本書はサッカーの遺伝暗号を解読する。1863年のルール制定以降のプレー戦術の進化について解説している。例えばケンブリッジピラミッドや攻撃的セントラルミッドフィルダー、ウルグアイのリベロ、イギリスのWMフォーメーション、イタリア・メソッド、ハンガリーの4-2-4フォーメーション、スイスの閂(かんぬき)システム、アルゼンチンの3-2-5フォーメーションなど。本書は、サッカーにおいて最も複雑かつ緻密さが求められる存在である偽9番による、様々な戦術展開を紹介する。偽9番というポジションは1910年の誕生以降、様々な戦術とともに進化を遂げてきた。例えばイングランドのダイレクトプレー、スコットランドのパスサッカー、攻守の方向付け、先手を打つメンタリティーと反応する精神、ゾーンディフェンス、マンマーク、扇形やW形のライン攻撃など。全てのプレーアイデアは、サッカーの4大要素(ボール、時間、空間、欺き)を結集した偽9番の中に組み込まれている。