうとし、とんでもない旅が始まる。その旅でラトンは、とっぴな人たちに出会い、ユーモアにあふれるわくわくする冒険をする。暗示的ファンタジーの世界で展開するハラハラドキドキのストーリー。ファンタジーの名手が、ユーモアにも踏みこむ。