本書は思春期向けの書籍だが、全ての年齢層の読者に好まれる作品。この誠実な物語の主人公はクアシ。現代社会の良識の声ともいえる思春期目前の女の子だ。彼女が体験する波乱万丈とともに、私たちは人情、団結、自己アイデンティティの模索、人の成長について多くを学ぶ。その文章は、想像力に溢れ、メタファーや言葉遊びに満ち、それらによって読者は著者が提案する考察に優しく導かれていく。本書では全てが明るく楽観的で、価値観について教えるだけではなく、非常に楽しい体験を与えてくれる。