士官学校で恐ろしい事件が発生した。ある男が殺害され、遺体はばらばらにされて隠されたり下水溝に投げ込まれたりしたのだ。容疑者とされたのは学校長でキューバ戦争の英雄、ビセンテ・アグレロ大尉。大酒飲みで賭博好きなうえ喧嘩っ早く、長女のビルトゥーデスと近親相姦の関係にあった。一方、殺害されたのは娘の恋人で、壮年の経営者だった。彼は娘やその弟らを父親の束縛から解放すると約束していた。新聞はこぞってこの事件を追いかけ、逮捕された父親と娘の仕業だと連日書き立てた。弁護士ふたりが選任され、それぞれ対立する立場から公正な裁判を求めて戦うが、頑固に罪を認めない大尉と、気まぐれなふるまいを続ける娘のせいで、弁護活動は難航する。