本書は、従来のドラゴンとおひめさまの物語とは少し違う。主人公のおひめさまは、なんとふたつの城に住んでいる。ひとつ目の城では、母親と義理の父とたくさんの家族と一緒に住み、もうひとつの城では父親と義理の母親(意地悪なまま母とは似ても似つかない)と住んでいる。ふたつの城の間を毎週自転車で行き来するのだが、仕事をリタイアしたドラゴンが耕す小さな野菜畑を自分が走っているとはおひめさまは気づいていなかった。畑のトマトがほとんど育たないのはおひめさまのせいだと気づいて、ドラゴンがおひめさまをつかまえてしまった(おひめさまはドラゴンの家の屋根の上で退屈で死にそうになっていた!)。おひめさまを救うには、サンティとジョルディ(おひめさまの父親と義理の父親)が力を合わせるしかない。ふたりの父親は、おひめさまが畑仕事を手伝うと、ドラゴンに約束する。