プレ・コロンビア美術として本書が扱うのは、メソアメリカの謎のオルメカ文明、古典期の都市テオティワカン、モンテ・アルバン遺跡のサポテカ文明、マヤ文明と都市遺跡、アンデス山脈のナスカの地上絵とティワナク遺跡、トゥーラ遺跡のトルテカ文明、チチェン・イッツア遺跡のマヤ・プウク様式から、テノチティトラン遺跡のアステカ文明、クスコとマチュピチュのインカ帝国までである。本書を読めば、コロンブスのアメリカ発見以前にアメリカ大陸の人々が培っていた文化の発展がわかり、アメリカ大陸の北から南まで、アラスカやメキシコ、ペルー、ブラジル、パタゴニアで保存されてきた先史時代の絵画を見ることができる。先古典期では、謎に満ちたオルメカ文化とその代表的な人頭像や石の祭壇、人物像、謎の神々のレリーフについて深く掘り下げている。