『わがシッドの歌』は作者不詳。カスティーリャの騎士、勇者ロドリゴ・ディアスの晩年に着想を得て英雄的功しを物語った武勲詩。ロマンス語で書かれたスペイン文学最初の長編叙述作品であり、その文体は文学的に高く評価されている。現代の大半の批評家によると、書かれたのは1200年頃。スペイン文学で唯一ほぼ完全に保存された叙事詩である。原本の最初のページと写本の中の2ページが喪失されたが、その内容はCronica de veinte reyes (20人の王の年代記)などの年代記から推察できる。このジャンルでは、『わがシッドの歌』の他に1700の詩句から成るlas Mocedades de Rodrigo(ロドリゴの青年期)(1360年頃)など4つの作品が現存している。