テレビの司会者ミネルバ・ピケロのデビュー作。コラは、生涯で一番愛した恋人との思いがけない別れのあとに陥った暗闇から抜け出し、心機一転を図ろうとしていた。セックスが、新しいアイデンティティに向けてのイニシエーションの儀式になるだろう。体験し、出会いなおし、許すという未知の世界。一方、バレンティナは暗い秘密とトラウマの過去から逃れて、スペインにやってくる。世界の中に自分の場所を見つけるために生まれ変わりたいと感じていた。トランスセクシュアルの若い外国人女性が生きていくのは簡単ではない。本作のふたりの主人公は、とても異質でかけ離れた世界に生きていたが、それぞれにとって運命の別れ目となる瞬間に出会う。それは裏切りと復讐を過去に置き去り、自分を知る道に歩みだすべきときだった。出会った状況が、ふたりの間に深い友情と、自由な女に生まれかわった事を理解するために必要な力が育つのを助ける。