よい妖精がついに死に絶える世界を描いた、アクションと冒険に溢れるファンタジー小説。鏡の王都とは、テラリンデ王国の首都であり中心地。この国の妖精たちは、人間が存在するとは思っていない。この古都は「眠れる女王戦争」の間、決定的な役割を果たした。数年前のその血みどろの戦争によって、王国には危うい平和と数々の恨み、不安定な王座が残された。そんな王国で、ニカシアとドゥハルは長年権力を巡っていがみあっている。だが、ドゥハルの家庭教師で、ニカシアの軍隊仲間の女性が殺害されたとき、ふたりは犯人を見つけるため手を組まざるをえなくなる。謎の貴婦人レコレトゥネレスの長い影と、固く守られてきたニカシアの秘密につきまとわれながら、ふたりは共に捜査に乗り出す。