本書『Luna 174(ルナ174)』はファンタジーとSFの中間的な小説で、オリジナリティーと驚きに満ちている。しかし何より、空間と生死を超越する愛の物語だと言える。ルナ・ハットンは20歳、オーストラリアの片田舎に暮らす。平凡な毎日だが、ルナには幼い頃から持っている特異な才能があった。他人の魂の色を見分けられるのだ。周囲にいる大半の人の魂は灰色で、善悪の中間にある色だ。しかし、ひとりだけ白い魂を持つ女の子がいた。彼女には何かひかれるものがあり、彼女の家の屋根の上には星々が輝いていた。彼女の名前は、ガイア・ホイーラー。ルナは自分の秘密を誰かに打ち明けたことはない。が、ある日、彼女の秘密を知っていると思われる会社から、ある申し出を受ける。