スペイン内戦は終わった瞬間から、文学のインスピレーションの源となってきた。本書も内戦をテーマとした作品のひとつ。具体的には、エブロ川の戦い、特にラ・ファタレリャ山中の戦闘から想を得たもの。本書の特徴は、登場人物は実在の人物だが、小説風にアレンジされていること。特定の地方のことを描きながら作品世界は普遍的で、だれでも共感できる。だれひとり無関心ではいられない物語。