地球。人口:1人。なにがなんだかわからなかった。2019年9月1日、それは起きた。初めはみんな元気だったが、間もなく窒息死しはじめた。とてつもない沈黙が、少しずつ世界を覆っていった。この謎めいた惨事を、わたしは父さんのおかげで生き延びた。目覚めたとき、わたしは身の毛もよだつ光景のただなかにいた。おびただしい数の死体が横たわっていた。みんな死んでいた。しばらくして、実際には7人の生き残りがいるとわかり、わたしは彼らに合流した。なにが起きたのか、人類消滅の理由はなにかを調べる人もいた。だけどそういう人たちはすぐ、奇妙な死に方をした。残った者たちは生き残りをかけて闘ったが、それでも、数カ月後に亡くなった。今、この世界に住んでいるのはわたしだけ。地球上でたったひとりの人間になってしまった……。少なくとも、そう思い込んでいた。