悪は不意に忍び寄ってくる。8月のある寒い夜、そのことをエバンス一家は身をもって経験することとなった。闇の中、娘のサラが二人組の何者かにさらわれ、姿を消したのだ。彼女は生きているのか、刑事アンへロ・モリスと法心理学者ハミレン・ラッソは力を合わせ、時をさかのぼって事件のなぞに挑む。一貫性がなさそうに見える犯罪にむきあうふたりは、犯人が残した手がかりが30年以上前の未解決の謎を指し示していることに気づく。やがてジグソーパズルのピースを合わせるように時の中に埋もれた秘密が明らかになるにつれ、恐ろしい現実が姿を現しはじめた。それは過去の亡霊が復讐を叫ぶ、苦痛に満ち荒涼とした光景だった