わたしたちは手で電球をともせるだろうか? そして触るだけで携帯電話を充電することは? 1世紀以上も前、ある並はずれた人物が、どうやったらそれが実現できるかを発見した。だがその大胆なヴィジョンは、我々の社会システムをいくらも変えなかった。21世紀真っただ中に書かれたこの小説は、ひとりの天才の人物像を下敷きにしたフィクションだ。彼は実在の人物だが、その歴史は意図的に隠されてきた。ここで語られる出来事は、実際には起こらなかったかもしれない……。あるいは現在、わたしたちが知らないうちに、起きつつあるかもしれない。本書の登場人物は、知らず知らずのうちにわたしたちの現在と未来を変えるかもしれない出来事の一部だ。愛、嫉妬、裏切り、友情、賞賛、死……。すべてをかけた人間の本質が描かれる。