紀行ジャーナリズム再び。21世紀の真っ只中、地球の隅々が地図に載り、計測され、写真に撮られ、詳細に説明されている。未知の大地を見出し、何かを発見するといった感覚を味わうことは最早不可能なのか。ロバート・カプランやイーヴリン・ウォー、ドミニク・ラピエール、そしてウィンストン・チャーチルに至る、文学ジャーナリズムの偉大なるマエストロの足跡をたどるレポーターにとっては不可能ではない。本書は読者を、あまり踏破されていないヨーロッパの果てへと誘う。忘れ去られたかのような国や国境を探しにいくのだが、そこに残された遺産は逆のことを我々に物語る。歴史の本と手帳を携え著者は再発見の旅に挑む。