学校帰りに誘拐された9歳の少年の体験を綴った、辛いが感動的な物語。誘拐犯は彼を遠くに連れ去った後、金と引き換えに、子どもを授かることのできない夫婦に引き渡す。時は1960年代。今からそう遠くはないが、忘れてはならない恐ろしく恥ずべきことが起こっていた時代である。本書は、私たちだれもが幼少期に持っていた、先入観のない清らかな想像力へのオマージュでもある。