経済危機で窮地に追い込まれた35歳の作家が、都会を離れ、カタルーニャ南部の小さな村の実家に戻る。そこで自分の故郷を新たに発見をしつつ、自分がそこの人間であるが異邦人でもあることに気づく。地元の祭りのオープニングのスピーチを頼まれ、そこの景観や歴史と自分との関係をどのように語ればよいのかと考えこむ。タバコを吸いながら歩き、田舎と正反対の都会の生活について、ルーツの重みについて、名誉のアイロニーについて思いめぐらす。彼にとってこのような名誉など実のところ、失敗の証明にほかならないのだ。