ベロニカは10歳の時、一度も見たことのない女の子の写真を見つける。それ以来、彼女の家の中の悲しさ、言い争い、沈黙には、誰も触れたくない何かが隠されているような感覚を抱えて生きてきた。年月が過ぎ、思春期のベロニカにふりかかる母親の病気。そして盗まれた過去がベロニカをあの写真の女の子にどんどん近づけていく。
ラウラは自分の家族には何かしっくりこないものがあるといつも感じていた。暴君のような祖母と彼女のことを気にもかけない母親のもと、不安な気持ちで成長した。ある日、ラウラが働く靴屋にベロニカが入ってくる。そして、ラウラは一目で、人の人生にはその前と後をはっきりとわける決定的な瞬間があるのだと理解する。