世界を旅していたテオドシウスおじさんが、とても変わった標本を持って帰ってきた。だれもが絶滅したと信じていた、ドードー鳥の標本だ。あいにくこの哀れな鳥には、多くの敵がいた。ジェームズ・モリアーティの父親が探検家のおじさんの帰還を祝って開いた盛大な歓迎パーティの招待客の数くらい。ジェームズ・モリアーティは活発でもなければ、世界一やさしくもない子どもかもしれないが、なにかに打ち込み始めると、なにがあっても立ち止まらない。ドードー鳥、ダーウィン、秘密を抱えた女性家庭教師、黒衣の小さな殺人者、水晶の目を持つ男爵夫人、どんなものでも食べられる美食家、アフリカの魔女、没落貴族、嘘つき女優、『不思議の国のアリス』の作者とアリス自身、そしてアフリカの巨大なカタツムリなど、様々な人や動物が登場するミステリー。