コロラド州のシルバービルで銀採掘の夢を一撃で葬り去る復讐劇が幕を開けようとしていた。1872年にグレース・マロリーが夫の実家の古い邸宅に住み始めるや否や、彼女は村中の噂の的になった。「大きな空き家にご婦人がひとりで住むなんて」、「夫の銀採掘会社の跡取りのジョンはなぜ一緒じゃないの?」。 ルビー・ローレンスは女性であるがために軽視されることを嫌というほど知っている。だから、グレースに対する彼女の不信感を誰も真剣に受け止めないことにも驚かなかった。だが、少なくともルビーの親族は彼女の意見を聞くべきだった…なぜなら、ジョンの父親を殺害したのは彼らだったからだ。 シルバービルの平和が失われていくなか、グレースとルビーは複雑に入り組んだ策略に関係してゆく。その企みではどんな捨て駒にも意味がある。そして残るのはただひとつの確信。世界は舞台であり男も女も単に演者にしか過ぎない。