ペトロカリプシスという最悪の事態を回避するためには、惑わされることなく実状を理解し、一刻も早く行動すべきだと、本書は明らかにしている。そのうえで、現システムの代替となり得るエネルギーを厳しく、かつ明確に分析。新たなエネルギー源の将来的利用について、しばしば自信過剰ともなりがちなニュースとは一線を画しており、過去20年間に渡って議論されてきた偽の解決策が、なぜ機能しておらず今後もその見込みがないのか、ひとつひとつを簡潔に解説する。エネルギー移行によって生じるジレンマに、単純な解決策や近道など存在しない。エネルギー移行は、化石燃料が及ぼす環境負荷だけでなく、その将来的な枯渇という、無視されがちな観点においても必要だ。